JP6361961B2 - 光ビーコン及び車載機 - Google Patents
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Description
このうち、光ビーコンは、近赤外線を通信媒体とした光通信を採用しており、車載機との双方向通信が可能である。具体的には、車両の保持するビーコン間の旅行時間情報等を含むアップリンク情報が車載機からインフラ側の光ビーコンに送信される。
このため、光ビーコンは、車載機との間で光信号を投受光する投受光器(「ビーコンヘッド」ともいう。)を備えており、この投受光器の筐体内には、ダウンリンク光を道路に向けて送出する発光素子と、車載機が送出したアップリンク光を受信する受光素子とを有する光通信用の送受信ユニットが搭載されている。
かかる車両感知機能を有する光ビーコンでは、車載機がダウンリンク光を受信可能なダウンリンク領域の下流側にパルス光よりなる入射光を送出する発光素子と、入射光の反射光を受光する受光素子とを有する車両感知用のセンサユニットが、更に投受光器の筐体内に搭載されている。
(a) 光ビーコンは、上りフレームの受信前から第1の下りフレームを繰り返し送信している。第1の下りフレームには、車両IDの識別値が未格納である車線通知情報や、アップリンク情報の提供を条件としない基本情報などが含まれる。
(b) 第1の下りフレームを受信した車載機は、自車両の車両IDを格納した上りフレーム(路側に提供する情報がある場合はその情報も含む。)を送信する。
(d) 光ビーコンは、所定時間が経過すると(a)のステップに戻り、第1の下りフレームの繰り返し送信を再開する。
この場合、車載機は、上りフレームを送信しなくても簡易図形情報を取得でき、車両に搭載されたナビゲーション装置は、下流側の交差点を含む道路構造などをディスプレイに表示させることができる。
従って、例えば、幅員の狭い道路などで、ダウンリンク領域の道路幅方向の端部が対向車線にはみ出している道路では、対向車線を走行する車両(以下、「対向車両」ともいう。)が自車両にとって無関係である上流側の簡易図形情報を取得し、対向車両のナビゲーション装置が誤った道路交通情報をディスプレイに表示するおそれがあった。
第2の提供情報:自車両の車両IDの識別値が格納された車線通知情報を含む下りフレームを受信した後の下りフレームに含まれる提供情報
以下、本発明の実施形態の概要を列記して説明する。
(1) 本実施形態の光ビーコンは、走行中の車両の車載機と光信号による無線通信を行う光ビーコンであって、道路の車線上に設置されたビーコンヘッドと、前記ビーコンヘッドに収容され、当該ビーコンヘッドに対して上流側に偏った方向にダウンリンク光を送出する光通信用の発光部材と、を備え、前記ダウンリンク光を前記車載機が受信可能なダウンリンク領域の道路幅方向の中心が、前記ビーコンヘッドに対応する車線の中心よりも道路幅方向の外側に位置する。
このため、簡易図形情報を含むダウンリンク光を対向車両が受信する可能性を低減させることができ、対向車両が誤ったナビゲーションが行うのを防止することができる。
すなわち、この光ビーコンは、走行中の車両の車載機と光信号による無線通信を行う光ビーコンであって、道路の車線上に設置されたビーコンヘッドと、前記ビーコンヘッドに収容され、当該ビーコンヘッドに対して上流側に偏った方向にダウンリンク光を送出する光通信用の発光部材と、前記ビーコンヘッドに収容され、当該ビーコンヘッドの下方に入射光を送出する車両感知用の発光部材と、を備え、前記ダウンリンク光を前記車載機が受信可能なダウンリンク領域の道路幅方向の中心が、前記入射光の照射範囲である入射領域の道路幅方向の中心よりも道路幅方向の外側に位置する。
このため、簡易図形情報を含むダウンリンク光を対向車両が受信する可能性を低下させることができ、対向車両が誤ったナビゲーションを行うのを防止することができる。
かかる領域設定によれば、光通信用の発光部材の発光方向を傾斜させればよいので、後述する遮蔽部材などの別部材をビーコンヘッドに追加する必要がなく、部品点数を増加させずに所望の領域設定を行えるという利点がある。
かかる領域設定によれば、ダウンリンク光が道路幅方向の内側に拡散するのを遮蔽部材によって抑制する手法であるから、ダウンリンク光が対向車線に漏れるのを確実に防止できるという利点がある。
第2の提供情報:自車両の車両IDの識別値が格納された車線通知情報を含む下りフレームを受信した後の下りフレームに含まれる提供情報
一方、対向車両が第2の下りフレームを光ビーコンから受信する可能性はほぼ皆無であるから、第2の下りフレームに含まれる簡易図形情報が対向車両に提供されることは殆どない。
また、本実施形態の車載機によれば、通信制御部が、第2の提供情報を必要なデータとして処理するので、正規の方向から通信領域に進入する通信車両の場合には、第2の下りフレームに含まれる簡易図形情報を利用することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態の詳細を説明する。
なお、本実施形態では、車載機2から光ビーコン4に向けて送出する上りフレームを「アップリンク情報」又は「アップリンク信号」という場合がある。
また、光ビーコン4から車載機2に向けて送出される下りフレームを「ダウンリンク情報」又は「ダウンリンク信号」という場合がある。
図1は、本実施形態に係る路車間通信システムの概略構成を示すブロック図である。図2は、本実施形態の光ビーコン4の設置部分を上から見た道路Rの平面図である。
