JP2008242914A - 光ビーコン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の光ビーコンは、アップリンク領域を設定すべく、車載機S1からのアップリンク光UOを受光する受光面7a1を有する投受光器を備えている。この受光面7a1の輪郭形状は、アップリンク領域UAの車線幅方向寸法を略一定にするとともにアップリンク領域UAを車線内に設定する形状とされている。
【選択図】 図4
Description
具体的には、車両の保持するビーコン間の旅行時間情報等のアップリンク情報を含んだアップリンク光が車載機からインフラ側の光ビーコンに送信され、逆に、渋滞情報、区間旅行時間情報、事象規制情報及び車線通知情報等のダウンリンク情報を含んだダウンリンク光が光ビーコンから車載機に送信されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
光ビーコンの投受光器は、図6に示すように、その直下よりも車両進行方向上流側寄りに、アップリンク領域UA(図中破線のハッチング部分)と、ダウンリンク領域DA(図中実線のハッチング部分)とからなる通信領域Tを設定している。光ビーコン(光学式車両感知器)の「近赤外線式インタフェース規格」によれば、アップリンク領域UAは、ダウンリンク領域DAの車両進行方向の上流部分と重複しており、ダウンリンク領域DAとアップリンク領域UAの上流端は互いに一致するものとされている。従って、ダウンリンク領域DAの車両進行方向長さは通信領域T全体の同方向長さと一致する。
ある車線のダウンリンク領域を車両が通過すると、その車両に搭載された車載機の投受光器(車載ヘッド)が第一のダウンリンク情報を含んだダウンリンク光を受信し、当該車載機は、自己の車両IDを格納した車線通知情報等からなるアップリンク情報を含んだアップリンク光の送信を開始する。
上記のような現象は、例えば、図16に示すように、各投受光器が設定するアップリンク領域UA(図中実線のハッチング部分)が隣接する車線に逸脱して設定されている場合に起こりうる。
すなわち、光ビーコンの投受光器の受光部分は、図5(a)に示すように、投受光器2の内部に配置された受光素子7と、この受光素子の受光面に対向して配置された集光レンズ8とによって構成されており、アップリンク領域はこの受光素子7の受光面の輪郭形状を道路上に投影するように設定される。また、投受光器2は、当該投受光器2よりもより道路R上上流側にアップリンク領域を設定するために、受光素子7は、所定の角度で傾けた状態で、上流側に向かって斜め下方向に向けて配置されている。
道路R上に投影されるアップリンク領域の輪郭形状は、受光素子7の受光面の形状に依存するため、受光素子7として一般的に用いられる受光面が矩形形状のものを採用した場合、アップリンク領域の輪郭形状は、上流端側の辺が下流端側の辺よりも大きく発散するように変形する。このため、下流端側を道路幅に一致するようにアップリンク領域を設定すると、図16に示すように、アップリンク領域の上流端側が隣接する車線に逸脱した状態となり、当該投受光器が配置されている車線を走行している車両の車載機からのアップリンク光のみならず、隣接する車線を走行している車両の車載機からのアップリンク光を受信してしまう場合があった。
そして、この場合、第二のダウンリンク情報内の車線通知情報には、異なる車線番号が対応付けられた2つの当該車両の車両IDが存在しているので、これを受信した車載機は、車線通知情報内の自身の車両IDを確認することはできるが、自身が走行している車線を認識することができない。
例えば、自動運転もしくは運転支援を行う車両が交差点を右折しようとする場合、自車が直進車線を走行しているのであれば、安全に右折車線に車線変更するように制御したり、ドライバに対して隣接する右折車線に車線変更するように促したりする必要があるが、走行する車線を正確に把握できない場合には、車両を正しく誘導することができなくなり、適切な制御を行えなくなる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、受光したアップリンク光を送信した車載機の位置する車線をより確実に認識することができる光ビーコンを提供することを目的とする。
