JPH03297315A - 芝草刈機用回転刃 - Google Patents

芝草刈機用回転刃

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JPH03297315A
JPH03297315A JP2098352A JP9835290A JPH03297315A JP H03297315 A JPH03297315 A JP H03297315A JP 2098352 A JP2098352 A JP 2098352A JP 9835290 A JP9835290 A JP 9835290A JP H03297315 A JPH03297315 A JP H03297315A
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JP
Japan
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monofilament
birefringence
rotary blade
layer portion
surface layer
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JP2098352A
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English (en)
Inventor
Yasuo Umemura
梅村 康男
Takuji Sato
卓治 佐藤
Akira Ogura
小椋 彬
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、庭、公園、スポーツ競技場などの芝草や雑草
などを刈取るための芝草刈機の回転刃に関するものであ
り、詳しくは特に耐屈曲疲労性および耐摩耗性が改良さ
れた好適なポリカプラミド系モノフィラメントからなる
芝草刈機用回転刃に関するものである。
[従来の技術] 合成樹脂製モノフィラメントからなる芝草刈機用回転刃
は、特開昭49−131834号公報や特公昭51−2
8538号公報およびゃ特開昭57〜138312号公
報に記載されたものが知られている。この芝草刈機用回
転刃の場合、金属製回転刃では作業困難であった石垣、
飛び石あるいは植え込みの根元まわりの刈取り作業も安
全にでき、需要も増大している。
[発明が解決しようとする課題] 前記特開昭49−131834号公報、特公昭51−2
8538号公報に記載されたモノフィラメントからなる
芝草刈機用回転刃は、高速回転による破損、消耗が激し
く、頻繁に新品と交換せねばならないという課題があっ
た。すなわち、モノフィラメント回転刃の回転数は毎分
6000回転以上を必要とし、通常は毎分7000〜9
000回転の高速回転である。第1図は芝草刈機で芝草
を刈取る状態における芝草刈機の概略横断面図であり、
第4図は回転刃の根元折れ状態を示す平面図であり、第
5図は回転刃の先割れ状態を示す平面図である。前記従
来の回転刃の場合毎分8000回転の高速回転で連続1
0分間の芝草刈取り作業を10分間毎にモノフィラメン
トを取り替え10回繰返し試験を行なった時に第4図に
示すような根元折れや、第5図に示すような先割れが生
じる。第1図に示すような芝草同機本体1にセットされ
たモノフィラメント回転刃2は、特にその根元部3にお
いて、複雑かつ高速の屈曲運動の繰り返しを受け、また
、特にその先端部4において、高速の衝撃の繰り返しを
受けるなど苛酷な条件にさらされる。従って、モノフィ
ラメント回転刃2は特にその根元部3において第4図に
示す如き根元折れ5が、また、その先端部4において第
5図に示す如き先割れ6が頻繁に発生する。このように
根元折れや先割れが発生した回転刃では芝草刈り作業の
能率が大きく低下する。また、モノフィラメント自体の
消耗も激しく、極めて頻繁に作業を中断し切断刃の引出
しおよび交換を余儀なくされる。
前記特開昭57−138312号公報は、前記特開昭4
9−131834号公報および特公昭51−28538
号公報に記載された切断刃における上記の課題を解決す
るためになされたものであるが満足するまでには至らず
、頻繁に根元割れや先割れが発生し、市場の要求を満た
すまでに至っていない。
第6図は前記特開昭49−131834号公報、特公昭
51−28538号公報および特開昭57−13831
2号公報に記載されたモノフィラメントからなる芝草刈
機用回転刃として用いられた繊維の表面形状を示す図面
に代る写真であり、該写真はモノフィラメントの表面を
