JPH07233354A - 表面保護フィルム - Google Patents

表面保護フィルム

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JPH07233354A
JPH07233354A JP6318050A JP31805094A JPH07233354A JP H07233354 A JPH07233354 A JP H07233354A JP 6318050 A JP6318050 A JP 6318050A JP 31805094 A JP31805094 A JP 31805094A JP H07233354 A JPH07233354 A JP H07233354A
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賀 仁 古
Masao Kameyama
山 正 雄 亀
Kazuo Iwata
田 一 男 岩
Masahiro Gonda
田 正 広 権
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Abstract

(57)【要約】 【目的】各種被着体に貼り付けて、粘着層が基材層と剥
離を起こさず、また初期粘着強度が高く、しかも貼り付
けた後での粘着強度(剥離強度)の経時変化が小さく、
さらにフィルム巻き戻し時のブロッキング力が低く、取
扱い作業性に優れ、しかも安価に製造することができる
表面保護フィルムの提供。 【構成】基材層と、該基材層の下面に積層された粘着層
とを有する表面保護フィルムであって、前記基材層が1
層または複数の層からなり、前記粘着層が、炭素原子数
2〜12のα−オレフィンから選ばれる少なくとも2種
のα−オレフィンを主成分とし、結晶化度が10%以下
であるα−オレフィン共重合体を主材とし、ステンレス
鋼板面に23℃で粘着させたときの初期粘着強度が20
g/25mm以上である層である表面保護フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面保護フィルムに関
し、特に、常温での初期粘着強度が高く、貼り付けた後
での粘着強度の経時変化が少なく、さらにフィルム巻き
戻し時のブロッキング力が低く、取扱い作業性に優れる
表面保護フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム板、鋼板、ステンレス板等
の金属板、およびそれらの塗装板、あるいはガラス板、
合成樹脂板等の加工用素材の運搬時、あるいは貯蔵期間
中に、これらの素材の防錆、あるいは表面にゴミが付着
したり、傷が付くのを防止することを目的として、その
表面に表面保護フィルムが被着される。この表面保護フ
ィルムは、素材の成形加工時、または成形加工後の所定
の時機に剥離される。
【0003】この表面保護フィルムは、被着体に粘着し
て容易に接着させることができ、被着体の運搬時、貯蔵
期間中には容易に剥離せず、加工時または加工後に剥離
するときには、容易に剥離可能であることが要求され
る。そのため、表面保護フィルムには、被着体の被保護
面に対する適度の粘着性、フィルム自体が被保護面に傷
を付けない程度の柔軟性、耐食性、および機械油等の油
分に対する抵抗性を有し、またこれらの性質が経時また
は温度によって変化しない、さらに被着体の加工成形に
応じて、伸び特性、耐スクラッチ性、耐引き裂き性、切
断・打抜き性等の機械的特性が適度であること、耐熱性
を有すること、などの各種の特性が要求される。また、
用途によっては、良好な外観、透明性および色調を有す
ることが必要とされ、ゲル、フィシュアイ等のフィルム
欠陥がないことが要求される。さらに、この種の表面保
護フィルムは、大量に消費され、かつ速やかに廃棄され
るものであるため、安価に製造できるものであることが
要求される。
【0004】従来、この種の表面保護フィルムとして、
低密度ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、プロピレン等の
重合体を主成分とする基材フィルムの片面に、アクリル
系またはゴム系の粘着剤を塗布してなるものが主に使用
されている。
【0005】また、ポリエチレンと酢酸ビニル樹脂とを
共押出してなる、ポリエチレンからなる基材層と、酢酸
ビニル樹脂からなる自己粘着層とを有する2層構造の表
面保護フィルムが一部で使用されている。
【0006】さらにまた、表面保護フィルムは、被着体
に貼り付けた状態で、切断、曲げ、絞り等の各種の加工
成形を施される場合が多い。そこで、これらの加工成形
での表面保護フィルムの剥離を防止するために、表面保
護フィルムは、高い初期粘着強度を示す配合処方の粘着
剤で粘着層を形成することが行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、基材層となる
フィルムの片面に粘着剤を塗布してなる表面保護フィル
ムは、フィルムと粘着剤層間の密着性に問題があり、剥
離時に糊残り等を起こし易い品質上の欠点がある。また
その製造法は、基材層用のフィルムを製造した後に、表
面処理を施し、溶剤に溶解した粘着層用の組成物を塗布
し、溶剤の乾燥を行うものであり、単独のフィルムより
高価なものとなるという欠点がある。
