JP2017095577A - 活性エネルギー線硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型インク、組成物収容容器、像の形成方法及び形成装置、2次元又は3次元の像、並びに成形加工品 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型インク、組成物収容容器、像の形成方法及び形成装置、2次元又は3次元の像、並びに成形加工品 Download PDF

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Abstract

【課題】吐出安定性に優れ、硬度と耐折り曲げ性を両立し、さらには組成物としての保存安定性が得られる活性エネルギー線硬化型組成物を提供すること。【解決手段】重合性化合物と2種以上の樹脂粒子または2種以上の樹脂粒子の集合体とを含有し、前記2種以上の樹脂粒子が、Tg≧30℃である樹脂粒子と、Tg≦0℃である樹脂粒子とを含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物。前記2種以上の樹脂粒子の集合体はコアシェル構造を有することが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物、及び活性エネルギー線硬化型インク、並びに、それらを収容した容器、それらを用いた2次元又は3次元の像の形成方法と形成装置、2次元又は3次元の像、及び当該像を加工してなる成形加工品に関する。
従来、活性エネルギー線硬化型組成物は、オフセット、シルクスクリーン、トップコート剤などに供給、及び使用されてきたが、近年、乾燥工程の簡略化によるコストダウンや、環境対応として溶剤の揮発量低減などのメリットがある点から、使用量が増加している。
前記活性エネルギー線硬化型組成物では、硬化物の取扱いの観点から、高硬度な硬化物を得ることができるものが求められている。また、非浸透性の基材(例えばフィルム等)に対して印刷した際にも、硬化物の取り扱いの観点から折り曲げても割れないような硬化物が求められている。
活性エネルギー線硬化型組成物を基材に吐出して硬化させた後、硬化物を有する基材の後処理として、成形加工処理を施すことが多い。そこで、硬化物の前記成形加工、硬化性、及び硬度を向上させるために、例えば、活性エネルギー線硬化型の多官能モノマーを配合した活性エネルギー線硬化型組成物が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかしながら、前記特許文献1〜3に記載の活性エネルギー線硬化型組成物の硬化物は、硬度は向上する一方で耐折り曲げ性に問題がある。
本発明は、吐出安定性に優れ、硬度と耐折り曲げ性を両立し、さらには組成物としての保存安定性が得られる活性エネルギー線硬化型組成物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、
重合性化合物と2種以上の樹脂粒子または2種以上の樹脂粒子の集合体とを含有し、
前記2種以上の樹脂粒子が、Tg≧30℃である樹脂粒子と、Tg≦0℃である樹脂粒子とを含む活性エネルギー線硬化型組成物、である。
本発明によると、吐出安定性に優れ、硬化物の硬度と耐折り曲げ性を両立し、さらには組成物としての保存安定性が得られる活性エネルギー線硬化型組成物を提供することができる。
図1は本発明における像形成装置の一例を示す概略図である。 図2は本発明における別の像形成装置の一例を示す概略図である。 図3は本発明におけるさらに別の像形成装置の一例を示す概略図である。
以下に、本発明を実施するための形態について説明する。以下の説明はこの発明における実施の形態の例を例示するものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
<樹脂粒子>
本発明の実施形態に係る活性エネルギー線硬化型組成物は、必須成分として、Tg≧30℃である樹脂粒子と、Tg≦0℃である樹脂粒子とを含有する。樹脂粒子は3種以上を使用しても良い。
前記樹脂粒子は、樹脂粒子が非水溶媒中に分散した分散体の状態で用いられることが好ましい。以下では、非水溶媒中に分散した状態の樹脂粒子を「非水系樹脂粒子」ともいう。
2種以上の樹脂粒子はそれぞれが単独で活性エネルギー線硬化型組成物中に存在していても良いが、2種以上の樹脂粒子からなる混合樹脂粒子の形態で存在していても良い。
好ましくは、一方の樹脂がコア部を形成し、他方の樹脂がシェル部を形成したコアシェル構造の樹脂粒子として存在することが好ましい。
3種類以上の樹脂粒子を使用する場合、シェル部は複数の樹脂粒子で構成する。
コアシェル構造の樹脂粒子は非水系樹脂粒子の状態で活性エネルギー線硬化型組成物中に存在することが好ましい。以下ではコアシェル構造を有する2種以上の樹脂粒子の集合体を「コアシェル構造体」ともいう。
分散媒としては、脂肪族炭化水素を主体とし、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ミネラルスピリット、その他のパラフィン系、ナフテン系石油留分を用いることができる。
前記非水系樹脂粒子は以下の方法により作製することができる。
コアシェル構造体で形成される非水系樹脂粒子の作製に際して、まず、溶媒に溶解し得るシェル重合体を作製し、このシェル重合体を保護コロイドとして溶媒に不溶なコア重合体を連続したプロセスによってコアシェル構造体のディスパージョンを作製する。
前記非水系樹脂粒子としては、重合性化合物以外の分散媒を用いて分散されるが、環境対応の面からは重合性化合物以外の揮発性の溶剤を含有しないことが好ましいため、この場合は、分散系の溶剤を重合性化合物に溶媒置換することが好ましい。
前記溶媒置換の方法としては、例えば、ロータリーエバポレーターを用いる方法、水蒸気蒸留、減圧蒸留などの沸点の差を利用した方法などが挙げられる。前記方法などで溶媒置換することにより、活性エネルギー線硬化型組成物に前記樹脂粒子を含有させても、硬化反応に不要な化合物(溶剤)を含まない活性エネルギー線硬化型組成物を得ることができる。
前記樹脂粒子はガラス転移温度として、コア部のガラス転移温度T及びシェル部のガラス転移温度Tの2点を有し、T、Tはどちらか一方が30℃以上であり、且つ、どちらか一方が0℃以下であることが好ましい。どちらか一方が30℃以上であれば、硬化物とした時に硬度を発現でき、どちらか一方が0℃以下であれば、硬化物としたときの耐折り曲げ性を発現でき、その両方を満たすことで、硬化物として硬度と耐折り曲げ性の両立が可能である。
また、コアシェル構造を持つ樹脂粒子においては、コア部のガラス転移温度が0℃以下であり、シェル部のガラス転移温度が30℃以上であることによりインク中での分散安定性がより向上する。
前記ガラス転移温度は、インク中から樹脂のみを分離し、例えば、示差走査熱量測定(DSC)法によって測定することができる。前記DSC装置としては、例えば、Seiko Instruments DSC120U(セイコーインスツル株式会社製)を用い、昇温速度は1分間に2.5℃で測定することができる。測定温度は適宜調整することが出来る。
シェル部のガラス転移温度が30℃以上、コア部のガラス転移温度が0℃以下であった場合、1回目の昇温では、コア部のガラス転移温度を測定することが出来ないため、一度、温度を降温した後、2回目の昇温を行う必要がある。それによってコア部のガラス転移温度及びシェル部のガラス転移温度を測定することができる。
(樹脂粒子のコアシェル構造の確認)
