JP2009061783A - ポリイミド金属積層板 - Google Patents

ポリイミド金属積層板 Download PDF

Info

Publication number
JP2009061783A
JP2009061783A JP2008278508A JP2008278508A JP2009061783A JP 2009061783 A JP2009061783 A JP 2009061783A JP 2008278508 A JP2008278508 A JP 2008278508A JP 2008278508 A JP2008278508 A JP 2008278508A JP 2009061783 A JP2009061783 A JP 2009061783A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyimide
layer
metal
gpa
wiring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008278508A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5055244B2 (ja
Inventor
Masao Kawaguchi
将生 川口
Eiji Otsubo
英二 大坪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2008278508A priority Critical patent/JP5055244B2/ja
Publication of JP2009061783A publication Critical patent/JP2009061783A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5055244B2 publication Critical patent/JP5055244B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】
チップ実装後に配線ずれやエッジショート、金属配線がポリイミド層に沈み込むという不具合や、配線がポリイミド層から剥れる等の不具合が発生しないポリイミド金属積層板を提供すること。
【解決手段】
ポリイミド層と、金属層とからなるポリイミド金属積層板であって、前記ポリイミド層の少なくとも一層が、350℃以上の温度領域において1GPa以上30GPa以下の弾性率を有するポリイミド(PI)層であり、かつ前記ポリイミド(PI)層が、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物から合成されるものであり、原料となるジアミン成分全体の70モル%以上がo−フェニレンジアミン等から選ばれる一種以上の化合物であり、テトラカルボン酸二無水物成分全体の90モル%以上がピロメリット酸二無水物等から選ばれる一種以上の化合物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、フレキシブル配線基板などに広く使用されるポリイミド金属積層板に関するものである。
近年、電子機器の小型携帯化に伴い、回路基板材料として部品、素子の高密度実装が可能なポリイミド金属積層板の利用が増大している。さらなる小型化、高密度化に対応するために、COF(チップオンフィルム)と呼ばれる部品、素子を直接回路基板に実装する方式が主流となっている。従来から、COF用基材としては、主にポリイミド樹脂フィルムに金属をスパッタして得られるポリイミド金属積層板(特許文献1参照)や、圧延銅箔もしくは電解銅箔にキャスティングやラミネート方式によってポリイミド層を形成するものがある。
圧延もしくは電解銅箔にポリイミド層を形成するポリイミド金属積層板は、金属箔層とポリイミド層間の密着力を高める為に、金属箔層とポリイミド層の間に熱可塑性ポリイミド層を形成するのが一般的である。
ところで、チップ実装は、ACF(Anisotropic Conductive Film)、NCP(Non Conductive Paste)、超音波接合など低温で実装する方式から、Au−Au接合、Au−Sn接合など高温で実装する方式があるが、TABラインでの実装方式や、チップと配線の接続信頼性の点から、Au−Au接合、Au−Sn接合が現在でも多く採用されている。