5000倍に拡大した走査型電子顕微鏡写真である。
第6図に示すように前記特開昭49−131834号公
報、特公昭51−28538号公報および特開昭57−
138312号公報に記載されたモノフィラメント回転
刃として用いられた繊維の表面には結晶ラメラが観察さ
れないか、あるいは従来の方法をより過酷な条件として
得られた繊維の表面に結晶ラメラが観察されたとしても
、サイズが1オーダー小さく、かつ不均一に形成される
のである。このように結晶ラメラが観察されないかある
いは極めて小さな結晶ラメラが形成された繊維からなる
モノフィラメント回転刃は耐久性が悪く頻繁に根元割れ
や先割れが発生し、市場の要求を満たすまでに至ってい
ない。
前記従来技術で見られるポリアミドモノフィラメントの
延伸途中で水蒸気処理を施す場合は表層部を低配向とす
ることは極めて困難であり、高温の水蒸気を圧力IKg
/cm’G以上、数Kg/cm2Gとしても前記の熱は
延伸性に寄与し逆に結晶化を促進する。
また延伸されたポリアミドモノフィラメントのように既
に配向と結晶化が進んだモノフィラメントの場合、表層
構造を再編成しようとしても、極めて高温、高圧の水蒸
気を用いた場合に再編成しうるが本発明に係る方法で得
られるポリアミドモノフィラメントの特性を有するもの
にすることは困難である。
本発明の目的は、前記モノフィラメントからなる芝草刈
機用回転刃に比し、耐衝撃性、耐屈曲疲労性および耐摩
耗性等の改良されたポリアミドモノフィラメントからな
る回転刃を提供するものであり、内層部と表層部との分
子配向の差異が明確であり、表層部に特殊な形態がみら
れるポリアミドモノフィラメント回転刃を提供すること
にある。すなわち、切れ味が向上し根元割れや先割れの
発生や消耗が大巾に減少した高性能な芝草刈機用回転刃
を提供することにある。
[課題を解決するための手段および作用]本発明の構成
は、 (1)芝草刈機用回転刃において、該回転刃はカプラミ
ド単位が80重量%以上で硫酸相対粘度(ηr)が4,
0以上であるポリカプラミドポリマからなるポリアミド
モノフィラメントであり、該モノフィラメントの内層部
の複屈折(Δnc)が30X10−”以上で、表層部の
複屈折(Δna)が前記内層部の複屈折よりも低く、内
層部と表層部との複屈折差は3.0×10−”以上であ
り、前記表層部の外周面全体に前記モノフィラメントの
長さ方向に対して略直角方向に伸びる凸凹状の結晶ラメ
ラが略均一に形成されてなることを特徴とする芝草刈機
用回転刃。
(2)前記(1)に記載のモノフィラメントの外周面に
形成された凸凹状の結晶ラメラの凸部か前記モノフィラ
メントの長さ方向に対して略直角方向に扁平な網目状に
連続してなることを特徴とする芝草刈機用回転刃。
(3)前記(1)に記載のモノフィラメントの直径が0
.5〜5mm、25%伸長時の弾性回復率が80%以上
、表層部の非晶分子配向度(f”)が0.4以下である
ことを特徴とする芝草刈機用回転刃。
にある。
本発明に係る芝草刈機用回転刃のモノフィラメントはポ
リアミド系のポリマからなり、該ポリアミドポリマは、
ポリカプラミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンア
ジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパ
ミド(ナイロン46)、ポリへキサメチレンセバカミド
(ナイロン610)、ポリドデカミド(ナイロン12)
ポリへキサメチレンイソフタルアミド等の単一重合体、
または前記ポリアミド成分を少なくとも一成分とする共
重合率または混合率80重量%以上の共重合ポリアミド
や混合ポリアミドが選ばれる。
中でも本発明の方法によって得られたモノフィラメント
を芝草刈機用回転刃として使用する場合、ナイロン6成
分を80重量%以上含む共重合ポリアミドが最も好まし
い。
また、本発明に係るポリアミドモノフィラメントにおけ
る耐久性を十分に発揮させるには、硫酸相対粘度4,0
以上のポリアミドポリマが用いられる。
さらに、本発明ポリアミドモノフィラメントの製造に際
し、各種の添加剤、例えば可塑剤、結晶化抑制剤、滑剤
、顔料、耐光剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を含有さ
せることができる。
本発明に係る芝草刈機用回転刃に用いられるポリアミド
モノフィラメントは以下に記載する製造方法によって得
られる。
ポリカプラミド単位が80重量%以上で硫酸相対粘度(
ηr)が4.0以上のポリアミドポリマ中の水分を0.