これにより、投受光器が設定対象とされる車線に隣接する車線に位置する車載機から送信されるアップリンク光を受光してしまうのを防止することができ、アップリンク光を送信した車載機の位置する車線をより確実に認識することができる。
なお、上述の「アップリンク領域の車線幅方向寸法が略一定」である状態とは、車線に設定されたアップリンク領域が隣接する車線に逸脱しない程度(例えば、センターラインの幅寸法等)の誤差を含んで一定であるとともに、車両進行方向においてどの場所でも全く同一である場合に限定されない状態をいう。
すなわち、前記受光面の輪郭形状は、上底が前記アップリンク領域の車両進行方向上流端に対応するとともに、前記上底よりも長い下底が前記アップリンク領域の車両進行方向下流端に対応する略台形形状とすることが好ましく、このようにすることで、発散するアップリンク領域の上流端の幅寸法を車線内に収まるように限定することができ、当該アップリンク領域の車線幅方向寸法を略一定にすることができる。この結果、アップリンク領域を、当該光ビーコンの投受光器が配置される設定対象である道路上の車線内から、より確実に逸脱しないように設定することができる。
なお、上述の「略台形形状」とは、当該受光面により設定されるアップリンク領域が、隣接する車線に逸脱しない程度の誤差を含むことを許容する程度の台形形状である状態をいう。
この場合、複数の受光素子の内からアップリンク情報を受信させる受光素子を適宜選択することによって、受光面の実質的な幅寸法を調整し、アップリンク領域の幅方向寸法を、投受光器が設置される道路の幅寸法に応じて調整し設定することができる。
車線の幅は、地域や道路によって異なる場合があるため、このように容易にアップリンク領域の幅方向寸法を調整できれば大変有用である。
この場合、アップリンク領域を、複数の受光素子ごとに設定される車両進行方向に並ぶ複数領域により構成することができる。すなわち、アップリンク領域を車両進行方向に細分化し、どの受光素子で車載機からのアップリンク情報を受信したかを特定することで、アップリンク領域内における、アップリンク光を受信したときの車両の位置を正確に特定することができる。
〔光ビーコンの構成〕
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1(a)は、本発明の第一の実施形態の光ビーコンの全体構成を示す図である。本実施形態の光ビーコン1は、道路Rを走行する車両Sに搭載された車載機S1との間で光信号による双方向通信を行うものである。図において、光ビーコン1は、道路Rの各車線R1〜R4の上方にそれぞれに配置され車両Sに搭載された車載機S1と通信を行うための複数の投受光器2と、これら投受光器2を制御するためのビーコン制御機3とを備えている。
投受光器2は、支柱30から道路R側に水平に架設した架設バー31に固定され、道路Rの各車線R1〜R4の直上に配置されている。
図1(b)は、投受光器2を側面視したときの外観図であり、図2は、その内部を示す斜視図である。なお、図2では、図1(b)中の投受光器2の外側を覆う筐体2aを外し、その下面2b側から見た投受光器2内部の外観を斜視図として示している。投受光器2は、筐体2aの上面が架設バー31に固定されることで、道路Rの直上に配置されている。投受光器2は、筐体2aの内部に、多数の発光ダイオード(LED)4aを配列してなる発光部4と、車載機S1から発光されるアップリンク情報を含んだ近赤外線からなる光信号であるアップリンク光UOを受光する受光部5とが実装された基板6を備えている。
発光部4に隣接して基板6に実装されている受光部5は、図5(a)に示すように、基板6上に固定された受光素子7と、この受光素子7に対して所定の寸法をおいて対向配置された集光レンズ8とを備えている。集光レンズ8は、その焦点FPが、当該集光レンズ8の斜め下方側に位置するように設定されている。また、集光レンズ8は、車載機S1からのアップリンク光UOが通過すると、そのアップリンク光UOを受光素子7に対して直交して照射するように屈折させる。受光素子7は、フォトダイオードチップ等よりなり、集光レンズ8を通過したアップリンク光UOを受光面7a1で受光すると光電変換によって、アップリンク光UOに対応した電気信号を出力する。
