JP6075189B2 - 活性エネルギー線硬化性インキ - Google Patents
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Description
顔料を使用するインキには、主溶剤として水を用いた水性インキと、主溶剤として有機溶剤を用いた非水系(油性)インキとがある。しかし水性インキは、基材がプラスチックフィルム等の非吸収材料の場合、印刷被膜を形成した後の乾燥速度、印刷被膜の付着性や耐久性が不十分であるといった問題があり、また有機溶剤を用いるインキは、大気汚染の原因になりかねない大量の有機溶剤が放出されるという懸念があった。
そこで、これら問題点を改良したインキとして、希釈・溶解用の有機溶剤等の非重合性溶剤を実質的に含有せず、活性エネルギー線重合性化合物を主成分として紫外線等の活性エネルギー線で印刷被膜を硬化、乾燥させることの可能な活性エネルギー線硬化性インキが提案されている。
例えば特許文献1では、ジケトピロロピロール顔料をモノマー中に安定に分散させる方法として、一般式「P・X」で表される顔料誘導体(但し式中P はアゾ系、ジケトピロロピロール系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ベンズイミダゾロン系、キノフタロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ペリレン系、ペリノン系、フラバンスロン系、ピランスロン系、またはアンスラピリミジン系から選ばれる有機色素残基、X はスルホン酸ないしは、スルホン酸金属塩、スルホン酸アンモニウム塩、スルホン酸アミン塩、カルボン酸、カルボン酸金属塩、カルボン酸アンモニウム塩、カルボン酸アミン塩の何れかを示す)を使用する方法が、特許文献2では、カーボンブラックをモノマー中に安定に分散させる方法として、高分子分散剤とフタロシアニンスルホン酸アミン塩を併用する方法が開示されている。
本発明で使用する顔料分散剤は一般式(1)で表される化合物であることが特徴である。該化合物はペリレン骨格に、重合性官能基、及び活性エネルギー線重合性化合物に親和性を有する基を導入されており、顔料に対し良好な親和性を有するので、得られるインキは活性エネルギー線重合性化合物中での分散性に優れる。
一般式(1)で表される化合物を以下に示す。
炭素原子数1〜16の2価の炭化水素基(但し該炭化水素基は置換基を有していてもよく、分岐あるいは環構造を形成してもよく、また途中にエーテル結合、エステル結合、フェニレン基を介してもよい)は、具体的には、炭素原子数1〜16の直鎖状アルキレン基、炭素原子数1〜16の分岐状アルキレン基、置換基等を有していてもよいp−フェニレン基等のフェニレン基等が挙げられる。これらは途中にエーテル結合や、エステル結合を介したり、ポリエーテル構造や、ポリエステル構造であってもよい。
好ましくは、炭素原子数1〜10のアルキレン基や、炭素原子数3〜12の分岐状アルキレン基等が、挙げられる。
また、置換基としては、メチル基、エチル基、ブチル基等の炭素原子数1〜6のアルキル基や、アミノ基、ヒドロキシル基等が挙げられる。
中でも、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CONH−、−NHCO−が好ましく、−O−、−CO−、−CO−O−、−CONH−が最も好ましい。
中でも、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基が好ましい。
ビニル系モノマーとして具体的には、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン、ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン等の脂肪族ビニル系炭化水素や、シクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプテン等;テルペン類、例えばピネン、リモネン、インデン等の脂環式ビニル系炭化水素や、スチレンおよびそのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキルおよび/またはアルケニル)置換体、例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、トリビニルベンゼン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル系炭化水素や、
ポリマー鎖とペリレン骨格との比率は、インキに使用する活性エネルギー線重合性化合物への溶解性と、顔料への吸着性とのバランスにより決定されるが、一般的には前記一般式(1)で表される顔料分散剤の全重量に対する前記Bの重量%が30.0〜99.5%の範囲内であればよく、好ましくは60.0%〜97.0%の範囲であればよく、より好ましくは70.0〜93.0%の範囲であればなおよい。
本発明における顔料分散剤として使用される一般式(1)で表される化合物は、公知の方法(例えば特許文献:特開昭56−139477、特開昭56−169691、特開昭61−238853、特開平11−286489、特開2000−297224等)に従い得ることができる。以下に具体例を挙げる。
一般式(1)で表される化合物は、例えば、式(P1)
また例えば、式(P1)と一当量の式(P5)
また例えば、式(P1)と二当量の式(P5)のアミノアルコール(nは2以上)の合成は、公知の方法で調製することができ、その反応物は、式(P10)
