JP2009108438A - ポリアミドモノフィラメントの製造方法 - Google Patents

ポリアミドモノフィラメントの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】糸長手方向の繊度斑、特に節と呼ばれるモノフィラメント長手方向の繊度斑が小さく、品位に優れた紗織物を与えることができるポリアミドモノフィラメントの製造方法を提供する。
【解決手段】ポリアミド樹脂チップを溶融し、溶融紡糸用パックに供して口金吐出孔から吐出させた糸条を冷却し、十分に冷却された位置において紡糸油剤を付与した後、延伸、熱処理して巻き取ることによりポリアミドモノフィラメントを製造するに際し、ポリアミド樹脂チップとして、乾燥時の水分率が0.11〜0.15重量%、樹脂チップ粘度と糸粘度との差が0.03以下のポリアミド樹脂チップを用いるポリアミドモノフィラメントの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明はポリアミドモノフィラメントの製造方法に関するものである。さらに詳しくは、糸長手方向の繊度斑が小さく、品位に優れた紗織物を与えることができるポリアミドモノフィラメントを製造する方法に関するものである。
ポリアミドモノフィラメントを製織した紗織物は、近年、急成長を続けるエレクトロニクス分野において、プリント回路基板のスクリーン印刷用メッシュクロスをはじめ、自動車、家電などに利用される成形フィルター用途などに使用されている。
ポリアミドモノフィラメントを製織した紗織物のより具体的な用途としては、例えば、スクリーン印刷の用途では、Tシャツやのぼり旗、看板、自動販売機プレート、車のパネル、屋外・屋内サイン、ボールペン、各種カード類、ネームプレート、スクラッチ、点字、CD・DVD、プリント基板、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイなどが挙げられる。また、フィルター用途では、洗濯水中のゴミ再付着を防止するリントフィルター、エアコンの中に装着されている室内のホコリ・塵を除去するフィルター、掃除機の中にもホコリ・塵・ゴミを除去する成形フィルター、医療分野では気泡などの除去する輸血キットや人工透析回路用フィルター、自動車分野では燃料ポンプ、燃料噴射装置といった燃料の流路や、ABS、ブレーキ、トランスミッション、パワーステアリングなどが挙げられ、さらには横滑り防止装置や燃費向上・出力アップのための最新機構であるVVTといった油圧回路においても、電磁弁へのゴミや異物の混入を防止し、ろ過して清浄化するという大切な役割を果たしている。
なかでも、近年急成長を続けるエレクトロニクス分野や自動車分野では、より鮮明な印字性能や高いフィルター性能化が要求されている。そのため、スクリーン紗と呼ばれるモノフィラメントを製織した紗織物は、軽量化・薄地化が進んでおり、紗織物の品位に対する要求が上がってきていることから、繊度斑、節、ヨコヒケや糸削れ等のない品質の均一なモノフィラメントが要求されてきている。
これまで、モノフィラメントの品質改善技術としては、紡糸パック構成中の金属線フィルターと濾過材との間に、略多角形状の断面を有する金属短繊維の焼結フィルター設ける技術(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
また、ナイロン66/ナイロン6T共重合ポリマーを用いる単糸繊度8デニール以上のモノフィラメントにおいて、ポリマー水分率を調整することにより球晶の生成を抑制し、優れた寸法安定性を有し、かつ強度、均一性に優れたモノフィラメントを高い生産性で製糸する技術(例えば、特許文献2参照)も提案されている。
しかしながら、これらの従来方法によれば、モノフィラメント長手方向の繊度斑についてはある程度の改善が認められるものの、近年の高度な品質要求に対しては未だ不十分であり、特に節と呼ばれるモノフィラメント長手方向の繊度斑の問題が、依然として未解決のまま残されていた。
