JP2009102358A - 皮膚外用剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】水、尿素、ゲル化剤、多価アルコールを含む皮膚外用剤中において、尿素の放出性、安定性に優れた皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【解決手段】ゲル化剤1重量部に対して、尿素を5〜20重量部、水を5〜35重量部の割合で含有し、多価アルコールを0.1〜20重量%で含有することによって、尿素の放出性、安定性に優れ刺激のない安全な皮膚外用剤を作ることができることを見出した。
【選択図】 なし
【解決手段】ゲル化剤1重量部に対して、尿素を5〜20重量部、水を5〜35重量部の割合で含有し、多価アルコールを0.1〜20重量%で含有することによって、尿素の放出性、安定性に優れ刺激のない安全な皮膚外用剤を作ることができることを見出した。
【選択図】 なし
Description
本発明は、尿素の安定性に優れ、尿素の放出性が高い皮膚外用剤に関する。
尿素は、例えば皮膚保湿剤、浸透補助剤、荒れ肌改善剤、角質軟化剤、細胞賦活剤等として皮膚外用剤に用いられる成分である。尿素は水への溶解度が高いため、水を多く含む製剤に尿素を含有させると、製剤を皮膚に塗布した後も尿素が製剤から放出されず残存する傾向にある。反対に、製剤中の水の量が少なくなると尿素が製剤中に安定に保持されず、経時的に結晶化し問題となる。さらに、尿素は水の存在下で酸、アルカリ、熱などにより容易に加水分解を受け、アンモニアを発生して悪臭が発生することもある。
そこで、尿素1〜48重量%、アンモニウム化合物0.5〜5重量%及びカルボキシビニルポリマーを0.5〜5重量%を配合し、pHを5.5〜7.5とすることによって尿素を安定に含む水性ゼリー状組成物が知られている(特許文献1)。また、尿素10〜20重量%、ジフェンヒドラミン0.5〜2重量%、リドカイン1〜3重量%、吸収促進剤3〜15重量%、保湿剤0.1〜15重量%、増粘剤0.1〜5重量%、乳化剤0.1〜15重量%、残部精製水からなる皮膚疾患治療乳剤において、良好な経皮吸収性と低刺激性が得られることが知られている(特許文献2)。
また、炭化水素1〜50重量%、高級アルコール2〜20重量%、エーテル型界面活性剤0.5〜10重量%、水50〜80重量%及び尿素1〜30重量%である特定の組成で組み合わせた皮膚用組成物において、尿素の分解がなく安定性と経皮吸収性が高まることが知られている(特許文献3)。さらに、尿素12〜40重量%、直鎖多価アルコール4〜78重量%及び水10〜84重量%を含有することを特徴とする高濃度尿素配合組成物において、尿素の組成物中での保存中及び塗布後における尿素の結晶析出を防止できることが知られている(特許文献4)。
しかしながら、安定性、及び尿素放出性において十分に満足できる製剤は得られていない。そこで、本発明では、尿素を安定に保持するとともに、尿素の放出性に優れ刺激がなく安全な含水性の皮膚外用剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行なった結果、尿素を含有する皮膚外用剤において、水、尿素、水溶性ゲル化剤、多価アルコールとを含有し、水溶性ゲル化剤1重量部に対して、尿素を5〜20重量部、水を5〜35重量部の割合で含有し、かつ多価アルコールを0.1〜20重量%含有する特定の組成で配合することによって、安定で放出性に優れ、刺激がなく安全性の高い皮膚外用剤を提供できることを見出した。
本発明はかかる知見に基づいて開発されたものである。
すなわち本発明は、下記(1)〜(8)に掲げる皮膚外用剤である:
(1)水溶性ゲル化剤1重量部に対して、尿素を5〜20重量部、水を5〜35重量部の割合で含有し、多価アルコールを0.1〜20重量%で含有する皮膚外用剤、
(2)水溶性ゲル化剤を皮膚外用剤全体に対して0.2〜8重量%で含有する(1)に記載の皮膚外用剤、
(3)水溶性ゲル化剤が、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸(C10〜C30)アルキルコポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである(1)または(2)に記載の皮膚外用剤、
(4)さらに、リン脂質を含有する(1)乃至(3)のいずれかに記載の皮膚外用剤、
(5)リン脂質が、レシチン、2−メタクイロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体及び2−メタクイロイルオキシエチルホスホリルコリンホモ重合体からなる群から選ばれる1種又は2種以上である(4)に記載の皮膚外用剤、
(6)さらに、ヒアルロン酸又はその塩を含有する(1)乃至(5)のいずれかに記載の皮膚外用剤、
(7)さらに、HLB6〜18の非イオン性界面活性剤を、皮膚外用剤全体に対して0.1〜15重量%で含有する(1)乃至(6)のいずれかに記載の皮膚外用剤、
(8)さらに、グリチルレチン酸類、グリチルリチン酸類及びビタミンE類からなる群から選ばれる1種又は2種以上を含有する(1)乃至(7)のいずれかに記載の皮膚外用剤。
すなわち本発明は、下記(1)〜(8)に掲げる皮膚外用剤である:
(1)水溶性ゲル化剤1重量部に対して、尿素を5〜20重量部、水を5〜35重量部の割合で含有し、多価アルコールを0.1〜20重量%で含有する皮膚外用剤、
(2)水溶性ゲル化剤を皮膚外用剤全体に対して0.2〜8重量%で含有する(1)に記載の皮膚外用剤、
(3)水溶性ゲル化剤が、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸(C10〜C30)アルキルコポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである(1)または(2)に記載の皮膚外用剤、
