JP2009081305A - 基板用ワークの貫通孔充填方法 - Google Patents

基板用ワークの貫通孔充填方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基板用ワークの貫通孔の周辺に導体ペーストが広がったり、貫通孔に対する導体ペーストの充填不良が生じたりすることなく、貫通孔に導体ペーストを充填する。
【解決手段】基板用ワークの貫通孔充填方法は、第1の面11Aおよび第2の面11Bを有するワーク本体11と、第1の面11Aに位置する第1の開口部12Aと第2の面11Bに位置する第2の開口部12Bとを有しワーク本体11を貫通する貫通孔12とを備えた基板用ワーク10における貫通孔12に導体ペースト40を充填する方法である。この方法は、少なくとも第1の開口部12Aを覆う部分は通気性を有する通気性シート20を、第1の開口部12Aを覆うように第1の面11Aに貼り付ける工程と、通気性シート20および第1の開口部12Aを通して貫通孔12内の気体を吸引しながら、第2の開口部12Bより貫通孔12に導体ペースト40を充填する工程とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、貫通孔を有する基板用ワークの貫通孔に導体ペーストを充填する基板用ワークの貫通孔充填方法に関する。
プリント配線板やセラミック基板等の基板におけるスルーホール(ビアホールとも呼ばれる。)の形成方法の一つとしては、特許文献1ないし5に記載されているように、基板用ワークに貫通孔を形成し、印刷によって貫通孔に導体ペーストを充填する方法が知られている。なお、本出願において、基板用ワークとは、後に基板の主要な部分となる基材を言う。基板用ワークには、プリント配線板におけるスルーホール形成前の基体や、焼成済のセラミックシートや、低温同時焼成セラミック(以下、LTCCとも記す。)多層基板に用いられる焼成前のセラミックシートであるセラミックグリーンシート等が含まれる。
ここで、印刷によって基板用ワークの貫通孔に導体ペーストを充填する方法の一例として、メタルマスクを用いたスクリーン印刷によって基板用ワークの貫通孔に導体ペーストを充填する方法について説明する。この方法では、貫通孔を有する基板用ワークの上面上に、貫通孔に対応する位置に開口を有するメタルマスクを配置し、このメタルマスク上に供給された導体ペーストを、スキージを用いて、メタルマスクの開口を通して基板用ワークの貫通孔に充填する。
上記の方法では、特に、積層された複数のセラミックグリーンシートを貫通する貫通孔のような長い貫通孔に導体ペーストを充填する場合には、貫通孔に対する導体ペーストの充填不良が生じたり、充填作業に長い時間が必要になったりするという問題が発生する。この問題に対処するには、基板用ワークの下面側より貫通孔内の気体を吸引しながら、スクリーン印刷によって貫通孔に導体ペーストを充填する方法が有効である。以下、このような方法を吸引充填方法と呼ぶ。この吸引充填方法は、引用文献2、5に記載されている。
特許第3609449号公報 特開2001−326465号公報 特許第3573657号公報 特開2002−16354号公報 特開2001−111236号公報
従来、メタルマスクを用いたスクリーン印刷によって基板用ワークの貫通孔に導体ペーストを充填する方法では、貫通孔の周辺に導体ペーストが広がるという問題や、充填不良が生じるという問題が発生していた。貫通孔の周辺に導体ペーストが広がると、隣接するスルーホール間の間隔やスルーホールとその周辺の導体層との間隔を小さくすることができなくなり、基板の小型化や基板内の回路の高密度化が困難になる。このような問題に対処するために、特許文献1ないし5には、それぞれ、以下に示すような技術が記載されている。しかしながら、以下で説明するように、いずれの技術によっても、上記の問題を十分に解決することはできなかった。
特許文献1には、グリーンシートの表面に粘着フィルムを貼り付け、この粘着フィルムが貼り付けられたグリーンシートにスルーホール形成用孔を形成した後、グリーンシートの裏面に、スルーホール形成用孔を閉塞する樹脂製のフィルム材を接着し、この状態で印刷工程を行ってスルーホール形成用孔に導体ペーストを充填する技術が記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、グリーンシートの裏面に接着されたフィルム材は通気性を有してないため、前述の吸引充填方法を用いることができない。そのため、この技術では、特に、長いスルーホール形成用孔に導体ペーストを充填する場合には、充填不良が生じたり、充填作業に長い時間が必要になったりするという問題が発生する。
特許文献2には、セラミックグリーンシートの貫通孔内にビアホール導体を形成するために、吸引プレートの吸着面の上に多孔質シートを配置し、この多孔質シートに接するようにセラミックグリーンシートを配置して、吸引充填方法によって、導電性ペーストを貫通孔に充填する技術が記載されている。また、特許文献2には、多孔質シートとセラミックグリーンシートとの隙間に導電性ペーストが入り込むことによる、ビアホール導体の周辺への導電性ペーストのにじみを抑制するために、多孔質シートのセラミックグリーンシートに接する表面の表面粗さRaを、導体ペースト中の金属粉末の粒径D50以下にする技術が記載されている。
しかしながら、特許文献2に記載された技術では、導体ペースト中の金属粉末の粒径が多孔質シートの表面粗さとの兼ね合いで限定されると共に、導体ペースト中の粒径D50よりも小さい粒径の金属粉末の存在が考慮されていない。そのため、この技術は、汎用的な技術とは言えない。また、この技術では、多孔質シートとセラミックグリーンシートとが固定されていないため、導体ペーストが乾燥する前に多孔質シートとセラミックグリーンシートとがずれて、ビアホール導体の周辺へ導電性ペーストが広がるおそれがある。
特許文献3には、粘着性粗面を有するワーク印刷用粘着材を、貫通孔を有するワークの裏面に貼り、ワーク印刷用粘着材をテーブルによって吸引して、ワークの表面をスクリーン印刷機によって印刷する技術が記載されている。この技術では、ワーク印刷用粘着材の粗面は、スクリーン印刷によってインキがワークの貫通孔に充填される際に、インキの充填を害さないように貫通孔内の気体をワーク裏面とワーク印刷用粘着材との間に逃がす隙間を形成する。
