JP5127654B2 - 溶液製膜方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶ディスプレイ等の光学製品に使用するためのポリマーフィルムを製造する溶液製膜方法に関する。
液晶ディスプレイに対する要求性能は近年ますます高くなっており、液晶ディスプレイを構成する複数のポリマーフィルムに対しても要求性能は高まるばかりである。近年では、液晶ディスプレイの輝度がますます高く、そして画面がますます大きくなっており、これに伴い、位相差フィルム等のポリマーフィルムに対しては、光学特性の均一性について、より厳しい要求が出されるようになってきている。
ポリマーフィルムの光学特性の不均一性、すなわち光学ムラとしては、遅相軸の方向の不均一性(いわゆる軸ズレ)がある。ポリマーフィルムを連続的に、つまり長尺に製造すると、製造過程で力学的な力を受ける結果、遅相軸は、ポリマーフィルムの幅方向の中心に関して対称になってしまう。つまり、遅相軸の方向が、幅方向や長手方向において一定方向にならない。このような軸ズレがあるポリマーフィルムに光を入射させると、所期の偏光が達せられず、透過すべきではない光が透過してしまういわゆる光漏れが生じてしまう。
従来では光学特性の不均一性をなくそうと、光学ムラをなくすために、厚みをより均一に、そして表面を平滑にして、フィルムをより平らにつくる方法が提案されてきた。例えば、特許文献1は、走行する支持体上に形成され始めたときの流延膜上方における第1静圧と、流延膜が形成されてから所定時間経過後に通過する位置の上方における第2静圧との差を所定範囲内にすることにより厚みを均一にし、これにより光学ムラ解消を図る。また、特許文献2は、形成直後の流延膜の露出面をゲル化させて、流延に供されたドープよりも大きな収縮力をもつゲル層を生成させことにより、厚みの均一化を図る。
また、特許文献3は、表面が冷却された支持体の上に、ドープを流延して流延膜とし、溶剤含有率が所定範囲内にあるときの流延膜を、露出面側から、所定温度とされたローラを押し付けることにより、フィルムの生産性向上と厚みムラの解消を図る。特許文献4は、乾燥した後の厚みが20〜60μmのセルロースエステルフィルムの乾燥過程で、搬送路の所定区間における搬送張力を10〜80N/mとし、これにより経時的変形や擦り傷等の抑制と光学的等方性の向上を図る。
ところで、ポリマーフィルムは、液晶ディスプレイの急激な需要の伸びにより、増産傾向にある。しかし、製造設備を増やすには多大なコストと稼働開始までの時間とがかかることから、既存設備を使用しての増産が望まれる。溶液製膜では、流延膜を支持体上で乾燥することにより固化して剥ぎ取るという方法(以下、乾燥流延法と称する)と、流延膜を支持体上で冷却することにより固化して剥ぎ取るという方法(以下、冷却流延法と称する)とがあり、生産効率、すなわち単位時間あたりの生産量を比べると冷却流延法の方が格段に優れる。
特開2007−223307号公報 特開2006−297922号公報 特開2008−012839号公報 特開2002−241511号公報
光学特性の不均一には、上記のように軸ズレと光学ムラとの両方があり、光学ムラを無くすだけでは光学特性は均一にはならない。そして、特許文献1〜3のように厚みムラをなくすことは、レタデーション、特に面内レタデーションReの不均一としての光学ムラには一定の効果は認められるものの、軸ズレの解消には効果はない。また、特許文献4の方法でも軸ズレの解消はできない。なお、Reは下記の式(1)で求められる値である。この式(1)において、Nxは位相差フィルムの面での遅相軸方向であるX軸における屈折率、Nyは進相軸方向であるY軸における屈折率、dはフィルムの厚み(nm)である。
Re=(Nx−Ny)×d・・・(1)
そして、ポリマーフィルムの生産性を重視すると、上記のように乾燥流延法よりも冷却流延法が好ましいといえるが、軸ズレは、冷却流延によると一層顕著に現れるという問題がある。
そこで、本発明では、上記問題に鑑み、軸ズレが無いポリマーフィルムを製造する溶液製膜方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の溶液製膜方法は、ポリマーと溶媒とを含むドープを、支持体上に流延ダイから連続的に流出して流延膜とし、この流延膜を前記支持体から湿潤フィルムとして剥ぎ取る流延工程と、前記湿潤フィルムの側端部を保持手段で保持して幅方向に張力を付与しながら、乾燥手段により前記湿潤フィルムの乾燥をすすめる第1乾燥工程と、前記第1乾燥工程を経た前記湿潤フィルムを、回転する複数のローラで搬送しながら、乾燥させてフィルムとする第2乾燥工程とを有し、前記湿潤フィルムの搬送方向での張力を幅1mあたりF(単位;N)とし、前記湿潤フィルムの厚みをT(単位;μm)とするときに、前記第2乾燥工程では、溶媒含有率が15重量%から3重量%と達するまでの間の前記湿潤フィルムについてF/Tが小さくとも1.05に保持されるように、前記ローラにより前記湿潤フィルムの搬送方向における張力を制御することを特徴として構成されている。