(4)さらに、リン脂質を含有する(1)乃至(3)のいずれかに記載の皮膚外用剤、
(5)リン脂質が、レシチン、2−メタクイロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体及び2−メタクイロイルオキシエチルホスホリルコリンホモ重合体からなる群から選ばれる1種又は2種以上である(4)に記載の皮膚外用剤、
(6)さらに、ヒアルロン酸又はその塩を含有する(1)乃至(5)のいずれかに記載の皮膚外用剤、
(7)さらに、HLB6〜18の非イオン性界面活性剤を、皮膚外用剤全体に対して0.1〜15重量%で含有する(1)乃至(6)のいずれかに記載の皮膚外用剤、
(8)さらに、グリチルレチン酸類、グリチルリチン酸類及びビタミンE類からなる群から選ばれる1種又は2種以上を含有する(1)乃至(7)のいずれかに記載の皮膚外用剤。
本発明は、ゲル化剤、尿素と水を特定の配合比で含有し、かつ多価アルコールを特定量で含有することで、尿素の放出性に優れ、安定で刺激のない安全な皮膚外用剤を提供できる。本発明の皮膚外用剤は、皮膚に適用した際に放出性に優れ、角質水分量を高め、優れた保湿作用や角質軟化作用を発揮することができる。
本発明における皮膚外用剤は、水溶性ゲル化剤と水と尿素と多価アルコールを必須成分として含有し、水溶性ゲル化剤1重量部に対して、尿素を5〜20重量部、水を5〜35重量部という特定の割合で含有することを特徴とする。水溶性ゲル化剤1重量部に対して、尿素を5〜20重量部、水を10〜35重量部がより好ましく、水溶性ゲル化剤1重量部に対して、尿素を10〜20重量部、水を15〜35重量部とする特定の割合で含有するのがさらに好ましい。
本発明の水溶性ゲル化剤は、医薬品、医薬部外品または化粧品分野において用いられる水溶性の天然高分子、半合成高分子、合成高分子等のゲル化剤であれば特に限定されない。具体的には、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、珪酸、アクリル酸・メタクリル酸(C10〜C30)アルキルコポリマー又はこれらの塩、可溶性デンプン、アルギン酸プロピレングリコール、グアーガム、カラゲーナン、ゼラチン、ガラクタントラガント、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、デキストリン、アラビアゴム、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等が挙げられる。これらのゲル化剤は、1種単独で使用してもまた2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
なかでも好ましくは、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸、アクリル酸・メタクリル酸(C10〜C30)アルキルコポリマー又はこれらの塩であり、特に好ましくはカルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸(C10〜C30)アルキルコポリマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはこれらの塩である。ここで、塩としては、ナトリウム塩やカリウム塩などのアルカリ金属塩、マグネシウム塩やカルシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミンなどの有機アミン塩、アルギニンなどの塩基性アミノ酸である。
本発明の皮膚外用剤に含有する水溶性ゲル化剤の含有量は、特に限定されず適宜選択することができるが、通常、皮膚外用剤全体に対する含有量としては、0.2〜8重量%、好ましくは0.2〜6重量%、より好ましくは0.5〜5重量%、さらに好ましくは0.5〜3重量%、特に好ましくは1.0〜3重量%の範囲を挙げることができる。0.2重量%以下では、尿素の高放出性が得られにくく、8重量%を超えるとゲル強度が強くなりすぎ、皮膚上に製剤のシワが生じるような感触がある等塗りごこちが悪くなるので好ましくない。
本発明の皮膚外用剤において尿素の割合は、ゲル化剤1重量部に対して5〜20重量部、好ましくは10〜20重量部であればよく、皮膚外用剤全体に対する含有量としては、下限は、通常1重量%以上、好ましくは3重量%以上、より好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上、特に好ましくは15重量%以上で含有し、一方上限は、刺激がなく安全な製剤とするために、通常35重量%以下、好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下で含有するのが好ましい。
本発明の皮膚外用剤において水の割合は、ゲル化剤1重量部に対して、5〜35重量部、好ましくは10〜35重量部、より好ましくは15〜35重量部であればよく、皮膚外用剤全体に対する含有量としては、下限は通常1.0重量%以上、好ましくは3重量%以上、より好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは15重量%以上、特に好ましくは20重量%以上含有することができる。一方上限は、通常90重量%以下、好ましくは75重量%以下、より好ましくは60重量%以下、さらに好ましくは55重量%以下、特に好ましくは50重量%以下で含有するのが好ましい。
