JP2009067933A - カーボンナノチューブを含むコーティング用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 カーボンナノチューブを含むコーティング用組成物であって、分散性および経時安定性が良好で、且つ塗膜にした際の塗膜耐性に優れるコーティング組成物を提供すること。
【解決手段】カーボンナノチューブと、酸性官能基を有する有機色素誘導体、または酸性官能基を有するトリアジン誘導体から選ばれる1種以上と、エチレン性不飽和二重結合を有し、且つアミノ基を有する分散樹脂を含むことを特徴とするコーティング用組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、カーボンナノチューブを含み、分散性および経時安定性に優れ、活性エネルギー線により硬化した際の塗膜耐性が高いコーティング用組成物に関する。
カーボンナノチューブは、高い導電性、機械的強度等の特徴を有することから、燃料電池、電極、電磁波シールド材、導電性樹脂、電界放出ディスプレー(FED)用部材、水素を始めとする各種ガスの吸蔵材料等、幅広い分野への利用が期待されている。カーボンナノチューブを含む分散系の活性エネルギー線による硬化については、パターニングし易いこと、塗膜物性が高いこと等の理由から、上記の様なカーボンナノチューブの特性を活かし、種々の用途に展開しようとする試みがなされている。
カーボンナノチューブを含む分散系を活性エネルギー線により硬化する例として、特許文献1には、バインダー材料として紫外線もしくは電子線硬化型の樹脂を用い、電子源アレイを提供する方法が開示されている。本文献中では分散剤として微量の界面活性剤を添加するだけでカーボンナノチューブを分散しており、また分散工程に関しては特別な記載はない。カーボンナノチューブを使用する場合には、互いに絡み合うことなく溶液中に微分散していることが好ましいが、この様に微量の界面活性剤を添加するだけでは凝集がほぐれず、カーボンナノチューブの本来の特性を引き出すことが出来ていないと考えられる。
また、特許文献2には、タッチパネル用透明導電膜としてカーボンナノチューブを含む紫外線硬化型のアクリル樹脂膜が開示されているが、分散プロセスとしてはカーボンナノチューブをアクリル樹脂に練り込んでいるだけである。これでは分散が不十分であるため、カーボンナノチューブの凝集体が残っており、光の散乱により膜の透明性が低下し、透明導電膜としての機能を十分に果たすことが出来ないと考えられる。
カーボンナノチューブの分散性を向上させる試みとしては、特許文献3には分散剤として界面活性剤を用いる方法が開示されている。しかしながら、この方法ではカーボンナノチューブに対し50wt%程度の量の界面活性剤を使用しており、得られた分散体に活性エネルギー線で硬化する成分を添加し塗膜を作成しても、硬化に寄与しない界面活性剤が塗膜の硬度、耐性を低下させてしまう。
特開2000−311578号公報 特開2007−11997号公報 特開2003−238126号公報
本発明は、分散性および経時安定性が良好で、且つ硬化した際に塗膜硬度、耐性が高く、種々の用途に展開可能なカーボンナノチューブを含む活性エネルギー線硬化型のコーティング組成物を提供することを目的とする。
本発明のコーティング用組成物は、カーボンナノチューブと、酸性官能基を有する有機色素誘導体、または酸性官能基を有するトリアジン誘導体から選ばれる1種以上と、エチレン性不飽和二重結合を有し、且つアミノ基を有する分散樹脂を含むことを特徴とする。
本発明のコーティング用組成物において、上記分散樹脂のエチレン性不飽和二重結合は、アクリロイル基もしくはメタアクリロイル基であることが好ましい。また、本発明のコーティング用組成物は、更に、塗膜形成性材料として、分散樹脂以外の活性エネルギー線硬化型樹脂またはモノマーを含むことが出来る。
本発明のコーティング用組成物は、カーボンナノチューブの分散性を向上させる酸性官能基を有する各種誘導体を使用しているため、カーボンナノチューブの絡み合いをほぐし良好に分散可能である。よってカーボンナノチューブの導電性等の特性を十分に活かすことが出来、また必要に応じ透明性の高い塗膜を作成することも可能である。更には、重合に寄与出来るエチレン性不飽和二重結合を有する分散樹脂を使用しているため、カーボンナノチューブを分散するのに十分な量の分散剤を添加しても活性エネルギー線硬化後の塗膜耐性が高く、塗膜の硬度、耐久性が必要な種々の用途に展開することが可能である。
まず、本発明のコーティング用組成物に含まれる材料について説明する。
本発明のコーティング用組成物に含まれるカーボンナノチューブは、グラファイトを筒状に巻いた形状を有する炭素材料であり、その直径は数nmから100nm程度で、長さは数nmから1mm程度である。半導体特性、塗膜の透明性等を発揮するには直径50nm以下、特に、10nm以下が好ましい。長さは100nmから1mmが好ましく、特に500nmから1mmが好ましい。カーボンナノチューブには単層のものや多層構造になったものがあるが、本発明に使用するカーボンナノチューブは、これらいずれの構造であってもよい。
また、一般的にはカーボンナノファイバーとして分類される繊維径が100nmから1μm程度のものについても、本発明のコーティング組成物に含まれるカーボンナノチューブとして使用可能である。
本発明における酸性官能基を有する誘導体は、酸性官能基を有する有機色素誘導体、酸性官能基を有するトリアジン誘導体の群から選ばれるものであり、下記一般式(1)で示されるトリアジン誘導体、または一般式(3)で示される有機色素誘導体の使用が好ましい。
一般式(1)
Figure 2009067933
(式中、Xは−NH−、−O−、−CONH−、−SONH−、−CHNH−、−CHNHCOCHNH−または−X−Y−X−を表し、X及びXはそれぞれ独立に−NH−または−O−を表し、Xは−CONH−、−SONH−、−CHNH−、−NHCO−または−NHSO−を表し、
Yは炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基または置換基を有してもよいアリーレン基を表し、
Zは−SOM、−COOMまたは−PO(OM) (Mは1〜3価のカチオンの一当量)を表し、
は有機色素残基、置換基を有していてもよい複素環残基、置換基を有していてもよい芳香族環残基または下記一般式(2)で表される基を表し、
Qは−O−R、−NH−R、ハロゲン基、−X−Rまたは−X−Y−Zを表し、Rは水素原子、置換基を有してもよいアルキル基または置換基を有してもよいアルケニル基を表す。)
一般式(2)
Figure 2009067933
(式中、 Xは−NH−または−O−を表し、X及びXはそれぞれ独立に−NH−、−O−、−CONH−、−SONH−、−CHNH−または−CHNHCOCHNH−を表し、
及びRはそれぞれ独立に、有機色素残基、置換基を有していてもよい複素環残基、置換基を有していてもよい芳香族環残基または−Y−Zを表し、Y及びZは一般式(1)と同じ意味を表す。)
一般式(1)のR及び一般式(2)のR、Rで表される有機色素残基としては、例えばジケトピロロピロール系色素、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系色素、フタロシアニン系色素、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ぺリノン系色素、ぺリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、スレン系色素、金属錯体系色素等が挙げられる。
