JP2009100498A - スイッチング電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】停電などの瞬断時にも、安定して電源を再起動することができ、安定した電源動作を実現することができるスイッチング電源装置を提供する。
【解決手段】瞬断時には、オン時間が大きくなることを利用して、そのオン時間をMAX−DUTY検出器10で検出して、過負荷保護回路150による過負荷保護機能を作動できなくする。
【選択図】図2

Description

本発明は、電源装置であり、負荷短絡時などの過負荷状態に対する保護機能を有するスイッチング電源装置に関するものである。
従来から、家電製品等の各種一般家庭用機器には、その電源装置として、小型軽量で高効率という特性を生かして、スイッチング素子によるスイッチング動作を利用して出力電圧などを制御するスイッチング電源装置が広く用いられ、各種家庭用機器に電源を供給するのに重要な役割を果たしている。
一般的に、このようなスイッチング電源装置において、負荷側の短絡障害やスイッチング電源装置の出力側における短絡障害などの異常状態が発生した場合には、負荷側やスイッチング電源装置を保護するために、入力側から負荷側への電力供給を十分に低減する必要がある。これを実現する方法としては、負荷側出力段にヒューズを設けることなどが考えられるが、この場合は、過負荷時状態においてヒューズが切れてしまうため、その後に負荷側が正常な状態に回復したとしても、ヒューズを交換しないかぎり再び電源を動作させることはできなくなってしまう。
そこで、ヒューズを用いない方法として、電源回路内部で過負荷状態を検出し、入力側から負荷側への電力供給を十分に抑制することのできる過負荷保護回路を配置することが挙げられる。
このような過負荷保護回路としては、一旦保護動作が作動すると所定のリセット信号が入力されるまで保護状態が保持されるラッチ方式のものと、過負荷状態から正常な状態に回復した場合には、自動的に保護動作状態が解除され、通常動作へと復帰する自己復帰方式のものなどが挙げられる。
まず、ラッチ方式の過電流保護回路を有するスイッチング電源装置の従来例を、図9の簡易図を基に説明する。
図9は従来のスイッチング電源装置に用いられるスイッチング電源制御用半導体装置の一例を示す回路図である。図9に示すスイッチング電源制御用半導体装置201では、例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などのスイッチング素子101とスイッチング素子101のスイッチング制御を行うための制御回路が内蔵されており、スイッチング素子101の高電圧端子(DRAIN端子)とGND端子(SOURCE端子)および制御信号を入力するための制御端子(CONTROL端子)の3端子で構成されている。
図9において、102は誤差増幅器で、スイッチング電源制御用半導体装置201の電源電圧VCCがマイナス入力として与えられ、この誤差増幅器102のプラス入力端子には、予め設定された所定の基準電圧が与えられており、誤差増幅器102は、入力される電源電圧VCCと基準電圧とを比較して得られる誤差電圧信号VEAOをドレイン電流検出用比較器103のプラス入力となるように出力する。
ドレイン電流検出用比較器103のマイナス入力には、スイッチング素子101のドレインに接続されたドレイン電流検出回路104から出力される検出電圧VCLが与えられている。ドレイン電流検出回路104は、スイッチング素子101に流れる電流を検出し、検出した電流を電圧信号に変換して検出電圧VCLとして出力する。
ドレイン電流検出用比較器103は、スイッチング素子101に流れる電流に対応する検出信号VCLと誤差電圧信号VEAOとを比較して、両者の信号が等しくなったときに、その出力信号をRSフリップフロップ回路105のリセット(R)端子へ出力するように接続される。
誤差増幅器102から出力される誤差電圧信号VEAOは、過電流保護回路106によって、その誤差電圧信号VEAOの最大値を固定されるようになっており、この過電流保護回路106によって、スイッチング素子101に過電流が流れることを防止している。
発振器107は、スイッチング素子101のスイッチング周波数を決定するためのクロック信号108と、スイッチング素子101の最大オンデューティーサイクルを決定するための最大オンデューティーサイクル信号109とをそれぞれ出力する。発振器107から出力されるクロック信号108は、RSフリップフロップ回路105のセット(S)端子に与えられており、RSフリップフロップ回路105の出力(Q)は、NAND回路110へ出力されている。発振器107から出力される最大オンデューティーサイクル信号109は、NAND回路110に直接入力される。
スイッチング素子101のドレイン端子には、スイッチング電源制御用半導体装置201の内部電源を供給するための回路として電源電流を供給する内部回路電流供給回路111が接続されている。内部回路電流供給回路111は、スイッチング電源制御用半導体装置201の起動および停止を制御する起動/停止回路112によって、電源投入時などに、内部回路へ電源供給するようになっている。起動/停止回路112の出力は、NAND回路110にも入力されている。
また、過負荷保護回路155は、少なくとも、過負荷状態を検出する過負荷検出回路113と、過負荷状態を検出した際に、過負荷保護状態からのリセット手段である再起動トリガー115、およびスイッチング素子101のスイッチング動作を停止するスイッチング動作停止回路としてのラッチ回路であるRSフリップフロップ回路114で構成され、過負荷検出回路113は、スイッチング電源制御用半導体装置201の電源電圧VCCラインに接続され、電源電圧VCCが所定の電圧まで低下した場合には、RSフリップフロップ回路114のセット(S)端子に信号を出力するように接続される。
また、再起動トリガー115は、スイッチング電源制御用半導体装置201の電源電圧VCCラインに接続され、過負荷保護の作動中に、電源電圧VCCが所定の電圧以下になっていることを検出した場合に、信号をRSフリップフロップ回路114のリセット端子に出力する。RSフリップフロップ回路114は、NAND回路110へ出力される。
