<全体構成>
まず、図1を用いて、本実施例1に係るスロットマシン100の全体構成について説明する。なお、図1はスロットマシン100の外観斜視図を示したものである。
スロットマシン100は、略箱状の本体101と、この本体101の前面開口部に取り付けられた前面扉102とを有して構成されている。スロットマシン100の本体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄が所定コマ数だけ配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。本実施例1において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。なお、本実施例1では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
また、各々のリール110〜112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。なお、このバックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。
さらに、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間を、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110〜112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。告知ランプ123は、内部抽選において、特定の入賞役(例えば、BB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)等のボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ124は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。払出枚数表示器125は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技回数表示器126は、メダル投入時のエラー表示や、ビッグボーナス遊技中(BB遊技中)の遊技回数、所定の入賞役の入賞回数等を表示するための表示器である。貯留枚数表示器127は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。リールパネルランプ128は、演出用のランプである。
メダル投入ボタン130、131は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施例1においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入口134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130または131により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入することもできる。精算ボタン132は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル及びベットされたメダルを精算し、メダル払出口155よりメダル受皿156に排出するためのボタンである。メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。
スタートレバー135は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口134に所望する枚数のメダルを投入して、スタートレバー135を操作すると、これを契機としてリール110〜112が回転し、遊技が開始される。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112に対する停止操作を行うためのボタンであり、各リール110〜112に対応して設けられている。そして、いずれかのストップボタン137〜139を操作すると対応するいずれかのリール110〜112が停止することになる。
ドアキー140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出するための払出口である。メダル受皿156は、メダル払出口155から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿156は、本実施例1では発光可能な受皿を採用しており、以下受皿ランプと呼ぶこともある。
上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、受皿ランプ156は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。扉付き液晶表示装置600は、左扉610と、右扉620と、液晶表示装置(LCD)700を備えている(詳細は後述)。音孔160は、スロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。タイトルパネル162には、スロットマシン100を装飾するための図柄が描かれる。
<制御部>
次に、図2〜図4を用いて、このスロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部400と、副制御部400より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する演出ユニット制御部500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、図2を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するための監視周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。
タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
また、CPU310には、各ICを制御するための制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する各制御部においても同様である。