本発明の樹脂粒子のコアシェル構造の確認は、以下のようなTEM(透過型電子顕微鏡)を用いた方法で評価することが好ましい。TEMで観察した場合において、コアシェル構造とは、樹脂粒子の表面を内部とは異なるコントラスト成分が覆っている状態と定義する。
まず、特定の組成物に活性エネルギー線照射して硬化物を作製する。硬化物の作製方法は実施例記載の方法に倣う。この時、基材上の温度を上げないように調整する。
四酸化ルテニウム、四酸化オスミウム又は他の染色剤のガスによって試料を1分間から24時間ガス暴露することにより、シェル部とコア部とを識別染色する。暴露時間は観察時のコントラストにより適宜調整する。ナイフで断面出ししてウルトラミクロトーム(Leica社製 ULTRACUT UCT、ダイヤナイフ使用)でトナーの超薄切片(200nm厚さ)を作製する。
その後、TEM(H7000;日立ハイテク社製)により加速電圧100kVで観察する。なお、シェル部とコア部の組成により、未染色で識別可能な場合もあり、その場合は未染色で評価する。また選択エッチング等の別の手段で組成コントラストを付与することも可能であり、そのような前処理後にTEM観察し、コアシェル構造を確認することも好ましい。
前記樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、30nm以上600nm以下が好ましく、100nm以上300nm以下がより好ましい。前記体積平均粒径が、30nm以上であると、前記樹脂粒子の分散媒への分散が容易になり、600nm以下であると、吐出安定性を向上できる。また、100nm以上300nm以下であると、前記樹脂粒子が十分な大きさを持つことでハードセグメントとしての役割を十分に果たすことができ、硬度を向上できる。ここで、前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(マイクロトラック MODEL UPA9340、日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
前記樹脂粒子のシェル部の厚みは、40nm以下であることが好ましい。40nm以下であると、硬化物内でコア部の樹脂としての効果が発現しやすい。
<重合性化合物>
本実施の形態に係る活性エネルギー線硬化型組成物は、必須成分として重合性化合物を含有する。重合性化合物としては、以下に示す単官能アクリレート、二官能アクリレート、三官能アクリレート、ウレタン系オリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、アミノアクリレート、N−ビニル化合物等が挙げられる。
単官能アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンフォルマルモノ(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(メタ)アクリレート等が挙げられる。 これらの単官能アクリレートは、1種単独で用いることもできるし、2種以上併用してもよい。 なお、本明細書中において、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートを示す。
二官能アクリレートとしては、特に限定されないが、例えばアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、脂環式構造を有するジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。 アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートとしては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロキシプロパン等が挙げられる。 また、脂環式構造を有するジ(メタ)アクリレートとしては、例えばジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。 これらの二官能アクリレートは、1種単独で用いることもできるし、2種以上併用してもよい。
三官能アクリレートとしては、特に限定されないが、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリ(メタ)アクリレート、グリセリンPO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。 これらの三官能アクリレートは、1種単独で用いることもできるし、2種以上併用してもよい。
ウレタン系オリゴマーとしては、例えばポリオールと、ポリイソシアネートおよびポリハイドロオキシ化合物と、の付加反応により生じるオリゴマーが挙げられる。 ウレタン系オリゴマーとは、分子中にウレタン結合とラジカル重合可能な不飽和二重結合とを一以上有するものであって、相対分子質量(分子量と同義である。 )の小さい分子から実質的あるいは概念的に得られる単位の少数回、一般的には約2回ないし20回程度の繰り返し構造をもつ中程度の大きさの相対分子質量を有する分子をいう。 ウレタン系オリゴマーとしては、市販されているCN963J75、CN964、CN965、CN966J75(いずれもSARTOMER社から入手可能)等を用いることができる。
エポキシアクリレートオリゴマーとしては、例えば二官能ビスフェノールAをベースとするエポキシアクリレートオリゴマーが挙げられる。 オリゴマーとは、前記ウレタン系オリゴマーと同様に、相対分子質量(分子量と同義である。 )の小さい分子から実質的あるいは概念的に得られる単位の少数回、一般的には約2回ないし20回程度の繰り返し構造をもつ中程度の大きさの相対分子質量を有する分子をいう。 エポキシアクリレートオリゴマーとしては、市販されているCN120、CN131B(いずれもSARTOMER社から入手可能)等を用いることができる。
アミノアクリレートとしては、特に限定されないが、二官能(メタ)アクリレートと、アミン化合物と、を反応させて得られるものが挙げられる。
二官能アクリレートとしては、例えば、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、チオビスフェノールのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、臭素化ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート等のビスフェノールアルキレンオキシド付加物ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アミン化合物としては、例えば、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、n−ペンチルアミン、イソペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−オクタデシルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン等の単官能アミン化合物、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、メンタンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシルノメタン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソフォロンジアミン、スピロアセタール系ジアミン等の多官能アミン化合物が挙げられる。 また、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等の高分子量タイプの多官能アミン化合物を用いてもよい。