一般式(1)で表される化合物は、例えば、式(P6)と一当量の式(P11)のポリマー(B)にエポキシ基が導入された変性ポリマーの合成は、公知の方法で反応させる方法で調整することができ、その化合物は式(P14)
また、例えば製造方法2で用いた末端塩化物の重合性基(P8)の代わりに、式(P16)
また、例えば製造方法3で用いたポリマー(B)にエポキシ基が導入されたエポキシ変性ポリマー(P11)の代わりに、式(P18)
このようなアミノ基と重合性官能基を1分子中に持つ化合物の例としては、アミノメチルアクリレートやアミノメチルメタクリレート、N−アミノメチルーアクリルアミド、1−メタクリロイルウレア、ビニルアミド、3−アミノ−1−プロペン、ビニルオキシメタナミン、1−ビニルオキシエタナミン、グリシジルアミン、2−プロピン1−アミン、2−アミノベンゼンチオール、2−アミノ−1−エタンチオール、3−アミノ−1−プロパンチオール等が挙げられる。
アミノ基と、前記Bで表されるポリマー鎖とを有する化合物としては、例えば、ビニル系ポリマー鎖を導入するのであれば、アミン変性ビニル系ポリマー鎖を、ポリエステル鎖を導入するのであれば、アミン変性ポリエステル鎖を、ポリエーテル鎖を導入するのであれば、アミン変性ポリエーテル鎖を、ポリアクリレート鎖を導入するのであれば、アミン変性ポリアクリレート鎖を、ポリブタジエン鎖を導入するのであれば、アミン変性ポリブタジエン鎖を、ポリスチレン鎖を導入するのであれば、アミン変性ポリスチレン鎖を、ポリスチレン−酢酸ビニル鎖を導入するのであれば、アミン変性ポリスチレン−酢酸ビニル鎖を、ポリ塩化ビニル鎖を導入するのであれば、アミン変性ポリ塩化ビニル鎖を、ポリシラン鎖を導入するのであれば、アミン変性ポリシラン鎖を、ポリシロキサン鎖を導入するのであれば、アミン変性ポリシロキサン鎖を、ポリカーボネート鎖を導入するのであれば、アミン変性ポリカーボネート鎖を、ポリアミド鎖を導入するのであれば、アミン変性ポリアミド鎖を、ポリイミド鎖を導入するのであれば、アミン変性ポリイミド鎖を、ポリウレタン鎖を導入するのであればアミン変性ポリウレタン鎖を、ポリウレア鎖を導入するのであれば、アミン変性ポリウレア鎖を、ポリペプチド鎖を導入するのであれば、アミン変性ポリペプチド鎖を反応させることで得られる。ポリマー中のアミンの位置はポリマー鎖の末端でも側鎖でも良い。
アミノ基及び他の反応性官能基を有する化合物は、前記Aで表される重合性官能基を導入する際に使用した化合物と同じ化合物を使用することができる。
このような材料は、ここに挙げた材料だけではなく、前記のアミノ基を含む化合物と、一般的な公知の方法で反応することができる材料であればよい。
このとき、得られる顔料分散剤において、Bのポリマー鎖は、アミノ基−(R2−X1)−基を介して結合する。
前記(I−1)〜(I−6)で示される化合物である顔料分散剤は、前記の一般式(1)で表される化合物の製造方法1を用いて製造することができる。
(II−1)〜(VI−6)で示される化合物である顔料分散剤は、前記の(一般式(1)で表される化合物の製造方法2)を用いて製造することができる。
((VII−1)〜(VII−6)で示される化合物である顔料分散剤は、前記の(一般式(1)で表される化合物の製造方法3)を用いて製造することができる。
本発明で使用する顔料は、公知慣用の有機顔料あるいは無機顔料の中から選ばれる少なくとも一種の顔料である。また、本発明は未処理顔料、処理顔料のいずれでも適用することができる。
ペリレン・ペリノン系化合物顔料としては、例えばC.I.PigmentViolet 29、C.I.Pigment Red 123、同149、同178、同179、C.I.Pigment Black 31、同32、C.I.Pigment Orange 43等の顔料が挙げられる。
キナクリドン系化合物顔料としては、例えばC.I.Pigment Violet 19、同42、C.I.Pigment Red 122、同202、同206、同207、同209、C.I.Pigment Orange 48、同49等の顔料が挙げられる。
フタロシアニン系化合物顔料としては、例えばC.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、C.I.Pigment Green 7、同36等の顔料が挙げられる。
アントラキノン系化合物顔料としては、例えばC.I.Pigment Blue 60、C.I.Pigment Yellow 24、同108、C.I.Pigment Red 168、同177、C.I.Pigment Orange 40等の顔料が挙げられる。
フタロン系化合物顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 138等の顔料が挙げられる。
ジオキサジン系化合物顔料としては、例えばC.I.Pigment Violet 23、同37等の顔料が挙げられる。
イソインドリノン系化合物顔料としては、例えばC.I.Pigment Yellow 109、同110、同173、C.I.Pigment Orange 61等の顔料が挙げられる。
イソインドリン系化合物顔料としては、例えばC.I.PigmentYellow 139、同185、C.I.Pigment Orange 66、C.I.Pigment Brown 38等の顔料が挙げられる。
ジケトピロロピロール系化合物顔料としては、例えばC.I.PigmentRed 254、同255等の顔料がある。
