JP3872969B2 - 成形性および耐エマルジョン型作動油性に優れたハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品およびその成形加工方法 - Google Patents
成形性および耐エマルジョン型作動油性に優れたハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品およびその成形加工方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼管、アルミ管などの金属管を金型内に装着し、管内に内圧をかけて管軸方向に押し込みつつ所定の形状に加工するハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属管や鋼板、アルミ板などの金属板を金型に装着し、内圧をかけて所定の形状に加工するシートハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属板とそれを用いた成形加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車部品等において鋼管等の金属管をハイドロフォーム成形加工により成形した製品が採用され始めている。ハイドロフォーム成形加工された成形部材は軽量で、高精度の成形が可能であるため、部品の軽量化と部品点数削減によるコストダウンが可能となる。そのため自動車部品等への適用が進行しつつある。素材の金属管に関しては、管軸方向に押し込まず内圧のみで加工するバルジ加工については、軟質材料、n値の高い材料、r値の高い材料を選択すべきであることが知られているが、ハイドロフォーム成形加工については軟質の材料が知られている程度であった。特願平8−336480号では、ハイドロフォーム成形加工の変形様式を解析し、その加工成形性に及ぼす材料特性の影響について、金属管の管軸方向のr値が管周方向のr値よりも大きいものが優れた加工性を有することを明らかにしている。
【0003】
一般にハイドロフォーム成形加工の良否は、金属管が破断や座屈を起こさずに成形できるかどうか、加工部の肉厚分布の均一性や表面の擦り傷発生状況(カジリ発生状況)などにより評価される。従って、上記のような金属管自体の加工性に加えて、金型と接触する金属管表面の潤滑特性がハイドロフォーム成形加工の重要な要素となる。特開平11−290963号公報ではハイドロフォーム加工における潤滑特性の定量的影響について明らかにされ、高面圧下での摺動試験において(1)式で定義される「傾きの摩擦係数」μが0.07以下となる潤滑剤層を有することを特徴とするハイドロフォーム用金属管が提案されている。
【0004】
μ=△F/(2×△P) … (1)
△F:試験片がビード部を通過する際の引抜き張力増分
△F=試験片がビード部を通過する際のビード成形方向荷重増分
ここでの潤滑剤層としては高分子合成ワックスと水性樹脂を成分とする固体潤滑剤が提案されているが、ハイドロフォーム成形加工性後に皮膜が残存する非脱膜型皮膜の場合、組立時の溶接不良の要因になることや、塗装時の密着性に課題を有することがあった。また、ハイドロフォーム成形加工性後にアルカリ脱脂工程や湯洗工程で皮膜が可溶する可溶型皮膜の場合、ハイドロフォーム成形加工時に内圧付加のために使用されるエマルジョン型作動油が金型内で皮膜と接触した際、皮膜が膨張、溶解するため、充分な潤滑性が得られず成形不良の原因となるなどの課題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これらの問題点を解決して、成形性および耐エマルジョン型作動油性に優れたハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品およびその成形加工方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明者らは上述の課題を解決し、成形性および耐エマルジョン型作動油性に優れたハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品を得るべく鋭意研究を重ねた。その結果、可溶型水性樹脂組成物と潤滑機能付与剤からなる可溶型潤滑樹脂皮膜を金属表面に形成した可溶型潤滑表面処理金属製品が上記目的を達成できることを見出し、本発明に至った。
【0007】
すなわち、本発明に係わる成形性および耐エマルジョン型作動油性に優れたハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品は、
(1)金属表面に、水酸化ナトリウムとアミンの混合物もしくは水酸化カリウムとアミンの混合物もしくは水酸化ナトリウムと水酸化カリウムとアミンの混合物からなる酸基の中和剤を含有し、酸基を分子中に含有する可溶型ポリウレタン水性組成物である可溶型水性樹脂組成物(A)、および該可溶型水性樹脂組成物に対して1〜50質量%の潤滑機能付与剤(B)を主成分とする可溶型潤滑皮膜を有することを特徴とする成形性に優れたハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品である。潤滑機能付与剤を含む可溶型潤滑樹脂皮膜によりハイドロフォーム成形で要求される加工性を発現することに加え、加工後のアルカリ脱脂工程などで除去可能な皮膜のため、後工程である溶接工程などへ悪影響を及ぼさない。