これらの金属積層板にAu−Sn接合によるチップ実装を行なう場合、ポリイミドに配線およびチップのバンプが沈み込む、配線がずれる等の不具合が発生する場合がある。配線の過度の沈み込みは、チップとポリイミド層の隙間が狭くなることから、アンダーフィルが入らない、エッジショートが発生するという問題が発生してしまう。また、配線ずれに関しては隣接する銅配線に接触し、ショートを起こす問題が発生した。これらの不具合が発生しないためには、配線ずれが無く、沈み込み量が小さいものが望まれていた。
特開2003−188495号公報
本発明の目的は、ポリイミド金属積層板において、チップ実装後に配線ずれやエッジショート、金属配線がポリイミド層に沈み込むという不具合や、配線がポリイミド層から剥れる等の不具合が発生しないポリイミド金属積層板を提供することである。更にはAu−Au接合あるいはAu−Sn接合によるチップ実装時でも配線ずれ不良が無く、アンダーフィル充填が可能となるポリイミド金属箔積層板を提供することである。
本発明者らは検討の結果、ポリイミド層中に、少なくとも1層以上、350℃以上の高温域での弾性率が1GPa以上30GPa以下のポリイミド(PI)層を存在させることにより得られるポリイミド金属積層板が上記課題を解決できることを見出し本発明に到達した。
即ち本発明は、以下に関するものである。
(1)ポリイミド層と、金属層からなるポリイミド金属積層板であって、350℃以上の温度領域での弾性率が1GPa以上30GPa以下のポリイミド(PI)層が、少なくとも1層以上、ポリイミド層中に存在することを特徴とするポリイミド金属積層板。
(2)350℃以上の温度領域での弾性率が1GPa以上30GPa以下のポリイミド(PI)層が、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物から合成されるものであり、原料となるジアミン成分全体の70モル%以上がo−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミンから選ばれる一種又は二種以上であり、テトラカルボン酸二無水物成分全体の90モル%以上がピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物から選ばれる一種又は二種以上の化合物である(1)記載のポリイミド金属積層板。
(3)金属と接する側のポリイミド層が、熱可塑性ポリイミド(TPI)である(1)又は(2)記載のポリイミド金属積層板。
(4)熱可塑性ポリイミド(TPI)のガラス転位点(Tg)が、250℃以上375℃以下であり、さらにガラス転移点以上での弾性率が、10MPa以上1GPa以下である(3)記載のポリイミド金属積層板。
本発明により提供されるポリイミド金属積層板は、Au−Au接合あるいはAu−Sn接合など、高温でのチップ実装時に配線ずれやエッジショート、金属配線がポリイミド層に沈み込むという現象や、配線がポリイミド層から剥れる等の問題が発生せず、アンダーフィル充填が可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリイミド金属積層板の具体的構成について例を挙げると、350℃以上の高温域での弾性率が1GPa以上30GPa以下のポリイミド(PI)フィルム層の片面もしくは両面に、乾式成膜法やめっき法によって、直接金属層を形成して得られるポリイミド金属積層板(A)、該ポリイミド(PI)フィルム層の片面もしくは両面に、熱可塑性ポリイミド(TPI)層を形成し、金属箔層を加熱圧着して得られるポリイミド金属積層板(B)、金属箔層に熱可塑性ポリイミド(TPI)層を形成し、該ポリイミド(PI)フィルム層を加熱圧着して得られるポリイミド金属積層板(C)、さらには、金属箔層に形成された熱可塑性ポリイミド(TPI)層の表面に、該ポリイミド(PI)を塗布・乾燥・キュアにより形成して得られるポリイミド金属積層板(D)等が挙げられる。
ポリイミド金属積層板(A)において、乾式成膜法やめっき法は、抵抗加熱蒸着、イオンプレーティング蒸着、スパッタリング蒸着、電解液中における無電解めっき方法等によって、ポリイミド(PI)フィルム層表面に金属層を形成する方法が好ましく、形成した金属層を電解めっき方法等によって厚くする方法がより好ましい。乾式成膜法やめっき法によって、形成される金属層の材質としては、Cu,Fe,Ni,Mo,Ta,Ti,V,Cr,Co等の金属、あるいは、それらの合金からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属が好ましく、また、それらの酸化物等が積層されていても良い。
