JP5163002B2 - 光ビーコン、及び、光ビーコンにおけるアップリンク領域設定方法 - Google Patents
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Description
具体的には、車両の保持するビーコン間の旅行時間情報等を含むアップリンク情報が車載機からインフラ側の光ビーコンに送信され、逆に、渋滞情報、区間旅行時間情報、事象規制情報及び車線通知情報等を含むダウンリンク情報が光ビーコンから車載機に送信されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
例えば図3に示すように、光ビーコン4の投受光器8は、その直下よりも車両進行方向の上流側に通信領域Aを設定している。この通信領域Aは、アップリンク情報を受信可能なアップリンク領域UA(点線のハッチングで示す範囲)と、ダウンリンク情報を送信するダウンリンク領域DA(実線のハッチングで示す範囲)とからなる。このアップリンク領域UAやダウンリンク領域DAの車両進行方向の寸法や位置は、光ビーコン(光学式車両感知器)の「近赤外線式インタフェース規格」によって所定に規定されている。当該規格によれば、アップリンク領域UAは、ダウンリンク領域DAの車両進行方向の上流部分(図3の右側部分)と重複しており、ダウンリンク領域DAとアップリンク領域UAの上流端は互いに一致にするものとされている。また、ダウンリンク領域DAの車両進行方向長さは通信領域Aの同方向長さと一致するものとされている。
投受光器8の受光部12は、フォトダイオード等の受光素子を備えており、アップリンク領域UAは、この受光素子の受光面を道路に投影した範囲として設定される。このため、道路R上に正確にアップリンク領域UAを設定するためには、受光面の形状や大きさを厳密に設計して受光部を製造しなければならなかった。そのため、受光部の製造が困難となり製造コストが高くなる原因となっていた。
また、受光面の形状や大きさが正確となるように受光部12を製造したとても、投受光器8が道路R上方の所定位置に正確に設置されていなければ、アップリンク領域UAが所定の位置からずれてしまうことになるため、投受光器8を設置するにあたって当該投受光器8の傾きや位置を細かく調整しなければならなかった。
このため、光ビーコンの受光部の製造を容易にし、受光部を道路に設置する際の調整を簡単に行うことができる。
これによって、アップリンク領域外から送信された規定外のアップリンク光が誤って有効なものとして受光され、それによって路車間通信に支障をきたしてしまうようなことを防止することができる。
受光位置認識部が車両進行方向の受光位置を認識可能に構成されていると、車両進行方向におけるアップリンク領域の長さ寸法を正確に設定することが可能となり、安全運転支援を行う場合においては、車載機により正確な距離情報を提供することが可能となる。
また、受光位置認識部が道路幅方向の受光位置を認識可能に構成されていると、アップリンク領域の道路幅方向の寸法を正確に設定することが可能になる。アップリンク領域の道路幅方向の寸法が正確に設定されずに、例えば、アップリンク領域が隣の車線にまではみ出していると、ある車線の車載機からのアップリンク光が隣の車線の投受光器に受光され、この投受光器が送信する車線情報を当該車載機が受信することによって、車載機は、自身が走行している車線を正確に認識することができなくなる可能性がある。したがって、道路幅方向の寸法を正確に設定することで、走行車線の認識精度を高めることができる。
〔システムの全体構成〕
図1は、第一の実施形態に係る路車間通信システムの全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、この路車間通信システムは、インフラ側の交通管制システム1と、道路Rを走行する各車両Cに搭載された車載機2とを備えて構成されている。
交通管制システム1は、管制室に設けられた中央装置3と、道路Rの各所に多数設置された光ビーコン(光学式車両感知器)4と、を有している。光ビーコン4は、近赤外線を通信媒体とした光通信によって車載機2との間で双方向通信を行う。なお、中央装置3は交通管制室に設けられている。