不溶性アゾ系化合物顔料としては、例えば C.I.Pigment Yellow 1、同3、同12、同13、同14、同17、同55、同73、同74、同81、同83、同97、同130、同151、同152、同154、同156、同165、同166、同167、同170、同171、同172、同174、同175、同176、同180、同181、同188、C.I.Pigment Orange 16、同36、同60、C.I.Pigment Red5、同22、同31、同112、同146、同150、同171、同175、同176、同183、同185、同208、同213、C.I.PigmentViolet 43、同44、C.I.Pigment Blue 25、同26等の顔料が挙げられる。
溶性アゾ系化合物顔料としては、例えばC.I.Pigment Red 53:1、同57:1、同48等の顔料がある。
縮合アゾ系化合物顔料としては、例えば C.I.Pigment Yellow 93、同94、同95、同128、同166、C.I.PigmentOrange 31C.I.Pigment Red 144、同166、同214、同220、同221、同242、同248、同262、C.I.Pigment Brown 41、同42等の顔料がある。
アニリンブラック顔料としては、C.I.Pigment Black 1があげられる。
本発明で使用する活性エネルギー線重合性化合物としては、通常活性エネルギー線硬化性組成物に使用される公知の(メタ)アクリルモノマーおよび/または(メタ)アクリルオリゴマーから任意に選んで用いることができる。なお本発明において「(メタ)アクリル」とはアクリルとメタクリルとを総称したものである。
(メタ)アクリルモノマーとしては、例えばアクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸又はそのエステル、例えばアルキル−、シクロアルキル−、ハロゲン化アルキル−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、テトラヒドロフルフリル−、アリル−、グリシジル−、ベンジル−、フェノキシ−(メタ)アクリレート、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリットテトラ(メタ)アクリレートなど、(メタ)アクリルアミド又はその誘導体、例えばアルキル基やヒドロキシアルキル基でモノ置換又はジ置換された(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N’−アルキレンビス(メタ)アクリルアミドなど、アリル化合物、例えばアリルアルコール、アリルイソシアネート、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレートなどを挙げることができる。
これらの(メタ)アクリルモノマーは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの活性エネルギー線重合性化合物は単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの(メタ)アクリルオリゴマーは、重量平均分子量として約2000〜30000の範囲のものが適当である。
本発明で使用する光重合開始剤としては、従来公知のものでよく、具体的には、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が好適に用いられ、さらにこれら以外の分子開裂型のものとして、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンおよび2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等を併用しても良いし、さらに水素引き抜き型光重合開始剤である、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド等も併用できる。
これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
光重合開始剤の含有量は特に限定はないが、通常は2〜20質量%程度配合させる。
本発明においては、バインダー樹脂を使用してもよい。バインダー樹脂としては、ラジカル重合性ワニス及び/又はラジカル重合性モノマーに溶解する印刷インキ用樹脂であれば、特に限定されない。例えば、酸素硬化性アルキド樹脂、アルキドおよびフェノール樹脂、アルキドおよびニトロセルロース、アルキドおよび塩素化ゴム、アルキドおよびポリスチレン、アルキドおよびジイソシアネート、アルキド・ビニルおよびエポキシ、アルキドおよびアミノ樹脂、アルキド・アミノ樹脂およびエポキシアルキドおよびシリコーン、油変性エポキシ樹脂およびアミノ樹脂などの油変性アルキドまたは乾性油とポリマーを含むビヒクル、アルキドおよび乾性油を含まないビヒクルの例として、ビニルアセタールおよび/またはフェノール樹脂、アリルアミノ樹脂、エポキシ、トリメチロールフェニルエーテル、ポリエステル、トリアジン樹脂、アリルポリエステル、シリコーン、熱硬化性アクリル、混合アミノ樹脂、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド樹脂、セルロースのエステルおよびエーテル塩、ポリ(メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアセタール、飽和ポリエステル樹脂、石油樹脂、ポリスチレン、ポリオレフィン等を挙げることができる。