NAND回路110には、RSフリップフロップ回路105の出力信号と、発振器107から与えられるスイッチング素子101の最大オンデューティーサイクル信号109と、起動/停止回路112から出力される信号と、RSフリップフロップ回路114の出力信号の4つが入力されており、その出力はスイッチング素子101のスイッチング制御信号としてスイッチング素子101のドライブ回路(ゲートドライバー)116に与えられている。ドライブ回路116は、与えられるスイッチング制御信号に基づいて、スイッチング素子101をスイッチング制御する。
従来のスイッチング電源装置の一例は、図2に示すスイッチング電源装置の回路図におけるスイッチング電源制御用半導体装置202を、図9に示すスイッチング電源制御用半導体装置201に置き換えて構成した回路図で表され、この場合の構成についての説明を以下に記す。
このスイッチング電源装置においては、商用の交流電源がダイオードブリッジなどの整流器120により整流され、入力コンデンサ121にて平滑化されることにより、直流電圧VINとされるよう配置される。また、入力側から負荷側へエネルギーを伝達するインダクタンス成分であるトランス122は、第1の一次巻線122aおよび第2の一次巻線122bと、二次巻線122cとで構成されており、直流電圧VINは、第1の一次巻線122aに印加される。
トランス122の第1の一次巻線122aに与えられた直流電力は、スイッチング素子101のスイッチング動作によって、トランス122の第1の一次巻線122aから二次巻線122cに伝達されるような構成となっている。
また、二次巻線122cに接続されたダイオード123およびコンデンサ124によって、トランス122の二次巻線122cに伝達される電力は、整流および平滑化され、出力電圧VOの直流電力として負荷125へ供給される。
トランス122の第2の一次巻線122bにも、第1の一次巻線122aから出力される直流電力が伝達され、第2の一次巻線122bから出力され、補助電源部であるダイオード126およびコンデンサ127により整流および平滑化されるよう接続される。そして、補助電源部から出力される補助電源電圧VCCが、スイッチング電源制御用半導体装置201の制御端子(CONTROL端子)に入力され、スイッチング電源制御用半導体装置201の電源電圧として用いられている。この電源電圧VCCは、トランス122の二次巻線122cから負荷125に供給される出力電圧VOと比例する電圧であり、出力電圧VOを安定化させるための帰還信号としても用いられる。
このように構成されたスイッチング電源装置の動作を以下に説明する。
整流器120に商用電源からの交流電源が入力されると、整流器120とコンデンサ121とにより、整流および平滑化されて、直流電圧VINに変換される。この直流電圧VINがトランス122の第1の一次巻線122aに印加される。また、直流電圧VINは、スイッチング電源制御用半導体装置201内の内部回路電流供給回路111を介して、電源電圧VCC用のコンデンサ127を充電する。
その後、電源電圧VCCがスイッチング電源制御用半導体装置201内の起動/停止回路112で設定された起動電圧に達すると内部回路が起動し、スイッチング素子101によるスイッチング動作の制御が開始される。また、これと同時に、起動/停止回路112によって、内部回路電流供給回路111が停止し、スイッチング電源制御用半導体装置201の内部回路電流は、トランス122の第2の一次巻線122bを介して供給されるようになる。
また、スイッチング電源制御用半導体装置201は、負荷125への出力電圧VOが、所定の電圧にて安定化するように、電源電圧VCCに基づいて、スイッチング素子101によるスイッチング動作を制御している。負荷125への出力電圧VOと、電源電圧VCCとは、トランス122の第2の一次巻線122bと二次巻線122cの巻数比に比例した電圧になっている。
すなわち、図10のタイムチャートに示すように、従来のスイッチング電源装置の出力部に接続された負荷125への電流供給が小さくなる場合において、負荷125への供給電流が低下すると(図10(a))、負荷125への出力電圧VOが上昇し(図10(b))、これに比例して電源電圧VCCが上昇し(図10(c))、誤差増幅器102の出力電圧VEAOが低下する(図10(d))。
そして、この誤差増幅器102の出力電圧VEAOとスイッチング素子101を流れる電流検出電圧VCLが等しくなると、ドレイン電流検出用比較器103から、RSフリップフロップ回路105のリセット端子へリセット信号が出力される。これにより、NAND回路110からは、スイッチング素子101をオフにする信号が出力される。その結果、スイッチング素子101は、スイッチング制御においてオン時間が短くなり、スイッチング素子101を流れる電流IDが低下する(図10(e))。
このように、通常動作時のスイッチング電源制御用半導体装置201は、従来のスイッチング電源装置の出力部に接続された負荷125に供給される電流に応じて、スイッチング素子101に流れる電流の大きさが制御される電流モード制御方式になっている。
次に、負荷側の短絡障害やスイッチング電源装置の出力側における短絡障害など、いわゆる過負荷状態での動作を、図11のタイミングチャートを基に説明する。
ラッチ方式の過負荷保護回路では、以下のような動作でスイッチング電源制御用半導体装置201の電源電圧VCCが低下したことを制御回路電圧検出手段にて検出し、スイッチング素子101のスイッチングを停止し、保護を実現する。
そこで、この時の動作について以下に説明する。
過負荷状態には出力電圧VOが低下し(図11(a))、これに比例して電源電圧VCCが低下し始める。
次に、電源電圧VCCが、VCC(OFF)まで低下した時、起動/停止回路112の出力電圧VCHが反転し、内部回路電流供給回路111を介して、補助電源電圧VCC用のコンデンサ127を充電し、電源電圧VCCは再びVCC(ON)まで上昇する。一旦VCC(ON)まで上昇すると、起動/停止回路112の出力電圧VCHが再び反転し、内部回路電流供給回路111を介した充電電流はカットオフされる。このようにして、その後も電源電圧VCCは低下/上昇を繰り返す(図11(b)および(c))。
