JP2009076219A - 足元灯 - Google Patents

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Abstract

【課題】
従来のものより蹴上げ及び踏み面の視認が容易になり、かつ階段空間と一体化した優れた美観を創出する足元灯を提供することを課題とする。
【解決手段】
段板前端下部に設置された棒状部材4の一端部には光源3が備えられ、棒状部材4は導光性を有するため、光源3から発せられた光は棒状部材4全体に伝わる。さらに蹴込み板2の上端部は棒状部材4と光源3に隣接し、蹴込み板2も透光性を有するため、前記棒状部材4の光は蹴込み板2全体に伝わる。
【選択図】 図2

Description

本発明は階段部に設置される足元灯に関するものである。
階段部の照明において、夜間の中途覚醒時の階段昇降時に天井部に設置された照明を頭上より照射された場合、光の刺激によって覚醒が促されてしまい、再度の入眠が困難となることがある。このような事態を防ぐために、天井部ではなく壁面や段板などに設置され、足元のみを照射する足元灯が、従来より知られている。足元灯に関する先行技術として以下のものなどがある。
特開2002−109953号公報 実登3115856号公報
しかしながら、前記文献1のように、階段側壁や側桁に設置される足元灯においては、設置した側壁等から遠ざかるにつれて照度が弱まり、蹴上げが視認しにくくなるという問題があった。また、段板及び蹴込み板を一律に照射するため照射部分は明るくなるものの、階段の安全な昇降に必要な情報である、蹴上げ又は踏み面を明確化することには直接には結びついていない。
前記文献2のように光源を段板の先端部に設置するタイプのものもあるが、これらのタイプは階段降り時に、踏み面を明確化して階段の踏み外しを防ぐことはできるものの、階段昇り時に蹴上げを視認しやすくする効果は無い。また人間の心理として、発光する部分を踏むのを避けようとするため、踏み面が発光部分の範囲分狭く感じられるという問題があった。
また、従来の足元灯は足元を照射するという機能面のみが重視され、デザイン性が考慮されたものはなく、階段空間と足元灯とのデザイン上の一体感に配慮がなされたものはなかった。
本発明は前記問題点を考慮し、従来のものより蹴上げ及び踏み面の視認が容易になり、かつ階段空間と一体化した優れた美観を創出する足元灯を提供することを課題とするものである。
前記の課題のうち、蹴上げ及び踏み面の視認を容易にすることについては、段板の前端下部に光源が備えられ、該光源より発する光が、直下の段板上面を、該段板上面と該段板から見て階上側の蹴込み板との当接部を起端とし、該段板上面の踏み面にわたって、該段板上面の段鼻領域部を残しその手前まで照射されるようになされていることを特徴とする、足元灯(請求項1の発明)によって解決される。なお段鼻領域部とは段板上面において段鼻を起端とし奥行き方向に設けられた短幅の領域とする。
この足元灯の構造では、段板前端下部に設けられた光源から照射する光が、一段下の段板の上面を、蹴込み板と該段板の当接部から段鼻領域部の手前まで照射するように、照射角度等が調整されている。そのため、段鼻領域部だけは直接光が照射されず薄暗いままの状態となっている。一方、段鼻領域部以外における光の照射方法は、幅方向については特に限定はないが、踏み面については、段鼻領域部手前から該段板と蹴込み板の当接部まで途切れなく照射され、明るく照らし出された状態となっている。そしてこの構成は一部のみでなく、本階段構造全体において同様になされている。よって階段降り時に階上から本階段構造全体を見下ろしてみると、各段板の段鼻領域部の暗い部分とその一段下の段板上面の光の照射された明るい部分によって、明と暗のコントラストが形成され、そのコントラストの位置が段板の先端を示すため、各段板の踏み面が明確となる。また階段昇り時において、前記光源は各段板前端下部に設置されているため、各段板の位置の視認が容易になり、蹴上げが把握しやすくなる。
なお、前記光源を導光性を有する棒状部材に隣接して設置することで、光源の光を該棒状部材に伝わせることができる(請求項2の発明)。これにより、光源の照射範囲を棒状部材の長さだけ延長させることができる。そのため、階段降り時には、段板を照射する範囲が広がるため、より踏み面の把握が容易になる。また階段昇り時においても、光源だけの場合よりも放光範囲が広がるため、より蹴上げの把握が容易になる。
