JP2009078442A - ピンテンタ及び溶液製膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピンがフィルムから離脱する離脱位置における異物故障の発生を抑える。
【解決手段】スプロケット42d近くのピンプレート43の上方位置からテンタ出口40aまでの間で、湿潤フィルム25の両耳部に近接させて、異物除去部70を設ける。異物除去部70を、チャンバ71、ブラシローラ72、エアブロー吸引ヘッド73、粘着ローラ部74から構成する。ブラシローラ72をスプロケット45dの上方位置のピンプレート43に接触させることで、ピンの離脱位置の変動が抑えられる。ピン離脱時のフィルムへの衝撃が小さくなり、バリの分離による異物発生が抑えられる。エアブロー吸引ヘッド73で、異物を吸引して除去し、この後に粘着ローラ部74により異物を除去するため、異物が確実に除去される。チャンバ71でピンの離脱部を被うため、製品エリアに異物が飛散することがなくなり、異物故障の発生が抑えられる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ウェブの幅方向両側縁部をピンにより保持して搬送しながら乾燥するピンテンタ及びこれを用いた溶液製膜方法に関する。
ポリマフィルムは、優れた光透過性や柔軟性を有し、軽量薄膜化が可能であることから、光学機能性フィルムとして多岐に利用されている。この中でも、セルロースアシレート等を用いたセルロースエステル系フィルムは、前述の特性に加えて、さらに強靭性や低複屈折率を有している。このセルロースエステル系フィルムは、写真感光用フィルムをはじめとして、近年市場が拡大している液晶表示装置(LCD)の構成部材である偏光板の保護フィルムや光学補償フィルムとして利用されている。
ポリマーフィルムの製造方法の一つとして、溶液製膜方法が挙げられる。この溶液製膜方法によれば、まず、ポリマと溶媒とからなるドープを流延ダイから支持体上に流延して流延膜を形成する。次に、流延膜が自己支持性を有するものとなった後に、流延膜を湿潤フィルムとして支持体から剥ぎ取る。次に、テンタにより、湿潤フィルムの乾燥を行って、残留溶媒分を減少させる。これにより、フィルムが得られる。次に、フィルムの両側縁部を切断した後に、乾燥装置により更に乾燥を行う。そして、乾燥装置を経たフィルムは、巻取装置によって巻き取られる。
テンタには、フィルムの両側縁部の把持方法の違いによって、ピンを用いたピンテンタと、クリップを用いたクリップテンタとがある。ピンテンタは、無端で循環走行する無端チェーンと、この無端チェーンに取り付けられたピンプレートと、ピンプレートの上に多数取り付けられたピンとを備えている。湿潤フィルムがピンテンタに入ると、ピンが湿潤フィルムの両側縁部に差し込まれる。このピンの差し込みにより、湿潤フィルムの両側縁部が保持される。そして、無端チェーンの循環走行により、湿潤フィルムは乾燥室内の各乾燥ゾーンを通過することにより、適度な張力が付与された状態で乾燥される(特許文献1参照)。
特開平9−77315号公報
近年、LCDの高精細化が進む従いその構成部品である光学フィルムにも、厚みむらや傷、異物の無いものが要求されてきている。溶液製膜設備において、異物が付着しやすい工程の一つとしては、ピンテンタにおいてピンがフィルムから抜け出る離脱部が挙げられる。この離脱部では、フィルムからピンが抜け出るときの衝撃によって、ピン突き刺し時に生じたピン周りのバリや、各種工程内でフィルムの両側縁部に付着した異物が、フィルム幅方向中央部の製品となるエリアに飛散して付着し、異物欠陥となることが多い。また、異物が付着した状態でロールを通過すると、この異物によってフィルムに凹部欠陥が生じることもあり、改善が望まれていた。
本発明は、ピンテンタの出口近くのフィルムからピンを抜き取る離脱部での異物の発生や付着を無くすようにしたピンテンタ及び溶液製膜方法を提供することを目的とする。
本発明は、ウェブの搬送方向に沿って配置されるレール及びスプロケットからなる移動経路と、前記移動経路上を循環移動するチェーンと、前記チェーンに取り付けられ多数のピンを有するピンプレートとを有し、前記多数のピンにより、前記ウェブの幅方向両側縁部を保持して搬送しながら前記ウェブを乾燥するピンテンタにおいて、前記スプロケット上で前記ウェブから前記ピンを離脱させる離脱部及び前記離脱部の下流側の前記ウェブに近接して設けられ、前記ウェブの両側縁部の異物を除去する異物除去部を備えることを特徴とする。
前記異物除去部は、ブラシローラ、エアブロー吸引ヘッド、粘着ローラの少なくとも一つを備えることを特徴とする。また、前記異物除去部は、前記ウェブの両側縁部を被うチャンバと、このチャンバ内にウェブ搬送方向で、上流側から順に配置される前記ブラシローラ、前記エアブロー吸引ヘッド、粘着ローラとから構成されていることを特徴とする。また、前記ブラシローラは、前記離脱部の上方位置に設けられ、前記スプロケット上の前記ピンにより保持されている前記ウェブを上方から押えることを特徴とする。
