JP2004344495A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前面側に設けられた液晶表示装置12の表示画面は、裏面側のドラムに付された図柄が透けて見える透明部分と、裏面側が透けて見えない非透明部分とを有している。表示画面の非透明部分に表示する画像と透明領域に表示する画像を別々にVRAM84における表示領域外の領域に一旦展開する処理が実行される。そして、別々にVRAM84における表示領域外の領域に一旦展開された画像をVRAM84における表示領域内に展開して合成する処理が行われる。VRAM84における表示領域内に展開された画像の画像データを液晶表示装置12に出力して液晶表装置12の表示画面に表示する処理が実行される。
【選択図】 図40
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示手段を備え、識別情報の表示結果が特定の表示結果になったときに遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態に制御可能なパチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。さらに、識別情報を可変表示可能な可変表示手段が設けられ、当該識別情報の可変表示の表示結果が特定の表示結果となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となるように構成されたものがある。
【0003】
特定遊技状態とは、所定の遊技価値が付与された遊技者にとって有利な状態を意味する。具体的には、特定遊技状態は、例えば可変入賞球装置の状態が打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態(大当り遊技状態)、遊技者にとって有利な状態となるための権利が発生した状態、景品遊技媒体払出の条件が成立しやすくなる状態などの、所定の遊技価値が付与された状態である。
【0004】
パチンコ遊技機では、識別情報として特別図柄を表示する可変表示手段の表示結果があらかじめ定められた特定の表示態様の組合せとなることを、通常、「大当り」という。大当りが発生すると、例えば、大入賞口が所定回数開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に移行する。そして、各開放期間において、所定個(例えば10個)の大入賞口への入賞があると大入賞口は閉成する。そして、大入賞口の開放回数は、所定回数(例えば15ラウンド)に固定されている。なお、各開放について開放時間(例えば29.5秒)が決められ、入賞数が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口は閉成する。また、大入賞口が閉成した時点で所定の条件(例えば、大入賞口内に設けられているVゾーンへの入賞)が成立していない場合には、大当り遊技状態は終了する。
【0005】
また、可変表示手段において最終停止図柄(例えば左右中ドラムのうち中ドラムにおける図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、特定の表示結果と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様といい、リーチ状態となったことをリーチ成立という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。リーチ状態において、変動パターンを通常状態における変動パターンとは異なるパターンにすることによって、遊技の興趣が高められている。そして、可変表示手段に可変表示される図柄の表示結果がリーチ状態となる条件を満たさない場合には「はずれ」となり、可変表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
【0006】
従来の遊技機では、識別情報としての特別図柄を周面に配した回転ドラムの前面側(手前)にハーフミラー(透明板)を設け、投影表示機構によってハーフミラーに画像を投影して表示させている。このような構成により、回転ドラムによる特別図柄の表示に加えてキャラクタ図柄をハーフミラーにおいて表示することが可能となり、装飾的な視覚効果を向上させている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−104311号公報(段落0017−0019、図2)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したような従来の遊技機では、ハーフミラーに画像を表示させるためには投影表示機構が必要であるので、ハーフミラーにおける画像を表示するための表示範囲を大きくすることは技術的に困難であった。また、表示範囲を大型化できたとしても、ハーフミラーは光を透過するので、ハーフミラーに画像を投影していないときにはハーフミラーの全範囲(すなわち全表示範囲)が遊技者に透けて見えてしまい、機械の内部まで見えてしまうことになる。よって、表示範囲を小さくせざるを得ないため、装飾的な視覚効果が減少し、演出効果も減少してしまうという課題がある。
【0009】
そこで、本発明は、前面側に画像を表示するための表示範囲を大型化することにより視覚効果および演出効果を向上させることができるとともに、表示範囲に透明部分と非透明部分を設けることにより不必要な部位(例えば機械内部)を隠すことができる遊技機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による遊技機は、遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば飾り図柄)を可変表示可能な可変表示手段(例えば飾り図柄表示装置11)を備え、識別情報の表示結果が特定の表示結果(例えば有効ラインで飾り図柄が揃う)になったときに遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、可変表示手段は、外部より視認可能な表示画面に画像(例えば、飾り図柄などの識別情報の画像、キャラクタなどの画像)を表示する画像表示装置(例えば液晶表示装置12)と、画像表示装置の表示画面の裏面側に配置され、表面に識別情報が配され回動可能な可変表示部材(例えば回転ドラム235〜237を備えた回転ドラム機構13)と、を含み、表示画面は、当該表示画面の裏面側に配置される可変表示部材の表面に配された識別情報を遊技者が視認可能な透過領域(例えば透明部分)と、当該表示画面の裏面側を遊技者が視認不可能な非透過領域(例えば非透明部分)と、を有し、画像を表示画面に表示するために用いられる画像データ(図53,図55参照)を格納する画像データ格納手段(例えばCGROM83)と、表示画面に表示される画像を一旦展開するための仮想表示領域(例えば表示領域:図39参照)を含む一時格納手段(例えばVRAM、すなわちSDRAM84)と、画像を一時格納手段における領域の所定位置に展開することを指示する(「指示する」とは、例えば、所定の処理を指示する信号を表示制御マイクロコンピュータから表示制御マイクロコントローラに対して出力することを意味する)表示制御用マイクロコンピュータ(例えば表示制御用CPU101)と、表示制御用マイクロコンピュータからの信号に応じて、画像データ格納手段に格納されている画像データを用いた画像を一時格納手段における領域の所定位置に展開する処理(例えば、ステップS501〜S505,ステップS531〜S533に示す処理)を実行するとともに、一時格納手段における領域内に含まれる仮想表示領域内に展開された画像を画像表示装置の表示画面に表示する処理(例えば、ステップS505,ステップS533に示す処理)を実行するマイクロコントローラ(例えばGCL81)と、を備え、表示制御用マイクロコンピュータは、非透過領域に表示する画像と透過領域に表示する画像とを別々に一時格納手段における領域の所定位置に展開することを指示する信号をマイクロコントローラに対して出力する展開指示信号出力手段(例えばステップS885,S835を実行する部分)を含み、マイクロコントローラは、表示制御用マイクロコンピュータからの信号に応じて、非透過領域に表示する画像と透過領域に表示する画像を別々に一時格納手段における領域の所定位置に展開する処理(図40参照)を実行するとともに、一時格納手段における領域内に含まれる仮想表示領域内に別々に展開された画像を画像表示装置の表示画面に合成して表示する処理(図40参照)を実行することを特徴とする。
【0011】