しかしながら、特許文献3に記載された技術では、ワーク印刷用粘着材を吸引するのは、ワーク印刷用粘着材をテーブルに固定するためであって、貫通孔内の気体を吸引するためではない。このことは、もし、特許文献3に記載された技術において、ワーク印刷用粘着材を通して貫通孔内の気体を吸引しているのであれば、ワーク印刷用粘着材の粗面によって貫通孔内の気体を逃がす隙間を形成する必要はないことから自明である。従って、特許文献3に記載された技術では、吸引充填方法は実施されていない。そのため、この技術では、特に、長い貫通孔にインキを充填する場合には、充填不良が生じたり、充填作業に長い時間が必要になったりするという問題が発生する。また、この技術では、ワーク印刷用粘着材の粗面を形成するための手間がかかるという問題点や、ワーク印刷用粘着材の粗面によってワーク裏面とワーク印刷用粘着材との間に隙間が形成されることにより、貫通孔の周辺にインキが広がるという問題点がある。
特許文献4には、セラミックグリーンシートのビアホールに導体ペーストを穴埋め印刷する際におけるメタルマスクの厚みとメタルマスクの印刷穴の径を調整することによって、ビアホール内への導体ペーストの充填不良を生じさせることなく、ビアホールからの導体突出量を少なくする技術が記載されている。
しかしながら、特許文献4に記載された技術では、前述の吸引充填方法を用いることができないため、特に、長いビアホール貫通孔に導体ペーストを充填する場合には、充填不良が生じたり、充填作業に長い時間が必要になったりするという問題が発生する。また、この技術では、セラミックグリーンシートの下面においてビアホールの周辺に導体ペーストが広がることを防止することができない。
特許文献5には、吸着孔が形成された絶縁シート吸着部材の上に、通気性シート部材を介在させて絶縁シートを載置し、この絶縁シートに形成した貫通孔の一方の開口から印刷ペーストを供給すると共に、吸着孔を通じ通気性シート部材を介して他方の開口から印刷ペーストを吸引することにより、貫通孔の少なくとも内周面に印刷ペーストを塗布してスルーホールを形成する技術が記載されている。
しかしながら、特許文献5に記載された技術では、通気性シートと絶縁シートとが固定されていないため、印刷時や印刷後に、通気性シートと絶縁シートの間に隙間が生じたり、通気性シートと絶縁シートとがずれたりして、スルーホールの周辺へ印刷ペーストが広がるおそれがある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、基板用ワークの貫通孔の周辺に導体ペーストが広がったり、貫通孔に対する導体ペーストの充填不良が生じたりすることなく、基板用ワークの貫通孔に導体ペーストを充填することができるようにした基板用ワークの貫通孔充填方法を提供することにある。
本発明の基板用ワークの貫通孔充填方法は、互いに反対側を向く第1の面および第2の面を有するワーク本体と、第1の面に位置する第1の開口部と第2の面に位置する第2の開口部とを有しワーク本体を貫通する貫通孔とを備えた基板用ワークにおける貫通孔に導体ペーストを充填する方法である。この貫通孔充填方法は、少なくとも第1の開口部を覆う部分は通気性を有する通気性シートを、第1の開口部を覆うようにワーク本体の第1の面に貼り付ける工程と、通気性シートおよび第1の開口部を通して貫通孔内の気体を吸引しながら、第2の面の外側から導体ペーストを第2の開口部に選択的に供給して、第2の開口部より貫通孔に導体ペーストを充填する工程とを備えている。
本発明の基板用ワークの貫通孔充填方法では、少なくとも第1の開口部を覆う部分は通気性を有する通気性シートが、第1の開口部を覆うようにワーク本体の第1の面に貼り付けられた状態で、通気性シートおよび第1の開口部を通して貫通孔内の気体を吸引しながら、第2の面の外側から導体ペーストを第2の開口部に選択的に供給して、第2の開口部より貫通孔に導体ペーストを充填する。
本発明の基板用ワークの貫通孔充填方法において、導体ペーストを充填する工程は、スクリーン印刷を用いて実施されてもよい。
また、本発明の基板用ワークの貫通孔充填方法において、ワーク本体の第2の面には、第2の開口部に対応する位置に孔を有するフィルムが貼り付けられていてもよい。
また、本発明の基板用ワークの貫通孔充填方法において、通気性シートは、ワーク本体の第1の面に貼り付けられる面の少なくとも一部が粘着性を有するものであってもよい。この場合、第1の面に貼り付けられる通気性シートの面のうち、第1の開口部を覆わない領域の少なくとも一部には粘着剤が塗布され、第1の開口部を覆う領域には粘着剤が塗布されていなくてもよい。あるいは、第1の面に貼り付けられる通気性シートの面の全域において、通気性シートの第1の開口部を覆う部分における通気性を妨げないように粘着剤が点在していてもよい。
また、本発明の基板用ワークの貫通孔充填方法において、通気性シートを第1の面に貼り付ける工程では、第1の開口部を塞がないように第1の面に粘着剤を塗布した後に、この粘着剤を利用して通気性シートを第1の面に貼り付けてもよい。
また、本発明の基板用ワークの貫通孔充填方法は、更に、導体ペーストを充填する工程の後で、通気性シートを第1の面から剥離する工程を備えていてもよい。
また、本発明の基板用ワークの貫通孔充填方法は、更に、導体ペーストを充填する工程の後で、貫通孔に充填された導体ペーストを乾燥させる工程を備えていてもよい。この場合、基板用ワークの貫通孔充填方法は、更に、導体ペーストを乾燥させる工程の後で、通気性シートを第1の面から剥離する工程を備えていてもよい。あるいは、基板用ワークの貫通孔充填方法は、更に、導体ペーストを充填する工程と導体ペーストを乾燥させる工程との間において、通気性シートを第1の面から剥離する工程を備えていてもよい。
