JP2009092470A - 光ビーコン、及び、光ビーコンにおけるアップリンク領域設定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の光ビーコン4は、車載機2から送信されたアップリンク光UAを受光可能なアップリンク領域UAを道路Rの所定範囲に設定する受光部12を備える。受光部12は、アップリンク光UOを受光する受光面14aを有している。
光ビーコンは、更に、アップリンク光UOの送信位置に対応づけて、受光面14aにおける受光位置を認識する受光位置認識部と、認識された受光面14aにおける受光位置を表示モニタ45に目視可能に表示させるための表示制御部46とを備える。
【選択図】 図3
Description
具体的には、車両の保持するビーコン間の旅行時間情報等を含むアップリンク情報が車載機からインフラ側の光ビーコンに送信され、逆に、渋滞情報、区間旅行時間情報、事象規制情報及び車線通知情報等を含むダウンリンク情報が光ビーコンから車載機に送信されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
例えば図3に示すように、光ビーコン4の投受光器8は、その直下よりも車両進行方向の上流側に通信領域Aを設定している。この通信領域Aは、アップリンク情報を受信可能なアップリンク領域UA(点線のハッチングで示す範囲)と、ダウンリンク情報を送信するダウンリンク領域DA(実線のハッチングで示す範囲)とからなる。
車載機2は、当該第二のダウンリンク情報に、自己の車両IDが格納されていることを確認すると、当該第二のダウンリンク情報が自身に対して送信されていると認識し、当該第二のダウンリンク情報から必要な情報を得ることができる。車載機2は、第二のダウンリンク情報に、自己の車両IDが格納されていることを確認するまで、アップリンク情報を繰り返し送信する。
投受光器8の受光部12は、フォトダイオード等の受光素子を備えており、アップリンク領域UAは、この受光素子の受光面を道路に投影した範囲として設定される。このため、道路R上に正確にアップリンク領域UAを設定するためには、受光面の形状や大きさを厳密に設計して受光部を製造しなければならなかった。そのため、受光部の製造が困難となり製造コストが高くなる原因となっていた。
更に、安全運転支援に利用される距離情報の起点となる通信領域Aは、車両進行方向に所定の長さ寸法を有しているが、受光部12は、実際に通信領域Aの長さ寸法のなかのどの位置で車載機2がアップリンク光を送信したのかを把握することができないため、距離情報に誤差が生じる可能性がある。
しかし、悪天候等の通信条件が悪い環境では、車両が通信領域A内である程度進行するまで路車間通信が完了しないことがあり、この場合、距離情報を受ける車載機2の位置と当該距離情報の起点位置(通信領域Aの上流端)とが大きくずれてしまう可能性があり、この距離情報を用いた安全運転支援の精度にも影響する。
そのため、アップリンク領域の区画点(例えば4隅のコーナー点)の受光位置を光ビーコンに記憶させておくことにより、正確なアップリンク領域を設定するために予め受光面の形状や大きさを厳密に設計したり、受光部の設置の際に厳密な調整を行ったりしなくても、簡単且つ正確にアップリンク領域を設定することが可能となる。
この場合、受光面の外形全体と、アップリンク光の受光位置を示すポインタが表示モニタに表示されるので、作業員は、アップリンク光の受光位置が受光面内のどの辺に位置するかを一目で把握することができ、アップリンク領域の設定作業を行う際に、投受光器の取付位置や取付角度の正否を即座に判断することができる。
この場合、受光面の座標系を示す線図が表示モニタに表示されるので、作業員は、アップリンク光の受光位置と受光面との相対関係をより詳細かつ迅速に把握できるとともに、アップリンク領域との対応関係を示す対応表示(例えば、上流側及び下流側等)が表示モニタに表示されるので、受光面とアップリンク領域の方向関係を混乱し難くなる。
この場合、上記確定ポイントと未確定ポイントとを表示モニタに識別可能に表示することで、作業員はこれらの確定ポイントと、測定された受光位置との関係をモニタ上に瞬時に把握することができるようになり、これらの位置関係を確認しながら作業できるようになる。
また、この場合、アップリンク領域の設定作業を1ポイントずつ確認しながら行う場合に、設定すべき確定ポイントの設定漏れや設定順序の誤りなどを未然に防止することができるとともに、既に設定済みの確定ポイントを再度設定するといったミスを防止することもできる。
この場合、アップリンク領域のどの点であるかに関するポイント情報が表示モニタに表示されるので、アップリンク領域の複数の区画点を表示モニタに表示しても、作業員がこれらの区画点をすべて識別可能となる。このため、複数の区画点を一気に確認かつ確定する設定作業が可能となり、アップリンク領域の設定作業をより迅速に行えるようになる。
