以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。本発明の複数の実施形態それぞれにおいては、本発明を遊技台の一例であるスロットマシンに適用した場合について説明している。
(第1実施形態)
<全体構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。
図1に示すように、スロットマシン100の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄(「7」、「Bar」、「ベル」、「スイカ」等:図示省略)を配列した円筒状のリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、本体201の内部で回転できるように構成されている。本体201の両サイドには、取手部201cが設けられ、スロットマシン100の運搬の際に利用される。
前面扉101には、リール表示窓113が設けられており、リール110乃至112を正面から眺めると、これに施された絵柄がリール表示窓113から縦方向に3つ見えるようになっている。つまり、全リール110乃至112が停止した場合、遊技者は、3×3の合計9個の絵柄を見ることができる。これらのリール110乃至112が回転し、停止することにより、様々な絵柄の組み合せが表示されることになる。なお、本実施形態および他の実施形態では、3個のリールを備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各リール110乃至112の裏側には、リール表示窓113上に表示される個々の絵柄を照らすためのバックライト(図示せず)が配置されている。バックライトは、例えば、7色(赤、緑、青紫の三原色と、白色等をはじめとするこれらの混合色)の光を発することが可能であり、各原色に対応したLED等を含んで構成される。
入賞ライン表示ランプ120は、遊技毎に有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ライン114は、スロットマシン100に投入された遊技媒体(本実施形態ではメダルを想定する)の枚数によって変化する。例えば、図1に示すように、5本の入賞ライン114を有する場合、メダルを1枚投入したときは中段の水平入賞ライン、2枚投入したときは、上段の水平入賞ラインおよび下段の水平入賞ラインを加えた3つの入賞ライン、3枚投入したときは、さらに2本の斜めの入賞ラインを加えた5つの入賞ラインが有効となり、有効な入賞ライン114上に揃った絵柄の組み合せにより入賞が判断されることとなる。勿論、入賞ラインの数は5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110乃至112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、入賞役である再遊技に入賞したとき(例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイの再遊技絵柄の組み合せが入賞ライン114上に揃ったとき)、遊技者へ次の遊技が再遊技であることを知らせるランプである。再遊技の場合、次遊技において遊技媒体であるメダルの投入が免除される。告知ランプ123は、特別な入賞役(例えば、ビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB))に内部当選した状態にあることを遊技者に報知するランプである。
メダル投入ランプ124は、遊技開始にあたって遊技者にメダルの投入が必要であることを報知するランプである。メダル投入枚数表示ランプ125は、遊技者が投入したメダル枚数を表示するランプである。本実施形態では、1回の遊技に最大3枚までメダルを投入できるように構成されているため、メダル投入枚数表示ランプ125として、3つの表示ランプが縦に並んで配置されており、メダルが1枚投入される毎に例えば下側から順次点灯されるようになっている。無論、ランプで表示する他に7セグメント表示器等で直接メダル投入枚数を表示してもよい。
払出枚数表示器126は、メダルの払い出しのある何らかの入賞役に入賞したとき、遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する表示器である。遊技回数表示器127は、ビッグボーナスゲーム中の通常ゲームの回数等を表示する表示器である。貯留枚数表示器128は、電子的に貯留(クレジット)しているメダルの枚数を表示する表示器である。
メダル投入ボタン131および132は、貯留されたメダルをスロットマシン100へ電子的に投入するための投入ボタンであり、いわゆるベットボタンと呼ばれているものである。本実施形態では、最大メダル投入ボタン131(いわゆるマックスベットボタン)と、1回押下するごとに1枚のメダルを投入する1枚メダル投入ボタン132(いわゆるワンベットボタン)とを有し、これらのボタンのいずれかを押下することにより、遊技に必要な1〜3枚のメダルがスロットマシン100へ電子的に投入される。2枚のメダルを投入する場合は、1枚メダル投入ボタン132を2回押下することとなる。投入されたメダル枚数分は、現在の貯留枚数から減算されて残枚数が貯留枚数表示器128に表示される。
メダル投入口ブロック133は、遊技を開始するに当たって遊技者が直接メダルを投入するための開口を有している。メダルを直接投入した際に、メダル投入口直下にあるメダルセレクター(図示せず)内にメダルが詰まってしまった場合には、メダルキャンセルスイッチ134aを操作することにより、メダルの詰まりを解消させることができる。スタートレバー135は、遊技の開始操作として、リール110乃至112の回転を開始させるレバー型のスイッチである。
ストップボタンユニット136には、3つのストップボタン(左・中・右)が設けられている。各ストップボタンは、押下することによって対応するリール110乃至112を停止させるボタン型のスイッチである。各ストップボタンの内部にはランプ(図示せず)が設けられており、スタートレバー135が操作された後、リール110乃至112の停止操作が可能な状態になった際に、全ランプが点灯し、遊技者に停止操作が可能になったことを報知する。各ストップボタンのランプは、各ストップボタンが押下される毎に消灯する。無論、停止操作可能な状態とその他の状態とでランプの発光色を変化させるように構成することもできる。
精算ボタン138は、遊技者が獲得したメダルを精算して排出する精算処理を行う場合に押下されるボタンである。なお、精算ボタン138は、遊技者がメダル投入口ブロック133から投入したメダルのうち所定枚数(例えば3枚)以上のメダルまたは入賞により獲得したメダルを最大50枚まで貯留するか否かを切換える場合にも使用され、例えば、一回精算ボタン押下されて精算処理が行われると、非貯留モードが設定され、もう一度精算ボタン押下されると、貯留モードが設定される。ここに、メダルの貯留とは、メダルを直接払い出さずに、電子的にその枚数を後述する制御部に一時記憶しておくことを意味する。
キー孔139は、扉開閉用のキーを差し込む孔で、キーを差し込んで時計方向に回すとロックが解除され、スロットマシン100の前面扉101を開けることができる。タイトルパネル140は、そのスロットマシンの機種名や各種のデザインが描かれるパネルである。メダル排出口165は、メダルを排出するための開口であり、入賞時に払い出されるメダルはここから排出される。排出されたメダルは、受皿160に溜まるようになっている。受皿160は、本実施形態では発光可能な受皿を採用しており、以下、受皿ランプ160と呼ぶこともある。
上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、及び下部ランプ154は、遊技を盛り上げるための演出用のランプであり、遊技状態に応じて点灯/消灯/点滅する。また、受皿160には、着脱可能に構成した灰皿ユニット170が設けられている。
上部ランプ150の近傍の左右にスピーカの音孔(図示せず)を設けている。また、ストップボタンユニット136の直下に背面スピーカからの効果音を出力するための音孔が設けられている。この背面スピーカの音孔には、装飾が施されたスピーカカバー173が装着され、スピーカ音孔からカバー173を介して遊技の効果音が出力される。
そして、スロットマシン100は、本実施形態の特徴的な構成要素として、本体201におけるリール110〜112の中央部上方に、扉付き液晶表示装置600を備えている。扉付き液晶表示装置600の構成については、詳しくは後述するが、遊技に関する各種の情報を表示する液晶表示装置700(例えば、ゲームを盛り上げるためのキャラクター等を登場させたり、リーチ目等を表示させたり、スロットマシンの内部で異常が発生したときのエラーの内容を表示させたりする)と、液晶表示装置700の演出に合わせて、開閉可能な1対の扉610及び620(以下、左扉610、右扉620ともいう)を具備する構成となっている。
<制御部>
次に、図2乃至図4を参照してスロットマシン100の制御部の構成について説明する。本実施形態における制御部は、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、この主制御部300から送信された制御コマンド(以下、コマンドと略称)に応じて遊技を盛り上げるための演出に関する制御等を遂行する副制御部A400と、扉付き液晶表示装置600を制御する副制御部B500で構成されている。尚、制御部の構成は、これに限定されることはなく、例えば、主制御部300、副制御部A400及び副制御部B500を1つの制御部として構成することも可能である。
<主制御部>
まず、図2を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、この主制御部300全体を制御するための演算処理装置であるCPU310と、このCPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスとを備えており、その他、以下に述べる構成を有している。
水晶発振器311は、所定周波数(例えば、12MHz)のクロックを発振する装置である。
クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzである場合に、分周後のクロックは例えば6MHzとなる。CPU310は、クロック回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するための監視周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。
タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時問を決定、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310.のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
また、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部A400及び副制御部B500においても同様である。
また、CPU310には、外部の信号を受信するための入カインタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入カインタフェース360を介して、メダル受付センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算/貯留スイッチ324、メダル払い出しセンサ326の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル受付センサ320は、メダル投入口133の内部の通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバーセンサ321は、スタートレバー135に設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタンセンサ322は、ストップボタンユニット136の各々のストップボタン(左・中・右)に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
メダル投入ボタンセンサ323は、メダル投入ボタン131及び132のそれぞれに設置されており、RAM313に電子的に貯留されているメダルを遊技用のメダルとして投入する場合の投入操作を、例えば電気信号レベル変化(Hレベル/Lレベル)として検出する。例えば、CPU310は、メダル投入ボタン132に対応するメダル投入センサ323がHレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを1枚投入し、メダル投入ボタン131に対応するメダル投入センサ323がHレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを3枚投入する。
精算/貯留スイッチ324は、精算ボタン138に設けられている。精算ボタン138が一回押されると、貯留されているメダルを精算し、もう一回押されると、払い出されるメダルが電子的に貯留される貯留モードとなる。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検知するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
CPU310のアドレスバスには、入カインタフェース361、出カインタフェース370及び371がアドレスデコード回路350を介して接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。
入カインタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、具体的には、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールの回転を、例えば電気信号レベル変化(Hレベル/Lレベル)として検出する。例えば、各リールには遮光片が設けられており、各リールの回転に応じて遮光片がインデックスセンサ325を通過するたびに、インデックスセンサ325の出力はHレベルになる。CPU310は、このHレベルの出力信号を検出すると、各リールが1回転したものと判断し、各リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
出カインタフェース370には、各リールを回転駆動させるためのリールモータ駆動部330、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル排出口165から払出すための装置。図示せず)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ124等)、および7セグメント表示器341(払出枚数表示器126、遊技回数表示器127、貯留枚数表示器128等)がそれぞれ接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。本実施形態における乱数発生回路317は、2つの乱数カウンタを備えている。例えば、水晶発振器311のクロック周波数を用いて0〜65535までの値をインクリメントするカウンタと、水晶発振器316のクロック周波数を用いて0〜16777215までの値をインクリメントするカウンタとを備えている。
また、CPU310のデータバスには、副制御部A400にコマンドを送信するための出カインタフェース371が接続されている。主制御部300と副制御部400との情報通信は一方方向の通信であり、主制御部300は副制御部400へコマンドを送信するが、副制御部400から主制御部300へ何らかのコマンド等を送信することはできない。
<副制御部A400>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の副制御部A400について説明する。副制御部A400は、主制御部300より送信されたコマンド等に基づいて副制御部A400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備えており、以下に述べる構成を有している。
水晶発振器411は、所定周波数のクロックを発振する装置である。
クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU410には、副制御部A400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
さらに、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出カインタフェース460が接続されており、入出カインタフェース460には、各リール110乃至112の絵柄を背面より照明するためのバックライト420、前面扉101の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300からコマンドを受信するための入カインタフェース461が接続されており、入カインタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。
また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。
CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、このアドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入カインタフェース461、副制御部B500からの信号を入力するための入カインタフェース471、時計IC423、及び7セグメント表示器440への信号を出力するための出カインタフェース472がそれぞれ接続されている。
時計IC423が接続されていることにより、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部A400に設定された所定情報をホール係員等が確認できるようになっている。
さらに、出カインタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出カインタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。すなわち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ170、払出ロストロボ171、受皿ランプ160を制御する。
タイトルパネルランプ170は、タイトルパネル140を照明するランプであり、払出ロストロボ171は、メダル排出口165の内側に設置されたストロボタイプのランプである。
なお、CPU410は、デマルチプレクサ419を介して副制御B500へ信号を送信する。逆に、CPU410は、入カインタフェース471を介して副制御部B500から信号を受信する。すなわち、CPU410は、デマルチプレクサ419と入カインタフェース471を介して副制御B500と双方向通信を行う。
<副制御部B500>
次に、図4を用いて、スロットマシン100の副制御部B500について説明する。副制御部B500は、演算処理装置であるCPU510や、各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備えており、以下に述べる構成を有している。
水晶発振器511は、所定周波数のクロックを発振する装置である。
クロック補正回路514は、水晶発振器511から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU510に供給する回路である。
また、CPU510にはタイマ回路515がバスを介して接続されている。CPU510は、所定のタイミングでデータバスを介してROM512の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路515に送信する。タイマ回路515は、受信した分周用のデータを基に割り込み時問を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU510に送信する。CPU510は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
CPU510は、副制御部A400の出カインタフェース470およびデマルチプレクサ419を介して出力されてきたCPU410からの信号を、入カインタフェース520およびバスを介して受信し、副制御部B500全体を制御する。また、CPU510は、必要に応じて、出カインタフェース521を介して、副制御部A400に信号を送信する。