本発明の基板用ワークの貫通孔充填方法では、少なくとも第1の開口部を覆う部分は通気性を有する通気性シートが、第1の開口部を覆うようにワーク本体の第1の面に貼り付けられた状態で、通気性シートおよび第1の開口部を通して貫通孔内の気体を吸引しながら、第2の面の外側から導体ペーストを第2の開口部に選択的に供給して、第2の開口部より貫通孔に導体ペーストを充填する。そのため、本発明によれば、通気性シートおよび第1の開口部を通して貫通孔内の気体を吸引しながら第2の開口部より貫通孔に導体ペーストを充填することができ、しかも、通気性シートがワーク本体の第1の面に貼り付けられていることから、第1の開口部の周辺に導体ペーストが広がることを防止することができる。従って、本発明によれば、基板用ワークの貫通孔の周辺に導体ペーストが広がったり、貫通孔に対する導体ペーストの充填不良が生じたりすることなく、基板用ワークの貫通孔に導体ペーストを充填することができるという効果を奏する。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る基板用ワークの貫通孔充填方法(以下、単に貫通孔充填方法と記す。)を説明するための断面図である。図2は、本実施の形態に係る貫通孔充填方法における一工程を示す斜視図である。図2において、(b)は、(a)に示した図の一部を拡大して示している。図3は、図2に示した工程に続く工程を示す斜視図である。
始めに、図1および図2を参照して、本実施の形態における基板用ワーク10について説明する。基板用ワーク10は、例えば、複数のセラミックグリーンシート1が積層されて構成されたものである。各セラミックグリーンシート1には、所定のパターンの導体層やスルーホールが形成されていてもよい。複数のセラミックグリーンシート1からなる基板用ワーク10は、LTCC多層基板を作製するために用いられる。
基板用ワーク10は、互いに反対側を向く第1の面(下面)11Aおよび第2の面(上面)11Bを有するワーク本体11と、第1の面11Aに位置する第1の開口部12Aと第2の面11Bに位置する第2の開口部12Bとを有しワーク本体11を貫通する貫通孔12とを備えている。基板用ワーク10における貫通孔12は1つであってもよいし複数であってもよい。図2には、基板用ワーク10が複数の貫通孔12を備えた例を示している。図1には、便宜上、1つの貫通孔12のみを示している。
ワーク本体11の第2の面11Bには、第2の開口部12Bに対応する位置に孔13aを有するフィルム13が貼り付けられている。フィルム13は、例えば樹脂によって形成されている。フィルム13は、セラミックグリーンシート1の作製時にセラミックグリーンシート1が載置されるキャリアフィルムであってもよい。
貫通孔12および孔13aは、以下のようにして形成される。まず、貫通孔12が形成される前のワーク本体11と、このワーク本体11の第2の面11Bに貼り付けられた、孔13aが形成される前のフィルム13からなる積層体を作製する。この積層体は、例えば、フィルム13上に載置された1枚のセラミックグリーンシート1上に、1枚以上の他のセラミックグリーンシート1を積層することによって形成してもよい。次に、貫通孔12および孔13aが形成される前のワーク本体11およびフィルム13からなる積層体に対して、これらを貫通するように孔を形成する。この孔は、例えば、機械的な加工やレーザ加工によって形成される。この孔のうち、ワーク本体11に存在する部分は貫通孔12となり、フィルム13に存在する部分は孔13aとなる。
次に、本実施の形態に係る貫通孔充填方法について説明する。この貫通孔充填方法では、まず、少なくとも第1の開口部12Aを覆う部分は通気性を有する通気性シート20を、第1の開口部12Aを覆うようにワーク本体11の第1の面11Aに貼り付ける。図2は、基板用ワーク10とフィルム13と通気性シート20からなる積層体を示している。通気性シート20については、後で詳しく説明する。
次に、スクリーン印刷機を用いて、基板用ワーク10の貫通孔12に導体ペーストを充填する。以下、この工程について、図1および図3を参照して詳しく説明する。スクリーン印刷機は、吸着装置30を備えている。吸着装置30は、開口部を有するハウジング31と、このハウジング31の開口部を塞ぐ吸着ステージ32とを有している。ハウジング31と吸着ステージ32は、これらに囲まれた空間33を形成している。ハウジング31は、空間33の内外に通じる吸引口31aを有している。この吸引口31aには、真空ポンプ等の図示しない吸引装置が接続され、この吸引装置によって、吸引口31aを通して空間33内の気体を吸引することができるようになっている。図1において、符号51を付した矢印は、空間33内の気体を吸引しているとき気体の移動方向に表わしている。吸着ステージ32は、板状であり、その内部には、微細な気体通路が多数形成されている。吸着ステージ32は、例えば、多孔質セラミックによって形成されている。
この工程では、まず、図1および図3に示したように、通気性シート20が吸着ステージ32に接するように、基板用ワーク10とフィルム13と通気性シート20からなる積層体を吸着ステージ32上に載置する。次に、吸引口31aに接続された吸引装置によって、吸引口31aを通して空間33内の気体を吸引する。これにより、吸着ステージ32を通して、吸着ステージ32上の気体が空間33内に吸引される。その結果、通気性シート20は、吸着ステージ32に吸着して固定される。また、通気性シート20のうち、少なくとも第1の開口部12Aを覆う部分は通気性を有していることから、上述のように吸着ステージ32上の気体が空間33内に吸引されることにより、通気性シート20および第1の開口部12Aを通して貫通孔12内の気体が吸引される。図1において、符号52を付した矢印は、貫通孔12内の気体が吸引される際の気体の移動方向に表わしている。そして、このように、通気性シート20および第1の開口部12Aを通して貫通孔12内の気体を吸引しながら、スクリーン印刷によって、第2の面11Bの外側から導体ペースト40を第2の開口部12Bに選択的に供給して、第2の開口部12Bより貫通孔12に導体ペースト40を充填する。導体ペースト40は、少なくとも金属粉末を有機ビヒクル中に分散させたものである。