特開2005−256197号公報 特開昭63−59413号公報
本発明は上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
したがって、本発明の目的は、糸長手方向の繊度斑、特に節と呼ばれるモノフィラメント長手方向の繊度斑が小さく、品位に優れた紗織物を与えることができるポリアミドモノフィラメントの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明によれば、ポリアミド樹脂チップを溶融し、溶融紡糸用パックに供して口金吐出孔から吐出させた糸条を冷却し、十分に冷却された位置において紡糸油剤を付与した後、延伸、熱処理して巻き取ることによりポリアミドモノフィラメントを製造するに際し、前記ポリアミド樹脂チップとして、乾燥時の水分率が0.11〜0.15重量%、樹脂チップ粘度と糸粘度との差が0.03以下のポリアミド樹脂チップを用いることを特徴とするポリアミドモノフィラメントの製造方法が提供される。
なお、本発明のポリアミドモノフィラメントの製造方法においては、前記口金吐出孔の孔長(L)と孔直径(D)の比が2.0〜3.5であること、および前記紡糸油剤を付与した後の糸条を直ちに引取りロール(第1ゴデーロール)で引き取り、加熱された延伸ロール(第2ゴデーロール)に巻き付けて、これら第1ゴデロールと第2ゴデロールとの間で延伸し、次いで熱処理を行い巻き取ることからなる1工程法であることが、いずれも好ましい条件として挙げられる。
本発明によれば、以下に説明するとおり、糸長手方向の繊度斑、特に節と呼ばれるモノフィラメント長手方向の繊度斑が小さく、品位に優れた紗織物を与えることが可能なポリアミドモノフィラメントを得ることができる。
以下に、本発明のポリアミドモノフィラメントの製造方法について詳細に説明する。
本発明でいうポリアミドとは、いわゆる炭化水素基が主鎖にアミド結合を介して連結された高分子量体であって、好ましくは、染色性、洗濯堅牢度、機械特性に優れる点から、主としてポリカプロアミド、もしくはポリヘキサメチレンアジパミドからなるポリアミドである。ここでいう主としてとは、ポリカプロアミドではポリカプロアミドを構成するε−カプロラクタム単位とし、ポリヘキサメチレンアジパミドではポリヘキサメチレンアジパミドを構成するヘキサメチレンジアンモニウムアジペート単位として、それぞれ80モル%以上であることをいい、さらに好ましくは90モル%以上である。その他の成分としては、特に制限されないが、例えば、ポリドデカノアミド、ポリヘキサメチレンアゼラミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリヘキサメチレンドデカノアミド、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリヘキサメチレンテレフタラミド、ポリヘキサメチレンイソフタラミド等を構成するモノマーである、アミノカルボン酸、ジカルボン酸、ジアミンなどの単位が挙げられる。
本発明でいうポリアミドの重合度は、ポリアミド樹脂あるいはその加工品(糸)の要求特性またはそれらを安定して得るために、適当な範囲より適宜選択して良いが、好ましくは98%硫酸相対粘度で2.0〜3.3の範囲であり、さらに好ましくは2.4〜3.3の範囲が好ましい。相対粘度が2.0以下の場合、紗織物で要求される強度を得ることができず、また、相対粘度が3.3を超えると製糸性が悪化することがある。
本発明のポリアミドモノフィラメントの製造方法においては、溶融紡糸に使用するポリアミド樹脂チップの乾燥時の水分率が0.11〜0.15%、好ましくは0.13〜0.14重量%、チップ粘度と糸粘度の差が0.03以下であることが必要であり、かかる範囲とすることにより、ポリアミドモノフィラメントに発生していた節を低減することができる。ここでいう節とは、モノフィラメント長手方向の繊度斑であり、一般的な繊度斑と異なり、例えばモノフィラメント直径が正常部に対し1.2倍以上の太い繊度斑のことをいう。ポリアミドモノフィラメントに発生していた節の原因としては、ポリアミド溶融ポリマーの粘度バラツキにより熱変性したゲル化ポリマーが発生し、ポリマーが完全に溶融されずに口金孔からゲル化物が混入した糸条が吐出されることや、口金孔から吐出される糸条の脈動によることが考えられる。