ROM512には、副制御部B500全体を制御するためのプログラムやデータが記憶されている。RAM513は、CPU510で処理されるプログラムのワークエリア等を有する。ROM512やRAM513は、バスを介してCPU510に接続されている。
CPU530には、バスを介して、ROM531、RAM532、およびVDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)534がそれぞれ接続されている。
一方、ROM531には、CPU530で処理されるプログラムが格納されている。RAM532は、CPU530で処理されるプログラムのワークエリア等を有している。VDP534には、水晶発信器533が接続され、さらに、バスを介して、ROM535およびRAM536が接続されている。
ROM535には、液晶表示装置700に表示するための画像データが複数種類格納されている。そして、CPU530は、CPU510からの信号をもとにROM535の画像データを読み出し、RAM536のワークエリアを使用して画像信号を生成し、D/Aコンバータ537を介して、液晶表示装置700の表示画面に画像を表示する。
モータ8102は、左扉610を移動させるためのモータであり、モータ8202は、右扉620を移動させるためのモータである。各モータはパルスモータである。
モータ電源制御回路540は、左扉610用のモータ8102への駆動電圧を設定するための回路であり、本実施形態では、+5Vと+12Vの電圧を選択的に供給可能である。モータドライバ542は、CPU510からの信号をもとに、左扉610用のモータ8102を駆動するICである。
また、モータ電源制御回路550は、右扉620用のモータ8202への駆動電圧を設定するための回路であり、モータ電源制御回路540と同様に+5Vと+12Vの電圧を選択的に供給可能である。モータドライバ552は、CPU510からの信号をもとに、右扉620用のモータ8202を駆動するICである。センサ8103は、左扉610用のセンサであり、センサ8203は右扉620用のセンサである。センサの構造については後で詳述する。
<扉付き液晶表示装置>
次に、扉付き液晶表示装置600について説明する。図5(a)は、扉付き液晶表示装置600を抜き出して描いた正面図である。図5(a)に示すように、扉付き液晶表示装置600は、左扉610と、右扉620と、液晶表示装置700とを有する。左扉610及び右扉620は、液晶表示装置700の手前(スロットマシン100の正面に対して前方;遊技する遊技者により近い方向)に、液晶表示装置700の表示画面に平行に離間して、開閉自在に設けられており、その閉鎖時に液晶表示装置700の表示画面を遊技者から遮蔽する一対の扉体を構成している。
本実施形態では、左扉610と右扉620を、それぞれ独立に移動させることが可能である。左扉610と右扉620のそれぞれの全開位置は、図5(b)に示す通りであり、全閉位置は、図5(c)に示す通りである。また、図5(d)に示すように、一方の扉だけを移動させて、液晶表示画面700の中央部分を中心に表示画面の大概を隠すことも可能となっている(以下、この位置を中央位置という)。このように、本実施形態では、左右の扉を全開位置と全閉位置との間で移動させたり停止させたり、また、いずれか一方の扉だけを全開位置から中央位置まで移動させたり停止させたりすることが可能であり、液晶画面の全部あるいはその一部分を遊技者に見せたり隠したりして遊技の興趣を盛り上げることが可能となっている。
ここで、左扉610及び右扉620は、図5に示すように、複数の小さい孔が開けられた黒色の樹脂製(例えば、プラスチック)の板である。より詳しくは、左扉610及び右扉620は、液晶表示装置700に表示された画像を透過させる透過部(具体的には、周期的に一定間隔をおいて配置されている複数の丸い開口孔)と、液晶表示装置700に表示された画像を透過させない非透過部(具体的には、黒色の樹脂で形成された部分)で構成されているため(このような構成により、パターン化された模様が形成されている)、左扉610及び右扉620が移動して、液晶表示装置700の表示画面を物理的に隠す状態となっても、表示画面に表示された画像の一部は、透過部を介して遊技者に視認可能となっている。
すなわち、本実施形態(後述する実施形態や変形例も含む)における「遮蔽」とは、左扉610及び右扉620のうち、少なくとも一方が物理的に液晶表示装置700の表示画面の一部又は全部に重なる状態をいうが、遊技者は隠された表示画面に表示された情報すべてを視認できないのではなく、一部の情報は透過部を介して遊技者に視認されることを意味する。このため、扉付き液晶表示装置600は、左扉610及び右扉620が、図5(c)や図5(d)に示すような状態になったとしても、透過部を介して、後述するような所定の意味を有する図形や文字情報を遊技者に表示し得る。この場合、例えば、具体的には、まず、図5(b)に示すような全開位置において、液晶表示装置700が所定の画像情報を表示し(この状態では遊技者は一定の意味を認識しえない)、当該画像情報を表示したままで、次に、左扉610及び右扉620を図5(c)や図5(d)に示すような全閉位置または中央位置にまで移動させると、左扉610及び右扉620の透過部が、表示された画像情報の中から、遊技者に認識可能な新たな画像情報を抽出して、表示するので、これによって、遊技者は所定の意味を有する情報を視覚的に把握できるものである。
図6は、本実施形態におけるこのような画像情報の一例を示している。図6(a)は、液晶表示装置700が表示する画像情報であり、図6(b)は、扉610の透過部と非透過部で構成される模様を示す図であり、図6(c)は、液晶表示装置700の表示画面上に扉610を重ねたときに、遊技者に視認される画像情報を示している。つまり、図6(c)は、例えば、左扉610が図5(d)に示すような中央位置に位置するときに、遊技者が認識する画像情報を示している。なお、図6(c)においては、遊技者は、ベルのような形状の画像を認識可能なので、例えば、入賞役「ベル」に内部当選したことを間接的に報知するような演出として活用してもよい。
このように本実施形態の扉の移動を用いた画像演出(以下、扉画像演出と称する)においては、液晶表示装置700による画像演出が開始された状態では(図6(a)の状態)、遊技者は何を意味する画像であるか把握できないが、扉610が移動して、扉610と表示画面が重なると(図6(c)の状態)、所定の意味ある図形や文字を遊技者に表示するので、遊技者は画像情報を認識できるものである。すなわち、本実施形態の扉画像演出においては、左扉610及び右扉620が画像情報を抽出するフィルタの役割を担っており、左扉610及び右扉620が全開位置にある状態で、画像情報を表示する視覚的な演出が開始されても、遊技者は、その状態では画像情報の意味を認識できないが、左扉610及び右扉620が所望の位置まで移動して停止した状態においては、遊技者は、画像情報の意味を認識できるので、画像を用いた視覚的な演出が開始されても、なお、遊技者の期待感を刺激し続けることが可能となっている。勿論、本実施形態においては、左扉610及び右扉620に形成された透過部の形状及び周期的な間隔を加味して、画像情報を生成し、液晶表示装置700に出力しているので、意味ある画像情報を遊技者に報知することができるものである。
なお、図6(c)に示す画像情報を、扉が中央位置に位置するときの画像情報として説明したが、扉画像演出は扉が中央位置にあるときに限定されるものではなく、液晶表示装置700の表示画面の少なくとも一部が扉に遮蔽されるのであれば扉はどのような位置にあってもよく、例えば、扉が全閉位置にあるときに扉画像演出を行ってもよい。
また、図6(c)に示す扉画像演出においては、例えば、ベルに内部当選したことを示す報知演出としたが、扉画像演出が実行される契機は、これに限定されず、一般に、予め定められた条件の成立に応じて扉画像演出が開始され、当該条件の成立を直接又は間接的に報知するようにしてもよい。ここで、予め定められた条件の成立とは、例えば、ビックボーナス、CT(チャレンジタイム:各リールが無制御状態であり、遊技者によるストップボタンの押圧タイミングにおいて各リールが停止する状態)、RT(リプレイタイム:再遊技(リプレイ)の確率が通常遊技状態と比べて大幅にアップした状態)、AT(アシストタイム;ストップボタン押し順や各リールに狙う絵柄をナビゲートしてくれる状態)等の状態、エラー状態、デモ状態等への遊技状態の変化、ビックボーナス等の入賞役への内部当選などである。
次に、上述した特徴を有する扉付き液晶表示装置600の詳細構造について説明する。図7は、扉付き液晶表示装置600の分解斜視図であり、詳細構造は以下の通りである。
扉付き液晶表示装置600は、横長の外形を有しその中心に液晶表示装置700を組み込むための矩形の貫通孔が形成された本体フレーム630と、一対の扉(左扉610、右扉620)と、本体フレーム630の前面に取り付けられ、一対の扉を横方向にスライド可能に案内する2つのガイドレール(上部ガイドレール640、下部ガイドレール650)と、これら2つの扉610及び620や上下のガイドレール640及び650を覆う透明フロントカバー660と、本体フレーム630の背面に取り付けられる液晶表示装置700と、2つの扉610及び620を移動させるため、これらにそれぞれ対応して設けられた2つの駆動ユニット810及び820と、を備える。
なお、本実施形態において、本体フレーム630と上下のガイドレール640及び650は金属で形成され、左右の扉610及び620と透明フロントカバー660はプラスチックで形成されている。そして、以上の構成部品に、図8に示すような中継基板670と、プラスチック製の透明のリヤカバー680と、を背面側から装着すると、扉付き液晶表示装置600が完成するようになっている。
続いて、図9を用いて、左扉610と右扉620について詳細に説明する。本実施形態では、左扉610と右扉620は構造が全く同一である。よって、ここでは、左扉610を中心に説明する。
同図に示すように、扉610は、扉枠6101と、情報抽出部材6102とをその構成部品に含む。本実施形態の情報抽出部材6102は、矩形の黒色のプラスチック板に丸い小孔を一定の間隔をあけて周期的に複数設けており、この情報抽出部材6102は、扉枠6101に嵌め込み可能である。
このように扉の一部(情報抽出部材6102)を交換可能にすれば、スロットマシンのモチーフに合わせて扉の外観を簡単に変えることが可能になる。また、上述したように、情報抽出部材6102に設けられた小孔によって、扉を閉めた状態であっても、外側から液晶画面の表示内容の一部が視認できるので、扉を閉めた状態であっても液晶画面を用いた演出(上述した扉画像演出)が可能である。
