JP6624894B2 - グリル - Google Patents
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Description
そして、上述の残加熱時間設定処理として、比率と、調理メニューに応じて選択された算定条件とに基づいて残加熱時間を求める処理が実行されるように構成されている。
つまり、加熱調理が終了する時点を、載置部における被加熱物の載置状態や被加熱物の熱容量を判別しながら、適切に求めることができるものである。
前記運転制御部が、前記自動調理運転指令部にて自動調理運転が指令されたときに、
前記加熱開始指令部の加熱開始指令に基づいて設定加熱量にて前記加熱部による加熱を開始した後の前記温度検出部の検出情報と、複数の負荷判別用条件のうち前記調理メニュー指令部にて指令された調理メニューに応じて選択された負荷判別用条件とに基づいて、前記被加熱物の加熱を行う仮加熱時間を求める仮加熱時間設定処理、及び、
前記仮加熱時間と、前記加熱部による加熱が開始された時点の前記温度検出部の検出情報である加熱開始時点温度と前記調理メニュー指令部にて指令された調理メニューとに応じて設定される温度変数とに基づいて、前記被加熱物の加熱を行う総加熱時間を、前記仮加熱時間を前記温度変数にて補正した値として求める総加熱時間設定処理を実行するように構成され、
前記温度変数が、前記加熱開始時点温度が高いほど前記仮加熱時間を大きく減少させ、かつ、前記加熱開始時点温度の単位量増加に対する前記仮加熱時間の減少量を、前記加熱開始時点温度が増加するほど減少させる変数である点にある。
前記加熱開始指令部の加熱開始指令に基づいて前記設定加熱量にて前記加熱部による加熱を開始した後の前記温度検出部の検出情報と前記調理メニュー指令部にて指令された調理メニューに応じて選択された前記負荷判別用条件とに基づいて、前記被加熱物の熱負荷を判定する負荷判別処理、
前記熱負荷と、複数の算定条件のうち前記調理メニュー指令部にて指令された調理メニューに応じて選択された算定条件とに基づいて、前記負荷判別処理が行われてから被加熱物の加熱が終了するまでの残加熱時間を設定する残加熱時間設定処理、及び、
前記残加熱時間と、前記加熱部による加熱を開始してから前記負荷判別処理が終了するまでの初期時間を加算して前記仮加熱時間を求める加算処理を実行するように構成されている点にある。
そして、残加熱時間に、加熱部による加熱を開始してから負荷判別処理が終了するまでの初期時間を加算することによって、仮加熱時間が求められる。
前記温度検出部の検出情報と前記調理メニューに応じて選択された前記負荷判別用条件とに基づいて、前記加熱部による加熱を開始した後の初期において、前記載置部における前記被加熱物の載置状態の違いに応じて変化する温度上昇勾配、並びに、前記被加熱物の熱容量の違いに応じて変化する前記加熱部による加熱を開始してから設定判別温度に上昇するまでの熱容量判別用時間パラメータを求め、且つ、前記熱容量判別用時間パラメータを前記温度上昇勾配で除した前記熱容量判別用時間パラメータと前記温度上昇勾配との比率を求める処理を実行するように構成され、
複数の前記算定条件が、前記比率が大きいほど前記残加熱時間を長くし、かつ、同じ大きさの前記比率に対して求める前記残加熱時間を前記調理メニューに応じて異ならせるように定めたものであり、
前記運転制御部が、
前記残加熱時間設定処理として、前記比率と、前記調理メニューに応じて選択された前記算定条件とに基づいて記残加熱時間を求める処理を実行するように構成されている点にある。
つまり、例えば、熱容量判別用時間パラメータと温度上昇勾配とから各別に加熱用の時間を求め、それらの平均値を残加熱時間として設定することが考えられるが、熱容量判別用時間パラメータと温度上昇勾配との比率に基づいて残加熱時間を設定するようにすることにより、演算の簡略化を図りながら残加熱時間を求めることができる。
被加熱物の形態としては、例えば、魚であれば姿焼きと切り身の違い等を指令する等、被加熱物の形態を適切に指令することができる。
焼き加減としては、例えば、魚の焼き加減を強め又は弱めに指令する等、被加熱物の焼き加減を使用者の好みに合わせて指令することができる。
