JP5270133B2 - ハイドロフォーム用潤滑剤、それを用いたハイドロフォーム用金属管、及びハイドロフォーム成形加工方法 - Google Patents

ハイドロフォーム用潤滑剤、それを用いたハイドロフォーム用金属管、及びハイドロフォーム成形加工方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属管をハイドロフォーム成形加工する際に使用するハイドロフォーム用潤滑剤、それを用いたハイドロフォーム用金属管、及びハイドロフォーム成形加工方法に関する。
近年、自動車部品等において、鋼管等の金属管をハイドロフォーム成形加工により成形した製品が採用されはじめている。ハイドロフォーム成形加工とは、鋼管等のパイプを素材とし、金型にセットしたパイプの内側に高い液圧を加えることにより成形を行う加工方法である。例えば、金属管のハイドロフォーム成形加工方法としては、金型内に金属管を装着し、金属管内部に内圧を負荷し、両管端から強制的に材料を流入(軸押し)させることによって金型形状に仕上げる加工方法がある。
ハイドロフォーム成形加工は、高精度の成形が可能であり、また、得られる成形部材は軽量であるため、部品の軽量化と部品点数削減によるコストダウンが可能となる。そのため、自動車部品等への適用が進行しつつある。
一般にハイドロフォーム成形加工の良否は、金属管が破断や座屈を起こさずに成形できるかどうか、加工部の肉厚分布の均一性や表面の擦り傷発生状況(カジリ発生状況)等により評価される。したがって、金属管自体の加工性に加えて、金型と接触する金属管表面の潤滑特性がハイドロフォーム成形加工の重要な要素となる。
特に、アルミニウム又はアルミニウム合金(以下、アルミニウム合金)は、鋼管に比較して一般的に延性が低いため、ハイドロフォーム成形を行う場合にはより良好な潤滑特性が要求される。
高成形性については、アルミニウム合金成分及びプロセス条件の見直し等による、材料特性からの改善には限界がある。
そこで、ハイドロフォーム成形に供する潤滑油の粘度の向上、油性を強くする、あるいは潤滑油量を増やすという方法がある。しかしながら、潤滑油の粘度の向上や、油性を強めると、成形後の潤滑油の除去がし難くなる。その結果として、次工程での洗浄を強める必要があり、製造コストの増大や洗浄時間が長くなる等の問題が生じ、生産効率を悪化させる。
また、ハイドロフォーム成形素管をポリエチレンなどの樹脂フィルムで被覆し、潤滑特性を向上させる方法もあるが、成形に伴う変形によりフィルムの皺が金属管に転写されるという問題があり、加工後に表面に表面研磨工程を追加する等、生産効率を悪化させる。
特開2002−363591号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、ハイドロフォーム成形加工を行う際に、潤滑性及び焼付き防止性能に優れ、加工時の破断、座屈、及び表面の疵を防ぐと共に、成形加工後は容易に除去することができるハイドロフォーム用潤滑剤、それを用いたハイドロフォーム用金属管、及びハイドロフォーム加工方法を提供しようとするものである。
第1の発明は、融点が45℃〜110℃であるワックスを固形分重量で0.1〜20%(重量%、以下同様)含有し、
残部が、可溶型水性樹脂、界面活性剤の少なくとも一方からなり、
上記可溶性水性樹脂は、分子量5000〜100000のアクリル樹脂であり、
上記界面活性剤は、H.L.B.が3〜20の範囲にあるカルボン酸塩であることを特徴とするハイドロフォーム用潤滑剤にある(請求項1)。
上記ハイドロフォーム用潤滑剤は、金属材料にハイドロフォーム成形加工を施す際に、上記金属材料の外面に潤滑皮膜を形成するためのものである。上記ハイドロフォーム用潤滑剤は、融点が45℃〜110℃であるワックスを特定量含有することにより高潤滑性を有しているため、これを用いて金属材料に潤滑皮膜を形成すると、該金属材料表面に安定した高潤滑性を付与することができる。それ故、ハイドロフォーム成形加工時には、優れた潤滑性で、破断、座屈、表面の疵等の不良を抑制することができ、歩留まりを向上することができる。
また、上記ハイドロフォーム用潤滑剤は、残部が、可溶型水性樹脂と界面活性剤の少なくとも一方からなる。上記可溶型水性樹脂を含有している場合には、ハイドロフォーム成形加工後にハイドロフォーム用潤滑剤と洗浄液とを接触させると、上記可溶型水性樹脂が良好な溶解性を有するため、ワックス成分が、樹脂と共に洗浄液中に分散する。そのため、上記ハイドロフォーム用潤滑剤を用いて金属材料の表面に形成された潤滑皮膜を除去する場合には、ハイドロフォーム成形加工後に洗浄液と接触させる。これにより、上述の可溶型水性樹脂の溶解性により、容易に脱脂、洗浄を行うことができ、容易に潤滑皮膜の除去を行うことができる。
