JP2009102607A - 金呈色用顔料および金呈色用顔料の製造方法 - Google Patents

金呈色用顔料および金呈色用顔料の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009102607A
JP2009102607A JP2008072325A JP2008072325A JP2009102607A JP 2009102607 A JP2009102607 A JP 2009102607A JP 2008072325 A JP2008072325 A JP 2008072325A JP 2008072325 A JP2008072325 A JP 2008072325A JP 2009102607 A JP2009102607 A JP 2009102607A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gold
pigment
silver powder
metal
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008072325A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5288848B2 (ja
Inventor
Yasutake Teraoka
靖剛 寺岡
Yuko Konishi
優子 小西
Koji Yo
康次 揚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YUSHI SEIHIN KK
Kyushu University NUC
Original Assignee
YUSHI SEIHIN KK
Kyushu University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by YUSHI SEIHIN KK, Kyushu University NUC filed Critical YUSHI SEIHIN KK
Priority to JP2008072325A priority Critical patent/JP5288848B2/ja
Publication of JP2009102607A publication Critical patent/JP2009102607A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5288848B2 publication Critical patent/JP5288848B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】本発明は、クロム、鉛、カドミウム等の有害物質を含有せず、陶磁器用上絵具、着色ガラス、塗料用等として利用する際に必要な高温処理後において、鮮明な金色を発現することが可能な金呈色用顔料を提供することを課題とする。
【解決手段】銀粉の表面に、鉄、コバルト、ニッケル、セリウム、プラセオジム及びテルビウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属並びに/又は該少なくとも1種の金属を含む金属化合物が存在してなることを特徴とする金呈色用顔料である。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な金呈色用顔料および金色呈色用顔料の製造方法に関する。
従来から、陶磁器用上絵具及びガラスの有彩色用顔料は、高温域での焼付けを行う必要があるため、耐熱性のある無機顔料が使用されている。しかし、従来使用されている無機顔料には、環境及び人体に悪影響を及ぼすクロム、鉛、カドミウムなどの有害元素が多く用いられている。このため、環境調和型の有彩色用呈色剤(有彩色用顔料)が望まれているが、これらの有害金属を用いずに高温域で有彩色を発生させることは非常に困難である。
ところで、塗料、インク等では、メタリックカラーの呈色方法として、金属光沢を有するアルミニウムに顔料を担持して、金属光沢を保持する呈色剤の製造方法が見出されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この製造方法で得られる呈色顔料は、高温処理に対しては何ら考慮されていない。
また、有彩色用呈色剤の中では、従来から金色呈色剤(金呈色用顔料)が好まれている。しかしながら、従来の金色呈色剤は毒性の問題に加えて、金を含んでいるため高コストという問題も生じている。
従って、現状では、高価な金を使用せず、かつ有害成分を含有しない呈色剤であって、高温処理を施して鮮明に金色を発現する呈色剤の製造方法は未だ提供されていない。
一方、銀粒は昔からガラス用の黄呈色剤として知られ、各種ガラス製品用として用いられている。最近は、銀微粒子を含むコロイド溶液(例えば、特許文献2参照)、銀微粒子を表面に担持した樹脂粒子(例えば、特許文献3参照)として、いずれも塗料や樹脂成形品への応用が提案されている。また、ごく最近ではセラミックスに銀微粒子を分散した黄着色用複合材が陶磁器用上絵具、着色ガラスや塗料への応用が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、これらは、銀微粒子の持つ黄呈色性を利用したものであり、金色である金属の光沢を有するものではない。
特開昭51−150532号公報 特開平11−80647号公報 特開2002−201284号公報 特開2007−63530号公報
本発明は、クロム、鉛、カドミウム等の有害物質を含有せず、陶磁器用上絵具、着色ガラス、塗料用等として利用する際に必要な高温処理後において、鮮明な金色を発現することが可能な金呈色用顔料及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を採用することにより、鮮明な金色を発現することが可能な金呈色用顔料を見出すに至った。すなわち、本発明は、下記の金呈色用顔料、その製造方法、それによって得られる金色顔料、呈色方法等にかかる。
項1.銀粉の表面に、鉄、コバルト、ニッケル、セリウム、プラセオジム及びテルビウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属並びに/又は該少なくとも1種の金属を含む金属化合物が存在してなることを特徴とする金呈色用顔料。
項2.銀粉の表面粗度(算術平均粗さRa)が3μm以下である、上記項1に記載の金呈色用顔料。
項3.上記項1又は2に記載の金呈色用顔料の表面に、さらに、ケイ素化合物、アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物及びチタン化合物からなる群から選択される少なくとも1種を被覆してなる、金呈色用顔料。
項4.金呈色用の顔料を製造する方法であって、当該銀粉の表面に、鉄、コバルト、ニッケル、セリウム、プラセオジム及びテルビウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属並びに/又は該少なくとも1種の金属を含む金属化合物を存在させる工程を備えた金呈色用顔料の製造方法。
項5.存在させる工程が、鉄、コバルト、ニッケル、セリウム、プラセオジム及びテルビウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属塩を含有する水溶液に、当該銀粉を浸漬させることにより行う、上記項4に記載の製造方法。
項6.存在させる工程が、鉄、コバルト、ニッケル、セリウム、プラセオジム及びテルビウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属並びに/又は該少なくとも1種の金属を含む金属化合物を、当該銀粉と混合させることにより行う、上記項4に記載の製造方法。