05重量%以下にして、低水分ポリアミドチップとなし
、該ポリアミドチップを溶融紡糸機に供給して280〜
310℃の温度で溶解して紡糸口金から紡出し、紡出モ
ノフィラメントを得る。
前記紡糸口金から紡出された紡出モノフィラメントは、
紡糸口金の直下に設けられた温度50〜400℃の高温
雰囲気中を通り加熱あるいは徐冷される。
前記高温雰囲気の長さは20〜300mmの範囲とする
紡出モノフィラメントの加熱温度が低く、加熱雰囲気の
長さが短かい場合すなわち高温雰囲気に曝される条件が
前記の範囲よりも低い場合、紡出直後のモノフィラメン
トの分子配向が促進されなく、高温雰囲気に曝される条
件が前記の範囲よりも高い場合紡出直後のモノフィラメ
ントは溶解し長さ方向に均一なフィラメントとならす分
子配向も生じなくなる。
前記の高温雰囲気中を通過した紡出モノフィラメントは
、直ちに温度−10〜+25℃の低温液体中すなわち冷
却液の中を通して急冷固化させて未延伸モノフィラメン
トとする。
前記冷却液としては、水、n−ヘキサン等の脂肪族炭化
水素、トルエン等の芳香族炭化水素、デカリン等の脂環
族炭化水素、トリクロロエチレン、トリクロロトリフル
オロエタン、テトラクロロジフロロエタン等ハロゲン化
炭化水素、あるいはこれらの混合物等ポリアミドに不活
性な液体を用いる。
冷却液の温度が一10℃未満の場合特に−15℃以下で
あると冷却速度が急激になりすぎて、次工程における延
伸が円滑に行なわれなく高強力ポリアミドモノフィラメ
ントを得ることができない。
一方冷却液の温度が+25℃よりも高温であると冷却が
遅延し、高速でモノフィラメントを製造できなくなるの
みでなく、紡出直後における蒸気処理の効果が減少し力
学的特性および耐久性の双方において満足するポリアミ
ドモノフィラメントを得ることが困難となる。 冷却固
化したモノフィラメントは冷却液から導出したのち、低
圧の水蒸気で充満させた水蒸気処理装置中に導入する。
水蒸気処理装置で使用する水蒸気は飽和水蒸気でも50
重量%以上の水分を含む過熱蒸気でもよいが、圧力とし
ては40〜500mmHtOの低圧であり、該水蒸気処
理装置内の雰囲気温度は65〜140℃、水蒸気処理装
置内におけるポリアミドモノフィラメントの滞留時間は
0.02〜2,0秒とする。
未延伸ポリアミドモノフィラメントを水蒸気処理する位
置は、実質的に延伸が行なわれない位置、即ち冷却液か
ら導出された位置と引取ロールとの間が好ましいが、引
取ロールの後に給糸ロールを設けて、該引取ロールと給
糸ロールとの間で実質的な延伸が行なわれない状態で処
理する方法も採用できる。
水蒸気処理に供せられる未延伸モノフィラメントの複屈
折はl0×10−”以下、好ましくは5X10−”以下
である。
水蒸気処理を均一にしかも効率的に行なうには水蒸気処
理の前に冷却液中を通過した際に表面に付着した冷却液
が速乾性でない場合は該冷却液を除去した後に行なうこ
とが好ましい。
前記水蒸気処理装置にはモノフィラメントの通過する入
口と出口を有し、処理装置内を前記圧力、温度および滞
留時間を保持できるよう、入口、出口の水蒸気シール、
温度および圧力制御装置を備えている。
本発明に係る芝草刈機回転刃に用いられるポリアミドモ
ノフィラメントを製造する方法を実施する際に用いられ
る水蒸気処理装置は、水蒸気処理条件が低温、低圧であ
るが故にシール性を配慮した複雑な水蒸気処理装置を必
要とせず、また消費する水蒸気量も少なくて済むなど、
工業的に極めて有利な方法である。
水蒸気処理された未延伸ポリアミドモノフィラメントは
連続して、3.0倍以上に多段熱延伸される。また延伸
の途中で一旦緊張熱処理することもできる。熱延伸の熱
媒は100〜4゜0℃の気体、例えば空気、水蒸気、ま
たは不活性ガス、あるいは50〜250 ’Cの液体、
