JP4098760B2 - グリル装置 - Google Patents
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前記グリル装置では、食材の種類や焼き加減の手動設定を受け付ける時期がガスバーナの点火前に限られている。従って、ガスバーナの点火後に食材の種類や焼き加減を変更する場合は、調理動作を強制停止させたうえで、改めて食材の種類や焼き加減を設定し直し、その後、ガスバーナに再点火しなければならない不便がある。又、点火後に食材の種類等を変更する場合、変更時には既に食材の焼き行程が進んでいることから、その分だけ焼き過ぎる恐れがある。従って、かかる焼き過ぎを防止する為の調整をする必要がある。
この場合、全ての場合に於いて、最も短い時間で調理が完了する食材を基準にして変更受付時間を短時間に画一設定することが考えられる。
ところが、変更受付時間を前記短時間に画一設定すると、食材の種類変更等の操作は、ガスバーナが点火された後の短時間内に行なう必要があるから、気が焦って操作ミスを起こし易い。
又、食材の種類によっては、前記画一設定された短い変更受付時間を超えても焼き上がりに影響がないものも存在するから、変更受付時間を前記のように画一的に設定すると、使い勝手が悪いという問題もある。
『焼成庫内を加熱するガスバーナと、
前記焼成庫内で調理する食材の種類や焼き加減等の調理条件を手動設定する調理条件設定手段と、を具備し、
前記ガスバーナの点火前に前記調理条件設定手段で設定した変更前調理条件を、点火後に前記調理条件設定手段で設定した変更後調理条件に変更できる、グリル装置』に於いて、食材の種類や焼き加減等の調理条件の変更受付時間を、食材の種類に応じて柔軟に設定できるようにし、これにより、使い勝手の良いグリル装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための請求項1に係る発明の技術的手段は、
『前記点火による調理開始後の初期加熱時間は前記ガスバーナを強火燃焼させる一方、その後は前記ガスバーナを弱火燃焼に切り替える態様の燃焼パターンを前記調理条件の夫々に対応させて予め設定しておく燃焼パターン設定手段を設けると共に、
前記点火後は、前記手動設定された調理条件に対応する燃焼パターンを前記燃焼パターン設定手段から選択して該燃焼パターンでガスバーナを燃焼させる燃焼制御手段と、を具備させ、
前記調理開始時からの変更前燃焼パターンと変更後燃焼パターンとが一致している範囲では、前記変更後調理条件を受け付ける』ことである(図9参照)。
調理開始時(ガスバーナに点火されたとき)からの、変更前燃焼パターンと変更後燃焼パターンとが一致する範囲では、ガスバーナが同じパターンで燃焼する。従って、この範囲では食材が同じ態様で加熱される。よって、この範囲で調理条件の変更を受け付けても、当初から変更後燃焼パターンで加熱したのと同様な焼き上りになる。
よって、上記技術的手段によれば、調理条件の変更受付時間を、食材の種類に応じて柔軟に設定できる。
請求項1に係る発明において、
『前記変更前燃焼パターンの初期加熱時間と、変更後燃焼パターンの初期加熱時間のうち、短い方の初期加熱時間内は前記変更後調理条件を受け付ける』ものとすることができる。
このものでは、変更前燃焼パターンと変更後燃焼パターンとの初期加熱時間が重なる範囲、即ち、これら両初期加熱時間のうちの短い方の初期加熱時間内は、ガスバーナが強火燃焼する。従って、この範囲で調理条件の変更を受け付けても、当初から変更後燃焼パターンで加熱したのと同様に食材を焼き上げることができる。
既述したように、調理条件の変更受付時間を食材の種類に応じて柔軟に設定できるから、使い勝手の良好なグリル装置が得られる。
図1は、システムキッチンのカウンタートップ(K)に開設された開口(K1)に落とし込み状態に装着されるドロップインコンロの斜視図であり、該ドロップインコンロには、グリル装置(2)が組み込まれている。
コンロ本体(3)の天板(30)には五徳(33)(34)(35)とガスバーナ(31)(32)(36)が位置していると共に、コンロ本体(3)の正面中央にはグリル装置(2)の扉(21)が配設されている。
前記グリル用の引き出し式操作部(38)は、コンロ本体(3)に対して引出し・押し込み自在に装着されており、不使用時には引出し式操作部(38)をコンロ本体(3)に対して押し込んだ収納状態にできるようになっている。