表示制御用マイクロコンピュータは、マイクロコントローラに対して所定の画像の展開を指示する前に、当該所定の画像の領域が仮想表示領域内に展開されることになるか否かを判定する画像位置判定手段(例えばステップS914〜S917を実行する部分)と、画像位置判定手段により所定の画像の全領域が仮想表示領域外に展開されることになると判定されたときには(例えばステップS903のY)、マイクロコントローラに対する所定の画像の展開の指示を行わず、画像位置判定手段により所定の画像の少なくとも一部の領域が仮想表示領域内に展開されることになると判定されたときには(例えばステップS903のN)、マイクロコントローラに対する所定の画像の展開の指示を行う制御を実行する展開指示制御手段(例えばステップS904,S884,S885,S834,S835を実行する部分)と、含む構成とされていてもよい
【0012】
表示制御用マイクロコンピュータは、マイクロコントローラに対して所定の画像の展開を指示する前に、当該所定の画像が非透過領域に展開する画像であるか否かを判定する画像展開領域判定手段(例えばステップS921を実行する部分)と、所定の画像が非透過領域に展開する画像であると判定されたときに、当該所定の画像の領域が仮想表示領域内における透過領域に対応する領域内に展開されることになるか否かを判定する非透過領域画像位置判定手段(例えばステップS922〜S925を実行する部分)と、非透過領域画像位置判定手段により所定の画像の全領域が透過領域に対応する領域内に展開されることになると判定されたときには(例えばステップS905のY)、マイクロコントローラに対する所定の画像の展開の指示を行わず、非透過領域画像位置判定手段により所定の画像の少なくとも一部の領域が透過領域に対応する領域外に展開されることになると判定されたときには(例えばステップS905のN)、マイクロコントローラに対する所定の画像の展開の指示を行う制御を実行する非透過領域展開指示制御手段(例えばステップS906,S884,S885,S834,S835を実行する部分)と、を含む構成とされていてもよい。
【0013】
マイクロコントローラは、一時格納手段における領域に画像を展開するときに、画像が仮想表示領域内に展開されるか否かを判定する領域判定手段(例えば、ステップS505,S533における画像の各画素が表示領域内にあるか否かを判定する部分)と、領域判定手段により画像の少なくとも一部の領域が仮想表示領域外に展開されるときには、仮想表示領域外に展開される画像の領域についての画像の展開を禁止する展開禁止手段(例えば、ステップS505,S533における表示領域外の画像の画素に対して展開を禁止する部分)と、を含む構成とされていてもよい。
【0014】
マイクロコントローラは、一時格納手段における領域に画像を展開するときに、画像が仮想表示領域内における透過領域に対応する領域内に展開されるか否かを判定する透過領域判定手段(例えば、ステップS505,S533における画像の各画素が透明部分内にあるか否かを判定する部分:図41参照)と、透過領域判定手段により画像の少なくとも一部の領域が透過領域に対応する領域内に展開されるときには、透過領域に対応する領域内に展開される画像の領域についての画像の展開を禁止する透過領域展開禁止手段(例えば、ステップS505,S533における透過部分内の画像の画素に対して展開を禁止する部分:図41参照)と、を含む構成とされていてもよい。
【0015】
表示制御用マイクロコンピュータは、複数の画像を一時格納手段における領域の所定位置に展開することを指示するときに、複数の画像が重畳したときにいずれを優先して表示するか(例えば、いずれの画像を前面側に表示するかを示す優先度)をさらに指示し、表示制御用マイクロコンピュータは、画像を一時格納手段における領域の所定位置に展開することを指示するときに、展開を指示する画像の全領域に重畳して優先して表示される画像があるか否かを判定する重畳判定手段(例えばステップS907〜S909を実行する部分)と、重畳判定手段により展開を指示する画像の全領域に重畳して優先して表示される画像があると判定されたときには、マイクロコントローラに対する当該画像の展開の指示を行わず、重畳判定手段により展開を指示する画像の全領域に重畳して優先して表示される画像がないと判定されたときには、マイクロコントローラに対する当該画像の展開の指示を行う制御を実行する重畳画像展開指示制御手段(例えばステップS910,S884,S885,S834,S835を実行する部分)と、を備えていてもよい。
【0016】
一時格納手段における領域に複数の仮想表示領域(例えば2つの表示領域0,1)が設定され、マイクロコントローラは、一の仮想表示領域に展開された画像が画像表示装置に表示されている間に、別の仮想表示領域に画像を展開する処理を実行するように構成されていてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0018】
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図、図2は遊技盤の前面を示す正面図である。
【0019】
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
【0020】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
【0021】
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な識別情報としての図柄(飾り図柄)の画像やキャラクタの画像などを表示する液晶表示装置(LCD;画像表示装置)12と、識別情報としての図柄(飾り図柄)を可変表示する複数の回転ドラムを備えた回転ドラム機構13とからなる飾り図柄表示装置11が設けられている。飾り図柄表示装置11の構成については、図3〜図5を参照して後で詳しく説明する。
【0022】
飾り図柄表示装置11の上部には、特別図柄を可変表示する7セグメントLEDによる特別図柄表示器9が設けられている。また、飾り図柄表示装置11の上部には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する特別図柄始動記憶表示器18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、特別図柄始動記憶表示器18は点灯するLEDを1増やす。そして、特別図柄表示器9の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
【0023】
飾り図柄表示装置11の下方には、始動入賞口14としての可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
【0024】
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイドも設けられている。
【0025】
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、「〇」および「×」のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に「〇」が点灯すれば当たりとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。飾り図柄表示装置11の上部には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への球通過がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
【0026】
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
【0027】
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。上記のように、この実施の形態のパチンコ遊技機1には、発光体としてのランプやLEDが各所に設けられている。
【0028】
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、飾り図柄表示装置11(液晶表示装置12と回転ドラム機構13のいずれか一方または双方))において飾り図柄が可変表示(変動)を始めるとともに、特別図柄表示器9において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動記憶数を1増やす。
【0029】
飾り図柄表示装置11における飾り図柄の可変表示および特別図柄表示器9における特別図柄の可変表示は、それぞれ一定時間が経過したときに最終的に停止(確定)する。停止時の特別図柄すなわち停止図柄が大当り図柄(特定表示結果)である場合には、飾り図柄の停止図柄も、大当り図柄に対応した特定の表示結果になる。特別図柄の停止図柄が大当り図柄ではないはずれ図柄である場合には、飾り図柄の停止図柄も、はずれ図柄に対応した非特定の表示結果になる。
【0030】
なお、この実施の形態では、特別図柄は「−」、「0」〜「9」、「A」〜「C」、「E」、「F」および「H」の17種類であり、大当り図柄は「−」以外の図柄である。また、飾り図柄表示装置11(主に回転ドラム機構13)では、停止時に、3×3=9個の飾り図柄が視認可能に表示される。特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、飾り図柄表示装置11における有効ライン(図15参照)上において3つの飾り図柄が同一図柄になる。