また、本発明の蹴込み板を導光性を有するものにし、該蹴込み板に隣接して前記光源を設置すれば、該光源の光が蹴込み板を伝わり、前記蹴込み板を放光させることができる(請求項3の発明)。それにより、階段の昇り時において、蹴込み板が放光することで蹴上げ面(蹴込み板正面下端から該蹴込み板と直上で当接する段板正面上端までの面)の大まかな高さと幅が視認でき、光源だけの場合よりも蹴上げの把握が容易になる。
前記導光性を有する棒状部材と光源が隣接したものを、さらに前記導光性を有する蹴込み板に隣接させれば、光源に棒状部材の長さを加えた分だけ広範囲に、光を該蹴込み板に伝わせることが可能となる(請求項4の発明)。そのため、前記発明に比べて光の照射・放光面積が拡大し、蹴上げ・踏み面の把握がさらに容易となる。加えて、蹴込み板が広範囲に放光することにより階段全体が淡く輝き、階段空間と足元灯が一体化したような幻想的な外観を形成し、デザイン的に優れた美観を創出させることができる。
さらに、前記の構成において、光源の光が、蹴上げ面を、前記蹴込み板と直下の段板上面の当接部を起端とし、蹴上げにわたって、該蹴上げ面の上端部を残しその手前まで、照射または導光により放光されるようになされている場合(請求項5の発明)には、蹴込み板と直下の段板の当接部から、蹴上げ面上端部の手前まで、光が途切れなく照射または放光され、明るい状態となっている。一方、該蹴上げ面上端部は光が直接照射または放光されないため、薄暗い状態のままとなる。この構成は、一部のみでなく本階段構造全体が同様になされているため、本階段構造を階下より見上げたとき、各段の蹴上げ面上端部の暗い部分とその一段上の光の照射または放光された明るい部分により明と暗のコントラストが形成され、そのコントラストの位置が蹴上げの上端を示すため、各蹴上げを明確に把握できるようになる。
本足元灯は、以上のとおりであるため、光の照射及び放光による明と暗のコントラストにより、蹴上げ及び踏み面が明確化して把握が容易となり、かつ、あたかも階段空間と足元灯が一体化したような外観を形成しデザイン的に優れた美観を創出することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1に示す本第1実施形態の足元灯において、1の段板、2の蹴込み板により、階段構造を形成している。2の蹴込み板はアクリル樹脂製である。3は光源であり、本実施形態ではLEDを用いている。該光源3に隣接してアクリル樹脂製の棒状部材4が固定されており、さらに該光源3とそれに隣接する棒状部材4は、段板1の下面前端部と蹴込み板2に挟まれる形で双方に隣接固定されている。なお、図では光源3に電力を供給する電源や配線等は省略してある。
図2は本発明の正面図を用い、光源3から発せられた光の各部材への伝わり方を示している。光源3は、導光性を有するアクリル樹脂製の棒状部材4の右側端部に隣接して設置されるため、その光は棒状部材4の右側端部から左側端部まで伝わる。更に蹴込み板2も導光性を有するアクリル樹脂製であるため、棒状部材4全体に伝わった光が、次いで隣接する蹴込み板2の上端部から下端部へと伝わっていく。なお段板1は導光性を有していないため、該段板1の正面部6には光は伝わらない。図中の矢印は、光の流れを図示したものである。
図3は光の照射方法を示している。光源3から発せられた光は、棒状部材4、蹴込み板2を伝わって放光され、かつ直下の段板1´上面に照射される。この際、段板1´上面の段鼻領域部5を残し、それ以外の部分全体を照射するように照射角度が調整されている。そのため、夜間に本発明の足元灯を使用した場合、段鼻領域部5は光が直接照射されず、薄暗い状態のままである。一方、光源3及び棒状部材4は段板1下面前端部に設置されているが、照射角度の調整などにより、段板1の正面部6は光が照射されないようになされている。加えて上述のとおり段板1は導光性を有していないため、夜間に本発明の足元灯を使用しても、段板1の正面部は暗い状態のままである。
本第1実施形態における足元灯は上記のとおりの構成であるため、夜間本足元灯が点灯された階段を階上から見下ろした場合、光が直接照射されず薄暗いままの段鼻領域部と、該段鼻領域部以外の明るく照射された部分からなる段板が階下まで連続して続いている。各段板は、暗い段鼻領域部とその一段下の段板の明るい部分によって明と暗のコントラストが形成され、該コントラストの位置が踏み面の前端を示すため、段板の踏み面の把握が容易となる。従って、階段降り時において各段板の踏み面が明確に把握でき、踏み面を見誤り階段を踏み外すのを有効に防ぐことができる。図4は階段降り時に階上から階段を見下ろした際の、各段板における本発明の点灯イメージを示している。