また、上記界面活性剤を含有している場合には、ハイドロフォーム成形加工後にハイドロフォーム用潤滑剤と洗浄液とを接触させると、上記界面活性剤が上記ワックスと上記洗浄液とを乳化させるため、洗浄液中に細かい油滴が分散したエマルションとなる。そのため、上記ハイドロフォーム用潤滑剤を用いて金属材料の表面に形成された潤滑皮膜を除去する場合には、ハイドロフォーム成形加工後に洗浄液と接触させると、上述の界面活性剤の働きにより、上記金属材料から上記潤滑皮膜を容易に乳化分離することができ、容易に潤滑皮膜の除去を行うことができる。
このように、本発明によれば、ハイドロフォーム成形加工を行う際に、潤滑性及び焼付き防止性能に優れ、加工時の破断、座屈、及び表面の疵を防ぐと共に、成形加工後は容易に除去することができるハイドロフォーム用潤滑剤を提供することができる。
次に、上記ハイドロフォーム用潤滑剤は、種々の金属材料のハイドロフォーム成形加工に適用可能であるが、その金属材料の形態としては、板状、管状等がある。そして、管状の金属材料に上記第1の発明のハイドロフォーム用潤滑剤を予め潤滑皮膜として設けたものとして、次の発明がある。
第2の発明は、金属管の外面に、第1の発明に記載のハイドロフォーム用潤滑剤からなる膜厚0.4〜200μmの潤滑皮膜が形成されていることを特徴とするハイドロフォーム用金属管にある(請求項)。
上記ハイドロフォーム用金属管は、ハイドロフォーム成形加工を行う場合には、上記潤滑皮膜が有する安定した高潤滑性により、破断、座屈、表面の疵等の不良を激減させることができ、歩止まりを向上することができる。
また、ハイドロフォーム成形加工を行った後、洗浄を行うと、上述したように、可溶型水性樹脂によるワックス成分の溶解、分散、あるいは界面活性剤による上記金属管と上記ワックスの乳化分離が起こり、上記潤滑皮膜を除去する脱膜を容易に行うことができる。
そして、このように、上記金属管表面は、優れた脱膜性を有する潤滑皮膜により高潤滑性を確保することができるため、別途潤滑剤を準備したり、その洗浄を行う必要がなく、低コスト化、環境改善の点で優れている。
また、上記ハイドロフォーム用金属管は、潤滑皮膜を除去した後には、レーザー加工、焼鈍を行うこともできる。
このように、本発明によれば、ハイドロフォーム成形加工を行う際に、潤滑性及び焼付き防止性能に優れ、加工時の破断、座屈、及び表面の疵を防ぐと共に、優れた脱膜性を有する潤滑皮膜を有するハイドロフォーム用金属管を提供することができる。
第3の発明は、第2の発明に記載のハイドロフォーム金属管を金型内に装着し、内圧をかけて所定の形状に加工する加工工程と、
上記潤滑皮膜を洗浄する洗浄工程とを有することを特徴とするハイドロフォーム成形加工方法にある(請求項)。
本発明のハイドロフォーム成形方法は、上述の優れたハイドロフォーム用金属管を用いるハイドロフォーム成形加工方法である。
そのため、上記加工工程においては、優れた潤滑性で上記ハイドロフォーム用金属管を所定の形状に成形することができ、上記洗浄工程においては、上記潤滑皮膜を上記ハイドロフォーム金属管から除去する脱膜を容易に行うことができる。
このように、本発明のハイドロフォーム成形方法によれば、優れた潤滑性及び焼付き防止性能で、加工時の破断、座屈、及び表面の疵を防いでハイドロフォーム成形加工を行うことができると共に、成形加工後は、潤滑皮膜を容易に除去することができる。
第1の発明のハイドロフォーム用潤滑剤は、上述したように、融点が45℃〜110℃であるワックスを固形分重量で0.1〜20%含有する。
上記ワックスの融点が45℃未満の場合には、夏場気温が高くなると、ワックスが溶融するため、材料表面がべとつきハンドリングが悪くなり、また、潤滑性が低下するという問題があり、一方、上記ワックスの融点が110℃を上回る場合には、塗料作製が極めて困難であり、また、冬季に固まるので操業上の問題があり、また、脱脂性が低下するという問題がある。
また、上記ワックスは、少量でも含有していれば潤滑性向上効果を得ることができるため、含有量の下限値を固形分重量で0.1%とした。上記ワックスの含有量が0.1%未満の場合には、ハイロドフォーム成形加工を行うための十分な潤滑性を得ることができず、ハイドロフォーム成形加工の際に、材料の破断、座屈、疵を生じさせるおそれがある。一方、上記ワックスの含有量が固形分重量で20%を超える場合には、油脂性物質が過剰となり、可溶型水性樹脂や界面活性剤による脱膜性が十分に得られず、ハイドロフォーム成形加工後に洗浄液と接触させた際に、潤滑皮膜の除去を行うことが容易ではなくなるという問題がある。
また、上記ワックスは、カルナウバワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスのうち1種又は2種以上からなることが好ましい(請求項2)。
この場合には、特に優れた潤滑性を得ることができる。