項7.存在させる工程に先立って、銀粉に平滑化処理を施す工程をさらに備えた、上記項4〜6のいずれかに記載の製造方法。
項8.遊星ボールミルを用いて平滑化処理を施す、上記項7に記載の製造方法。
項9.平滑化処理を施すに先立って、銀粉を焼成する工程をさらに備えた、上記項7又は8に記載の製造方法。
項10.存在させた後、さらに、ケイ素化合物、アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物及びチタン化合物からなる群から選択される少なくとも1種を被覆する工程を備えた上記項4〜9のいずれかに記載の製造方法。
項11.上記項1〜3のいずれかに記載の金呈色用顔料又は上記項4〜10のいずれかに記載の製造方法により得られた金呈色用顔料を乾燥又は焼成することにより、金色を呈色させる、金呈色用顔料の呈色方法。
項12.上記項11に記載の呈色方法により金色に呈色された顔料。
項13.上記項1〜3のいずれかに記載の金呈色用顔料、上記項4〜10のいずれかに記載の製造方法により得られた金呈色用顔料及び上記項12に記載の顔料からなる群から選択される少なくとも1種、ガラスフリット並びに溶媒を含有する、ペースト組成物。
項14.上記項13に記載のペースト組成物を塗布した後又は上記項13に記載のペースト組成物により得られた転写シートを転写した後、さらに焼成することにより得られる容器。
1.金呈色用顔料
本発明の金呈色用顔料は、銀粉の表面に、鉄、コバルト、ニッケル、セリウム、プラセオジム及びテルビウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属並びに/又は該少なくとも1種の金属を含む金属化合物が存在していることを特徴とする。
銀粉は、フレーク状及び球状のいずれであってもよいが、本発明ではフレーク状の銀粉が好ましい。
銀粉の比表面積は限定的でないが、通常0.1〜5m/g、好ましくは0.5〜3m/g程度である。
銀粉の表面粗度(算術平均粗さRa)は、通常3μm以下、特に0.1μm〜0.8μm程度であることが好ましい。これにより、金属光沢をより良く発現させることができる。
本発明の金呈色用顔料は、上記銀粉の表面に、鉄、コバルト、ニッケル、セリウム、プラセオジム及びテルビウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属並びに/又は該少なくとも1種の金属を含む金属化合物(以下、「呈色(発色)補助剤」ともいう。)が存在していることを特徴とする。
本発明においては、銀粉の表面に特定の金属、該金属を含む金属並びに/又は該少なくとも1種の金属を含む金属化合物が存在していることによって、高温域の焼き付け等によって鮮明な金色を呈色させることができる。
金属化合物としては、鉄、コバルト、ニッケル、セリウム、プラセオジム及びテルビウムからなる群から選択される1種の金属の水酸化物、酸化物、水酸化酸化物等を挙げることができ、これらを1種単独で又は2種以上の混合物として用いることができる。
さらに、金属化合物としては、鉄、コバルト、ニッケル、セリウム、プラセオジム及びテルビウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む複合金属酸化物を挙げることができる。該複合酸化物は、前記金属以外の金属も含むことができる。前記金属以外の金属としては、特に限定されるものではないが、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、ランタン、イットリウム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、チタン、錫、ジルコニウム、マンガン、ニオブ、銅、バナジウム、モリブデン、タングステン、亜鉛、アルミニウム、及びタンタル等を挙げることができる。
複合金属酸化物の具体例としては、例えば、Ce1−x(0.01≦x<1であり、Aは、Fe、Pr、Niである)、Ce1−(y+z)PrTi(0≦y<1、0≦z<1であり、0<y+z<1である)、LaFeO等を挙げることができ、さらに具体的には、LaFeO、Ce0.95Fe0.05、Ce0.95Pr0.05、Ce0.95Ni0.05等を挙げることができ、これらを1種単独で又は2種以上の混合物として用いることができる。
なお、本発明において、「複合金属酸化物」は、前記式を有する複合金属酸化物単体の他、該複合金属酸化物を担体に担持した物や、他の被担持物質を担持した複合金属酸化物も含まれる。
前記複合金属酸化物を担持する担体としては特に限定されるものではなく、この分野で通常用いられている担体であればよい。具体的には、例えば、CeO、Al、TiO、ZrO等を挙げることができる。また、複合金属酸化物を担持する場合、各担持量は限定的でなく、得られた発色補助剤の呈色に応じて適宜決定すればよい。
また、前記複合金属酸化物に担持する被担持物質としては、TiO、Al、ZrO等を挙げることができる。また、被担持物質を担持する場合、複合金属酸化物に対して限定的でなく、得られた発色補助剤の呈色に応じて適宜決定すればよい。
本発明においては、前記呈色補助剤である
(1)鉄、コバルト、ニッケル、セリウム、プラセオジム及びテルビウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属、
(2)鉄、コバルト、ニッケル、セリウム、プラセオジム及びテルビウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む金属化合物、
のうち、少なくとも1つを含めばよいものであり、これらの金属、金属化合物の任意の組合せからなる混合物として用いることもできる。
特に、本発明では、上記呈色補助剤が微粒子の状態で銀粉表面に存在し、且つ銀粉表面の一部が露出していることが好ましい。これにより、より鮮明に金色を呈色させることができる。
この場合の微粒子の平均粒径は限定的でないが、例えば1〜200nm程度、好ましくは5〜100nm程度とすればよい。
呈色(発色)補助剤の存在量は限定的でないが、例えば銀粉1gに対して、0.01mmol〜1.0mmol程度、好ましくは0.015mmol〜0.25mmol程度である。
本発明の金呈色用顔料の形状は、フレーク状が好ましい。フレーク状の場合は、その平均長径は、通常0.1〜150μm程度、好ましくは10〜100μm程度とすればよい。平均短径は、通常0.01〜100μm程度,好ましくは0.1〜60μmとすればよい。平均厚みは、例えば、30μm以下程度とすればよい。
本発明の金呈色用顔料は、さらにケイ素化合物、アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物及びチタン化合物からなる群から選択される少なくとも1種が被覆されていてもよい。これにより、この化合物が耐熱層としての役割を果たし、金色に発色(呈色)する焼成温度を高温に調節することが可能になるため、過度の焼き付け温度による金属光沢、金色呈色の褪色等を防止することができる。
これら化合物は、酸化物、水酸化物、水酸化酸化物等の状態で被覆されていることが好ましい。より具体的な例としては、ケイ素の場合はシリカ(SiO)、アルミニウム化合物はベーマイト(Al・HO)及びアルミナ(Al)、ジルコニウム化合物の場合は、ジルコニア(ZrO)、チタン化合物の場合はチタニア(TiO)の状態で被覆されていることが好ましい。
これら化合物の被覆量は限定的でないが、例えば、銀粉1g当たり1mmol〜1000mmol程度、好ましくは2mmol〜100mmol程度である。
