JP2009105330A - 磁芯用複合材料 - Google Patents

磁芯用複合材料 Download PDF

Info

Publication number
JP2009105330A
JP2009105330A JP2007277931A JP2007277931A JP2009105330A JP 2009105330 A JP2009105330 A JP 2009105330A JP 2007277931 A JP2007277931 A JP 2007277931A JP 2007277931 A JP2007277931 A JP 2007277931A JP 2009105330 A JP2009105330 A JP 2009105330A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic core
epoxy resin
composite material
curing agent
magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007277931A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5329069B2 (ja
Inventor
Ryota Uchiyama
良太 内山
Eiji Moro
英治 茂呂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2007277931A priority Critical patent/JP5329069B2/ja
Publication of JP2009105330A publication Critical patent/JP2009105330A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5329069B2 publication Critical patent/JP5329069B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Soft Magnetic Materials (AREA)

Abstract

【課題】 長期にわたって絶縁特性を安定に維持することができる磁芯を形成可能な磁芯用複合材料を提供すること。
【解決手段】 好適な実施形態の磁芯用複合材料は、強磁性粉末と、熱硬化性を有するエポキシ樹脂と、分子量が2000以上であるエポキシ樹脂の硬化剤、及び/又は、ポリアミドイミド構造、ポリビニルフェノール構造、ビスマレイミド構造及びシリコーン構造からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造を有するエポキシ樹脂の硬化剤と、を含有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、磁芯用複合材料に関する。
インダクタ等は、一般に、磁芯を含む構造を有している。この磁芯は、磁芯用複合材料を成形することによって製造されており、磁芯用複合材料としては、強磁性粉と熱硬化性樹脂とを含有するものが多く用いられている。例えば、常温において固体状を呈する熱硬化性樹脂を含む粉末結合剤、所定の溶剤及び磁性粉末を混合したものが知られている(特許文献1参照)。
特許第2700713号公報
しかしながら、上記従来の磁芯用複合材料を用いて磁芯を形成した場合、長期間高温下で放置すると、その絶縁特性が低下し易いという問題があった。磁芯の絶縁特性が低下すると、インダクタの損失が増大してしまい、また、場合によってはショートしてしまうこともある。
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、高温下でも絶縁特性を安定に維持することができる磁芯を形成可能な磁芯用複合材料を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の磁芯用複合材料は、強磁性粉末と、熱硬化性を有するエポキシ樹脂と、分子量が2000以上であるエポキシ樹脂の硬化剤とを含有することを特徴とする。
このような本発明の磁芯用複合材料は、硬化により磁芯を形成することができる。かかる硬化においては、エポキシ樹脂の硬化が生じるが、得られる硬化物は、硬化剤に由来する架橋構造を多く含むものとなる。ここで、上記本発明の磁芯用複合材料は、硬化剤として、分子量が2000以上である硬化剤を含んでいるため、これを硬化させて得られる磁芯は、分子量が大きい架橋構造を有しており、高温でも熱分解し難いエポキシ樹脂の硬化物を含むようになる。