一般式(1)のR及び一般式(2)のR、Rで表される複素環残基および芳香族環残基としては、例えば、チオフェン、フラン、ピリジン、ピラゾール、ピロール、イミダゾール、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンズチアゾール、ベンズトリアゾール、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、ベンゼン、ナフタリン、アントラセン、フルオレン、フェナントレン、アントラキノン等が挙げられる。
一般式(1)及び一般式(2)のYは、炭素数20以下の置換基を有していてもよいアルキレン基、アルケニレン基またはアリーレン基を表すが、好ましくは置換されていてもよいフェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基または炭素数が10以下の側鎖を有していてもよいアルキレン基が挙げられる。
一般式(1)のQ中に含まれるRで表される置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基は、好ましくは炭素数20以下のものであり、更に好ましくは炭素数が10以下の側鎖を有していてもよいアルキル基が挙げられる。置換基を有しているアルキル基またはアルケニル基とは、アルキル基またはアルケニル基の水素原子がフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン基、水酸基、メルカプト基等に置換されたものである。
一般式(1)の式中Mは、1〜3価のカチオンの一当量を表し、例えば、水素原子、各種金属、4級アンモニウムカチオンを表す。
各種金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、ニッケル、コバルト等が挙げられる。
4級アンモニウムカチオンとしては、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ヒドロキシエチルアンモニウム、ジヒドロキシエチルアンモニウム、2−エチルヘキシルアンモニウム、ジメチルアミノプロピルアンモニウム、ラウリルアンモニウム、ステアリルアンモニウム等が挙げられる。
一般式(3)
Figure 2009067933
(式中、Xは直接結合、−NH−、−O−、−CONH−、−SONH−、−CHNH−、−CHNHCOCHNH−または−X−Y−または−X−Y−X10−を表し、Xは−CONH−、−SONH−、−CHNH−、−NHCO−または−NHSO−を表し、X10は−NH−または−O−を表し、Yは炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基または置換基を有してもよいアリーレン基を表し、
Zは−SOM、−COOMまたは−PO(OM) (Mは1〜3価のカチオンの一当量)を表し、
は有機色素残基を表し、nは1〜4の整数を表す。)
一般式(3)のRで表させる有機色素残基としては、例えばジケトピロロピロール系色素、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系色素、フタロシアニン系色素、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ぺリノン系色素、ぺリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、スレン系色素、金属錯体系色素等が挙げられる。Rで表させる有機色素残基には、一般的には色素と呼ばれていない淡黄色のアントラキノン残基を含む。
一般式(3)の式中のMは、1〜3価のカチオンの一当量を表し、例えば、水素原子、各種金属、4級アンモニウムカチオンを表す。
各種金属としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、ニッケル、コバルト等が挙げられる。
4級アンモニウムカチオンとしては、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ヒドロキシエチルアンモニウム、ジヒドロキシエチルアンモニウム、2−エチルヘキシルアンモニウム、ジメチルアミノプロピルアンモニウム、ラウリルアンモニウム、ステアリルアンモニウム等が挙げられる。
上記分散剤の合成方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、特公昭39−28884号公報、特公昭45−11026号公報、特公昭45−29755号公報、特公昭64−5070号公報、特開2004−217842号公報等に記載されている方法で合成することができる。
上記の酸性官能基有する各種誘導体の効果のひとつとして、添加した誘導体がカーボンナノチューブ表面に作用(例えば吸着)することにより、分散効果を発揮するものと考えられる。酸性官能基を有する有機色素誘導体または酸性官能基を有するトリアジン誘導体を溶剤中に完全ないしは一部溶解させ、その溶液中にカーボンナノチューブを添加、混合することで、これら誘導体のカーボンナノチューブへの作用(例えば吸着)が進むものと思われる。カーボンナノチューブに作用(例えば吸着)した誘導体が有する酸性官能基の極性により、溶剤に対する濡れが促進され、カーボンナノチューブの凝集が解しやすくなるものと思われる。また、後述する分散樹脂のアミノ基と上記誘導体が有する酸性官能基の相互作用(例えば酸−塩基相互作用)により、カーボンナノチューブの分散安定性が向上するものと考えられる。
本発明のコーティング用組成物に含まれる分散樹脂は、エチレン性不飽和二重結合を有し、且つアミノ基を有する。分散樹脂はエチレン性不飽和二重結合を有するため、塗膜形成時に分散樹脂を架橋させることにより、カーボンナノチューブを分散するのに十分な量の分散剤を添加しても塗膜硬度、耐溶剤性等が劣化せず、一般的な分散剤を使用する場合と比べて塗膜耐性を向上させることが出来る。
本発明におけるエチレン性不飽和二重結合およびアミノ基を有する分散樹脂としては、アミノ基およびエチレン性不飽和二重結合を導入するためのアミノ基以外の反応性官能基を有する重合体(a’)もしくはアミノ基を有する重合体(a’’)[(a’),(a’’)合わせて(A)と称す]に、1)前記反応性官能基と反応可能な官能基を有するエチレン性不飽和化合物を反応させる 2)アミノ基のモル数未満で、そのアミノ基と反応可能な官能基を有するエチレン性不飽和化合物を反応させることで得られる。いずれの方法でも、最終的にエチレン性不飽和二重結合およびアミノ基を有する形となれば良く、他の反応性官能基を有していても構わない。上記方法を用いて得られる分散樹脂の具体例としては、たとえば、アミノ基を有するポリアクリル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
エチレン性不飽和二重結合を導入するためのアミノ基以外の反応性官能基としては、水酸基、イソシアネート基、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、酸ハロゲン基が挙げられる。