ポリイミド金属積層板(B)、(C)、(D)において、熱可塑性ポリイミド層と接する金属箔としては、Cu,Fe,Ni,Co,Cr,Zn,Alおよびそれらの合金からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属が好ましく、更に好ましくは、銅及び銅合金、ステンレス鋼などの鉄合金、ニッケル及びニッケル合金(42合金も含む)、アルミニウム及びアルミニウム合金等が挙げられる。より好ましくは銅及び銅合金である。
本発明のポリイミド金属積層板にて形成される金属層の厚みは、テープ状に利用できる厚みであれば制限はないが、2〜150μmが好ましく利用できる。
本発明の金属積層板は、ポリイミド層中の少なくとも一層に350℃以上の高温域での弾性率が1GPa以上30GPa以下のポリイミド(PI)層を含むことを特徴とし、好ましくは、1GPa以上10GPa以下のポリイミド(PI)層である。このポリイミド(PI)層をポリイミド金属積層板のポリイミド層に少なくとも1層以上用いることによって、チップ実装時、金属配線がポリイミド層に沈み込むという不具合や、配線ずれ、エッジショート、配線がポリイミド層から剥れる等の不具合が発生しなくなり好ましい。
尚、弾性率の測定温度としては、ポリイミドの分解温度以下、具体的には350℃以上500℃以下の範囲にて測定するのが好ましく、TMA(Thermomechanical Analysys)や粘弾性測定機等、従来用いられている装置が使用可能であり、本発明においては、この測定温度範囲において少なくとも一点でも上記範囲の弾性率を有するものであれば、適用することができる。
本発明のポリイミド金属積層板におけるポリイミド(PI)としては、原料となるジアミン成分全体の70モル%以上が、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミンから選ばれた少なくとも一種又は二種以上のジアミンであることが好ましく、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90%モル以上これらのジアミンからなるものである。また、テトラカルボン酸二無水物成分全体の90モル%以上が、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’―ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物から選ばれた少なくとも一種又は二種以上のテトラカルボン酸二無水物であることが好ましく、より好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは97モル%以上これらの酸二無水物からなるものである。
ポリイミド(PI)層厚は、本発明のポリイミド金属積層板におけるポリイミド層全体厚の50%以上の厚さを有することが好ましく、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上である。具体的には、3〜200μm程度が可能であり、好ましくは7〜150μm、さらに好ましくは10〜50μm程度である。線膨張係数はポリイミド(PI)において、5〜40ppm/℃が好ましく、さらに好ましくは、10〜30ppm/℃である。
ポリイミド金属積層板(A)、(B)、(C)において、ポリイミド(PI)層は、あらかじめ単層フィルム状態に成形されるものであり、ポリイミド(PI)及び/又はポリイミド(PI)前駆体を含むワニスを、支持体表面に塗布・乾燥・イミド化してポリイミド(PI)フィルムとする方法が可能である。
ワニス中には有機溶媒が含まれ、ポリイミド(PI)前駆体がポリアミド酸の場合には閉環触媒および脱水剤を含有させることも好ましく、塗布・乾燥・イミド化を一部進行させてゲル状態のフィルムとし、回転ロールにより走行させ、延伸させて、成形する方法も好ましい。
また、ポリイミド(PI)フィルムとしては、市販のものも使用可能であり、例えば、ユーピレックス(登録商標)S、ユーピレックス(登録商標)SGA、ユーピレックス(登録商標)SN(宇部興産株式会社製、商品名)等が挙げられる。さらに、ポリイミド(PI)フィルムの表面はプラズマ処理、コロナ放電処理等を施してもよい。
ポリイミド金属積層板(D)においては、金属箔層表面に塗布・乾燥・イミド化してなる熱可塑性ポリイミド(TPI)層表面に、該ポリイミド(PI)ワニスを塗布・乾燥・イミド化して、ポリイミド(PI)層を形成するものであり、さらにTg以上の高温域での弾性率が500MPa以下である熱可塑性ポリイミド(TPIL)をポリイミド(PI)層表面に形成して、該ポリイミド(PI)フィルムと加熱圧着することも好ましい。
