JP2009067927A - 二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルム - Google Patents

二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】柔軟性、耐ブロッキングおよび粘着性に優れ、必要時に剥がし易く、広幅製品の生産性に適し、粘着付与剤の添加や粘着剤塗布を必要としないためクリーンな二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムを提供。
【解決手段】自己粘着層(X)/中間層(Y)/非粘着層(Z)の順に構成される少なくとも3層の積層フィルムにおいて、(Y)は、プロピレン単位を98〜99.9重量%の範囲で含むプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(a1)60〜70重量%、およびプロピレン単位を70〜80重量%の範囲で含むプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(a2)40〜30重量%からなる、プロピレン系樹脂組成物(A)30〜100重量%と、プロピレン単独重合体(B)70〜0重量%とからなリ、自己粘着層(X)は、水添スチレン系エラストマー(C)50〜75重量%とプロピレン系重合体(D)50〜25重量%と非粘着層(Z)からなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムに関し、さらに詳しくは、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETという。)やホモポリプロピレンの延伸フィルムよりも柔軟であるため貼り付けやすく、無延伸ポリエチレンフィルムや無延伸ポリプロピレンフィルムより伸度が小さく、剥がしやすいため、加工時の作業性に優れ、さらに一方の表面層を自己粘着層とすることで表面に粘着剤を塗布したり、表面層に粘着付与剤を添加したりせずとも十分な粘着強度を有し、また、もう一方の表面層を非粘着層とすることにより、フィルムがロール状に巻かれてあっても、使用時にブロッキングが極めて起こりにくいので成形性にも優れるうえ、貼り付けた状態で粘着強度が上がりにくいため、貼り付けたまま長期に保持しても剥がしやすい二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムに関する。
ガラス板、アクリル板等の合成樹脂板、さらには偏光板や位相差フィルム、ディスプレイマザーガラスなどの液晶表示装置の構成部材等の素材(以下、保護対象物と言う場合もある。)が、加工時、運搬時あるいは貯蔵期間中に、ゴミが付着したり、傷がついたりするのを防止することを目的としてその表面にプロテクトフィルムが貼り付けられる。
このプロテクトフィルムには、保護対象物に容易に密着させることができ、保護対象物の加工時、運搬時あるいは貯蔵期間中に、簡単には剥離しないが、剥がす必要があるときには容易に剥離させることができるという特性が望まれている。
現在、プロテクトフィルムとしては、無延伸ポリエチレンフィルム、PETフィルム等の片面にアクリル系やゴム系の粘着剤を塗布したものが主流である。
PET系フィルムを用いるものとしては、例えば、リターデーション値1000nm以上の一軸異方性高分子フィルムを用いた表面保護フィルム(例えば、特許文献1参照。)、二軸延伸高分子フィルムを用いた表面保護フィルム(例えば、特許文献2参照。)、特定のコントラスト値、リターデーション値、ヘイズを有する高分子フィルムを用いた表面保護フィルム(例えば、特許文献3参照。)、マイクロ波透過型分子配向計で測定した配向主軸の最大歪みが7度以下の高分子フィルムを用いた表面保護フィルム(例えば、特許文献4参照。)、透明性に優れ、粗大突起の原因となる異物の少ない積層二軸ポリエステルフィルムを用いた偏光板保護フィルム(例えば、特許文献5参照。)、異物、キズが少なく、表面粗さ等の小さい一軸ポリエステルフィルムを用いた表面保護フィルム(例えば、特許文献6参照。)等が挙げられる。また、ポリエチレン系フィルムを用いるものとしては、表面2層がポリエチレンで、中心層がポリプロピレンの積層フィルムを用いる表面保護粘着フィルム(例えば、特許文献7参照。)、軟質ポリオレフィンを用いた表面保護フィルム(例えば、特許文献8参照。)、高熱伝導率フィルム層を有する半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム(例えば、特許文献9参照。)等が挙げられる。
しかし、無延伸ポリエチレンフィルムを用いたプロテクトフィルムは、剥がす時にフィルム自体が伸びやすく、剥がしにくいという欠点を有している。特に最近、需要の高い大型画面の液晶表示装置では面積が大きいため、より顕著な問題となっている。また、該プロテクトフィルムは、広幅フィルムの生産が困難であるため、大型画面の液晶表示装置には適さないという問題も有している。
また、PETフィルムを用いたプロテクトフィルムは、柔軟性に劣るため貼り付けにくく、PETフィルム自体に十分な粘着力がないため、粘着付与剤を添加したり、粘着剤を塗布したりする必要がある。該プロテクトフィルムは、このような作業がどうしても必要になるうえ、粘着付与剤を添加したものは、剥離した後、保護対象物の表面に糊残りやブリード物が残ってしまうことがあり、保護対象物を汚してしまうなどの問題がある。また粘着剤の塗布を必要とするものには、プロテクトフィルムの原反を生産する工程と得られた原反に粘着剤を塗布する工程の2工程が必要となるため生産性が悪かったり、得られた原反を粘着剤塗布工程に移す際、原反にほこりなどの付着物が付かないように作業環境をクリーンに保たなければならないため、生産コストが高くなるという問題を有している。
粘着付与剤を添加したり、粘着剤を塗布したりする必要のない自己粘着性を有する表面層を両面に持つオレフィン樹脂製多層ラップフィルムとして、プロピレン樹脂組成物からなる多層フィルムが開示されている(例えば、特許文献10参照。)。該フィルムは、粘着付与剤を添加したり、粘着剤を塗布したりする必要がないので生産性やハンドリングに優れるが、両表層が自己粘着層であるため、生産時に、該フィルムをロール状に巻いたとき、一方の自己粘着層が他方の自己粘着層に貼り付いてブロッキングすることで、均一に巻くことができずにフィルムに皺が生じるだけでなく、使用時にロールから巻き出すときに良好に巻き出せない等の欠点を有している。従って、自己粘着層に高い粘着強度を付与させることが困難であるため、ラップフィルムのような用途には十分使用できるが、高い密着性が要求されるプロテクトフィルムのような用途には使用し得ないのが現状であった。
こうした状況下に、プロテクトフィルムのような用途には使用できるポリプロピレン系多層フィルムの早期開発が望まれている。
特開2000−94565号公報 特開2001−301024号公報 特開2001−335648号公報 特開2001−335649号公報 特開2004−151156号公報 特開2005−2220号公報 特開平7−1681号公報 特開2003−103726号公報 特開2004−6552号公報 特開2006−36225号公報
本発明の目的は、従来技術の現状に鑑み、柔軟性、耐ブロッキングおよび粘着性に優れ、必要時に剥がし易く、広幅製品の生産性に適し、粘着付与剤の添加や粘着剤塗布を必要としないためクリーンかつ安価に製造することができる二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムを提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、自己粘着層/中間層/非粘着層の順に構成される少なくとも3層の積層フィルムにおいて、中間層に特定のポリプロピレン樹脂組成物を用い、一方の表面層に水添スチレン系エラストマーと特定のプロピレン系重合体からなる自己粘着層を用い、他方の表面層に、特定のプロピレン単独重合体と特定のプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体を主成分とする非粘着層、または特定のプロピレン単独重合体と特定のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体とフィルム用アンチブロッキング剤を主成分とする非粘着層を用いて、二軸延伸積層フィルムを調製したところ、所望の特性を有する自己粘着性プロテクトフィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、自己粘着層(X)/中間層(Y)/非粘着層(Z)の順に構成される少なくとも3層の積層フィルムにおいて、各層が下記(イ)〜(ハ)の要件を満たすことを特徴とする二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムが提供される。
(イ):中間層(Y)は、共重合体の重量基準でプロピレン単位を98〜99.9重量%の範囲で含むプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(a1)60〜70重量%、および共重合体の重量基準でプロピレン単位を70〜80重量%の範囲で含むプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(a2)40〜30重量%からなる、プロピレン系樹脂組成物(A)30〜100重量%と、プロピレン単独重合体(B)70〜0重量%とからなる。
[但し、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(a2)のメルトフローレート(MFRa2)が4.0〜15.0g/10minの範囲で、かつプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(a1)のメルトフローレート(MFRa1)に対するプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(a2)のメルトフローレート(MFRa2)の比率(MFRa2/MFRa1)が3.0〜15.0の範囲である]
(ロ):自己粘着層(X)は、水添スチレン系エラストマー(C)50〜75重量%とプロピレン系重合体(D)50〜25重量%とからなる。
[但し、プロピレン系重合体(D)は、JIS K7122(1987)に記載の方法に準拠した示差走査熱量測定法(DSC法)で測定した融解熱が80〜110kJ/kgの範囲であるプロピレン系重合体である]
