JP2009084489A - 未加硫ゴム用防着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 防着性に優れ、使用時の粉塵発生の問題が大幅に低下する未加硫ゴム用防着剤組成物、その製造方法、その未加硫ゴム用防着剤組成物を使用した防着処理された未加硫ゴムの製造方法を提供することである。
【解決手段】 未加硫ゴム用防着剤組成物は、ワックス混合物からなるワックス粒子と、界面活性剤と、水溶性高分子と、分散安定剤と、水とを含有する組成物であって、前記ワックス粒子100重量部に対して、界面活性剤1〜120重量部、水溶性高分子1〜50重量部、分散安定剤1〜50重量部が配合されており、前記ワックス混合物100重量部がA成分30〜90重量部およびB成分10〜70重量部から構成され、前記ワックス粒子が前記水に分散した状態となっている。
【選択図】 なし

Description

本発明は、未加硫ゴム用防着剤組成物に関する。さらに詳しくは、ワックス混合物からなるワックス粒子が水に分散した未加硫ゴム用防着剤組成物、その製造方法、その未加硫ゴム用防着剤組成物を使用して行われる防着処理された未加硫ゴムの製造方法に関する。
ゴム製品は、通常、次の工程により製造される。
1)まず、生ゴム(天然ゴム、合成ゴムまたはそれらの混合物)を、素練りロール、バンバリーミキサー、プラチスケーター等で素練りを行い、ゴムに可塑性を与える。
2)次に、配合剤としてのカーボンブラック、硫黄、酸化亜鉛、促進剤、老化防止剤等を素練りゴムに混入しながら、オープンロールまたはバンバリーミキサーを使用して充分に混練する。
3)その後は、ゴムの用途に応じて、成型、加硫等の工程を経て、タイヤ、チューブ等のゴム製品を製造する。
上記3)において、ゴム製品の成形加工方法は、シート成形と押出成形とに大別される。シート成形は、ゴム生地を所定の厚さと幅に圧延して、大型のプレスで熱と圧力を加えてゴムシートを成形する加工法である。未加硫ゴムシートはカレンダーロールや押出機を使って成形される。押出成形には、ラム式とスクリュー式とがあり、ラム押出機は油圧式で、シリンダーに装てんしたゴム塊をトコロテンのように押出す成形機である。ホースやウインドシールやタイヤのチューブなどの長い連続体のゴム製品はスクリュー押出機で成形されることが多い。
このようなゴムの生産加工工程において、未加硫ゴムを次の成型、加硫等の工程に移行するまでの間、積み重ねて貯蔵することがあり、この場合にゴムの密着を防止する目的で密着防止剤(防着剤)が使用されている。
従来、この密着防止剤としては、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ベントナイト等の無機粒子や、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸粒子の粉末が、防着性に優れるために使用されている。その使用方法としては、粉末のままゴムに吹き付ける方法や、粉末中を通過させる方法等のいわゆるドライ法;前記無機粒子の粉末を水に懸濁させ、その懸濁液をスプレーする方法や、細流にてゴムに吹きつける方法や、懸濁液中に浸漬する方法等のいわゆるウェット法を挙げることができる。ウェット法における水の使用目的は作業性の向上の他にゴムの冷却をも兼ねている。また、押出機を使用したタイヤのチューブなどの中空で薄肉の円筒成形では、密着防止剤を混入した空気をチューブに吹き込みながら押出成形することで、円筒の内面が密着しないようにしている。
しかしながら、このような密着防止剤は、基本的にはゴム製品にとって異物であり、ゴムの物理的性質を低下させる大きな要因となる。特に近年のゴム製品の高性能化および多様化の進歩は著しく、微量の異物でもゴム製品の物理的性質に大きな影響を与える場合があるので、密着防止剤のゴムへの付着量は極力少ないことが望ましい。また、ゴム表面に付着した密着防止剤が、次の成型、加硫等の工程に移行するまでの間に粉落ちして粉塵が発生するといった作業環境面の問題もある。粉塵発生による作業環境の悪化は、塵肺などの職業病の原因になるため、密着防止剤の付着量はやはり極力少ないことが望ましい。
従来の無機粒子や金属石鹸粒子の粉末を含む密着防止剤は、ゴム表面への付着量が少ないと防着性が低下するために、多量がゴム表面に付着するように使用される。したがって、ゴム製品の物理的性質に悪影響を与えたり、粉落ちによる粉塵発生といった作業環境面の問題がしばしば発生し、改善が望まれている。このような理由からゴム表面への付着量が少なくても防着性に優れる密着防止剤の開発が望まれている。
一方、無機粒子や金属石鹸粒子の粉末を含む密着防止剤とは異なる発想で成分が構成された密着防止剤がある。たとえば、特許文献1には、造膜性を有する水溶性高分子30〜90重量部と陰イオン活性剤または非イオン界面活性剤70〜10重量部とからなる防着用組成物が開示されている。この防着用組成物は、粉体を使用しないことを特徴としている。また、1〜10%の濃度に希釈しても使用可能であるので、加硫ゴムの接着阻害を抑制することができる。しかしながら、粉体を使用せずに低濃度で効果を出すためには、かなりの高分子量の水溶性高分子を用いる必要があり、それらを水に完全に溶解させるためには相当の時間を要することから、ハンドリング性が優れず、実用的ではない。水に完全に溶解させる所要時間を短縮する方法として、一般的には、たとえば、まず冷水に水溶性高分子を投入し、その後攪拌しながら徐々に水温を70〜90℃に上げて溶解し、さらに水温を徐々に下げるといった方法や、水のpHを操作して溶解を促進させる方法や、あらかじめ水溶性高分子を特定の有機化合物で表面処理をしておく方法等が挙げられるが、これらの方法は簡便とはいえず、専用の設備も必要であるため好ましくない。
ワックスや樹脂の微粒子を水系に乳化または分散させた密着防止剤として、たとえば、特許文献2には、低分子量ポリエチレングリコールおよび必要に応じたマイクロクリスタンワックスを、それらの合計量に対して10〜30重量%の脂肪酸アマイド、20〜40重量%の非イオン界面活性剤、80〜120重量%の長鎖脂肪酸塩により水中油型に乳化した密着防止剤が開示されている。この密着防止剤は無機粒子の粉末を使用していない点を特徴としているが、充分な密着防止の効果を発揮させるためには、高濃度で使用することが必要であり、その場合、加硫ゴムの物理的性質を低下させる問題点があるため使用方法が限定され汎用性に乏しい。
また、特許文献3には、50μm以下の平均粒子径で、融点150℃以下のポリエチレン樹脂粉末5〜30重量%と融点70℃以上の水素化ワックス樹脂粉末1〜10重量%を非イオン性界面活性剤1〜10重量%の水溶液に分散した密着防止剤が開示されている。この密着防止剤は、ポリエチレン樹脂の粉末と水素化ワックス樹脂の粉末の両者を水に分散させたものであるが、両者の樹脂の特性を考えると分散剤として非イオン活性剤単独では分散効果が十分とはいえない。つまり、ポリエチレン樹脂は疎水性が強く水中への分散は困難である。水素化ワックスは分子中に水酸基を含有しており、水中において樹脂粉末間で水素結合を形成し凝集が起こりやすい。特に、常温以上の40〜50℃雰囲気下では、樹脂粉末の熱運動が激しくなり樹脂粉末同士の衝突頻度が高くなり凝集が起こりやすくなるので注意が必要である。それにもかかわらず、特許文献3では分散剤に非イオン性界面活性剤しか使用されておらず、この場合分散系が十分に安定であるとはいえず貯蔵安定性に欠ける。さらには非イオン性界面活性剤単独の分散剤ではポリエチレン樹脂の粉末と水素化ワックス樹脂の粉末の両者をゴム表面に均一に塗布することは困難である。
また、特許文献4には、軟化点が80〜120℃且つ平均粒子径が10μm以下の低分子量ポリエチレンワックスの0.1〜10重量%を水に分散または乳化したゴム弾性体の表面処理液、若しくは前記表面処理液の100重量部に対して植物系または石油系ワックスの0.1〜10重量部を添加し分散または乳化したゴム弾性体の表面処理液、若しくは前記表面処理液の100重量部に対して10〜1000csのジメチルシロキサン系シリコーンオイルの1種または数種を0.1〜10重量部添加した表面処理液が開示されているが、低分子量ポリエチレンワックスや植物系または石油系ワックスとして本文献に例示されているキャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、固形パラフィンワックスのみではゴムに対する相溶性が悪くゴム表面ではじき均一に塗布ができないため密着防止の効果が不充分である。さらにジメチルシロキサン系シリコーンオイルといったシリコーン樹脂系の高分子を添加した場合、微量でも加硫ゴムの物理的性質を低下させるものが多く、また、コストも高いため実用的ではない。
このように、特許文献1〜4の防着剤にはそれぞれ問題がある。したがって、防着性の問題、粉塵による問題を抱えつつも、従来の無機粒子や金属石鹸粒子の粉末を含む防着剤を使用せざるを得ないというのが現状であった。
特開昭62−32127号公報 特開昭60−203649号公報 特開平1−301736号公報 特開昭63−8428号公報
本発明の目的は、防着性に優れ、使用時の粉塵発生の問題が大幅に低下する未加硫ゴム用防着剤組成物、その製造方法、その未加硫ゴム用防着剤組成物を使用して行われる防着処理された未加硫ゴムの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ワックス混合物からなるワックス粒子と、界面活性剤と、水溶性高分子と、分散安定剤と、水とを含有する組成物であれば、防着剤として使用できるという知見を得て、さらに組成物の最適化を行って、本発明に到達した。
本発明にかかる未加硫ゴム用防着剤組成物は、ワックス混合物からなるワックス粒子と、界面活性剤と、水溶性高分子と、分散安定剤と、水とを含有する組成物であって、前記ワックス粒子100重量部に対して、界面活性剤1〜120重量部、水溶性高分子1〜50重量部、分散安定剤1〜50重量部が配合されており、前記ワックス混合物100重量部が下記A成分30〜90重量部およびB成分10〜70重量部から構成され、前記ワックス粒子が前記水に分散した状態となっている。
A成分:水素化ワックス
B成分:植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、石油ワックス、合成炭化水素系ワックス、変性ワックス、脂肪酸アミドおよび無水フタル酸イミドから選ばれる少なくとも1種
前記水素化ワックスの融点が60〜150℃であると好ましい。
