JP4452910B2 - 紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物 - Google Patents

紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置用紫外線硬化型インクに関するものであり,更に詳しくは,色材にカーボンブラックを用いた吐出安定性、保存安定性、に優れた紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置による印刷は、ノズルよりインクを吐出し被記録材に付着せしめる方式であり、該ノズルと被記録材が非接触状態にあるため、曲面や凹凸した不規則な形状を有する表面に対して、良好な印刷を行うことができる。このため,産業用途で広範囲にわたる利用分野が期待されている印刷方式である。
【0003】
このようなインクジェット記録用インクには、主溶剤として水を用いる水性インクと主溶剤として有機溶剤を用いる油性インクがあり、主に水系溶媒に染料を溶解した水性インクが用いられている。従来の水性染料インクを産業用途で使用する場合の問題点として、非吸収材料へ印刷したときの乾燥速度の遅さ、印刷画像の付着性の弱さ、さらには耐摩耗性、耐水性、耐光性等の耐久性不良があり、これらを改善したインクとして、色材に各色顔料を用いた紫外線等の活性エネルギー線で硬化乾燥する水性、および油性の紫外線硬化型インクジェット記録用インクが提案されている。
【0004】
例えば、紫外線等の活性エネルギー線で硬化乾燥する油性のインクジェット記録用インクとして、カーボンブラック、分散剤、分散助剤を含有し、分散助剤として銅フタロシアニンスルフォン酸のアミン塩を用いたインクが提案されており(例えば特許文献1参照)、あるいは顔料分散剤としてフタロイミドメチル基、アミノ基、トリアジン基を官能基として導入した銅フタロシアニン誘導体を用いたインクが提案されている(例えば特許文献2参照)。
【0005】
しかしながら、色材に各色顔料を用い、吐出安定性、保存安定性の両方に優れた特性を示し、紫外線等の活性エネルギー線で硬化乾燥するインクジェット記録用インク組成物は得られていないのが現状であり、吐出安定性、保存安定性の双方に優れた各色顔料系の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物が強く求められている。
【0006】
ノズル先端の吐出オリフィス(微細孔)よりインクを吐出させて印刷画像を形成するインクジェット記録用インクの吐出安定性に係わる一般的な要求特性として次の3点がある。
(1)低粘度であり、吐出口でのインクの乾燥による粘度変化が小さい。
(2)粒子化(インクの切断)がスムーズに行われる。
(3)吐出方向安定性が良好である。
顔料系インクのスムーズな粒子化、良好な吐出方向安定性を実現するためには、顔料粒子が微細に分散されていなければならない。インク中の粗大粒子の存在、分散安定性不良による凝集物の発生は、吐出口におけるインク柱のスムーズな切断を妨害すると共に、オリフィス周辺への凝集物の付着により吐出方向安定性が不良となるからである。したがって、吐出安定性、保存安定性に優れた各色顔料系の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物を得るためにも、光重合性化合物を有する混合物中へ微細な顔料を安定に分散させる事が重要である。しかしながら従来の各色顔料系の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物においては、各色顔料の分散が必ずしも充分とは言えない状況にある。
【0007】
例えば上記の、特許文献1、特許文献に提案されているインクはいずれも光重合性化合物に容易に分散する親油性のフタロシアニン誘導体を用いているため、分散助剤であるフタロシアニン誘導体のカーボンブラックへの吸着が脱離しやすく、光重合性化合物中での顔料の分散安定性が不十分であった。
このように現在のところ、色材にカーボンブラックを用いた紫外線硬化型インクジェット記録用インクの分散安定性は必ずしも十分とは言えず、従ってその吐出安定性もまた不十分なものであった。特に高画質用の粒径の小さなカーボンブラックを用いたインクにおいて分散安定性を実現することが困難であった。
【0008】
【特許文献1】
特表2001−525479号公報(実施例)
【特許文献2】
特開2001−207098号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち本発明の目的は、微細なカーボンブラックが安定に分散しており、分散安定性と吐出安定性、保存安定性に優れた顔料系の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物、または該インク組成物の製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上の説明から明らかなように、まず吐出安定性、保存安定性に優れた顔料系の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物を得るためには、微細なカーボンブラックを光重合性化合物中に安定に分散させなければならない。
