JP2010285521A - カーボンナノチューブを含有する水性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた分散安定性を有するカーボンナノチューブ含有水性組成物を提供する。
【解決手段】ニッケル/酸化マグネシウムからなる触媒、又はニッケル/酸化アルミニウムからなる触媒を用いて作製したカーボンナノチューブと、水溶性樹脂又は水分散性樹脂からなるバインダーとを含有する水性組成物。
【選択図】図1

Description

本発明は、水分散性の良好なカーボンナノチューブを用いた水性組成物に関する。
カーボンナノチューブ(Carbon Nanotube; CNT)とは、炭素原子が六角形の蜂の巣パターンに結合されてチューブ状をなす材料であって、異方性が高く、シングルウォール、マルチウォール、束状等の多様な構造を有し、チューブの直径がナノメータ程度に極めて小さい材料である。カーボンナノチューブは、高い導電性、機械的強度等の特徴を有することから、燃料電池、電極、電磁波シールド材、導電性樹脂、電界放出ディスプレー(FED)用部材、水素を始めとする各種ガスの吸蔵材料等、幅広い分野への利用が期待されている。カーボンナノチューブは、アーク放電法、熱分解法、レーザー蒸着法、プラズマ化学気相蒸着法、熱化学気相蒸着法、電気分解法等の方法で合成される。
カーボンナノチューブを導電性被膜や機能性複合体に応用するためには、カーボンナノチューブを適切な分散媒に分散させることが必要となる。しかしながら、カーボンナノチューブは、ファン・デル・ワールス力が高いため非常に凝集しやすい。カーボンナノチューブが凝集すると、機械的強度及び導電性を向上する三次元的ネットワーク構造の形成が阻害される。従って、カーボンナノチューブを様々な分野で適用させるためには、水分散性に優れたカーボンナノチューブ、及び/又はカーボンナノチューブを良好に分散する技術の開発が強く望まれている。
特開2007-157440(引用文献1)は、分子中に芳香環を有するスルホン酸系分散剤及びバインダーを含む水系媒体中にマルチウォールカーボンナノチューブが分散された導電性クリヤー用水性組成物を開示しており、特開2007-238859(引用文献2)は、分子中に芳香環を有するスルホン酸系分散剤及びバインダーを含む水系媒体中にシングルウォールカーボンナノチューブが分散された導電性クリヤー用水性組成物を開示している。特開2007-157440(引用文献1)及び特開2007-238859(引用文献2)は、これらの水性組成物は導電性及び透明性に優れた被膜を形成することができると記載している。
しかしながら、前記マルチウォールカーボンナノチューブやシングルウォールカーボンナノチューブはもともと水に対する分散性が著しく低く、安定な水性組成物を得るためにはカーボンナノチューブと同量又はそれ以上の量の多量の分散剤を使用する必要がある。さらに、バインダー樹脂との親和性も十分ではないので、塗膜形性時に相分離が起こり、その結果高い導電性が得られない場合がある。
特開2007-157440号公報 特開2007-238859号公報
従って、本発明の目的は、優れた分散安定性を有するカーボンナノチューブ含有水性組成物を提供することにある。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、90質量%のニッケルと10質量%の酸化マグネシウムとからなる触媒、又は95質量%のニッケルと5質量%の酸化アルミニウムとからなる触媒を用いて作製したカーボンナノチューブが高い水分散性を有することを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の水性組成物は、ニッケル/酸化マグネシウム触媒、又はニッケル/酸化アルミニウム触媒を用いて作製したカーボンナノチューブと、水溶性樹脂又は水分散性樹脂からなるバインダーとを含有することを特徴とする。
前記ニッケル/酸化マグネシウム触媒は90質量%のニッケルと10質量%の酸化マグネシウムとからなるのが好ましい。
前記ニッケル/酸化アルミニウム触媒は95質量%のニッケルと5質量%の酸化アルミニウムとからなるのが好ましい。
前記カーボンナノチューブがカップスタック型であるのが好ましい。
前記バインダーは、活性エネルギー線で硬化する樹脂を含むのが好ましい。
本発明の水性組成物は、分散剤を含有するのが好ましい。前記分散剤の添加量は、前記カーボンナノチューブに対し0.1〜100質量%であるのが好ましい。
本発明の水性組成物は、分散性に優れたカーボンナノチューブを含有するので、凝集や相分離が起こらず透明性及び導電性に優れた被膜を形成することができる。また、カーボンナノチューブの優れた分散性のため分散剤の使用量が少なくて済む。
カーボンナノチューブを合成するための装置の一例を示す模式図である。 図1のA-A断面図である。
[1]水性組成物
(1)カーボンナノチューブ
カーボンナノチューブは、グラファイトを筒状に巻いた形状を有する炭素材料であり、数nmから100 nm程度の直径、及び数nmから1 mm程度の長さを有する。半導体特性及び塗膜の透明性を発揮するには直径50 nm以下が好ましく、特に15 nm以下が好ましい。長さは100 nmから1 mmが好ましく、特に500 nmから1 mmが好ましい。カーボンナノチューブには単層のもの、多層構造になったもの、カップスタック状のもの等があるが、本発明に使用するカーボンナノチューブは、カップスタック状の構造が好ましい。
(2)水溶性樹脂又は水分散性樹脂からなるバインダー
バインダーは、水性組成物中に分散されていてもよく溶解されていてもよい。バインダーとしては、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルシリコン系樹脂、非塩素化ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂等の水溶性樹脂又は水分散物(ラテックス)が挙げられる。バインダーが水分散物の場合、粒子の平均一次粒径は0.01〜1μmであるのが好ましく、0.1〜1μmであるのがさらに好ましい。
水溶性樹脂及び水分散性樹脂は市販品として入手可能である。アクリル系樹脂の水溶液は、ジョンクリル60(ジョンソンポリマー(株)製)等として入手可能である。ウレタン系樹脂の水系分散液は、ハイドランHW171(大日本インキ化学工業(株)製)、ハイドランAP-40N(大日本インキ化学工業(株)製)等として入手可能である。アクリル系樹脂の水系分散液は、ボンコートHY364(大日本インキ化学工業(株)製)、ネオクリルXK-12(DSM社製)等として入手可能である。アクリルシリコン系樹脂の水系分散液は、カネビノールKD4(日本NSC(株)製)等として入手可能である。非塩素化ポリオレフィン系樹脂の水系分散液は、アローベースSB1010(ユニチカ(株)製)等として入手可能である。ポリエステル系樹脂の水系分散液は、バイロナールMD1245(東洋紡績(株)製)等として入手可能である。
