JP2009076410A - 多層多孔質膜の製造方法、電気化学素子用セパレータおよび電気化学素子 - Google Patents

多層多孔質膜の製造方法、電気化学素子用セパレータおよび電気化学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】 均一性の高い多層多孔質膜を生産性よく製造できる製造方法、前記多層多孔質膜からなる電気化学素子用セパレータ、および前記多層多孔質膜をセパレータとして有する電気化学素子を提供する。
【解決手段】 熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂多孔質膜と、耐熱性微粒子を主成分として含む耐熱多孔質層とを有する多層多孔質膜を製造する方法であって、樹脂多孔質膜を表面処理する工程と、表面処理後の樹脂多孔質膜の表面に、耐熱多孔質層形成用組成物を塗布して耐熱多孔質層を形成する工程とを有し、耐熱多孔質層形成用組成物の表面張力(A)と表面処理前の樹脂多孔質膜の室温における臨界表面張力(B)との関係を(A)−(B)≧10mN/mとし、かつ表面張力(A)と表面処理後の樹脂多孔質膜の室温における臨界表面張力(B’)との関係を(A)−(B’)≦0mN/mとする製造方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気化学素子用セパレータに好適な多層多孔質膜の製造方法、該多層多孔質膜からなる電気化学素子用セパレータ、および前記多層多孔質膜をセパレータとして有する電気化学素子に関するものである。
熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂多孔質膜は、リチウムイオン電池やポリマーリチウム電池、電気二重層キャパシタなどの電気化学素子において、正極と負極とを隔離するためのセパレータとして一般的に用いられている。特にポリオレフィンを主成分とするセパレータは、リチウム電池などの過酷な酸化還元雰囲気に対しても安定であり、かつ樹脂の融点付近で多孔質膜の孔が閉塞する所謂シャットダウン特性を付与することが可能であるため、広く用いられている。
しかしながら、その一方で、樹脂多孔質膜は、樹脂の融点以上の温度では膜を維持する能力が不足して所謂破膜が起こりやすく、そのような状況下では正極と負極が直接接触する短絡現象が生じる危険性がある。
前記のような樹脂多孔質膜の耐熱安定性を向上させるために、無機酸化物などの耐熱性の高い材料によって樹脂製多孔質膜の表面に層を形成させるなどする試みがなされている。
例えば、特許文献1には、樹脂多孔質膜の表面にゾルゲル法により無機薄膜を形成する方法が提示されている。また、特許文献2には、無機微粒子を分散させた溶媒を樹脂多孔質膜に塗布して、無機微粒子を有する表面保護層を形成する方法が示されている。更に、特許文献3には、多孔質フィルムに耐熱樹脂溶液を塗布して耐熱樹脂層と多孔質フィルムとからなるセパレータを製造するに当たり、耐熱樹脂溶液の塗布前または塗布後に多孔質フィルムに有機溶媒を含浸させる方法が示されている。また、特許文献4には、微粒子と溶剤バインダとを混合しスラリーとする工程と、熱可塑性樹脂を主成分とする第1の多孔層に、前記スラリーを塗布して前記第1の多孔層より高い耐熱性を有する第2の多孔層を形成することによりセパレータを製造する方法が示されている。この他、特許文献5には、熱溶融性ポリオレフィンからなる多孔質膜の少なくとも片面上に、真空製膜法を用いて無機薄膜を形成する方法が示されている。
特開平10−172531号公報 特開平11−80395号公報 特開2001−23602号公報 特開2006−32359号公報 特開2001−35468号公報
特許文献2〜4のように、樹脂多孔質膜の表面に、スラリーなどの塗料を塗布することにより耐熱性の多孔質層を形成する場合、グラビアコーター、ナイフコーター、リバースロールコーター、ダイコーターなどの塗工装置を用いて塗料を均一に塗布するには、塗料と基材である樹脂多孔質膜との濡れ性が重要であり、かかる濡れ性が悪い場合には塗料を均一に塗布することが困難となる。
そこで、樹脂多孔質膜と耐熱性の多孔質層を形成するための塗料との濡れ性を高めるべく、例えば、ケトン類(メチルエチルケトンなど)、フラン類(テトラヒドロフランなど)、アルコール類などの有機溶剤を含有する塗料を用いることが考えられるが、その場合、確かに濡れ性は向上するが、基材(樹脂多孔質膜)が多孔質であるために、塗料や塗料中の溶剤が塗布面とは反対側の面にまで透過する所謂裏抜けの現象が発生し、コーターのガイドなどに用いられているローラーに溶剤や塗料が付着してしまい、塗料を良好に塗布できなくなる。そのため、樹脂多孔質膜の表面に良好な性状の耐熱性多孔質層を有する均一性の高い多層多孔質膜を、生産性よく製造することが困難である。
また、ゾルゲル法を用いて樹脂多孔質膜表面に無機膜を形成する場合には加熱をする必要があるが、基材となる樹脂多孔質膜は熱可塑性樹脂で構成されているため、前記の加熱によって樹脂多孔質膜がダメージを受ける可能性がある。
更に、真空蒸着法を用いて樹脂多孔質膜表面に無機膜を形成する場合には、無機膜の生成速度が遅く、大量生産が困難であるという問題があり、また、蒸着の際に基材である樹脂多孔質膜の表面温度が上がりやすいために、樹脂多孔質膜のダメージを抑えつつ無機膜の厚みを厚くすることが困難である。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、均一性の高い多層多孔質膜を生産性よく製造できる製造方法、前記多層多孔質膜からなる電気化学素子用セパレータ、および前記多層多孔質膜をセパレータとして有する電気化学素子を提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明の多層多孔質膜の製造方法は、熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂多孔質膜と、耐熱性微粒子を主成分として含む耐熱多孔質層とを有する多層多孔質膜を製造する方法であって、前記樹脂多孔質膜を表面処理する工程と、表面処理後の前記樹脂多孔質膜の表面に、耐熱多孔質層形成用組成物を塗布して前記耐熱多孔質層を形成する工程とを有しており、前記耐熱多孔質層形成用組成物の表面張力(A)と表面処理前の前記樹脂多孔質膜の室温における臨界表面張力(B)との関係を(A)−(B)≧10mN/mとし、かつ前記表面張力(A)と、表面処理後の前記樹脂多孔質膜の室温における臨界表面張力(B’)との関係を(A)−(B’)≦0mN/mとすることを特徴とする。