また、光重合開始剤に対し、増感剤として、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミンおよび4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の、活性エネルギー線硬化性化合物と付加反応を起こさないアミン類を併用してもよい。もちろん、光重合開始剤や上記増感剤は、活性エネルギー線硬化性化合物への溶解性に優れ、活性エネルギー線の透過性を阻害しないものが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型インキに係る該重合禁止剤としては、特に制限されず、例えば、アルキルフェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p −メトキシフェノール、t −ブチルカテコール、t −ハイドロキノン、ピロガロール、1,1−ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p −ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、ニトロソアミン塩、2,5−ジ−tert−ブチル−p −ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ−p−ニトロフェニルメチル、N−(3−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等が用いられる。
前記活性エネルギー線硬化性インキを、オフセット及びシルクスクリーン印刷用インキとして使用する場合は、前記活性エネルギー線重合性化合物や前記光重合開始剤、バインダー樹脂の中から、適宜選択して使用することが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型オフセット及びシルクスクリーン印刷用インキには、必要に応じてその他の添加剤を使用することが可能である。例えば、耐摩擦剤、ブロッキング防止剤、スベリ剤、スリキズ防止剤としては、カルナバワックス、木ロウ、ラノリン、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の天然ワックス、フィッシャートロプスワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミドワックス、およびシリコーン化合物等の合成ワックスを例示することができる。
前記活性エネルギー線硬化性インキを、グラビア及びフレキソ印刷用インキとして使用する場合は、前記活性エネルギー線重合性化合物や前記光重合開始剤、バインダー樹脂の中から、適宜選択して使用することが好ましい。
また本発明のグラビア及びフレキソ印刷用活性エネルギー線硬化性インキには、フィラーや顔料を分散安定化するための分散剤、分散補助剤、その他各機能を持たせるための添加剤等を使用することができる。分散剤としては、高分子型分散剤、低分子型分散剤など多種の分散剤が存在するが、分散性に応じて選択することができる。分散補助剤としては、顔料誘導体を用いることができる。
さらに、本発明のグラビア及びフレキソ印刷用活性エネルギー線硬化性インキには、必要に応じてその他の添加剤を使用することが可能である。例えば、従来使用されている、濡れ性調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、耐摩擦剤、ブロッキング防止剤、スベリ剤、スリキズ防止剤としては、カルナバワックス、木ロウ、ラノリン、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の天然ワックス、フィッシャートロプスワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミドワックス、およびシリコーン化合物等の合成ワックスを例示することができる。
前記活性エネルギー線硬化性インキを、インキジェット記録用インキとして使用する場合は、前記活性エネルギー線重合性化合物や前記光重合開始剤、バインダー樹脂の中から、粘度の低いものを適宜選択して使用することが好ましい。
その他、被印刷基材に対する接着性の付与等を目的に、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジンエステル等の非反応性樹脂等を配合することができる。
また、本発明の効果を損なわない範囲において、界面活性剤、分散剤、湿潤剤、増粘剤、保存料、粘度安定剤、粉砕助剤、充填剤、沈殿防止剤、光保護剤、酸化防止剤、殺生物剤、脱気剤/消泡剤、発泡抑制剤、ベーキング防止剤等添加剤を加えても良い。例えば使用可能な界面活性剤としては、ポリアルキレングリコール及びそれらの誘導体等が挙げられる。また分散剤としては、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、polyvinyloxazolidones、ポリスチレン、ポリエポキシド、ポリウレタン、およびポリビニルハロゲン等が挙げられる。市販の分散剤としては、LUBRIZOL社のソルスパース、EVONIK社のTegosperse、BASF社のEFKA、ビックケミー社のDISPERBYK等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記活性エネルギー線硬化性インキを、ブラックマトリックス用インキとして使用する場合は、前記ブラックマトリックス用インキが活性エネルギー線硬化性を有し、アルカリ現像可能なインキであるため、顔料、樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、溶剤から主として構成され、必要に応じて増感剤、重合禁止剤等の各種添加剤を適宜選択して使用することが好ましい。