本発明者らの知見によると、上記従来の磁芯用複合材料を用いた磁芯では、高温下では熱硬化性樹脂の分解が生じ、これによって絶縁特性の低下が生じていると推測される。これに対して、本発明の磁芯用複合材料から得られる磁芯は、上記のように熱分解し難いエポキシ樹脂の硬化物を含むことから、高温下でも絶縁特性が低下し難くなると考えられる。
本発明の磁芯用複合材料は、強磁性粉末と、熱硬化性を有するエポキシ樹脂と、イミド構造、フェノール構造及びエポキシ樹脂と反応する官能基を有するシリコーン構造からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造を有するエポキシ樹脂の硬化剤とを含有することを特徴としてもよい。
かかる本発明の磁芯用複合材料によれば、硬化剤に由来するイミド構造、フェノール構造及びエポキシ樹脂を反応する官能基を有するシリコーン構造を含む架橋構造を有するエポキシ樹脂の硬化物を含有する磁芯が得られるようになる。そして、架橋構造におけるこれらの構造は、極めて高い耐熱性を有する構造であることから、上記本発明の磁芯用複合材料により得られる磁芯も、高温でも熱分解し難いエポキシ樹脂の硬化物を含むようになり、その結果、高温下でも絶縁特性を良好に維持することができる。
本発明によれば、長期にわたって絶縁特性を安定に維持することができる磁芯を形成可能な磁芯用複合材料を提供することが可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明する。
まず、本発明の磁芯用複合材料を用いて得られた磁芯を有するインダクタの構成の例について説明する。図1は、インダクタを示す平面図であり、図2は、図1に示すインダクタの端面図である。
図示されるインダクタ1は、導線等が巻回されてなる空芯コイル4と、この空芯コイル4を封止するように形成された磁芯2とを有しており、空芯コイル4の両端部には、空芯コイル4の外部との接続を行うための導体箔等からなる電極端子6がそれぞれ設けられている。このインダクタ1は、言い換えると、磁芯2における芯部2aと、この芯部2aの周囲に導線が巻きつけられてなる空芯コイル4と、さらにこの空芯コイル4を封止するように外側に設けられた磁芯2とを備えている。
上記構成を有するインダクタ1において、磁芯2(芯部2aも含む)は、本発明の好適な実施形態に係る磁芯用複合材料から形成されたものであり、より詳しくは、この磁芯用複合材料を硬化させて形成されたものである。以下、好適な磁芯用複合材料及びこれにより得られる磁芯2について説明する。
磁芯2を構成する磁芯用複合材料は、強磁性粉末、熱硬化性を有するエポキシ樹脂及びこのエポキシ樹脂の硬化剤を含む。まず、強磁性粉末は、強磁性を有する材料から構成されるものであれば特に制限なく適用可能であり、例えば、Fe−Si−Cr、Fe−Ni、Fe−Si−Al、Fe−Cr、Fe−Si等の鉄を基本成分とする金属からなる鉄基粉末が挙げられる。
エポキシ樹脂は、熱硬化性樹脂の主剤となる成分であり、エポキシ基を複数有するエポキシ化合物が挙げられる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、特殊エポキシ樹脂やこれらの変性樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂としては、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
エポキシ樹脂は、軟化点が60℃以上ものであると好ましく、80℃以上のものであるとより好ましい。軟化点が60℃以上のものであると、エポキシ樹脂の流動性が十分に高められ、これにより磁芯用複合材料において後述するような被覆構造が形成され易くなり、一層優れた絶縁特性が得られるようになる。
硬化剤は、上記のエポキシ樹脂の硬化剤であり、具体的には、硬化において、エポキシ樹脂から構成される重合構造同士を架橋する構造(架橋構造)を形成することができる化合物である。このような硬化剤としては、エポキシ樹脂からなる重合構造中に含まれるヒドロキシル基等と反応可能な官能基、例えばアミノ基やヒドロキシル基を2つ以上有する化合物が挙げられる。
本実施形態における硬化剤は、2000以上の分子量を有する化合物であり、2000〜30000の分子量を有する化合物であると好ましく、2000〜20000の分子量を有する化合物であるとより好ましい。硬化剤の分子量が2000未満であると、磁芯2に含まれるエポキシ樹脂の硬化物の熱分解速度が不都合に大きくなり、高温で十分に絶縁特性を維持することが困難となる。一方、硬化剤の分子量が、上記範囲より大きすぎる場合は、エポキシ樹脂の硬化が不十分となる傾向にある。