また、本発明の電気化学素子用セパレータは、本発明の製造方法により製造された多層多孔質膜からなるものである。
更に、本発明の電気化学素子は、本発明の製造方法により製造された多層多孔質膜をセパレータとして有することを特徴とするものである。
本発明によれば、均一性の高い多層多孔質膜を生産性よく製造できる。また、本発明の電気化学素子用セパレータは、異常発熱時の安全性に優れた電気化学素子を構成できる。更に、本発明の電気化学素子は、異常発熱時の安全性に優れたものである。
本発明に係る多層多孔質膜は、熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂多孔質膜と、耐熱性微粒子を主成分として含む耐熱多孔質層とを有するものであり、電気化学素子のセパレータとして好適である。
本発明に係る多層多孔質膜が電気化学素子のセパレータとして使用される場合、樹脂多孔質膜は、セパレータ本来の機能、すなわち、主に正極と負極との直接の接触による短絡を防止する機能を有するものである。また、樹脂多孔質膜を構成する熱可塑性樹脂によって、電池などの電気化学素子が高温に曝された場合に、前記熱可塑性樹脂が軟化して多孔質膜の孔が閉塞する所謂シャットダウン特性を付与することもできる。
しかしながら、樹脂多孔質膜は、熱可塑性樹脂を主成分としていることから、従来公知のポリオレフィン製多孔質フィルムセパレータと同様に、高温下では熱収縮し得る。
そこで、本発明に係る多層多孔質膜は、耐熱性微粒子を主成分とする耐熱多孔質層を樹脂多孔質膜の表面に形成して、多層多孔質膜全体の熱収縮を抑制できるようにしている。耐熱多孔質層では、耐熱性微粒子の量が多くこれらが密に存在しているため、喩え高温下において樹脂多孔質膜が収縮しようとしても、耐熱多孔質層中の耐熱性微粒子同士が衝突することで多層多孔質膜全体の収縮を抑制すると考えられる。
このように、本発明に係る多層多孔質膜では、耐熱多孔質層を、多層多孔質膜の形状を保持する骨格として機能させ、これにより多層多孔質膜の熱収縮を抑制している。そのため、本発明に係る多層多孔質膜をセパレータとして使用した電気化学素子では、内部で異常発熱が生じた場合の安全性を確保できる。
また、樹脂多孔質膜を構成する熱可塑性樹脂によって多層多孔質膜にシャットダウン特性を付与した場合には、かかる多層多孔質膜をセパレータとして使用した電気化学素子の異常発熱時の安全性を更に高めることができる。
多層多孔質膜を電気化学素子用セパレータとして使用する場合を考慮すると、多層多孔質膜に係る樹脂多孔質膜としては、適用する電気化学素子に通常用いられている素材により構成されたものであれば特に制限はないが、例えば、リチウムイオン電池やリチウムポリマー電池のように、電位が高く、かつ有機電解液を用いる電気化学素子に適用する場合には、素子内での安定性の面から、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体など)を主成分とする多孔質膜を用いることが好ましい。
また、多層多孔質膜にシャットダウン特性を付与する場合、樹脂多孔質膜を構成する熱可塑性樹脂の軟化によってシャットダウンの生じる温度が、通常想定される電気化学素子の使用温度範囲よりも高く、電気化学素子の発火などの危険性が予測される下限温度、例えば、リチウムイオン電池における熱暴走温度よりも低いことが求められる。具体的には、リチウムイオン電池用のセパレータとして多層多孔質膜を使用する場合、多層多孔質膜のシャットダウン温度(シャットダウンが生じる温度)は、100〜140℃であることが好ましい。
そのため、樹脂多孔質膜は、融点、すなわち、JIS K 7121の規定に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融解温度が、100〜140℃の熱可塑性樹脂を素材とするものがより好ましく、ポリエチレンを主成分とする単層の多孔質膜であるか、ポリエチレンとポリプロピレンとを2〜5層積層した積層多孔質膜などの、ポリエチレンを主成分とする多孔質膜を構成要素とする積層多孔質膜であることが更に好ましい。
樹脂多孔質膜としては、例えば、従来公知の電気化学素子(リチウムイオン電池など)などで使用されている前記例示の熱可塑性樹脂で構成された多孔質膜、すなわち、溶剤抽出法、乾式または湿式延伸(1軸または2軸延伸)法などにより作製されたイオン透過性の多孔質膜を用いることができる。
なお、樹脂多孔質膜において、「熱可塑性樹脂を主成分とする」や「ポリオレフィンを主成分とする」とは、樹脂多孔質膜を構成する成分のうち、主成分である成分(熱可塑性樹脂またはポリオレフィン)が80質量%以上であることを意味している。
樹脂多孔質膜の孔径は、電気化学素子内でのイオンの良好な移動を可能とする観点から、0.001μm以上であることが好ましく、0.01μm以上であることがより好ましい。ただし、樹脂多孔質膜の孔径が大きすぎると、樹脂多孔質膜の表面処理時に処理の効果が膜の内部にまで及ぶ虞があり、また、イオンの透過性が良好になる反面、厚みに対する孔径の比が大きくなりすぎたり、電気化学素子の電極に使用する活物質の粒径に対する孔径の比が大きくなりすぎたりすることから、正極と負極とを隔離して短絡を防止する効果が小さくなる虞がある。そのため、樹脂多孔質膜の孔径は、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。
なお、樹脂多孔質膜の有する孔は、樹脂多孔質膜の一方の面から他方の面まで繋がっている「連通孔」である必要があるが、孔の形態としては、樹脂多孔質膜の一方の面から他方の面まで直線的に繋がっている所謂「ストレート孔」よりも、樹脂多孔質膜内で孔が屈曲している形態であることが好ましい。樹脂多孔質膜の有する孔が屈曲性を持つことで、例えばリチウムイオン電池において、リチウムデンドライト形成による内部短絡のポテンシャルを下げることが可能となる。