上記光重合性不飽和結合を有するオリゴマーとしては、上記モノマーの1種又は2種以上を適宜重合させて得られたものを用いることができる。なお、これらの光重合性化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ブラックマトリックス用レジストインキを構成する光重合開始剤としては特に限定されないが、例えば、ベンゾフェノン、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、ベンジル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロル−2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、トリアジン系光重合開始剤等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を併用して用いることができるが、これらに限定されるものではない。
上記ブラックマトリックス用レジストインキを構成する溶剤としては、具体的には、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、乳酸メチルおよび乳酸エチル等のエステル類;エチレングリコールモノエチルエーテルおよびプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、β−メトキシイソ酪酸メチルおよびβ−メトキシイソ酪酸エチル等のグリコールエーテルアセテート類;テトラヒドロフランおよびジオキサン等のエーテル類;メチルエチルケトンおよびシクロヘキサノン等のケトン類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネートおよびジエチルカーボネート等のカーボネート類;N、N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンおよびジメチルスルホキサイド等の非プロトン性極性溶媒;トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられ、このうちの1種または2種以上を選択して使用されるが、これらに限定されるものではない。
本発明のブラックマトリックス用レジストインキは、その他の添加物として、従来から公知の分散剤や界面活性剤、重合禁止剤、可塑剤等を併用することも出来る。公知の分散剤としては例えば、高分子分散剤(例えば、ポリアミドアミンとその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体)、及び、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン、顔料誘導体等を挙げられる。界面活性剤としては例えば、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等が添加される。重合禁止剤としては例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。可塑剤としては例えば、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等が挙げられる。その他の添加物は、このうちの1種または2種以上を選択して使用されるが、これらに限定されるものではない。
本発明の活性エネルギー線硬化性インキは、オフセットインキ、グラビアインキ、フレキソインキ、シルクスクリーンインキ等の印刷インキやインキジェット記録用インキ、ブラックマトリックス用インキ等、汎用のインキとして使用することができる。製造方法については、各々のインキの公知の製造方法を適用することができる。以下もっとも一般的な方法について述べる。
例えば、前記顔料、前記顔料分散剤、及び前記活性エネルギー線重合性化合物を含有し、必要に応じ各種添加剤を加えた混合物をビーズミル等の高シェアのかかりやすい攪拌・分散装置を用いて顔料を分散する。
顔料を分散させるための攪拌・分散装置としては、ロールミル、ビーズミル、ディスパーミキサー、ホモミキサー、コロイドミル、ボールミル、SCミル、アトライタ、サンドミル、ナノマイザー、プラネタリーミキサー等の公知の分散機を用いて混合することにより製造することができる。特にインキジェット記録用インキ組成物に調整する場合は、ビーズミルの他、たとえば超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ボールミル、ロールミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、ナノマイザーなど、公知慣用の各種分散機を使用することができる。
この時重合禁止剤を加えることで、分散時のゲル化を防止することができ好ましい。
印刷方法については、各々のインキに適した印刷方法を適用することができる。