バインダーの水性組成物中における含有量は、本発明の目的が達成される限り特に制限されるものではなく、通常はカーボンナノファイバー100質量部に対して100〜1200質量部が好適であり、被膜の強度の向上と被膜の導電性のさらなる向上との観点からは400〜1000質量部が好ましい。バインダーの上記含有量は樹脂自体の含有量を示すものであり、いかなる形態で使用される場合においても、樹脂固形分の量が上記範囲内であればよい。
<エチレン性不飽和二重結合を有する分散樹脂>
バインダーとして、エチレン性不飽和二重結合を有し、かつ-COOM、-SO3M、-PO(OM)2(Mは、水素原子、4級アミン又はアルカリ金属を表す。)から選ばれる少なくとも一種の酸性官能基(以下、特定の酸性官能基という。)を有する分散樹脂を用いるのが好ましい。分散樹脂は親水性基を有するためカーボンナノチューブの分散安定化に寄与するとともに、エチレン性不飽和二重結合を有するため、塗膜形成時に分散樹脂を架橋させることができ、そのためカーボンナノチューブを分散するための分散剤を添加しても塗膜硬度、耐溶剤性等が劣化せず、高い塗膜耐性を有する塗膜を得ることができる。
前記分散樹脂は、特定の酸性官能基及びエチレン性不飽和二重結合を導入するための特定の酸性官能基以外の反応性官能基を有する重合体(a')又は特定の酸性官能基を有する重合体(a'')[(a'),(a'')合わせて(A)と称す]に、1)前記反応性官能基と反応可能な官能基を有するエチレン性不飽和化合物を反応させる、又は 2)特定の酸性官能基のモル数未満で、その酸性官能基と反応可能な官能基を有するエチレン性不飽和化合物を反応させることで得られる。いずれの方法でも、最終的にエチレン性不飽和二重結合及び特定の酸性官能基を有する形となれば良く、他の反応性官能基を有していても構わない。上記方法を用いて得られる分散樹脂の具体例としては、特定の酸性官能基を有するポリアクリル(メタ)アクリレート、特定の酸性官能基を有するポリウレタン(メタ)アクリレート、特定の酸性官能基を有するポリエポキシ(メタ)アクリレート、特定の酸性官能基を有するポリエステル(メタ)アクリレート、特定の酸性官能基を有するポリエーテル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エチレン性不飽和二重結合を導入するための特定の酸性官能基以外の反応性官能基としては、水酸基、イソシアネート基、エポキシ基、アミノ基、酸無水物基、酸ハロゲン基が挙げられる。
前記反応性官能基と反応可能な官能基は、前記反応性官能基の種類により適宜選択され、特に制限はない。
特定の酸性官能基を有するポリアクリル(メタ)アクリレートは、基本骨格となる、特定の酸性官能基を有するエチレン性不飽和モノマーと、必要に応じて特定の酸性官能基以外の反応性官能基を有するエチレン性不飽和モノマー及び/又は他のエチレン性不飽和モノマーとの共重合体(A)に、前記反応性官能基及び/又は特定の酸性官能基と反応可能な官能基を有するエチレン性不飽和化合物を反応させることで得られる。
特定の酸性官能基を有するエチレン性不飽和モノマーのうち、カルボキシル基を有するものとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等が挙げられる。
スルホン酸基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、スチレンスルホン酸が挙げられる。
リン酸基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、アルキレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド変性アルコキシリン酸(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド変性アルコキシリン酸ジ(メタ)アクリレート、グリシジル基を含む(メタ)アクリレートとリン酸とを反応させて得られるアダクト体等が挙げられる。
特定の酸性官能基以外の反応性官能基を有するエチレン性不飽和モノマーのうち、水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリレート類とアリルエーテル類があり、(メタ)アクリレート類としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシ-2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート-(メタ)アクリル酸付加物、1,1,1-トリメチロールプロパン又はグリセロールのジ(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
水酸基を有するアリルエーテル類としては、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、トリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアクリレート、ジプロピレングリコールモノアクリレート、トリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、1,2-ブチレングリコールモノアリルエーテル、1,3-ブチレングリコールモノアリルエーテル、ヘキシレングリコールモノアリルエーテル、オコチレングリコールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリンモノアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル等が挙げられる。
特定の酸性官能基以外の反応性官能基を有するエチレン性不飽和モノマーのうち、イソシアネート基を有するものとしては、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネート等や、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のポリイソシアネートとを反応させて得られるもの等が挙げられる。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、グリシジルメタクリレート、グリシジルシンナメート、グリシジルアリルエーテル、グリシジルビニルエーテル、ビニルシクロヘキサンモノエポキサイド、1,3-ブタジエンモノエポキサイド等が挙げられる。
アミノ基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、アミノエチル(メタ)アクリレート、ビニルアセトアミド等が挙げられる。3級アミノ基(アミノ基の2つの水素原子が炭化水素基で置換されたもの)を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
その他のエチレン性不飽和モノマーとしては、塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン、α-スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルアルコール、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、アクロニトリル等が挙げられる。