例えば水、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、シリコーンオイル、鉱物油、および菜
種油等の植物油が用いられる。
次に熱延伸を終了したポリアミドモノフィラメントは通
常温水浴中、または高温気体洛中を通過させ、フィラメ
ントに付着した熱媒およびまたは延伸工程で生じた歪を
除いたのち、仕上げ剤を付与して巻き取る。前記温水浴
での温水処理は通常60℃以上の温水中を0.01〜3
秒間、0.9〜1.Oの延伸比で通過させ、前記高温気
体浴での気体処理の場合は200〜400℃で0.01
〜3秒間、0.9〜1.0の延伸比で通過させ、いづれ
も実質的な弛緩熱処理を施こす。また仕上げ剤は通常静
電気防止剤および潤滑剤等を主成分とし、フィラメント
に対し0.02〜0. 5重量%付与させる。
上記の水蒸気による処理条件を満足することによって、
未延伸ポリアミドモノフィラメントの処理が円滑に行な
われ、次いで延伸された後のポリアミドモノフィラメン
トを高配向とすることを可能とし、高い力学的特性を有
するものとするとともに、モノフィラメントの外周面全
体に長さ方向に対して略直角方向に伸びる凸凹状の結晶
ラメラが明確に略均一に形成される。
そして、該結晶ラメラが明確に形成されたポリアミドモ
ノフィラメントは芝草同機用回転刃用として優れた能力
を発揮する。
前記ポリアミドモノフィラメントの製造方法における最
大の特徴は延伸に先立って未延伸ポリアミドモノフィラ
メントを前記の条件で水蒸気処理することにある。
前記以外の水蒸気処理装置内における処理条件はポリア
ミドモノフィラメントの組成、直径、および紡糸速度等
の変化に応じて前記の各条件の範囲内で適切に組合せて
選択される。
前記ポリアミドモノフィラメントの製造方法で特に特徴
とすることは、前記のように未延伸ポリアミドモノフィ
ラメントを65乃至140℃の低温、40乃至500 
m m H20の低圧の水蒸気で処理して得られた処理
モノフィラメントは2〜30m/分で引取り、引続いて
延伸工程で3.0倍以上に多段延伸することである。
前記のように水蒸気処理を施された処理モノフィラメン
トを3.0倍以上に多段延伸する際、1段目の条件は5
0〜210℃の温度で2.0〜3.0倍に熱延伸し、引
続いて80〜220℃の温度で未延伸モノフィラメント
に対する総合延伸倍率が3.0〜4.5倍の範囲となる
ごとく2段目の熱延伸を施す。
また1段目と2段目の間に緊張熱処理ゾーンを設けるこ
ともでき、この緊張熱処理は実質的に小倍率延伸を伴な
う場合とポリアミドモノフィラメントが収縮によって生
じる緊張熱処理とがあり、具体的には60℃〜215℃
の温度で0.90〜1.03倍の収縮あるいは熱延伸を
施す。
前記のように未延伸モノフィラメントに蒸気処理を施し
延伸して得られたポリアミドモノフィラメントの表層部
は複屈折(Δnc)が内層部の複屈折(Δna)が30
X10−”以上であるのに比して低く、具体的には表層
部の複屈折(Δne)は27X10−”以下である。
前記の延伸されたポリアミドモノフィラメントの内層部
の複屈折(Δna)と表層部の複屈折(Δna)との差
異が3X10−”以上であることからみて、未延伸糸の
段階で前記の65乃至140℃の低温、40乃至500
mmH2Oの低圧の水蒸気で処理されたことにより、表
層部の配向が進行せず一旦形成された表層構造が実質的
に保持され、内層部がより高配向となるという現象を生
じさせている。
前記のように水蒸気処理された未延伸ポリアミドモノフ
ィラメントを高温高倍率延伸を施して得られたポリアミ
ドモノフィラメントは、内層部の複屈折(Δnc)が3
0,5X10−”以上で、該内層部の複屈折(△n、)
が表層部の複屈折(Δna)よりも3.5X10−”以