一方、扉枠6101の上部には、一定の長さのラック歯6101aが形成されている。このラック歯6101aは駆動ユニット810からの駆動力を受ける部分を構成している。ラック歯6101の長さは、少なくとも、扉が完全に開いて液晶画面の全面が視認できる全開位置(図5(b)の状態)から、扉が完全に閉まる全閉位置(図5(c)の状態)、さらには、中央位置(図5(d)の状態)までで扉を移動させることのできる長さに設定されている。
また、扉枠6101には、上部ガイドレール640に対する扉枠6101の摩擦を軽減するための4つのローラー6103a〜6103dと、下部ガイドレール650に対する扉枠6101の摩擦を軽減するための4つのローラー6104a〜6104dが配設されている。これらのローラーは、硬質のプラスチックで形成されている。
以上、左扉610について説明したが、右扉620についても全く同様な構造を有する。すなわち、同図に示すように、扉620は、扉枠6201と、情報抽出部材6202を有する。また、扉620には、上部ガイドレール640に対する扉枠6201の摩擦を軽減するための4つのローラー6204a〜6204dと、下部ガイドレール650に対する扉枠6201の摩擦を軽減するための4つのローラー6203a〜6203dが配設されている。これらのローラーについても、硬質のプラスチックで形成されている。また、扉枠6201の下部には、図面上では位置的に隠れているが、ラック歯6101aと同じラック歯6201aが形成されている。
このように本実施形態では、まず、左右のラック歯(6101a及び6201a)が設けられた扉枠6101及び6201を相互に同一形状としている。このため、これらは共通の金型で製造することができ、個別の金型を必要とせず、製造コストを削減できる。また、このように同一形状としても、本実施形態では、これらの扉枠6101及び6201を相互に上下、左右に反転して配設することで何ら支障なく扉を構成できる。更に、本実施形態では扉610及び620の他の構成部品も全て相互に同一形状であるので、全く同じ構成部品を用いることができ、製造コストを削減できる。
なお、本実施形態では、左右の扉枠6101及び6201を相互に同一形状としているが、左右の扉枠6101及び6201を異なるようにしてもよく、例えば、扉の透過部及び非透過部の形状を左右で異ならせるようにしてもよい。この場合には、開閉するのが左扉610か右扉620かによって、異なる扉画像演出を実行することができるという効果がある。
次に、図10を用いてモータユニット810及び820を説明する。本実施形態では、左右のモータユニット810及び820は構造が全く同一である。よって、左扉610のモータユニット810を例にとって説明するが、本書において、モータユニット810の各構成に対応する構成(符号:81XX)について、対応するモータユニット820の各構成を説明する場合には、82XXとして示す。
同10(a)に示すように、モータユニット810は、支持フレーム8101と、支持フレーム8101に固定されるモータ8102、センサ8103、及び大ピニオン8104とを有する。支持フレーム8101は金属で形成され、大ピニオン8104はプラスチックで形成されている。
センサ8103は、大ピニオン8104の回転位置を検知するもので、図10(b)に示すように、投光部と受光部から成る光学部分8103aと、検出信号を外に取り出すための信号線用のソケット8103bと、これらの部品を支持しつつこれらに電気的に接続した基板8103cと、から構成される。このセンサ8103の検知結果により、開閉する左扉610の位置を検知することが可能となる。
モータ8102は、支持フレーム8101の一側(同図では上面側)に配置され、大ピニオン8104については、支持フレーム8101の他側(同図では下面側)に配置される。同図では、モータ8102に隠れて見えないが、モータ8102の回転軸には、小ピニオンが装着されている。
また、大ピニオン8104は、十字状のリブを有する円盤状の本体部と、その周縁に設けられた歯部と、を有し、本体部には、センサ8103で検知される被検知部(本実施形態では3つの遮光片8104a、8104b及び8104c)が設けられている。遮光片8104a、8104b及び8104cは、大ピニオン8104の本体部に一体に形成されており、それぞれ左扉610の全開位置、全閉位置及び中央位置に対応するように設けられている。
次に、支持フレーム8101には、大小2つの円形の貫通孔8101a及び8101bが形成されている。そして、モータユニット810の組み立てにあたっては、まず、大きい方の貫通孔8101aにモータ8102の小ピニオンを挿入し、支持フレーム8101aの下側に小ピニオンを配置する。この状態で、モータ8102の回転軸を2つの貫通孔の連通部分を通すようにしてモータ8102を斜め手前に移動させ、小さい方の貫通孔8101bの下にちょうど小ピニオンが位置したところで、該モータ8102を支持フレーム8101にねじ止めする。
一方、大ピニオン8104は、図面では位置的に見えない、支持フレーム8101の下側の軸受け部に回転可能に取り付ける。以上により、大ピニオン8104と、モータの小ピニオンが相互にかみ合い、モータ8102の駆動時において小ピニオンの回転力は大ピニオンにダイレクトに伝達されることとなる。また、支持フレーム8101には、センサ8103用の貫通孔8101cが形成されており、この貫通孔8101cにセンサ8103の投光部と受光部を挿入して、該センサ8103を支持フレーム8101にねじ止めする。なお、この取り付け位置は大ピニオンの遮光片8104a、8104b及び8104bがセンサ8103の投光部と受光部の間を丁度通過できるような位置にあらかじめ調整されている。
以上の構成を有する扉付き液晶表示装置600は、例えば次のような手順で組み立てられる。
図7において、まず、本体フレーム630の背面に液晶表示装置700をねじ止めし、さらに、本体フレーム630の背面に左右のモータユニット810及び820をねじ止めする。本体フレーム630には、あらかじめ、所要位置(閉じられた左右の扉の中心を基点として、点対称となる位置)にねじ孔630a及び630bが形成されており、各ねじ孔に合わせてモータユニット810及び820をねじ止めする。なお、本体フレーム630には、各モータユニット810及び820の大ピニオン8104及び8204を前方に突出させるための貫通孔630c及び630dも形成されており、大ピニオン8104及び8204はこの貫通孔630c及び630dに挿入される。
その後、モータユニット810及び820のねじ孔630a及び630bを隠すために、左右の装飾用のシール630e及び630fを貼付する。一方、上下のガイドレール640と650の間には、左右の扉610及び620をはさみ、この状態で上下のガイドレール640及び650を本体フレ−ム630の前面にねじ止めする。なお、上下のガイドレール640及び650の背面側は、大ピニオン8104及び8204に干渉しないよう一段低く形成され(段差640b、650bが形成され)ているため、本体フレームの貫通孔630c及び630dから突出した大ピニオン8104及び8204に、左右の扉610及び620のラック歯6101a及び6201aをかみ合うこととなる。
その後、前方から、透明のフロントカバー660を被せ、後方から、図8で示した中継基板670を固定する。この際、コネクタ類はあらかじめ中継基板670に装着しておく。
最後に、フロントカバー660とリヤカバー680を重ねてねじ止めし、扉付き液晶表示装置600が完成する。完成した扉付き液晶表示装置600は、スロットマシン100の前面扉101の後方から該前面扉101の上部に固定する。
<遊技の基本的制御>
図11は、本実施形態のスロットマシン100における遊技の基本的制御を示す主制御部メイン処理のフローチャートである。遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の処理を繰り返し実行する。
ステップS10では、メダル投入に関する処理を行い、メダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入の規定枚数を設定する。
ステップS20では、遊技のスタート操作受付に関する処理を行う。ここでは、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行う。
ステップS30では、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ライン114を確定する。
ステップS40では、乱数発生回路317で発生させた乱数を取得する。
ステップS50では、ステップS40の処理により取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選テーブルを用いて、入賞役の内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、RAM313に設定されたその入賞役のフラグがONになる。入賞役としては、例えば、リプレイ(再遊技)、小役、ボーナス(BB、RB)等を挙げることができる。ここで、ビッグボーナス(BB)及びレギュラーボーナス(RB)はボーナスゲームに移行する絵柄として、また、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる絵柄として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技、シフトレギュラーボーナスが含まれ、本実施形態における「入賞」には、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技、シフトレギュラーボーナスヘの入賞が含まれる。
なお、各入賞役には、メダルのベット数及び設定値(1〜6)毎に内部抽選の当選確率が設定されており、入賞役抽選テーブルはこれに従って構成され、抽選時に取得される乱数値の範囲(例えば、0〜16384)は予めいくつかの領域(各当選確率の大きさに相当する領域)に分割されており、各領域に各入賞役の当選やはずれが対応付けられている。そして、入賞役の内部抽選では、取得した乱数値がどの範囲に属するかで入賞役の内部当選の当否が決定する。この方式は他の抽選処理(演出抽選など)でも採用される。