また、硬化剤としては、イミド構造、フェノール構造及びエポキシ樹脂と反応する官能基を有するシリコーン構造(例えば、変性シリコーン構造)からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造を有する化合物が好適である。硬化剤がこのような化合物である場合、上述のように2000以上の分子量を有していなくてもよい。ただし、磁芯2の高温での絶縁特性をより十分に維持できるようにする観点からは、硬化剤は、これらの構造を有し、且つ、分子量が2000以上のものであると特に好ましい。
上記のような硬化剤としては、具体的には、ポリアミドイミド構造、ポリビニルフェノール構造、ビスマレイミド構造、シリコーン構造、ノボラック型フェノール構造を有する化合物等が挙げられる。なかでも、ポリアミドイミド構造、ポリビニルフェノール構造、ノボラック型フェノール構造を有する化合物が好適である。
これらの構造を有する硬化剤としては、具体的には、下記一般式(1)で表されるノボラック型フェノール樹脂、下記一般式(2)で表されるポリビニルフェノール、下記一般式(3)で表されるエポキシ変性シリコーンオイル、下記一般式(4)で表されるアミン変性シリコーンオイル、下記一般式(5)で表されるポリビスマレイミド、下記一般式(6)で表されるアミノトリアジンノボラックが挙げられる。下記式中、Rは1価の有機基を示し、Arは2価の芳香族基を示す。また、n及びkは、それぞれ独立に、括弧内の構造単位の繰り返し単位を示す数であり、各単位に好適な数を制限無く適用できるが、分子量が上述した好適範囲内となるような数であると好ましい。
Figure 2009105330
上記の各成分を含む磁芯用複合材料は、例えば、以下に示すような構造を有していると好ましい。図3は、好適な実施形態の磁芯用複合材料の構造を示す図である。
図示のように、本実施形態の磁芯用複合材料は、複数の粒子20の凝集体によって構成されると好ましい。ここで、各粒子20は、強磁性粒子20aと、この強磁性粒子20aを被覆する被覆膜20bから構成されている。この粒子20において、上述した強磁性粒子20aが、上述した強磁性粉末の構成材料によって形成されている一方、被覆膜20bに、エポキシ樹脂とその硬化剤が含まれる。
磁芯用複合材料がこのような構造を有することによって、強磁性粒子20a間の絶縁性が高く保たれ、その結果、この磁芯用複合材料から得られる磁芯2は、高い絶縁特性を有することができる。
磁芯用複合材料は、上記の各成分を次に示すような含有割合で含有していると好ましい。すなわち、まず、エポキシ樹脂は、強磁性粉末100質量部に対して、0.5〜5質量部含まれると好ましく、1〜4質量部含まれるとより好ましい。エポキシ樹脂の含有量が上記範囲よりも少なすぎると、磁芯2の絶縁特性や強度が不十分となるおそれがある。一方、多すぎると、磁気特性が十分に得られなくなるおそれがある。
また、硬化剤は、エポキシ樹脂の当量配合されることが好ましい。なお、硬化剤の配合量は、エポキシ樹脂の当量から若干増減してもよいが、この当量から大幅に少ない(例えば、1/2当量以下)と、エポキシ樹脂の硬化物に架橋構造が十分に導入されず、硬化物が熱分解し易くなり、結果として、磁芯が高温において絶縁特性を良好に維持し難くなるおそれがある。一方、硬化剤が多すぎても(例えば、2当量以上)同様に、硬化物の架橋している箇所が少なくなるため、強度、絶縁特性等が不十分となるおそれがある。
なお、磁芯用複合材料は、上記の各成分のほか、必要に応じて、本発明による効果を阻害し過ぎない範囲で成形助剤、カップリング剤、難燃剤等を更に含んでいてもよい。成型助剤としては、例えばステアリン酸Al、ステアリン酸Zn、ステアリン酸Sr、ステアリン酸Ba、ステアリン酸Ca等の金属石鹸、ステアリン酸アミド、ベヘン酸等の高級脂肪酸、メラミンシアヌレート、窒化ホウ素、二硫化モリブデンなどが挙げられる。
インダクタ1における磁芯2は、上述した磁芯用複合材料の硬化物によって形成されるものである。例えば、磁芯2としては、図3に示したような磁芯用複合材料から形成される場合、これと同様に多数の粒子20が凝集した構造を有しており、この粒子20において強磁性粒子20aを覆う被覆膜20bが、エポキシ樹脂の硬化物から形成されている構造を有するものが好適である。このエポキシ樹脂の硬化物は、硬化剤に由来する架橋構造を多く含んでおり、耐熱性に優れ、熱分解を生じ難いものとなる。
上述した磁芯用複合材料及び磁芯2は、例えば、次に示すような製造方法によって製造することができる。
まず、磁芯用複合材料の製造においては、強磁性粉末、エポキシ樹脂及び硬化剤を準備し、これらを混合する。混合は、樹脂を溶剤で溶解したものを用いて行うことが、作業性や均一性を向上させる観点から好ましい。そして、強磁性粉末に均一に樹脂を被覆させるため、樹脂を溶解した溶液にて強磁性粉末をコーティングするようにして行うことが好ましい。