上記構成の発光部4及び受光部5は、後述するように、車載機S1がダウンリンク光UOを受光可能なダウンリンク領域DA(図6)、及び車載機S1からのアップリンク光UOを受光可能なアップリンク領域UA(図6)を投受光器2よりも道路Rの車両進行方向上流側に設定する。
なお、制御部21は、受光部5からの電気信号を整形してビーコン制御機3に出力し、ビーコン制御機3がアップリンク情報を取得するようにしても良い。例えば、受光部5が複数に分割されているような場合であれば、制御部21はこれらからの電気信号を合成する処理をおこなった後、ビーコン制御機3に出力するようにしても良い。この場合、制御部21は、複数の受光部5のうちどの受光部で受信したのかに関する情報等を電気信号と共にビーコン制御機3に出力するようにしても良い。
次に、受光部5の構成について詳述する。図4(a)は、図2に示す受光部5から集光レンズ8を外して受光素子7を露出させた状態を示した図であり、図4(b)は、(a)の状態の受光部5(受光素子7)を正面視したときの模式図である。なお、図4(b)では、図1(b)中の矢印Mから正面視したときの状態を示している。受光素子7は、輪郭形状が略台形形状とされた受光面7a1を有している。図のように受光素子7の上面7aには、円盤状のカバー9が固定されている。このカバー9には、図4(b)に示すような輪郭形状が略台形形状とされた孔部9aが形成されている。受光素子7は、上面7aにおいて受光により信号を出力する能力を備えているが、カバー9は、矩形形状である受光素子7の上面7aの一部を覆うことで、集光レンズ8に対して、上面7aの内、孔部9aの部分のみを露出させ、アップリンク光が受光可能な範囲を制限することで、受光面7a1を構成している。なお、この受光面7a1は、集光レンズ8を通じて正面視したときに、当該集光レンズ8の有効径内に収まるように設定されている。
集光レンズ8は、上述のように、焦点FPが、当該集光レンズ8の斜め下方側に位置するように設定されており、車載機S1からのアップリンク光UOが透過すると、そのアップリンク光UOを受光素子7に対して直交して照射するように屈折させる。すなわち、受光素子7がアップリンク光UOを受光することができるアップリンク領域UAは、受光素子7の受光面7a1の輪郭形状を道路R上に、上下、左右両方向を180°反転させた形状で投影するように設定される。つまり、図4(b)において、受光面7a1の上端縁7a2が、アップリンク領域UAの下流端UA2(図5(b))に対応するとともに、下端縁7a3が、アップリンク領域UAの上流端UA1(図5(b))に対応することとなる。
また、受光素子7は、図5(a)のように、集光レンズ8の焦点軸FLに対して、所定寸法だけ下方向にオフセットさせて配置されている。このため、アップリンク領域UAを、より投受光器2の上流側寄りに設定させ易くなる。
図6は、本実施形態の光ビーコン1の投受光器2が、道路R上に設定する通信領域を示す斜視図である。投受光器2は、発光部4及び受光部5によって、道路R上の車両と通信可能な領域である、通信領域Tを、投受光器2の直下よりも車両進行方向の上流側寄りに設定する。
この通信領域Tは、発光部4から送出されるダウンリンク光UOによって定まるダウンリンク領域DA(図中実線のハッチング部分)と、受光部5が車載機S1からのアップリンク光UOを受光可能に設定されるアップリンク領域UA(図中破線のハッチング部分)とによって構成されている。
光ビーコン(光学式車両感知器)の「近赤外線式インタフェース規格」によれば、アップリンク領域UAは、ダウンリンク領域DAの車両進行方向の上流部分と重複しており、ダウンリンク領域DAとアップリンク領域UAの上流端は互いに一致するものと規定されている。従って、ダウンリンク領域DAの車両進行方向長さは通信領域T全体の同方向長さと一致するように設定される。
