以下、本発明の一実施形態について添付図面に基づいて説明する。
本発明のグリル付きガスこんろ80は、図1に示すように、こんろ本体81に、加熱手段としてガスバーナからなるこんろバーナを備えたガスこんろ部82と、加熱手段としてガスバーナからなるグリルバーナ(上バーナ41及び下バーナ42)を備えたグリル83とを備えたもので、添付図面に示す実施形態においてはビルトインタイプのグリル付きガスこんろ80が示してある。
グリル付きガスこんろ80の主体を構成するこんろ本体81の内部の左右方向の中央部に、グリル83が配設してあり、こんろ本体81の前面の左右方向の中央部にグリル83のグリル扉83aが配置してある。
こんろ本体81の上面にはガスこんろ部82が複数配設してあり、添付図面に示す実施形態ではこんろ本体81の上面に3つのガスこんろ部82が配設してあり、3つのガスこんろ部82は上面の手前側の左側、右側、及び上面の後側の左右方向の中央部にそれぞれ配設してあり、また、こんろ本体81の上面のガスこんろ部82が配設されていない部分はトッププレートTPにより覆われている。ここで、左右に配設したガスこんろ部82は一方がなべ底の温度を検知して燃焼制御を行うようにしたサーミスタからなる温度センサ82dを有する標準火力の温度センサ付きガスこんろ部82aとなっており、左右に配設したガスこんろ部82の他方が高火力ガスこんろ部82bとなっている。添付図面に示す実施形態では左側に温度センサ付きガスこんろ部82aを配設し、右側に高火力ガスこんろ部82bを配設した例が示してある。また、後方上面の後側の左右方向の中央部に配設したガスこんろ部82は小火力ガスこんろ部82cとなっている。各ガスこんろ部82には、鍋等の被加熱物95を受け止め支持するための五徳84が配設してある。また、各ガスこんろ部82には、図示しないがこんろバーナに点火する点火装置としての点火プラグと、こんろバーナの着火を検出する着火検出装置としての熱電対が設けられ、グリル83にも同様に、グリルバーナに点火する点火装置としての点火プラグと、グリルバーナの着火を検出する着火検出装置としての熱電対が設けられる。点火プラグは、後述する加熱状態調節部85における点火操作によってマイクロコンピュータからなる制御部86(図2参照)により点火動作が行われ、熱電対において検出された着火(点火)情報は制御部86に認識されて、制御部86により点火プラグでの点火処理を終了する。
各こんろバーナ及びグリルバーナには、図2に示すように、都市ガス等のガス燃料を供給する燃料供給路87からそれぞれ分岐する分岐供給路88が接続してある。燃料供給路87には電磁弁89が設けてあると共に、各分岐供給路88には、ガス燃料の供給量の調節を行うためステッピングモータにより駆動されて弁体の開度位置の微調整が可能な流量制御弁90と、前記弁体の開度位置を検出する位置センサ(図示せず)が設けてある。電磁弁89及び流量制御弁90は、制御部86により制御が行われ、位置センサにおける検出情報は制御部86によって認識・処理される。また、流量制御弁90は、対応するこんろバーナ又はグリルバーナが使用されない時には、流量を零にして遮断状態となるように切り換えられる。
グリル83は、前面が開口されかつ後面部が閉塞された略箱状の加熱室を形成するグリル庫1を備え、グリル庫1内の下部にグリル受皿2を設けると共に、グリル受皿2上に、被加熱物95を載置させる載置部としての焼き網3を載置して、その被加熱物95をグリルバーナにて加熱するように構成されている。グリル庫1の後方側には、グリルバーナの燃焼排ガスを機外に排気させる排気通路5が上方側に延びる状態で連設され、その排気通路5にてグリルバーナの燃焼排ガスを排気口91に導くように構成されている。グリル83、焼き網3及びグリル受皿2については後で詳述する。
こんろ本体81の前面の上部(添付図面に示す実施形態では左側の上部及び右側の上部)にはそれぞれ上記複数のガスこんろ部82の点火、消火、火力調節の操作を行うための加熱状態調節部85が設けてあると共に、前面の上部の右端に、制御部86をはじめ電磁弁89や流量制御弁90、入力部や加熱状態調節部85等の電気機器への通電の入切を行う自動復帰型で押し釦式の電源スイッチ92が設けてある。図1に示す実施形態では前面の左側に温度センサ付きガスこんろ部82aの点火、消火、火力調節の操作を行うための加熱状態調節部85aを配設し、前面の右側に高火力ガスこんろ部82bの点火、消火、火力調節の操作を行うための加熱状態調節部85bと、小火力ガスこんろ部82cの点火、消火、火力調節の操作を行うための加熱状態調節部85cとを配設してある。