【0031】
特別図柄の停止図柄が大当り図柄になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に遊技球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
【0032】
特別図柄の停止図柄が確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)である場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な遊技状態になる。なお、この実施の形態では、確変図柄は奇数の数字および「B」、「E」、「H」である。また、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合には、飾り図柄表示装置11における有効ライン(図15参照)上において3つの奇数の数字の飾り図柄が同一図柄になる。
【0033】
遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
【0034】
次に、飾り図柄表示装置11における回転ドラム機構13の構成について図3を参照して説明する。図3は、飾り図柄表示装置11の回転ドラム機構13の構造を示す分解斜視図である。
【0035】
図3に示すように、回転ドラム機構13は、左中右の回転ドラムユニット231〜233と、それらを収納するドラム収納ケース239と、各回転ドラムユニット231〜233をドラム収納ケース239に位置決め固定するとともに遊技盤6の裏面側(遊技機に取り付けられた状態の遊技盤6の盤面を含む平面の裏側を意味する)に取り付けるためのドラム取付枠220,221とで構成されている。なお、本例では、遊技盤6のような遊技者に略正対する板状体については、遊技機から遊技者方向に向く方を表面側(前面側)とし、表面側の逆方向に向く方を裏面側(背面側)とする。ドラム収納ケース239は、前方が開口した箱状に形成されている。ドラム収納ケース239の開口から回転ドラムユニット231〜233が挿入される。また、ドラム収納ケース239の開口上部には、ドラム取付枠221がねじ止めされるビス穴を有する取付部239c,239dが設けられている。また、ドラム収納ケース239の後面上側には、ドラム収納ケース239内の熱を効率良く外部に放出するための放熱口256aが設けられている。また、ドラム収納ケース239の上面には、回転ドラムユニット231〜233をねじ止めするためのビス穴が設けられている。
【0036】
コ字状のドラム取付枠220は、箱状のドラム収納ケース239に後方から装着される。ドラム取付枠220の両端部には、ビス穴を有する取付部220a,220bが形成されている。また、ドラム取付枠220の中央辺の側面には、ドラム収納ケース239および各回転ドラムユニット231〜233をそれぞれねじ止めするためのビス穴が設けられている。額縁状のドラム取付枠221は、ドラム収納ケース239の開口の縁部を覆うように装着される。ドラム取付枠221の左右の辺には、ドラム取付枠220の取付部220a,220bとねじ止めされるビス穴を有する取付部221a,221bが形成されている。また、ドラム取付枠221の上辺には、ドラム収納ケース239の取付部239c,239dとねじ止めされるビス穴を有する取付部221c,221dが形成されている。
【0037】
回転ドラムユニット231〜233は、それぞれ、表面に複数の図柄(飾り図柄)が付された円筒状の回転ドラム235〜237と、各回転ドラム235〜237を回転可能に支持するとともにドラム収納ケース239に取り付けるドラム取付金具240〜242とで構成されている。ドラム取付金具240〜242には、ドラム収納ケース239にねじ止めされるビス穴が各所に設けられている。
【0038】
回転ドラムユニット231〜233は、ドラム収納ケース239に収納された後、ねじ止めされてドラム収納ケース239内の所定位置に固定される。そして、ドラム取付枠220が箱状のドラム収納ケース239に後方から装着され、ドラム取付枠220のビス穴にビスがねじ込まれることによって、ドラム取付枠220とドラム収納ケース239および回転ドラムユニット231〜233とがねじ止め固定される。そして、ドラム取付枠221がドラム収納ケース239の開口の縁部を覆うように装着され、ドラム取付枠221のビス穴にビスがねじ込まれることによって、ドラム取付枠221とドラム収納ケース239およびドラム取付枠220とがねじ止め固定される。このように組み立てられた回転ドラム機構13は、ドラム取付枠221がビスでねじ止めされることによって遊技盤6の裏面側に固定されて装着される。
【0039】
なお、図3には示していないが、各回転ドラムユニット231〜233には、それぞれ、回転ドラム235〜237を回転させるドラムモータ(ステッピングモータ)が設けられている(図7参照)。回転ドラムユニット231〜233毎に設けられている各ドラムモータは、駆動力を個別に回転ドラム235〜237に与えることにより回転ドラム235〜237を個別に回転させる。各回転ドラム235〜237は、ドラムモータからの駆動力にもとづいて正逆方向(順方向および逆方向)に回転可能である。また、各回転ドラム235〜237は、ドラムモータからの駆動力にもとづいて低速、中速、高速などのように異なる速度で回転可能である。
【0040】
また、各回転ドラムユニット231〜233には、それぞれ、6個のドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152C(すなわち合計18個のドラム装飾用LED)が設けられている(図4参照)。各回転ドラム235〜237の表面に付されている飾り図柄のうち3図柄が同時に遊技者に視認可能である。そして、ドラム装飾用LED151A,152Aは、そのうちの1図柄を装飾し、ドラム装飾用LED151B,152Bは、他の1図柄を装飾し、ドラム装飾用LED151C,152Cは、さらに他の1図柄を装飾する。なお、ドラム装飾用LEDとして、それぞれ、フルカラーLEDが用いられている。
【0041】
さらに、各回転ドラムユニット231〜233には、それぞれ、内側から回転ドラム235〜237の表面を照明するドラム用バックライト250が各回転ドラム235〜237の内部に設けられている(図4参照)。ドラム用バックライト250は、図4に示すように前面側に光を照射する。回転ドラム235〜237の表面は、光を完全に遮断するのではなく、光の一部を透過させる(なお、光を全て透過させるわけではないので、回転ドラムの表面は透明ではない)。従って、ドラム用バックライト250からの光の一部は、回転ドラム235〜237の表面を透過して前面側に導かれる。
【0042】
次に、飾り図柄表示装置11における液晶表示装置12の構成について図4を参照して説明する。図4は、飾り図柄表示装置11の液晶表示装置12の構造を示す断面図である。図4に示すように、液晶表示装置12は前側(遊技盤6の面内)に設置され、回転ドラム機構13は裏側(遊技機の内部)に設置されている。なお、液晶表示装置12の表示画面は方形状に形成されている。
【0043】
この実施の形態における液晶表示装置12は、遊技者が表示画面の裏側を視認可能な(裏側が透けて見える)透明部分(透明領域)と、遊技者が表示画面の裏側を視認不可能な(裏側が見えない)非透明部分(非透明領域)とを有している。このように、表示画面の領域中に透明部分を有しているので、液晶表示装置12は一般に透明液晶と呼ばれる。図4に示すように、表示画面の透明部分の裏側には回転ドラム235〜237が配置されているので、遊技者は、回転ドラム235〜237の表面に付されている図柄を透明部分を介して視認することができる。以下、液晶表示装置12の構造および原理について説明する。
【0044】
図4に示すように、液晶表示装置12は多層パネルから構成されている。多層パネルは、前面側から保護ガラス301、液晶パネル310、ホログラム304、導光板305および反射フィルム306を備えた多層構造となっている。保護ガラス301は、光を透過させる透明な強化ガラスであって、裏面側の液晶パネル310を保護する役割を果たす。液晶パネル310は、2枚のガラス基板303A,303Bの内側に液晶302が挟まれた構造となっている。液晶302は、液晶を高分子(ポリマー)中に微小粒として分散させた高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)である。高分子分散型液晶は、光散乱効果をディスプレイ装置に利用するものである。すなわち、高分子・液晶の複合体に電圧を加えて液晶分子の配列方向を電界の方向にそろえ、高分子と液晶の屈折率のマッチングによる効果を利用して白濁・透明の切替を行うものである。このような高分子分散型液晶を用いれば、配向膜も偏光板も不要となる。図4には示していないが、ガラス基板303A,303Bの内面には、液晶302に電圧を印加する透明電極が配されている。透明電極の電極パターンはマトリクス状となっている。