特定の酸性官能基又はそれ以外の反応性官能基と、前記反応性官能基と反応可能な官能基との組み合わせとしては、以下に示すような公知の種々の組み合わせと反応方法を採用することができる。
1)特定の酸性官能基以外の反応性官能基が水酸基である場合
水酸基と反応可能な代表的な官能基としては、カルボキシル基及びその無水物、酸ハロゲン基、イソシアネート基、エポキシ基が挙げられる。
カルボキシル基、その無水物、又は酸ハロゲン基を有するエチレン性不飽和化合物との反応は、水酸基を有する重合体(A)の溶液に触媒を添加し、カルボキシル基、その無水物、又は酸ハロゲン基を有するエチレン性不飽和化合物を加え加熱することにより進められる。溶媒としては、2-ブタノン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジオキソラン等のエーテル類等を用いることができる。触媒としては、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物が好ましく、触媒量は固形分に対し0.1〜1質量%である。反応は、ゲル化抑制のため空気下で行い、概ね反応温度は80〜120℃で、反応時間は1〜24時間である。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物との反応は、水酸基を有する重合体(A)の溶液に、触媒としてオクチル酸スズ、ジブチルジラウリン酸錫、オクチル酸亜鉛等の金属化合物、又はトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン等の3級アミンを0.05〜1PHR(Per Hundred Resin)添加し、加熱下メタクリロキシエチルメタクリレートを加えることにより進められる。溶媒としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類、エチレングリコールジメチルエーテル、1,3-ジオキソラン等のエーテル類等を用いることができる。
2)特定の酸性官能基以外の反応性官能基がエポキシ基である場合
エポキシ基と反応可能な代表的な官能基としては、カルボキシル基、水酸基、アミノ基が挙げられる。
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物との反応は、エポキシ基を有する重合体(A)の溶液に触媒を添加し、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物を添加して加熱することにより進められる。反応条件としては、上記1)の特定の酸性官能基以外の反応性官能基が水酸基である場合と同様の条件が好ましいが、触媒としては、3級アミンが最も好ましい。
3)特定の極性官能基以外の反応性官能基がイソシアネート基である場合
イソシアネート基と反応可能な代表的な官能基としては、水酸基、アミノ基が挙げられる。水酸基を有するエチレン性不飽和合物、アミノ基を有するエチレン性不飽和化合物と、好ましくは上記1)の特定の酸性官能基以外の反応性官能基が水酸基である場合と同様の反応条件で反応させることにより、エチレン性不飽和二重結合を導入できる。
特定の酸性官能基を有するポリエステル(メタ)アクリレートとしては、基本骨格となるポリエステルに酸性官能基を導入した重合体(A)、又は基本骨格を構成する多塩基酸とポリオールのいずれかに酸性官能基をあらかじめ導入したものを重縮合反応して得られる重合体(A)に、カルボキシル基又は水酸基と反応可能な官能基を有するエチレン性不飽和化合物を反応させることで得られる。
ポリエステル(メタ)アクリレートの基本骨格を構成する多塩基酸としては、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンニ酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘッド酸、ハイミック酸、クロレンディック酸、ダイマー酸、アジピン酸、こはく酸、アルケニルこはく酸、セバチン酸、アゼライン酸、2,2,4-トリメチルアジピン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、2-ナトリウムスルホテレフタル酸、2-カリウムスルホテレフタル酸、イソフタル酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、5-カリウムスルホイソフタル酸、又はジメチル-ないしはジエチルエステルの如き、5-ナトリウムスルホイソフタル酸のジ-低級アルキルエステル類、あるいは、オルソフタル酸、4-スルホフタル酸、1,10-デカメチレンジカルボン酸、ムコン酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、トリメリット酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラブロムフタル酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸もしくはピロメリット酸、これらの酸無水物、又はメタノール、エタノール等のアルコールエステル化合物等が挙げられる。これらの多塩基酸は、単独又は混合物として使用することができる。
酸性官能基を有する多塩基酸としては、スルホこはく酸、4-スルホフタル酸、スルホテレフタル酸、4-スルホナフタレン-2,7-ジカルボン酸、5-(4-スルホフェノキシ)テレフタル酸、スルホイソフタル酸又は金属スルホン酸塩等が挙げられる。
酸性官能基を有するポリオールとしては、2-スルホ-1,4-ブタンジオール、2,5-ジメチル-3-スルホ-2,5-ヘキサンジオール及びその金属塩等が挙げられる。
ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アルキレンポリオール、ポリカーボネートポリオール等を、単独又は組み合わせて使用できる。
アルキレンポリオールとしては、1,2-エタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,10-デカンジオール、ジエチレングリコール、2,2,4-トリメチルペンタン-1,5-ジオール、2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール、1,4-ジメチロールシクロヘキサン、1,6-ジメチロールシクロヘキサン及び2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-プロパン(ビスフェノールA)のエトキシレート化/プロポキシレート化生成物、グリセロ-ル、トリメチロールプロパン、ポリテトラメチレングリコール、ヘキサントリオール、アジピン酸とエチレングリコールとの縮重合物、エリトリトール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール及びそのアルコキレート等、スピログリコール、トリシクロデカンジメチロール、水添ビスフェノール等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリテトラメチレングリコール、プロピレンオキサイド変性ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキサイド変性ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のエーテルグリコールあるいは、3官能以上のポリオールを開始剤として環状エーテルを開環重合してできるポリエーテルポリオール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、前述したポリオール類と前述した多塩基酸、あるいはγ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、δ-バレロラクトン、ε-カプロラクタム、置換ε-カプロラクトン、D-グリコノ-1,4-ラクトン、1,10-フェナントレンカルボラクトン、4-ペンテン-5-オリド、12-ドデカノリド等のラクトン類のエステル化反応、エステル交換反応により得られるものが使用できる。