ポリアミドモノフィラメントにおいて、ポリアミド樹脂チップの乾燥時の水分率が0.15%を超える場合は、強度が著しく低下し、また、溶融ポリマーの粘度の斑が発生する。なぜなら、水の影響によってポリアミド溶融ポリマーの分解が進み、ポリアミド樹脂のポリマー粘度が低下し、得られる糸の粘度のバラツキが大きくなり、強度も低下する。また、ポリアミド樹脂のチップ乾燥時の水分率が0.11%より小さい場合は、溶融紡糸パック内でゲルが生成し、溶融ポリマーの粘度上昇が起こる。
本発明のポリアミドモノフィラメントの製造方法においては、ポリアミド樹脂のチップ粘度と糸粘度の差が0.03以下であることが必要である。この差が0.03を超えると、溶融紡糸パック内の異常滞留が発生し、節糸の原因となるばかりか製糸中の糸切れ増加の原因ともなる。ポリアミド樹脂チップの粘度と糸粘度の差は0とすることが理想であるが、製造時にポリアミド溶融ポリマーが配管を通過する課程で重合が進行し、ポリアミド溶融ポリマーの粘度上昇が起こるため、ポリアミド樹脂チップ粘度と糸粘度の差を0とすることは極めて難しい。したがって、ポリアミド樹脂のチップ粘度と糸粘度の差は0.01〜0.03の範囲にあれば、本発明が目的とする効果を得ることが可能である。
かかる範囲(ポリアミド樹脂チップ乾燥時の水分率が0.11〜0.15%、ポリアミド樹脂チップ粘度と糸粘度の差が0.03以下)とするためのポリアミド樹脂チップの乾燥方法は、特に限定はしないが、一例を示すと、バッチ重合にて得られたポリアミド樹脂チップを1.3kPa以下の減圧下で、バッチ方式で加熱する方法、あるいは、ポリアミド樹脂チップと加熱された窒素とを連続的に接触させる方法などが挙げられる。ポリアミド樹脂チップを大量生産する場合は、連続運転が可能な後者が有利であり、少量多品種生産をする場合は前者が有利である。通常の場合、乾燥はポリアミド樹脂チップの融点以下の温度である100〜120℃において、10〜20hr程度保持することにより、水分率が0.11〜0.15重量%となるまで行う。
本発明のポリアミドモノフィラメントの製造方法において、ポリアミドモノフィラメントに発生していた節の原因として、口金吐出孔から吐出される糸条の脈動によることが考えられる。したがって、口金吐出孔からの糸条の脈動(口金吐出孔から吐出されるポリマー量が不安定である状態)を制御するため、口金吐出孔の孔長(L)と孔直径(D)の比(以下L/Dと称す)が2.0〜3.5、特に2.5〜3.0であることが好ましい。L/Dが3.5を超えた場合には、口金背面圧が高くなるため溶融紡糸パック内の圧力が上昇し、長時間にわたって紡糸することが困難となる。L/Dが2.0未満の場合は、口金背面圧が低くなり溶融ポリマーの計量性が低下し、口金孔からの糸条の脈動が発生する。
本発明のポリアミドモノフィラメントの製造方法において、その製造プロセスは公知の技術でよい。溶融紡糸による製造方法について、紡糸−延伸工程を連続して行う方法(直接紡糸延伸法)、未延伸糸を一旦巻き取った後に延伸する方法(2工程法)、あるいは紡糸速度を4000m/min以上のように高速として実質的に延伸工程を省略する方法(高速紡糸法)等、いずれの方法においても製造可能であるが、生産性の面からは、高速直接延伸法、高速紡糸法の一工程法が好ましい。
次に、本発明のポリアミドモノフィラメントの製造方法を一工程法で実施する場合の一例について、図1の工程概略図にしたがって説明する。