N−ビニル化合物としては、N−ビニルフォルムアミド、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、およびそれらの誘導体等が挙げられる。
前記例示した重合性化合物の中でも、フェノキシエチル(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。フェノキシエチル(メタ)アクリレートは、樹脂粒子の分散安定性に優れ、さらに、用途や適用手段に応じるが、インクジェット記録方式であると適用可能な程度に粘度調整を行いやすく、画像の硬化性も良好になる。
重合性化合物の含有量は、活性エネルギー線硬化型組成物の全質量に対して、好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上95質量%以下である。重合性化合物の含有量が20質量%以上であると、記録媒体の上に形成された画像が良好な硬化性を有することが出来る。
また、重合性化合物としてフェノキシエチル(メタ)アクリレートを用いた場合には、さらに、脂環式構造を有する重合性化合物を用いることがより好ましい。脂環式構造を有する重合性化合物は、嵩高い分子構造を有するので、より効果的に画像の膜強度を向上させることができる。
<像の形成方法、形成装置>
本発明における2次元又は3次元の像の形成方法は、少なくとも、活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させるために、活性エネルギー線を照射する照射工程を有する。
また、本発明における2次元又は3次元の像の形成装置は、活性エネルギー線を照射するための照射手段と、活性エネルギー線硬化型組成物を収容するための収容部と、を備え、該収容部には前記容器を収容してもよい。さらに、活性エネルギー線硬化型組成物を吐出する吐出工程、吐出手段を有していてもよい。吐出させる方法は特に限定されないが、連続噴射型、オンデマンド型等が挙げられる。オンデマンド型としてはピエゾ方式、サーマル方式、静電方式等が挙げられる。
図1は、インクジェット吐出手段を備えた像形成装置の一例である。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色活性エネルギー線硬化型インクのインクカートリッジと吐出ヘッドを備える各色印刷ユニット23a、23b、23c、23dにより、供給ロール21から供給された被記録媒体22にインクが吐出される。その後、インクを硬化させるための光源24a、24b、24c、24dから、活性エネルギー線を照射して硬化させ、カラー画像を形成する。その後、被記録媒体22は、加工ユニット25、印刷物巻取りロール26へと搬送される。各印刷ユニット23a、23b、23c、23dには、インク吐出部でインクが液状化するように、加温機構を設けてもよい。また必要に応じて、接触又は非接触により記録媒体を室温程度まで冷却する機構、加温する機構を設けてもよい。
加温する場合、記録媒体の加熱温度Tが樹脂粒子の高い方のガラス転移温度よりも高いことが好ましい。活性エネルギー線加熱時に、その重合エネルギーによりインクが温まるが、それに加えて補助的にインクを加温することで、硬化物の硬度と耐折り曲げ性の両立がより好ましく可能となる。
また、インクジェット記録方式としては、吐出ヘッド幅に応じて間欠的に移動する記録媒体に対し、ヘッドを移動させて記録媒体上にインクを吐出するシリアル方式や、連続的に記録媒体を移動させ、一定の位置に保持されたヘッドから記録媒体上にインクを吐出するライン方式のいずれであっても適用することができる。
被記録媒体22は、特に限定されないが、紙、フィルム、金属、これらの複合材料等が挙げられ、シート状であってもよい。また片面印刷のみを可能とする構成であっても、両面印刷も可能とする構成であってもよい。
更に、光源24a、24b、24cからの活性エネルギー線照射を微弱にするか又は省略し、複数色を印刷した後に、光源24dから活性エネルギー線を照射してもよい。これにより、省エネ、低コスト化を図ることができる。
本発明のインクにより記録される記録物としては、通常の紙や樹脂フィルムなどの平滑面に印刷されたものだけでなく、凹凸を有する被印刷面に印刷されたものや、金属やセラミックなどの種々の材料からなる被印刷面に印刷されたものも含む。また、2次元の画像を積層することで、一部に立体感のある画像(2次元と3次元からなる像)や立体物を形成することもできる。
図2は、本発明で用いられる別の像形成装置(3次元立体像の形成装置)の一例を示す概略図である。図2の像形成装置39は、インクジェットヘッドを配列したヘッドユニット(AB方向に可動)を用いて、造形物用吐出ヘッドユニット30から第一の活性エネルギー線硬化型組成物を、支持体用吐出ヘッドユニット31、32から第一の活性エネルギー線硬化型組成物とは組成が異なる第二の活性エネルギー線硬化型組成物を吐出し、隣接した紫外線照射手段33、34でこれら各組成物を硬化しながら積層するものである。
より具体的には、例えば、造形物支持基板37上に、第二の活性エネルギー線硬化型組成物を支持体用吐出ヘッドユニット31、32から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて溜部を有する第一の支持体層を形成した後、当該溜部に第一の活性エネルギー線硬化型組成物を造形物用吐出ヘッドユニット30から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて第一の造形物層を形成する工程を、積層回数に合わせて、上下方向に可動なステージ38を下げながら複数回繰り返すことで、支持体層と造形物層を積層して立体造形物35を製作する。その後、必要に応じて支持体積層部36は除去される。なお、図2では、造形物用吐出ヘッドユニット30は1つしか設けていないが、2つ以上設けることもできる。
<活性エネルギー線>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させるために用いる活性エネルギー線としては、紫外線の他、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、組成物中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく、特に限定されない。特に高エネルギーな光源を使用する場合には、重合開始剤を使用しなくても重合反応を進めることができる。また、紫外線照射の場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらに、紫外線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外線レーザダイオード(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