ポリイミド金属積層板(B)、(C)、(D)において、金属層と接する熱可塑性ポリイミド(TPI)としては、ガラス転位点(Tg)が、250℃以上375℃以下であることが好ましく、より好ましくは250℃以上350℃以下である。350℃を超えると金属積層板とした場合、金属箔との接着力が発現しにくくなる為、より好ましくは260℃以上340℃以下である。
さらに、Tg以上の高温域の弾性率が10MPa以上1GPa以下であることが好ましく、弾性率が10MPa未満である場合は、チップ接合時に熱可塑性ポリイミドが変形し、金属配線がポリイミド層に沈み込み易くなり、熱可塑性ポリイミドとチップが接触する、金属配線がポリイミド層から剥れやすくなるという問題点が発生する可能性がある。また、弾性率が1GPa以上の場合には金属箔と接着強度が発現しにくい場合がある。その為、弾性率は上記範囲内であることが好ましく、今後の微細配線用途には信頼性の観点から金属箔との接着の指標であるピール強度や半田耐熱性などを向上させるために、弾性率の範囲が好ましくは40MPa以上1GPa以下、より好ましくは100MPa以上1GPa以下、更に好ましくは100MPa以上700MPa以下である。尚、弾性率およびTgの測定は、粘弾性測定機により150℃以上500℃以下の範囲にて測定するのが好ましく、単層の熱可塑性ポリイミド(TPI)試料の弾性率(貯蔵弾性率E’)と、Tgとなる損失弾性率(E’’)のピーク温度を求め、弾性率およびTgとすることが好ましい。
使用可能な熱可塑性ポリイミド(TPI)の例として、特に限定はされないが、原料のジアミンが、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(以下、APBと略す)、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル(以下、m−BPと略す)及び、3,3’−ジアミノベンゾフェノン(以下、DABPと略す)、p−フェニレンジアミン(pPD)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)から選ばれた少なくとも一種のジアミンを用いたものが好ましい。
酸二無水物としては特に限定はなく、公知の酸二無水物が使用可能であるが、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(以下、BTDAと略す)、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)を用いることが好ましい。
熱可塑性ポリイミド(TPI)層は、通常0.1〜20μm程度であり、好ましくは0.2〜10μm、さらに好ましくは0.3〜5μm、より好ましくは0.4〜3μm程度である。
本発明における、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸を含むワニス及び/又はポリイミドを含むワニスについて、ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物の反応モル比は、通常、0.75〜1.25の範囲であるが、好ましくは、ジアミン成分を1とすると、テトラカルボン酸二無水物は0.8〜1.0の範囲である。
さらに、2種類以上のワニスを混合してなるワニス、ビスマレイミド化合物を配合してなるワニスを、塗布・乾燥・イミド化してなるポリイミド(PI)、熱可塑性ポリイミド(TPI)、熱可塑性ポリイミド(TPIL)、さらには、ポリイミド(PI)層、熱可塑性ポリイミド(TPI)層、熱可塑性ポリイミド(TPIL)層も本発明のポリイミド金属積層板に使用されるポリイミドの範囲に含まれるものであり、耐熱性、耐発泡性等を向上させる為に、該ビスマレイミド化合物を配合させる事は有効である。
ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸を含むワニス、または、ポリイミドを含むワニスを塗布する方法としては、ダイコーター、コンマコーター、ロールコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、スプレーコーター等の公知の方法が採用できる。塗布する厚み、ワニスの粘度等に応じて適宜利用する。
熱可塑性ポリイミド(TPI)層および熱可塑性ポリイミド(TPIL)層を、ポリイミド(PI)フィルム層および金属箔層へ、加熱圧着する方法については、熱可塑性ポリイミド(TPI)および熱可塑性ポリイミド(TPIL)のガラス転移点温度以上に保ちながら加圧することが可能な、加熱プレス法及び/又は熱ラミネート法が代表例として挙げられる。ラミネート方法としては、特に制限は無いが、ロールとロール間に挟み込み、張り合わせを行なう方法が好ましい。