【0011】
すなわち本発明は、少なくともカーボンブラックと、光重合性化合物と、光重合開始剤からなる紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物において、塩基性の吸着基を有する高分子分散剤と、フタロシアニンスルフォン酸系化合物とを含有する事を特徴とする紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物を提供する。
上記のような配合のインク組成物においては、カーボンブラックの表面に分散助剤であるフタロシアニンスルフォン酸系化合物が吸着し、これらを介して、さらに塩基性の官能基を有する高分子分散剤が強固に吸着するため、カーボンブラックの良好で安定した分散を実現することができる。
さらにこれら分散助剤は親水性であるため、親油性の分散助剤と比較して、光重合性化合物中でカーボンブラックから脱離しにくく、カーボンブラックの分散安定性に対する効果が大きい。
【0012】
さらにまた本発明は、フタロシアニンスルフォン酸とフタロシアニンスルフォン酸の金属塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を分散助剤とし、該分散剤とカーボンブラックとを水性媒体中で混合した後に該混合物を乾燥することにより、前記カーボンブラックの表面に前記分散助剤の吸着した表面処理カーボンブラックを製造する第1の工程と、
前記表面処理カーボンブラックを、塩基性の官能基を有する高分子分散剤の存在下で、光重合性化合物中に分散させる第2の工程
とを有することを特徴とする紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物の製造方法を提供する。
このように前記分散助剤を用いることで、カーボンブラックに、該分散助剤を介して高分子分散剤が強固に吸着し、立体障害による分散安定化効果によって、光重合性化合物中にカーボンブラックが安定に分散する。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を示すとともに、本発明を更に詳細に説明する。
本発明におけるカーボンブラックとしては、比表面積が200〜300BET−m3/gであり、DBP吸油量が50〜100ml/gであり、かつpHが7〜9である塩基性カーボンブラックが好ましい。
【0014】
カーボンブラックが非水分散系で安定な分散液となるためには立体障害斥力による分散安定化が有効であり、分散剤として、高分子化合物の吸着による立体障害を利用した高分子分散剤を使用する必要があるが、更に、同時に使用する分散助剤の選定も重要である。本発明の紫外線硬化型インクジェット記録用黒色インク組成物は、塩基性の吸着基を有する高分子分散剤と、分散助剤としてフタロシアニンスルフォン酸系化合物を含有しているため、高分子分散剤の吸着力が高まり、長期にわたって高分子分散剤の効果を維持することができる。
【0015】
本発明で用いる光重合性化合物は、高分子分散剤を溶解する光重合性化合物を含有していることが好ましい。
【0016】
顔料の分散性を改良するための高分子分散剤の使用にあたっては、これを溶解させる非反応性の希釈溶剤が通常使用されるが、非反応希釈溶剤の使用は印刷物の耐久性を低下させる。
したがって吐出安定性、保存安定性に加えて、印刷物の付着性、耐磨耗性、耐水性、耐溶剤性等の耐久性を得るためには、水、有機溶剤等の非反応性希釈溶剤を実質的に含有しない非水系の紫外線硬化型インクを用いることが有利であり、吐出安定性、保存安定性に優れ、かつ希釈溶剤を含有しない、顔料系の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物が好ましい。
【0017】
紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物が、高分子分散剤を溶解する光重合性化合物を含有することにより、希釈性溶剤を添加する必要がなく、硬化被膜の硬化性と、耐久性を良好にすることができる。さらに非反応性希釈溶剤を実質的に含まないので、印刷物に溶剤が残留することがなく、溶剤臭がすることがないため衛生上、環境上にも好ましい。
【0018】
次に、本発明の構成を更に詳細に説明する。
カーボンブラックの基本特性には、比表面積、ストラクチャー、表面の化学的特性の三つがあり、使用用途に応じて適正な特性のものが選択される。インクジェット記録用インクに用いるカーボンブラックとしては、比表面積の大きい、言い換えれば粒子径の小さいものが良好な吐出安定性を得る点で好ましく、200〜300BET−m3の範囲のものを好適に用いることが出来る。
【0019】
BET比表面積値が200m/gより小さいと粒子径が大きく吐出安定性が不十分となりやすい。また染料インクに比較して画像濃度も不十分となる傾向にある。一方BET比表面積値が300m/gを超えると、粒径が細かすぎて良好な分散安定性が得るのが困難である。