前記ポリマーのガラス転移点をTgとするときに、F/Tが小さくとも1.05にされている間の前記湿潤フィルムの温度を、(Tg−20℃)以上(Tg+15℃)以下の範囲に保持することが好ましい。また、周面の温度を調整可能な前記支持体により、前記流延膜を剥ぎ取り可能な硬さになるまで冷却することが好ましい。
本発明により、軸ズレが無いポリマーフィルムを製造することができる。
以下に、本発明の実施様態について詳細に説明する。ただし、本発明はここに挙げる実施様態に限定されるものではない。
ポリマーとしては、溶液製膜方法によりポリマーフィルムとすることができる公知のポリマーを用いることができる。ポリマーの中でもセルロースアシレートが好ましく、セルロースアシレートの中でも、セルロースの水酸基をカルボン酸でエステル化している割合、つまりアシル基の置換度(以下、アシル基置換度と称する)が下記式(I)〜(III)の全ての条件を満足するものがより好ましい。なお、(I)〜(III)において、A及びBはともにアシル基置換度であり、Aにおけるアシル基はアセチル基であり、Bにおけるアシル基は炭素原子数が3〜22のものである。
2.5≦A+B≦3.0 ・・・(I)
0≦A≦3.0 ・・・(II)
0≦B≦2.9 ・・・(III)
セルロースを構成しβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位、3位および6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部または全部がエステル化されて、水酸基の水素が炭素数2以上のアシル基に置換された重合体(ポリマー)である。なお、グルコース単位中のひとつの水酸基のエステル化が100%されていると置換度は1であるので、セルロースアシレートの場合には、2位、3位および6位の水酸基がそれぞれ100%エステル化されていると置換度は3となる。
ここで、グルコース単位の2位のアシル基置換度をDS2、3位のアシル基置換度をDS3、6位のアシル基置換度をDS6とする。DS2+DS3+DS6で求められる全アシル基置換度は2.00〜3.00であることが好ましく、2.22〜2.90であることがより好ましく、2.40〜2.88であることがさらに好ましい。また、DS6/(DS2+DS3+DS6)は0.32以上であることが好ましく、0.322以上であることがより好ましく、0.324〜0.340であることがさらに好ましい。
アシル基は1種類だけでもよいし、あるいは2種類以上であってもよい。アシル基が2種類以上であるときには、そのひとつがアセチル基であることが好ましい。2位、3位及び6位の水酸基の水素のアセチル基による置換度の総和をDSAとし、2位、3位及び6位におけるアセチル基以外のアシル基による置換度の総和をDSBとすると、DSA+DSBの値は2.2〜2.86であることが好ましく、2.40〜2.80であることが特に好ましい。DSBは1.50以上であることが好ましく、1.7以上であることが特に好ましい。そして、DSBはその28%以上が6位水酸基の置換基であることが好ましいが、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは31%以上、特に好ましくは32%以上が6位水酸基の置換基であることが好ましい。また、セルロースアシレートの6位のDSA+DSBの値が0.75以上であることが好ましく、0.80以上であることがより好ましく、0.85以上であることが特に好ましい。以上のようなセルロースアシレートを用いることにより、溶解性が好ましいドープや、粘度が低く、ろ過性がよいドープを製造することができる。特に非塩素系有機溶媒を用いる場合には、上記のようなセルロースアシレートが好ましい。
炭素数が2以上であるアシル基としては、脂肪族基でもアリール基でもよく、特に限定されない。例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどがあり、これらは、それぞれさらに置換された基を有していてもよい。プロピオニル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、iso−ブタノイル基、t−ブタノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などを挙げることが出来る。これらの中でも、プロピオニル基、ブタノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、t−ブタノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などがより好ましく、プロピオニル基、ブタノイル基が特に好ましい。