また、前記反応性官能基と反応可能な官能基は、前記反応性官能基の種類により適宜選択され、特に制限はない。
アミノ基を有するポリアクリル(メタ)アクリレートは、基本骨格となる、アミノ基を有するエチレン性不飽和モノマーと、必要に応じてアミノ基以外の反応性官能基を有するエチレン性不飽和モノマーおよび/または他のエチレン性不飽和モノマーとの共重合体(A)に、前記反応性官能基および/またはアミノ基と反応可能な官能基を有するエチレン性不飽和化合物を反応させることで得られる。
アミノ基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、アミノエチル(メタ)アクリレート、ビニルアセトアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
アミノ基以外の反応性官能基を有するエチレン性不飽和モノマーのうち、水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリレート類とアリルエーテル類があり、(メタ)アクリレート類としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート−(メタ)アクリル酸付加物、1,1,1−トリメチロールプロパンまたはグリセロールのジ(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
水酸基を有するアリルエーテル類としては、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、トリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアクリレート、ジプロピレングリコールモノアクリレート、トリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、1,2−ブチレングリコールモノアリルエーテル、1,3−ブチレングリコールモノアリルエーテル、ヘキシレングリコールモノアリルエーテル、オコチレングリコールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリンモノアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル等が挙げられる。
アミノ基以外の反応性官能基を有するエチレン性不飽和モノマーのうち、イソシアネート基を有するものとしては、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネート等や、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のポリイソシアネートとを反応させて得られるもの等が挙げられる。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、グリシジルメタクリレート、グリシジルシンナメート、グリシジルアリルエーテル、グリシジルビニルエーテル、ビニルシクロヘキサンモノエポキサイド、1、3−ブタジエンモノエポキサイド等が挙げられる。
カルボキシル基を有するものとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等が挙げられる。
その他のエチレン性不飽和モノマーとしては、塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン、α−スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルアルコール、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、アクロニトリル等が挙げられる。
アミノ基またはそれ以外の反応性官能基と、前記反応性官能基と反応可能な官能基との組み合わせとしては、以下に示すような公知の種々の組み合わせと反応方法を採用することができる。
1)アミノ基以外の反応性官能基が水酸基である場合、これと反応可能な代表的な官能基としては、カルボキシル基およびその無水物、酸ハロゲン基、イソシアネート基、エポキシ基が挙げられる。
カルボキシル基、その無水物、または酸ハロゲン基を有するエチレン性不飽和化合物との反応は、水酸基を有する重合体(A)の溶液に触媒を添加し、カルボキシル基、その無水物、または酸ハロゲン基を有するエチレン性不飽和化合物を加え加熱することにより進められる。溶媒としては、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジオキソラン等のエーテル類等を用いることができる。触媒としては、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物が好ましく、触媒量は固形分に対し0.1〜1重量%である。反応は、ゲル化抑制のため空気下で行い、概ね反応温度は80〜120℃で、反応時間は1〜24時間である。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物との反応は、水酸基を有する重合体(A)の溶液に、触媒としてオクチル酸スズ、ジブチルジラウリン酸錫、オクチル酸亜鉛等の金属化合物、あるいはトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン等の3級アミンを0.05〜1PHR(Per Hundred Resin)添加し、加熱下メタクリロキシエチルメタクリレートを加えることにより進められる。溶媒としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類、エチレングリコールジメチルエーテル、1,3−ジオキソラン等のエーテル類等を用いることができる。
2)アミノ基以外の反応性官能基がエポキシ基である場合、これと反応可能な代表的な官能基としては、カルボキシル基、水酸基、アミノ基が挙げられる。
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物との反応は、エポキシ基を有する重合体(A)の溶液に触媒を添加し、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物を添加して加熱することにより進められる。反応条件としては、上記1)のアミノ基以外の反応性官能基が官能基が水酸基である場合と同様の条件が勧められるが、触媒としては、3級アミンが最も好ましい。
3)アミノ基以外の反応性官能基がイソシアネート基である場合、これと反応可能な代表的な官能基としては、水酸基、アミノ基が挙げられる。具体的には、水酸基を有するエチレン性不飽和合物、アミノ基を有するエチレン性不飽和化合物と、好ましくは上記1)のアミノ基以外の反応性官能基が水酸基である場合と同様の反応条件で反応させることにより、エチレン性不飽和二重結合を導入できる。
アミノ基を有するポリエステル(メタ)アクリレートとしては、基本骨格となるポリエステルにアミノ基を導入した重合体(A)、または基本骨格を構成する多塩基酸とポリオールのいずれかにアミノ基を予め導入したものを重縮合反応して得られる重合体(A)に、カルボキシル基もしくは水酸基と反応可能な官能基を有するエチレン性不飽和化合物を反応させることで得られる。