すなわち、まず図示していない押出機内で溶融したポリアミド樹脂を、溶融紡糸口金パック1に供し、吐出孔を円周状に2孔配列した丸孔の紡糸口金2より紡出糸条Yを吐出する。次に、一方向から吹き付ける風のユニフロー形式のチムニー3により糸条Yを冷却し、2フィラメントの糸条を1糸条ずつに分けて、給油ガイド4で給油を行った後、第1ゴデーローラー5と、第2ゴデーローラー6とで一旦巻き取ることなく延伸し、さらに第3ゴデーローラー7と第4ゴデーローラー8間で熱処理を行い、ドラム状パッケージとして巻き取り装置9に巻き取る。
ポリアミド樹脂チップを溶融し吐出するに際しての溶融紡糸温度は、ポリアミド樹脂の融点を超える温度、すなわち融点プラス40〜90℃で溶融することが好ましい。融点プラス40℃未満の場合は、ポリアミド溶融ポリマーの溶融斑、溶融ポリマー粘度バラツキが発生し溶融パック内での異常滞留の原因となる。また、融点プラス90℃を超える場合は、熱変性したゲル化ポリマーが発生し、ポリマーが完全に溶融されずに口金孔からゲル化物が混入した糸条が吐出され、糸粘度の斑や強度低下の原因となる。
また、溶融紡糸用パックは、特に限定するものではないが、特開2005−256197号公報記載の構成(紡糸パック構成中に金属線フィルターと濾過材との間に略多角形状の断面を有する金属短繊維の焼結フィルター設ける)と、口金吐出孔部L/Dが2.5〜3.0である口金を含む溶融紡糸用パックであることが好ましい。
口金吐出孔から吐出させた糸条の冷却方法は、冷却風9〜11℃において、糸温度40℃以下になるまで冷却することが好ましい。ポリアミドモノフィラメントの冷却は、糸直径が太い程冷却が遅くなるため、糸温度40℃以下とするために、冷却ゾーンは任意に調整してもよい。
糸条給油方法は、糸条を十分に冷却された位置において、紡糸油剤を公知の給油装置により給油する。このとき、ポリアミドモノフィラメントへの油剤付着量が0.4〜1.5%となるように給油することが好ましい。
延伸方法は、引取りロール(第1ゴデロール)で引き取った後、加熱された延伸ロール(第2ゴデロール)に巻き付けて第1ゴデロールと第2ゴデロールとの間で延伸し、熱処理を行う。このとき、延伸倍率は、2.5〜5.5倍とすることが製糸性の点から好ましい。2.5倍未満の場合は、繊維の変形が大きすぎ延伸が不均一になりやすく、繊度斑が大きくなる。5.5倍を越えると、ドラム状パッケージに巻き取ったときの巻き締まりが発生する。さらに好ましくは3.5〜5.0である。
熱固定温度は、150〜200℃とすることが好ましい。150℃未満の場合は、沸騰水収縮率が大きくなり、紗織物とした時の寸法安定性が悪くなるため好ましくない。200℃を越える場合は、加熱された延伸ロールの汚れにより製糸性が悪化するため好ましくない。
巻き取り方法は、公知の巻き取り機で1500〜3500m/分で巻き取ることが好ましい。1500m/min未満の場合は、ポリマー吐出量が少なくなり、吐出斑による繊度斑が発生するため好ましくない。3000m/minを越えると、ポリマー吐出量が多くなり、冷却不足による強伸度低下が起こるため好ましくない。
また、糸条の巻き姿は、チーズ状パッケージとすることが好ましく、巻き量は、0.5〜1.5kgであることが好ましい。
本発明のポリアミドモノフィラメント製造方法により得られたポリアミドモノフィラメントは、糸長手方向の繊度斑、特に節と呼ばれるモノフィラメント長手方向の繊度斑が小さく、品位に優れた紗織物を与えることが可能であることから、中でも近年急成長を続けるエレクトロニクス分野や自動車分野で、より鮮明な印字性能や高いフィルター性能化したスクリーン紗として使用される。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明する。なお、実施例中の特性値の判定は、次のとおりに行った。
A.98%硫酸相対粘度(チップ粘度、糸粘度)
(a)試料を秤量し、98重量%濃硫酸に試料濃度(C)が1g/100mlとなるように溶解する。
(b)(a)項の溶液をオストワルド粘度計にて25℃での落下秒数(T1)を測定する。