また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、CPU310は、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル受付センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算スイッチ324、メダル払い出しセンサ326の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル受付センサ320は、メダル投入口134の内部の通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバーセンサ321は、スタートレバー135に設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタンセンサ322は、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
メダル投入ボタンセンサ323は、メダル投入ボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM313に電子的に貯留されているメダルを遊技用のメダルとして投入する場合の投入操作を検出する。たとえば、CPU310は、メダル投入ボタン130に対応するメダル投入センサ323がHレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを1枚投入し、メダル投入ボタン131に対応するメダル投入センサ323がHレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを2枚投入し、メダル投入ボタン132に対応するメダル投入センサ323がハイレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを3枚投入する。なお、メダル投入ボタン132が押された際、貯留されているメダル枚数が2枚の場合は2枚投入され、1枚の場合は1枚投入される。
精算スイッチ324は、精算ボタン132に設けられている。精算スイッチ132が一回押されると、貯留されているメダルの精算が行われる。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
CPU310には、さらに、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。
入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、具体的には、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにハイレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのリールモータ駆動部330と、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル払出口から払出すための装置。図示せず。)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、遊技開始ランプ121、再遊技ランプ122、リールパネルランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124等)と、7セグメント表示器341(貯留枚数表示器125、表示器126、払出枚数表示器127等)が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基いて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。本発実施形態における乱数発生回路317は、水晶発振器311のクロック周波数を用いて0〜65535までの値をインクリメントするカウンタと、水晶発振器316のクロック周波数を用いて0〜16777215までの値をインクリメントするカウンタの2つの乱数カウンタを備えている。
また、CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。
<副制御部>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の副制御部400について説明する。副制御部400は、主制御部300より送信された制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
また、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール110乃至112の図柄を背面より照明するためのバックライト420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300から制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、CPU410は、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等を実行する。
また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。
CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、後述する出力インタフェース470、時計IC422、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472が接続されている。
CPU410は、時計IC422が接続されていることで、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、例えば、副制御部400に設定された所定情報を店の係員等が確認できるようになっている。
更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて演出ランプ430(上部ランプ、サイドランプ144、中央ランプ、腰部ランプ、下部ランプ、リールパネルランプ123、タイトルパネルランプ、受け皿ランプ、払出口ストロボなど)を制御する。なお、タイトルパネルランプは、タイトルパネル162を照明するランプであり、払出口ストロボは、メダル払出口142の内側に設置されたストロボタイプのランプである。
また、CPU410は、演出ユニット制御部500への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。逆に、CPU410は、図示しない入力インタフェースを介して演出ユニット制御部500からの信号を受信する。すなわち、CPU410は、デマルチプレクサ419と入力インタフェースを介して演出ユニット制御部500へ情報の送信を行う。
<演出ユニット制御部>
次に、図4を用いて、スロットマシン100の演出ユニット制御部500について説明する。演出ユニット制御部500は、演算処理装置であるCPU510や、各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
CPU510は、水晶発振器511から発振されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。このCPU510は、副制御部400のSubCPU410からの信号(制御コマンド)をデータバスを介して受信し、演出ユニット制御部500全体を制御する。