(ハ):非粘着層(Z)は、次の(i)又は(ii)の重合体組成物からなる。
(i)プロピレン単独重合体(E)0〜95重量%と、プロピレン単独重合体成分(a3)80〜90重量%および共重合体の重量基準でプロピレン単位を40〜60重量%の範囲で含むプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(a4)20〜10重量%からなる、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体(F)100〜5重量%とからなる
[但し、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(a4)のメルトフローレート(MFRa4)が0.01〜0.15g/10minの範囲で、かつプロピレン単独重合体成分(a3)のメルトフローレート(MFRa3)に対するプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(a4)のメルトフローレート(MFRa4)の比率(MFRa4/MFRa3)が0.001〜0.02の範囲である]、
(ii)プロピレン単独重合体(G)90〜50重量%と、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(H)10〜50重量%とからなる重合体組成物100重量部に対して、フィルム用アンチブロッキング剤(I)0.1〜1重量部を配合してなる
[但し、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(H)は、融点が145℃以下のプロピレン−エチレンランダム共重合体又はプロピレン−エチレン−1ブテンランダム共重合体であり、フィルム用アンチブロッキング剤(I)は、レーザー回折法で測定した平均粒径が2.0〜10μmである]
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、JIS−Z−0237(2000)に記載の方法に準拠する初期粘着強度測定法(23℃・50RH%の雰囲気下、24時間保持)に基づいて測定したアクリル板への初期粘着強度が5g/25mm以上であって、かつ、同じ方法に準拠する経時粘着強度測定法(60℃・50RH%の雰囲気下、720時間保持)に基づいて測定したアクリル板への経時粘着強度が120g/25mm以下であることを特徴とする二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムが提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、ASTM D1893に記載の方法に準拠して測定した自己粘着層と非粘着層とのブロッキング強度が3000g/4cm以下であることを特徴とする二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムが提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、自己粘着層(X)に粘着付与剤を含有しないことを特徴とする二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムが提供される。
さらに、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、自己粘着層(X)の厚みが1〜6μmであることを特徴とする二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムが提供される。
本発明は、上記した如く、二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムに係るものであるが、その好ましい態様としては、次のものが包含される。
(1)中間層(Y)に用いられるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(a2)のα−オレフィンは、エチレン又は炭素数4〜18のα−オレフィン、好ましくはエチレン又は1−ブテンであることを特徴とする上記の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルム。
(2)中間層(Y)に用いられるプロピレン単独重合体(B)は、メルトフローレート(MFR)が2.5〜8.0g/10minの範囲であることを特徴とする上記の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルム。
(3)自己粘着層(X)に用いられる水添スチレン系エラストマー(C)は、スチレン含有量が30重量%以下である水添スチレン−ブタジエン共重合体(HSBR)であることを特徴とする上記の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルム。
(4)自己粘着層(X)に用いられるプロピレン系重合体(D)は、融解熱が80〜110kJ/kgの範囲である、プロピレン単独重合体、もしくはプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、もしくはそれらを任意の比率で混合した混合物であることを特徴とする上記の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルム。
(5)非粘着層(Z)に用いられるプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体(F)に含まれるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(a4)のα−オレフィンは、エチレン又は炭素数4〜18のα−オレフィン、好ましくはエチレン又は1−ブテンであることを特徴とする上記の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルム。
(6)非粘着層(Z)に用いられるフィルム用アンチブロッキング剤(I)は、シリカ微粒子、合成シリカ微粒子又はポリメタクリル酸メチル微粒子であることを特徴とする上記の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルム。
(7)延伸倍率は、縦方向(MD)が3〜7倍、横方向(TD)が4〜10倍であることを特徴とする上記の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルム。
(8)フィルムの総厚みが20〜80μmであることを特徴とする上記の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルム。
(9)JIS K7127(1999)に準拠して測定した弾性率は、縦方向(MD)が400〜1400MPa、横方向(TD)が700〜3600MPaであることを特徴とする上記の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルム。
(10)JIS K7127(1999)に準拠して測定した破断伸度は、縦方向(MD)が100〜300%、横方向(TD)が30〜300%であることを特徴とする上記の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルム。
(11)JIS−K−7105(1981)に準拠して測定したヘイズ値が65%以下であることを特徴とする上記の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルム。
(12)JIS−K−7105(1981)に準拠して測定したヘイズ値が55%以下であることを特徴とする上記の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルム。
本発明の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムは、該フィルムの弾性率と伸度を制御することで各保護対象物に対して貼り付けやすく剥がしやすい加工安定性を有している。また自己粘着層を柔軟化することにより、粘着剤塗布や粘着付与剤添加を必要とせずに従来のプロテクトフィルムと同等以上の自己粘着性を有する。そのため二次加工の工数や設備を省略することができるうえ、該フィルムを剥がしたあと保護対象物に糊残り等の不具合を生じさせない。また非粘着層の表面粗度状態を制御することでブロッキングを防止できるため、製造時や使用時の安定性に優れた該フィルムを生産することができる。そのうえ、該フィルムを保護対象物に貼り付けた状態で保持しても粘着力が上がりにくいため、貼り付けたまま長期に高温下で保持しても剥がしやすいフィルムであり、また、該フィルムを剥がしたとき保護対象物の表面を剥がし取って保護対象物を損なうことがない。さらには、従来の製法・加工法では困難であった広幅のフィルムを生産することが可能となる。
本発明の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムは、前述したように、自己粘着層(X)/中間層(Y)/非粘着層(Z)の順に構成される少なくとも3層の積層フィルムにおいて、各層が下記(イ)〜(ハ)の要件を満たすことを特徴とするものである。
(イ):中間層(Y)は、共重合体の重量基準でプロピレン単位を98〜99.9重量%の範囲で含むプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(a1)60〜70重量%、および共重合体の重量基準でプロピレン単位を70〜80重量%の範囲で含むプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(a2)40〜30重量%からなる、プロピレン系樹脂組成物(A)30〜100重量%と、プロピレン単独重合体(B)70〜0重量%とからなる。
[但し、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(a2)のメルトフローレート(MFRa2)が4.0〜15.0g/10minの範囲で、かつプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(a1)のメルトフローレート(MFRa1)に対するプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(a2)のメルトフローレート(MFRa2)の比率(MFRa2/MFRa1)が3.0〜15.0の範囲である]