図1に示すように、3つのコンロバーナ1、および、ガス燃焼式の加熱部としてのグリルバーナ2(図4参照)を備えたグリル3を装備したビルトインタイプのガスコンロが構成されている。
グリル3の燃焼排ガスを排気するためのグリル排気口4が、ガスコンロの上面を覆うトッププレート5の後方側箇所に形成されている。
3つのコンロバーナ1は、標準バーナ1a、小バーナ1b、及び、高火力バーナ1cであり、トッププレート5の上部には、鍋等を受け止め支持するための五徳6が3つのコンロバーナ1の夫々に対応して載置支持されている。
ガスコンロには、マイクロコンピュータを用いて構成された運転制御部H(図2参照)が備えられ、この運転制御部Hが、手動操作部Sにて指令された指令情報に基づいて、ガスコンロの運転制御、つまり、コンロバーナ1およびグリルバーナ2の燃焼制御を行うように構成されている。
尚、ガスコンロの前側面には押し操作式の電源スイッチ9が設けられており、電源スイッチ9の入り状態のときに、運転制御部Hがコンロバーナ1及びグリルバーナ2の燃焼制御を行えるように構成されている。
図4に示すように、グリルバーナ2は、上面バーナ2aと左右一対の下面バーナ2b、2cとを備えた両面バーナ式に構成されている。そして、図2に示すように、上面バーナ2a及び左右一対の下面バーナ2b、2cの夫々にも、コンロバーナ1と同様に、点火器7及び着火検出センサ8が備えられている。
図2に示すように、都市ガス供給管等のガス供給源に接続される元ガス供給路11に元電磁弁12が設けられ、元ガス供給路11からは、標準バーナ用分岐路13a、小バーナ用分岐路13b、高火力バーナ用分岐路13c及びグリルバーナ用分岐路13dの4系統のガス流路が分岐されている。
標準バーナ用分岐路13a、小バーナ用分岐路13b、高火力バーナ用分岐路13c、及び、グリルバーナ用分岐路13dの夫々には、ステッピングモータの駆動によって燃料ガスの流量を調整して加熱量を調整するための流量制御弁18が備えられている。
ちなみに、本実施形態は、開閉式電磁弁16の開閉によりグリルバーナ2の火力(加熱量)を変更する形態であり、グリルバーナ用分岐路13dに設けた流量制御弁18は省略できる。
尚、図示は省略するが、グリルバーナ用分岐路13dには、元電磁弁12と流量制御弁18の間にガスガバナが設けられて、定流量のガスがグリルバーナ2に供給されるように構成されている。
図1に示すように、ガスコンロ前側面19には、手動操作部Sとして、標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1cの夫々に対して各別に点火及び消火や火力調節を指令するための3つの加熱状態調節部20と、コンロバーナ1による調理の設定を行うコンロバーナ用入力パネル21と、グリルバーナ2に対して点火及び消火や火力調整を指令するためのグリル用の設定入力パネル22とが設けられている。
メニュー(調理メニュー)としての焼き加減については「弱め」「標準」「強め」の3段階があり、そのうちの選択されたものをLEDランプにて示す焼き加減表示部30aが設けられている。
そして、図5に示すように、調理するときに使用者が参照するメニュー表が別途用意されており、使用者はこのメニュー表を参照しながら、メニュー(調理メニュー)を設定することになる。
また、点消火スイッチ23が、グリルバーナ2による加熱を開始する加熱開始指令を指令する加熱開始指令部として機能するように構成されている。
さらに、メニュー切替スイッチ29、焼き加減調整スイッチ30及び点消火スイッチ23が、後述する自動調理運転の開始を指令する自動調理運転指令部Eとして機能するように構成されている。
図4に示すように、グリル3は、前面部が開口されかつ後面部が閉塞された箱状に形成されたグリル庫32を備え、そのグリル庫32の内部に、被加熱物を載置する載置部としての焼き網33が設けられている。そして、焼き網33に載置された被加熱物がグリルバーナ2にて加熱されるように構成されている。
グリル庫32の後方側には、グリルバーナ2の燃焼排ガスや被調理物からでる水蒸気等の調理排気を排気する排気路34が上方側に延びる状態で連設され、その排気路34にて調理排気を上述のグリル排気口4に導くように構成されている。