前記B成分のうちで、その30重量%以上を占めるワックスの針入度が、それぞれ、25℃において10mm以下(100g/5s)、50℃において25mm以下(100g/5s)の範囲内であると好ましい。前記30重量%以上を占めるワックスの融点が70〜150℃であるとさらに好ましい。
前記A成分が、硬化ひまし油、12−ヒドロキシステアリン酸およびその誘導体から選ばれる少なくとも1種を含むと好ましい。
前記B成分が、パラフィンワックス、マイクロクリスタンワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックスおよびライスワックスから選ばれる少なくとも1種を含むと好ましい。
前記ワックス粒子の平均粒子径が0.1〜50μmであると好ましい。
前記界面活性剤が非イオン界面活性剤および/または陰イオン界面活性剤であると好ましい。前記界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレン硬化ひまし油から選ばれる少なくとも1種であり、前記陰イオン界面活性剤が、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩および長鎖スルホコハク酸塩から選ばれる少なくとも1種であるとさらに好ましい。
前記水溶性高分子が、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、セルロースエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アラビアガム、グアーガム、キサンタンガムおよびポリアクリル酸ソーダから選ばれる少なくとも1種であると好ましい。
前記分散安定剤が、レシチン、ロジン、アルケニル無水コハク酸、ひまし油誘導体およびエチレン−酢酸ビニル共重合体から選ばれる少なくとも1種であると好ましい。
本発明にかかる未加硫ゴム用防着剤組成物の製造方法は、上記未加硫ゴム用防着剤組成物を製造するための方法であって、前記水溶性高分子を前記水に溶解または分散させ、前記ワックス混合物の融点以上に加温攪拌して中間原料を得るとともに、前記ワックス混合物を溶融させてワックス溶融混合物を得る、準備工程と、次いで、前記中間原料に、前記ワックス溶融混合物、前記界面活性剤および前記分散安定剤を滴下混合して、乳化分散させる、混合工程とを含む。
本発明にかかる防着処理された未加硫ゴムの製造方法は、上記未加硫ゴム用防着剤組成物またはその希釈液を、成形加工された未加硫ゴムの表面に付着させる処理工程を含む。ここで、無機粒子および/または金属石鹸粒子を前記成形加工された未加硫ゴムの表面にさらに付着させ、前記無機粒子が、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、マイカ、セリサイトおよびベントナイトから選ばれる少なくとも1種であり、前記金属石鹸粒子が、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムから選ばれる少なくとも1種であると好ましい。
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物は、未加硫ゴムに優れた防着性を付与することができ、その使用時における粉塵発生の問題が大幅に低下する。
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物の製造方法では、安定な未加硫ゴム用防着剤組成物を効率よく製造することができる。
本発明の防着処理された未加硫ゴムの製造方法では、防着処理され、優れた防着性を有する未加硫ゴムを効率よく製造でき、製造時において粉塵発生の問題が大幅に低下する。
〔未加硫ゴム用防着剤組成物〕
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物は、ワックス混合物からなるワックス粒子と、界面活性剤と、水溶性高分子と、分散安定剤と、水とを含有する組成物である。ワックス粒子100重量部に対して、界面活性剤1〜120重量部、水溶性高分子1〜50重量部、分散安定剤1〜50重量部が配合されている。
まず、未加硫ゴム用防着剤組成物を構成する各成分を詳しく説明する。
(ワックス粒子)
ワックス粒子は、未加硫ゴムに対して防着性を発揮する成分であり、未加硫ゴム用防着剤組成物の使用時において、粉塵発生の問題が発生しない成分である。ワックス粒子は、下記A成分およびB成分を含むワックス混合物から構成されている。
A成分:水素化ワックス
B成分:植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、石油ワックス、合成炭化水素系ワックス、変性ワックス、脂肪酸アミドおよび無水フタル酸イミドから選ばれる少なくとも1種
本発明では、個々のワックス粒子は、いずれも、A成分およびB成分の両方の成分を含んでいる。したがって、本発明で使用するワックス粒子は、A成分のみからなるワックス粒子と、B成分のみからなるワックス粒子との混合物(単成分からなるワックス粒子の混合物)とは明らかに構成の点で異なる。本発明では、単成分からなるワックス粒子の混合物を使用した場合と比較して、水に対する分散安定性、未加硫ゴム表面への塗膜性、未加硫ゴムに対する防着性という点で優れている。
本発明では、ワックス混合物は、それを構成するワックスの融点以上で溶融混合された後(好ましくは完全に溶融混合された後)、たとえば、反転乳化法、D相乳化法、HLB温度乳化法、高圧乳化法、膜乳化法、超音波分散法等の乳化分散;乾式粉砕法、湿式粉砕法等の粉砕加工等の方法でワックス粒子に加工されると好ましい。
ワックス混合物の融点については、特に限定はないが、オープンロールまたはバンバリーミキサーで混練されて成形加工された直後の未加硫ゴムの温度近辺であることが好ましい。工業用ゴム製品の生産加工工程において、通常未加硫ゴムの密着防止処理はオープンロールまたはバンバリーミキサーで混練されて成形加工された直後に施される。オープンロールまたはバンバリーミキサーで混練されて成形加工された直後の未加硫ゴムの温度は、工程によっても異なるが、一般的に80〜160℃の範囲である。未加硫ゴムの表面にワックス混合物の均一な連続被膜を形成させることが望ましい点を考慮すると、ワックス混合物の融点以上の未加硫ゴム表面上でワックス粒子を乾燥させることが好ましい。ワックス混合物の融点が、想定される成形加工された未加硫ゴムの温度よりも、低すぎると被膜の強度が弱く、逆に、高すぎると不連続被膜となり、密着の原因となったり未加硫ゴムの表面に付着したワックス粒子の脱落の原因ともなる。
A成分は水素化ワックスであり、本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物にチキソトロピー性を付与する成分である。
ワックス混合物100重量部に占めるA成分の量は、30〜90重量部であり、好ましくは40〜90重量部、さらに好ましくは50〜90重量部、特に好ましくは60〜90重量部である。ワックス混合物100重量部に占めるA成分の量が、30重量部未満であると、チキソトロピー性が低下し、未加硫ゴム表面への均一な途膜が困難となる場合がある。一方、A成分の量が、90重量部超であると、ワックス粒子は分散安定性に欠けることがある。
A成分である水素化ワックスの融点は、特に限定はないが、好ましくは60〜150℃であり、さらに好ましくは60〜130℃、特に好ましくは70〜120℃、最も好ましくは80〜100℃である。水素化ワックスの融点が60℃未満であると、ワックス粒子において、未加硫ゴムの積載荷重に十分に耐えうるだけの強度が不足することがある。一方、融点が150℃超であると、未加硫ゴム表面への塗膜の均一性に欠けることがある。
A成分としては、たとえば、硬化ひまし油、12−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸の誘導体、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、セバシン酸、ウンデシレン酸、ヘプチル酸、マレイン酸等の水素化ワックスが挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。
硬化ひまし油は、ひまし油に水素添加して得られる硬くてもろい白色の高融点ワックスであり、カスターワックス、キャスターワックス、パールワックス等とも呼ばれる。硬化ひまし油の25℃における針入度は0.2mmと非常に小さく、硬化ひまし油の硬度は高い。硬化ひまし油の主成分は、グリセリントリ12−ヒドロキシステアレートで、少量の12−ヒドロキシステアリン酸、ジヒドロキシステアリン酸およびステアリン酸の混合グリセリドを含有する。硬化ひまし油の融点は、動植物油脂の極度硬化油の中で最も高い値を示すが、それは硬化ひまし油が分子中に多数の水酸基を有していることに起因していると考えられる。また、硬化ひまし油の粒子を溶媒中で分散・膨潤させると、分子内にある3個の水酸基によって粒子間に弱い水素結合を生じ、網目構造を形成してゲル状になり、分散液にチキソトロピー性を付与することができる。
硬化ひまし油は、これらの性質から、ゴム表面上で硬くて脆い均一な網目構造を形成し、ゴム同士の密着の防止性に優れた性能を発揮する。
硬化ひまし油をけん化分解すると、12−ヒドロキシステアリン酸と称される淡褐色を帯びた白色のワックス状固体の誘導体が得られる。12−ヒドロキシステアリン酸も硬化ひまし油と同様に水酸基を含有するため溶媒中で弱いゲルを生ずる。したがって、12−ヒドロキシステアリン酸も硬化ひまし油と同様に、ゴム表面上で均一な網目構造をつくり、ゴム同士の密着の防止性に優れた性能を発揮することができる。さらに12−ヒドロキシステアリン酸をアミド化、エステル化することで多様なワックス状の誘導体を得ることができる。
このような12−ヒドロキシステアリン酸の誘導体としては、たとえば、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、N−ヒドロキシエチル−12−ヒドロキシステアリルアミド、N,N’−エチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリルアミド、N,N’−ヘキサメチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリルアミド、N,N’−キシリレン−ビス−12−ヒドロキシステアリルアミド、メチル−12−ヒドロキシステアレート、プロピレングリコール−モノ−12−ヒドロキシステアレート、エチレングリコール−モノ−12−ヒドロキシステアレート等が挙げることができ、1種または2種以上を併用してもよい。