上記各加熱状態調節部85は添付図面においては前後方向に移動自在な押釦により構成してあり、ガスこんろ部82の使用に当たっては、押釦よりなる加熱状態調節部85を押し操作して点火操作をすることで、後退していた加熱状態調節部85が前方に突出して器具栓がONとなり、流出するガス燃料にスパーク放電がなされてガスこんろ部82に点火される。この押釦よりなる加熱状態調節部85が前方に突出した状態で加熱状態調節部85を指で摘んで回動操作すると、前記回動角度がロータリーエンコーダにより検出されて制御部86に認識され、前記回動角度に応じた開度位置となるようにステッピングモータにより流量制御弁90の弁体が駆動されてガス流量が制御されて、ガスこんろ部82の火力調整ができるようになっている。一方、消火にあたっては、前方に突出している加熱状態調節部85を後方に押し操作することで器具栓がOFFとなってガスこんろ部82が消火される。
こんろ本体81の前面の下部には操作パネルPが収納自在に設けてある。添付図面に示す実施形態ではこんろ本体81の前面の左右の下部にそれぞれ操作パネルPが収納自在に設けてある。
こんろ本体81の前面の左右の下部にそれぞれ収納自在に設けた操作パネルPのうち、一方の操作パネルPにはグリル83に関する操作を行うためのグリル83用調理設定入力部が設けてあってこの操作パネルPがグリル側操作パネル93となり、他方の操作パネルPには温度センサ付きガスこんろ部82aによる調理設定の入力を行うためのガスこんろ部82用調理設定入力部が設けてあってこの操作パネルPがこんろ部側操作パネル94となっている。
図3にはグリル83用調理設定入力部一例を示しており、図4にはガスこんろ部82用調理設定入力部一例を示している。
グリル83による調理設定の入力を行うためのグリル83用調理設定入力部は図3に示すように、グリル83の点火・消火操作をするための点火・消火スイッチ93a、グリル83による調理時間(焼成時間)を設定するためのタイマスイッチ93b、上火、下火の火力を切換るための火力切替スイッチ93c、焼成するメニューを選んで該当する焼成物に対応した焼成制御を選択するためのメニュースイッチ93d、焼き加減を調整するための焼き加減スイッチ93e、上記タイマスイッチ93b、火力切替スイッチ93c、メニュースイッチ93d、焼き加減スイッチ93e等を操作して設定した各入力を取り消すための取消しスイッチ93f等を備えている。
一方、温度センサ付きガスこんろ部82aによる調理設定の入力を行うためのガスこんろ部82用調理設定入力部は図4に示すように、温度センサ付きガスこんろ部82aによる調理時間を設定するためのタイマスイッチ94a、揚げ物、炊飯、湯沸し等の自動調理のメニューを設定するためのメニュースイッチ94b、タイマスイッチ94aやメニュースイッチ94bを操作して設定した各入力を取り消すための取消しスイッチ94c等を備えている。図4の実施形態ではメニュースイッチ94bとして揚げ物スイッチ94d、炊飯スイッチ94e、湯沸しスイッチ94fが設けてある。そして、揚げ物スイッチ94dを押すことで揚げものを自動調理で行う揚げ物モードとすることができ、揚げ物スイッチ94dを何回押すかで200℃、180℃、160℃といった複数種類の揚げ物の調理の中から目的とする温度の揚げ物調理が設定できるようにしてある。また、炊飯スイッチ94eを押すことで炊飯を自動調理で行う炊飯モードとすることができ、炊飯スイッチ94eを何回押すかでご飯、おかゆといった複数種類の炊飯の調理の中から目的とする炊飯の調理が設定できるようにしてある。また、湯沸しスイッチ94fを押すことで湯沸しを自動調理で行う湯沸しモードとすることができ、湯沸しスイッチ94fを何回押すかで自動消火、5分保温といった湯沸し後にすぐ消火するか、あるいは一定時間保温するかといった湯沸しを選択して設定できるようにしてある。これらのガスこんろ部82用調理設定入力部において温度センサ付きガスこんろ部82aにおける調理設定の入力が行われると、制御部86によりあらかじめ設定された制御内容に基づいて温度センサ付きガスこんろ部82aにおける火力調整、調理時間等が制御されるものであり、この場合、なべ底温度を温度センサ付きガスこんろ部82aに設けた温度センサ82dにより検出して、該温度センサ82dで検出したなべ底温度を制御部86に入力してフィードバック制御により火力調整を行うようになっている。
ここで、温度センサ付きガスこんろ部82aで自動調理の設定を行う場合は、上記のように押釦よりなる加熱状態調節部85を指で押して加熱状態調節部85を前方に突出させる点火操作を行った後、操作パネルPに設けたガスこんろ部82用調理設定入力部で目的とする調理設定の入力を行うことで、温度センサ付きガスこんろ部82aによって目的とする調理がなされるように制御部86により火力調整、調理時間等が制御されて自動調理が行われるものである。
このように、ガスこんろ部82の使用に当たっては、手動により加熱を行う場合には、こんろ本体81の前面に露出している加熱状態調節部85を直接指で操作して制御部86に指令を与えて点火、火力調整、消火を行うと共に、自動調理を行う場合には、加熱状態調節部85の回動操作位置によらずに制御部86によりガス流量及び火力が調整されるものである。
また、自動調理の終了や、タイマ機能や、安全装置により異常が検知されることで、自動消火される場合があり、この場合には点火・消火操作部は器具栓をONとする状態であっても安全弁により燃料ガスが遮断されて消火される。