上記カルナウバワックスは植物系のワックスである。また、上記マイクロクリスタリンワックスは主として炭素数30〜60程度の炭化水素類を含み、その分子量は500〜800程度であり、また、パラフィン類の他、イソパラフィン類やシクロパラフィン類を多く含んだ微結晶のワックスである。また、上記フィッシャートロプシュワックスは、一酸化炭素と水素を反応させて作られる炭化水素系合成ワックスである。
また、上記ハイドロフォーム用潤滑剤は、残部が、可溶型水性樹脂、界面活性剤の少なくとも一方からなる。すなわち、可溶型水性樹脂、界面活性剤の少なくとも一方を固形分重量で80〜99.9%含有する。
可溶型水性樹脂、界面活性剤の少なくとも一方の含有量が80%未満の場合には、洗浄を行う際に、上述の可溶型水性樹脂、界面活性剤の効果を十分に得ることができず、除去され難くなるという問題がある。一方、可溶型水性樹脂あるいは界面活性剤の含有量が99.9%を超える場合には、潤滑性が得られず、ハイドロフォーム成形の際に、材料の破断、座屈、疵を生じさせるおそれがある。
上記可溶型水性樹脂としては、水に溶解するあるいは乳化分散する樹脂であれば多種のものを用いることができる。
上記可溶型水性樹脂は、分子量5000〜100000のアクリル樹脂、分子量800〜35000のポリアルキレングリコール、ウレタン樹脂、ポリ乳酸、及びポリビニルアルコールのうち1種又は2種以上からなることが好ましい
この場合には、特に、高潤滑性を得ることができると共に、上記ハイドロフォーム用潤滑剤を除去し易いものとすることができる。また、この場合には上記ワックスを含有し易い。
上記可溶型水性樹脂としてアクリル樹脂を用いる場合には、その分子量が5000未満の場合には、潤滑性を満足することができないおそれがあり、一方、分子量が100000を超える場合には、除去され難くなるおそれがある。
上記アクリル樹脂は、主としてアクリル酸やメタクリル酸の誘導体を主成分とする樹脂であり、代表的なものは、アクリル酸、アクリル酸エステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル等の単独重合体、あるいは共重合体である。
上記アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸nブチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸2ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル等が挙げられる。
上記メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸nブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸nヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル等が挙げられる。
上記可溶型水性樹脂として、ポリアルキレングリコールを用いる場合には、その分子量が800未満の場合には、常態で固体皮膜を形成することが困難になるおそれがあり、一方、分子量が35000を超える場合には、皮膜を形成する際に塗装し難くなるおそれや、除去され難くなるおそれがある。
上記ポリアルキレングリコールは、アルキレングリコールが重合した構造を有するポリエーテルである。上記アルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。上記ポリアルキレングリコールは、これらのアルキレングリコールの単独重合、2種類以上のランダム共重合、ブロック共重合又はランダム/ブロック共重合等であってよい。
上記可溶型水性樹脂としてウレタン樹脂、ポリ乳酸、ポリビニルアルコールを用いる場合には、いかなる分子量であってもよい。
また、上記可溶型水性樹脂は、1種類を単独で用いてもよいし、複数種類を混合して用いてもよい。
また、上記界面活性剤としては、少なくともH.L.B.が3〜20の範囲にある1価以上のアルコールのアルキレンオキサイド付加物、1価以上のアルコールのアルキレンオキサイド付加物のハイドロカルビルエーテル、1価以上のアルコールのアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステル、カルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、リン酸塩、脂肪酸アルカノールアミドの1種又は2種以上を含有する界面活性剤を用いることが好ましい
この場合には、上記潤滑皮膜を除去する脱膜を特に容易に行うことができる。
なお、H.L.B.(Hydrophile−Lipophile Balance)とは、界面活性剤の水と油(水に不溶性の有機化合物)への親和性の程度を表す値のことである。