また、硬化剤の種類によっては、エポキシ樹脂及び硬化剤を溶融混合した後、これに強磁性粉末を更に混合することもできる。その場合、溶融温度は、硬化剤の融点よりも低い温度とすることが好ましい。これにより、混合の段階でのエポキシ樹脂の硬化を十分に抑制でき、上述したような被覆構造を形成し易くなる。
その後、上記の混合やコーティングにより、強磁性粉末と樹脂成分(エポキシ樹脂及び硬化剤)を含む磁芯用複合材料が得られる。このような磁芯用複合材料は、必要に応じて解砕、整粒することができる。
整粒は、磁芯用複合材料の平均粒径が50〜180μmとなるように行うことが好ましく、70〜120μmとなるように行うことがより好ましい。磁芯用複合材料の平均粒径が上記の範囲内にあると、上記範囲を外れた場合に比べて、磁芯用複合材料の流動性がより高くなるという利点がある。なお、整粒は、1回でもよいが、必要に応じて2回以上行ってもよい。また、解砕手段としては、例えばカッターミル、フェザーミル、フレーククラッシャー、ゴーズグレンダーなどを用いることができる。
そして、このようにして得られた磁芯用複合材料は、例えば、所望の形状に成形された後、硬化させることによって磁芯2を形成することができる。成形は、公知の方法によって行うことができる。なお、成形は、必ずしも磁芯2の最終的な形状まで一度に行う必要はない。例えば、図1に示すようなインダクタ1の磁芯2を形成する場合、まず、磁芯2における芯部2aを形成し、これに空芯コイル4を巻きつけた後、これを磁芯用複合材料で封止することにより磁芯2を完成させるようにしてもよい。また、磁芯用複合材料の硬化は、これに含まれるエポキシ樹脂の硬化が生じるような温度に加熱することによって行うことができる。
以上、説明したようなインダクタ1における磁芯2は、上述した本発明の磁芯用複合材料によって形成されたものであることから、以下のような特徴を有するものとなる。すなわち、磁芯2は、エポキシ樹脂の硬化物を含み、好ましくはエポキシ樹脂の硬化物により強磁性粒子が覆われたような構成を有している。そして、このエポキシ樹脂の硬化物は、高い分子量を有するか又は耐熱性に優れる構造を含む硬化剤に由来する架橋構造を多く有しており、高温でも熱分解を生じ難いものである。したがって、かかる構成を有している磁芯2は、エポキシ樹脂の硬化物の熱分解に起因する絶縁特性の低下が生じ難く、高温に長期間さらされた場合であっても、絶縁特性を良好に維持することができる。
ここで、分子量の観点からは、硬化剤ではなくエポキシ樹脂そのものの分子量を大きくすることも考えられる。しかしながら、この場合は、エポキシ樹脂の硬化物において、エポキシ樹脂からなる重合構造が長くなるため、硬化剤に由来する架橋構造の割合はむしろ少なくなる。その結果、硬化物はTgのほか、耐溶剤性が低いものとなり易くなり、磁芯に対して高温下で十分な絶縁特性を付与することができなくなると考えられる。これに対し、本発明では、上記実施形態のように、熱分解性の低い硬化剤からなる架橋構造を導入することができるため、エポキシ樹脂の分子量を大きくするよりも絶縁特性を良好に維持できる磁芯2を得ることができる。
本発明の磁芯用複合材料及び磁芯並びにこれらの製造方法は、必ずしも上述の実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。例えば、磁芯は、上記実施形態のインダクタ1における磁芯2の形状に限られず、円柱状、トロイダル状その他の種々の形状であってもよい。
また、磁芯用複合材料は、必ずしも上記のような被覆構造を有している必要はなく、例えば、エポキシ樹脂及び硬化剤中に強磁性粉末が分散したような構造を有していてもよい。さらに、磁芯用複合材料の製造においては、強磁性粉末、エポキシ樹脂及び硬化剤を一度に混合させずに、これらを順に混合するようにしてもよい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[磁芯用複合材料の作製]
(実施例1〜7、比較例1〜6)
まず、Fe−Ni−Si−Co系軟磁性粉末を準備するとともに、主剤及びその硬化剤を、溶剤であるアセトン、エタノール又はトルエンに添加した。次いで、軟磁性粉末と樹脂溶液とを混合し、攪拌した後に、溶剤を除去し、さらに得られた混合物を解砕することにより、顆粒状の磁芯用複合材料を得た。この際、主剤及び硬化剤の合計含有量は2重量%となるようにし、硬化剤は、主剤の当量を添加した。
なお、実施例1〜7及び比較例1〜6では、下記表1に示すように主剤(エポキシ樹脂又はシリコーン樹脂)及び硬化剤の組み合わせを変化させた。
Figure 2009105330