ポリエステル(メタ)アクリレートの基本骨格を構成する多塩基酸としては、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンニ酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘッド酸、ハイミック酸、クロレンディック酸、ダイマー酸、アジピン酸、こはく酸、アルケニルこはく酸、セバチン酸、アゼライン酸、2,2,4−トリメチルアジピン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、2−カリウムスルホテレフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、またはジメチル−ないしはジエチルエステルの如き、5−ナトリウムスルホイソフタル酸のジ−低級アルキルエステル類、あるいは、オルソフタル酸、4−スルホフタル酸、1,10−デカメチレンジカルボン酸、ムコン酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、トリメリット酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラブロムフタル酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸もしくはピロメリット酸、これらの酸無水物、またはメタノール、エタノール等のアルコールエステル化合物などが挙げられる。
これらの多塩基酸は、単独または混合物として使用することができる。
ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アルキレンポリオール、ポリカーボネートポリオール等が使用でき、また、単独で使用しても、2種以上の併用であってもよい。
アルキレンポリオールとしては、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、2,2,4−トリメチルペンタン−1,5−ジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、1,6−ジメチロールシクロヘキサンおよび2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(ビスフェノールA)のエトキシレート化/プロポキシレート化生成物、グリセロ−ル、トリメチロールプロパン、ポリテトラメチレングリコール、ヘキサントリオール、アジピン酸とエチレングリコールとの縮重合物、エリトリトール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトールおよびそのアルコキレート等、スピログリコール、トリシクロデカンジメチロール、水添ビスフェノールなどが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリテトラメチレングリコール、プロピレンオキサイド変性ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキサイド変性ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のエーテルグリコールあるいは、3官能以上のポリオールを開始剤として環状エーテルを開環重合してできるポリエーテルポリオール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、前述したポリオール類と前述した多塩基酸、あるいはγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクタム、置換ε−カプロラクトン、D−グリコノ−1,4−ラクトン、1,10−フェナントレンカルボラクトン、4−ペンテン−5−オリド、12−ドデカノリド等のラクトン類のエステル化反応、エステル交換反応により得られるものが使用できる。ここでいう置換ε−カプロラクトンとは、アルキル基が1〜12までの炭素原子を有する、種々のε−カプロラクトンであって、例えば、ε−メチルカプロラクトン、ε−エチルカプロラクトン、ε−プロピルカプロラクトン、ε−ドデシルカプロラクトンなどの1置換アルキルラクトン類から、2〜3のアルキル置換のもの等の環状エステル化合物をいう。
ポリカーボネートポリオールとしては、ジフェニルカーボネート、ビスクロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、フェニルトルイルカーボネート、フェニルクロロフェニルカーボーネートもしくは2−トリル−4−トリルカーボネート、またはジメチルカーボネートもしくはジエチルカーボネートのような、ジアリールないしジアルキルカーボネートと、前述した各種ポリオールと、ポリカルボン酸との反応生成物のような、ポリエステルジオールなどとのエステル交換反応により得られるもので代表されるポリオール類との反応により得られるカーボネート誘導体などが挙げられる。
重合体(A)にエチレン性不飽和二重結合を導入するために用いられる、カルボキシル基と反応可能な官能基を有するエチレン性不飽和化合物としては、前述したイソシアネート基、アミノ基または水酸基を有するエチレン性不飽和化合物が挙げられる。また、水酸基と反応可能な官能基を有するエチレン性不飽和化合物としては、前述したイソシアネート基、エポキシ基、カルボキシル基またはその酸無水物、酸ハロゲン基を有するエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
アミノ基を有するポリウレタン(メタ)アクリレートは、基本骨格を構成する下記のポリイソシアネートとポリオールまたはポリアミンとの重縮合により得られる、アミノ基および/またはそれ以外の反応性官能基を有する重合体(A)に、前記官能基と反応可能な官能基を有するエチレン性不飽和化合物を反応させることで得られる。前記重合体(A)が有するアミノ基以外の官能基としては、イソシアネート基、水酸基が挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、ジイソシアネート、例えば、2,4−または2,6−トルエンジイソシアネートおよびその異性体混合物、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびそのトライマー、イソホロンジイソシア、トリフェニルメタントリイソシアネートネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネートおよびジフェニルメタンジイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートなどのポリイソシアネート、上記ポリイソシアネートとポリオールを反応させて得られるアダクト体、上記ポリイソシアネートのアロファネート変性体、上記ポリイソシアネートのビュレット変性体、上記ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体、上記ポリイソシアネートのカルボジイミド変性体などが挙げられる。