例えば、焦点軸FLが道路Rに対して直交するように設定されていれば、アップリンク領域UAは、受光面7a1の輪郭形状の相似形状で設定されるが、上記のように、焦点軸FLが道路Rに対して下流側に傾斜して設定されていると、アップリンク領域UAは、上流端が下流端に比べて発散するような形状に、受光面7a1の輪郭形状を変形させた形状で設定される。
これに対して、本実施形態では、投受光器2が備える受光素子7の受光面7a1の輪郭形状を、アップリンク領域UAの車線幅方向寸法を略一定にするとともにアップリンク領域UAを車線内に設定しうる形状として上述の台形形状としたので、アップリンク領域UA(図7中実線のハッチング部分)の輪郭形状を、隣接する車線に逸脱しないように設定することができる。
従って、光ビーコン1は、投受光器2が設定対象とされる車線に隣接する車線に位置する車両の車載機S1から送信されるアップリンク光UOを受光してしまうのを防止することができ、アップリンク光UOを送信した車載機S1は自身を搭載する車両の位置する車線をより確実に認識することができる。
次に、投受光器2の有する受光素子7の受光面7a1と、アップリンク領域UAとの幾何学的な関係について検証する。
まず、受光部5を側面視したときの受光面7a1と、アップリンク領域UAの投影角度との関係について、図5を参照して説明する。
図5(a)において、焦点軸FLに対して、受光面7a1の下端縁7a3と対称な辺40を仮想的に設定する。そして、受光面7a1の縦方向の幅寸法である、下端縁7a3と上端縁7a2との幅寸法をA、上端縁7a2と辺40との幅寸法をaとしたとき、アップリンク領域UAを投影する上流辺D2と、焦点軸FLとの成す角度αは、下記の式(1)により示される。
また、アップリンク領域UAを投影する下流辺D1と、焦点軸FLとの成す角度βは、下記の式(2)により示される。
なお、式(1)、(2)中、Fは、集光レンズ8の焦点距離である。
図8は、上端縁7a2に対応する、アップリンク領域UAの下流端UA2と、集光レンズ8の焦点FPとの関係を示す図である。図において、道路Rを直交するとともに下流端UA2を構成する辺ua2の両端点ua21とua22との間の幅寸法をR1、下流辺D1と、焦点FP及び端点ua21(端点ua22)を通過する辺ua23(ua24)とが成す角度をγとすると、これらの関係は、下記式(15)で示される。
図9(a)において、辺ua23は、受光素子7の受光面7a1の上端縁7a2の一端を集光レンズ8上に投影した端点g1と、焦点FPとを通過する直線で表され、下流辺D1は、上端縁7a2の中点を集光レンズ8上に投影した中点g2と、焦点FPとを通過する直線で表される。そして、図9(a)〜(c)によれば、これら辺ua23と、下流辺D1とが成す角度がγであり、tanγは、焦点FPと中点g2との間の寸法を、端点g1と中点g2との間の寸法で除した値となる。
そこでまず、焦点FPと中点g2との間の寸法を求める。図9(b)を参照して、端点g1と焦点軸FLとの寸法g3は、下記式(16)で示されるので、焦点FPと中点g2との間の寸法は、下記式(17)で示される。
ここで、図11(b)を参照して、端点j1と焦点軸FLとの寸法j3は、下記式(21)で表される。また、下端縁7a3の幅寸法をB2とすると、tanδは、上記式(15)〜(18)と同様にして求めることで、下記式(22)のように表され、上記式(20)に式(22)を代入すると、下記式(23)のように示され、アップリンク領域UAの上流端UA1の幅方向寸法R2と、下端縁7a3の幅寸法B2との関係を得ることができる。
従って、アップリンク領域UAにおける、下流端UA2の幅方向寸法R1、及び、上流端UA1の幅方向寸法R2は、式(19)、式(23)、式(11)〜(14)より、焦点FPの道路Rからの高さ寸法H、寸法L1、寸法L2、集光レンズ8の焦点距離F、受光素子7の上端縁7a2の幅寸法B1、及び下端縁7a3の幅寸法B2とにより表すことができ、受光素子7の受光面7a1の幅寸法B1、B2と、アップリンク領域UAの幅方向寸法R1、R2との関係を把握することができる。