ちなみに、グリルバーナ2の二次空気は、グリル庫32の前面側箇所及び底面側箇所に形成された通気孔(図示は省略)を通して取り入れられることになり、そして、この二次空気の流動により、次述する汁受皿35を冷却するように構成されている。
また、汁受皿35の前端部には、汁受皿35をグリル庫32内に収納したときに、グリル庫32の前面部を閉塞する把手付きの扉36が設けられている。したがって、使用者は、把手にて扉36を開閉させることにより、汁受皿35と焼き網33をグリル庫32に対して出退移動させるように構成されている。
図4に示すように、グリル3には、グリル庫32の内部温度を検出する温度検出部Kが備えられている。
そして、運転制御部Hが、自動調理運転を行う際に、グリルバーナ2による加熱が開始された後の温度検出部Kの検出情報と調理メニュー指令部MSにて指令された調理メニューとに基づいて、被加熱物の加熱を行う総加熱時間TMを設定し、そして、自動調理運転を開始してからの加熱経過時間を総加熱時間TMから減算した残り時間を、上述したタイマー表示部26に表示し、かつ、残り時間が零になると自動調理運転を自動停止するように構成されている。
具体的に説明すると、図4に示すように、グリル庫32の内部の焼き網33の高さよりも少し高い位置であって且つ上面バーナ2a及び左右一対の下面バーナ2b、2cの夫々の燃焼排気ガスが流動して排気路34を通して排出される箇所に排ガス温度センサ37が設けられている。
尚、排ガス温度センサ37の直上方箇所には塵埃の降り掛かりを防止するための防塵板39が設けられ、その防塵板39よりも上方側でかつグリル庫内方側によった箇所には排ガスの流れの一部を排ガス温度センサ37に向けて案内する上部案内板40が設けられている。
この庫内温度センサ38が設けられる箇所は、庫内温度センサ38の検出温度である庫内側検出温度TH2によって求められる温度上昇勾配αが、焼き網33に載置される被加熱物の載置状態の違いによって変化する箇所である。
尚、この庫内温度センサ38の焼き網33の存在側箇所には、被加熱物の下方側を流動する空気の流れを庫内温度センサ38に案内するための案内板41が設けられている。
運転制御部Hが、グリルバーナ2による加熱が開始された後の温度検出部Kの検出情報と、複数の負荷判別用条件のうち調理メニュー指令部NSにて指令された調理メニューに応じて選択された負荷判別用条件に基づいて、被加熱物の加熱を行う仮加熱時間TKを求める仮加熱時間設定処理、及び、仮加熱時間TKと、グリルバーナ2によるによる加熱が開始された時点の温度検出部Kの検出情報である加熱開始時点温度THと調理メニュー指令部MSにて指令された調理メニューとに応じて設定される温度変数Kαとに基づいて、被加熱物の加熱を行う総加熱時間TMを設定する総加熱時間設定処理を実行するように構成されている。
ちなみに、図7は、仮加熱時間TKが一定の場合に、加熱開始時点温度THの変化によって総加熱時間TMが変化することを示す図である。
ちなみに、総加熱時間設定処理及び温度変数Kαの詳細は後述する。
運転制御部Hが、仮加熱時間設定処理として、負荷判別処理、残加熱時間設定処理、及び、加算処理を順次行うように構成されている。
負荷判別処理は、加熱開始指令に基づいて予め設定された設定加熱量にてグリルバーナ2による加熱を開始した後の温度検出部Kの検出情報と、調理メニュー指令部MSにて指令された調理メニューに応じて選択された負荷判別用条件とに基づいて、被加熱物の熱負荷を判定する処理である。
dt=D・Δtb2+E・Δtb--------(1)
但し、D、Eは実験により求めた常数であり、例えば、D=0.03、E=0.69に設定される。
To=Y1+dt--------(2)
ちなみに、本実施形態では、第1監視温度X1や上述の演算式が負荷判別用条件に対応する。
本実施形態においては、温度上昇勾配αは、庫内温度センサ38にて検出される庫内側検出温度TH2に基づいて求められるものであり、グリルバーナ2の加熱が開始されてから100秒後の温度を第1検出値TB1として求め、グリルバーナ2の加熱が開始されてから160秒後の温度を第2検出値TB2として求め、次式(3)により、温度上昇勾配αを求めるように構成されている。