A成分の水素化ワックスでも、硬化ひまし油、12−ヒドロキシステアリン酸およびその誘導体から選ばれる少なくとも1種が好ましく、硬化ひまし油は廉価で不純物が少なく相溶性に優れるのでさらに好ましい。
次に、B成分は、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、石油ワックス、合成炭化水素系ワックス、変性ワックス、脂肪酸アミドおよび無水フタル酸イミドから選ばれる少なくとも1種である。
しかしながら、水素化ワックスは分子内に水酸基を多く含有するため、分散された水素化ワックス粒子間で水素結合を形成し凝集が起こりやすく、分散安定性に欠けることがある。そこで、B成分は分散安定性を向上させることを1つの目的として配合される。
2種以上のワックスを均一に混合したワックス混合物は、それぞれの単一の場合と比較して、しばしば物性の改質が起こることが一般に知られている。たとえば、B成分であるパラフィンワックスとA成分である硬化ひまし油とを混合すると、融点が著しく上昇することが知られている。したがって、B成分とA成分とを混合した際に、それぞれの単一成分に比べてワックス混合物として性能が向上する成分、または、互いの物性を損なわない成分を選択する必要がある。A成分およびB成分の選択に当たっては、A成分とB成分の相乗効果により単一成分の場合に比べて性能の向上が起こるように選択することが好ましい。
ワックス混合物100重量部に占めるB成分の量は、10〜70重量部であり、好ましくは10〜60重量部、さらに好ましくは10〜50重量部、特に好ましくは10〜40重量部である。ワックス混合物100重量部に占めるB成分の量が、10重量部未満であると、ワックス粒子の分散安定性に欠ける場合がある。一方、B成分の量が、70重量部超であると、チキソトロピー性が低下し、未加硫ゴム表面への均一な塗膜形成が困難になる場合がある。
B成分で30重量%以上を占めるワックスの融点については、特に限定はないが、好ましくは70〜150℃であり、さらに好ましくは70〜130℃、特に好ましくは70〜120℃、最も好ましくは80〜100℃である。B成分で30重量%以上を占めるワックスの融点が70℃未満であると、ワックス粒子において、未加硫ゴムの積載荷重に十分に耐えうるだけの強度が不足する場合がある。一方、融点が150℃超であると、未加硫ゴム表面への塗膜が均一性に欠ける場合がある。
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物においては、ワックス混合物を構成する各ワックスの硬度が高いほど、未加硫ゴムの積載荷重に耐えうる強度のワックス粒子が形成されるので好ましい。
本発明では、ワックスの硬度を一般に用いられる針入度で表現し、石油ワックスの針入度試験法(JIS K−2235 5・4)を準用して、測定する。ワックスの針入度が小さいほど、硬度の高いワックスであり、そのワックスを含有する未加硫ゴム用防着剤組成物は好適である。また、未加硫ゴムを積載して保存する工場内では、気温が平均的に高く、特に夏場は高温となる。しかも、未加硫ゴムも成形されて時間が経過していても余熱でやや熱い状態であることを考慮すると、B成分は25〜50℃の温度範囲において針入度が小さいワックスで構成されていると好ましい。
したがって、B成分のうちでその30重量%以上を占めるワックスの25℃における針入度は、好ましくは10mm以下(100g/5s)、さらに好ましくは7mm以下(100g/5s)、特に好ましくは5mm以下(100g/5s)、最も好ましくは3mm以下(100g/5s)である。また、B成分のうちでその30重量%以上を占めるワックスの50℃における針入度は、好ましくは25mm以下(100g/5s)、さらに好ましくは20mm以下(100g/5s)、特に好ましくは15mm以下(100g/5s)、最も好ましくは10mm以下(100g/5s)である。上記25℃および/または50℃における針入度が、それぞれの上限値超では、ワックス粒子において、未加硫ゴムの積載荷重に十分に耐えうるだけの強度が不足する場合がある。
次に、B成分の具体例について詳しく説明する。B成分は、以下に示す具体的な成分を1種または2種以上を含有してもよい。
植物系ワックスとしては、特に限定はないが、たとえば、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木ろう、ほほば油、シュガーワックス、ベイベリーワックス、オーキュリーワックス、エスパルトワックス等が挙げられる。
動物系ワックスとしては、特に限定はないが、たとえば、みつろう、ラノリン、鯨ろう等、昆虫ろう、セラックろう等が挙げられる。
鉱物系ワックスとしては、特に限定はないが、たとえば、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等が挙げられる。
石油ワックスとしては、特に限定はないが、たとえば、パラフィンワックス、マイクロクリスタンワックス、ペトロラクタム等が挙げられる。
合成炭化水素系ワックスとしては、特に限定はないが、たとえば、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等が挙げられる。
変性ワックスとしては、特に限定はないが、たとえば、モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタンワックス誘導体等が挙げられる。
脂肪酸アミドとしては、特に限定はないが、たとえば、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、N,N’−キシリレンビスステアリン酸アミド、やし油脂肪酸モノエタノールアミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド等が挙げられる。
上記B成分のうちでも、パラフィンワックス、マイクロクリスタンワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックスから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
上記B成分は、以下に示すB1成分およびB2成分の2つの成分にさらに区分することができる。B成分において、B1成分が必須成分であり、B2成分が含有してもよい成分であると、好ましい。
B1成分としては、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックスが挙げられる。これらのワックスでは、主成分が高級脂肪酸エステルであり、副成分として遊離の脂肪酸や遊離のアルコールを含有している。このために、B1成分に挙げられるワックスは優れた分散安定性を示す。したがって、B成分がB1成分をより多く含有することは、ワックス混合物の分散安定性を向上するので好ましい。
B1成分の量としては、特に限定はないが、B成分100重量部に対して、好ましくは30〜100重量部、さらに好ましくは40〜100重量部、特に好ましくは50〜100重量部、最も好ましくは60〜100重量部である。B1成分の量が、B成分100重量部に対して30重量部未満であると、ワックス粒子は分散安定性に欠けることがある。
B1成分の融点は、特に限定はないが、好ましくは70〜150℃であり、さらに好ましくは70〜130℃、特に好ましくは70〜120℃、最も好ましくは80〜100℃である。B1の融点が70℃未満であると、ワックス粒子では、未加硫ゴムの積載荷重に十分に耐えうるだけの強度が不足することがある。一方、融点が150℃超であると、未加硫ゴム表面への塗膜が均一性に欠けることがある。
B1成分の針入度が小さいほど、その硬度が高く、ゴムの積載荷重に耐えうる強度のワックス粒子を形成して好ましい。B1成分の25℃における針入度は、好ましくは10mm以下(100g/5s)、さらに好ましくは7mm以下(100g/5s)、特に好ましくは5mm以下(100g/5s)、最も好ましくは3mm以下(100g/5s)である。50℃における針入度は、好ましくは25mm以下(100g/5s)、さらに好ましくは20mm以下(100g/5s)、特に好ましくは15mm以下(100g/5s)、最も好ましくは10mm以下(100g/5s)である。上記25℃および/または50℃における針入度が、それぞれの上限値超では、ワックス粒子において、未加硫ゴムの積載荷重に十分に耐えうるだけの強度が不足する場合がある。
B1成分としては、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックスから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
B2成分としては、石油ワックス、合成炭化水素系ワックス、変性ワックス、脂肪酸アミド、無水フタル酸イミドが挙げられる。分散安定性をさらに向上させたい場合に、B2成分は任意の割合でB成分に配合される。B2成分に区分されるワックスは、本発明における未加硫ゴム用防着剤組成物には適さない物性を有するものもあり、その配合量については、多くならないように注意が必要な場合がある。
B2成分の量としては、特に限定はないが、B成分100重量部に対して、好ましくは0〜70重量部、さらに好ましくは0〜60重量部、特に好ましくは0〜50重量部、最も好ましくは0〜40重量部である。B2成分の量が、B成分100重量部に対して70重量部超であると、ワックス粒子において、未加硫ゴムの積載荷重に十分に耐えうるだけの強度が不足する場合がある。
B2成分の融点は、特に限定はないが、好ましくは60〜150℃であり、さらに好ましくは60〜130℃、特に好ましくは60〜120℃、最も好ましくは60〜100℃である。B2の融点が60℃未満であると、ワックス粒子において、未加硫ゴムの積載荷重に十分に耐えうるだけの強度が不足する場合がある。一方、融点が150℃超であると、未加硫ゴム表面への塗膜が均一性に欠ける場合がある。
B2成分のうちでも、パラフィンワックス、マイクロクリスタンワックスから選ばれた少なくとも1種または2種以上が好ましい。