(ロ):自己粘着層(X)は、水添スチレン系エラストマー(C)50〜75重量%とプロピレン系重合体(D)50〜25重量%とからなる。
[但し、プロピレン系重合体(D)は、JIS K7122(1987)に記載の方法に準拠した示差走査熱量測定法(DSC法)で測定した融解熱が80〜110kJ/kgの範囲であるプロピレン系重合体である]
(ハ):非粘着層(Z)は、次の(i)又は(ii)の重合体組成物からなる。
(i)プロピレン単独重合体(E)0〜95重量%と、プロピレン単独重合体成分(a3)80〜90重量%および共重合体の重量基準でプロピレン単位を40〜60重量%の範囲で含むプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(a4)20〜10重量%からなる、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体(F)100〜5重量%とからなる
[但し、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(a4)のメルトフローレート(MFRa4)が0.01〜0.15g/10minの範囲で、かつプロピレン単独重合体成分(a3)のメルトフローレート(MFRa3)に対するプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(a4)のメルトフローレート(MFRa4)の比率(MFRa4/MFRa3)が0.001〜0.02の範囲である]、
(ii)プロピレン単独重合体(G)90〜50重量%と、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(H)10〜50重量%とからなる重合体組成物100重量部に対して、フィルム用アンチブロッキング剤(I)0.1〜1重量部を配合してなる
[但し、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(H)は、融点が145℃以下のプロピレン−エチレンランダム共重合体又はプロピレン−エチレン−1ブテンランダム共重合体であり、フィルム用アンチブロッキング剤(I)は、レーザー回折法で測定した平均粒径が2.0〜10μmである]
以下、各層の構成成分、積層フィルムの特徴、製法等について詳細に説明する。
I.各層の構成成分
1.中間層(Y)の構成成分
本発明の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムを構成する中間層(Y)は、プロピレン系樹脂組成物(A)30〜100重量%とプロピレン単独重合体(B)70〜0重量%とからなり、好ましくは、プロピレン系樹脂組成物(A)40〜80重量%とプロピレン単独重合体(B)60〜20重量%とからなる。プロピレン系樹脂組成物(A)が、30重量%より極端に少ない場合、フィルムの柔軟性が低下し良好に貼り付けにくくなる傾向がある。
(1)プロピレン系樹脂組成物(A)
本発明の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムの中間層に使用するプロピレン系樹脂組成物(A)は、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(a1)(以降、(a1)成分と表記することがある)を60〜70重量%とプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(a2)(以降、(a2)成分と表記することがある)を40〜30重量%の範囲で含むものであり、(a1)成分を62〜68重量%と(a2)成分を38〜32重量%の範囲で含むものが好ましい。
(a1)成分の含有量が、60重量%より極端に少ない場合には、得られる二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムの弾性率が低下するため、フィルムの柔軟性が過剰となり製品のブロッキングが悪化する傾向がある。
他方、(a1)成分の含有量が、70重量%より極端に多い場合には得られる二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムの弾性率が増大するため、柔軟性が劣り粘着強度が低下する傾向がある。
プロピレン系樹脂組成物(A)は、(a1)成分と(a2)成分を単純混合して得ても良いし、多段重合により連続的に重合して得ることもできる。
単純混合する方法としては、チーグラーナッタ触媒を用いて重合したプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体や市販のエチレン−プロピレンゴムとプロピレン重合体とを溶融混合する方法が提示できる。溶融混合の方法は、限定されず、公知の方法を採用できる。
また(a1)成分と(a2)成分とを多段重合により連続的に重合する方法としては、複数の重合器を使用し、例えば、1段目で(a1)成分を製造し、2段目で(a2)成分を製造する方法が例示できる。この連続重合法は上記した溶融混合法に比べて(a1)成分に(a2)成分が均一に分散したプロピレン系樹脂組成物(A)が得られ、品質の安定化が図れる点で好ましい。多段重合法により連続的に重合する方法については特に限定されず、公知の方法を採用できる。
(a1)成分は、共重合体の重量基準でプロピレン単位を98〜99.9重量%、好ましくは98.5〜99.9重量%の範囲で含むプロピレン−エチレンランダム共重合体である。プロピレン単位が98重量%を大きく下回ると二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムの柔軟性が過剰になりブロッキングが悪化する傾向がある。一方、プロピレン単位が100重量%であると、(a2)成分との組成差が大きくなり、透明性が劣る傾向がある。
(a2)成分は、共重合体の重量基準でプロピレン単位を70〜80重量%、好ましくは72〜78重量%の範囲で含むプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体である。プロピレン単位が70重量%を大きく下回ると、得られる二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムの透明性が低下する傾向があり、プロピレン単位が80重量%を大きく上回ると、得られる二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムの弾性率が増大し粘着力が低下する傾向がある。
α−オレフィンとしては、エチレン、もしくは炭素数4〜18のα−オレフィンを挙げることができ、炭素数4〜18のα−オレフィンの具体例として、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテンなどを例示でき、これらの一種もしくは二種以上を用いることができる。製造コストの面からはエチレン、1−ブテンもしくはその併用が最も好適である。
また、プロピレン系樹脂組成物(A)において、(a2)成分のメルトフローレート(MFRa2)(試験条件:230℃、2.16kg荷重)は、得られる二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムの透明性と成形性の観点から、4.0〜15.0g/10minの範囲であり、7.5〜12.5g/10minであることが好ましい。MFRa2が4.0g/10minを大きく下回る場合、(a1)成分に対する(a2)成分の分散性が悪い傾向になるため、透明性が阻害される恐れがある。一方、MFRa2が15.0g/10minを大きく上回る場合、プロピレン系樹脂組成物(A)全体のメルトフローレート(MFRWhole)が高くなり過ぎ、後述のような悪影響を及ぼす原因となる。
(a2)成分のメルトフローレート(MFRa2)は、重合の際、水素の供給量によって調整することができる。
さらに、プロピレン系樹脂組成物(A)において、(a2)成分のメルトフローレート(MFRa2)の(a1)成分のメルトフローレート(MFRa1)に対する比率(MFRa2/MFRa1)は、得られる二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムの透明性と成形性の観点から、3.0〜15.0の範囲であり、5.5〜9.5であることが好ましい。MFRa2/MFRa1は、(a1)成分と(a2)成分の分散状態を表す尺度である。MFRa2/MFRa1が3.0を大きく下回ると、(a1)成分に対する(a2)成分の分散性が悪い傾向になるため、透明性が阻害される恐れがある。一方、MFRa2/MFRa1が15.0を大きく上回ると、(a1)と(a2)成分の分散性が悪い傾向になるばかりでなく、プロピレン系樹脂組成物(A)のメルトフローレート(MFRWhole)が高くなり過ぎ、後述のような悪影響を及ぼす原因となる。
比率(MFRa2/MFRa1)は、1段目と2段目の重合の際、それぞれの水素の供給量によって調整することができる。
プロピレン系樹脂組成物(A)全体のメルトフローレート(MFRWhole)は、得られる二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムの透明性と成形性の観点から、1.0〜5.0g/10minの範囲であることが好ましく、1.5〜4.5g/10minであることがさらに好ましい。
プロピレン系樹脂組成物(A)のメルトフローレート(MFRWhole)が1.0g/10minより大きく下回る場合、樹脂を押し出すときに押出機に大きな負荷がかかるため好ましくない。一方、5.0g/10minより大きく上回る場合、押し出した樹脂の溶融張力が弱かったり、延伸するときの張力も弱くなり、良好に延伸できなくなったりする恐れがあるため好ましくない。
ここで、メルトフローレート(MFR)は、JIS K7210(1999)「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」のA法、条件M(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定する値である。
このようなプロピレン系樹脂組成物(A)としては、市販の製品を使用することができ、具体的には、日本ポリプロ(株)社製のNAH6Cを挙げることができる。
(2)プロピレン単独重合体(B)
本発明に用いるプロピレン単独重合体(B)は、メルトフローレート(MFR)が2.5〜8.0g/10minの範囲であることが好ましく、さらに好ましくはメルトフローレートが3.0〜7.0g/10minの範囲であるプロピレン単独重合体を例示でき、二種以上の混合物であっても良い。