ステップS60では、全リール110乃至112の回転を開始させる。
ステップS70では、ストップボタンユニット136に設けられた左・中・右ストップボタンの受け付けが可能になり、何れかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリールを停止させる。リールの停止制御は、ストップボタンの操作タイミングに基づき、ステップS50の内部抽選結果に応じて実行され、例えば、ROM312に内部抽選結果に応じた複数種類のリール停止制御テーブルを格納しておき、これを参照することで停止制御を行う。なお、副制御部A400にはストップボタンの停止位置を示す停止位置コマンドを送信する。
ステップS80では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、内部当選した入賞役又はフラグ持越し中の入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン114上に、「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。また、入賞した入賞役に対応するフラグがリセットされる。なお、副制御部A400には入賞判定結果の情報が含まれる入賞コマンドが送信される。
ステップS90では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
ステップS100では遊技状態制御処理を実行する。この遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、BBやRBのようなボーナス入賞の場合に次回から対応するBBやRBを開始できるよう準備し、ボーナスゲーム(BB,RB)の最終遊技においては、次回から通常遊技が開始できるよう準備する。以上により1ゲームの処理が終了し、その後、ステップS10へ戻って同様の処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<副制御部Aの処理>
次に、副制御部A400の処理について説明する。図12(a)は副制御部A400のCPU410が実行する割り込み処理のフローチャート、図12(b)は副制御部A400のCPU410が実行するメイン処理のフローチャートである。まず、図12(a)を参照して割り込み処理について説明する。CPU410は同図の処理を所定周期で行う。
ステップS210では、主制御部300からのコマンドを受信したか否かを判定する。主制御部300からのコマンドを受信したときは、ステップS220へ進み、主制御部300からのコマンドを受信しなかったときは処理を終了する。
ステップS220では、主制御部300から受信したコマンドをRAM413の所定のエリア(コマンド格納エリアという)に上書きせずに順次格納する。
次に、図12(b)を参照してメイン処理について説明する。CPU410は、電源断等を検知しないかぎり、同図の処理(ステップS310〜ステップS370)を繰り返し実行する。
ステップS310では、コマンド格納エリアに少なくとも1つのコマンドが格納されているか否かを判定する。コマンドが格納されているときは、ステップS320へ進み、コマンドが格納されていないときは、ステップS330へ進む。
ステップS320ではコマンド格納エリアからコマンドを一つ取得し、その内容を判定する。取得したコマンドはコマンド格納エリアから消去する。ステップS330では、ステップS320の判定結果に応じて、演出データを取得する。ステップS340では、ステップS330で取得した演出データの中に副制御部A400の各演出デバイスのドライバに出力するデータがあるか否かを判定する。副制御部A400の各演出デバイスのドライバに出力するデータがあるときは、ステップS350へ進み、副制御部A400の各演出デバイスのドライバに出力するデータがないときは、ステップS360へ進む。
ステップS350では、副制御部A400の演出デバイスのドライバにデータをセットする。データのセットにより演出デバイスがそのデータに応じた演出を実行する(例えば、所定の効果音やBGM、各種ランプの点灯や点滅など)。
ステップS360では、ステップS330で取得した演出データの中に副制御部B500に送信するコマンドがあるか否かを判定する。副制御部B500に送信するコマンドがあるときは、ステップS370へ進み、副制御部B500に送信するコマンドがないときは、ステップS380へ進む。
ステップS370では、副制御部B500にコマンドを送信する。ステップS380では、処理を終了するか否か(例えば、電断等を検知したか否か)を判断し、電断等を検知したら、メイン処理を終了し、そうでなければ、ステップS310に戻って同様の処理を繰り返す。
<副制御部Bの処理>
次に、副制御部B500の処理について説明する。図13(a)は副制御部B500のCPU510が実行する割り込み処理のフローチャート、図13(b)は副制御部B500のCPU510が実行するメイン処理のフローチャートである。まず、図13(a)を参照して割り込み処理について説明する。CPU510は同図の処理を所定周期で行う。
ステップS410では、副制御部A400からのコマンドを受信したか否かを判定する。副制御部A400からのコマンドを受信したときは、ステップS420へ進み、副制御部A400からのコマンドを受信しなかったときは、処理を終了する。
ステップS420では、副制御部A400から受信した制御コマンドをRAM513の所定のエリア(コマンド格納エリアという)に上書きせずに順次格納する。
次に、図13(b)を参照してメイン処理について説明する。CPU510は、電源断等を検知しないかぎり、同図の処理(ステップS510〜ステップS570)を繰り返し実行する。
ステップS510では、RAM513のコマンド格納エリアに少なくとも1つのコマンドが格納されているか否かを判定する。コマンドが格納されているときは、ステップS520に進み、コマンドが格納されていないときは、ステップS530へ進む。
ステップS520では、コマンド格納エリアからコマンドを一つ取得し、その内容を判定し、コマンドに応じた制御データを取得する。取得したコマンドはコマンド格納エリアから消去する。
ステップS530では、取得した制御データに扉610及び620の開閉に用いる扉移動データが含まれているか否かを判断する。扉移動データ(例えば、具体的には、左扉610及び右扉620のそれぞれの目標位置座標及び移動時間等により構成される)が含まれていたときは、ステップS540に進み、扉移動データを設定し、扉移動データが含まれていないときは、ステップS550に進む。
ステップS550では、左扉610の扉移動データをもとに、左扉610のモータの駆動パラメータを設定する。ステップS560では、右扉620の扉移動データをもとに、右扉620のモータの駆動パラメータを設定する。この結果、左扉610及び右扉620は所望の位置まで移動する(例えば、上述した図5(c)や図5(d)のような状態を実現する)。
ステップS570では、液晶表示に関する処理など、その他のコマンド制御処理を実行する。ステップS580では、処理を終了するか否か(例えば、電断等を検知したか否か)を判断し、電断等を検知したら、メイン処理を終了し、そうでなければ、ステップS510に戻って同様の処理を繰り返す。
以上述べたように、本実施形態によれば、遊技者に対する告知演出用の表示装置として、扉付き液晶表示装置600を用い、液晶表示装置700に表示された画像情報を、透過部及び非透過部を備えた扉610及び620の移動によって、所定の意味ある画像情報に変化させる扉画像演出を実現することができる。この結果、興趣ある画像を遊技者に提供することが可能となり、画像を用いた視覚的な演出が開始されても、なお遊技者の期待感を高め続けることができる。
特に、本実施形態においては、透過部として丸い開口孔(丸孔)を一定間隔ごとに複数設けているので、当該丸孔の形状に基づいた画像を液晶表示装置700上に表示することにより、扉610及び620が液晶表示装置700を遮蔽したときには、所定の意味ある画像情報を遊技者に認識させることができる。
例えば、扉画像演出として、内部当選した入賞役を示唆する情報や、BBやRBなど有利な遊技状態への移行を示唆する情報を報知するようにしてもよく、これにより、遊技者は、より扉画像演出に対して期待感を高めることになる。
なお、本実施形態においては、透過部として丸い開口孔(丸孔)を一定間隔ごとに複数設けたが、一定間隔ではなく、それぞれが任意の間隔で設けられてもよい。また、本実施形態においては、透過部の開口孔をすべて同一形状としたが、開口孔は必ずしも同一形状でなくてもよい。
(第2実施形態)
図14は、本発明の第2実施形態に係るスロットマシンにおける扉付き液晶表示装置600Aの概略構成を示す正面図である。図14に示すように、扉付き液晶表示装置600Aは、第1実施形態の扉付き液晶表示装置600の構成と略同等の構成を有し、左扉610Aと、右扉620Aと、液晶表示装置700とを備えている。左扉610A及び右扉620Aは、液晶表示装置700の手前に、液晶表示装置700の表示画面に平行に離間して、開閉自在に設けられており、その閉鎖時に液晶表示装置700の表示画面を遊技者から遮蔽する一対の扉体を構成している。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、左扉610Aと右扉620Aを、それぞれ独立に移動させることが可能である。左扉610Aと右扉620Aのそれぞれの全開位置は、図14(b)に示す通りであり、全閉位置は、図14(c)に示す通りである。また、図14(d)に示すように、一方の扉だけを移動させて、液晶表示画面700の中央部分を中心に表示画面の大概を隠すことも可能となっている(中央位置)。このように、本実施形態においても、左右の扉を全開位置と全閉位置との間で移動させたり停止させたり、また、いずれか一方の扉だけを全開位置から中央位置まで移動させたり停止させたりすることが可能であり、液晶画面の全部あるいはその一部分を遊技者に見せたり隠したりして遊技の興趣を盛り上げることが可能となっている。