上高い値を有し、かつ、フィラメントの表面結晶ラメラ
による微細な凸凹が略均一に形成されている。
前記ポリアミドモノフィラメントの内層部の高い複屈折
は分子鎖が繊維軸方向によく配向していることを示し、
高い引張り強度の発現に寄与している。
一方、表層部の低い複屈折は非晶部分の分子鎖の配向度
が著しく低いことを示しており、高度に結晶化したラメ
ラ結晶と、ラメラ結晶間の著しく弛緩した非晶部からな
る構造と対応している。かかる構造は弾性回復性に優れ
た特性を発現し、優れた耐久性を実現できたものと考え
る。
第2図は本発明に係る芝草同機に用いられるポリアミド
モノフィラメント回転刃として用いられる繊維の表面形
状を示す図面に代る写真であり、該写真は前記ポリアミ
ドモノフィラメントの表面を5000倍に拡大した走査
型電子顕微鏡写真である。
第3図は本発明に係る芝草刈機用回転刃に用いられるポ
リアミドモノフィラメントの拡大横断面図である。
前記ポリアミドモノフィラメントの表層部の構造を走査
型電子顕微鏡で観察した時、第5図に示されるような、
長さ0.1〜10μ、巾0゜01〜0.1μの微細な凹
凸が均一に形成されているのを見ることができる。
前記ポリアミドモノフィラメントの外周面に形成された
略直角方向に扁平な網目状に連続してなるこの微細な凹
凸状の結晶ラメラ構造が、従来のモノフィラメントに比
し芝草刈機用回転刃として用いた場合切れ味を大巾に向
上する。
前記ポリアミドモノフィラメントの横断面を偏光光学顕
微鏡で観察すると第3図に示すように表層部7の低配向
化部と、内層部8の高配向化部の二層構造を形成されて
いることが観察できる。光学顕微鏡で観察した表層部7
の量の厚みは数μ〜10μ程度であるが、モノフィラメ
ントのポリマ組成、直径および処理条件等によって変化
する。最も優れた力学的特性と耐久性特性を発現する時
の表層部7の量はモノフィラメントの全横断面積に対す
る表層部7の横断面積が5〜30%、好ましくは10〜
20%の時である。
表層部7が低配向化されたモノフィラメントからなる芝
草刈機用回転刃は毎分8000回転の高速回転で連続1
5分間の芝草刈取り作業を10分間毎にモノフィラメン
トを取り替え10回繰返し試験を行なったが表層部が過
酷な使用条件下の衝撃力を緩和することができるため、
亀裂の発生がおさえられ第4図に示すような根元折れモ
ノフィラメント回転刃は全くなく、第5図に示すような
先割れモノフィラメント回転刃の発生が防止され長時間
耐用しうる。しかし、芯部まで含めた全部を低配向化す
ることは、柔らかくて強度が低くなりすぎるため、芝草
刈りの能力が低下するので不適当である。
また、上記水蒸気処理されたモノフィラメントは25%
伸長時の弾性回復率が80%以上という弾性を有するた
め、特に根元部3が受ける複雑かつ高速の屈曲運動の繰
り返しによる屈曲疲労度が小さく根元割れの発生が防止
される。
前記のような繊維構造の特徴を有するポリアミドモノフ
ィラメントは高い力学的特性、および優れた耐衝撃性、
耐屈曲疲労寿命および耐摩耗性等の耐久性を有する。
芝草別様回転刃に用いられるポリアミドモノフィラメン
トは、モノフィラメントによる芝草刈り能力を保持する
ためには、その直径を0゜5〜5mmとする必要がある
。この直径が0゜5mm未満と細過ぎると芝草の切れ味
は増すが、その反面耐久性す激減する。一方、5mmを
越えて太くなると切れ味が悪く、また、モノフィラメン
ト回転刃と回転刃取り付は用カセットとのなじみ巻付け
が困難となる。
以下実施例によって説明するがポリアミドモノフィラメ
ントの物性および繊維構造に関する測定法及び定義は以
下の通りである。
(ア)硫酸相対粘度(ηr):試料1gを98%硫酸1
00m1に溶解し、オストワルド粘度計で25℃で測定
した。