光ビーコン4は、電話回線等の通信回線5を介して中央装置3と接続された通信インタフェースである通信部6と、この通信部6が接続されたビーコン制御機7と、このビーコン制御機7のセンサ用インタフェースに接続された複数(図例では4つ)の投受光器8とを備えている。
図2は、上記光ビーコン4の平面図である。図2に示すように、本実施形態の光ビーコン4は、同じ方向の複数(図例では4つ)の車線R1〜R4を有する道路Rに設置されており、各車線R1〜R4に対応して前記複数の投受光器8が設けられている。
各投受光器8は、道路脇に立設した支柱9から道路R側に水平に架設した架設バー10に取り付けられ、道路Rの各車線R1〜R4の直上に配置されている。
各投受光器8のLED11は、各車線R1〜R4の直下よりも車両進行方向の上流側に向けて近赤外線を発光しており、これにより、車載機2との間で路車間通信を行うための通信領域Aが投受光器8の上流側に設定されている。
図3は、光ビーコン4の通信領域Aを示す側面図である。
図3に示すように、光ビーコン4の通信領域Aは、後述する車載機2の投受光器である車載ヘッド27(図6参照)がダウンリンク情報を受信することができるダウンリンク領域(図3において実線のハッチングを設けた領域)DAと、光ビーコン4の投受光器8が車載ヘッド27からのアップリンク情報を受信(受光)することができるアップリンク領域(図3において破線のハッチングを設けた領域)UAとからなる。
図4(a)は、受光部12と、道路R上に設定されるアップリンク領域UAとの幾何学的な位置関係を示した側面図である。
投受光器8の受光部12は、図4(a)に示すように、投受光器8の内部に配置された基板13上に実装された受光素子14と、この受光素子14に対して所定の間隔をおいて対向配置された集光レンズ15とを備えている。
受光素子14は、フォトダイオードチップ等よりなり、集光レンズ15を通過したアップリンク情報を受光面14aで受光すると、光電変換によってアップリンク情報に含まれる情報を電気信号として出力する。
以下、このような受光素子14の受光面14aとアップリンク領域UAとの関係について詳細に説明する。
まず、受光素子14の詳細な構成について説明する。
図4(b)は、受光素子14の受光面14aを正面視したときの図である。なお、図において、車両進行方向に対応する紙面上下方向をx方向、道路Rの幅方向に対応する紙面左右方向をy方向とする。
受光素子14の受光面14aは、その輪郭形状が矩形とされている。受光素子14は、受光面14aの上端縁14a1及び下端縁14a2に沿ってそれぞれ設けられた第一の出力電極17及び第二の出力電極18と、右端縁14a3及び左端縁14a4に沿ってそれぞれ設けられた第三の出力電極47及び第四の出力電極48とを有している。これら電極17,18、47,48と図示しない受光素子14全体としての共通電極とが、投受光器8に備わった制御部16に対して接続されている。受光素子14は、これら各電極から制御部16に対して、アップリンク情報に含まれる各種情報等を含んだ電気信号を出力する。制御部16は、この電気信号を適宜処理した後にビーコン制御機7に出力する。
なお、図4(b)に示す例では、座標値x1は、基準線Sx上の値が0であり、紙面下方側でプラス、上方側でマイナスの値を採る。また、座標値y1は、基準線Sy上の値が0であり、紙面右方側でプラス、左方側でマイナスの値を採る。
アップリンク領域UAは、投受光器8を道路R上方の所定位置に設置する際に、上記受光素子14の性質(アップリンク情報の受光位置に応じて出力が変化するという性質)を用いて設定される。以下、道路Rに所定範囲のアップリンク領域UAを設定する手順について説明する。
図5(a)は、投受光器8が道路R上に設定するアップリンク領域UAを示す斜視図であり、図5(b)は、受光素子14の受光面14aにおけるアップリンク領域UAに対応する範囲uを示す正面図である。図5(a)において、点線のハッチングを施した領域が、道路Rに設定すべきアップリンク領域UAであり、実線のハッチングを施した領域GAが、受光面14a全体の輪郭形状を道路Rに投影した範囲のうちアップリンク領域UAを除いた領域である。