本発明に係る多層多孔質膜における耐熱多孔質層は、耐熱性微粒子を含有することで、その耐熱性を確保している。なお、本明細書でいう「耐熱性」とは、少なくとも150℃において変形などの形状変化が目視で確認されないことを意味している。耐熱性微粒子の有する耐熱性は、200℃以上であることが好ましく、300℃以上であることがより好ましく、500℃以上であることが更に好ましい。
耐熱性微粒子としては、電気絶縁性を有する無機微粒子であることが好ましく、具体的には、酸化鉄、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、TiO、BaTiOなどの無機酸化物微粒子;窒化アルミニウム、窒化ケイ素などの無機窒化物微粒子;フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫酸バリウムなどの難溶性のイオン結晶微粒子;シリコン、ダイヤモンドなどの共有結合性結晶微粒子;モンモリロナイトなどの粘土微粒子;などが挙げられる。ここで、前記無機酸化物微粒子は、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、マイカなどの鉱物資源由来物質またはこれらの人造物などの微粒子であってもよい。また、これらの無機微粒子を構成する無機化合物は、必要に応じて、元素置換されていたり、固溶体化されていたりしてもよく、更に前記の無機微粒子は表面処理が施されていてもよい。また、無機微粒子は、金属、SnO、スズ−インジウム酸化物(ITO)などの導電性酸化物、カーボンブラック、グラファイトなどの炭素質材料などで例示される導電性材料の表面を、電気絶縁性を有する材料(例えば、前記の無機酸化物など)で被覆することにより電気絶縁性を持たせた粒子であってもよい。
耐熱性微粒子には、有機微粒子を用いることもできる。有機微粒子の具体例としては、ポリイミド、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、架橋ポリメチルメタクリレート(架橋PMMA)、架橋ポリスチレン(架橋PS)、ポリジビニルベンゼン(PDVB)、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物などの架橋高分子の微粒子;熱可塑性ポリイミドなどの耐熱性高分子の微粒子;が挙げられる。これらの有機微粒子を構成する有機樹脂(高分子)は、前記例示の材料の混合物、変性体、誘導体、共重合体(ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体)、架橋体(前記の耐熱性高分子の場合)であってもよい。
耐熱性微粒子は、前記例示のものを1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
耐熱性微粒子の粒径は、平均粒径で、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.1μm以上であって、好ましくは15μm以下、より好ましくは1μm以下である。なお、耐熱性微粒子の平均粒径は、例えば、レーザー散乱粒度分布計(例えば、HORIBA社製「LA−920」)を用い、耐熱性微粒子を溶解しない媒体に分散させて測定した数平均粒子径として規定することができる。
耐熱多孔質層は耐熱性微粒子を主成分として含むが、ここでいう「主成分として含む」とは、耐熱性微粒子を、耐熱多孔質層の構成成分の全体積中、70体積%以上含むことを意味している。耐熱多孔質層における耐熱性微粒子の量は、耐熱多孔質層の構成成分の全体積中、80体積%以上であることが好ましく、90体積%以上であることがより好ましい。耐熱多孔質層中の耐熱性微粒子を前記のように高含有量とすることで、多層多孔質膜全体の熱収縮を良好に抑制することができる。また、耐熱多孔質層には、耐熱性微粒子同士を結着したり耐熱多孔質層と樹脂多孔質膜とを結着したりするために有機バインダを含有させることが好ましく、このような観点から、耐熱多孔質層における耐熱性微粒子量の好適上限値は、例えば、耐熱多孔質層の構成成分の全体積中、99体積%である。なお、耐熱多孔質層における耐熱性微粒子の量を70体積%未満とすると、例えば、耐熱多孔質層中の有機バインダ量を多くする必要が生じるが、その場合には耐熱多孔質層の空孔が有機バインダによって埋められてしまい、例えばセパレータとしての機能を喪失する虞があり、また、開孔剤などを用いて多孔質化した場合には、耐熱性微粒子同士の間隔が大きくなりすぎて、熱収縮を抑制する効果が低下する虞がある。
耐熱多孔質層に用いる有機バインダとしては、耐熱性微粒子同士や耐熱多孔質層と樹脂多孔質膜とを良好に接着でき、電気化学的に安定で、かつ多層多孔質膜を電気化学素子用セパレータに使用する場合には、有機電解液に対して安定であれば特に制限はない。具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、酢酸ビニル由来の構造単位が20〜35モル%のもの)、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのエチレン−アクリル酸共重合体、フッ素樹脂[ポリフッ化ビニリデン(PVDF)など]、フッ素系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリN−ビニルアセトアミド、架橋アクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの有機バインダは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用しても構わない。