本発明は、セルロースアシレートが、木材パルプより得られたセルロースのエステル化による生成物であるときに、特に効果がある。木材パルプから得られたセルロースは、綿花リンタから得られるセルロースよりも入手しやすく、量を確保しやすいという利点がある。しかし、木材パルプからのセルロースをエステル化して得られるセルロースアシレートは、綿花リンタからのセルロースをエステル化して得られるセルロースアシレートよりも一般に引裂き強度が小さく、フィルムの搬送安定性に劣るという問題がある。木材パルプを原料とするこのようなセルロースアシレートから、本発明によりフィルムをつくると、引裂き強度のアップの効果がより顕著となる。
なお、セルロースアシレートの詳細については、特開2005−104148号公報の[0140]段落から[0195]段落に記載されており、これらの記載は本発明にも適用することができる。
ドープには、レタデーション上昇剤を含ませることができる。レタデーション上昇剤は、特に限定されず、例えば、特開2006−235483号公報の段落[0030]〜[0142]に記載されるものを用いることができる。また、溶媒及び可塑剤,劣化防止剤,紫外線吸収剤,光学異方性コントロール剤,染料,マット剤,剥離剤等の添加剤についても、同じく同じく特開2005−104148号公報の[0196]段落から[0516]段落に詳細に記載されており、これらの記載も本発明に適用することができる。
ドープを製造するための溶媒としては、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン,トルエンなど)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン,クロロベンゼンなど)、アルコール(例えば、メタノール,エタノール,n−プロパノール,n−ブタノール,ジエチレングリコールなど)、ケトン(例えば、アセトン,メチルエチルケトンなど)、エステル(例えば、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸プロピルなど)及びエーテル(例えば、テトラヒドロフラン,メチルセロソルブなど)などが例示される。なお、ここで、ドープとはポリマーを溶媒に溶解または分散媒に分散して得られるポリマー溶液または分散液である。
セルロースアシレートの溶媒としては、これらの溶媒の中でも炭素原子数1〜7のハロゲン化炭化水素が好ましく、ジクロロメタンが最も好ましい。そして、TACの溶解性、流延膜の支持体からの剥ぎ取り性、フィルムの機械的強度、フィルムの光学特性等の特性の観点から、炭素原子数1〜5のアルコールを一種ないし数種類を、ジクロロメタンに混合して用いることが好ましい。このとき、アルコールの含有量は、溶媒全体に対し2重量%〜25重量%であることが好ましく、5重量%〜20重量%であることがより好ましい。アルコールの好ましい具体例としては、メタノール,エタノール,n−プロパノール,イソプロパノール,n−ブタノール等が挙げられるが、中でも、メタノール,エタノール,n−ブタノール、あるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
環境に対する影響を最小限に抑えることを目的にした場合には、ジクロロメタンを用いずにドープを製造してもよい。この場合の溶媒としては、炭素原子数が4〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステルが好ましく、これらを適宜混合して用いることがある。これらのエーテル、ケトン及びエステルは、環状構造を有するものであってもよい。また、エーテル、ケトン及びエステルの官能基(すなわち、−O−,−CO−及び−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、溶媒として用いることができる。また、溶媒は、例えばアルコール性水酸基のような他の官能基を化学構造中に有するものであってもよい。
流延すべきドープの製造方法は特に限定されない。しかし、本発明は、流延されたドープからなる流延膜を冷却により固化させて剥ぎ取る場合、すなわち冷却流延法を実施する場合に特に効果が大きいので、冷却流延法を実施する場合には、流延膜を乾燥して剥ぎ取る場合(乾燥流延法の場合)のドープよりも、セルロースアシレート等の固形分の濃度が高くなるように、ドープを製造することが好ましい。この方法としては、いわゆるフラッシュ濃縮法を用いることが好ましい。フラッシュ濃縮法とは、目的とする濃度よりも低い濃度のドープを一旦つくり、このドープ11を公知のフラッシュ装置で吹き出させることにより溶媒の一部を蒸発させる方法である。