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物は、上記で説明した高融点のワックス混合物からなるワックス粒子を含む。一般的に、ワックスの溶媒に対する溶解度は極めて小さい。したがって、溶媒中のワックスは分散系でしか存在しえないと考えられている。溶媒中のワックスの分散において、温度を上げて完全溶解してから徐々に冷却していくと、ある種のワックスは微粒子で析出し、低粘度で分散するが、ほとんどのワックスは析出粒子が大きくなりすぎて、分離してしまうので、分散剤を添加して安定な系にする。本発明において、以下で説明する界面活性剤、水溶性高分子、分散安定剤等は、大なり小なり、水中においてワックス粒子の分散剤としての役割を担っている。ここで分散とは、一つの物質中に他の物質が小さな粒子となり散在する現象と定義される。相の状態によって、分散はさらに次のように分類される。すなわち液体中に液体の物質を小さな粒子として分散する現象は乳化と分類され、一方、液体中に固体の物質を小さな粒子として分散する現象は懸濁と分類される。したがって、本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物は、ワックスの融点以上の温度条件下ではワックス粒子は液体として分散しているので乳化の状態と表現される。それに対して、常温ではワックスは融点以下で固化するので、固体のワックス粒子を液体中に分散している状態である。したがって、厳密には懸濁の状態と表現される。本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物は乳化の状態であっても、懸濁の状態であってもどちらでもよい。
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物において、ワックス粒子が水に分散されていることの利点としては、工業用ゴム製品の生産加工工程において粉塵発生による作業工程上および労働安全衛生上の問題を低減できることが挙げられる。つまり、近年の未加硫ゴムの密着防止処理方法としては、粉末状の防着用組成物を水に懸濁させた懸濁液を未加硫ゴムにスプレーする方法や、懸濁液中に未加硫ゴムを浸漬する方法等のいわゆるウェット法が主流である。懸濁液の調製時に発生する粉塵が作業工程上および労働安全衛生上の問題となっているが、本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物では、防着用組成物があらかじめ水に分散されているとその懸濁液調製時の粉塵発生を抑止することができる。
ワックス粒子を分散させる水については、特に限定はなく、水道水、イオン交換水、蒸留水等のいずれであってもよい。また、その量についても、ワックス粒子を分散させることができれば、特に制限はない。
ワックス粒子の粒子径は、後述の界面活性剤、水溶性高分子、分散安定剤の種類および量や、乳化機や粉砕機等によって著しい影響を受けることがある。従って、これらを適宜設定、選択することによって、その粒子径を自由に設計することができる。ワックス粒子の粒子径が小さいほど、未加硫ゴム用防着剤組成物において少ない配合量でゴムの表面を充分に均一に塗布できるため好ましい。また、粒子径が小さいほど未加硫ゴム表面に付着したワックス粒子の粉落ちが少なくなり、好ましい。
ワックス粒子の平均粒子径については、用途に応じて自由に設計することができるために特に限定されないが、好ましくは0.1〜100μm、さらに好ましくは0.1〜80μm、特に好ましくは0.1〜60μm、最も好ましくは0.1〜50μmである。ワックス粒子の平均粒子径が0.1μm未満の場合、ワックス粒子の加工が困難となり好ましくない場合がある。一方、ワックス粒子の平均粒子径が100μm超の場合、未加硫ゴム表面に付着したワックス粒子の粉落ちが多くなり好ましくない場合がある。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられ、1種または2種以上を含んでいてもよい。界面活性剤が非イオン界面活性剤および/または陰イオン界面活性剤であると好ましい。
非イオン界面活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノオレエート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル;ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;グリセリンモノステアレート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノラウレート等のグリセリン脂肪酸エステル;等のポリオキシエチレン硬化ひまし油;ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル;ポリグリセリン脂肪酸エステル;アルキルグリセリンエーテル;ポリオキシエチレンコレステリルエーテル;アルキルポリグルコシド;ショ糖脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンアルキルアミン;オキシエチレンーオキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。非イオン界面活性剤としては、ワックス粒子に対する分散効果が大きいという理由から、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレン硬化ひまし油から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
非イオン界面活性剤のHLB値としては特に限定はない。一般にHLB値8〜18の範囲の非イオン界面活性剤は水中油型の乳化に用いられ、HLB値3〜6の範囲の非イオン界面活性剤は油中水型の乳化に用いられることが多く、HLB値の高い非イオン界面活性剤と低い非イオン界面活性剤を併用して用いられることも多いが、これに限定されるものではない。なお、本発明において、HLB値は、Davies法によって測定される値である。
陰イオン界面活性剤としては、たとえば、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、オレイン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;ステアロイルメチルタウリンNa、ラウロイルメチルタウリンNa、ミリストイルメチルタウリンNa、パルミトイルメチルタウリンNa、等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩;ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン塩;モノステアリルリン酸ナトリウム等のアルキルリン酸塩;ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩;ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の長鎖スルホコハク酸塩、N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウムモノナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ジナトリウム等の長鎖N−アシルグルタミン酸塩等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。陰イオン界面活性剤としては、ワックス粒子に対する分散効果が大きいという理由から、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩および長鎖スルホコハク酸塩から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
陰イオン活性剤は粒子界面に荷電を与え、粒子同士が互いに反発して凝集を防ぐことができる。また、非イオン界面活性剤と併用すると効果が大きい。
陽イオン界面活性剤としては、たとえば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩;ジアルキルジメチルアンモニウム塩;トリアルキルメチルアンモニウム塩、アルキルアミン塩が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。
両性界面活性剤としては、たとえば、2−ウンデシル−N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤;2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等のベタイン系両性界面活性剤;N−ラウリルグリシン、N−ラウリルβ−アラニン、N−ステアリルβ−アラニン等のアミノ酸型両性界面活性剤等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の量としては、特に限定されないが、ワックス粒子100重量部に対して、好ましくは1〜120重量部、さらに好ましくは1〜100重量部、特に好ましくは1〜80重量部、最も好ましくは1〜60重量部である。界面活性剤の量が、ワックス粒子100重量部に対して1重量部未満であると、ワックス粒子の水への分散が不十分となる場合がある。一方、界面活性剤の量が、120重量部超であると、増粘作用が起こりハンドリング性に欠ける場合がある。
(水溶性高分子)
水溶性高分子は、主に、本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物中でワックス粒子の表面に吸着し、立体障害によりワックス粒子間に反発力を付与し、その凝集を防ぐことで分散安定化性を保つ保護コロイドとして作用する。
水溶性高分子としては、特に限定はされないが、たとえば、でんぷん類、マンナン、アルギン酸類、天然ガム類、セルロースエーテル、蛋白類、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ゼラチン、カゼイン、コラーゲン、水溶性アクリル樹脂、水溶性ウレタン樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ブタジエン樹脂、水溶性フェノール樹脂等が挙げられる。これらの水溶性高分子は、1種または2種以上を併用してもよい。