また、CPU510には、バスを介して、ROM512、RAM513、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)560が接続されている。ROM512には、演出ユニット制御部500全体を制御するための制御プログラムデータや演出用のデータが記憶されている。RAM513は、CPU510で処理されるプログラムのワークエリア等を有する。VDP560には、水晶発信器511が接続され、さらに、バスを介して、CG−ROM515、VRAM516が接続されている。詳細は後述するが、VDP560は、CPU510からの信号をもとに、ROM512やCG−ROM515に記憶された画像データを読み出し、VRAM516のワークエリアを使用して画像信号を生成し、LCD700の表示画面に画像を表示する。なお、LCD700には、CPU510によってLCD700の表示画面の輝度調整を可能とするため輝度調整信号が入力されている。
また、CPU510には、アドレスデコーダ540、データラッチ520およびモータドライバ(左扉)521を介して、モータ(左扉)8102が接続されていると共に、アドレスデコーダ540、データラッチ530およびモータドライバ(右扉)531を介して、モータ(右扉)8202が接続されている。詳細は後述するが、モータ(左扉)8102は、左扉610(図1参照)を水平方向に移動させるためのモータであり、モータ(右扉)8202は、右扉620(図1参照)を水平方向に移動させるためのモータである。モータドライバ(左扉)521は、CPU510からの信号をもとに、モータ(左扉)8102を駆動するICであり、モータドライバ531は、CPU510からの信号をもとに、モータ(右扉)8202を駆動するICである。
また、CPU510には、4つのシャッタセンサ550〜553(左扉1、左扉2、右扉1、右扉2)が接続されている。シャッタセンサ(左扉1)およびシャッタセンサ(左扉2)は、左扉610の開閉状態を検出するためのセンサであり、シャッタセンサ(右扉1)、シャッタセンサ(右扉2)は、右扉620の開閉状態を検出するためのセンサである。
<VDP>
図5は演出ユニット制御部500を構成する表示制御基板のブロック図であり、VDP560の内部構成を詳細に示した図である。VDP560は、CPUI/F562と、CGバスI/F564と、CPUI/F562を介して受信した命令を一時的に記憶するためのアトリビュートレジスタ566と、を備えている。なお、CPUI/F562は、バスB2に接続されたCPU510、ROM512、RAM513とデータの送受信を行うためのI/Fであり、CGバスI/F564は、バスB3に接続されたCG−ROM515とデータの送受信を行うためのI/Fである。
また、これらのCPUI/F562、CGバスI/F564、アトリビュートレジスタ566は、バスB4を介して描画制御部568、データ転送制御部570、表示制御部572に接続されている。描画制御部568は、アトリビュートレジスタ566に記憶された命令に従って、CG−ROM515やROM512から画像データを読み出して、所定の画像を生成した後、生成した画像をVRAMI/F574を介してVRAM516の所定領域に記憶する。データ転送制御部570は、アトリビュートレジスタ566とVRAM516の間の画像データの転送を制御する。表示制御部572は、描画制御部568が生成した画像を受信してDAC576に送信すると共に、LCD700にDAC576からの画像信号を所定のタイミングでサンプリングさせるための同期信号を出力する。DAC576は、表示制御部572から入力されたデジタル信号である画像データをアナログ信号のR(赤)信号、G(緑)信号、B(青)信号に変換してLCD700に出力する。
VRAM516には、2つの表示領域0および表示領域1と、その他の記憶領域が設けられている。表示領域0と表示領域1は、共にLCD700に表示させる画像の画像データを一時的に記憶するための記憶領域であるが、いずれか一方を描画領域に指定することができ、描画領域に指定されていない表示領域の画像データをLCD700に画像として表示させているときに、描画領域に指定された表示領域に画像データを展開(記憶)することが可能な構成となっている。このような構成により、表示領域0と表示領域1との間で描画領域の指定を切り替える(スワップする)ことによって、LCD700に表示させる画像を容易に切り替えることができる。また、その他の記憶領域には、画像の色情報を記憶するカラーパレット記憶領域や、使用頻度の高い画像データの情報などが記憶される。なお、本実施例ではVDP560とVRAM516を別体としたが、VRAM516をVDP560に内蔵してもよい。
<ROM、CG−ROM>
図6はROM512とCG−ROM515に予め記憶するデータを模式的に示した図である。
ROM512には、CPU510によって順次読み出されて実行される制御プログラムデータを記憶するプログラム領域PAの他に、キャラクタ用の情報を記憶するキャラクタ用情報格納領域CAと、後述する制御データテーブルA(扉移動データA)を記憶する扉移動データ格納領域TAが設けられている。キャラクタ用情報格納領域CAには、LCD700にキャラクタを表示するために必要な情報(アトリビュートデータ)、例えば、描画順序、色数、拡大・縮小率、パレット番号、座標などが記憶される。
CG−ROM515には、キャラクタ画像カラーパレットデータと、キャラクタ画像データが記憶されている。キャラクタ画像カラーパレットデータの構成は、上述の画像カラーパレットデータと概ね同一であるが、画像カラーパレットデータが1種類の256色のパレットデータで構成されているのに対して、キャラクタ画像カラーパレットデータは、複数種類のキャラクタ画像に合わせて複数種類のパレットデータで構成されている上に、256色のパレットデータの他に、16色と64色のパレットデータを備えている。また、キャラクタ画像データの構成は、上述の画像データと概ね同一であるが、256色のパレットデータを用いたキャラクタ画像データは、各々のドットに対応して8ビットのパレット番号が記憶されており、64色のパレットデータを用いたキャラクタ画像データは、各々のドットに対応して6ビットのパレット番号が記憶されており、16色のパレットデータを用いたキャラクタ画像データは、各々のドットに対応して4ビットのパレット番号が記憶されている。なお、画像データの記憶方法はこれに限定されるものではなく、例えば、ランレングス法など、従来公知の画像圧縮方法を適用することができる。
<扉付液晶表示装置>
次に、扉付き液晶表示装置について説明する。図7(a)は、扉付き液晶表示装置600を抜き出して描いた正面図である。同図に示すように、扉付き液晶表示装置600は、左扉610と、右扉620と、LCD700とを有する。左扉610及び右扉620は、LCD700の手前において開閉自在に設けられており、その閉鎖時にLCD700の表示画面を遊技者から遮蔽する一対の扉体を構成している。