カーボンブラックの分散は粒径が細かくなるほど困難となるが、上記高分子分散剤や分散助剤を用いることにより、このような200m/gを超える高いBET値のカーボンブラックについても、光重合性化合物中への良好な分散が可能となり、染料を用いたインクジェット記録用インクと同等の高画質を実現することが可能となる。
【0020】
また、ストラクチャーはカーボンブラックの粒子同士の融着状態を表し、DBP吸油量で数値化される事が一般的であり、DBP吸油量の大きいものほど粒子のつながりが長くなる。本発明に用いるカーボンブラックとしては、分散媒である(メタ)アクリレート等の光重合性化合物への親和性、フタロシアニンスルフォン酸系化合物との吸着性の点から、DBP吸油量が100ml/100g以下のカーボンブラックを用いるのが好ましく、50〜100ml/100gの吸油量であるとさらに好ましい。DBP吸油量が100ml/100gを超えるとカーボンブラックの分散安定性が不十分となる傾向がある。
【0021】
カーボンブラックの表面の化学的特性についてはpHで表すのが一般的であり、pHが2〜4の酸性カーボンブラックと7以上の中性、塩基性カーボンブラックが用いられている。
分散助剤であるフタロシアニンスルフォン酸径化合物との良好な吸着を形成する点において、カーボンブラックのpHは7以上が好ましく、pH7〜9の塩基性カーボンブラックを用いるのがさらに好ましい。
カーボンブラックは、インク総量の2〜10質量%の範囲で用いるのが好ましい。
【0022】
本発明において分散助剤として用いるフタロシアニンスルフォン酸系化合物は、無金属フタロシアニンスルフォン酸系化合物と金属フタロシアニンスルフォン酸系化合物を含む。またフタロシアニンスルフォン酸系化合物としては、フタロシアニンスルフォン酸と、フタロシアニンスルフォン酸の金属塩が好ましい。すなわちフタロシアニンスルフォン酸系化合物の好ましい態様としては、無金属フタロシアニンスルフォン酸と、金属フタロシアニンスルフォン酸およびそれらの金属塩があげられる。
さらにそれらのなかで無金属フタロシアニンスルフォン酸と、中心金属がCuFe、Ni、Co、Tiのそれぞれの金属フタロシアニンスルフォン酸、およびそれらの金属塩がさらに好ましい。
特に中心金属が銅の、銅フタロシアニンスルフォン酸およびその金属塩が、分散助剤として最も好適である。
【0023】
本発明に分散助剤として使用するフタロシアニンスルフォン酸系化合物は、フタロシアニン系の有機色素残基を有する顔料誘導体であって、無金属フタロシアニンまたは金属フタロシアニンを公知の方法により濃硫酸等と反応させることで合成できる。
フタロシアニンスルフォン酸系化合物が、フタロシアニンスルフォン酸または金属フタロシアニンスルフォン酸の金属塩のときは、その金属塩を構成する具体的な金属としては、Li、Na、Kなどのアルカリ金属、Ca、Ba、Al、Mn、Sr、Mg、Niなどの多価金属等、並びにアンモニウム塩類等が挙げられる。安定な紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物を得るためには、分散媒である(メタ)アクリレート等の光重合性化合物に溶解し難い親水性のフタロシアニンスルフォン酸系化合物を使用することが好ましく、特にフタロシアニンスルフォン酸、およびフタロシアニンスルフォン酸の金属塩が好ましい。
これは、カーボンブラックに吸着した分散助剤が脱離しにくいためである。
【0024】
これら親水性のフタロシアニンスルフォン酸系化合物の使用方法としては、分散時にカーボンブラック、高分子分散剤、(メタ)アクリレート等の光重合性化合物と混合して使用しても良いが、カーボンブラック、フタロシアニンスルフォン酸系化合物を精製水、またはメタノール、エタノール等の低級アルコールと精製水の混合液等の水性媒体中で混合後、乾燥処理することによって、カーボンブラック表面にこれら分散剤を吸着させ、表面処理カーボンブラックを製造して使用することが好ましい。このような表面処理を用いることによって、親水性の分散助剤をカーボンブラックの表面全体に均一に吸着させることができる。
【0025】
フタロシアニンスルフォン酸の使用量としては、カーボンブラックに対して2〜15質量%、より好ましくは5〜15質量%の範囲にあることが好ましく、特に4〜10質量%の範囲にあることがさらに好ましい。使用量が少なすぎる場合には分散助剤としての併用効果が発現されにくく、多すぎる場合には過剰の未溶解成分が吐出安定性に悪影響を及ぼす場合がある。
【0026】