また夜間本足元灯が点灯された階段を階下から見上げた場合、放光し明るい蹴込み板と、その上部の光が照射せず暗い段板正面部からなる構造が連続して階上まで続いている。各蹴上げ面は、暗い段板正面部とその一段上の明るく放光する蹴込み板によって明と暗のコントラストが形成され、該コントラストの位置が蹴上げの上端を示すため、蹴上げの把握が容易となる。従って、階段昇り時において各蹴上げが明確に把握でき、蹴上げを見誤りつまずくのを有効に防ぐことができる。図5は階段昇り時に階下から階段を見上げた際の、各蹴上げ面における本発明の点灯イメージを示している。
さらに本足元灯の構成により、放光と光の照射によって階段全体が淡く輝くことで、夜間の階段空間の暗がりの中、階段構造が幻想的に美しく浮かび上がる。それにより、階段空間と足元灯が一体化した優れた美観を創出させることが可能になる。
〔第2実施形態〕
本第2実施形態では、光源3は段板1の前端下部に、2枚の蹴込み板2a、2bに上下を挟まれる形で隣接して配置されている。また光源3は、2本の棒状部材4a、4bに左右を挟まれる形で隣接して配置されている。さらに棒状部材4a、4bは、2枚の蹴込み板2a、2bにそれぞれ上下を挟まれる形で隣接して配置されている。
棒状部材4a、4bは導光性を有するアクリル樹脂製であるため、光源3より発せられた光は、該光源3と棒状部材4a、4bの隣接部よりそれぞれの端部に伝わっていく。また蹴込み板2a、2bも同様に導光性を有するアクリル樹脂製であるため、該蹴込み板2a、2bに隣接する光源3及び光源3の光が伝わった棒状部材4a、4bから、光が該蹴込み板2a、2bに伝わっていく。一方、段板1は導光性を有していないため、該段板1の正面部6には光が伝わらない。図6は本第2実施形態における、光源3からの光の各部材への伝わり方を矢印で示したものである。
なお、一段下の段板上面への光の照射方法は第1実施形態と同様、段鼻領域部を残し、それ以外の部分全体を照射するように照射角度が調整されている。
本第2実施形態における足元灯は上記のとおりの構成であるため、夜間に本足元灯を点灯した場合は、第1実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、階段を階上より見下ろした場合は、光の照射されない暗い段鼻領域部と、一段下の照射された明るい部分がコントラストを形成し、踏み面が明確となる。また階下より見上げた場合は、段板正面部の暗い部分と、一段上の蹴込み板の明るく放光する部分がコントラストを形成し、蹴上げが明確となる。また階段全体が淡く輝くことにより、夜間の階段空間の暗がりの中、階段構造が幻想的に美しく浮かび上がり、階段空間と足元灯が一体化した優れた美観を創出することができる。本第2実施形態の点灯イメージは、第1実施形態における図4及び図5に類似するものとなる。
〔第3実施形態〕
本第3実施形態では、段板1の前端下部の左右両端部に光源3a、3bが備えられている。2本の棒状部材4a、4bが、それぞれの長手方向の上端部を光源3a、3bの下部と隣接し、かつ長手方向の下端部を一段下の段板と隣接する形で設置されている。また蹴込み板2が、光源3aと棒状部材4a、及び光源3bと棒状部材4bに左右に挟まれる形で、それぞれに隣接して設置されている。
棒状部材4a、4bは導光性を有するアクリル樹脂製であるため、光源3a、3bより発せられた光は、棒状部材4a、4bと光源3a、3bのそれぞれの隣接部からそれぞれの下端部に伝わっていく。また蹴込み板2も同様に導光性を有するアクリル樹脂製であるため、該蹴込み板2に隣接する光源3a、3b及び光源3a、3bの光が伝わった棒状部材4a、4bから、光が該蹴込み板2に伝わっていく。一方、段板1は導光性を有していないため、該段板1の正面部6には光が伝わらない。図7は本第3実施形態における、光源3a、3bからの光の各部材への伝わり方を矢印で示したものである。
なお、一段下の段板上面への光の照射方法は第1実施形態と同様、段鼻領域部を残し、それ以外の部分全体を照射するように照射角度が調整されている。
本第3実施形態における足元灯は上記のとおりの構成であるため、夜間に本足元灯を点灯した場合、第1実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、階段を階上より見下ろした場合は、光の照射されない暗い段鼻領域部と、一段下の照射された明るい部分がコントラストを形成し、踏み面が明確となる。また階下より見上げた場合は、段板厚さ正面の暗い部分と、一段上の蹴込み板の明るく放光する部分がコントラストを形成し、蹴上げが明確となる。また階段全体が淡く輝くことにより、夜間の階段空間の暗がりの中、階段構造が幻想的に美しく浮かび上がり、階段空間と足元灯が一体化した優れた美観を創出することができる。本第3実施形態の点灯イメージは、第1実施形態における図4及び図5に類似するものとなる。