ここでいう置換ε-カプロラクトンとは、アルキル基が1〜12までの炭素原子を有する、種々のε-カプロラクトンであって、例えば、ε-メチルカプロラクトン、ε-エチルカプロラクトン、ε-プロピルカプロラクトン、ε-ドデシルカプロラクトン等の1置換アルキルラクトン類から、2〜3のアルキル置換のものの環状エステル化合物をいう。
ポリカーボネートポリオールとしては、ジフェニルカーボネート、ビスクロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、フェニルトルイルカーボネート、フェニルクロロフェニルカーボーネートもしくは2-トリル-4-トリルカーボネート、又はジメチルカーボネートもしくはジエチルカーボネートのような、ジアリールないしジアルキルカーボネートと、前述した各種ポリオールと、ポリカルボン酸との反応生成物のような、ポリエステルジオール等とのエステル交換反応により得られるもので代表されるポリオール類との反応により得られるカーボネート誘導体等が挙げられる。
重合体(A)に酸性官能基であるスルホン酸基を導入する方法としては、スルホン酸化剤でスルホン酸化する方法が挙げられる。スルホン酸化剤としては、濃硫酸、発煙硫酸、クロロ硫酸、アミド硫酸等を用いることできる。
リン酸基は、例えば、水酸基にリン酸化剤であるリン酸、五酸化リン、オキシ塩化リンを作用させてリン酸エステルとして導入することができる。カルボキシル基は、適宜、加水分解を行うことで導入することが可能である。
重合体(A)にエチレン性不飽和二重結合を導入するために用いられる、カルボキシル基と反応可能な官能基を有するエチレン性不飽和化合物としては、イソシアネート基、アミノ基又は水酸基を有するエチレン性不飽和化合物が挙げられる。水酸基と反応可能な官能基を有するエチレン性不飽和化合物としては、イソシアネート基、エポキシ基、カルボキシル基又はその酸無水物、酸ハロゲン基を有するエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
特定の酸性官能基を有するポリウレタン(メタ)アクリレートは、基本骨格を構成する下記のポリイソシアネートとポリオール又はポリアミンとの重縮合により得られる、酸性官能基及び/又はそれ以外の反応性官能基を有する重合体(A)に、前記官能基と反応可能な官能基を有するエチレン性不飽和化合物を反応させることで得られる。前記重合体(A)が有する酸性官能基以外の官能基としては、イソシアネート基、水酸基、アミノ基が挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、ジイソシアネート、2,4-又は2,6-トルエンジイソシアネート及びその異性体混合物、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びそのトライマー、イソホロンジイソシア、トリフェニルメタントリイソシアネートネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート及びジフェニルメタンジイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート等のポリイソシアネート、上記ポリイソシアネートとポリオールを反応させて得られるアダクト体、上記ポリイソシアネートのアロファネート変性体、上記ポリイソシアネートのビュレット変性体、上記ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体、上記ポリイソシアネートのカルボジイミド変性体等が挙げられる。
ポリアミンとしては、直鎖又は分枝の脂肪族又は脂環式アミン、エチレンジアミン、1,2-ジアミノプロパン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミンドデカン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、4-アザヘプタメチレンジアミン、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)ブタン-1,4-ジアミン、及びその混合物、末端第一級又は第二級アミノ基を有するポリアミド、ポリアルキレンイミン、ポリエチレンイミン、ポリ-N-ビニルアセトアミドのようなポリ-N-ビニルアミドの加水分解により得られるビニルアミン等が挙げられる。
ポリオールとしては、前述したものが挙げられる。
重合体(A)には、ポリエステル(メタ)アクリレートの場合と同様にして、スルホン酸基やリン酸基を導入することができる。
前記重合体(A)が有する酸性官能基以外の反応性官能基は、イソシアネート基、水酸基、アミノ基である。重合体(A)に、これらの官能基と反応可能な官能基を有するエチレン性不飽和化合物を反応させることで、極性官能基を有するポリウレタン(メタ)アクリレートを得ることができる。
特定の酸性官能基を有するポリエポキシ(メタ)アクリレートは、基本骨格となるポリエポキシを構成するグリシジルエーテルとポリオールとを反応させることにより得られる、酸性官能基及び/又はそれ以外の反応性官能基を有する重合体(A)に、前記官能基と反応可能な官能基を有するエチレン性不飽和化合物を反応させることで得られる。前記重合体(A)が有する反応性官能基としては、水酸基、エポキシ基が挙げられる。
グリシジルエーテルは、アルコール成分と、エポキシ基に対してα位に適当な脱離基を有するエポキシ化合物とを反応させることによって得られる。ジグリジシルエーテルは、一般に脂肪族、脂環式又は芳香族ジオール及びエポキシ成分としてエピクロルヒドリンから製造される。エポキシ化合物対ジオール成分のモル比に応じて、この反応により、ジグリシジルエーテルを得るか、又は増加量のジオールで高分子量の水酸基含有ジエポキシドを得ることが可能である。
ポリオールとしては、前述したものが挙げられる。
重合体(A)には、ポリエステル(メタ)アクリレートの場合と同様にして、スルホン酸基やリン酸基を導入することができる。