ここで、左扉610A及び右扉620Aは、図15(b)に示すように、複数の短冊状の開口孔を設けた黒色の樹脂製の板である。より詳しくは、左扉610及び右扉620は、液晶表示装置700に表示された画像を透過させる透過部(具体的には、扉の移動方向に周期的に一定間隔をおいて配置されている複数の縦長の矩形状の開口孔)と、液晶表示装置700に表示された画像を透過させない非透過部(具体的には、黒色の樹脂で形成された部分)で構成されているため(このような構成により、パターン化された模様が形成されている)、左扉610A及び右扉620Aが移動して、液晶表示装置700の表示画面を物理的に隠す状態となっても、表示画面に表示された画像の一部は、透過部を介して遊技者に視認可能となっている。なお、本実施形態では、透過部の幅T1と非透過部の幅T2は同一となっている。
このように、本実施形態では、左扉610A及び右扉620Aの透過部と非透過部で構成される模様が第1実施形態と異なっているだけで、その他の構成及び動作については、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
図15は、本実施形態における画像情報の一例を示している。図15(a)は、液晶表示装置700が表示する画像情報であり、図15(b)は、扉610Aの透過部と非透過部で構成される模様を示す図であり、図15(c)及び図15(d)は、液晶表示装置700の表示画面上に扉610Aを重ねたときに、遊技者に視認される画像情報を示している。つまり、図15(c)及び図15(d)は、例えば、左扉610Aが図14(d)に示すような中央位置近傍に存在するときに、遊技者が認識する画像情報を示しており、図15(c)に示す位置の扉610Aを左側にT1(T2)移動させると、図15(c)に示す画像情報が図15(d)に示す画像情報になる。このように、本実施形態においては、2種類の異なる画像情報を遊技者に認識させることが可能となっている。具体的には、図15(c)においては、遊技者は、チェリーのような形状の画像を認識可能なので、例えば、入賞役「チェリー」に内部当選したときには、図15(c)に示すような状態になるように左扉610Aを移動・停止させて、入賞役「チェリー」に内部当選したことを間接的に報知するようにしてもよい。また、図15(d)においては、遊技者は、ベルのような形状の画像を認識可能なので、例えば、入賞役「ベル」に内部当選したときには、図15(d)に示すような状態になるように左扉610Aを移動・停止させて、入賞役「ベル」に内部当選したことを間接的に報知するようにしてもよい。
勿論、本実施形態においても、左扉610A及び右扉620Aに形成された透過部の形状及び透過部の周期的な間隔を加味して、画像情報を生成し、液晶表示装置700に出力しているので、意味ある画像情報を遊技者に報知することができるものである。
以上述べたように、本実施形態によれば、遊技者に対する告知演出用の表示装置として、扉付き液晶表示装置600Aを用い、液晶表示装置700に表示された画像情報を、透過部及び非透過部を備えた扉610A及び620Aの移動によって、所定の意味ある画像情報に変化させる扉画像演出を実現することができる。この結果、興趣ある画像を遊技者に提供することが可能となり、画像を用いた視覚的な演出が開始されても、なお遊技者の期待感を高め続けることができる。
特に、本実施形態においては、透過部を短冊状の開口孔として、扉の移動方向に一定間隔をおいて複数設けているので、当該開口孔の横幅に基づいた画像情報を液晶表示装置700上に表示することにより、扉610A及び620Aが液晶表示装置700を遮蔽したときには、所定の意味ある画像情報を遊技者に認識させることができる。また、本実施形態においては、透過部の横幅と非透過部の横幅を同一に設定しているので、表示された同一の画像情報に対して、遊技者に認識可能な2種類の画像を提供することができ、多様な演出が可能である。
なお、本実施形態では、扉610A及び620Aの透過部と非透過部の横幅を同一の長さに設定したが、透過部と非透過部の横幅を異なる長さに設定してもよい。図16は、扉の透過部と非透過部の横幅を1:2に設定した場合((図16(b)において、透過部の幅T3:非透過部の幅T4=1:2)の画像情報の一例である。ここで、図16(a)は、液晶表示装置700が表示する画像情報であり、図16(b)は、扉610Bの透過部と非透過部で構成される模様を示す図であり、図16(c)乃至(e)は、液晶表示装置700の表示画面上に扉610Bを重ねたときに、遊技者に視認される画像情報を示している。
図16(c)乃至図16(e)は、例えば、左扉610Bが中央位置近傍に存在するときに、遊技者が認識する画像情報を示しており、図16(c)に示す位置の扉610Bを右側にT3移動させると、図16(d)に示す画像情報になり、また、図16(d)に示す位置の扉610Bを幅T3だけ、右側に移動させると、図16(e)に示す画像情報になる。このように、本実施形態においては、3種類の画像情報を遊技者に認識させることが可能となっている。
具体的には、図16(c)においては、落下してきた物を拾おうとする画像、図16(d)においては、落下してきた物を落とさずに拾った画像、図16(e)においては、落下してきた物を落とした画像を遊技者は認識可能なので、例えば、BBに内部当選したときには、図15(c)→図15(d)という画像情報の変化、BBに内部当選しなかったときには、図15(c)→図15(e)という画像情報の変化をさせるように、左扉610Bを移動させて、BBに内部当選したことの有無を扉画像演出によって示唆するようにしてもよい。
また、図17は、扉の透過部と非透過部の横幅を1:2に設定した場合の画像情報の別の一例である。ここで、図17(a)は、液晶表示装置700が表示する画像情報であり、図17(b)は、扉610Bの透過部と非透過部で構成される模様を示す図であり、図17(c)乃至(e)は、液晶表示装置700の表示画面上に扉610Bを重ねたときに、遊技者に視認される画像情報を示している。
図17(c)乃至図17(e)は、例えば、左扉610Bが中央位置近傍に存在するときに、遊技者が認識する画像情報を示しており、図17(c)に示す位置の扉610Bを右側にT3移動させると、図17(d)に示す画像情報になり、また、図17(e)に示す位置の扉610Bを左側にT4移動させると、図16(d)に示す画像情報になる。このように、本変形例においては、3種類の画像情報を遊技者に認識させることが可能となっている。すなわち、図17(c)乃至(e)においては、それぞれ大きさが異なる正方形を遊技者は視認可能なので、当該正方形の大きさを有利な入賞役への内部当選に対する期待度に関連させて表示させるようにしてもよい。例えば、具体的には、BBに内部当選したときには、図17(c)に示す画像、所定の小役に入賞したときには、図17(d)に示す画像、いずれの入賞役にも内部当選しなかったときには、図17(e)に示す画像を表示するような扉画像演出としてもよい。
以上述べたように、扉の透過部と非透過部の横幅を異ならせた本変形例においては、さらに多くの画像情報を遊技者に認識させることが可能なので、より多様な扉画像演出を遊技者に提供することができる。
なお、本実施形態では、液晶画像装置700による画像情報を利用した扉画像演出であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、これに代えて又はこれに加えて、扉付き液晶表示装置600Aの本体フレーム630の左右の装飾用シール630e及び630fに所定の画像情報を印字し、扉610A及び620Aが略全開位置にあるときに所定の意味ある文字や画像を遊技者に認識させるような扉画像演出としてもよい。
図18はこのような変形例に係る扉付き液晶表示装置600Cの正面図である。図18(a)及び図18(b)においては、装飾用シール630eに描かれた画像情報を左扉610Aの透過部を介することによって、2種類の文字を遊技者に視認させるようになっている。すなわち、図18(a)に示す全開状態においては、「Daito」なる文字が左扉610の透過部を介して遊技者に認識され、図18(b)に示す状態、すなわち、左扉610Aを図18(a)に示す全開状態から右側に透過部の横幅T1だけ移動させた状態においては、「BONUS GET」なる文字が左扉610Aの透過部を介して遊技者に認識される。
図19は、図18に示した画像情報をより詳しく示す図である。図19(a)は、装飾用シール630eに描かれた画像情報を示し、図19(b)は、扉610Aの透過部と非透過部で構成される模様(上述したように、透過部の幅T1と非透過部の幅T2は同一である)を示し、図19(c)及び(d)は、装飾用シール630eに描かれた画像情報に扉610Aを重ねた状態を示している(図19(c)は、図18(a)の状態、図19(c)は、図18(b)の状態を示している)。
従って、本変形例によれば、扉が略全開状態においては、装飾用シール630eに描かれた画像情報と、透過部を備えた扉610Aの移動によって扉画像演出を実行するので、液晶画像表示装置700の画像情報を用いなくても、興趣ある画像を遊技者に提供することが可能となり、遊技者の期待感を高め続けることができる。
例えば、通常時においては、扉610Aを全開状態にしておき、ある文字を表示する一方で(例えば、会社や商品の広告などのために所定の文字や画像を表示する)、予め定められた条件が成立したときには(例えば、ボーナスに内部当選したなど)、扉を全開状態から右側にT1移動させて、別の種類の文字(例えば、ボーナス当選を意味する文字や図形など)を表示することができるので、遊技者はこの扉画像演出から内部当選した入賞役や、BBやRBなど有利な遊技状態への移行を知ることができ、扉画像演出に対する期待感を高めることができる。
なお、図18及び図19に示す変形例の扉画像演出においては、装飾用シール630eしか用いなかったが、装飾用シール630fにも所定の画像情報を描き、装飾用シール630fも用いても扉画像演出を実行してもよい。
また、図18及び図19に示す変形例においては、透過部と非透過部の幅が同一な扉610A及び扉620Aを用いたが、図16及び図17に示すように透過部と非透過部の幅が異なる扉610B及び620Bを用いて、扉画像演出を実行してもよい。
(第3実施形態)