前記例示の有機バインダの中でも、150℃以上の耐熱性を有する耐熱樹脂が好ましく、特に、エチレン−アクリル酸共重合体、フッ素系ゴム、SBRなどの柔軟性の高い材料がより好ましい。これらの具体例としては、三井デュポンポリケミカル社製の「エバフレックスシリーズ(EVA、商品名)」、日本ユニカー社製のEVA、三井デュポンポリケミカル社製の「エバフレックス−EEAシリーズ(エチレン−アクリル酸共重合体、商品名)」、日本ユニカー社製のEEA、ダイキン工業社製の「ダイエルラテックスシリーズ(フッ素ゴム、商品名)」、JSR社製の「TRD−2001(SBR、商品名)」、日本ゼオン社製の「EM−400B(SBR、商品名)」などが挙げられる。また、アクリル酸ブチルを主成分とし、これを架橋した構造を有する低ガラス転移温度の架橋アクリル樹脂(自己架橋型アクリル樹脂)も好ましい。
なお、これら有機バインダを使用する場合には、後記する耐熱多孔質層形成用の組成物(スラリーなど)の媒体(溶媒)に溶解させるか、または分散させたエマルジョンの形態で用いればよい。
多層多孔質膜は、樹脂多孔質膜に表面処理を施す工程と、表面処理を施した樹脂多孔質膜の表面にスラリー状などの耐熱多孔質層形成用組成物を塗布して耐熱多孔質層を形成する工程とを有する本発明の製造方法により製造される。かかる製造方法においては、耐熱多孔質層形成用組成物の表面張力(A)と表面処理前の樹脂多孔質膜の室温における臨界表面張力(B)との関係を(A)−(B)≧10mN/mとし、かつ表面張力(A)と表面処理後の樹脂多孔質膜の室温における臨界表面張力(B’)との関係を(A)−(B’)≦0mN/mとする。
本発明法では、耐熱多孔質層形成用組成物の表面張力(A)と、表面処理前の樹脂多孔質膜の室温における臨界表面張力(B)との差「(A)−(B)」を、10mN/m以上とすることで、耐熱多孔質層形成用組成物と樹脂多孔質膜との濡れ性をある程度抑えて、前記組成物や前記組成物に用いられている媒体(溶媒)が、樹脂多孔質膜の孔を通過して塗布面とは反対側の面に抜けてしまう所謂「裏抜け」を防止している。そのため、本発明法では、耐熱多孔質層形成用組成物を塗布する塗工装置のバックアップロールなどのロールの、前記組成物や前記組成物中の媒体による汚染を防止でき、前記組成物の塗布時のハンドリングを良好にして多層多孔質膜の生産性を高め、また、前記組成物を所望の塗布厚みに塗布することを可能としている。
しかし、耐熱多孔質層形成用組成物の表面張力と樹脂多孔質膜の臨界表面張力との差が大きい状態で、樹脂多孔質膜表面に耐熱多孔質層形成用組成物を塗布しても、濡れ性が低く、均一な塗布が困難である。そこで、本発明の製造方法では、耐熱多孔質層形成用組成物の塗布前において、樹脂多孔質膜の表面を処理し、表面張力(A)と表面処理後の樹脂多孔質膜の室温における臨界表面張力(B’)との差「(A)−(B’)」を、0mN/m以下と小さくしており、これにより耐熱多孔質層形成用組成物と樹脂多孔質膜表面との濡れ性を高め、前記組成物をより均一性高く塗布できるようにして、特性の良好な耐熱多孔質層の形成を可能としている。
なお、本発明法では、耐熱多孔質層形成用組成物の塗布前における樹脂多孔質膜の処理は、その表面部分にのみ施し、樹脂多孔質膜内部においては前記表面張力差「(A)−(B)」の関係を維持しているため、樹脂多孔質膜の表面部分においてのみ、耐熱多孔質層形成用組成物との濡れ性を高めつつ、樹脂多孔質膜内部では前記組成物や前記組成物中の媒体の裏抜けを防止できるようにしている。
本発明法では、以上の機構によって、均一性の高い多層多孔質膜を良好な生産性で製造できる。
なお、前記の表面張力差「(A)−(B)」は、20mN/m以上であることがより好ましい。また、表面張力差「(A)−(B)」は、40mN/m以下であることが好ましい。
他方、前記の表面張力差「(A)−(B’)」は、小さければ小さいほど好ましく、(A)≦(B’)となる関係、すなわち、耐熱多孔質層形成用組成物の表面張力(A)が、表面処理後の樹脂多孔質膜の室温における臨界表面張力(B’)と同じか、またはそれよりも小さいことが好ましい。そして、表面張力差「(A)−(B’)」は、−10mN/m以上であることがより好ましい。
耐熱多孔質層形成用組成物の表面張力、および樹脂多孔質膜の臨界表面張力の測定には、従来公知の測定方法を適用することが可能である。すなわち、耐熱多孔質層形成用組成物については、プレート法、ペンダントドロップ法、最大泡圧法などの従来公知の方法で表面張力を測定することができる。また、樹脂多孔質膜については、表面張力が既知の液体を数種類用いて、樹脂多孔質膜と液体との接触角(θ)を測定し、表面張力に対してcosθをプロットし、cosθ=1となる点から臨界表面張力を求めることができる。
耐熱多孔質層形成用組成物は、耐熱性微粒子や、必要に応じて有機バインダなどを含み、これらを水や有機溶剤などの媒体に分散(有機バインダは媒体に溶解していてもよい)させたスラリーなどである。
耐熱多孔質層形成用組成物の媒体として用いる有機溶剤としては、樹脂多孔質膜を溶解したり膨潤させたりするなどして樹脂多孔質膜にダメージを与えないものであり、また、有機バインダを使用する場合にあっては有機バインダを均一に溶解可能であるものであれば特に制限は無いが、テトラヒドロフラン(THF)などのフラン類;メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)などのケトン類;などが好適である。なお、高沸点の有機溶剤は、耐熱多孔質層形成用の組成物を樹脂多孔質膜に塗布した後に、乾燥などによって有機溶剤を除去する際に、樹脂多孔質膜に熱溶融などのダメージを与える虞があるので好ましくない。また、表面張力を制御するため、これらの有機溶剤に多価アルコール(エチレングリコール、トリエチレングリコールなど)や界面活性剤(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチルアルキルフェニルエーテルなど)などを適宜加えてもよい。
また、耐熱多孔質層形成用組成物の媒体には、水を用いることもでき、その場合にもアルコール(エタノール、イソプロパノールなどの炭素数が6以下のアルコールなど)や界面活性剤(例えば、前記の有機溶剤を媒体とする耐熱多孔質層形成用組成物に用い得るものとして例示したもの)を加えて、表面張力を制御することができる。
なお、耐熱多孔質層形成用組成物の表面張力(A)は、通常、20〜72.7mN/m程度である。