流延すべきドープは、セルロースアシレートの濃度が5重量%〜40重量%であることが好ましく、15重量%以上30重量%以下の範囲とすることがより好ましく、17重量%以上25重量%以下の範囲とすることがさらに好ましい。
なお、TACフィルムを得る溶液製膜法における素材、原料、添加剤の溶解方法、ろ過方法、脱泡、添加方法については、特開2005−104148号公報の[0517]段落から[0616]段落が詳しく、これらの記載も本発明に適用することができる。
[フィルム製造設備及び方法]
図1はポリマーフィルムを製造するための溶液製膜設備10を示す概略図である。ただし、本発明は、この溶液製膜設備10に限定されるものではない。以下の説明では、ドープのポリマー成分としてセルロースアシレートを用い、製造すべきポリマーフィルムを、液晶ディスプレイに用いる位相差フィルムとする場合を例として記載するが、他のポリマーを用いて他の用途のポリマーフィルムを製造する場合でもよい。
溶液製膜設備10には、TACが溶媒に溶けているドープ11を流延して溶媒が含まれる湿潤フィルム12とするための流延室13と、湿潤フィルム12の両側端部を保持して湿潤フィルム12を拡幅するテンタ18と、湿潤フィルム12の両側端部を切り離す耳切装置21と、湿潤フィルム12を複数のローラ22に掛け渡して搬送しながら乾燥して位相差フィルム17とする乾燥室23と、側端部にエンボス加工を施すナーリング付与ローラ対27と、位相差フィルム17を巻き取る巻取室28とが上流側から順に備えられる。
流延室13には、案内されてきたドープ11を連続的に流出する流延ダイ31と、周面にドープ11が流延されるように流延ダイ31のドープ流出口に対向して備えられ、周方向に回転する支持体としての流延ドラム32とを備える。
流延ダイ31には、流延ドラム32に向けて流出するドープ11の温度が所定温度に保持されるように、流延ダイ31の温度を制御する温度コントローラ(図示なし)が取り付けられる。流延ドラム32は、駆動手段(図示せず)により回転する。周方向に回転する流延ドラム32の上に流延ダイ31から連続的にドープ11を流出することにより、流延ドラム32の周面でドープ11が流延されて流延膜33が形成される。
流延ドラム32には、流延ドラム32に所定の温度の伝熱媒体を供給して、流延ドラム32の周面温度を制御する伝熱媒体循環装置36が備えられる。流延ドラム32の内部には、伝熱媒体の流路(図示せず)が形成されており、その流路中を、伝熱媒体が通過することにより、流延ドラム32の周面の温度が所定の値に保持されるものとなっている。流延ドラム32の表面温度は、溶媒の種類、固形成分の種類、ドープ11の濃度等に応じて適宜設定する。
流延ドラム32の回転方向における流延ダイ31の上流側には、空気を吸引する減圧チャンバ37が備えられる。減圧チャンバ37による空気の吸引により、ビードとして流出されたドープ11の上流側のエリアを減圧して下流側のエリアよりも低い圧力にする。
流延室13には、その内部温度を所定の値に保つための温調装置38と、ドープ11及び流延膜33から蒸発した溶媒を凝縮回収するための凝縮器(コンデンサ)41とが設けられる。そして、凝縮液化した溶媒を回収するための回収装置42が流延室13の外部には設けられてある。
流延室の下流に設けられるテンタ18には、湿潤フィルム12の搬送方向に延び、温度調整された空気を湿潤フィルム12に対して上方から吹き付けるように送り出す送風ダクト51が備えられる。この送風ダクト51は、内部が湿潤フィルム12の搬送方向で複数に区画されており、各区画には湿潤フィルム12の幅方向に延びるスリット(図示せず)が搬送路に対向するように形成されている。そして、これらの各スリットから空気が流出する。この空気は、送風ダクト51に接続された送風機47により送風ダクト51に送られる。送風機47には、送風ダクト51の各区画のスリットからの空気の送り出しのオン・オフ、風量、風速、空気の温度及び湿度を制御するコントローラ(図示無し)が備えられ、このコントローラが、区画毎に、送り出す空気の温湿度と空気の流出条件とを独立して制御する。
耳切装置21には、切り取られた湿潤フィルム12の側端部屑を細かく切断処理するためのクラッシャ52が備えられる。
乾燥室23には、湿潤フィルム12から蒸発した溶媒、すなわち溶媒ガスを吸着して回収する吸着回収装置53が接続する。乾燥室23の下流には冷却室(図示せず)が設けられている。ナーリング付与ローラ対27は、位相差フィルム17の両側端部にエンボス加工でナーリングを付与する。巻取室28の内部には、位相差フィルム17を巻き取るための巻取ロール56と、その巻き取り時のテンションを制御するためのプレスローラ57とが備えられている。