前記重合体(A)が有する酸性官能基以外の反応性官能基は、水酸基、エポキシ基である。重合体(A)に、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物、例えばα,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸、ジカルボン酸又はその無水物を反応させることで、酸性官能基を有するポリエポキシ(メタ)アクリレートを得ることができる。
特定の酸性官能基を有するポリエーテル(メタ)アクリレートの基本骨格となるポリエーテルオールの重合体(A)は、エーテル結合及び末端水酸基を有する、線状又は分枝状の化合物である。ポリエーテルオールは、テトラヒドロフランのような環状エーテルを重合させるか、又はアルキル基中に2〜4個の炭素原子を有する1種以上のアルキレンオキシドを、アルキレン基中に2個の活性水素原子を有するスターター分子(starter molecule)と反応させることにより容易に製造することができる。アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、1,2-プロピレンオキシド、エピクロルヒドリン、1,2-又は2,3-ブチレンオキシドが挙げられる。アルキレンオキシドは、単独又は混合物として使用することができる。スターター分子としては、水、上述したグリコール、ポリエステルジオール、トリオール及びポリオール、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン及び4,4'-ジアミノジフェニルメタンのようなアミン、及びエタノールアミンのようなアミノアルコールが挙げられる。ポリエステルオールのように、ポリエーテルオールも単独で、又は混合物として使用することができる。
重合体(A)には、ポリエステル(メタ)アクリレートの場合と同様にして、スルホン酸基やリン酸基を導入することができる。
水酸基を有する重合体(A)に、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物、例えばα,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸、ジカルボン酸又はその無水物を反応させることで、酸性官能基を有するポリエーテル(メタ)アクリレートを得ることができる。
市販のエチレン性不飽和二重結合及び特定の酸性官能基を有する分散樹脂としては、ダイセルサイテック社製「サイクロマーP ACA200M、ACA230AA、ACAZ250、ACAZ251、ACAZ300、ACAZ320(カルボキシル基及びアクリロイル基を有するアクリル樹脂)」、コグニス社製「PHOTOMER5018、5424、5429、5430、5432(カルボキシル基を有する多官能ポリエステルアクリレート樹脂)」等が挙げられるがこれらに限定されない。
分散樹脂は、単独で使用しても良いし、複数を組み合わせて使用しても良い。分散樹脂の添加量は、カーボンナノチューブ100質量部に対し5〜250質量部が好ましい。
<エチレン性不飽和二重結合を有さない分散樹脂>
塗膜の耐性を損なわない範囲で、エチレン性不飽和二重結合を有する分散樹脂にエチレン性不飽和二重結合を有さない分散樹脂を併用してよい。エチレン性不飽和二重結合を有さない分散樹脂の量は、カーボンナノチューブ100質量部に対して0〜30質量部(有効成分換算)、好ましくは0〜20質量部、さらに好ましくは0〜15質量部である。エチレン性不飽和二重結合を有さない分散樹脂としては、市販の樹脂型分散剤が使用でき、EFKA CHEMICALS社製「エフカ44、46、47、48、49、54、63、64、65、66、71、701、764、766」、「エフカポリマー100(変性ポリアクリレート)、150(脂肪族系変性ポリマー)、400、401、402、403、450、451、452、453(変性ポリアクリレート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパース20000(塩基性基を含有する高分子共重合体)、24000SC、24000GR、28000、32000、21000(酸基を有する高分子共重合物)、36000、41000」、味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB-711(塩基性基を含有する高分子共重合物)、821(塩基性基及び酸性基を含有する高分子共重合体)、822、PA-411(酸性基を含有する高分子共重合体)、PN-411」、共栄社化学社製「フローレン TG-710(ウレタンオリゴマー)」、「フローノンSH-290、SP-1000」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合物)」、楠本化成社製「ディスパロン KS-860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」、BYK Chemie社製「Anti-Terra-U(ポリアミノアマイド燐酸塩)」、「Anti-Terra-203/204(高分子量ポリカルボン酸塩)」、「Disperbyk-101(ポリアミノアマイド燐酸塩と酸エステル)、108(水酸基含有カルボン酸エステル)、116(塩基性基を含む共重合物)、110、111、(酸基を含む共重合物)、130(ポリアマイド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)、180、185」、「400」、「Bykumen」(高分子量不飽和酸エステル)、「BYK-P104、P105(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸)」、日本油脂社製「マリアリムAKM-0531、AFB-0561、AFB-1521、AEM-3511、AAB-0851、AWS-0851」等が挙げられるがこれらに限定されない。またこれらの分散樹脂は、単独で使用しても良いし、二種類以上組み合わせて使用しても良い。
<活性エネルギー線硬化型樹脂>
水性組成物を、紫外線や電子線等の活性エネルギー線で硬化する場合には、塗膜形成性材料として、分散樹脂以外の活性エネルギー線硬化型樹脂又は活性エネルギー線により重合可能なモノマーを使用する。分散樹脂以外の活性エネルギー線硬化型樹脂又は活性エネルギー線により重合可能なモノマーの添加量は、カーボンナノチューブの用途によって適宜調節することができる。
分散樹脂以外の活性エネルギー線硬化型樹脂としては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