ここで、メルトフローレート(MFR)は、JIS K7210(1999)「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」のA法、条件M(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定する値である。
プロピレン単独重合体(B)は、高立体規則性重合触媒を用いることによって得ることができ、高立体規則性重合触媒としては、塩化チタン、アルコキシチタン等を出発材料として調製されたチタン化合物を用いた、いわゆるチーグラー・ナッタ触媒、あるいは、メタロセン化合物を用いたカミンスキー型触媒を使用することができる。
2.自己粘着層(X)の構成成分
本発明の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムを構成する自己粘着層は、水添スチレン系エラストマー(C)50〜75重量%と、プロピレン系重合体(D)50〜25重量%とからなり、好ましくは、水添スチレン系エラストマー(C)を55〜70重量%、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(D)を45〜30重量%とからなる。水添スチレン系エラストマー(C)およびプロピレン系重合体(D)を前記の範囲内で調整することにより、自己粘着層の粘着強度を制御することができる。
水添スチレン系エラストマー(C)添加量が50重量%より極端に少ない場合、自己粘着層の柔軟性が低下し粘着性が劣る傾向がある。他方、水添スチレン系エラストマー(C)添加量が75重量%より極端に多い場合、自己粘着層の柔軟性が増大し、成形加工性が低下したり、製品のブロッキングが悪化したり、また、経時粘着強度が上がり過ぎたりする傾向がある。
(1)水添スチレン系エラストマー(C)
本発明に用いる水添スチレン系エラストマー(C)としては、水添スチレン−ブタジエン共重合体(HSBR)、スチレン−エチレン・ブチレン−エチレン共重合体(SEBC)、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)等が例示でき、なかでも水添スチレン−ブタジエン共重合体(HSBR)が好ましい。二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムが十分な粘着強度を有するために、水添スチレン系エラストマー(C)のスチレン含有量は30重量%以下であることが好ましく、20重量%以下であることがさらに好ましい。スチレン含有量が30重量%を越えると粘着層の柔軟性が劣り、粘着強度が低下する傾向がある。
このような水添スチレン系エラストマー(C)としては、市販の製品を使用することができ、具体的には、JSR(株)社製のダイナロン1320Pを挙げることができる。
(2)プロピレン系重合体(D)
本発明に用いるプロピレン系重合体(D)は、JIS K7122(1987)に記載の方法に準拠した示差走査熱量測定法(DSC法)で測定した融解熱が80〜110kJ/kgの範囲であり、80〜102kJ/kgであることが好ましい。融解熱が110kJ/kgより極端に大きなプロピレン系重合体は、実質上製造困難である。一方、融解熱が80kJ/kgより極端に小さくなると、粘着層の柔軟性が上がり、経時粘着強度が上がり過ぎる傾向がある。
また、本発明に用いるプロピレン系重合体(D)は、プロピレン単独重合体、もしくはプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体であることが好ましいが、上記に示した融解熱の範囲内であれば、それらを任意の比率で混合した混合物であっても構わない。
本発明に用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体としては、プロピレン−エチレンランダム共重合体およびプロピレン−エチレン−1ブテンランダム共重合体などを例示できる。
3.非粘着層(Z)の構成成分
本発明の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムを構成する非粘着層は、下記(i)または(ii)の重合体組成物からなる。
3−1.非粘着層(i)の構成成分
本発明の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムを構成する非粘着層(i)は、プロピレン単独重合体(E)0〜95重量%と、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体(F)100〜5重量%とからなる。
プロピレン単独重合体(E)およびプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体(F)を前記の範囲内で調整することにより、フィルムの透明性及び自己粘着層と非粘着層のブロッキングを制御することができる。
これは、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体(F)における、プロピレン単独重合体成分(a3)に対するプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(a4)の分散状態を任意に悪化させると、フィルムの構成成分として用いたとき、得られるフィルム表面の粗度状態を適度に荒らし、ブロッキング性を抑制することができるからである。従って、後述するフィルム用アンチブロッキング剤などを使用する必要がなくなる。
プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体(F)の添加量が5重量%より極端に少ない場合、自己粘着層と非粘着層のブロッキングは悪化する傾向がある。
(4)プロピレン単独重合体(E)
本発明に用いるプロピレン単独重合体(E)は、一般的にフィルム用に用いられるポリプロピレン樹脂のメルトフローレートであれば、特に限定されない。
プロピレン単独重合体(E)は、高立体規則性重合触媒を用いることによって得ることができ、高立体規則性重合触媒としては、塩化チタン、アルコキシチタン等を出発材料として調製されたチタン化合物を用いた、いわゆるチーグラー・ナッタ触媒、あるいは、メタロセン化合物を用いたカミンスキー型触媒を使用することができる。
プロピレン単独重合体(E)は、前記プロピレン単独重合体(B)と同一のものであっても良い。
(5)プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体(F)
本発明に用いるプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体(F)は、プロピレンとα−オレフィンとのランダム共重合体成分を含むブロック共重合体である。
α−オレフィンとしては、エチレン、もしくは炭素数4〜18のα−オレフィンを挙げることができ、炭素数4〜18のα−オレフィンの具体例として、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテンなどを例示でき、これらの一種もしくは二種以上を用いることができる。製造コストの面からはエチレン、1−ブテンもしくはその併用が最も好適である。
また、本発明に用いるプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体(F)は、プロピレン単独重合体成分(a3)(以降、(a3)成分と表記することがある)を80〜90重量%と、共重合体の重量基準でプロピレン単位を40〜60重量%の範囲で含むプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(a4)(以降、(a4)成分と表記することがある)を20〜10重量%とからなり、(a3)成分を80〜88重量%と、共重合体の重量基準でプロピレン単位を45〜55重量%の範囲で含む(a4)成分を20〜12重量%とからなることが好ましい。(a4)成分の構成量が10重量%より極端に少ない場合、フィルムの表面が平滑になりブロッキングが劣る傾向がある。一方、(a4)成分の構成量が20重量%より極端に多い場合、フィルムの表面が粗面化され透明性が阻害される傾向がある。
また、(a4)成分のメルトフローレート(MFRa4)が0.01〜0.15g/10minの範囲であり、0.03〜0.15g/10minの範囲であることが好ましい。(a4)成分のメルトフローレート(MFRa4)が0.01g/10minより大きく下回る樹脂は、重合時の流動性に問題が生じる恐れがあり、製造トラブル等を誘発する恐れがあるため、実用上好ましいとは言えない。一方、0.15g/10minを大きく上回る場合、(a3)成分との分散性が上がるため、表面の粗面化に及ぼす効果が小さくなる傾向がある。
(a4)成分のメルトフローレート(MFRa4)は、重合の際、水素の供給量によって調整することができる。
また、(a3)成分のメルトフローレート(MFRa3)に対する(a4)成分のメルトフローレート(MFRa4)の比率(MFRa4/MFRa3)が0.001〜0.02の範囲であり、0.005〜0.015の範囲であることが好ましい。
比率(MFRa4/MFRa3)は、(a3)成分と(a4)成分の分散状態を表す尺度である。比率(MFRa4/MFRa3)が0.001を大きく下回る樹脂は、(a3)成分と(a4)成分のメルトフローレート格差が極端に大きいため、安定生産が難しい傾向があり、製造トラブル等を誘発する恐れがあるため、実用上好ましいとは言えない。一方、比率(MFRa4/MFRa3)が0.02を大きく上回ると、(a3)と(a4)成分の分散性が良い傾向になるため、表面の粗面化に及ぼす効果が小さくなる傾向がある。
比率(MFRa4/MFRa3)は、1段目と2段目の重合の際、それぞれの水素の供給量によって調整することができる。
ここで、メルトフローレートは、JIS K7210(1999)「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」のA法、条件M(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定する値である。
本発明に用いるプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体(F)は、(a3)成分と(a4)成分を多段重合により連続的に重合して得ることができる。
例えば、複数の重合器を使用し、例えば、1段目で(a3)成分を製造し、2段目で(a4)成分を製造する方法が例示できる。多段重合法により連続的に重合する方法については特に限定されず、公知の方法を採用できる。
このようなプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体(F)としては、市販の製品を使用することができ、具体的には、日本ポリプロ(株)社製のBC6Dを挙げることができる。
3−2.非粘着層(ii)の構成成分
本発明の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムを構成する非粘着層(ii)は、プロピレン単独重合体(G)90〜50重量%とプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(H)10〜50重量%とからなる重合体組成物100重量部に対し、フィルム用アンチブロッキング剤(I)0.1〜1重量部を配合したものであり、好ましくは、プロピレン単独重合体(G)90〜55重量%とプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(H)10〜45重量%とからなる重合体組成物100重量部に対し、フィルム用アンチブロッキング剤(I)0.3〜0.6重量部を配合したものである。
プロピレン単独重合体(G)およびプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(H)およびフィルム用アンチブロッキング剤(I)の配合量を前記の範囲内で調整することにより、フィルムの透明性及び非粘着層の表面粗度状態を制御することができる。
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(H)の添加量が10重量%よりも少ない場合、非粘着層の融点が中間層の融点より高くなるため、非粘着層と中間層の延伸状態が異なり、フィルム延伸ムラによる外観不良が発生する傾向がある。他方、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(H)の添加量が50重量%より極端に多い場合、フィルムのブロッキングが悪化する傾向がある上、貼り合せ後の加工に於いて耐熱不足による加工不良の発生が起き易い。また、フィルム用アンチブロッキング剤(I)の添加量が0.1重量部より極端に少ない場合、自己粘着層と非粘着層のブロッキングは、悪化する傾向がある。他方、フィルム用アンチブロッキング剤(I)の添加量が1重量部より極端に多い場合、フィルムの透明性は悪化する傾向がある。
(1)プロピレン単独重合体(G)
本発明に用いるプロピレン単独重合体(G)は、一般的にフィルムに用いられるポリプロピレン樹脂のメルトフローレートであれば、特に限定されない。
プロピレン単独重合体(G)は、高立体規則性重合触媒を用いることによって得ることができ、高立体規則性重合触媒としては、塩化チタン、アルコキシチタン等を出発材料として調製されたチタン化合物を用いた、いわゆるチーグラー・ナッタ触媒、あるいは、メタロセン化合物を用いたカミンスキー型触媒を使用することができる。
プロピレン単独重合体(G)は、前記プロピレン単独重合体(B)または(E)と同一のものであっても良い。
(2)プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(H)
本発明に用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(H)は、融点が145℃以下のものである。融点が145℃を超えると、上述したフィルム延伸時の外観不良が発生する恐れがあり、他方、融点が120℃未満のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、製造が困難であるため、120℃〜145℃であることが好ましい。
ここで、融点は、JIS K7122(1987)に記載の方法に準拠した示差走査熱量測定法(DSC法)で測定する値である。
また、本発明に用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(H)は、プロピレン単位を85〜99.9重量%の範囲で含むことが好ましく、さらに好ましくは90〜99.9重量%の範囲で含むことが望ましい。プロピレン単位が85重量%未満であるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(H)は、製造が困難であり、実質上使用できない。
本発明に用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(H)としては、プロピレン−エチレンランダム共重合体およびプロピレン−エチレン−1ブテンランダム共重合体などを例示できる。
(3)フィルム用アンチブロッキング剤(I)
本発明に用いるフィルム用アンチブロッキング剤(I)は、平均粒径が2.0〜10.0μmであり、3.0〜8.0μmであることが好ましい。平均粒径が2.0μmを大きく下回ると、アンチブロッキング効果が低下する傾向があり、一方、平均粒径が10.0μmを大きく上回ると、表面の粗度状態が悪化するだけでなく、フィルムや保護対象物の表面を傷つけたり、フィルムからアンチブロッキング剤が脱落してトラブルが発生したりすることもあり好ましいとは言えない。
ここで、平均粒径は、レーザー回折法により測定した値である。
こうしたフィルム用アンチブロッキング剤(I)としては、シリカ微粒子、合成シリカ微粒子、ポリメタクリル酸メチル微粒子等の一般的なアンチブロッキング剤を使用することができる。具体的な市販の製品としては、富士シリシア(株)製サイリシア550等を挙げることができる。
こうしたフィルム用アンチブロッキング剤(I)とプロピレン単独重合体(G)またはプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(H)を混合する方法は、たとえばヘンシェルミキサー(商品名)等の高速撹拌機つき混合機を用いるなど、公知の方法で配合することにより均一に混合できる。さらに、フィルム用アンチブロッキング剤(I)とプロピレン単独重合体(G)またはプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(H)を混合した後、単軸押出機または二軸押出機を用いてペレット化することで、より均一に混合させることができるので好ましい。
4.その他の成分
本発明に用いる積層フィルムを構成する各層には、それぞれ通常のポリオレフィン系フィルム材料に使用される酸化防止剤、中和剤等添加剤が配合されていてもよい。
酸化防止剤としては、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート等のフェノール系酸化防止剤、またはトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジフォスフォナイト等のリン系酸化防止剤が例示できる。
また、中和剤としてはステアリン酸カルシウムなどの高級脂肪酸の金属塩類やハイドロタルサイト類等が例示できる。
これらの添加剤の配合量は、各層中に0.01〜3重量%程度配合されているのが好ましい。また、これらの添加剤を配合する方法は特に限定されず、たとえばヘンシェルミキサー(商品名)等の高速撹拌機つき混合機を用いるなど、公知の方法により配合することができる。さらに、各層を構成する各種配合物を混合した後、単軸押出機または二軸押出機を用いてペレット化してもなんら差し支えない。
II.二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルム
本発明の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムは、上記構成成分を有する層を、自己粘着層(X)/中間層(Y)/非粘着層(Z)の順で構成される少なくとも3層の積層フィルムである。
なお、必要に応じて本発明の効果を阻害しない範囲で、自己粘着層と中間層、中間層と非粘着層の間に別の層が含まれていても構わない。
積層フィルムの製造方法は、自己粘着層(X)/中間層(Y)/非粘着層(Z)の順で構成されるように通常のTダイ法またはインフレーション法でシート成形し、これらの方法で成形したシートを二軸延伸して得られる。二軸延伸法としては、テンター方式による逐次二軸延伸法によるものが好ましい。
本発明の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムの延伸倍率は、縦方向(MD)、横方向(TD)で、それぞれ3〜7倍、4〜10倍が好ましく、さらに好ましくは、それぞれ4〜6倍、4〜9倍であることが望ましい。延伸倍率が上記範囲を外れると、フィルムの弾性率や伸度が、プロテクトフィルム用途に適さなくなる恐れがある。
本発明の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムにおける自己粘着層厚みは、粘着性、成形加工性の観点から1〜6μmの範囲であり、1.5〜5μmのものが好ましい。該プロテクトフィルムの自己粘着層厚みが1μmより極端に薄い場合、粘着力が低下し貼り付けにくくなる傾向がある。一方、該プロテクトフィルムの自己粘着層厚みが6μmより極端に厚い場合、フィルム製造時に自己粘着層を押し出すとき、押出機の負荷が上がりすぎたり、均一に押し出すことが出来なくなったりするため良好なフィルムを製造することが困難である。
本発明の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムの総厚みは、粘着性、柔軟性、透明性、成形加工性の観点から、20〜80μmのものが好ましく、25〜50μmのものがさらに好ましい。該プロテクトフィルムの厚みが20μmより極端に薄い場合、弾性率が低下し、剥がしにくくなる傾向がある。一方、該プロテクトフィルムの厚みが80μmより極端に厚い場合、弾性率が増大し、保護対象物に良好に貼り付けにくくなり、粘着性も低下する傾向がある。
本発明の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムの弾性率は、縦方向(MD)、横方向(TD)でそれぞれ400〜1400MPa、700〜3600MPaが好ましく、さらに好ましくは、それぞれ600〜1200Mpa、1200〜2800MPaであることが望ましい。該フィルムの弾性率が、それぞれの下限値を大きく下回る場合、柔軟性が増大しブロッキングしやすくなる傾向がある。他方、該フィルムの弾性率が、それぞれの上限値を大きく上回る場合、保護対象物に良好に貼り付けにくくなり、粘着性も低下する傾向がある。
ここで、弾性率は、JIS K7127(1999)「プラスチック−引張特性の試験方法−第3部:フィルム及びシートの試験条件」に準拠して測定する値である。