[特性評価]
上記で作製した実施例1〜7及び比較例1〜6の磁芯用複合材料から作製した磁芯をそれぞれ用いて磁気特性、耐電圧性及び耐溶剤性を評価するとともに、これらの圧環強度の測定を行った。また、これらの磁芯用複合材料の粉体流動度もあわせて測定した。得られた結果をまとめて表2に示す。
(磁芯の作製)
得られた磁芯用複合材料に、St−Znを添加し、混合した後、7ton/cmで成型をおこない、得られた成形体を、180℃、1時間の条件で加熱し、硬化させた。これにより、トロイダル状の形状を有する磁芯を得た。
(磁気特性)
まず、作成後の磁芯の透磁率(μi(初期))をLCRメータにより測定した。その後、磁芯を125℃で1000時間放置する処理を行った後、処理後の磁芯の透磁率(μi(1000hr))を再度測定した。この処理前後の透磁率の変化が小さいほど、高温下でも優れた磁気特性を維持できることを示している。
(耐電圧性)
作成後の磁芯に電圧を印加し、この電圧を徐々に増大させて、磁芯の絶縁破壊が生じるまでの電圧(耐電圧)を測定した。また、別に作製した磁芯に対し、125℃で1000時間放置する処理を行った後、処理後の磁芯について同様に耐電圧を測定した。上記処理を行わなかった磁芯の耐電圧(初期)と、上記処理を行った磁芯の耐電圧(1000hr)との差が小さい方が、高温下でより絶縁特性を維持する特性に優れることを示している。
(耐溶剤性)
耐溶剤性は、磁芯を、アセトン、トルエンに浸漬して超音波洗浄器にて10分処理した後の外観を観察することにより評価した。この評価では、磁芯の外観に変化がなく、粉落ちが無かったものを良好と判断した。
(圧環強度)
圧環強度は、JIS−Z−2507に準拠して測定した。
(粉体流動度)
粉体流動度は、磁芯用複合材料を用い、JIS−Z−2504に準拠して測定した。
Figure 2009105330
耐溶剤性は、実施例1〜7及び比較例1〜3、5〜6の磁芯用複合材料を用いた場合はいずれも良好であったが、比較例4の磁芯用複合材料を用いると不十分であった。
上記の結果から分かるように、本発明の磁芯用複合材料に該当する実施例1〜7によれば、高温条件でも磁気特性及び絶縁特性を十分に維持できる磁芯が得られることが判明した。また、耐溶剤性、粉体流動性及び圧環強度においても良好な結果が得られた。これに対し、比較例1〜6の磁芯用複合材料を用いると、高温下で絶縁特性が著しく低下するか、耐溶剤性が不十分となり、また、磁気特性、粉体流動性及び圧環強度も不十分となる場合があることが判明した。
インダクタを示す平面図である。 図1に示すインダクタの端面図である。 好適な実施形態の磁芯用複合材料の構造を示す図である。
符号の説明
1…インダクタ、2…磁芯、2a…芯部、4…空芯コイル、6…電極端子、20…粒子、20a…強磁性粒子、20b…被覆膜。