【0008】
(2)金属表面に、水酸化ナトリウムとアミンの混合物もしくは水酸化カリウムとアミンの混合物もしくは水酸化ナトリウムと水酸化カリウムとアミンの混合物からなる酸基の中和剤を含有し、酸基を分子中に含有する可溶型ポリウレタン水性組成物である可溶型水性樹脂組成物(A)、および該可溶型水性樹脂組成物に対して1〜50質量%の潤滑機能付与剤(B)、および該可溶型水性樹脂組成物に対して1〜30質量%のシリカ粒子(C)を主成分とする可溶型潤滑皮膜を有することを特徴とする成形性に優れたハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品である。シリカ粒子を上記範囲で添加することにより、可溶型潤滑樹脂皮膜と金属管との密着性が向上し、さらに可溶型潤滑皮膜の皮膜強度が向上し耐擦り傷つき性、耐かじり性が向上する。
【0009】
(3)可溶型潤滑樹脂皮膜を形成する可溶型ポリウレタン水性組成物(A)に含まれる酸基の量が、酸価で30〜180の範囲であることを特徴とする前記(1)または(2)記載の成形性に優れたハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品。
(4)可溶型潤滑樹脂皮膜を構成する可溶型ポリウレタン水性組成物(A)を構成する主成分がポリエーテルポリオールであることを特徴とする前記(1)〜3のいずれか1項に記載の成形性に優れたハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品。
【0010】
(5)可溶型潤滑皮膜を構成する可溶型ポリウレタン水性組成物(A)を構成する主成分がポリエステルポリオールであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の成形性に優れたハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品。
(6)潤滑機能付与剤(B)が、ポリオレフィン系ワックス、フッ素系ワックス、パラフィン系ワックス、ステアリン酸系ワックスのうちの1種または2種以上からなることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の成形性に優れたハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品。
【0011】
(7)前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の可溶型潤滑樹脂皮膜を被覆したハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属を金型内に装着し、内圧をかけて所定の形状に加工する工程と、前記加工されたハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品をアルカリ脱脂液で処理して該可溶型潤滑樹脂皮膜を除去する工程を含むハイドロフォーム成形加工方法にある。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳述する。
本発明者らは、成形性および耐エマルジョン型作動油性に優れたハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品について鋭意検討した結果、可溶型水性樹脂組成物と潤滑機能付与剤からなる可溶型潤滑樹脂皮膜を金属表面に形成した可溶型潤滑表面処理金属製品が上記性能を達成できることを見出した。
先ず、ハイドロフォーム成形加工後にアルカリ脱脂工程で皮膜が可溶型潤滑樹脂皮膜としては、ポリウレタン系がある。
【0013】
ポリウレタン系としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等のポリオールと、芳香族、芳香脂肪族、脂肪族、脂環族ジイソシアネートを反応したもの等が挙げられる。
【0014】
これら可溶型潤滑樹脂としては、多種のものが使用できるが、複雑な形状条件など厳しいハイドロフォーミング加工条件可でも優れた成形性が達成できる可溶型潤滑樹脂皮膜として、可溶型ポリウレタン水性組成物を用いた潤滑樹脂皮膜が特に有効である。ここで、成形性および耐エマルジョン型作動油性に優れたハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品に被覆される可溶型潤滑樹脂皮膜を構成する可溶型ポリウレタン水性組成物についてより詳細に説明する。本発明に係るポリウレタン水性組成物は、1分子あたり少なくとも2個の活性水素基を有する化合物と、1分子あたり少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物を反応させ、水に溶解または分散させることにより得ることができる。