次に、溶液製膜設備10により位相差フィルム17を製造する方法の一例を説明する。ドープ11は、伝熱媒体により冷却された走行する流延ドラム32に流延ダイ31から連続的に流出されることにより流延される。流延時におけるドープ11の温度は30〜35℃の範囲で一定、流延ドラム32の表面温度は−10〜10℃の範囲で一定とされることが好ましい。流延室13の温度は、温調装置38により10℃〜30℃とされることが好ましい。なお、流延室13の内部で蒸発した溶媒は回収装置42により回収された後、再生させてドープ製造用の溶媒として再利用される。
流延ダイ31から流延ドラム32にかけては流延ビードが形成され、流延ドラム32の上には流延膜33が形成される。流延ビードの様態を安定させるために、このビードに関し上流側のエリアは、所定の圧力値となるように減圧チャンバ37で制御される。ビードに関して上流側のエリアの圧力は、下流側のエリアよりも2000Pa〜10Pa低くすることが好ましい。
流延膜33を流延ドラム32で冷却することによりゲル状にし、硬くする。そして、流延膜33が自己支持性をもつように固まったら、ドラム32から剥ぎ取る。つまり、流延膜33は剥ぎ取り可能な硬さになるまで流延ドラム32により冷却され、その硬さになると剥ぎ取られる。剥ぎ取りは、流延ドラム32の下流側からフィルム12を引っ張り、このフィルム12が搬送路に備えられたローラ43に支持されることにより、なされる。剥ぎ取りは、流延膜33の溶媒残留率の高低に関わらず、流延膜33が搬送に十分な硬さとなっていれば行うことができる。このように、主に乾燥によるのではなく冷却により固化することにより、流延膜33の剥ぎ取りのタイミングを早めることができるようになり、位相差フィルム17の製造速度を35m/分以上、さらには、45m/分以上120m/分以下の範囲にまでアップさせることができる。
生産速度をアップさせるほど、剥ぎ取り時の溶媒残留率が高くなるので、冷却速度、すなわち単位時間あたりに下降する温度の変化量が大きくなるように、冷却することが好ましい。溶媒残留率が320%よりも高い場合には、流延膜33を冷却しても搬送するに十分な硬さとはいえなかったり、テンタ18での拡幅開始までに十分な硬さとはならずに拡幅時に裂けてしまうことがある。また、剥ぎ取り時の溶媒残留率が小さいということは、流延ドラム32の上でより乾燥させることを意味するので、冷却流延とする意義が薄い。そこで、剥ぎ取り時における流延膜33の溶媒の重量は、固形分の重量を100%としたときに180%以上320%以下であることが好ましい。このように、本発明において溶媒残留率(単位;%)は乾量基準の値であり、具体的には、溶媒の重量をx、流延膜33または湿潤フィルム12の重量をyとするときに、{x/(y−x)}×100で求める値である。
溶媒を含んだ状態で流延ドラム32から剥ぎ取られた湿潤フィルム12は、テンタ18に案内されると、その両側端部が保持手段としてのピンに保持されて下流側へ搬送される。この搬送の間に、湿潤フィルム12は送風ダクト51から送り出される空気により乾燥をすすめられる。
なお、湿潤フィルム12の温度は、送風ダクト51から流出される空気により制御される。送風ダクト51のスリットは、湿潤フィルム12の搬送路近傍に設けられており、流出される空気の温度と湿潤フィルム12の温度とは同じ温度とみなしてよい。なお、テンタ18における温度条件と幅の制御とについては、別の図面を用いて後述する。
テンタ18では、湿潤フィルム12を、幅方向に張力を付与する。このときに拡幅すると、湿潤フィルム12が高いReを発現し、さらに乾燥がすすむと位相差フィルム17になる。
テンタ18からの湿潤フィルム12は、ピンで保持されていた両側端部を耳切装置21により切断除去される。切り離された両側端部はカッターブロワ(図示なし)によりクラッシャ52に送られる。クラッシャ52により、側端部は粉砕されてチップとなる。このチップはドープ製造用に再利用されるので、原料の有効利用を図ることができる。
一方、両側端部を切断除去された湿潤フィルム12は、乾燥室23に送られて、さらに乾燥される。乾燥室23では、湿潤フィルム12はローラ22に巻き掛けられながら搬送される。乾燥室23の内部温度は、特に限定されるものではないが、Tg−20℃以上Tg+15℃の範囲とすることが好ましい。特に、後述するように、搬送方向における張力(以下、搬送張力と称する)が制御されて、搬送張力と湿潤フィルム12の厚みとの比が所定範囲にされている間の湿潤フィルム12に関しては、Tg−20℃以上Tg+15℃の範囲に温度を保持することが好ましい。なお、Tgは、ポリマー成分、すなわち本実施形態ではTACの、乾燥時におけるガラス転移点(単位;℃)である。