(イ)複屈折(Δne1Δna) カールツァイスイエナ社(東独)製の透過定量型干渉顕
微鏡を用いて、干渉縞法によって繊維フィラメントの側
面から観察した平均複屈折を求めた。繊維の表層から中
心に2μ間隔で測定し、内層部複屈折(Δnc)と表層
複屈折(Δno)を求めた。内層部複屈折は中心部の複
屈折の値を用い、表層部複屈折は表層から2μの位置の
値とした。
(つ)引張強度(TT): J I 5−L1070゜
5.1.1 (標準引張強伸度)測定方法に準じて測定
を行なった。
(1)耐衝撃性:島原製作所(株)製振り子型衝撃試験
機を用いて、つかみ長25cm、引張速度1.5m/秒
で測定した破断時の値。
(オ)屈曲疲労寿命(Nb):東洋精機製作所(株)製
屈曲疲労測定機で、張力3g/d荷重下で測定し、屈曲
疲労切断した時の屈曲回数を求め屈曲疲労寿命とした。
(力)耐摩耗性(Nμ):直径50mmのロールノ表面
に320メツシユのサンドペーパーを貼り、デニール当
たり0.05gの荷重をかけた試料を該サンドベーパー
上に接触角900となるようにセットし、該ロールを回
転速度180回/分の速度で回転させる。試料が摩耗切
断する迄の時間を測定し、耐摩耗破断回数を求めた。
(キ)表層部の非晶分子配向度(F)・・・モノフィラ
メントを蛍光剤(“whitex  RP”、住人化学
(株)製)の0.2wt%、20℃水溶液中で2時間染
着処理し水洗乾燥した後“日本分光” (株)製の偏光
蛍光光度計“FOM−1”にて測定した。非晶分子配向
度(F)は次式で算出した。
戸;1− A:繊維軸方向の相対蛍光強度 B:繊維軸と直角方向の相対蛍光強度 (り)25%伸長時の弾性回復率:湿度65%、温度2
0℃の条件下で24時間以上調湿したモノフィラメント
糸を引張試験機“テンシロン”にて25%伸長変形した
、除重し、2分間荷重Oで放置した時点での弾性回復率
をいう。
上記モノフィラメントは通常の方法により切断、先端加
工がされ芝草刈機用回転刃として供される。
前記モノフィラメント回転刃は、複雑がっ高速の繰り返
し屈曲に耐え、先端部がフィブリル化しにくいため根元
割れや先割れの発生が激減する。しかも、芝草刈機用回
転刃として必要な強度も備えていて芝草刈取能力も優れ
ている。
[実施例コ 実施例 相対粘度(v r)が5.0、水分率0.01重量%、
融点210℃、6000po i s eのポリマ特性
を持つカプラミド単位90、ヘキサメチレンアジパミド
単位10重量比からなる共重合ポリマをエクストルーダ
型紡糸機により紡糸温度295℃にて吐出線速度5.6
m/分の速度で押出した。紡出フィラメントは窒素ガス
で充満した200℃、長さ180mmの加熱筒を通過さ
せた後、8℃に冷却されたテトラクロロジフロロエタン
とトルエンの80:2011量比からなる混合された低
温液体中を通して急冷固化し未延伸モノフィラメントと
なし、該未延伸モノフィラメントを低温液体中から導出
し、引続いて蒸気処理に導入し温度110℃、水蒸気圧
力100 m m H20の蒸気で0.4秒間処理し処
理モノフィラメントとなし、該処理モノフィラメントを
、7.6m/分の速度で引取りロールによって引取っ後
、次いで延伸装置に導びき150℃に加熱された、長さ
15cmのポリエチレングリコール浴中で2.9倍に1
段目の延伸を施し、更に連続して180’C1長さ50
cmのポリエチレングリコール浴中1.30倍で2段目
の延伸を行なった。延伸を終ったフィラメントは次いで
浴温9o℃、長さ100cmの温水浴中を0.95倍の
延伸比弛緩熱処理を施したのち後仕上げ剤を付与して巻
き取った。
このモノフィラメントを枠長1mの認巻機を用いて認取
りした。得られた認を95℃の温水浴中にて弛緩温水処
理を60分間行ない続いて表面処理油剤中に浸して風乾
した。