活性エネルギー線により重合可能なモノマーのうち、単官能モノマーとしては、2-メトキシエチルアクリレート、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルピロリドン、アクリロイルモルフォリン、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、グリシジルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソデシルアクリレート、フェノキシメタクリレート、ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2-フェノキシエチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2-エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、3-メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メチルフェノキシエチルアクリレート、ジプロピレングリコールアクリレート、エチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル-O-プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、1官能の脂環式エポキシ、1官能のオキセタン等が挙げられる。
活性エネルギー線により重合可能な2官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、プロポキシ化1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、2-n-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジアクリレート、ジメチロールートリシクロデカンジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、2官能の脂環式エポキシ、2官能のオキセタン等が挙げられる。
活性エネルギー線により重合可能な3官能モノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化イソシアヌール酸トリアクリレート、トリ(2-ヒドロキシエチルイソシアヌレート)トリアクリレート、プロポキシレートグリセリルトリアクリレート、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、3官能の脂環式エポキシ、3官能のオキセタン等が挙げられる。
活性エネルギー線により重合可能な4官能性以上のモノマーとしては、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化型樹脂及びモノマーは、一種又は必要に応じて二種以上用いても良い。
水性組成物を紫外線でラジカル重合により硬化する場合には、ラジカル光重合開始剤をさらに配合する。ラジカル光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、4,4-ジエチルアミノベンゾフェノン、ジエチルチオキサントン、2-メチル-1-(4-メチルチオ)フェニル-2-モルフォリノプロパン-1-オン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニルケトン、ビス-2,6-ジメトキシベンゾイル-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、1-〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル〕-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2,2-ジメチル-2-ヒドロキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,4,6-トリメチルベンジル-ジフェニルフォスフィンオキサイド、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン等が挙げられる。これらのラジカル光重合開始剤は1種又は複数を組み合わせて使用することができる。
ラジカル光重合開始剤には、必要に応じて光重合促進剤を併用することができる。光重合促進剤としては、p-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、ベンジル4-ジメチルアミノベンゾエート等が挙げられる。これらのラジカル光重合促進剤は、1種又は複数を組み合わせて使用することができる。
水性組成物をカチオン重合により硬化する場合には、活性エネルギー線の種類によらず、カチオン重合開始剤が必須成分である。カチオン重合開始剤としては、アリールスルホニウム塩誘導体(例えばユニオン・カーバイド社製のサイラキュアUVI-6990、サイラキュアUVI-6974、旭電化工業社製のアデカオプトマーSP-150、アデカオプトマーSP-152、アデカオプトマーSP-170、アデカオプトマーSP-172)、アリルヨードニウム塩誘導体(例えばローディア社製のRP-2074)、アレン-イオン錯体誘導体(例えばチバガイギー社製のイルガキュア261)、ジアゾニウム塩誘導体、トリアジン系開始剤及びその他のハロゲン化物等の酸発生剤が挙げられる。カチオン光重合開始剤と併用可能な光重合促進剤としては、アントラセン、アントラセン誘導体(例えば旭電化工業社製のアデカオプトマーSP-100、川崎化成の9,10-ジブトキシアントラセン、9,10-エトキシアントラセン、9,10-ジプロポキシアントラセン)が挙げられる。これらのカチオン光重合開始剤、カチオン光重合促進剤は、1種又は複数を組み合わせて使用することができる。
(3)分散剤
分散剤としては、公知の界面活性剤等を使用することができ、分子中に芳香環を有するスルホン酸系分散剤、アクリル系分散剤等が好ましい。分子中に芳香環を有するスルホン酸系分散剤は、界面活性剤の分野で使用されているいわゆる陰イオン性界面活性剤であって、ナフタレンスルホン酸含有化合物、ベンゼンスルホン酸含有化合物、スチレンスルホン酸含有化合物等である。スルホン酸基はナトリウムやカリウム等の金属塩の形態を有していても良い。
ナフタレンスルホン酸含有化合物としては、デモールN、デモールNL、デモールRN(以上花王(株)製)、ポリティN-100K(ライオン(株)製)等が好ましい。ベンゼンスルホン酸含有化合物としては、ネオペレックスNo.6、ネオペレックスG-65(以上花王(株)製)等が好ましい。スチレンスルホン酸含有化合物としては、ポリティPS-1900(ライオン(株)製)等が好ましい。
アクリル系分散剤は、界面活性剤の分野で使用されている陰イオン性のポリアクリル酸エステル共重合物、ポリαメチルスチレン-スチレン-アクリル酸共重合物等が好ましい。
分散剤は使用しなくてもよいが、カーボンナノチューブを含む水性組成物を安定化させるため少量使用しても良い。分散剤の添加量は、カーボンナノチューブに対し100質量%以下であるのが好ましい。分散剤の添加量が100質量%超の場合、塗膜の強度が低下し、導電性が低下する。分散剤の添加量は、さらに好ましくは0.1〜100質量%であり、最も好ましくは0.1〜50質量%である。
[2] 製造方法
(1)カーボンナノチューブの合成
(a)触媒
カーボンナノチューブの合成には、ニッケル/酸化マグネシウム触媒、又はニッケル/酸化アルミニウム触媒を用いる。前記ニッケル/酸化マグネシウム触媒は90質量%のニッケルと10質量%の酸化マグネシウムとからなり、前記ニッケル/酸化アルミニウム触媒は95質量%のニッケルと5質量%の酸化アルミニウムとからなるのが好ましい。これらの触媒を使用することにより、水分散性に優れた、カップスタック型カーボンナノチューブが得られる。
(b) 合成
カーボンナノチューブは触媒熱分解法、すなわち、ニッケルベースの多孔質粉末状触媒を、アルゴン雰囲気中で600〜1150℃に加熱し、連続的に炭素含有化合物(ガス)を供給することにより製造する。
(i)反応装置
カーボンナノチューブは、図1及び図2に示すような反応装置を用いて合成する。この反応装置は、フレーム1に固定された容器2aと、容器2aを密閉し反応炉3を形成するための蓋2bとを具備する。蓋2bは触媒供給ノズル7及び反応ガスを排気するためのニップル16を具備し、ノズル7には噴霧器5が連結されており、前記噴霧器5には触媒供給用定量器4と不活性ガス供給ライン6とが連結されている。不活性ガス供給ライン6にはヒーター19が設置されている。
容器2aは、反応生成物を掻き取るためのシャペル10、回転駆動機9により回転可能なディスク11、前記ディスク11の下に位置し触媒21を均等に加熱するためのヒーター14、及び炭素含有化合物(ガス)をディスク11の下面に供給するために容器2aの下部に設けられたニップル15を具備する。前記シャペル10は上下方向にスライドさせることができる。
前記ディスク11は炭素含有化合物のガスが通過できるよう多孔体からなる。前記ニップル15から供給されディスク11を通った炭素含有化合物のガスは、ディスク11上に散布した触媒21と接触しカーボンナノチューブが合成される。
容器2aは下部に開口部8を有し、前記開口部8は、円柱形胴12と、前記円柱形胴12の下部に設けられた反応後の触媒及び製品を回収するための製品収集器13と連通している。前記円柱形胴12は不活性ガス供給ライン18を具備する。
(ii)合成方法
図1に示す合成装置を用いて、カーボンナノチューブを合成する方法を以下に詳細に示す。
酸素による反応を防止するため、系内の空気はアルゴンガス(不活性ガス)で置換する。アルゴンガス置換は、不活性ガス供給ライン18を通じて製品収集器13にアルゴンを入れ、ニップル16から空気を排気することにより行う。空気を効率よく排気するためにディスクを回転させるのが好ましい。ディスク11の下面に羽根を設置するとより効果的である。
不活性ガス供給ライン6からアルゴンガスを流しながら、触媒供給用定量器4から触媒供給ノズル7を通じてディスク11上に触媒を散布する。回転駆動機9によりディスク11を回転させることにより、ディスク11上に触媒21が等しい厚さで降り積もるようにする。触媒層は1〜3 mmの厚さに形成するのが好ましい。
容器2aの下部からニップル15を通じて炭素含有化合物(ガス)が供給され、ヒーター14で加熱される。加熱された炭素含有化合物(ガス)は、多孔体のディスク11を通り、ディスク11上表面の触媒21と作用し、触媒21粒子表面にナノ繊維構造を形成する。一方で、反応副生成物として水素を含むガス状熱分解生成物が発生する。ディスク11の下から炭素含有化合物(ガス)を供給することにより、広い面積でガス合成を進行させることができ、またディスク11の回転により、触媒及び炭素含有化合物(ガス)を触媒熱分解の温度まで速やかに昇温することができる。この方法により高品質のカーボンナノチューブが得られる。水素を含むガス状熱分解生成物は、ニップル16を通じて、反応炉3からアルゴンとともに排出される。
炭素含有化合物としては、反応温度においてガス状の酸化炭素や炭水化物が使用でき、メタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、アセチレン、ホルムアルデヒド、無水酢酸、アセトン、メタノール、エチルアルコール、芳香族炭水化物、ベンゾール、トルエン、キシロール、エチルベンゾール、ナフタリン、フェナントレン、アントラセン、非芳香族炭水化物及びそれらの混合物が好ましい。特にメタン及びプロパンが好ましい。
反応工程は、触媒の作用が停止するまで行う。熱分解反応が停止したかどうかは、反応炉3から取り出される熱分解生成物を含むガスの水素濃度により判断する。例えば、ニップル16から放出されるガス中の水素濃度が0.1%以下になった場合、熱分解工程が停止したと判断する。
反応が終了後、得られた生成物(カーボンナノチューブ)は、シャベル10をディスク11に設置しディスク11を回転させることにより、開口部8から円柱形胴12を通じて製品収集器13に回収される。円柱形胴12に不活性ガス供給ライン18からアルゴンガスを流入させることにより、空気による酸化等を防止するとともに、加熱ゾーンから取り出した熱分解製品と高温ガスとの接触を減少させ、さらに反応が進行することを防止し、グラファイトやススの生成が抑制された高品質のカーボンナノチューブが得られる。
作業終了後、残ったガス、触媒、熱分解生成物はニップル16を通じて排出した後、新しい触媒を散布し、上記工程を繰り返す。全ての作業が終了し、製品を冷却した後、製品収集器13を円柱形胴12から分離し、合成された製品を取り出す。
上記方法においては不活性ガスとしてアルゴンガスを用いて説明したが、他の不活性ガスを用いても良い。
(2) 水性組成物の調製
水性組成物は、分散剤をあらかじめ溶解した水に、水溶性樹脂又は水分散性樹脂からなるバインダー及びカーボンナノチューブを添加して後述の装置により分散処理を行って調製する。バインダーとカーボンナノチューブとの添加順は特に制限はないが、分散剤はあらかじめ添加した水溶液にカーボンナノチューブをまず添加して十分に分散処理するのが好ましい。
カーボンナノチューブを含む水性組成物を分散する装置としては、顔料分散等に通常用いられている分散装置が使用できる。ディスパー、ホモミキサー、プラネタリーミキサー等のミキサー類、ホモジナイザー(エム・テクニック社製「クレアミックス」、PRIMIX社「フィルミックス」等)類、ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、コボールミル等のメディア型分散機、湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS-5」、奈良機械社製「MICROS」等のメディアレス分散機、その他ロールミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、カーボンナノチューブの用途に応じて、金属不純物が悪影響を与える可能性がある場合には、分散機からの金属混入防止処理を施したものを用いることが好ましい。
金属混入防止処理としては、メディア型分散機を使用する場合は、セラミック製又は樹脂製のアジテーター及びベッセルからなる分散機を使用する方法や、アジテーター及びベッセル表面をタングステンカーバイド溶射や樹脂コーティング等の処理をした分散機を用いる方法が挙げられる。メディアとしては、ガラスビーズや、ジルコニアビーズ、アルミナビーズ等のセラミックビーズを用いることが好ましい。大きい径のメディアを使用するとカーボンナノチューブを破壊してしまう可能性があるため、メディア径は1.0 mm以下が好ましく、0.5 mm以下がさらに好ましい。
