JP2009057509A - 黄色顔料組成物及び印刷インキ - Google Patents

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Abstract

【課題】 被着色媒体に分散した際に優れた経時粘度安定性を有するベンズイミダゾロン系黄色顔料組成物と該黄色顔料組成物を含有してなる優れた経時粘度安定性を有する印刷インキを提供することを目的とする。
【解決手段】 質量基準でC.I.ピグメントイエロー180の100部当たり、ベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料1〜15部を含有してなる黄色顔料組成物を提供する。また該黄色顔料組成物とバインダー樹脂とを含有してなる印刷インキ。
【選択図】なし

Description

本発明は、被着色媒体に分散した際に優れた経時粘度安定性を有するベンズイミダゾロン系黄色顔料組成物、及び同顔料組成物を含有してなる経時粘度安定性に優れる印刷インキに関する。
C.I.ピグメントイエロー180は、黄色を呈するベンズイミダゾロン系ジスアゾ顔料である。C.I.ピグメントイエロー180は、有害なベンジジン系化合物を原料として用いないことや、化学構造中に含有されるベンズイミダゾロン構造に基づく分子間の比較的強い水素結合に由来する高耐久性等の長所を多く有していることから、例えば、印刷インキ、塗料、静電荷像現像用トナー等の黄色顔料としてよく用いられている(特許文献1〜3参照。)。
しかしながら、この様なC.I.ピグメントイエロー180は、例えば印刷インキ用樹脂等の被着色媒体に分散して印刷インキを調製して得た場合、インキ調製後に長時間を経ると、インキ調製直後に対して流動性が損なわれるという欠点を有していた。一般に印刷の際、溶剤や樹脂によって流動性を合わせることがあるが、印刷インキの増粘の割合が大きい場合、流動性を合わせようとすると印刷の顔料濃度が振れてしまい、結果印刷再現性が得られないことになる。このようなインキに使用される樹脂をバインダー樹脂とよぶ。これは調製したインキが増粘を引き起こしたためで、経時粘度安定性が劣るということを示している。
この様な経時粘度安定性を改良する試みとして、界面活性剤などで顔料の表面処理を行うといった試みも見られるが、処理に手間がかかるだけでなく、期待したほど充分に改良が行えないことが多く、C.I.ピグメントイエロー180の被着色媒体中での経時粘度安定性は、依然として不充分なのが実情であった。
特開昭56−38354号公報 特開平8−209017号公報 WO2002/051943公報
本発明は、被着色媒体に分散した際に優れた経時粘度安定性を有するベンズイミダゾロン系黄色顔料組成物を提供することを目的とする。また本発明は同顔料組成物を含有する経時粘度安定性に優れた印刷インキを提供することを目的とする。
本発明者は、界面活性剤による表面処理のような手間を必要とせず、界面活性剤を用いた場合の様な欠点がなく、より簡便にC.I.ピグメントイエロー180の被着色媒体中での経時粘度安定性を改良し得る方法につき鋭意検討を行ったところ、色相を大きく変えない程度に異種顔料を含有させると、前記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、質量基準でC.I.ピグメントイエロー180の100部当たり、ベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料1〜15部を含有してなる黄色顔料組成物を提供する。
また本発明は、前記した黄色顔料組成物とバインダー樹脂とを含有してなる印刷インキを提供する。
本発明の黄色顔料組成物は、C.I.ピグメントイエロー180に対して、特定量のベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料を含有してなる。同顔料組成物を被着色媒体に分散した際には、優れた経時粘度安定性が得られるという格別顕著な効果を奏する。また、同顔料組成物を含有してなる印刷インキは、経時粘度安定性に優れるという格別顕著な効果を奏する。
本発明はC.I.ピグメントイエロー180の100部当たり、ベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料1〜15部を含有してなる黄色顔料組成物である。
C.I.ピグメントイエロー180は、カラーインデックスによれば、下記する化学構造式1で表される物質からなる公知慣用の黄色ベンズイミダゾロン系ジスアゾ顔料である。
式1 C.I.ピグメントイエロー180