Claims (2)

  1. 強磁性粉末と、
    熱硬化性を有するエポキシ樹脂と、
    分子量が2000以上である前記エポキシ樹脂の硬化剤と、
    を含有することを特徴とする磁芯用複合材料。
  2. 強磁性粉末と、
    熱硬化性を有するエポキシ樹脂と、
    イミド構造、フェノール構造及びエポキシ樹脂と反応する官能基を有するシリコーン構造からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造を有する前記エポキシ樹脂の硬化剤と、
    を含有することを特徴とする磁芯用複合材料。


JP2007277931A 2007-10-25 2007-10-25 磁芯用複合材料 Active JP5329069B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007277931A JP5329069B2 (ja) 2007-10-25 2007-10-25 磁芯用複合材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007277931A JP5329069B2 (ja) 2007-10-25 2007-10-25 磁芯用複合材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009105330A true JP2009105330A (ja) 2009-05-14
JP5329069B2 JP5329069B2 (ja) 2013-10-30

Family

ID=40706707

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007277931A Active JP5329069B2 (ja) 2007-10-25 2007-10-25 磁芯用複合材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5329069B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018041955A (ja) * 2016-09-07 2018-03-15 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. 磁性粉末及びこれを含むインダクタ
JP2019048948A (ja) * 2017-09-11 2019-03-28 日立化成株式会社 コンパウンド、硬化物、及びボンド磁石

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5525474A (en) * 1978-08-14 1980-02-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd Epoxy resin composition
JPH06349615A (ja) * 1993-06-04 1994-12-22 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 樹脂結合型磁石用組成物とその製造方法、及びそれを用いた樹脂結合型磁石
JPH08109244A (ja) * 1994-10-07 1996-04-30 Nippon Kayaku Co Ltd 金属粉バインダー用エポキシ樹脂及びその硬化物
JPH09102409A (ja) * 1995-10-02 1997-04-15 Hitachi Ltd 圧粉磁心用樹脂組成物、圧粉磁心、リアクトル及びそれを用いた電気機器
JPH11195520A (ja) * 1997-12-27 1999-07-21 Tdk Corp 圧粉コア用強磁性粉末、圧粉コアおよびその製造方法
JP2000169901A (ja) * 1998-09-30 2000-06-20 Kawasaki Steel Corp 圧粉磁芯用扁平鉄粉および圧粉磁芯
JP2000239356A (ja) * 1999-02-17 2000-09-05 Mitsubishi Electric Corp 熱硬化性樹脂組成物およびそれを用いた絶縁コイル
JP2001068361A (ja) * 1999-08-31 2001-03-16 Hitachi Ltd 内燃機関用点火コイル
JP2001342501A (ja) * 2000-03-31 2001-12-14 Kawasaki Steel Corp 圧粉成形体、その製造方法およびそれに用いる鉄基混合粉末
JP2006222458A (ja) * 2006-05-08 2006-08-24 Matsushita Electric Works Ltd プリント配線板の製造方法及びプリント配線板
JP2006332294A (ja) * 2005-05-25 2006-12-07 Toda Kogyo Corp ガーネット構造を有するフェライト磁性粉体及び該フェライト磁性粉体を含有する半導体封止用樹脂組成物
JP2007208026A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Univ Nihon 複合磁性シートおよびその製造方法