α=(TB2−TB1)/(160−100)--------(3)
複数の前記算定条件が、比率V(To/α)が大きいほど残加熱時間TJを長くし、かつ、同じ大きさの比率V(To/α)に対して求める残加熱時間TJを調理メニューに応じて異ならせるように定められている。
TJ=A・(To/α)+B--------(4)
但し、A、Bは、調理メニューに応じて予め設定されている変数である(図6参照)。
ちなみに、本実施形態では、変数A、B及び上述の演算式が、算定条件に対応する。
つまり、求めた残加熱時間TJが設定最長時間TJmaxを越える場合には、残加熱時間TJを、設定最長時間TJmaxに設定するように構成されている。
本実施形態においては、加算処理において、次式(5)に示すように、熱容量判別用経過時間Y1を、初期時間として、残加熱時間TJと加算して仮加熱時間TKを求めるように構成されている。
TK=TJ+Y1=A・(To/α)+B+Y1--------(5)
総加熱時間設定処理は、上述の如く、仮加熱時間TKと、グリルバーナ2による加熱が開始された時点の庫内温度センサ38の検出情報である加熱開始時点温度THと調理メニュー指令部MSにて指令された調理メニューとに応じて設定される温度変数Kαとに基づいて、被加熱物の加熱を行う総加熱時間TMを設定する処理である。
すなわち、本実施形態においては、加熱開始時点温度THの変化範囲が、70℃未満の区間、70℃以上で且つ110℃未満の区間、及び、110℃以上の区間の3つの区間に分割され、3つの区間夫々について、温度変数Kαを設定する関数が一次関数として定められている。
TM=β・TK+γ--------(6)
ただし、βの絶対値は1よりも小であり、γは零よりも大である。
庫内温度センサ38の加熱開始時点温度THが70℃未満の場合には、図8に示すように、傾き変数βとして、庫内温度センサ38の加熱開始時点温度THを用いて次式により低温時傾き変数βCを求めるように構成されている。
βC=(βCB−βCA)・(TH−THB)÷(THB−THA)+βCB
ただし、THA=25℃、THB=70℃である。
βCAは、本出願人が実験データに基づいて予め定めた基準情報であり、加熱開始時の庫内温度センサ38の加熱開始時点温度THがTHAであるときに対応する低温時傾き変数βCの値である。
βCBは、本出願人が実験データに基づいて予め定めた基準情報であり、加熱開始時の庫内温度センサ38の加熱開始時点温度THがTHBであるときに対応する低温時傾き変数βCの値である。
庫内温度センサ38の加熱開始時点温度THが70℃以上でかつ110℃未満の場合には、図10に示すように、傾き変数βとして、庫内温度センサ38の加熱開始時点温度THを用いて次式により温時傾き変数βSHの求めるように構成されている。
βSH=(βSHC−βSHB)・(TH−THC)÷(THC−THB)+βSHC
ただし、THB=70℃、THC=110℃である。
βSHBは、本出願人が実験データに基づいて予め定めた基準情報であり、加熱開始時の庫内温度センサ38の加熱開始時点温度THがTHBであるときに対応する中温時傾き変数βSHの値である。
βSHCは、本出願人が実験データに基づいて予め定めた基準情報であり、加熱開始時の庫内温度センサ38の加熱開始時点温度THがTHCであるときに対応する中温時傾き変数βSHの値である。
庫内温度センサ38の加熱開始時点温度THが110℃以上の場合には、図12に示すように、傾き変数βとして、庫内温度センサ38の加熱開始時点温度THを用いて次式により高温時傾き変数βHを求めるように構成されている。
βH=(βHD−βHC)・(TH−THD)÷(THD−THC)+βHD
ただし、THC=110℃、THD=140℃である。
βHCは、本出願人が実験データに基づいて予め定めた基準情報であり、加熱開始時の
庫内温度センサ38の加熱開始時点温度THがTHCであるときに対応する高温時傾き変数βHの値である。