なお、乾燥室23は、送風温度を変えるために、湿潤フィルム12の搬送方向で複数の区画に分割されていることがより好ましい。また、耳切装置21と乾燥室23との間に予備乾燥室(図示せず)を設けて湿潤フィルム12を予備乾燥すると、乾燥室23で湿潤フィルム12の温度が急激に上昇することが防止されるので、乾燥室23での湿潤フィルム12の形状変化を抑制することができる。
この乾燥室23の上流には、乾燥室23に湿潤フィルム12を搬送する第1ローラ61が備えられ、乾燥室23の下流には、乾燥室23から巻取室28に位相差フィルム17を搬送する第2ローラ62が備えられる。第1ローラ61,第2ローラ62には、周方向における回転速度を独立して制御するコントローラ(図示せず)を備え、このコントローラにより所定の回転速度で回転して、周面に接触した湿潤フィルム12または位相差フィルム17を搬送する。そして、コントローラは第1ローラ61の回転速度と第2ローラ62の回転速度とを独立して制御することにより、乾燥室23における湿潤フィルム12の搬送方向における張力を制御する。
本実施例においては、溶媒残留率が15%に達した位置(以下、15%位置」と称する)は、乾燥室23の内部の搬送路に備えられた複数のローラ22のうち最も上流側のローラと接触し始めた位置とされているが、これに限定されず、第1ローラ61と第2ローラ62とにより張力制御可能な範囲であればよい。
溶媒残留率が3%に達した位置(以下、3%位置と称する)は、第2ローラ61よりも上流であって、第1ローラ61と第2ローラ62との間で両ローラ61,62により張力制御可能な乾燥室23の内部であればよい。
このように、15%位置が第1ローラ61よりも下流となるように、乾燥室23に至るまでに乾燥をすすめる。また、3%位置が第2ローラよりも上流となるように、乾燥室23では乾燥をすすめる。
ここで、湿潤フィルム12の搬送方向での張力であって、幅1mあたりの値をF(単位;N)とする。また、3%位置PDにおける湿潤フィルム12の厚みをT(単位;μm)とする。そして、本発明では、15%位置PUと3%位置PDとの間における湿潤フィルム12について、F/Tの値が少なくとも1.05となるように、すなわち1.05以上となるように、第1ローラ61と第2ローラ62とのいずれか一方の回転速度の調整により搬送張力を制御する。これにより、得られる位相差フィルム17は軸ズレのないものとなる。なお、F/Tの値は、1.05以上7.5以下の範囲とすることがより好ましい。
上記Tの値は、本実施形態では3%位置PDにおける値としているが、求めることができない場合には、その下流での値をTとみなしてよい。また、ドープ11の流延量及び湿潤フィルム12の幅と、溶媒含有率とから、求めてもよい。
F/Tの値が上記の所定範囲とされている湿潤フィルム12の温度は、Tg−20℃以上Tg+15℃の範囲に保持することが好ましい。この温度制御は、乾燥室23に送り込む乾燥空気の温度調整により実施するとよい。
乾燥室23で蒸発して発生した溶媒ガスは、吸着回収装置53により吸着回収される。溶媒成分が除去された空気は、乾燥室23の内部に乾燥風として再度送られる。
位相差フィルム17は、ナーリング付与ローラ対27によりナーリングが両側端部に付与される。なお、ナーリングされた箇所の凹凸の高さは1μm〜200μmであることが好ましい。
位相差フィルム17は、巻取室28の巻取ロール56で巻き取られる。プレスローラ57で所望のテンションをフィルム62に付与しつつ巻き取ることが好ましい。なお、テンションは巻取開始時から終了時まで徐々に変化させることがより好ましく、これによりフィルムロールにおける過度な巻き締めを防止することができる。巻き取られる位相差フィルム17の長さは100m以上とすることが好ましい。巻き取られる位相差フィルム17の幅は600mm以上であることが好ましく、1400mm以上2500mm以下であることが好ましい。しかし、2500mmよりも幅が大きい場合でも本発明は適用される。また、本発明は、厚みが15μm以上100μm以下の薄いフィルムを製造する際にも本発明は適用される。
流延ダイ、減圧チャンバ、支持体などの構造、剥離法、延伸、各工程の乾燥条件、ハンドリング方法、カール、平面性矯正後の巻取り方法から、溶媒回収方法、フィルム回収方法まで、特開2005−104148号公報の[0617]段落から[0889]段落に詳しく記述されている。これらの記載は本発明に適用することができる。
図2は、テンタ18の内部の概略図である。テンタ18の内部には、湿潤フィルム12の搬送路に沿って、湿潤フィルム12の両側端部の位置に、湿潤フィルム12の保持手段としての多数のピン71を有するピンプレート72と、この多数のピンプレート72が取り付けられた無端で走行するチェーン73とチェーンの軌道を決定するレール76と、乾燥装置51(図1参照)とが備えられる。そして、レール76にはシフト機構77が備えられる。テンタ18に送り込まれた湿潤フィルム12は、所定の位置に達すると、両側端部にピン71が差し込まれて保持される。シフト機構77は、レール76を湿潤フィルム12の幅方向に移動させ、これによりチェーン73は変位する。チェーン73上のピンプレート72は、湿潤フィルム12を保持した状態でフィルム12の幅方向に移動し、湿潤フィルム12は幅方向に張力が付与される。