得られたフィラメントは糸径2.55mmでフィラメン
トの相対粘度(ηr)は4.3であった。
内層部の複屈折(Δnc)は35,0×10−3で、表
層部の複屈折(Δna)は26.0×10″3であった
。またモノフィラメント表面には長さが0.2〜8.O
μ(7)範囲、巾が0.02〜0.8μ、のラメラの凸
凹が略均一に形成され、前記ラメラの凸凹における凸部
がモノフィラメントの長さ方向に対して略直角方向に扁
平な網目を形成するごとく連結していた。非晶分子配向
度(f?)は0.28と低く、25%伸長時の弾性回復
率は95%と高かった。
屈曲疲労寿命(Nb)が95550回、耐摩耗破断回数
(Nμ)が450回であり透明性および柔軟性に優れた
モノフィラメントが得られた。
該モノフィラメントは極めて柔軟性に富んでおり、共立
農機(株)製“SRM−140D”型芝草刈取機のスプ
ール式カセットとの巻付性も良好であった。
上記カセットの端より10cmモノフィラメントを出し
毎分8000回転の高速回転で連続10分間の芝草刈取
り作業を1o分間毎にモノフィラメントを取り替え10
回繰返し試験を行なった結果、根元折れおよび先割れの
発生は全く見られなく、同じ条件で作業時間を10分か
ら15分に延長した場合、根元折れしたものは10本中
0本で、先割れしたものが10本中1本存在するのみで
芝草刈取り能力が極めて高いものであった。
比較例 相対粘度(77r)が3.4、水分率0.01重量%、
融点210℃、3600poiseのポリマ特性を持つ
カプラミド単位90、ヘキサメチレンアジパミド単位1
0重量比からなる共重合ポリマをエクストルーダ型紡糸
機により紡糸温度295℃にて吐出線速度5.6m/分
の速度で押出した。紡出フィラメントは窒素ガスで充満
した200℃、長さ180mmの加熱筒を通過させた後
、8℃に冷却されたテトラクロロジフロロエタンとトル
エンの80:201!量比からなる混合された低温液体
中を通して急冷固化し未延伸モノフィラメントとなし、
該未延伸モノフィラメントを低温液体中から導出し、7
゜6m/分の速度で引取りロールによって引取つ後、次
いで延伸装置に導びき150℃に加熱された、長さ15
cmのポリエチレングリコール浴中で2.9倍に1段目
の延伸を施し、更に連続して180℃、長さ50cmの
ポリエチレングリコール浴中1.30倍で2段目の延伸
を行なった。延伸を終ったフィラメントは次いで浴温9
0℃、長さ100cmの温水浴中を0. 95倍の延伸
比弛緩熱処理を施したのち後仕上げ剤を付与して巻き取
った。
このモノフィラメントを枠長1mのかせ巻機を用いてか
ぜ取りをした。次いで95℃の温水浴中にて弛緩温水処
理を60分間行ない続いて表面処理油剤中に浸して風乾
した。
得られたフィラメントは糸径2.50mmでフィラメン
トの相対粘度(ηr)は3.0であった。
表層部の複屈折(Δna)は34,0×10−3で、中
心部の複屈折(Δnc)は22.0XI04で、非晶分
子配向度(F)は0.82と高かく、25%伸長時の弾
性回復率は75%であった。
屈曲疲労寿命(Nb)が1086回、耐摩耗破断回数(
Nμ)が150回であった。
このモノフィラメントを共立農機(株)製“SRM−1
40D”型芝草刈取機のスプール式カセットにセットし
、カセットの端より10cmモノフィラメントを出し毎
分8000回転の高速回転で連続10分間の芝草刈取り
作業を10分間毎にモノフィラメントを取り替え10回
繰返し試験を行なった結果、根元折れしたものは10本
中6本1、先割れしたものは10本中8本存在し、芝草
刈取能力が低かった。
[発明の効果] 本発明に係る芝草刈機用回転刃に用いられるポリアミド
モノフィラメントは耐屈曲疲労性および耐摩耗性等に優
れており、また柔軟性に優れ操作性、耐久性の優れた芝