<重合開始剤>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、重合開始剤を含有していてもよい。重合開始剤としては、活性エネルギー線のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、重合性化合物(モノマーやオリゴマー)の重合を開始させることが可能なものであればよい。このような重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤、塩基発生剤等を、1種単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができ、中でもラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。また、重合開始剤は、十分な硬化速度を得るために、組成物の総質量(100質量%)に対し、5〜20質量%含まれることが好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物などが挙げられる。
また、上記重合開始剤に加え、重合促進剤(増感剤)を併用することもできる。重合促進剤としては、特に限定されないが、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルベンジルアミンおよび4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのアミン化合物が好ましく、その含有量は、使用する重合開始剤やその量に応じて適宜設定すればよい。
<色材>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、色材を含有していてもよい。色材としては、本発明における組成物の目的や要求特性に応じて、ブラック、ホワイト、マゼンタ、シアン、イエロー、グリーン、オレンジ、金や銀等の光沢色、などを付与する種々の顔料や染料を用いることができる。色材の含有量は、所望の色濃度や組成物中における分散性等を考慮して適宜決定すればよく、特に限定されないが、組成物の総質量(100質量%)に対して、0.1〜20質量%であることが好ましい。なお、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、色材を含まず無色透明であってもよく、その場合には、例えば、画像を保護するためのオーバーコート層として好適である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンを使用することができる。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料が挙げられる。
また、顔料の分散性をより良好なものとするため、分散剤をさらに含んでもよい。 分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散物を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<有機溶媒>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、有機溶媒を含んでもよいが、可能であれば含まない方が好ましい。有機溶媒、特に揮発性の有機溶媒を含まない(VOC(Volatile Organic Compounds)フリー)組成物であれば、当該組成物を扱う場所の安全性がより高まり、環境汚染防止を図ることも可能となる。なお、「有機溶媒」とは、例えば、エーテル、ケトン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、トルエンなどの一般的な非反応性の有機溶媒を意味するものであり、反応性モノマーとは区別すべきものである。また、有機溶媒を「含まない」とは、実質的に含まないことを意味し、0.1質量%未満であることが好ましい。
<その他の成分>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、必要に応じてその他の公知の成分を含んでもよい。その他成分としては、特に制限されないが、例えば、従来公知の、界面活性剤、重合禁止剤、レべリング剤、消泡剤、蛍光増白剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、粘度安定化剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤などが挙げられる。
<活性エネルギー線硬化型組成物の調整>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、上述した各種成分を用いて作製することができ、その調整手段や条件は特に限定されないが、例えば、重合性モノマー、顔料、分散剤等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミルなどの分散機に投入し、分散させて顔料分散液を調製し、当該顔料分散液にさらに重合性モノマー、開始剤、重合禁止剤、界面活性剤などを混合させることにより調整することができる。
<粘度>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物の粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、当該組成物をノズルから吐出させるような吐出手段を適用する場合には、20℃から65℃の範囲における粘度、望ましくは25℃における粘度が3〜40mPa・sが好ましく、5〜15mPa・sがより好ましく、6〜12mPa・sが特に好ましい。また当該粘度範囲を、上記有機溶媒を含まずに満たしていることが特に好ましい。なお、上記粘度は、東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE−22Lにより、コーンロータ(1°34'×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を20℃〜65℃の範囲で適宜設定して測定することができる。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM−150IIIを用いることができる。
<用途>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物の用途は、一般に活性エネルギー線硬化型材料が用いられている分野であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、成形用樹脂、塗料、接着剤、絶縁材、離型剤、コーティング材、シーリング材、各種レジスト、各種光学材料などが挙げられる。
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、インクとして用いて2次元の文字や画像、各種基材への意匠塗膜を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。この立体造形用材料は、例えば、粉体層の硬化と積層を繰り返して立体造形を行う粉体積層法において用いる粉体粒子同士のバインダーとして用いてもよく、また、図2や図3に示すような積層造形法(光造形法)において用いる立体構成材料(モデル材)や支持部材(サポート材)として用いてもよい。なお、図2は、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を所定領域に吐出し、活性エネルギー線を照射して硬化させたものを順次積層して立体造形を行う方法であり(詳細後述)、図3は、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物5の貯留プール(収容部)1に活性エネルギー線4を照射して所定形状の硬化層6を可動ステージ3上に形成し、これを順次積層して立体造形を行う方法である。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を用いて立体造形物を造形するための立体造形装置としては、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、該組成物の収容手段、供給手段、吐出手段や活性エネルギー線照射手段等を備えるものが挙げられる。