なお、樹脂多孔質膜の室温における臨界表面張力(B)は、通常、18.5mN/m以上であり、一方、50mN/m以下のものを用いることが好ましい。ポリオレフィンを主成分とする樹脂多孔質膜では、室温における臨界表面張力(B)が、ポリエチレンの場合31mN/m、ポリプロピレンの場合29mN/mである。よって、この場合に、前記の表面張力差「(A)−(B)」を満足させるには、耐熱多孔質層形成用組成物の媒体には、水を主成分(例えば、90質量%以上)とし、必要に応じてアルコールや界面活性剤を加えて表面張力を調整したものを用いることが好ましい。
前記の耐熱多孔質層形成用組成物を、表面処理後の樹脂多孔質膜の表面に塗布する。樹脂多孔質膜の表面処理としては、紫外線処理、コロナ放電処理、プラズマ放電処理など、処理の効果が表面にのみ限定されるものが挙げられる。樹脂多孔質膜の内部にまで処理の効果が及ぶような処理方法を用いた場合には、耐熱多孔質層形成用組成物が膜内部に浸透して裏面に抜けていく「裏抜け」が発生しやすくなる虞があることから好ましくない。
樹脂多孔質膜の表面処理の条件は、使用する装置や樹脂多孔質膜の臨界表面張力(表面処理前の臨界表面張力)などに応じて変動するが、例えば、春日電機社製のコロナ処理装置により、金属電極を用いて行う場合、放電量を25〜100W/min・mとすることが好ましい。
表面処理後の樹脂多孔質膜に耐熱多孔質層形成用組成物を塗布する方法としては、例えば、グラビアコーター、ナイフコーター、リバースロールコーター、ダイコーターなどの従来公知の塗工装置を用いる方法が挙げられる。
図1に、本発明の製造方法に適用できる塗工装置の一例の概略図を示す。図1に示す塗工装置は、耐熱多孔質層形成用組成物を塗布する前の樹脂多孔質膜1に表面処理を施す装置として、コロナ放電装置2を備えている。
図1に示す塗工装置を用いて多層多孔質膜を製造する場合、まず、ロール状に巻き取られた樹脂多孔質膜1を引き出し、その表面にコロナ放電装置2によってコロナ放電処理を施し、引き続いて、処理後の樹脂多孔質膜1の表面に、ダイヘッド3により耐熱多孔質層形成用組成物を塗布する。この際、本発明法を適用することで、耐熱多孔質層形成用組成物やその媒体の「裏抜け」によって、ダイヘッド3のバックロール4の表面や、塗布を終えた樹脂多孔質膜1を搬送するターンロール6の表面が汚染されることを防止することができ、耐熱多孔質層形成用組成物を均一に塗布することが可能である。その後、樹脂多孔質膜1表面の塗膜を乾燥ゾーン7において乾燥することで、樹脂多孔質膜と耐熱多孔質層とを有する多層多孔質膜が得られる。
なお、図1では、樹脂多孔質膜1の片面にのみ耐熱多孔質層を形成した多層多孔質膜の製造例を示したが、多層多孔質膜は、このように耐熱多孔質層を樹脂多孔質膜の片面にのみ有する構成でもよく、耐熱多孔質層を樹脂多孔質膜の両面に有する構成でもよい。また、多層多孔質膜は、耐熱多孔質層のみならず、樹脂多孔質膜も複数有する構成でもよい。ただし、多層多孔質膜を電気化学素子用のセパレータに使用する場合、層数を増やすことでセパレータの厚みを増やして、内部抵抗の増加やエネルギー密度の低下を招く虞があるので、層数を多くしすぎるのは好ましくなく、多層多孔質層を構成する層(耐熱多孔質層および樹脂多孔質膜)の総数は5層以下であることが好ましく、より好ましくは2層の構成である。
また、図1では、樹脂多孔質膜に表面処理を施す工程と、表面処理後の前記樹脂多孔質膜の表面に、耐熱多孔質層形成用組成物を塗布して前記耐熱多孔質層を形成する工程とが連続して実施される態様を示したが、これらの工程はそれぞれ独立に実施されても構わない。
このようにして製造される多層多孔質膜の厚みは、電気化学素子用セパレータに使用する場合、正極と負極とをより確実に隔離する観点から、6μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。他方、多層多孔質膜が厚すぎると、電気化学素子としたときのエネルギー密度が低下してしまうことがあるため、その厚みは、50μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。
また、多層多孔質膜を構成する樹脂多孔質膜の厚みをA(μm)、耐熱多孔質層の厚みをB(μm)としたとき、AとBとの比率A/Bは、5以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましく、また、1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましい。本発明に係る多層多孔質膜では、前記のように、樹脂多孔質膜の厚み比率を大きくし耐熱多孔質層を薄くしても、多層多孔質膜全体の熱収縮を抑制することが可能であり、例えば、電気化学素子用セパレータに用いる場合、セパレータの熱収縮による短絡の発生を高度に抑制することができる。なお、多層多孔質膜において、樹脂多孔質膜が複数存在する場合には、厚みAはその総厚みであり、耐熱多孔質層が複数存在する場合には、厚みBはその総厚みである。
なお、具体的な値で表現すると、樹脂多孔質膜の厚み(樹脂多孔質膜が複数存在する場合には、その総厚み)は、5μm以上であることが好ましく、また、30μm以下であることが好ましい。そして、耐熱多孔質膜の厚み(耐熱多孔質層が複数存在する場合には、その総厚み)は、1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましく、4μm以上であることが更に好ましく、また、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、6μm以下であることが更に好ましい。樹脂多孔質膜が薄すぎると、特にシャットダウン特性を付与する場合には、かかる特性が弱くなる虞があり、厚すぎると、電気化学素子のエネルギー密度の低下を引き起こす虞があることに加えて、熱収縮しようとする力が大きくなり、多層多孔質膜全体の熱収縮を抑える効果が小さくなる虞がある。また、耐熱多孔質層が薄すぎると、多層多孔質膜全体の熱収縮を抑制する効果が小さくなる虞があり、厚すぎると、多層多孔質膜全体の厚みの増大を引き起こしてしまう。