以上、本発明の最良の実施形態を示したが、本発明の実施形態はこれらに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
例えば、前記実施形態では棒状部材及び蹴込み板の材質にアクリル樹脂製のものを用いているが、アクリル樹脂製のものに限定する必要はなく、ガラス製やプラスチック製など、導光性及び伝光性を有する材質であれば、美観を損なわない範囲で様々な材質が考えられる。
光源もLEDに限定されず、棒状部材に設置でき、十分な照度の発光ができるものであればよい。 該光源を設置する位置は前記実施形態の位置に限られず、光源の光が棒状部材に伝わるように構成されていればよい。設置する光源の数も、コストや施工時間等を考慮のうえ、複数個設置しても構わない。
加えて光源の発光照度の加減や、光源の設置位置の工夫、様々な色の光源や棒状部材、蹴込み板を組み合わせることなどにより、蹴上げ・踏み面の視認性を損なわない範囲で、各人の好みに応じた多種多様な輝き方を演出することができる。
また、第一実施形態において、段板の下部空間を収納空間とし、該空間に、蹴込み板を方形体の一面とし上面が開口した収納ボックスを、段鼻方向に引き出し可能に収めれば、様々な物を収納できる階段収納となる。そして前記光源及び棒状部材が段板下面前端部にのみ接着固定されている場合に、該収納ボックスを引き出して本足元灯を点灯すれば、本足元灯の光が収納ボックス内部を照射するため、収納作業を補助する照明具としても使用することが可能となる。
更に、点灯スイッチを押す手間を省くために、人が近づくと自動的に点灯し、離れると自動的に消灯する人感センサーを設置することで、より利便性の高いものとなる。
なお、本実施最良形態においては本構成を階段の全段について同様に設けているが、常に全段を同構成にしなければならないわけではなく、一部の段は光源のみで棒状部材は設置しないなど、その時々の階段の構成や周囲の状況を適切に判断し施工される。
本発明の第1実施形態に係る足元灯の外観図である。 第1実施形態における、光源の光の各部材への伝わり方を示した本発明の正面図である。 第1実施形態における、本発明の光の照射方法を示した側面図である。 第1実施形態における、夜間の階段降り時に本発明を使用した際の、光の照射イメージを示した図である。 第1実施形態における、夜間の階段昇り時に本発明を使用した際の、光の照射イメージを示した図である。 第2実施形態における、光源の光の各部材への伝わり方を示した本発明の正面図である。 第3実施形態における、光源の光の各部材への伝わり方を示した本発明の正面図である。
符号の説明
1 段板
2 蹴込み板
3 光源
4 棒状部材
5 段鼻領域部
6 段板正面部

Claims (5)

  1. 階段において、階段昇降時に足元を照らす足元灯であって、
    段板の前端下部に光源が備えられ、
    該光源より発する光が、直下の段板上面を、該段板上面と該段板から見て階上側の蹴込み板との当接部を起端とし、該段板上面の踏み面にわたって、該段板上面の段鼻領域部を残しその手前まで照射されるようになされていることを特徴とする、
    足元灯。
  2. 前記光源に隣接して、導光性を有する棒状部材を備えることで、
    前記光源の光が該棒状部材に伝わり、該棒状部材が放光することを特徴とする、
    請求項1に記載の足元灯。
  3. 前記光源に隣接して、導光性を有する蹴込み板を備えることで、
    前記光源の光が該蹴込み板に伝わり、該蹴込み板が放光することを特徴とする、
    請求項1に記載の足元灯。
  4. 前記棒状部材及び光源に隣接して、導光性を有する蹴込み板を備えることで、
    前記棒状部材及び光源の光が該蹴込み板に伝わり、該蹴込み板が放光することを特徴とする、
    請求項2に記載の足元灯。
  5. 前記光源より発する光が、
    蹴上げ面を、前記蹴込み板と直下の段板上面の当接部を起端とし、蹴上げにわたって、該蹴上げ面の上端部を残しその手前まで、照射または導光により放光されるようになされていることを特徴とする、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の足元灯。
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