なお、本発明の金呈色用顔料は、所定の温度で焼成した場合に、金色を呈色している顔料である。なお、焼成する前においても(例えば乾燥した時点で)金色を既に呈色している場合もあるが、所定の温度で焼成した後においても、金色が呈色されているものであれば本発明の金呈色用顔料に含まれる。特に、本発明の金呈色用顔料は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中、大気中等で、300〜900℃程度(好ましくは300〜800℃程度)で焼成(焼き付け等)することにより、金色を呈色(又は維持)している顔料であることが好ましい。これにより、特に顔料が塗布される被対象物が焼成を必要とする場合の用途、例えば、陶磁器上絵具用、着色ガラス用、塗料用といった用途に好適に使用することができる。
本発明の金色顔料は、本発明の金呈色用顔料が焼成等により金色に呈色した顔料である。具体的には、銀粉表面に、鉄、コバルト、ニッケル、セリウム、プラセオジム及びテルビウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属並びに/又は該少なくとも1種の金属を含む金属化合物の微粒子が存在し、かつ銀粉の表面の一部が露出したものであり、特に当該微粒子が銀粉に担持されたものである。
金色顔料における銀粉の形状は、好ましくはフレーク状であり、その長径、短径、厚み等は上記の金呈色用顔料と同程度であることが好ましい。
鉄等の金属化合物の微粒子の存在量は限定的でなく、通常銀粉1gに対し、0.01〜1.0mmol程度、好ましくは0.015〜0.25mmol程度である。上記微粒子の平均粒径は、通常1〜200nm程度、好ましくは5〜100nmである。
本発明の金色顔料は、可視光域において黄緑及び緑の吸収帯である580〜520nmでは明確な吸収をもたないことが好ましい。また、拡散反射率が可視光域(400〜800nm)において70%以上、特に85%以上であることが好ましい。本発明における拡散反射率は、Al(希釈用)に対して、本発明の金色顔料を10wt%加えた試料を拡散反射紫外可視分光法(測定装置:UV−3100 SHIMADZU)によって測定することにより得られる。
2.金呈色用顔料の製造方法
本発明の製造方法は、金色を呈色するための顔料を製造する方法であって、銀粉の表面に、鉄、コバルト、ニッケル、セリウム、プラセオジム及びテルビウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属並びに/又は該少なくとも1種の金属を含む金属化合物を存在させる工程を備える。
使用する銀粉は、公知又は市販のものを使用することができる。銀粉はフレーク状及び球状のいずれであってもよいが、本発明ではフレーク状のものが好ましい。
本発明は、上記銀粉を平滑化処理することが好ましい。これにより、銀粉の平滑面が増加し、光反射率が向上する結果、銀粉の金属光沢を増加させることができる。
平滑化処理は、上記銀粉の平滑面を増大させることができる方法であればよい。例えば、転動ボールミル、遊星ボールミル等の粉砕機のほか、瑪瑙乳鉢等も用いることができる。本発明では、短時間で平滑化できる観点から遊星ボールミルが好ましく挙げられる。
遊星ボールミルを使用する場合、ボールの材質は、例えば、メノー(モース硬度7)、シンタードアルミナ(モース硬度9)、タングステンカーバイト(モース硬度8.5)、窒化ケイ素(モース硬度9)、ジルコニア(モース硬度7)、クロム鋼、ステンレススチール、ジュラコン樹脂等が挙げられる。
回転数は、使用する銀粉の種類、ボールの種類等に応じて適宜選択されるが、例えば、ジルコニアボールを使用した場合は、通常100〜700r.p.m.程度、好ましくは200〜400r.p.m.程度とすればよい。
時間も限定的でなく、0.5〜10時間といった広範な範囲から適宜決定することができる。
平滑化処理は、得られる銀粉の表面粗度(算術平均粗さRa)が3μm以下、好ましくは0.8μm以下となる程度まで行えばよい。下限は限定的でないが、例えば、0.1μm程度とすればよい。
また、得られる銀粉の拡散反射率が可視光域(400〜800nm)において90%以上、特に95%以上となるように平滑処理を行うことが好ましい。本発明における拡散反射率は、Al(希釈用)に対して、本発明の銀粉を10wt%加えた試料を拡散反射紫外可視分光法(測定装置:UV−3100 SHIMADZU)によって測定することにより得られる。
上記銀粉に対して、平滑化処理を施す前に、必要に応じて焼成工程を行ってもよい。これにより、後述する平滑化処理に要する時間をより短くすることができる。
焼成は、例えば、大気雰囲気中で、200℃以上(好ましくは200〜500℃)の条件下で行えばよい。
次いで、上記銀粉の表面に、鉄、コバルト、ニッケル、セリウム、プラセオジム及びテルビウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属並びに/又は該少なくとも1種の金属を含む金属化合物(特に、水酸化物、酸化物、水酸化酸化物、複合金属酸化物等)を存在させる。
存在させる方法としては、例えば、蒸発乾固、pH調整等を利用した湿式担持のほか、混合法等の乾式担持も挙げられる。
湿式担持としては、具体的には、銀粉を鉄、コバルト、プラセオジウム、ニッケル、セリウム、テルビウム等の金属塩を含有した水溶液に浸漬することにより、担持すればよい。
金属塩は、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩等が挙げられるが、好ましくは、硝酸塩である。
また、複合金属酸化物を存在させる場合は、目的とする2種以上の金属塩を含有した水溶液に浸漬することにより、担持することができる。
水溶液の金属塩の濃度は限定的でなく、例えば0.1x10−5〜200x10−5mol/L程度、好ましくは0.2x10−5〜100x10−5mol/L程度とすればよい。この水溶液0.02〜2L程度(好ましくは0.05〜1L程度)に銀粉1gを浸漬すればよい。
銀粉を上記水溶液に浸漬させた後、例えば、蒸発乾固を行うことにより、本発明の金呈色用顔料が得られる。必要に応じて、蒸発乾固後に乾燥を行ってもよい。
また、蒸発乾固を採用する他に、銀粉を上記水溶液に浸漬させた後、水酸化ナトリウム等を添加してpHを調整することにより、本発明の金呈色用顔料を得ることができる。この方法により、得られる金呈色用顔料の色調等を調整することができる。pHは例えば、3.5〜10程度、好ましくは4〜8程度に調節すればよい。
担持した後、必要に応じて、ろ過、遠心分離などの公知の手段を用いて分離回収し、エタノール等のアルコール、水等で洗浄、及び乾燥を行えばよい。
一方、乾式担持としては、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、セリウム、プラセオジム及びテルビウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属並びに/又は該少なくとも1種の金属を含む金属化合物の微粒子を、当該銀粉と混合させることにより、銀粉の表面に金属又はその金属化合物を担持させればよい(混合法)。具体的には、銀粉と金属又はその金属化合物の微粒子とを乳鉢等の混合機に添加し、攪拌すればよい。
この混合法において、原料として使用する微粒子の形状は限定的でないが、例えば、平均粒径が2μm〜30μm程度、好ましくは3μm〜20μm程度とすればよい。また、比表面積も限定的でなく、例えば、10〜180m/g程度、好ましくは、20〜150m/g程度とすればよい。