ラミネート後、もしくは、ラミネートを行いながら、このポリイミド金属張積層板を更に150〜500℃に加熱保持することより、熱可塑性ポリイミド(TPI)層および熱可塑性ポリイミド(TPIL)層と、ポリイミド(PI)フィルム層および金属箔層との密着力が優れた、ポリイミド金属積層板を得る。加熱装置として、通常の加熱炉、オートクレーブ等が利用できる。加熱雰囲気として、空気、イナートガス(窒素、アルゴン)等が利用できる。加熱方法としては、連続的に加熱する方法またはポリイミド金属積層板をコアに巻いた状態で加熱炉に放置する方法のどちらの方法も好ましい。加熱方式としては、伝導加熱方式、輻射加熱方式、及び、これらの併用方式等が好ましい。加熱時間は、0.05〜5000分の時間範囲が好ましい。
以下実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、実施例に示した熱可塑性フィルムの弾性率及びガラス転移点(Tg)、チップ搭載時の配線沈み込み量測定・配線剥離、ピール強度、ボイドについては下記の方法により測定した。
(1)熱可塑性ポリイミド弾性率及びガラス転移点(Tg)
レオメトリックス社製RSAIIにより単層の熱可塑性ポリイミド試料を引張りモードにて窒素中、1Hz、3℃/minで、25℃から500℃まで昇温し、弾性率(貯蔵弾性率E’)測定を行ない、同時に、損失弾性率(E’’)のピークをTgとして求めた。
(2)配線沈み込み量測定・配線剥離
回路加工・チップ搭載メーカにてチップ搭載を行なった後、試料を樹脂包理後、研磨し、バンプと配線接合部断面を日本光学製金属顕微鏡で観察を行なった。チップ搭載個所と搭載していない個所の金属配線とポリイミド層界面の差を測定し、配線沈み込み量とした。配線沈み込み量は、5μm以下が好ましいと判断する。また、金属配線が熱可塑性ポリイミド層より剥離しているか否かを確認した。
(3)ピール強度(kN/m)
長さ50mm、幅2mmの導体を、金属箔をエッチングすることにより形成し、JIS C−6471に規定される方法に従い、短辺の端から金属導体側をポリイミド層から剥離し、その応力を測定する。剥離角度を90°、剥離速度を50mm/minとした。ピール強度は、0.60kN/m以上が好ましいと判断する。
(4)ボイド
ポリイミド金属積層板のポリイミド面より、光学顕微鏡にて、銅箔層とポリイミド層の界面を、500〜1500倍にて観測をして、ボイドの発生状況を確認した。
また、実施例に用いた溶剤、酸二無水物、ジアミンの略称は以下の通りである。
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
pPD:p−フェニレンジアミン
ODA:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
APB:1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン
m−BP:4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル
BTDA:3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
APB−BMI:1,3−ビス(3−マレイドフェノキシ)ベンゼン
合成例1
<ポリイミド(PI)樹脂の前駆体の合成(PI−ワニス)>
撹拌機及び窒素導入管を備えた容器に、溶媒としてDMAc196.1gを加え、これにpPD15.0gを加え、溶解するまで室温にて撹拌を行った。その後、ジアミン成分に対して、酸無水物が0.975の比率となるように、BTDA43.6gを加え、60℃において撹拌を行い、ポリアミック酸の含有率が23重量%であるポリアミック酸溶液、PI−1ワニスを表1に示す通りに得た。
合成例2〜7
ジアミン、酸無水物の種類・比率、ポリアミック酸の含有率、APB−BMI添加率を、表1に示す様に変えた事以外は合成例1と同様にポリイミド(PI)、熱可塑性ポリイミド(TPI)、熱可塑性ポリイミド(TPIL)用ワニス(表1)を得た。APB−BMIは、ポリアミック酸溶液を得た後、ポリアミック酸の10%重量が含有率となるように、ポリアミック酸中へ加え、室温中で攪拌を行い添加した。合成例1〜7において合成した、ポリイミドのワニスについて、Tgおよび弾性率を測定した(表1)。合成例1,2における、PI−1、PI−2ワニスにおいて、Tgは確認されなかった。
Figure 2009061783
