JP2001206902A - 活性エネルギー線硬化性材料およびそれを用いた硬化皮膜の形成方法 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性材料およびそれを用いた硬化皮膜の形成方法

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JP2001206902A
JP2001206902A JP2000013766A JP2000013766A JP2001206902A JP 2001206902 A JP2001206902 A JP 2001206902A JP 2000013766 A JP2000013766 A JP 2000013766A JP 2000013766 A JP2000013766 A JP 2000013766A JP 2001206902 A JP2001206902 A JP 2001206902A
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Takero Sunahara
建朗 砂原
Minoru Nakamura
稔 中村
Hiroaki Tanaka
洋明 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】種々のプラスチック基材に対してコロナ処理程
度の前処理工程だけで、高密着性を示す活性エネルギー
線硬化性材料、およびそれを用いたプラスチック基材へ
の密着性が良好な硬化皮膜の形成方法の提供。 【解決手段】エチレン性不飽和二重結合および極性基を
有する重合性化合物を含み、重合性化合物の全量を基準
とした極性基量が 6.0×10-3〜13.0×10-3 mol/gである
活性エネルギー線硬化性材料、およびプラスチック基材
に前記硬化性材料を用いて皮膜を形成する工程、および
活性エネルギー線を照射する工程を含む硬化皮膜の形成
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック基材
への密着性に優れ、塗料、インキ、封止剤、成形剤、接
着剤、粘着剤などの広い分野で使用することができ、活
性エネルギー線で硬化することのできる活性エネルギー
線硬化性材料、およびそれを用いた硬化皮膜の形成方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境、作業環境への関心の高
まりから活性エネルギー線硬化系への傾向が顕著になっ
てきており、常温硬化、高速硬化、無溶剤、省エネルギ
ー、省スペース等の利点を生かして、塗料、インキ、接
着剤、粘着剤等へその用途を急速に拡大してきている。
活性エネルギー線硬化性材料は、無溶剤であること、熱
硬化系と比較して乾燥時間が非常に短いこと、基材に熱
がかからないことなどから、プラスチック表面への印
刷、コーティングに最適材料であるといえる。特に、電
子線硬化系は、開始剤が不要であること、顔料の配合な
どにより紫外線透過が不十分になる素材でも硬化可能で
あることなどから、その有効性が認められている。しか
しながら、活性エネルギー線硬化性材料は、樹脂構造が
ある程度限定されていることなどから、基材に対する密
着性・接着性に乏しく、そのため市場が限定されていた
ところもあった。
【0003】一方、プラスチック材料は、その強靱性、
加工性等から様々な用途で使用されているが、その表面
が柔らかく傷つきやすいことから、表面硬度や耐擦傷性
を改良する方法が、従来から数多く提案されている。活
性エネルギー線硬化性材料によるプラスチック材料表面
のコーティングというのがその代表例である。しかし、
プラスチック表面は極性が低いために、コーティングに
際しては、基材表面に何らかの前処理を行うことが必要
とされる。前処理方法としては、コロナ放電処理、フレ
ーム処理、酸などの薬品による処理等、基材表面を直接
極性化させる方法と、プライマーを塗布し、表面を変性
させる方法がある。コロナ放電処理などは、その効果に
時間的、性能的な限界があり、プライマー塗布による方
法は密着性の向上に効果的であるが、工程が増えること
で、作業性の悪化、コストアップをもたらす等、前処理
による密着性確保にはコスト面、設備面、公害面等、種
々の問題が残されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、種
々のプラスチック基材に対して、前処理工程なしで高密
着性を示す活性エネルギー線硬化性材料、およびそれを
用いたプラスチック基材への硬化皮膜の形成方法を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、極性基量
が特定範囲内になるように設計された活性エネルギー線
硬化性材料を用いることにより、プラスチック基材に対
して、前処理工程なしで密着性が良好な硬化皮膜を形成
できることを見出し、本発明に至った。
【0006】すなわち、本発明は、エチレン性不飽和二
重結合および極性基を有する重合性化合物を含み、重合
性化合物の全量を基準とした極性基量が 6.0×10-3〜1
3.0×10-3 mol/gであることを特徴とする活性エネルギ
ー線硬化性材料に関する。また、本発明は、さらに、エ
チレン性不飽和二重結合を有し、極性基を有しない重合
性化合物を含む上記活性エネルギー線硬化性材料に関す
る。また、本発明は、さらに、無機顔料を含む上記活性
エネルギー線硬化性材料に関する。
【0007】また、本発明は、プラスチック基材に上記
いずれかの硬化性材料を用いて皮膜を形成する工程、お
よび活性エネルギー線を照射する工程を含むことを特徴