また、本発明の溶液製膜方法は、ポリマと溶媒とが含まれるドープを支持体上に流延して流延膜を形成し、前記流延膜が自己支持性を有するものとなった後に、前記流延膜を前記支持体から剥ぎ取ってウェブとし、請求項1から4いずれか1項記載のピンテンタにより前記ウェブの両側縁部を保持した状態で前記ウェブを搬送し乾燥することを特徴とする。
本発明によれば、ウェブからピンを離脱させる離脱部及びこの離脱部の下流側のウェブに近接させて、異物除去部を設けることにより、ウェブ幅方向中央部の製品エリアに異物が付着することがなく、異物故障を無くすことができる。
図1に示すように、溶液製膜設備10は、ドープ調製部9と、流延室11と、渡り部12と、ピンテンタ13と、クリップテンタ14と、耳切装置15a,15bと、乾燥装置16と、冷却装置17と、巻取装置18とから構成されている。
流延室11には、ドープ調製部9からのドープが送り込まれるフィードブロック21と、支持体としての流延ドラム22と、ドープを流延ドラム22に流延する流延ダイ23と、流延ドラム22上の流延膜24を湿潤フィルム25として剥ぎ取る剥取ローラ26と、流延膜24及び湿潤フィルム25から蒸発した溶剤ガスを凝縮液化する凝縮器27(コンデンサ)と、液化した溶剤を回収する回収装置28とが設けられている。流延ドラム22には伝熱媒体供給装置(図示省略)が接続されており、この伝熱媒体供給装置の内部に伝熱媒体を供給することで、流延ドラム22の表面温度を所望の温度に調整している。流延室11には、その内部温度を調整するための温調装置30が取り付けられている。
フィードブロック21の内部にはドープの流路が形成されている。この流路の配置を調整することにより、所望の構造の流延膜24を形成することができる。流延ダイ23には減圧チャンバ32が取り付けられており、この減圧チャンバ32は、流延ダイ23の吐出口から流延ドラム22に到達するまでのドープの流れ(以下「ビード」とする)の後方を減圧し、流延ドラム22に対するドープの接触を安定させる。
流延ドラム22は連続回転が可能なステンレス製のドラムから構成される。また、流延ドラム22の表面には研磨加工が施されている。これにより、流延ドラム22上には平面性に優れる流延膜24が形成される。なお、支持体として流延ドラムを使用するが、支持体の形態は特に限定されるものではない。例えば、1対のローラに巻き掛けられ、無端で走行する流延バンドを支持体として用いてもよい。支持体の材質は耐腐食性や高強度を有するステンレスから構成されている。
渡り部12は多数のローラ35と乾燥風ダクト36とから構成されている。ローラ35は、流延ドラム22から剥ぎ取られた湿潤フィルム25をピンテンタ13まで搬送する。乾燥風ダクト36は、湿潤フィルム25の搬送路の上方に設けられている。このダクト36は湿潤フィルム25に対して乾燥風を吹き付けて、湿潤フィルム25の乾燥を促進している。
図2に示すように、ピンテンタ13は、乾燥室40内に、1対の無端チェーン41を各スプロケット42a〜42e間で掛け渡し、無端チェーン41に適宜ピッチでピンプレート43を取り付けて構成されている。
図3に示すように、無端チェーン41はレール44によって上下左右方向で脱落することがないように支持されている。レール44は、フィルム幅方向での張力を制御するために、一定長さで分断された分断レールを有する。各分断レールは、両端同士がピン結合されている。そして、このピン結合部をフィルム幅方向で図示しないシフト機構によりシフトさせることにより、レール幅が変更可能になっている。無端チェーン41は図示しないチェーン駆動部により回転され、レール44上を循環移動する。
図3及び図4に示すように、ピンプレート43には、多数のピン46が取り付けられている。図2に示すように、ピンテンタ13の入口には、入口側スプロケット42eの上方で、ブラシローラ45が設けられている。このブラシローラ45は、湿潤フィルム25の両側縁部(以下「耳部」とする)25aの上面に接触し、耳部25aをピン46に押し込む。これにより、耳部25aにピン46が突き刺されて、ピンプレート43によって湿潤フィルム25は幅方向で張力を付与されながら乾燥される。
乾燥室40のフィルム出口40aには、フィルム受けローラ47と、エアカーテン48,49とが設けられており、乾燥室40の溶剤ガスを含んだ乾燥風が外部に漏れることがないようになっている。