本発明の皮膚外用剤において、多価アルコールを特定の濃度で配合することにより、尿素の放出性と安定性を高め、安全な皮膚外用剤とすることができる。かかる多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,2−ヘキシレングリコールなどが例示できる。なかでも好ましくは、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコールである。これらの多価アルコールは1種又は2種以上使用することができる。
本発明の皮膚外用剤において、多価アルコールの皮膚外用剤全体に対する含有量としては、0.1〜20重量%、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%、特に好ましくは5〜15重量%の範囲で含有する。0.1重量%以下では尿素を安定に保持することが困難となりやすく、20重量%を超えると刺激、べたつきを生じるといった使用感を損ないやすくなる。
本発明の皮膚外用剤には、さらにリン脂質を含有させることで尿素の安定性が向上し、さらに刺激を抑制することができる。かかるリン脂質としては、通常医薬品、医薬部外品、化粧品において用いられるリン脂質を用いることができ、レシチン、メタクリロイルフォスファチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミン、フォスファチジルセリン、フォスファチジルイノシトール、フォスファチジルグリセロール、リゾフォスファチジルコリン、リゾフォスファチジルエタノールアミン、リゾフォスファチジルセリン、リゾフォスファチジルイノシトール、リゾフォスファチジルグリセロール、フォスファチジン酸等が挙げられる。好ましくは、レシチン、メタクリロイルフォスファチジルコリンである。より具体的には、例えば、レシチンであれば、大豆レシチン,卵黄レシチン等その由来を問わず,ヒドロキシレシチン,リゾレシチン,水素添加リゾレシチン,ヒドロキシリゾレシチン等のレシチン等が挙げられる。また、メタクリロイルフォスファチジルコリンであれば、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンホモ重合体などがあげられる。これらのリン脂質は、1種又は2種以上用いることができる。
本発明の皮膚外用剤において、さらにリン脂質を含有する場合、リン脂質の皮膚外用剤全体に対する含有量としては、好ましくは0.00001〜10重量%、より好ましくは0.00001〜5重量%、特に好ましくは0.0001〜1重量%の範囲で含有する。0.00001重量%以下では尿素を安定に保持することが困難となりやすく、10重量%を超えると刺激、べたつきを生じるといった使用感を損ないやすくなる。
本発明の皮膚外用剤には、さらにヒアルロン酸又はその塩を含有させることで尿素の安定性が向上し、さらに刺激を抑制することができる。かかるヒアルロン酸又はその塩としては、その由来を問わず、通常医薬品、医薬部外品、化粧品において用いられるヒアルロン酸又はその塩を1種又は2種以上用いることができる。なお、ヒアルロン酸の塩としては、ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属塩、マグネシウムやカルシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン等のアルカノールアミン塩等を挙げることができる。好ましくはナトリウム塩などのアルカリ金属塩である。
本発明の皮膚外用剤において、さらにヒアルロン酸又はその塩を含有する場合、ヒアルロン酸又はその塩の皮膚外用剤全体に対する含有量としては、好ましくは0.0001〜15重量%、より好ましくは0.001〜10重量%、特に好ましくは0.01〜5重量%の範囲で含有する。0.0001重量%以下では尿素を安定に保持することが困難となりやすく、15重量%を超えると、べたつきを生じるといった使用感を損ないやすくなる。
また、本発明の皮膚外用剤に、リン脂質及びヒアルロン酸又はその塩を組み合わせて含有してもよい。
本発明の皮膚外用剤には、さらに非イオン性界面活性剤を含有させることで製剤の安定性を保持することができる。通常医薬品、医薬部外品、化粧品において用いられる非イオン性界面活性剤を1種又は2種以上用いることができるが、2種以上用いるのが好ましい。本発明の皮膚外用剤において非イオン性界面活性剤としては、具体的には、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルが挙げられる。
さらに具体的には、POE(40)硬化ヒマシ油、POE(50)硬化ヒマシ油、POE(60)硬化ヒマシ油、POE(80)硬化ヒマシ油、POE(100)硬化ヒマシ油、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(6)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、ポリオキシエチレン(5)ベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン(10)ベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン(30)ベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(EOは、3,5,7,10,15,20,50)、ポリオキシエチレンステアリルエーテル(EOは、2,4, 20)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(EOは、2,5.5,7,10,15,20,23,25,30,40)、ポリオキシエチレン(以下POE)(1)ポリオキシプロピレン(以下POP)(4)セチルエーテル、POE(1)POP(1)セチルエーテル、POE(10)POP(4)セチルエーテル、POE(20)POP(4)セチルエーテル、POE(20)POP(8)セチルエーテル、POE(120)POP(40)グリコール、POE(160)POP(30)グリコール、POE(196)POP(67)グリコール、POE(20)POP(20)グリコール、POE(42)POP(67)グリコール、POE(54)POP(39)グリコールなどが挙げられる。