とする硬化皮膜の形成方法に関する。さらに、本発明
は、プラスチック基材に上記いずれかの硬化性材料を用
いて皮膜を形成する工程、該皮膜上に重合性化合物の全
量を基準とした極性基量が4.0×10-3mol/g 以下の活性
エネルギー線硬化性材料を用いて皮膜を形成する工程、
および活性エネルギー線を照射する工程を含むことを特
徴とする硬化皮の膜形成方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、エチレン性不飽
和二重結合および極性基を有する重合性化合物とは、活
性エネルギー線を照射することによりラジカル重合する
化合物であり、例えば、水酸基、アミノ基、アミド基、
カルボキシル基、リン酸基等の極性基を有する(メタ)
アクリル系化合物やビニル系化合物などが挙げられる。
特に、硬化性材料中に水酸基を有する(メタ)アクリル
系化合物を含む場合には、極性基に由来する二次結合の
相互作用が強く、密着性が向上するため好ましい。尚、
本明細書においては、アクリルおよびメタクリルを総称
して(メタ)アクリルと表す。
【0009】水酸基を有する(メタ)アクリル系化合物
のうち単官能の化合物としては、2- ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2- ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2- ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒド
キロキシ−3−ブトキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドキロキシ−3−フェノキシプロピルアクリ
レート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングチコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、
1, 6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレートな
どが挙げられる。
【0010】また、水酸基を有する(メタ)アクリル系
化合物のうち多官能の化合物としては、2−ヒドキロキ
シ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセ
リンジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、エ
ポキシアクリレートなどが挙げられる。さらに、エポキ
シアクリレートとして具体的には、1, 6−ヘキサンジ
オールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、
ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アク
リレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテ
ルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
(n=1〜4)ジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリ
レートなどが挙げられる。
【0011】アミノ基またはアミド基を有する(メタ)
アクリル系化合物としては、N,N−ジメチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、N−イソ
プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリルアミド、ウレタンアクリレートなどが
挙げられる。
【0012】カルボキシル基を有する(メタ)アクリル
系化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、(メ
タ)アクリル酸ダイマー、ω−カルボキシカプロラクト
ンモノ(メタ)アクリレート、2−アクリロイロキシエ
チルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、
β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、β−アク
ロイルオキシエチルハイドロゲンサクシネート、2−ア
クリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレートなどが
挙げられる。
【0013】極性基を有するビニル系化合物としては、
ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビ
ニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニル
エーテル、グリセロールジビニルエーテル、トリメチロ
ールプロパンジビニルエーテル、ペンタエリスリトール
ジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエ
ーテル、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクラム、N
−ビニルホルムアミドなどが挙げられる。
【0014】本発明の活性エネルギー線硬化性材料に
は、硬化性向上などのため、エチレン性不飽和二重結合
を有し、極性基を有しない重合性化合物を含有させるこ
とができる。極性基を有しない重合性化合物としては、
単官能または多官能の他の(メタ)アクリル系化合物、