Figure 2009057509
C.I.ピグメントイエロー180は、1,2−ビス(2−アミノフェノキシ)−エタンを強酸存在下、氷冷状態で亜硝酸ソーダ水溶液を加え、ジアゾ化反応して得られたビスジアゾニウム塩溶液と5−アセトアセチルアミノ−ベンズイミダゾロンとをカップリングすることによって得ることができる。またジアゾ化反応後の過剰の亜硝酸は、スルファミン酸水溶液を添加することによって除去することもできる。
本発明におけるベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料は公知慣用のものであるが、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエロー194が挙げられる。
より具体的にはC.I.ピグメントイエロー151またはC.I.ピグメントイエロー154を使用することが経時粘度安定性の点から好ましい。
C.I.ピグメントイエロー151は、カラーインデックスによれば、下記する化学構造式2で表される物質からなる公知慣用の黄色ベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料である。
式2 C.I.ピグメントイエロー151
Figure 2009057509
一方、C.I.ピグメントイエロー154は、カラーインデックスによれば、下記する化学構造で表される物質からなる公知慣用の黄色ベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料である。
式3 C.I.ピグメントイエロー154
Figure 2009057509
C.I.ピグメントイエロー180と、ベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料とを含有する本発明の黄色顔料組成物は、印刷用インキ等に添加した際には、C.I.ピグメントレッド180だけを印刷用インキ等に含有したときに比べて経時粘度の変化を抑えることができる。
より詳しくはベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料の含有量を、質量基準でC.I.ピグメントイエロー180の100部当たり、1〜15部とすることができ、この範囲とすることでC.I.ピグメント180の色相を大きく変化させることなく、かつインキの経時粘度安定性を改良することができる。
本発明の黄色顔料組成物は、公知慣用の方法で得ることができ、例えばベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料とC.I.ピグメントイエロー180とを、ドライブレンドして製造する方法で本発明の効果が認められC.I.ピグメントイエロー180単独の場合に比べ透明性の高い印刷インキを得ることができる。
さらにC.I.ピグメントイエロー180製造時のスラリーへベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料を添加したのち乾燥粉砕して製造する方法や、ベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料存在下でC.I.ピグメントイエロー180を製造する方法でも本発明の効果は認められる。これらの製造方法は、ドライブレンドする方法に比べてベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料の配合ムラを起こし難く、さらに透明性が高まる点で好適である。
ベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料存在下でC.I.ピグメントイエロー180を製造する方法によって得られた黄色顔料組成物は、印刷インキとした際増粘の割合を小さくすることができ、経時粘度安定性の効果がより高まるため好適である。
またC.I.ピグメントイエロー180の製造時にベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料を含有させてなる黄色顔料組成物は、印刷インキにした際の製造直後の粘度についてもC.I.ピグメントイエロー180単独の場合よりも低くできるため、印刷インキの流動性が高く、より平滑なインキ着色皮膜が得られることにより透明性も向上することができる。