一般的な方法を挙げると、たとえばロールコーター、グラビアコーター、フレキソコーター、エアドクターコーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、トランスファロールコーター、キスコーター、キャストコーター、スプレイコーター、ダイコーター、オフセット印刷機、スクリーン印刷機、反転印刷機、インキジェット印刷等があげられ、従来公知の印刷方法であれば特に限定されることなく使用することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性インキは、基材は特に限定されず、紙、プラスチック等の基材に適用することができる。インキ吸収体の基材としては、更紙、中質紙、上質紙、非塗工紙、コート紙、アート紙などが挙げられる。インク非吸収体の基材としては、プラスチック基材の中でも、例えば食品包装用として使用される熱可塑性樹脂フィルムの材料であるポリエチレンレテフタレート(PET)フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリエチレンフィルム(LLDPE:低密度ポリエチレンフィルム、HDPE:高密度ポリエチレンフィルム)やポリプロピレンフィルム(CPP:無延伸ポリプロピレンフィルム、OPP:二軸延伸ポリプロピレンフィルム)等のポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム等の、ポリエステル系樹脂やポリプロピレン系合成紙、塩化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂が挙げられるだけでなく、ガラス、金属、金属箔コート紙なども挙げられ、特に限定されることなく使用することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性インキの好ましい具体的態様の1つであるインキジェット印刷について述べる。
インキジェット印刷の記録方式としては、従来公知の方式がいずれも使用できる。例えば圧電素子の振動を利用して液滴を吐出させる方法(電歪素子の機械的変形によりインキ滴を形成するインキジェットヘッドを用いた記録方法)や熱エネルギーを利用する方法が挙げられる。
また印刷方法としても特に限定はないが、従来のシャトルヘッドタイプではなく基材幅のヘッド下を一度通しただけで印刷するシングルパス方式のヘッドが開発されており、射出特性が良好な本法によるインキは、本発明の効果を発揮でき好ましい。
前記活性エネルギー線硬化性インキは、前述の各種印刷方法で各種基材に印刷した後、活性エネルギー線、好ましくは紫外線等の光照射をすることにより硬化を行う。紫外線等の光源としては、通常UV硬化性インキジェットインキに使用する光源、例えばメタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ等であれば問題なく硬化させることができる。例えばFusion System社製のHランプ、Dランプ、Vランプ等の市販されているものを用いて行うことができる。
着色剤として、以下の黒色顔料を使用した。
カーボンブラック「MA−8」:三菱化学(株)製
市販の分散剤として、以下の分散剤を使用した。
市販分散剤(X):アミン変性ポリイソブチレン
BASF(株)製「KerocomPIBA03」から高沸点系溶媒を除去
市販分散剤(Y):アミン変性ポリエーテル
HUNTSMAN(株)製「JEFFAMINE M−1000」
温度計、攪拌機、窒素導入口、滴下ロート、還流管を備えた反応フラスコ内にペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物19.6g、水200ml及び85%水酸化カリウム13.29gから成る混合物を仕込み90度に加熱し、pHを10〜11に調整した。約2時間かけて31%塩酸18.0gを滴下し、pH4.5〜5.0に調整した。90度で1時間攪拌後、析出物を、ブフナーロートでろ過し、5Lの熱水で洗浄した。乾燥後、暗赤色生成物(Y1)を21.4g得た。
温度計、攪拌機、窒素導入口、滴下ロート、還流管を備えた反応フラスコ内にペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物19.6g、水200ml及び85%水酸化カリウム13.29gから成る混合物を仕込み90度に加熱し、pHを10〜11に調整した。約2時間かけて31%塩酸18.0gを滴下し、pH4.5〜5.0に調整した。90度で1時間攪拌後、析出物を、ブフナーロートでろ過し、5Lの熱水で洗浄した。乾燥後、暗赤色生成物(X1)を21.4g得た。
DPA−600T(C):東亜合成製 反応性モノマー 5g
IBXA:大阪有機化学社製 反応性モノマー 35g
イルガキュア819:BASF社製 光重合開始剤 2g
ルシリンTPO:BASF社製 光重合開始剤 3g
以上をポリビンに入れて、60℃で光重合開始剤を加熱溶解後、攪拌混合して反応性希釈モノマー組成物(M1)を調整した。
ミラマーM−222:MIWON製 反応性モノマー 17g
IOAA:大阪有機化学社製 反応性モノマー 6g
DPA−600T(C):東亜合成製 反応性モノマー 7g
ミラマーM−3130:MIWON製 反応性モノマー 10g
イルガキュア819:BASF社製 光重合開始剤 2g
ルシリンTPO:BASF社製 光重合開始剤 3g
以上をポリビンに入れて、60℃で光重合開始剤を加熱溶解後、攪拌混合して反応性希釈モノマー組成物(M2)を調整した。
(活性エネルギー線硬化型インキ(J1)の製造方法)
100mlポリエチレン瓶に、カーボンブラックを1.0g、顔料分散剤(X)を2.0g、ラウリルアクリレート7.0g、0.5mmジルコニアビーズを60g加えて、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で120分分散混合し、着色液体(J1)を得た。着色液体(J1)を1g、前記反応性希釈モノマー組成物(M1)9gをポリビンに入れて攪拌混合し、活性エネルギー硬化型インキ(J1)を得た。
(活性エネルギー線硬化型インキ(J2)の製造方法)