ポリアミンとしては、直鎖または分枝の脂肪族または脂環式アミン、例えば、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミンドデカン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、4−アザヘプタメチレンジアミン、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミン、およびその混合物、末端第一級または第二級アミノ基を有するポリアミド、ポリアルキレンイミン、ポリエチレンイミン、ポリ−N−ビニルアセトアミドのようなポリ−N−ビニルアミドの加水分解により得られるビニルアミンが挙げられる。
ポリオールとしては、前述したものが挙げられる。
前記重合体(A)が有するアミノ基以外の反応性官能基は、イソシアネート基、水酸基である。重合体(A)に、これらの官能基と反応可能な官能基を有するエチレン性不飽和化合物を反応させることで、極性官能基を有するポリウレタン(メタ)アクリレートを得ることができる。
アミノ基を有するポリエポキシ(メタ)アクリレートは、基本骨格となるポリエポキシを構成するグリシジルエーテルとポリオールとを反応させることにより得られる、アミノ基および/またはそれ以外の反応性官能基を有する重合体(A)に、前記官能基と反応可能な官能基を有するエチレン性不飽和化合物を反応させることで得られる。前記重合体(A)が有する反応性官能基としては、水酸基、エポキシ基が挙げられる。
グリシジルエーテルは、アルコール成分と、エポキシ基に対してα位に適当な脱離基を有するエポキシ化合物とを反応させることによって得られる。ジグリジシルエーテルは、一般に脂肪族、脂環式または芳香族ジオールおよびエポキシ成分としてエピクロルヒドリンから製造される。エポキシ化合物対ジオール成分のモル比に応じて、この反応により、ジグリシジルエーテルを得るか、または増加量のジオールで高分子量の水酸基含有ジエポキシドを得ることが可能である。
ポリオールとしては、前述したものが挙げられる。
前記重合体(A)が有するアミノ基以外の反応性官能基は、水酸基、エポキシ基である。重合体(A)に、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物、例えばα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸、ジカルボン酸またはその無水物を反応させることで、アミノ基を有するポリエポキシ(メタ)アクリレートを得ることができる。
アミノ基を有するポリエーテル(メタ)アクリレートの基本骨格となるポリエーテルオールの重合体(A)は、エーテル結合および末端水酸基を有する、線状または分枝状の化合物である。ポリエーテルオールは、テトラヒドロフランのような環状エーテルを重合させるか、またはアルキル基中に2〜4個の炭素原子を有する1種以上のアルキレンオキシドを、アルキレン基中に2個の活性水素原子を有するスターター分子(starter molecule)と反応させることにより容易に製造することができる。アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、エピクロルヒドリン、1,2−または2,3−ブチレンオキシドが挙げられる。アルキレンオキシドは、単独で、または混合物として使用することができる。スターター分子としては、水、上述したグリコール、ポリエステルジオール、トリオールおよびポリオール、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンおよび4,4‘−ジアミノジフェニルメタンのようなアミン、およびエタノールアミンのようなアミノアルコールが挙げられる。ポリエステルオールのように、ポリエーテルオールも単独で、または混合物として使用することができる。
予めアミノ基を導入した水酸基を有する重合体(A)に、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物、例えばα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸、ジカルボン酸またはその無水物を反応させることで、アミノ基を有するポリエーテル(メタ)アクリレートを得ることができる。
次に、コーティング用組成物の製造方法について説明する。
コーティング用組成物は、酸性官能基を有する有機色素誘導体、または酸性官能基を有するトリアジン誘導体から選ばれる1種以上と、エチレン性不飽和二重結合を有し、且つアミノ基を有する分散樹脂の存在下、溶剤中でカーボンナノチューブを分散処理することにより製造することができる。
カーボンナノチューブを良好に分散するためには、酸性官能基を有する各種誘導体、エチレン性不飽和二重結合とアミノ基を有する分散剤をあらかじめ溶剤に溶解した後、カーボンナノチューブを添加して分散処理を行うことが好ましい。
酸性官能基を有する有機色素誘導体、または酸性官能基を有するトリアジン誘導体は、使用するカーボンナノチューブの比表面積に依存するが、カーボンナノチューブ100重量部に対し(2種以上の場合は合わせて)1から30重量部が好ましく、1から20重量部が更に好ましい。カーボンナノチューブの表面を被覆する程度の量で十分であり、必要以上に使用しても最終的な塗膜物性を低下させる可能性があるので、添加量は慎重に検討して決定する必要がある。
エチレン性不飽和二重結合を有し、且つアミノ基を有する分散樹脂についても、添加量はカーボンナノチューブの比表面積に依存し、カーボンナノチューブ100重量部に対し5から250重量部が好ましい。
また、このとき塗膜の耐性を損なわない範囲で、エチレン性不飽和二重結合を有さない分散樹脂を併用してよい。エチレン性不飽和二重結合を有さない分散樹脂の量は、カーボンナノチューブ100重量部に対して0〜30重量部(有効成分換算)、好ましくは0〜20重量部、更に好ましくは0〜15重量部である。エチレン性不飽和二重結合を有さない分散樹脂としては、市販の樹脂型分散剤が使用でき、例えば、EFKA CHEMICALS社製「エフカ44、46、47、48、49、54、63、64、65、66、71、701、764、766」、「エフカポリマー100(変性ポリアクリレート)、150(脂肪族系変性ポリマー)、400、401、402、403、450、451、452、453(変性ポリアクリレート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパース20000(塩基性基を含有する高分子共重合体)、24000SC、24000GR、28000、32000、21000(酸基を有する高分子共重合物)、36000、41000」、味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB−711(塩基性基を含有する高分子共重合物)、821(塩基性基および酸性基を含有する高分子共重合体)、822、PA−411(酸性基を含有する高分子共重合体)、PN−411」、共栄社化学社製「フローレン TG−710(ウレタンオリゴマー)」、「フローノンSH−290、SP−1000」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合物)」、楠本化成社製「ディスパロン KS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」、BYK Chemie社製「Anti−Terra−U(ポリアミノアマイド燐酸塩)」、「Anti−Terra−203/204(高分子量ポリカルボン酸塩)」、「Disperbyk−101(ポリアミノアマイド燐酸塩と酸エステル)、108(水酸基含有カルボン酸エステル)、116(塩基性基を含む共重合物)、110、111、(酸基を含む共重合物)、130(ポリアマイド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)、180、185」、「400」、「Bykumen」(高分子量不飽和酸エステル)、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸)」、日本油脂社製「マリアリムAKM−0531、AFB−0561、AFB−1521、AEM−3511、AAB−0851、AWS−0851」等が挙げられるがこれらに限定されない。またこれらの分散樹脂は、単独で使用しても良いし、二種類以上組み合わせて使用しても良い。