流延ドラム32から剥ぎ取った直後の湿潤フィルム12は、多量の溶媒を含んでおり非常に不安定であるために、ローラで搬送するのが困難である他、クリップによる把持にも耐えることができない。そこで、本実施形態のように、ピン71で湿潤フィルム12の両側端部を突き刺すと、湿潤フィルム12を安定的に保持して搬送することができる。
図3は、流延ドラム32からの剥ぎ取りからテンタ18のピンでの保持を解除するまでの湿潤フィルム12の説明図である。矢線Yは、湿潤フィルム12の搬送方向である。テンタ18では、湿潤フィルム12を矢線X1,X2で示す幅方向に張力を加える。テンタ18において、ピン71(図2参照)による湿潤フィルム12の保持を開始する位置を保持開始位置PS、保持を解除する位置を保持解除位置PE、流延ドラム32からの剥ぎ取り位置を第1位置P1とする。なお、テンタ18の入口は保持開始位置PSよりも上流側、出口は第2位置よりも下流側にあるが、図3においては図示を略す。
第1位置P1で流延ドラム32から剥がされてから保持開始位置に至るまでも湿潤フィルム12からは徐々に溶媒が蒸発し、また、テンタ18では送風ダクト51からの乾燥風の流出によりさらに蒸発が進められて湿潤フィルム12の溶媒残留率はさらに低くされる。溶媒残留率が40重量%となる位置を第2位置P2、10重量%となる位置を第3位置P3とする。
テンタ18では、第2位置P2から第3位置P3までの間でフィルム12の温度が80℃以上(Tg+50)℃以下の範囲になるように、送風ダクト51から吹き出す空気の温度を調整する。すなわち、フィルム12の温度は、溶媒残留率が40重量%から10重量%となる間に一度は、80℃以上(Tg+50)℃以下の範囲となるようにし、この温度範囲にするのは溶媒残留率が40重量%から10重量%になる間継続的であってもよいし、断続的であってもよい。
そして、テンタ18で、上記の温度範囲に湿潤フィルム12の温度を保持している間は、フィルム12を拡幅しないことが好ましく、これは、幅を一定に保持することと縮幅することととのいずれでもよい。縮幅とは、湿潤フィルム12の収縮力よりも小さな張力で湿潤フィルム12を保持することにより、実施することができる。以上のように、温度が所定範囲となるように湿潤フィルム12を加熱することと、拡幅を実施しないこととにより、引裂き強度の向上につきより大きな効果が得られる。
上記の温度保持の工程を経た湿潤フィルム12をピンで幅方向に拡げる。湿潤フィルム12は、テンタ18において、矢線X1,X2で示す幅方向に張力を加えずにいると、自重で弛んだり、溶媒の蒸発に伴い幅方向X1,X2に収縮したりする。そこで、弛みを防ぐ目的の他、本発明ではReをより高く発現させるために、湿潤フィルム12を幅方向X1,X2に張力を加えて拡幅する。張力は、湿潤フィルム12の幅方向における中心に関して対称に、湿潤フィルム12に付与されることが好ましい。分子配向の制御を、湿潤フィルム12の幅方向で均等に行うためである。
張力を加えることにより、テンタ18に入った時に幅L1(以後、第1幅と称する)であった湿潤フィルム12の幅をL2(以後、第2幅と称する)に大きくする。この幅L2は、図3に示すようにこの後変わらないように保持されてもよいし、さらに保持の後に小さくしてもよい。第2幅L2を保持する場合も、第2幅L2から幅を小さくする場合も湿潤フィルム12には幅方向X1,X2に張力が付与される。小さくする場合には、ピンで保持しない場合に自然に収縮するという湿潤フィルム12の収縮力を利用して、この収縮力とピンによる張力とのバランスを調整することにより幅を制御する。なお、図3において符号KLは、ピンで保持される湿潤フィルム12の保持対象部のうち、湿潤フィルム12の幅方向における最も中央部側の位置を表し、第1幅L1、第2幅L2はいずれも両側の保持対象ラインKL間の距離である。
第1幅L1を第2幅L2に拡幅し始める位置を第4位置P4、拡幅を終える位置を第5位置P5とする。拡幅は結晶化工程の後に実施する。よって、結晶化工程を、例えば、溶媒残留率が20重量%のときに終えたときには、拡幅の開始のタイミングは、溶媒残留率が10重量%に達する前であってもよく、この場合には、第4位置P4は第3位置P3よりも上流になる。なお、拡幅の終了のタイミングは特に限定されない。
第4位置P4から第5位置P5までの拡幅時における湿潤フィルム12の温度は、溶媒成分としてジクロロメタンを用いている場合には120℃以上190℃以下の範囲とすることが好ましい。