【0015】
本発明で使用される1分子当たり少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物としては、例えばトリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート等の脂肪族ジイソシアネート、例えば1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、例えばm−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネートもしくはその混合物、4,4´−トルイジンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、例えば1,3−又は1,4−キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物、ω,ω´−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−又は1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、もしくはその混合物等の芳香脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。
前記各種のイソシアネート基を有する化合物が使用されるが、十分な加工性を達成するためには、芳香族、芳香脂肪族、もしくは脂環族イソシアネート化合物を使用し、反応させることが好ましい。
【0016】
次に、前記イソシアネート化合物と反応させる1分子当たり少なくとも2個の活性水素基を有する化合物について説明する。1分子当たり少なくとも2個の活性水素基を有する化合物としては、例えば活性水素として、アミノ基、水酸基、メルカプト基を有する化合物が挙げられるが、イソシアネート基との反応速度、及び塗布後の機械的物性を考えると、水酸基を有する化合物が好ましい。また、前記活性水素基を有する化合物の官能基数は皮膜の機械的物性を良好に保つという点から2〜6が好ましく、2〜4が特に好ましい。また、前記活性水素基を有する化合物の分子量は最終的な皮膜性能に与えるウレタン結合の濃度、及び製造上の作業性の点から200〜10000が好ましく、300〜5000が特に好ましい。
【0017】
前記活性水素基が水酸基である化合物としては、例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリヒドロキシアルカン、ひまし油、ポリウレタンポリオール、又はそれらの混合物が挙げられる。
【0018】
さらに皮膜性状を最適化するためウレタン基濃度を調整する目的で、前記のポリオール以外に分子量が62〜200の低分子量ポリオールを混合してもよい。これら低分子量ポリオールの具体例としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,8−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチルペンタンジオール、3−メチルペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のポリエステルポリオールの製造に使用されるグリコール類や、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の化合物が挙げられる。
【0019】
また、ポリウレタンプレポリマーを水中に溶解させる、または分散させるため、ポリウレタンプレポリマー中に親水性基を導入する、または界面活性剤が添加される。親水性基を導入するには、例えば分子内に少なくとも1個以上の活性水素基を有し、かつカルボキシル基、スルホン酸基、スルホネート基、エポキシ基、ポリオキシエチレン基等の親水性基含有化合物の少なくと1種以上を前記ポリウレタンプレポリマー製造時に共重合させればよい。
【0020】
前記親水性基含有化合物としては、例えば2−オキシエタンスルホン酸、フェノールスルホン酸、スルホ安息香酸、スルホコハク酸、5−スルホイソフタル酸、スルファニル酸、1,3−フェニレンジアミン−4,6−ジスルホン酸、2,4−ジアミノトルエン−5−スルホン酸等のスルホン酸含有化合物およびこれらの誘導体、又はこれらを共重合して得られるポリエステルポリオール、例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸、ジオキシマレイン酸、2,6−ジオキシ安息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸等のカルボキシル基含有化合物もしくはこれらの誘導体、又はこれらを共重合して得られるポリエステルポリオール、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水コハク酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等無水基を有する化合物と活性水素基を有する化合物を反応させてなるカルボキシル基含有化合物もしくはこれらの誘導体、エチレンオキサイドの繰り返し単位を少なくとも3重量%以上含有し、ポリマー中に少なくとも1個以上の活性水素基を含有する分子量300〜10000のポリエチレン−ポリアルキレン共重合体等のノニオン基含有化合物又はこれらを共重合して得られるポリエーテルエステルポリオール等が挙げられる。共重合の際には、これら親水性基含有化合物を単独で、もしくは2種以上組合せて使用する。