100mlポリエチレン瓶に、カーボンブラックを1.0g、顔料分散剤(Y)を1.0g、ジプロピレングリコールジアクリレート8.0g、0.5mmジルコニアビーズを60g加えて、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で120分分散混合し、着色液体(J2)を得た。着色液体(J2)を1g、前記反応性希釈モノマー組成物(M2)9gをポリビンに入れて攪拌混合し、活性エネルギー硬化型インキ(J2)を得た。
(活性エネルギー線硬化型インキ(H1)の製造方法)
100mlポリエチレン瓶に、カーボンブラックを1.0g、ラウリルアクリレート9.0g、0.5mmジルコニアビーズを60g加えて、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で120分分散混合し、着色液体(H1)を得た。着色液体(H1)を1g、前記反応性希釈モノマー組成物(M1)8gをポリビンに入れて攪拌混合し、活性エネルギー硬化型インキ(H1)を得た。
(活性エネルギー硬化型インキ(H2)の製造方法)
100mlポリエチレン瓶に、カーボンブラックを1.0g、市販の分散剤であるアミン変性ポリイソブチレン(市販分散剤(X))1.5g、ラウリルアクリレート7.5g、0.5mmジルコニアビーズを60g加えて、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で120分分散混合し、着色液体(H2)を得た。着色液体(H2)を1g、前記反応性希釈モノマー組成物(M1)9gをポリビンに入れて攪拌混合し、活性エネルギー硬化型インキ(H2)を得た。
(活性エネルギー線硬化型インキ(H3)の製造方法)
100mlポリエチレン瓶に、カーボンブラックを1.0g、ジプロピレングリコールジアクリレート9.0g、0.5mmジルコニアビーズを60g加えて、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で120分分散混合し、着色液体(H3)を得た。着色液体(H3)を1g、前記反応性希釈モノマー組成物(M2)9gをポリビンに入れて攪拌混合し、活性エネルギー硬化型インキ(H3)を得た。
(活性エネルギー硬化型インキ(H4)の製造方法)
100mlポリエチレン瓶に、カーボンブラックを1.0g、市販の分散剤であるアミン変性ポリエーテル(市販分散剤(Y))0.66g、ジプロピレングリコールジアクリレート8.34g、0.5mmジルコニアビーズを60g加えて、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で120分分散混合し、着色液体(H4)を得た。着色液体(H4)を1g、前記反応性希釈モノマー組成物(M2)9gをポリビンに入れて攪拌混合し、活性エネルギー硬化型インキ(H4)を得た。
また、活性エネルギー線硬化型インキ(J1)及び(J2)、(H1)〜(H4)については、紫外線照射による硬化性及び耐磨耗性、柔軟性、密着性、耐溶剤性、表面硬度を評価した。測定及び評価方法を下記に示す。
実施例及び比較例で得られた前述の着色液体20ulとメチルエチルケトン20mlを混合し、測定用サンプルを作成した。これを、NIKKISO社製の粒子径測定装置「MicrotrackUPA-150」で、平均粒子径を測定した。なお、平均粒子径は、溶液中の散乱粒子を動的光散乱方法で測定し、粒子径分布を累積換算したときの50%粒子径(D50)を意味する。
実施例及び比較例で得られた前述の活性エネルギー硬化型インキを50mm×50mmの白色PETシート上に約6umの膜厚でスピンコートし、コンベア式紫外線照射装置にて、1パス当たり照射エネルギー量0.2J/cm2の照射量で紫外線を照射した。そのインキ塗膜を指触してタックフリーになるまでの照射光量を比較した。
(照射条件)
UV照射機:日本電池社製S250−C1、120w/cm水銀メタルハライドランプ
使用ミラー:集光型コールドミラー
実施例及び比較例で得られた前述の活性エネルギー硬化型インキを50mm×50mmの白色PETシート上に約6umの膜厚でスピンコートし、コンベア式紫外線照射装置(日本電池社製S250−C1、120w/cm水銀メタルハライドランプ)にて、1パス当たり照射エネルギー量0.2J/cm2の条件で紫外線を照射した。塗膜がタックフリーになるまで照射したところ照射エネルギー2.2J/cm2以下の照射量で紫外線を照射されたすべての塗膜がタックフリーとなり、活性エネルギー線硬化型インキからなる硬化塗膜が塗装された耐摩耗性評価用PETシートを得た。
同シートの塗装面を不織布(旭化成製 商品名:ベンコット)を用いて、ラビングテスター(太平理化工業(株)製)により、500g、1000g、1500g荷重で擦り試験を行い、表面の傷つき状態を目視で下記の基準で4段階評価した。
◎:傷が全く発生しない。
○:擦った部分が、わずかにマット調になることを確認できる。
△:擦った部分に、わずかに傷がついていることが視認できる。
×:擦った部分に、はっきりとした傷跡が確認できる。
実施例及び比較例で得られた前述の活性エネルギー硬化型インキを50mm×50mmの白色PETシート上に約6umの膜厚でスピンコートし、コンベア式紫外線照射装置(日本電池社製S250−C1、120w/cm水銀メタルハライドランプ)にて、1パス当たり照射エネルギー量0.2J/cm2の条件で紫外線を照射した。塗膜がタックフリーになるまで照射したところ照射エネルギー2.2J/cm2以下の照射量で紫外線を照射されたすべての塗膜がタックフリーとなり、活性エネルギー線硬化型インキからなる硬化塗膜が塗装された柔軟性評価用PETシートを得た。