本発明の黄色顔料組成物の中でもベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料がC.I.ピグメントイエロー151である黄色顔料組成物を用いて平版印刷インキとした場合、製造直後の粘度を低くできるため流動性に優れ、またC.I.ピグメントイエロー151をC.I.ピグメントイエロー180の製造時に添加して得られる黄色顔料組成物を用いて平版印刷インキとした場合、経時での増粘の割合がより小さくなるためさらに好適である。
本発明の黄色顔料組成物の中でもベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料がC.I.ピグメントイエロー154である黄色顔料組成物を用いてグラビア印刷インキとした場合、製造直後の粘度を低くできるため流動性に優れ、またC.I.ピグメントイエロー154をC.I.ピグメントイエロー180の製造時に添加して得られる黄色顔料組成物を用いてグラビア印刷インキとした場合、経時での増粘の割合がより小さくなるためさらに好適である。
本発明の黄色顔料組成物は、顔料組成物の品質に影響しない範囲で沈降性硫酸バリウムや炭酸カルシウム等の体質顔料や、界面活性剤等の分散助剤を併用することができる。
本発明の黄色顔料組成物は、ラインミキサーやホモミキサー等の公知慣用の各種ミキサーで均一となるまで攪拌することによって、顔料の分散状態が良好な黄色顔料組成物を得ることができる。
本発明の黄色顔料組成物は、例えば、印刷インキ、塗料、着色プラスチック成形品、静電荷像現像用トナー、カラーフィルター、インクジェット記録用水性インキ等公知慣用のいずれの用途でも使用することができる。
本発明の黄色顔料組成物とバインダー樹脂とを含有せしめて印刷インキとすることができる。本発明の黄色顔料組成物を、バインダー樹脂を含有するビヒクルに分散させてグラビア印刷インキやフレキソ印刷インキを調製した場合に調整後の経時粘度安定性の点で顕著に効果がある。
ここでいう経時粘度安定性は調製直後室温のインキ粘度に対する、7日後のインキ粘度の増粘の割合で評価することができ、その割合が小さいほど、経時粘度安定性に優れるため好ましい。
グラビア印刷インキやフレキソ印刷インキ用のビヒクルには、樹脂、溶剤とその他添加剤が挙げられる。このようなインキに使用される樹脂をバインダー樹脂とよぶ。本発明のバインダー樹脂は例えば、ロジン樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ニトロセルロース、酢酸セルロース等が挙げられる。本発明の溶剤は例えばアルコール類、トルエン、n−ヘキサン、酢酸エチル、セロソルブ、酢酸ブチルセロソルブ等が挙げられる。本発明のインキ用のビヒクルは前記したような各種樹脂の中から選ばれる一種以上の樹脂を10〜50(質量)%、前記各種溶剤から選ばれる一種以上の溶剤を30〜80(質量)%の範囲で含有させて製造することができる。
本発明の黄色顔料組成物とバインダー樹脂とを含有してなる印刷インキにおいては、顔料製造時にベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料を添加して黄色顔料組成物としたのちバインダー樹脂と混合しても良いが、印刷用インキ製造時にC.I.ピグメントイエロー180、ベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料及びバインダー樹脂を混合しても良く、印刷インキ中のベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料の含有量を、質量基準でC.I.ピグメントイエロー180の100部当たり、1〜15部とすることにより、同様に本発明の粘度経時安定性の効果が認められる。
本発明の黄色顔料組成物とバインダー樹脂とを含有してなる印刷用インキはバインダー樹脂100部に対して黄色顔料組成物5〜70部とすることができる。
本発明の黄色顔料組成物とバインダー樹脂とを含有してなる印刷用インキは公知慣用の方法で製造することができる。特に限定されるものではないが例えばディスパー、ホモミキサー、3本ロール、ビーズミル、ニーダー等を用いることができる。予めバインダー樹脂を少量しか含まない濃厚インキを調製してから、それをさらに前記バインダー樹脂を又は異なる樹脂で希釈して必要な濃度の印刷インキを調製してもよい。
さらに本発明で得られる印刷用インキは得られるインキの透明性が高い。
ここでいう透明性とは、インキ塗膜の、分光測色計のイエロー(Y)マゼンタ(M)シアン(C)ブラック(B)のフィルターのうちBフィルターにおけるDensity値によって評価することができる。Density値が大きいほど透明性が優れることを表わす。
以下、合成例、実施例等を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例において、「部」及び「%」は、特に断りのない限り、すべて質量基準である。