他のビニル系化合物、ジエン系化合物、スチレン系化合
物などを用いることができる。
【0015】極性基を有しない単官能の(メタ)アクリ
ル系化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、n- ブチル(メタ)アクリ
レート、t- ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n-ラ
ウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アク
リレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、イソ
ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)ア
クリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)
アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、n−ブトキシエチル(メタ)アクリ
レート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフ
ルフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)ア
クリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどが挙げ
られる。
【0016】また、極性基を有しない多官能の(メタ)
アクリル系化合物としては、1,4−ブタンジオールジ
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコール(n=1〜9)ジ(メタ)
アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポ
リテトラメチレングリコール(n=1〜4)ジ(メタ)
アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールヘキサ(メタ)アクリレート、エステルアクリレー
ト等が挙げられる。
【0017】極性基を有しない単官能のビニル化合物と
しては、ドデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニ
ルエーテル、2- エチルヘキシルビニルエーテル、オク
タデシルビニルエーテル等が挙げられる。また、極性基
を有しない多官能のビニル化合物としては、エチレング
リコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビ
ニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテ
ル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、プロ
ピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリ
コールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールジ
ビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエー
テル、1,4−ブタンジエールジビニルエーテル、1,
6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−ジヒ
ドロキシシクロヘキサンジビニルエーテル、1,4−ジ
ヒドロキシメチルシクロヘキサンジビニルエーテル、ハ
イドロキノンジビニルエーテル、ハイドロキノンジエト
キシジビニルエーテル、レゾルシンジエトキシジビニル
エーテル、ビスフェノールAジエトキシジビニルエーテ
ル、ビスフェノールSジエトキシジビニルエーテル、グ
リセロールトリビニルエーテル、トリメチロールプロパ
ントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビ
ニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエ
ーテル、ジトリメチロールプロパンヘキサビニルエーテ
ルなどが挙げられる。上記化合物のうち3官能以上の
(メタ)アクリル系化合物またはビニル化合物を用いる
と反応性が高まる。
【0018】本発明の硬化性材料には、粘性を調節した
り、造膜性、皮膜性能を調節するために、アミノ樹脂、
フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース誘導体、
ビニル系樹脂、ポリオレフィン、天然ゴム誘導体、アク
リル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリスチレ
ン、アルキド樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、アマニ油
変性アルキド樹脂などの汎用樹脂や、アマニ油、桐油、
大豆油などの乾性油等を配合してもよい。ただし、これ
らの配合量は、硬化性材料を基準として、何れも好まし
くは30重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下
である。
【0019】さらに、本発明の硬化性材料には、流動性
を制御する目的で、水、有機溶剤、相溶化剤、界面活性
剤、滑剤等を添加してもよい。これらの配合量は、硬化
性材料を基準として、好ましくは20重量%以下、更に