本発明のコーティング組成物を、紫外線や電子線等の活性エネルギー線で硬化する場合には、塗膜形成性材料として、分散樹脂以外の活性エネルギー線硬化型樹脂または活性エネルギー線により重合可能なモノマーを使用する。分散樹脂以外の活性エネルギー線硬化型樹脂または活性エネルギー線により重合可能なモノマーの添加量は、カーボンナノチューブの用途によって変わるため特に限定されない。
分散樹脂以外の活性エネルギー線硬化型樹脂としては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
活性エネルギー線により重合可能なモノマーのうち、単官能モノマーとしては、2−メトキシエチルアクリレート、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルフォリン、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、グリシジルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソデシルアクリレート、フェノキシメタクリレート、ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メチルフェノキシエチルアクリレート、ジプロピレングリコールアクリレート、エチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、1官能の脂環式エポキシ、1官能のオキセタン等が挙げられる。
また、活性エネルギー線により重合可能な2官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、プロポキシ化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、2−n−ブチルー2−エチルー1,3−プロパンジオールジアクリレート、ジメチロールートリシクロデカンジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、2官能の脂環式エポキシ、2官能のオキセタン等が挙げられる。
また、活性エネルギー線により重合可能な3官能モノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化イソシアヌール酸トリアクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート)トリアクリレート、プロポキシレートグリセリルトリアクリレート、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、3官能の脂環式エポキシ、3官能のオキセタン等が挙げられる。
さらに、活性エネルギー線により重合可能な4官能性以上のモノマーとしては、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。活性エネルギー線硬化型樹脂およびモノマーは、一種または必要に応じて二種以上用いても良い。
また、本発明のコーティング組成物を紫外線でラジカル重合により硬化する場合には、ラジカル光重合開始剤を更に配合する。ラジカル光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、4,4−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジエチルチオキサントン、2−メチル−1−(4−メチルチオ)フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、ビス−2,6−ジメトキシベンゾイル−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2,2−ジメチル−2−ヒドロキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,4,6−トリメチルベンジル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等が挙げられる。これらのラジカル光重合開始剤は1種または複数を組み合わせて使用することができる。
ラジカル光重合開始剤には、必要に応じて光重合促進剤を併用することができる。光重合促進剤としては、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、ベンジル4−ジメチルアミノベンゾエート等があげられる。これらのラジカル光重合促進剤は、1種または複数を組み合わせて使用することができる。
また、本発明のコーティング組成物をカチオン重合により硬化する場合には、活性エネルギー線の種類によらず、カチオン重合開始剤が必須成分である。カチオン重合開始剤としては、アリールスルホニウム塩誘導体(例えばユニオン・カーバイド社製のサイラキュアUVI−6990、サイラキュアUVI−6974、旭電化工業社製のアデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−152、アデカオプトマーSP−170、アデカオプトマーSP−172)、アリルヨードニウム塩誘導体(例えばローディア社製のRP−2074)、アレン−イオン錯体誘導体(例えばチバガイギー社製のイルガキュア261)、ジアゾニウム塩誘導体、トリアジン系開始剤及びその他のハロゲン化物等の酸発生剤が挙げられる。カチオン光重合開始剤と併用可能な光重合促進剤としては、アントラセン、アントラセン誘導体(例えば旭電化工業社製のアデカオプトマーSP−100、川崎化成の9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−エトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン)が挙げられる。これらのカチオン光重合開始剤、カチオン光重合促進剤は、1種または複数を組み合わせて使用することができる。
コーティング組成物に使用する溶剤としては、メチルエチルケトン等のケトン類、エチルアルコール等のアルコール類、酢酸エチル等のエステル類、その他エーテル類、セロソルブ類、カルビトール類、芳香族類等の有機溶剤が使用できるが、特に限定されない。また、分散樹脂が水溶性の場合は水を使用しても良いが、最終的な用途に合わせて溶剤を選択することが好ましい。また、上記溶剤の代わりに、200mPa・s以下の粘度を有するモノマーを使用してもよい。