(Y−151存在下でのY−180の製造)
1,2−ビス(2−アミノフェノキシ)−エタン271.9部を、水2700部に攪拌分散しながら、35%塩酸645.9部を加えた。1時間攪拌後、氷を加えて温度を0〜5℃に調整し、40%亜硝酸ソーダ水溶液404.2gを加え、ジアゾ化反応を行った。1時間以上攪拌後、過剰の亜硝酸塩を除去するため118.1部の10%スルファミン酸水溶液を加えて30分以上攪拌し、さらに27部の活性炭を加え30分以上攪拌し、ビスジアゾニウム塩溶液の調製を行った。
一方、5−アセトアセチルアミノ−ベンズイミダゾロン539.2部を水4000部に分散後、25%水酸化ナトリウム水溶液712.9部を加えて溶解させ、カップラー成分を得た。ジアゾ成分およびカップラー成分は、水および氷を加えてそれぞれ液量を8100部および5400部に調製した。
C.I.ピグメントイエロー151(大日本インキ化学工業株式会社製:シムラーファストイエロー4GO)のプレスケーキ218.7部(固形分80.8部)を反応容器に仕込んだ。水を加えて容器内の質量を8100部に調整し分散後、90%酢酸35.8部を加えた後、この溶液の温度を40℃、pHを5.0に調整した。カップリングのため、カップラー成分の添加調整によりpHを8.0にあわせながら、同時にジアゾ成分を一定速度で加えた。カップリング中温度が40℃、またpH8.0を維持するよう適時氷または5%水酸化ナトリウム水溶液を添加しながら、カップリングを約3時間で終了した。未反応のジアゾ成分が反応溶液中に含まれていないことを確認後、90℃に加熱し1時間保持した。次いで、濾過、水洗を行い、含水状態の粗製ベンズイミダゾロン系アゾ顔料を得た。
攪拌装置付きの加圧可能な反応容器に、上記の含水状態の粗製ベンズイミダゾロン系アゾ顔料101.3部(固形分換算20部)を仕込んだ。水を加えて容器内の質量を600部に調整後、攪拌下に約2時間かけて常温から140℃まで昇温し、5時間保持後、室温まで冷却して内容物を取り出した。この内容物を濾過洗浄後、90℃で12時間以上乾燥を行った。乾燥後の固形物をジューサーミキサーで粉砕し、黄色顔料組成物を得た。
こうして得られた黄色顔料組成物は、質量基準でC.I.ピグメントイエロー180の100部当たり、C.I.ピグメントイエロー151を10部含有していた。
(Y−154存在下でのY−180の製造)
C.I.ピグメントイエロー151の代わりに、C.I.ピグメントイエロー154(大日本インキ化学工業株式会社製:シムラーファストイエロー4192)のプレスケーキ169.8部(固形分換算80.8部)を使用した以外は実施例1と同様にして、黄色顔料組成物を得た。
こうして得られた黄色顔料組成物は、質量基準でC.I.ピグメントイエロー180の100部当たり、C.I.ピグメントイエロー154を10部含有していた。
〔比較例1〕(Y−180のみの製造)
1,2−ビス(2−アミノフェノキシ)−エタン271.9部を、水2700部に攪拌分散しながら、35%塩酸645.9部を加えた。1時間攪拌後、氷を加えて温度を0〜5℃に調整し、40%亜硝酸ソーダ水溶液404.2gを加え、ジアゾ化反応を行った。1時間以上攪拌後、過剰の亜硝酸塩を除去するため118.1部の10%スルファミン酸水溶液を加えて30分以上攪拌し、さらに27部の活性炭を加え30分以上攪拌し、ビスジアゾニウム塩溶液の調製を行った。
一方、5−アセトアセチルアミノ−ベンズイミダゾロン539.2部を水4000部に分散後、25%水酸化ナトリウム水溶液712.9部を加えて溶解させ、カップラー成分を得た。ジアゾ成分およびカップラー成分は、水および氷を加えてそれぞれ液量を8100部および5400部に調製した。
90%酢酸35.8部を水8100部に加えた後、この溶液の温度を40℃、pHを5.0に調整した。カップリングのため、カップラー成分の添加調整によりpHを8.0にあわせながら、同時にジアゾ成分を一定速度で加えた。カップリング中温度が40℃、またpH8.0を維持するよう適時氷または5%水酸化ナトリウム水溶液を添加しながら、カップリングを約3時間で終了した。未反応のジアゾ成分が反応溶液中に含まれていないことを確認後、90℃に加熱し1時間保持した。次いで、濾過、水洗を行い、含水状態の粗製ベンズイミダゾロン系アゾ顔料を得た。
