JP2009084706A - 発泡壁紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】発泡剤含有樹脂層に無機フィラーとして重質炭酸カルシウムを大量に配合する場合であって、電子線照射及び加熱発泡によって発泡樹脂層を形成する場合であっても、重質炭酸カルシウムの変色による意匠性低下が抑制された発泡壁紙を提供する。
【解決手段】紙質基材上に発泡樹脂層及び非発泡樹脂層Aを順に有する発泡壁紙であって、
(1)前記発泡樹脂層は、発泡剤含有樹脂層に電子線を照射することにより樹脂架橋後、加熱発泡させることにより得られ、
(2)前記発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分100重量部に対して重質炭酸カルシウムを80重量部以上含有し、
(3)前記非発泡樹脂層Aは、二酸化チタンを含有する、
ことを特徴とする発泡壁紙。
【選択図】なし

Description

本発明は、壁面の装飾に有用な、発泡壁紙に関する。
従来、発泡壁紙(発泡化粧シート)としては、紙質基材(裏打紙)に塩化ビニル樹脂の発泡樹脂層を形成したものが知られている。近年では、環境に配慮して、発泡樹脂層にはエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、アクリル樹脂、オレフィン系樹脂などの、ハロゲンを含有しない樹脂が用いられてきている(特許文献1〜3等)。
発泡壁紙の層構成としては、紙質基材上に接着剤層(非発泡樹脂層B)を介して発泡樹脂層を設け、更に発泡樹脂層を保護するとともに表面強度を高めるために非発泡樹脂層Aを設ける構成が一般的である。
発泡樹脂層は、一般に熱分解型発泡剤を含有する発泡剤含有樹脂層を形成後、当該層を加熱発泡させることにより得られる。近年、発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分の量を減らすために無機フィラーを大量に配合する場合が多く、無機フィラーとしては、安価な重質炭酸カルシウムが多用されている。
しかしながら、無機フィラーとしての重質炭酸カルシウムを大量に配合する場合には、次のような問題が生じる。つまり、発泡樹脂層の強度を確保するために、一旦発泡剤含有樹脂層に電子線を照射して樹脂架橋させた後に加熱発泡させることが多いが、この電子線照射によって重質炭酸カルシウムが変色するという問題がある。この場合、発泡樹脂層が変色するために結果的に発泡壁紙の白度が低下して意匠性が損なわれる。
従って、発泡剤含有樹脂層に無機フィラーとして重質炭酸カルシウムを大量に配合する場合であって、電子線照射及び加熱発泡によって発泡樹脂層を形成する場合であっても、重質炭酸カルシウムの変色による意匠性低下が抑制された発泡壁紙の開発が望まれている。
特開平6−47875号公報 特開2000−255011号公報 特開2001−347611号公報
本発明は、発泡剤含有樹脂層に無機フィラーとして重質炭酸カルシウムを大量に配合する場合であって、電子線照射及び加熱発泡によって発泡樹脂層を形成する場合であっても、重質炭酸カルシウムの変色による意匠性低下が抑制された発泡壁紙を提供することを主な目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、発泡樹脂層に積層される非発泡樹脂層Aに特定の無機粒子を配合する場合には、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の発泡壁紙に関する。
1.紙質基材上に発泡樹脂層及び非発泡樹脂層Aを順に有する発泡壁紙であって、
(1)前記発泡樹脂層は、発泡剤含有樹脂層に電子線を照射することにより樹脂架橋後、加熱発泡させることにより得られ、
(2)前記発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分100重量部に対して重質炭酸カルシウムを80重量部以上含有し、
(3)前記非発泡樹脂層Aは、二酸化チタンを含有する、
ことを特徴とする発泡壁紙。
2.前記非発泡樹脂層Aは、樹脂成分100重量部に対して二酸化チタンを5〜60重量部含有する、上記項1に記載の発泡壁紙。
3.前記紙質基材と前記発泡樹脂層との間に更に非発泡樹脂層Bが形成されている、上記項1又は2に記載の発泡壁紙。
4.最表面層の上からエンボス加工が施されている、上記項1〜3のいずれかに記載の発泡壁紙。

以下、本発明の発泡壁紙について詳細に説明する。
本発明の発泡壁紙は、紙質基材上に発泡樹脂層及び非発泡樹脂層Aを順に有する発泡壁紙であって、
(1)前記発泡樹脂層は、発泡剤含有樹脂層に電子線を照射することにより樹脂架橋後、加熱発泡させることにより得られ、
