JP2009108189A - 洗浄剤組成物、及びそれを用いた洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】融点が45℃〜110℃であるワックスを固形分重量で0.1〜98質量%含有し、残部が可溶型水性樹脂、界面活性剤の少なくとも一方からなる潤滑剤を用いて被加工物に塑性加工を施した後に、被加工物に付着している潤滑剤を洗浄除去するための洗浄剤組成物である。無機塩、キレート剤、界面活性剤、及び水からなる。pHが8〜12の範囲内である。無機塩は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属珪酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属リン酸水素塩、アルカリ金属ポリリン酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩のうち1種又は2種以上からなることが好ましい。
【選択図】なし
Description
そして、これらの問題は、ハイドロフォーム成形加工に限らず、潤滑剤を用いて行われる塑性加工にも共通している。
無機塩、キレート剤、界面活性剤、及び水からなり、
pHが8〜12の範囲内であることを特徴とする洗浄剤組成物にある(請求項1)。
また、上記無機塩を洗浄剤組成物に含有することにより、洗浄液をアルカリ性に保ち、油脂の除去を助けるという効果を得ることができる。
また、界面活性剤は、上記被加工物の表面から、上記潤滑剤を容易に乳化分離させることができ、容易に潤滑剤の洗浄除去を行うことができる。
このように、本発明によれば、環境上問題となる成分を含有せず、優れた洗浄力を有し、且つ、塑性加工を施した被加工物の表面への影響の少ない洗浄剤組成物を得ることができる。
そのため、本発明によれば、上述したように、環境負荷を抑制して、優れた洗浄力で、塑性加工を施した被加工物の表面に与える影響が小さい洗浄を行うことができる。
そして、上記無機塩は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属珪酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属リン酸水素塩、アルカリ金属ポリリン酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩のうち1種又は2種以上からなることが好ましい(請求項2)。
この場合には、洗浄剤をアルカリ性に保ち、油脂の除去効果を特に良好に高めることができる。
また、上記アルカリ金属珪酸塩としては、例えば、オルソ珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、オルソ珪酸カリウム、メタ珪酸カリウム等が挙げられる。
上記アルカリ金属リン酸水素塩としては、例えば、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム等が挙げられる。
上記アルカリ金属炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
上記無機塩は、これらの無機塩のうち1種類を単独で用いてもよいし、複数種類を混合して用いてもよい。
上記ノニオン性界面活性剤は、洗浄性向上剤として非常に有用であり、浸透性、乳化性、分散性、及び起泡性を有するものである。
そして、ノニオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との併用の場合には、全体の少なくとも80重量%がノニオン性界面活性剤であることが好ましい。
また、洗浄剤組成物中の界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤や、両性界面活性剤も、必要に応じ、各単独でもしくは、他の界面活性剤と併用して用いることができる。
また、上記両性界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムペタイン、アルキルアミノカルボン酸塩等が挙げられる。上記カチオン性界面活性及び両性界面活性剤は単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記洗浄剤組成物における界面活性剤のH.L.B.が8未満の場合には、極性が低く、洗浄剤中に油分を溶解できなくなるおそれがあり、一方、上記H.L.Bが18を超える場合には、極性が高すぎ、被洗浄物より油分を脱離させ難くなるおそれがある。
なお、H.L.B.(Hydrophile−Lipophile Balance)とは、界面活性剤の水と油(水に不溶性の有機化合物)への親和性の程度を表す値のことである。
上記洗浄剤組成物のpHが8未満あるいは、12を上回る場合には、高い洗浄効果を得ることはできるが、塑性加工を施した被加工物の表面を繰り返し洗浄して、表面に長時間接触することにより、被加工物の表面を腐食し、あるいは、白化現象や、黒色化現象を起こして表面光沢を消失させたり、表面を溶解して孔を開ける等、被加工物の表面に悪影響を与えるという問題がある。
上記キレート剤の含有量は、洗浄剤組成物全体を100重量部とした場合に0.2〜2重量部であることがより好ましい。
上記pH緩衝剤としては、例えば、炭酸ナトリウム、エタノールアミン等のアルカリ剤や、スラリー化剤等が挙げられる。
上記融点が45℃〜110℃であるワックスとしては、例えば、カルナウバ、ラノリン、パラフィン、及びこれらの混合物等が用いられる。
上記可溶型水性樹脂としてウレタン樹脂、ポリ乳酸、ポリビニルアルコールを用いる場合には、いかなる分子量であってもよい。
上記アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸nブチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸2ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル等が挙げられる。
本例は、本発明の洗浄剤組成物にかかる実施例及び比較例について説明するが、これによって本発明が制限されるものではない。
本例では、実施例及び比較例として、表1に示す複数種類の洗浄剤組成物(試料E1〜試料E10、及び試料C1〜試料C3)を作製した。
そして、作製した洗浄剤組成物を用いて洗浄除去試験を行い、洗浄剤組成物の特性評価を行った。
まず、外形φ50mm、肉厚3mm、長さ700mmのJISA7012アルミニウム合金管を、アセトンを用いて脱脂処理を施した後、融点が60℃であるカルナウバワックスを80質量%、可溶型水性樹脂である分子量6000のポリエチレングリコールを20重量%を配合した潤滑剤を10〜20μmの膜厚となるように塗布した。
そして、得られたハイドロフォーム成形品の表面に付着した潤滑剤を、上記洗浄剤組成物(試料E1〜試料E10、試料C1〜試料C3)を用いて洗浄除去した。
その後、ハイドロフォーム成形品を乾燥し、ハイドロフォーム塑性加工品表面の観察し、上記洗浄剤組成物の洗浄性、及び塑性加工を施した被加工物の表面への影響の評価を行った。結果を表2に示す。
ハイドロフォーム成形品表面に潤滑剤の残留が確認されない場合を合格(評価○)とし、ハイドロフォーム成形品表面に潤滑剤の残留が確認された場合を不合格(評価×)とした。
<塑性加工を施した被加工物の表面への影響>
ハイドロフォーム成形品表面に変色や腐食が確認されない場合を合格(評価○)とし、ハイドロフォーム成形品表面に変色や腐食が確認される場合を不合格(評価×)とした。
このように、本発明によれば、環境上問題となる溶剤等を使用せず、優れた洗浄力を有し、且つ、塑性加工を施した被加工物の表面への影響の少ない洗浄剤組成物を得られることが分かる。
また、比較例としての試料C2は、キレート剤を含有していないため、金属イオンの析出を抑制することができず、洗浄性が不合格であった。
また、比較例としての試料C3は、洗浄剤組成物が界面活性剤を含有していないため、油脂の除去能力が不十分であり、洗浄性が不合格であった。
Claims (5)
- 融点が45℃〜110℃であるワックスを固形分重量で0.1〜98%(質量%、以下同様)含有し、残部が可溶型水性樹脂、界面活性剤の少なくとも一方からなる潤滑剤を用いて被加工物に塑性加工を施した後に、該被加工物に付着している上記潤滑剤を洗浄除去するための洗浄剤組成物であって、
無機塩、キレート剤、界面活性剤、及び水からなり、
pHが8〜12の範囲内であることを特徴とする洗浄剤組成物。 - 請求項1において、上記無機塩は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属珪酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属リン酸水素塩、アルカリ金属ポリリン酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩のうち1種又は2種以上からなることを特徴とする洗浄剤組成物。
- 請求項1又は2において、上記洗浄剤組成物における上記界面活性剤は、少なくともH.L.B.が8〜18の範囲にあるノニオン性界面活性剤を含有することを特徴とする洗浄剤組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項において、上記洗浄剤組成物全体を100重量部とした場合に、上記無機塩の含有量は0.1〜10重量部であり、上記キレート剤の含有量は0.1〜5.0重量部であり、上記界面活性剤の含有量は0.01〜10.0重量部であり、残部が水であることを特徴とする洗浄剤組成物。
- 融点が45℃〜110℃であるワックスを固形分重量で0.1〜98%(質量%、以下同様)含有し、残部が可溶型水性樹脂、界面活性剤の少なくとも一方からなる潤滑剤を用いて被加工物に塑性加工を施した後に、該被加工物に付着している上記潤滑剤を洗浄除去するために、請求項1〜4のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物を用いて洗浄を行うことを特徴とする洗浄方法。
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