この場合、少なくともアップリンク領域の車両進行方向の位置や寸法を正確に設定することが可能となる。そのため、例えば、アップリンク領域内の位置からその車両進行方向下流側の所定位置までの距離情報を用いて安全運転支援を行う場合に、当該距離情報の起点位置を正確に設定し、精度の高い安全運転支援を行うことが可能となる。
この場合、車両進行方向だけでなく道路幅方向に関してアップリンク領域を正確に設定することが可能となる。
〔システムの全体構成〕
図1は、第一の実施形態に係る路車間通信システムの全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、この路車間通信システムは、インフラ側の交通管制システム1と、道路Rを走行する各車両Cに搭載された車載機2とを備えて構成されている。
交通管制システム1は、管制室に設けられた中央装置3と、道路Rの各所に多数設置された光ビーコン(光学式車両感知器)4と、を有している。光ビーコン4は、近赤外線を通信媒体とした光通信によって車載機2との間で双方向通信を行う。なお、中央装置3は交通管制室に設けられている。
光ビーコン4は、電話回線等の通信回線5を介して中央装置3と接続された通信インタフェースである通信部6と、この通信部6が接続されたビーコン制御機7と、このビーコン制御機7のセンサ用インタフェースに接続された複数(図例では4つ)の投受光器8とを備えている。
図2は、上記光ビーコン4の平面図である。図2に示すように、本実施形態の光ビーコン4は、同じ方向の複数(図例では4つ)の車線R1〜R4を有する道路Rに設置されており、各車線R1〜R4に対応して前記複数の投受光器8が設けられている。
各投受光器8は、道路脇に立設した支柱9から道路R側に水平に架設した架設バー10に取り付けられ、道路Rの各車線R1〜R4の直上に配置されている。
図8は、上記ビーコン制御機7のハードウェア構成を示すブロック図である。
同図に示すように、このビーコン制御機7は、CPU7a、メモリ(RAM)7b、記憶装置(ROM)7c、受信コントローラ7d、送信コントローラ7eを有するプログラマブルなマイコンよりなり、通信部6(図1)による中央装置3との双方向通信と、投受光器8による車載機2との路車間通信を行う機能、及び、後述する車載機位置情報を生成する制御部としての機能を有する。
なお、このビーコン制御機7による上記各機能と、表示モニタ45及び表示制御部46の構成及び機能については後述する。
このうち、発光部11は発光ダイオード(LED)からなり、近赤外線よりなるダウンリンク情報(ダウンリンク光DO)を後述する通信領域Aに発光し、受光部12は、車載機2からの近赤外線よりなるアップリンク情報(アップリンク光UO)を受光する。
各投受光器8のLED11は、各車線R1〜R4の直下よりも車両進行方向の上流側に向けて近赤外線を発光しており、これにより、車載機2との間で路車間通信を行うための通信領域Aが投受光器8の上流側に設定されている。
図3は、光ビーコン4の通信領域Aを示す側面図である。
図3に示すように、光ビーコン4の通信領域Aは、後述する車載機2の投受光器である車載ヘッド27(図6参照)がダウンリンク情報を受信することができるダウンリンク領域(図3において実線のハッチングを設けた領域)DAと、光ビーコン4の投受光器8が車載ヘッド27からのアップリンク情報を受信(受光)することができるアップリンク領域(図3において破線のハッチングを設けた領域)UAとからなる。
また、アップリンク領域UAの下流端bから同領域UAの上流端cまでの距離は1.6mと規定されている。したがって、正式な通信領域Aの車両進行方向の全長(ac間の長さ)は3.7mとなる。もっとも、各領域DA,UAの車両進行方向長さは上記各数値に限定されない。
図4(a)は、受光部12と、道路R上に設定されるアップリンク領域UAとの幾何学的な位置関係を示した側面図である。
投受光器8の受光部12は、図4(a)に示すように、投受光器8の内部に配置された基板13上に実装された受光素子14と、この受光素子14に対して所定の間隔をおいて対向配置された集光レンズ15とを備えている。受光素子14は、フォトダイオードチップ等よりなり、集光レンズ15を通過したアップリンク情報を受光面14aで受光すると、光電変換によってアップリンク情報に含まれる情報を電気信号として出力する。
つまり、図4(a)において、受光面14aの上端縁14a1が、符号b′で示す位置に対応するとともに、下端縁14a2が、符号c′で示す位置に対応することとなる。そして、FP(焦点),位置b′、及び位置c′で囲まれる長さL1の領域内からアップリンク光UOが送信されると、このアップリンク光UOは、受光部12の受光面14a上における、幾何学的に定まる所定位置に照射されることとなる。