上記1価以上のアルコールのアルキレンオキサイド付加物、1価以上のアルコールのアルキレンオキサイド付加物のハイドロカルビルエーテル、1価以上のアルコールのアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステルを構成するアルコールは、水酸基を1〜6個有する。
このようなアルコールとしては、1価のものであれば、炭素数8〜23のものが挙げられ、分子内に分子鎖あるいは不飽和結合、環状構造を有していてもよい。具体的には、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、エイコサノール、エチルフェノール、ノニルフェノール、等が挙げられ、単体で用いでも、これらの混合物を用いても良い。
また、2価以上のものであれば、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
また、水による除去性の点より、上記アルコールとしては、炭素数3〜18の範囲のものが好ましい。
上記1価以上のアルコールのアルキレンオキサイド付加物、1価以上のアルコールのアルキレンオキサイド付加物のハイドロカルビルエーテル、1価以上のアルコールのアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステルを構成するアルキレンオキサイド付加物は、炭素数2〜6のアルキレンオキサイドを付加重合することにより得ることが好ましく、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加重合することがより好ましい。
炭素数2〜6のアルキレンオキサイドとしては、具体的には、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−エポキシブタン(α−ブチレンオキサイド)、2,3−エポキシブタン(β−ブチレンオキサイド)、1,2−エポキシ−1−メチルプロパン、1,2−エポキシヘプタン等が挙げられる。
なお、アルキレンオキシド等の重合形態は特に限定されず、1種類のアルキレンオキサイドの単独重合、2種類以上のアルキレンオキサイド等のランダム共重合、ブロック共重合、ランダム/ブロック共重合等であってよい。
また、水酸基を2〜6個有する多価アルコールにアルキレンオキサイドを付加させる際は、すべての水酸基に付加させてもよいし、一部の水酸基にのみ付加させてもよい。
上記1価以上のアルコールのアルキレンオキサイド付加物、1価以上のアルコールのアルキレンオキサイド付加物のハイドロカルビルエーテル、1価以上のアルコールのアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステルを構成するアルキレンオキサイド付加物の末端水酸基の一部又は全てを、ハイドロカルビルエーテル化させたものが使用できる。
ここで、ハイドロカルビル基とは、炭素数1〜24の炭化水素基である。
炭化水素基としては、たとえば、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、及びアリールアルキル基等がある。
炭素数1〜24のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖又は分枝のペンチル基、直鎖又は分枝のヘキシル基、直鎖又は分枝のヘプチル基、直鎖又は分枝のオクチル基、直鎖又は分枝のノニル基、直鎖又は分枝のデシル基、直鎖又は分枝のウンデシル基、直鎖又は分枝のドデシル基、直鎖又は分枝のトリデシル基、直鎖又は分枝のテトラデシル基、直鎖又は分枝のペンタデシル基、直鎖又は分枝のヘキサデシル基、直鎖又は分枝のヘプタデシル基、直鎖又は分枝のオクタデシル基、直鎖又は分枝のノナデシル基、直鎖又は分枝のイコシル基、直鎖又は分枝のヘンイコシル基、直鎖又は分枝のドコシル基、直鎖又は分枝のトリコシル基、及び直鎖又は分枝のテトライコシル基等がある。
炭素数2〜24のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、直鎖又は分枝のプロペニル基、直鎖又は分枝のブテニル基、直鎖又は分枝のペンテニル基、直鎖又は分枝のヘキセニル基、直鎖又は分枝のヘプテニル基、直鎖又は分枝のオクテニル基、直鎖又は分枝のノネニル基、直鎖又は分枝のデセニル基、直鎖又は分枝のウンデセニル基、直鎖又は分枝のドデセニル基、直鎖又は分枝のトリデセニル基、直鎖又は分枝のテトラデセニル基、直鎖又は分枝のペンタデセニル基、直鎖又は分枝のヘキサデセニル基、直鎖又は分枝のヘプタデセニル基、直鎖又は分枝のオクタデセニル基、直鎖又は分枝のノナデセニル基、直鎖又は分枝のイコセニル基、直鎖又は分枝のヘンイコセイル基、直鎖又は分枝のドコセニル基、直鎖又は分枝のトリコセニル基、及び直鎖又は分枝のテトラコセニル基等がある。