本実施例では、左扉610と右扉620を、それぞれ独立に移動させることが可能である。左扉610と右扉620のそれぞれの全開位置は、図7(b)に示す通りであり、全閉位置は、図7(c)に示す通りである。
次に、扉付き液晶表示装置600の詳細構造について説明する。図8は、扉付き液晶表示装置600の分解図であり、詳細構造は以下の通りである。
すなわち、扉付き液晶表示装置600は、横長の外形を有しその中心にLCD700を組み込むための矩形の貫通孔が形成された本体フレーム630と、一対の扉(左扉610、右扉620)と、本体フレーム630の前面に取り付けられ、一対の扉を横方向にスライド可能に案内する2つのガイドレール(上部ガイドレール640、下部ガイドレール650)と、これら2つの扉610、620や上下のガイドレール640、650を覆う透明フロントカバー660と、本体フレーム630の背面に取り付けられるLCD700と、2つの扉610、620を移動させるため、これらにそれぞれ対応して設けられた2つの駆動ユニット810、820と、を備える。本実施例において、本体フレーム630と上下のガイドレール640、650は金属で形成され、左右の扉610、620と透明フロントカバー660はプラスチックで形成されている。以上の構成部品は、この組み立て品に、図9に示すような、中継基板670と、プラスチック製の透明のリヤカバー680を装着し、扉付き液晶表示装置が完成する。
続いて、図10を用いて、左扉610と右扉620について詳細に説明する。本実施例では、左扉610と右扉620は構造が全く同一である。よって、ここでは、左扉610(以下、ここでは単に扉と呼ぶ)を中心に説明する。
同図に示すように、扉610は、扉枠6101と、装飾部材6102とをその構成部品に含む。本実施例では、装飾部材6102として、障子を模した構造の部材を採用しており、この障子型の装飾部材は、格子状の桟6102aと、この格子状の桟6102aの上に貼り付けられる半透明シート6102bを有する。格子状の桟6102aは、扉枠6101に嵌め込み可能である。格子状の桟6102aを扉枠6101に嵌め込んだのち、周縁に接着材を塗られた半透明シート6102bを裏から貼付することで、装飾部材6102と扉枠6101が一体化される。
一方、扉枠6101の上部には、一定の長さのラック歯6101aが形成されている。このラック歯6101aは駆動ユニット810からの駆動力を受ける部分を構成している。ラック歯6101の長さは、少なくとも、扉が完全に閉まる全閉位置と、扉が完全に開いて液晶画面の全面が視認できる全開位置との間で扉を移動させることのできる長さに設定されている。
また、扉枠6101には、上部ガイドレール640に対する扉枠6101の摩擦を軽減するための4つのローラー6103a〜6103dと、下部ガイドレール650に対する扉枠6101の摩擦を軽減するための4つのローラー6104a〜6104dが配設されている。これらのローラは、硬質のプラスチックで形成されている。
以上、左扉について説明したが、右扉についても全く同様な構造を有する。すなわち、同図に示すように、扉620は、扉枠6201と、装飾部材6202(格子状の桟6202a、半透明シート6202b)を有する。
また、扉620には、上部ガイドレール640に対する扉枠6201の摩擦を軽減するための4つのローラー6204a〜6204dと、下部ガイドレール650に対する扉枠6201の摩擦を軽減するための4つのローラー6203a〜6203dが配設されている。これらのローラについてもは、硬質のプラスチックで形成されている。また、扉枠6201の下部には、図面上では位置的に隠れているが、ラック歯6101aと同じラック歯6201aが形成されている。
本実施例の場合、左扉610と右扉620とは全く同一構造を有し、図面において、左扉610と右扉620は互いに180度回転させた位置関係(表裏を変えずに上下が入れ替わるような位置関係)にあるため、左扉610のラック歯6201aは上側に位置し、右扉620のラック歯6201aは下側に位置することとなる。
換言すれば、本実施例では、右扉610と左扉620は、扉を閉めたときの中心(図7(c)の0点)について点対称となる位置に配置され、例えば、左扉610では、上側にラック歯が位置し、右扉620では、下側にラック歯が位置することとなる。
次に、図11を用いてモータユニット810及び820を説明する。本実施例では、左右のモータユニット810及び820は構造が全く同一である。よって、左扉610のモータユニット810を例にとって説明するが、本書において、モータユニット810の各構成に対応する構成(符号:81XX)について、対応するモータユニット820の各構成を説明する場合には、82XXとして示す。
同図(a)に示すように、モータユニット810は、支持フレーム8101と、支持フレーム8101に固定されるモータ8102、センサ8103、および、大ピニオン8104とを有する。支持フレーム8101は金属で形成され、大ピニオン8104はプラスチックで形成されている。モータ8102は、前述した通りパルスモータである。
センサ8103は、大ピニオン8104の回転位置を検知するもので、同図(b)に示すように、投光部と受光部から成る光学部分8103aと、検出信号を外に取り出すための信号線用のソケット8103bと、これらの部品を支持しつつこれらに電気的に接続した基板8103cと、から成る。このセンサ8103の検知結果により、開閉する左扉610の位置を検知することが可能となる。
モータ8102は、支持フレーム8101の一側(同図では上面側)に配置され、大ピニオン8104については、支持フレーム8101の他側(同図では下面側)に配置される。同図では、モータ8102に隠れて見えないが、モータ8102の回転軸には、小ピニオンが装着されている。
また、大ピニオン8104は、十字状のリブを有する円盤状の本体部と、その周縁に設けられた歯部と、を有し、本体部には、センサ8103で検知される被検知部(本実施例では2つの遮光片8104a、8104b)が設けられている。遮光片8104a、8104bは、大ピニオン8104の本体部に一体に形成されており、それぞれ左扉610の全開位置と全閉位置とに対応するように設けられている。
次に、支持フレーム8101には、大小2つの円形の貫通孔8101a、8101bが形成されている。そして、モータユニット810の組み立てにあたっては、まず、大きい方の貫通孔8101aにモータ8102の小ピニオンを挿入し、支持フレーム8101aの下側に小ピニオンを配置する。
この状態で、モータ8102の回転軸を2つの貫通孔の連通部分を通すようにしてモータ8102を斜め手前に移動させ、小さい方の貫通孔8101bの下にちょうど小ピニオンが位置したところで、該モータ8102を支持フレーム8101にねじ止めする。