また、さらに必要に応じて、上記鉄等の呈色(発色)補助剤を存在させた後、ケイ素化合物、アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物、チタン化合物等からなる群から選択される少なくとも1種からなる層をさらに被覆させてもよい。これにより、この層が耐熱層としての役割を果たし、金色に発色する焼成温度を高温に調節することが可能になる。
例えば、上記層の被覆方法としては、ゾル−ゲル法が好適に挙げられる。すなわち、(i)上記鉄等が存在した銀粉に、(ii)有機溶媒と、(iii) ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム及びチタニウム等の金属アルコキシドとを添加及び攪拌することにより、当該金属アルコキシドを加水分解させて、上記鉄等の表面に所望の層を被覆させればよい。
被覆した後、必要に応じて、ろ過、遠心分離などの公知の手段を用いて分離回収し、エタノール等のアルコール、水等で洗浄すればよい。
上記金属アルコキシドとしては、例えば、ケイ素の場合は、テトラエトキシシラン(Si(OC)等のアルコキシシラン;チタンの場合はテトライソプロキシチタン(Ti(i−OC)等のアルコキシチタン;アルミニウムの場合はアルミニウムエトキシド(Al(OC)等のアルミニウムアルコキシド;ジルコニウムの場合はジルコニウムエトキシド(Zr(OC)等のジルコニウムアルコキシド;などが具体的に例示できる。
上記有機溶媒としては、例えば、エタノール、プロパノール等のアルコールが好適に挙げられる。
3.ペースト組成物
本発明のペースト組成物は、上記本発明の金呈色用顔料及び金色顔料からなる群から選択される少なくとも1種、ガラスフリット並びに溶媒を含有する。
ガラスフリットは限定的でなく、公知又は市販のものを使用すればよい。例えば、融点が300〜900℃、好ましくは300〜800℃程度のものが挙げられる。
溶媒としては、水、エタノール等のアルコールなどが挙げられる。
各配合量は限定的でなく、塗布する対象物(陶磁器、耐熱ガラス等の容器)等に応じて適宜決定すればよい。
上記ペースト組成物を、所望の対象物の一部又は全部に塗布し、例えば、300〜900℃(好ましくは300〜800℃程度)程度で焼成することにより、金色を呈色する容器が得られる。
また、ペースト組成物を公知又は市販のシートに塗布及び乾燥することにより得られる転写シートを用いて、容器に転写して、上記温度で焼成することによっても、金色を呈色する容器が得られる。
本発明の金呈色用顔料によれば、クロム、鉛、カドミウム等の有害物質を含有せずに、焼成(例えば、焼き付け等)した後に、鮮明な金色を呈色することができる。また、さらに特定の層を被覆することにより、金呈色用顔料の呈色可能な焼成温度を調節することもできる。
このため、本発明の金呈色用顔料及び金色顔料は、陶磁器上絵具用、着色ガラス用、塗料用等といった用途に幅広く使用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1(pH調整による製造)
フレーク状銀粉(FA―5―1、DOWAエレクトロニクス(株);タップ密度5.00g/mL、比表面積0.72m/g、粒径150μm以下)10gを400℃で30分焼成し、焼結・凝集させて二次粒子径を増大させた。これを瑪瑙乳鉢により粉砕して二次粒子径を250μm以下に調整した後に、遊星型ボールミル(ドイツFRITCH社製)を用いて、ジルコニアボールと前記銀粉を重量比15:1でジルコニアポットに加え、300r.p.m.、1時間の条件で表面処理を行い、銀表面を平滑化して、平滑面を増加させ、鮮明な金属光沢の発現を達成させた。
この平滑後の銀粉の表面粗度を測定したところ、算術平均粗さ値Raが0.5μm以下であった。また、可視光域(400〜800nm)における拡散反射率を測定したところ、95%以上であった。なお、拡散反射率は、Al(希釈用)に対して、当該銀粉を10wt%加えた試料をUV−3100(SHIMADZU)を用い拡散反射可視分光法で測定することにより得られた。
平滑化処理を行った銀粉1gを、硝酸鉄水溶液(1.5mM、500mL)に浸漬及び懸濁させ、水酸化ナトリウム溶液によりpHを4に調整した後に、1時間煮沸撹拌した。銀粉をろ別して、水で洗浄することにより、本実施例1の金呈色用顔料を得た。得られた金呈色用顔料は、銀フレークの表面に水酸化酸化鉄の微粒子が担持されたフレーク状であり、平均長径が80μm、平均短径が40μm、平均厚みが3μmであった。
水酸化酸化鉄の被覆量は、銀粉1gに対して、約0.025mmolであった。
得られた金呈色用顔料を110℃で30分乾燥し、さらに目的温度で2時間焼成した。結果を表1に示す。
Figure 2009102607
実施例2〜5(pH調整による製造)
実施例1で用いた平滑化処理を行った銀粉1gを、硝酸鉄水溶液(1.5mM、500mL)の代わりに、それぞれ硝酸コバルト水溶液(1.5mM、500mL)(実施例2)、硝酸ニッケル水溶液(1.5mM、50mL)(実施例3)、硝酸セリウム水溶液(1.5mM、50mL)(実施例4)、硝酸プラセオジム水溶液(1.5mM、50mL)(実施例5)に懸濁させた以外は実施例1と同様にして実施例2〜5の金呈色用顔料を得た。
実施例2の金呈色用顔料は、銀フレークの表面に水酸化コバルトの微粒子が担持されたフレーク状であり、平均長径が80μm、平均短径が40μm、平均厚みが3μmであった。
実施例3の金呈色用顔料は、銀フレークの表面に水酸化ニッケルの微粒子が担持されたフレーク状であり、平均長径が80μm、平均短径が40μm、平均厚みが3μmであった。
実施例4の金呈色用顔料は、銀フレークの表面に水酸化セリウムの微粒子が担持されたフレーク状であり、平均長径が80μm、平均短径が40μm、平均厚みが3μmであった。
実施例5の金呈色用顔料は、銀フレークの表面に水酸化プラセオジムの微粒子が担持されたフレーク状であり、平均長径が80μm、平均短径が40μm、平均厚みが3μmであった。
得られた金呈色用顔料を110℃で30分乾燥し、さらに目的温度で2時間焼成した。結果を表1に示す。
実施例6及び7(pH調整による製造)
実施例1で得られた金呈色用顔料に、さらにシリカ(実施例6)とチタニア(実施例7)とをそれぞれ被覆することにより、実施例6及び実施例7の金呈色用顔料を得た。
シリカの被覆は、実施例1の金呈色用顔料(1g)に、エタノール0.848モル及びテトラエトキシシラン(Si(OC)0.045モルを加え、室温で1時間攪拌することにより、テトラエトキシシランを加水分解して、実施例1の顔料表面にシリカを析出させた。これをろ別した後、エタノールで洗浄することにより、シリカコートの金呈色用顔料(実施例6)を得た。
一方、チタニアコートは、実施例1の金呈色用顔料(1g)に、イソプロパノール0.3モルと水27mmolとを加えたA液を攪拌しながら、テトライソプロキシチタン(Ti(i−OC)2.7mmolとイソプロパノール0.09モルからなるB液を室温で滴下することにより、テトライソプロキシチタンを加水分解して、実施例1の顔料表面にチタニアを析出させた。これを1時間攪拌後にろ別した後、アルコールで洗浄することにより、チタニアコートの金呈色用顔料(実施例7)を得た。
実施例6の金呈色用顔料は、シリカがさらに被覆されたフレーク状であり、平均長径が80μm、平均短径が40μm、平均厚みが3μmであった。
実施例7の金呈色用顔料は、チタニアがさらに被覆されたフレーク状であり、平均長径が80μm、平均短径が40μm、平均厚みが3μmであった。
実施例6の金呈色用顔料を105℃で30分乾燥し、さらに目的温度で2時間焼成した。実施例7の金呈色用顔料を110℃で30分乾燥し、さらに目的温度で2時間焼成した。これらの結果は表1に示す。表1から明らかなように、シリカ又はチタニアをコートしない場合は、金色を保持する温度は300℃であった(実施例1)が、シリカ又はチタニアをコートすることにより、500℃焼成後も金色を呈した。