ここで、電源電圧VCCがVCC(OFF)まで低下した時には、過負荷検出回路113の出力電圧VDETは反転し、RSフリップフロップ回路114のセット端子へセット信号を出力し(図11(d))、セット信号を受け取ったRSフリップフロップ回路114からは、スイッチング素子101をオフにする信号が出力される。その結果、スイッチング素子101がスイッチングをしない停止状態となり(図11(e))、1次側から負荷側への電力供給がなくなることで、負荷の短絡障害やスイッチング電源装置の出力側における短絡障害発生時の過負荷状態からの保護を実現することができる。
また、前記ラッチ状態での保護動作を解除するには、再起動トリガー115に入力される電源電圧VCCをラッチリセット電圧VCC(RES)まで低下させ、再起動トリガー115からRSフリップフロップ回路114のリセット(R)端子へリセット信号を入力する必要がある。ここで、ラッチリセット電圧VCC(RES)は、VCC(OFF)よりも小さい値に設定されており、過負荷保護時に、入力電圧VINが所定の電圧以上であり、電源電圧VCCがVCC(OFF)とVCC(ON)の間を上下する図11(b)の動作中においては、電源電圧VCCがVCC(OFF)より小さくなることはないために、過負荷保護状態がリセットされることはない。
従って、前記のような過負荷保護状態から通常状態に電源を復帰させるためには、一旦入力電圧VINを落とす必要がある。
このような、ラッチ方式の過負荷保護回路(例えば、特許文献1を参照)では、ヒューズ等を用いずとも負荷短絡時などの過負荷状態からの保護を実現でき、過負荷状態が取り除かれた場合、電源を一旦落とすなどすれば再び電源を起動することが可能である。
一方、前記ラッチ方式の過負荷保護とは異なり、過負荷保護状態から復帰した場合には自動的に保護が解除される、いわゆる自己復帰方式の過負荷保護も一般的によく用いられる。
自己復帰方式の過負荷保護回路(図12を参照)では、以下のような動作で、スイッチング電源制御用半導体装置301の電源電圧VCCが低下したことを制御回路電圧検出手段にて検出し、スイッチング素子101のスイッチング期間を通常状態と比べ短くすることで、負荷側などへの電力供給を抑え、過負荷保護を実現する。また、過負荷状態が解除された場合には、それを検出し、通常動作へと復帰できるように構成される。
図12は自己復帰方式の過負荷保護機能を有するスイッチング電源制御用半導体装置の一例を示す回路図であり、図12において、図9に示すスイッチング電源制御用半導体装置と同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
従来のラッチ方式での過負荷保護機能を有するスイッチング電源制御用半導体装置との違いは、過負荷検出回路113、RSフリップフロップ回路114、および再起動トリガー115が内蔵されるラッチ方式の過負荷保護回路155が取り除かれ、代わりに電源電圧VCCラインに接続される比較器117とタイマー間欠動作回路118が内蔵される過負荷保護回路156が配置されることである。
つまり、従来のラッチ方式での過負荷保護機能と異なるのは、過負荷保護検出手段として比較器117が、また、スイッチング素子101のスイッチング動作を抑制するスイッチング動作停止回路としてタイマー間欠動作回路118が用いられることである。なお、タイマー間欠動作回路118には、リセット端子が設けられ、過負荷保護状態からのリセット手段として用いられる。
比較器117のプラス入力には電源電圧VCCが入力され、マイナス入力には電源電圧VCCがVCC(ON)まで上昇する期間には起動電圧VCC(ON)が、VCC(ON)からVCC(OFF)まで低下する期間には、停止電圧VCC(OFF)が入力される。
また、電源電圧VCCが一旦VCC(ON)まで上昇し、その後VCC(OFF)まで低下した場合には、タイマー間欠動作回路118へ信号を出力するように接続される。タイマー間欠動作回路118は、比較器117からの出力信号をカウントし、所定のカウント数ごとにNAND回路110へ信号を出力するように配置される。
ここで、図12に示すスイッチング電源制御用半導体装置を用いて構成した従来のスイッチング電源装置は、図2のスイッチング電源制御用半導体装置202を図12に示すスイッチング電源制御用半導体装置301と置き換えたものとなる。
次に、このようなスイッチング電源装置の短絡障害発生などの過負荷状態が発生した場合の動作について、図13のタイミングチャートを基に説明する。図9のラッチ方式の過負荷保護機能を有するスイッチング電源制御用半導体装置との動作とは、この過負荷保護時の動作が異なる。
まず、過負荷状態には出力電圧VOが低下し(図13(a))、これに比例する電源電圧VCCが低下し始める。電源電圧VCCが、VCC(OFF)まで低下した時、起動/停止回路112の出力電圧VCHが反転し、内部回路電流供給回路111を介して、補助電源電圧VCC用のコンデンサ127を充電し、電源電圧VCCは再びVCC(ON)まで上昇する。
一旦電源電圧VCCがVCC(ON)まで上昇すると、起動/停止回路112の出力電圧VCHが再び反転し、内部回路電流供給回路111を介した充電電流はカットオフされる。このようにして、その後に電源電圧VCCは低下/上昇を繰り返す(図13(b)および(c))。
また、比較器117は、電源電圧VCCが、VCC(ON)からVCC(OFF)まで低下する度に、タイマー間欠動作回路118へパルス信号を出力する(図13(d))。
比較器117からの信号が入力されるようになると、タイマー間欠動作回路118の出力電圧VTIは反転し、スイッチング素子101のスイッチング動作を停止にする信号が出力される。その後、電源電圧VCCがVCC(ON)からVCC(OFF)まで低下する度に、比較器117から入力される信号を受けた回数を、タイマー間欠動作回路118に内蔵されたカウンタで記憶する。
その後、そのカウント数が所定の回数を超え、再び電源電圧VCCがVCC(ON)に達した場合には、タイマー間欠動作回路118からは、スイッチング素子101のスイッチング動作を再開する信号が出力され、電源電圧VCCがVCC(OFF)まで低下するまでの間、スイッチング素子101はスイッチングする(図13(e)および図13(f))。この時、過負荷状態が解除されていなければ、出力電圧VOは低下したままであるため、再び電源電圧VCCは、低下/上昇を繰り返す。