多層多孔質膜全体の空孔率としては、電気化学素子用セパレータへの適用を考慮すると、電解液の保液量を確保してイオン透過性を良好にする観点から、乾燥した状態で、30%以上であることが好ましい。一方、セパレータ強度の確保と内部短絡の防止の観点から、多層多孔質膜の空孔率は、乾燥した状態で、70%以下であることが好ましい。なお、多層多孔質膜の空孔率:P(%)は、多層多孔質膜の厚み、面積あたりの質量、構成成分の密度から、下記(1)式を用いて各成分iについての総和を求めることにより計算できる。
P = 100−(Σa/ρ)×(m/t) (1)
ここで、前記式中、a:質量%で表した成分iの比率、ρ:成分iの密度(g/cm)、m:多層多孔質膜の単位面積あたりの質量(g/cm)、t:多層多孔質膜の厚み(cm)である。
また、前記(1)式において、mを樹脂多孔質膜の単位面積あたりの質量(g/cm)とし、tを樹脂多孔質膜の厚み(cm)とすることで、前記(1)式を用いて樹脂多孔質膜の空孔率:P(%)を求めることもできる。この方法により求められる樹脂多孔質膜の空孔率は、30〜70%であることが好ましい。
更に、前記(1)式において、mを耐熱多孔質層の単位面積あたりの質量(g/cm)とし、tを耐熱多孔質層の厚み(cm)とすることで、前記(1)式を用いて耐熱多孔質層の空孔率:P(%)を求めることもできる。この方法により求められる耐熱多孔質層の空孔率は、20〜60%であることが好ましい。
また、本発明の多層多孔質膜は、JIS P 8117に準拠した方法で行われ、0.879g/mmの圧力下で100mlの空気が膜を透過する秒数で示されるガーレー値が、30〜300secであることが望ましい。透気度が大きすぎると、イオン透過性が小さくなり、他方、小さすぎると、多層多孔質膜の強度が小さくなることがある。さらに、多層多孔質膜の強度としては、直径1mmのニードルを用いた突き刺し強度で50g以上であることが望ましい。かかる突き刺し強度が小さすぎると、リチウムのデンドライト結晶が発生した場合に、セパレータ(多層多孔質膜)の突き破れによる短絡が発生する場合がある。前記の構成を採用することにより、前記の透気度や突き刺し強度を有する多層多孔質膜とすることができる。
本発明の電気化学素子は、特に限定されるものではなく、有機電解液を用いるリチウムイオン電池(一次電池および二次電池)の他、スーパーキャパシタなど、高温での安全性が要求される用途であれば好ましく適用できる。すなわち、本発明の電気化学素子は、前記本発明に係る多層多孔質膜をセパレータとして用いていれば(すなわち、本発明の電気化学素子用セパレータを用いていれば)、その他の構成・構造については特に制限はなく、従来公知の有機電解液を有する各種電気化学素子(リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、スーパーキャパシタなど)が備えている各種構成・構造を採用することができる。
以下、一例として、リチウムイオン二次電池への適用について詳述する。リチウムイオン二次電池の形態としては、スチール缶やアルミニウム缶などを外装缶として使用した筒形(角筒形や円筒形など)などが挙げられる。また、金属を蒸着したラミネートフィルムを外装体としたソフトパッケージ電池とすることもできる。
正極としては、従来公知のリチウムイオン二次電池に用いられている正極、すなわち、Liイオンを吸蔵放出可能な活物質を含有する正極であれば特に制限はない。例えば、活物質として、Li1+xMO(−0.1<x<0.1、M:Co、Ni、Mn、Al、Mgなど)で表される層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物、LiMnやその元素の一部を他元素で置換したスピネル構造のリチウムマンガン酸化物、LiMPO(M:Co、Ni、Mn、Feなど)で表されるオリビン型化合物などを用いることが可能である。前記層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物の具体例としては、LiCoOやLiNi1−xCox−yAl(0.1≦x≦0.3、0.01≦y≦0.2)などのほか、少なくともCo、NiおよびMnを含む酸化物(LiMn1/3Ni1/3Co1/3、LiMn5/12Ni5/12Co1/6、LiMn3/5Ni1/5Co1/5など)などを例示することができる。
導電助剤としては、カーボンブラックなどの炭素材料が用いられ、バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などフッ素樹脂が用いられ、これらの材料と活物質とが混合された正極合剤により正極活物質含有層が、例えば集電体上に形成される。
また、正極の集電体としては、アルミニウムなどの金属の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、厚みが10〜30μmのアルミニウム箔が好適に用いられる。
正極側のリード部は、通常、正極作製時に、集電体の一部に正極活物質含有層を形成せずに集電体の露出部を残し、そこをリード部とすることによって設けられる。ただし、リード部は必ずしも当初から集電体と一体化されたものであることは要求されず、集電体にアルミニウム製の箔などを後から接続することによって設けてもよい。
負極としては、従来公知のリチウムイオン二次電池に用いられている負極、すなわち、Liイオンを吸蔵放出可能な活物質を含有する負極であれば特に制限はない。例えば、活物質として、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、炭素繊維などの、リチウムを吸蔵、放出可能な炭素系材料の1種または2種以上の混合物が用いられる。また、Si,Sn、Ge,Bi,Sb、Inなどの元素およびその合金、リチウム含有窒化物、または酸化物などのリチウム金属に近い低電圧で充放電できる化合物、もしくはリチウム金属やリチウム/アルミニウム合金も負極活物質として用いることができる。これらの負極活物質に導電助剤(カーボンブラックなどの炭素材料など)やPVDFなどのバインダなどを適宜添加した負極合剤を、集電体を芯材として成形体(負極活物質含有層)に仕上げたもの、または、前記の各種合金やリチウム金属の箔を単独、もしくは集電体上に積層したものなどが用いられる。