実施例8(蒸発乾固による製造)
実施例1と同様にして平滑化処理を行った銀粉1gを、硝酸鉄水溶液(水50mL中に鉄0.025mmol含有)に懸濁させ、攪拌しながら蒸発乾固することにより、実施例8の金呈色用顔料を得た。
実施例8の金呈色用顔料は、銀フレークの表面に酸化鉄の微粒子が担持されたフレーク状であり、平均長径が80μm、平均短径が40μm、平均厚みが3μmであった。
得られた金呈色用顔料を110℃で30分乾燥し、さらに目的温度で2時間焼成した。結果を表1に示す。
実施例9(蒸発乾固による製造)
硝酸鉄水溶液(水50mL中に鉄0.025mmol含有)の代わりに、硝酸セリウム水溶液(水50mL中にセリウム0.05mmol含有)を使用した以外は、実施例8と同様にして、実施例9の金呈色用顔料を得た。
実施例9の金呈色用顔料は、銀フレークの表面に酸化セリウムの微粒子が担持されたフレーク状であり、平均長径が80μm、平均短径が40μm、平均厚みが3μmであった。
得られた金呈色用顔料を110℃で30分乾燥し、さらに目的温度で2時間焼成した。結果を表1に示す。
実施例9の乾燥後の金呈色用顔料及び800℃で焼成後の金色顔料を電子走査顕微鏡(25,000倍)で撮影した画像をそれぞれ図1及び図2に示す。
図1から乾燥後の金呈色用顔料は、銀粉表面に酸化セリウム微粒子が担持されている状態であることが分かる。800℃で焼成後の金呈色用顔料は焼成によって金色を呈色した顔料(金色顔料)であり、図2から明らかなように、焼成により粒径が増加した酸化セリウムの粒子が担持されている状態であることが分かる。
実施例10(蒸発乾固による製造)
実施例8で得られた金呈色用顔料に、さらにシリカを被覆することにより、実施例10の金呈色用顔料を得た。
シリカの被覆は、実施例8の金呈色用顔料(1g)に、エタノール0.848モル及びテトラエトキシシラン(Si(OC)0.045モルを加え、室温で1時間攪拌することにより、テトラエトキシシランを加水分解して、実施例8の顔料表面にシリカを析出させた。これをろ別した後、エタノールで洗浄することにより、実施例10のシリカコートの金呈色用顔料を得た。
実施例10の金呈色用顔料は、シリカがさらに被覆されたフレーク状であり、平均長径が80μm、平均短径が40μm、平均厚みが3μmであった。
実施例10の金呈色用顔料を105℃で30分乾燥し、さらに目的温度で2時間焼成した。この結果を表1に示す。
実施例10の800℃で焼成後の金呈色用顔料を電子走査顕微鏡(25,000倍)で撮影した画像を図3に示す。800℃で焼成後の金呈色用顔料は焼成によって金色を呈色した顔料(金色顔料)であり、図3から明らかなように、銀粉の表面に、酸化セリウムの微粒子が担持されている状態であることが分かる。
実施例11(混合法による製造)
実施例1と同様にして平滑処理を行った銀粉1gと酸化セリウム(平均粒径4.4μm、比表面積81m/g)0.025mmolをアルミナ乳鉢で10分間混合することにより、実施例11の金呈色用顔料を得た。
実施例11の金呈色用顔料は、銀フレークの表面に酸化セリウムの微粒子が担持されたフレーク状であり、平均長径が80μm、平均短径が40μm、平均厚みが3μmであった。
得られた金呈色用顔料を目的温度で2時間焼成した。結果を表1に示す。
実施例11の金呈色用顔料及び800℃で焼成後の金呈色用顔料を電子走査顕微鏡(25,000倍)で撮影した画像をそれぞれ図4及び図5に示す。
図4から実施例11の金呈色用顔料は、銀粉に酸化セリウム微粒子が担持されていることが分かる。また、800℃で焼成後の金呈色用顔料は焼成によって金色を呈色した顔料(金色顔料)であり、図5から明らかなように、焼成により粒径が増加した酸化セリウムの粒子が銀粉に担持されている状態であることが分かる。
実施例12
フレーク状銀粉(FA―5―1、DOWAエレクトロニクス(株);タップ密度5.00g/mL、比表面積0.72m/g、粒径150μm以下)10gを400℃で30分焼成し、焼結・凝集させて二次粒子径を増大させた。これを瑪瑙乳鉢により粉砕して二次粒子径を250μm以下に調整した後に、遊星型ボールミル(ドイツFRITCH社製)を用いて、ジルコニアボールと前記銀粉を重量比15:1でジルコニアポットに加え、300r.p.m.、1時間の条件で表面処理を行い、銀表面を平滑化して、平滑面を増加させ、鮮明な金属光沢の発現を達成させた。
この平滑後の銀粉の表面粗度を測定したところ、算術平均粗さ値Raが0.5μm以下であった。また、可視光域(400〜800nm)における拡散反射率を測定したところ、95%以上であった。なお、拡散反射率は、Al(希釈用)に対して、当該銀粉を10wt%加えた試料をUV−3100(SHIMADZU)を用い拡散反射可視分光法で測定することにより得られた。
平滑化処理を行った銀粉1gと10wt%LaFeO/CeO(比表面積15m/g)0.019mmolをアルミナ乳鉢で10分間混合することにより、実施例12の金呈色用顔料を得た。
実施例12の金呈色用顔料は、銀フレークの表面に10wt%LaFeO/CeOの微粒子が担持されたフレーク状であり、平均長径が80μm、平均短径が40μm、平均厚みが3μmであった。
得られた金呈色用顔料を目的温度で2時間焼成した。結果を表2に示す。
実施例13(pH調整による製造)
実施例12で用いた平滑化処理を行った銀粉1gを、硝酸セリウム0.7125mmol及び硝酸鉄0.0375mmolを溶解させた水溶液(500mL)に浸漬及び懸濁させ、水酸化ナトリウム水溶液によりpHを5.5に調整した後に、1時間煮沸撹拌した。銀粉をろ別して、水で洗浄することにより、本実施例13の金呈色用顔料を得た。得られた金呈色用顔料は、銀フレークの表面にCe0.95Fe0.05の微粒子が担持されたフレーク状であり、平均長径が80μm、平均短径が40μm、平均厚みが3μmであった。
Ce0.95Fe0.05の被覆量は、銀粉1gに対して、約0.025mmolであった。
得られた金呈色用顔料を110℃で30分乾燥し、さらに目的温度で2時間焼成した。結果を表2に示す。
実施例14、15(pH調整による製造)
硝酸セリウム及び硝酸鉄を溶解させた水溶液(全金属濃度1.5mM、500mL)の代わりに、それぞれ硝酸セリウム0.7125mmol及び硝酸プラセオジウム0.0375mmolを溶解させた水溶液(500mL)(実施例14)、硝酸セリウム0.7125mmol及び硝酸ニッケル0.0375mmolを溶解させた水溶液(500mL)(実施例15)に懸濁させた以外は実施例13と同様にして実施例14、15の金呈色用顔料を得た。
実施例14の金呈色用顔料は、銀フレークの表面にCe0.95Pr0.05の微粒子が担持されたフレーク状であり、平均長径が80μm、平均短径が40μm、平均厚みが3μmであった。
実施例15の金呈色用顔料は、銀フレークの表面にCe0.95Ni0.05の微粒子が担持されたフレーク状であり、平均長径が80μm、平均短径が40μm、平均厚みが3μmであった。
得られた金呈色用顔料を110℃で30分乾燥し、さらに目的温度で2時間焼成した。結果を表2に示す。
Figure 2009102607
図1は、実施例9の金呈色用顔料の乾燥後における表面を電子顕微鏡で撮影した画像である。 図2は、実施例9の金呈色用顔料の焼成後(800℃)における表面を電子顕微鏡で撮影した画像である。 図3は、実施例10の金呈色用顔料の焼成後(800℃)における表面を電子顕微鏡で撮影した画像である。 図4は、実施例11の金呈色用顔料の乾燥後における表面を電子顕微鏡で撮影した画像である。 図5は、実施例11の金呈色用顔料の焼成後(800℃)における表面を電子顕微鏡で撮影した画像である。