つまり、図4(a)において、道路R上のc′位置よりも下流側にあるc位置を上流端とし、b′位置よりも上流側にあるb位置を下流端とするような長さL2の領域に設定されている。以下、このような受光素子14の受光面14aとアップリンク領域UAとの関係について詳細に説明する。
まず、受光素子14の詳細な構成について説明する。
図4(b)は、受光素子14の受光面14aを正面視したときの図である。なお、図において、車両進行方向に対応する紙面上下方向をx方向、道路Rの幅方向に対応する紙面左右方向をy方向とする。
これら電極17,18、47,48と図示しない受光素子14全体としての共通電極とが、投受光器8に備わった制御部16に対して接続されている。
受光素子14が、例えばアップリンク情報を図中破線Qで示す位置で受光した場合、この受光位置から第一の出力電極17までの距離q1と、受光位置から第二の出力電極18までの距離q2とは相違することとなる。
同様に、受光位置から第三の出力電極47までの距離r1と、受光位置から第四の出力電極48までの距離r2とは相違することとなる。そのため、受光素子14の各出力電極47,48が制御部16へ出力する電気信号は、y方向の受光位置の変化に応じて変化することになる。
また、制御部16は、第三,第四出力電極47,48から出力される電流値の差から、y方向における受光位置を、基準線Syを基準としたy方向の座標値y1として求める。すなわち、制御部16は、受光面14aにおける受光位置の二次元座標(x1,y1)(受光位置情報)を求め、この座標値によって受光位置を把握するようになっている。
アップリンク領域UAは、投受光器8を道路R上方の所定位置に設置する際に、上記受光素子14の性質(アップリンク情報の受光位置に応じて出力が変化するという性質)を用いて設定される。
図5(a)は、投受光器8が道路R上に設定するアップリンク領域UAを示す斜視図であり、図5(b)は、受光素子14の受光面14aにおけるアップリンク領域UAに対応する範囲uを示す正面図である。
投受光器8を架設バー10に取り付けた後、作業員が、アップリンク光UOに相当する光信号を道路R側から投受光器8に向けて発光する。この光信号を発光する位置は、道路R上に設定すべきアップリンク領域UAの端部(境界)位置、例えば、アップリンク領域UAの4隅に相当する位置E1〜E4とする。
制御部16(図4)は、受光素子14の出力信号から各受光位置P1〜P4のx方向及びy方向の座標値(x1,y1)を求め、それをメモリ等の記憶部に記憶する。
この受光位置P1〜P4は、アップリンク領域UAの4隅E1〜E4に対応するものであるため、各受光位置P1〜P4を結ぶ四角形の範囲u(点線のハッチングで示す)が、アップリンク領域UAに対応する受光範囲になる。
言い換えると、制御部16は、アップリンク情報を受光した受光位置(座標値)を求め、その受光位置が範囲u内に含まれるか否かを判断することによって、そのアップリンク情報がアップリンク領域UAから送信されたものであるか、アップリンク領域外の領域GAから送信されたものであるかを判別することができる。つまり、受光面14aに上記のような受光範囲uを設定することをもって、道路R上にアップリンク領域UAが設定されることになる。
そして、制御部16は、この判別部の機能により、アップリンク領域UAから送信されたものと判別されたアップリンク情報をビーコン制御機7へ出力し、同時に受光位置の座標値(x1,y1)を含む受光位置情報をビーコン制御機7に出力するようになっている。更に、アップリンク領域UA外から送信されたものと判別されたアップリンク情報は、ビーコン制御機7へ出力せずに破棄するようになっている。
そのため、道路R上に矩形状のアップリンク領域UAを設定するためには、受光面14aに略台形状の受光範囲uが設定されることになる。
図4(b)に示すように、制御部16から出力される受光位置情報は、ビーコン制御機7において車載機位置情報(アップリンク情報の送信位置情報)を生成するために用いられる。車載機2が、アップリンク領域UA内の位置からアップリンク情報を送信したとすると、この送信されたアップリンク情報は、受光部12の受光面14a上において、幾何学的に定まる位置に照射、受光される。
例えば、図4(a)中の点eから車載機2がアップリンク情報を送信し、この送信したアップリンク情報が、図4(b)中、受光面14a上の破線Qの部分で受光されたとした場合、位置c′から位置eまでの距離D′(図4(a))と、受光面14aにおける、距離D′に対応する距離q2(図4(b))との間には、下記式(1)に示すような関係が成立する。