好ましい非イオン性界面活性剤は、POE(40)硬化ヒマシ油、POE(60)硬化ヒマシ油、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタンである。
また、本発明において用いるこれらの非イオン性界面活性剤のHLBは、特に限定されないが、安定性の観点からHLB6〜18が好ましい。特に好ましくはHLB8以上の非イオン性界面活性剤であって、POE(40)硬化ヒマシ油、POE(50)硬化ヒマシ油、POE(60)硬化ヒマシ油、POE(80)硬化ヒマシ油、POE(100)硬化ヒマシ油、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(6)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、ポリオキシエチレン(10)ベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン(30)ベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(EOは、7,10,15,20,50)、ポリオキシエチレンステアリルエーテル(EOは、2,4,20)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(EOは、2,5.5,7,10,15,20,23,25,30,40)、POE(1)POP(4)セチルエーテル、POE(10)POP(4)セチルエーテル、POE(20)POP(4)セチルエーテル、POE(20)POP(8)セチルエーテルが挙げられる。
本発明の皮膚外用剤において、非イオン性界面活性剤の含有量は特に限定されず用いることもできるが、通常0.1〜15重量%、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは1〜8重量%、特に好ましくは2〜8重量%の範囲で用いるとよい。非イオン性界面活性剤が15重量%を超えると刺激が強くなるため皮膚への適応ができなくなる上、皮膚適用時にベタツキ感が生じやすく使用感におとりやすく、0.1重量%よりも少ないと尿素を安定的に保持できにくくなる傾向にある。
本発明の皮膚外用剤には、グリチルレチン酸類、グリチルリチン酸類、ビタミンE類からなる群から選ばれる1種又は2種以上の助剤をさらに含有させることができ、皮膚の健常化および安定性の観点から好ましい。
本発明の助剤において用いることができる薬理学上許容される塩としては、例えば、有機酸塩(例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、アスパラギン酸塩、シュウ酸塩など)、無機酸塩(例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩など)、有機塩基との塩(例えば、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、モノエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ピリジン塩などの第3級アミンとの塩など)、無機塩基との塩(例えば、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩など)が挙げられる。
本発明においてグリチルリチン酸類とは、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸の誘導体又はこれらの薬理学上許容される塩であり、具体的にはグリチルリチン酸メチル、グリチルリチン酸ステアリル、グリチルリチン酸の硝酸若しくは酢酸エステル、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸三ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、またはグリチルリチン酸三カリウムなどのアルカリ金属塩、グリチルリチン酸モノアンモニウム等のアンモニウム塩が例示できる。これらのグリチルリチン酸類は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。なかでも好ましくは、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ステアリルである。
本発明の皮膚外用剤において、グリチルリチン酸類の含有量は、特に限定されることなく適宜選択することができるが、皮膚外用剤全重量に対して通常0.01〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%、特に好ましくは0.05〜3重量%の範囲で用いることができる。0.01重量%以下では十分な安定性を得ることができず、また10重量%以上では刺激などの問題を起こしやすくなる。