一方、大ピニオン8104は、図面では位置的に見えない、支持フレーム8104の下側の軸受け部に回転可能に取り付ける。以上により、大ピニオン8104と、モータの小ピニオンが相互にかみ合い、モータ8102の駆動時において小ピニオンの回転力は大ピニオンにダイレクトに伝達されることとなる。
また、支持フレーム8101には、センサ8103用の貫通孔8101cが形成されており、この貫通孔8101cにセンサ8103の投光部と受光部を挿入して、該センサ8103を支持フレーム8101にねじ止めする。なお、この取り付け位置は大ピニオンの遮光片8104a、8104bがセンサ8103の投光部と受光部の間を丁度通過できるような位置にあらかじめ調整されている。
<主制御部メイン処理>
次に、図12を用いて、主制御部300のメイン処理について説明する。なお、同図は、主制御部300のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
スロットマシン100に電源が投入されると、まず、ステップS101において各種の初期化処理が実行され、その後、主制御部メイン処理のステップS102では、メダル投入に関する処理を行う。ここでは、メダルの投入の有無をチェックし、投入されたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合はメダルの投入が不要である。また、このステップS102では、遊技のスタート操作に関する処理を行う。ここでは、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定する。
ステップS103では、有効な入賞ライン114を確定する。
ステップS104では、乱数発生器317で発生させた乱数を取得する。
ステップS105では、ステップS104で取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選テーブルを用いて、入賞役の内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、その入賞役のフラグを内部的にONに設定する。なお、ステップS104で取得した乱数値は、入賞役内部抽選のほかにも、リール停止制御テーブルを選択するときの抽選等にも使用してもよい。
ステップS106では、ステップS105の内部抽選結果等に基づき、停止位置データ選択テーブルを参照し、いずれか一つのリール停止制御テーブルを選択する。
ステップS107では、リール回転開始処理により、全リール110〜112の回転を開始させる。
ステップS108では、リール停止制御処理により、押されたストップボタン137〜139に対応するリール110〜112の回転を停止させる。この際、各リール110〜112を、ステップS106で選択したリール停止制御テーブルに基づいて停止させる。
ステップS109では、ストップボタン137〜139が押されることによって停止した図柄の入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン上に、内部当選した入賞役またはフラグ持越し中の入賞役に対応する入賞図柄組合せが揃った(表示された)場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が揃っていたならばリプレイ入賞と判定する。また、入賞した入賞役に対応するフラグがリセットされる。
ステップS110では、メダル払出処理を行う。このメダル払出処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
ステップS111では、遊技状態制御処理を行う。この遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、BB入賞の場合に次回からBB遊技を開始できるよう準備し、それらの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるよう準備する。
以上により1遊技が終了し、以降、主制御部メイン処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。なお、図示は省略するが、主制御部300は、このメイン処理に加えて、タイマ割込みに基づいて定期的にタイマ割込み処理を実行し、このタイマ割込み処理において副制御部400に対してコマンドを送信するように構成されている。
<副制御部メイン処理>
次に、図13(a)を用いて、副制御部400のメイン処理について説明する。なお、同図は、副制御部400のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS201では、変数の初期化など、各種の初期設定を行う。
ステップS202では、コマンド入力処理を行う。詳細は後述するが、コマンド入力処理では、主制御部300から受信したコマンドに応じて各種の処理を行う。
ステップS203では、デバイスドライバへの出力要求があるか否かを判定し、出力要求がある場合にはステップS204に進んで出力要求のあるデバイスドライバにデータを設定し、出力要求が無い場合にはステップS205に進む。
ステップS205では、演出ユニット制御部500に対するコマンドの送信要求があるか否かを判定し、送信要求がある場合にはステップS206に進んで送信要求のあるコマンドを演出ユニット制御部500に送信し、送信要求が無い場合にはステップS202に戻る。
<副制御部のストローブ処理>
次に、図13(b)を用いて、副制御部400のストローブ処理について説明する。なお、同図は、副制御部400のストローブ処理の流れを示すフローチャートである。
副制御部400は、主制御部300から入力されるストローブ信号の変化を検出した場合に、このストローブ処理を行う。ストローブ処理のステップS301では、主制御部300から受信したコマンドを、未処理コマンドとしてRAM413の所定記憶領域に記憶した後、処理を終了する。
<コマンド入力処理>
次に、図13(c)を用いて、上述の副制御部メイン処理におけるコマンド入力処理(ステップS202)について説明する。なお、同図は、コマンド入力処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS401では、上述のRAM413の所定記憶領域の内容を確認し、主制御部300から受信したコマンドの中に未処理のコマンドがあるか否かを判定する。そして、未処理のコマンドがある場合にはステップS402に進み、未処理のコマンドが無い場合には処理を終了する。ステップS402では、主制御部300から受信したコマンドに応じて、各種の処理を行う。
<副制御部タイマ割込み処理>
次に、図13(d)を用いて、副制御部400のタイマ割込み処理について説明する。なお、同図は、副制御部400のタイマ割込み処理の流れを示すフローチャートである。