Claims (14)

  1. 銀粉の表面に、鉄、コバルト、ニッケル、セリウム、プラセオジム及びテルビウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属並びに/又は該少なくとも1種の金属を含む金属化合物が存在してなることを特徴とする金呈色用顔料。
  2. 銀粉の表面粗度(算術平均粗さRa)が3μm以下である、請求項1に記載の金呈色用顔料。
  3. 請求項1又は2に記載の金呈色用顔料の表面に、さらに、ケイ素化合物、アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物及びチタン化合物からなる群から選択される少なくとも1種を被覆してなる、金呈色用顔料。
  4. 金呈色用の顔料を製造する方法であって、
    当該銀粉の表面に、鉄、コバルト、ニッケル、セリウム、プラセオジム及びテルビウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属並びに/又は該少なくとも1種の金属を含む金属化合物を存在させる工程を備えた金呈色用顔料の製造方法。
  5. 存在させる工程が、鉄、コバルト、ニッケル、セリウム、プラセオジム及びテルビウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属塩を含有する水溶液に、当該銀粉を浸漬させることにより行う、請求項4に記載の製造方法。
  6. 存在させる工程が、鉄、コバルト、ニッケル、セリウム、プラセオジム及びテルビウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属並びに/又は該少なくとも1種の金属を含む金属化合物を、当該銀粉と混合させることにより行う、請求項4に記載の製造方法。
  7. 存在させる工程に先立って、銀粉に平滑化処理を施す工程をさらに備えた、請求項4〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 遊星ボールミルを用いて平滑化処理を施す、請求項7に記載の製造方法。
  9. 平滑化処理を施すに先立って、銀粉を焼成する工程をさらに備えた、請求項7又は8に記載の製造方法。
  10. 存在させた後、さらに、ケイ素化合物、アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物及びチタン化合物からなる群から選択される少なくとも1種を被覆する工程を備えた請求項4〜9のいずれかに記載の製造方法。
  11. 請求項1〜3のいずれかに記載の金呈色用顔料又は請求項4〜10のいずれかに記載の製造方法により得られた金呈色用顔料を乾燥又は焼成することにより、金色を呈色させる、金呈色用顔料の呈色方法。
  12. 請求項11に記載の呈色方法により金色に呈色された顔料。
  13. 請求項1〜3のいずれかに記載の金呈色用顔料、請求項4〜10のいずれかに記載の製造方法により得られた金呈色用顔料及び請求項12に記載の顔料からなる群から選択される少なくとも1種、ガラスフリット並びに溶媒を含有する、ペースト組成物。
  14. 請求項13に記載のペースト組成物を塗布した後又は請求項13に記載のペースト組成物により得られた転写シートを転写した後、さらに焼成することにより得られる容器。
JP2008072325A 2007-10-05 2008-03-19 金呈色用顔料および金呈色用顔料の製造方法 Expired - Fee Related JP5288848B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008072325A JP5288848B2 (ja) 2007-10-05 2008-03-19 金呈色用顔料および金呈色用顔料の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007262323 2007-10-05
JP2007262323 2007-10-05
JP2008072325A JP5288848B2 (ja) 2007-10-05 2008-03-19 金呈色用顔料および金呈色用顔料の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009102607A true JP2009102607A (ja) 2009-05-14
JP5288848B2 JP5288848B2 (ja) 2013-09-11

