JP2007098582A - プレコートアルミニウム合金板及びプレス成形品の製造方法 - Google Patents

プレコートアルミニウム合金板及びプレス成形品の製造方法 Download PDF

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【課題】プレス成形性に優れ、且つ、プレス成形後の処理が容易なプレコートアルミニウム合金板を提供すること。
【解決手段】アルミニウム合金板よりなる基板と、基板の少なくとも一方の面を被覆する有機樹脂皮膜とからなるプレコートアルミニウム合金板である。有機樹脂皮膜を構成する有機樹脂として、ガラス転移点が70℃以上であり、酸価50KOH/g以上、分子量20000〜100000、中和剤として水酸化ナトリウム、もしくは水酸化カリウム、アンモニア、アミンから選ばれる1種以上を含む水溶性アクリル樹脂を含む。有機樹脂皮膜は、pH8以上のアルカリ水溶液に接触させることによって基板から除去可能である。有機樹脂皮膜は、カルナウバを含有してなり、含有量は、0.1重量%〜30重量%であることが好ましい。有機樹脂皮膜の厚みは、0.1μm〜30μmであることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、プレス成形性及び脱膜性に優れたプレコートアルミニウム合金板に関する。
電子機器筐体は、小型化、軽量化、及び高意匠性等の観点から、その素材が鋼からアルミニウム合金に変わりつつある。特に、デジタルカメラの筐体の大半はアルミニウム合金筐体よりなっている。このような電子機器筐体は、まず、アルミニウム合金板に潤滑油を塗油し、プレス成形した後、溶剤洗浄、アルカリ洗浄又は酸洗浄後、アルマイト処理が施されて製造される。
最近では、電子機器の小型化、軽量化、高意匠性、及び形状の複雑化から、電子機器筐体の製造において、高強度のアルミニウム合金を用いながらも複雑な加工を可能とする高成形性が望まれ、また、低コスト化、環境改善が強く望まれている。
高成形性については、アルミニウム合金成分及びプロセス条件の見直し等による、材料特性からの改善には限界がある。
そこで、プレス成形に供する潤滑油の粘度の向上、油性を強くする、あるいは潤滑油量を増やすという方法がある。しかしながら、潤滑油の粘度の向上や、油性を強めると、成形後の油の除去がし難くなり、結果として、次工程での洗浄を強める必要があり、製造コストの増大や洗浄時間が長くなる等、生産効率を悪化させる。
また、生産歩留まりの向上や、潤滑油や洗浄液等の使用量を抑えることによる低コスト化が望まれている。プレス成形時の潤滑性は歩留まりを左右するため、プレス成形時には、安定した高潤滑性が強く望まれる。さらに、環境改善の観点から、現在使用している潤滑油や洗浄を極力なくす方向が望まれている。なお、潤滑性を高めたアルミニウム合金板としては、例えば、固体潤滑材を塗布したものがある(特許文献1)。
特開平06−099225号公報
本発明は、かかる従来の問題に鑑みてなされたもので、プレス成形性に優れ、且つ、プレス成形後の処理が容易なプレコートアルミニウム合金板を提供しようとするものである。
第1の発明は、アルミニウム合金板よりなる基板と、該基板の少なくとも一方の面を被覆する有機樹脂皮膜とからなるプレコートアルミニウム合金板において、
上記有機樹脂皮膜を構成する有機樹脂として、ガラス転移点が70℃以上であり、酸価50KOH/g以上、分子量20000〜100000、中和剤として水酸化ナトリウム、もしくは水酸化カリウム、アンモニア、アミンから選ばれる1種以上を含む水溶性アクリル樹脂を含み、
かつ、上記有機樹脂皮膜は、pH8以上のアルカリ水溶液に接触させることによって上記基板から除去可能であることを特徴とするプレコートアルミニウム合金板にある(請求項1)。
上記プレコートアルミニウム合金板は、アルミニウム合金板よりなる基板と、有機樹脂皮膜とよりなる。そして、この有機樹脂皮膜を構成する有機樹脂として、上記特定の水溶性アクリル樹脂を含有することにより、上記有機樹脂皮膜をpH8以上のアルカリ水溶液に接触させた場合に上記基板から除去可能な構成にしてある。
それ故、上記プレコートアルミニウム合金板は、プレス成形性に優れ、且つ、プレス成形後の処理が容易なものとなる。
すなわち、上記有機樹脂皮膜中に含まれる上記水溶性アクリル樹脂は、ガラス転移点が70℃以上である。これにより、プレス加工等の成形時に優れた成形性が得られる。上記ガラス転移点が70℃未満の場合には、実プレス時に工具温度が上昇することによって、十分な成形性が得られないという問題がある。
また、上記水溶性アクリル樹脂の酸価、すなわち、上記水溶性アクリル樹脂に含まれるカルボキシル基の量を示す酸価が50mgKOH/g以上であり、かつ、上記中和剤を含有する。これにより、この水溶性アクリル樹脂を含む上記有機樹脂皮膜は、pH8以上のアルカリ水溶液に接触させることによって上記基板から容易に除去可能となる。上記水溶性アクリル樹脂の酸価が50mgKOH/g未満の場合又は上記中和剤を含有しない場合には、pH8以上のアルカリ水溶液への接触による上記有機樹脂皮膜の基板からの除去(脱膜)が、十分に行えなくなるという問題がある。
また、上記水溶性アクリル樹脂は、分子量20000〜100000とする。分子量が20000未満の場合には、密着性が向上する場合があるが、成形性が劣るという問題があり、一方、100000を超える場合には、成形性が向上する場合があるが、密着性が劣り、さらに脱膜が難しくなるという問題がある。
そして、本発明では、上記のごとく容易に除去可能な有機樹脂皮膜によってプレス加工時の潤滑性を確保することができるので、別途潤滑剤を準備したり、その洗浄を行う必要がほとんどなく、低コスト化、環境改善の観点で優れている。
第2の発明は、アルミニウム合金板のプレス成形品を製造する方法において、
加工穴を有するダイスと、上記加工穴に挿入可能なパンチとを用い、上記第1の発明のプレコートアルミニウム合金板の上記有機樹脂皮膜が形成された面を上記ダイス側に位置させてプレス加工することによりプレス成形品を成形するプレス工程と、
上記プレス成形品をpH8以上のアルカリ水溶液と接触させて上記基板から上記有機樹脂皮膜を除去する脱膜工程とを有することを特徴とするプレス成形品の製造方法にある(請求項10)。
この製造方法は、上記第1の発明の優れたプレコートアルミニウム合金板を用いたうえで、少なくとも、上記のプレス工程と脱膜工程とを実施する。これにより、意匠性に優れたプレス成形品を得ることができる。
すなわち、上記プレス工程では、上記のごとく、プレコートアルミニウム合金板の上記有機樹脂皮膜が形成された面を上記ダイス側に位置させてプレス加工する。この場合には、ダイスとプレコートアルミニウム合金板とが接する側に潤滑性に優れた上記の有機樹脂皮膜が配置されるため、たとえ加工度の高い成形を行ってもかじり等の不良のない優れたプレス成形性が得られる。そのため、プレス成形時の歩留まりを向上させることができる。
また、上記プレス工程の後には、上記脱膜工程を行う。この脱膜工程では、プレス成形品をpH8以上のアルカリ水溶液と接触させる。ここで、上記素材としてのプレコートアルミニウム合金板は、上記有機樹脂皮膜として、上記水溶性アクリル樹脂を含み、pH8以上のアルカリ水溶液に接触させることによって上記基板から除去可能であるものを積極的に採用している。そのため、この脱膜工程を実施することによって、上記基盤から上記有機樹脂皮膜を除去して脱膜することができる。これにより、上記有機樹脂皮膜を除去して基板が露出したプレス成形品を容易に得ることができると共に、その表面は、上記有機樹脂皮膜によって保護していたので、傷のない非常に意匠性に優れたものとなる。それ故、その後、アルマイト処理等を実施しても、意匠性の高いものとなる。
また、上記のごとく、特殊な有機樹脂皮膜を有する素材を用いてプレス工程を行った後、上記脱膜工程によって非常に容易に脱膜することができるので、別途潤滑剤を準備したり、その洗浄を行う必要がなく、低コスト化、環境改善を図ることもできる。
本発明のプレコートアルミニウム合金板においては、上記有機樹脂皮膜は、カルナウバを含有してなり、該カルナウバの含有量は、0.1重量%〜30重量%であり、上記有機樹脂皮膜の厚みは、0.1μm〜30μmであることが好ましい(請求項2)。
すなわち、上記有機樹脂皮膜に対して、上記カルナウバを0.1重量%〜30重量%含有させることが好ましい。この場合には、プレス成形時に極めて優れた潤滑性を示す。
カルナウバの含有量が0.1重量%未満の場合には、カルナウバによる潤滑性向上効果が十分に得られないという問題がある。また、30重量%を超える場合には、脱膜工程で有機皮膜が充分に除去されないおそれがあるという問題がある。
また、上記有機樹脂皮膜の厚みは、0.1μm〜30μmであることが好ましい。膜厚が0.1μm未満の場合には、アルミニウム合金板の表面の粗さのために均一に被覆することができない。また、30μmを超える場合には、膜形成が困難になり、また、脱膜性が劣るという問題がある。
また、上記アルカリ水溶液は水酸化ナトリウムであることが好ましい(請求項3)。
この場合には、工業製品として入手が容易であり、かつ比較的脱膜工程のコストが低くなるという効果が得られる。
また、上記アルカリ水溶液はpH9〜12であることがより好ましい。
上記アルカリ水溶液がpH9未満の場合には、有機樹脂皮膜を除去するのに必要な時間が長くなるおそれがあり、一方pH12を超える場合には、有機樹脂皮膜が除去された後のアルミニウム合金板表面が必要以上に溶解するおそれがある。
また、上記有機樹脂皮膜は、上記アルカリ水溶液との接触時間4秒以内において上記基板から除去可能であることが好ましい(請求項4)。
この場合には、効率よく脱膜工程を実施することができ、より好ましくは、2秒以内がよい。接触時間が4秒を超える場合には、脱膜工程の効率化を図ることが難しい。
また、上記有機樹脂皮膜の膜厚は、10μm以下であることが好ましい(請求項5)。
この場合には、連続したプレス成形時の、金型への樹脂粉やワックス成分の堆積が抑制されるという効果が得られる。
また、上記有機樹脂皮膜を構成する有機樹脂は、上記水溶性アクリル樹脂の他に、さらに分子量800〜35000のポリアルキレングリコール、又はウレタン樹脂を、いわば添加樹脂として含有していることが好ましい(請求項6)。
この場合にも、上記有機樹脂皮膜をアルカリ水溶液によって容易に除去することができる。また、カルナウバをインナーワックスとして含油しやすいという効果も得られる。
上記有機樹脂として、上記水溶性アクリル樹脂に加えて、添加樹脂としてポリアルキレングリコーを含有させる場合には、分子量を800〜35000に限定する。分子量をが800未満の場合には、常態で固体皮膜を形成することが困難であり、また、35000を超える場合には、塗装や脱膜をし難くなるという問題がある。
添加樹脂をウレタン樹脂とする場合には、いかなる分子量でもよい。
また、上記有機樹脂皮膜の表面には、油性剤、極圧剤、及び固形潤滑剤から選ばれる1種以上を含む潤滑剤が塗布されていることが好ましい(請求項7)。
このような潤滑剤を塗布していなくても、上記の有機樹脂皮膜によって高い潤滑性が得られるが、上記油性剤、極圧剤、又は固形潤滑剤をさらに上記有機樹脂皮膜の表面に塗布した場合には、有機樹脂皮膜の潤滑性を更に向上することができ、極めて過酷な成形にも適用することができる。
油性剤としては、例えば、ポリオールエステル、油脂、脂肪酸エステル、高級アルコール、高級脂肪酸、及びαオレフィン等がある。
また、極圧剤としては、例えば、塩素系、硫黄系、及びリン系等がある。環境の観点から、硫黄系、リン系がより好ましい。
固形潤滑剤としては、例えば、金属石鹸及びグリース等がある。
また、使用環境に応じて、金属に影響を及ぼす油であれば、いかなるものでもよい。
また、上記有機樹脂皮膜には、粒径1〜120μmで、かつ上記有機樹脂皮膜の厚みの1〜3倍の粒径を有する樹脂ビーズが、上記有機樹脂100重量部に対して1〜100重量部含有されていることが好ましい(請求項8)。
この場合には、成形時の耐傷つき性が向上し、プレス成形されるまでのハンドリング傷が抑えられ、歩留まりの向上に効果がある。
樹脂ビーズの粒径が1重量部以下の場合には、樹脂ビーズを添加することによる効果が認められず、また、100重量部を超える場合には、効果に変化が見られなくなり、コストが増大する。
樹脂ビーズの粒径が上記有機樹脂皮膜の1倍未満になる場合には、有機樹脂皮膜から樹脂ビーズが頭を出さず効果が小さくなる。また、3倍を超える場合には、有機樹脂皮膜が樹脂ビーズをトラップし難くなり、樹脂ビーズが脱落しやすくなるという問題がある。
また、上記基盤の表面には、上記有機樹脂皮膜と上記基板との密着性を向上させる下地処理層が形成されていることが好ましい(請求項9)。
この場合には、有機樹脂皮膜と基板の密着性が向上し、有機樹脂皮膜の成形性がより高まり、傷防止効果をさらに高めることができる。
上記下地処理層としては、リン酸クロメート、クロム酸クロメート等のクロメート処理、また、クロム化合物以外のリン酸チタン、リン酸ジルコニウム、リン酸モリブデン、リン酸亜鉛などによるノンクロメート処理等の化成皮膜処理(化成処理)により得られる皮膜がある。
上記化成皮膜処理方法には、反応型及び塗布型等があるが、本発明においては、いずれの手法が採用されてもよい。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によってのみ限定されるものではない。
本例では、本発明の実施例及び比較例として複数種類の試料(プレコートアルミニウム合金板)を作製しその特性を評価した。
各試料を製作するに当たっては、まず、基板として、調質がH24、厚さ0.8mmのA1050アルミニウム合金板を使用した。
また、上記基板に、アセトンを用いて脱脂処理を施した。
塗装処理は、上記脱脂処理後の上記基板に対して、所定の塗料をバーコート法によって塗布し、温度250℃で2分間焼付け処理し、硬化することにより各塗膜を形成した。
また、各塗膜の作製にあたっては、有機樹脂(ベース樹脂又は添加樹脂)として、アクリル樹脂(AC)、ポリアルキレングリコール(AG)、及びウレタン樹脂(UR)を用い、アクリル樹脂の中和剤として、水酸化ナトリウム(SH)、アンモニア(AM)を用い、潤滑剤として、オレイン酸(OA)、オレイン酸メチル(OAM)、トリクレジルフォスフェート(TCP)、及びステアリン酸カルシウム(STCa)を用い、樹脂ビーズとして、ポリテトラフルオロエチレンを用いた。
これらの樹脂、潤滑剤、樹脂ビーズ、及びカルナウバを表1に示す配合割合で混合し、塗膜を形成した。なお、形成された塗膜は表1、表2、及び表4に示す。
本例では、各試料について、成形性、耐傷つき性、脱膜性、及び取り扱い性についての評価を実施した。
<成形性>
円筒ポンチの油圧深絞り成形試験機を用いて成形した。試料が破断せずに成形できる最大高さの評価を実施し、◎及び○を合格とした。
(加工条件)
ブランク径:φ110mm、ポンチ径:φ50mm、ポンチコーナー:5R、しわ押さえ荷重:10kN、成形速度:100mm/min。
(評価基準)
◎:7mm以上、○:5mm以上7mm未満、×:5mm未満
<耐傷つき性>
バウデン式摩擦試験にて、荷重100g、直径0.25インチの剛球を、試料の表面にて往復摺動させ、塗膜破れが発生するまでの摺動回数を評価し、◎及び○を合格とした。
(評価基準)
◎:100回以上、○:50回以上100回未満、×:50回未満
<脱膜性>
100mm×50mmの供試材を幅方向の中心で90°に曲げ、マグネチックスターラーで攪拌したアルカリ水溶液(水酸化ナトリウム水溶液、液温60℃)中に浸漬した後、水洗いを行い、乾燥後の有機樹脂皮膜残存の有無を目視にて確認し、浸漬時間を評価した。◎及び○を合格とした。
(評価基準)
◎:2秒未満、○:2秒以上4秒未満、×:4秒以上
<取り扱い性>
100mm×50mmの供試材を10枚重ね、5kgの重りを載せ、30℃、湿度100%の条件で1週間放置した後、重りを外し、吸盤を用いて、上方から1枚ずつ剥離し、取り扱い性を評価した。○を合格とした。
(評価基準)
○:全て1枚ずつ剥離できた場合、×:2枚以上剥離された場合
評価の結果は、表3及び表5に示すとおりである。
Figure 2007098582
Figure 2007098582
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表1〜表3より知られるごとく、試料E1〜試料E22は、成形性、耐傷つき性、脱膜性、取り扱い性という全ての評価項目において、いずれも良好な結果を示した。
表4及び表5より知られるごとく、試料C1は膜厚が本発明の好ましい範囲の下限を下回るため、基材を均一に被覆することができず、成形性及び耐傷つき性が低下した。また、試料C2は膜厚が本発明の好ましい範囲の上限を超えるため、脱膜性が低下した。
試料C3は、有機樹脂の分子量が本発明の下限を下回るために、潤滑性を満足することができず、成形性が低下した。また、試料C4は、有機樹脂の分子量が本発明の上限を超えるために、有機樹脂皮膜中に、アルカリ水溶液が浸透し難くなるという理由で、脱膜性が低下した。
試料C5は、有機樹脂の分子量が本発明の好ましい範囲の下限を下回るために、固体皮膜を形成し難く、成形性及び耐傷つき性が低下した。また、試料C6は、有機樹脂の分子量が本発明の好ましい範囲の上限を超えるために、有機樹脂皮膜中に、アルカリ水溶液が浸透し難くなるという理由で、脱膜性が低下した。
試料C7は、カルナウバの含有量が本発明の好ましい範囲の下限を下回るために、潤滑性が不足し、成形性が低下した。また、試料C8は、カルナウバの含有量が本発明の好ましい範囲の上限を超えるため、有機樹脂皮膜の多くをカルナウバが覆い、アルカリ水溶液が反応し難くなり、脱膜性及び取り扱い性が低下した。
試料C9は、樹脂ビーズの粒径が本発明の好ましい範囲の下限を下回るために、有機樹脂皮膜の多くを樹脂ビーズが覆い、アルカリ水溶液が反応し難くなり、脱膜性が低下した。また、試料C10は、樹脂ビーズの粒径が本発明の好ましい範囲の上限を超えるために、樹脂ビーズが脱落しやすく、耐傷つき性が低下した。
試料C11は、樹脂ビーズの含有量が好ましい範囲の上限を超えるために、有機樹脂皮膜の多くを樹脂ビーズが覆い、アルカリ水溶液が反応し難くなり、脱膜性が低下した。
試料C12は、酸価が本発明の下限を下回るために、脱膜工程で有機樹脂皮膜が充分に除去されず、脱膜性が低下した。
試料C13は、中和剤を含有していないため、脱膜工程で有機樹脂皮膜が充分に除去されず、脱膜性が低下した。
試料C14は、ガラス転移点が本発明の下限を下回るため、実プレス時に工具温度が上昇し、成形性が低下した。

Claims (10)

  1. アルミニウム合金板よりなる基板と、該基板の少なくとも一方の面を被覆する有機樹脂皮膜とからなるプレコートアルミニウム合金板において、
    上記有機樹脂皮膜を構成する有機樹脂として、ガラス転移点が70℃以上であり、酸価50KOH/g以上、分子量20000〜100000、中和剤として水酸化ナトリウム、もしくは水酸化カリウム、アンモニア、アミンから選ばれる1種以上を含む水溶性アクリル樹脂を含み、
    かつ、上記有機樹脂皮膜は、pH8以上のアルカリ水溶液に接触させることによって上記基板から除去可能であることを特徴とするプレコートアルミニウム合金板。
  2. 請求項1において、上記有機樹脂皮膜は、カルナウバを含有してなり、該カルナウバの含有量は、0.1重量%〜30重量%であり、
    上記有機樹脂皮膜の厚みは、0.1μm〜30μmであることを特徴とするプレコートアルミニウム合金板。
  3. 請求項1又は2において、上記アルカリ水溶液は水酸化ナトリウムであることを特徴とするプレコートアルミニウム合金板。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、上記有機樹脂皮膜は、上記アルカリ水溶液との接触時間4秒以内において上記基板から除去可能であることを特徴とするプレコートアルミニウム合金板。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、上記有機樹脂皮膜の膜厚は、10μm以下であることを特徴とするプレコートアルミニウム合金板。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項において、上記有機樹脂皮膜を構成する有機樹脂は、上記水溶性アクリル樹脂の他に、さらに分子量800〜35000のポリアルキレングリコール、又はウレタン樹脂を含有していることを特徴とするプレコートアルミニウム合金板。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項において、上記有機樹脂皮膜の表面には、油性剤、極圧剤、及び固形潤滑剤から選ばれる1種以上を含む潤滑剤が塗布されていることを特徴とするプレコートアルミニウム合金板。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項において、上記有機樹脂皮膜には、粒径1〜120μmで、かつ上記有機樹脂皮膜の厚みの1〜3倍の粒径を有する樹脂ビーズが、上記有機樹脂100重量部に対して1〜100重量部含有されていることを特徴とするプレコートアルミニウム合金板。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項において、上記基板の表面には、上記有機樹脂皮膜と上記基板との密着性を向上させる下地処理層が形成されていることを特徴とするプレコートアルミニウム合金板。
  10. アルミニウム合金板のプレス成形品を製造する方法において、
    加工穴を有するダイスと、上記加工穴に挿入可能なパンチとを用い、請求項1〜9のいずれか一項に記載のプレコートアルミニウム合金板の上記有機樹脂皮膜が形成された面を上記ダイス側に位置させてプレス加工することによりプレス成形品を成形するプレス工程と、
    上記プレス成形品をpH8以上のアルカリ水溶液と接触させて上記基板から上記有機樹脂皮膜を除去する脱膜工程とを有することを特徴とするプレス成形品の製造方法。
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