本発明において使用する高分子分散剤は、塩基性の官能基を有し、分散助剤として使用する無金属フタロシアニンスルフォン酸、金属フタロシアニンスルフォン酸、またはそれらの金属塩を介してカーボンブラックに吸着して、カーボンブラックに良好な分散安定性を付与することができる。塩基性の官能基としては一級、二級、または三級アミノ基、ピリジン、ピリミジン、ピラジン等の含窒素ヘテロ環等をあげることができ、具体的には、味の素ファインテクノ製のアジスパーPB821、PB822、PB817、アビシア製のソルスパーズ24000GR、32000、楠本化成製のディスパロンDA−703−50、DA−705、DA−725等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、高分子分散剤の使用量は、顔料に対して10〜80質量%の範囲が好ましく、20〜80質量%の範囲がさらに好ましく、20〜60質量%の範囲がさらにより好ましく、特に30〜60質量%の範囲が最も好ましい。使用量が少なすぎる場合には分散安定性が不十分となり、多すぎる場合にはインクの粘度が高くなり吐出安定性の点から好ましくない。高分子分散剤は溶解しないと高分子鎖が伸長せず、顔料への吸着点が露出しないため、高分子分散剤を溶解する溶剤(光重合性化合物)とともに使用される。
【0027】
本発明に使用する光重合性化合物としては、その反応機構による分類として、ラジカル重合型のものと、カチオン重合型のものがあり、双方の公知の光重合性化合物を広く使用することができる。
【0028】
本発明に使用するラジカル重合型光重合性化合物としては、例えば単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレートを単独または2種以上併用して用いることができる。
【0029】
本発明に使用できる単官能(メタ)アクリレートとしては例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0030】
また、多官能(メタ)アクリレートとしては例えば、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、トリシクロデカンジメタノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジまたはトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート,ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性アルキルリン酸(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0031】
本発明に使用する代表的なカチオン重合型光重合性化合物の具体例としては、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物等を挙げることができる。
エポキシ化合物の具合例としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル等の脂肪族系エポキシ化合物、ダイセル化学工業(株)製のセロキサイド2000、3000、4000等の脂環式エポキシ化合物等を挙げることができる。
ビニルエーテル化合物の具体例としては、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、トリエチレングリコールビニルモノエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等をあげることができる。
【0032】
本願発明で使用する光重合性化合物としては、高分子分散剤を溶解する光重合性化合物を含有していることが望ましく、とくに良好な分散安定性をうるために高分子分散剤を30重量%以上溶解する光重合性化合物を含有していることが好ましい。このような光重合性化合物を含有していると、高分子分散剤を溶解するための新たな非反応性希釈溶剤を添加する必要がなく、硬化被膜の硬化性と、耐久性を低下させるおそれがない。
【0033】
高分子分散剤を溶解する光重合性化合物のうち、ラジカル重合型光重合性化合物の具体例としては、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラフルフリル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。中でも、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートが特に好ましく、例えば、大阪有機化学製 商品名「ビスコート#220」、共栄社化学製 商品名「エポキシエステルM−600A」、東亜合成化学製 商品名「アロニックスM−5700」等として市販されているので、容易に入手可能である。なお、本発明では、アクリレートとメタアクリレートとを併せて(メタ)アクリレートと称している。これらの高分子分散剤を溶解する(メタ)アクリレートの含有量は、インク中の高分子分散剤の含有量と同量以上含有させる事が好ましい。
【0034】
また、高分子分散剤を溶解するカチオン重合型光重合性化合物としては、低粘度の脂環式エポキシ化合物を用いることが好ましく、具体的にはセロキサイド3000を挙げることができる。
【0035】
水、有機溶剤等の非反応性の希釈溶剤の使用は、印刷物の耐摩耗性、耐水性、耐溶剤性等の耐久性を低下させる。しかし、このように高分子分散剤を溶解する光重合性化合物を使用することで、インク組成物中に非反応性希釈溶剤を実質的に含有しない、紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物を作製することができる。このため印刷物に溶剤が残留することがなく、溶剤臭がすることがないため衛生上、環境上にも好ましい。
【0036】
このように高分子分散剤を溶解する光重合性化合物を使用することで、インク組成物中に非反応性希釈溶剤を実質的に含有しない、紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物を作製することができる。
【0037】
なお、本発明において非反応性とは光重合性を有しないという意味である。また実質的に含有しないとは、高分子分散剤の希釈溶剤として通常使用される量より遙かに少ない量以下という意味であって、塗膜強度や被膜硬化性、耐久性に影響を与えず、また衛生上、人体に影響を与える可能性のある量より遙かに少ない量以下という意味である。通常の高分子分散剤の使用量を考慮し、非反応性希釈溶剤の使用量を考慮すれば、非反応性希釈溶剤の含有量はインク組成物の5重量%程度以下が好ましく、0.1重量%程度以下がさらに好ましく、0.01重量%程度以下が最も好ましい。
【0038】
このように本願発明では光重合性化合物として、ラジカル重合型光重合性化合物とカチオン重合型光重合性化合物の双方を使用することができる。
しかし、低粘度で硬化乾燥速度の速いインクを得るためには、光重合性化合物としてラジカル重合型化合物である(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。
【0039】
さらに本発明のインク組成物に優れた硬化性、硬化被膜の耐久性を付与するためには、ラジカル重合型光重合性化合物からなる紫外線硬化性組成物中にポリウレタン(メタ)アクリレートを含有させることが好ましい。ポリウレタン(メタ)アクリレートを含有する紫外線硬化性組成物が良好な硬化性を示す理由は、一般的な(メタ)アクリレートの末端二重結合に比べて、ポリウレタン(メタ)アクリレートの末端二重結合は近傍にウレタン結合が在るために開裂しやすいためであると考えられる。また,ポリウレタンの特性に由来して耐摩耗性が良好となる。
【0040】
インクジェット用として使用するポリウレタン(メタ)アクリレートは、低粘度であるか、または結晶性等でポリウレタン(メタ)アクリレート自体の粘度は高くとも、(メタ)アクリレートで希釈されることによって容易に低粘度化することが必要である。このためには、長鎖ポリエーテル、ポリエステル等のポリオールを使用せず、ポリイソシアネートとモノヒドロキシ(メタ)アクリレートを反応させたポリウレタン(メタ)アクリレートを用いることが望ましい。
【0041】
ポリウレタン(メタ)アクリレートは、ジェットインク組成物の粘度、硬化性の点から、紫外線硬化性組成物の総量に対して、3〜15%の範囲で用いることが好ましい。
【0042】
本発明に使用する光ラジカル重合開始剤は、用いる紫外線硬化性化合物が硬化できる公知慣用のものがいずれも使用できる。光重合開始剤としては、分子開裂型または水素引き抜き型のものが本発明に好適である。
【0043】
本発明に使用する光ラジカル重合開始剤として、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が好適に用いられ、さらにこれら以外の分子開裂型のものとして、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンおよび2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等を併用しても良いし、さらに水素引き抜き型光重合開始剤である、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチル−ジフェニルスルフィド等も併用できる。
【0044】
また上記光ラジカル重合開始剤に対し、増感剤として例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミンおよび4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の、前述重合性成分と付加反応を起こさないアミン類を併用することもできる。もちろん、上記光ラジカル重合開始剤や増感剤は、紫外線硬化性化合物への溶解性に優れ、紫外線透過性を阻害しないものを選択して用いることが好ましい。
【0045】
光ラジカル重合開始剤と増感剤は紫外線硬化性組成物総量に対して0.1〜20質量%,好ましくは,4〜12質量%の範囲で用いる。
【0046】
本発明に使用する光カチオン重合開始剤は、用いる紫外線硬化性化合物が硬化できる公知慣用のものがいずれも使用できる。具体的には、トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロフォスフェート等のポリアリールスルフォニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、P−ノニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等のポリアリールヨードニウム塩等を挙げることができる。これらの光カチオン重合開始剤は2種類以上を併用して使用することができる。
【0047】
光カチオン重合開始剤は紫外線硬化性組成物総量に対して0.1〜20質量%,好ましくは,1〜10質量%の範囲で用いる。
【0048】
また、本発明のインク組成物には、表面張力の調整、被印刷材料に対する接着性の付与等を目的に、非反応性樹脂、添加剤等を配合する事もできる。
本発明の紫外線硬化型ジェットインク組成物は、カーボンブラック、高分子分散剤、分散助剤、光重合性化合物等を一括配合し、光重合性化合物中への、カーボンブラックの分散を行う工程を経て製造することもできる。しかし前述した通り、予め分散助剤によるカーボンブラックの表面処理を行うことが好ましい。すなわち最初にカーボンブラックと無金属フタロシアニンスルフォン酸、金属フタロシアニンスルフォン酸、及びそれらの金属塩からなる群から選ばれる少なくとも一種とを水性媒体中で攪拌混合後、ヌッチェ等でろ別、乾燥して無金属フタロシアニンスルフォン酸、金属フタロシアニンスルフォン酸、またはそれらの金属塩で表面処理されたカーボンブラックを調製する。次に表面処理カーボンブラック、塩基性の官能基を有する高分子分散剤、
【0049】
(メタ)アクリレート等の光重合性化合物、必要に応じて樹脂を加えた混合物をビーズミル等の通常の分散機を用いてカーボンブラックを分散した後、光重合開始剤表面張力調整剤等の添加剤を加えて攪拌、溶解することで調製できる。また予め、ビーズミル等の通常の分散機を用いて高濃度の顔料分散液(ミルベース)を作製後、光重合開始剤を溶解した(メタ)アクリレート、添加剤等を攪拌、混合して調製することもできる。
【0050】
【実施例】
以下,実施例によって本発明を更に詳細に説明するが,本発明の範囲にかかる実施例に限定されるものではない。なお,以下の実施例中,部は質量部を表す。
【0051】
(処理カーボンブラックの調製)
(処理カーボンブラック調製例1)
精製水1000部にフタロシアニンスルフォン酸4部を加えて攪拌・混合する。この溶液中に#960(三菱化学製塩基性カーボンブラック、pH:8.0、比表面積250m2/g、DBP吸油量:71ml/100g)40部を加えて、30分間攪拌・混合後、ヌッチェでろ別する。ろ別した固形物を120℃で2時間乾燥して処理カーボンブラックを作製する。
【0052】
(処理カーボンブラック調製例2)
精製水1000部にフタロシアニンスルフォン酸4部を加えて攪拌・混合する。この溶液中に#970(三菱化学製酸性カーボンブラック、pH:3.5、比表面積250m2/g、DBP吸油量:80ml/100g)40部を加えて、30分間攪拌・混合後、ヌッチェでろ別する。ろ別した固形物を120℃で2時間乾燥して処理カーボンブラックを作製する。
【0053】
(処理カーボンブラック調製例3)
精製水1000部にフタロシアニンスルフォン酸4部を加えて攪拌・混合する。この溶液中に#990(三菱化学製塩基性カーボンブラック、pH:8.0、比表面積250m2/g、DBP吸油量:113ml/100g)40部を加えて、30分間攪拌・混合後、ヌッチェでろ別する。ろ別した固形物を120℃で2時間乾燥して処理カーボンブラックを作製する。
【0054】
(ポリウレタン(メタ)アクリレートの合成例)
撹拌装置、温度計、コンデンサー、滴下ロートを付けた1L四つ口フラスコにカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(プラクセルFA−1;ダイセル化学製)606.7gを入れ、撹拌しながら反応液温が70℃を越えないように注意し滴下ロートよりトリレンジイソシアネート227.7gを滴下する。滴下終了後、反応液温を70℃前後に保ちながら撹拌を続け、1時間後にジラウリン酸ジブチル錫0.1gを添加してさらに攪拌攪拌を続ける。約10時間後、未反応のイソシアネート基が無いことを確認し取り出す。
【0055】
(ミルベースの調製例)
(ミルベース調製例1)
調製例1の処理カーボンブラック 10部、アジスパーPB821(味の素ファインテクノ製高分子分散剤)6部、アロニックスM5700(東亜合成製)14部、エチレンオキサイド付加1,6ヘキサンジオールジアクリレート 63部、3−メトキシブチルアクリレート 7部を攪拌機で1時間撹拌混合した後、ビーズミルで4時間処理してミルベースを作製した。
【0056】
(ミルベース調製例2)
調製例1の処理カーボンブラック 10部、ソルスパーズ24000GR(アビシア製高分子分散剤)6部、アロニックスM5700(東亜合成化学製)14部、エチレンオキサイド付加1,6ヘキサンジオールジアクリレート 63部、3−メトキシブチルアクリレート 7部を攪拌機で1時間撹拌混合した後、ビーズミルで4時間処理してミルベースを作製した。
【0057】
(ミルベース調製例3)
ミルベース調製例1に使用した処理カーボンブラックの替わりに調製例2の処理カーボンブラックを用いて、ミルベース調製例1と同様な方法でミルベースを作製した。
【0058】
(ミルベース調製例4)
ミルベース調製例1に使用した処理カーボンブラックの替わりに調製例3の処理カーボンブラックを用いて、ミルベース調製例1と同様な方法でミルベースを作製した。
【0059】
(ミルベース比較調製例1)
ミルベース調製例1に使用した処理カーボンブラックの替わりに未処理の#960を用いて、ミルベース調製例1と同様な方法でミルベースを作製した。
【0060】
(ミルベース比較調製例2)
ミルベース調製例1に使用した処理カーボンブラックの替わりに未処理の#970を用いて、ミルベース調製例1と同様な方法でミルベースを作製した。
【0061】
(ミルベース比較調製例3)
未処理の#960 10部、ソルスパーズ5000(アビシア製フタロシアニンスルフォン酸のアミン塩)1部、アジスパーPB821 6部、アロニックスM5700 14部、エチレンオキサイド付加1,6ヘキサンジオールジアクリレート 63部、3−メトキシブチルアクリレート 7部を攪拌機で1時間撹拌混合した後、ビーズミルで4時間処理してミルベースを作製した。
【0062】
(インクの調製例)
(実施例1)
合成例のポリウレタンアクリレート 4.0部、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリアクリレート 14.0部、エチレンオキサイド付加1,6ヘキサンジオールジアクリレート 39.0部、3−メトキシブチルアクリレート 8.0部、DC57Additive(ダウコーニング製ポリエーテル変性シリコーンオイル) 0.1部に光重合開始剤としてイルガキュア369(チバ・スペチャリティー・ケミカルズ製)5.6部を加えて60℃で光重合開始剤を加温溶解した溶液に、調製例1のミルベースを35部加えて十分に混合後、1.2μmのメンブランフィルターでろ過することによってジェットプリンター用インクを作製した。
【0063】
(実施例2)
合成例のポリウレタンアクリレート 6.0部、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリアクリレート 17.0部、ジプロピレングリコールジアクリレート 32.0部、2−メトキシエチルアクリレート 10.0部、DC57Additive 0.1部に光重合開始剤としてイルガキュア819(チバ・スペチャリティー・ケミカルズ製)4.8部、ダロキュア1173(チバ・スペチャリティー・ケミカルズ製)3.2部を加えて60℃で光重合開始剤を加温溶解した溶液に、調製例2のミルベースを35部加えて十分に混合後、1.2μmのメンブランフィルターでろ過することによってジェットプリンター用インクを作製した。
【0064】
(実施例3)
実施例1で使用した調製例1のミルベースの替わりに調製例3のミルベースを用いて、実施例1と同様な方法でジェットプリンター用インクを作製した。
【0065】
(実施例4)
実施例1で使用した調製例1のミルベースの替わりに調製例4のミルベースを用いて、実施例1と同様な方法でジェットプリンター用インクを作製した。
【0066】
(比較例1)
実施例1で使用した調製例1のミルベースの替わりに比較調製例1のミルベースを用いて、実施例1と同様な方法でジェットプリンター用インクを作製した。
【0067】
(比較例2)
実施例1で使用した調製例1のミルベースの替わりに比較調製例2のミルベースを用いて、実施例1と同様な方法でジェットプリンター用インクを作製した。
(比較例3)
実施例1で使用した調製例1のミルベースの替わりに比較調製例3のミルベースを用いて、実施例1と同様な方法でインクジェット記録用インクを作製した。
【0068】
実施例1〜4,比較例1〜3のインクの分散安定性、吐出性、硬化性を下記の方法により評価した。結果を表.1に示す。
【0069】
(初期分散性)
インクジェット記録用インクについてマイクロトラックUPA粒度分析計(Leed & Northrup社製)で粒径測定を実施した。
【0070】
(分散安定性)
E型粘度計により、25℃での粘度を初期、60℃14日保存後、60℃30日保存後において測定し、粘度変化から分散安定性を評価した。
評価は以下の3段階によって行った。
○:60℃30日保管後の粘度変化が初期粘度の10%以内である。
:60℃14日保管後の粘度変化は初期粘度の10%以内であるが、60℃30日保管後の粘度変化が初期粘度の10%を超える。
×:60℃14日保管後の粘度変化が初期粘度の10%を超える。
【0071】
(吐出性)
ヘッド温度を45℃に保温したピエゾ式ヘッドを有するインクジェットプリンターで印刷を行い、記録物の印刷状態を目視により評価した。
○:所定の位置に印刷できている。
×:吐出しない。
【0072】
(硬化性:メタノールラビング評価)
ガラス面に印刷したものを、コンベア式UV照射装置により,120W/cmのメタルハライドランプ,0.5J/cm2の条件で紫外線照射し,印刷被膜の硬化状態をメタノールラビングにより評価した。