副制御部400は、タイマ回路415が出力するタイマ割込み要求信号に基づいて、このタイマ割込処理を定期的に実行する。
ステップS501では、遊技状態などに応じて演出データを更新し、ステップS502では、デバイスを制御して音声やランプの制御を行って処理を終了する。
<演出ボタン割込処理>
次に、図13(e)を用いて、副制御部400の演出ボタン割込処理について説明する。なお、同図は、副制御部400の演出ボタン割込処理の流れを示すフローチャートである。
副制御部400は、演出ボタン(図示省略)の操作があったことを検知した場合に、この演出ボタン割込処理を実行し、ステップS601において検知カウンタを1つ加算する。
<演出ユニット制御部メイン処理>
次に、図14(a)を用いて、演出ユニット制御部500のメイン処理について説明する。なお、同図は、演出ユニット制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS701では、変数の初期化など、各種の初期設定を行う。
ステップS702では、VSYNC待ち処理を行う(詳細は後述)。
ステップS703では、上述のVRAM516の表示領域0と表示領域1をスワップする。すなわち、表示領域0が描画領域に指定されていた場合には表示領域1を描画領域に指定し、表示領域1が描画領域に指定されていた場合には表示領域0を描画領域に指定する。
ステップS704では、コマンド設定処理を行い、ステップS705では、VDP制御処理を行う(各処理の詳細は後述する)。
<VSYNC割り込み処理>
次に、図14(b)を用いて、演出ユニット制御部500のVSYNC割り込み処理について説明する。なお、同図は、VSYNC割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
演出ユニット制御部500は、VDP560からVSYNC信号(垂直同期信号)が入力されたことを検知するたびに(本実施例では、1秒間に60回(約16.66msに1回))、このVSYNC割り込み処理を実行する。VSYNC割り込み処理のステップS801では、VSYNC信号カウンタを1つ加算して処理を終了する。
<VSYNC待ち処理>
次に、図14(c)を用いて、上述の演出ユニット制御部メイン処理におけるVSYNC待ち処理(ステップS702)について説明する。なお、同図は、VSYNC待ち処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS901では、処理待ちフラグをオンに設定し、ステップS902では、上述のVSYNC割り込み処理で加算されるVSYNC信号カウンタが2になったか否かを判定する。そして、VSYNC信号カウンタが2になった場合(前回の画像表示切替から約33ms(=16.66ms×2)が経過した場合)にはステップS903に進み、VSYNC信号カウンタが2になっていない場合にはステップS902の判断を繰り返し実行してVSYNC信号カウンタが2になるのを待つ。なお、本実施例では、VSYNC信号が2回入力するのを待って後続の処理を行うように構成しているが、本発明はこれに限定されず、VSYNC信号が1回入力するのを待って(前回の画像表示切替から約16.66msが経過するのを待って)後続の処理を行ってもよく、また、後述する他の実施例のように、VSYNC信号が2回以上入力するのを待って(前回の画像表示切替から約33ms以上(例えば約49.98ms(=16.66ms×3))が経過するのを待って)後続の処理を行ってもよい。
ステップS903では、上述の処理フラグをオフに設定し、ステップS904では、VSYNC信号カウンタをクリア(初期化)する。
<演出ユニット制御部のストローブ処理>
次に、図14(d)を用いて、演出ユニット制御部500のストローブ処理について説明する。なお、同図は、演出ユニット制御部500のストローブ処理の流れを示すフローチャートである。
演出ユニット制御部500は、副制御部400から入力されるストローブ信号の変化を検出した場合に、このストローブ処理を行う。ストローブ処理のステップS1001では、副制御部400から受信したコマンドを、未処理コマンドとしてRAM513の所定記憶領域に記憶した後、処理を終了する。
<コマンド設定処理>
次に、図15(a)を用いて、上述の演出ユニット制御部メイン処理におけるコマンド設定処理(ステップS704)について説明する。なお、同図は、コマンド設定処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1101では、副制御部400からモータ制御コマンドを既に受信しているか否かを示すモータコマンド受信フラグがオンかオフかを判定し、モータコマンド受信フラグがオンの場合にはステップS1102に進み、モータコマンド受信フラグがオフの場合にはステップS1104に進む。
ステップS1102では、モータ制御コマンドをRAM513の所定領域に格納し、ステップS1103では、モータコマンド受信フラグをオフに設定する。
ステップS1104では、副制御部400から画像表示制御コマンドを受信したか否かを判定し、画像表示制御コマンドを受信した場合にはステップS1105に進み、画像表示制御コマンドを受信していない場合にはステップS1106に進む。
ステップS1105では、副制御部400から画像表示制御コマンドとともに送信されるシーン情報を取得し、LCD700に表示するシーンを設定する。
ステップS1106では、副制御部400からモータ制御コマンドを受信したか否かを判定し、モータ制御コマンドを受信した場合にはステップS1107に進み、モータ制御コマンドを受信していない場合には処理を終了する。
ステップS1107では、モータコマンド受信フラグをオンに設定する。
<VDP制御処理>
次に、図15(b)を用いて、上述の演出ユニット制御部メイン処理におけるVDP制御処理(ステップS705)について説明する。なお、同図は、VDP制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1201では、CG−ROM515に記憶したキャラクタ画像データなどを、VRAM516に転送する指示を行う。具体的には、CPU510は、VDP560のアトリビュートレジスタ566に、画像データを特定するための情報(例えば、転送元のCG−ROM515のアドレス情報、転送先のVRAM516のアドレス情報、画像データのサイズなど)を設定する。VDP560は、アトリビュートレジスタ566に設定された命令に従って、画像データなどをVRAM516の表示領域に転送した後、転送終了割込信号をCPU510に対して出力する。
ステップS1202では、VDP560からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判断し、転送終了割込信号が入力された場合にはステップS1203に進み、そうでない場合には転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