Family

ID=40704618

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008072325A Expired - Fee Related JP5288848B2 (ja) 2007-10-05 2008-03-19 金呈色用顔料および金呈色用顔料の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5288848B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018009183A (ja) * 2016-06-02 2018-01-18 エム・テクニック株式会社 ケイ素化合物被覆金属微粒子

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53144932A (en) * 1977-05-23 1978-12-16 Idearisaachi Yuugen Metal powder for coating use
JPH11228872A (ja) * 1997-10-23 1999-08-24 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 透明導電層形成用塗布液とその製造方法
JP2001219739A (ja) * 2000-02-08 2001-08-14 Asahi Glass Co Ltd センサ付き車両用窓ガラス
JP2001354447A (ja) * 2000-06-07 2001-12-25 Central Glass Co Ltd セラミックペーストおよびそれを用いた遮光膜付き窓ガラス
JP2003049091A (ja) * 2001-08-03 2003-02-21 Toyo Aluminium Kk メタリック顔料組成物、塗料組成物、インキ組成物、樹脂組成物、ゴム組成物およびメタリック顔料組成物の製造方法
JP2003292825A (ja) * 2002-04-03 2003-10-15 Toyo Aluminium Kk 着色金属顔料および着色金属顔料を含む樹脂組成物
JP2004179139A (ja) * 2002-09-30 2004-06-24 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 導電性粒子とそれを含有する導電性接着材料及び透明導電膜形成用塗料及びそれを用いた透明導電膜並びに表示装置
JP2006052238A (ja) * 2004-08-09 2006-02-23 Mitsuboshi Belting Ltd 非水溶性高分子顔料分散剤で保護された銀コア−金シェル微粒子の製造方法
JP2007169455A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Sumitomo Metal Mining Co Ltd フレーク状着色金属顔料と、これを用いた塗料、及びフレーク状着色金属顔料の製造方法
WO2007125861A1 (ja) * 2006-04-26 2007-11-08 Senju Metal Industry Co., Ltd. ソルダペースト
JP2009030100A (ja) * 2007-07-26 2009-02-12 Mitsubishi Material Cmi Kk Ag−Ni系電気接点材料及びその製造方法