負極に集電体を用いる場合には、集電体としては、銅製やニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、銅箔が用いられる。この負極集電体は、高エネルギー密度の電池を得るために負極全体の厚みを薄くする場合、厚みの上限は30μmであることが好ましく、下限は5μmであることが望ましい。また、負極側のリード部は、正極側のリード部と同様にして形成すればよい。
電極は、前記の正極と前記の負極とを、本発明に係る多層多孔質膜をセパレータとして介して積層した積層体や、更にこれを巻回した電極巻回体の形態で用いることができる。
電解液(有機電解液)としては、リチウム塩を有機溶媒に溶解した溶液が用いられる。リチウム塩としては、溶媒中で解離してLiイオンを形成し、電池として使用される電圧範囲で分解などの副反応を起こしにくいものであれば特に制限は無い。例えば、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF などの無機リチウム塩、LiCFSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO(n≧2)、LiN(RfOSO〔ここでRfはフルオロアルキル基〕などの有機リチウム塩などを用いることができる。
電解液に用いる有機溶媒としては、前記のリチウム塩を溶解し、電池として使用される電圧範囲で分解などの副反応を起こさないものであれば特に限定されない。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;プロピオン酸メチルなどの鎖状エステル;γ−ブチロラクトンなどの環状エステル;ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、1,3−ジオキソラン、ジグライム、トリグライム、テトラグライムなどの鎖状エーテル;ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリルなどのニトリル類;エチレングリコールサルファイトなどの亜硫酸エステル類;などが挙げられ、これらは2種以上混合して用いることもできる。なお、より良好な特性の電池とするためには、エチレンカーボネートと鎖状カーボネートの混合溶媒など、高い導電率を得ることができる組み合わせで用いることが望ましい。また、これらの電解液に安全性や充放電サイクル性、高温貯蔵性といった特性を向上させる目的で、ビニレンカーボネート類、1,3−プロパンサルトン、ジフェニルジスルフィド、シクロヘキサン、ビフェニル、フルオロベンゼン、t−ブチルベンゼンなどの添加剤を適宜加えることもできる。
このリチウム塩の電解液中の濃度としては、0.5〜1.5mol/lとすることが好ましく、0.9〜1.25mol/lとすることがより好ましい。
本発明の電気化学素子は、従来公知の電気化学素子と同様の用途に用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではない。
なお、本実施例では、耐熱多孔質層形成用組成物の表面張力は、協和化学社製の表面張力計「ESB−V」を用いて測定した。また、樹脂多孔質膜の臨界表面張力は、表面張力が既知の液体を数種類用いて、樹脂多孔質膜と液体との接触角(θ)を測定し、表面張力に対してcosθをプロットし、cosθ=1となる点から求めた。樹脂多孔質膜と液体との接触角の測定は、Fibro社製の動的接触角計「1100DAT」を用い、液体を樹脂多孔質膜に滴下後0.1sでの接触角を求めることで行った。
実施例1
有機バインダである自己架橋性アクリル樹脂のエマルジョン(固形分比率40質量%):200gと水:4000gとを容器に入れ、室温で均一になるまで攪拌した。ここに、更に耐熱性微粒子であるアルミナ粉末(平均粒径0.4μm):3000gを4回に分けて加え、ディスパー(2800rpm)で1時間攪拌して均一なスラリー(耐熱多孔質層形成用組成物)を調製した。このスラリーの表面張力(A)は42mN/mであった。
前記のスラリーを、予め50W/min・mの放電量でコロナ放電処理したポリエチレン製多孔質膜(厚み12μm)上にグラビアコーターで塗布した後、乾燥することによって厚みが16μmの多層多孔質膜を得た。なお、コロナ放電処理には、春日電機社製のコロナ処理装置を使用し、金属電極を用いて行った。前記のポリエチレン製多孔質膜は、コロナ放電処理前での臨界表面張力(B)が31mN/mであり、コロナ放電処理後での臨界表面張力(B’)が57mN/mであった。
比較例1
ポリエチレン製多孔質膜にコロナ放電処理を施さずにスラリー(耐熱多孔質層形成用組成物)を塗布した以外は、実施例1と同様にして多層多孔質膜を作製した。
比較例2
有機バインダであるフッ化ビニリデン−6フッ化プロピレン共重合体(6フッ化プロピレン比率:15モル%):90gとアセトン:1510gとを容器に入れ、室温で均一に溶解するまで攪拌した。ここに、更に耐熱性微粒子であるアルミナ粉末(平均粒径0.4μm):3000gを4回に分けて加え、ディスパー(2800rpm)で1時間攪拌して均一なスラリー(耐熱多孔質層形成用組成物)を調製した。このスラリーの表面張力(A)は28mN/mであった。
前記のスラリーを、表面処理を施していないポリエチレン製多孔質膜(厚み12μm、実施例1および比較例1で用いたものと同じ多孔質膜)上にナイフコーターで塗布した後、乾燥することによって厚みが16μmの多層多孔質膜を得た。
比較例3
コロナ放電処理によるポリエチレン製多孔質膜の表面処理条件を、放電量20W/min・mとした以外は、実施例1と同様にして多層多孔質膜を作製した。なお、コロナ放電処理後のポリエチレン製多孔質膜の臨界表面張力(B’)は37mN/mであった。
耐熱多孔質層形成用組成物の表面張力(A)とポリエチレン製多孔質膜の臨界表面張力(B)との差「(A)−(B)」を10mN/m以上(11mN/m)とし、前記表面張力(A)と、耐熱多孔質層形成用組成物を塗布する前のポリエチレン製多孔質膜の臨界表面張力(B’)との差「(A)−(B’)」を0mN/m以下(−15mN/m)とした実施例1においては、ポリエチレン製多孔質膜の表面に耐熱多孔質層形成用組成物を均一に塗布することが可能であり、均一性の高い耐熱多孔質層を有する多層多孔質膜を生産性よく製造することができた。