好ましくは10重量%以下である。本発明の硬化性材料
は、カーボンブラック、チタンホワイト、硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウム、シリカ、タルク等の無機顔料、フ
タロシアニン、アゾ色素、キナクリドン等の有機顔料や
染料からなる着色剤を適当量添加することにより各種印
刷インキや着色塗料等として使用することができる。特
に、無機顔料を含む硬化性材料は、密着性を維持しつつ
塗膜性能の向上が望めるため、好ましい。
【0020】本発明の活性エネルギー線硬化性材料は、
プラスチック基材上に、ロールコータ、バーコータ、ナ
イフコータなどの塗工方法、またはオフセット印刷、グ
ラビア印刷、凸版印刷、シルクスクリーン印刷などの印
刷方法などにより造膜または充填され、0.1〜500
μmの膜厚の皮膜を形成することができる。上記方法に
より形成された皮膜は、電子線、紫外線、可視光線、赤
外線等の活性エネルギー線を照射することにより硬化
し、硬化皮膜を形成せしめることができる。
【0021】さらに、塗工時の基材界面の極性基濃度を
高くするために、極性基濃度が高い本発明の活性エネル
ギー線硬化性材料を用いて皮膜を形成し、該皮膜上に重
合性化合物の全量を基準とした極性基量が 4.0×10-3mo
l/g 以下の極性基濃度が低い活性エネルギー線硬化性材
料を用いて皮膜を形成し、活性エネルギー線を照射する
ことにより、表面硬化性に優れた高密着性の硬化皮膜を
プラスチック基材上に形成することができる。最外層を
構成する活性エネルギー線硬化性材料の極性基量が 4.0
×10-3mol/gを越える場合には、表面硬度が十分に高い
硬化被膜を得ることが難しくなる。
【0022】極性基量が 4.0×10-3mol/g 以下の活性エ
ネルギー線硬化性材料は、極性基を全く含まない、すな
わち極性基量0mol/g のものであってもよい。また、極
性基量が 4.0×10-3mol/g 以下の活性エネルギー線硬化
性材料は、エチレン性不飽和二重結合および極性基を有
し、極性基量が 4.0×10-3mol/g 以下の1種の重合性化
合物からなるものでも良いし、上記エチレン性不飽和二
重結合および極性基を有する重合性化合物とエチレン性
不飽和二重結合を有し、極性基を有しない重合性化合物
とを適宜混合し、重合性化合物の全量を基準とした極性
基量が 4.0×10 -3mol/g 以下となるよう調整したもので
も良い。
【0023】プラスチック基材としては、ポリエチレン
テレフタレート、ナイロンなどの水酸基成分を多く含む
極性成分系プラスチックが好ましいが、本発明の硬化性
材料は、水酸基成分を含まない極性基成分/非極性成分
系の種々プラスチックに対しても良好な密着性を示す。
プラスチック基材の表面にコロナ処理などの前処理を行
い極性を高めると、さらに硬化皮膜の密着性が高まるた
め好ましい。
【0024】本発明の硬化皮膜の形成方法において、硬
化トリガーとして電子線を使用する場合、加速電圧は特
に制限はなく、30〜500kVの範囲に設定すること
により硬化皮膜の形成が可能である。特に、150kV
以下の低加速電圧の電子線照射を行った場合には、高加
速電圧の電子線照射を行った場合と比較して酸素による
硬化阻害を生じやすい塗工/印刷表面において集中的に
電子線が吸収される。その結果、硬化性が向上し、さら
に基材に対するダメージを低減することができるため好
ましい。また、電子線の照射線量(DOSE)は、好ま
しくは1〜1000kGy、更に好ましくは5〜200
kGyの範囲である。これより少ないと充分な硬化皮膜
が得られにくく、またこれより大きいと塗膜や基材に対
するダメージが大きいため好ましくない。
【0025】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。 ◎粘度の測定方法 サンプルの粘度にあわせて、レオメトリクス社製レオメ
ータ「RDS−II」(高粘度タイプ)、または「RF
S−II」(低粘度タイプ)で、定常粘度(ズリ速度=
1〜10/secの値)を測定した。
【0026】◎活性エネルギー線照射装置と照射条件 1)エリアビーム型電子線照射装置「Curetron
EBC−200−20−30」(日新ハイボルテージ社
製) 電子線加速電圧;150kV 吸収線量(Dose) ;5〜50kGyの範囲を電流量と搬
送速度により調節した。なお、吸収線量は、Farwest Fi
lm 44.5〜50.5μmを用いて測定した。 照射雰囲気;窒素雰囲気下
【0027】2)真空管型電子線照射装置「MIN−E
B」(AIT社製) 電子線加速電圧;50kV 吸収線量(Dose) ;5〜50kGyの範囲を搬送速度で
調節した。なお、吸収線量は、Farwest Film 44.5〜5
0.5μmを用いて測定した。 照射雰囲気;窒素雰囲気下
【0028】3)紫外線照射装置「トスキュアーKUV
M−30251−1XA−DMF」(東芝ライテック社
製) 紫外線照射;メタルハライドランプ120w/cm1灯 照射量;80mJ/cm2 照射雰囲気;空気中
【0029】◎実施例で使用した化合物の略号 1)水酸基を有する(メタ)アクリル系化合物 2HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート 4HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート HOP−A:2−ヒドロキシプロピルアクリレート EP828:ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ
アクリレート