各ポリイミド(PI)ワニスについて、成膜後の厚さが、25μmおよび38μmとなるように、ガラス基板上に塗布し、窒素雰囲気下のイナートオーブンにて、50℃から270℃まで7℃/分にて昇温乾燥させた後、さらに430℃にて2分間熱処理を行い成膜してガラス基板から剥離して、各ポリイミド(PI)フィルムを得た。
実施例1
市販の銅箔(古河サーキットフォイル(株)製、商品名:F0−WS(厚み9μm))を用い、ポリイミド積層面に合成例4のTPI−1ワニスをロールコーターにより乾燥後の厚さが1μmになるように塗布後、100℃で2分乾燥して、熱可塑性ポリイミド(TPI−1)層を形成し、この熱可塑性ポリイミド(TPI−1)層表面に、合成例1のPI−1ワニスをコンマコーターにより乾燥後の厚さが9μmになるように塗布後、115℃で2分乾燥してポリイミド(PI−1)層を形成した。さらに、このポリイミド(PI−1)層表面に、合成例7のTPILワニスをロールコーターにより乾燥後の厚さが2μmになるように塗布後、100℃で2分乾燥して、熱可塑性ポリイミド(TPIL)層を形成した。その後、180℃で1.6分キュア乾燥し、さらに、窒素雰囲気下で、380℃、2分さらに、430℃、2分キュア・イミド化し、ポリイミド層の金属層と接しない面が熱可塑性ポリイミド(TPIL)層であるポリイミド金属積層体を得た。その後、あらかじめ作成していた、25μm厚のポリイミド(PI−1)フィルム表面と、ポリイミド金属積層体の熱可塑性ポリイミド(TPIL)層表面とを、ロールラミネーターにより、260℃で圧力1.5MPaの条件で加熱圧着し張り合わせ、その後、バッチ式のオートクレーブにて温度350℃、4時間窒素雰囲気下でアニールを行い、フレキシブル金属積層板を図1に示す通りに得た。
得られたフレキシブル金属積層板について、チップ搭載時の配線沈み込み量・配線剥離、ピール強度、反り、ボイドを測定・確認した。
結果は、
チップ搭載結果:配線沈込み0.5μm、配線剥れ無し
ピール強度:0.65kN/m
ボイド:無しであった(表2)。
実施例−2,3
熱可塑性ポリイミド(TPI)層および、ポリイミド(PI)層、ポリイミド(PI)フィルム層を形成するワニスを図1に示す様に変えた以外は実施例−1と同様に、実施例−2,3を行い、それぞれのフレキシブル金属積層板を図1に示す通りに得た。
実施例−4
あらかじめ作成していた、38μm厚のポリイミド(PI−1)フィルムを用い、ポリイミド積層面に合成例5のTPI−2ワニスをロールコーターにより乾燥後の厚さが1μmになるように塗布し、100℃で2分乾燥した後、180℃で1.6分キュア乾燥し、さらに、窒素雰囲気下で、380℃、2分さらに、430℃、2分キュア・イミド化して、ポリイミド積層面が熱可塑性ポリイミド(TPI−2)層である絶縁フィルムを得た。その後、熱可塑性ポリイミド(TPI−2)層表面と、市販の銅箔(古河サーキットフォイル(株)製、商品名:F0−WS(厚み9μm))を、プレス機にて、350℃で圧力1.5MPaの条件で加熱圧着し張り合わせ、その後、バッチ式のオートクレーブにて温度350℃、4時間窒素雰囲気下でアニールを行い、フレキシブル金属積層板を図1に示す通りに得た。
実施例−5
ポリイミド(PI)フィルム層を形成するワニスを図1に示す様に変えた以外は実施例−4と同様に、実施例−5を行い、フレキシブル金属積層板を図1に示す通りに得た。
実施例−1,2,3,4,5にて得られた、フレキシブル金属積層板について、チップ搭載時の配線沈み込み量・配線剥離、ピール強度、ボイドを測定・確認した。結果を表2に示す。
比較例−1,2
熱可塑性ポリイミド(TPI)層および、ポリイミド(PI)層、ポリイミド(PI)フィルム層を形成するワニスを図1に示す様に変えた以外は実施例−1と同様に、比較例−1,2を行い、それぞれのフレキシブル金属積層板を図1に示す通りに得た。
比較例−3,4
熱可塑性ポリイミド(TPI)層、ポリイミド(PI)フィルム層を形成するワニスを図1に示す様に変えた以外は実施例−4と同様に、比較例−3,4を行い、フレキシブル金属積層板を図1に示す通りに得た。
Figure 2009061783
比較例−1,2,3,4にて得られた、フレキシブル金属積層板について、チップ搭載時の配線沈み込み量・配線剥離、ピール強度、ボイドを測定・確認した。結果を表2に示す。
ポリイミド金属積層板へのチップ実装後に配線ずれやエッジショート、金属配線がポリイミド層に沈み込むという現象や、配線がポリイミド層から剥れる等の問題が起こらないポリイミド金属積層板が得られ、フレキシブル配線基板などに広く適用される。
実施例1〜5、比較例1〜4で製造されたポリイミド金属積層板の構成を示したものである。