図20は、本発明の第3実施形態に係るスロットマシンにおける扉付き液晶表示装置600Dの概略構成を示す正面図である。図20に示すように、扉付き液晶表示装置600Dは、第1実施形態の構成と略同等の構成を有し、左扉610Dと、右扉620Dと、液晶表示装置700とを備えている。左扉610D及び右扉620Dは、第1実施形態と同様に、液晶表示装置700の手前に、液晶表示装置700の表示画面に平行に離間して、開閉自在に設けられており、その閉鎖時に液晶表示装置700の表示画面を遊技者から遮蔽する一対の扉体を構成している。しかしながら、左扉610D及び右扉620Dは、半透明な樹脂(具体的には、左扉610Dは青色、右扉620Dは赤色の半透明フィルタ)で形成されているため、液晶表示装置700に表示された画像情報は、この半透明フィルタを介して、遊技者に視認されることとなる。この場合、例えば、液晶表示装置700に赤色の画像情報が表示され、青色の左扉610Dが液晶表示装置700を隠すと、赤色と青色が重なって、液晶表示装置700上に赤色で表示された画像情報は紫色の画像情報として遊技者に認識される。また、液晶表示装置700に赤色の画像情報が表示され、赤色の右扉620Dが液晶表示装置700を隠すと、液晶表示装置700上に赤色で表示された画像情報は、扉の色と同一色であるため、遊技者に視認されない。
本実施形態では、上記実施形態と同様に、左扉610Dと右扉620Dを、それぞれ独立に移動させることが可能である。左扉610Dと右扉620Dのそれぞれの全開位置は、図20(b)に示す通りであり(全閉位置に関しては、上記実施形態と同様であるため、省略する)、また、図20(c)に示すように、一方の扉だけを移動させて、液晶表示画面700の中央部分を中心に表示画面の大概を隠すことも可能となっている(中央位置)。このように、本実施形態においても、左右の扉を全開位置と全閉位置との間で移動させたり停止させたり、また、いずれか一方の扉だけを全開位置から中央位置まで移動させたり停止させたりすることが可能であり、液晶画面の全部あるいはその一部分を遊技者に見せたり隠したりして遊技の興趣を盛り上げることが可能となっている。特に本実施形態では、上記実施形態のように空隙を用いた透過部を有するのではなく、画像情報の色と半透明フィルタの色とによって透過及び非透過な画像情報が決定され、透過された画像情報が遊技者に視認されるようになっている。
なお、本実施形態では、左扉610D及び右扉620Dの構成が上記実施形態と異なっているだけで、その他の構成及び動作については、上記実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
図21は、本実施形態における画像情報の一例を示している。ここで、図21(a)は、液晶表示装置700が表示する画像情報であり、青色及び赤色の画像情報が表示されている。図21(b)及び図21(c)は、それぞれ左扉610D及び右扉620Dの構成を示しており、左扉610Dは青色、右扉620Dは赤色の半透明フィルタである。図21(d)は、液晶表示装置700の表示画面上に左扉610Dを重ねたときに、遊技者に視認される画像情報を示しており、図21(e)は、液晶表示装置700の表示画面上に右扉620Dを重ねたときに、遊技者に視認される画像情報を示している。つまり、図21(d)は、例えば、左扉610Dが図20(c)に示すような中央位置に位置するときに、遊技者が認識する画像情報を、図21(e)は、例えば、右扉620Dが中央位置に位置するときに、遊技者が認識する画像情報を示している。
なお、図21(d)においては、遊技者は、チェリーのような形状の画像を認識可能なので、例えば、入賞役「チェリー」に内部当選したときには、図21(a)に示す画像情報を表示し、かつ左扉610Dを中央位置で停止させて、図21(d)に示す画像を表示し、「チェリー」に内部当選したこと間接的に報知するような扉画像演出としてもよい。また、図21(e)においては、遊技者は、ベルのような形状の画像を認識可能なので、例えば、入賞役「ベル」に内部当選したときには、図21(a)に示す画像情報を表示し、かつ右扉620Dを中央位置で停止させて、図21(e)に示す画像を表示し、「ベル」に内部当選したこと間接的に報知するような扉画像演出としてもよい。
従って、本実施形態によれば、遊技者に対する告知演出用の表示装置として、扉付き液晶表示装置620Dを用い、半透明な青色の扉610D及び半透明な赤色の扉620Dを移動して、液晶表示装置700に重ねることによって、液晶表示装置700に表示された赤色と青色の画像情報を所定の意味ある画像情報に変化させる扉画像演出を実現することができる。この結果、興趣ある画像を遊技者に提供することが可能となり、画像を用いた視覚的な演出が開始されても、なお遊技者の期待感を高め続けることができる。
特に、本実施形態では、左右の扉610D及び620Dの色を異ならせることによって、表示された同一の画像情報に対して、2種類の画像情報を遊技者に提供することができるので、多様な演出が可能である。
なお、本実施形態においては、画像情報、扉610D及び620Dの色として、赤色と青色の2色を用いたが、他の2色あるいは3種類以上の色を用いて扉画像演出を実行してもよいのは勿論である。
(第4実施形態)
図22は、本発明の第4実施形態に係るスロットマシンにおける扉付き液晶表示装置の液晶表示ユニット750の概略構成を示す斜視図である。ここで、図22(a)は、液晶表示装置700がハウジング710の前方に位置する場合、図22(b)は、液晶表示装置700がハウジング710の後方に位置する場合を示している。
液晶表示ユニット750は、液晶表示装置700と、液晶表示装置700を収納し、少なくとも1つの側壁が開口するボックス状のハウジング710と、ハウジング710内で液晶表示装置700をスロットマシンの正面方向に対して前後(図22におけるd1方向)に移動させるモータ720と、を備えている。ここで、液晶表示装置700は、ハウジング710の開口面に対向する側壁に対して平行、かつ画像出力面がハウジング外側(開口方向)を向くように、ハウジング710の底面に取り付けられている。このように、本実施形態の液晶表示装置700は前後方向に移動可能となっており、この点が上記実施形態と異なっている。
なお、液晶表示ユニット750の設置位置に関しては図示していないが、第2実施形態と同様に(図14参照)、その液晶表示装置700がリール表示窓113の中央部上方に位置し、かつ液晶表示装置700の画像出力面が遊技者に面するようにスロットマシン内部に設置されている。また、本実施形態の扉付き液晶表示装置は、第2実施形態と同様に(図14参照)、液晶表示装置700の左右に左扉610A及び右扉620Aを備えている。左扉610A及び右扉620Aの構成及び動作に関しては、上述した通りであるため、その説明を省略する。また、スロットマシンのその他の構成及び動作に関しても、上記実施形態と同様であるため、その説明を省略する
図23は、本実施形態における画像情報の一例を示している。図23(a)は、液晶表示装置700が表示する画像情報であり、図23(b)は、扉610Aの透過部と非透過部で構成される模様を示している。また、図23(c)は、液晶表示装置700がハウジング710の後方に位置しているときに、液晶表示装置700の表示画面上に左扉610Aを重ねた場合の遊技者に視認される画像情報を示している。また、図23(d)及び図23(e)は、液晶表示装置700がハウジング710の前方に位置しているときに、液晶表示装置700の表示画面上に左扉610Aを重ねた場合の遊技者に視認される画像情報を示している。
このように本実施形態では、図23(c)に示すように、液晶表示装置700と扉610Aの距離が離れているときには、遊技者は画像情報を認識しえないが、図23(d)及び図23(e)に示すように、液晶表示装置700と扉610Aの距離が近いときには、遊技者は画像情報を認識することができる。つまり、液晶表示装置700と扉610Aの距離が近いときには、図15(c)及び図15(d)と同一の状況が作られるので、遊技者はチェリー又はベルの画像を認識し得る。
従って、本実施形態によれば、液晶表示装置700をスロットマシンの正面方向に対して前後に移動させることができるので、第2実施形態の効果に加えて、前後の移動による画像変化を楽しむことができる。つまり、左扉610A及び右扉620Aの左右方向の移動の他、液晶表示装置700の前後方向の移動が加わるので、より興趣ある画像を遊技者に提供することができ、画像を用いた視覚的な演出が開始されても、なお遊技者の期待感を高め続けることができる。
なお、本実施形態の扉付き液晶表示装置においては、第2実施形態の扉付き液晶表示装置600Aに対して、液晶表示装置700を前後に移動できるように構成したが、上述した又は後述する他の実施形態や変形例に対して、液晶表示装置700を前後に移動できるように構成してもよい。
(第5実施形態)
図24は、本発明の第5実施形態に係るスロットマシン100Fの外観斜視図である。図24に示すように、スロットマシン100Fは、液晶表示装置700を備えているが、扉は備えておらず、この点が上記実施形態と異なっている。
詳しくは、液晶表示装置700を備える液晶表示ユニット750Fは、図25に示すように、液晶表示装置700と、液晶表示装置700を収納し、少なくとも1つの側壁が開口するボックス状のハウジング710と、液晶表示装置700の手前において、液晶表示面に平行に離間して設けられ、上下(図25に示すd2方向)に移動可能なロールスクリーン状の遮蔽材701と、遮蔽材701を上下に移動させるモータ702と、を備えている。
液晶表示装置700は、ハウジング710の開口面に対向する側壁に対して平行、かつ画像出力面がハウジング外側(開口方向)を向くように、ハウジング710の底面に取り付けられている。遮蔽材701は、薄い布地に樹脂加工を施して形成されており、布地の一部には、液晶表示画面全体を直接視認できるような矩形の開口孔703と、黒い布地に複数の丸い小さな開口孔を一定間隔ごとに設けたフィルタ704と、を備えている。なお、図25(a)は、開口孔703が液晶表示画面の前方に配置された場合の液晶表示ユニット750Fの外観斜視図、図25(b)は、フィルタ704が液晶表示画面の前方に配置された場合の液晶表示ユニット750Fの外観斜視図である。
遮蔽材701は、ハウジング710の上方及び下方において、余分な布地をロール状に巻いて収納しており、モータ702は、ハウジング710の開口面に隣接する一側面に配設され、遮蔽材701のロールアップされた布地を上下方向に回転させるようになっている。この結果、遮蔽材701は、上下に移動して、開口孔703を液晶表示画面の手前に配置したり、また、フィルタ704を液晶表示画面の手前に配置したりすることが可能となっている。ここで、フィルタ704は、第1実施形態の扉710及び720と同一のパターン化された模様を有している。すなわち、フィルタ704が液晶表示画面の手前に配置されたときには、第1実施形態と同様に、遊技者は、液晶表示画面に表示された画像情報の一部の情報を透過部(複数の丸い小さな開口孔)を介して視認可能である。