なお、本実施例では各ガスこんろ部82の分岐供給路88にステッピングモータにより駆動される流量制御弁90を設け、加熱状態調節部85を操作することで制御部86を介して電動により火力調整を行っているが、手動により直接弁体を操作する手動式ガス流量調節弁を設けてもよい。この場合、前記手動式ガス流量調節弁と直列にガス流量を制限するための電磁弁を設けることで自動調理が可能となるが、自動調理を行う場合には使用者が手動で前記手動式ガス流量調節弁を最大ガス流量位置に調節することで、より確実な自動調理が行われるものである。本実施例では、ステッピングモータにより駆動される流量制御弁90のみが設けてあり、自動調理を行う際には前記流量制御弁90を最小から最大の範囲内で任意のガス流量に制御するため、使用者が加熱状態調節部85を操作して手動で加熱を行う際の最大ガス流量に合わせるといった操作が不要である。
次に、グリル83を使用する場合につき説明する。グリル83用調理設定入力部を有する操作パネルPを備えた可動部材の前面上部を押してグリル83用調理設定入力部を有する操作パネルPをこんろ本体81の前面から前方に突出して図1に示すように上方に露出させ、上方を向いているグリル83用調理設定入力部のメニュースイッチ93dや焼き加減スイッチ93eやタイマスイッチ93bを指で押すことで調理メニューや焼き加減や調理時間等のグリル83調理の設定入力を行い、次に、点火・消火スイッチ93aを指で押して点火入力操作を行ってグリル83に点火するものである。これによって目的とするグリル83調理がなされるように制御部86により火力調整、調理時間等が制御されて自動調理が行われるものである。上記調理設定の入力が終わると、当該可動部材の前面上部を押して操作パネルPが外部に露出しないように収納するものであり、これによりグリル83による調理中に操作パネルPが汚れるのを防止できる。なお、上記グリル83における自動調理中に自動調理を中止したい場合には点火・消火スイッチ93aを指で押すことで消火して自動調理を中止できる。
メニュースイッチ93dにより切り替えられるメニューとしては、「姿焼」「切身」「干物」があり、焼き加減スイッチ93eについても同様に「弱め」「標準」「強め」の3段階に調節できるようになっている。そして、調理するときの具体的なメニュー表(図示せず)が別途用意されており、使用者はこのメニュー表を調理内容の目安として、メニュースイッチ93d及び焼き加減スイッチ93eを操作して設定する。
グリル83は、図5に示すように、被加熱物95を加熱するための略箱状をしたグリル庫1内に加熱手段としてのグリルバーナを設けて主体が構成され、グリル庫1の後面を開口して上下方向に沿う排気用開口50が形成されている。グリルバーナは、グリル庫1の上面に上バーナ41を設けると共に、グリル庫1の左右の側壁11に沿ってグリル受皿2よりも上方で且つグリル受皿2に載置された焼き網3の網部31よりも下方の位置に下バーナ42を設けて構成してある。そして、このグリル庫1の後部に、グリルバーナの燃焼により被加熱物95を加熱したときに発生する煙やグリルバーナから発生する燃焼ガス等を含む調理排気を排気口91から排気させるための排気筒Hが接続されており、この排気筒H内が排気通路5となっている。排気通路5は、グリル庫1の後端部の排気用開口50からトッププレートTPの排気口91に至るように後方へ行く程上方に位置する傾斜を有しており、調理排気は温度上昇による自然ドラフトによって排気通路5内を通って排気口91より外部に排出される。
また、グリルバーナに供給される二次空気は、二重構造となったグリル扉83aの底面に形成された通気孔83bを通して取り入れるようにして、この二次空気の流動により、グリル受皿2を冷却させるように構成されている。グリル受皿2は、図7に示すように、平面視略矩形状をした上方に開口する容器からなる受け部21と、受け部21の周端から外周に連設されるフランジ部22とからなり、焼き網3の下方に配置されて魚などの被加熱物95からの油などを受け止めるもので、グリル庫1の左右の側壁11に設けられた固定レール(図示せず)と、固定レールに支持されて固定レールに沿ってスライド自在な可動レール13とからなるガイドにより支持される。グリル受皿2は、その長手方向がグリル庫1の前後方向(奥行き方向)となるように両側の可動レール13上にそれぞれ長辺側のフランジ部22を載置するのであるが、この時、長辺側のフランジ部22に形成した位置決め孔24(本実施形態では3mm×21mmの角孔)に、可動レール13の前記位置決め孔24に対応する位置に突設した突起(図示せず)を被嵌して位置決めを行なうものである。なお、グリル受皿2は、グリル庫1から取り出してグリル受皿2を洗ってから再び可動レール13上に載置することが頻繁に行われるため、使用者が前記作業を行い易いように、突起と位置決め孔24との嵌合は、前後方向に2mm程度の遊びをもたせてある。なおグリル受皿2は、グリル庫1に収容した時の前側及び後側が決まっており、フランジ部22に形成した位置決め孔24及び可動レール13に形成する突起は、前後方向において中央部から前後にずれた位置(本実施形態では後方にずれた位置)に形成してある。また、グリル受皿2のフランジ部22の後端部からは垂下片23が下方に連設してある。