【0008】また、前記従来の2層共押出による表面保
護フィルムは、特に自己粘着層を構成する酢酸ビニルが
有するカルボン酸基が接着性を有しており、粘着強度の
経時変化が大きいため、特定の樹脂板の表面保護フィル
ムにのみしか使用できず、用途が限定されてしまう、と
いう問題があった。
【0009】さらに、表面保護フィルムは、通常、数1
00〜数1000mの長さのものを密に巻き上げた状態
で提供される。ここで、各種の加工成形における剥離を
防止するために、高い初期粘着強度を示す配合処方の粘
着剤で粘着層を形成すると、その粘着層と基材層とのブ
ロッキング力が高くなり、被着体への貼り付けを行う際
の表面保護フィルムの巻き戻しが困難となり、貼り付け
のための取扱い作業性に劣ることとなる問題がある。
【0010】そこで本発明の目的は、各種被着体に貼り
付けて、粘着層が基材層と剥離を起こさず、また初期粘
着強度が高く、しかも貼り付けた後での粘着強度(剥離
強度)の経時変化が小さく、さらにフィルム巻き戻し時
のブロッキング力が低く、取扱い作業性に優れ、しかも
安価に製造することができる表面保護フィルムを提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、基材層と、該基材層の下面に積層された
粘着層とを有する表面保護フィルムであって、前記基材
層が1層または複数の層からなり、前記粘着層が、炭素
原子数2〜12のα−オレフィンから選ばれる少なくと
も2種のα−オレフィンを主成分とし、結晶化度が10
%以下であるα−オレフィン共重合体を主材とし、ステ
ンレス鋼板面に23℃で粘着させたときの初期粘着強度
が20g/25mm以上である層である表面保護フィル
ムを提供するものである。
【0012】また、本発明は、前記表面保護フィルムの
第1の態様として、基材層と、該基材層の下面に積層さ
れた粘着層とを有する表面保護フィルムであって、前記
基材層が1層または複数の層からなり、粘着層に接する
層が、炭素原子数2〜12のα−オレフィンを含む重合
体を主材とする層であり、前記粘着層が、炭素原子数2
〜12のα−オレフィンから選ばれる少なくとも2種の
α−オレフィンを主成分とし、結晶化度が10%以下で
あるα−オレフィン共重合体を主材とし、ステンレス鋼
板面に23℃で粘着させたときの初期粘着強度が20g
/25mm以上である層である表面保護フィルムを提供
するものである。
【0013】さらに、本発明は、前記表面保護フィルム
の第2の態様として、基材層と、該基材層の下面に積層
された粘着層とを有する表面保護フィルムであって、前
記基材層が1層または複数の層からなり、前記粘着層
が、炭素原子数2〜12のα−オレフィンから選ばれる
少なくとも2種のα−オレフィンを主成分とし、結晶化
度が10%以下であるα−オレフィン共重合体を主材と
し、ステンレス鋼板面に23℃て粘着させたときの初期
粘着強度が20g/25mm以上であり、かつ加温加圧
における経時変化後の粘着強度が1000g/25mm
以下である層である表面保護フィルムを提供するもので
ある。
【0014】以下、本発明の表面保護フィルム(以下、
「本発明のフィルム」という)について詳細に説明す
る。
【0015】本発明のフィルムは、基材層と、該基材層
の下面に積層された粘着層とを有する2層以上の多層構
造の積層フィルムである。
【0016】本発明のフィルムの基材層は、1層または
複数の層からなるものである。この基材層の構成成分と
しては、例えば、α−オレフィン、およびその変性物、
または酢酸ビニル、メタクリレート等の各種ビニル化合
物との共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリカー
ボネート、ポリウレタン等を主成分とするものが挙げら
れる。特に、基材層が2層以上の複数層から構成される
場合には、各々の隣合う層は、その構成成分が、溶融共
押出しによって相互に強固な接着を形成できるものであ
れば、いずれのものからなる層でもよい。また、2層以
上の層構成とする場合には、各々の層に表面保護フィル
ムとして要求される各種の特性を分担して受け持たせる
ように構成することができる。例えば、中間層には加工
時の伸び特性や、引き裂き耐性を付与し、また、耐候安
定剤を添加して耐候性を付与し、最外層には表面疵の耐
性や、巻き上げた保護フィルムが簡単に巻戻せるように
粘着層との剥離性を付与する、などの役割を分担して受
け持たせることができる点で、基材層は、特に2層以上
で構成するのが好ましい。
【0017】また、本発明のフィルムの基材層が2層以
上の層から構成される場合、粘着層に接する層が炭素原
子数2〜12のα−オレフィンを含む重合体を主材とす
る層であると、好ましい。基材層における粘着層に接す
る層の構成成分は、炭素原子数2〜12のα−オレフィ
ンを含む重合体を主材とし、粘着層と強固な接着を形成
できるものであれば、特に制限されない。炭素原子数2
〜12のα−オレフィンを含む重合体は、例えば、エチ
レン、プロピレン、ブテン−1等のα−オレフィンの単
独重合体または共重合体であり、具体的には、各種ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の単独重合体
またはそれらのα−オレフィン系共重合体等を主成分と