本発明の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムの破断伸度は、縦方向(MD)、横方向(TD)でそれぞれ100〜300%、30〜300%が好ましく、さらに好ましくは、それぞれ120〜200%、40〜200%であることが望ましい。該フィルムの伸度がそれぞれの上限値を大きく上回る場合、伸びが大きく剥がしにくい傾向がある。
ここで、破断伸度は、JIS K7127(1999)「プラスチック−引張特性の試験方法−第3部:フィルム及びシートの試験条件」に準拠して測定する値である。
本発明の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムは、上記のように粘着層を柔軟化したり、該フィルムの弾性率や破断伸度を制御したりすることにより、貼り付けやすく剥がしやすいプロテクトフィルムとすることができる。該フィルムとアクリル板との初期粘着強度は、5g/25mm以上であり、7〜30g/25mmであることが好ましい。初期粘着強度が5g/25mmを大きく下回る場合、保護対象物に対して良好に張り付かなくなる傾向がある。
ここで、アクリル板との初期粘着強度は、JIS−Z−0237(2000)に記載の方法に準拠して、SUS304番の代わりに鏡面状のアクリル板(三菱レイヨン(株)製『アクリライトL001』3mm板)を用いて次のように測定する。幅25mm、長さ200mmに切り取った二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムの自己粘着層をアクリル板に合わせ、荷重2kgのゴムローラーを用いて一定の圧力で均一に密着させたあと、23℃・50RH%の雰囲気下で24時間保持した後、アクリル板を固定し、フィルムの一端を300mm/minの一定速度で180度剥離するときの強度を測定する。
本発明の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムは、上記のように粘着層の柔軟性を制御することにより、初期粘着強度を有しつつ、経時後でも粘着強度の上昇を抑えることが出来る。該フィルムとアクリル板との経時粘着強度は、120g/25mm以下であり、100g/25mm以下であることが好ましい。経時粘着強度が120g/25mmを大きく上回る場合、保護対象物から剥がしにくくなるだけでなく、該フィルムを剥がすときに保護対象物の表面を剥がし取ってしまい保護対象物を損なう恐れがある。
ここで、アクリル板との経時粘着強度は、JIS−Z−0237(2000)に記載の方法に準拠して、SUS304番の代わりに鏡面状のアクリル板(三菱レイヨン(株)製『アクリライトL001』3mm板)を用いて次のように測定する。幅25mm、長さ200mmに切り取った二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムの自己粘着層をアクリル板に合わせ、荷重2kgのゴムローラーを用いて一定の圧力で均一に密着させたあと、60℃・20RH%の雰囲気下で720時間保持した後、アクリル板を固定し、フィルムの一端を300mm/minの一定速度で180度剥離するときの強度を測定する。
また、本発明の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムは、従来のプロテクトフィルムに用いられるような粘着付与剤の練りこみや粘着剤の塗布等を、基本的には必要とせずに十分な粘着強度を有する。そのため、二次加工を必要とせず設備や工数を省略することができる。また、保護対象物から剥がしたあと保護対象物の表面に糊残りやブリード物の付着などの問題を生じさせないという利点もある。
本発明の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムは、自己粘着層と非粘着層とを重ね合わせた時に発生するブロッキングを抑え、フィルム成形時の安定加工性、および製品のミルロール巻き姿を良好にするために表面を粗面化した非粘着層を有している。自己粘着層と非粘着層とのブロッキング強度は、3000g/4cm以下に調整されているのが好ましく、2000g/4cm以下がさらに好ましい。自己粘着層と非粘着層のブロッキング強度が大きい場合、製品フィルムを巻き取るときにミルロールに皺が生じたり、使用時にフィルム同士が張りつき良好に巻き出せなくなったりする傾向がある。
ここで、ブロッキング強度は、ASTM−D−1893に記載の方法に準拠して測定する値である。
本発明の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムは、非粘着層の表面粗度状態を制御することによってブロッキングを防止することができるが、反面、該フィルムの透明性が悪化する傾向にある。ヘイズ値が65%を大きく上回る場合、透明性が低下し、製品検査などの際に保護対象物の状態を確認しにくくなる傾向があるため、該フィルムのヘイズ値は65%以下であることが好ましく、55%以下であることがさらに好ましい。
ここで、ヘイズ値は、JIS−K−7105(1981)に記載の方法に準拠して測定する値である。
以下、本発明を実施例および比較例によってさらに詳しく具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、本発明の実施例、比較例で用いるフィルムの物性値は以下に示す方法で測定し、用いた試料は以下の通りである。
1、試験方法
(1)MFR[単位:g/10min]:
MFRは、JIS K7210(1999)「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」のA法、条件M(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定した。
(2)融解熱[単位:kJ/kg]:
融解熱は、JIS K7122(1987)「プラスチックの転移熱測定方法」に記載の方法に準拠した示差走査熱量測定法(DSC法)で測定した。
(3)弾性率[単位:MPa]:
JIS K7127(1999)「プラスチック−引張特性の試験方法−第3部:フィルム及びシートの試験条件」に記載の方法に準拠して測定した。数値が小さくなれば柔軟である。
(4)破断伸度[単位:%]:
JIS K7127(1999)「プラスチック−引張特性の試験方法−第3部:フィルム及びシートの試験条件」に記載の方法に準拠して測定した。数値が小さくなれば伸びは小さい。
(5)初期粘着強度[g/25mm]:JIS−Z−0237(2000)の記載の方法に準拠して、SUS304の代わりに鏡面状のアクリル板(三菱レイヨン(株)製『アクリライトL001』3mm板)を用いて次のように測定した。幅25mm、長さ200mmに切り取った二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムの自己粘着層をアクリル板に合わせ、荷重2kgのゴムローラーを用いて一定の圧力で均一に密着させたあと、23℃・50RH%の雰囲気下で24時間保持した後、アクリル板を固定し、フィルムの一端を300mm/minの一定速度で180度剥離するときの強度を測定した。数値が大きくなれば初期粘着強度は大きい。
(6)経時粘着強度[g/25mm]:JIS−Z−0237(2000)の記載の方法に準拠して、SUS304の代わりに鏡面状のアクリル板(三菱レイヨン(株)製『アクリライトL001』3mm板)を用いて次のように測定した。幅25mm、長さ200mmに切り取った二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムの自己粘着層をアクリル板に合わせ、荷重2kgのゴムローラーを用いて一定の圧力で均一に密着させたあと、60℃・20RH%の雰囲気下で720時間保持した後、アクリル板を固定し、フィルムの一端を300mm/minの一定速度で180度剥離するときの強度を測定した。数値が大きくなれば経時粘着強度は大きい。
(7)ブロッキング強度[g/4cm]:ASTM−D−1893に記載の方法に準拠して測定した。数値が小さくなればフィルム同士のブロッキングは小さくなり、製品フィルムの巻き姿は良好である。
(8)ヘイズ[単位:%]:
JIS K7105(1981)「プラスチックの光学的特性試験方法」に記載の方法に準拠して測定した。数値が小さくなれば曇り度が小さくなり透明性は高い。
(9)フィルム透視性評価:
本発明において非粘着層(ii)を用いたとき、前述のようにフィルム延伸ムラによる外観不良が発生することがある。こうした外観不良はヘイズ値には反映されないため、非粘着層(ii)を用いたフィルムに関しては、実際の目視状態を判断することにより、ヘイズ値に反映されないこのような現象の影響を透視性として評価した。
評価においては、保護対象物にフィルムを貼り付けた状態でのフィルム透視性を、目視にて、下記基準で判定した。
○:ヘイズ値が低く、かつ、延伸ムラによる外観不良も発生しないため、フィルム透視性は良好であり、保護対象物はよく見える。
×:ヘイズ値が高い、又は延伸ムラによる外観不良が発生している、このどちらか、又は両方の理由により、フィルム透視性は不良であり、保護対象物は見えにくい。
(10)フィルム剥離性評価
250mm幅の導電性膜コーティングポリエステルフィルム#50に対し、2kg/mのニップ圧にて230mm幅のプロテクトフィルムを貼り合せた後、80℃・20%RHの雰囲気下で90分間保管した後、23℃・50%RHにて30分間静置する。
その後、プロテクトフィルムを被着体より180℃剥離した際の剥離易さ及び導電性膜の剥離状態を観察する。
◎:簡単に剥離でき、導電性膜の剥離が見られない。
○:剥離可能であり、導電性膜の剥離が見られない。
△:剥離が重く労力が必要であるが、導電性膜の剥離は見られない。
×:剥離不能又は導電性膜の剥離が見られる。
2.使用樹脂
実施例、比較例に用いたプロピレン系樹脂組成物(A)、プロピレン単独重合体(B)、プロピレン系重合体(D)、プロピレン単独重合体(E)、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体(F)、プロピレン単独重合体(G)、プロピレン−エチレンランダム共重合体(H)をPP−1〜PP−11の略号を用いて示す。なお、PP−1、PP−9〜11は、下記の重合例により製造し、その製造条件を表1、表2に示した。
また、水添スチレン系エラストマー(C)をHSBR−1、フィルム用アンチブロッキング剤(I)をAB−1〜3、スチレン−イソプレン系エラストマーをSIS−1の略号を用いて示す。