グリル扉83aには、可動レール13の前端部が連結してある。グリル受皿2は、焼き網3を載置した状態でフランジ部22を可動レール13上に載置して設置し、使用者は、把手にてグリル扉83aを開閉させることにより、グリル受皿2と焼き網3をグリル庫1に対して収納移動および取り出し移動させるように構成されている。
焼き網3は、図8に示すように、被加熱物95が載置される網部31と、この網部31から下方に突設される脚部32とからなるもので、その長手方向をグリル受皿2の長手方向(すなわちグリル庫1の前後方向)に沿わせて配置する。網部31は、平面視で略矩形状をした枠部の対向する辺間に線材を架設してなり、枠部の長手方向の両端部、すなわち枠部の短辺となる部分であってグリル庫1の前後方向の端部となる部分に、脚部32が下方に向けて突設してある。脚部32は、本実施形態では枠部の短辺部分に沿う板状をしていると共に、内部に気体を通すための開口33が形成してある。この焼き網3は前側及び後側が決まっており、前側の脚部32aには略全域に亘って開口33が形成してあるが、後側の脚部32bには、主に上半部に開口33が形成してあり、下端部には左右に長い切欠状の冷却用二次空気の通気口34が別に設けてある。また、後側の脚部32bの開口33の下端部には後述する整流板7が設けてある。
脚部32の下端部には、グリル受皿2の所定位置に載置するための位置決め部35が形成してある。位置決め部35は、本実施形態では前側の脚部32a及び後側の脚部32bの下端部に形成する突起からなり、脚部32の下端部の両側に一つずつ計二つ(両脚部32で計四つ)形成してあると共に、前記突起位置に対応するグリル受皿2の短辺側のフランジ部22には、突起が挿入される焼き網位置決め孔25が形成してある。なお、上記のようにグリル受皿2に載置する焼き網3の前側及び後側は決まっているため、間違い防止のため、位置決め部35と焼き網位置決め孔25は、焼き網3の前後を逆にした場合には対応する位置にこないように形成してある。本実施形態では、左右の位置決め部35及び焼き網位置決め孔25の間の距離を前側と後側とで異ならせている。図6に焼き網3を載置したグリル受皿2をグリル庫1に収容した状態の縦断正面図を示す。
グリル扉83aは、下半部の後面(すなわちグリル庫1内側の面)側が二重構造となって、その内部が空気流路83cとなっており、空気流路83cは上方に開口してグリル庫1内に連通していると共に、底面に通気孔83bが形成してあり、空気流路83cと外部とが通気孔83bを介して連通している。上記のように、二次空気は、グリル庫1内の燃焼によるドラフトによりグリル庫1内が負圧となって、外部の空気が通気孔83b及びグリル扉83aの空気流路83cを通ってグリル庫1内に取り入れられ、グリル扉83aを冷却する。その後、焼き網3の上側を通って上バーナ41の燃焼に用いられ、上バーナ41の燃焼排気ガスとなって(図5中の矢印イ)、焼き網3の下側を通って下バーナ42の燃焼に用いられ、下バーナ42の燃焼排気ガス(図5中の矢印ロ)となって、焼き網3の下側で且つグリル受皿2の上側を通って下バーナ42の燃焼に用いられずグリル受皿2の冷却を行う皿上冷却空気(図5中の矢印ハ)として、グリル受皿2の下側で且つグリル庫1の底面14の上側を通ってグリル受皿2の冷却を行う皿下冷却空気(図5中の矢印ニ)として、それぞれ分かれて流れる。
そして、排気通路5の底部を構成する排気筒Hの下側面は、排気口91から落下侵入してくる異物を受け止める位置からグリル庫1に連結されるまでの間の全領域にわたり、グリル庫1に近づくほど下方に位置するような傾斜姿勢となるように構成されている。すなわち、排気筒Hの下側面が排気口91を通して落下侵入する異物をグリル庫1内に流下案内する傾斜状の案内面に形成されており、前記排気口91を通して落下侵入した異物をグリル庫1側に通過させる異物通路Tが形成されている。
また、排気通路5における排気口91には、防塵部材(図示せず)が備えられている。
また、こんろにおける調理材料等の破片、例えば野菜の切屑等の異物が防塵部材を通過して排気口91から排気通路5内に落下侵入した場合であっても、その異物は傾斜状の案内面に形成されている排気筒Hの下側面によって異物通路Tを通過する状態でグリル庫1内に流下案内されることとなる。グリル庫1内に回収された異物は、被加熱物95出入れ用のグリル庫1前方の開口を通して取り除くことができる。