一方、過負荷状態が取り除かれている場合は、スイッチング素子101がスイッチングする期間に、負荷側へエネルギーが供給され、出力電圧VOが再び上昇するため、電源電圧VCCがVCC(OFF)まで低下することはなく、過負荷保護状態から通常の電源動作へ復帰することができる。
このような自己復帰方式の過負荷保護回路(例えば、特許文献2を参照)には、負荷側の短絡障害やスイッチング電源装置の出力側における短絡障害発生時に、スイッチング素子のスイッチング時間を短縮することで過負荷保護を実現しており、過負荷状態が取り除かれた場合は、自動的に通常動作へと復帰することができる。
特開平9−182277号公報 特開2000−324817号公報
しかしながら、従来例に示すスイッチング電源装置においては、例えば瞬間的な停電などにより入力電圧が一瞬低下するいわゆる瞬断時にも、過負荷保護が作動してしまい、電源が停止状態で起動したり、電源の立ち上がりが遅れたりするという問題点がある。
以下に、ラッチ方式、自己復帰方式のそれぞれの場合における上記の問題点について、詳細に説明する。
まず、トランスの第1の一次巻線122aに印加されるVORは一般的に反射電圧と呼ばれ、スイッチング素子がオフ時は、第1の一次巻線122aの巻数Np、二次巻線122cの巻数Nsおよび出力電圧VOを用いて、以下のように表される。

VOR=Ns/Np×VO (1)

次に、スイッチング素子101のオン時間の割合であるオンデューティーサイクルDONは、入力電圧VINと反射電圧VORを用いて以下のように表される。ただしここでは、スイッチング素子のオン電圧などは他に比べ小さいために無視している。

DON= VOR/(VIN+VOR) (2)

また、従来例に示すような一定周波数でスイッチング動作を繰り返すPWM(pulse−Width−Modulation)制御の電源においては、一般的に、異常時において入力側からの過剰な電力供給やスイッチング素子のオン時間が長くなることによる発熱や破壊が起こらないように、最大オンデューティーサイクルDONmaxが設定され、それ以上の値をとらないように制限がかけられている。
次に瞬断時の動作については、瞬間的に入力側からの電力供給がカットオフされるために入力電圧VINが次第に低下する。また、入力電圧VINが低下し始めてから、ゼロ近くになるまでの間は、入力側から出力側への電力供給は可能であるために、出力電圧VOはしばらくの期間は低下しない。つまり瞬断直後は、入力電圧VINは低下するが、出力電圧VOが低下しない状態が発生しうる。
この状態では、入力電圧VINが低下し、出力電圧VO(∝反射電圧VOR)が不変であるために、式(1)、(2)より、オンデューティーサイクルDONは、入力電圧の低下に従って次第に大きくなり、最終的には最大オンデューティーサイクルDONmaxまで大きくなる。その後、オンデューティーは、それ以上大きな値をとることができないために、負荷側から求められる電力を供給できなくなり、出力電圧VOは次第に低下し始める。
従来例に示した構成では、瞬断時に出力電圧VOが低下すると、それに比例して第2の一次巻線122bの電圧が低下し、電源電圧VCCがVCC(OFF)に到達したことを検出し、過負荷状態でないにもかかわらず過負荷保護が作動してしまう。
ここで、従来のラッチ方式での過負荷保護機能を有するスイッチング電源回路では、瞬断後にラッチ回路がリセットされる前に電源が再投入されるために、過負荷保護が作動した状態が保持されるため、瞬停時には電源が停止した状態のまま起動され、電源が立ち上がらないことが起こる。
一方、従来例の自己復帰方式での過負荷保護機能を有するスイッチング電源回路の場合は、ラッチ方式の場合と異なり、過負荷保護状態から自動的に復帰することはできるが、瞬断時に同様の動作で過負荷保護が作動する。しかしこの場合も通常動作への復帰に時間がかかってしまい、電源の立ち上がりが遅れることになる。
例えば、上記の従来例では、タイマー回路の所定のカウント数になるまでは、スイッチング素子がスイッチングせず、その間は、入力側から負荷側へ電力が供給されないために電源の再起動が遅れ、例えば1s〜2s程度の時間を要してしまうなど、電源動作が不安定になる可能性がある。
本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、停電などの瞬断時にも、過負荷保護の誤作動により起こる電源が立ち上がらないことや電源の立ち上がりが遅れることを確実に回避して、安定して電源を再起動することができ、安定した電源動作を実現することができるスイッチング電源装置を提供する。
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のスイッチング電源装置は、入力側から供給される電力を、スイッチング素子のスイッチング動作により、インダクタンス成分に磁気エネルギーとして充電し、その磁気エネルギーを基に前記インダクタンス成分から負荷側へ前記電力を供給するスイッチング電源装置であって、負荷の増減に応じて、前記スイッチング素子の前記スイッチング動作を調整制御する制御回路を有し、前記制御回路は、その内部回路に電源を供給する内部電源供給回路と、過負荷状態を検出し、前記負荷側への電力供給量を抑制する過負荷保護回路と、前記スイッチング素子の前記スイッチング動作におけるオン時間を検出するオン時間検出回路とを備え、前記オン時間検出回路が前記オン時間として予め設定された所定時間以上を検出した場合には、前記過負荷保護回路を作動させないことを特徴とする。
これにより、瞬断時には過負荷保護の動作を無効にして、過負荷保護が作動することにより起こる電源停止状態のまま再起動されることや、再起動の時間が遅延することを、確実に回避することができる。
また、本発明の請求項2に記載のスイッチング電源装置は、請求項1記載のスイッチング電源装置であって、前記オン時間検出回路が、前記オン時間の最大値を決定することを特徴とする。
これにより、瞬断時以外の動作として入力側からの過剰な電力供給やスイッチング素子のオン時間が長くなるなどの異常時においても装置の発熱や破壊が起こらないように、スイッチング素子の最大オン時間を規定することができる。