また、投受光器2のアップリンク領域UAの車両進行方向の長さ寸法である寸法L2は、1.6m、通信領域Tの車両進行方向の長さ寸法t1は、3.7mと規定されており、通信領域Tの下流端T1とアップリンク領域UAの下流端UA2との間の寸法t2は、2.1mである。また、通信領域Tの下流端T1と、投受光器2の道路R上直下の位置である点Oとの車両進行方向の長さ寸法t3は、1.3mと規定されており、寸法L1は、3.4mと定まる。
また、この光ビーコン1の設置対象となる道路Rの幅寸法rは、3.5m、もしくは3.0mである。
また、上端縁7a2の幅寸法B1に対する、下端縁7a3の幅寸法B2の比率は、上記算出結果から、0.85〜0.9に設定された台形形状とすることが好ましい。
受光素子7の受光面7a1の輪郭形状を上記の数値範囲に設定された台形形状とすることで、アップリンク領域UAを、隣接する車線に逸脱しないように設定することができる。
また、図12(b)に示すように、受光素子7の形状自体が所定の台形形状に形成され、受光面7a1においても所定の台形形状とされたものを用いてもよい。この場合、カバーやマスキング等を行うことなく、受光面7a1の輪郭形状を所定の台形形状とすることができる。
図13(a)は、本発明の第二の実施形態の光ビーコン1の投受光器2が備える受光素子7を示す模式図である。
本実施形態と第一の実施形態と異なる点は、受光素子7が、実質的に2つの独立した受光素子により構成されている点である。
これら両素子7d,7eは、それぞれ第一アンプ10及び第二アンプ11を介して制御部21に接続されており、それぞれ独立して信号を制御部21に出力するように構成されている。従って、両素子7d,7eの内、いずれか一方のみを動作させるように制御することも可能であるし、基板6に実装する段階であらかじめ制御部21に接続せず動作させないようにすることもできる。
なお、両素子7d,7eは、互いにその受光面7d1,7e1の面積が異なるので、制御部21へ出力される信号出力の特性が異なるが、制御部21によって、それぞれの受光面7d1,7e1の面積に応じて出力ゲインを調整し、補正することで誤差を生じさせることなくアップリンク光UOを受光できるようにされている。
一方、第一素子7dのみを動作させた場合には、この第一素子7dのみで投受光器2の受光面を構成するが、両素子7d,7eを動作させた場合と比較して、投受光器2としての受光面の幅寸法を第二素子7eの幅寸法だけ小さくすることができ、この場合、図中の寸法B4が、上端縁7a2の長さ寸法となり、アップリンク領域UAの道路幅方向寸法R1(R2)を小さくすることができる。
なお、動作させる素子を選択する方法としては、上述したように、制御部21の制御によることもできるし、基板6に実装する際に、動作させない素子はあらかじめ制御部21と接続しないといった方法を採ることができる。
この場合、上記実施形態と比べて、よりアップリンク領域UAの幅寸法をより細かく調整できるとともに、第二素子7eと第三素子7fの両者を双方とも、非動作状態とした場合には、前素子7d〜7fを動作させる場合の全受光面の中心がずれるのを防止できる。
図14は、本発明の第三実施形態の光ビーコン1の投受光器2が備える受光素子7を示す模式図である。
本実施形態と第二の実施形態との異なる点は、受光素子7が、実質的に4つの独立した受光素子により構成されており、これらが上下方向に並べて配置されている点である。
また、これら各素子7g〜7jは、それぞれ上下方向に、下端縁7a3と上端縁7a2との幅寸法Aを等分するように配置されており、それぞれの受光面7g1〜7j1を組み合わせた状態で、その輪郭形状が台形形状の受光面を構成している。
これら各素子7g〜7jは、上下方向にそれぞれ第一アンプ10〜第四アンプ13を介して制御部21に接続されており、それぞれ独立して信号を制御部21に出力するように構成されている。
図15は、本実施形態によるアップリンク領域UAの態様を示す側面図である。図において、本実施形態のアップリンク領域UAは、車両進行方向に沿って第一領域51〜第四領域54に区分けされ細分化された状態で設定されている。これら各領域51〜54は、それぞれ、各素子7g〜7jに対応しており、対応する各素子7g〜7jによって各領域51〜54が独立して設定されている。