ステップS1203では、アトリビュート指示を行う。このアトリビュート指示では、CPU510は、VRAM516に転送した画像データや画像パレットデータに基づいて画像を生成するための情報(例えば、VRAM516の座標軸、画像データのサイズなど)をVDP560のアトリビュートレジスタ566に設定する。
ステップS1204では、画像生成指示を行う。この画像生成指示では、CPU510は画像の生成開始を指示する命令をアトリビュートレジスタ566に設定する。VDP560は、上述のステップS1203においてアトリビュートレジスタ566に設定された情報に基づいて画像の生成を行った後、画像の生成が終了した場合にCPU510に対して生成終了割込信号を出力する。
ステップS1205では、VDP560からの生成終了割込信号が入力されたか否かを判断し、生成終了割込信号が入力された場合には処理を終了し、そうでない場合には生成終了割込信号が入力されるのを待つ。
<演出ユニット制御部タイマ割込み処理>
次に、図15(c)を用いて、演出制御部500のタイマ割込み処理について説明する。なお、同図は、演出ユニット制御部500のタイマ割込み処理の流れを示すフローチャートである。
演出ユニット制御部500は、図示しないタイマ回路が出力するタイマ割込み要求信号に基づいて、このタイマ割込処理を定期的に(本実施例では500μsに1回)実行する。
ステップS1301では、モータ制御コマンドがあるか否か(モータ制御コマンドがRAM513の所定領域に格納されているか否か)を判定し、モータ制御コマンドがある場合にはステップS1302に進み、モータ制御コマンドがない場合には処理を終了する。
ステップS1302では、右扉モータコマンドがあるか否か(右扉モータコマンドがRAM513の所定領域に格納されているか否か)を判定し、右扉モータコマンドがある場合にはステップS1303に進み、右扉モータコマンドがない場合にはステップS1304に進む。
ステップS1303では、上述の制御データテーブルAに記憶した駆動情報に基づいて、右扉620のモータ8202を駆動する。
ステップS1304では、左扉モータコマンドがあるか否か(左扉モータコマンドがRAM513の所定領域に格納されているか否か)を判定し、左扉モータコマンドがある場合にはステップS1305に進み、左扉モータコマンドがない場合には処理を終了する。
ステップS1305では、上述の制御データテーブルAに記憶した駆動情報に基づいて、左扉610のモータ8102を駆動する。
図16は演出画像表示処理の流れを示すフローチャートと、演出画像表示処理に伴ってCPU510とVDP560の間で送受信される情報を示した図である。なお、ステップS1201〜S1205の処理は、上述のVDP制御処理と同一であるため、説明は省略する。
CPU510は、VDP560において画像の生成が終了した後、ステップS1206においてVDP560からVSYNC割込信号が入力されたか否かを判断し、VSYNC割込信号が入力された場合には処理を終了して後続の処理を行い、そうでない場合にはVSYNC割込信号が入力されるのを待つ(上述のVSYNC待ち処理を参照)。
<制御テーブル>
図17は演出ユニット制御部500のROM512に記憶している制御テーブルであり、同図(a)は左扉610および右扉620を駆動するモータの制御に用いる制御データテーブルAの一例であり、同図(b)LCD700の描画制御に用いる制御データテーブルBの一例である。
制御データテーブルAには、制御番号と、処理順と、左扉610を駆動するモータ8102の駆動情報である目標座標および移動時間と、右扉620を駆動するモータ8202の駆動情報である目標座標および移動時間と、が対応付けされて記憶されている。また、制御データテーブルBには、制御データテーブルAと同じ制御番号と、描画命令(LCD700に表示する画像の表示内容)と、が対応付けされて記憶されている。すなわち、制御データテーブルAと制御データテーブルBは同じ制御番号の情報を有しており、これにより、モータ8102、8202の駆動情報(本実施例では、目標座標、移動時間)と、LCD700に表示する画像の表示内容が対応付けされている。なお、本発明に係る駆動情報は、この例に限定されるものではなく、例えば、モータの回転角や回転数などを駆動情報として予め記憶してもよい。
演出ユニット制御部500は、副制御部400から画像表示制御コマンドを受信し、上述のコマンド設定処理において描画制御を行う場合、画像表示制御コマンドとともに副制御部400から送信される制御番号を取得する。そして、制御データテーブルBを参照し、取得した制御番号に対応する描画命令に従ってVDP560の制御を行う。例えば、演出ユニット制御部500が画像表示制御コマンドとともに制御番号1を受信した場合、制御番号1に対応する最初の描画命令(この例では、シーン1(x1、y1、x2、y2)に背景表示)に従ってVDP560の制御を行い、LCD700の表示画面の所定位置に背景を表示する。
また、演出ユニット制御部500は、副制御部400から左扉モータコマンドを受信し、上述のタイマ割り込み処理において左扉610用のモータ8102の制御を行う場合、制御データテーブルAを参照し、取得した制御番号に対応する左扉610の目標座標および移動時間に従ってモータ8102の制御を行う。例えば、演出ユニット制御部500が画像表示制御コマンドとともに制御番号1の情報を受信した場合、制御データテーブルAの制御番号1に対応する目標座標202pおよび移動時間1000msに従ってモータ8102の制御を行い、左扉610を1000ms後に目標座標202pの位置まで移動する。なお、右扉620の場合も同様にしてモータ8202の制御を行う。
<画像表示およびモータ駆動のタイミング>
次に、図18および図19を用いて、LCD700による画像の表示タイミングと、左扉610および右扉620のモータ8102、8202の駆動タイミングについて説明する。
図18の時間T=0sの状態において、VRAM516の表示領域0にシーン1の画像データが格納され、VRAM516の表示領域1に前回の遊技のシーンの画像データが格納されており、表示領域0および表示領域1の2つの表示領域のうち、表示領域0が描画領域に指定されていると仮定する。この場合、表示領域0が描画領域に指定されているため、描画領域に指定されていない表示領域1に格納されている画像データ、すなわち、前回の遊技のシーンの画像データがLCD700に表示されていることになる。