でんぷん類としては、特に限定はないが、たとえば、小麦でんぷん、コーンスターチ、ばれいしょでんぷん、かんしょでんぷん、タピオカでんぷん、小麦粉でんぷん、酸化でんぷん、酢酸でんぷん、燐酸でんぷん、カルボキシメチルスターチ、カルボキシエチルスターチ、ヒドロキシエチルスターチ、陽性でんぷん、シアノエチル化でんぷん、ジアルデヒドでんぷん等が挙げられる。
アルギン酸類としては、特に限定はないが、たとえば、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アンモニウム等が挙げられる。
天然ガム類としては、特に限定はないが、たとえば、タラカントガム、アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、ブリティッシュガム、グルコマンナン、ジェランガム、タラガム、ローカストビーンガム、カラギナン等が挙げられる。
セルロースエーテルとしては、特に限定はないが、たとえば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
蛋白類としては、特に限定はないが、たとえば、ゼラチン、カゼイン、コラーゲン等が挙げられる。
上記で説明した水溶性高分子のなかでも、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、セルロースエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アラビアガム、グアーガム、キサンタンガムおよびポリアクリル酸ソーダから選ばれた少なくとも1種が好ましい。
水溶性高分子の量は特に限定されないが、ワックス粒子100重量部に対して、好ましくは1〜50重量部、さらに好ましくは1〜40重量部、特に好ましくは5〜30重量部、最も好ましくは5〜20重量部である。水溶性高分子の量が、ワックス粒子100重量部に対して1重量部未満であると、保護コロイドとしての効果が不十分となる場合がある。一方、水溶性高分子の量が、50重量部超であると、著しい増粘作用が起こり、ハンドリング性に欠ける場合がある。
(分散安定剤)
一般に、油性物質と水とを含む分散系は、熱力学的には不安定な系とされ、長時間経過した後に水相と油性物質相との二層に分離することがある。このような分散の破壊は、たとえば、液滴粒子がファン・デル・ワールス力によって互いに連結して二次的な集合体を作るクリーミング、凝集、合一といった現象を経過して起こる。ワックス粒子も例外ではなく、長期間ののちには分散の破壊が進行していく。本発明では、分散安定剤はワックス粒子の分散安定性を向上し経時的な分散の破壊を防ぐ目的で添加される。
分散安定剤としては、たとえば、レシチン;ロジン;イソノナン酸エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソデシル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル等の脂肪酸エステル;ドデセニル無水コハク酸、ヘキサデセニル無水コハク酸、オクタデセニル無水コハク酸等のアルケニル無水コハク酸;イソステアリン酸水添ひまし油、ダイマージリノール酸水添ひまし油、リシノレイン酸、セバシン酸、ウンデシレン酸、ヘプチル酸、メチルリシノレート、ブチルリシノレート、エチレングリコールモノリシノレート、トリメチロールプロパンモノリシノレート、メチル12−ヒドロキシステアレート、グリセリントリアセチルリシノレート等のひまし油誘導体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアルキルメタクリレート等が挙げられる。これらの分散安定剤は、1種または2種以上を併用してもよい。分散安定剤としては、ワックス粒子に対する分散安定化の効果が大きいという理由から、レシチン、ロジン、アルケニル無水コハク酸、ひまし油誘導体およびエチレン−酢酸ビニル共重合体から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
分散安定剤の量としては、特に限定されないが、ワックス粒子100重量部に対して、好ましくは1〜50重量部、さらに好ましくは1〜40重量部、特に好ましくは5〜30重量部、最も好ましくは5〜20重量部である。分散安定剤の量が、ワックス粒子100重量部に対して1重量部未満であると、分散安定性の効果が希薄になる場合がある。一方、分散安定剤の量が、50重量部超であると、増粘作用が起こり、ハンドリング性に欠ける場合がある。
(その他の成分等)
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物は、上記で説明した各成分および水以外に、消泡剤や多価アルコール等をさらに含有していてもよい。
消泡剤としては特に限定はないが、たとえば、ヒマシ油、ゴマ油、アマニ油、動植物油などの油脂系消泡剤;ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸などの脂肪酸系消泡剤;ステアリン酸イソアミル、こはく酸ジステアリル、エチレングリコールジステアレート、ステアリン酸ブチルなどの脂肪酸エステル系消泡剤;ポリオキシアルキレンモノハイドリックアルコールジ−t−アミルフェノキシエタノール、3−ヘプタノール、2−エチルヘキサノールなどのアルコール系消泡剤;ジ−t−アミルフェノキシエタノール3−ヘプチルセロソルブノニルセロソルブ3−ヘプチルカルビトールなどのエーテル系消泡剤;トリブチルオスフェート、トリス(ブトキシエチル)フオスフェートなどのリン酸エステル系消泡剤;ジアミルアミンなどのアミン系消泡剤;ポリアルキレンアミド、アシレートポリアミンなどのアミド系消泡剤;ラウリル硫酸エステルナトリウムなどの硫酸エステル系消泡剤;鉱物油等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては特に限定はないが、たとえば、グリセリン、1,3−ブタンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、マルチトール、スクロース、エリスリトール、キシリトール等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。
未加硫ゴム用防着剤組成物の不揮発分濃度は、未加硫ゴム用防着剤組成物を2〜3g秤取し、110℃で0.5時間保った後の恒量に達した残留物(以下では、「不揮発分」ということもある。)が未加硫ゴム用防着剤組成物に占める重量割合である。本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物の不揮発分濃度としては、特に限定はないが、好ましくは0.1〜60重量%、さらに好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは10〜50重量%、最も好ましくは20〜50重量%である。未加硫ゴム用防着剤組成物の不揮発分濃度が0.1重量%未満であると、濃度が非常に希薄であるために防着剤としての使用が限定され実用的でない場合がある。一方、不揮発分濃度が50重量%超であると、未加硫ゴム用防着剤組成物は分散安定性に欠ける場合がある。なお、本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物では、これを110℃で0.5時間保った後の恒量に達した残留物は、ワックス粒子、界面活性剤、水溶性高分子および分散安定剤を必須の成分として含み、後述する無機粒子および/または金属石鹸粒子をさらに含んでいてもよい。
未加硫ゴム用防着剤組成物の粘度(測定温度:20℃)としては、特に限定されないが、好ましくは30000mPa・s以下、ハンドリングのし易さを考慮すると、さらに好ましくは20000mPa・s以下、特に好ましくは10000mPa・s以下、最も好ましくは5000mPa・s以下である。また、粘度(測定温度:20℃)の下限値は0mPa・s超である。未加硫ゴム用防着剤組成物の粘度(測定温度:20℃)が、30000mPa・s超であると、未加硫ゴム用防着剤組成物の流動性が悪化しハンドリング性に欠ける場合がある。
未加硫ゴム用防着剤組成物のpHとしては、特に限定はないが、好ましくは5〜12、さらに好ましくは5〜10、特に好ましくは6〜9、最も好ましくは6〜8である。未加硫ゴム用防着剤組成物のpHが、5未満または12超であると、未加硫ゴム用防着剤組成物のハンドリング性に欠ける場合がある。
〔未加硫ゴム用防着剤組成物の製造方法〕
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物の製造方法は、上記未加硫ゴム用防着剤組成物を製造するための方法である。
未加硫ゴム用防着剤組成物の製造方法としては、たとえば、ワックス混合物を、界面活性剤と、水溶性高分子と、分散安定剤とにより水中油型に乳化分散させる方法(1)や;ワックス混合物を粉砕し粒子化して、界面活性剤と、水溶性高分子と、分散安定剤により水中油型に懸濁分散させる方法(2)等が挙げられる。ここで、ワックス混合物は融点以上で完全に溶融混合された後、粒子に加工される。
上記方法(1)としては、一般的な方法が用いられ、特に限定はないが、たとえば、反転乳化法、D相乳化法、HLB温度乳化法等が挙げられる。反転乳化法とは、まず界面活性剤を水に溶解し、これに攪拌下で油相を滴下する方法である。逆に油相中にあらかじめ界面活性剤を加えておき、そこへ水相を添加するAgent−in−oil法も一般に知られている。D相乳化法とは、界面活性剤と多価アルコールを溶解させた水に油相を攪拌しながら滴下し得られた透明なゲルにさらに水を添加する方法である。HLB温度乳化法は、非イオン界面活性剤を使用することによる転相温度を利用した方法であり転相温度乳化法とも呼ばれる。
ワックス混合物を乳化分散させる方法としては機械的な方法を用いてもよく、たとえば、ホモミキサー(たとえば、特殊機化工業株式会社製)、ホモディスパー(たとえば、特殊機化工業株式会社製)等により攪拌する方法や、マイクロフルイダイザー(みづほ工業株式会社取扱)、ホモゲナイザー(三和機械株式会社)等により高圧乳化する方法、スタティックミキサー(たとえば、株式会社ノリタケエンジニアリング社製)等の静止型分散装置を用いる方法、膜乳化法、超音波分散法等の一般的な分散方法を挙げることができる。また、反転乳化法などによりワックス混合物をあらかじめ粗乳化しておいてマイクロフルイダイザーなどの高圧乳化機で微細乳化させてもよい。