本実施の形態におけるスクリーン印刷は、具体的には、以下のようにして行われる。すなわち、第2の開口部12Bに対応する位置に孔34aを有するメタルマスク34を、フィルム13の上に配置し、メタルマスク34の上に導体ペースト40を供給し、スキージ35によってメタルマスク34上で導体ペースト40を移動させる。これにより、導体ペースト40は、孔34aを通過して、第2の面11Bの外側から第2の開口部12Bに選択的に供給される。孔34aの径は、第2の開口部12Bの径よりもわずかに大きい。なお、本実施の形態におけるスクリーン印刷において、メタルマスク34の代りに、第2の開口部12Bに対応する位置に通過部を有するスクリーン版を用いてもよい。
本実施の形態に係る貫通孔充填方法では、上述の貫通孔12に導体ペースト40を充填する工程の後で、貫通孔12に充填された導体ペースト40を乾燥させる工程と、通気性シート20を第1の面11Aから剥離する工程とが実施される。導体ペースト40を乾燥させる工程は、乾燥機を用いて、例えば50〜150℃の温度で、3〜60分の時間をかけて行われる。
本実施の形態では、導体ペースト40を乾燥させる工程の後で、通気性シート20を剥離する工程を実施するのが好ましいが、逆でもよい場合もある。これについては、後で詳しく説明する。導体ペースト40を乾燥させる工程の後で、通気性シート20を剥離する工程が実施される場合には、導体ペースト40を乾燥させる工程は、通気性シート20が第1の面11Aに貼り付けられた状態で実施される。通気性シート20を剥離する工程の後で、導体ペースト40を乾燥させる工程が実施される場合には、導体ペースト40を充填する工程と導体ペースト40を乾燥させる工程との間において、通気性シート20を第1の面11Aから剥離する工程が実施される。また、本実施の形態では、フィルム13は、導体ペースト40を乾燥させる工程の後で、第2の面11Bから剥離される。
基板用ワーク10が複数のセラミックグリーンシート1が積層されて構成されたものである場合、貫通孔12に導体ペースト40が充填された後の基板用ワーク10におけるセラミックと導体は、後に同時に焼成される。焼成後のセラミックと導体を含む構造体は、LTCC多層基板として用いられる。焼成後における貫通孔12内の導体は、例えばスルーホールとして用いられる。
また、貫通孔12に導体ペースト40が充填された後の基板用ワーク10に対して更に1枚以上のセラミックグリーンシートを積層して、新たな構造体を作製し、この構造体におけるセラミックと導体を同時に焼成して、LTCC多層基板を作製してもよい。
次に、通気性シート20について詳しく説明する。本実施の形態における通気性シート20は、ワーク本体11の第1の面11Aに貼り付けられる面の少なくとも一部が粘着性を有するものである。以下、第1の面11Aに貼り付けられる通気性シート20の面を粘着面と言う。このような粘着面を有する通気性シート20は、例えば、通気性を有するシート状の基材の一方の面の少なくとも一部に粘着剤を配置することによって形成することができる。通気性を有するシート状の基材としては、例えば、紙、織布、不織布または発泡樹脂シートを用いることができる。粘着剤としては、再貼付タイプまたは一時接着タイプ(再剥離タイプ)の粘着剤を用いることが好ましい。これらのタイプの粘着剤を使用することにより、通気性シート20を第1の面11Aから剥離したときに粘着剤が第1の面11Aに残ることを防止することができる。粘着剤としては、具体的には、再貼付タイプまたは一時接着タイプの合成ゴム系接着剤またはアクリル系粘着剤を用いることができる。
以下、図4ないし図8を参照して、粘着面の少なくとも一部に粘着剤が配置された通気性シート20の第1ないし第4の例について説明する。始めに、図4を参照して、以下の例で使用される基板用ワーク10とフィルム13について説明する。図4は、第1の面11Aを上にしたときの基板用ワーク10とフィルム13からなる積層体を示す平面図である。図4に示した例では、基板用ワーク10は、電子部品が実装される実装基板を作製するために用いられるものである。基板用ワーク10とフィルム13の平面形状は、いずれも矩形である。図4において、破線によって囲まれ、符号50で示される領域は、基板用ワーク10を用いて作製される実装基板において、電子部品が配置される領域に表わしている。複数の貫通孔12は、全て領域50内に配置されている。また、図4において、符号51は基板用ワーク10に形成された位置決め用の指標を示し、符号52はフィルム13に形成された位置決め用の指標を示している。
図5ないし図8は、粘着面の少なくとも一部に粘着剤が配置された通気性シート20の第1ないし第4の例を示している。図5ないし図8は、いずれも、通気性シート20の粘着面を示す平面図である。第1ないし第4の例の通気性シート20の平面形状は、いずれも矩形である。図5ないし図8では、基板用ワーク10が配置される領域を二点鎖線で表わしている。図5ないし図8において、粘着面のうち、ハッチングを付した領域21は、粘着剤が塗布された領域である。粘着面のうち、領域21以外の領域には粘着剤は塗布されていない。
図5に示した第1の例では、粘着剤が塗布された領域21は、通気性シート20の粘着面のうち、粘着面の2つの長辺に沿った2つの帯状の領域になっている。なお、領域21は、通気性シート20の粘着面のうち、粘着面の2つの短辺に沿った2つの帯状の領域であってもよいし、粘着面における任意の2つまたは3つの連続する辺に沿った帯状の領域であってもよい。いずれの場合も、領域21は、電子部品が配置される領域50の外側に配置される。
図6に示した第2の例では、粘着剤が塗布された領域21は、通気性シート20の粘着面のうち、粘着面の外縁に沿った帯状の領域になっている。この領域21は、電子部品が配置される領域50の外側に配置されている。
図7に示した第3の例では、粘着剤が塗布された領域21は、通気性シート20の粘着面のうち、粘着面の1つの辺に沿った帯状の領域になっている。なお、図7には、領域21が粘着面の左側の辺に沿った位置に配置された例を示しているが、領域21は、粘着面における他の1つの辺に沿った位置に配置されていてもよい。いずれの場合も、領域21は、電子部品が配置される領域50の外側に配置される。