するものである。前記粘着層に接する層は、これらのα
−オレフィンを含む重合体を、その1種単独または2種
以上の組合せを主材として含んでいてもよい。また、こ
の粘着層に接する層は、前記α−オレフィンを含む重合
体以外に、副成分として、ブリードアウトして粘着層へ
の影響を与えるものでなければ、炭化水素以外の含酸素
基などの官能基を高分子内に含む樹脂を含んでいてもよ
い。前記粘着層に接する層における前記α−オレフィン
を含む重合体の含有量は、通常、50〜100重量%程
度であり、好ましくは70〜100重量%程度である。
【0018】本発明のフィルムにおいて、基材層の最外
層が、前記α−オレフィンを含む重合体を主材とする層
であると、好ましい。基材層の最外層における前記α−
オレフィンを含む重合体の含有量は、通常、50〜10
0重量%程度であり、好ましくは70〜100重量%程
度である。また、基材層の最外層が、前記α−オレフィ
ンを含む重合体とともに、エチレン・(メタ)アクリル
酸共重合体の金属イオン架橋樹脂を含む混合物を主材と
する層であると、巻き戻し時のブロッキング力が低いフ
ィルムを得ることができる点で、さらに好ましい。
【0019】このエチレン・(メタ)アクリル酸共重合
体の金属イオン架橋樹脂は、エチレン・(メタ)アクリ
ル酸共重合体の分子鎖の側鎖に、Zn、Naイオン等の
金属イオンを有するイオン性高分子からなる樹脂であ
り、通称、アイオノマーと呼ばれる高分子からなる樹脂
である。このエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の
金属イオン架橋樹脂の具体例として、三井・デュポンポ
リケミカル社から商品名:ハイミランで市販されている
もの等が挙げられる。
【0020】本発明のフィルムにおいて、基材層の最外
層が、α−オレフィンを含む重合体とともに、エチレン
・(メタ)アクリル酸共重合体の金属イオン架橋樹脂を
含む混合物を主材とする層である場合、(α−オレフィ
ンを含む重合体)/(エチレン・(メタ)アクリル酸共
重合体の金属イオン架橋樹脂)の含有割合は、通常、重
量比で95/5〜5/95の割合であり、好ましくは9
0/10〜50/50の割合である。また、基材層の最
外層における両者の混合物の含有量は、通常、50〜1
00重量%程度であり、好ましくは70〜100重量%
程度である。
【0021】また、この基材層は、この種の表面保護フ
ィルムの基材層に一般に用いられる各種添加剤を含有し
ていてもよい。例えば、各種の充填剤、顔料、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、滑剤等を含有していて
もよい。
【0022】本発明のフィルムにおいて、基材層の厚さ
は、通常、10〜200μm程度であり、疵付性、貼り
付け作業性および価格の点で、好ましくは30〜150
μm程度である。
【0023】本発明のフィルムの粘着層は、前記基材層
の下面に積層され、炭素原子数2〜12のα−オレフィ
ンから選ばれる少なくとも2種のα−オレフィンを主成
分とするα−オレフィン共重合体の1種または2種以上
の混合物を主材とする層である。炭素原子数2〜12の
α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メ
チル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1
−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。これらのα−
オレフィンからなる共重合体を粘着層の主材とする場
合、粘着層中に占めるこのα−オレフィン共重合体の含
有割合は、通常、30重量%以上、好ましくは50重量
%以上である。
【0024】これらのα−オレフィンの組み合わせから
なるα−オレフィン共重合体の中でも、プロピレン、1
−ブテンおよび炭素原子数5〜12のα−オレフィンの
3成分からなる共重合体を主材とする粘着層が好まし
い。特に、プロピレン10〜85モル%、1−ブテン3
〜60モル%および炭素原子数5〜12のα−オレフィ
ン10〜85モル%の組成を有する共重合体を主材とす
る粘着層は、常温付近での粘着特性に優れる点で、好ま
しく、さらに、プロピレン15〜70モル%、1−ブテ
ン5〜50モル%およびα−オレフィン15〜70モル
%の割合で含む共重合体を主材とする粘着層が好まし
い。また、このプロピレン、1−ブテンおよび炭素原子
数5〜12のα−オレフィンの3成分からなる共重合体
を粘着層の主材とする場合、粘着層中に占めるこの共重
合体の含有割合は、通常、30重量%以上、好ましくは
50重量%以上である。
【0025】さらに、本発明のフィルムにおいて、粘着
層の粘着性能を向上させるため、前記のプロピレン、1
−ブテンおよび炭素原子数5〜12のα−オレフィンの
3成分からなる共重合体に加えて、他のα−オレフィン
共重合体を含有させた粘着層とすることができる。この
とき、前記のプロピレン、1−ブテンおよび炭素原子数
5〜12のα−オレフィンの3成分からなる共重合体
と、他のα−オレフィン共重合体の粘着層中に占める合
計の含有量は、50重量%以上であることが好ましい。
【0026】前記の他のα−オレフィン共重合体とし
て、(A)エチレン、プロピレンおよび1−ブテンから