図1に示すように、クリップテンタ14はピンテンタ13の下流に設けられ、ピンテンタ13から出た湿潤フィルムの耳部25aを把持して搬送するとともに乾燥を行う。これにより、フィルム37が得られる。なお、ピンテンタ13の下流に設けられるクリップテンタ14は新たな光学特性を付与する場合に用いられることが多く、新たな光学特性の付与が不要な場合等には、このテンタクリップ14は省略してもよい。
第1耳切装置15aは、ピンテンタ13を出た湿潤フィルム25の耳部を切断する。また、第2耳切装置15bは、クリップテンタ14を出たフィルム37の耳部を切断する。これら耳切装置15a,15bにはクラッシャ60が接続されており、このクラッシャ60により湿潤フィルム25及びフィルム37の両側縁部は粉砕されてチップにされる。
耳切装置15bを経たフィルム37は乾燥装置16に送られる。乾燥装置16の内部には多数のローラ61が配置されており、これらローラ61によってフィルム37が搬送されながら乾燥される。乾燥装置16を出たフィルム37は冷却装置17に送られ、この冷却装置17内で略室温まで冷却される。
巻取装置18は巻取軸63を有する。冷却装置17を出たフィルム37は巻取軸63にセットされた巻芯にロール状に巻き取られる。巻取装置18はプレスローラ64を備え、このプレスローラ64は巻芯に巻き取られるフィルム37の張力を制御する。
なお、ピンテンタ13、クリップテンタ14、乾燥装置16において、フィルム37から揮発した溶剤ガスは、各装置の外側に設けられた吸着回収装置67〜69により吸着回収されて、再利用される。
以上の工程を経て、平面性に優れるフィルム37が高速かつ安定して製造される。上記実施形態で製造されるフィルム37の幅は1400mm以上2500mm以下であることが好ましい。なお、フィルム37の幅が2500mmを超える場合であっても、本発明の効果を得ることができる。また、上記実施形態で製造されるフィルム37の厚みは、20μm以上100μm以下であることが好ましく、20μm以上80μm以下であることがより好ましく、30μm以上80μm以下であることが最も好ましい。
次に、図2〜図4を参照して、本発明の特徴部分であるピンテンタ13の異物除去部70について説明する。図2に示すように、ピンテンタ13の出口近くで、耳部25aからピン46が離脱する離脱部及びその下流側位置で耳部25aの上方には、異物除去部70が耳部25aに近接して設けられている。異物除去部70は、異物除去チャンバ71と、このチャンバ71内に配置されるブラシローラ72、エアブロー吸引ヘッド73、粘着ローラ部74とから構成されている。
図3及び図4に示すように、異物除去チャンバ71は、フィルム25の両耳部25aを被うように、スプロケット42dの上方位置から乾燥室40の出口近くの位置まで設けられている。また、チャンバ71内の異物がフィルム25の製品エリア25bに飛散することがないように図示しない吸引ダクトを介して内部エアが吸引されており、内部が負圧に維持されている。チャンバ71の幅は、両耳部25aを被うことができればよく、本実施形態ではフィルム側縁から中央へ400mm入った領域を被う幅で形成されている。
チャンバ71内には、フィルム搬送方向で上流側から順に、ブラシローラ72、エアブロー吸引ヘッド73、及び粘着ローラ部74が配置されている。
ブラシローラ72は、スプロケット42dの回転によりピンプレート43が耳部25aから離脱するように斜め下方に移動する際に、湿潤フィルム25に接触することにより、耳部25aを常に鉛直方向の一定位置に保持し、離脱位置の変動を抑えている。これにより、従来発生していた離脱位置のフィルム搬送方向における変動や、この変動によるフィルム25がピン46から外れる衝撃の発生を抑えることができ、衝撃によるバリのフィルム25からの分離や、分離したバリの製品エリア25b(図4参照)への飛散が防止される。
エアブロー吸引ヘッド73は、エア吹き出しノズル75と吸引ノズル76とを有し、耳部25aの異物をエア吹き出しノズル75からのエア吹き出しにより浮かせた後に、吸引ノズル76で吸い込んで、異物を除去する。異物としては、各工程中で付着した異物や、ピン孔周辺のバリがブラシローラ72の接触により分離した異物などがある。
粘着ローラ部74は、第1及び第2のニップローラ対80,81とこれらニップローラ対80,81の間に配置される粘着ローラ対82とを備えている。各ニップローラ対80,81は、ピン46から離脱した耳部25aを安定して搬送させるために、上下方向から耳部25aを挟持する。粘着ローラ対82は粘着周面82aを有し、フィルム耳部25aの上下面に接触する。この接触により耳部25aに付着している異物が粘着周面82aに付着し、耳部25aから異物が除去される。粘着周面82a上の異物は異物除去ローラ83によって、粘着周面82aから取り除かれる。異物除去ローラ83上の異物は吸引ヘッド84によって吸引される。なお、粘着ローラ対82により粘着で捕捉した異物の除去は、異物除去ローラ83の他に除去シートや吸引ヘッド等によって行ってもよい。