【0021】
また、前記親水性基を含有するポリウレタンプレポリマーの水溶解又は分散性を更に良くするため、および親水性基を分子中に含有しないポリウレタンプレポリマーを水に溶解または分散させるため、界面活性剤を使用してもよい。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合物のようなノニオン系界面活性剤、またはラウリル硫酸ソーダ、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダのようなアニオン系界面活性剤が用いられるが、鋼板への密着性等の性能から、界面活性剤を含まないソープフリー型が好ましく、特にカルボキシル基含有化合物および/またはスルホン酸基を含有してなる可溶型ポリウレタン水性組成物が好ましい。また、これらの酸基は、酸価が30〜180mgKOH/gの範囲でポリウレタン分子中に導入されることが好ましい。酸価が30〜180mgKOH/gの範囲でポリウレタン分子中に導入されることにより、厳しい成形条件においてもその成形に追従できる鋼板密着性、および本発明で必要とされるアルカリ脱脂工程における皮膜可溶性を達成することができる。
【0022】
本発明の可溶型ポリウレタン水性組成物に必要とされる優れたアルカリ脱脂工程における皮膜可溶性と耐エマルジョン作動油性を得るため、前記ポリウレタン水性組成物の酸基の多くを水酸化ナトリウムとアミンの混合物、もしくは水酸化カリウムとアミンの混合物、もしくは水酸化ナトリウムと水酸化カリウムとアミンの混合物で中和する必要がある。使用できるアミンとしては、例えばアンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチルアミンなどの第1級アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミンなどの第2級アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジメチルエタノールアミン等などが挙げられ、これらを単独で、または2種以上の混合物で使用してもよい。中和剤の添加方法としては、前記ポリウレタンプレポリマーに直接添加してもよいし、水中に溶解、または分散させる時に水中に添加してもよい。中和剤の添加量は、親水性基に対して0.1〜2.0当量が好ましく、0.3〜1.3当量がより好ましい。
【0023】
前記ポリウレタンプレポリマーを合成する際には、有機溶剤を使用することも可能である。有機溶剤を使用する場合、具体例としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、アセトニトリル、N−メチルピロリドン等が挙げられる。反応原料に対する前記有機溶剤の量は、3〜50質量%程度が好ましい。前記ポリウレタンプレポリマーは、ホモディスパー、ホモジナイザー、ミキサー等を用いて水中に溶解または分散させる。この温度は、親水性基を中和している塩基性物質の蒸発を防止し、作業性を確保するため5℃〜70℃程度が好ましい。また、この水等の媒体に分散する際ポリウレタン水性組成物の濃度は、粘度を余り増加させず、貯蔵安定性を保持するため10〜50質量%が好ましい。
【0024】
また、さらに他の鎖伸長剤を反応させることにより高分子量化をはかることも可能である。このような鎖伸長剤としては、例えば公知のポリアミン化合物等が使用される。このようなポリアミン化合物としては、例えばエチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3´−ジメチル−4,4´−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン等のジアミン類、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等のポリアミン類、ヒドロキシエチルヒドラジン、ヒドロキシエチルジエチレントリアミン、2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノール、3−アミノプロパンジオール等のアミノ基と水酸基を持つ化合物、ヒドラジン類、酸ヒドラジド類が挙げられる。
【0025】
前記ポリアミン化合物は、単独で、または2種以上の混合物で使用される。これら鎖伸長剤の中で本発明で必要とされる室温のような低温で良好なアルカリ可溶性を達成するためには、アミノ基と水酸基を持つ化合物で鎖伸長反応を行い、分子中に水酸基が含まれていることが好ましい。