図1に示すように、本実施形態の路車間通信システムは、インフラ側の交通管制システム1と、道路Rを走行する車両20(図3参照)に搭載された車載機2とを備えている。
光ビーコン4は、通信制御などを行うビーコン制御機(通信制御部)7と、このビーコン制御機7のセンサ用インタフェースに接続された複数(図1の例では4つ)のビーコンヘッド(投受光器)8とを有する。
通信部6は、例えば、信号灯器の灯色を制御する交通信号制御機や、インフラ側における交通情報の中継処理を行う情報中継装置等より構成することができる。
これに対して、本実施形態の車載機2は、半二重通信方式を採用している。すなわち、後述の車載制御機21は、光送信部23に対するアップリンク方向の送信制御と、光受信部24に対するダウンリンク方向の受信制御とを同時には行わない。
光ビーコン4のビーコンヘッド8は、光通信用の送受信ユニット(光送受信部)11と、車両感知用のセンサユニット12とを筐体31内に備えている(図1及び図3参照)。
このように、本実施形態の光ビーコン4では、1つビーコンヘッド8の筐体31に、光通信と車両感知のための各ユニット11,12をそれぞれ組み込むことにより、光通信機能と車両感知機能とを併有した構造となっている。
図1に示すように、送受信ユニット11は、ダウンリンク光DO(図3参照)を送出する光通信用の発光ユニット13と、アップリンク光UO(図3参照)を受光して電気信号に変換する光通信用の受光ユニット14とを有する。
通信用発光ユニット13の発光素子は、近赤外線の光信号であるダウンリンク光DOを上流側に向かって斜め下方に送出する。
通信用受光ユニット14の受光素子は、車載機2がビーコンヘッド8の手前で送出した近赤外線の光信号であるアップリンク光UOを受光して電気信号に変換する。通信用受光ユニット14の受信回路は、変換された電気信号から生成したデジタル信号をビーコン制御機7に送る。
図1に示すように、センサユニット12は、入射光IO(図3参照)を送出する車両感知用の発光ユニット15と、反射光RO(図3参照)を受光して電気信号に変換する車両感知用の受光ユニット16とを有する。
車両感知用の受光ユニット16(以下、「感知用受光ユニット16」ともいう。)は、上記入射光IOの道路Rや車両20に対する反射光ROを受光し、受光した反射光ROを電気信号に変換してビーコン制御機7に送る。
また、ビーコン制御機7は、通信制御や感知制御のためのコンピュータプログラムを記憶装置(図示せず)に格納しており、このプログラムをCPUが読み出して実行することにより、当該CPUが上記通信制御部及び感知制御部としての機能を実現する。
ビーコン制御機7は、上記ダウンリンク信号の送出を継続しつつ、そのダウンリンク信号の受信を契機として車載機2が送信するであろう、ID値を含むアップリンク信号(上りフレーム)の受信の有無を判定している。
なお、ビーコン制御機7は、車両20の位置及び時刻などの走行軌跡よりなるプローブデータなど、交通信号制御に有用な情報がアップリンク信号に含まれておれば、その情報を中央装置3に転送する。
この閾値は固定値とは限らず、例えば、反射光ROの受光強度に応じた追従処理によって変動することもある。すなわち、ビーコン制御機7は、感知用受光ユニット16において閾値以上の反射光ROの受光強度が検出された場合に、車両20の感知信号を生成し、その感知信号を中央装置3に送信する。
図2に示すように、本実施形態の光ビーコン4は、同じ方向の複数(図例では4つ)の車線R1〜R4を有する道路Rに設置されている。
光ビーコン4は、各車線R1〜R4にそれぞれ対応して設けられた複数の前記ビーコンヘッド8と、これらのビーコンヘッド8を一括制御する通信制御部である1台の前記ビーコン制御機7とを備えている。
各ビーコンヘッド8の通信用発光ユニット13は、自機の直下よりも車両進行方向の上流側に向けてダウンリンク光DOを発光している。これにより、車載機2との間で路車間通信を行うための通信領域Aが当該ビーコンヘッド8の上流側に設定されている。
図3は、光ビーコン4の通信領域Aと入射領域Bを示す道路Rの側面図である。
図3に示すように、送受信ユニット11の通信領域Aは、車載機2によるダウンリンク光DOの受光可能範囲であるダウンリンク領域DA(実線のハッチング部分)と、ビーコンヘッド8によるアップリンク光UOの受光可能範囲であるアップリンク領域UA(破線のハッチング部分)とからなる。
また、旧インタフェース規格における各領域DA,UAの上下流端位置の規格値(一般道路の場合)を例示すると、次の通りである。ただし、この規格値は、道路面からの高さHが1.0mでかつ投受光器8の直下位置(原点O)から上流方向を正の数とした場合の値である。
アップリンク領域UAの下流端位置b0:a0+2.1m(=3.4m)
双方領域DA,UAの上流端位置c0 :b0+1.6m(=5.0m)
入射領域Bの道路幅方向の中心は、ビーコンヘッド8に対応する車線R1〜R4の道路幅方向の中心とほぼ等しい位置にある。なお、入射光IOの発光方向V1は、通常、鉛直方向に対して所定角度α(例えば、4.5°)だけ上流側(プラス側)に指向させるが、鉛直方向に対して所定角度だけ下流側(マイナス側)に指向させてもよい。
図3に示すように、本実施形態の車載機2は、車載制御機(通信制御部)21と車載ヘッド(光送受信部)22とを備えている。車載ヘッド22の内部には、光送信部23と光受信部24が収容されている。
このうち、光送信部23は、近赤外線よりなるアップリンク光UO(アップリンク方向の光信号)を発光する発光素子を有し、光受信部24は、ダウンリンク領域DAに送出された近赤外線よりなるダウンリンク光UO(ダウンリンク方向の光信号)を受光する受光素子を有する。
光受信部24は、ダウンリンク方向の光信号を光電変換して電気信号を出力するフォトダイオード等よりなる受光素子と、出力された電気信号を増幅してデジタルの受信信号を生成する受信回路とを有する。
なお、2013年5月7日に策定されたUTMS協会の「高度化光ビーコン 近赤外線式インタフェース規格 版2」(以下、「新インタフェース規格」という。)では、アップリンク速度が高低2種類のマルチレート(低速が64kbpsでかつ高速が256kbps)に変更されている。
新インタフェース規格に従う光ビーコン4は、従来通りの低速のアップリンク受信と、新たな高速アップリンク受信とが可能なマルチレート対応の光ビーコン(以下、「新光ビーコン」ともいう。)である。また、新インタフェース規格に従う車載機2は、従来通りの低速のアップリンク送信と、新たな高速アップリンク送信とが可能なマルチレート対応の車載機(以下、「新車載機」ともいう。)である。
また、車載機2の新旧を区別する必要がある場合には、新車載機を「新車載機2A」と記載し、旧車載機を「旧車載機2B」と記載することがある。
また、車載制御機21は、通信制御のためのコンピュータプログラムを記憶装置(図示ぜず)に格納しており、このプログラムをCPUが読み出して実行することにより、当該CPUが上記通信制御部として機能する。
この場合、新インタフェース規格のようにアップリンク速度を高速化すれば、より多くのプローブ情報(走行軌跡を記録する道路区間を長くしたり、同一道路区間における通過位置と通過時刻の記録密度を高くしたりした情報)を送信することが可能になる。
この簡易制御部は、例えば、光受信部24が何らかの下りフレームを受信した場合に、自車両の車両IDを含む上りフレーム(従来の伝送速度64kbpsの上りフレーム)を1つだけ、光送信部23にアップリンク送信させる機能を有する。
経路探索部は、リンクコストが最小となる最小コスト経路を特定の経路探索ロジックによって算出するのが一般的である。この経路探索ロジックとしては、例えばダイクストラ法やポテンシャル法が利用される。
ナビゲーション装置25は、道路地図データが格納された記憶装置(図示せず)も備えている。道路地図データは、経路探索部による探索処理に際して自車両の位置情報をマップマッチングするために使用される。
ナビゲーション装置25は、例えば、簡易図形情報を車載制御機21から取得すると、その図形情報をディスプレイに表示させる。これにより、車両20の搭乗者は、ビーコンヘッド8の下流側にある交差点付近の道路交通情報を示す簡易な画像などを予め視認することができる。
図4は、上りフレーム(アップリンク情報)のフレーム構成図である。
図4に示すように、上りフレームの格納領域には、先頭から順に、受信側と同期を取るための同期用の伝送制御部(以下、「同期部」という。)、ヘッダ部、実データ部、及びCRC(Cyclic Redundancy Check )用の伝送制御部(以下、「CRC部」という。)が含まれる。
上りフレームのヘッダ部には、「サブシステムキー情報数」、「車両ID」、「車載機種別」、「情報種別」及び「最終フレームフラグ」などの格納領域が含まれる。
すなわち、情報数がゼロの場合は、実データ部に「サブシステムキー情報」が含まれず、情報数が「1」の場合は、実データ部に1つの「サブシステムキー情報」が含まれ、情報数が「n」の場合は、実データ部にn個の「サブシステムキー情報」が含まれる。
車載機2は、自車両がUTMS規格のどのシステムに対応しているかに応じて、「サブシステムキー情報数」と「サブシステムキー情報」の内容を決定する。
また、車載機2は、自車両がUTMS規格の2つのシステムに対応する場合は、ヘッダ部の「サブシステムキー情報数」の値を「2」に設定し、当該2つのシステムの規格にそれぞれ従った内容の「サブシステムキー情報(1)」及び「サブシステムキー情報(2)」を、実データ部に格納する。
このように、光ビーコン4は、「サブシステムキー情報」の種別に基づいて、アップリンク受信後のダウンリンク情報に含める「特別情報」の種類を決定する。
「車載機種別」は、車載機2の種別を格納する領域である。「情報種別」は、アップリンク情報の種別を格納する領域である。新インタフェース規格では、これらの領域の値により、アップリンク送信主体の新旧と、アップリンク情報が高速か低速かを表す。
また、新車載機2Aは、高速の上りフレームを送信する場合は、「車載機種別」に新車載機2Aを示す所定値(例えば、「6」)を格納し、「情報種別」に所定値(例えば、「4」)を格納する。
なお、旧車載機2Bの場合は、車載機種別の値を「6」以外に設定するので、新光ビーコン4Aは、「車載機種別」の値が「6」以外の上りフレームを受信した場合は、通信相手が高速アップリンク送信に非対応の旧車載機2Bであると判定できる。
すなわち、車載機2は、上りフレーム群を構成する複数の上りフレームのうち、最終フレームの「最終フレームフラグ」にのみ所定のフラグ値(例えば、「1」)を格納し、それ以外の上りフレームにはそのフラグ値を格納しない。
図5は、下りフレーム(ダウンリンク情報)のフレーム構成図である。
図5に示すように、下りフレームの格納領域にも、上りフレームのフレーム構成(図4)の場合と同様に、先頭から順に、同期部、ヘッダ部、実データ部、及びCRC部が含まれる。
下りフレームの実データ部に含める車載機2への提供情報は、光ビーコン4が車載機2から上りフレームを受信する前と後とで情報の種別が変化し得る。
具体的には、光ビーコン4は、車載機2から上りフレームを受信する前(アップリンク受信前)にダウンリンク送信する下りフレーム(以下、「第1の下りフレーム」という。)には、2013年5月7日に策定されたUTMS協会の「高度化光ビーコン 近赤外線式AMIS用通信アプリケーション規格 版1」(以下、「通信アプリケーション規格(版1)」という。)において、アップリンク情報の提供を条件としないと規定された情報(図6の「基本情報」など)を実データ部に含めることができる。
光ビーコン4は、車載機2への単一情報種別の提供情報が実データ部の容量(123バイト)に収まらない場合は、複数の下りフレーム(下りフレーム群)に分けて送信することより、提供情報を車載機2に提供する。従って、1つの下りフレームに異なる情報種別が混在することはない。
「車線通知情報」の格納領域には、「車両ID」、「車線番号」及び「ビーコン識別フラグ」が含まれる。光ビーコン4は、アップリンク受信前の下りフレームに含める車線通知情報には、「車両ID」にその識別値を格納していない。
従って、車載機2は、受信した折り返しフレームの車線通知情報に自車両のID値が含まれているか否かにより、光ビーコン4との通信確立を判定することができる。
従って、車載機2は、受信した折り返しフレームの車線通知情報に含まれる車線番号値から、自車両がどの車線を走行中かを判定することができる。
光ビーコン4は、自機が新光ビーコン4Aである場合は、下りフレームの「ビーコン識別フラグ」に所定のフラグ値(例えば、「01」)を格納し、自機が旧光ビーコン4Bの場合は、下りフレームの「ビーコン識別フラグ」にそれ以外の値(例えば、「00」)を格納する。
また、下りフレームは、ダウンリンク方向に送出すべきデータ量に応じた任意数のフレームで構成され、上記の送信可能時間の範囲内で繰り返し送信され、下りフレームの送信周期は約1msである。
もっとも、新インタフェース規格の光ビーコン4Aでは、ダウンリンク領域DAがビーコンヘッド8の直下付近まで拡大しているので、1〜80個の下りフレームで構成される下りフレーム群を繰り返し送信する回数を増加させることができる。
図6は、ダウンリンク情報に含める提供情報の種別ごとの内容を示す表である。
この表は、前述の通信アプリケーション規格(版1)に規定された「ダウンリンク情報の提供情報種別」の表(以下、「現行規格表」という。)から、「分類」、「情報種別」、「概要(目的)」、及び「提供条件」の欄を抜き出して作成した表である。
図6の「分類」の欄に示すように、ダウンリンク情報に含める提供情報は、「一般情報」と「特別情報」に大別される。一般情報は更に「基本情報」と「付加情報」に分類され、付加情報は更に「共通情報」と「個別情報」に分類される。
「基本情報」とは、アップリンク情報の提供にかかわらず、すべてのユーザに対して提供を行う情報のことをいう。すなわち、車載機2からのアップリンク情報の提供を条件とせずに、車載機2に提供することができる情報である。
「共通情報」とは、すべての情報提供対象ユーザに対して内容が同一(画一的)な付加情報のことをいう。
「特別情報」とは、予め交通管理者が認めた特定ユーザ(有資格者)に対して提供を行う情報のことをいう。
基本情報に含まれる情報のうち、「現在位置情報」は、具体的には、ビーコンヘッド8の設置地点の位置情報(緯度及び経度)である。
「簡易図形情報2」は、道路交通情報等がパターン化された簡単な図形や文字よりなる図形情報のうち、固定の情報である。固定の情報とは、例えば、道路の線形や行き先方面などの情報のことである。
なお、本実施形態において、単に「簡易図形情報」という場合には、少なくとも「簡易図形情報2」が含まれており、「簡易図形情報1」については包含/非包含のどちらでもよいことを意味する。
例えば、共通情報に含まれる情報のうち、「渋滞リンク情報」は、渋滞の位置及び度合いをリンク単位で表した情報である。「渋滞・旅行時間リンク情報」は、渋滞リンク情報に含まれるリンクに対して、当該リンクの旅行時間情報を加えた情報である。
従って、現行規格表に従う光ビーコン4は、渋滞リンク情報をアップリンク受信前に車載機2に提供し、渋滞・旅行時間リンク情報をアップリンク受信後に車載機2に提供する。
また、現行規格表に従う光ビーコン4は、その後に上りフレームをアップリンク受信した場合には、渋滞リンク情報に旅行時間情報を含めた「渋滞・旅行時間リンク情報」を生成し、生成した情報を第2の下りフレームに含めてダウンリンク送信する。
従って、現行規格表に従う光ビーコン4は、「旅行速度リンク情報」については、第2の下りフレームに含めてダウンリンク送信する。
また、現行規格表に従う光ビーコン4は、その後に旅行時間計測詳細情報を含む上りフレームをアップリンク受信した場合には、「旅行速度リンク情報」を第2の下りフレームに含めてダウンリンク送信する。
従って、現行規格表に従う光ビーコン4は、「路線信号情報」については、アップリンク受信後に車載機2に提供する。
また、現行規格表に従う光ビーコン4は、上記のプローブデータよりなる車両計測情報2を含む上りフレームをアップリンク受信した場合には、「路線信号情報」を第2の下りフレームに含めてダウンリンク送信する。
「車線通知情報」は、図6の「提供条件」の欄が「なし」となっている。従って、現行規格表に従う光ビーコン4は、車線通知情報を第1及び第2の下りフレームの双方によってダウンリンク送信することができる。
具体的には、現行規格表に従う光ビーコン4は、アップリンク受信前の第1の下りフレームには、ID値と車線番号値が未格納の車線通知情報を含める。また、現行規格表に従う光ビーコン4は、アップリンク受信後の第2の下りフレームには、上りフレームから抽出したID値と上りフレームを取得したビーコンヘッド8に対応する車線番号値とを格納した車線通知情報を含める。
特別情報には、例えば、車両運行管理システム(MOCS)、公共車両優先システム(PTPS)、安全運転支援システム(DSSS)などのシステムの規格に準拠した情報が含まれる。
このように、特別情報は、車載機2によるアップリンク情報(=サブシステムキー情報)の提供を条件として、第2の下りフレームによって車載機2に提供される。
図7は、対向車両20Bに下りフレームが提供される例を示す道路Rの平面図である。
図7に示す例では、交差点Jの東側が「X方面」、交差点Jの西側が「Y方面」、交差点Jの南側が「Z方面」、交差点Jの北側が「Q方面」であると仮定する。なお、各方面の前に付したX、Y、Z及びQには、例えば東京や大阪などの地名が入る。
更に、光ビーコン4のビーコンヘッド8は、上り道路RL1における交差点Jの西側(Y方面)に隣接する交差点(図示省略)の流出路に設置されており、上り道路RL1を通行する車両20(以下、「通信車両20A」という。)がビーコンヘッド8の通信領域Aにおいて光ビーコン4と路車間通信する。
従って、通信車両20Aの車載機2は、光ビーコン4に上りフレームをアップリンク送信しなくても、光ビーコン4から東側(X方面)の簡易図形情報を取得できる。このため、通信車両20Aのナビゲーション装置25は、図7の上側のナビ画面に例示する、交差点Jに対応する道路部分の簡易図形をディスプレイに表示させることができる。
従って、中央分離帯なしで対向する道路RL1,RL2において、例えば、上り道路RL1の右側車線幅が比較的小さい場合には、ビーコンヘッド8の通信領域Aの一部が対向車線である下り道路RL2の右側車線にはみ出るおそれがある。
このため、下り道路RL2の右側車線を西側(Y方面)に向かって走行する車両20(以下、「対向車両20B」と記載する。)が、光ビーコン4から東側(X方面)の簡易図形情報を含む第1の下りフレームを受信する可能性がある。
そこで、第1実施形態では、ダウンリンク領域DAを車線に対して道路幅方向の外側に偏在させる領域設定を行うことにより、ダウンリンク光DOが対向側の下り道路RL2の幹側車線に拡散するのをできるだけ抑制し、これによって上述の問題点を解決する。
なお、以下の説明では、車線の中心を「車線中心CL」といい、ダウンリンク領域DAの道路幅方向の中心を「ダウンリンク中心A1」といい、入射領域Bの道路幅方向の中心を「入射中心B1」という。
図8に示すように、本実施形態の光ビーコン4では、上り道路RL1の通信車線に対応するビーコンヘッド8は、入射中心B1が車線中心CLとほぼ一致するように領域設定された入射領域Bを有する。その理由は、車両20が通信車線内のどこを通行しても、ほぼ確実に出力20を感知できるようにするためである。
この場合、ダウンリンク中心A1が車線中心CLと一致する通常の領域設定と対比すると、ダウンリンク領域DAの道路幅方向の外側部分が左側車線にはみ出る。しかし、道路幅方向の内側部分は、中央分離線からはみ出る部分がないか或いは小さくなる。
このため、光ビーコン4が簡易図形情報を含むダウンリンク光DOを常に送出しても、対向車両20Bがダウンリンク光DOを受信する可能性が低減し、対向車両20Bにおいて誤ったナビゲーションが行われるのを防止することができる。
すなわち、車両感知機能のない光ビーコンの場合でも、ダウンリンク中心A1を車線中心CLよりも道路幅方向の外側にずらす領域設定を行うことにより、上記と同様の作用効果が得られる。
図9は、第1実施形態のビーコンヘッド8の設置状態における外観構成を示す。図9(a)は、設置状態のビーコンヘッド8を斜め下方から見た場合の斜視図であり、図9(b)は、設置状態のビーコンヘッド8の側面図である。
ケーシング34の底部には、上流側に位置する第1底面部36と、下流側に位置する第2底面部37が形成されている。第1底面部36は、第2底面部37の上流縁から更に上流側に向かうに従って上方に傾斜した傾斜面となっており、第2底面部37は、図9の設置状態においてほぼ水平にセットされる平面となっている。
これらの透過窓部36L,36Rは、第1底面部36に形成した左右一対の開口部を、車載機2との光通信に用いる所定波長(前述の通信インタフェース規格に準拠する波長帯)の光を主として透過させる光透過シートで閉塞することによって構成されている。
これに対して、右側窓部36Rは、ダウンリンク光DOの投光窓であり、光通信用の発光部材42(図10参照)に対応する。従って、当該発光部材42が送出するダウンリンク光DOは、右側窓部36Rを透過して筐体31の外部に照射される。
これらの透過窓部37L,37Rは、第2底面部37に形成した左右一対の開口部を、車両感知に用いる所定波長の光を主として透過させる光透過シートで閉塞することによって構成されている。
これに対して、右側窓部37Rは、反射光ROの受光窓であり、車両感知用の受光部材46(図5参照)に対応する。従って、道路Rや車両20などに当たって反射した入射光IOの反射光ROは、右側窓部37Rを透過して当該受光部材46に到達する。
図10は、第1実施形態のビーコンヘッド8の内部構造を示す斜視図である。
具体的には、図10は、図9(a)に示す筐体31を上下反転させ、その反転状態の筐体31からケーシング34を取り外した場合の内部構造を示す斜視図である。
なお、図9(a)と図10を対比すれば明らかな通り、図10における上流側/下流側と左側/右側の方向定義は、図10(a)に示す設置状態の場合に倣っている。
光通信用の発光部材42は、例えばLEDよりなる多数の発光素子42Aを備え、これらの発光素子42Aを回路基板41Rの所定範囲に縦横に配列することによって構成されている。
送受信ユニット11を構成する左右の回路基板41L,41Rは、ケーシング34の第1底面部36と同様に、設置状態において上流側ほど上位となるように傾斜している。
車両感知用の発光部材45は、例えばLEDよりなる多数の発光素子45Aを備え、これらの発光素子45Aを回路基板44bの所定範囲に縦横に配列することによって構成されている。
なお、図10の例では、合計20個の発光素子45Aが、縦4列×横5列に配列されているが、発光素子45Aの配列パターンはこれに限定されるものではなく、例えば、複数の発光素子45Aをいわゆる千鳥状に配列することにしてもよい。
なお、図10の例では、センサユニット12の回路基板44が受光用基板44aと発光用基板44bに分離されているが、これらの基板を分離せず、発光部材45と受光部材46を一体物の回路基板に実装してもよい。
また、この場合、車両感知用の受光部材46のレンズ46Bが、第2底面部37の右側窓部37R(図9参照)の光透過シートのほぼ直上に近接し、右側窓部37Rの枠内に収まるように配置される。
ここで、「発光方向U1」とは、縦横に配列された複数の発光素子42Aを1つの光源とみなした場合に、その1つの光源から送出されるダウンリンク光DOの光軸方向のことをいう。従って、発光方向U1は、発光部材42の設置範囲の中心を通って回路基板41Rを垂直に貫通する中心線の方向とほぼ一致する。
従って、レンズ43Bの光軸方向が回路基板41Lに垂直となるようにレンズ43Bが取り付けられている場合には、受光方向U2は、レンズ43Bの中心を通って回路基板41Lを垂直に貫通する中心線の方向とほぼ一致する。
ここで、「発光方向V1」とは、縦横に配列された複数の発光素子45Aを1つの光源とみなした場合に、その1つの光源から送出される入射光IOの光軸方向のことをいう。従って、発光方向V1は、発光部材45の設置範囲の中心を通って回路基板44bを垂直に貫通する中心線の方向とほぼ一致する。
従って、レンズ46Bの光軸方向が回路基板44aに垂直となるようにレンズ46Bが取り付けられている場合には、受光方向V2は、レンズ46Bの中心を通って回路基板44aを垂直に貫通する中心線の方向とほぼ一致する。
これに対して、本実施形態のビーコンヘッド8では、図9(a)の太い矢印Fに示すように、発光部材42の発光方向U1だけが左側(道路幅方向の外側)にずれた状態となるように、回路基板41Rを道路幅方向に対してもやや傾斜させている。
これにより、ダウンリンク中心A1が車線中心CLよりも道路幅方向の外側に位置するようにダウンリンク領域DAの領域設定を行うことができ、ダウンリンク領域DAのみを通信車線に対して道路幅方向の外側に偏在させることができる。
図11(a)は、光通信用の発光部材42の部分に着目した、ビーコンヘッド8の模式的な正面断面図であり、図11(b)は、光通信用の発光素子42Aの拡大図である。
変形例1では、発光部材42の回路基板41Lを傾斜させるのではなく、右側の指向性が左側の指向性よりも狭い発光素子42Aよりなる偏指向素子51を回路基板41に実装することにより、発光部材42の全体的な発光方向U1を外側に偏向させている。
従って、偏指向素子51を回路基板41に実装することにより、回路基板41を傾斜させなくても、発光部材42の発光方向U1を左側すなわち道路幅方向の外側に偏向させることができる。
図12(a)は、光通信用の発光部材42の部分に着目した、ビーコンヘッド8の模式的な正面断面図であり、図12(b)及び(c)は、光通信用の発光素子42Aの拡大図である。
変形例2では、発光部材42の回路基板41Lを傾斜させるのではなく、発光方向が左側に向けられた発光素子42Aよりなる偏向素子54を回路基板41に実装することにより、発光部材42の全体的な発光方向U1を外側に偏向させている。
従って、かかる偏向素子54を回路基板41に実装することにより、回路基板41を傾斜させなくても、発光部材42の発光方向U1を左側すなわち道路幅方向の左側に偏向させることができる。
また、回路基板41に斜めに挿入孔を開けておき、この挿入孔にリード線56を挿通して固定することにより、発光方向が左側に向くように砲弾型の発光素子57を回路基板41に取り付けることにしてもよい。
図13(a)は、光通信用の発光部材42の部分に着目した、ビーコンヘッド8の模式的な正面断面図であり、図13(b)は、光通信用の発光素子42Aの拡大図である。
変形例3では、左右両側の指向性が同じでかつ双方の指向性が絞られた発光素子42Aよりなる狭指向素子58を採用している。
従って、かかる狭指向素子58を回路基板41に実装することにより、回路基板41を傾斜させなくても、道路幅方向の内側(右側)の対向車線にまで、ダウンリンク光DOが広がるのを防止することができる。
図14(a)及び(b)は、光通信用の発光部材42の部分に着目した、ビーコンヘッド8の模式的な正面断面図である。
変形例4では、発光部材42の回路基板41Lを傾斜させるのではなく、指向性が狭い発光素子42Aと、指向性が広い発光素子42Aとを同じ回路基板41に配列することにより、発光部材42の全体的な発光方向U1を外側に偏向させている。
図14(a)に示すように、回路基板41が筐体31内の浅い位置に収容され、透過窓部36Rに比較的近接している場合は、狭指向素子58を発光部材42の右側部分に配置することにより、回路基板41を傾斜させなくても、道路幅方向の内側(右側)の対向車線にまで、ダウンリンク光DOが広がるのを防止することができる。
そこで、図14(a)の例では、発光部材42における道路幅方向の内側(右側)の部分に、SMD52にレンズ59をかぶせた狭指向素子58を採用することにより、対向車線にまで光が広がるのを抑制している。
図14(b)に示すように、回路基板41が筐体31内の深い位置に収容され、透過窓部36Rから比較的遠い場合は、狭指向素子58を発光部材42の左側部分に配置することにより、道路幅方向の内側(右側)の対向車線にまで、ダウンリンク光DOが広がるのを防止することができる。
そこで、図14(b)の例では、発光部材42における道路幅方向の外側(左側)の部分に、SMD52にレンズ59をかぶせた狭指向素子58を採用することにより、対向車線にまで光が広がるのを抑制している。
図15(a)及び(b)は、光通信用の発光部材42の部分に着目した、ビーコンヘッド8の模式的な正面断面図である。
変形例5では、発光部材42の回路基板41Lを傾斜させるのではなく、左側に偏向された発光素子42Aと、指向性が広い発光素子42Aとを同じ回路基板41に配列することにより、発光部材42の全体的な発光方向U1を外側に偏向させている。
図15(a)に示すように、回路基板41が筐体31内の浅い位置に収容され、透過窓部36Rに比較的近接している場合は、偏指向素子51又は偏向素子54を発光部材42の右側部分に配置することにより、回路基板41を傾斜させなくても、道路幅方向の内側(右側)の対向車線にまで、ダウンリンク光DOが広がるのを防止することができる。
図15(b)に示すように、回路基板41が筐体31内の深い位置に収容され、透過窓部36Rから比較的遠い場合は、偏指向素子51又は偏向素子54を発光部材42の左側部分に配置することにより、道路幅方向の内側(右側)の対向車線にまで、ダウンリンク光DOが広がるのを防止することができる。
図16(a)は、光通信用の発光部材42の部分に着目した、ビーコンヘッド8の模式的な正面断面図であり、図13(b)及び(c)は、光通信用の発光部材42を下から見た場合の平面図である。
これにより、ダウンリンク領域DAの道路幅方向の内側部分の到達光量を減らし、結果的に、ダウンリンク中心A1が車線中心CLよりも道路幅方向の外側にずれたダウンリンク領域DAが得られる。
各遮蔽プレート61は、車両進行方向に並ぶ縦列の発光素子42Aの右側を遮蔽するように、道路幅方向に間隔を置いて配置されている。すなわち、遮蔽プレート61は、縦列を構成する発光素子42Aの右側における、当該発光素子42Aに接触するか或いは僅かに離れた距離で近接した位置に配置され、その位置から下方に垂下状に延びている。
遮蔽プレート61は、回路基板41に垂直に取り付ける必要はなく、回路基板41に対して傾斜させて取り付けてもよい。例えば、図16(a)の例において、遮蔽プレート61の下端を左側(道路幅方向の外側)に傾けると、遮蔽プレート61の高さを短寸にしても所望の遮蔽効果を期待でき、遮蔽プレート61の上下寸法を短縮できる。
遮蔽小片62は、回路基板41に任意のパターンで配列された各発光素子42Aの右側における、当該発光素子42Aに接触するか或いは僅かに離れた距離で近接した位置に配置されており、その位置から下方に垂下状に延びている。
遮蔽小片62の固定方法も任意であるが、遮蔽プレート61の場合と同様に、上端縁を回路基板41に固定する方法を採用すればよい。
第2実施形態では、車載機2が、第1の下りフレームDL1に含まれる提供情報を不要なデータとして処理することにより、対向車両20Bが自車両に無関係の簡易図形情報をナビゲーションに利用する可能性を少なくし、これによって上述の問題点を解決する。
図17に示すように、通信車線のダウンリンク領域DAは、ビーコンヘッド8に対して西側に偏っているので、光ビーコン4は、ビーコンヘッド8に向けて東側上方に送出される通信車両20Aの上りフレームUL1については当然に受信することができ、その受信に応じて通信車両20Aのための第2の下りフレームDL2を送信することができる。
従って、対向車両20Bが第1の下りフレームDL1を受信しても、光ビーコン4が対向車両20Bの上りフレームUL1を受信することはなく、対向車両20Bのための第2の下りフレームDL2を送信することは、殆どあり得ないと考えられる。
このため、車載機2側において、第1の下りフレームDL1に含まれる提供情報を使用しないことにすれば、対向車両20Bが反対車線の光ビーコン4の簡易図形情報を用いて誤ったナビゲーションを行うことを防止することができる。
図18において、「車両IDあり」とは、車両IDの識別値がフレームの所定の格納領域に格納されていることを意味し、「車両IDなし」とは、車両IDの識別値がフレームの所定の格納領域に格納されていないことを意味する。
本実施形態の光ビーコン4は、現行規格表(図6)に基づいて動作する。従って、光ビーコン4は、第1の下りフレームDL1に含める提供情報として、車両IDなしの車線通知情報と、簡易図形情報などを含む基本情報(図6参照)を採用している。
これにより、車載機2は、自機が搭載された車両20が光ビーコン4の通信領域Aの内部に入ったことを察知する。
車載機2は、旅行時間情報などの光ビーコン4に提供すべき情報がある場合には、ID格納フレームの実データ部にそれらの情報を格納する。
第2の下りフレームDL2には、先頭部分で繰り返し送信される複数の折り返しフレーム(黒丸付きの下りフレームDL2)の他、その後に繰り返し送信される共通情報(渋滞リンク情報を除く。)、特別情報及び基本情報などがある。
現行規格表(図6)では、簡易図形情報を含む基本情報の提供条件が「なし」となっており、アップリンク情報の提供を条件としないので、光ビーコン4は、第1の下りフレームDL1と第2の下りフレームDL2の双方により、簡易図形情報を含む基本情報をダウンリンク送信する。
図15に示すように、折り返しフレーム(黒丸付きの下りフレームDL2)は、所定の送信期間中に繰り返し送信される一連の下りフレームDL2(図例では5個の下りフレームDL2)のうちの1つであり、一連の下りフレームDL2の先頭にのみにおいて繰り返し(図例では5フレームごと)送信される。
車載機2は、光ビーコン4から複数の第2の下りフレームDL2を受信し、受信した第2の下りフレームDL2の中で、自車両の車両IDの識別値が記された車線通知情報を含むものがあるか否かを判定する。
逆に、車載機2は、その判定結果が否定的である間は、自車両の車両IDのループバックが成功していないと判断し、自機の通信を受信から送信に切り替えて、車両IDありの上りフレームUL1を再送する。
また、車載機2は、折返しフレームによってID確認が成功した時点t1(自車両のID値の検出時点)より前に記憶した提供情報については、バッファから消去してその提供情報を破棄し、その時点t1以後に記憶した提供情報については、バッファに残してその提供情報を取り込む。
また、自車両の車両IDの識別値が格納された車線通知情報を含む下りフレーム(折返しフレーム)を受信した後の第2の下りフレームDL2に含まれる第2の提供情報については、その情報を取り込む。
すなわち、通信車両20Aは、通常、光ビーコン4との通信を確立して第1及び第2の下りフレームDL1,DL2を受信する。従って、通信車両20Aの車載機2は、第1の提供情報を破棄しかつ第2の提供情報を取り込む。簡易図形情報などを含む基本情報は第2の提供情報としても得られるので、第1の提供情報を破棄しても特に不都合はない。
従って、対向車両20Bの車載機2の場合は、第2の提供情報を取得することが殆どないことに加えて、第1の提供情報を取得してもこれを破棄するので、簡易図形情報などを含む基本情報は対向車両20Bのナビゲーション装置25に出力されなくなる。
すなわち、第2実施形態において、第1の提供情報については、ナビゲーション装置25に出力しない不要なデータとして処理すればよく、必ずしもバッファから破棄する必要はない。
本実施形態の車載機2によれば、ビーコン制御機7が、折返しフレームの受信前に取得した第1の提供情報を不要なデータとして処理するので、対向車両20Bの車載機2が第1の下りフレームDL1を受信したとしても、その下りフレームDL1に含まれる簡易図形情報がナビゲーション装置25に出力されることはない。
一方、対向車両20Bは、光ビーコン4と通信を確立できないため、第2の下りフレームDL2を受信する可能性はほぼ皆無であるから(図14参照)、第2の下りフレームDL2に含まれる簡易図形情報が対向車両20Bに提供されることは殆どない。
また、本実施形態の車載機2によれば、ビーコン制御機7が、折返しフレームの受信後に取得した第2の提供情報を必要なデータとして処理するので、正規の方向からダウンリンクDAに進入する通信車両20Aの場合には、第2の下りフレームDL2に含まれる簡易図形情報を利用したナビゲーションが可能となる。
2 車載機
3 中央装置
4 光ビーコン
5 通信回線
6 通信部
7 ビーコン制御機
8 ビーコンヘッド
11 送受信ユニット
12 センサユニット
13 通信用の発光ユニット
14 通信用の受光ユニット
15 感知用の発光ユニット
16 感知用の受光ユニット
17 支柱
18 梁部材
20 車両
20B 対向車両
20A 通信車両
21 車載制御機(通信制御部)
22 車載ヘッド(光送受信部)
23 光送信部
24 光受信部
25 ナビゲーション装置
31 筐体
32 ブラケット
33 クランプ
34 ケーシング
35 天井プレート
36 第1底面部(傾斜面)
36L,36R 透過窓部
37 第2底面部
37L,37R 透過窓部
41 回路基板
41R,41L 回路基板
41 回路基板
42 発光部材
42A 発光素子
43 受光部材
43A 受光素子
43B レンズ
44 回路基板
44a,44b 回路基板
45 発光部材
45A 発光素子
46 受光部材
46A 受光素子
46B レンズ
51 偏指向素子
52 SMD
53 レンズ
54 偏向素子
55 偏向体
56 リード線
57 砲弾型の発光素子
58 狭指向素子
59 レンズ
60 遮蔽部材
61 遮蔽プレート
62 遮蔽小片
UL1 上りフレーム
DL1 第1の下りフレーム
DL2 第2の下りフレーム
Claims (3)
- 走行中の車両の車載機と光信号による無線通信を行う光ビーコンであって、
道路の車線上に設置されたビーコンヘッドと、
前記ビーコンヘッドに収容され、当該ビーコンヘッドに対して上流側に偏った方向にダウンリンク光を送出する光通信用の発光部材と、を備え、
前記ダウンリンク光を前記車載機が受信可能なダウンリンク領域の道路幅方向の中心が、前記ビーコンヘッドに対応する車線の中心よりも道路幅方向の外側に位置する光ビーコン。 - 前記ダウンリンク領域の道路幅方向の中心を前記車線の中心又は前記入射領域の道路幅方向の中心よりも道路幅方向の外側に位置させる領域設定は、前記光通信用の発光部材の発光方向を道路幅方向の外側に傾斜させることによって行われている請求項1に記載の光ビーコン。
- 前記ダウンリンク領域の道路幅方向の中心を前記車線の中心又は前記入射領域の道路幅方向の中心よりも道路幅方向の外側に位置させる領域設定は、前記ダウンリンク光が道路幅方向の内側に拡散するのを抑制する遮蔽部材により行われている請求項1又は請求項2に記載の光ビーコン。
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