次に、演出ユニット制御部500は、上述のVSYNC待ち処理においてVSYNC信号カウンタが2になった場合(時間T=2/60s)に、上述の演出ユニット制御部メイン処理のステップS703において、表示領域0および表示領域1の2つの表示領域のうち、表示領域1を描画領域に指定する(表示領域0と表示領域1をスワップする)。これにより、描画領域に指定されていない表示領域0に格納されている画像データ、すなわち、シーン1の画像データがLCD700に表示される。また、演出ユニット制御部500は、副制御部400からモータ制御コマンドを受信していた場合には、上述のコマンド設定処理においてモータ制御コマンドを格納した後、上述のタイマ割り込み処理において、左扉610の制御が必要であれば制御データテーブルBの駆動情報に基づいて左扉610のモータ8102を駆動し、右扉620の制御が必要であれば制御データテーブルBの駆動情報に基づいて右扉610のモータ8202を駆動する。これにより、LCD700によるシーン1の画像の表示タイミングと、左扉610および右扉620のモータ8102、8202の駆動タイミングを同期させる。
また、演出制御部500は、副制御部400から画像表示制御コマンドを受信していた場合には、上述のコマンド設定処理において、次にLCD700に表示するシーンを設定する(この例では、シーン1の次にLCD700に表示するシーンとしてシーン2を設定する)。さらに、演出制御部500は、上述のVDP制御処理において制御データテーブルAを参照し、次に表示するシーン(この例ではシーン2)の画像データを、描画領域に指定されている表示領域1に展開(格納)する。
次に、演出ユニット制御部500は、上述のVSYNC待ち処理においてVSYNC信号カウンタが再び2になった場合(時間T=4/60s)には、上述の演出ユニット制御部メイン処理のステップS703において、表示領域0および表示領域1の2つの表示領域のうち、表示領域0を描画領域に指定する(表示領域0と表示領域1をスワップする)。これにより、描画領域に指定されていない表示領域1に格納されている画像データ、すなわち、シーン2の画像データがLCD700に表示される。
以降、演出ユニット制御部500は他のシーンについても同様の同期制御を行い、LCD700による各シーンの画像の表示タイミングと、左扉610および右扉620のモータ8102、8202の駆動タイミングを同期させながら、演出の制御を行う。
以上説明したように、本実施例に係るスロットマシン100は、画像展開処理の制御を行う画像展開制御手段(本実施例では、主としてVDP制御処理が該当)と、画像展開制御手段が展開した画像を表示する画像表示装置(本字実施例ではLCD)700と、画像表示装置700の前面又は周囲を移動可能な可動部材(本実施例では、左扉および右扉)610、620と、可動部材610、620を移動させる駆動手段(本実施例では、モータ)8102、8202と、駆動手段8102、8202の駆動情報(本実施例では、制御データテーブルBの駆動情報)を画像の表示内容に対応付けして記憶する記憶手段(本実施例ではROM)512と、画像の表示と可動部材の移動を同期させるように、画像展開制御手段及び記駆動手段の少なくとも一方に対して所定の制御を行う同期制御手段と、を備えることを特徴とする、遊技台である。
本実施例に係るスロットマシン100によれば、同期制御手段によって画像の表示および可動部材の移動の一方のタイミングを他方のタイミングに合わせることが可能となるため、画像の表示と可動物の動きを同期させることができる。
また、同期制御手段は、画像展開制御手段によって画像表示装置700に画像を表示させる表示タイミングと、駆動手段8102、8202によって可動部材610、620を移動させる駆動タイミングの少なくとも一方を制御して画像の表示と可動部材の移動を同期させれば、同期制御手段によって画像の表示開始および可動部材の移動開始の一方のタイミングを他方のタイミングに合わせることが可能となるため、画像の表示と可動物の動きを同期させることができる場合がある。
また、同期制御手段は、画像展開制御手段によって画像表示装置700に画像を表示させるのに必要な処理時間(画像の表示開始から表示終了までの時間)、および駆動手段8102、8202によって可動部材610、620を移動させるのに必要な処理時間(本実施例では、制御データテーブルAの移動時間)のうち、処理時間が短い方の時間を処理時間の長い方の時間に合わせるように画像展開制御手段及び駆動手段の少なくとも一方を制御して画像の表示と可動部材の移動を同期させれば、処理時間の違いによって画像の表示と可動物の動きがずれてしまうようなことがなく、画像の表示と可動物の動きを同期させることができる場合がある。
また、画像展開制御手段は、演出に用いる画像データを記憶した画像データ記憶手段(本実施例ではCG−ROM)515と、画像データ記憶手段515に記憶された画像データを展開するための展開メモリ手段(本実施例ではVRAM)516と、画像表示装置700に表示させる画像の表示を制御プログラムデータに基づいて制御する表示制御手段(本実施例ではCPU)510と、表示制御手段510の指示に従って、画像データ記憶手段515に記憶した画像データを展開メモリ手段516に展開する展開手段(本実施例ではVDP)560と、を有し、同期制御手段は、表示制御手段510によって、展開メモリ手段516に展開した画像データを画像表示装置700に画像として表示させた後に、駆動手段8102、8202によって、画像表示装置700に表示させた画像の表示内容に対応付けして記憶している駆動情報に基づいて可動部材610、620を移動させるようにすれば、画像を描画してから画像が表示されるタイミングで可動部材を移動させることができるため、画像の表示と可動物の動きを同期させることができる場合がある。
また、展開手段が一定周期毎に出力する定期信号(本実施例ではVSYNC信号)を受信する定期信号受信手段をさらに備え、同期制御手段は、定期信号受信手段が定期信号を受信した場合に、表示制御手段によって、展開メモリ手段に展開した画像データを画像表示装置に画像として表示させれば、画像を描画してから画像が表示されるタイミングで可動部材を移動させることができるため、画像の表示と可動物の動きを同期させることができる場合がある。
また、展開手段における画像の展開の終了を報知する展開終了信号(本実施例では生成終了割込信号)を受信する展開終了信号受信手段をさらに備え、同期制御手段は、展開終了信号受信手段が展開終了信号を受信した後に定期信号受信手段が定期信号を受信した場合に、表示制御手段によって、展開メモリ手段に展開した画像データを画像表示装置に画像として表示させれば、画像の展開に時間を要した場合でも画像を描画してから画像が表示されるタイミングで可動部材を移動させることができるため、画像の表示と可動物の動きを同期させることができる場合がある。
また、展開メモリ手段516は、第1の表示領域と第2の表示領域とを有し、展開手段は、第1の表示領域に記憶した第1の画像データを画像表示装置に画像として表示させているときに第2の表示領域に第2の画像データを展開し、第2の表示領域に記憶した第2の画像データを画像表示装置に画像として表示させているときに第1の表示領域に第3の画像データを展開すれば、画像の表示中に、他の画像を描画することができ、複数の画像を迅速に切り替えることができる場合がある。