【0030】2)アミノ基またはアミド基を有する(メ
タ)アクリル系化合物 DMAA:N,N−ジメチルアクリルアミド DMAPAA:N,N−ジメチルアミノプロピルアクリ
ルアミド 3)極性基を有しない(メタ)アクリル系化合物 TPGDA:トリプロピレングリコールジアクリレート NDDA:1,9- ノナンジオルジアクリレート TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート
【0031】(実施例1〜17および比較例1〜4)極
性基を有する重合性化合物および極性基を有しない重合
性化合物を表1に示す割合(重量比)で配合し、硬化性
材料を得た。実施例13については、さらに硬化性材料
の全量を基準として50重量%の無機顔料(BaSO4 )を
配合し、ジルコニアンビーズでスキャンデックスを用い
て分散を行った。実施例14、15については、さらに
UV開始剤として2−メチル−〔4−(メチルチオ)フ
ェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ
・スペシャリティー・ケミカルズ社製「イルガキュアー
907」)を、硬化性材料の全量を基準として5重量%
配合した。実施例16、17については、さらに硬化性
材料の全量を基準として、藍顔料(東洋インキ製造社製
「Lionol Blue FG7330」)14重量%、分散剤(アイ・
シ−・アイ社製「ソルスパース5000」)0.4重量
%、分散剤(アイ・シ−・アイ社製「ソルスパース24
000GR」)0.7重量%を配合し、ガラスビーズで
スキャンデックスを用いてインキ化を行った。得られた
硬化性材料を#4のバーコーターでポリエチレンテレフ
タレート(PET)フィルム上に塗布し(膜厚3μ
m)、活性エネルギー線を照射した。表1に、活性エネ
ルギー線の照射条件(吸収線量、加速電圧)および得ら
れた硬化皮膜の密着性(クロスカットセロテープ剥離試
験<4分割>→密着性 ◎全く剥げない、○1面剥げ
る、△2〜3面剥げる、×4面剥げる)、硬化特性(爪
引っかき試験の程度 ◎全く傷つかない、○一部傷つ
く、△浅く全体に傷つく、×深く全体に傷つく)の評価
結果を示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明により、プラスチック基材への密
着性に優れ、塗料、インキ、封止剤、成形剤、接着剤、
粘着剤などの広い分野で使用することができる活性エネ
ルギー線硬化性材料が得られるようになった。また、プ
ラスチック基材へ、密着性に優れる硬化皮膜を形成でき
るようになった。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F006 AA35 AB24 BA01 DA04 EA03 4J011 QA02 QA03 QA06 QA07 QA17 QA35 QA37 QA39 QB16 QC10 SA83 UA01 UA03 VA01 WA02 WA05 WA06 4J038 FA011 FA061 FA062 FA091 FA122 FA132 FA142 FA151 FA172 FA251 FA272 FA281 GA01 GA03 GA06 GA09 GA14 HA026 HA216 HA286 HA376 HA446 HA536 KA08 NA12 PA17 PC08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン性不飽和二重結合および極性基を
    有する重合性化合物を含み、重合性化合物の全量を基準
    とした極性基量が 6.0×10-3〜13.0×10-3 mol/gである
    ことを特徴とする活性エネルギー線硬化性材料。
  2. 【請求項2】さらに、エチレン性不飽和二重結合を有
    し、極性基を有しない重合性化合物を含む請求項1記載
    の活性エネルギー線硬化性材料。
  3. 【請求項3】さらに、無機顔料を含む請求項1または2
    記載の活性エネルギー線硬化性材料。
  4. 【請求項4】プラスチック基材に請求項1ないし3いず
    れか記載の硬化性材料を用いて皮膜を形成する工程、お
    よび活性エネルギー線を照射する工程を含むことを特徴
    とする硬化皮膜の形成方法。
  5. 【請求項5】プラスチック基材に請求項1ないし3いず
    れか記載の硬化性材料を用いて皮膜を形成する工程、該
    皮膜上に重合性化合物の全量を基準とした極性基量が
    4.0×10-3mol/g 以下の活性エネルギー線硬化性材料を
    用いて皮膜を形成する工程、および活性エネルギー線を
    照射する工程を含むことを特徴とする硬化皮膜の形成方
    法。
JP2000013766A 2000-01-24 2000-01-24 活性エネルギー線硬化性材料およびそれを用いた硬化皮膜の形成方法 Withdrawn JP2001206902A (ja)

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WO2003102942A1 (fr) * 2002-06-04 2003-12-11 Toyo Ink Mfg. Co., Ltd. Disque optique et son procede de fabrication
JP2009067932A (ja) * 2007-09-14 2009-04-02 Toyo Ink Mfg Co Ltd カーボンナノチューブを含むコーティング用組成物
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