(1)PP−1(プロピレン系樹脂組成物(A)):
(a1)成分65重量%と(a2)成分35重量%との多段重合体:MFRWhole;2.8g/10min
(a1)プロピレン−エチレンランダム共重合体成分:プロピレン含有量;99.2重量%、MFRa1;1.4g/10min
(a2)プロピレン−エチレン−1ブテンランダム共重合体成分:プロピレン含有量;75重量%、MFRa2;10g/10min
(2)PP−2(プロピレン単独重合体(B)および(E)):
融点161℃のプロピレン単独重合体である日本ポリプロ(株)製FL1175NA(商品名)
(3)PP−3(プロピレン系重合体(D)):
融解熱101kJ/kg、融点161℃のプロピレン単独重合体である日本ポリプロ(株)製FL1175NA(商品名)
(4)PP−4(プロピレン系重合体(D)):
融解熱98kJ/kg、融点158℃のプロピレン−エチレンランダム共重合体である日本ポリプロ(株)製FB3EBT(商品名)
(5)PP−5(プロピレン系重合体(D)):
融解熱81kJ/kgの、プロピレン単独重合体である日本ポリプロ(株)製FL1175NA(商品名;融点161℃)50%とプロピレン−エチレン−1ブテンランダム共重合体である日本ポリプロ(株)製FX4G(商品名;融点127℃)50%を混合した混合物
(6)PP−6(プロピレン系重合体):
融解熱60kJ/kg、融点127℃のプロピレン−エチレン−1ブテンランダム共重合体である日本ポリプロ(株)製FX4G(商品名)
(7)PP−7(プロピレン系重合体):
融解熱72kJ/kg、融点130℃のプロピレン−エチレン−1ブテンランダム共重合体である日本ポリプロ(株)製FX4E(商品名)
(8)PP−8(プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体(F)):
プロピレン単独重合体成分86重量%とプロピレン−エチレンランダム共重合体成分14重量%とのブロック共重合体:MFRWhole;2.5g/10min
(a3)プロピレン単独重合体成分:MFRa3;6.5g/10min
(a4)プロピレン−エチレンランダム共重合体成分:プロピレン含有量;51重量%、MFRa4;0.05g/10min
(9)PP−9(プロピレン単独重合体(G)):
融点161℃のプロピレン単独重合体である日本ポリプロ(株)製FL1175NA(商品名)のベースパウダー
(10)PP−10(プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(H)):
融点143℃のプロピレン−エチレンランダム共重合体である日本ポリプロ(株)製FG4(商品名)
(11)PP−11(プロピレン系樹脂組成物):
(a1)成分52重量%と(a2)成分48重量%との多段重合体:MFRWhole;2.5g/10min
(a1)プロピレン−エチレンランダム共重合体成分:プロピレン含有量;100重量%、MFRa1;1.5g/10min
(a2)プロピレン−エチレン−1ブテンランダム共重合体成分:プロピレン含有量;64重量%、MFRa2;3.5g/10min
(12)PP−12(プロピレン系樹脂組成物):
(a1)成分85重量%と(a2)成分15重量%との多段重合体:MFRWhole;2.3g/10min
(a1)プロピレン−エチレンランダム共重合体成分:プロピレン含有量;99重量%、MFRa1;2.3g/10min
(a2)プロピレンーエチレンランダム共重合体成分:プロピレン含有量;75重量%、MFRa2;2.3g/10min
(13)HSBR−1:
水添スチレン系エラストマー(C):JSR(株)製ダイナロン1320P(商品名)
(14)AB−1:
フィルム用アンチブロッキング剤(G):富士シリシア(株)製サイリシア550(商品名;平均粒径3.9μm)
(15)AB−2:
フィルム用アンチブロッキング剤:水澤化学工業(株)製ミズパールK−150(商品名;平均粒径1.6μm)
(16)SIS−1:
スチレン−イソプレン系エラストマー:日本ゼオン(株)製クインタック3280(商品名)
[重合例1](PP−1の製造)
(1)オレフィン重合触媒成分の調整
窒素置換したステンレス製反応器中において、四塩化チタン360mlおよびトルエン240mlを装入して混合溶液を形成させた。次いで平均粒径42μmのジエトキシマグネシウム120g、トルエン500mlおよびフタル酸−ジ−n−ブチル43.2mlを用いて形成させた懸濁液を、10℃の液温に保持した前記混合液中に添加した。その後、10℃〜90℃まで80分かけて昇温し、2時間撹拌しながら反応させた。反応終了後、得られた固体生成物を90℃のトルエン1000mlで4回洗浄して、新たに四塩化チタン360mlおよびトルエン800mlを加え、112℃に昇温し、2時間攪拌させながら反応させた。反応終了後、40℃のn−ヘプタン1000mlで10回洗浄して、オレフィン重合触媒成分を得た。得られたオレフィン重合触媒成分の平均粒径は42μmであり、その分析値(原子吸光法による)は、Mg:18.9重量%、Ti:2.2重量%、Cl:61.6重量%であった。
(2)オレフィン重合触媒成分の予備活性化処理
内容積20リットルの傾斜羽根つきステンレス製反応器を窒素ガスで置換したあと、ヘキサン17.7リットル、トリエチルアルミニウム100.6mmol、ジイソプロピルジメトキシシラン15.1mmol、前記の方法で調整したオレフィン重合触媒成分120.4gを室温で加えたあと、30℃まで加温した。次いで撹拌しながらプロピレン240.8gを3時間かけて供給し、予備活性処理を行った。分析の結果、オレフィン重合触媒成分1gあたりプロピレン1.9gが反応していた。
(3)第1重合工程
撹拌羽根を有する横型重合器(L/D=6,内容積100リットル)に前記の方法で予備活性化処理したオレフィン重合触媒成分を0.4g/hr、有機アルミ化合物としてトリエチルアルミニウムおよび有機ケイ素化合物としてジイソプロピルジメトキシシランをモル比で、Al/Mgモル比6、Al/Siモル比6となるように連続的に供給した。エチレン−プロピレンの混合ガスを反応温度60℃、反応圧力2.1MPa、撹拌速度35rpmの条件を維持しながら連続供給し、さらに反応器の気相中のエチレン/プロピレンモル比を0.005、水素/プロピレンモル比0.007に維持するように水素ガスを循環配管より連続的に供給し、生成ポリマーであるエチレン−プロピレンランダム共重合体成分(a1)の分子量を制御してメルトフローレートを調整した。
反応熱は供給される原料プロピレンの気化熱によって除去した。重合器から排出される未反応ガスは、配管を通して反応器系外で冷却、凝縮させて重合器に還流した。本重合で得られたエチレン−プロピレンランダム共重合体成分(a1)は、重合体の保有レベルが反応容積の50容量%となるように配管を通して重合器から連続的に抜き出し、第2重合工程の重合器に供給した。このとき、配管からエチレン−プロピレンランダム共重合体成分(a1)の一部を間欠的に抜き出して、メルトフローレート、エチレン含有量、触媒単位重量あたりの重合体収量を求める試料とした。エチレン含有量の測定は、赤外線吸収スペクトル分析により、行った。触媒単位重量あたりの重合体収量は、重合体中のMg分の誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP法)により測定した。
(4)第2重合工程
撹拌羽根を有する横型重合器(L/D=6,内容積100リットル)に第1重合工程からのエチレン−プロピレンランダム共重合体成分(a1)およびエチレン−プロピレン−1−ブテン混合ガスを連続的に供給し、プロピレンとエチレンと1ブテンとの共重合を行った。反応条件は、撹拌速度25rpm、温度55℃、圧力1.9MPaであり、気相のガス組成を水素/エチレンモル比0.62、エチレン/プロピレンモル比0.14、および1−ブテン/プロピレンモル比0.06に調整した。エチレン−プロピレン−1−ブテンランダム共重合体成分(a2)の重合量を調整するために重合活性抑制剤として一酸化炭素、およびエチレン−プロピレン−1−ブテンランダム共重合体成分(a2)の分子量を調節するため水素ガスをそれぞれ供給した。
反応熱は、供給される原料プロピレンの気化熱によって除去した。重合器から排出される未反応ガスは配管を通して反応器系外で冷却、凝縮させて第2重合工程に還流した。第2重合工程で得られたプロピレン系樹脂組成物(A)は、重合体の保有レベルが反応容積の50容量%となるように重合器から連続的に抜き出した。プロピレン系樹脂組成物(A)(PP−1)の生産速度は8〜15kg/hrであった。
抜き出されたプロピレン系樹脂組成物(A)(PP−1)は、未反応モノマーを除去し、一部はメルトフローレートの測定、赤外線吸収スペクトル分析によるエチレン重合単位及び1ブテン重合単位含有量の測定、ならびにICP法によるエチレン−プロピレン−1−ブテンランダム共重合体成分(a2)の含有量の測定に使用した。
[重合例2](PP−11の製造)
重合例1の条件を表1のように変更してPP−11を得た。
[重合例3](PP−12の製造)
重合例1の条件を表1のように変更してPP−12を得た。
[重合例4](PP−8の製造)
重合例1の条件を表2のように変更してPP−8を得た。
Figure 2009067927
Figure 2009067927
[実施例1]
自己粘着層、中間層、非粘着層として表3に示す成分を用い、ペレット状にしたPP成分、アンチブロッキング剤成分及びスチレン系エラストマー成分を表3に記載した割合でブレンドしたものを、多層フィルム成形機の中間層用押出機(口径60mm)または2つの表面層用押出機(口径30mm)にそれぞれ供給して、250℃のTダイから押し出し、30℃の冷却ロールで冷却して原反シートを得た。
なお、PP−1、PP−8、PP−9、PP−11、PP−12については、各々100重量部に対し、酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.15重量部、中和剤としてステアリン酸カルシウムを0.10重量部の比率で配合し、ヘンシェルミキサー(商品名)を用いて均一に混合した後、得られた混合物を押出機で溶融混錬してペレット状にして用いた。また、アンチブロッキング剤成分をPP成分に混合する際も、上記方法で行った。
次に、得られた原反シートを110℃の加熱ロールで縦方向(MD)に5倍延伸し、引き続き150℃のテンターオーブンで横方向(TD)に8倍延伸してフィルムを作成した。
得られたフィルムを所定の試験片に調整し、所定の試験法に準拠して、弾性率、破断伸度、初期粘着強度、経時粘着強度、ブロッキング、トータルヘイズ、フィルム透視性、フィルム剥離性を測定・評価した。その結果を表3に示す。