βHDは、本出願人が実験データに基づいて予め定めた基準情報であり、加熱開始時の庫内温度センサ38の加熱開始時点温度THがTHDであるときに対応する高温時傾き変数βHの値である。
庫内温度センサ38の加熱開始時点温度THが70℃未満の場合には、図9に示すように、切片変数γとして、庫内温度センサ38の加熱開始時点温度THを用いて次式により低温時切片変数γCを求める。
γC=(γCB−γCA)・(TH−THB)÷(THB−THA)+γCB
ただし、THA=25℃、THB=70℃である。
γCAは、本出願人が実験データに基づいて予め定めた基準情報であり、加熱開始時の庫内温度センサ38の加熱開始時点温度THがTHAであるときに対応する低温時切片変数γCの値である。
γCBは、本出願人が実験データに基づいて予め定めた基準情報であり、加熱開始時の庫内温度センサ38の加熱開始時点温度THがTHBであるときに対応する低温時切片変数γCの値である。
庫内温度センサ38の加熱開始時点温度THが70℃以上でかつ110℃未満の場合には、図11に示すように、切片変数γとして、庫内温度センサ38の加熱開始時点温度THを用いて次式により中温時切片変数γSHを求めるように構成されている。
γSH=(γSHC−γSHB)・(TH−THC)÷(THC−THB)+γSHC
ただし、THB=70℃、THC=110℃である。
γSHBは、本出願人が実験データに基づいて予め定めた基準情報であり、加熱開始時の庫内温度センサ38の加熱開始時点温度THがTHBであるときに対応する中温時切片変数γSHの値である。
γSHCは、本出願人が実験データに基づいて予め定めた基準情報であり、加熱開始時の庫内温度センサ38の加熱開始時点温度THがTHCであるときに対応する中温時切片変数γSHの値である。
庫内温度センサ38の加熱開始時点温度THが110℃以上の場合には、図13に示すように、切片変数γとして、庫内温度センサ38の加熱開始時点温度THを用いて次式により高温時切片変数γHを求めるように構成されている。
γH=(γHD−γHC)・(TH−THD)÷(THD−THC)+γHD
ただし、THC=110℃、THD=140℃である。
γHCは、本出願人が実験データに基づいて予め定めた基準情報であり、加熱開始時の庫内温度センサ38の加熱開始時点温度THがTHCであるときに対応する高温時切片変数γHの値である。
γHDは、本出願人による実験データに基づいて予め定めた基準情報であり、加熱開始時の庫内温度センサ38の加熱開始時点温度THがTHDであるときに対応する高温時切片変数γHの値である。
本実施形態においては、低温時傾き変数βC>中温時傾き変数βSH>高温時傾き変数βHであり、低温時切片変数γC>中温時切片変数γSH>高温時切片変数γHとなるように設定される。
すなわち、仮加熱時間TK=x、総加熱時間TM=y、加熱開始時点温度TH=tとして、仮加熱時間TKに対する総加熱時間TMの比をR(t)としたとき、つまり、
y=R(t)・xとして表したとき、
仮加熱時間TKに対する総加熱時間TMの比R(t)は、t(=TH)の増加と共に減少することになる。
つまり、加熱を開始したときのグリル庫32の内部の温度によらず、適正な非加熱物の適正な加熱調理状態(焼き上がり状態)が得られる。
つまり、温度変数Kαを、加熱開始時点温度THが設定高温度以上である場合には、仮加熱時間TKの減少量を一定にする形態に設定してもよい。
運転制御部Hの制御作動をフローチャートに基づいて説明する。
図14に示すように、運転制御部Hは、電源スイッチ9がオン操作された後に点消火スイッチ23がオン操作されるとマニュアル調理運転を実行する(#1、2)。このマニュアル運転は周知であるので、本実施形態においては、詳細な説明を省略する。
ちなみに、排ガス温度センサ37にて検出される排ガス側検出温度TH1が適正な範囲内(―5℃〜100℃の範囲内)になければ(#4)、ブザーBZ(図2参照)の鳴動により警告音を発生させ(#7)、その後、#2に移行する。
次に、図15のフローチャートに基づいて自動調理運転について説明する。