そして、このグリル83には、グリルバーナによる加熱を開始した後の初期において、焼き網3における被加熱物95の載置状態の違いに応じて変化する温度上昇勾配を計測するための温度検出手段53が備えられ、制御部86が、温度検出手段53の検出情報に基づいて温度上昇勾配を求める判定用情報算出処理、及び、その判定用情報算出処理にて求めた前記温度上昇勾配の情報に基づいて、前記判定用情報算出処理を実行してから被加熱物95に対する加熱を終了するまでの残加熱時間を設定する残加熱時間設定処理を実行するように構成されている。またなお本実施形態では、温度検出手段53として、被加熱物95の熱容量の違いに起因して変化するグリルバーナによる加熱を開始してから設定判別温度に上昇するまでの熱容量判別用経過時間を計測する温度検出手段53を設けてあり、制御部86が熱容量判別用経過時間を求める判定用情報算出処理を行って、上記温度上昇勾配から残加熱時間を設定する際に前記熱容量判別用経過時間の情報に基づいて、適正な残加熱時間となるよう補正を行うように制御される。
前記温度検出手段53としては、前記熱容量判別用経過時間を検出するための熱容量判別用の上温度センサ53bと、前記温度上昇勾配を検出するための温度勾配検出用の下温度センサ53aとを夫々備えて構成されている。具体的に説明すると、図6に示すように、排気通路5内の長手方向の途中の底面5bに上温度センサ53bが設けてあると共に、排気通路5の底面5bの排気用開口50近傍に下温度センサ53aが設けてある。前記グリル庫1内における焼き網3の高さよりも少し高い位置であって且つ上バーナ41及び左右一対の下バーナ42の夫々の燃焼排気ガスが流動して排気通路5を通して排出される箇所に上温度センサ53bが設けられている。この上温度センサ53bが設けられる位置は、上バーナ41及び左右一対の下バーナ42の夫々の燃焼排気ガスが流動する箇所であり、加熱を開始してから設定判別温度に上昇するまでの熱容量判別用経過時間の変化が被加熱物95の熱負荷の大きさに応じて異なる箇所である。
また、上温度センサ53bよりの下方側箇所には、上温度センサ53bとは別に、グリル庫1内における焼き網3よりも少し低い位置であって主に下バーナ42の夫々の燃焼排気ガスが流動する箇所に下温度センサ53aが設けられている。この下温度センサ53aが設けられる位置は、焼き網3に載置される被加熱物95の載置状態の違いによって温度上昇勾配が異なる箇所である。
焼き網3に載置される被加熱物95の載置状態の違いは主に載置量の違いであり、背景技術の欄で説明したように、焼き網3に載置する被加熱物95の載置する量が多くなるに従って、下バーナ42の燃焼排気ガスの温度は低下する傾向にある。
そして、焼き網3に載置する被加熱物95の量が所定量よりも少ない場合、例えば被加熱物95が鯵であり、焼き網3の面積の2/3程度の面積に載置される400g程度よりも少ない場合には、排気通路5の下温度センサ53bを設けた部分に流入する下バーナ42の燃焼排気ガスの量と二次空気の量は略一定であるため、下バーナ42の燃焼排気ガスの温度の変化が排気通路5の下温度センサ53bを設けた部分を通る気体の温度に反映されて、焼き網3に載置する被加熱物95の量が多くなるに従って、排気通路5の下温度センサ53bを設けた部分を通る気体の温度が低くなるものである。
しかし、焼き網3に載置する被加熱物95の量が所定量よりも多い場合、例えば被加熱物95が鯵であり、焼き網3の面積の2/3程度の面積に載置される400g程度よりも多い場合には、載置する被加熱物95の量が多くなるに従って、被加熱物95に遮られて下バーナ42の燃焼排気ガスのうち焼き網3の上方へ通過する量が減少して焼き網3の下側を通る量が増加し、従って排気通路5の下温度センサ53bを設けた部分に流入する下バーナ42の燃焼排気ガスの量が増加する。すると、焼き網3に載置する被加熱物95の量が多くなるに従って、排気通路5の下温度センサ53bを設けた部分に流入する気体のうち下バーナ42の燃焼排気ガスが占める割合が増加し、排気通路5の下温度センサ53bを設けた部分を通る気体の温度が高くなってしまう。
そこで、焼き網3に載置する被加熱物95の量が所定量よりも多い場合でも、下バーナ42の燃焼排気ガスのうち焼き網3の下側を通った燃焼排気ガスが排気通路5の下温度センサ53bを設けた部分に流入するのを抑制するため、本実施形態では整流板7を設けている。
整流板7は、排気通路5の入口である排気用開口50の上下方向略中央部から、排気用開口50の上側端部よりも隙間をあけて下側に位置する部分にわたって配置されるもので、本実施形態では、焼き網3の後側の脚部32bの開口33の下端部から、後方へ行く程上方に位置するように傾斜する傾斜片として設けてある。
焼き網3に載置する被加熱物95の量が所定量よりも少ない場合、下バーナ42の燃焼排気ガスのうち、焼き網3を通過して上側に流れるもの及び焼き網3の下側を流れるものは略一定量であり、下側を流れるもののうちの大部分は、整流板7によって排気通路5の下温度センサ53bを設けた部分に流入するのが抑制されて、残りの所定量の燃焼排気ガスが排気通路5の下温度センサ53bを設けた部分に流入する。焼き網3の下側で且つグリル受皿2の上側を通って、下バーナ42の燃焼に用いられずグリル受皿2の冷却を行う皿上冷却空気は略一定量の略全てが排気通路5の下温度センサ53bを設けた部分に流入するため、排気通路5の下温度センサ53bを設けた部分に流入する下バーナ42の燃焼排気ガスの量と二次空気の比率は略一定となり、焼き網3に載置する被加熱物95の量が多くなるに従って、排気通路5の下温度センサ53bを設けた部分を通る気体の温度が低くなるものである。