また、本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させて得られた硬化物や当該硬化物が基材上に形成された構造体を加工してなる成形加工品も含む。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された硬化物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形することが必要な用途に好適に使用される。
上記基材としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、又はこれらの複合材料などが挙げられ、加工性の観点からはプラスチック基材が好ましい。
<組成物収容容器>
本発明の組成物収容容器は、活性エネルギー線硬化型組成物が収容された状態の容器を意味し、上記のような用途に供する際に好適である。例えば、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物がインク用途である場合において、当該インクが収容された容器は、インクカートリッジやインクボトルとして使用することができ、これにより、インク搬送やインク交換等の作業において、インクに直接触れる必要がなくなり、手指や着衣の汚れを防ぐことができる。また、インクへのごみ等の異物の混入を防止することができる。また、容器それ自体の形状や大きさ、材質等は、用途や使い方に適したものとすればよく、特に限定されないが、その材質は光を透過しない遮光性材料であるか、または容器が遮光性シート等で覆われていることが望ましい。
<像の形成方法、形成装置>
本発明の像の形成方法は、少なくとも、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させるために、活性エネルギー線を照射する照射工程を有し、本発明の像の形成装置は、活性エネルギー線を照射するための照射手段と、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を収容するための収容部と、を備え、該収容部には前記容器を収容してもよい。さらに、活性エネルギー線硬化型組成物を吐出する吐出工程、吐出手段を有していてもよい。吐出させる方法は特に限定されないが、連続噴射型、オンデマンド型等が挙げられる。オンデマンド型としてはピエゾ方式、サーマル方式、静電方式等が挙げられる。
図1は、インクジェット吐出手段を備えた像形成装置の一例である。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色活性エネルギー線硬化型インクのインクカートリッジと吐出ヘッドを備える各色印刷ユニット23a、23b、23c、23dにより、供給ロール21から供給された被記録媒体22にインクが吐出される。その後、インクを硬化させるための光源24a、24b、24c、24dから、活性エネルギー線を照射して硬化させ、カラー画像を形成する。その後、被記録媒体22は、加工ユニット25、印刷物巻取りロール26へと搬送される。各印刷ユニット23a、23b、23c、23dには、インク吐出部でインクが液状化するように、加温機構を設けてもよい。また必要に応じて、接触又は非接触により記録媒体を室温程度まで冷却する機構を設けてもよい。また、インクジェット記録方式としては、吐出ヘッド幅に応じて間欠的に移動する記録媒体に対し、ヘッドを移動させて記録媒体上にインクを吐出するシリアル方式や、連続的に記録媒体を移動させ、一定の位置に保持されたヘッドから記録媒体上にインクを吐出するライン方式のいずれであっても適用することができる。
被記録媒体22は、特に限定されないが、紙、フィルム、金属、これらの複合材料等が挙げられ、シート状であってもよい。また片面印刷のみを可能とする構成であっても、両面印刷も可能とする構成であってもよい。
更に、光源24a、24b、24cからの活性エネルギー線照射を微弱にするか又は省略し、複数色を印刷した後に、光源24dから活性エネルギー線を照射してもよい。これにより、省エネ、低コスト化を図ることができる。
本発明のインクにより記録される記録物としては、通常の紙や樹脂フィルムなどの平滑面に印刷されたものだけでなく、凹凸を有する被印刷面に印刷されたものや、金属やセラミックなどの種々の材料からなる被印刷面に印刷されたものも含む。また、2次元の画像を積層することで、一部に立体感のある画像(2次元と3次元からなる像)や立体物を形成することもできる。
図2は、本発明に係る別の像形成装置(3次元立体像の形成装置)の一例を示す概略図である。図2の像形成装置39は、インクジェットヘッドを配列したヘッドユニット(AB方向に可動)を用いて、造形物用吐出ヘッドユニット30から第一の活性エネルギー線硬化型組成物を、支持体用吐出ヘッドユニット31、32から第一の活性エネルギー線硬化型組成物とは組成が異なる第二の活性エネルギー線硬化型組成物を吐出し、隣接した紫外線照射手段33、34でこれら各組成物を硬化しながら積層するものである。より具体的には、例えば、造形物支持基板37上に、第二の活性エネルギー線硬化型組成物を支持体用吐出ヘッドユニット31、32から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて溜部を有する第一の支持体層を形成した後、当該溜部に第一の活性エネルギー線硬化型組成物を造形物用吐出ヘッドユニット30から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて第一の造形物層を形成する工程を、積層回数に合わせて、上下方向に可動なステージ38を下げながら複数回繰り返すことで、支持体層と造形物層を積層して立体造形物35を製作する。その後、必要に応じて支持体積層部36は除去される。なお、図2では、造形物用吐出ヘッドユニット30は1つしか設けていないが、2つ以上設けることもできる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
以下では、活性エネルギー線硬化型組成物を活性エネルギー線硬化型インクとして使用する場合について述べる。
また、以下の記載においては特に明記しない限り、「部」は「質量部」を示し、「%」は「質量%」を示す。
以下の実施例、比較例で使用する材料は次の通りである。
<単官能重合性化合物>
・SR506:イソボルニルアクリレート(IBXA)(SARTOMER社製)
・NKエステルAMP−10G:2−フェノキシエチルアクリレート(PEA)(新中村化学工業製)
・NVC:N−ビニルカプロラクタム(BASF製)
<多官能重合性化合物>
・SR344:ポリプロピレングリコール(400)ジアクリレート(SARTOMER社製)
・SR268:テトラエチレングリコールジアクリレート(SARTOMER社製)
<光重合開始剤>
・TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(LAMBERTI社製)