選ばれる少なくとも2種からなる共重合体、(B)エチ
レンとα−オレフィンのコオリゴマーおよび(C)スチ
レン・ジエン系共重合体、またはその水素添加物から選
ばれる少なくとも1種の共重合体が挙げられる。これら
は、1種単独でも2種以上を組み合わせても用いられ
る。これらのα−オレフィン共重合体からなる主材と組
み合わせて用いられる副成分の中でも、特に好ましい副
成分は、(C)スチレン・ジエン系共重合体、またはそ
の水素添加物である。この(C)スチレン・ジエン系共
重合体またはその水素添加物の具体例として、(D)ス
チレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合
体、(E)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共
重合体等が挙げられる。これらは、1種単独でも2種以
上を組み合わせても用いられる。
【0027】前記の(A)エチレン、プロピレンおよび
1−ブテンから選ばれる少なくとも2種からなる共重合
体の具体例として、エチレン・プロピレン共重合体、エ
チレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ブテン
共重合体等が挙げられる。この(A)共重合体の具体例
として、三井石油化学工業(株)から商品名:タフマー
P、タフマーS、タフマーA、タフマーXR等で市販さ
れているものなどが挙げられる。
【0028】また、前記の(B)エチレンとα−オレフ
ィンのコオリゴマーは、エチレンとα−オレフィンとの
低分子量共重合体であって、常温で液体状のものであ
る。α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1
−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテ
ン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1
−ヘキサデセン、1−オクタデセン、4−メチル−1−
ペンテン等の炭素数3〜20のα−オレフィンが挙げら
れる。これらの中でも、炭素数3〜14のα−オレフィ
ンが好ましい。
【0029】この(B)コオリゴマーは、下記式
(b):
【0030】
【化1】
【0031】で表される構造単位を有するものである。
前記式(b)中、RはCn 2n+1(nは正の整数であ
る)で表される基であり、x、yおよびpは正の整数で
ある。
【0032】この(B)コオリゴマーは、通常、数平均
分子量が100〜10000の範囲のものであり、好ま
しくは数平均分子量が200〜5000の範囲のもので
ある。また、この(B)コオリゴマー中のエチレン含有
量は、通常、30〜70モル%、好ましくは40〜60
モル%である。
【0033】本発明のフィルムの粘着層の構成成分とし
て、他のα−オレフィン共重合体として、前記(B)コ
オリゴマーを用いる場合、この(B)コオリゴマーの粘
着層に占める含有割合は、通常、0〜20重量%、好ま
しくは0〜10重量%である。
【0034】前記(D)スチレン・エチレン・ブチレン
・スチレンブロック共重合体(以下、「SEBS」と略
す)は、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重
合体を水素添加してなるものであり、スチレン系重合体
ブロックを平均分子量に換算して12000〜1000
00程度、エチレン・ブチレン重合体ブロックを平均分
子量に換算して10000〜300000程度含むもの
である。この(D)SEBSにおけるスチレン重合体ブ
ロック/エチレン・ブチレン重合体ブロックの含有割合
は、通常、重量比で5〜50/50〜95であり、好ま
しくは10〜30/70〜90である。
【0035】この(D)SEBSの具体例として、シェ
ル化学社から商品名:クレイトンGで市販されているも
のなどが挙げられる。
【0036】本発明のフィルムの粘着層の副成分とし
て、前記(D)SEBSを用いる場合、粘着層に占める
(D)SEBSの含有割合は、通常、0〜50重量%、
好ましくは0〜45重量%である。
【0037】さらに、(E)スチレン・イソプレン・ス
チレンブロック共重合体(以下、「SIS」と略す)
は、スチレン重合体ブロックとイソプレン重合体ブロッ
クとを有するブロック共重合体であり、スチレン重合体
ブロックを平均分子量に換算して12000〜1000
00程度、イソプレン重合体ブロックを平均分子量に換
算して10000〜300000程度含むものである。
この(E)SISにおけるスチレン重合体ブロック/イ
ソプレン重合体ブロックの含有割合は、通常、重量比で
5〜50/50〜95であり、好ましくは10〜30/
70〜90である。
【0038】この(E)SISの具体例として、シェル
化学社から商品名:クレイトンDで市販されているもの
などが挙げられる。
【0039】本発明のフィルムの粘着層の副成分とし
て、前記(E)SISを用いる場合、この(E)SIS
の粘着層に占める含有割合は、通常、0〜50重量%、
好ましくは0〜30重量%である。ただし、前記(D)
SEBSと、(E)SISを同時に用いる場合には、
(D)と(E)の合計量が粘着層に占める含有割合が、
45重量%以下であるのが好ましい。