また、本発明の請求項3に記載のスイッチング電源装置は、請求項1〜請求項2のいずれかに記載のスイッチング電源装置であって、前記スイッチング素子のスイッチング周波数が一定に固定されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に記載のスイッチング電源装置は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のスイッチング電源装置であって、前記過負荷保護回路は、少なくとも、前記過負荷状態を検出する過負荷検出回路と、前記過負荷検出回路が前記過負荷状態を検出した場合に、前記スイッチング素子の前記スイッチング動作を停止もしくは抑制するスイッチング動作停止回路とを具備することを特徴とする。
また、本発明の請求項5に記載のスイッチング電源装置は、請求項4に記載のスイッチング電源装置であって、前記過負荷保護回路は、前記過負荷検出回路と前記スイッチング動作停止回路がスイッチを介して接続され、前記オン時間検出回路が前記オン時間として予め設定された所定時間以上を検出した場合には、前記スイッチがオフされることを特徴とする。
また、本発明の請求項6に記載のスイッチング電源装置は、請求項4に記載のスイッチング電源装置であって、前記過負荷保護回路は、前記スイッチング動作停止回路には、リセット手段が内蔵され、前記オン時間検出回路が前記リセット手段に接続され、前記オン時間検出回路が前記オン時間として予め設定された所定時間以上を検出した場合には、前記リセット手段により前記スイッチング動作停止回路が継続的に初期化されることを特徴とする。
また、本発明の請求項7に記載のスイッチング電源装置は、請求項6に記載のスイッチング電源装置であって、前記過負荷保護回路は、前記過負荷検出回路には、前記制御回路の電源電圧を検出する制御回路電圧検出手段が内蔵され、前記制御回路電圧検出手段が、前記電源電圧が低下したことを検出した場合には、前記スイッチング動作停止回路を作動させることを特徴とする。
また、本発明の請求項8に記載のスイッチング電源装置は、請求項7に記載のスイッチング電源装置であって、前記過負荷保護回路は、前記オン時間検出回路が前記リセット手段の代わりに前記内部電源供給回路に接続され前記オン時間検出回路が前記オン時間として予め設定された所定時間以上を検出した場合には、前記制御回路に前記内部電源供給回路から電力が供給され、前記制御回路電圧検出手段が前記スイッチング動作停止回路を作動させないようにすることを特徴とする。
また、本発明の請求項9に記載のスイッチング電源装置は、請求項1〜請求項8のいずれかに記載のスイッチング電源装置であって、前記過負荷保護回路は、前記スイッチング動作停止回路がラッチ回路を用いて構成されることを特徴とする。
また、本発明の請求項10に記載のスイッチング電源装置は、請求項1〜請求項8のいずれかに記載のスイッチング電源装置であって、前記過負荷保護回路は、前記スイッチング動作停止回路が、前記スイッチング素子を間欠的にスイッチング動作させる制御手段を備えていることを特徴とする。
以上のように本発明によれば、停電などによる瞬間的な電源停止時(瞬断時)にスイッチング素子のオン時間が長くなることを検出し、そのときには過負荷保護の動作を無効にすることができる。
そのため、停電などの瞬断時にも、過負荷保護の誤作動により起こる電源が立ち上がらないことや電源の立ち上がりが遅れることを確実に回避して、安定して電源を再起動することができ、安定した電源動作を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態を示すスイッチング電源装置について、図面を参照しながら具体的に説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1のスイッチング電源装置を説明する。
図1は本実施の形態1のスイッチング電源装置におけるスイッチング電源制御用半導体装置の一構成例を示す回路図である。なお、図1において、図9に示す従来のスイッチング電源制御用半導体装置と同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
図1に示すスイッチング電源制御用半導体装置202には、スイッチング素子101とスイッチング素子101のスイッチング制御を行うための制御回路が内蔵されており、その制御回路内には、スイッチング素子101のスイッチング周期に対するオン時間の割合、いわゆるオンデューティーサイクルDONを検出するため、NAND回路27の出力部とドライブ回路28の間にMAX−DUTY検出器10が配置される。
また、オンデューティーサイクルDONが、最大オンデューティーサイクルDONmaxである場合に、MAX−DUTY検出器10によりオフ状態となるように、過負荷保護回路150の内部には、スイッチ11が、過負荷検出回路12の出力部と、スイッチング動作停止回路用のラッチ回路であるフリップフロップ回路13のセット端子入力部との間に配置され、MAX−DUTY検出器10の出力部にも接続される。
図2は、図1に示すスイッチング電源制御用半導体装置を用いて構成したスイッチング電源装置の一例を示す回路図である。従来のスイッチング電源装置とは、スイッチング電源制御用半導体装置202のみが異なり、その他は同様の構成であるため、ここでは説明を省略する。
次に、本実施の形態1のスイッチング電源装置における瞬断時の動作について、図8のタイミングチャートを基に説明する。図9に示す従来のスイッチング電源制御用半導体装置を用いて構成されるスイッチング電源装置との動作の違いは、この瞬断時の動作となる。
瞬断時には、瞬間的に入力側からの電力供給がカットオフされるために、入力電圧VINが次第に低下する(図8(a))。また、入力電圧VINが低下し始めてから、ゼロに近くなるまでの間は、入力側から出力側への電力供給は可能であるために、出力電圧VOはしばらくの期間は低下しない。つまり瞬断直後の動作としては、入力電圧VINは低下するが、出力電圧VOが低下しない状態が発生しうる。
この状態では、入力電圧VINが低下し、出力電圧VO(∝反射電圧VOR)が不変であるために、式(1)、(2)よりオンデューティーサイクルDONは、入力電圧の低下に従って次第に大きくなり、最終的には最大オンデューティーサイクルDONmaxまで大きくなる。そして、その後はオンデューティーサイクルがそれ以上大きな値をとることができないように制限されているために、負荷側から求められる電力を供給できなくなり、出力電圧VOは次第に低下し始める。