また、焼き網3に載置する被加熱物95の量が所定量よりも多い場合、下バーナ42の燃焼排気ガスのうち、焼き網3を通過して上側に流れるものは被加熱物95の載置量が多くなるに従って少なくなると共に、その分、焼き網3の下側を流れるものは多くなるが、下側を流れるものは整流板7によって大部分が排気通路5に流入するのが抑制されて、残りの所定量の燃焼排気ガスが排気通路5の下温度センサ53bを設けた部分に流入する。皿上冷却空気は略一定量の略全てが排気通路5の下温度センサ53bを設けた部分に流入するため、排気通路5の下温度センサ53bを設けた部分に流入する下バーナ42の燃焼排気ガスの量と二次空気の比率は、焼き網3に載置する被加熱物95の量が所定量よりも少ない場合と同様に略一定となり、焼き網3に載置する被加熱物95の量が多くなるに従って、排気通路5の下温度センサ53bを設けた部分を通る気体の温度が低くなるものである。整流板7を設けたことで、下バーナ42の燃焼排気ガスが排気通路5の下温度センサ53bを設けた部分に流入するのを抑制することができるため、焼き網3に載置する被加熱物95の載置量が多くなるに従って焼き網3の下側を流れる下バーナ42の燃焼排気ガスの量が増大しても、排気通路5の下温度センサ53bを設けた部分に流入する下バーナ42の燃焼排気ガスの量を略一定とすることができる。これにより、排気通路5の下温度センサ53bを設けた部分を流れる気体の温度を下バーナ42の燃焼排気ガスの温度を反映したものとして、焼き網3に載置する被加熱物95の載置量が多くなるに従って低下する傾向を持たせることができて、焼き網3に載置する被加熱物95の量と、排気通路5の下温度センサ53bを設けた部分を流れる気体の温度の上昇幅との関係が単調減少となって、温度の上昇幅から焼き網3に載置する被加熱物95の量を唯一通りに求めることができるものである。
また、上述したように、排気通路5に流入する気体として、下バーナ42の燃焼排気ガスの一部と皿上冷却空気とを想定しており、それ以外の気体が流入するとその気体の流量等や温度等にも注意を払わなければならず、設計上好ましくない。下バーナ42の燃焼排気ガスの一部と皿上冷却空気以外の気体としては、上述したグリル受皿2の下側で且つグリル庫1の底面14の上側を通ってグリル受皿2の冷却を行う皿下冷却空気が考えられるため、本発明においては、皿下冷却空気の排気通路5への流入を抑制する抑制部15を設けている。
本実施形態の抑制部15は、図9に示すように、グリル庫1の後端部の底面14に、グリル受皿2のフランジ部22の後端部から垂下した垂下片23とグリル庫1の底面14との間の隙間を閉塞する台部16を設けて構成してある。この台部16は、グリル庫1の底面14から立設する縦片16aと、縦片16aの上端部から後方に連設される横片16bとからなる。グリル受皿2を可動レール13に載置し、グリル扉83aを閉じてグリル受皿2をグリル庫1内に収容した状態で、グリル受皿2の垂下片23と台部16の横片16bとが上下に1mm程度の隙間Sをあけて対向する状態となる。
また台部16の左右方向の長さは、グリル受皿2の垂下片23の左右方向の長さ(本実施形態では200mm)よりも短く形成してあるが(本実施形態では160〜170mm)、これは、台部16の左右方向の長さをグリル受皿2の垂下片23の左右方向の長さと同じとすると、グリル受皿2の垂下片23とグリル庫1の底面14との間の隙間が殆ど閉塞されてしまい、皿下冷却空気の流れが妨げられてグリル受皿2の冷却に支障をきたすため、前記のように台部16の左右方向の長さを短くして、左右方向の端部に皿下冷却空気が流れる連通部を設けている。連通部は、本実施形態では台部16の左右の両側の隙間として形成してあるが、台部16に設けた貫通孔であってもよい。
上記のように、抑制部15として横片16bを有する台部16を設けたのであるが、これは、グリル受皿2をグリル庫1に収容した状態において、グリル受皿2の位置は上述した理由で前後に2mm程度のばらつきが見込まれるため、このばらつきを吸収するため、前後方向に長い横片16bを備えた台部16を設けたものである。グリル受皿2の上下方向の位置は、ばらつきを1mm以下(±0.5mm以下)に容易に抑えることができるため、グリル受皿2の垂下片23と台部16の横片16bとの間の上下の隙間を設計上1mm程度とれば、垂下片23と横片16bとが当接することなく1mm前後という狭い隙間を形成することができる。
抑制部15を設けたことで、グリル受皿2の下側で且つグリル庫1の底面14の上側を通る皿下冷却空気が下側の排気通路51の温度検出手段53としての下温度センサ53aを設けた部分に流入するのが抑制され、温度の上昇幅から焼き網3に載置する被加熱物95の量を求めるにあたって精度を下げかねない因子の影響を排除することができる。