本発明においてグリチルレチン酸類とは、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸の誘導体又はこれらの薬理学上許容される塩である。具体的にはグリチルレチン酸ステアリル、グリチルレチン酸ピリドキシン、グリチルレチン酸グリセリン、グリチルレチン酸の硝酸若しくは酢酸エステル、グリチルレチン酸二ナトリウム、グリチルレチン酸三ナトリウム、グリチルレチン酸二カリウム、グリチルレチン酸三カリウム、グリチルレチン酸モノアンモニウム等が例示できる。これらのグリチルレチン酸類類は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。なかでも好ましくはグリチルレチン酸ステアリル、グリチルレチン酸二カリウムを挙げることができる。
本発明の皮膚外用剤において、グリチルレチン酸類の含有量は、特に限定されることなく適宜選択することができるが、皮膚外用剤全重量に対して通常0.01〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%、特に好ましくは0.05〜3重量%の範囲で用いることができる。0.01重量%以下では十分な安定性を得ることができず、また10重量%以上では刺激などの問題を起こしやすくなる。
本発明においてビタミンE類は、トコフェロール、トコフェロール誘導体又はこれらの薬理学上許容される塩があげられる。ビタミンE類は、天然品、合成品のいずれも利用することができ、具体的には、d−α−トコフェロール、dl−α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、ビタミンE酢酸エステル(酢酸トコフェロール)、ビタミンEニコチン酸エステル、ビタミンEコハク酸エステル、ビタミンEリノレン酸エステル、コハク酸トコフェロールカルシウム等が挙げられ、これらのビタミンE類は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。なかでも、酢酸トコフェロール(酢酸d−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール等)またはその塩が好ましい。
本発明の皮膚外用剤において、ビタミンE類の含有量は、特に限定されることなく適宜選択することができるが、皮膚外用剤全重量に対して通常0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%の範囲で用いることができる。0.01重量%以下では十分な安定性を得ることができず、また10重量%以上では刺激などの問題を起こしやすくなる。
本発明において、上記した助剤は、単独で使用しても、また任意に組み合わせて使用することもでき、組み合わせて使用する場合にはより可溶化又は安定性が高まることから好ましい。かかる組合せの態様としては、特に制限されないが、グリチルレチン類とビタミンE類、グリチルリチン類とビタミンE類、の組み合わせが好ましい。
本発明の皮膚外用剤は、医薬品又は医薬部外品、化粧品として尿素の本来有する薬理作用を利用したあらゆる用途に用いることができ、特に制限されるものではない。本発明の皮膚外用剤は、刺激性がなく安全で、高保湿であることから、乾燥症、老人性の乾皮症、皮膚角化症、さめ肌、肌あれを伴う皮膚へ適用される皮膚外用剤、例えば、保湿剤、角質軟化剤、皮膚炎治療剤、乾燥肌用治療剤等に用いるのが好適である。
本発明の皮膚外用剤は、通常pH2〜10の液性を備えていればよいが、皮膚や粘膜に対する低刺激性、及び皮膚使用感のよさ、尿素の安定性という観点から、好ましくはpH5〜10、より好ましくはpH7〜10、特に好ましくはpH7〜9であることが望ましい。また、粘度はBH型粘度計、No.7ローターで20rpmで測定した場合に、1000〜100000mPaの粘度を備えていればよいが、指取り性や塗布しやすさなどの観点から、好ましくは3000〜100000mPa、さらに好ましくは、5000〜100000mPaが好ましい。
本発明の皮膚外用剤の調製方法は、特に制限されず、通常の皮膚外用剤を調製するのに必要な各種成分などを適宜選択、配合して、常法により調製することができる。また、本発明の皮膚外用剤の外皮への適用量や用法は特に制限されず、通常、一日数回、適量を皮膚等の外皮に塗布するなどして用いることができる。
本発明の皮膚外用剤には、上記必須の成分に加えて、医薬品、医薬部外品、において使用される有効成分を1種または2種以上組み合わせて配合することができる。これらの各成分としては、外用剤に用いられる薬効成分であれば特に制限されず、例えば、上記必須の成分以外の鎮痒薬、創傷治癒薬、消炎鎮痛薬、殺菌消毒薬、保湿薬、角質軟化薬、にきび治療薬、腋臭防止薬、水虫治療薬などを任意に使用することができる。
本発明の皮膚外用剤は、保存安定性や粘度等の品質を損なわず、また本発明の効果を損なわない量的及び質的範囲内で、必要に応じて医薬品、医薬部外品または化粧品分野において一般的に用いられる各種の成分、例えば界面活性剤、安定化剤、刺激軽減剤、増粘剤、防腐剤、着色剤、分散剤、pH調整剤、香料等を配合することができる。なお、これらの成分は1種単独で、または2種以上を任意に組み合わせて配合することができる。
以下に本発明を実施例及び試験例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例等に限定されるものではない。
実施例 1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.01(g)
酢酸トコフェロール 0.5
dl−メントール 0.1
パラベン 0.1
尿素 20.0
ワセリン 15.0
2−エチルヘキサン酸セチル 7.0
POE(23)セチルエーテル 3.0
モノステアリン酸グリセリン 3.0
カルボキシビニルポリマー 1.0
ヒドロキシエチルセルロース 0.4
1,3−ブチレングリコール 10.0
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
グリセリン 5.0
トリエタノールアミン 0.2