ここで、本実施の形態の回路構成では、オンデューティーサイクルDONが、最大オンデューティーサイクルDONmaxに到達したことを、MAX−DUTY検出器10で検出し、その出力信号を受けてスイッチ11はオフする。これにより、RSフリップフロップ回路13には、過負荷検出回路12からのセット信号が入力されないために、過負荷保護は作動しなくなる(図8(b)、(c))。
このように瞬断時には、オンデューティーサイクルDONがDONmaxまで大きくなることを利用して、これをMAX−DUTY検出器10で検出し、過負荷保護動作を作動できなくすることで、瞬停後、電源が停止状態のままで再起動されてしまう問題を回避することが可能となる。
なお、上記実施の形態では、スイッチ11を、過負荷検出回路12の出力部に配置することを例示したが、過負荷検出回路12の入力部に設けても同様の効果を得られることは明らかである。
なお、一般的な電源では、異常時において入力側からの過剰な電力供給やスイッチング素子のオン時間が長くなることでの発熱や破壊が起こらないように、オンデューティーサイクルDONを最大オンデューティーサイクルDONmaxで制限する回路が配置されるが、本実施の形態では、瞬断時にこの役割を果たすMAX−DUTY検出器10を利用して、前記のように瞬断時に過負荷保護が作動することを回避している。
このようにすることで、瞬断時にオン時間を検出する回路を、特別に設ける必要もないために、回路の小型化に繋がるために好ましいが、MAX−DUTY検出器10と別にオン時間を検出する回路を別に設けても構わない。
また、本実施の形態1では、出力電力に応じてオンデューティー幅を増減させるPWM方式の電源回路で例示したが、瞬断時に入力電圧VINが低下した場合に、オン時間が長くなる制御方式であるものならば、例えば負荷側が必要とする電力に応じて周波数を変化させるPFM(Pulse−Frequency−Modulation)や、スイッチングする回数を変化させる間欠発振制御方式でも構わない。
また、オンデューティーサイクルは、スイッチング素子のスイッチング周期に対するオン時間の割合であり、これを検出するということはオン時間を検出するのと同義である。従って、例えばRCC(Ringing−Choke−Converter)方式のような周期が不定の自励式の電源においても、オン時間を検出し、オン時間が所定の値以上となった場合に、過負荷保護動作が作動されないようにすれば、同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態1において、過負荷検出回路12とRSフリップフロップ回路13の間にスイッチ11を設け、瞬断時にRSフリップフロップ回路13にセット信号が出力されない場合を例示したが、他の方法として、図3に示すように、オンデューティーサイクルがDONmaxに到達したことをMAX−DUTY検出器15で検出し、その度にスイッチング電源制御用半導体装置203の過負荷保護回路151内部の再起動トリガー18からRSフリップフロップ回路151にリセット信号を入力し続けることで、常にラッチ状態での保護を解除することによっても、同様の効果を得ることができる。
また、図1に示す、本実施の形態1では、過負荷検出回路12とRSフリップフロップ回路13の間にスイッチ11を設け、瞬断時にRSフリップフロップ回路13にセット信号が出力されない場合を例示したが、他の方法として、図4に示すように、スイッチング電源制御用半導体装置305内のMAX−DUTY検出器29の出力部を、起動/停止回路30に接続することで、以下のような動作を実現することができ、本実施の形態1と同様の効果を得ることが可能である。
すなわち、図4の構成によると、瞬断時にMAX−DUTY検出器29が最大オンデューティーサイクルDONmaxを検出すると、MAX−DUTY検出器29から信号が出力され、起動/停止回路30によって内部回路電流供給回路111から内部回路へ電力を供給することで、瞬断時の電源電圧VCCがVCC(OFF)以下まで低下しないようにする。
これにより、過負荷保護が作動する条件である電源電圧VCCがVCC(OFF)まで低下する条件となることがなくなるために、瞬断時には過負荷保護動作は作動せず、電源の再起動が遅れてしまう課題を解決することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2のスイッチング電源装置を説明する。
本実施の形態2では、瞬断時に自己復帰型のタイマー間欠動作に移行させないことで、瞬断後に過負荷保護が作動してしまい保護動作からの復帰に時間がかかり起動が遅れるという不具合を、以下のように回避できることを特徴とする。
図5は本実施の形態2のスイッチング電源装置におけるスイッチング電源制御用半導体装置の一構成例を示す回路図である。なお、図5において、図12に示す従来のスイッチング電源制御用半導体装置と同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
図5に示すスイッチング電源制御用半導体装置302には、スイッチング素子101とスイッチング素子101のスイッチング制御を行うための制御回路が内蔵されており、その制御回路内には、スイッチング素子101の最大オンデューティーサイクルDONmaxを検出するため、NAND回路27の出力部とドライブ回路28の間にMAX−DUTY検出器19が接続される。
また、オンデューティーサイクルDONが、最大オンデューティーサイクルDONmaxまで大きくなった場合に、スイッチ20をオフするように、過負荷保護回路152の内部には、スイッチ20が比較器21の出力部とスイッチング動作停止回路用のタイマー間欠動作回路22の入力部の間に配置され、MAX−DUTY検出器19は、スイッチ20をオン・オフできるように接続される。
また、本実施の形態にかかわるスイッチング電源装置の一例としては、図2に示すスイッチング電源装置の回路図のスイッチング電源制御用半導体装置202を、図5に示すスイッチング電源制御用半導体装置302に置き換えて構成したものとなる。
このように構成されたスイッチング電源装置の動作について、従来の図12に図示される自己復帰方式の過負荷保護機能を有するスイッチング電源回路との違いは、瞬断時の動作である。