【0040】本発明のフィルムにおいて、粘着層の構成
成分として、前記のα−オレフィン系共重合体と(A)
共重合体の組み合わせからなる混合樹脂を用いると、ガ
ラス転移温度が低下し、初期粘着強度を適正な範囲に調
整するとともに、低温粘着特性を改善できる点で有利で
ある。また、粘着層の構成成分として、前記のα−オレ
フィン系共重合体と(B)コオリゴマーの組み合わせか
らなる混合樹脂を用いると、ガラス転移温度が低下し、
初期粘着強度を適正な範囲に調整することができるとと
もに、粘度を適正な範囲に調整できる点で、有利であ
る。また、粘着層の構成成分として、前記のα−オレフ
ィン系共重合体と(D)SEBSおよび/または(E)
SISの組み合わせからなる混合樹脂を用いると、ガラ
ス転移温度が低下し、初期粘着強度を適正な範囲に調整
するとともに、低温粘着特性を改善できる点で、有利で
ある。
【0041】本発明のフィルムの粘着層は、前記α−オ
レフィン系共重合体または他のα−オレフィン系共重合
体以外と、特に好ましい副成分として前記に示したスチ
レン・ジエン系共重合体以外に、さらに各種の副成分を
含んでいてもよい。例えば、α−オレフィンと各種ビニ
ル系化合物との共重合体、それらのグラフト変成物等の
樹脂、等に代表される熱可塑性エラストマー、液状ブチ
ルゴム等の可塑剤、ポリテルペン等のタッキファイヤー
などを含んでいてもよい。本発明において、これらの副
成分は、接着性の官能基、不飽和結合を有するものは、
貼り付けた後での粘着強度の経時変化(加温、加圧、湿
度、紫外線、等)を悪化させないように、その種類、配
合量等を調整することが好ましい。
【0042】本発明のフィルムの粘着層は、この種の粘
着層の素材に一般的に配合される各種添加剤を含有して
いてもよい。例えば、各種の充填剤、顔料、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、滑剤等を含有していても
よい。
【0043】本発明のフィルムの粘着層は、粘着層が炭
素原子数2〜12のα−オレフィンから選ばれる少なく
とも2種のα−オレフィンを主成分とし、そのX線回折
による結晶化度の値が10%以下であるものであり、十
分な初期粘着強度を得るためには、結晶化度が5%以下
であるものが好ましい。
【0044】さらにまた、本発明の表面保護フィルム
は、ステンレス鋼板面に対する23℃での初期粘着強度
が20g/25mm以上のものであり、2kg/cm2
の加圧と60℃の加温を10日間受けた後でも、フィル
ムが切れず、ステンレス表面への糊残りが無く、1kg
/25mm以下の強度で剥離が可能なものである。
【0045】本発明のフィルムにおいて、粘着層の厚さ
は、通常、1〜100μm程度であり、共押出によって
本発明のフィルムを製造する場合に、フィルム層構成の
制御のし易さ、また、十分な機械的強度を有する表面保
護フィルムを得ることができる点で、好ましくは3〜5
0μm程度である。
【0046】本発明のフィルムの全体の厚さは、通常、
10〜300μm程度であり、好ましくは30〜200
μm程度である。
【0047】本発明のフィルムの製造は、前記基材層と
粘着層を有する構造の積層フィルムを製造できる方法で
あれば、いずれの方法にしたがって行なってもよい。特
に、基材層(表面層、中間層)および粘着層を構成する
素材を、それぞれ溶融加熱して共押出し成形し、所定の
厚さを有する3層構造の積層フィルムを製造する方法
が、高効率でしかも安価に本発明のフィルムを製造でき
る点で、好ましい。また、基材層に粘着層を溶融押出ラ
ミネートする等の方法にしたがって行うこともできる。
【0048】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例を挙げ、
本発明をより具体的に説明する。
【0049】(実施例1〜4)各例において、下記の成
形条件にしたがって、共押し出しT−ダイフィルム成形
法によって、プロピレンのホモ重合体からなる表面基材
層(厚さ:10μm)、エチレンを3モル%含むプロピ
レンランダム重合体からなる中間基材層(厚さ:30μ
m)、およびプロピレン、1−ブテンおよび4−メチル
−1−ペンテンを表1に示すモル%で含む共重合体から
なる粘着層(厚さ:10μm)を有する3層構造の表面
保護フィルム(厚さ:50μm)を、成形した。 成形条件 溶融温度:表面基材層=230℃ 中間基材層=230℃ 粘着層=180℃ 共押出温度:230℃
【0050】また、粘着層を構成するα−オレフィン系
共重合体の結晶化度を、X線回折法(S, L. AGGARWAL:
J.Polymer Sci. 18,17,1955 に準ずる)によって測定し
た結果を表1に示す。さらに、得られた表面保護フィル
ムの初期粘着強度、粘着強度の経時変化および糊残りに
ついて、下記の方法にしたがって測定または評価を行な
った。結果を表1に示す。
【0051】初期粘着強度の測定 JIS Z0237 1991に準拠して測定した。た
だし、ステンレスSUS304の表面仕上げは、JIS
G4305に規定されたBAの状態のままで、研磨紙
での研磨を省略し、180度引きはがし法によって測定
される剥離強度を粘着強度の指標とした。
【0052】加温加圧経時変化 初期粘着特性の測定と同様にして、ステンレスSUS3