カーボンナノチューブを分散するための装置としては、顔料分散等に通常用いられている分散機が使用できる。例えば、ディスパー、ホモミキサー、プラネタリーミキサー等のミキサー類、ホモジナイザー(エム・テクニック社製「クレアミックス」、PRIMIX社「フィルミックス」等)類、ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、コボールミル等のメディア型分散機、湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS−5」、奈良機械社製「MICROS」等のメディアレス分散機、その他ロールミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、カーボンナノチューブの用途に応じて、金属不純物が悪影響を与える可能性がある場合には、分散機からの金属混入防止処理を施したものを用いることが好ましい。
金属混入防止処理としては、例えば、メディア型分散機を使用する場合は、アジテーターおよびベッセルがセラミック製または樹脂製の分散機を使用する方法や、金属製アジテーターおよびベッセル表面をタングステンカーバイド溶射や樹脂コーティング等の処理をした分散機を用いることが好ましい。メディアとしては、ガラスビーズや、ジルコニアビーズ、アルミナビーズ等のセラミックビーズを用いることが好ましい。また、大きい径のメディアを使用するとカーボンナノチューブ繊維を破壊してしまう可能性があるため、メディア径は1.0mm以下が好ましく、0.5mm以下が更に好ましい。
ロールミルを使用する場合についても、セラミック製ロールを用いることが好ましい。分散装置は、1種のみを使用しても良いし、複数種の装置を組み合わせて使用しても良い。
[実施例]
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。実施例中、部は重量部を表す。塗膜の透明性(ヘイズ)については、基材(100μmのPETフィルム)に塗布した塗膜をヘイズメーター(日本電色社製「COH−300A」)で評価した。このとき、基材であるPETフィルムを標準として、塗膜のみのヘイズを求めた。塗膜の光沢値については、基材(100μmのPETフィルム)に塗布した塗膜を光沢計(日本電色社製「VG2000」)で測定した。塗膜の耐性については、鉛筆硬度およびMEKによるラビング試験により評価した。
<鉛筆硬度>
JIS K 5400に基づく鉛筆硬度試験により、塗膜が傷つかない最も硬い硬度を示す。
<MEKラビング>
綿棒にメチルエチルケトン(MEK)を含有させて塗膜を軽くこすった時の、下地が見えるまでの回数で評価した。
(実施例1)
ガラス瓶に、表1に示す酸性官能基を有する誘導体A 0.7部、下記一般式(7)で示されるポリエステル系分散樹脂A(重量平均分子量約8000)5部およびメチルエチルケトン87.3部を仕込み、誘導体および分散樹脂を溶解させた。次に、カーボンナノチューブ(多層、繊維径10〜30nm、繊維長1〜10μm)7部を添加し、メディアとしてジルコニアビーズを加えペイントシェーカーで分散することでカーボンナノチューブ分散体Aを得た。続いて、トリメチロールプロパントリアクリレート 1.4部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート 0.94部、 エポキシアクリレート(ダイセルユーシービー社製「Ebecryl 600」)2.34部、および塗料添加剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製「SH28PA」)0.01部の混合物に、カーボンナノチューブ分散体A 44.1部を加え、高速ディスパーを用いて混合し、コーティング組成物Aを得た。
次に、コーティング組成物Aを100μmのPETフィルムに塗布し、70℃で3分乾燥後、電子線照射装置(東洋インキ製造社製「Min-EB」)で40KGyの電子線を照射して膜厚2μmの塗膜Aを得た。
一般式(7)
Figure 2009067933
(実施例2)
ガラス瓶に、表1に示す酸性官能基を有する誘導体B 0.8部、一般式(7)で示されるポリエステル系分散樹脂A(重量平均分子量約8000)6.4部、エチレン性不飽和二重結合がない分散樹脂Disperbyk116(ビックケミー社製)0.8部およびメチルエチルケトン84.0部を仕込み、誘導体および分散樹脂を溶解させた。次に、カーボンナノチューブ(多層、繊維径10〜30nm、繊維長1〜10μm)8部を添加し、メディアとしてジルコニアビーズを加えペイントシェーカーで分散することでカーボンナノチューブ分散体Bを得た。続いて、トリメチロールプロパントリアクリレート 1.4部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート 0.94部、エポキシアクリレート(ダイセルユーシービー社製「Ebecryl 600」)2.34部、および塗料添加剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製「SH28PA」)0.01部の混合物に、カーボンナノチューブ分散体B44.0部を加え、高速ディスパーを用いて混合し、コーティング組成物Bを得た。コーティング組成物Bを100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに塗布し、70℃で3分乾燥後、電子線照射装置(東洋インキ製造社製「Min-EB」)で40KGyの電子線を照射して膜厚2μmの塗膜Bを得た。
(実施例3)
ガラス瓶に、表1に示す酸性官能基を有する誘導体C 0.5部、アミン変性ポリエーテルアクリレートEBECRYL83(ダイセルサイテック社製、分子量1000)5.2部およびメチルエチルケトン87.3部を仕込み、誘導体および分散樹脂を溶解させた。次に、カーボンナノチューブ(多層、繊維径150nm、繊維長10〜20μm)7部を添加し、メディアとしてジルコニアビーズを加えペイントシェーカーで分散することでカーボンナノチューブ分散体Cを得た。続いて、トリメチロールプロパントリアクリレート 1.4部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート 0.94部、 エポキシアクリレート(ダイセルユーシービー社製「Ebecryl 600」)2.34部、および塗料添加剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製「SH28PA」)0.01部の混合物に、カーボンナノチューブ分散体C 44.1部を加え、高速ディスパーを用いて混合し、コーティング組成物Cを得た。
次に、コーティング組成物Cを100μmのPETフィルムに塗布し、70℃で3分乾燥後、電子線照射装置(東洋インキ製造社製「Min-EB」)で40KGyの電子線を照射して膜厚2μmの塗膜Cを得た。
(実施例4)