すなわち、瞬断時には、入力電圧VINが低下し、オンデューティーサイクルDONが最大オンデューティーサイクルDONmaxに到達すると、MAX−DUTY検出器19から出力される信号を受けてスイッチ20はオフする。これによりこの状態では、タイマー間欠動作回路22には信号が入力されないようになり、過負荷保護は作動しなくなる。
なお、この時の入力電圧VIN、負荷への出力電圧VOおよびスイッチング素子電流IDは、図8の本実施の形態1の瞬定時の動作を示すタイミングチャートと同様である。
このように、瞬断時にオンデューティーサイクルDONがDONmaxに到達することを利用して、これをMAX−DUTY検出器19で検出し、過負荷保護機能を作動させなくすることで、瞬断後に電源の再起動が遅れる問題を回避することが可能となる。
なお、上記の実施の形態2では、スイッチ20が比較器21の出力部とスイッチング動作停止回路用のタイマー間欠動作回路22の入力部の間に配置することを例示したが、比較器21の入力部にスイッチ20を配置しても、同様の効果を得られることは明らかである。
なお、一般的な電源では、異常時において入力側からの過剰な電力供給やスイッチング素子のオン時間が長くなることでの発熱や破壊が起こらないように、オンデューティーサイクルDONを最大オンデューティーサイクルDONmaxで制限する回路が配置されるが、本実施の形態では、瞬断時にこの役割を果たすMAX−DUTY検出器19を利用して、前記のように瞬断時に過負荷保護が作動することを回避している。
このようにすることで、瞬断時にオン時間を検出する回路を、特別に設ける必要もないために、回路の小型化に繋がるために好ましいが、MAX−DUTY検出器19と別にオン時間を検出する回路を設けても構わない。
なお、本実施の形態2では、出力電力に応じてオンデューティー幅を増減させるPWM方式の電源回路で例示したが、瞬断時に入力電圧VINが低下した際に、オン時間が長くなる制御方式であるものならば、例えば負荷側が必要とする電力に応じて周波数を変化させるPFM(Pulse−Frequency−Modulation)や、スイッチングする回数を変化させる間欠発振制御方式でも構わない。
また、オンデューティーサイクルは、スイッチング素子のスイッチング周期に対するオン時間の割合であり、これを検出するということはオン時間を検出するのと同義である。従って、例えばRCC(Ringing−Choke−Converter)方式のような周期が不定の自励式の電源においても、オン時間を検出し、オン時間が所定の値以上となった場合に、過負荷保護動作が作動されないようにすれば、同様の効果を得ることができる。
なお、図5に示す本実施の形態2では、過負荷保護回路152を構成する比較器21とタイマー間欠動作回路22の間にスイッチ20を設け、MAX−DUTY検出器19が最大オンデューティーサイクルDONmaxを検出した際に、タイマー間欠動作回路22による過負荷保護を作動させないようにしたが、他の方法として、図6に示すように、スイッチング電源制御用半導体装置303内のMAX−DUTY検出器23が、過負荷保護回路153を構成するタイマー間欠動作回路24に接続されることによって、オンデューティーサイクルがDONmaxに到達した場合には、MAX−DUTY検出器23がタイマー間欠動作回路24のカウント数をリセットし続けるように動作させる。
ここで、従来の自己復帰方式の過負荷保護機能を有する回路では、過負荷保護が作動してしまうため、電源の立ち上がりが遅れるのに対して、本回路構成では、電源電圧VCCが起動電圧VCC(ON)に達し、VCC(ON)からVCC(OFF)まで低下する期間には、必ずスイッチング素子101がスイッチングしているために、瞬停後の電源の起動を早くすることができる。
また、図5に示す本実施の形態2では、過負荷保護回路152を構成する比較器21とタイマー間欠動作回路22の間にスイッチ20を設け、MAX−DUTY検出器19が最大オンデューティーサイクルDONmaxを検出した際に、タイマー間欠動作回路22による過負荷保護を作動させないようにしたが、他の方法として、図7に示すように、スイッチング電源制御用半導体装置304内のMAX−DUTY検出器25の出力部を、起動/停止回路26に接続することで、以下のような動作を実現することができ、本実施の形態2と同様の効果を得ることが可能である。
図7の構成によると、瞬断時にMAX−DUTY検出器25が、最大オンデューティーサイクルDONmaxを検出すると、MAX−DUTY検出器25から信号が出力され、起動/停止回路26によって内部回路電流供給回路111から内部回路へ電力を供給することで、瞬断時の電源電圧VCCがVCC(OFF)以下まで低下しないようにする。
これにより、過負荷保護が作動する条件である、電源電圧VCCがVCC(OFF)まで低下する条件となることがなくなるために、瞬断時には過負荷保護動作は作動せず、電源の再起動が遅れてしまう課題を解決することができる。
なお、本実施の形態のスイッチング電源装置では、出力電圧VOをスイッチング電源制御用半導体装置の電源電圧VCCによって検出し、スイッチング動作を制御して、出力電圧VOが所定の電圧で安定化するような制御方式で説明したが、一般的にその他の方式としてよく用いられる、出力電圧VOをシャントレギュレーターやツェナーダイオードで検出し、フォトカプラなどを用いてフィードバックする制御方式などを用いることもできる。
本発明のスイッチング電源装置は、停電などの瞬断時にも、過負荷保護の誤作動により起こる電源が立ち上がらないことや電源の立ち上がりが遅れることを確実に回避して、安定して電源を再起動することができ、安定した電源動作を実現することができるもので、負荷短絡時などの過負荷状態に対する保護機能を有するスイッチング電源装置に適用できる。