04に表面保護フィルムを貼り付けて試験片を作製し
た。さらに表面保護フィルムの上面に、厚さ15μmの
清浄なしわのないアルミ箔を重ねた後、JIS K63
01に規定されているスプリング硬さ70Hs、厚さ3
mmのシリコンゴムシートを重ねた。この試験片のフィ
ルム貼り付け部に、均一に2kg/cm2 の圧力を、6
0℃に加温した加熱プレスで加えた状態で、240時間
保持した後に取り出し、2〜5時間内に180度引きは
がし法によって測定される剥離強度を粘着強度の指標と
した。
【0053】糊残り 前記の引きはがし試験を行ったステンレス試験片の表面
を目視で観察し、表面保護フィルムの粘着層の一部が明
らかに1mm径以上剥離して、ステンレス試験片の表面
に粘着層の一部が残留付着している場合を糊残りとし
た。
【0054】(実施例5)下記成形条件にしたがって、
共押し出しT−ダイフィルム成形法により、密度0.9
53g/ccの高密度ポリエチレンからなる表面基材層
(厚さ:10μm)、密度0.940g/ccの中密度
ポリエチレンからなる中間基材層(厚さ:30μm)、
および実施例1で用いたプロピレン・1−ブテン・4−
メチル−1−ペンテンからなる共重合体70重量部と、
エチレン80モル%およびプロピレン20モル%からな
る共重合体30重量部との混合物で形成された粘着層
(厚さ:10μm)を有する3層構造の表面保護フィル
ム(厚さ:50μm)を、成形した。得られた表面保護
フィルムの初期粘着強度、粘着強度の経時変化および糊
残りを、実施例1と同様に測定または評価を行った。結
果を表1に示す。 成形条件 溶融温度:表面基材層=230℃ 中間基材層=230℃ 粘着層=180℃、 共押出温度:230℃で
【0055】(実施例6)粘着層を、プロピレン・1−
ブテン・4−メチル−1−ペンテン共重合体50重量
部、エチレン・プロピレン共重合体20重量部、SEB
S(シェル化学社製、G−1657)20重量部および
SIS(日本合成ゴム社製、SIS5000)10重量
部の混合物で形成した以外は、実施例5と同様にして表
面保護フィルムを製造し、実施例1と同様に、初期粘着
強度、粘着強度の経時変化および糊残りの測定または評
価を行った。結果を表1に示す。
【0056】(比較例1)粘着層を、エチレン・プロピ
レン共重合体のみで形成した以外は、実施例5と同様に
して表面保護フィルムを製造し、測定または評価を行っ
た。その結果、粘着層の結晶化度5%および初期粘着強
度200g/25mm、加熱加圧経時後の粘着強度13
00g/25mmであり、経時変化後は剥離作業が困難
であった。
【0057】(比較例2)粘着層を、エチレン90モル
%および1−ブテン10モル%からなる共重合体のみで
形成した以外は、実施例5と同様にして表面保護フィル
ムを製造し、測定または評価を行った。その結果、粘着
層の結晶化度15%および初期粘着強度15g/25m
mであり、初期の粘着強度が低く、種々の加工に耐えな
いものであった。
【0058】(比較例3)粘着層を、プロピレン70モ
ル%および1−ブテン30モル%からなる共重合体のみ
で形成した以外は、実施例5と同様にして表面保護フィ
ルムを製造し、測定または評価を行った。その結果、粘
着層の結晶化度50%、初期粘着強度10g/25mm
であり、初期の粘着強度が低く、種々の加工に耐えない
ものであった。
【0059】(比較例4)粘着層を、プロピレン70モ
ル%および4−メチル−1−ペンテン30モル%からな
る共重合体のみで形成した以外は、実施例5と同様にし
て表面保護フィルムを製造し、測定または評価を行っ
た。その結果、粘着層の結晶化度25%、初期粘着強度
5g/25mmであり、初期の粘着強度が低く、種々の
加工に耐えないものであった。
【0060】
【表1】
【0061】(実施例7)高密度ポリエチレン(密度:
0.96g/cm3 )80重量部と低密度ポリエチレン
(密度:0.92g/cm3 )20重量部とからなる表
面基材層(厚さ:10μm)、エチレン・4−メチル−
1−ペンテンランダム共重合体(MI:2.1g/10
分、密度:0.92g/cm3 、融点:120℃、エチ
レン含有量:91重量%)60重量部と、エチレン・酢
酸ビニル共重合体40重量部と、紫外線吸収剤(チバガ
イギー社製、チヌビン326)0.9重量部とからなる
中間基材層(厚さ:38〜40μm)、ならびにプロピ
レン50モル%、1−ブテン20モル%および4−メチ
ル−1−ペンテン30モル%を含むα−オレフィン系共
重合体65重量部と、SEBS 20重量部と、SIS
10重量部と、エチレンとα−オレフィンのコオリゴ
マー(三井石油化学工業(株)製、商品名:ルーカント
HC−20)5重量部とを含む混合物からなる粘着層
(厚さ:10〜12μm)とを有する3層構造の表面保
護フィルムを、実施例1と同様にして共押し出しT−ダ
イフィルム成形法により製造した。得られた表面保護フ
ィルムの初期粘着強度、粘着強度の経時変化および糊残
りの測定または評価を行った。また、巻戻力を下記の方
法にしたがって測定した。結果を表2に示す。
【0062】巻戻力の測定方法 23℃の恒温室にて、幅30cmのフィルムの先端にバ
ネ秤を装着し、繰出速度5m/分で繰出したときのバネ
秤の読みから巻き戻し力を測定した。
【0063】(実施例8)プロピレン50モル%、1−
ブテン20モル%および4−メチル−1−ペンテン30
モル%を含む共重合体45重量部と、エチレン・プロピ
レン共重合体(エチレン80モル%、プロピレン20モ
ル%、MI:1.0g/10分、密度:0.87g/c
3 )15重量部、SEBS 30重量部、SIS 1
0重量部、およびエチレンとα−オレフィンのコオリゴ
マー(三井石油化学工業(株)製、商品名:ルーカント
HC−20)5重量部とを含む混合物からなる粘着層を
形成した以外は、実施例7と同様にして表面保護フィル
ムを製造した。得られた表面保護フィルムの初期粘着強
度、粘着強度の経時変化、糊残りおよび巻戻力の測定ま
たは評価を行った。結果を表2に示す。
【0064】(実施例9)高密度ポリエチレン(密度:
0.95g/cm3 )70重量部と、エチレン・(メ
タ)アクリル酸共重合体のナトリウムイオン架橋樹脂
(三井石油化学工業(株)製、ハイミラン1605)3
0重量部とからなる表面基材層(厚さ:10μm)、エ
チレン・4−メチル−1−ペンテンランダム共重合体
(エチレン含有量:91重量%、MI:2.1g/10
分、密度:0.92g/cm3 、融点:120℃)60
重量部と、エチレン・酢酸ビニル共重合体40重量部と
からなる中間基材層(厚さ:40μm)、ならびにプロ
ピレン・1−ブテン・4−メチル−1−ペンテン共重合
体(プロピレン:50モル%、1−ブテン:20モル
%、4−メチル−1−ペンテン:30モル%)50重量
部と、エチレン・プロピレン共重合体(エチレン:80
モル%、プロピレン:20モル%、MI:1.0g/1
0分、密度:0.87g/cm3 )10重量部、SEB
S 25重量部と、SIS 10重量部と、エチレンと
α−オレフィンのコオリゴマー(三井石油化学工業
(株)製、商品名:ルーカントHC−20)5重量部と
を含む混合物からなる粘着層(厚さ:10μm)とを有
する3層構造の表面保護フィルムを、実施例1と同様に
して共押し出しT−ダイフィルム成形法により製造し
た。この表面保護フィルムの製造時の製膜性、巻き戻し
力、初期粘着強度、加熱加圧経時後の粘着強度およびそ
の時の糊残りを測定または評価した。結果を表2に示
す。
【0065】(実施例10)高密度ポリエチレン(密
度:0.95g/cm3 )50重量部と、エチレン・
(メタ)アクリル酸共重合体のナトリウムイオン架橋樹
脂(三井石油化学工業(株)製、ハイミラン1605)
50重量部とからなる表面基材層(厚さ:10μm)を
形成した以外は、実施例9と同様にして表面保護フィル
ムを製造した。この表面保護フィルムの製造時の製膜
性、巻き戻し力、初期粘着強度、加熱加圧経時後の粘着
強度およびその時の糊残りを測定または評価した。結果
を表2に示す。
【0066】(実施例11)高密度ポリエチレン(密
度:0.95g/cm3 )70重量部と、エチレン・
(メタ)アクリル酸共重合体のZnイオン架橋樹脂(三
井石油化学工業(株)製、ハイミラン1605)30重
量部とからなる表面基材層(厚さ:10μm)を形成し
た以外は、実施例9と同様にして表面保護フィルムを製
造した。この表面保護フィルムの製造時の製膜性、巻戻
力、初期粘着強度、加熱加圧経時後の粘着強度およびそ
の時の糊残りを測定または評価した。結果を表2に示
す。
【0067】(実施例12)高密度ポリエチレン(密
度:0.95g/cm3 )のみからなる表面基材層(厚
さ:10μm)を形成した以外は、実施例9と同様にし
て表面保護フィルムを製造した。この表面保護フィルム
の製造時の製膜性、巻戻力、初期粘着強度、加熱加圧経
時後の粘着強度およびその時の糊残りを測定または評価
した。結果を表2に示す。
【0068】(実施例13)高密度ポリエチレン(密
度:0.95g/cm3 )80重量部と、低密度ポリエ
チレン(密度:0.92g/cm3 )20重量部とから
なる表面基材層(厚さ:10μm)を形成した以外は、
実施例9と同様にして表面保護フィルムを製造した。こ
の表面保護フィルムの製造時の製膜性、巻戻力、初期粘
着強度、加熱加圧経時後の粘着強度およびその時の糊残
りを測定または評価した。結果を表2に示す。
【0069】(実施例14)高密度ポリエチレン(密
度:0.95g/cm3 )70重量部と、低密度ポリエ
チレン(密度:0.92g/cm3 )30重量部とから
なる表面基材層(厚さ:10μm)を形成した以外は、
実施例9と同様にして表面保護フィルムを製造した。こ
の表面保護フィルムの製造時の製膜性、巻戻力、初期粘
着強度、加熱加圧経時後の粘着強度およびその時の糊残
りを測定または評価した。結果を表2に示す。
【0070】
【表2】
【0071】
【発明の効果】本発明の表面保護フィルムは、常温で十
分な粘着強度を有し、しかも貼り付けた後での粘着強度
(剥離強度)の経時変化が小さく、さらにフィルム巻き
戻し時のブロッキング力が低く、取扱い作業性に優れ、
しかも安価に製造することができるものである。例え
ば、2kg/cm2 、60℃で10日間加圧加温された
後でも、フィルムが切断されず、ステンレス鋼板面等の
被着体の表面への糊残りが無く、1kg/25mm以下
の強度で剥離が可能である。このため、本発明の表面保
護フィルムは、アルミニウム板、鋼板、ステンレス板等
の金属板、およびそれらの塗装板に対して、貼り付けた
ものが種々の加工に耐えることができ、これらの金属板