炭素数5〜7のシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロヘプチル基等がある。
炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル基としては、例えば、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基(全ての構造異性体を含む)、メチルエチルシクロペンチル基(全ての構造異性体を含む)、ジエチルシクロペンチル基(全ての構造異性体を含む)、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基(全ての構造異性体を含む)、メチルエチルシクロヘキシル基(全ての構造異性体を含む)、ジエチルシクロヘキシル基(全ての構造異性体を含む)、メチルシクロヘプチル基、ジメチルシクロヘプチル基(全ての構造異性体を含む)、メチルエチルシクロヘプチル基(全ての構造異性体を含む)、及びジエチルシクロヘプチル基(全ての構造異性体を含む)等がある。
炭素数6〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等がある。
炭素数7〜18のアルキルアリール基としては、例えば、トリル基(全ての構造異性体を含む)、キシリル基(全ての構造異性体を含む)、エチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のプロピルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖または分枝のブチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のペンチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のヘキシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のヘプチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のオクチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のノニルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のウンデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、及び直鎖又は分枝のドデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)等がある。
炭素数7〜12のアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基(プロピル基の異性体を含む)、フェニルブチル基(ブチル基の異性体も含む)、フェニルペンチル基(ペンチル基の異性体も含む)、及びフェニルヘキシル基(ヘキシル基の異性体も含む)等がある。
上記1価以上のアルコールのアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステル、そのハイドロカルビルエーテルを構成する脂肪酸としては、直鎖飽和脂肪酸、分岐飽和脂肪酸、直鎖不飽和脂肪酸、分岐不飽和脂肪酸のいずれを使用してもよい。炭素数で言えば、C数3〜22を有するものが好ましく、具体的には、例えば、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エイコサン酸等が挙げられる。
そして、上記1価以上のアルコールのアルキレンオキサイド付加物、1価以上のアルコールのアルキレンオキサイド付加物のハイドロカルビルエーテル、1価以上のアルコールのアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステルとしては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(アルキルは通常C6〜C16)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(アルキルは通常C6〜C16)、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル(アルキルは通常C6〜C16、アリールは通常フェニル)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルアリールエーテル(アルキルは通常C6〜C16、アリールは通常フェニル)、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル(アルキルは通常C6〜C16)、ポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル(通常モノエステル)(高級脂肪酸は通常C12〜C18の飽和もしくは不飽和一価脂肪酸)、ポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル(モノもしくはジエステル)(高級脂肪酸は通常C12〜C18の飽和もしくは不飽和一価脂肪酸)、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体等が挙げられる。