・Irg.819:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(BASF社製)
・DETX:2,4−ジエチルチオキサンテン−9−オン(DAIDO社製)
<樹脂>
・バイロン220:非晶性ポリエステル樹脂(東洋紡社)
<樹脂粒子分散液の作製>
−樹脂粒子分散液Aの作製−
窒素で器内の空気が置換された反応容器に、石油系炭化水素(商品名:A−ソルベント、JX日鉱日石エネルギー株式会社製、以下、「A−ソルベント」と称することがある)150部を仕込んで、90℃に昇温してから、スチレン100部、イソブチルメタクリレート100部、及び2−エチルヘキシルアクリレート50部と、ベンゾイルパーオキサイド(以下、「BPO」と称することがある)2.5部と、A−ソルベント100部とからなる混合物を、3時間かけて滴下し、滴下終了後も、同温度にて5時間保持し、不揮発分が49.8%(すなわち、モノマー転化率が99.6%)で、かつ、25℃におけるガードナー粘度がX−Yである透明な樹脂溶液を得た。
得られた樹脂溶液に、酢酸ビニル20部、エチルアクリレート200部、メチルメタクリレート29部、及びメタクリル酸1部と、BPO 3部と、A−ソルベント250部とからなる混合物を、3時間かけて滴下し、滴下終了後も、同温度に5時間保持し、不揮発分が47.5%(すなわち、分散質のモノマー転化率が90%)である乳白色の樹脂粒子の分散液を得た。得られた樹脂粒子の分散液をスターラーにて1時間撹拌することで、体積平均粒径が190nmかつシェル部の厚みが50nmの樹脂粒子A(アクリル樹脂粒子)の分散液を得た。なお、樹脂粒子Aではコア部のTgが52℃、シェル部のTgが−6℃であった。
−樹脂粒子分散液Bの作製−
窒素で器内の空気が置換された反応容器に、A−ソルベント150部を仕込んで、90℃に昇温してから、スチレン60部、イソブチルメタクリレート95部、及び2−エチルヘキシルアクリレート95部と、BPO 2.5部と、A−ソルベント100部とからなる混合物を、3時間かけて滴下し、滴下終了後も、同温度に5時間保持し、不揮発分が49.8%(すなわち、モノマー転化率が99.6%)で、かつ、25℃におけるガードナー粘度がX−Yである透明な樹脂溶液を得た。
得られた樹脂溶液に、酢酸ビニル60部、エチルアクリレート170部、メチルメタクリレート19部、及びメタクリル酸1部と、BPO 3部と、A−ソルベント250部とからなる混合物を、3時間かけて滴下し、滴下終了後も、同温度に5時間保持し、不揮発分が47.5%(すなわち、分散質のモノマー転化率が90%)である乳白色の樹脂粒子B(アクリル樹脂粒子)の分散液(固形分濃度:57%)を得た。得られた樹脂粒子の分散液をスターラーにて1時間撹拌することで、体積平均粒径が150nmかつシェル部の厚みが30nmの樹脂粒子Bの分散液を得た。なお、樹脂粒子Bはコア部のTgが33℃、シェル部のTgが−1℃であった。
−樹脂粒子分散液Cの作製−
窒素で器内の空気が置換された反応容器に、A−ソルベント150部を仕込んで、90℃に昇温してから、スチレン100部、イソブチルメタクリレート100部、及び2−エチルヘキシルアクリレート50部と、BPO 2.5部と、A−ソルベント100部とからなる混合物を、3時間かけて滴下し、滴下終了後も、同温度に5時間保持し、不揮発分が49.8%(すなわち、モノマー転化率が99.6%)で、かつ、25℃におけるガードナー粘度がX−Yである透明な樹脂溶液を得た。
得られた樹脂溶液に、酢酸ビニル100部、エチルアクリレート100部、メチルメタクリレート49部、及びメタクリル酸1部と、BPO 3部と、A−ソルベント250部とからなる混合物を、3時間かけて滴下し、滴下終了後も、同温度に5時間保持し、不揮発分が47.5%(すなわち、分散質のモノマー転化率が90%)である乳白色の樹脂粒子C(アクリル樹脂粒子)の分散液(固形分濃度:57%)を得た。得られた樹脂粒子の分散液をスターラーにて1時間撹拌することで、樹脂粒子Cの体積平均粒径が146nmかつシェル部の厚みが28nmの樹脂粒子Cの分散液を得た。なお、樹脂粒子Cはコア部のTgが52℃、シェル部のTgが19℃であった。
−樹脂粒子分散液Dの作製−
窒素で器内の空気が置換された反応容器に、A−ソルベント150部を仕込んで、90℃に昇温してから、スチレン50部、イソブチルメタクリレート50部、及び2−エチルヘキシルアクリレート100部と、BPO 2.5部と、A−ソルベント100部とからなる混合物を、3時間かけて滴下し、滴下終了後も、同温度に5時間保持し、不揮発分が49.8%(すなわち、モノマー転化率が99.6%)で、かつ、25℃におけるガードナー粘度がX−Yである透明な樹脂溶液を得た。
得られた樹脂溶液に、酢酸ビニル60部、エチルアクリレート170部、メチルメタクリレート19部、及びメタクリル酸1部と、BPO 3部と、A−ソルベント250部とからなる混合物を、3時間かけて滴下し、滴下終了後も、同温度に5時間保持し、不揮発分が47.5%(すなわち、分散質のモノマー転化率が90%)である乳白色の樹脂粒子D(アクリル樹脂粒子)の分散液(固形分濃度:57%)を得た。得られた樹脂粒子の分散液をスターラーにて1時間撹拌することで、樹脂粒子Dの体積平均粒径が130nmかつシェル部の厚みが25nmの樹脂粒子Dの分散液を得た。なお、樹脂粒子Dはコア部のTgが25℃、シェル部のTgが−1℃であった。
−樹脂粒子分散液Eの作製−
窒素で器内の空気が置換された反応容器に、A−ソルベント150部を仕込んで、90℃に昇温してから、スチレン50部、イソブチルメタクリレート50部、及び2−エチルヘキシルアクリレート100部と、BPO 2.5部と、A−ソルベント100部とからなる混合物を、3時間かけて滴下し、滴下終了後も、同温度に5時間保持し、不揮発分が49.8%(すなわち、モノマー転化率が99.6%)で、かつ、25℃におけるガードナー粘度がX−Yである透明な樹脂溶液を得た。
得られた樹脂溶液に、酢酸ビニル100部、エチルアクリレート100部、メチルメタクリレート49部、及びメタクリル酸1部と、BPO 3部と、A−ソルベント250部とからなる混合物を、3時間かけて滴下し、滴下終了後も、同温度に5時間保持し、不揮発分が47.5%(すなわち、分散質のモノマー転化率が90%)である乳白色の樹脂粒子E(アクリル樹脂粒子)の分散液(固形分濃度:57%)を得た。得られた樹脂粒子の分散液をスターラーにて1時間撹拌することで、樹脂粒子Eの体積平均粒径が156nmかつシェル部の厚みが28nmの樹脂粒子Eの分散液を得た。なお、樹脂粒子Eはコア部のTgが25℃、シェル部のTgが19℃であった。
−樹脂粒子分散液Fの作製−
窒素で器内の空気が置換された反応容器に、A−ソルベント150部を仕込んで、90℃に昇温してから、スチレン20部、エチルアクリレート30部、及び2−エチルヘキシルアクリレート200部と、BPO 2.5部と、A−ソルベント100部とからなる混合物を、3時間かけて滴下し、滴下終了後も、同温度に5時間保持し、不揮発分が49.8%(すなわち、モノマー転化率が99.6%)で、かつ、25℃におけるガードナー粘度がX−Yである透明な樹脂溶液を得た。
得られた樹脂溶液に、酢酸ビニル100部、エチルアクリレート50部、メチルメタクリレート99部、及びメタクリル酸1部と、BPO 3部と、A−ソルベント250部とからなる混合物を、3時間かけて滴下し、滴下終了後も、同温度に5時間保持し、不揮発分が47.5%(すなわち、分散質のモノマー転化率が90%)である乳白色の樹脂粒子F(アクリル樹脂粒子)の分散液(固形分濃度:57%)を得た。得られた樹脂粒子の分散液をスターラーにて1時間撹拌することで、樹脂粒子Fの体積平均粒径が159nmかつシェル部の厚みが32nmの樹脂粒子Fの分散液を得た。なお、樹脂粒子Fはコア部のTgが−5℃、シェル部のTgが44℃であった。