(c)試料を溶解していない98重量%濃硫酸の25℃での落下秒数(T2)を(2)項と同様に測定する。
(d)試料の98%硫酸相対粘度(ηr)を下式により算出する。測定温度は25℃とする。
(ηr)=(T1/T2)+{1.891×(1.000−C)}。
B.節
ベテラン検査員による生機調査を実施して、欠点数および欠点の程度によって判定を行うこととし、織物1反あたり、4箇所以上の欠点があった場合C反とする。また、欠点数が4箇所未満であっても、欠点の程度がひどい場合はC反とする。C反以外を○、C反を×として評価した。
C.繊度
試料を枠周1.125mの検尺機にて27デシテックス以下の品種は400回巻、28デシテックス以上の品種は200回巻カセを作成し、熱風乾燥機にて乾燥後(105±2℃×60分)天秤にてカセ重量を量り公定水分率を乗じた値から繊度を算出した。
D.強度
JIS L 1013(1992)7.5引張強さ及び伸び率 標準時試験に準じて測定を行った。定速緊張形試験機を用い、測定にはオリエンテック社製のテンシロンを用いた。測定条件としては、つかみ間隔50cm、引張速度50cm/分の条件で測定し、引張最高強力を求め、それを繊度で割った値を強度とした。強度6.0以上を合格とした。
E.チップ水分率
試料を微量水分計(松井製作所製アクアハンターAQ−30微量水分測定機)に投入し、230℃、30分の条件にて水分を気化させ水分値を読みとり求めた。
F.油剤付着量
(a)原糸サンプル重量(S)10gをn−ヘキサン70mlに浸漬、撹拌(20℃、5分間)して油剤を抽出する。
(b)再度、同じサンプルをn−ヘキサン70mlに浸漬、撹拌(20℃、5分間)して油剤を抽出する。
(c)上記a,bにて抽出したn−ヘキサンを予め、乾燥させて重量(W0)を測定したフラスコに移し、n−ヘキサンを100℃にて飛ばす。
(d)さらに真空乾燥機(40℃、10torr以下、1時間)にて乾燥させる。
(e)乾燥剤の入ったデシケーター内で放冷した後、フラスコの重量(W1)を測定する。
(f)下記式より油剤付着量を求める。
油剤付着量(%)=(W1−W0)/S×100
[実施例1]
ポリアミドとして98%硫酸相対粘度が2.8のナイロン66チップを、6tスケールの回転式真空乾燥器を用い、真空度5torr、温度105℃となるようにナイロン66と窒素とを連続的に乾燥させ、チップ水分0.13%となったのを確認したのち冷却処理を行い取り出しを行った。
図1に示す装置を用い、上記で得られたチップを292℃で溶融し、特開2005−256197号公報記載の構成の紡糸パック構成中に、金属線フィルターと濾過材との間に略多角形状の断面を有する金属短繊維の焼結フィルター設けた溶融紡糸口金パック1に供し、口金孔径(D)φ0.5mm、孔長(L)1.25mmの吐出孔を円周状に2孔配列した丸孔の紡糸口金2より紡出糸条Yを吐出し、口金下流側面に設けた加熱手段(図示せず)により加熱された加熱気体流路(図示せず)から、口金へ水蒸気を130℃、口金面積1cmあたり150ミリグラム/分の量で供給した後、一方方向から吹き付ける風のユニフロー形式のチムニー3により糸条を冷却し、2フィラメントの糸条を1糸条ずつに分けて、給油ガイド4で給油(油剤付着量0.6%)を行った後、第1、2ゴデーローラー5、6に330m/分で引き取り、一旦巻き取ることなく、4.8倍にて延伸し、170℃に加熱し、鏡面処理された第3ゴデーローラー7と、170℃に加熱し、梨地処理された第4ゴデーローラー8間で熱処理を行い、1500m/分でドラム状パッケージとして巻き取り装置9に巻き取ることにより、44デシテックスのナイロン66モノフィラメント(2糸条)を得た。その結果、糸粘度は2.83であった。
得られたモノフィラメントを、織り設計として経糸110本/25.4mm、緯糸110本/25.4mmになるようスルザー織機を用い1.0kg巻きのドラムを緯打ち込みし、紗織物とした。評価結果を表1に示した。
[実施例2]
チップ水分を0.14%とした以外は、実施例1と同様に製糸し、44デシテックスのナイロン66モノフィラメント糸を得た。その結果、糸粘度2.83であった。