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53144932A (en) * 1977-05-23 1978-12-16 Idearisaachi Yuugen Metal powder for coating use
JPH11228872A (ja) * 1997-10-23 1999-08-24 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 透明導電層形成用塗布液とその製造方法
JP2001219739A (ja) * 2000-02-08 2001-08-14 Asahi Glass Co Ltd センサ付き車両用窓ガラス
JP2001354447A (ja) * 2000-06-07 2001-12-25 Central Glass Co Ltd セラミックペーストおよびそれを用いた遮光膜付き窓ガラス
JP2003049091A (ja) * 2001-08-03 2003-02-21 Toyo Aluminium Kk メタリック顔料組成物、塗料組成物、インキ組成物、樹脂組成物、ゴム組成物およびメタリック顔料組成物の製造方法
JP2003292825A (ja) * 2002-04-03 2003-10-15 Toyo Aluminium Kk 着色金属顔料および着色金属顔料を含む樹脂組成物
JP2004179139A (ja) * 2002-09-30 2004-06-24 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 導電性粒子とそれを含有する導電性接着材料及び透明導電膜形成用塗料及びそれを用いた透明導電膜並びに表示装置
JP2006052238A (ja) * 2004-08-09 2006-02-23 Mitsuboshi Belting Ltd 非水溶性高分子顔料分散剤で保護された銀コア−金シェル微粒子の製造方法
JP2007169455A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Sumitomo Metal Mining Co Ltd フレーク状着色金属顔料と、これを用いた塗料、及びフレーク状着色金属顔料の製造方法
WO2007125861A1 (ja) * 2006-04-26 2007-11-08 Senju Metal Industry Co., Ltd. ソルダペースト
JP2009030100A (ja) * 2007-07-26 2009-02-12 Mitsubishi Material Cmi Kk Ag−Ni系電気接点材料及びその製造方法

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6013006383; 希土類, No.52,, P.22-23 *
JPN6013006385; ナノ学会第6回大会講演予稿集, , P.277 *

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018009183A (ja) * 2016-06-02 2018-01-18 エム・テクニック株式会社 ケイ素化合物被覆金属微粒子
JP2022058474A (ja) * 2016-06-02 2022-04-12 エム・テクニック株式会社 ケイ素化合物被覆金属微粒子
JP7253162B2 (ja) 2016-06-02 2023-04-06 エム・テクニック株式会社 ケイ素化合物被覆金属微粒子

Also Published As

Publication number Publication date
JP5288848B2 (ja) 2013-09-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102411232B1 (ko) 질화지르코늄 분말 및 그 제조 방법
JP5431632B2 (ja) 干渉顔料
ES2357990T3 (es) Proceso mejorado para la fabricación de pigmentos de dióxido de titanio tratado con circonia.
TW201004872A (en) Infrared reflective material, method for preparing the same, paint and resin composition comprising the same
TW200404045A (en) Titanium dioxide pigment and method for producing the same, and resin composition using the same
EP3546426B1 (en) Black-film-forming mixed powder and production method therefor
JP2017524752A (ja) 効果顔料
WO2020027195A1 (ja) 黒色焼結体及びその製造方法
Soranakom et al. Effect of surfactant concentration on the formation of Fe2O3@ SiO2 NIR-reflective red pigments
CN111479883A (zh) 效果颜料
KR100226370B1 (ko) 세라믹물질의 제조용 조성물 및 그 제조방법
Hashimoto et al. Bright yellowish-red pigment based on hematite/alumina composites with a unique porous disk-like structure
Liu et al. Relationship between the colour and particle size of the ultrafine V-ZrSiO4 and Pr-ZrSiO4 pigments and their mixture
Ianoş et al. Solution combustion synthesis: a straightforward route for the preparation of chromium-doped lanthanum aluminate, LaAl1-xCrxO3, pink red pigments
EP2046271B1 (en) Special effect pigments
JP5288848B2 (ja) 金呈色用顔料および金呈色用顔料の製造方法
JP2009504564A (ja) 高温安定性セラミックの層及び成形体
TW404935B (en) Pigments for the production of purple ceramic decoration, process for the production thereof and use thereof
JP2017101158A (ja) 鱗片状複合粒子、それを含む樹脂組成物および塗布物、ならびに鱗片状複合粒子の製造方法
JP4446133B2 (ja) 微細な黄色複合含水酸化鉄顔料及びその製造法並びに該顔料を用いた塗料及び樹脂組成物
JP5327848B2 (ja) 紫外線遮蔽用分散体および紫外線遮蔽用コーティング組成物
JP4862977B2 (ja) 微細な緑色系顔料並びに該微細な緑色系顔料を用いた塗料及び樹脂組成物
KR20220119663A (ko) 피복 지르코니아 미립자 및 그 제조 방법
CN108003664B (zh) 一种吸收红外的光热效应珠光颜料及其制备方法
JP5938705B2 (ja) 複合ナノ粒子およびその製造方法、釉薬ならびに金属ナノ粒子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110318

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20110318

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130219

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130418

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130514

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130604

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5288848

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees