JP5243630B1 - 光ビーコン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明は、光通信用の第1の投受光部8と車両感知用の第2の投受光部9が組み込まれた投受光器3を備えた光ビーコン1に関する。第1の投受光部9は、投受光器3に対して上流側に偏った位置にあるダウンリンク領域DAにダウンリンク光DOを送出する第1の投光部42と、車両Cから送出されるアップリンク光UOを受光する第1の受光部43とを有する。第2の投受光部9は、ダウンリンク領域DAの下流側に位置する入射領域Bに入射光IOを送出する第2の投光部45と、入射光IOの反射光ROを受光する第2の受光部46とを有する。第2の投光部45による入射光IOの発光方向V1が鉛直方向に対して下流側を指向している。
【選択図】 図4
Description
このうち、光ビーコンは、近赤外線を通信媒体とした光無線通信により、車載機との双方向で通信がするものである。具体的には、車両の保持するビーコン間の旅行時間情報等を含むアップリンク情報が車載機からインフラ側の光ビーコンに送信される。
このため、光ビーコンは、車載機との間で光信号を送受する投受光器(「ビーコンヘッド」ともいう。)を備えており、この投受光器の筐体内には、ダウンリンク光を道路に向けて送出する発光素子と、車載機が送出したアップリンク光を受信する受光素子とを有する光通信用の投受光部が搭載されている。
この車両感知機能を有する光ビーコンでは、投受光器の筐体内に、ダウンリンク領域の下流側に入射光を送出する発光素子と、入射光の反射光を受光する受光素子とを有する車両感知用の投受光部が更に搭載されている。
図5に示すように、光通信用の投受光部8の通信領域Aは、ダウンリンク光DOの照射範囲であるダウンリンク領域DA(実線のハッチング部分)と、アップリンク光UOの受光可能範囲であるアップリンク領域UA(破線のハッチング部分)とからなり、光ビーコン(光学式車両感知器)の「近赤外線式インタフェース規格」によれば、両者の上流端c0は互いに一致することとされている。
ダウンリンク領域DAの下流端位置a0:1.3m
アップリンク領域UAの下流端位置b0:a0+2.1m(=3.4m)
双方領域DA,UAの上流端位置c0 :b0+1.6m(=5.0m)
そこで、従来では、入射光IOの発光方向V1を、鉛直方向に対して所定角度α(具体的には4.5°)だけ上流側(プラス側)に指向させている。
入射領域Bの下流端位置x0:−0.25m
入射領域Bの上流端位置y0:+0.95m
例えば、ダウンリンク領域DAの車両進行方向長さを規格値よりも広めに設定すると、車載機2がダウンリンク光DOを受信する確実性が増すとともに、通信時間が長くなるので、ダウンリンク方向の通信容量を拡大することができる。
その理由は、ダウンリンク領域DAの下流端位置a0を入射領域Bの内部に至るまで下流側に広げると、ダウンリンク光DOと入射光IOが互いに干渉してしまい、光通信や車両感知が適切にできなくなる可能性があるからである。
このため、光通信機能と車両感知機能を併有する光ビーコンにおいて、ダウンリンク通信容量を確実に拡大することができる。
その理由は、第2の投光部による入射光の発光方向だけを鉛直方向に対して下流側を指向させ、第2の受光部による反射光の受光方向を従来通りに鉛直方向に対して上流側を指向させたままとすると、受光方向が発光方向と非平行となり、車両で反射した反射光を第2の受光部が適切に受光できなくなる可能性があるからである。
なお、前記第2の投光部と前記第2の受光部は、別個の取付基板にそれぞれ取り付けられていてもよいが、一体物の取付基板に取り付けられていることが好ましい。
かかる取付基板を採用すれば、筐体に対する当該取付基板の装着角度を調整するだけで、発光方向と受光方向の傾斜角度を同時に設定できるので、第2の投光部と第2の受光部を別個の取付基板に取り付ける場合に比べて、投受光器の製作手間が簡便になる。
〔光ビーコンの全体構成〕
図1(a)は、本発明の実施形態に係る光ビーコン1が設置された道路Rの平面図である。図1(b)は、その光ビーコン1の投受光器3の側面図である。
図1に示すように、本実施形態の光ビーコン1は、道路Rを走行中の車両Cの車載機2と近赤外線を用いた光通信を行う通信装置であり、複数(図例では4つ)の投受光器3と、1つのビーコン制御機4とを備えている。
複数の投受光器3は、道路脇の支柱6から道路R側に張り出す梁部材7に間隔をあけて設置されている。ビーコン制御機4は、支柱6又はその他の道路構造物に取り付けられ、交通管制システムの中央装置などの交通制御装置(図示せず)と通信回線を介して通信可能に接続されている。
光通信用の投受光部(以下、「第1の投受光部」ともいう。)8は、車載機2との間で光信号を無線で送受信するための光送受信部である。第1の投受光部8は、近赤外線の光信号であるダウンリンク光DOを上流側に向かって斜め下方に送出し、車載機2が送出した近赤外線の光信号であるアップリンク光UOを受光する。
このように、1つ投受光器3の筐体31に光通信用と車両感知用の投受光部8,9を組み込むことで、光通信機能と車両感知機能を併有する光ビーコン1が構成されている。
例えば、ビーコン制御機4は、車両IDなしの車線通信情報を含むダウンリンク信号を第1の投受光部8に所定周期で送出させており、ダウンリンク信号の受信を契機として車載機2が送信する車両IDを含むアップリンク信号を待つ。
また、ビーコン制御機4は、プローブデータなどの交通信号制御に有用な情報がアップリンク信号に含まれておれば、その情報を交通制御装置に転送する。
すなわち、ビーコン制御機4は、第2の投受光部9において閾値以上の反射光ROの受光強度が検出された場合に、車両Cの感知信号を生成し、その感知信号を交通制御装置に送信する。
図2は、設置状態の投受光器3を斜め下方から見た斜視図である。
図2に示すように、投受光器3は、底部に傾斜面36が形成された筐体31と、この筐体31の左右両側面を支持する門型のブラケット32とを有する。このブラケット32の左右方向中央部はクランプ33を介して梁部材7に固定され、これにより、筐体31が梁部材7の下方に吊り下げ状態で取り付けられている。
ケーシング34の底部には、上流側に位置する第1底面部36と、下流側に位置する第2底面部37が形成されている。第1底面部36は、第2底面部37の上流縁から更に上流側に向かうに従って上方に傾斜した傾斜面となっており、第2底面部37は、図2の設置状態においてほぼ水平にセットされている。
これらの透過窓部36L,36Rは、第1底面部36に形成した左右一対の開口部を、車載機2との光通信に用いる所定波長(光ビーコンの「近赤外線式インタフェース規格」に準拠する波長帯)の光を主として透過させる光透過シートで閉塞することによって構成されている。
これに対して、右側窓部36Rは、ダウンリンク光DOの投光窓であり、後述する第1の投光部42(図3参照)に対応する。従って、第1の投光部42が送出するダウンリンク光DOは、右側窓部36Rを透過して筐体31の外部に照射される。
これらの透過窓部37L,37Rは、第2底面部37に形成した左右一対の開口部を、車両感知に用いる所定波長の光を主として透過させる光透過シートで閉塞することによって構成されている。
これに対して、右側窓部37Rは、反射光ROの受光窓であり、後述する第2の受光部46(図3参照)に対応する。従って、道路R及び車両Cに当たって反射した入射光IOの反射光ROは、右側窓部37Rを透過して第2の受光部46に到達する。
図3は、投受光器3の内部構造を示す斜視図である。
具体的には、図3は、図2に示す筐体31を上下反転させ、その反転状態の筐体31からケーシング34を取り外した場合の内部構造を示す斜視図である。
なお、図2と図3を対比すれば明らかな通り、図3における上流側/下流側と左側/右側の方向定義は、図2における投受光器3の設置状態の場合に倣っている。
第1の投光部42は、例えばLED(Light Emitting Diode)よりなる多数の発光素子42Aを備え、これらの発光素子42Aを回路基板41の右側部分の所定範囲に縦横に配列することによって構成されている。
光通信用である第1の投受光部8の回路基板41は、ケーシング34の第1底面部36と同様に、設置状態において上流側ほど上位となるように傾斜している。
第2の投光部45は、例えばLED(Light Emitting Diode)よりなる多数の発光素子45Aを備え、これらの発光素子45Aを回路基板44の左側部分の所定範囲に縦横に配列することによって構成されている。
なお、図3の例では、回路基板44が、左右方向に幅広の第1基板44aと、この第1基板の右側部分の表面に固定されたほぼ正方形状の第2基板44bとから分割構成され、第2基板44bに第2の投光部45が取り付けられているが、回路基板44を一体物の基板で構成されていてもよい。
ここで、「発光方向V1」とは、縦横に配列された複数の発光素子45Aを1つの光源とみなした場合に、その1つの光源から送出される入射光IOの光軸方向のことをいう。従って、発光方向V1は、第2の投光部45の設置範囲の中心を通って回路基板44を垂直に貫通する中心線の方向とほぼ一致する。
従って、受光方向V2は、受光素子46Aの中心を通って回路基板44を垂直に貫通する中心線の方向とほぼ一致し、上記発光方向V1とほぼ平行となる。
なお、図3に例示した投受光器3の内部構造では、第1の投受光部8と第2の投受光部9との間で、投光部42,45と受光部43,46の設置個所が左右で逆転した構造になっているが、それらの設置個所を左右方向で一致させることにしてもよい。
図4は、本実施形態に係る光ビーコン1の通信領域Aと入射領域Bの一例を示すための道路Rの側面図である。
図4に示すように、光通信用である第1の投受光部8の通信領域Aは、ダウンリンク光UOの照射範囲であるダウンリンク領域DA(実線のハッチング部分)と、アップリンク光UOの受光可能範囲であるアップリンク領域UA(破線のハッチング部分)とから構成されている。
従って、アップリンク領域UAは、ダウンリンク領域DAの車両進行方向の上流側の大部分(図4の右側部分)と重複しており、ダウンリンク領域DAの車両進行方向長さが通信領域A全体の同方向長さとなっている。
もっとも、上記所定角度α=4.5°はあくまでも例示であって、鉛直方向に対して下流側(マイナス側)であれば所定角度αの値は任意である。
入射領域Bの下流端位置x1:−0.95m
入射領域Bの上流端位置y1:+0.25m
ただし、上記設定値は、道路面からの高さHが1.0mでかつ投受光器3の直下位置(原点O)から上流方向を正の数とした場合の値である。
ダウンリンク領域DAの下流端位置a1:0.7m
アップリンク領域UAの下流端位置b1:a1+2.7m(=3.4m)
双方領域DA,UAの上流端位置c1 :b1+2.6m(=6.0m)
以上の通り、本実施形態の光ビーコン1によれば、第2の投光部45による入射光IOの発光方向V1が鉛直方向に対して下流側を指向しているので、その発光方向V1が鉛直方向に対して上流側を指向する従来の光ビーコン(図5)に比べて、ダウンリンク領域DAの下流端位置a1をより下流側に設定して、ダウンリンク領域DAの車両進行方向長さを拡張することができる。
このため、光通信機能と車両感知機能を併有する光ビーコン1において、車載機2がダウンリンク方向の光信号を受信する確実性が増すとともに、通信時間が長くなるのでダウンリンク方向の通信容量を拡大することができる。
従って、光ビーコン1がアップリンク方向の光信号を受信する確実性も増すとともに、通信時間が長くなるのでアップリンク方向の通信容量を拡大することもできる。
このため、受光方向V2が発光方向V1と非平行となって、車両Cで反射した反射光ROを第2の受光部46が適切に受光できなくなるのを未然に防止することができる。
このため、第2の投光部45と第2の受光部46を個別の回路基板に取り付けて、それらの回路基板をそれぞれ天井プレート35に装着する場合に比べて、発光方向V1と受光方向V2の傾斜角度の設定が容易になり、投受光器3の製作手間がより簡便になる。
例えば、上述の実施形態では、第2の投光部45の発光方向V1と第2の受光部46の受光方向V2が平行である場合を例示したが、車両感知に支障がない範囲でそれらの方向V1,V2が異なっていてもよい。
2 車載機
3 投受光器
4 ビーコン制御機
8 第1の投受光部(光通信用)
9 第2の投受光部(車両感知用)
41 回路基板(光通信用)
42 第1の投光部(光通信用)
43 第1の受光部(光通信用)
44 回路基板(車両感知用:取付基板)
45 第2の投光部(車両感知用)
46 第2の受光部(車両感知用)
A 通信領域
DA ダウンリンク領域
UA アップリンク領域
DO ダウンリンク光
UO アップリンク光
B 入射領域
C 車両
Claims (4)
- 光通信用の第1の投受光部と車両感知用の第2の投受光部が組み込まれた投受光器を備えた光ビーコンであって、
前記第1の投受光部は、前記投受光器に対して上流側に偏った位置にあるダウンリンク領域にダウンリンク光を送出する第1の投光部と、車両から送出されるアップリンク光を受光する第1の受光部とを有し、
前記第2の投受光部は、前記ダウンリンク領域の下流側に位置する入射領域に入射光を送出する第2の投光部と、前記入射光の反射光を受光する第2の受光部とを有し、
前記第2の投光部による前記入射光の発光方向が鉛直方向に対して下流側を指向していることを特徴とする光ビーコン。 - 前記第2の受光部による前記反射光の受光方向が鉛直方向に対して下流側を指向している請求項1に記載の光ビーコン。
- 前記第2の投光部と前記第2の受光部とが一体物の取付基板に取り付けられている請求項1又は2に記載の光ビーコン。
- 前記第2の投受光部は、前記第2の投光部による前記入射光の発光方向と前記第2の受光部による前記反射光の受光方向とが平行な状態で、前記第2の投光部と前記第2の受光部が取り付けられた取付基板を、更に有している請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ビーコン。
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