D′ / L1 = (q2 / Tx)× Z ・・・・(1)
また、距離q2は、座標値x1に基づいて下記式(2)によって求められる。なお、座標値x1は、上述のように、制御部16によって受光位置情報として出力される。
q2 = (1/2)Tx − x1 ・・・・(2)
また、距離D′は、アップリンク領域UAよりも上流側の領域GAの上流端c′から位置eまでの距離であるため、下記式(3)のように当該上流端c′とアップリンク領域UAの上流端cとの間の距離D″を距離D′から差し引いた距離Dを求める。なお、距離D″は、光ビーコン4を設置する際に実測により求めるか、又は、予め設計段階で求めておいた値をビーコン制御機7に記憶させておく。
D = D′− D″ ・・・・(3)
ビーコン制御機7は、上記送信位置としての距離Dに基づいて車載機位置情報を生成し、これを第二のダウンリンク情報に格納して車載機2に送信する。
なお、車載機位置情報は、車両進行方向(図4(b)のx方向)に関するもののみとした。この車載機位置情報は、図3に示すようにアップリンク情報を送信する車載機2の位置Pからその車両進行方向下流側の所定位置P0までの距離認識に用いられるからである。ただし、上記と略同様の演算を行うことによって道路幅方向(y方向)に関する車載機位置を求めることも可能である。
前記した通り、本実施形態のビーコン制御機7には、作業員によるアップリンク光UOの照射位置の目視確認用として、受光素子14の受光面14aにおけるアップリンク光UOの受光位置を表示モニタ45に表示させる表示制御部46が設けられている。
上記表示モニタ45は、例えば、外部入力端子を備えたアナログテレビモニタ、デジタルテレビモニタ又はノートパソコン等よりなり、後述するアップリンク領域UAの設定作業を行う際にビーコン制御機7に外部接続されるものである。
一方、表示制御部46は、モニタ画面に表示すべき画像のアナログ信号又はデジタル信号を生成した上で、表示モニタ45(例えば、ノートパソコン等)に対してその画像信号を出力する。
更に、表示制御部45からは、単にアップリンク光UOの受光座標値のみを表示モニタ45に送信し、その座標値を受信した表示モニタ45(例えば、ノートパソコン等)側に格納されたソフトウェアが、その座標値を基に受光位置を表示させるように構成してもよい。
図9は、表示モニタ45のモニタ画面41の一例を示す図である。
図9に示すように、表示モニタ45のモニタ画面41には、受光素子14の受光面14aの外形全体を示す線図42と、アップリンク光UOの受光位置を示すポインタ43とが表示されるようになっている。
上記表示制御部45を有する光ビーコン4によれば、後述の通り、作業員が道路R上の所定位置でアップリンク光UAを発光させてアップリンク領域UAを設定ないし調整するに当たって、受光素子14の受光面14a上での受光位置を、表示モニタ45のモニタ画面41に表示させることができるので、作業員はアップリンク光UOの受光位置を瞬時かつ明瞭に把握することができる。
そして、図9(a)のモニタ画面41に示すように、アップリンク光UOの受光位置を示すポイント43のうち、上記確定ポイント43Aを例えば黒塗りの●印で示し、その確定ポイント43Aとしては記憶されていない未確定ポイント43Bについては、破線の○印で示すことにより、表示ポイント43の確定・未確定を識別可能に表示している。
なお、表示モニタ45として使用するノートパソコン等を前記コンソール装置と兼用するようにすると、作業が効率的となってよい。
以下、図9〜図11を参照しつつ、本実施形態のアップリンク領域UAの設定方法について、更に詳しく説明する。
本実施形態では、作業員がアップリンク領域UAの設定を行う場合、道路R上に設定すべきアップリンク領域UAの矩形に対応する区画点(例えば4隅のコーナー点)が受光面14a上のどこに相当するかを順次測定していく。
この場合、前記した通り、既に設定を終えた確定ポイント43Aの図柄と未確定のポイント43Bの図柄とは、互いに識別可能になっている。
図10に示すように、まず、ビーコン制御機7に外部接続された表示モニタ45が作業開始信号を発信し、この信号に対応する応答をビーコン制御機7が返信することで、両者の通信が確立する。
次に、表示モニタ45は、E1の設定モードの開始信号をビーコン制御機7に発信し、この信号に対応する応答をビーコン制御7が返信することで、端点E1の設定モードが開始される。
次に、作業員は、道路R上の地点E1から実際にアップリンク光UOを発光させる(図11のS2)。すると、表示制御部46が、表示モニタ45のモニタ画面41に、アップリンク光UOの照射位置を表示させる(図11のS3)。
なお、作業員は、照射位置P1が不適当と判断した場合には、コンソール装置を操作してその照射位置P1を消去し、投受光器8の取付位置や取付角度を変更してから、再び地点E1からアップリンク光UOを発光させる(図11のS5)。
また、モニタ画面41に表示された受光位置が受光面14aの外形ぎりぎりの位置であるような場合にも、投受光器8の取り付けを再調整することが望ましい。この場合、投受光器8に対して何らかの外力が加わってその設置状態が少し変化しただけで、道路R上のアップリンク領域UAに対応するの範囲からのアップリンク光UOが受光面14aからはみ出る可能性があるためである。
地点E1の対応位置が記憶されると、ビーコン制御機7は次の地点E2の受光モードに移行し、表示制御部45がE2の測定開始を促すコメントをモニタ画面41(コンソール装置であってもよい。)に表示する(図11のS7)。
そして、最後に、作業員がモニタ画面41を最終的に目視で確認し、アップリンク領域UAの設定範囲を確定させる(図11のS10)。
また、毎回、どの地点E1〜E4を測定するかをビーコン制御機7と逐次対話的に設定してから、測定し始めるようにしてもよい。この場合、作業員は、例えば、各地点E1〜E4を測定する前に、その都度、その地点の測定モードをビーコン制御機7に手動で設定してから測定することになる。
図9〜図11に示す設定方法では、道路R上の4点を測定してアップリンク領域UAを設定するようにしたが、2点のみの測定で設定を行う場合や、5点で行う場合にも同様に調整可能である。
例えば、2点の測定で設定する場合、図12に示すように、アップリンク領域UAの上流端及び下流端に位置する任意の2点でアップリンク光UOを発光させ、これに対応する照射位置2箇所をモニタ画面41に表示し、この2箇所の照射位置で挟まれるx軸方向(車両走行方向)の領域(図12でハッチングで示す領域)を、アップリンク領域UAに対応する受光領域として設定すればよい。
また、図9〜図11に示す設定方法では、予めビーコン側に次はどの地点E1〜E4で発光させるかを記憶させる(すなわち、モード設定を行う)方法であったが、地点E1〜E4ごとに、当該地点E1〜E4で発光したことを示す固有のデータ(文字列等でもよい)をアップリンク光UOに格納させて発光させることもできる。
この方法であれば、発光位置をビーコン制御機7が自動的に識別できるので、例えば図13に示すように、上流側地点と下流側地点の受光位置の図柄を異なるもの(▲と●)として目視による識別可能としたり、どの地点かを示す識別番号((1)〜(4))などを同時に表示したりすることもできる。
すなわち、ビーコン制御機7は、領域外であることを示すデータを格納したアップリンク光UAを受けたら、領域外であることを示す別の図柄(例えば×の形状など)でその受光位置を表示すればよい。
図6は、光ビーコン4と路車間通信する前記車載機2と、この車載機2が搭載された車両Cの概略構成図である。
図6に示すように、この車両Cは、ドライバの搭乗席(図示せず)を有する車体21と、この車体21に搭載された前記車載機2と、車両Cの各部を統合制御する電子制御装置(ECU)22と、車体21を駆動するエンジン23と、車体21を制動するブレーキ装置24と、車両Cの現時の速度を常時検出している速度検出器25とを備えている。ECU22は、ドライバのアクセル操作に基づくエンジン23の駆動制御や、ブレーキ操作に基づく制動制御等、車両Cに対する各種の制御を行う。
上記車載ヘッド27は、光ビーコンの投受光器8と同様に、発光ダイオード(LED)とフォトセンサを備えている(図示せず)。このうち、LEDは、近赤外線よりなるアップリンク情報を発光し、フォトセンサは、通信領域Aに発光された近赤外線よりなるダウンリンク情報を受光する。
また、車載コンピュータ26は、所定の各機能を実行するプログラムを記憶装置に格納しており、このプログラムが実行する機能部として、距離認識部30及び支援制御部32を備えている。なお、これらの各機能部30,32の処理内容については後述する。
図7は、通信領域Aにおいて、投受光器8と車載ヘッド27との間で行われる双方向での路車間通信の手順を示している。以下、図7を参照しつつ、本実施形態の路車間通信の内容を説明する。
まず、光ビーコン4のビーコン制御機7は、各車線R1〜R4に対応する投受光器8から、ダウンリンクの切り替え前の第一情報として、車線通知情報を含む第一のダウンリンク情報34を、各車線R1〜R4のダウンリンク領域DAに所定の送信周期で常に送信し続けている(図7のF1)。なお、この段階では、車線通知情報には未だ車両IDは格納されていない。
この際、車載機2の車載コンピュータ26は、当該車両Cが実際の通信領域A内に存在していることを認識する。その後、車載コンピュータ26は、アップリンク情報35の送信を開始し(図7のF2)、このアップリンク情報35を投受光器8に対して所定の送信周期(アップリンク送信周期)で送信する(図7のF3)。