【0045】
ホログラム304は、一定方向から入射した特定波長の光を回折して他の方向に出射させる。ホログラム304は、ガラス基板304Bの裏面(液晶302がある方の面とは反対側の面)上に作成されている。一般に、ホログラフィ技術は、物体にレーザ光線を照射して、散乱した物体光と参照光との干渉縞(ホログラム)を記録し、参照光で物体光の波面再生を行う。しかし、ホログラム304は、通常の立体画像を表示するホログラムと異なり、実際の物体からの物体光を用いずに、平行光を利用して作成される。ホログラム304は体積位相型のホログラムである。すなわち、光照射によって屈折率が変化する感光性樹脂を用い、干渉縞の光強度分布に対応した位相分布を実現する。従って、回折効率が高く、また面の垂直方向に入射された光は透過させるので、面の垂直方向に対してはほぼ透明である。また、体積位相型のホログラム304は、記録時に用いられていた特定波長の光またはその近傍の波長の光によってのみ再生され、その波長と異なる波長の光によっては再生されない。
【0046】
導光板305は、光源320から照射される光をホログラム304の面に導くアクリル板である。導光板305の裏面には、裏側(ドラム側)からの光を透過させるが、前側(導光板305側)からの光を反射する反射フィルム306が貼り付けられている。光源320は、液晶302に対して平行光(照明光)を照射するための冷陰極管である。光源320は、導光板305の上部に隣接して設置されている。なお、導光板305、反射フィルム306および光源320により液晶表示装置12のバックライトを構成する。導光板305および反射フィルム306の裏面における非透明部分に対応する部分には、裏側からの光を遮る遊技機の筐体の一部である遮蔽板60が配置されている。従って、遮蔽板60によって裏側からの光が遮られるので、遊技者は表示画面の非透明部分においては裏側を見ることができない。
【0047】
次いで、液晶表示装置における透明液晶の原理を図5を参照して説明する。図5に示すように、導光板305の上端部に設けられた光源320は、特定波長の平行光(照明光)を照射する。導光板305の上端部から入射された平行光は、導光板305内を進行しホログラム304に入射する。ホログラム304では、斜め下方向に入射した特定波長の平行光を回折して液晶パネル310側に対して斜め上方向に出射する。ホログラム304からの回折光は、液晶パネル310のガラス基板303Bを通じて液晶302に入射する。
【0048】
液晶302は、上述したように、高分子分散型液晶であって、透明電極により電圧が印加されているとき(オン状態のとき)は透明で、電圧が印加されていないとき(オフ状態のとき)は白濁である。従って、透明にしたい表示画面の透明部分内の画素をオン状態にし、画像を表示したい表示画面の透明部分内の画素を画像信号に応じてオフ状態にする。オフ状態の画素では、回折光の入射方向に関係なく光を前方に散乱する。オフ状態の画素で前方散乱された光が遊技者の眼に入ることにより遊技者にはオフ状態の画素のみ輝いて見える。一方、オン状態の画素では、ホログラム304からの回折光が斜め上方向に入射されるので、その回折光は遊技者の眼に入らない。また、外光(ドラム側からの光)は、導光板305およびホログラム304を透過し、さらに液晶302におけるオン状態の画素を透過するので、遊技者の眼に入る。よって、オン状態の画素において裏側(ドラム側)が透けて見えることになる。
【0049】
このように、液晶表示装置12の表示画面における透明部分では、画像を表示することができるとともに、画像を表示していない部分を透明にすることができる。よって、液晶表示装置12の表示画面における透明部分において、裏側の回転ドラム235〜237による図柄等の表示と重畳させて画像を表示することができる。ここで、液晶表示装置12では偏光板が用いられていないため、光の透過率が低下してしまうことがない。また、光源320からの光を液晶302に照射して液晶302を散乱させているので明るい画像を得ることができる一方、ホログラム304からの回折光は斜め上方向に液晶302に入射するので遊技者の眼に入ることはない。また、液晶表示装置12の裏側の非透明部分に対応する部分には遮蔽板60が設けられているので、遊技者が表示画面における非透明部分の裏側を視認することができない。
【0050】
以上においては、モノクロ(白黒)画像を表示可能な透明液晶の構成を説明していたが、カラー画像を表示可能な透明液晶も実現することが可能である。例えば、二枚のガラス基板の一方の表面(例えばガラス基板303Aと透明電極との間)にカラーフィルタを画素毎に設けることなどによって実現できる。
【0051】
なお、図4および図5に示した液晶表示装置12は、透明液晶の構造の一例であって、透明液晶を実現できるものであれば、その他の構造であってもかまわない。例えば、光源320からの平行光の光路を変換する手段として、体積位相型のホログラム304を用いていたが、位相回折格子やハーフミラーなどを用いることも可能である。また、液晶302として高分子分散型液晶を用いていたが、ネマティック液晶等を用いてもよい。また、高分子分散型液晶による光の前方散乱を利用していたが、光の後方散乱を利用することも可能である。また、光源320は、冷陰極管で実現されていたが、自ら発光するものであれば、各種ランプ、放電管、エレクトロルミネッセンスなどであってもよい。さらに、画像のカラー化を実現するための手段として、カラーフィルタを利用するのではなく、その他の手段を利用してもよい。
【0052】
図6は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図6には、払出制御基板37、ランプ制御基板35、音制御基板70および図柄制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御手段)53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aおよびクリアスイッチ921からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21および大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。クリアスイッチ921は、例えば遊技機に設置されている電源基板に搭載されている。
【0053】
なお、図6には示されていないが、カウントスイッチ短絡信号もスイッチ回路58を介して基本回路53に伝達される。また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。
【0054】
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、特別図柄表示器9における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号を、遊技機裏面に設置されている情報端子盤を介してホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
【0055】
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。
【0056】
また、RAM(CPU内蔵RAMであってもよい。)55の一部または全部が、電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。
【0057】
この実施の形態では、図柄制御基板80に搭載されている表示制御手段(CPU、ROM、RAM等)が、遊技制御手段からの表示制御コマンドに従って、飾り図柄表示装置11の液晶表示装置12および回転ドラム機構13の制御を行う。また、表示制御手段は、表示制御コマンドによって指令される情報および表示制御手段が生成した情報を示すデータを、ランプ制御コマンドとしてランプ制御基板35に送信する。なお、表示制御手段は、全ての表示制御コマンドにもとづく情報をランプ制御基板35に転送するのではなく、遊技機に設けられているランプ等(発光体)および音の制御に必要とされる情報を含む表示制御コマンドにもとづく情報のみをランプ制御基板35に転送するようにしてもよい。また、この実施の形態では、ランプ制御コマンドの形態は表示制御コマンドの形態と同じであるが、それらの形態は異なっていてもよい。
【0058】
ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御手段(CPU、ROM、RAM等)は、ランプ制御コマンドに従って、遊技機に設けられている発光体の制御を行う。すなわち、特別図柄表示器9、普通図柄表示器10、特別図柄始動記憶表示器18、普通図柄始動記憶表示器41および飾りランプ25等の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51および球切れランプ52の表示制御を行う。なお、各ランプはLEDその他の種類の発光体でもよい。すなわち、ランプやLEDは発光体の一例であり、以下、ランプ・LEDと総称することがある。また、飾り図柄表示装置11の上部および左右部には、可変表示装置飾りLED(センター飾りLED)が設置され、大入賞口の内部には大入賞口内飾りLEDが設置され、大入賞口の左右には、大入賞口左飾りLEDおよび大入賞口右飾りLEDが設置されている。ランプ制御手段は、それらの発光体の制御も行う。なお、ドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cは、表示制御手段によって制御される。
【0059】
また、ランプ制御手段は、受信したランプ制御コマンドによって指令される情報を、音制御コマンドとして音制御基板に送信する。音制御基板70に搭載されている音制御手段(CPU、ROM、RAM等)は、音制御コマンドに従って、スピーカ27からの音出力制御を行う。なお、ランプ制御手段は、全てのランプ制御コマンドにもとづく情報を音制御基板70に転送するのではなく、音の制御に必要とされる情報を含むランプ制御コマンドにもとづく情報のみを、音制御コマンドとして音制御基板70に転送するようにしてもよい。
【0060】
図7は、図柄制御基板80内の回路構成例を、可変表示部材としてのドラム235,236,237を回転させる駆動手段としてのドラムモータ200a,200b,200c、ドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152C、および主基板31の一部とともに示すブロック図である。なお、ドラムモータ200a,200b,200cとして、ステッピングモータが用いられている。
【0061】
図柄制御基板80にはマイクロコンピュータが搭載されている。マイクロコンピュータにおける表示制御用CPU101は、RAM103を適宜用いて、ROM102に格納されたプログラムに従って動作する。主基板31の出力ポート570,571および出力バッファ回路620,621から、ノイズフィルタ107および入力バッファ回路105Bを介してストローブ信号(INT信号)が入力されると、入力バッファ回路105Aを介して表示制御コマンドを受信する。入力バッファ回路105A,105Bとして、例えば汎用ICである74HC244を使用することができる。
【0062】
そして、表示制御用CPU101は、受信した表示制御コマンドに従って、液晶表示装置12の表示画面に表示させる画像の描画処理を実行させるための制御信号(指令)を、出力ポートを介してGCL(Graphics Controller LSI )81に与える。GCL81は、表示制御用CPU101からの信号に従って、各種画像の描画処理を実行する。なお、GCL81の構成については、図8を参照して後で詳しく説明する。
【0063】
また、表示制御用CPU101は、受信した表示制御コマンドに従って、ドラムを回転させるための駆動手段としてのドラムモータ200a〜200cの駆動制御を行うための制御信号(指令)を、出力ポートを介して駆動回路としてのモータ駆動回路177に与える。モータ駆動回路177は、表示制御用CPU101からの信号に従って、ドラムモータ200a〜200cに駆動信号を供給する。
【0064】
さらに、表示制御用CPU101は、フルカラーLED駆動回路178に、ドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cを所定の色で点灯させたり消灯させたりするための制御信号を与える。フルカラーLED駆動回路178は、制御信号に応じて、ドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cを所定の色で点灯させたり消灯させたりする。
【0065】
入力バッファ回路105A,105Bは、主基板31から図柄制御基板80へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、図柄制御基板80側から主基板31側に信号が伝わる余地はない。図柄制御基板80内の回路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が主基板31側に伝わることはない。なお、出力ポート570,571の出力をそのまま図柄制御基板80に出力してもよいが、単方向にのみ信号伝達可能な出力バッファ回路620,621を設けることによって、主基板31から図柄制御基板80への一方向性の信号伝達をより確実にすることができる。
【0066】
また、表示制御用CPU101は、表示制御コマンドを受信すると、出力ポートを介して、受信した表示制御コマンドに応じたランプ制御コマンドをランプ制御基板35に送信する。ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御用CPUを含むランプ制御手段は、ランプ制御コマンドに応じて、特別図柄表示器9、普通図柄表示器10、特別図柄始動記憶表示器18、普通図柄始動記憶表示器41および飾りランプ25等の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51および球切れランプ52の表示制御を行う。
【0067】
例えば、ランプ制御コマンドによって、特別図柄の停止図柄と、特別図柄の可変表示時間(変動時間)を特定可能な情報を受けた場合、ランプ制御手段は、変動時間だけ、7セグメントLEDによる特別図柄表示器9において所定時間毎(例えば0.5秒ごと)に表示を順次切り替えることによって特別図柄の変動を実行させる。そして、変動時間が経過し、かつ、特別図柄の停止を示すランプ制御コマンドを受信したら、指定された停止図柄を停止表示させるように制御する。また、普通図柄の停止図柄と、普通図柄の可変表示時間(変動時間)を特定可能な情報を受けた場合、ランプ制御手段は、変動時間だけ、普通図柄表示器10において点灯させる方の表示部を交互に切り替えることによって普通図柄の変動を実行させる。そして、変動時間が経過しかつ、普通図柄の停止を示すランプ制御コマンドを受信したら、停止図柄として指定された方の表示部を点灯表示させるように制御する。
【0068】
なお、ランプ制御コマンドは、表示制御用CPU101が主基板31の遊技制御手段から受信した表示制御コマンドの内容に対応したコマンドである。従って、ランプ制御コマンドが示す情報は、実質的には、遊技制御手段が生成した情報である。
【0069】
図8は、図柄制御基板80における画像表示制御に関わる部分の回路構成例を示すブロック図である。上述したように、液晶表示装置12の表示制御を実行する際に、表示制御用CPU101は、表示制御コマンドに応じた指令をGCL(VDPとも呼ぶ。)81に与える。GCL81は、CGROM83から必要なデータを読み出す。なお、CGROM83には、図柄や使用頻度の高いキャラクタの画像データが格納されている。CGROM83Aに格納されている使用頻度の高いキャラクタとは、例えば、液晶表示装置12に表示される人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等からなる画像である。なお、キャラクタには、実写による動画像(映像)や静止画像も含まれる。
【0070】
GCL81は、入力したデータに従って液晶表示装置12に表示するための画像データを生成し、R(赤),G(緑),B(青)信号および同期信号を液晶表示装置12に出力する。液晶表示装置12は、例えば、多数の画素(ピクセル)を用いたドットマトリクス方式による画面表示を行う。この実施の形態では、R,G,B信号がそれぞれ8ビットで表される。したがって、液晶表示装置12は、GCL81からの指示に従って、R,G,Bそれぞれが256階調であり、約1670万色の多色表示を行うことができる。なお、R,G,B信号のビット数は8ビット以外のビット数であってもよく、また、R,G,B信号の各ビット数が互いに異なる数であってもよい。
【0071】
表示制御部80には、CGROM83やSDRAM(VRAM)84等の各種の記憶媒体が備えられている。SDRAM84には、フレームバッファ、キャラクタのソースデータ、表示色の特定や変更等のために用いられるパレットデータ等の表示画像に関するデータが格納される。ソースデータは画像データであり、元画像のデータという意味で、ソースデータと表現する。
【0072】
GCL81は、所定のパレットデータを一時的に保存するためなどに用いられるパレットデータバッファ85や、所定のCGデータを一時的に保存するためなどに用いられるCGデータバッファ86等の各種の記憶媒体の他、描画制御部91と、液晶表示装置12に信号を出力するための表示信号制御部87と、ディジタル信号をアナログ信号に変換するDAC(ディジタルアナログコンバータ)88と、動画圧縮処理や伸張処理を行う動画圧縮伸張部89とを含む。描画制御部91は、例えば、アトリビュート解析部、VRAMアドレス生成部、クリッピング部および半透明輝度変調部を含む。アトリビュート解析部は、キャラクタを描画する際に使用されるパラメータの解析を行う。パラメータには、画像の描画順序、色数、拡大縮小率、パレット番号、座標等を指定するための情報が設定されている。なお、動画圧縮伸張部89は、GCL81によって制御されるように構成しても、表示制御用CPU101によって制御されるように構成してもよい。