次に、方法(2)では、まず、ワックス粒子を製造する。ワックス混合物を粒子化してワックス粒子を製造する方法では、粉砕機を用いてもよい。粉砕機としては、特に限定はないが、たとえば、ジョークラッシャー、ジャイレトリークラッシャー、コーンクラッシャー、ロールクラッシャー、インパクトクラッシャー、ハンマークラッシャー、ロッドミル、ボールミル、振動ロッドミル、振動ボールミル、円盤型ミル、ジェットミル、サイクロンミルなどの乾式粉砕機;ビーズミルなどの湿式粉砕機等が挙げられる
粉砕されたワックス粒子と、界面活性剤と、水溶性高分子と、分散安定剤を水に懸濁分散させる方法としては、特に限定はないが、ホモミキサー、ホモディスパー等により攪拌する方法が挙げられる。
また、ワックス粒子と、界面活性剤と、水溶性高分子と、分散安定剤とをあらかじめ混合しておいて、それらの混合物をホモミキサー、ホモディスパー等により攪拌して水に懸濁分散させてもよい。混合については、特に限定はなく、容器と攪拌羽根といった極めて簡単な機構を備えた装置を用いて行うことができる。また、一般的な揺動または攪拌を行える粉体混合機を用いてもよい。粉体混合機としては、たとえば、リボン型混合機、垂直スクリュー型混合機等の揺動攪拌または攪拌を行える粉体混合機を挙げることができる。また、近年、攪拌装置を組み合わせたことにより効率のよい多機能な粉体混合機であるスーパーミキサー(株式会社カワタ製)およびハイスピードミキサー(株式会社深江製)、ニューグラムマシン(株式会社セイシン企業製)、SVミキサー(株式会社神鋼環境ソリューション社製)等を用いてもよい。
上記で説明した未加硫ゴム用防着剤組成物の製造方法のなかでも、乳化分散させる方法(1)が好ましく、製造設備および作業の簡便さを考慮すると、下記の準備工程および混合工程を含む方法がさらに好ましい。
準備工程:水溶性高分子を水に溶解または分散させ、ワックス混合物の融点以上に加温攪拌して中間原料を得るとともに、ワックス混合物を溶融させてワックス溶融混合物を得る工程
混合工程:次いで、前記中間原料に、前記ワックス溶融混合物、前記界面活性剤および前記分散安定剤を滴下混合して、乳化分散させる工程
準備工程としては、まず水溶性高分子を水に溶解または分散させ、ワックス混合物の融点以上に加温攪拌して中間原料を得る。水溶性高分子を水に溶解または分散させる方法は特に限定がないが、たとえば、1)冷水に水溶性高分子を投入し、攪拌しながら徐々に加温していく方法、2)熱水に水溶性高分子を投入する方法等があるが、作業時間を短縮できるので、1)が好ましい。得られた中間原料は、水溶性高分子が水に溶解または分散させた状態になっており、乳化するワックス混合物の融点以上に加温されている。ここでワックス混合物の融点未満であると、安定な乳化分散ができない。ここで、ワックス混合物の融点が水または中間原料の沸点に近似である場合、または、沸点よりも高い場合に、加圧条件下で中間原料がワックス混合物の融点以上に加温される。
中間原料の温度は、ワックス混合物の融点によって設定されるが、好ましくは60〜160℃、さらに好ましくは80〜120℃、特に好ましくは90〜110℃の範囲で制御される。中間原料の加圧条件については、特に限定はないが、ゲージ圧で0〜5.0MPa、さらに好ましくは0.1〜3.0MPa、特に好ましくは0.2〜2.0MPaの範囲である。また、この中間原料とは別にワックス混合物を溶融させてワックス溶融混合物を得る。
混合工程において、ワックス溶融混合物、界面活性剤および分散安定剤を前記中間原料に滴下して、乳化分散させる順序については、特に限定はなく、予め前記ワックス溶融混合物、前記界面活性剤および前記分散安定剤を混合してから前記中間原料に滴下してもよい。滴下混合に要する時間としては、特に限定はないが、0.1〜6時間程度が好ましい。
ワックス混合物を乳化分散することの利点としては、たとえば、ワックス混合物を微粒子化して、ワックス粒子とすることができ、その粒子径を均一にそろえることができる。ワックスは高融点で常温では硬度が高いのでその加工は困難であり、さらには加工されたワックス粒子が粗く粒子径が不均一であると分散系は不安定になる。また、ワックスの乳化分散の場合ワックスを通常高温で完全溶解し、分散させるので、親油性の分散剤や分子量の大きな分散剤を界面に吸着させやすく、ワックス粒子界面の被膜を強くすることができる。ワックス粒子被膜の強さは分散安定化に大きく影響する。分散剤の中には水に不溶な性質をもつ物質もあり、そのような分散剤を使用する場合は、あらかじめ溶融させて液状にしておいて同様に溶融した液状のワックスと混合し水中に滴下して分散剤を界面に移行させる方法が選択される。
〔防着処理された未加硫ゴムの製造方法〕
本発明の防着処理された未加硫ゴムの製造方法は、上記未加硫ゴム用防着剤組成物またはその希釈液を、成形加工された未加硫ゴムの表面に付着させる処理工程を含む。以下では、「未加硫ゴム用防着剤組成物またはその希釈液」を簡単のために、「防着剤組成物等」ということがある。
成形加工された未加硫ゴムにおいて、その成形加工方法や形状等について、特に限定はない。成形加工方法としては、たとえば、カレンダーロールシート成形法、ローラーヘッドシート成形法、押出シート成形法、ラム押出成形法、スクリュー押出成形法、圧縮成形法、注入成形法、射出成形法等を挙げることができる。また、その形状としては、たとえば、シート状、フィルム状、ホース状、チューブ状、スポンジ状、パッキン、ベルト、靴底等を挙げることができる。
防着剤組成物等の付着方法としては、未加硫ゴムにスプレーする方法、細流にて未加硫ゴムに吹きつける方法、防着剤組成物等に未加硫ゴムを浸漬する方法等が挙げられる。
このように付着して製造された防着処理された未加硫ゴムは、次の成型、加硫等の工程に移行するまでの間、積み重ねて貯蔵する場合に、未加硫ゴム同士の密着を防止することができる。
未加硫ゴム用防着剤組成物の希釈液は、未加硫ゴム用防着剤組成物をさらに水で希釈分散させて得られる。ここで、この希釈液の不揮発分濃度は、希釈液を2〜3g秤取し、110℃で0.5時間保った後の恒量に達した残留物が希釈液に占める重量割合である。希釈液を110℃で0.5時間保った後の恒量に達した残留物は、ワックス粒子、界面活性剤、水溶性高分子および分散安定剤を必須の成分として含み、後述する無機粒子および/または金属石鹸粒子をさらに含んでいてもよい。希釈液の不揮発分濃度については、特に限定はないが、好ましくは0.1〜50重量%、加硫ゴムの物理的性質を損なわないことを考慮すると、さらに好ましくは0.1〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%、最も好ましくは0.1〜1重量%である。
本発明の防着処理された未加硫ゴムの製造方法(以下では、簡単のために「未加硫ゴムの製造方法」ということがある。)では、無機粒子および/または金属石鹸粒子を前記成形加工された未加硫ゴムの表面にさらに付着させてもよい。この場合、無機粒子および/または金属石鹸粒子を含む防着剤組成物等を予め準備して、成形加工された未加硫ゴムに上記と同様にして付着させてもよく、防着剤組成物等とは別に無機粒子および/または金属石鹸粒子を別途付着させてもよい。
無機粒子としては、特に限定はないが、たとえば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等の炭酸塩;カオリン、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、クレー、タルク、マイカ、セリサイト、ベントナイト等のケイ酸塩;硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩;シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、酸化チタン、ホワイトカーボン、酸化鉄等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄等の金属水酸化物;ベンガラ;カーボンブラック;グラファイト等が挙げられる。これらの中でも、無機粒子が、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、マイカ、セリサイトおよびベントナイトから選ばれる少なくとも1種からなると、ゴム表面への付着性に優れるという理由から好ましい。
金属石鹸粒子としては、特に限定はないが、たとえば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸リチウム、オレイン酸カルシウム等が挙げられる。これらの中でも、金属石鹸粒子が、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムから選ばれる少なくとも1種からなると、ゴム表面への付着性に優れるという理由から好ましい。
本発明の未加硫ゴムの製造方法において無機粒子および/または金属石鹸粒子を用いる場合、無機粒子および/または金属石鹸粒子の使用量を少なく抑えることができる。また、未加硫ゴム用防着剤組成物が含有する水溶性高分子が、バインダーとして作用するので、無機粒子および/または金属石鹸粒子の粉落ちを防止する。このために、粉塵発生の問題が大幅に低下する。
したがって、本発明の未加硫ゴムの製造方法で、無機粒子および/または金属石鹸粒子を用いると、従来の無機粒子や金属石鹸粒子の粉末を含む防着剤の問題点であった防着性の問題、粉塵による問題を大きく改善することができる。
本発明の未加硫ゴムの製造方法で使用される無機粒子および/または金属石鹸粒子の量としては、特に限定はないが、たとえば、水に希釈分散された本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物100重量部に対して、好ましくは10〜500重量部の無機粒子および/または金属石鹸粒子をさらに分散させて、成形加工された未加硫ゴムの表面に付着させても良い。ゴム表面への無機粒子および/または金属石鹸粒子の付着量が少ない方が、ゴム製品の物理的性質に与える悪影響や粉塵発生による作業環境面の問題を低減できることを考慮すると、さらに好ましくは10〜300重量部、特に好ましくは10〜100重量部、最も好ましくは10〜50重量部である。
以下に、未加硫ゴム用防着剤組成物の実施例について、具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜19で製造した未加硫ゴム用防着剤組成物および比較例1〜19で評価した組成物について、次に示す要領で物性を測定し、さらに性能を評価した。