自動調理運転においては、先ず、グリルバーナ2に対する点火処理を実行することになる(#30)。具体的には、点火器7による点火を開始させた後に、元電磁弁12及び流量制御弁18を開弁させてグリルバーナ2を点火し、着火検出センサ8により着火が確認されると点火器7の動作を停止して燃焼ランプ24を点灯させることになる。
尚、設定時間内に着火検出センサ8により着火が確認されなければ不着火エラーとして元電磁弁12及び流量制御弁18が閉弁されると共に、異常を報知する報知処理が行われることになる。
尚、温度異常判別処理にて異常高温状態であることが判別された場合には、消火処理を行う共に、ブザーBZの鳴動により警告音を発生させ、かつ、燃焼ランプ24を10回点滅させて、調理運転を終了する。
そして、上述の式(3)により、温度上昇勾配αが求められる。
そして、上述の式(1)により、補正時間dtを求め、上述の式(2)により、熱容量判別用時間パラメータToが求められる。
つまり、先ず、判定用情報として算出された熱容量判別用時間パラメータToと温度上昇勾配αとの比率V(To/α)に基づいて、上述の式(4)により、残加熱時間TJが求められ、次に、上述の式(5)により、仮加熱時間TKが求められる。
尚、仮加熱時間TKを求めるにあたり、上述の式(4)により、残加熱時間TJを求めることを省略して、上述の式(5)を用いて、熱容量判別用時間パラメータToと温度上昇勾配αとの比率V(To/α)や熱容量判別用経過時間Y1に基づいて、仮加熱時間TKを求めるようにしてもよい。
つまり、初期設定状態においては、共に強火力になる設定加熱量に調整されている上面バーナ2aと下面バーナ2b,2cの加熱量を共に弱火力にするように、上面バーナ用の分岐路と下面バーナ用分岐路とに分岐した分岐路の夫々に備えられる開閉式電磁弁16が共に閉状態に切り換えられる。尚、第2監視温度X2は、図6に示すように調理メニューごとに予め設定されている。
また、消火処理に続いて、ブザーBZを鳴らす報知処理(#41)、及び、タイマー表示部26に表示されている「00」の表示を10回点滅させ、その後、タイマー表示部26を消灯する処理が実行され(#42)、その後、図14のフローチャートにおける#2に移行することになる。
尚、マニュアル調理運転に移行した後は、火力切替スイッチ27の操作による火力の切り換え指令やタイマー設定スイッチ25の操作による加熱用のタイマー時間の増減調整等が可能となる。
以下、別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態では、運転制御部Hが、負荷判別処理として、温度検出部Kの検出情報と調理メニューに応じて選択された負荷判別用条件とに基づいて、温度上昇勾配α及び熱容量判別用時間パラメータToを求め、次に、熱容量判別用時間パラメータToと温度上昇勾配αとの比率V(To/α)を求め、その求めた比率V(To/α)に基づいて残加熱時間TJを設定するように構成したが、このような構成に限らず次のように構成してもよい。
例えば、加熱量調整用設定温度及び判別用設定温度を、室内温度が高いほど複数の調理メニューに応じて設定された値よりも高い値になるように変更設定する構成である。このように構成すると、室内温度の違いによる熱負荷の判別誤差を少ないものにすることができる。
例えば、調理メニューが(切身・弱め)である場合、初期運転状態で上バーナを強火力、下バーナを弱火力とするように調整したり、初期運転状態で上下共に弱火力になるように調整したりする構成としてもよい。
23 加熱開始指令部
32 グリル庫
33 載置部
37 熱容量判別用の温度センサ
38 温度勾配検出用の温度センサ
E 自動調理運転指令部
H 運転制御部
K 温度検出部
Kα 温度変数
MS 調理メニュー指令部
TH 加熱開始時点温度
TJ 残加熱時間
TK 仮加熱時間
TM 総加熱時間
To 熱容量判別用時間パラメータ
V 比率
X1 設定判別温度
Y1 初期時間
α 温度上昇勾配
Claims (7)
- グリル庫の内部の載置部に載置された被加熱物を加熱するガス燃焼式の加熱部と、運転状態を制御する運転制御部と、前記グリル庫の内部温度を検出する温度検出部と、複数の調理メニューのうち被加熱物に応じた調理メニューを指令する調理メニュー指令部と、自動調理運転を指令する自動調理運転指令部と、前記加熱部の加熱開始指令を指令する加熱開始指令部とが備えられたグリルであって、