本発明の実施の形態1のスイッチング電源装置におけるスイッチング電源制御用半導体装置の構成を示す回路図 同実施の形態1のスイッチング電源装置の構成を示す回路図 同実施の形態1のスイッチング電源装置におけるスイッチング電源制御用半導体装置の他の構成(1)を示す回路図 同実施の形態1のスイッチング電源装置におけるスイッチング電源制御用半導体装置の他の構成(2)を示す回路図 本発明の実施の形態2のスイッチング電源装置におけるスイッチング電源制御用半導体装置の構成を示す回路図 同実施の形態2のスイッチング電源装置におけるスイッチング電源制御用半導体装置の他の構成(1)を示す回路図 同実施の形態2のスイッチング電源装置におけるスイッチング電源制御用半導体装置の他の構成(2)を示す回路図 本発明の実施の形態のスイッチング電源装置における動作を示すタイミングチャート 従来のスイッチング電源装置におけるラッチ方式の過負荷保護機能を有するスイッチング電源制御用半導体装置の構成を示す回路図 従来のスイッチング電源装置における定常動作時のタイミングチャートの本発明との比較説明図 従来のスイッチング電源装置におけるラッチ方式の過負荷保護動作時のタイミングチャート 従来のスイッチング電源装置における自己復帰方式の過負荷保護機能を有するスイッチング電源制御用半導体装置の構成を示す回路図 従来のスイッチング電源装置における自己復帰方式の過負荷保護動作時の動作を示すタイミングチャート
符号の説明
10、15、19、23、25、29 MAX−DUTY検出器
11、20 スイッチ
12、16、113 過負荷検出回路
150、151、152、153、155、156 過負荷保護回路
13、17、105、114 RSフリップフロップ回路
14、18、115 再起動トリガー
21、117 比較器
22、24、118 タイマー間欠動作回路
26、30、112 起動/停止回路
27、110 NAND回路
28、116 ドライブ回路(ゲートドライバー)
101 スイッチング素子
102 誤差増幅器
103 ドレイン電流検出用比較器
104 ドレイン電流検出回路
106 過電流保護回路
107 発振器
108 クロック信号
109 最大オンデューティーサイクル信号
111 内部回路電流供給回路
120 整流器
121 入力コンデンサ
122 トランス
122a 第1の一次巻線
122b 第2の一次巻線
122c 二次巻線
125 負荷
123、126 ダイオード
124、127 コンデンサ
201、202、203 スイッチング電源制御用半導体装置
301、302、303、304、305 スイッチング電源制御用半導体装置

Claims (10)

  1. 入力側から供給される電力を、スイッチング素子のスイッチング動作により、インダクタンス成分に磁気エネルギーとして充電し、その磁気エネルギーを基に前記インダクタンス成分から負荷側へ前記電力を供給するスイッチング電源装置であって、
    負荷の増減に応じて、前記スイッチング素子の前記スイッチング動作を調整制御する制御回路を有し、
    前記制御回路は、
    その内部回路に電源を供給する内部電源供給回路と、
    過負荷状態を検出し、前記負荷側への電力供給量を抑制する過負荷保護回路と、
    前記スイッチング素子の前記スイッチング動作におけるオン時間を検出するオン時間検出回路とを備え、
    前記オン時間検出回路が前記オン時間として予め設定された所定時間以上を検出した場合には、
    前記過負荷保護回路を作動させない
    ことを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 前記オン時間検出回路が、前記オン時間の最大値を決定する
    ことを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源装置。
  3. 前記スイッチング素子のスイッチング周波数が一定に固定されている
    ことを特徴とする請求項1〜請求項2のいずれかに記載のスイッチング電源装置。
  4. 前記過負荷保護回路は、少なくとも、
    前記過負荷状態を検出する過負荷検出回路と、
    前記過負荷検出回路が前記過負荷状態を検出した場合に、前記スイッチング素子の前記スイッチング動作を停止もしくは抑制するスイッチング動作停止回路とを具備する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のスイッチング電源装置。
  5. 前記過負荷保護回路は、
    前記過負荷検出回路と前記スイッチング動作停止回路がスイッチを介して接続され、
    前記オン時間検出回路が前記オン時間として予め設定された所定時間以上を検出した場合には、前記スイッチがオフされる
    ことを特徴とする請求項4に記載のスイッチング電源装置。
  6. 前記過負荷保護回路は、
    前記スイッチング動作停止回路には、リセット手段が内蔵され、
    前記オン時間検出回路が前記リセット手段に接続され、
    前記オン時間検出回路が前記オン時間として予め設定された所定時間以上を検出した場合には、前記リセット手段により前記スイッチング動作停止回路が継続的に初期化される
    ことを特徴とする請求項4に記載のスイッチング電源装置。
  7. 前記過負荷保護回路は、
    前記過負荷検出回路には、前記制御回路の電源電圧を検出する制御回路電圧検出手段が内蔵され、
    前記制御回路電圧検出手段が、前記電源電圧が低下したことを検出した場合には、前記スイッチング動作停止回路を作動させる
    ことを特徴とする請求項6に記載のスイッチング電源装置。
  8. 前記過負荷保護回路は、
    前記オン時間検出回路が前記リセット手段の代わりに前記内部電源供給回路に接続され
    前記オン時間検出回路が前記オン時間として予め設定された所定時間以上を検出した場合には、
    前記制御回路に前記内部電源供給回路から電力が供給され、
    前記制御回路電圧検出手段が前記スイッチング動作停止回路を作動させないようにする
    ことを特徴とする請求項7に記載のスイッチング電源装置。
  9. 前記過負荷保護回路は、
    前記スイッチング動作停止回路がラッチ回路を用いて構成される
    ことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載のスイッチング電源装置。
  10. 前記過負荷保護回路は、
    前記スイッチング動作停止回路が、前記スイッチング素子を間欠的にスイッチング動作させる制御手段を備えている
    ことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載のスイッチング電源装置。
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