Claims (5)

  1. ポリイミド層と、金属層とからなるポリイミド金属積層板であって、
    前記ポリイミド層の少なくとも一層が、350℃以上の温度領域において1GPa以上30GPa以下の弾性率を有するポリイミド(PI)層であり、かつ
    前記350℃以上の温度領域において1GPa以上30GPa以下の弾性率を有するポリイミド(PI)層が、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物から合成されるものであり、
    原料となるジアミン成分全体の70モル%以上がo−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミンから選ばれる一種又は二種以上の化合物であり、 テトラカルボン酸二無水物成分全体の90モル%以上がピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物から選ばれる一種又は二種以上の化合物である、
    ポリイミド金属積層板。
  2. 前記ポリイミド層のうち、金属層と接する層が、熱可塑性ポリイミド(TPI)である、請求項1記載のポリイミド金属積層板。
  3. 前記熱可塑性ポリイミド(TPI)が、250℃以上375℃以下のガラス転位点(Tg)を有し、かつガラス転移点以上において10MPa以上1GPa以下の弾性率を有する、請求項2記載のポリイミド金属積層板。
  4. 前記ポリイミド(PI)層に含まれるポリイミド自体が、350℃以上の温度領域において1GPa以上30GPa以下の弾性率を有する、請求項1〜3のいずれかに記載のポリイミド金属積層板。
  5. 前記ポリイミド(PI)層に、フィラーが含まれる場合を除く、請求項1〜4のいずれかに記載のポリイミド金属積層板。
JP2008278508A 2008-10-29 2008-10-29 ポリイミド金属積層板 Expired - Fee Related JP5055244B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008278508A JP5055244B2 (ja) 2008-10-29 2008-10-29 ポリイミド金属積層板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008278508A JP5055244B2 (ja) 2008-10-29 2008-10-29 ポリイミド金属積層板