さらに、第4位置P4から第5位置P5までの拡幅率は、10%以上60%以下とすることが好ましい。ここで、拡幅率(単位;%)は、100×(L2−L1)/L1で求める値である。結晶化工程後に上記拡幅率の拡幅を行うことにより、Reが50nm以上と高い位相差フィルム12を冷却流延でつくる場合であっても、引裂き強度が大きいので安定して搬送することができる。
また、本実施形態は、流延支持体として流延ドラム32を用い、冷却流延を実施する場合を示すものであるが、この態様に代えて、流延支持体を連続走行するバンドとし、乾燥流延する態様としても同様の効果がある。ただし、本発明は冷却流延の場合に特に顕著な上記効果がある。
下記の処方のドープ11をドープ製造設備10によりつくった。
セルロースアシレート 100重量部
(置換度2.94のセルローストリアセテート、粘度平均重合度305.6%、ジクロロメタン溶液6質量%の粘度 350mPa・s)
ジクロロメタン(溶媒の第1成分) 390重量部
メタノール(溶媒の第2成分) 60重量部
レタデーション上昇剤 7重量部
クエン酸エステル混合物(クエン酸、モノエチルエステル、ジエチルエステル、トリエチルエステル混合物) 0.006重量部
微粒子(二酸化ケイ素(平均粒径15nm)、モース硬度 約7) 0.05重量部
なお、レタデーション上昇剤としては、N−N’−ジ−m−トルイル−N”−p−メトキシフェニル−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミンを用いた。
上記ドープを用いて、溶液製膜設備10により厚みが105μmの複数の位相差フィルム17を45m/分の生産速度で製造した。15%位置と、溶媒残留率が10%である位置(以下、10%位置と称する)と、3%位置とにおけるF/Tの値とを変えて、本願発明としての実験1,実験2と本願発明との比較としての比較実験1〜3とを実施した。各実験及び比較実験のF/T値は、表1に示す。
実験1,実験2,比較実験1〜比較実験3で得られた各位相差フィルムにつき、軸ズレの程度を評価した。軸ズレは、クロスニコル法により評価した。クロスニコル法では、クロスニコルにした偏光顕微鏡で位相差フィルムを観察すると、配向ベクトルの方向が偏光子と垂直/平行な領域では入射直線偏光は透過後も偏光状態に変化がなく、光は検光子で吸収されてしまい暗視野となる。それに対して垂直/平行からずれている領域、すなわち軸ずれのある領域では入射直線偏光の偏光状態が変わるために透過成分が出現して明るく見えるようになる。
軸ズレの程度の評価は、以下の基準による。各結果については表1に示す。
「○」 ;クロスニコル法による透過成分が確認できないレベルであり、良好
「×」 ;クロスニコル法による透過成分が確認できるレベルであり、良好とはいえない。
Figure 0005127654
本発明を実施した溶液製膜設備の概略図である。 テンタにおけるフィルムの保持状態を示す概略図である。 テンタにおけるフィルムの拡幅及び縮幅を示す概略図である。
符号の説明
10 溶液製膜設備
11 ドープ
12 湿潤フィルム
17 位相差フィルム
18 テンタ
23 乾燥室
31 流延ダイ
32 流延ドラム
61,62 第1,第2ローラ

Claims (3)

  1. ポリマーと溶媒とを含むドープを、支持体上に流延ダイから連続的に流出して流延膜とし、この流延膜を前記支持体から湿潤フィルムとして剥ぎ取る流延工程と、
    前記湿潤フィルムの側端部を保持手段で保持して幅方向に張力を付与しながら、乾燥手段により前記湿潤フィルムの乾燥をすすめる第1乾燥工程と、
    前記第1乾燥工程を経た前記湿潤フィルムを、回転する複数のローラで搬送しながら、乾燥させてフィルムとする第2乾燥工程とを有し、
    前記湿潤フィルムの搬送方向での張力を幅1mあたりF(単位;N)とし、前記湿潤フィルムの厚みをT(単位;μm)とするときに、
    前記第2乾燥工程では、溶媒含有率が15重量%から3重量%と達するまでの間の前記湿潤フィルムについてF/Tが小さくとも1.05に保持されるように、前記ローラにより前記湿潤フィルムの搬送方向における張力を制御することを特徴とする溶液製膜方法。
  2. 前記ポリマーのガラス転移点をTgとするときに、
    F/Tが小さくとも1.05にされている間の前記湿潤フィルムの温度を、(Tg−20℃)以上(Tg+15℃)以下の範囲に保持することを特徴とする請求項1記載の溶液製膜方法。
  3. 周面の温度を調整可能な前記支持体により、前記流延膜を剥ぎ取り可能な硬さになるまで冷却することを特徴とする請求項1または2記載の溶液製膜方法。
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