図5ないし図7に示した第1ないし第3の例では、いずれも、通気性シート20の粘着面のうち、貫通孔12の第1の開口部12Aを覆わない領域の少なくとも一部には粘着剤が塗布され、第1の開口部12Aを覆う領域には粘着剤が塗布されていない。
図8に示した第4の例では、粘着剤が塗布された領域21は、通気性シート20の粘着面の全域になっている。ただし、第4の例では、領域21において、通気性シート20の第1の開口部12Aを覆う部分における通気性を妨げないように粘着剤が点在している。
以下、第4の例について、図9ないし図11を参照して、更に詳しく説明する。図9は、第1の面11Aおよび第1の開口部12Aを拡大して示す平面図である。図10は、第4の例の通気性シート20が第1の面11Aに貼り付けられた状態を示す平面図である。図10において、符号22は、通気性シート20の粘着面に点在するように配置された粘着剤を示している。図10では、個々の粘着剤22の径は第1の開口部12Aの径よりも十分小さく、且つ複数の粘着剤22の間には十分な隙間が形成されている。従って、第4の例では、粘着剤22によって第1の開口部12Aが塞がれることはなく、通気性シート20の第1の開口部12Aを覆う部分における通気性は妨げられない。
図11は、比較例の通気性シート120が第1の面11Aに貼り付けられた状態を示す平面図である。図11において、符号22は、通気性シート120の粘着面に点在するように配置された粘着剤を示している。比較例の通気性シート120の構成は、通気性シート120の粘着面に点在するように配置された粘着剤22の径が第1の開口部12Aの径以上である点を除いて、第4の例の通気性シート20と同様である。この比較例では、粘着剤22によって第1の開口部12Aが完全にあるいはほとんど塞がれる可能性がある。そのため、この比較例では、通気性シート120の第1の開口部12Aを覆う部分における通気性が妨げられる可能性がある。従って、この比較例の通気性シート120は、本実施の形態に係る貫通孔充填方法において用いるのに適していない。また、図示しないが、粘着面に配置された粘着剤22の径は第1の開口部12Aの径よりも小さいが、複数の粘着剤22間に十分な隙間が形成されていないような通気性シートでも、粘着剤22によって第1の開口部12Aがほとんど塞がれる可能性がある。従って、このような通気性シートも、本実施の形態に係る貫通孔充填方法において用いるのに適していない。
図10に示したように粘着面において粘着剤22が点在する通気性シート20は、例えば、通気性シート20の基材の一面に粘着剤を噴霧することによって作製することができる。
なお、本実施の形態における通気性シート20は、上述のような粘着面の少なくとも一部に粘着剤が配置されたものに限らず、例えば、自己粘着性を有する発泡樹脂フィルムのような、自己粘着性と通気性とを有する基材のみによって構成されたものであってもよい。
次に、図12ないし図14を参照して、第1および第2の比較例の貫通孔充填方法と比較しながら、本実施の形態に係る貫通孔充填方法の作用および効果について説明する。図12は、第1の比較例の貫通孔充填方法を示す説明図である。図13は、第2の比較例の貫通孔充填方法を示す説明図である。図14は、本実施の形態に係る貫通孔充填方法を示す説明図である。図12ないし図14において、(a)は貫通孔12に導体ペースト40を充填している状態を表わし、(b)は貫通孔12に充填した導体ペースト40を乾燥させる前の状態を表わし、(c)は導体ペースト40を乾燥させる工程の終了後の基板用ワーク10および導体ペースト40を表わしている。
図12に示した第1の比較例では、図12(a)に示したように、フィルム13は、ワーク本体11の第2の面11Bではなく第1の面11Aに貼り付けられている。また、第1の比較例では、図1および図3に示した吸着ステージ32上に通気性シート200を載置し、この通気性シート200の上に、フィルム13が通気性シート200に接するように、基板用ワーク10とフィルム13からなる積層体を載置する。通気性シート200は、フィルム13に接する面が粘着性を有しておらず、通気性シート200とフィルム13は互いに固定されていない。そして、第1の比較例では、通気性シート200、フィルム13の開口部13aおよび第1の開口部12Aを通して貫通孔12内の気体を吸引しながら、第2の面11Bの上に配置されたメタルマスク34の孔34aを通して、第2の面11Bの外側から導体ペースト40を第2の開口部12Bに選択的に供給して、第2の開口部12Bより貫通孔12に導体ペースト40を充填する。
第1の比較例では、メタルマスク34の孔34aの径が第2の開口部12Bの径よりもわずかに大きいことから、貫通孔12に導体ペースト40を充填し、メタルマスク34を取り外した段階では、図12(b)に示したように、第2の面11B上において、第2の開口部12Bの周辺に導体ペースト40が広がっている。また、第1の比較例では、通気性シート200とフィルム13が互いに固定されていないことから、第1の開口部12Aの周辺において通気性シート200とフィルム13との間に隙間が生じたり、通気性シート200とフィルム13とがずれたりして、第1の開口部12Aの周辺に導体ペースト40が広がる。第1の比較例では、導体ペースト40を乾燥させる工程の終了後、フィルム13を第1の面11Aから剥離すると、図12(c)に示したように、フィルム13の孔13aの周辺に広がっていた導体ペースト40はフィルム13と共に除去される。しかし、第2の開口部12Bの周辺に広がった導体ペースト40は残る。
図13に示した第2の比較例では、図13(a)に示したように、フィルム13は、ワーク本体11の第2の面11Bに貼り付けられている。また、第2の比較例では、図1および図3に示した吸着ステージ32上に通気性シート200を載置し、この通気性シート200の上に、ワーク本体11の第1の面11Aが通気性シート200に接するように、基板用ワーク10とフィルム13からなる積層体を載置する。通気性シート200は、第1の面11Aに接する面が粘着性を有しておらず、通気性シート200とワーク本体11は互いに固定されていない。そして、第2の比較例では、通気性シート200および第1の開口部12Aを通して貫通孔12内の気体を吸引しながら、フィルム13の上に配置されたメタルマスク34の孔34aを通して、第2の面11Bの外側から導体ペースト40を第2の開口部12Bに選択的に供給して、第2の開口部12Bより貫通孔12に導体ペースト40を充填する。