又、魚種設定スイッチ(41)と焼き加減スイッチ(42)の左側には、設定された魚種や焼き加減に対応して択一的に点灯する表示ランプ(43)(44)が配設されていると共に、グリル装置(2)を設定時間だけ燃焼させる為の時間設定スイッチ(47)(48)やタイマ表示部(49)や、調理の進捗状況等の各種メッセージを音声報知させる機能を使用する場合に操作する音声キー(45)、更には、子供によるいたずら等を防止する為のロックキー(46)等が設けられている。
焼成庫(10)の左右側壁の近傍に各別に配設されたパイプ状の下火バーナ(55)(55)の炎孔(550)(550)は、前記グリルパン(16)と焼き網(53)の上下間隔(54)に対して横方向から臨んでいる。
グリル装置(2)を制御する制御装置(図示せず)には、図3〜7のフローチャートで示す内容の制御プログラムが格納されたマイクロコンピュータが組み込まれている。
又、前記マイクロコンピュータのメモリには、図7に示すデータテーブルが格納されている。
図7の左端の縦列の各欄には、魚種等として「姿身」,「切身」,「干物」のデータが書き込まれており、魚種設定スイッチ(41)を繰り返して押す毎に、上記魚種等が順次設定されるようになっている。
仕上げ焼き用上昇温度ΔTは、最小所要時間Xminの経過後に調理量に応じて食材(A)の焼き具合を調整するのに必要な時間であり、火力切替え時間Xcは食材(A)内に熱を拡散させる為に下火バーナ(55)(55)や上火バーナ(56)を弱火燃焼させるタイミングを設定する時間である。
先ず、ステップ(ST0-1)で魚種設定スイッチ(41)による魚種の設定を受付け、設定された魚種(変更前調理条件)をステップ(ST0-2)で変更前魚種フラグF2に記憶させる。そして、設定された魚種の情報と温度センサ(14)の検知温度Sが70℃未満か否かの情報に基づいて、図7のデータテーブルから、限界調理温度T,最小所要時間Xmin,限界調理時間Xmax,仕上げ焼き用上昇温度ΔT及び火力切替え時間Xcを読み込む(ステップ(ST1)参照)。
次に、ステップ(ST7)で「最小所要時間Xmin=最小所要時間Xmin+焼き足し時間Y」の演算が実行され、これにより、焼き加減スイッチ(42)で設定した焼き上がりが得られるような最小所要時間Xminが設定される。
図4のステップ(ST20-1)では、魚種変更操作(魚種設定スイッチ(41)の投入)がされたか否かを判断し、魚種変更操作がされた場合は、変更後魚種フラグF3の内容を変更後の魚種(変更後調理条件)にセットする(ステップ(ST20-2)。
具体的には、図7に示すデータテーブル(6)から、変更前の魚種(変更前魚種フラグF2にセットされている)及びモードフラグF1にセットされたモード(図3のステップ(ST10)(ST11)で「Loモード」又は「Hiモード」にセットされている。)の組に属する最小所要時間Xmin,火力切替時間Xcを選ぶ。又、変更後の魚種(変更後魚種フラグF3にセットされている)及びモードフラグF1にセットされたモードの組に属する最小所要時間Xmin,火力切替時間Xcを選ぶ。例えば、モードフラグF1の内容が「Loモード」で、変更前の魚種が「切身」で、変更後の魚種が「姿身」であれば、図7のデータテーブル(6)から、変更前の「切身」と「Loモード」の組に属する最小所要時間Xmin,火力切替時間Xcとして、8分,6分が選択される一方、変更後の「姿身」に対応する最小所要時間Xmin,火力切替時間Xcとして、9分,10分が選択される。そして、これら4種類の時間のうち、最も短い時間が変更受付時間XHとして採用される。そうすると、この最も短い時間内では、変更前後の燃焼パターンに於ける上下バーナ(56)(55)の火力は共に強火に設定されているから、かかる時間内では、いずれの燃焼パターンであっても食材が同じ態様で加熱される。従って、この時間内に於いては、魚種の変更を受け付けても、当初から変更後の魚種がセットされた場合(魚種設定に誤りがなかった場合)と同様にこれを焼き上げることができる。そこで、ステップ(ST22)では、加熱タイマX1(図3のステップ(ST13)でリセットされている)の計測時間が前述の変更受付時間XHを超えているか否かが判断され、超えている場合は、ステップ(ST23)で調理条件たる魚種変更が不可能であること、即ち、魚種変更を受け付けないことを、図示しないスピーカ等から音声等で報知する。尚、音声報知に代えてブザー等の音や光学装置で報知してもよい。
図4の「魚種変更工程」が終了すると、次に、食材(A)を実際に焼き上げる為の図6の制御工程が実行される。