攪拌装置付きの加圧可能な反応容器に、上記の含水状態の粗製ベンズイミダゾロン系アゾ顔料の131.1部(固形分換算20部)を仕込んだ。水を加えて容器内の質量を600部に調整後、攪拌下に約2時間かけて常温から140℃まで昇温し、5時間保持後、室温まで冷却して内容物を取り出した。この内容物を濾過洗浄後、90℃で12時間以上乾燥を行った。乾燥後の固形物をジューサーミキサーで粉砕し、ベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料を含まないC.I.ピグメントイエロー180を得た。この顔料は(特開2004−51696号公報)の比較例1で使用されているベンズイミダゾロン系アゾ顔料である。
(Y−180にY−154を外添)
比較例1と同様にして、ベンズイミダゾロン系アゾ顔料を得た。得られたベンズイミダゾロン系アゾ顔料50部とC.I.ピグメントイエロー154(大日本インキ化学工業株式会社製:シムラーファストイエロー4192)5部とをポリエチレン製袋に秤込み、十分に両者を混合し、黄色顔料組成物を得た。
こうして得られた黄色顔料組成物は、質量基準でC.I.ピグメントイエロー180の100部当たり、C.I.ピグメントイエロー154を10部含有していた。
実施例1で得られた黄色顔料組成物を用いて、以下の配合で250ml容器に秤込み、ペイントコンディショナーで120分間練肉して、ウレタン系グラビア印刷用インキを調製し、得られたインキにつき、経時粘度安定性と着色被膜の透明性について評価を行った。
トルエン 18.3部
メチルエチルケトン 10.1部
ウレタン樹脂系ワニス 19.8部
黄色顔料組成物 11.8部
スチールビーズ 180 部
これらの評価結果を表1に示す。
(経時粘度安定性)
調製直後のインキ粘度と、調製後室温、7日後のインキ粘度は、BM型粘度計を使用して20℃、回転数60r.p.m.にて測定した。直後粘度からの増粘の割合が小さいほど、経時粘度安定性に優れる。
(着色被膜の透明性)
作製したウレタン系グラビアインキをポリエチレンフィルム上にバーコータ(Webstar No.6)にて展色し、着色皮膜を測色計D186型(グレタグ社製)を用いて測色した。BフィルターでのDensity値を測定して透明性とした。Density値は大きいほど透明性が優れる。
実施例1の黄色顔料組成物に代えて実施例2の黄色顔料組成物の同量を用いる以外は、上記実施例4と同様にしてウレタン系グラビア印刷用インキを調製し、同様に評価を行った。
実施例1の黄色顔料組成物に代えて実施例3の黄色顔料組成物の同量を用いる以外は、上記実施例4と同様にしてウレタン系グラビア印刷用インキを調製し、同様に評価を行った。
〔比較例2〕
実施例1の黄色顔料組成物に代えて比較例1の黄色顔料の同量を用いる以外は、上記実施例4と同様にしてウレタン系グラビア印刷用インキを調製し、同様に評価を行った。
Figure 2009057509
表1の結果より、ベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料を含有する本発明の黄色顔料組成物から得られたグラビア印刷インキは、C.I.ピグメントイエロー180のみを顔料として含有する従来のグラビア印刷インキに比べて、増粘の割合が小さく経時粘度安定性に優れることがわかる。
また、顔料製造時にC.I.ピグメントイエロー180にベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料を含有させる場合、ベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料の中でも、C.I.ピグメントイエロー151に比べC.I.ピグメントイエロー154の方が、よりグラビア印刷インキの経時粘度安定性に優れることがわかる。
また、ベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料を含有する本発明の黄色顔料組成物から得られたグラビア印刷インキは、C.I.ピグメントイエロー180のみを顔料として含有する従来のグラビア印刷インキに比べて、透明性も優れる。

Claims (3)

  1. 質量基準でC.I.ピグメントイエロー180の100部当たり、ベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料1〜15部を含有してなる黄色顔料組成物。
  2. ベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料が、C.I.ピグメントイエロー154である請求項1記載の黄色顔料組成物。
  3. 請求項1または2記載の黄色顔料組成物とバインダー樹脂とを含有してなる印刷インキ。
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