この支援情報には、光ビーコン4より下流側の信号機の灯色が変わるタイミング情報である信号情報の他、後述する車載機位置情報等が含まれている。
前記規格によれば、第二のダウンリンク情報36は、1〜80個の最小フレーム37で構成することができ、送信可能時間は250msに設定されている。また、このダウンリンク情報36は送信すべき情報量に対応した任意数の最小フレーム37で構成され、上記送信可能時間の範囲内で繰り返し送信される。
車載機2の車載コンピュータ26は、第二のダウンリンク情報36を受信した時点(図7のF7)で光ビーコン4でのダウンリンクの切り替えを認識し、この時点でアップリンク情報35の送信を停止する。
以下、上述の車載機位置情報の内容と、これに基づいて車載機2が行う安全運転支援のための距離認識について説明する。
車載機位置情報は、アップリンク領域UAにおいて車載機2がアップリンク情報を送信した送信位置を示す情報であり、光ビーコン4が車載機2からのアップリンク情報を受光した段階で、ビーコン制御機7によって生成される。
例えば、図3中のアップリンク領域UA内の位置Pに位置する車両C(車載機2)がアップリンク情報(アップリンク光UO)を送信し、光ビーコン4がこれを受光した場合、投受光器8の制御部16(図4(b))は、上述したように、ビーコン制御機7に対して受光位置情報(受光位置の座標値)を出力する。
ビーコン制御機7は、アップリンク領域UAの上流端である位置cから、その下流側の所定位置としての停止線P0までの距離L0、及び道路R上におけるアップリンク領域UAの車両進行方向の距離L2を予め記憶装置に記憶している。また、距離L0、及び、上記距離Dに基づいて、車載機2の位置Pから下流側の停止線P0までの距離L3を距離情報として算出する。
車載機2は、投受光器8から送信された、車載機位置情報を含んだ第二のダウンリンク情報を受信し、車載機位置情報を取得することで、安全運転支援を行う。
このように、ビーコン制御機7は、受光部12が出力する前記受光位置情報に基づいて、前記送信位置である位置Pを示す車載機位置情報を生成し、この車載機位置情報を含んだダウンリンク情報を投受光器8に送信させる制御部を構成している。
図6に示すように、上記車載機位置情報等を含む第二のダウンリンク情報36を車載ヘッド27が受信すると、車載コンピュータ26の距離認識部30は、そのダウンリンク情報36のフレームに含まれている車載機位置情報を取得して、前記距離情報としての距離L3(図3)を認識する。
そして、車載コンピュータ26の支援制御部32は距離L3を利用して、ドライバに対する安全運転支援を行う。
このため、これら高さ寸法H、寸法D2によって、上記距離L3に誤差が生じるおそれがあるが、車載コンピュータ26は、これら高さ寸法H、及び寸法D2を予め記憶しておくことで、これら寸法に起因する誤差を補正し、より正確な距離L3を取得することができるように構成されている。
例えば、支援制御部32により、停止線P0までの距離L3をディスプレイ28に表示させてもよい。また、現時の車両Cの走行速度が速すぎる場合には、支援制御部32により、停車や減速を促す注意喚起をディスプレイ28に表示させたり、その注意喚起をスピーカ装置29から音声出力させたりしてもよい。
ここで、信号情報とは、交通信号機が表示する現在又は将来の信号灯色に関する情報を指し、各信号灯色の表示継続予定期間や表示する順序等に関する情報(表示予定情報)等を含む。例えば、「現在灯色が青信号で継続予定時間が5秒であり、次の灯色が黄信号で継続予定時間が8秒であり、その次の灯色が右折青矢印灯で継続予定時間10秒である」といった情報である。
逆に、減速しなければ安全に交差点を通過できると判断できるような場合には、車両Cの速度を維持するための制御を行うことができる。
また、支援制御部32は、車載装置の主導による制御のみならず、ブレーキアシストなど、ドライバの運転動作を補助する動作をしても良い。
安全運転の支援については、不適切なタイミングや内容でドライバに情報を通知することのないようなヒューマンインタフェースとするため、例えば低速走行時には音声や画像表示による報知を行わないようにすることができる。
また、これらの情報に加えて、地点感応制御を実施している地点では、当該制御に関するパラメータ情報や制御を実施する時間帯の情報等を含ませても良い。
後者の場合、例えば、信号機の信号制御機が無線通信機を備えている場合には、当該無線通信機から取得してもよいし、前記信号情報を取得した先行車両から車々間通信によって取得してもよい。信号情報を受信する信号情報受信部は、車載ヘッド27を用いてもよいし、車載機2に備えた別の受信器であってもよい。