なお、スロットマシンその他の構成については、第1実施形態と略同様であるため、その説明を省略する。
以上述べたように、本実施形態によれば、液晶表示装置700の前方にロールスクリーン状の遮蔽材701を設けて、遮蔽材701は、液晶表示装置700が表示した画像情報すべてを視認可能な開口孔703と、液晶表示装置700が表示した画像情報の一部を視認可能なフィルタ704を備えているので、遊技者は、開口孔703を介して画像情報のすべてを視認することができるとともに、フィルタ704を介して抽出された所定の意味ある画像情報を視認することができる。
すなわち、第1実施形態のように液晶表示装置700を遮蔽する左扉610及び右扉620を備えていなくても、遮蔽材701が同一の機能を担うので、第1実施形態と同一の効果を奏することができる。つまり、興趣ある画像を遊技者に提供することが可能となり、画像を用いた視覚的な演出が開始されても、なお遊技者の期待感を高め続けることができる。
例えば、遮蔽材701を用いた画像演出として、通常時においては、遮蔽材701の開口孔703を液晶表示装置700の前方に配置して、遊技者には表示された画像情報を遮ることなく視認させる一方、BBに内部当選するなど有利な遊技状態となったときには、遮蔽材701のフィルタ704を液晶表示装置700の前方に配置して、BBに内部当選したことを示唆する情報をフィルタ704を介して抽出して、遊技者に視認させるようにしてもよい。
なお、本実施形態においては、遮蔽材701を上下に移動させるように液晶表示ユニットを構成したが、これとは別に、遮蔽材701を左右に移動させるように液晶表示ユニットを構成して、遮蔽材701を用いた画像演出を実行してもよい。
また、本実施形態のフィルタ704においては、第1実施形態の扉と同一のパターン模様を採用したが、これ以外のパターン模様を採用してもよいのは勿論であり、例えば、第2実施形態及びその変形例において用いた短冊状の開口孔をフィルタに設けてもよい。
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施形態に対して種々の変形や変更を施すことができる。例えば、上記実施形態及び変形例においては、液晶表示装置700が表示した画像情報の一部を抽出し、抽出した画像情報に所定の意味を持たせることによって、遊技者に期待感を与えるような扉画像演出であったが、本発明はこのような扉画像演出に限定されるものではなく、液晶表示装置700が表示した画像情報を単に装飾するような扉画像演出であってもよい。
図26は、このような変形例の画像情報の一例である。図26(a)は、液晶表示装置700が表示する画像情報であり、図26(b)は、扉610Gの透過部と非透過部で構成される模様を示す図であり、図26(c)は、液晶表示装置700の表示画面上に扉610Gを重ねたときに、遊技者に視認される画像情報を示している。つまり、図26(c)は、例えば、左扉610Gが中央位置に存在するときに、遊技者が認識する画像情報を示している。なお、図26(b)に示す扉610Gに設けられた透過部の丸孔は、図6に示す扉610に設けられた透過部の丸孔よりも小さく形成されている。
本変形例では、図26(c)に示すように、液晶表示装置700が表示する「CHANCE」という文字をドット状に飾って遊技者に表示することができる。なお、この画像の変化を予め定められた条件の成立とともに行ってもよいのは勿論で、予め定められた条件とは、例えば、所定の入賞役への当選や所定の遊技状態への移行である。
また、上記実施形態の扉付き液晶表示装置では2つの扉を使用したが、扉を一つとしてもよい。例えば、図27(a)及び図27(b)に示す扉付き液晶表示装置600Hにおいては、液晶表示装置700の画面の手前に一つの扉620を配置しているが、このような扉の構成によって、本発明の扉画像演出を実行してもよい。
また、図27(d)においても、液晶表示装置700の画面の手前に一つの扉620しか配置していない。なお、図27(d)の例は、縦型のタイプの扉付き液晶表示装置を示している。この縦型のタイプの扉付き液晶表示装置600Hは、図27(c)に示すように、例えばリール表示窓の右横や左横等に配置するようにしてもよい(扉付き液晶表示装置600H1、扉付き液晶表示装置600H2)。
また、上記実施形態においては、扉の透過部を円や四角形の形状の孔としたが、扉の透過部はこれに限定されるものではなく、開口孔であればどのような形状であってもよく、例えば、楕円、三角形、五角形以上の多角形であってもよい。
また、上記実施形態においては、液晶表示装置を扉等で遮蔽して演出を行ったが、液晶表示装置自体が遮蔽物となるような演出も可能である。図28はこのような液晶表示ユニット750Jの概略構成図である。
液晶表示ユニット750Jは、前面の側壁が開口するボックス状のハウジング710とハウジング710の開口した前面の側壁に設置された液晶表示装置700Jと、開口した前面に対向する側壁近傍に該側壁に平行に設置され、所定の識別情報が表示されている識別情報表示板740と、を備えている。ここで、液晶表示装置700Jは、画像出力面がハウジング外側(開口方向)を向くように、ハウジング710の底面に取り付けられており、透過状態を自由に制御できる透過型液晶表示装置である。従って、液晶表示装置700Jが透過状態のときには、液晶表示装置700Jを介して、液晶表示装置700Jの背後の識別情報表示板740に表示されている識別情報が視認可能である。一方、通常の液晶画像を表示したときには、非透過の状態となり、識別情報表示板740に表示されている識別情報は視認できない。
なお、液晶表示ユニット750Jの設置位置に関しては図示していないが、図24に示すように、その液晶表示装置700Jがリール表示窓113の中央部上方に位置し、かつ液晶表示装置700の画像出力面が遊技者に面するようにスロットマシン内部に設置されている。
図29は、液晶表示ユニット750Jを用いた画像情報の一例を示している。ここで、図29(a)は、識別情報表示板740に表示された識別情報を示しており、赤色の文字(あたり)と青色の文字(はずれ)が重なって表示されている。また、図29(b)及び図29(c)は、液晶表示装置700Jを透過状態にしたときの画像を示しており、図29(b)は、液晶表示面全体を半透明な青色、図29(c)は、液晶表示面全体を半透明な赤色に制御したときを示している。また、図29(d)は、図29(a)に示す識別情報表示板740に対して、液晶表示装置700Jを図29(b)に示す状態にしたときに視認される識別情報を示しており、図29(e)は、図29(a)に示す識別情報表示板740に対して、液晶表示装置700Jを図29(c)に示す状態にしたときに、視認される識別情報を示している。図29(d)においては、赤色の文字が青色の液晶表示面を介することにより、紫色の「あたり」の文字が視認されるものである(青色の文字は、青色の液晶表示面を介し、文字と液晶表示面の色が同色になるため、視認されない)。同様にして、図29(e)においては、青色の文字が赤色の液晶表示面を介することにより、紫色の「はずれ」の文字が視認されるものである(赤色の文字は、赤色の液晶表示面を介し、文字と液晶表示面の色が同色になるため、視認されない)。
このように、液晶表示ユニット750Jは、液晶表示装置700Jの透過状態の色を制御することによって、異なる情報を表示することが可能となっている。この結果、例えば、通常時においては、非透過状態で所定の演出画像を表示している液晶表示装置700Jが、所定の入賞役に内部当選したときには、青色の透過状態に制御して、「あたり」の文字を認識させ、所定の入賞役に内部当選しなかったときには赤色の透過状態に制御して、「はずれ」の文字を認識させるような演出を行なってもよい。以上から、液晶表字装置自体が遮蔽物となるような液晶表示ユニットにおいても、興趣ある画像を遊技者に提供することが可能であり、遊技者の期待感を高めることができる。なお、識別情報表示板740としては、上述した識別情報が印字された板には限定されず、液晶表示装置を用いて、識別情報を可変的に表示するような構成にしてもよい。この場合には、さらに多様な識別情報を視認させることができる。
さらには、上記実施形態においてはメダルを用いるスロットマシンに対して本発明を適用したが、遊技球を用いるパチンコ遊技機や遊技球を用いたスロットマシン(パチロット若しくはパロットなどと呼ばれることがある)にも適用できるものである。
例えば、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技球を発射するための操作を受け付ける発射ハンドル装置(操作ノブ)と、発射ハンドル装置で受け付けた操作に基づいて、遊技球を遊技領域に向けて弾発する発射装置と、を備えるパチンコ遊技機が、上記実施形態及び変形例で述べた扉付き液晶表示装置を具備してもよい。図30は、本発明が適用されるパチンコ遊技機800の外観斜視図である。パチンコ遊技機800の扉付き液晶表示装置600Iは、図30に示すように、液晶表示装置700と、液晶表示装置700の手前に開閉自在に設けられた扉610で構成されている。なお、図30(a)は、扉610を開いている状態、図30(b)は、扉610を閉じている状態を示している。
より詳しくは、液晶表示装置700は、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置を備えており(また、図示しないが、可変表示装置は、別途、液晶表示装置700以外の所定の場所にも設けられていてもよい)、始動入賞口(図示せず)に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置は、図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技状態の推移を告知するようになっている。すなわち、遊技球が始動入賞口に入球すると、抽選を行い、この抽選結果が当りであるか否かを判定する。そして、この抽選で大当たりに当選すると、可変表示装置により、特定の図柄による組み合わせ(大当たり図柄;例えば、777など)が表示され、大当たり状態に移行する。大当たり状態では、大入賞口が、例えば、所定の時間又は所定の回数、開放され続けるので、遊技球は入球しやすい状態となり、遊技者にとって有利な状態が実現されるようになっている。
例えば、このような大当たり状態のときに、液晶表示装置700に所定の画像情報を表示するとともに、扉610を閉じて、扉画像演出を行うようにしてもよく、この結果、興趣ある画像情報を遊技者に提供することができる。