【0073】
GCL81の内部には、CGバスとVRAMバスとが設けられている。CGROM83とCGバスとの間には、CGバスインタフェース(CGバスI/F)93が設置されている。CGバスにはCPUI/F92も接続され、表示制御用CPU101は、CPUI/F92を介して、CGバスに接続されている部分をアクセスすることができる。具体的には、表示制御用CPU101は、CGバスに接続されている描画制御レジスタ95をアクセスすることができる。描画制御レジスタ95には、描画制御部91に対する演出制御用CPU101からの指令等が格納される。また、SDRAM84とVRAMバスとの間にはVRAMI/F94が設置されている。なお、動画伸張部89は、VRAMバスを介してVRAM84をアクセスできるとともに、CGバスを介して描画制御レジスタ95をアクセスすることができる。
【0074】
次に遊技機の動作について説明する。図9は、主基板31における遊技制御手段(基本回路:CPU56およびROM,RAM等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
【0075】
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。なお、割込みモード2は、遊技制御用マイクロコンピュータ56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
【0076】
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS14)。
【0077】
クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
【0078】
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0079】
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と表示制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
【0080】
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
【0081】
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。さらに、サブ基板(この実施の形態ではランプ制御基板35、払出制御基板37、音制御基板70および図柄出制御基板80)を初期化するための初期化コマンドを払出制御基板37および図柄出制御基板80に送信する処理を実行する(ステップS13)。初期化コマンドとして、特別図柄表示器9や飾り図柄表示装置11に表示される初期図柄を示すコマンドや賞球ランプ51および球切れランプ52の消灯を指示するコマンド等がある。
【0082】
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS14)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0083】
初期化処理の実行(ステップS11〜S14)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数とは、特別図柄表示器9に表示される図柄を決定するための乱数等であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、大当り判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
【0084】
なお、表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
【0085】
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図10に示すステップS20〜S33の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ24a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
【0086】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS22)。CPU56は、さらに、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23,S24)。
【0087】
図11は、各乱数を示す説明図である。各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(3)ランダム4:飾り図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(4)ランダム5:大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定する(リーチ判定用)
(5)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(7)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
(8)ランダム9:連続予告演出を実行するか否かを決定する(予告判定用)
【0088】
図10に示された遊技制御処理におけるステップS22では、CPU56は、(1)の大当り判定用乱数、(2)の大当り図柄決定用乱数、および(5)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(8)の乱数以外の乱数等も用いられている。
【0089】
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0090】
次いで、CPU56は、特別図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送出する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:ステップS27)。また、普通図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS28)。
【0091】
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
【0092】
また、CPU56は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの何れかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
【0093】
そして、CPU56は、始動入賞記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS31)。また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS32)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS33)。可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21,21Aを駆動する。その後、割込許可状態に設定する(ステップS34)。
【0094】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0095】
図12は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図12に示す特別図柄プロセス処理は、図10のフローチャートにおけるステップS25の具体的な処理である。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)を行い、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を行う。変動短縮タイマは、特別図柄の変動時間が短縮される場合に、変動時間を設定するためのタイマである。
【0096】
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、特別図柄の可変表示の結果、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。
【0097】
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
【0098】