ガラス瓶に、表1に示す酸性官能基を有する誘導体D 1.0部、一般式(7)で示されるポリエステル系分散樹脂A 11部およびメチルエチルケトン83部を仕込み、誘導体および分散樹脂を溶解させた。次に、カーボンナノチューブ(単層、繊維径1〜2nm、繊維長1〜10μm)5部を添加し、メディアとしてジルコニアビーズを加えペイントシェーカーで分散することでカーボンナノチューブ分散体Dを得た。続いて、トリメチロールプロパントリアクリレート 1.4部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート 0.94部、エポキシアクリレート(ダイセルユーシービー社製「Ebecryl 600」)2.34部、および塗料添加剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製「SH28PA」)0.01部、ラジカル光重合開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガキュア907」)0.6部、およびイソプロピルチオキサントン 0.3部の混合物に、カーボンナノチューブ分散体D 12.3部を加え、高速ディスパーを用いて混合し、コーティング組成物Dを得た。コーティング組成物Dを100μmのPETフィルムに塗布し、70℃で3分乾燥後、窒素雰囲気下、紫外線照射装置(Fusion UV system Japan 社製、無電極タイプ)を用い、200W 、1m/minの条件で紫外線を照射して膜厚2μmの塗膜Dを得た。
(実施例5)
実施例3と同様の方法でカーボンナノチューブ分散体塗膜Eを作成した。使用した酸性官能基を有する誘導体、エチレン性不飽和二重結合およびアミノ基を有する分散樹脂、カーボンナノチューブは表2の通りである。
(実施例6、7)
実施例1と同様の方法でカーボンナノチューブ分散体塗膜F、Gを作成した。使用した酸性官能基を有する誘導体、エチレン性不飽和二重結合およびアミノ基を有する分散樹脂、カーボンナノチューブは表2の通りである。
(実施例8〜10)
実施例4と同様の方法でカーボンナノチューブ分散体H〜Jを作成した。使用した酸性官能基を有する誘導体、エチレン性不飽和二重結合およびアミノ基を有する分散樹脂、カーボンナノチューブは表3の通りである。
(比較例1)
ガラス瓶に、エチレン性不飽和二重結合がない分散樹脂ソルスパーズ32000(LUBRIZOL社製)7部およびメチルエチルケトン86.0部を仕込み、分散樹脂を溶解させた。次に、カーボンナノチューブ(多層、繊維径10〜30nm、繊維長1〜10μm)7部を添加し、メディアとしてジルコニアビーズを加えペイントシェーカーで分散することでカーボンナノチューブ分散体Kを得た。続いて、トリメチロールプロパントリアクリレート 1.4部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート 0.94部、 エポキシアクリレート(ダイセルユーシービー社製「Ebecryl 600」)2.34部、および塗料添加剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製「SH28PA」)0.01部の混合液に、カーボンナノチューブ分散体K 50.3部を加え、高速ディスパーを用いて混合し、コーティング組成物Kを得た。
次に、コーティング組成物Kを100μmのPETフィルムに塗布し、70℃で3分乾燥後、電子線照射装置(東洋インキ製造社製「Min-EB」)で40KGyの電子線を照射して膜厚2μmの塗膜Kを得た。
(比較例2)
カーボンナノチューブとして、多層、繊維径50〜80nm、繊維長10〜30μmを使用する以外は、比較例1と同様の方法で、塗膜Lを作成した。
(比較例3)
ガラス瓶に、エチレン性不飽和二重結合がない分散樹脂Disperbyk116(ビックケミー社製) 12部およびメチルエチルケトン83部を仕込み、誘導体および分散樹脂を溶解させた。次に、カーボンナノチューブ(単層、繊維径1〜2nm、繊維長1〜10μm)5部を添加し、メディアとしてジルコニアビーズを加えペイントシェーカーで分散することでカーボンナノチューブ分散体Mを得た。続いて、トリメチロールプロパントリアクリレート 1.4部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート 0.94部、エポキシアクリレート(ダイセルユーシービー社製「Ebecryl 600」)2.34部、および塗料添加剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製「SH28PA」)0.01部、ラジカル光重合開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガキュア907」)0.6部、およびイソプロピルチオキサントン 0.3部の混合物に、カーボンナノチューブ分散体M 12.3部を加え、高速ディスパーを用いて混合し、コーティング組成物Mを得た。コーティング組成物Mを100μmのPETフィルムに塗布し、70℃で3分乾燥後、窒素雰囲気下、紫外線照射装置(Fusion UV system Japan 社製、無電極タイプ)を用い、200W 、1m/minの条件で紫外線を照射して膜厚2μmの塗膜Mを得た。
実施例1〜3、5〜7および比較例1、2で得られた塗膜の鉛筆硬度、MEKラビング試験の結果、光沢値(60°−60°)、および該組成物を40℃で10日経時させた後に作成した塗膜の光沢値を表2に示す。結果の通り、本発明のコーティング組成物は、一般的な分散剤を用いた系と比較すると、分散性および分散安定性に優れ、塗膜の硬度、耐溶剤性が高い。
実施例4、8〜10および比較例3で得られた塗膜の鉛筆硬度、MEKラビング試験の結果、ヘイズ値、および該組成物を40℃で10日経時させた後に作成した塗膜のヘイズ値を表3に示す。これら検討では、塗膜の透明性を出すために繊維径が小さい単層もしくは二層のカーボンナノチューブを使用した。結果の通り、本発明のコーティング組成物は、一般的な分散剤を用いた系と比較すると、分散性および分散安定性に優れ、かつ塗膜の硬度、耐溶剤性が高い。
Figure 2009067933
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本発明のコーティング用組成物は、カーボンナノチューブの絡み合いをほぐし良好に分散可能であるため、カーボンナノチューブの電子放出性、導電性等の特性を十分に活かすことが出来、また必要に応じ透明性の高い塗膜を作成することが可能である。更には、重合に寄与出来るエチレン性不飽和二重結合を有する分散樹脂を使用しているため、カーボンナノチューブを分散するのに十分な量の分散剤を添加しても、活性エネルギー線硬化後の塗膜耐性が高い。よって、透明導電性用途、ディスプレー用途、各種電池用途等への展開が可能である。

Claims (3)

  1. カーボンナノチューブと、酸性官能基を有する有機色素誘導体、または酸性官能基を有するトリアジン誘導体から選ばれる1種以上と、エチレン性不飽和二重結合を有し、且つアミノ基を有する分散樹脂を含むことを特徴とするコーティング用組成物。
  2. 分散樹脂のエチレン性不飽和二重結合が、アクリロイル基もしくはメタアクリロイル基である請求項1記載のコーティング用組成物。
  3. 更に、塗膜形成性材料として、分散樹脂以外の活性エネルギー線硬化型樹脂またはモノマーを含むことを特徴とする請求項1または2記載のコーティング用組成物。

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