第2の比較例では、貫通孔12に導体ペースト40を充填し、メタルマスク34を取り外した段階では、図13(b)に示したように、フィルム13上において、孔13aの周辺に導体ペースト40が広がっている。また、第2の比較例では、通気性シート200とワーク本体11が互いに固定されていないことから、第1の開口部12Aの周辺において通気性シート200と第1の面11Aとの間に隙間が生じたり、通気性シート200とワーク本体11とがずれたりして、第1の開口部12Aの周辺に導体ペースト40が広がる。第2の比較例では、導体ペースト40を乾燥させる工程の終了後、フィルム13を第2の面11Bから剥離すると、図13(c)に示したように、フィルム13の孔13aの周辺に広がっていた導体ペースト40はフィルム13と共に除去される。しかし、第1の開口部12Aの周辺に広がった導体ペースト40は残る。
本実施の形態では、図14(a)に示したように、ワーク本体11の第2の面11Bにフィルム13が貼り付けられ、ワーク本体11の第1の面11Aに通気性シート20が貼り付けられる。また、本実施の形態では、通気性シート20が図1および図3に示した吸着ステージ32に接するように、基板用ワーク10とフィルム13と通気性シート20からなる積層体を吸着ステージ32上に載置する。そして、本実施の形態では、通気性シート20および第1の開口部12Aを通して貫通孔12内の気体を吸引しながら、フィルム13の上に配置されたメタルマスク34の孔34aを通して、第2の面11Bの外側から導体ペースト40を第2の開口部12Bに選択的に供給して、第2の開口部12Bより貫通孔12に導体ペースト40を充填する。
本実施の形態では、貫通孔12に導体ペースト40を充填し、メタルマスク34を取り外した段階では、図14(b)に示したように、フィルム13上において、孔13aの周辺に導体ペースト40が広がっている。本実施の形態では、通気性シート20とワーク本体11が互いに固定されていることから、第1の開口部12Aの周辺において通気性シート20と第1の面11Aとの間に隙間が生じたり、通気性シート20とワーク本体11とがずれたりすることが防止される。そのため、本実施の形態では、第1の開口部12Aの周辺に導体ペースト40が広がることが防止される。本実施の形態では、導体ペースト40を乾燥させる工程の終了後、フィルム13を第2の面11Bから剥離すると、図14(c)に示したように、フィルム13の孔13aの周辺に広がっていた導体ペースト40はフィルム13と共に除去される。従って、この時点で、第2の開口部12Bの周辺に導体ペースト40は広がっていない。また、本実施の形態では、通気性シート20を第1の面11Aから剥離した時点で、第1の開口部12Aの周辺に導体ペースト40は広がっていない。
以上説明したように、本実施の形態に係る貫通孔充填方法では、少なくとも第1の開口部12Aを覆う部分は通気性を有する通気性シート20が、第1の開口部12Aを覆うようにワーク本体11の第1の面11Aに貼り付けられた状態で、通気性シート20および第1の開口部12Aを通して貫通孔12内の気体を吸引しながら、第2の面11Bの外側から導体ペースト40を第2の開口部12Bに選択的に供給して、第2の開口部12Bより貫通孔12に導体ペースト40を充填する。そのため、本実施の形態によれば、通気性シート20および第1の開口部12Aを通して貫通孔12内の気体を吸引しながら第2の開口部12Bより貫通孔12に導体ペースト40を充填することができ、しかも、通気性シート20がワーク本体11の第1の面11Aに貼り付けられていることから、第1の開口部12Aの周辺に導体ペースト40が広がることを防止することができる。従って、本実施の形態によれば、基板用ワーク10の貫通孔12の周辺に導体ペースト40が広がったり、貫通孔12に対する導体ペースト40の充填不良が生じたりすることなく、基板用ワーク10の貫通孔12に導体ペースト40を充填することができる。
また、本実施の形態では、ワーク本体11の第2の面11Bに、第2の開口部12Bに対応する位置に孔13aを有するフィルム13が貼り付けられている。これにより、本実施の形態によれば、図14を参照して説明したように、第2の開口部12Bの周辺に導体ペースト40が広がることを防止することができる。
次に、図15ないし図17を参照して、本実施の形態における導体ペースト40を乾燥させる工程と通気性シート20を剥離する工程の順序について説明する。始めに、図15を参照して、第3の比較例の貫通孔充填方法について説明する。図15は、第3の比較例の貫通孔充填方法を示す説明図である。図15において、(a)は貫通孔12に導体ペースト40を充填した直後の状態を表わしている。(b)は貫通孔12に充填された導体ペースト40を乾燥させる前にワーク本体11から通気性シートを分離した状態を表わしている。(c)は導体ペースト40を乾燥させる工程の終了後の基板用ワーク10および導体ペースト40を表わしている。
図15に示した第3の比較例では、図13に示した第2の比較例と同様の方法で、貫通孔12に導体ペースト40が充填される。すなわち、第3の比較例では、図15(a)に示したように、ワーク本体11の第2の面11Bにフィルム13を貼り付け、通気性シート200の上に、ワーク本体11の第1の面11Aが通気性シート200に接するように、基板用ワーク10とフィルム13からなる積層体を載置する。通気性シート200は、第1の面11Aに接する面が粘着性を有しておらず、通気性シート200とワーク本体11は互いに固定されていない。そして、第3の比較例では、通気性シート200および第1の開口部12Aを通して貫通孔12内の気体を吸引しながら、第2の面11Bの外側から導体ペースト40を第2の開口部12Bに選択的に供給して、第2の開口部12Bより貫通孔12に導体ペースト40を充填する。