異物除去チャンバ71内のブラシローラ72,エアブロー吸引ヘッド73、粘着ローラ部74は、少なくとも一つを備えていればよく、これによっても、異物除去効果が得られるが、複数種類を備えることにより、異物除去の相乗効果が得られ、効率良く且つ確実に異物を取り除くことができる。
特に、フィルム搬送方向に、ブラシローラ72、エアブロー吸引ヘッド73、粘着ローラ部74の順に設けることにより、ブラシローラ72で積極的に耳部25aのバリを除去し、この除去したバリをエアブロー吸引ヘッド73で吸引除去し、エアブロー吸引で取りきれなかった異物を粘着ローラ部74で確実に捕捉し取り除くことで、耳部25aからの異物が確実に除去される。また、粘着ローラ部74のみを使用すると、大きな異物とフィルムとが粘着ローラ対で挟持されることにより、異物によってフィルムに凹部が形成されてしまうことがあるが、大きな異物をブラシローラ72やエアブロー吸引ヘッド73により予め取り除くことで、粘着ローラ部74における大きな異物による凹部の形成がなくなる。
また、チャンバ71内にこれらブラシローラ72、エアブロー吸引ヘッド73、及び粘着ローラ部74を配置することにより、耳部25aからの異物が製品エリア25bに飛散してしまうことがなくなる。さらに、チャンバ内は吸引により負圧にされているので、チャンバ内での異物は外部に飛散することがなく、吸引により外部に排出され、フィルタ等の除塵装置を用いて取り除かれる。
なお、上記ブラシローラ72、エアブロー吸引ヘッド73、粘着ローラ部74をフィルム送り方向に複数段、例えば二段設けてもよい。また、上記粘着ローラ部74に代えて、ブラシローラ72と、エアブロー吸引ヘッド73とをフィルム送り方向で二段に設けてもよい。また、エアブロー吸引ヘッド73は両耳部のみならず製品エリア25bに設けてもよい。
上記実施形態では、粘着ローラ部74のみを耳部25aの下面側にも配置しているが、これに代えて、チャンバ71、ブラシローラ72、エアブロー吸引ヘッド73等を耳部25aの下面側に設けてもよい。この場合には、異物を更に効率良く捕捉することができ、飛散が抑えられる。
上記実施形態では異物除去部70を、ブラシローラ72、エアブロー吸引ヘッド73、粘着ローラ部74により構成したが、これに代えて、または加えて、除電エアの吹き付け、プラズマ処理、流水洗浄などを用いて、除塵してもよい。また、異物除去部70は、離脱部のみならず、離脱部上流側にも延長して設けてもよい。
上記実施形態では、溶液製膜設備10のピンテンタ13に本発明を実施したが、ピンテンタであればよく、各種フィルムやウェブの製造設備に本発明を実施することができる。
上記実施形態では、1種類のドープを用いて単層のフィルムを製造する場合について説明したが、本発明は複層構造の流延膜を形成する場合にも効果を発揮する。この場合には、所望の数のドープを同時或いは逐次に流延する等の公知の方法を用いればよく、特に限定されない。また、流延ダイ、減圧室、支持体等の構造、共流延、剥離法、延伸、各工程の乾燥条件、ハンドリング方法、カール、平面性矯正後の巻取方法から、溶剤回収方法、フィルム回収方法まで、特開2005−104148号公報の[0617]段落から[0889]段落に詳しく記述されており、これらの記載に係る発明も本発明に適用することができる。また、完成したフィルムの性能や、カールの度合い、厚み、及びこれらの測定法は、特開2005−104148号公報の[1073]段落から[1087]段落に記載されており、これらの記載に係る発明も本発明に適用することができる。
完成したフィルムをベースとし、その両面あるいは一方の面に所望の機能層を設けると、各種機能性フィルムとして用いることができる。機能層としては、例えば、帯電防止層、硬化樹脂層、反射防止層、易接着層、防眩層、光学補償層等が挙げられる。例えば、反射防止層を設けると、光の反射を防止して高画質を提供することができる反射防止フィルムが得られる。上記の機能層や形成方法等に関しては、特開2005−104148号公報の[0890]段落から[1072]段落に詳細に記載されており、これらの記載に係る発明も本発明に適用することができる。また、ポリマーフィルムの具体的用途に関しては、例えば、特開2005−104148号公報の[1088]段落から[1265]段落に記載される、TN型、STN型、VA型、OCB型、反射型等の液晶表示装置への利用等が挙げられる。
次に、ドープ調製部9で製造されるドープの原料の一例を以下に示す。