ロールミルを使用する場合についても、セラミック製ロールを用いることが好ましい。分散装置は、1種のみを使用しても良いし、複数種の装置を組み合わせて使用しても良い。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
カーボンナノチューブ1の合成
図1及び図2に示す装置でカーボンナノチューブの合成を行った。ディスク11を回転させながら、容積0.9 m3の反応炉3にアルゴンガスと、ニッケル(90質量%)/酸化マグネシウム(10質量%)からなる触媒とを供給し、ディスク11表面に厚さ1.5 mmの前記触媒の層を形成した。さらに系内の空気がアルゴンガスで置換するまでアルゴンガスを供給した。ディスク11の回転を止め、メタンガスをディスク11下のニップル15から供給しながら、600℃まで容器2aを加熱し、熱分解ガス生成物中の水素含有量が反応炉3からの出口で0.1容量%以下になるまで保持した。保持時間は約30分間であった。その後、ディスク11を回転させながら、シャベル10でディスク11上に生成された製品を掻き取り収集器13に回収した。新たな触媒を供給し、これらの工程を繰り返し行った。この合成の1サイクルは40分間であった。収集器13が一杯になると、収集器13を円柱形胴12から分離し、冷却後製品を取り出し、化学処理で触媒を除去し、水洗及び乾燥し、カーボンナノチューブ600 gを得た。
カーボンナノチューブ2の合成
図1及び図2に示す装置でカーボンナノチューブの合成を行った。容積0.9 m3の容器2aに、ディスク11を回転させながらアルゴンガスと、ニッケル(95質量%)/酸化アルミニウム(5質量%)からなる触媒とを供給し、ディスク11表面に厚さ2 mmの前記触媒の層を形成した。さらに系内の空気がアルゴンガスで置換するまでアルゴンガスを供給した。その後、ディスク11の回転を止めて、メタン/プロパン(1:1容量比)の混合ガスをディスク11下のニップル15から供給しながら、720〜725℃まで反応炉3を加熱した後、熱分解ガス生成物中の水素含有量が反応炉3からの出口で0.1容量%以下になるまで保持した。保持時間は約30分間であった。その後、ディスクを回転させながら、シャベル10でディスク11上に生成された製品を掻き取り収集器13に回収した。この工程を繰り返し行った。この合成の1サイクルは45分間であった。収集器13が一杯になると、収集器13を円柱形胴12から分離し、冷却後製品を取り出し、化学処理で触媒を除去し、水洗及び乾燥し、カーボンナノチューブ500 gを得た。
得られたカーボンナノチューブ1及び2は、ともに8〜100 nmの外径、10〜20 nmの内径、及び0.5〜2μmの長さを有するカップスタック型であり、みかけ密度0.4〜0.46 g/cm3で不純物は1.6質量%以下であった。
水性組成物101の調製
98質量部の水に、0.03質量部のナフタレンスルホン酸系分散剤(デモールN;花王(株)製)、0.02質量部のドデシルベンゼンスルホン酸塩の分散剤(ネオペレックスG-65;花王(株)製)、0.01質量部のアクリル系分散剤(ジュリマー60;日本純薬(株))を溶解させた溶液に、0.1部の前記カーボンナノチューブ1を加え、超音波分散機(UH600;SMT(株)製)にて出力ゲージ5、ポンプゲージ16(流速4 g/s)、冷却水温度10℃で30分間分散させた。その後、分散液をディスパー撹絆機により周速1.6 m/sで撹絆しながら1.0質量部(固形分)のウレタン系樹脂の水系分散液(ハイドランHW171;大目本インキ化学工業(株)製)を添加し、さらに5分間撹拌し、水性組成物101を得た。
水性組成物102〜104の調製
カーボンナノチューブ1の代わりに、表1に示すカーボンナノチューブに変更した以外は水性組成物101と同様にして水性組成物102〜104を調製した。
分散性の評価
調製直後の水性組成物の分散性を以下の基準に従って目視により評価した。
凝集・沈殿が全く観察されなかったもの・・・○
凝集・沈殿がわずかに観察されたもの・・・△
凝集・沈殿が多く観察されたもの・・・×
調製直後の水性組成物をバーコーターNo.3を用い、PETフィルム(東洋紡績(株)製;125μmフィルム)に塗布した後、100℃で60秒加熱乾燥し塗膜を得た。これらの塗膜の表面抵抗、全光線透過率及びヘイズを以下の方法で評価した。なお、用いたPETフィルム単独の全光線透過率は90.0%、ヘイズは0.9であった。
表面抵抗値の測定
表面抵抗値は塗膜の単位表面積あたりの電気抵抗であり、表面抵抗値はロレスターEP(三菱化学(株)製)により測定した。
全光線透過率及びヘイズの測定
全光線透過率は塗膜への入射光に対する透過光の割合であって、散乱光も含めた透過光の割合であり、ヘイズは塗膜の内部又は表面の不明瞭なくもり様の外観の度合いで、散乱光も含めた透過光に対する散乱光の割合である。全光線透過率及びヘイズは、積分球を用いた装置で測定されるJIS K 7361に基づく値である。全光線透過率及びヘイズは、ヘイズメーターNDH2000(日本電色工業(株)製)により測定した。
Figure 2010285521
注(1):カーボンナノチューブAは、Bayer社製BaytubesC 150Pであり、カーボンナノチューブBは、CNT CO., LTD.製CTube100である。
1・・・フレーム
2a・・・容器
2b・・・蓋
3・・・反応炉
4・・・触媒供給用定量器
5・・・噴霧器
6・・・不活性ガス供給ライン
7・・・触媒供給ノズル
8・・・開口部
9・・・回転駆動機
10・・・シャペル
11・・・ディスク
12・・・円柱形胴
13・・・製品収集器
14・・・ヒーター
15,16・・・ニップル
18・・・不活性ガス供給ライン
19・・・ヒーター
21・・・触媒

Claims (7)

  1. ニッケル/酸化マグネシウム触媒、又はニッケル/酸化アルミニウム触媒を用いて作製したカーボンナノチューブと、水溶性樹脂又は水分散性樹脂からなるバインダーとを含有する水性組成物。
  2. 請求項1に記載の水性組成物において、前記ニッケル/酸化マグネシウム触媒が90質量%のニッケルと10質量%の酸化マグネシウムとからなることを特徴とする水性組成物。
  3. 請求項1に記載の水性組成物において、前記ニッケル/酸化アルミニウム触媒が95質量%のニッケルと5質量%の酸化アルミニウムとからなることを特徴とする水性組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の水性組成物において、前記カーボンナノチューブがカップスタック型であることを特徴とする水性組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の水性組成物において、前記バインダーが活性エネルギー線で硬化する樹脂を含むことを特徴とする水性組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の水性組成物において、分散剤を含有することを特徴とする水性組成物。
  7. 請求項6に記載の水性組成物において、前記分散剤の添加量が前記カーボンナノチューブに対し0.1〜100質量%であることを特徴とする水性組成物。
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