第3の比較例では、次に、図15(b)に示したように、貫通孔12に充填された導体ペースト40を乾燥させる前に通気性シート200がワーク本体11から分離され、その後、導体ペースト40を乾燥させる工程が実施される。第3の比較例では、貫通孔12に充填された導体ペースト40が乾燥されずに流動性を有している段階で、導体ペースト40を支持する通気性シート200がワーク本体11から分離される。そのため、第3の比較例では、通気性シート200がワーク本体11から分離された後、導体ペースト40が乾燥されるまでの間に、導体ペースト40が垂れたり、基板用ワーク10の搬送用の部材等によって導体ペースト40が擦れたりして、導体ペースト40が第1の開口部12Aの周辺に広がる。その結果、第3の比較例では、図15(c)に示したように、導体ペースト40を乾燥させる工程の終了後においても、導体ペースト40は第1の開口部12Aの周辺に広がっている。
図16は、導体ペースト40を乾燥させる工程の前に通気性シート20を剥離する工程を実施する場合における本実施の形態に係る貫通孔充填方法を示す説明図である。図16において、(a)は貫通孔12に導体ペースト40を充填した直後の状態を表わしている。(b)は貫通孔12に充填された導体ペースト40を乾燥させる前にワーク本体11の第1の面11Aから通気性シート20を剥離した状態を表わしている。(c)は導体ペースト40を乾燥させる工程の終了後の基板用ワーク10および導体ペースト40を表わしている。図16に示した方法では、図16(a)に示したように、通気性シート20がワーク本体11の第1の面11Aに貼り付けられた状態で、貫通孔12に導体ペースト40を充填する。また、この方法では、図16(b)に示したように、貫通孔12に充填された導体ペースト40を乾燥させる前に通気性シート20をワーク本体11の第1の面11Aから剥離し、その後、図16(c)に示したように、導体ペースト40を乾燥させる工程を実施する。
図16に示した方法では、第3の比較例と同様に、貫通孔12に充填された導体ペースト40が乾燥されずに流動性を有している段階で、導体ペースト40を支持する通気性シート20が第1の面11Aから剥離される。そのため、この方法では、第3の比較例と同様に、通気性シート20が第1の面11Aから剥離された後、導体ペースト40が乾燥されるまでの間に、導体ペースト40が垂れたり、基板用ワーク10の搬送用の部材等によって導体ペースト40が擦れたりして、導体ペースト40が第1の開口部12Aの周辺に広がるおそれがある。しかし、本実施の形態では、通気性シート20がワーク本体11の第1の面11Aに貼り付けられた状態で、貫通孔12に導体ペースト40が充填する工程が実施されるため、第3の比較例とは異なり、導体ペースト40の充填後、直ちに通気性シート20がワーク本体11から分離される訳ではない。そのため、導体ペースト40の充填後、通気性シート20を剥離するまでの間に、導体ペースト40がある程度乾燥したり、導体ペースト40中のビヒクルが通気性シート20に吸収されたりして、導体ペースト40の流動性が小さくなる場合もある。このような場合には、導体ペースト40を乾燥させる工程の前に通気性シート20を剥離する工程を実施しても問題が生じない場合もある。
図17は、導体ペースト40を乾燥させる工程の後で通気性シート20を剥離する工程を実施する場合における本実施の形態に係る貫通孔充填方法を示す説明図である。図17において、(a)は貫通孔12に導体ペースト40を充填した直後の状態を表わしている。(b)は導体ペースト40を乾燥させる工程の終了後の状態を表わしている。(c)は導体ペースト40を乾燥させる工程の終了後にワーク本体11の第1の面11Aから通気性シート20を剥離した状態を表わしている。図17に示した方法では、図17(a)に示したように、通気性シート20がワーク本体11の第1の面11Aに貼り付けられた状態で、貫通孔12に導体ペースト40を充填する。また、この方法では、図17(b)に示したように、通気性シート20が第1の面11Aに貼り付けられた状態で、貫通孔12に充填された導体ペースト40を乾燥させ、その後、図17(c)に示したように、ワーク本体11の第1の面11Aから通気性シート20を剥離する。
図17に示した方法では、導体ペースト40を乾燥させる工程が終了するまで、第1の開口部12Aが通気性シート20によって塞がれているため、導体ペースト40が乾燥されるまでの間に、導体ペースト40が垂れたり、基板用ワーク10の搬送用の部材等によって導体ペースト40が擦れたりして、導体ペースト40が第1の開口部12Aの周辺に広がることはない。従って、本実施の形態では、図17に示したように、導体ペースト40を乾燥させる工程の後で、通気性シート20を剥離する工程を実施するのが好ましい。
[第2の実施の形態]
次に、図18を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る貫通孔充填方法について説明する。図18は、本実施の形態におけるワーク本体11の第1の面11Aを示す平面図である。本実施の形態に係る貫通孔充填方法では、少なくとも第1の開口部12Aを覆う部分は通気性を有する通気性シート20を、第1の開口部12Aを覆うようにワーク本体11の第1の面11Aに貼り付ける工程が、第1の実施の形態と異なっている。
本実施の形態では、図18に示したように、第1の開口部12Aを塞がないようにワーク本体11の第1の面11Aに粘着剤22を塗布した後に、この粘着剤22を利用して通気性シート20を第1の面11Aに貼り付ける。本実施の形態における通気性シート20は、第1の面11Aに貼り付けられる面の少なくとも一部が粘着性を有している必要はない。従って、本実施の形態における通気性シート20は、例えば、第1の実施の形態における通気性シート20を構成するために用いられる通気性を有するシート状の基材そのものであってもよい。本実施の形態では、第1の面11Aに貼り付けられた後の通気性シート20において、第1の開口部12Aを覆う部分には粘着剤22は存在しない。従って、本実施の形態によれば、通気性シート20の第1の開口部12Aを覆う部分が確実に通気性を有するようにすることができる。本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明における基板用ワークは、複数のセラミックグリーンシートが積層されて構成されたものに限らず、例えば、1枚のセラミックグリーンシートや、プリント配線板におけるスルーホール形成前の基体や、焼成済のセラミックシートであってもよい。