これにより、皿下冷却空気が排気通路5の温度検出手段53を設けた底面5b部分に流入するのが抑制されて、温度検出手段53を設けた部分に流入する気体は、下バーナ42の燃焼排気ガスと皿上冷却空気とで殆どを占めることとなって、前記温度検出手段53を設けた部分に流入する気体の温度が下バーナ42の燃焼排気ガスの温度を良好に反映し、これにより焼き網3に載置されている被加熱物95の載置量を精度良く求めることができる。また、台部16の左右の連通部を有するから、二次空気(皿下冷却空気)による冷却効果を損なうことがないものである。
次に、他の実施形態について説明する。
本実施形態では、グリル83には、排気通路5の内部にフレームアレスター61(消炎部材)が設けられる。フレームアレスター61は、排気通路5の後端部(上端部)より前端部側(グリル庫1側)に近い箇所に、排気口91を通して落下侵入した異物を受け止め滞留させない状態で設けられ、排気通路5内におけるフレームアレスター61の設置箇所に、前記排気口91を通して落下侵入した異物を前記グリル庫1側に通過させる異物通路Tが形成されている。なお異物通路Tは、後述するが、排気通路5を仕切板60にて仕切った下側の排気通路51となっている。
そしてフレームアレスター61は、排気通路5における後端部よりも前端部のグリル庫1側に近い部分で且つ排気用開口50よりも後方に設けられ、排気通路5における排気用開口50の下端部に前記異物通路Tに連通する開口50a(すなわち下側の排気通路51への入口)を形成する状態で排気通路5を横断する形態で設けられている。
説明を加えると、前記フレームアレスター61は、図10に示すように、排気通路5における排気口91よりもグリル庫1側(すなわち前側)で、且つ、排気通路5におけるグリル庫1に連なる接続部(すなわち排気用開口50)よりも排気口91側(すなわち後側)の箇所としての排気筒Hの長手方向の中間部箇所において、排気通路5の上側面から下方側に向かい且つグリル庫1側に向かう斜め下方に延びる状態で、仕切板60の後端部から排気通路5の天面5aにかけて設けられている。このフレームアレスター61は、図11に示すように、多数の通気孔61aが形成された金網であるラス網にて構成されており、各通気孔61aの大きさ(すなわちメッシュイズ)は4mm×2mmの大きさに設定されている。尚、図11は、グリル庫1における扉を開放させた状態の正面図であり、グリル庫1の前記グリル扉83aを備えた開口の周囲にはグリル庫1の前壁部が設けられている。
前記フレームアレスター61は、排気通路5の横幅方向全幅にわたる状態で且つ排気通路5の上下方向の途中位置まで斜め方向に延びる状態で設けられ、排気通路5の長手方向に対して直交する姿勢に対して傾けた傾斜姿勢で設けられている。すなわち、フレームアレスター61はその上端部を基点として、その位置において排気通路5の横断方向に沿う方向に対して、グリル庫1側に傾斜した斜め姿勢になるように設けられ、極力、消炎機能を発揮する面積が広くなるように構成されている。そして、このフレームアレスター61の下端側の端部と排気筒Hの底部との間で異物通路Tを構成するために開口50aが形成されている。
また、排気用開口50の焼き網3の後端部近傍から排気通路5内の途中部分にかけて該排気通路5内を上下に仕切る仕切板60が、排気通路5と略平行に、且つ、排気口91を通して落下侵入した異物を受け止め滞留させない状態で設けられている。
つまり、フレームアレスター61の下端部から前方側つまりグリル庫1側に向かい且つ斜め下方に延びる状態で、横方向に広幅で板状の仕切板60が設けられ、この仕切板60のグリル庫1側の端部は、焼き網3の背部側端部に近い位置であって、焼き網3よりも少し下方側に位置する構成となっている。この仕切板60は、平面視で排気口91とは重複しないように水平方向に位置をずらして設けられており、排気口91を通して落下侵入した異物を受け止め滞留させない状態で設けられている。
上記構成によれば、焼き網3に載置された被加熱物95が加熱されるときに、被加熱物95から発生する油等に引火して火災が発生して、その火炎が調理排気と共に排気通路5を通して排気口91に向けて案内されて伸びていくようなことがあっても、そのとき、調理排気は、前記仕切板60によってフレームアレスター61に向けて案内されるから、そのフレームアレスター61による消炎作用によって火炎が消火されることとなる。
温度検出手段53は、図10に示すように、排気通路5内の仕切板60の後端部の上側に上温度センサ53bが設けてあると共に、仕切板60の下側の排気通路51の底面5bの排気用開口50近傍(すなわち下側の排気通路51の入口となる開口50a近傍)に下温度センサ53aが設けてある。前記グリル庫1内における焼き網3の高さよりも少し高い位置であって且つ上バーナ41及び左右一対の下バーナ42の夫々の燃焼排気ガスが流動して排気通路5を通して排出される箇所に上温度センサ53bが設けられている。この上温度センサ53bが設けられる位置は、上バーナ41及び左右一対の下バーナ42の夫々の燃焼排気ガスが流動する箇所であり、加熱を開始してから設定判別温度に上昇するまでの熱容量判別用経過時間の変化が被加熱物95の熱負荷の大きさに応じて異なる箇所である。