本発明におけるアルカリ可溶型ポリウレタン水性組成物には、必要に応じて造膜助剤、レベリング剤、消泡剤、耐候安定剤を添加する。およびアルカリ可溶型ポリウレタン水性組成物の水溶解または分散性をさらに良くするため、さらに、界面活性剤等を使用してもよい。
【0026】
次に、潤滑機能付与剤について説明する。
潤滑機能付与剤は、表面の摩擦係数を低減することによりさらに潤滑性を付与し、表面の擦り傷やかじり等を防止して良好なハイドロフォーム成形加工性を達成する作用を有している。潤滑機能付与剤としては、得られる皮膜に潤滑性能を付与するものであればよいが、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、フッ素系(ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル等)、パラフイン系、ステアリン酸系ワックスのうちの1種または2種以上からなるものが好ましい。
【0027】
粒子状の潤滑機能付与剤の平均粒子径は、100μm以下が好ましい。100μmを超えると、潤滑付与剤の剥離が発生しやすくなる。潤滑機能付与剤のより好ましい平均粒子径は1〜10μmの範囲内である。潤滑機能付与剤の添加量としては可溶型ポリウレタン水性組成物の固形分に対して1〜50質量%が好ましい。1%未満では要求される潤滑効果が得られない。50質量%を超えると潤滑付与剤の剥離が発生しやすくなるなどの問題がある。潤滑機能付与剤のより好ましい含有量は5〜20質量%の範囲内である。
【0028】
シリカは皮膜強度、基材表面との密着性を向上させる場合に添加する。シリカ粒子は、水分散性コロイダルシリカ、粉砕シリカ、気相法シリカなどいずれのシリカ粒子であっても良い。加工性を考慮すると、1次粒子径は2〜30nmで、2次凝集粒子径は100nm以下が好ましい。シリカの添加量としてはポリウレタン水性組成物の固形分に対して1〜30質量%が好ましい。1%未満では下層との十分な密着性が得られない。30%を超えると皮膜が脆くなり加工性が低下し、かじりが発生しやすくなる。
【0029】
本発明のハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品に被覆される可溶型潤滑樹脂皮膜には(A)、(B)、(C)成分以外に、意匠性を付与するための顔料や、導電性を付与する導電性添加剤、増粘剤、消泡剤、分散剤、乾燥剤、安定剤、皮張り防止剤、かび防止剤、防腐剤、凍結防止剤などを目的に応じて、樹脂の物性を低下させない範囲内で添加することができる。
【0030】
本発明の成形性および耐エマルジョン型作動油性に優れたハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品に被覆される可溶型潤滑樹脂皮膜の付着量は、0.5〜100g/m2 の範囲が望ましい。付着量が0.5g/m2 未満であると、加工時の押圧により表面損傷を防止できず、かつ摺動が加わるために要求される加工性を得ることができない。100g/m2 を超える場合、成形時の塗膜剥離粉の発生が増加し、金型の手入れを頻繁に行う必要があるため、生産性を低下させる。可溶型潤滑樹脂皮膜は連続皮膜であってもよいし、静電塗布やスプレー塗装した際に形成される島状非連続皮膜であってもよい。
【0031】
ハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品に被覆される可溶型潤滑樹脂皮膜の形成方法としては、ロールコーター塗装法、スプレー法、浸漬法、静電塗布法など従来公知の方法で塗布・乾燥して形成することができる。
また、本発明において、さらなる耐食性や密着性を得るために下地にリン酸塩処理やクロメート処理を施してもかまわない。この場合のクロメート処理としては、電解型クロメート、反応型クロメートおよび塗布型クロメートのいずれの処理を挙げることができる。クロメート皮膜は、還元したクロム酸にシリカ、燐酸、親水性樹脂の中から少なくとも1種以上を含有したクロメート液を塗布、乾燥したものが好ましい。
【0032】
リン酸塩の付着量としては、リン酸塩として0.5〜3.5g/m2 の範囲が好ましい。クロメート処理におけるクロメート付着量としては、金属クロム換算で5〜150mg/m2 、好ましくは10〜50mg/m2 の範囲がよい。5mg/m2 未満では優れた耐食性効果が得られず、150mg/m2 を超えると成形時にクロメート皮膜の凝集破壊が起こるなど、加工性を劣化させる。さらに、目的に応じ、下地に酸洗処理、アルカリ処理、電解還元処理、コバルトめっき処理、ニッケルめっき処理、シランカップリング処理、無機シリケート処理を施してもよい。
【0033】
本発明のハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品は、可溶型潤滑樹脂皮膜の上層にさらに潤滑油または潤滑防錆油を塗布することができる。ただし、塗布する潤滑油または潤滑防錆油は、可溶型潤滑樹脂皮膜を膨潤または溶解させないものが望ましい。
次に、本発明のハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品において、基剤として用いる金属管は金属板を管状に成形し突き合わせ部を溶接して製造される他、シームレス管でも良い。また金属管としては、鋼管、アルミ管などを用いることができる。また、シートハイドロフォーム加工に用いられるシート状材料としては鋼板、アルミ板などの金属板を用いることができる。
【0034】
次に、本発明のハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品を用いて、ハイドロフォーム成形加工を行う。厳しい加工を行っても、本発明の可溶型潤滑樹脂皮膜の優れた加工性と潤滑性により、十分な成形性が得られ鋼板表面の傷付きやかじり、割れなどが防止される。
こうして、本発明の可溶型潤滑樹脂皮膜を被覆したハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品をハイドロフォーム成形加工した後、潤滑樹脂皮膜は、アルカリで処理して除去することができる。さらに、可溶型潤滑樹脂皮膜を除去した後、本発明の金属を溶接することができる。本発明の可溶型潤滑樹脂皮膜は良好な溶解性を有するため、溶接時に悪影響を与えることはない。
【0035】
図1はハイドロフォーム成形加工工程を示す図である。図1(a)に示すように、本発明の可溶型潤滑樹脂皮膜を被覆したハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品の潤滑皮膜形成、ハイドロフォーム成形加工、潤滑樹脂皮膜除去の様子を説明する。金属1に本発明の可溶型潤滑樹脂皮膜2を被覆し、可溶型潤滑表面処理金属製品を形成する。図1(b)において、可溶型潤滑樹脂皮膜を被覆した可溶型潤滑表面処理金属製品を、ハイドロフォーム加工して成形製品3を得る。この成形製品は金属1と可溶型潤滑樹脂皮膜2からなるが、金属1に傷やかじりや割れは見られない。次いで図1(c)において、成形加工後、成形製品3をアルカリ溶液を用い、スプレー法あるいは浸漬法などで処理して可溶型潤滑樹脂皮膜2を除去する。その後、潤滑皮膜を除去した成形製品4を得る。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
1.供試材
本発明のハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属材料の基材として、板厚1.6mmの鋼板(JIS G3141に規定されるSPCC)を管状に成形し、突き合わせ溶接して製造した外形60.5mmφ、長さ300mmの鋼管を用いた。
【0037】
2.可溶型ポリウレタン水性組成物の製造
(製造例1)
攪拌機、ジムロート冷却器、窒素導入管、シリカゲル乾燥管、温度計を備えた4つ口フラスコに、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート87.11g、1,3−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン31.88g、ジメチロールプロピオン酸41.66g、トリエチレングリコール4.67g、分子量2,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール62.17g、溶剤としてアセトニトリル122.50gを加え、窒素雰囲気下、70℃に昇温、4時間攪拌した後、所定のアミン当量に達したことを確認し、ポリウレタンプレポリマーのアセトニトリル溶液を得た。このポリウレタンプレポリマー溶液346.71gを、水酸化ナトリウム6.13g、トリイソプロパノールアミン29.31gを水639.12g中に溶解させた水溶液中にホモディスパーを用いて分散、エマルション化し、2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノール12.28gを水110.88gで希釈したものをポリウレタンエマルション中に添加、鎖伸長反応させ、更に50℃、150mmHgの減圧下でポリウレタンプレポリマー合成時に使用したアセトニトリルを留去することにより、溶剤を実質的に含まない、酸価63、固形分濃度25質量%、粘度30mPa・sのポリウレタンエマルションAを得た。
【0038】
(製造例2)
攪拌機、ジムロート冷却器、窒素導入管、シリカゲル乾燥管、温度計を備えた4つ口フラスコに、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート86.65g、1,3−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン31.71g、ジメチロールプロピオン酸33.78g、トリエチレングリコール8.98g、アジピン酸、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールからなる分子量2,000のポリエステルポリオール118.92g、溶剤としてアセトニトリル120.00gを加え、窒素雰囲気下、70℃に昇温、4時間攪拌した後、所定のアミン当量に達したことを確認し、ポリウレタンプレポリマーのアセトニトリル溶液を得た。このポリウレタンプレポリマー溶液398.90gを、水酸化ナトリウム4.97g、トリイソプロパノールアミン23.74gを水700.00g中に溶解させた水溶液中にホモディスパーを用いて分散、エマルション化し、2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノール12.18gを水121.80gで希釈したものをポリウレタンエマルション中に添加、鎖伸長反応させ、更に50℃、150mmHgの減圧下でポリウレタンプレポリマー合成時に使用したアセトニトリルを留去することにより、溶剤を実質的に含まない、酸価46、固形分濃度30質量%、粘度40mPa・sのポリウレタンエマルションBを得た。
【0039】
(製造例3) [ 参考例]
攪拌機、ジムロート冷却器、窒素導入管、シリカゲル乾燥管、温度計を備えた4つ口フラスコに、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート87.11g、1,3−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン31.88g、ジメチロールプロピオン酸41.66g、トリエチレングリコール4.67g、アジピン酸、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールからなる分子量2000のポリエステルポリオール62.17g、溶剤としてアセトニトリル122.50gを加え、窒素雰囲気下、70℃に昇温、6時間攪拌した後、所定のアミン当量に達したことを確認し、ポリウレタンプレポリマーのアセトニトリル溶液を得た。このポリウレタンプレポリマー溶液346.71gを、水酸化ナトリウム12.32gを水639.12g中に溶解させた水溶液中にホモディスパーを用いて分散、エマルション化し、2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノール12.32gを水110.88gで希釈したものをポリウレタンエマルション中に添加、鎖伸長反応させ、更に50℃、150mmHgの減圧下でポリウレタンプレポリマー合成時に使用したアセトニトリルを留去することにより、溶剤を実質的に含まない、酸価69mgKOH/g、固形分濃度25質量%、粘度30mPa・sのポリウレタンエマルションCを得た。
【0040】
3.ハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属材料の製造
(実施例1)
製造例1で得た可溶性ポリウレタン水性組成物 500重量部
固体潤滑剤(注1) 37重量部(10*)
(*ウレタン樹脂固形分100に対する添加量)
(注1)固体潤滑剤
軟化点:110℃、平均粒子径:2.5μmの低密度ポリエチレンワックス樹 脂、固形分比:40%
以上の構成で表1に示す組成比の潤滑皮膜を上記金属管にスプレー塗装し、180℃の加熱炉を用いて金属板温到達温度60℃で焼付乾燥し成形した。
【0041】
【表1】
【0042】
表1に示すように、No.1〜14が本発明例であり、No.15、No.16は参考例、No.17〜20が比較例である。本発明例および参考例であるNo.2〜16においては、可溶型潤滑皮膜組成を表1に示す配合とする以外は実施例1と同様に行い、ハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属材料を製造した。比較例No.17〜20については、上記金属管に、石油系溶剤+石油系炭化水素からなる潤滑油A、鉱油+油性剤+極厚添加剤からなる潤滑油B、脂肪酸エステル+溶剤からなる潤滑油C、金属石鹸+やし油からなる潤滑油Dのみを塗布処理したものとした。
【0043】
4.性能評価
これらのサンプルに対して以下の試験および性能評価を行った。
(1)T成形試験評価
板厚1.6mmの鋼板(JIS G3141に規定されるSPCC)を管状に成形し、突き合わせ溶接して製造した外形60.5mmφ、長さ300mmの鋼管を素材とし、その外面に上記潤滑皮膜を形成した金属管についてT成形試験を行った。T成形試験は、T張出し部のダイス穴直径を60.5mm、肩Rを20mmとした割り金型を使用し、最大内圧値25Mpa、シリンダーストローク片側50mmで行った。なお、比較剤である石油系炭化水素をベースとする潤滑油(出光製Z3)については塗装後乾燥せずにT成形試験を実施した。
【0044】
T成形試験により、成形高さ(mm)の測定を実施し、さらに加工後の表面外観について目視評価を行い、下記基準により評価した。
[目視評価基準]
○:擦り傷、かじりが発生せず
△:軽度の擦り傷、かじりが発生した
×:重度の擦り傷、かじりが発生した
【0045】
(2)脱脂性評価