このため、本実施形態において、各素子7g〜7jは、それぞれ個別的に車両Sからのアップリンク光UOを受光可能であり、どの素子が最初にアップリンク光UOを受光したかを特定することで、アップリンク領域UA内における、アップリンク光UOを最初に受光したときの車両Sの位置を正確に特定することができる。
このように、車両の走行する車線の番号と並んで車両の進行方向における位置(例えば停止線までの距離)をも正確に車両側に認識させることで、車両の安全運転支援をより適切に行うことができるようになる。
例えば、車両の走行車線と位置の情報に加えて、車載機S1が青信号の残り表示時間に関する情報をインフラ側から受信できていれば、現在の走行状態で青信号表示中に停止線を安全に通過できるのか、あるいは停止する必要があるのかを正確に認識することができるようになる。
直進車線走行中の車両が右折を予定している場合、車線変更のために減速して車線変更を行った後、停止線に到着するまでの所要時間を正確に知る必要があるが、本発明によれば、車両の走行車線と停止線までの距離を正確に把握できているから、停止線に到着するまでの所要時間を精度良く算出することが可能となる。
また、上記各実施形態では、投受光器の受光面の輪郭形状を台形形状とするために、受光素子の一部をカバー、あるいはマスキングしたり、あるいは受光素子自体の形状を台形形状としたが、これらに限定されるものではなく、例えば、筐体側に受光素子の受光面を制限するための部材等を設ける等、実質的な投受光器の受光面を所定の台形形状にできるものであれば、いかなる方法を採ってもよい。
また、上記実施形態では、受光素子を複数の素子によって構成した場合において、各素子の信号出力を当該素子の面積に応じて、出力ゲインを調整し、補正することで、適切にアップリンク光UOを受光できるように構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、各素子の出力を実測することで出力特性を把握し、この把握された出力特性に基づいて、各素子の出力ゲインを適宜調整し、補正することもできる。
2 投受光器
7a1 受光面
7a2 上端縁(下底)
7a3 下端縁(上底)
7d1 受光面
7e1 受光面
7g1 受光面
7h1 受光面
7i1 受光面
7j1 受光面
R 道路
S1 車載機
UO アップリンク光
UA アップリンク領域
Claims (7)
- 車載機からのアップリンク光を受光する受光面を有し、この受光面の輪郭形状を道路上に投影するようにアップリンク領域を道路の車線上の所定範囲に設定する投受光器を備えた路車間通信用の光ビーコンであって、
前記受光面の輪郭形状は、前記アップリンク領域の車線幅方向寸法を略一定にするとともに前記アップリンク領域を前記車線内に設定する形状とされていることを特徴とする光ビーコン。 - 前記受光面の輪郭形状は、略台形形状とされている請求項1に記載の光ビーコン。
- 前記受光面の輪郭形状は、上底が前記アップリンク領域の車両進行方向上流端に対応するとともに、前記上底よりも長い下底が前記アップリンク領域の車両進行方向下流端に対応する略台形形状である請求項2に記載の光ビーコン。
- 前記投受光器は、前記受光面の輪郭形状が略台形形状となるようにマスキングされている受光素子を有している請求項2又は3に記載の光ビーコン。
- 前記投受光器は、略台形形状に形成された受光素子を有している請求項2〜4のいずれか一項に記載の光ビーコン。
- 前記投受光器の受光面は、前記アップリンク領域を道路幅方向に沿って複数領域に区分け可能に配置された複数の受光素子により構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ビーコン。
- 前記投受光器の受光面は、前記アップリンク領域を車両進行方向に沿って複数領域に区分け可能に配置された複数の受光素子により構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ビーコン。
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