また、本実施形態において、ビーコン制御機7は、車載機位置情報として、車載機2の送信位置である位置Pから停止線P0までの距離L3を算出したが、例えば、アップリンク領域UAの上流端である位置cから停止線P0までの距離L0を第一の距離情報とし、位置Pと、位置cとの間の距離Dを第二の距離情報とし、これら両距離情報を車載機位置情報として送信してもよい。
図15は、本発明の第二の実施形態に係る受光部12の受光面14aを正面視した図である。
本実施形態が第一の実施形態と異なる点は、受光面14aのうちの受光範囲u(長さTx′)を、x方向(車両進行方向)に沿って寸法T1ごとに4つの領域19a〜19dに論理的に区分けした点にある。
そして、制御部16によって、これらの光信号を受けた受光面14aの受光位置(図にP1〜P10で示す)の座標値を求めることによって、図8に示すように各位置P1〜P10を結ぶ範囲として受光範囲u及び領域19a〜19dを認識する。
上記のように受光面14aの受光範囲uを4つの領域19a〜19dに区分けしたことに伴い、アップリンク領域UAも、実質的に車両進行方向に4つの分割領域UA1〜UA4に論理的に区分けされている。ビーコン制御機7は、これら分割領域UA1〜UA4のいずれに車両Cが存在しているか否かを特定する。
各分割領域UA1〜UA4には、その分割領域に車両Cが存在した場合に、当該車両Cが位置しているとみなされる各位置p1〜p4から停止線P0までのそれぞれの距離L11〜L14が設定され、ビーコン制御機7は、これら距離L0、及び距離L11〜L14を記憶している。
ここで、投受光器8の制御部16からビーコン制御機7に出力される受光位置情報は、基準線Sxを基準とした座標値x1として出力されるが、受光面14a上における基準線Sx上の値が0であり、紙面右方側でプラス、左方側でマイナスの値を採るように出力される。したがって、座標値x1の数値範囲は、下記のように定められる。
領域19b : 0< x1 ≦ T1
領域19c : −T1 < x1 ≦ 0
領域19d : x1 ≦ −T1
車載機2は、この車載機位置情報を含んだ第二のダウンリンク情報を受信し、車載機位置情報を取得することで、安全運転支援を行うことができる。
本実施形態においては、ビーコン制御機7は、上記分割領域ごとに対応した距離に関する情報を予め用意しておくことで、選択的に距離情報を取得することができる。
なお、本実施形態では、受光面14aを4つの領域19a〜19dに区分けしているが、これに限定されず、2つ、3つ、又は、5つ以上の領域に区分けすることもできる。
図17(a)は、本発明の第三の実施の形態に係るアップリンク領域UAを示す斜視図であり、図10(b)は、受光素子14の受光面14aの正面視した図である。
本実施形態では、受光面14aにおける受光位置の範囲(受光範囲)uをP1〜P5の5点から定めたものである。
具体的には、点P1〜P5は、第一の実施形態で説明したように、アップリンク領域UAの4隅E1〜E4に対応する点P1〜P4と、更に、アップリンク領域UAの上流端の道路幅方向中央に相当する位置E5に対応した点P5からなる。
したがって、本実施形態では、このように領域GAの上流端が変形している場合であっても、アップリンク領域UAの上流端に対応するP1,P2,P5の3点(又はそれ以上)を用いて受光範囲uを認識することで、道路R上に矩形状のアップリンク領域UAを適切に設定することができる。
図17は、本発明の第四の実施形態に係る受光素子14の受光面を正面視した図である。
本実施形態の受光素子14は、車両進行方向に対応するx方向の両端部に出力電極17,18を備え、道路幅方向に対応するy方向の両端部には出力電極を備えていない。
したがって、車両進行方向(x方向)についてのアップリンク領域UAの範囲を設定可能となっている。また、道路幅方向については、所定寸法のアップリンク領域UAが設定されるように、受光面14aの同方向の両端分を遮光部材50によってマスクしている。
そして、点P1及びP2をそれぞれ通るy方向に沿ったラインf1、f2と、各マスク50とで囲まれる四角形の範囲uを受光範囲として認識する。
図19は、アップリンク領域UAを複数の分割領域UA1〜UA4に分割した場合(第二の実施形態の場合)における、その分割領域UA1〜UA4に対応する受光位置を表示するモニタ画面41の一例を示している。
図19に示す例では、5点(P1〜P5)の区画点を結んだ線で囲まれるアップリンク領域UAを車両進行方向に4分割する場合を示している。
最も簡単な設定方法は、アップリンク領域UAを2分割する方法であるが、この場合には、例えば図20に示すように、上流端の1点、下流端の1点、及び2分割した領域の境界線上の1点の合計3点で、アップリンク光UAを発光させることにしてもよい。