また、上記カルボン酸塩としては、例えば、ポリオキシエチレン・アルキルエーテル・カルボン酸塩、N−アシルサルコシン酸塩、N−アシルグルタミン酸塩等が挙げられる。塩を形成するカチオン性対イオンとしては、例えば、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム、リチウム等)イオン、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム、バリウム等)イオン等の金属イオン、アンモニウムイオン等が挙げられる。
上記アルキルスルホン酸塩としては、例えば、ジアルキルスルホ・こはく酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルファオレフィン・スルホン酸塩、直鎖アルキルベンゼン・スルホン酸塩、分子鎖アルキルベンゼン・スルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩−ホルムアルデヒド縮合物、アルキルナフタレン・スルホン酸塩、N−メチル−N−アシルタウリンなどが挙げられる。塩を形成するカチオン性対イオンとしては、例えば、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム、リチウム等)イオン、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム、バリウム等)イオン等の金属イオン、アンモニウムイオン等が挙げられる。
上記アルキル硫酸塩としては、例えば、ポリオキシエチレン・アルキルエーテル・硫酸塩、油脂硫酸エステル塩等が挙げられる。塩を形成するカチオン性対イオンとしては、例えば、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム、リチウム等)イオン、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム、バリウム等)イオン等の金属イオン、アンモニウムイオン等が挙げられる。
上記リン酸塩としては、例えば、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレン・アルキルエーテル・リン酸塩、ポリオキシエチレン・アルキルフェニルエーテル・リン酸塩等が挙げられる。塩を形成するカチオン性対イオンとしては、例えば、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム、リチウム等)イオン、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム、バリウム等)イオン等の金属イオン、アンモニウムイオン等が挙げられる。
また、上記脂肪酸アルカノールアミドとしては、例えば、ラウリン酸イソプロパノールアミド、やし脂肪酸ジエタノールアミド、パーム核脂肪酸ジエタノールアミド、やし脂肪酸モノエタノールアミド等が挙げられる。
そして、上記界面活性剤として、特に有効である具体例としては、ポリオキシエチレンヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンデシルフェニルエーテル、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。
第2の発明は、上述したように、金属管の外面に0.4〜200μmの膜厚の第1の発明に記載のハイドロフォーム潤滑剤からなる潤滑皮膜が形成されている。
上記潤滑皮膜の膜厚が0.4μm未満の場合には、金属管の表面粗さのために上記潤滑皮膜を均一に成形することができないという問題がある。一方、上記膜厚が200μmを超える場合には、除去され難くなるという問題があり、また、金型への樹脂粉やワックス成分の堆積が増加するという問題がある。
また、本発明のハイドロフォーム用金属管に用いられる金属管としては、金属板を環状に成形し突き合わせ部を接合して製造された金属管、シームレス管等を用いることができる。また、金属管としては、鋼管、アルミニウム合金管等を用いることができる。
また、上記潤滑皮膜の表面には、油性剤、極圧剤、及び固形潤滑剤から選ばれる1種以上を含む潤滑剤が塗布されていることが好ましい(請求項)。