焼き網3に載置する被加熱物95の量が所定量よりも少ない場合、例えば被加熱物95が鯵であり、焼き網3の面積の2/3程度の面積に載置される400g程度よりも少ない場合には、下側の排気通路51に流入する下バーナ42の燃焼排気ガスの量と二次空気の量は略一定であるため、下バーナ42の燃焼排気ガスの温度の変化が下側の排気通路51を通る気体の温度に反映されて、焼き網3に載置する被加熱物95の量が多くなるに従って、下側の排気通路51の温度が低くなるものである。
しかし、焼き網3に載置する被加熱物95の量が所定量よりも多い場合、例えば被加熱物95が鯵であり、焼き網3の面積の2/3程度の面積に載置される400g程度よりも多い場合には、載置する被加熱物95の量が多くなるに従って、被加熱物95に遮られて下バーナ42の燃焼排気ガスのうち焼き網3の上方へ通過する量が減少して焼き網3の下側を通る量が増加し、従って下側の排気通路51に流入する下バーナ42の燃焼排気ガスの量が増加する。すると、焼き網3に載置する被加熱物95の量が多くなるに従って、下側の排気通路51に流入する気体のうち下バーナ42の燃焼排気ガスが占める割合が増加し、下側の排気通路51の温度が高くなってしまう。
そこで、焼き網3に載置する被加熱物95の量が所定量よりも多い場合でも、下バーナ42の燃焼排気ガスのうち焼き網3の下側を通った燃焼排気ガスが下側の排気通路51に流入するのを抑制するため、本実施形態においても同様に整流板7を設けている。
焼き網3に載置する被加熱物95の量が所定量よりも少ない場合、図12に示すように、下バーナ42の燃焼排気ガスのうち、焼き網3を通過して上側に流れるもの(図12中の矢印イ)及び焼き網3の下側を流れるもの(図12中の矢印ロ)は略一定量であり、下側を流れるもののうちの大部分は、整流板7によって下側の排気通路51に流入するのが抑制されて上側の排気通路52へと流入し(図12中の矢印ハ)、残りの所定量の燃焼排気ガス(図12中の矢印ニ)が下側の排気通路51に流入する。焼き網3の下側で且つグリル受皿2の上側を通って、下バーナ42の燃焼に用いられずグリル受皿2の冷却を行う皿上冷却空気(図12中の矢印ホ)は略一定量の略全てが下側の排気通路51に流入するため、下側の排気通路51に流入する下バーナ42の燃焼排気ガスの量と二次空気の比率は略一定となり、図14のA線の破線よりも左側に示すように、焼き網3に載置する被加熱物95の量が多くなるに従って、下側の排気通路51の温度が低くなるものである。
また、焼き網3に載置する被加熱物95の量が所定量よりも多い場合、図13に示すように、下バーナ42の燃焼排気ガスのうち、焼き網3を通過して上側に流れるもの(図13中の矢印イ)は被加熱物95の載置量が多くなるに従って少なくなると共に、その分、焼き網3の下側を流れるもの(図13中の矢印ロ)は多くなるが、下側を流れるものは整流板7によって大部分が下側の排気通路51に流入するのが抑制されて上側の排気通路52へと流入し(図13中の矢印ハ)、残りの所定量の燃焼排気ガス(図13中の矢印ニ)が下側の排気通路51に流入する。皿上冷却空気(図13中の矢印ホ)は略一定量の略全てが下側の排気通路51に流入するため、下側の排気通路51に流入する下バーナ42の燃焼排気ガスの量と二次空気の比率は、焼き網3に載置する被加熱物95の量が所定量よりも少ない場合と同様に略一定となり、図14のA線の破線よりも右側に示す部分も左側に示す部分と同様に、焼き網3に載置する被加熱物95の量が多くなるに従って、下側の排気通路51の温度が低くなるものである。整流板7を設けたことで、下バーナ42の燃焼排気ガスが下側の排気通路51に流入するのを抑制することができるため、焼き網3に載置する被加熱物95の載置量が多くなるに従って焼き網3の下側を流れる下バーナ42の燃焼排気ガスの量が増大しても、下側の排気通路51に流入する下バーナ42の燃焼排気ガスの量を略一定とすることができる。
そして、本実施形態でも、上実施形態と同様の抑制部15を設けている。本実施形態においては、仕切板60及びフレームアレスター61を設けているため、下バーナ42の燃焼排気ガスは、仕切板60及びフレームアレスター61の下側の排気通路51に多く流入する傾向にあり、仕切板60及びフレームアレスター61を設けていない上実施形態と比較して、下側の排気通路51の底面5bの下温度センサ53bを設けた部分を流れる気体は、より外乱を受けやすい状態にある。
このため、本実施形態のように仕切板60及びフレームアレスター61を設けたものにあっては、抑制部15を設けて皿下冷却空気が下側の排気通路51の温度検出手段53を設けた底面5b部分に流入するのを抑制することで、より顕著に安定して前記温度検出手段53を設けた部分に流入する気体の温度を下バーナ42の燃焼排気ガスの温度を良好に反映させることができて、焼き網3に載置されている被加熱物95の載置量を精度良く求めることができる。また、台部16の左右の連通部を有するから、二次空気(皿下冷却空気)による冷却効果を損なうことがないものである。