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003387313A Division JP4763964B2 (ja) 2003-11-18 2003-11-18 ポリイミド金属積層板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009061783A true JP2009061783A (ja) 2009-03-26
JP5055244B2 JP5055244B2 (ja) 2012-10-24

Family

ID=40556817

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008278508A Expired - Fee Related JP5055244B2 (ja) 2008-10-29 2008-10-29 ポリイミド金属積層板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5055244B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010119908A1 (ja) * 2009-04-14 2010-10-21 宇部興産株式会社 メタライジング用のポリイミドフィルム、これらの製造方法、及び金属積層ポリイミドフィルム
JP2011194796A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Ube Industries Ltd ポリイミド発泡体と熱可塑性樹脂シートとの積層体の製造方法及び積層体

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07331069A (ja) * 1994-06-09 1995-12-19 Toyobo Co Ltd 耐熱性樹脂組成物
JP2000103010A (ja) * 1998-09-29 2000-04-11 Ube Ind Ltd フレキシブル金属箔積層体
JP2001288362A (ja) * 2000-04-05 2001-10-16 Hitachi Ltd 耐熱性樹脂組成物及びその製造方法
JP2002096437A (ja) * 2000-09-21 2002-04-02 Ube Ind Ltd 多層ポリイミドフィルムおよび積層体
JP2005144908A (ja) * 2003-11-18 2005-06-09 Mitsui Chemicals Inc ポリイミド金属積層板

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07331069A (ja) * 1994-06-09 1995-12-19 Toyobo Co Ltd 耐熱性樹脂組成物
JP2000103010A (ja) * 1998-09-29 2000-04-11 Ube Ind Ltd フレキシブル金属箔積層体
JP2001288362A (ja) * 2000-04-05 2001-10-16 Hitachi Ltd 耐熱性樹脂組成物及びその製造方法
JP2002096437A (ja) * 2000-09-21 2002-04-02 Ube Ind Ltd 多層ポリイミドフィルムおよび積層体
JP2005144908A (ja) * 2003-11-18 2005-06-09 Mitsui Chemicals Inc ポリイミド金属積層板

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010119908A1 (ja) * 2009-04-14 2010-10-21 宇部興産株式会社 メタライジング用のポリイミドフィルム、これらの製造方法、及び金属積層ポリイミドフィルム
JP5621768B2 (ja) * 2009-04-14 2014-11-12 宇部興産株式会社 メタライジング用のポリイミドフィルム、これらの製造方法、及び金属積層ポリイミドフィルム
JP2011194796A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Ube Industries Ltd ポリイミド発泡体と熱可塑性樹脂シートとの積層体の製造方法及び積層体

Also Published As

Publication number Publication date
JP5055244B2 (ja) 2012-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI716524B (zh) 覆銅積層體及印刷線路板
TWI400268B (zh) 熱固性樹脂組合物及其用途
US8426029B2 (en) Metallic laminate and method for preparing the same
TWI278471B (en) Adhesive polyimide resin and adhesive laminate
TWI426996B (zh) 耐熱性薄膜金屬箔疊層體、及其製造方法
JP4619860B2 (ja) フレキシブル積層板及びその製造方法
TWI500501B (zh) Second layer double sided flexible metal laminated board and manufacturing method thereof
JP2011514266A (ja) 高接着性ポリイミド銅張積層板およびその製造方法
JP6743697B2 (ja) 多層ポリイミドフィルム、多層ポリイミドフィルムの製造方法、それを用いたポリイミド積層体、及びそれらに用いられる共重合ポリイミド
KR100955552B1 (ko) 폴리이미드 필름, 폴리이미드 금속 적층체 및 그의제조방법
TW202337695A (zh) 多層電路基板的製造方法
JP4642479B2 (ja) Cof用積層板及びcofフィルムキャリアテープ
JP4504602B2 (ja) ポリイミド銅張積層板及びその製造方法
JP5000310B2 (ja) Cof用積層板及びcofフィルムキャリアテープ並びに電子装置
TW200819000A (en) Laminate for wiring board
JP4763964B2 (ja) ポリイミド金属積層板の製造方法
JP5055244B2 (ja) ポリイミド金属積層板
JP2018174287A (ja) 回路基板及び多層回路基板
JP4510506B2 (ja) ポリイミド金属積層板の製造方法
TWI397136B (zh) Cof用積層板及cof薄膜載帶以及電子裝置
JP4328138B2 (ja) ポリイミド金属積層板
JP4409024B2 (ja) 接着剤付き導体−ポリイミド積層板
JP4841100B2 (ja) ポリイミド金属積層板
JP4409898B2 (ja) ポリイミド金属積層板
JP2008168582A (ja) フレキシブル積層板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110705

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110901

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120703

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120730

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5055244

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150803

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees