JP4896589B2 - プレコートアルミニウム合金板及びプレス成形品の製造方法 - Google Patents

プレコートアルミニウム合金板及びプレス成形品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、プレス成形性及び脱膜性に優れたプレコートアルミニウム合金板に関する。
近年、自動車関連業界では、環境問題の観点から、軽量化を目的とし、アルミニウム合金板材の適用が増加しているが、軟鋼板と比較して成形性の劣るアルミニウム合金板には、より成形性を向上させる技術が望まれている。また、特にボディシートとして用いられるアルミニウム合金板は、意匠性や歩行者保護性能の観点から、成形が非常に困難となってきている。歩行者保護性能は、万一の際に歩行者が受ける頭部への衝撃を大幅に緩和させる衝撃緩和性能を有するように、例えば、ボディシートにエネルギー吸収効率を高めるくぼみ形状を配することで得られる。
高成形性については、アルミニウム合金成分及びプロセス条件の見直し等による、材料特性からの改善には限界がある。
そこで、プレス成形に供する潤滑油の粘度の向上、油性を強くする、あるいは潤滑油量を増やすという方法がある。しかしながら、潤滑油の粘度を高めたり、油性を強めると、現在の塗油方法では塗油ができなくなったり、成形後の油の除去を困難にし、結果として、油を除去するための洗浄剤の洗浄性を強める、または長時間化する必要があり、製造コストの増大や、生産効率の悪化につながる。
また、環境改善の観点から、潤滑油や洗浄剤はより少なく、環境負荷の低いものを使用する方向が望まれているため、上述したような潤滑油に関する変更は、この環境改善の流れに逆行するものとなる。また、プレスラインが単独の場合には可能性はあるが、他素材との共通ラインの場合、アルミニウムだけの潤滑油を変更することは非常に困難であり、現実性は低い。
なお、潤滑性を高めたアルミニウム合金板としては、例えば、固体潤滑材を塗布したものがある(特許文献1)。
特開平06−099225号公報
本発明はかかる従来の問題に鑑みてなされたもので、プレス成形性に優れ、且つ、プレス成形後の処理が容易なプレコートアルミニウム合金板を提供しようとするものである。
第1の発明は、アルミニウム合金板よりなる基板と、該基板の少なくとも一方の面を被覆する有機樹脂皮膜とからなり、プレス加工後に上記有機樹脂皮膜を除去するプレコートアルミニウム合金板において、
上記有機樹脂皮膜は、pH8以上のアルカリ水溶液に接触させることによって上記基板から除去可能であると共に、カルナウバを含有してなり、
上記有機樹脂皮膜における上記カルナウバの含有量は、30重量%超え60重量%以下であり、
上記有機樹脂皮膜を構成する有機樹脂は、分子量20000〜100000のアクリル樹脂、分子量800〜35000のポリアルキレングリコール、又はウレタン樹脂であり、
上記有機樹脂皮膜の厚みは、0.1μm〜30μmであることを特徴とするプレコートアルミニウム合金板にある(請求項1)。
上記プレコートアルミニウム合金板は、アルミニウム合金板よりなる基板と、有機樹脂皮膜とよりなる。そして、この有機樹脂皮膜には、カルナウバが高濃度で含有されている。そのため、難成形部品のプレス成形時においても、安定した高潤滑性を得ることができ、安定した成形加工が可能となる。それ故、非常に加工度の高い成形において、かじり、割れなどの不良を激減させることができ、プレス成形時の歩留まりを向上することができる。これにより、意匠性の高いデザインが可能となるだけでなく、複雑な形状も成形することができる。
また、上記有機樹脂皮膜は、pH8以上のアルカリ水溶液に接触させることによって上記基板から除去可能であるものを積極的に採用している。そのため、プレス成形工程の後工程において、通常のプレス油を洗浄するためのアルカリ洗浄を行えば、上記有機樹脂皮膜を容易に脱膜することができる。
また、脱膜後にはそのままリン酸亜鉛処理のような化成処理施すことができ、その後の電着塗装まで通常のラインで行うことが可能である。そして、このように容易に除去可能な有機樹脂皮膜によってプレス加工時の潤滑性を確保することができるので、別途高成形用の潤滑剤等を準備・塗布したり、その洗浄を行う必要がなく、工程変更が不要で高成形性を得ることができる。したがって、低コスト化、環境改善の観点で優れている。
第2の発明は、アルミニウム合金板のプレス成形品を製造する方法において、
加工穴を有するダイスと、上記加工穴に挿入可能なパンチとを用い、上記第1の発明のプレコートアルミニウム合金板の上記有機樹脂皮膜が形成された面を上記ダイス側に位置させてプレス加工することによりプレス成形品を成形するプレス工程と、
上記プレス成形品をpH8以上のアルカリ水溶液と接触させて上記基板から上記有機樹脂皮膜を除去する脱膜工程とを有することを特徴とするプレス成形品の製造方法にある(請求項10)。
この製造方法は、上記第1の発明の優れたプレコートアルミニウム合金板を用いたうえで、少なくとも、上記のプレス工程と脱膜工程とを実施する。これにより、意匠性に優れたプレス成形品を得ることができる。
すなわち、上記プレス工程では、上記のごとく、プレコートアルミニウム合金板の上記有機樹脂皮膜が形成された面を上記ダイス側に位置させてプレス加工する。この場合には、ダイスとプレコートアルミニウム合金板とが接する側に潤滑性に優れた上記カルナウバを多く含有した有機樹脂皮膜が配置されるため、非常に加工度の高い難成形を行ってもかじりや割れ等のない優れたプレス成形品が得られる。そのため、意匠性の高いデザインでありながら、プレス成形時の歩留まりを向上させることができる。
また、上記プレス工程の後には、上記脱膜工程を行う。この脱膜工程では、プレス成形品をpH8以上のアルカリ水溶液と接触させる。ここで、上記素材としてのプレコートアルミニウム合金板は、上記有機樹脂皮膜として、pH8以上のアルカリ水溶液に接触させることによって上記基板から除去可能であるものを積極的に採用している。そのため、この脱膜工程を実施することによって、上記基盤から上記有機樹脂皮膜を除去して脱膜することができる。これにより、上記有機樹脂皮膜を除去して基板が露出したプレス成形品を容易に得ることができると共に、その表面は、上記有機樹脂皮膜によって保護していたので、傷のない非常に意匠性に優れたものとなる。それ故、その後、通常のリン酸亜鉛処理等の化成処理及び塗装を実施しても、意匠性の高いものとなる。
また、上記のごとく、特殊な有機樹脂皮膜を有する素材を用いてプレス工程を行った後、上記脱膜工程によって非常に容易に脱膜することができるので、別途潤滑剤を準備したり、その洗浄を行う必要がなく、低コスト化、環境改善を図ることもできる。
第1の発明のプレコートアルミニウム合金板においては、上記のごとく、上記有機樹脂皮膜に対して、上記カルナウバを30重量%超え60重量以下含有させたものを用いる。この場合には、プレス成形時に極めて優れた潤滑性を示す。
カルナウバの含有量が30重量%以下の場合には、自動車部品に求められる意匠性や歩行者保護性能を満足する難成形性部材を成形する際に、カルナウバによる潤滑性向上効果が十分に得られないという問題がある。また、60重量%を超える場合には、有機樹脂皮膜を完全に除去することが困難であるという問題がある。
また、上記有機樹脂皮膜の厚みは、0.1μm〜30μmである。この場合には、成形性、脱膜性に優れている。
膜厚が0.1μm未満の場合には、アルミニウム合金板の表面の粗さのために皮膜を均一に被覆することができない。また、30μmを超える場合には、膜形成が困難になり、また、脱膜性が劣るという問題がある。また、摩擦攪拌スポット接合の接合強度を低下させることになる。
また、上記アルカリ水溶液はナトリウム塩を含有する水溶液であることが好ましい(請求項2)。
この場合には、工業製品として入手が容易であり、かつ比較的脱膜工程のコストが低くなるという効果が得られる。
上記ナトリウム塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、珪酸ナトリウム等が挙げられる。
そして、上記アルカリ水溶液は、これらのナトリウム塩のうち1種または2種以上を含有する水溶液からなり、上記ナトリウム塩は、複数種含有することができる。
また、上記アルカリ水溶液はpH9〜12であることが好ましい。
上記アルカリ水溶液がpH9未満の場合には、有機皮膜を除去するのに必要な時間が長くなるおそれがあり、一方pH12を超える場合には、有機皮膜が除去された後のアルミニウム合金板表面が必要以上に溶解し、脱膜後の板表面が不均一となることから、その後の化成処理性やさらには塗装後耐食性も低下させる原因となる。
また、上記有機樹脂皮膜は、上記アルカリ水溶液との接触時間5秒以上5分以下において上記基板から除去可能であることが好ましい(請求項3)。
この場合には、効率よく脱膜工程を実施することができる。上記接触時間が5秒未満の場合には、脱膜が不十分になり、部分的に有機皮膜が残存する可能性がある。一方、接触時間が5分を超える場合には、脱膜工程で作業効率が低下するおそれがある。また、脱膜工程の効率化の観点から、より好ましくは、5秒以上90秒以内がよい。
また、上記有機樹脂皮膜の膜厚は、10μm以下であることが好ましい(請求項4)。
この場合には、連続したプレス成形時の、金型への樹脂粉やワックス成分の堆積が抑制されるという効果が得られる。
また、上記有機樹脂皮膜を構成する有機樹脂は、分子量20000〜100000のアクリル樹脂、分子量800〜35000のポリアルキレングリコール、又はウレタン樹脂である。これにより、皮膜をアルカリ水溶液によって容易に除去することができる。また、カルナウバをインナーワックスとして含油しやすい。
アクリル樹脂の場合には、分子量が20000未満の場合には、潤滑性を満足することができず、また、100000を超える場合には、脱膜し難くなる。
ポリアルキレングリコールの場合には、分子量が800未満の場合には、常態で固体皮膜を形成することが困難であり、また、35000を超える場合には、塗装や脱膜をし難くなるという問題がある。
ウレタン樹脂の場合には、いかなる分子量でもよい。
また、上記有機樹脂皮膜の表面には、油性剤、極圧剤、及び固形潤滑剤から選ばれる1種以上を含む潤滑剤が塗布されていることが好ましい(請求項5)。
このような潤滑剤を塗布していなくても、上記のカルナウバを含有する有機樹脂皮膜によって高い潤滑性が得られるが、上記の潤滑性を塗布した場合には、有機樹脂皮膜の潤滑性を更に向上することができ、極めて過酷な成形にも適用することができる。
油性剤としては、例えば、ポリオールエステル、油脂、脂肪酸エステル、高級アルコール、高級脂肪酸、及びαオレフィン等がある。
また、極圧剤としては、例えば、塩素系、硫黄系、及びリン系等がある。環境の観点から、硫黄系、リン系がより好ましい。
固形潤滑剤としては、例えば、金属石鹸及びグリース等がある。
また、使用環境に応じて、金属に影響を及ぼす油であれば、いかなるものでもよい。
また、上記有機樹脂皮膜には、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスの1種あるいは2種が、上記有機樹脂皮膜100重量部に対して、50重量部以下含有されていることが好ましい(請求項6)。
この場合には、さらに潤滑性を向上することができ、非常に難易度の高い形状へのプレス成形を可能とすることができる。
パラフィンワックス、ポリエチレンワックスの1種あるいは2種の含有量が、上記有機樹脂皮膜100重量部に対して、50重量部を超えて含有されている場合には、成形性はそれ以上得られることはなく、脱膜工程において、安定して完全な脱膜がし難くなるおそれがある。
また、上記有機樹脂皮膜には、1〜120μmの範囲内の粒径であって、かつ上記有機樹脂皮膜の厚みの1〜3倍の粒径を有する樹脂ビーズが、上記有機樹脂100重量部に対して1〜100重量部含有されていることが好ましい(請求項7)。
この場合には、成形時の耐傷つき性が向上し、プレス成形されるまでのハンドリング傷が抑えられ、歩留まりの向上に効果がある。
上記樹脂ビーズの粒径が1μm未満の場合には、有機樹脂ビーズの多くを樹脂皮膜が覆い、アルカリ水溶液が反応し難くなり、脱膜性が低下するおそれがある。一方、粒径が120μmを超える場合には、摩擦攪拌スポット接合時に均一に攪拌され難いおそれがある。
上記樹脂ビーズの含有量が1重量部以下の場合には、その効果が認められず、また、100重量部を超える場合には、効果に変化が見られなくなり、コストが増大するおそれがある。
上記粒径が上記有機樹脂皮膜の1倍未満になる場合には、皮膜から樹脂ビーズが頭を出さず効果が小さくなる。また、3倍を超える場合には、皮膜がビーズをトラップし難くなり、樹脂ビーズが脱落しやすくなるというおそれがある。
また、上記基盤の表面には、上記有機樹脂皮膜と上記基板との密着性を向上させる下地処理層が形成されていることが好ましい(請求項8)。
この場合には、有機樹脂皮膜と基板の密着性が向上し、有機樹脂皮膜の成形性がより高まり、傷防止効果をさらに高めることができる。
上記下地処理層としては、リン酸クロメート、クロム酸クロメート等のクロメート処理、また、クロム化合物以外のリン酸チタン、リン酸ジルコニウム、リン酸モリブデン、リン酸亜鉛などによるノンクロメート処理等の化学皮膜処理(化成処理)により得られる皮膜がある。
上記化学皮膜処理方法には、反応型及び塗布型等があるが、本発明においては、いずれの手法が採用されてもよい。
第2の発明のプレス成形品の製造方法において、上記プレス工程後、他のアルミニウム合金部品と上記プレス成形品とを摩擦攪拌スポット接合によって接合する接合工程を行った後、上記脱膜工程を行うことが好ましい(請求項10)。
上記第1の発明のプレコートアルミニウム合金板を自動車用ボディシートに用いる場合には、アウター材とインナー材の組み付けが必要となる場合が多い。上記プレコートアルミニウム合金板は、有機皮膜により被覆されているため、いわゆる抵抗スポット溶接の実施は困難である。一方、セルフピアシングリベットのような機械的な締結は可能であるが、接合のために別途副資材が必要となる。ここで、上記有機皮膜は高潤滑を得るために融点の低いカルナウバの含有量を高くしているため、上記組み付けは、摩擦攪拌スポット接合により行うことが可能であり、非常に有効である。
また、上記プレス工程後に摩擦攪拌スポット接合を行った組み付け部品は、上記脱膜工程にて脱膜し、その後、リン酸亜鉛処理等の化成処理や電着塗装を通常のラインで実施することができる。
なお、上記他のアルミニウム合金部品としては、第1の発明のプレコートアルミニウム合金板からなるアルミニウム合金部品であってもよいし、それ以外のアルミニウム合金からなるアルミニウム合金部品であってもよい。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によってのみ限定されるものではない。
本例では、本発明の実施例及び比較例として複数種類の試料(プレコートアルミニウム合金板)を作製しその特性を評価した。
各試料を製作するに当たっては、まず、基板として、調質がT4、厚さ1.0mmのA6016アルミニウム合金板を使用した。
また、上記基板に酸性溶液による洗浄を施した。
塗装処理は、上記脱脂処理後の上記基板に対して、所定の塗料をバーコート法によって塗布し、温度140℃で2分間焼付け処理し、硬化することにより各塗膜を形成した。
また、各塗膜の作製にあたっては、樹脂として、アクリル樹脂(AC)、ポリアルキレングリコール(AG)、及びウレタン樹脂(UR)を用い、潤滑剤として、オレイン酸(OA)、オレイン酸メチル(OAM)、トリクレジルフォスフェート(TCP)、及びステアリン酸カルシウム(STCa)を用い、樹脂ビーズとして、ポリテトラフルオロエチレンを用いた。
これらのカルナウバ、有機樹脂、パラフィン、ポリエチレン、樹脂ビーズ、及び潤滑剤を表1〜表3に示す配合割合で混合し、塗膜を形成した。なお、形成された塗膜は表1〜表3に示す。
Figure 0004896589
Figure 0004896589
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本例では、各試料について、成形性、脱膜性、及び摩擦攪拌スポット接合性についての評価を実施した。
<成形性>
円筒ポンチの油圧深絞り成形試験機を用いて成形した。試料が破断せずに成形できる最大高さの評価を実施した。評価が◎及び○を合格とし、×を不合格とした。
(加工条件)
ブランク径:φ110mm、ポンチ径:φ50mm、ポンチコーナー:5R、しわ押さえ荷重:10kN、成形速度:100mm/min。
(評価基準)
◎:14mm以上、○:12mm以上14mm未満、×:12mm未満
<脱膜性>
150mm×70mmの供試材を、マグネチックスターラーで攪拌したアルカリ水溶液(炭酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム水溶液、液温40℃)中に浸漬した後、水洗いを行い、乾燥後の皮膜残存の有無を目視にて確認し、浸漬時間を評価した。評価が◎及び○を合格とし、×を不合格とした。
(評価基準)
◎:1.5分未満、○:1.5分以上5分以下、×:5分超え
<摩擦攪拌スポット接合性>
各塗装板を3500rpmの攪拌速度で摩擦攪拌スポット接合し、引っ張り試験によるせん断強度を測定し、摩擦攪拌スポット接合性を評価した。評価が◎及び○を合格とし、×を不合格とした。
(評価基準)
◎:2.0kN以上、○:1.45kN以上2.0kN未満、×:1.45kN未満
評価の結果は、表4及び表5に示すとおりである。
Figure 0004896589
Figure 0004896589
表4より知られるごとく、本発明の実施例である試料E1〜試料E23は、成形性、脱膜性、摩擦攪拌スポット接合性という全ての項目において、いずれも良好な結果を示した。
表5より知られるごとく、試料C1は、有機樹脂皮膜の厚みが本発明の下限を下回るため、成形性が不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C2は、有機樹脂皮膜の厚みが本発明の上限を上回るため、摩擦攪拌スポット接合性及び脱膜性が不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C3は、カルナウバの含有量が本発明の下限を下回るため、成形性が不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C4は、カルナウバの含有量が本発明の上限を上回るため、脱膜性が不合格であった。

Claims (10)

  1. アルミニウム合金板よりなる基板と、該基板の少なくとも一方の面を被覆する有機樹脂皮膜とからなり、プレス加工後に上記有機樹脂皮膜を除去するプレコートアルミニウム合金板において、
    上記有機樹脂皮膜は、pH8以上のアルカリ水溶液に接触させることによって上記基板から除去可能であると共に、カルナウバを含有してなり、
    上記有機樹脂皮膜における上記カルナウバの含有量は、30重量%超え60重量%以下であり、
    上記有機樹脂皮膜を構成する有機樹脂は、分子量20000〜100000のアクリル樹脂、分子量800〜35000のポリアルキレングリコール、又はウレタン樹脂であり、
    上記有機樹脂皮膜の厚みは、0.1μm〜30μmであることを特徴とするプレコートアルミニウム合金板。
  2. 請求項1において、上記アルカリ水溶液はナトリウム塩を含有する水溶液であることを特徴とするプレコートアルミニウム合金板。
  3. 請求項1又は2において、上記有機樹脂皮膜は、上記アルカリ水溶液との接触時間5秒以上5分以下において上記基板から除去可能であることを特徴とするプレコートアルミニウム合金板。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、上記有機樹脂皮膜の膜厚は、10μm以下であることを特徴とするプレコートアルミニウム合金板。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、上記有機樹脂皮膜の表面には、油性剤、極圧剤、及び固形潤滑剤から選ばれる1種以上を含む潤滑剤が塗布されていることを特徴とするプレコートアルミニウム合金板。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項において、上記有機樹脂皮膜には、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスの1種あるいは2種が、上記有機樹脂皮膜100重量部に対して、50重量部以下含有されていることを特徴とするプレコートアルミニウム合金板。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項において、上記有機樹脂皮膜には、1〜120μmの範囲内の粒径であって、かつ上記有機樹脂皮膜の厚みの1〜3倍の粒径を有する樹脂ビーズが、上記有機樹脂100重量部に対して1〜100重量部含有されていることを特徴とするプレコートアルミニウム合金板。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項において、上記基盤の表面には、上記有機樹脂皮膜と上記基板との密着性を向上させる下地処理層が形成されていることを特徴とするプレコートアルミニウム合金板。
  9. アルミニウム合金板のプレス成形品を製造する方法において、
    加工穴を有するダイスと、上記加工穴に挿入可能なパンチとを用い、請求項1〜8のいずれか一項に記載のプレコートアルミニウム合金板の上記有機樹脂皮膜が形成された面を上記ダイス側に位置させてプレス加工することによりプレス成形品を成形するプレス工程と、
    上記プレス成形品をpH8以上のアルカリ水溶液と接触させて上記基板から上記有機樹脂皮膜を除去する脱膜工程とを有することを特徴とするプレス成形品の製造方法。
  10. 請求項9において、上記プレス工程後、他のアルミニウム合金部品と上記プレス成形品とを摩擦攪拌スポット接合によって接合する接合工程を行った後、上記脱膜工程を行うことを特徴とするプレス成形品の製造方法。
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