ドープの原料としてセルロースエステルを用いると、透明度の高いフィルムを得ることができるので好ましい。セルロースエステルとしては、例えば、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアシレートブチレート等のセルロースの低級脂肪酸エステルが挙げられる。中でも、透明度の高さから、セルロースアシレートを用いることが好ましく、トリアセチルセルロース(TAC)を用いることが好ましい。なお、上記実施形態で用いるドープは、ポリマとしてトリアセチルセルロース(TAC)を含むものとする。このようにTACを用いる場合には、TACの90質量%以上が0.1〜4mmの粒子であることが好ましい。
上記のセルロースアシレートとしては、より透明度の高いフィルムを得るためにも、セルロースの水酸基へのアシル基への置換度が下記式(a)〜(c)の全てを満足するものが好ましい。下記式中のA、Bは、セルロースの水酸基中の水素原子に対するアシル基の置換度を表しており、具体的には、Aはアセチル基の置換度であり、Bは炭素数が3〜22のアシル基の置換度である。
(a) 2.5≦A+B≦3.0
(b) 0≦A≦3.0
(c) 0≦B≦2.9
セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位、3位及び6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部又は全部を炭素数が2以上のアシル基によりエステル化した重合体(ポリマ)である。アシル置換度は、2位、3位、及び6位それぞれについて、セルロースの水酸基がエステル化している割合を意味する。なお、100%のエステル化の場合を置換度1とする。
全アシル化置換度、すなわち、DS2+DS3+DS6の値は、2.00〜3.00が好ましく、より好ましくは2.22〜2.90であり、特に好ましくは2.40〜2.88である。また、DS6/(DS2+DS3+DS6)の値は、0.28以上が好ましく、より好ましくは0.30以上であり、特に好ましくは0.31〜0.34である。ここで、DS2は、グルコース単位における2位の水酸基の水素がアシル基によって置換されている割合であり、DS3は、グルコース単位における3位の水酸基の水素がアシル基によって置換されている割合であり、DS6は、グルコース単位において、6位の水酸基の水素がアシル基によって置換されている割合である。
セルロースアシレートに用いられるアシル基は1種類だけでも良いし、2種類以上のアシル基が用いられていても良い。なお、2種類以上のアシル基を用いるときには、その1つがアセチル基であることが好ましい。2位、3位及び6位の水酸基がアセチル基により置換されている度合いの総和をDSAとし、2位、3位及び6位の水酸基がアセチル基以外のアシル基によって置換されている度合いの総和をDSBとすると、DSA+DSBの値は、2.22〜2.90であることが好ましく、特に好ましくは2.40〜2.88である。
また、DSBは0.30以上であることが好ましく、特に好ましくは0.70以上である。更に、DSBは、その20%以上が6位水酸基の置換基であることが好ましく、より好ましくは25%以上であり、30%以上がさらに好ましく、33%以上であることが特に好ましい。更に、セルロースアシレートの6位におけるDSA+DSBの値が0.75以上であり、さらに好ましくは、0.80以上であり、特には0.85以上であるセルロースアシレートも好ましい。このようなセルロースアシレートを用いると、非常に溶解性に優れたドープを調製することができる。なお、上記のようなセルロースアシレートを用いる場合には、非塩素系溶剤を用いると、非常に優れた溶解性を有し、低粘度であり、かつ濾過性に優れるドープを調製することができる。
セルロースアシレートの炭素数が2以上のアシル基としては、脂肪族基でもアリール基でも良く、特に限定はされない。例えば、セルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステル、芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステル等が挙げられる。更に、それぞれが置換された基を有していても良い。これらの好ましい例としては、プロピオニル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、iso−ブタノイル基、t−ブタノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基等が挙げられる。中でも、プロピオニル基、ブタノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、t−ブタノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基等がより好ましく、特に好ましくは、プロピオニル基、ブタノイル基である。
なお、本発明で用いることができるセルロースアシレートの詳細については、特開2005−104148号公報の[0140]段落から[0195]段落に記載されており、これらの記載も本発明に適用することができる。