草刈機用回転刃として好適であり、優れた芝草別様用回
転刃用を提供することかできる。
また、本発明に係る芝草刈機用回転刃に用いられるポリ
アミドモノフィラメントの製造方法を実施すると、使用
される蒸気の量が、従来の延伸時における蒸気使用量に
比して1オーダ少なく、ポリアミドモノフィラメントの
製造コストを大幅に低下しうるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は芝草刈機で芝草を刈取る状態における芝草刈機
の概略横断面図である。第2図は本発明に係る芝草刈機
に用いられるポリアミドモノフィラメント回転刃として
用いられる繊維の表面形状を示す図面に代る写真であり
、該写真は前記ポリアミドモノフィラメントの表面を5
000倍に拡大した走査型電子顕微鏡写真である。第3
図は本発明に係る芝草刈機用回転刃に用いられるポリア
ミドモノフィラメントの拡大横断面図である。第4図は
回転刃の根元折れ状態を示す平面図であり、第5図は回
転刃の先割れ状態を示す平面図である。第6図は芝草刈
機用回転刃として用いられた繊維の表面形状を示す図面
に代る写真であり、該写真はモノフィラメントの表面を
5000倍に拡大した走査型電子顕微鏡写真である。 1   芝草刈機本体概略横断面 第1図 第3図 第5(!I モノフィラメ モノフィラメ モノフィラメ モノフィラメ モノフィラメ モノフィラメ モノフィラメ ト回転刃 ト回転刃根元部 ト回転刃先端部 ト回転刃根元折れ部 ト回転刃先割れ部 ト横断面表側部 ト横断面内層部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)芝草刈機用回転刃において、該回転刃はカプラミ
    ド単位が80重量%以上で硫酸相対粘度(ηr)が4.
    0以上であるポリカプラミドポリマからなるポリアミド
    モノフィラメントであり、該モノフィラメントの内層部
    の複屈折(Δn_c)が30×10^−^3以上で、表
    層部の複屈折(Δn_a)が前記内層部の複屈折よりも
    低く、内層部と表層部との複屈折差は3.0×10^−
    ^3以上であり、前記表層部の外周面全体に前記モノフ
    ィラメントの長さ方向に対して略直角方向に伸びる凸凹
    状の結晶ラメラが略均一に形成されてなることを特徴と
    する芝草刈機用回転刃。
  2. (2)特許請求の範囲第1項に記載のモノフィラメント
    の外周面に形成された凸凹状の結晶ラメラの凸部が前記
    モノフィラメントの長さ方向に対して略直角方向に扁平
    な網目状に連続してなることを特徴とする芝草刈機用回
    転刃。
  3. (3)特許請求の範囲第1項に記載のモノフィラメント
    の直径が0.5〜5mm、25%伸長時の弾性回復率が
    80%以上、表層部の非晶分子配向度(@F@)が0.
    4以下であることを特徴とする芝草刈機用回転刃。
JP2098352A 1990-04-13 1990-04-13 芝草刈機用回転刃 Pending JPH03297315A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009108438A (ja) * 2007-10-30 2009-05-21 Toray Ind Inc ポリアミドモノフィラメントの製造方法

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JP2009108438A (ja) * 2007-10-30 2009-05-21 Toray Ind Inc ポリアミドモノフィラメントの製造方法

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