なお、分割領域の受光領域をモニタ画面41に表示させる場合には、図20に示すように、各領域の内部が明確に区別して視認可能となるように、その内部の色を変えたり、網掛け方法を変えたりすることにしてもよい。
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。
例えば、制御部16は、受光位置情報を、基準線Sx、Sy(図4(b)参照)を基準とした座標値x1,y1として出力したが、例えば、アップリンク領域UAの上流端に対応する下端縁14a2を基準とした座標値x1や、アップリンク領域UAの左又は右端縁14a3,14a4を基準とした座標値y1として出力するように構成してもよい。
なお、この場合、式(1)及び(2)等については、これに準じて変更されることは言うまでもない。
上記実施形態において、アップリンク領域UA内の位置からその下流側の所定位置P0までの距離L0(図3)は、所定位置P0までの距離の直接的な値とするに限らず、所定位置までのP0等までの距離を一意に決定しうる情報であれば、どのような形式であってもよい。
この場合、この距離情報を受信した車載機2の車載コンピュータ26は、前記各距離の合計値を求めることで所定位置P0までの距離を認識することができる。
2 車載機
4 光ビーコン
7 ビーコン制御機(受光位置認識部)
8 投受光器
12 受光部
14 受光素子
14a 受光面
41 モニタ画面
42 外形線図
43 ポインタ
43A 確定ポイント
43B 未確定ポイント
44 座標線図
45 表示モニタ
46 表示制御部
UO アップリンク光
UA アップリンク領域
A 通信領域
R 道路
Claims (8)
- 車載機から送信されたアップリンク光を受光可能なアップリンク領域を道路の所定範囲に設定する受光部を備えている光ビーコンであって、
前記受光部が前記アップリンク光を受光する受光面を有しており、
前記アップリンク光の送信位置に対応づけて、前記受光面における受光位置を認識する受光位置認識部と、
認識された前記受光面における受光位置を表示モニタに目視可能に表示させるための表示制御部とを備えていることを特徴とする光ビーコン。 - 前記表示制御部は、前記受光面の外形全体を示す線図と、アップリンク光の受光位置を示すポインタとを前記表示モニタに表示させる請求項1に記載の光ビーコン。
- 前記表示制御部は、更に、前記受光面の座標系を示す線図と、前記アップリンク領域との対応関係を示す対応表示を前記表示モニタに表示させる請求項2に記載の光ビーコン。
- 認識された前記受光面における受光位置を、前記アップリンク領域の区画点に対応する確定ポイントとして記憶するための記憶部を備え、
前記表示制御部は、前記確定ポイントと、当該確定ポイントとしては記憶されていない未確定ポイントとを前記表示モニタに識別可能に表示させる請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ビーコン。 - 前記アップリンク光に、当該アップリンク光が前記アップリンク領域のどの点で発光したものであるかに関するポイント情報が含まれている場合に、
前記表示制御部は、前記ポイント情報を前記表示モニタに表示させる請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ビーコン。 - 車載機から送信されたアップリンク光を光ビーコンの受光部によって受光可能なアップリンク領域を、道路の所定範囲に設定するためのアップリンク領域設定方法であって、
道路に設定すべきアップリンク領域の道路上の地点から前記受光部に向けて光信号を送信するステップと、
この光信号を受光した受光部の受光面上の受光位置を表示モニタに目視可能に表示させるステップと、
前記光信号を受光した受光部の受光面上の受光位置を求めるとともに、当該受光位置を前記光信号を送信した道路上の地点に対応づけることによってアップリンク領域を設定するステップと、
を含むことを特徴とする光ビーコンのアップリンク領域設定方法。 - 前記光信号を送信する道路上の地点が、道路に設定すべきアップリンク領域の車両進行方向上流端の境界線上における少なくとも1点と、同方向下流端の境界線上における少なくとも1点とを含む、請求項6に記載の光ビーコンのアップリンク領域設定方法。
- 前記光信号を送信する道路上の地点が、道路に設定すべきアップリンク領域の少なくとも4隅に相当する4点を含み、この少なくとも4点から送信された前記光信号を受光する受光面上の受光位置によって囲まれる範囲を、アップリンク領域に対応する受光面上の受光範囲として設定する請求項6又は7に記載の光ビーコンのアップリンク領域設定方法。
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