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5525474A (en) * 1978-08-14 1980-02-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd Epoxy resin composition
JPH06349615A (ja) * 1993-06-04 1994-12-22 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 樹脂結合型磁石用組成物とその製造方法、及びそれを用いた樹脂結合型磁石
JPH08109244A (ja) * 1994-10-07 1996-04-30 Nippon Kayaku Co Ltd 金属粉バインダー用エポキシ樹脂及びその硬化物
JPH09102409A (ja) * 1995-10-02 1997-04-15 Hitachi Ltd 圧粉磁心用樹脂組成物、圧粉磁心、リアクトル及びそれを用いた電気機器
JPH11195520A (ja) * 1997-12-27 1999-07-21 Tdk Corp 圧粉コア用強磁性粉末、圧粉コアおよびその製造方法
JP2000169901A (ja) * 1998-09-30 2000-06-20 Kawasaki Steel Corp 圧粉磁芯用扁平鉄粉および圧粉磁芯
JP2000239356A (ja) * 1999-02-17 2000-09-05 Mitsubishi Electric Corp 熱硬化性樹脂組成物およびそれを用いた絶縁コイル
JP2001068361A (ja) * 1999-08-31 2001-03-16 Hitachi Ltd 内燃機関用点火コイル
JP2001342501A (ja) * 2000-03-31 2001-12-14 Kawasaki Steel Corp 圧粉成形体、その製造方法およびそれに用いる鉄基混合粉末
JP2006332294A (ja) * 2005-05-25 2006-12-07 Toda Kogyo Corp ガーネット構造を有するフェライト磁性粉体及び該フェライト磁性粉体を含有する半導体封止用樹脂組成物
JP2007208026A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Univ Nihon 複合磁性シートおよびその製造方法
JP2006222458A (ja) * 2006-05-08 2006-08-24 Matsushita Electric Works Ltd プリント配線板の製造方法及びプリント配線板

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018041955A (ja) * 2016-09-07 2018-03-15 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. 磁性粉末及びこれを含むインダクタ
JP2019048948A (ja) * 2017-09-11 2019-03-28 日立化成株式会社 コンパウンド、硬化物、及びボンド磁石

Also Published As

Publication number Publication date
JP5329069B2 (ja) 2013-10-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3986043B2 (ja) 圧粉磁心及びその製造方法
JP4284004B2 (ja) 高強度圧粉磁心用粉末、高強度圧粉磁心の製造方法
CN102623120B (zh) 磁性粉末材料、低损耗复合磁性材料和磁性元件
US20140286814A1 (en) Composite magnetic material, buried-coil magnetic element using same, and method for producing same
JP7416124B2 (ja) コンパウンド及びタブレット
US9245676B2 (en) Soft magnetic alloy powder, compact, powder magnetic core, and magnetic element
CN103219119A (zh) 一种μ90高磁导率Fe基非晶磁粉芯的制备方法
JP2005294458A (ja) 高周波用複合磁性粉末材料および高周波用圧粉磁芯ならびに高周波用圧粉磁芯の製造方法
JP2019104954A (ja) 金属元素含有粉及び成形体
JP7318422B2 (ja) 樹脂組成物および成形品
JP5329069B2 (ja) 磁芯用複合材料
CN111788256A (zh) 树脂粉末、密封材料、电子部件以及树脂粉末制造方法
JP6103191B2 (ja) 磁性粉を原料とする造粒粉の製造方法。
WO2019167182A1 (ja) コンパウンド粉
US20170309387A1 (en) Powder core, manufacturing method of powder core, inductor including powder core, and electronic/electric device having inductor mounted therein
WO2019106810A1 (ja) コンパウンド粉
JP3283918B2 (ja) 高透磁性組成物
CN111974987B (zh) 一种Fe基软磁粉末的绝缘包覆层及其包覆方法
JP4759533B2 (ja) 圧粉磁心用粉末および圧粉磁心、並びにその製造方法
JP2021182591A (ja) 圧粉磁心およびその製造方法
JP2021158148A (ja) 圧粉磁心
JP2008013827A (ja) 複合軟磁性粉末及びそれを用いた圧粉磁芯
KR102582101B1 (ko) 고열전도성 절연 수지 조성물 및 이의 제조방법
WO2023181902A1 (ja) 磁性体及び磁性素子
JP2019029676A (ja) アモルファス磁性コアおよび磁性素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100708

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110607

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110808

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111213

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120313

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120425

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20120501

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20120810

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130702

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130724

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5329069

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150