投受光器8を架設バー10に取り付けた後、作業員が、アップリンク光に相当する光信号を道路R側から投受光器8に向けて発光する。この光信号を発光する位置は、道路R上に設定すべきアップリンク領域UAの端部(境界)位置、例えば、アップリンク領域UAの4隅に相当する位置E1〜E4とする。
また、本実施形態において、道路Rにアップリンク領域UAを設定する際に、アップリンク領域UAの4隅に相当する位置E1〜E4から光信号を発光し、受光部12においてこれらの光信号の受信位置からアップリンク領域UAに対応する受光位置(受光範囲u)を認識しているが、アップリンク領域UAの4隅に加えて、上流端縁、下流端縁、又は左右端縁の1点又は2点以上からも光信号を発光し、受光面14aにおける受光位置を認識してもよい。より多くの点で受光位置を認識させることで、アップリンク領域UAをより正確に設定することができる。
図4(b)に示すように、制御部16から出力される受光位置情報は、ビーコン制御機7において車載機位置情報(アップリンク情報の送信位置情報)を生成するために用いられる。車載機2が、アップリンク領域UA内の位置からアップリンク情報を送信したとすると、この送信されたアップリンク情報は、受光部12の受光面14a上において、幾何学的に定まる位置に照射、受光される。
例えば、図4(a)中の点eから車載機2がアップリンク情報を送信し、この送信したアップリンク情報が、図4(b)中、受光面14a上の破線Qの部分で受光されたとした場合、位置c′から位置eまでの距離D′(図4(a))と、受光面14aにおける、距離D′に対応する距離q2(図4(b))との間には、下記式(1)に示すような関係が成立する。
D′ / L1 = (q2 / Tx)× Z ・・・・(1)
また、距離q2は、座標値x1に基づいて下記式(2)によって求められる。なお、座標値x1は、上述のように、制御部16によって受光位置情報として出力される。
q2 = (1/2)Tx − x1 ・・・・(2)
また、距離D′は、アップリンク領域UAよりも上流側の領域GAの上流端c′から位置eまでの距離であるため、下記式(3)のように当該上流端c′とアップリンク領域UAの上流端cとの間の距離D″を距離D′から差し引いた距離Dを求める。なお、距離D″は、光ビーコン4を設置する際に実測により求めるか、又は、予め設計段階で求めておいた値をビーコン制御機7に記憶させておく。
D = D′− D″ ・・・・(3)
ビーコン制御機7は、上記送信位置としての距離Dに基づいて車載機位置情報を生成し、これを第二のダウンリンク情報に格納して車載機2に送信する。
なお、車載機位置情報は、車両進行方向(図4(b)のx方向)に関するもののみとした。この車載機位置情報は、図3に示すようにアップリンク情報を送信する車載機2の位置Pからその車両進行方向下流側の所定位置P0までの距離認識に用いられるからである。ただし、上記と略同様の演算を行うことによって道路幅方向(y方向)に関する車載機位置を求めることも可能である。
図6は、光ビーコン4と路車間通信する前記車載機2と、この車載機2が搭載された車両Cの概略構成図である。
図6に示すように、この車両Cは、ドライバの搭乗席(図示せず)を有する車体21と、この車体21に搭載された前記車載機2と、車両Cの各部を統合制御する電子制御装置(ECU)22と、車体21を駆動するエンジン23と、車体21を制動するブレーキ装置24と、車両Cの現時の速度を常時検出している速度検出器25とを備えている。ECU22は、ドライバのアクセル操作に基づくエンジン23の駆動制御や、ブレーキ操作に基づく制動制御等、車両Cに対する各種の制御を行う。
上記車載ヘッド27は、光ビーコンの投受光器8と同様に、発光ダイオード(LED)とフォトセンサを備えている(図示せず)。このうち、LEDは、近赤外線よりなるアップリンク情報を発光し、フォトセンサは、通信領域Aに発光された近赤外線よりなるダウンリンク情報を受光する。
また、車載コンピュータ26は、所定の各機能を実行するプログラムを記憶装置に格納しており、このプログラムが実行する機能部として、距離認識部30及び支援制御部32を備えている。なお、これらの各機能部30,32の処理内容については後述する。
図7は、通信領域Aにおいて、投受光器8と車載ヘッド27との間で行われる双方向での路車間通信の手順を示している。以下、図7を参照しつつ、本実施形態の路車間通信の内容を説明する。
まず、光ビーコン4のビーコン制御機7は、各車線R1〜R4に対応する投受光器8から、ダウンリンクの切り替え前の第一情報として、車線通知情報を含む第一のダウンリンク情報34を、各車線R1〜R4のダウンリンク領域DAに所定の送信周期で常に送信し続けている(図7のF1)。なお、この段階では、車線通知情報には未だ車両IDは格納されていない。
この際、車載機2の車載コンピュータ26は、当該車両Cが実際の通信領域A内に存在していることを認識する。その後、車載コンピュータ26は、アップリンク情報35の送信を開始し(図7のF2)、このアップリンク情報35を投受光器8に対して所定の送信周期(アップリンク送信周期)で送信する(図7のF3)。
この支援情報には、光ビーコン4より下流側の信号機の灯色が変わるタイミング情報である信号情報の他、後述する車載機位置情報等が含まれている。
前記規格によれば、第二のダウンリンク情報36は、1〜80個の最小フレーム37で構成することができ、送信可能時間は250msに設定されている。また、このダウンリンク情報36は送信すべき情報量に対応した任意数の最小フレーム37で構成され、上記送信可能時間の範囲内で繰り返し送信される。
車載機2の車載コンピュータ26は、第二のダウンリンク情報36を受信した時点(図7のF7)で光ビーコン4でのダウンリンクの切り替えを認識し、この時点でアップリンク情報35の送信を停止する。
以下、上述の車載機位置情報の内容と、これに基づいて車載機2が行う安全運転支援のための距離認識について説明する。
車載機位置情報は、アップリンク領域UAにおいて車載機2がアップリンク情報を送信した送信位置を示す情報であり、光ビーコン4が車載機2からのアップリンク情報を受光した段階で、ビーコン制御機7によって生成される。
例えば、図3中のアップリンク領域UA内の位置Pに位置する車両C(車載機2)がアップリンク情報(アップリンク光UO)を送信し、光ビーコン4がこれを受光した場合、投受光器8の制御部16(図4(b))は、上述したように、ビーコン制御機7に対して受光位置情報(受光位置の座標値)を出力する。これを受け取ったビーコン制御機7は、アップリンク領域UAにおいて車載機2がアップリンク情報を送信した送信位置である位置Pを、アップリンク領域UAの上流端である位置cを基準とした距離Dとして把握する。
ビーコン制御機7は、算出した前記距離情報を車載機位置情報として、第二のダウンリンク情報に格納して投受光器8に送信させる。
車載機2は、投受光器8から送信された、車載機位置情報を含んだ第二のダウンリンク情報を受信し、車載機位置情報を取得することで、安全運転支援を行う。
図6に示すように、上記車載機位置情報等を含む第二のダウンリンク情報36を車載ヘッド27が受信すると、車載コンピュータ26の距離認識部30は、そのダウンリンク情報36のフレームに含まれている車載機位置情報を取得して、前記距離情報としての距離L3(図3)を認識する。
そして、車載コンピュータ26の支援制御部32は距離L3を利用して、ドライバに対する安全運転支援を行う。
なお、ここで、車両Cに搭載された車載機2は、図3に示すように、道路R上から高さ寸法Hを有している。また、車載機2の車載ヘッド27は、通常ダッシュボード上に固定されるので、車載ヘッド27は車両Cの前方端から寸法D2だけ後方に配置される。このため、これら高さ寸法H、寸法D2によって、上記距離L3に誤差が生じるおそれがあるが、車載コンピュータ26は、これら高さ寸法H、及び寸法D2を予め記憶しておくことで、これら寸法に起因する誤差を補正し、より正確な距離L3を取得することができるように構成されている。
例えば、支援制御部32により、停止線P0までの距離L3をディスプレイ28に表示させてもよい。また、現時の車両Cの走行速度が速すぎる場合には、支援制御部32により、停車や減速を促す注意喚起をディスプレイ28に表示させたり、その注意喚起をスピーカ装置29から音声出力させたりしてもよい。
ここで、信号情報とは、交通信号機が表示する現在又は将来の信号灯色に関する情報を指し、各信号灯色の表示継続予定期間や表示する順序等に関する情報(表示予定情報)等を含む。例えば、「現在灯色が青信号で継続予定時間が5秒であり、次の灯色が黄信号で継続予定時間が8秒であり、その次の灯色が右折青矢印灯で継続予定時間10秒である」といった情報である。
安全運転の支援については、不適切なタイミングや内容でドライバに情報を通知することのないようなヒューマンインタフェースとするため、例えば低速走行時には音声や画像表示による報知を行わないようにすることができる。
また、信号情報は、光ビーコンから取得するものであってもよいし、光ビーコン以外のインフラ装置等から取得するものであってもよい。後者の場合、例えば、信号機の信号制御機が無線通信機を備えている場合には、当該無線通信機から取得してもよいし、前記信号情報を取得した先行車両から車々間通信によって取得してもよい。信号情報を受信する信号情報受信部は、車載ヘッド27を用いてもよいし、車載機2に備えた別の受信器であってもよい。
さらに、本実施形態では、前記車載機位置情報が、前記送信位置からその下流側の停止線P0までの距離L3を距離情報として含んでいるので、車載機2に停止線P0までの正確な距離を認識させることができ、安全運転支援を精度よく行うことができる。
この場合、上記車載機位置情報を受信した車載機2の距離認識部30は、距離L0からDを差し引く演算を行い、この演算により求められる、送信位置(位置P)からその下流側の停止線P0までの距離L3を利用することで、上記と同様にドライバに対する安全運転支援を行うことができる。
図8は、本発明の第二の実施形態の受光部12の受光面14aを正面視した図である。
本実施形態と第一の実施形態と異なる点は、受光面14aのうちの受光範囲u(長さTx′)を、x方向(車両進行方向)に沿って寸法T1ごとに4つの領域19a〜19dに論理的に区分けしたものである。
具体的には、光ビーコン4の設置時、アップリンク領域UAを設定する際に、第一の実施形態において説明したE1〜E4(図5(a))に加えて、アップリンク領域UAの道路幅方向の両端位置であって、アップリンク領域UAを車両進行方向に4等分するような位置から受光部12に向けて光信号を発光する。そして、制御部16によって、これらの光信号を受けた受光面14aの受光位置(図にP1〜P10で示す)の座標値を求めることによって、図8に示すように各位置P1〜P10を結ぶ範囲として受光範囲u及び領域19a〜19dを認識する。
上記のように受光面14aの受光範囲uを4つの領域19a〜19dに区分けしたことに伴い、アップリンク領域UAも、実質的に車両進行方向に4つの分割領域UA1〜UA4に論理的に区分けされている。ビーコン制御機7は、これら分割領域UA1〜UA4のいずれに車両Cが存在しているか否かを特定する。各分割領域UA1〜UA4には、その分割領域に車両Cが存在した場合に、当該車両Cが位置しているとみなされる各位置p1〜p4から停止線P0までのそれぞれの距離L11〜L14が設定され、ビーコン制御機7は、これら距離L0、及び距離L11〜L14を記憶している。
ここで、投受光器8の制御部16からビーコン制御機7に出力される受光位置情報は、基準線Sxを基準とした座標値x1として出力されるが、受光面14a上における基準線Sx上の値が0であり、紙面右方側でプラス、左方側でマイナスの値を採るように出力される。従って、座標値x1の数値範囲は、下記のように定められる。
領域19a : x1 > T1
領域19b : 0< x1 ≦ T1
領域19c : −T1 < x1 ≦ 0
領域19d : x1 ≦ −T1
車両Cが存在する分割領域を特定すると、ビーコン制御機7は、その特定された分割領域に対応する距離を上記距離L11〜L14の中から選択し、車載機位置情報として、第二のダウンリンク情報に格納し、車載機2に送信する。
車載機2は、この車載機位置情報を含んだ第二のダウンリンク情報を受信し、車載機位置情報を取得することで、安全運転支援を行うことができる。
また、アップリンク領域UAを実質的に4つの分割領域UA1〜UA4に区分けしたので、例えば、設置環境等、外的な要因で、受光部12の受光位置情報に誤差が生じやすい場合においても、各分割領域UA1〜UA4、及び領域19a〜19dには、所定の数値幅を有しているので、その誤差を許容し、正確な距離等の情報を車載機2に提供することができる。
なお、本実施形態では、受光面14aを4つの領域19a〜19dに区分けしているが、これに限定されず、2つ、3つ、又は、5つ以上の領域に区分けすることもできる。
図10(a)は、本発明の第三の実施の形態にかかるアップリンク領域UAを示す斜視図であり、図10(b)は、受光素子14の受光面14aの正面視した図である。
本実施形態では、受光面14aにおける受光位置の範囲(受光範囲)uをP1〜P5の5点から定めたものである。具体的には、点P1〜P5は、第一の実施形態で説明したように、アップリンク領域UAの4隅E1〜E4に対応する点P1〜P4と、更に、アップリンク領域UAの上流端の道路幅方向中央に相当する位置E5に対応した点P5からなる。
したがって、本実施形態では、このように領域GAの上流端が変形している場合であっても、アップリンク領域UAの上流端に対応するP1,P2,P5の3点(又はそれ以上)を用いて受光範囲uを認識することで、道路R上に矩形状のアップリンク領域UAを適切に設定することができる。
図11は、本発明の第四の実施形態に係る受光素子14の受光面を正面視した図である。
本実施形態の受光素子14は、車両進行方向に対応するx方向の両端部に出力電極17,18を備え、道路幅方向に対応するy方向の両端部には出力電極を備えていない。したがって、車両進行方向(x方向)についてのアップリンク領域UAの範囲を設定可能となっている。また、道路幅方向については、所定寸法のアップリンク領域UAが設定されるように、受光面14aの同方向の両端分を遮光部材50によってマスクしている。
本実施形態では、車両進行方向についてのアップリンク領域UAを設定するために、同領域UAの上流端の境界線上の1点で発光した光信号を、受光面14aにおける点P1で受光し、アップリンク領域UAの下流端の境界線上の1点で発光した光信号を、受光面における点P2で受光し、制御部16によって各点P1、P2の座標値を求める。そして、点P1及びP2をそれぞれ通るy方向に沿ったラインf1、f2と、各マスク50とで囲まれる四角形の範囲uを受光範囲として認識する。
この場合、停止線P0までの距離を緯度経度から算出することができる。なお、この場合、必要となる下流側の停止線P0の位置を示す緯度経度は、ビーコン制御機7が記憶しておきダウンリンク情報に含めて送信してもよいし、他の無線通信機から別途送信してもよいし、車載機2の車載コンピュータ26が予め記憶しておいてもよい。
4 光ビーコン
7 ビーコン制御機(制御部)
8 投受光器
12 受光部
14a 受光面
A 通信領域
R 道路
UA アップリンク領域
Claims (6)
- 車載機との間で光通信を行う光ビーコンであって、
道路上のアップリンク領域に対応する受光範囲を内部に包含する大きさの受光面を有する受光素子と、
前記受光面におけるアップリンク光の受光位置を認識する受光位置認識部と、
認識された前記受光位置が前記受光範囲内か否かにより、アップリンク光が前記アップリンク領域内の位置から送信されたものであるか否かを判別する判別部と、
を備えていることを特徴とする光ビーコン。 - 前記判別部が、前記アップリンク領域内の位置から送信されたものと判別したアップリンク光を有効なアップリンク光として取得し、それ以外のアップリンク光を無効なアップリンク光として破棄する機能を有している請求項1記載の光ビーコン。
- 前記判別部によって有効と判別されたアップリンク光の送信位置に関する情報を、前記車載機に対して送信する発光部を更に備えている請求項2記載の光ビーコン。
- 前記アップリンク領域が複数の領域に区分けされており、
前記受光面によって受光されたアップリンク光が、前記アップリンク領域における複数の領域のうちのいずれから送信されたものであるかを前記受光面の受光位置に応じて判別する第二判別部と、
前記第二判別部によって判別されたアップリンク光が送信された領域に関する情報を、前記車載機に対して送信する発光部と、を更に備えている請求項2記載の光ビーコン。 - 前記受光位置認識部が、車両進行方向に対応する方向についての受光位置を認識可能に構成されている請求項1〜4のいずれか1つに記載の光ビーコン。
- 前記受光位置認識部が、道路幅方向に対応する方向についての受光位置を認識可能に構成されている請求項1〜5のいずれか1つに記載の光ビーコン。
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