ドープ原料となる溶剤は、用いるポリマを溶解することができる有機化合物が好ましい。ただし、本発明においてドープとは、ポリマを溶剤に溶解又は分散させることで得られる混合物を意味するため、ポリマとの溶解性が低いような溶剤も用いることができる。好適に用いることができる溶剤としては、例えば、ベンゼンやトルエン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタンやクロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、メタノールやエタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ジエチレングリコール等のアルコール、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン、酢酸メチルや酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル、テトラヒドロフランやメチルセロソルブ等のエーテル等が挙げられる。これらの溶剤の中から2種類以上の溶剤を選択し、混合した混合溶剤を用いても良い。中でもジクロロメタンを用いると溶解度に優れるドープを得ることが出来ると共に、短時間のうちに流延膜中の溶剤を揮発させてフィルムとすることができるので好ましい。
上記のハロゲン化炭化水素としては、炭素原子数1〜7のものが好ましく用いられる。更に、ポリマとの相溶性や、支持体から剥ぎ取る流延膜の剥ぎ取り易さの指標である剥ぎ取り性、フィルムの機械強度、光学特性等の観点から、ジクロロメタンに炭素数が1〜5のアルコールを1種ないしは、数種類混合させたものを用いることが好ましい。アルコールの含有量は、溶剤全体に対して2〜25重量%が好ましく、5〜20重量%がより好ましい。アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等が挙げられ、中でも、メタノール、エタノール、n−ブタノール、或いはこれらの混合物を用いることが好ましい。
最近、環境に対する影響を最小限に抑えるため、ジクロロメタンを用いない溶剤組成も提案されている。この目的に対しては、炭素数が4〜12のエーテル、炭素数が3〜12のケトン、炭素数が3〜12のエステルが好ましく、これらを適宜混合して用いることが好ましい。これらの化合物は環状構造を有していても良いし、エーテル、ケトン及びエステルの官能基、すなわち、−O−、−CO−、及び−COO−のいずれかを2つ以上有する化合物も溶剤として用いることができる。その他にも、溶剤は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していても良い。なお、2種類以上の官能基を有する場合には、その炭素数がいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であれば良く、特に限定はされない。
ドープには、目的に応じて可塑剤、紫外線吸収剤(UV剤)、劣化防止剤、滑り剤、剥離促進剤等の公知である各種添加剤を添加させても良い。例えば、可塑剤としては、トリフェニルフォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェート等のリン酸エステル系可塑剤や、ジエチルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤、及びポリエステルポリウレタンエラストマー等の公知の各種可塑剤を用いることができる。
また、ドープには、フィルム同士の接着を防止したり、屈折率を調整したりする目的で微粒子を添加させることが好ましい。この微粒子としては、二酸化ケイ素誘導体を用いることが好ましい。本発明における二酸化ケイ素誘導体とは、二酸化ケイ素や、三次元の網状構造を有するシリコーン樹脂も含まれる。このような二酸化ケイ素誘導体は、その表面がアルキル化処理されたものを用いることが好ましい。アルキル化処理のような疎水化処理が施されている微粒子は、溶剤に対する分散性に優れるため、微粒子同士が凝集することなくドープを調製し、更には、フィルムを製造することができるので、面状欠陥が少なく、透明度の高いフィルムを製造することが可能となる。
上記の様に、表面にアルキル化処理された微粒子としては、例えば、表面にオクチル基が導入された二酸化ケイ素誘導体として市販されているアエロジルR805(日本アエロジル(株)製)等を用いることができる。なお、微粒子を添加させる効果を確保しつつ、透明度の高いフィルムを得るためにも、ドープの固形分に対する微粒子の含有量は0.2%以下となるようにすることが好ましい。更に、微粒子が光の通過を阻害させないように、その平均粒径は1.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.0μmであり、特に好ましくは、0.4〜0.8μmである。