精製水 34.59
合計 100.0g
グリチルリチン酸ジカリウム 0.01(g)
酢酸トコフェロール 0.5
dl−メントール 0.1
パラベン 0.1
尿素 20.0
ワセリン 15.0
2−エチルヘキサン酸セチル 7.0
POE(23)セチルエーテル 3.0
モノステアリン酸グリセリン 3.0
カルボキシビニルポリマー 1.0
ヒドロキシエチルセルロース 0.4
1,3−ブチレングリコール 10.0
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
グリセリン 5.0
トリエタノールアミン 0.2
精製水 34.59
合計 100.0g
実施例 2
グリチルレチン酸 0.05(g)
酢酸トコフェロール 0.5
dl−メントール 0.1
パラベン 0.1
尿素 10.0
ワセリン 20.0
2−エチルヘキサン酸セチル 21.5
POE(23)セチルエーテル 10.0
モノステアリン酸グリセリン 1.0
カルボキシビニルポリマー 1.0
ヒドロキシエチルセルロース 0.5
1,3−ブチレングリコール 10.0
トリエタノールアミン 0.2
精製水 25.05
合計 100.0g
グリチルレチン酸 0.05(g)
酢酸トコフェロール 0.5
dl−メントール 0.1
パラベン 0.1
尿素 10.0
ワセリン 20.0
2−エチルヘキサン酸セチル 21.5
POE(23)セチルエーテル 10.0
モノステアリン酸グリセリン 1.0
カルボキシビニルポリマー 1.0
ヒドロキシエチルセルロース 0.5
1,3−ブチレングリコール 10.0
トリエタノールアミン 0.2
精製水 25.05
合計 100.0g
実施例 3
グリチルリチン酸ジカリウム 0.05(g)
酢酸トコフェロール 2.0
dl−メントール 0.1
パラベン 0.1
尿素 5.0
ワセリン 5.0
ホホバ油 19.55
2−エチルヘキサン酸セチル 2.0
POE(23)セチルエーテル 8.0
モノステアリン酸グリセリン 2.0
カルボキシビニルポリマー 0.5
アクリル酸・メタクリル酸(C10〜C30)アルキルコポリマー 0.5
1,3−ブチレングリコール 10.0
グリセリン 10.0
トリエタノールアミン 0.2
精製水 35.0
合計 100.0g
グリチルリチン酸ジカリウム 0.05(g)
酢酸トコフェロール 2.0
dl−メントール 0.1
パラベン 0.1
尿素 5.0
ワセリン 5.0
ホホバ油 19.55
2−エチルヘキサン酸セチル 2.0
POE(23)セチルエーテル 8.0
モノステアリン酸グリセリン 2.0
カルボキシビニルポリマー 0.5
アクリル酸・メタクリル酸(C10〜C30)アルキルコポリマー 0.5
1,3−ブチレングリコール 10.0
グリセリン 10.0
トリエタノールアミン 0.2
精製水 35.0
合計 100.0g
実施例 4
グリチルリチン酸ジカリウム 0.3(g)
酢酸トコフェロール 1.0
dl−メントール 0.1
パラベン 0.1
尿素 10.0
ワセリン 15.0
2−エチルヘキサン酸セチル 2.0
POE(23)セチルエーテル 2.0
モノステアリン酸グリセリン 5.0
アクリル酸・メタクリル酸(C10〜C30)アルキルコポリマー 1.0
ヒドロキシエチルセルロース 0.4
プロピレングリコール 10.0
グリセリン 5.0
トリエタノールアミン 0.2
精製水 47.9
合計 100.0g
グリチルリチン酸ジカリウム 0.3(g)
酢酸トコフェロール 1.0
dl−メントール 0.1
パラベン 0.1
尿素 10.0
ワセリン 15.0
2−エチルヘキサン酸セチル 2.0
POE(23)セチルエーテル 2.0
モノステアリン酸グリセリン 5.0
アクリル酸・メタクリル酸(C10〜C30)アルキルコポリマー 1.0
ヒドロキシエチルセルロース 0.4
プロピレングリコール 10.0
グリセリン 5.0
トリエタノールアミン 0.2
精製水 47.9
合計 100.0g
実施例 5
グリチルリチン酸ジカリウム 0.5(g)
酢酸トコフェロール 0.5
dl−メントール 0.1
パラベン 0.1
尿素 10.0
ワセリン 10.0
2−エチルヘキサン酸セチル 10.0
POE(23)セチルエーテル 3.0
モノステアリン酸グリセリン 3.0
カルボキシビニルポリマー 1.0
ヒドロキシエチルセルロース 0.4
1,3−ブチレングリコール 10.0
MPCポリマー 0.01
(日本油脂株式会社製 LipidurePMB(ph10))
グリセリン 5.0
トリエタノールアミン 0.2
精製水 46.19
合計 100.0g
グリチルリチン酸ジカリウム 0.5(g)
酢酸トコフェロール 0.5
dl−メントール 0.1
パラベン 0.1
尿素 10.0
ワセリン 10.0
2−エチルヘキサン酸セチル 10.0
POE(23)セチルエーテル 3.0
モノステアリン酸グリセリン 3.0
カルボキシビニルポリマー 1.0
ヒドロキシエチルセルロース 0.4
1,3−ブチレングリコール 10.0
MPCポリマー 0.01
(日本油脂株式会社製 LipidurePMB(ph10))
グリセリン 5.0
トリエタノールアミン 0.2
精製水 46.19
合計 100.0g
実施例 6
グリチルリチン酸ジカリウム 0.5(g)
酢酸トコフェロール 0.1
dl−メントール 0.1
パラベン 0.1
尿素 14.0
ワセリン 5.0
スクワラン 10.0
2−エチルヘキサン酸セチル 10.0
POE(23)セチルエーテル 2.0
モノステアリン酸グリセリン 3.0
カルボキシビニルポリマー 1.0
水添大豆レシチン 0.4
ヒドロキシエチルセルロース 0.4
グリセリン 5.0