〔ワックス粒子の平均粒子径の測定〕
レーザー回折式粒度分布測定装置(SYMPATEC社製 HEROS&RODOS)を使用し、D50値をワックス粒子の平均粒子径とした。
〔未加硫ゴム用防着剤組成物の不揮発分濃度〕
未加硫ゴム用防着剤組成物A(g)をアルミシートに秤取し、110℃で0.5時間保った後の恒量に達した残留物の質量を測定すると、B(g)であった。但し、A(g)は2〜3gの範囲であった。その不揮発分濃度を下式にしたがって算出した。
未加硫ゴム用防着剤組成物の不揮発分濃度(wt%)=(B/A)×100
〔希釈液の不揮発分濃度〕
希釈液a(g)をアルミシートに秤取し、110℃で0.5時間保った後の恒量に達した残留物の質量を測定すると、b(g)であった。但し、a(g)は2〜3gの範囲であった。その不揮発分濃度を下式にしたがって算出した。
希釈液の不揮発分濃度(wt%)=(b/a)×100
〔未加硫ゴム用防着剤組成物の粘度の測定〕
測定装置として、ブルックフィールド型粘度計(BL型、東機産業株式会社製)を用いて20℃、12rpm、ローターNo.3の条件下で測定した。
〔剥離抗力の測定〕
未加硫ゴム用防着剤組成物を任意の濃度に希釈して、これに100℃の温度に加熱したNR/BRゴム試験片を浸漬してすぐに引き上げる。試験片が風乾したら2枚を重ね合わせ、1000kg/mの荷重をかけ40℃の恒温槽に24時間放置する。恒温槽から出した試験片を室温まで空冷し、引張り試験機テンシロン(PT−200N型、ミネベア株式会社)を用いて100mm/minの速度下で剥離抗力(N/mm)を測定した。剥離抗力が小さいほど剥がしやすく、防着性(防着力)が高い。剥離抗力としては、0.01N/mm以下であれば、大きな負荷なく未加硫ゴム同士を剥がすことができ、好ましい。剥離抗力が0.01N/mm超であれば、未加硫ゴム同士を剥がす時の負荷が大きく、好ましくない。さらに剥離抗力が0.05N/mm超であれば、ゴム同士が密着して剥離が困難である。
〔防着処理ゴムの粉付着量および粉飛散量〕
NR/BRゴム試験片10×10cmを準備し、初期重量(W)を測定した。未加硫ゴム用防着剤組成物を希釈して、100℃に加熱されたゴム試験片を2回連続で浸漬してすぐに引き上げた。試験片が風乾したらその重量(W)を測定した。さらに試験片の各6面をたわしで15回強くこすった後の試験片の重量(W)を測定した。防着処理ゴムの粉付着量および粉飛散量は下記の式により計算される。
防着処理ゴムの粉付着量(mg/100cm)=W−W
防着処理ゴムの粉飛散量(mg/100cm)=W−W
防着処理ゴムの粉付着量が大きいほど、ゴムに混入する未加硫ゴム用防着剤組成物の量が多くなり、ゴムの物理的性質に悪影響を与える。粉付着量が10mg/100cm未満であれば、ゴムの物理的性質に大きな悪影響を与えず、好ましい。粉付着量が10mg/100cm超であれば、ゴムの物理的性質に悪影響を与える場合があり好ましくない。
防着処理ゴムの粉飛散量が大きいほど、ゴム表面から粉落ちした粉塵による飛散問題が大きくなる。粉飛散量が3mg/100cm未満であれば、粉塵発生の問題を大幅に低下できて、好ましい。粉飛散量が3mg/100cm超であれば、ゴム表面から粉落ちした粉塵による飛散が発生し好ましくない。
〔測定用NR/BRゴムの組成〕
測定に用いたNR/BRゴム(未加硫ゴム生地)は、以下に示す成分および所定量をそれぞれ混合して製造した。
天然ゴム 60部
ブタジエンゴム 40部
カーボンGPF 25部
カーボンFEF 25部
アロマオイル 8部
〔実施例1〕
イオン交換水400gに、ポリビニルアルコール3g、カルボキシメチルセルロース6g、アラビアガム3gを攪拌しながら加え、徐々に90℃まで加温して完全に溶解させた水溶液を調製した。
これとは別に、硬化ひまし油40g、パラフィンワックス140Fの30g、カルナバワックス30g、ポリオキシエチレン(25)ラウリルエーテル12g、ジセチルスルフォサクシネートソーダ塩18g、レシチン1.5g、ロジン6g、イソステアリン酸エチル10gを140℃で溶融混合して油性混合物を調製し、これを90℃に加温した前記水溶液に攪拌しながら滴下分散させた。90℃で1時間攪拌した後、40℃以下に冷却して未加硫ゴム用防着剤組成物を得た。
得られた未加硫ゴム用防着剤組成物では、凝集は確認されず、ワックス粒子の平均粒子径18.4μm、不揮発分濃度28.6%、粘度0.5Pa・sであった。
得られた未加硫ゴム用防着剤組成物を水でさらに希釈して、不揮発分濃度が0.6重量%の希釈液を得た。この希釈液に100℃に加熱されたNRBRゴム試験片を浸漬してすぐに引き上げた。ゴム試験片が風乾したら2枚を重ね合わせ、1000kg/mの荷重をかけ40℃の恒温槽に24時間放置した。剥離抗力は0N/mmであり、負荷なく剥離することができ、防着性が優れていた。また、粉付着量は5.9mg/100cm、粉飛散量は1.5mg/100cmと非常に少ない量であるので、ゴムの物理的性質に与える悪影響と粉塵発生の問題を大幅に低減できる。
〔実施例2〕
イオン交換水400gに、ポリビニルアルコール6g、メチルセルロース3g、アラビアガム6gを攪拌しながら加え、0.5MPa加圧下で徐々に110℃まで加温して完全に溶解させた水溶液を調製した。
これとは別に、硬化ひまし油50g、ポリエチレンワックスA−C629(Honeywell社製)の50g、ポリオキシエチレン(25)ラウリルエーテル12g、ジセチルスルフォサクシネートソーダ塩18g、ロジン8g、ドデセニル無水コハク酸2g、イソステアリン酸エチル8gを140℃で溶融混合して油性混合物を調製し、これを110℃に加温した前記水溶液に攪拌しながら滴下分散させた。110℃で1時間攪拌した後、40℃以下に冷却して未加硫ゴム用防着剤組成物を得た。
得られた未加硫ゴム用防着剤組成物で凝集は確認されず、ワックス粒子の平均粒子径20.2μm、不揮発分濃度29.2%、粘度3.2Pa・sであった。
得られた未加硫ゴム用防着剤組成物を水でさらに希釈して、不揮発分濃度が0.6重量%の希釈液を得た。この希釈液に100℃に加熱されたNRBRゴム試験片を浸漬してすぐに引き上げた。ゴム試験片が風乾したら2枚を重ね合わせ、1000kg/mの荷重をかけ40℃の恒温槽に24時間放置した。剥離抗力は0.003N/mmであり、負荷なく剥離することができ、防着性が優れていた。また、粉付着量は6.2mg/100cm、粉飛散量は1.7mg/100cmと非常に少ない量であるので、ゴムの物理的性質に与える悪影響と粉塵発生の問題を大幅に低減できる。
〔実施例3〜13〕
実施例3〜13では、実施例1において、表1および表2に示すように組成をそれぞれ変更する以外は、実施例1と同様に乳化して、未加硫ゴム用防着剤組成物をそれぞれ得て、物性等も実施例1と同様に評価した。その結果をそれぞれ表1および表2に示す。それらは防着性に優れ、粉付着量および粉飛散量が非常に少ないので、ゴムの物理的性質に与える悪影響と粉塵発生の問題を大幅に低減できる。
Figure 2009084489
Figure 2009084489
〔実施例14〕
イオン交換水400gに、ポリビニルアルコール6g、カルボキシメチルセルロース3g、アラビアガム6gを攪拌しながら加え、徐々に90℃まで加温して完全に溶解させた水溶液を調製した。
これとは別に、硬化ひまし油60g、ライスワックス15g、カルナバワックス25g、ポリオキシエチレン(50)ラウリルエーテル13g、ジオクチルスルフォサクシネートソーダ塩10g、ロジン5g、イソステアリン酸水添ひまし油8gを100℃以上で溶融混合して油性混合物を調製し、これを90℃に加温した前記水溶液に攪拌しながら滴下分散させた。90℃で1時間攪拌した後、40℃以下に冷却して未加硫ゴム用防着剤組成物を得た。得られた未加硫ゴム用防着剤組成物で凝集は確認されず、ワックス粒子の平均粒子径16.2μm、不揮発分濃度27.5%、粘度2.1Pa・sであった。
得られた未加硫ゴム用防着剤組成物に不揮発分濃度が0.5重量%となるように水で希釈し、次いで、炭酸カルシウムを添加して希釈液を得た。なお、炭酸カルシウムの添加量は希釈液の0.5重量%となるように調整したので、希釈液の不揮発分濃度は1.0重量%であった。この希釈液に100℃に加熱されたNRBRゴム試験片を浸漬してすぐに引き上げた。ゴム試験片が風乾したら2枚を重ね合わせ、1000kg/mの荷重をかけ40℃の恒温槽に24時間放置した。剥離抗力は0N/mmであり、負荷なく剥離することができ、防着性が優れていた。また、粉付着量は4.8mg/100cm、粉飛散量は1.1mg/100cmと非常に少ない量であるので、ゴムの物理的性質に与える悪影響と粉塵発生の問題を大幅に低減できる。
〔実施例15〜19〕
実施例15〜19では、実施例14において、表3に示すように組成をそれぞれ変更する以外は、実施例14と同様に調製して未加硫ゴム用防着剤組成物をそれぞれ得た。次いで、実施例14と同様にして希釈液をそれぞれ得て、物性等評価を行った。その結果をそれぞれ表3に示す。それらは防着性に優れ、粉付着量および粉飛散量が非常に少ない量であるので、ゴムの物理的性質に与える悪影響と粉塵発生の問題を大幅に低減できる。
Figure 2009084489
〔比較例1〕
イオン交換水400gに、ポリビニルアルコール10g、カルボキシメチルセルロース5g、アラビアガム3gを攪拌しながら加え、徐々に90℃まで加温して完全に溶解させた水溶液を調製した。
ポリエチレンワックスA−C629の100g、ポリオキシエチレン(25)ラウリルエーテル10g、ジセチルスルフォサクシネートソーダ塩13g、レシチン1g、ロジン4gを100℃以上で溶融混合して油性混合物を調製し、これを90℃に加温したイオン交換水に攪拌しながら滴下分散させた。90℃で1時間攪拌した後、40℃以下に冷却して比較組成物を得た。
得られた比較組成物で凝集は確認されず、ワックス粒子の平均粒子径20.5μm、不揮発分濃度26.9%、粘度3.8Pa・sであった。
得られた比較組成物を水でさらに希釈して不揮発分濃度が0.6重量%の比較希釈液を得た。この比較希釈液に100℃に加熱されたNRBRゴム試験片を浸漬してすぐに引き上げた。ゴム試験片が風乾したら2枚を重ね合わせ、100kg/mの荷重をかけ40℃の恒温槽に24時間放置した。剥離抗力を測定したところ、剥離抗力が0.05N/mm超であり、密着して剥離することができなかった。また、粉付着量は5.8mg/100cm、粉飛散量は1.5mg/100cmであった。実施例1〜13と比較して、粉付着量および粉飛散量は同等で少ないが、剥離抗力が大きく防着性に優れなかった。