先に説明した通り、本発明では、透明度の高いポリマーフィルムを得るためにもポリマとしてTACを利用してドープを調製することが好ましい。この場合、溶剤や添加剤等を混合した後のドープの全量に対して、TACを含有する割合が5〜40重量%であることが好ましい。より好ましくは、TACを含有する割合が15〜30重量%であり、特に好ましくは17〜25重量%である。また、添加剤(主に可塑剤)を含有させる割合は、ドープ中に含まれるポリマやその他添加剤等を含めた固形分全体に対して、1〜20重量%とすることが好ましい。
なお、溶剤、可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、滑り剤、剥離促進剤、光学異方性コントロール剤、レタデーション制御剤、染料、剥離剤等の各種添加剤及び微粒子については、特開2005−104148号公報の[0196]段落から[0516]段落に詳細に記載されており、これらの記載も本発明に適用することができる。また、TACを利用したドープの製造方法であり、例えば、素材、原料、添加剤の溶解方法及び添加方法、濾過方法、脱泡等についても同様に、特開2005−104148号公報の[0517]段落から[0616]段落に詳細に記載されており、これらの記載も本発明に適用することができる。
図1に示す溶液製膜設備10においてフィルム37を製造した。適量のドープをドープ調製部9からフィードブロック21を介して流延ダイ23に送り、この流延ダイ23から連続回転する流延ドラム22上にドープを流延し、流延膜24を形成した。流延ダイ23の吐出口を、幅が1.8mのスリットとした。流延時のドープの温度を36℃とした。フィードブロック21の内部温度は36℃とした。減圧チャンバ32の圧力を600Paとしてビードの後方を減圧した。
流延ドラム22は、回転数の制御が可能なステンレス製ドラムを用いた。伝熱媒体供給装置から冷媒を流延ドラム22の内部に供給することにより、流延ドラム22の表面温度を−10℃とした。温調装置30を用いて流延室11の内部温度を常時35℃とした。
流延膜24を冷却ゲル化させ、自己支持性を有するようになったときに、剥取ローラ26により流延膜24を湿潤フィルム25として剥ぎ取った。この剥ぎ取った湿潤フィルム25を渡り部12に送り、渡り部12に設けられた複数のローラ35で支持しながら搬送した。この搬送中に、乾燥風ダクト36から40℃に調整した乾燥風を供給してフィルム37を乾燥した。
図2〜図4に示すように、湿潤フィルム25の耳部25aからピン46が離脱する離脱部に、異物除去部70を設け、ブラシローラ72、エアブロー吸引ヘッド73、粘着ローラ対74を用いて、耳部25aの異物を除去した。
図1に示すように、ピンテンタ13を経た湿潤フィルム25をクリップテンタ14に送り、クリップテンタ14において、湿潤フィルム25の耳部25aを把持しながら搬送し、その搬送中に湿潤フィルム25の乾燥を行った。これにより、フィルム37が得られた。第1及び第2の耳切装置15a,15bを用いて、湿潤フィルム25及びフィルム37の耳部を切断した。切断した耳部を、カッターブロア(図示省略)により、クラッシャ60に送り、平均80mm程度のチップに粉砕した。
耳切装置15bと乾燥装置16との間に予備乾燥室(図示省略)を設けて100℃の乾燥風を供給することによりフィルム37を予備加熱した後、乾燥装置16に送った。乾燥装置16では、フィルム37を複数のローラ61に巻き掛けながら搬送し、その搬送中に乾燥を行った。乾燥装置16の内部温度は、フィルム37の膜面温度が140℃となるように調整された。乾燥装置16におけるフィルム37の乾燥時間を10分とした。フィルム37の膜面温度は、フィルム37の搬送路の真上かつ表面近傍に設けた温度計(図示省略)を用いて測定した。乾燥装置16では、活性炭からなる吸着剤と乾燥窒素からなる脱着剤とを有する吸着回収装置69を用いて、フィルム37から揮発した溶剤ガスを回収した後、水分量が0.3重量%以下になるまで溶剤ガスの水分を除去した。
乾燥装置16と冷却装置17との間に調湿室(図示省略)を設けて、フィルム37に対して、温度50℃、露点20℃のエアを供給した後、直接的に90℃、湿度70%のエアを吹き付けて調湿し、フィルム37に発生しているカールを矯正した。次に、フィルム37を冷却装置17に送り、30℃以下になるまでフィルム37を徐々に冷却させた。
フィルム37を巻取装置18に送り、プレスローラ64によりフィルム37に対して50N/mの押し圧を付与しながらφ169mmの巻取軸63で巻き取った。巻取り時には、フィルム37の巻き始めの張力を300N/mとし、巻き終わりの張力を200N/mとした。以上により、ロール状のフィルム37を得た。
完成したフィルム37の幅は1700mmで、膜厚は80μmであった。なお、全製膜工程を通じて、流延膜やフィルムの平均乾燥速度を20重量%/分とした。
本実施例で用いたドープの原料を下記に示す。
セルローストリアセテート 100重量部
ジクロロメタン 320重量部
メタノール 83重量部
1−ブタノール 3重量部
可塑剤A 7.6重量部
可塑剤B 3.8重量部
UV剤a 0.7重量部
UV剤b 0.3重量部
クエン酸エステル混合物 0.006重量部
微粒子 0.05重量部
上記のセルローストリアセテートは、置換度2.84、粘度平均重合度306、含水率0.2重量%、ジクロロメタン溶液中の6重量%の粘度 315mPa・s、平均粒子径1.5mm、標準偏差0.5mmの粉体であり、可塑剤Aは、トリフェニルフォスフェートであり、可塑剤Bは、ジフェニルフォスフェートであり、UV剤aは、2(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールであり、UV剤bは、2(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−アミルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾールであり、クエン酸エステル化合物はクエン酸とモノエチルエステルとジエチルエステルとトリエチルエステルとの混合物であり、微粒子は平均粒径が15nm、モース硬度が約7の二酸化ケイ素である。また、ドープの調製時には、レタデーション制御剤(N−N−ジ−m−トルイル−N−P−メトキシフェニル−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン)をフィルムとしたときの全重量に対して4.0重量%となるように添加した。
上記実施例において、異物除去部70において、湿潤フィルム25の耳部25aから異物を除去することにより、異物除去装置が無い従来設備と比較して異物数が168個から6個に減少し、格段に異物の発生を抑えられることが判った。評価は離脱部後方にA4サイズのゴミとりシートを40分間設置し、付着した異物の数を数えることで行った。
溶液製膜設備を示す概略図である。 本発明のピンテンタを示す概略の側面図である。 離脱部及び異物除去部を示す概略の側面図である。 離脱部及び異物除去部を示す概略の平面図である。
符号の説明
10 溶液製膜設備
13 ピンテンタ
25 湿潤フィルム
37 フィルム
41 無端チェーン
42a〜42e スプロケット
43 ピンプレート
44 レール
71 チャンバ
72 ブラシローラ
73 エアブロー吸引ヘッド
74 粘着ローラ対74
75 エア吹き出しノズル
76 吸引ノズル
80,81 ニップローラ対
82 粘着ローラ対

Claims (5)

  1. ウェブの搬送方向に沿って配置されるレール及びスプロケットからなる移動経路と、前記移動経路上を循環移動するチェーンと、前記チェーンに取り付けられ多数のピンを有するピンプレートとを有し、前記多数のピンにより、前記ウェブの幅方向両側縁部を保持して搬送しながら前記ウェブを乾燥するピンテンタにおいて、
    前記スプロケット上で前記ウェブから前記ピンを離脱させる離脱部及び前記離脱部の下流側の前記ウェブに近接して設けられ、前記ウェブの両側縁部の異物を除去する異物除去部を備えることを特徴とするピンテンタ。
  2. 前記異物除去部は、ブラシローラ、エアブロー吸引ヘッド、粘着ローラの少なくとも一つを備えることを特徴とする請求項1記載のピンテンタ。
  3. 前記異物除去部は、前記ウェブの両側縁部を被うチャンバと、このチャンバ内にウェブ搬送方向で、上流側から順に配置される前記ブラシローラ、前記エアブロー吸引ヘッド、粘着ローラとから構成されていることを特徴とする請求項2記載のピンテンタ。
  4. 前記ブラシローラは、前記離脱部の上方位置に設けられ、前記スプロケット上の前記ピンにより保持されている前記ウェブを上方から押えることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載のピンテンタ。
  5. ポリマ及び溶媒からなるドープを支持体上に流延して流延膜を形成し、前記流延膜が自己支持性を有するものとなった後に、前記流延膜を前記支持体から剥ぎ取ってウェブとし、請求項1から4いずれか1項記載のピンテンタにより前記ウェブの両側縁部を保持した状態で前記ウェブを搬送し乾燥することを特徴とする溶液製膜方法。
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