(2)前記発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分100重量部に対して重質炭酸カルシウムを80重量部以上含有し、
(3)前記非発泡樹脂層Aは、二酸化チタンを含有する、ことを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の発泡壁紙は、非発泡樹脂層Aに二酸化チタンが含まれている。二酸化チタンは電子線照射によって実質的に変色しないため、発泡剤含有樹脂層に含まれる重質炭酸カルシウムが電子線照射によって変色しても、当該変色を隠蔽することができるため、発泡壁紙の意匠性の低下が抑制されている。二酸化チタンは隠蔽性が良好であるため、発泡剤含有樹脂層に樹脂成分100重量部に対して80重量部以上の重質炭酸カルシウムを高充填した場合でも、十分に変色を隠蔽することができる。
以下、各要件に分けて説明する。
紙質基材
紙質基材の材質は、壁紙基材として適した機械強度、耐熱性等を有する限り特に限定されず、繊維質シートが一般に使用できる。
具体的には、繊維質シートの中でも、難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙などが挙げられる。
紙質基材の坪量は限定的ではないが、50〜300g/m程度が好ましく、50〜80g/m程度がより好ましい。
非発泡樹脂層B
本発明では、必要に応じて紙質基材と発泡樹脂層との間に非発泡樹脂層(非発泡樹脂層B)が形成されていてもよい。特に、非発泡樹脂層Bが接着剤層として形成される場合は、優れた密着性を得ることができる。非発泡樹脂層Bとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等を好適に用いることができる。
非発泡樹脂層Bは樹脂成分以外に公知の添加剤を含んでもよいが、樹脂成分の含有量が70〜100重量%となるように配合することが好ましい。
非発泡樹脂層Bの厚みは限定的ではないが、10〜50μm程度が好ましく、特に10〜20μm程度がより好ましい。
発泡樹脂層
発泡樹脂層は、発泡剤含有樹脂層に電子線を照射することにより樹脂架橋後、当該層を加熱発泡させることにより形成される。
発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分としては限定的ではないが、水素結合が含まれないようなモノマーの組み合わせから得られる樹脂を用いることが好ましい。例えば、エチレンとOH基又はCOOH基を有しないモノマーとの組み合わせから得られるエチレン共重合体樹脂を好適に用いることができる。かかる見地より、前記エチレン共重合樹脂としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(以下「EVA」と略記する)、エチレン−メチルメタクリレート(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート(EEA)、エチレン−メチルアクリレート(EMA)等を用いることができる。特に、樹脂成分としてEVA樹脂を含む樹脂組成物により形成されていることが望ましい。
樹脂成分としてEVA樹脂を用いる場合、EVA樹脂の酢酸ビニル含有量(共重合比率)は限定的ではないが、特に5〜30重量%程度であることが好ましく、10〜20重量%程度がより好ましい。
樹脂成分のメルトフローレート値(MFR)は特に限定されないが、5〜75g/10分程度が好ましく、10〜30g/10分程度がより好ましい。
なお、本明細書のMFRは、JIS K 7210(熱可塑性プラスチックの流れ試験方法)記載の試験方法により測定した値である。試験条件は、JIS K 6760記載の「190℃、21.18N(2.16kgf)」を採用したものである。
本発明では、発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分100重量部に対して重質炭酸カルシウムを80重量部以上(好ましくは80〜120重量部)含有する。ここで、重質炭酸カルシウムは無機フィラーであり樹脂成分に配合することにより樹脂成分の使用量を相対的に抑制する役割を有する。本発明では、必要に応じて他の無機フィラーを更に配合することもできる。例えば、二酸化チタン、タルク、軽質炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。
この中でも、二酸化チタンを配合する場合には、発泡剤含有樹脂層の電子線照射による変色を隠蔽により緩和することができる点で好ましい。この場合、樹脂成分100重量部に対して二酸化チタンは0〜40重量部、好ましくは5〜20重量部程度配合することが好ましい。