本発明の第1の実施の形態に係る貫通孔充填方法を説明するための断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る貫通孔充填方法における一工程を示す斜視図である。 図2に示した工程に続く工程を示す斜視図である。 第1の面を上にしたときの基板用ワークとフィルムからなる積層体を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態における通気性シートの第1の例を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態における通気性シートの第2の例を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態における通気性シートの第3の例を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態における通気性シートの第4の例を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態におけるワーク本体の第1の面および第1の開口部を示す平面図である。 第4の例の通気性シートが第1の面に貼り付けられた状態を示す平面図である。 比較例の通気性シートが第1の面に貼り付けられた状態を示す平面図である。 第1の比較例の貫通孔充填方法を示す説明図である。 第2の比較例の貫通孔充填方法を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る貫通孔充填方法を示す説明図である。 第3の比較例の貫通孔充填方法を示す説明図である。 導体ペーストを乾燥させる工程の前に通気性シートを剥離する工程を実施する場合の貫通孔充填方法を示す説明図である。 導体ペーストを乾燥させる工程の後で通気性シートを剥離する工程を実施する場合の貫通孔充填方法を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態におけるワーク本体の第1の面を示す平面図である。
符号の説明
1…セラミックグリーンシート、10…基板用ワーク、11…ワーク本体、11A…第1の面、11B…第2の面、12…貫通孔、12A…第1の開口部、12B…第2の開口部、13…フィルム、20…通気性シート、32…吸着ステージ、40…導体ペースト。

Claims (11)

  1. 互いに反対側を向く第1の面および第2の面を有するワーク本体と、前記第1の面に位置する第1の開口部と前記第2の面に位置する第2の開口部とを有し前記ワーク本体を貫通する貫通孔とを備えた基板用ワークにおける前記貫通孔に導体ペーストを充填する方法であって、
    少なくとも前記第1の開口部を覆う部分は通気性を有する通気性シートを、前記第1の開口部を覆うように前記ワーク本体の前記第1の面に貼り付ける工程と、
    前記通気性シートおよび前記第1の開口部を通して前記貫通孔内の気体を吸引しながら、前記第2の面の外側から前記導体ペーストを前記第2の開口部に選択的に供給して、前記第2の開口部より前記貫通孔に前記導体ペーストを充填する工程と
    を備えたことを特徴とする基板用ワークの貫通孔充填方法。
  2. 前記導体ペーストを充填する工程は、スクリーン印刷を用いて実施されることを特徴とする請求項1記載の基板用ワークの貫通孔充填方法。
  3. 前記ワーク本体の前記第2の面には、前記第2の開口部に対応する位置に孔を有するフィルムが貼り付けられていることを特徴とする請求項1または2記載の基板用ワークの貫通孔充填方法。
  4. 前記通気性シートは、前記ワーク本体の前記第1の面に貼り付けられる面の少なくとも一部が粘着性を有するものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の基板用ワークの貫通孔充填方法。
  5. 前記第1の面に貼り付けられる前記通気性シートの面のうち、前記第1の開口部を覆わない領域の少なくとも一部には粘着剤が塗布され、前記第1の開口部を覆う領域には粘着剤が塗布されていないことを特徴とする請求項4記載の基板用ワークの貫通孔充填方法。
  6. 前記第1の面に貼り付けられる前記通気性シートの面の全域において、前記通気性シートの前記第1の開口部を覆う部分における通気性を妨げないように粘着剤が点在していることを特徴とする請求項4記載の基板用ワークの貫通孔充填方法。
  7. 前記通気性シートを前記第1の面に貼り付ける工程では、前記第1の開口部を塞がないように前記第1の面に粘着剤を塗布した後に、この粘着剤を利用して前記通気性シートを前記第1の面に貼り付けることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の基板用ワークの貫通孔充填方法。
  8. 更に、前記導体ペーストを充填する工程の後で、前記通気性シートを前記第1の面から剥離する工程を備えたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の基板用ワークの貫通孔充填方法。
  9. 更に、前記導体ペーストを充填する工程の後で、前記貫通孔に充填された前記導体ペーストを乾燥させる工程を備えたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の基板用ワークの貫通孔充填方法。
  10. 更に、前記導体ペーストを乾燥させる工程の後で、前記通気性シートを前記第1の面から剥離する工程を備えたことを特徴とする請求項9記載の基板用ワークの貫通孔充填方法。
  11. 更に、前記導体ペーストを充填する工程と前記導体ペーストを乾燥させる工程との間において、前記通気性シートを前記第1の面から剥離する工程を備えたことを特徴とする請求項9記載の基板用ワークの貫通孔充填方法。
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