−樹脂粒子分散液F−1の作製−
前記樹脂粒子分散液Fの作製過程において、2回目のBPO投入時の部を3部から2.5部にした以外はすべて樹脂粒子分散液Fの作製過程と同様に行った。
得られた樹脂粒子Fの体積平均粒径が160nmかつシェル部の厚みが40nmの樹脂粒子F−1(アクリル樹脂粒子)の分散液(固形分濃度:57%)を得た。なお、樹脂粒子F−1はコア部のTgが−5℃、シェル部のTgが44℃であった。
−樹脂粒子分散液F−2の作製−
前記樹脂粒子分散液Fの作製過程において、1回目のBPO投入時の部を2.5部から3部にした以外はすべて樹脂粒子分散液Fの作製過程と同様に行った。
得られた樹脂粒子の分散液をスターラーにて1時間撹拌することで、樹脂粒子F−2の体積平均粒径が140nmかつシェル部の厚みが30nmの樹脂粒子F−2(アクリル樹脂粒子)の分散液(固形分濃度:57%)を得た。なお、樹脂粒子F−2はコア部のTgが−5℃、シェル部のTgが44℃であった。
−樹脂粒子分散液Gの作製−
窒素で器内の空気が置換された反応容器に、A−ソルベント150部を仕込んで、90℃に昇温してから、スチレン18部、エチルアクリレート52部、及び2−エチルヘキシルアクリレート130部と、BPO 2.5部と、A−ソルベント100部とからなる混合物を、3時間かけて滴下し、滴下終了後も、同温度に5時間保持し、不揮発分が49.8%(すなわち、モノマー転化率が99.6%)で、かつ、25℃におけるガードナー粘度がX−Yである透明な樹脂溶液を得た。
得られた樹脂溶液に、酢酸ビニル100部、エチルアクリレート50部、メチルメタクリレート49部、及びメタクリル酸1部と、BPO 3部と、A−ソルベント250部とからなる混合物を、3時間かけて滴下し、滴下終了後も、同温度に5時間保持し、不揮発分が47.5%(すなわち、分散質のモノマー転化率が90%)である乳白色の樹脂粒子G(アクリル樹脂粒子)の分散液(固形分濃度:57%)を得た。得られた樹脂粒子の分散液をスターラーにて1時間撹拌することで、樹脂粒子Gの体積平均粒径が152nmかつシェル部の厚みが28nmの樹脂粒子Gの分散液あった。なお、樹脂粒子Gはコア部のTgが0℃、シェル部のTgが32℃であった。
−樹脂粒子分散液Hの作製−
窒素で器内の空気が置換された反応容器に、A−ソルベント150部を仕込んで、90℃に昇温してから、スチレン25部、イソブチルメタクリレート25部、及び2−エチルヘキシルアクリレート150部と、BPO 2.5部と、A−ソルベント100部とからなる混合物を、3時間かけて滴下し、滴下終了後も、同温度に5時間保持し、不揮発分が49.8%(すなわち、モノマー転化率が99.6%)で、かつ、25℃におけるガードナー粘度がX−Yである透明な樹脂溶液を得た。
得られた樹脂溶液に、酢酸ビニル100部、エチルアクリレート50部、メチルメタクリレート99部、及びメタクリル酸1部と、BPO 2.5部と、A−ソルベント250部とからなる混合物を、3時間かけて滴下し、滴下終了後も、同温度に5時間保持し、不揮発分が47.5%(すなわち、分散質のモノマー転化率が90%)である乳白色の樹脂粒子H(アクリル樹脂粒子)の分散液(固形分濃度:55%)を得た。得られた樹脂粒子の分散液をスターラーにて1時間撹拌することで、樹脂粒子Hの体積平均粒径が155nmかつシェル部の厚みが30nmの樹脂粒子Hの分散液を得た。なお、樹脂粒子Hはコア部のTgが7℃、シェル部のTgが44℃であった。
−樹脂粒子分散液Iの作製−
窒素で器内の空気が置換された反応容器に、A−ソルベント150部を仕込んで、90℃に昇温してから、スチレン20部、エチルアクリレート30部、及び2−エチルヘキシルアクリレート200部と、BPO 2.5部と、A−ソルベント100部とからなる混合物を、3時間かけて滴下し、滴下終了後も、同温度に5時間保持し、不揮発分が49.8%(すなわち、モノマー転化率が99.6%)で、かつ、25℃におけるガードナー粘度がX−Yである透明な樹脂溶液を得た。
得られた樹脂溶液に、酢酸ビニル100部、エチルアクリレート100部、メチルメタクリレート49部、及びメタクリル酸1部と、BPO 2.5部と、A−ソルベント250部とからなる混合物を、3時間かけて滴下し、滴下終了後も、同温度に5時間保持し、不揮発分が47.5%(すなわち、分散質のモノマー転化率が90%)である乳白色の樹脂粒子I(アクリル樹脂粒子)の分散液(固形分濃度:57%)を得た。得られた樹脂粒子の分散液をスターラーにて1時間撹拌することで、樹脂粒子Iの体積平均粒径が159nmかつシェル部の厚みが32nmの樹脂粒子Iの分散液を得た。なお、樹脂粒子Iはコア部のTgが−5℃、シェル部のTgが19℃であった。
<着色剤分散液の作製>
−シアン顔料分散液の作製−
高分子分散剤(商品名:ソルスパーズ32000、アビシア株式会社製、酸価:24.8mgKOH/g、塩基価:27.1mgKOH/g)8部、及びイソボロニルアクリレート72部をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間撹拌して溶解した。その後、室温まで冷却し、Pigment Blue 15:4(商品名:Cyanine Blue 4044、山陽色素株式会社製、酸価:0.0KOHmg/g、塩基価8.0mgKOH/g)20部を加えて、直径が0.3mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて8時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去し、シアン顔料分散液を作製した。
<実施例1>
表1に示したモノマー類及び光重合開始剤添加して1時間攪拌し、目視にて溶解残りがないことを確認した。次いで、樹脂粒子A分散液をインク中における樹脂粒子の固形分濃度が8%になるように添加し、30分間攪拌した。その後、メンブランフィルターでろ過して、ヘッドつまりの原因となる粗大粒子を除去し、活性エネルギー線硬化型インク1を作製した。
但し、前記樹脂粒子分散液Aは、ロータリーエバポレーターを用いて沸点の差を利用し、インク中の含有量が最も多い重合性化合物(単官能モノマー:PEA)を用いて溶媒置換を行ったものを使用した。
なお、表1に示す単官能モノマー(PEA)の配合量は、溶媒置換された樹脂粒子A分散液中に含まれる単官能モノマー(PEA)を含めた配合量である。
また、表1に示す樹脂粒子Aの配合量はインク中に含まれる固形分としての樹脂粒子Aの配合量を示す。
<実施例2〜9、及び比較例1〜6>
表1に記載の組成、及び含有量に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜9、及び比較例1〜6記載の活性エネルギー線硬化型インク2〜15を作製した。
なお、使用した樹脂粒子B〜Hの分散液は、ロータリーエバポレーターを用いて沸点の差を利用し、各インク中の含有量が最も多い重合性化合物を用いて溶媒置換を行ったものを使用した。
なお、表1に示すインク中の含有量が最も多い単官能モノマーの配合量は、溶媒置換された樹脂粒子分散液中に含まれる単官能モノマーを含めた配合量であり、表1に示す樹脂粒子の配合量はインク中に含まれる固形分としての樹脂粒子の配合量を示す。
作製した実施例1〜9、及び比較例1〜6の活性エネルギー線硬化型インクについて、以下のようにして、インクとしての「分散安定性」「吐出安定性」、硬化物としての「硬度」、及び「耐折り曲げ性」を評価した。結果を表1に示す。