[実施例2〜12]
表3、4に示す成分割合、フィルム厚みにする以外は、実施例1と同様にして、フィルムを作成した。得られたフィルムの測定値の結果を表3、4に示す。
[比較例1〜14]
表5、6に示す成分割合にする以外は、実施例1と同様にして、フィルムを作成した。
得られたフィルムの測定値の結果を表5、6に示す。
Figure 2009067927
Figure 2009067927
Figure 2009067927
Figure 2009067927
上記表3〜6に記載の実施例1〜12と比較例1〜14との結果を対比すると、以下のことが明らかとなる。
1)実施例1〜10は、非粘着面に、(i)の成分を用いた本発明の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムであるが、この場合には、柔軟性(弾性率)、低伸度(破断伸度)、耐ブロッキング、粘着性(初期粘着強度・経時粘着強度)、ヘイズ、フィルム剥離性に優れていることがわかる。また、実施例11〜12は、非粘着面に、(ii)の成分を用いた本発明の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムであるが、この場合には、柔軟性(弾性率)、低伸度(破断伸度)、耐ブロッキング、粘着性(初期粘着強度・経時粘着強度)、ヘイズ、フィルム透視性、フィルム剥離性に優れていることがわかる。
2)一方、比較例1、2は、自己粘着層に本発明とは異なる融解熱のプロピレン系重合体PP−6、PP−7を用いたものであるが、この場合には、粘着層の柔軟性が高いため、経時粘着強度が上がり過ぎ、フィルム剥離性に劣ることがわかる。
3)比較例3、4は、自己粘着層に本発明とは異なる自己粘着層比率の組成を用いたものであるが、比較例3では、粘着層の柔軟性が不足しており、十分な初期粘着強度を有していないことがわかる。一方、比較例4では初期粘着強度は十分であるが、ブロッキングは悪化し、経時粘着強度も上がり過ぎ、フィルム剥離性に劣ることがわかる。
4)比較例5、6は、中間層に本発明とは異なる樹脂組成物PP−11、PP−12を用いたものであるが、比較例5では、(a2)成分が過剰であるため、柔軟すぎてブロッキングが悪化しており、また、比較例6では、(a2)成分が不足しているため、柔軟性に劣り良好な初期粘着強度を有していないことがわかる。
5)比較例7は、中間層に本発明とは異なる中間層比率の組成を用いたものであるが、この場合にはフィルムの弾性率が高く柔軟性が劣るため、良好な初期粘着強度を有していないことがわかる。
6)比較例8は、非粘着層に本発明の(i)とは異なる組成を用いたものであるが、この場合には、非粘着面の表面が平滑であり、ブロッキングが悪化していることが分かる。
7)比較例9は、本発明とは異なる粘着層厚みを有する二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムである。この場合には、粘着層の柔軟性が劣るため、良好な初期粘着強度を有していないことがわかる。
8)比較例10は、自己粘着層に本発明とは異なり、スチレン−イソプレン系エラストマーSIS−1を用いたものであるが、この場合には、粘着層の柔軟性が不足しており、十分な初期粘着強度を有していないことがわかる。
9)比較例11は、本発明の構成とは異なり、自己粘着層を両表面層に有する二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムであるが、この場合には、非粘着層を有さないためブロッキングが悪化していることがわかる。
10)比較例12は、本発明の構成とは異なり、一方の表層にのみ粘着層を有し、他方の表層は中間層と同じ構成の2種3層(実質上2種2層)二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムであるが、この場合には、非粘着層を有さないためブロッキングが悪化していることがわかる。
11)比較例13は、本発明とは異なるフィルム用アンチブロッキング剤AB−2を非粘着層(ii)に有する二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムであるが、この場合には、アンチブロッキング剤の粒径が小さいため非粘着層の表面が平滑であり、ブロッキングが悪化していることがわかる。
12)比較例14は、非粘着層に本発明の(ii)とは異なる組成を用いたものであるが、この場合には、中間層と非粘着層の融点差が大きく、ヘイズは良好であるがフィルム外観が悪化しているため、透視性が劣っていることが分かる。
以上から、本発明の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムは、柔軟性(弾性率)、低伸度(破断伸度)、耐ブロッキング、粘着性(初期粘着強度・経時粘着強度)、ヘイズ、フィルム剥離性等の面で優れていることがわかる。
本発明の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルムは、このような優れた特徴を有することから、現在、一般に使用されているプロテクトフィルムの代替としての使用はもとより、さらに高度な物性の要求される用途にも好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. 自己粘着層(X)/中間層(Y)/非粘着層(Z)の順に構成される少なくとも3層の積層フィルムにおいて、各層が下記(イ)〜(ハ)の要件を満たすことを特徴とする二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルム。
    (イ):中間層(Y)は、共重合体の重量基準でプロピレン単位を98〜99.9重量%の範囲で含むプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(a1)60〜70重量%、および共重合体の重量基準でプロピレン単位を70〜80重量%の範囲で含むプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(a2)40〜30重量%からなる、プロピレン系樹脂組成物(A)30〜100重量%と、プロピレン単独重合体(B)70〜0重量%とからなる。
    [但し、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(a2)のメルトフローレート(MFRa2)が4.0〜15.0g/10minの範囲で、かつプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(a1)のメルトフローレート(MFRa1)に対するプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(a2)のメルトフローレート(MFRa2)の比率(MFRa2/MFRa1)が3.0〜15.0の範囲である]
    (ロ):自己粘着層(X)は、水添スチレン系エラストマー(C)50〜75重量%とプロピレン系重合体(D)50〜25重量%とからなる。
    [但し、プロピレン系重合体(D)は、JIS K7122(1987)に記載の方法に準拠した示差走査熱量測定法(DSC法)で測定した融解熱が80〜110kJ/kgの範囲であるプロピレン系重合体である]
    (ハ):非粘着層(Z)は、次の(i)又は(ii)の重合体組成物からなる。
    (i)プロピレン単独重合体(E)0〜95重量%と、プロピレン単独重合体成分(a3)80〜90重量%および共重合体の重量基準でプロピレン単位を40〜60重量%の範囲で含むプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(a4)20〜10重量%からなる、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体(F)100〜5重量%とからなる
    [但し、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(a4)のメルトフローレート(MFRa4)が0.01〜0.15g/10minの範囲で、かつプロピレン単独重合体成分(a3)のメルトフローレート(MFRa3)に対するプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(a4)のメルトフローレート(MFRa4)の比率(MFRa4/MFRa3)が0.001〜0.02の範囲である]、
    (ii)プロピレン単独重合体(G)90〜50重量%と、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(H)10〜50重量%とからなる重合体組成物100重量部に対して、フィルム用アンチブロッキング剤(I)0.1〜1重量部を配合してなる
    [但し、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(H)は、融点が145℃以下のプロピレン−エチレンランダム共重合体又はプロピレン−エチレン−1ブテンランダム共重合体であり、フィルム用アンチブロッキング剤(I)は、レーザー回折法で測定した平均粒径が2.0〜10μmである]
  2. JIS−Z−0237(2000)に記載の方法に準拠する初期粘着強度測定法(23℃・50RH%の雰囲気下、24時間保持)に基づいて測定したアクリル板への初期粘着強度が5g/25mm以上であって、かつ、同じ方法に準拠する経時粘着強度測定法(60℃・50RH%の雰囲気下、720時間保持)に基づいて測定したアクリル板への経時粘着強度が120g/25mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルム。
  3. ASTM D1893に記載の方法に準拠して測定した自己粘着層と非粘着層とのブロッキング強度が3000g/4cm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルム。
  4. 自己粘着層(X)に粘着付与剤を含有しないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルム。
  5. 自己粘着層(X)の厚みが1〜6μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の二軸延伸自己粘着性プロテクトフィルム。
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