得られたPETシートに塗布された硬化膜を手で90°に折り曲げた場合のひび割れ及び粉落ちの有無を、下記の基準で評価した。
○:塗膜にひび割れは確認できない。
△:塗膜にひび割れが発生していることを確認できるが、粉落ちの発生は確認できない。
×:塗膜のひび割れと粉落ちの発生を確認できる。
実施例及び比較例で得られた前述の活性エネルギー硬化型インキを50mm×50mmの白色PETシート上に約6umの膜厚でスピンコートし、コンベア式紫外線照射装置(日本電池社製S250−C1、120w/cm水銀メタルハライドランプ)にて、1パス当たり照射エネルギー量0.2J/cm2の条件で紫外線を照射した。塗膜がタックフリーになるまで照射したところ照射エネルギー2.2J/cm2以下の照射量で紫外線を照射されたすべての塗膜がタックフリーとなり、活性エネルギー線硬化型インキからなる硬化塗膜が塗装された密着性評価用PETシートを得た。
密着性評価用PETシート上の硬化塗膜に、10×10の100マス様にカッターナイフで切り込みを入れた後、ニチバン製セロハンテープを貼り付け、20回程度爪で擦りつけた。次いで、剥離速度1cm/secの速度にて勢い良くテープを剥がし、塗膜の残ったマス目の数を確認した。
実施例及び比較例で得られた前述の活性エネルギー硬化型インキを50mm×50mmの白色PETシート上に約6umの膜厚でスピンコートし、コンベア式紫外線照射装置(日本電池社製S250−C1、120w/cm水銀メタルハライドランプ)にて、1パス当たり照射エネルギー量0.2J/cm2の条件で紫外線を照射した。塗膜がタックフリーになるまで照射したところ照射エネルギー2.2J/cm2以下の照射量で紫外線を照射されたすべての塗膜がタックフリーとなり、活性エネルギー線硬化型インキからなる硬化塗膜が塗装された耐摩耗性評価用PETシートを得た。
同シートの塗装面を、メチルエチルケトンを含ませた不織布(旭化成製 商品名:ベンコット)を用いて、ラビングテスター(太平理化工業(株)製)により、500gの荷重で擦り試験を行い、塗装面が完全に剥がれるまでの回数を確認した。
実施例及び比較例で得られた前述の活性エネルギー硬化型インキを50mm×50mmの白色PETシート上に約6umの膜厚でスピンコートし、コンベア式紫外線照射装置(日本電池社製S250−C1、120w/cm水銀メタルハライドランプ)にて、1パス当たり照射エネルギー量0.2J/cm2の条件で紫外線を照射した。塗膜がタックフリーになるまで照射したところ照射エネルギー2.2J/cm2以下の照射量で紫外線を照射されたすべての塗膜がタックフリーとなり、活性エネルギー線硬化型インキからなる硬化塗膜が塗装された表面硬度評価用PETシートを得た。
表面硬度評価用PETシート上の硬化塗膜に、各硬度を有する鉛筆硬度測定用鉛筆の先端を接触させ、45°の角度、約100gの荷重で鉛筆を先端方向に押し出すように、速度0.5mm/secで10mmの距離を動かして、塗膜上に形成される傷跡を観察し、下記の基準で評価した。
○:塗膜に傷跡がほとんど形成されず確認するのが困難である。
△:塗膜に長さ5mm以下の傷跡が形成されていることを確認することができる。
×:塗膜に長さ5mm以上の傷跡が形成されていることを容易に確認することができる。
Claims (2)
- 活性エネルギー線重合性化合物、光重合開始剤、顔料及び顔料分散剤を含有する活性エネルギー線硬化性インキであって、
前記顔料分散剤が一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性インキ。
(一般式(1)中、Aは(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、ビニルオキシ基、マレイミド基、エポキシ基、アセチレン基、及びチオール基からなる群から選ばれる重合性官能基を表し、
R1及びR2は各々独立して単結合、炭素原子数1〜16の2価の炭化水素基(但し該炭化水素基は置換基を有していてもよく、分岐あるいは環構造を形成してもよく、また途中にエーテル結合、エステル結合、フェニレン基を介してもよい)を表し、
X1は単結合、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CONH−、−NHCO−、−N(R11)−、−N(R12)CON(R13)−、−N(R14)COO−、又は−OCON(R15)−を表し(但し前記R11〜R15は各々独立して、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基またはフェニル基を表す)、
R3〜R10は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の芳香族複素環基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、又はカルボキシル基を表し(ただしR3〜R10は、それらの内の2つで互いに結合して飽和若しくは不飽和の5員環又は6員環を形成してもよい)、
Bは、ビニル系ポリマー鎖、ポリシロキサン鎖、ロジン変性フェノール樹脂鎖、ポリエステル鎖、ポリエーテル鎖、ポリウレタン鎖、メラミン鎖、エポキシ鎖、ポリシラン鎖、ポリカーボネート鎖、ポリイミド鎖、ポリウレア鎖、ポリペプチド鎖からなる群から選ばれる少なくとも1つのポリマー鎖を表す。) - 前記着色剤がカーボンブラックである請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性インキ。
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