尚、火力切替え時間Xcが最小所要時間Xminより短い場合(図7の「切身」の「Loモード」以下の場合)は、最小所要時間Xminの経過前にガスバーナを弱火に切替えるから、後述のように、ステップ(ST38)で「(検知温度S−基準温度Tmin)≧仕上げ焼き用上昇温度ΔT」の条件成立を監視する時間が、強火燃焼の場合に比べて長くなる。
一方、ステップ(ST33)で、温度センサ(14)の検知温度Sが異常加熱防止温度Tkを超えていることが確認されると、ステップ(ST42)で上下バーナ(55)(56)を消火させると共に消火させたことをブザーや音声で報知する。尚、温度センサ(14)の検知温度Sが異常加熱防止温度Tkを超えたときに上下バーナ(55)(56)を消火させる制御は、図8の加熱時間と庫内温度の相関グラフの例1のパターンに対応する。
続いて、加熱タイマX1が測定する調理継続時間が火力切替え時間Xcに到達していない場合(ステップ(ST30)の「N」から分岐して来ている場合)を考慮し、さらに、ステップ(ST35)(ST36)を実行して加熱タイマX1の計測時間が火力切替え時間Xc以上の場合は下火バーナ(55)又は上火バーナ(56)の一方又は両方を弱火燃焼させる。
一方、ステップ(ST37)で温度センサ(14)の検知温度Sが異常加熱防止温度Tkを超えていないと判断された場合は、ステップ(ST38)に制御が移され、ステップ(ST38)で「(検知温度S−基準温度Tmin)≧仕上げ焼き用上昇温度ΔT」と判断される場合、即ち、基準温度Tminよりも前記仕上げ焼き用上昇温度ΔTだけ高温の消火温度Zを温度センサ(14)が検知している場合はステップ(ST42)に進んで上下バーナ(55)(56)を消火させる((図8の例4,例5のパターン参照)。
又、ステップ(ST39)で温度センサ(14)の検知温度Sが限界調理温度T未満であると判断されると、ステップ(ST40)(ST41)を実行し、加熱タイマX1が測定する調理時間が限界調理時間Xmax以上になっている場合(図8の例6参照)又は、異常加熱防止時間Xk以上になっている場合はステップ(ST42)で上下バーナ(55)(56)を消火させる。
既述した図4に示す「魚種変更工程」のステップ(ST20-1)で魚種変更操作がされていないと判断されると、図5の「焼加減変更工程」が実行される。
先ず、ステップ(ST40-1)で焼き加減の変更操作(調理条件設定手段たる、焼き加減スイッチ(42)の投入)がされたか否かを判断し、変更操作がされた場合(変更後調理条件が設定された場合)は、既にセットされているモードフラグF1,及び変更前魚種フラグF2に書き込まれているモード情報と魚種(今の場合は最初に設定された魚種)の組に属する最小所要時間Xminを図7のデータテーブルから再度読み込む(ステップ(ST40-2参照)。そして、ステップ(ST40-3)で、前記読み込んだ最小所要時間Xminを変更受付時間XHとして記憶する。そうすると、この変更受付時間XH、即ち、最小所要時間Xminまでは、焼き加減の変更前後で上下バーナ(56)(55)の燃焼パターンは一致している。魚種変更はされておらず、モードフラグF1の内容も変化していないからである。又、データテーブル(6)から読み込んだ最小所要時間Xminは、焼き足し時間Y(0〜2分)が加算されていない時間であるからである。従って、かかる時間は、焼き加減を増減変更させても問題はない。
(14)・・・温度センサ
(A)・・・食材
Claims (2)
- 焼成庫内を加熱するガスバーナと、
前記焼成庫内で調理する食材の種類や焼き加減等の調理条件を手動設定する調理条件設定手段と、を具備し、
前記ガスバーナの点火前に前記調理条件設定手段で設定した変更前調理条件を、点火後に前記調理条件設定手段で設定した変更後調理条件に変更できる、グリル装置に於いて、
前記点火による調理開始後の初期加熱時間は前記ガスバーナを強火燃焼させる一方、その後は前記ガスバーナを弱火燃焼に切り替える態様の燃焼パターンを前記調理条件の夫々に対応させて予め設定しておく燃焼パターン設定手段を設けると共に、
前記点火後は、前記手動設定された調理条件に対応する燃焼パターンを前記燃焼パターン設定手段から選択して該燃焼パターンでガスバーナを燃焼させる燃焼制御手段と、を具備させ、
前記調理開始時からの変更前燃焼パターンと変更後燃焼パターンとが一致している範囲では、前記変更後調理条件を受け付ける、グリル装置。 - 請求項1に記載のグリル装置に於いて、
前記変更前燃焼パターンの初期加熱時間と、変更後燃焼パターンの初期加熱時間のうち、短い方の初期加熱時間内は前記変更後調理条件を受け付ける、グリル装置。
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