FC−4358脱脂液(日本パーカライジング(株)製、pH=10.5に調整、温度40℃)を試験片に8秒間スプレーした後水洗し、乾燥後の潤滑皮膜残存率を赤外分光分析にて測定し下記基準にて評価した。
[皮膜残存率評価基準]
◎:皮膜残存無し
○:皮膜残存5%以下
△:皮膜残存5%超10%以下
×:皮膜残存10%超
【0046】
(3)耐エマルジョン作動油性評価
エマルジョン作動油(5%可溶性金属加工油エマルジョン)を試験片に塗布し、塗布前後の摩擦係数比(=エマルジョン作動油前サンプルの動摩擦係数/エマルジョン作動後前サンプルの動摩擦係数)を測定した。得られた摩擦係数比を下記基準にて評価した。
○:摩擦係数比が0.9以上の範囲
△:摩擦係数比が0.9未満0.6以上
×:摩擦係数比が0.6未満
表1に示すように、本発明に属すハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品はいずれも、ハイドロフォーム成形性に優れ、加工後アルカリ脱脂による皮膜除去性も良好で、耐エマルジョン作動油共存下においても優れた潤滑性を有することがわかる。
【0047】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によって、ハイドロフォーム成形性に優れたハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品およびその成形加工方法を提供でき、ハイドロフォーム加工用途への寄与が著しい。従って、本発明の産業上の価値は極めて高いと言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハイドロフォーム成形加工工程を示す図である。
【符号の説明】
1 金属製品
2 可溶型潤滑皮膜
3 成形後製品
4 製品
Claims (7)
- 金属表面に、水酸化ナトリウムとアミンの混合物もしくは水酸化カリウムとアミンの混合物もしくは水酸化ナトリウムと水酸化カリウムとアミンの混合物からなる酸基の中和剤を含有し、酸基を分子中に含有する可溶型ポリウレタン水性組成物である可溶型水性樹脂組成物(A)、および該可溶型水性樹脂組成物に対して1〜50質量%の潤滑機能付与剤(B)を主成分とする可溶型潤滑皮膜を有することを特徴とする成形性に優れたハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品。
- 金属表面に、水酸化ナトリウムとアミンの混合物もしくは水酸化カリウムとアミンの混合物もしくは水酸化ナトリウムと水酸化カリウムとアミンの混合物からなる酸基の中和剤を含有し、酸基を分子中に含有する可溶型ポリウレタン水性組成物である可溶型水性樹脂組成物(A)、および該可溶型水性樹脂組成物に対して1〜50質量%の潤滑機能付与剤(B)、および該可溶型水性樹脂組成物に対して1〜30質量%のシリカ粒子(C)を主成分とする可溶型潤滑皮膜を有することを特徴とする成形性に優れたハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品。
- 可溶型潤滑樹脂皮膜を形成する可溶型ポリウレタン水性組成物(A)に含まれる酸基の量が、酸価で30〜180の範囲であることを特徴とする請求項1または2記載の成形性に優れたハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品。
- 可溶型潤滑樹脂皮膜を構成する可溶型ポリウレタン水性組成物(A)を構成する主成分がポリエーテルポリオールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形性に優れたハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品。
- 可溶型潤滑皮膜を構成する可溶型ポリウレタン水性組成物(A)を構成する主成分がポリエステルポリオールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形性に優れたハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品。
- 潤滑機能付与剤(B)が、ポリオレフィン系ワックス、フッ素系ワックス、パラフィン系ワックス、ステアリン酸系ワックスのうちの1種または2種以上からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の成形性に優れたハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の可溶型潤滑樹脂皮膜を被覆したハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属を金型内に装着し、内圧をかけて所定の形状に加工する工程と、前記加工されたハイドロフォーム用可溶型潤滑表面処理金属製品をアルカリ脱脂液で処理して該可溶型潤滑樹脂皮膜を除去する工程を含むハイドロフォーム成形加工方法。
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