およびその塗装板の表面保護材として特に好適である。
また、化粧合板、ガラス板、合成樹脂板等の広範囲の用
途にも良好に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29C 47/06 9349−4F 47/56 9349−4F B32B 7/02 9268−4F 15/08 103 Z 7148−4F 27/32 103 8115−4F C09J 109/06 JDX // C09J 123/02 JBX B29K 23:00 (72)発明者 権 田 正 広 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材層と、該基材層の下面に積層された粘
    着層とを有する表面保護フィルムであって、前記基材層
    が1層または複数の層からなり、前記粘着層が、炭素原
    子数2〜12のα−オレフィンから選ばれる少なくとも
    2種のα−オレフィンを主成分とし、結晶化度が10%
    以下であるα−オレフィン共重合体を主材とし、ステン
    レス鋼板面に23℃で粘着させたときの初期粘着強度が
    20g/25mm以上である層である表面保護フィル
    ム。
  2. 【請求項2】基材層と、該基材層の下面に積層された粘
    着層とを有する表面保護フィルムであって、前記基材層
    が1層または複数の層からなり、粘着層に接する層が、
    炭素原子数2〜12のα−オレフィンを含む重合体を主
    材とする層であり、前記粘着層が、炭素原子数2〜12
    のα−オレフィンから選ばれる少なくとも2種のα−オ
    レフィンを主成分とし、結晶化度が10%以下であるα
    −オレフィン共重合体を主材とし、ステンレス鋼板面に
    23℃で粘着させたときの初期粘着強度が20g/25
    mm以上である層である表面保護フィルム。
  3. 【請求項3】基材層と、該基材層の下面に積層された粘
    着層とを有する表面保護フィルムであって、前記基材層
    が1層または複数の層からなり、前記粘着層が、炭素原
    子数2〜12のα−オレフィンから選ばれる少なくとも
    2種のα−オレフィンを主成分とし、結晶化度が10%
    以下であるα−オレフィン共重合体を主材とし、ステン
    レス鋼板面に23℃て粘着させたときの初期粘着強度が
    20g/25mm以上であり、かつ加温加圧における経
    時変化後の粘着強度が1000g/25mm以下である
    層である表面保護フィルム。
  4. 【請求項4】前記粘着層が、プロピレン、1−ブテンお
    よび炭素原子数5〜12のα−オレフィンからなるα−
    オレフィン共重合体を主材とする層である請求項1〜3
    のいずれかに記載の表面保護フィルム。
  5. 【請求項5】前記α−オレフィン共重合体が、プロピレ
    ン10〜85モル%、1−ブテン3〜60モル%および
    炭素原子数5〜12のα−オレフィン10〜85モル%
    を含む共重合体である請求項4に記載の表面保護フィル
    ム。
  6. 【請求項6】前記炭素原子数5〜12のα−オレフィン
    が、4−メチル−1−ペンテンである請求項4または5
    に記載の表面保護フィルム。
  7. 【請求項7】前記基材層の最外層が、α−オレフィンを
    含む重合体と、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体
    の金属イオン架橋樹脂を含む混合物を主材とし、(α−
    オレフィンを含む重合体)/(エチレン・(メタ)アク
    リル酸共重合体の金属イオン架橋樹脂)の含有割合が、
    重量比で95/5〜5/95の割合である請求項1〜3
    のいずれかに記載の表面保護フィルム。
  8. 【請求項8】前記粘着層が、プロピレン、1−ブテンお
    よび炭素原子数5〜12のα−オレフィンからなるα−
    オレフィン共重合体と、 (A)エチレン、プロピレンおよび1−ブテンから選ば
    れる少なくとも2種からなる共重合体、 (B)エチレンとα−オレフィンのコオリゴマー および (C)スチレン・ジエン系共重合体、またはその水素添
    加物 から選ばれる少なくとも1種の共重合体とを含む層であ
    る請求項1〜3のいずれかに記載の表面保護フィルム。
  9. 【請求項9】前記粘着層が、プロピレン、1−ブテンお
    よび炭素原子数5〜12のα−オレフィンからなるα−
    オレフィン共重合体と、 (B)エチレンとα−オレフィンのコオリゴマー (D)スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロッ
    ク共重合体 および/または (E)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合
    体 とを含む層である請求項1〜3のいずれかに記載の表面
    保護フィルム。
  10. 【請求項10】前記基材層と粘着層が、同時に溶融共押
    し出しによって形成されたものである、請求項1に記載
    の表面保護フィルム。
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