トリエタノールアミン 0.2
精製水 48.2
合計 100.0g
グリチルリチン酸ジカリウム 0.5(g)
酢酸トコフェロール 0.1
dl−メントール 0.1
パラベン 0.1
尿素 14.0
ワセリン 5.0
スクワラン 10.0
2−エチルヘキサン酸セチル 10.0
POE(23)セチルエーテル 2.0
モノステアリン酸グリセリン 3.0
カルボキシビニルポリマー 1.0
水添大豆レシチン 0.4
ヒドロキシエチルセルロース 0.4
グリセリン 5.0
トリエタノールアミン 0.2
精製水 48.2
合計 100.0g
実施例 7
グリチルリチン酸ジカリウム 1.0(g)
酢酸トコフェロール 0.01
dl−メントール 0.1
パラベン 0.1
尿素 15.0
ワセリン 5.0
2−エチルヘキサン酸セチル 2.0
POE(23)セチルエーテル 1.0
モノステアリン酸グリセリン 1.0
カルボキシビニルポリマー 1.0
ヒドロキシエチルセルロース 1.0
1,3−ブチレングリコール 10.0
グリセリン 5.0
トリエタノールアミン 0.2
精製水 57.59
合計 100.0g
グリチルリチン酸ジカリウム 1.0(g)
酢酸トコフェロール 0.01
dl−メントール 0.1
パラベン 0.1
尿素 15.0
ワセリン 5.0
2−エチルヘキサン酸セチル 2.0
POE(23)セチルエーテル 1.0
モノステアリン酸グリセリン 1.0
カルボキシビニルポリマー 1.0
ヒドロキシエチルセルロース 1.0
1,3−ブチレングリコール 10.0
グリセリン 5.0
トリエタノールアミン 0.2
精製水 57.59
合計 100.0g
製剤の調整
表1に記載の処方に従い、各製剤を調製した。
具体的には、精製水と1,3−ブチレングリコール及び/またはグリセリン、尿素、グリシン、グリチルリチン酸ジカリウムを混合し加熱した後、カルボキシビニルポリマーを添加し攪拌溶解した(これを水相とする)。また、酢酸トコフェロール、モノステアリン酸グリセリン、ポリオキシエチレン(23)セチルエーテル、ワセリン、スクワランを加熱混合して溶かしておく(これを油相とする)。水相に油相を投入して攪拌したのち、トリエタノールアミンを添加してさらに攪拌し、室温まで冷却して各製剤を得た。同様にして、実施例11〜13の各製剤を得た。
表1に記載の処方に従い、各製剤を調製した。
具体的には、精製水と1,3−ブチレングリコール及び/またはグリセリン、尿素、グリシン、グリチルリチン酸ジカリウムを混合し加熱した後、カルボキシビニルポリマーを添加し攪拌溶解した(これを水相とする)。また、酢酸トコフェロール、モノステアリン酸グリセリン、ポリオキシエチレン(23)セチルエーテル、ワセリン、スクワランを加熱混合して溶かしておく(これを油相とする)。水相に油相を投入して攪拌したのち、トリエタノールアミンを添加してさらに攪拌し、室温まで冷却して各製剤を得た。同様にして、実施例11〜13の各製剤を得た。
放出性試験
リン酸緩衝液(pH7.4、0.01M)で満たしたFranz型膜透過セル(容積:10ml、有効膜面積:1.17cm2)に、セルロース混合エステルメンブランフィルター(孔径:0.2cm2、ADVANTEC社製)を装着した。セルを室温(25℃)に馴化させた後、各試験製剤1.2gをセルロース混合エステルメンブランフィルター上に薄く広げて塗布し、室温(25℃)で4時間放置した。塗布して4時間後にセル内のリン酸緩衝液をサンプリングして、リン酸緩衝液側に透過した尿素量をHPLCで定量した。尿素を定量する使用カラムは、内径約4.6mm、長さ約15cmのステンレス管に5μmのオクタデシルシリカゲル化シリカゲル(Inertsil ODS−2)を充填したもので、移動層は、0.2mol/Lの過酸化水素ナトリウムを含む0.1mol/Lのリン酸・水酸化ナトリウム緩衝液(pH=3.0)、流量は0.7ml/min、測定波長は300nmの条件で行った。
4時間後にリン酸緩衝液側に移行した尿素量を全尿素量で除して、放出率(%)を求めた。結果は表1に示す。
リン酸緩衝液(pH7.4、0.01M)で満たしたFranz型膜透過セル(容積:10ml、有効膜面積:1.17cm2)に、セルロース混合エステルメンブランフィルター(孔径:0.2cm2、ADVANTEC社製)を装着した。セルを室温(25℃)に馴化させた後、各試験製剤1.2gをセルロース混合エステルメンブランフィルター上に薄く広げて塗布し、室温(25℃)で4時間放置した。塗布して4時間後にセル内のリン酸緩衝液をサンプリングして、リン酸緩衝液側に透過した尿素量をHPLCで定量した。尿素を定量する使用カラムは、内径約4.6mm、長さ約15cmのステンレス管に5μmのオクタデシルシリカゲル化シリカゲル(Inertsil ODS−2)を充填したもので、移動層は、0.2mol/Lの過酸化水素ナトリウムを含む0.1mol/Lのリン酸・水酸化ナトリウム緩衝液(pH=3.0)、流量は0.7ml/min、測定波長は300nmの条件で行った。
4時間後にリン酸緩衝液側に移行した尿素量を全尿素量で除して、放出率(%)を求めた。結果は表1に示す。
角質水分量測定試験
試験には、Hos:HR−1系雌性ヘアレスマウス(7週齡)を用いた。飼育条件は室温23±2℃、湿度55±15%、換気回数15回/時で固形飼料CE−2(日本クレア株式会社製)及び水は自由摂取とした。ヘアレスマウスの背部全体に、表1に示す比較例または実施例の各製剤を15μL塗布した。塗布前及び塗布2時間後に背部皮膚表面の電気伝導度(μs)を、表角層水分量測定装置(SKICON−200、アイ・ビイ・エス株式会社製)により測定し、塗布後2時間後の電気伝導度を塗布前の電気伝導度で除して、角質水分量増加の割合を求めた。結果は表1に示す。