飾り図柄変動パターン設定処理(ステップS302):飾り図柄の可変表示の変動パターンを、ランダム4の値に応じて決定する。また、変動時間タイマをスタートさせる。このとき、図柄制御基板80に対して、変動時間を指令する情報と特別図柄の停止図柄とが送信される。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。なお、飾り図柄の変動パターンを決定することによって、飾り図柄および特別図柄の変動時間も決定されることになる。
【0099】
図柄変動処理(ステップS303):所定時間(ステップS302の変動時間タイマで示された時間)が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
【0100】
図柄停止処理(ステップS304):特別図柄表示器9において可変表示される特別図柄および飾り図柄表示装置11において可変表示される飾り図柄が停止されるように制御する。具体的には、特別図柄停止を示す表示制御コマンドが送信される状態に設定する。そして、停止図柄が大当り図柄である場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0101】
大入賞口開放開始処理(ステップS305):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当り中フラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。
【0102】
大入賞口開放中処理(ステップS306):大入賞口ラウンド表示の表示制御コマンドを図柄制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS307に移行するように更新する。
【0103】
特定領域有効時間処理(ステップS307):V入賞スイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS308に移行するように更新する。
【0104】
大当り終了処理(ステップS308):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を表示制御手段に行わせるための制御を行う。そして、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0105】
図13は始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、始動入賞記憶数が最大値である4に達しているかどうか確認する(ステップS111)。始動入賞記憶数が4に達していなければ、始動入賞記憶数を1増やし(ステップS112)、大当り判定用乱数等の各乱数の値を抽出し、それらを始動入賞記憶数の値に対応した保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納する(ステップS113)。なお、乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。ステップS113では、図11に示された乱数のうち、ランダム1〜ランダム5が抽出される。そして、変動時間を短縮するか否かの判定を行うための変動時間短縮判定時間をセットする(ステップS114)。
【0106】
なお、この実施の形態では、大当り図柄は「−」以外の図柄である。なお、特別図柄の変動中において、表示図柄の表示は非連続的に変化してもよい。そして、大当りとなる場合において、停止図柄が奇数の数字または「B」、「E」、「H」であったときには、大当り遊技終了後に高確率状態に移行する。また、高確率状態において、大当りが発生すると、または、所定回の特別図柄の変動が行われると高確率状態は終了し低確率状態に戻る。
【0107】
図14は、回転ドラム235〜237の表面に付された図柄(飾り図柄)の配列の一例を図柄番号とともに示す説明図である。図14には、回転ドラム235〜237を展開した状態を示している。すなわち、回転ドラム235〜237は実際には円環状であり、図14に示す最上段と最下段とは接続されている。
【0108】
図14に示すように、ドラムの3列それぞれは、22コマ(段または行ともいう)に分けられており、各コマに数字の飾り図柄(「1」〜「11」)および数字でない飾り図柄(「・」)が付されている。数字の飾り図柄と数字でない飾り図柄は交互に各コマに配置されている。また、数字の飾り図柄は連続数字となるように1コマおきに配置されている。具体的には、図柄番号が奇数のコマ(図柄番号1,3,5・・・19,21のコマ)に数字でない飾り図柄(「・」)が配置され、図柄番号が偶数のコマ(図柄番号1,3,5・・・19,21のコマ)に連続した数字の飾り図柄(「1」「2」「3」・・・「11」)がそれぞれ配置されている。このようにドラムの3列のそれぞれに付された飾り図柄が識別情報に相当する。
【0109】
図15は、有効ラインの一例を示す説明図である。有効ラインとは、左中右のドラムに付された左中右の飾り図柄(数字でない飾り図柄は除く)が同一図柄で直線上に並んで停止表示されると大当りを発生させるラインのことをいう。図15に示す例では、左中右のドラムは、それぞれ、22コマのうちの3コマに付された飾り図柄を停止表示可能である。従って、図15に示すように、横方向の3ライン([1][2][3]のライン)と斜め方向の2ライン([4][5]のライン)とが、左中右の飾り図柄が直線上に並んで停止表示可能な有効ラインとなる。
【0110】
図16は、この実施の形態で用いられる特別図柄および飾り図柄の変動時間と飾り図柄の変動パターンとを示す説明図である。特別図柄の変動時間と飾り図柄の変動時間とは同じである。また、特別図柄と飾り図柄とは同時期に変動を開始する。図16に示す例では、変動時間の種類は4種類である。また、飾り図柄の変動パターンは16種類である。しかし、図16に示された例よりも、さらに多くの種類の変動時間および変動パターンがあってもよい。また、図16に示す例では、短縮変動パターンは省略されている。
【0111】
図16に示す例では、特別図柄プロセス処理における飾り図柄変動パターン設定処理において、はずれとすることに決定された場合にのみ選択される通常変動およびノーマルリーチ変動があり、ノーマルリーチ変動はリーチ演出を伴う。また、ロングリーチ変動、スーパーリーチ変動、スーパーリーチ(交互リーチ)変動、スーパーリーチ(遮蔽リーチ)変動およびスーパーリーチ(図柄配列リーチ)変動は、飾り図柄変動パターン設定処理において、はずれとすることに決定された場合にも大当りとすることに決定された場合にも選択されうるが、それらの変動はリーチ演出を伴う。さらに、確変大当りとすることに決定された場合には、スーパーリーチ変動、スーパーリーチ(交互リーチ)変動、スーパーリーチ(遮蔽リーチ)変動またはスーパーリーチ(図柄配列リーチ)変動が選択される。
【0112】
図16に示す表示制御コマンドとは、対応する飾り図柄変動パターンが選択された場合に、遊技制御手段から表示制御手段に送信されるコマンドであって、変動パターンを指定するためのコマンドである。
【0113】
なお、後述するように、飾り図柄変動パターン設定処理では、大当りとする場合には、ロングリーチ変動よりも、スーパーリーチ(交互リーチ、遮蔽リーチ、図柄配列リーチ)変動を高い確率で選択する。すなわち、スーパーリーチ変動の方が、ロングリーチ変動よりも大当り発生の信頼度を高くする。
【0114】
図17は、変動パターン種別テーブルの一例を示す説明図である。図17には、大当り時変動パターン種別テーブルとはずれ時変動パターン種別テーブルとが示されている。大当り時変動パターン種別テーブル(識別記号:TA)は、大当りと判定されたときの変動パターンの種別を決定するために使用されるテーブルである。はずれ時変動パターン種別テーブル(識別記号:TH)は、はずれと判定されたときの変動パターンの種別を決定するために使用されるテーブルである。
【0115】
図17に示すように、大当り時変動パターン種別テーブルには、変動パターン決定用乱数と比較される比較値が、大当り時の各変動パターン(変動パターン番号4,6,7,9,10,12,13,15,16)に対応して振り分けられた状態で設定される。ここで、a4,a6,a7・・・は、大当り時の各変動パターンに割り当てられる比較値の数を示している。例えば、変動パターン番号4には比較値の数a4が割り当てられている。比較値の総数が150であるので、a4,a6,・・・の合計も150となっている。
【0116】
また、図17に示すように、はずれ時変動パターン種別テーブルには、変動パターン決定用乱数と比較される比較値が、はずれ時の各変動パターン(変動パターン番号1,2,3,5,8,11,14)に対応して振り分けられた状態で設定される。ここで、h1,h2,h3・・・は、はずれ時の各変動パターンに割り当てられる比較値の数を示している。例えば、変動パターン番号1には比較値の数h1が割り当てられている。比較値の総数が150であるので、h1,h2,・・・の合計も150となっている。なお、図17には、リーチにもならないはずれの場合およびリーチになるはずれの場合のいずれにも使用される変動パターン種別テーブルが示されているが、リーチにもならないはずれの場合とリーチになるはずれの場合とに分けてテーブルを設定するようにしてもよい。