表1におけるインク成分の配合量は「質量部」を示す。
<保存安定性>
上記インクを、それぞれガラス瓶に密閉して60℃下2週間保管し、保管前後のインクの粘度を測定し、下記の評価基準で「保存安定性」を評価した。
−評価基準−
○:保管前後における粘度変化率が5%以下であった。
△:保管前後における粘度変化率が5%超10%以下であった。
×:保管前後における粘度変化率が10%を超えていた。
分散安定性評価がA又はBであれば、保存安定性に優れ、実用上問題なく使用可能と評価される。
<吐出安定性>
作製した実施例1〜9、及び比較例1〜6の活性エネルギー線硬化型インクをGEN4ヘッド(リコープリンティングシステムズ株式会社製)搭載のインクジェット吐出装置を用いて、60分間連続で各インクを吐出し、ノズル抜けが生じたノズル数を求め、下記の評価基準に基づいて、「吐出安定性」を評価した。なお、前記インクジェット吐出装置は、駆動周波数18kHzとし、加温温度を35℃、かつ、1回当たりのインク吐出量を2pLに設定した。なお、ノズル抜けとは、目詰まりが発生したノズルからインク滴が吐出されないことを意味する。
−評価基準−
○:1本以下
△:2本以上5本以下
×:6本以上
[硬化物の作製]
作製した実施例1〜9、及び比較例1〜6の活性エネルギー線硬化型インクをGEN4ヘッド(リコープリンティングシステムズ株式会社製)搭載のインクジェット吐出装置を用いて、平均厚みが10μmになるようにポリカーボネートフィルム(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、ユーピロン100FE2000マスキング、平均厚み:100μm)上に吐出した。インク1〜15に関しては、ヘッドの最大加温温度を45℃として、適宜加温温度を調整することで、すべてのインク1〜15の粘度が11mPa・sになるようにした。吐出の直後、UV照射機(装置名:LH6、フュージョンシステムズジャパン株式会社製)を用いて、光量が1,500mJ/cmで紫外線を照射させ、硬化膜を得た。このポリカーボネートフィルム上に硬化膜が形成されたものを試験用のサンプルとした。
前記硬化膜の平均厚みの測定方法としては、電子マイクロメーター(アンリツ株式会社製)を用いて測定し、10点の厚みの平均値より求めた。
<硬度>
上記サンプルの表面の硬化膜について、JIS K5600−5−4 引っかき硬度(鉛筆法)に準拠して鉛筆硬度を測定し、下記評価基準に基づいて、「硬度」を評価した。
−装置及び器具−
・装置:COTEC株式会社製のひっかき鉛筆硬度 TQC WWテスター(荷重750g専用)
・鉛筆:次の硬度の木製製図用鉛筆セット(三菱鉛筆株式会社製)
6B、5B、4B、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H、6H
・鉛筆けずり器:鉛筆の円筒状の芯をそのままに残して木部だけをけずり取る、特殊なけずりの器とする。
−評価基準−
○:鉛筆硬度がHB以上
△:鉛筆硬度がB又は2B
×:鉛筆硬度が3B以下
なお、硬化性が低いインクに関しては前記光量で硬化させた場合十分に固まらないため硬度も低くなる。
<耐折り曲げ性>
上記サンプルを23℃、相対湿度60%の条件下で1日保管した後にサンプルの硬化膜の中央部分を手で180°に折り曲げて硬化膜の割れの有無を観察し、次のように評価した。
−評価基準−
○:10回以上折り曲げても変化なし
△:5回以上10回までに硬化膜に割れが生じる。
×:5回までに硬化膜に割れが生じる。
Figure 2017095577
1 貯留プール(収容部)
3 可動ステージ
4 活性エネルギー線
5 活性エネルギー線硬化型組成物
6 硬化層
21 供給ロール
22 被記録媒体
23a、23b、23c、23d 印刷ユニット
24a、24b、24c、24d 光源
25 加工ユニット
26 印刷物巻取りロール
30 造形物用吐出ヘッドユニット
31、32 支持体用吐出ヘッドユニット
33、34 紫外線照射手段
35 立体造形物
36 支持体積層部
37 造形物支持基板
38 ステージ
39 像形成装置
特許5606817号公報 特許2938808号公報 特開2014−205839号公報

Claims (15)

  1. 重合性化合物と2種以上の樹脂粒子または2種以上の樹脂粒子の集合体とを含有し、
    前記2種以上の樹脂粒子が、Tg≧30℃である樹脂粒子と、Tg≦0℃である樹脂粒子とを含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物。
  2. 前記2種以上の樹脂粒子の集合体はコアシェル構造を有することを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  3. 前記Tg≧30℃である樹脂粒子が前記シェル部を形成し、前記Tg≦0℃である樹脂粒子がコア部を形成していることを特徴とする請求項2記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  4. 前記シェル部の厚みが40nm以下であることを特徴とする請求項2または3に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  5. 立体造形用材料である請求項1〜4のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物からなることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インク。
  7. インクジェット用である請求項6に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物に活性エネルギー線を照射する照射工程を含むことを特徴とする2次元又は3次元の像の形成方法。
  9. 前記活性エネルギー線硬化型組成物をインクジェット記録方式により吐出させる吐出工程をさらに含む請求項8に記載の2次元又は3次元の像の形成方法。
  10. 前記活性エネルギー線硬化型組成物をインクジェット記録方式により吐出させた後、基材上にてインクを加熱する工程を含むことを特徴とする請求項8又は9に記載の2次元又は3次元の像の形成方法。
  11. 請求項1から5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物を容器中に収容してなることを特徴とする組成物収容容器。
  12. 請求項1から5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物を収容してなる収容部と、
    前記活性エネルギー線硬化型組成物に活性エネルギー線を照射するための照射手段と、
    を少なくとも備えることを特徴とする2次元又は3次元の像の形成装置。
  13. 前記活性エネルギー線硬化型組成物をインクジェット記録方式により吐出させる吐出手段をさらに備える請求項12に記載の2次元又は3次元の像の形成装置。
  14. 請求項1から5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物に、活性エネルギー線を照射して硬化させてなることを特徴とする2次元又は3次元の像。
  15. 請求項14に記載の2次元又は3次元の像を延伸加工してなることを特徴とする成形加工品。
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