試験には、Hos:HR−1系雌性ヘアレスマウス(7週齡)を用いた。飼育条件は室温23±2℃、湿度55±15%、換気回数15回/時で固形飼料CE−2(日本クレア株式会社製)及び水は自由摂取とした。ヘアレスマウスの背部全体に、表1に示す比較例または実施例の各製剤を15μL塗布した。塗布前及び塗布2時間後に背部皮膚表面の電気伝導度(μs)を、表角層水分量測定装置(SKICON−200、アイ・ビイ・エス株式会社製)により測定し、塗布後2時間後の電気伝導度を塗布前の電気伝導度で除して、角質水分量増加の割合を求めた。結果は表1に示す。
表1からも明らかなように、比較例1〜4の尿素放出性が低く、角質水分量の増加がほとんど認められなかった。本発明の実施例8〜13は尿素放出性に優れ、2時間後の角質水分量が顕著に増加した。これは、製剤から放出された尿素が、皮膚表面の角質層へ移行し、尿素本来の作用である水分保持作用、吸水作用によって角質層の水分保持量を増加させたことを示す。従って、本発明の皮膚外用剤は、尿素放出性が高く角質移行性に優れ、顕著な角質水分量増加効果を示すことが確認された。
安定性試験
比較例1〜4、常法により調製した実施例1〜7及び表1の実施例8〜10の各製剤を40℃で3カ月間保存した後、以下の(1)(2)の方法で尿素安定性を評価した。
(1) 各製剤を0.5gとり、ガラス平板上で薄く均一に塗り広げて尿素の析出を目視にて観察した。
(2)各製剤を1.0gとり、アンモニア臭の有無を官能にて評価した。
その結果、実施例1〜13、比較例1、3及び4において、尿素の析出及びアンモニア臭が無く、尿素が安定に保持されていることが確認された。一方、比較例2は尿素の析出が見られ、アンモニア臭が発生し、尿素が安定に保持されていないことが確認された。
比較例1〜4、常法により調製した実施例1〜7及び表1の実施例8〜10の各製剤を40℃で3カ月間保存した後、以下の(1)(2)の方法で尿素安定性を評価した。
(1) 各製剤を0.5gとり、ガラス平板上で薄く均一に塗り広げて尿素の析出を目視にて観察した。
(2)各製剤を1.0gとり、アンモニア臭の有無を官能にて評価した。
その結果、実施例1〜13、比較例1、3及び4において、尿素の析出及びアンモニア臭が無く、尿素が安定に保持されていることが確認された。一方、比較例2は尿素の析出が見られ、アンモニア臭が発生し、尿素が安定に保持されていないことが確認された。
刺激性試験
各実施例の刺激性の有無を評価するため、常法により調製した実施例1〜7及び表1の実施例8〜13の各製剤について各々3名のモニターの上腕部に塗布してもらった。塗布量は0.5gとし、塗布後の皮膚の状態(赤みが出ていないか)と、刺激感(ピリピリしたり、かゆみや灼熱感を感じる)がないか評価を行った。
その結果、実施例1〜13において、3名のすべてのモニターが刺激を感じることがなく、本発明の実施例は刺激がなく安全な皮膚外用剤であることが確認された。
各実施例の刺激性の有無を評価するため、常法により調製した実施例1〜7及び表1の実施例8〜13の各製剤について各々3名のモニターの上腕部に塗布してもらった。塗布量は0.5gとし、塗布後の皮膚の状態(赤みが出ていないか)と、刺激感(ピリピリしたり、かゆみや灼熱感を感じる)がないか評価を行った。
その結果、実施例1〜13において、3名のすべてのモニターが刺激を感じることがなく、本発明の実施例は刺激がなく安全な皮膚外用剤であることが確認された。
Claims (6)
- 水溶性ゲル化剤1重量部に対して、尿素を5〜20重量部、水を5〜35重量部の割合で含有し、0.1〜20重量%の多価アルコール、並びにグリチルリチン酸類および/またはビタミンE類を含有する、皮膚外用剤。
- 水溶性ゲル化剤を0.2〜8重量%で含有する請求項1に記載の皮膚外用剤。
- 水溶性ゲル化剤が、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸(C10〜C30)アルキルコポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである請求項1または2に記載の皮膚外用剤。
- グリチルリチン酸類がグリチルリチン酸ジカリウムである請求項1乃至3のいずれかに記載の皮膚外用剤。
- ビタミンE類が酢酸トコフェロールである請求項1乃至4のいずれかに記載の皮膚外用剤。
- さらに、リン脂質、ヒアルロン酸又はその塩及びグリチルレチン酸類からなる群から選ばれる1種又は2種以上を含有する請求項1乃至5のいずれかに記載の皮膚外用剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008323070A JP2009102358A (ja) | 2003-07-29 | 2008-12-19 | 皮膚外用剤 |
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JP2004222329A Division JP2005060386A (ja) | 2003-07-29 | 2004-07-29 | 皮膚外用剤 |
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---|---|
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---|---|---|---|
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2008
- 2008-12-19 JP JP2008323070A patent/JP2009102358A/ja active Pending
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