熱分解型発泡剤としては公知の発泡剤から選択することができる。例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等のアゾ系;オキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のビドラジド系などが挙げられる。熱分解型発泡剤の含有量は、発泡剤の種類、発泡倍率等に応じて適宜設定できる。発泡倍率の観点からは、1.5倍以上、好ましくは3〜7倍程度であり、熱分解型発泡剤は、樹脂成分100重量部に対して、1〜20重量部程度とすることが好ましい。発泡樹脂層の発泡状態(例えば、発泡セルの大きさ、発泡セル密度等)は限定されず、発泡壁紙の種類、用途等に応じて適宜設計することができる。
発泡剤含有樹脂層は、本発明の効果を妨げない範囲で公知の添加剤を含んでも良い。例えば、発泡助剤や顔料などが挙げられる。発泡助剤としては、例えばステアリン酸亜鉛等の金属石鹸等を使用することができる。発泡助剤の含有量は、樹脂成分100重量部に対して、0.3〜10重量部程度が好ましく、1〜5重量部程度がより好ましい。
発泡剤含有樹脂層は、電子線照射により樹脂架橋後、加熱発泡させることにより発泡樹脂層となる。電子線照射及び加熱発泡の手順については、後記の製造方法に記載された方法に従って実施すれば良い。
非発泡樹脂層A
発泡樹脂層のおもて面には、更に非発泡樹脂層Aを形成してもよい。
非発泡樹脂層(非発泡樹脂層A)は、主として発泡樹脂層を保護するものである。非発泡樹脂層Aに含まれる樹脂成分としては限定的ではなく、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、エチレン−メチルメタクリレート(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート(EEA)、エチレン−メチルアクリレート(EMA)等が使用できる。
本発明では、上記の中でも、アクリル酸(CH=CHCOOH)及びメタクリル酸(CH=C(CH)COOH)の少なくとも1種をモノマーとして得られる重合体を樹脂成分として含む樹脂組成物により形成された層を非発泡樹脂層とすることが好ましい。
前記樹脂成分としては、例えば、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種のモノマーとエチレンとの組み合わせにより得られる共重合体を樹脂成分として好適に用いることができる。より具体的には、EMAA、エチレン−アクリル酸共重合体及びアイオノマー樹脂の少なくとも1種を用いることが望ましい。アイオノマー樹脂としては、EMAA及び/又はエチレン−アクリル酸共重合体の分子間をナトリウム、亜鉛等の金属のイオンで分子間結合した構造を有する樹脂が使用できる。このような樹脂成分を用いる場合には、特に樹脂中の水素結合等に起因する強固な層を形成することができるので、優れた耐スクラッチ性、耐摩耗性等を得ることができる。これらは、公知又は市販のものを使用することができる。
前記共重合体におけるアクリル酸又はメタクリル酸の含有量は限定的ではないが、15重量%以下が好ましく、4〜15重量%程度がより好ましい。このような樹脂も市販品を使用することができる。
本発明では、非発泡樹脂層Aに二酸化チタンを配合する。二酸化チタンは電子線照射によって実質的に変色しないため、発泡剤含有樹脂層の電子線照射による変色を効果的に隠蔽できる。二酸化チタンの配合量は発泡剤含有樹脂層の変色を十分に隠蔽できて発泡壁紙の意匠性を確保できる量であれば良く、樹脂成分100重量部に対して5〜60重量部が好ましく、10〜40重量部がより好ましい。
非発泡樹脂層の厚みは限定的ではないが、10〜50μm程度が好ましく、特に10〜20μm程度がより好ましい。
前記樹脂成分のメルトフローレート値は、用いる樹脂成分の種類等によるが、一般に10g/10分以上の範囲内で適宜設定すれば良い。通常は10〜100g/10分、特に10〜95g/10分、さらに20〜80g/10分の範囲にあることが好ましい。このような数値範囲のものを使用することにより、より優れた耐スクラッチ性、耐摩耗性等を得ることができる。
絵柄模様層
本発明では、非発泡樹脂層Aのおもて面に必要に応じて絵柄模様層を有してもよい。
絵柄模様層は、発泡壁紙に意匠性を付与する。絵柄模様としては、例えば木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。絵柄模様は、発泡壁紙の種類に応じて選択できる。
絵柄模様層は、例えば、非発泡樹脂層Aのおもて面に絵柄模様を印刷することで形成できる。なお、絵柄模様層を形成する際には、必要に応じて予めプライマー層を形成しても良い。印刷手法としては、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、結着材樹脂、溶剤(又は分散媒)を含む印刷インキが使用できる。これらのインキは公知又は市販のものを使用しても良い。