メタノールラビング評価:メタノールを含ませた綿棒を印刷物上に押しあて,左右に擦りつけて印刷被膜の剥離,薄化等の破壊がおこるまでの綿棒の通過した回数を計測する。
【0073】
【表1】
(表1)
紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物の諸特性
Figure 0004452910
【0074】
なお比較例1、2、3については60℃14日経過後の粘度上昇が既に大きな値を示していたため、60℃30日経過後の粘度測定は行わなかった。
上記の通り,実施例1、2のインクが吐出性、分散安定性(粘度変化)、硬化性全て良好であるのに対し,フタロシアニンスルフォン酸系化合物を含有しない比較例1、2のインクは分散安定性が不良であり、60℃14日保存インクの吐出性も不良であった。また、pHが3.5の酸性カーボンブラックを用いた実施例3とDBP吸油量が113ml/100gの塩基性カーボンブラックを用いた実施例4のインクは、実施例1、2のインクほど高い分散性は得られなかった。
【0075】
【発明の効果】
本発明の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物は,保存安定性(分散安定性)、吐出性,硬化性に優れるものであり,各種の被印刷材料への印刷に好適である。

Claims (10)

  1. 少なくともカーボンブラックと、光重合性化合物と、光重合開始剤からなる紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物において、塩基性の吸着基を有する高分子分散剤と、フタロシアニンスルフォン酸系化合物とを含有し、該フタロシアニンスルフォン酸系化合物は、フタロシアニンスルフォン酸と、フタロシアニンスルフォン酸の金属塩からなる群から選択される少なくとも一種である事を特徴とする紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物。
  2. 比表面積が200〜300BET− /gであり、DBP吸油量が50〜100ml/100gであり、かつpHが7〜9の塩基性カーボンブラックを含有する事を特徴とする請求項1に記載の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物
  3. 前記高分子分散剤を溶解する光重合性化合物を含有する請求項1または2に記載の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物。
  4. 前記高分子分散剤を溶解する(メタ)アクリレートを含有する請求項に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
  5. 前記高分子分散剤を溶解する(メタ)アクリレートとして、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートを含有する請求項に記載の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物。
  6. 非反応性希釈溶剤を実質的に含有しない請求項に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
  7. ポリウレタン(メタ)アクリレートを含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物。
  8. ポリウレタン(メタ)アクリレートが、ポリイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートから合成されるポリウレタン(メタ)アクリレートである請求項に記載の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物。
  9. 前記カーボンブラックが、水中でフタロシアニンスルフォン酸系化合物と混合して混合物を形成し、該混合物を乾燥処理して製造されたものである請求項1〜8のいずれか1項に記載の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物。
  10. フタロシアニンスルフォン酸とフタロシアニンスルフォン酸の金属塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を分散助剤とし、該分散剤とカーボンブラックとを水性媒体中で混合し、混合物を形成した後に該混合物を乾燥することにより、前記カーボンブラックの表面に前記分散助剤の吸着した表面処理カーボンブラックを製造する第1の工程と、
    前記表面処理カーボンブラックを、塩基性の官能基を有する高分子分散剤の存在下で、光重合性化合物中に分散させる第2の工程
    とを有することを特徴とする紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物の製造方法。
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