〔比較例2〜6〕
比較例2〜6では、比較例1において、表4に示すように組成をそれぞれ変更する以外は、比較例1と同様に乳化して、比較組成物をそれぞれ得て、物性等評価を行った。得られた比較組成物の物性等の結果も、それぞれ表4に示す。実施例1〜13と比較して、粉付着量および粉飛散量は同等で少ないが、剥離抗力は全て0.01N/mm超であり、防着性に優れなかった。
Figure 2009084489
〔比較例7〕
比較例2と比較例3と比較例4で調製した比較組成物を等量ずつ混ぜ合わせて、パラフィンワックスの粒子とカルナバワックスの粒子と硬化ひまし油の粒子のそれぞれを含有する比較組成物を調製した。
得られた比較組成物を水でさらに希釈して不揮発分濃度が0.6重量%の比較希釈液を得た。この比較希釈液に100℃に加熱されたNRBRゴム試験片を浸漬してすぐに引き上げた。ゴム試験片が風乾したら2枚を重ね合わせ、1000kg/mの荷重をかけ40℃の恒温槽に24時間放置した。剥離抗力は0.04N/mmであった。また、粉付着量は5.8mg/100cm2、粉飛散量は1.8mg/100cmであった。実施例1の結果と比べて防着性に優れなかった。
〔比較例8〕
比較例1と比較例4で調製した比較組成物を等量ずつ混ぜ合わせて、ポリエチレンワックスA−C629(Honeywell社製)の粒子と硬化ひまし油の粒子のそれぞれを含有する未加硫ゴム用防着剤組成物を調製した。
得られた比較組成物を水でさらに希釈して、不揮発分濃度が0.6重量%の比較希釈液を得た。この比較希釈液に100℃に加熱されたNRBRゴム試験片を浸漬してすぐに引き上げた。ゴム試験片が風乾したら2枚を重ね合わせ、1000kg/mの荷重をかけ40℃の恒温槽に24時間放置した。剥離抗力は0.05N/mmであった。また、粉付着量は5.9mg/100cm、粉飛散量は1.9mg/100cmであった。実施例2の結果と比べて防着性に優れなかった。
〔比較例9〕
市販の未加硫ゴム用防着剤組成物であるニューエイドSTR−25(精工化学株式会社製)を水でさらに希釈して、比較希釈液を得た。なお、比較希釈液の不揮発分濃度は、実施例1〜13と比較するために、0.6重量%に調整した。この比較希釈液に100℃に加熱されたNRBRゴム試験片を浸漬してすぐに引き上げた。ゴム試験片が風乾したら2枚を重ね合わせ、1000kg/mの荷重をかけ40℃の恒温槽に24時間放置した。剥離抗力を測定したところ、剥離抗力が0.05N/mm超であり、密着して剥離することができなかった。また、粉付着量は7.5mg/100cm、粉飛散量は2.1mg/100cmであった。実施例1〜13と比較して、粉付着量および粉飛散量は同等で少ないが、剥離抗力が大きく防着性に優れなかった。
〔比較例10〜12〕
比較例10〜12では、比較例9において、表5に示すように市販の未加硫ゴム用防着剤組成物(精工化学株式会社製)をそれぞれ変更する以外は、比較例9と同様に調製して、物性等評価を行った。得られた比較組成物の物性等の結果も、それぞれ表5に示す。実施例1〜13と比較して、粉付着量および粉飛散量は同等で少ないが、剥離抗力が大きく防着性に優れなかった。
Figure 2009084489
〔比較例13〕
無機粒子として、炭酸カルシウム20g、ベントナイト50g、クレー10g、界面活性剤として、ポリオキシエチレン(25)ラウリルエーテル5g、ジセチルスルフォサクシネートソーダ塩6g、オレイン酸ナトリウム6gを配合して比較組成物を得た。得られた配合物を不揮発分濃度が0.6重量%となるように水で希釈分散して、比較希釈液を得た。この比較希釈液に100℃に加熱されたNRBRゴム試験片を浸漬してすぐに引き上げた。ゴム試験片が風乾したら2枚を重ね合わせ、1000kg/mの荷重をかけ40℃の恒温槽に24時間放置した。剥離抗力を測定したところ、剥離抗力が0.05N/mm超であり、剥離することができなかった。また、粉付着量は8.7mg/100cm、粉飛散量は4.1mg/100cmであった。実施例1〜19と比較して、剥離抗力が大きく防着性に優れなかった。
〔比較例14〜19〕
比較例14〜19では、比較例13において、表6に示すように組成および希釈液の不揮発分濃度をそれぞれ変更する以外は、比較例13と同様に配合して、比較組成物をそれぞれ得て、物性等評価を行った。得られた比較組成物の物性等の結果も、それぞれ表6に示す。これらの結果は、実施例1〜19と比較して、剥離抗力が大きく防着性に優れなかった。比較例17〜19では、比較組成物の不揮発分濃度を段階的に増やしていった。不揮発分濃度を増やしていくと、剥離抗力は小さくなり防着性は向上したが、粉付着量および粉飛散量が増加し、ゴムの物理的性質に与える悪影響と粉塵発生の問題が懸念され、問題がある。実施例1〜19のように、少ない粉付着量および粉飛散量でありながら、優れた防着性を発現することはできなかった。
Figure 2009084489
上記表1〜4において、針入度は、JIS K−2235 5・4に準用した25℃における数値であり、その単位はmm(100g/5s)である。
上記表1〜6において、POE(n)とは、ポリオキシエチレン(オキシエチレンの繰返し単位数:n)を意味する。

Claims (14)

  1. ワックス混合物からなるワックス粒子と、界面活性剤と、水溶性高分子と、分散安定剤と、水とを含有する組成物であって、
    前記ワックス粒子100重量部に対して、界面活性剤1〜120重量部、水溶性高分子1〜50重量部、分散安定剤1〜50重量部が配合されており、
    前記ワックス混合物100重量部が下記A成分30〜90重量部およびB成分10〜70重量部から構成され、
    前記ワックス粒子が前記水に分散した状態となっている、
    未加硫ゴム用防着剤組成物。
    A成分:水素化ワックス
    B成分:植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、石油ワックス、合成炭化水素系ワックス、変性ワックス、脂肪酸アミドおよび無水フタル酸イミドから選ばれる少なくとも1種
  2. 前記水素化ワックスの融点が60〜150℃である、請求項1に記載の未加硫ゴム用防着剤組成物。
  3. 前記B成分のうちで、その30重量%以上を占めるワックスの針入度が、それぞれ、25℃において10mm以下(100g/5s)、50℃において25mm以下(100g/5s)の範囲内である、請求項1または2に記載の未加硫ゴム用防着剤組成物。
  4. 前記30重量%以上を占めるワックスの融点が70〜150℃である、請求項3に記載の未加硫ゴム用防着剤組成物。
  5. 前記A成分が、硬化ひまし油、12−ヒドロキシステアリン酸およびその誘導体から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の未加硫ゴム用防着剤組成物。
  6. 前記B成分が、パラフィンワックス、マイクロクリスタンワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックスおよびライスワックスから選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の未加硫ゴム用防着剤組成物。
  7. 前記ワックス粒子の平均粒子径が0.1〜50μmである、請求項1〜6のいずれかに記載の未加硫ゴム用防着剤組成物。
  8. 前記界面活性剤が非イオン界面活性剤および/または陰イオン界面活性剤である、請求項1〜7のいずれかに記載の未加硫ゴム用防着剤組成物。
  9. 前記非イオン界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレン硬化ひまし油から選ばれる少なくとも1種であり、前記陰イオン界面活性剤が、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩および長鎖スルホコハク酸塩から選ばれる少なくとも1種である、請求項8に記載の未加硫ゴム用防着剤組成物。
  10. 前記水溶性高分子が、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、セルロースエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アラビアガム、グアーガム、キサンタンガムおよびポリアクリル酸ソーダから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜9のいずれかに記載の未加硫ゴム用防着剤組成物。
  11. 前記分散安定剤が、レシチン、ロジン、アルケニル無水コハク酸、ひまし油誘導体およびエチレン−酢酸ビニル共重合体から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜10のいずれかに記載の未加硫ゴム用防着剤組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の未加硫ゴム用防着剤組成物を製造するための方法であって、
    前記水溶性高分子を前記水に溶解または分散させ、前記ワックス混合物の融点以上に加温攪拌して中間原料を得るとともに、前記ワックス混合物を溶融させてワックス溶融混合物を得る、準備工程と、
    次いで、前記中間原料に、前記ワックス溶融混合物、前記界面活性剤および前記分散安定剤を滴下混合して、乳化分散させる、混合工程とを含む、
    未加硫ゴム用防着剤組成物の製造方法。
  13. 請求項1〜11のいずれかに記載の未加硫ゴム用防着剤組成物またはその希釈液を、成形加工された未加硫ゴムの表面に付着させる処理工程を含む、防着処理された未加硫ゴムの製造方法。
  14. 無機粒子および/または金属石鹸粒子を前記成形加工された未加硫ゴムの表面にさらに付着させ、前記無機粒子が、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、マイカ、セリサイトおよびベントナイトから選ばれる少なくとも1種であり、前記金属石鹸粒子が、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムから選ばれる少なくとも1種である、請求項13に記載の防着処理された未加硫ゴムの製造方法。
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