着色剤としては、公知の顔料又は染料を適宜使用することができる。
結着材樹脂は、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。
絵柄模様層の厚みは、絵柄模様の種類より異なるが、一般には0.1〜10μm程度とすることが好ましい。
表面保護層(オーバーコート層)
本発明では、絵柄模様層の表面に艶調整及び/又は絵柄模様層の保護を意図して表面保護層を有してもよい。表面保護層の種類は限定的ではない。艶調整を目的とする表面保護層であれば、例えば、シリカなどの既知フィラーを含む表面保護層がある。表面保護層の形成方法としては、グラビア印刷などの公知の方法が採用できる。なお、絵柄模様層と表面保護層との密着性が十分に得られない場合には、絵柄模様層の表面を易接着処理(プライマー処理)した後に表面保護層を設けることもできる。
発泡壁紙の表面強度(耐スクラッチ性など)、耐汚染性、絵柄模様層の保護等を目的として表面保護層を形成する場合には、電離放射線硬化型樹脂を樹脂成分として含有するものが好適である。電離放射線硬化型樹脂としては、電子線照射によってラジカル重合(硬化)するものが好ましい。
表面保護層の厚みは限定的ではないが、0.1〜15μm程度が好ましい。
エンボス
本発明では、適宜エンボス模様を付してもよい。この場合、発泡壁紙の最表面層(紙質基材と反対側)の上からエンボス加工すれば良い。エンボス加工は、エンボス版の押圧等、公知の手段により実施することができる。例えば、最表面層が表面保護層である場合は、そのおもて面を加熱軟化後、エンボス版を押圧することにより所望のエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、例えば木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
<発泡壁紙の製造方法>
発泡壁紙の製造方法は特に限定されない。例えば、紙質基材上に発泡樹脂層と非発泡樹脂層Aとを有する発泡壁紙を製造するには、Tダイ押出し機による同時押出しが好適である。2つの層に対応する溶融樹脂を同時に押出すことにより2層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイを用いることができる。この場合、発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物及び非発泡樹脂層を形成するための樹脂組成物をそれぞれ別個のシリンダー中に入れ、2種2層を同時に押出し成膜・積層すればよい。この方法では、同時押出し積層体は、紙質基材上に同時積層(成膜)する。紙質基材上に押出しと同時に積層された樹脂層は、熱溶融により接着性を有するため紙質基材と接着される。
なお、予め2種2層を同時成膜した積層体を用意して、それを紙質基材上に載せて、熱ラミネートすることにより紙質基材と接着してもよい。
なお、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機フィラーが含まれる場合には、押出し成形機の押出し口(いわゆるダイス)に無機フィラーの残渣(いわゆる目やに)が発生し易く、これがシート表面の異物となり易い。そのため、本発明の場合には、上記非発泡樹脂層A及び非発泡樹脂層Bを、発泡剤含有樹脂層とともに同時押出し成形することが好ましい。同時押出し成形は、例えば、マルチマニホールドタイプのTダイを用いることにより行える。このように発泡剤含有樹脂層を非発泡樹脂層によって挟み込んだ態様で同時押出し成形することにより、前記目やにの発生を抑制することができる。
発泡剤含有樹脂層は、次いで電子線照射される。これにより樹脂成分を架橋できるため、発泡壁紙の表面強度、発泡程度等を制御することができる。電子線のエネルギーは、150〜250kV程度が好ましい。照射量は、10〜70kGy程度が好ましい。電子線源としては、公知の電子線照射装置が使用できる。なお、架橋は、化学架橋剤(架橋剤又は架橋助剤ともいう。)を用いて実施することもできる。
電子線照射を行う観点から、前記組成物中に架橋剤を含有してもよい。架橋剤としては、電子線照射による架橋を促進するものであればよい。例えば、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の多官能性モノマー、オリゴマーなどが挙げられる。架橋剤は、樹脂成分100重量部に対して0〜10重量部程度とすることが好ましく、特に1〜4重量部とすることがより好ましい。
次いで、発泡剤含有樹脂層を加熱することにより発泡樹脂層を形成する。加熱条件は、熱分解型発泡剤の分解により発泡樹脂層が形成される条件ならば限定されない。加熱温度は210〜240℃程度が好ましく、加熱時間は20〜80秒程度が好ましい。
電離放射線硬化型樹脂を含有する表面保護層を形成した場合には、電子線照射によって表面保護層を硬化させることができる。このような電子線照射は、発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂を架橋させるために行う電子線照射と同時(同処理)とできる。つまり、発泡剤含有樹脂層、非発泡樹脂層、絵柄模様層及び電離放射線硬化型樹脂を含有する表面保護層を順に形成後、電子線照射を行って、発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂を架橋するとともに表面保護層に含まれる樹脂を硬化させることができる。
絵柄模様層を有する発泡壁紙を製造する場合には、上記加熱処理前に非発泡樹脂層の表面に絵柄模様層を形成することが好ましい。絵柄模様層の形成方法は、前記の通りとすれば良い。
本発明の発泡壁紙は、非発泡樹脂層Aに二酸化チタンが含まれている。二酸化チタンは電子線照射によって実質的に変色しないため、発泡剤含有樹脂層に含まれる重質炭酸カルシウムが電子線照射によって変色しても、当該変色を隠蔽することができるため、発泡壁紙の意匠性の低下が抑制されている。二酸化チタンは隠蔽性が良好であるため、発泡剤含有樹脂層に樹脂成分100重量部に対して80重量部以上の重質炭酸カルシウムを高充填した場合でも、十分に変色を隠蔽することができる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明をより詳しく説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1〜3及び比較例1
紙質基材(品番「WK665DO」、興人製、厚さ110μm)上に発泡樹脂層及び非発泡樹脂層Aを積層した発泡壁紙を作製した。
発泡樹脂層を形成するための発泡剤含有樹脂層の組成は、下記表1の通りとした。
非発泡樹脂層Aの組成は、下記表2の通りとした。
Figure 2009084706
Figure 2009084706
〔表2中の数値は重量部。括弧内は、例えば、実施例1は実施例4と同一配合を示す〕
発泡壁紙は、次の手順で作製した。
発泡剤含有樹脂層を形成するための組成物、非発泡樹脂層Aを形成するための組成物を加熱溶融し、両者を同時押出しすることにより紙質基材上に積層体を形成した。積層体は、紙質基材(110μm)/発泡剤含有樹脂層(100μm)/非発泡樹脂層A(50μm)とした。
上記積層体に樹脂層側から電子線照射した。照射条件は、加速電圧:200kV、ビーム電流:4.1mA、照射量:50kGyとした。
最後に、ギアオーブン中、220℃で加熱発泡させて発泡壁紙を得た。
実施例4〜6及び比較例2
発泡樹脂層を形成するための発泡剤含有樹脂層の組成を下記表3の通りとし、非発泡樹脂層Aの組成を上記表2の通りとした以外は、前記と同様にして発泡壁紙を得た。
Figure 2009084706
試験例1
電子線照射前後、加熱発泡の前後において発泡壁紙の樹脂層側から見た色差(△E)を調べた。
△Eは、ミノルタ製色彩色差計(CR-300)を用いてL*a*b*を測定し、(1)式を用いて算出した。なお、L*,a*,b*は測定データ、L*t,a*t,b*tは色差基準色である。
△E=√{(L*−L*t)2+(a*−a*t)2+(b*−b*t)2 } (1)
結果を下記表4に示す。
Figure 2009084706
表4の結果から明らかなように、非発泡樹脂層Aに二酸化チタンを配合することにより、発泡剤含有樹脂層の変色を効果的に隠蔽して発泡壁紙の意匠性低下を抑制できることが分かる。

Claims (4)

  1. 紙質基材上に発泡樹脂層及び非発泡樹脂層Aを順に有する発泡壁紙であって、
    (1)前記発泡樹脂層は、発泡剤含有樹脂層に電子線を照射することにより樹脂架橋後、加熱発泡させることにより得られ、
    (2)前記発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分100重量部に対して重質炭酸カルシウムを80重量部以上含有し、
    (3)前記非発泡樹脂層Aは、二酸化チタンを含有する、
    ことを特徴とする発泡壁紙。
  2. 前記非発泡樹脂層Aは、樹脂成分100重量部に対して二酸化チタンを5〜60重量部含有する、請求項1に記載の発泡壁紙。
  3. 前記紙質基材と前記発泡樹脂層との間に更に非発泡樹脂層Bが形成されている、請求項1又は2に記載の発泡壁紙。
  4. 最表面層の上からエンボス加工が施されている、請求項1〜3のいずれかに記載の発泡壁紙。
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