得られたモノフィラメント糸を実施例1と同様に紗織物とした。その結果を表1に示す。
[実施例3]
チップ水分を0.15%、口金孔長1.75mmとした以外は、実施例1と同様に製糸し、44デシテックスのナイロン66モノフィラメント糸を得た。その結果、糸粘度2.83であった。
得られたモノフィラメント糸を実施例1と同様に紗織物とした。その結果を表1に示す。
[実施例4]
チップ水分を0.11%、口金孔長1.00mmとした以外は、実施例1と同様に製糸し、44デシテックスのナイロン66モノフィラメント糸を得た。その結果、糸粘度2.83であった。
得られたモノフィラメント糸を実施例1と同様に紗織物とした。その結果を表1に示す。
[実施例5]
チップ水分を0.13%、口金孔長0.60mmとした以外は、実施例1と同様に製糸し、44デシテックスのナイロン66モノフィラメント糸を得た。その結果、糸粘度2.83であった。
得られたモノフィラメント糸を実施例1と同様に紗織物とした。その結果を表1に示す。
[実施例6]
チップ水分を0.13%、口金孔長0.80mmとした以外は、実施例1と同様に製糸し、44デシテックスのナイロン66モノフィラメント糸を得た。その結果、糸粘度2.83であった。
得られたモノフィラメント糸を実施例1と同様に紗織物とした。その結果を表1に示す。
[比較例1]
チップ水分を0.10、口金孔長を0.6mmとした以外は、実施例1と同様に製糸し、44デシテックスのナイロン66モノフィラメント糸を得た。その結果、糸粘度2.86となった。
得られたモノフィラメントを実施例1と同様に紗織物とした。その結果を表1に示す。
[比較例2]
チップ水分を0.18とした以外は、実施例1と同様に製糸し、44デシテックスのナイロン66モノフィラメント糸を得た。その結果、糸粘度2.67となり、強度低下もみられた。
得られたモノフィラメントを実施例1と同様に紗織物とした。その結果を表1に示す。
Figure 2009108438
表1から明らかなように、本発明の製造方法から得られるナイロン66モノフィラメントは、節が少なく、品位も良好であった。
本発明によれば、糸長手方向に糸斑のない均一な品質のポリアミドモノフィラメント糸を得ることができ、このようにして得られたボリアミドモノフィラメント糸を製織した紗織物は、スクリーン紗印刷用途、フィルター用途などに有用である。
本発明のポリアミドモノフィラメントの製造方法の一例を示す工程概略図である。
符号の説明
1:スピンブロック
2:紡糸口金
3:ユニフロー形式のチムニー
4:給油ガイド
5:第1ゴデーローラー
6:第2ゴデーローラー
7:第3ゴデーローラー
8:第4ゴデーローラー
9:巻き取り装置
Y:紡出糸条

Claims (3)

  1. ポリアミド樹脂チップを溶融し、溶融紡糸用パックに供して口金吐出孔から吐出させた糸条を冷却し、十分に冷却された位置において紡糸油剤を付与した後、延伸、熱処理して巻き取ることによりポリアミドモノフィラメントを製造するに際し、前記ポリアミド樹脂チップとして、乾燥時の水分率が0.11〜0.15重量%、樹脂チップ粘度と糸粘度との差が0.03以下のポリアミド樹脂チップを用いることを特徴とするポリアミドモノフィラメントの製造方法。
  2. 前記口金吐出孔の孔長(L)と孔直径(D)の比が2.0〜3.5であることを特徴とする請求項1記載のポリアミドモノフィラメントの製造方法。
  3. 前記紡糸油剤を付与した後の糸条を直ちに引取りロール(第1ゴデーロール)で引き取り、加熱された延伸ロール(第2ゴデーロール)に巻き付けて、これら第1ゴデロールと第2ゴデロールとの間で延伸し、次いで熱処理を行い巻き取ることからなる1工程法であることを特徴とする請求項1または2記載のポリアミドモノフィラメントの製造方法。
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