上記ハイドロフォーム用金属管は、このような潤滑剤を塗布していなくても高い潤滑性を発揮することができるが、この場合には、上記潤滑皮膜の潤滑性を更に向上することができ、極めて過酷な成形にも適用することができる。
上記油性剤としては、例えば、ポリオールエステル、油脂、脂肪酸エステル、高級アルコール、高級脂肪酸、及びαオレフィン等が挙げられる。
また、上記極圧剤としては、例えば、塩素系、硫黄系、及びリン酸系等が挙げられる。環境の観点から、上記極圧剤としては、硫黄系、リン酸系を用いることが好ましい。
上記固形潤滑剤としては、例えば、金属石鹸、及びグリース等が挙げられる。
また、使用環境に応じて、金属に影響を及ぼす油であればいかなるものを用いてもよい。
また、上記金属管と上記潤滑皮膜との間には、下地処理層が形成されていることが好ましい(請求項)。
この場合には、上記金属管と上記潤滑皮膜との密着性が向上し、ハイドロフォーム成形加工時の成形性をより高めることができると共に、疵防止効果を得ることができる。
上記下地処理層としては、例えば、リン酸クロメート、クロム酸クロメート等のクロム処理、また、クロム化合物以外のリン酸チタン、リン酸ジルコニウム、リン酸モリブデン、リン酸亜鉛等によるノンクロメート処理等の化学皮膜処理(化成処理)により得られる皮膜が挙げられる。
上記化学皮膜処理方法には、反応型及び塗布型等があるが、本発明においては、いずれの手法が採用されてもよい。
また、上記金属管は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム合金管であることが好ましい(請求項)。
鋼管と比較して一般的に延性が低い上記アルミニウム合金管であっても、効果的に、優れた潤滑性及び焼付き防止性能を有し、加工時の破断、座屈、及び表面の疵を防ぐことができると共に、成形加工後は潤滑皮膜を容易に除去することができるハイドロフォーム用金属管とすることができる。
第3の発明のハイドロフォーム成形加工方法は、上述したごとく、加工工程と洗浄工程とを有する。
上記洗浄工程において、上記潤滑皮膜を洗浄する方法としては、例えば、酸性、中性、アルカリ性等の洗浄液を用いて上記潤滑皮膜を除去する方法が挙げられる。
また、上記ハイドロフォーム成形加工方法の上記洗浄工程は、pH8〜12のアルカリ水溶液に接触させることにより上記潤滑皮膜を上記ハイドロフォーム用金属管から除去することが好ましい(請求項)。
この場合には、特に容易に上記潤滑皮膜を除去することができる。
上記アルカリ水溶液がpH8未満の場合には、上記潤滑皮膜を除去するのに必要な時間が長くなるおそれがある。一方、上記アルカリ水溶液がpH12を超える場合には、上記潤滑皮膜が除去された後の金属管の表面が必要以上に溶解するおそれがある。
pH8〜12のアルカリ水溶液に接触させて上記潤滑皮膜を除去する方法としては、例えば、上記ハイドロフォーム用金属管をpH8〜12のアルカリ水溶液に浸漬した後、水洗いを行う方法等がある。
(実施例1)
本例は、本発明にかかる実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例によってのみ限定されるものではない。
本例では、本発明の実施例、参考例、及び比較例として複数種類の試料(試料E1〜試料E9、及び試料C1〜試料C6)を作製し、その特性を評価した。
各試料を作製するに当たっては、まず、基材として、調質がH24、厚さ0.8mmのA1050アルミニウム合金板(脱膜性評価用)と、住友軽金属工業製ZK55(外形30.6mm×肉厚1.45mm×長さ170mm,成形性評価用)の2種類の基材を準備した。
そして、上記基材に、アセトンを用いて脱脂処理を施した。
次に、上記脱脂処理後の上記基材それぞれに対して、所定のハイドロフォーム用潤滑剤をバーコート法によって塗布し、温度150℃で2分間乾燥し、硬化することにより潤滑皮膜を形成した。
上記ハイドロフォーム用潤滑剤は、下記のワックス、可溶型水性樹脂、及び界面活性剤を用い、これらの成分・含有量を調整して作製した。表1及び表2に、各試料の潤滑皮膜に用いたハイドロフォーム用潤滑剤の組成、及び潤滑皮膜の膜厚を示す。
<ワックス>
a1:カルナウバワックス(融点:60℃)
a2:ポリエチレンワックス(融点:107℃)
a3:ポリエチレンワックス(融点:130℃)
a4:酸化ワックス(融点:37℃)
<樹脂>
b1:アクリル樹脂(分子量20000)
b2:アクリル樹脂(分子量100000)
b3:ポリエチレングリコール
<界面活性剤>
d1:オレイン酸ナトリウム
Figure 0005270133
Figure 0005270133
表1より知られるごとく、実施例及び参考例としての試料E1〜試料E9は、融点が45℃〜110℃であるワックスを固形分重量で0.1〜20%含有し、残部が、可溶型水性樹脂、界面活性剤の少なくとも一方からなるハイドロフォーム用潤滑剤からなる膜厚0.4〜200μmの潤滑皮膜が形成されている。
本例では、各試料について、成形性、及び脱膜性についての評価を実施した。結果を表3に示す。
<成形性>
成形性は、外径:幅380mm×奥行き200mm×高さ235mm、内径寸法:内径30.7mmの金型を使用し、基材として住友軽金属工業製ZK55を用いて作製した試料に対して、内圧力:40MPa、軸押し量:両サイド各40mm(合計80mm)、パンチ速度:5mm/sにて、ハイドロフォーム成形加工を施し、図1に示す、母管部2(外径30.6mm)と母管部2の中央に形成された隆起部3(外径30.6mm)とからなるハイドロフォーム成形品1を成形した。
成形できる隆起部3の母管部2の管表面から頂点35までの高さHの評価を実施し、高さHが5mm以上の場合を合格(評価○)、高さHが5mm未満を不合格(評価×)とした。
<脱膜性>
脱膜性は、100mm×50mmの供試材を幅方向の中心で90°に曲げ、マグネチックスターラーで攪拌したアルカリ溶液(水酸化ナトリウム水溶液、pH9.5、液温60℃)中に20秒間浸漬した後、水洗いを行い、乾燥後の潤滑皮膜残存の有無を目視にて確認し評価を行った。潤滑皮膜残存が確認されなかったものを合格(評価○)とし、潤滑皮膜残存が確認されたものを不合格(評価×)とした。
Figure 0005270133
表3より知られるごとく、試料E1〜試料E9は、成形性、脱膜性のいずれの評価項目においても良好な結果を示した。
このように、本発明によれば、ハイドロフォーム成形加工を行う際に、潤滑性及び焼付き防止性能に優れ、加工時の破断、座屈、及び表面の疵を防ぐと共に、成形加工後は容易に除去することができることが分かる。
また、表3より知られるごとく、比較例としての試料C1は、ワックスを含有していないため、潤滑性が不足し、成形性が不合格であった。
また、比較例としての試料C2は、膜厚が本発明の上限を上回るため、脱膜性が低く、不合格であった。
また、比較例としての試料C3は、膜厚が本発明の好ましい範囲の下限を下回るため、潤滑性を満足することができず、成形性が不合格であった。
また、比較例としての試料C4は、膜厚が本発明の好ましい範囲の上限を上回るため、潤滑皮膜中にアルカリ水溶液が浸透し難くなるという理由で、脱膜性が低く、不合格であった。
また、比較例としての試料C5は、ワックスの融点が本発明の上限を上回るため、脱膜性が低く、不合格であった。
また、比較例としての試料C6は、ワックスの融点が本発明の下限を下回り、潤滑性を満足することができず、成形性が不合格であった。
実施例1における、ハイドロフォーム成形品を示す説明図。
符号の説明
1 ハイドロフォーム成形品
2 母管部
3 隆起部

Claims (8)

  1. 融点が45℃〜110℃であるワックスを固形分重量で0.1〜20%(重量%、以下同様)含有し、
    残部が、可溶型水性樹脂、界面活性剤の少なくとも一方からなり、
    上記可溶性水性樹脂は、分子量5000〜100000のアクリル樹脂であり、
    上記界面活性剤は、H.L.B.が3〜20の範囲にあるカルボン酸塩であることを特徴とするハイドロフォーム用潤滑剤。
  2. 請求項1において、上記ワックスは、カルナウバワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスのうち1種又は2種以上からなることを特徴とするハイドロフォーム用潤滑剤。
  3. 金属管の外面に、請求項1又は2に記載のハイドロフォーム用潤滑剤からなる膜厚0.4〜200μmの潤滑皮膜が形成されていることを特徴とするハイドロフォーム用金属管。
  4. 請求項3において、上記潤滑皮膜の表面には、油性剤、極圧剤、及び固形潤滑剤から選ばれる1種以上を含む潤滑剤が塗布されていることを特徴とするハイドロフォーム用金属管。
  5. 請求項3又は4において、上記金属管と上記潤滑皮膜との間には、下地処理層が形成されていることを特徴とするハイドロフォーム用金属管。
  6. 請求項3〜5のいずれか1項において、上記金属管は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム合金管であることを特徴とするハイドロフォーム用金属管。
  7. 請求項3〜6のいずれか1項に記載のハイドロフォーム金属管を金型内に装着し、内圧をかけて所定の形状に加工する加工工程と、
    上記潤滑皮膜を洗浄する洗浄工程とを有することを特徴とするハイドロフォーム成形加工方法。
  8. 請求項7において、上記洗浄工程は、pH8〜12のアルカリ水溶液に接触させることにより上記潤滑皮膜を上記ハイドロフォーム用金属管から除去することを特徴とするハイドロフォーム成形加工方法。
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