前記運転制御部が、前記自動調理運転指令部にて自動調理運転が指令されたときに、
前記加熱開始指令部の加熱開始指令に基づいて設定加熱量にて前記加熱部による加熱を開始した後の前記温度検出部の検出情報と、複数の負荷判別用条件のうち前記調理メニュー指令部にて指令された調理メニューに応じて選択された負荷判別用条件とに基づいて、前記被加熱物の加熱を行う仮加熱時間を求める仮加熱時間設定処理、及び、
前記仮加熱時間と、前記加熱部による加熱が開始された時点の前記温度検出部の検出情報である加熱開始時点温度と前記調理メニュー指令部にて指令された調理メニューとに応じて設定される温度変数とに基づいて、前記被加熱物の加熱を行う総加熱時間を、前記仮加熱時間を前記温度変数にて補正した値として求める総加熱時間設定処理を実行するように構成され、
前記温度変数が、前記加熱開始時点温度が高いほど前記仮加熱時間を大きく減少させ、かつ、前記加熱開始時点温度の単位量増加に対する前記仮加熱時間の減少量を、前記加熱開始時点温度が増加するほど減少させる変数であるグリル。 - 前記温度変数が、前記加熱開始時点温度の変化範囲を複数に分割した複数の温度区間の夫々に対して定めた複数の関数を用いて設定されている請求項1に記載のグリル。
- 前記温度変数が、前記加熱開始時点温度が設定高温度以上である場合には、前記仮加熱時間の減少量を一定にする形態に設定されている請求項1又は2に記載のグリル。
- 前記運転制御部が、前記仮加熱時間設定処理として、
前記加熱開始指令部の加熱開始指令に基づいて前記設定加熱量にて前記加熱部による加熱を開始した後の前記温度検出部の検出情報と前記調理メニュー指令部にて指令された調理メニューに応じて選択された前記負荷判別用条件とに基づいて、前記被加熱物の熱負荷を判定する負荷判別処理、
前記熱負荷と、複数の算定条件のうち前記調理メニュー指令部にて指令された調理メニューに応じて選択された算定条件とに基づいて、前記負荷判別処理が行われてから被加熱物の加熱が終了するまでの残加熱時間を設定する残加熱時間設定処理、及び、
前記残加熱時間と、前記加熱部による加熱を開始してから前記負荷判別処理が終了するまでの初期時間を加算して前記仮加熱時間を求める加算処理を実行するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のグリル。 - 前記運転制御部が、前記負荷判別処理として、
前記温度検出部の検出情報と前記調理メニューに応じて選択された前記負荷判別用条件とに基づいて、前記加熱部による加熱を開始した後の初期において、前記載置部における前記被加熱物の載置状態の違いに応じて変化する温度上昇勾配、並びに、前記被加熱物の熱容量の違いに応じて変化する前記加熱部による加熱を開始してから設定判別温度に上昇するまでの熱容量判別用時間パラメータを求め、且つ、前記熱容量判別用時間パラメータを前記温度上昇勾配で除した前記熱容量判別用時間パラメータと前記温度上昇勾配との比率を求める処理を実行するように構成され、
複数の前記算定条件が、前記比率が大きいほど前記残加熱時間を長くし、かつ、同じ大きさの前記比率に対して求める前記残加熱時間を前記調理メニューに応じて異ならせるように定めたものであり、
前記運転制御部が、
前記残加熱時間設定処理として、前記比率と、前記調理メニューに応じて選択された前記算定条件とに基づいて前記残加熱時間を求める処理を実行するように構成されている請求項4に記載のグリル。 - 前記温度検出部として、前記温度上昇勾配を検出するための温度勾配判別用の温度センサと、前記熱容量判別用時間パラメータを検出するための熱容量判別用の温度センサとが夫々各別に設けられている請求項5記載のグリル。
- 前記調理メニュー指令部が、前記調理メニューとして、被加熱物の形態の違い並びに被加熱物に対する焼き加減を指令するように構成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載のグリル。
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