これに対し、表面処理(コロナ放電処理)を施していないポリエチレン製多孔質膜に耐熱多孔質層形成用組成物を塗布した比較例1では、ポリエチレン製多孔質膜に塗布した耐熱多孔質層形成用組成物にはじきが発生し、均一に塗布できなかった。また、有機溶剤系の耐熱多孔質層形成用組成物を使用し、耐熱多孔質層形成用組成物の表面張力(A)とポリエチレン製多孔質膜の臨界表面張力(B)との差「(A)−(B)」が−3mN/mであった比較例2では、ポリエチレン製多孔質膜への前記組成物の塗布時に、ポリエチレン多孔質膜の裏面に有機バインダを含むアセトン溶液が抜け、ナイフコーターのバックロールに付着したため、前記組成物の連続塗布ができなかった。更に、耐熱多孔質膜形成用組成物の表面張力(A)と、表面処理後のポリエチレン製多孔質膜の臨界表面張力(B’)との差「(A)−(B’)」が5mN/mであった比較例3でも、ポリエチレン製多孔質膜に塗布した耐熱多孔質層形成用組成物にはじきが発生し、均一に塗布できなかった。
実施例2
<正極の作製>
正極活物質であるLiCoO:90質量部、導電助剤であるアセチレンブラック:7質量部、およびバインダであるPVDF:3質量部を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶剤として均一になるように混合して正極合剤含有ペーストを調製した。このペーストを、集電体となる厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に、塗布長が表面280mm、裏面210mmになるように間欠塗布し、乾燥した後、カレンダー処理を行って、全厚が150μmになるように正極合剤層の厚みを調整し、幅43mmになるように切断して正極を作製した。更に、この正極におけるアルミニウム箔の露出部にタブ付けを行った。
<負極の作製>
負極活物質である黒鉛:95質量部とPVDF:5質量部とを、NMPを溶剤として均一になるように混合して負極合剤含有ペーストを調製し、これを銅箔からなる厚さ10μmの集電体の両面に、塗布長が表面290mm、裏面230mmになるように間欠塗布し、乾燥した後、カレンダー処理を行って、全厚が142μmになるように負極合剤層の厚みを調整し、幅45mmになるように切断して負極を作製した。更に、この負極における銅箔の露出部にタブ付けを行った。
<電池の作製>
上記のようにして得た正極と負極とを、実施例1で作製した多層多孔質膜をセパレータとし、セパレータの耐熱多孔質層が負極側に向くように介在させて重ね合わせ、渦巻状に巻回して巻回体を作製した。得られた巻回体を押しつぶして扁平状にした後にラミネートフィルム外装体にいれ、電解液(エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートを体積比で1対2に混合した溶媒に、LiPFを濃度1.2Mで溶解したもの)を注入した後に真空封止を行って電池を作製した。
比較例4
セパレータを、比較例3で作製した多層多孔質膜に変更した以外は、実施例2と同様にして電池を作製した。
実施例2および比較例4の電池について、充放電特性評価を行った。これらの電池について、25℃、電流値150mAで定電流充電し、電圧が4.2Vに達した時点で引き続き電圧4.2Vで定電圧充電する定電流/定電圧充電により初期充電を行った。充電の終止時間は12時間とした。充電後の各電池について、引き続き、電流値150mAの定電流放電を行った。更に、その後の各電池について、−5℃で、電流値500mAで定電流し、電圧が4.2Vに達した時点で引き続き電圧4.2Vで定電圧充電する定電流/定電圧充電を行った(充電終止時間2.5時間)。
上記充電後の各電池を解体して負極表面を観察し、充電状態を判定したところ、実施例2の電池ではリチウム金属の析出に由来する灰色の部分が殆ど無く、均一に充電できていたのに対し、比較例4の電池では、灰色の部分が多く見られ、セパレータに係る耐熱多孔質層の不均一さに起因して、充電状態が不均一であることが確認された。
本発明の製造方法に適用可能な塗工装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 樹脂多孔質膜
2 コロナ放電装置
3 ダイヘッド
7 乾燥ゾーン

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂多孔質膜と、耐熱性微粒子を主成分として含む耐熱多孔質層とを有する多層多孔質膜を製造する方法であって、
    前記樹脂多孔質膜を表面処理する工程と、
    表面処理後の前記樹脂多孔質膜の表面に、耐熱多孔質層形成用組成物を塗布して前記耐熱多孔質層を形成する工程とを有しており、
    前記耐熱多孔質層形成用組成物の表面張力(A)と表面処理前の前記樹脂多孔質膜の室温における臨界表面張力(B)との関係を(A)−(B)≧10mN/mとし、かつ前記表面張力(A)と表面処理後の前記樹脂多孔質膜の室温における臨界表面張力(B’)との関係を(A)−(B’)≦0mN/mとすることを特徴とする多層多孔質膜の製造方法。
  2. 熱可塑性樹脂がポリオレフィンである請求項1に記載の多層多孔質膜の製造方法。
  3. 耐熱多孔質層形成用組成物の媒体が、水を主成分とするものである請求項1または2に記載の多層多孔質膜の製造方法。
  4. 樹脂多孔質膜の表面処理を、紫外線照射、コロナ放電処理、またはプラズマ処理により行う請求項1〜3のいずれかに記載の多層多孔質膜の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により製造された多層多孔質膜からなることを特徴とする電気化学素子用セパレータ。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により製造された多層多孔質膜をセパレータとして有することを特徴とする電気化学素子。
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