【0117】
図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、特別図柄の変動を開始することができる状態(例えば特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合)には(ステップS51)、始動入賞記憶数(保留記憶数)の値を確認する(ステップS52)。具体的には、始動入賞カウンタのカウント値を確認する。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、特別図柄表示器9において図柄の変動がなされていず、かつ、大当り遊技中でもない場合である。
【0118】
始動入賞記憶数が0でなければ、予告設定処理を実行する(ステップS53)。次いで、始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS54)、始動入賞記憶数の値を1減らし(始動入賞記憶カウンタのちを1減らし)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS55)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各始動入賞記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、始動入賞記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、CPU56は、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする処理を実行するので、始動入賞が生じたときに実行された入賞時判定処理の判定結果が、いずれの始動入賞記憶に対応するのかを容易に特定することができる。
【0119】
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS56)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS57)。大当りとすることに決定した場合には(ステップS58)、CPU56は、大当りフラグをセットする(ステップS59)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS60)。
【0120】
図19(A)は、大当り判定モジュールで用いられる大当り判定テーブルの一例を示す説明図である。また、図19(B)は、リーチ判定モジュールで用いられるリーチ判定テーブルの一例を示す説明図である。さらに、図19(C)は、予告設定処理で用いられる予告判定テーブルの一例を示す説明図である。図19(A)に示すように、この実施の形態では、低確率時(非確変時)では大当り判定値は「3」であり、高確率時(確変時)では大当り判定値は「3」、「7」、「79」、「103」、「107」である。また、図19(B)に示すように、低確率時(非確変時)ではリーチ判定値は「0」、「1」、「11」であり、高確率時ではリーチ判定値は「0」、「1」、「9」、「11」、「12」である。さらに、図19(C)に示すように、保留記憶に大当りにならないがリーチとなるものがあったときには予告判定値は「1」、「7」、「17」であり、保留記憶中に大当りとなるものがあったときには予告判定値は「0」〜「30」、「70」〜「99」である。予告判定値は、抽出された予告判定用乱数の値と比較される数値であり、予告判定用乱数の値がそれらの数値のいずれかと一致したら、連続予告を行うことに決定される。連続予告とは、複数回の特別図柄の可変表示(変動)に亘って実行される予告演出であり、保留予告ともいう。
【0121】
図20は、特別図柄通常処理における予告設定処理(ステップS53)を示すフローチャートである。予告設定処理において、CPU56は、確変状態でなければ(ステップS201)、連続予告演出を実現するための予告演出の実行回数のうち、未だ実行されていない残りの回数が記憶されている実行回数カウンタを読み出す(ステップS202)。読み出した実行回数カウンタのカウント値が0であれば(ステップS203)、CPU56は、始動入賞カウンタのカウント値を処理数に設定するとともに(ステップS204)、検査回数カウンタのカウント値を初期値である0に設定する(ステップS205)。なお、検査回数カウンタは、後述するステップS206〜ステップS211およびS226〜231のループ処理の繰り返し回数をカウントするためのカウンタである。
【0122】
次いで、CPU56は、検査回数カウンタのカウント値を1加算し(ステップS206)、始動入賞記憶数=(検査回数カウンタのカウント値が示す数)に対応する保存領域に格納されている大当り判定用乱数値を読み出して(ステップS207)、大当り判定モジュールを実行する。すなわち、大当り判定サブルーチンをコールする(ステップS208)。大当り判定モジュールにおいて、読み出した大当り判定用乱数値にもとづいて大当りとならないと判定された場合には、CPU56は、処理数を1減算し(ステップS210)、減算後の処理数が0になっていなければステップS206の処理に移行する(ステップS211)。
【0123】
すなわち、この例では、ステップS206〜ステップS211の処理が、処理数が0になるまで繰り返し実行される。ただし、この例では、ステップS206〜ステップS211のループ処理におけるステップS209において大当りとなるとの判定がなされると、その時点でループ処理を終了する。つまり、ステップS206〜ステップS211では、保留中の可変表示の中に大当りとなるものがあると判定されるまで、または、処理数が0となるまで(保留中の可変表示についての判定を全て終えるまで)、始動入賞記憶数=1〜4に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各大当り判定用乱数値が、抽出された時期が早い方から順番に読み出され、大当りとなるか否かの判定が実行される。
【0124】
CPU56は、ステップS209において大当りとなると判定された場合には、大当りあり時の予告判定テーブル(図19(C)の右側のテーブル)を使用テーブルとして設定する(ステップS212)。
【0125】
そして、CPU56は、検査回数カウンタのカウント値が2以上であれば(ステップS214)、予告判定用乱数を抽出し(ステップS215)、予告判定用乱数が、使用テーブルとして設定されている予告判定テーブルに設定されている値のいずれかと一致したら連続予告を行うことに決定する(ステップS216)。
【0126】
連続予告を行うと判定された場合には(ステップS217)、連続予告における予告演出の連続回数の残数をカウントする実行回数カウンタに、検査回数カウンタのカウント値を設定する(ステップS218)。そして、予告実行コマンドのデータが設定されているコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS219)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS220)。
【0127】
コマンドセット処理を実行することによって表示制御コマンドが図柄制御基板80に送信される。この実施の形態では、表示制御手段に送信されうる各表示制御コマンドのデータ(表示制御コマンドデータ)はROMのコマンド送信テーブルに格納されている。また、コマンドセット処理では、CPU56は、ポインタが示すROM54のアドレスに格納されている表示制御コマンドデータを、表示制御コマンドデータを出力するための出力ポートに設定するとともに、コマンドを送信することを示す表示制御INT信号を出力する。
【0128】
遊技制御手段は、保留記憶の中に大当りとするものがなかった場合には、リーチとなるものがあるか否か確認する。すなわち、CPU56は、ステップS211において処理数が0になった場合には、リーチとなるものがあるか否か確認するとともに、リーチとなるものがあった場合に、図21に示すステップS224〜S241の処理を実行する。すなわち、ステップS224において、CPU56は、始動入賞カウンタのカウント値を処理数に設定する。また、検査回数カウンタのカウント値を初期値である0に設定する(ステップS225)。
【0129】
次いで、CPU56は、検査回数カウンタのカウント値を1加算し(ステップS226)、始動入賞記憶数=(検査回数カウンタのカウント値が示す数)に対応する保存領域に格納されているリーチ判定用乱数値を読み出して(ステップS227)、リーチ判定モジュールを実行する。すなわち、リーチ判定サブルーチンをコールする(ステップS228)。リーチ判定モジュールにおいて、読み出したリーチ判定用乱数値にもとづいてリーチとならないと判定された場合には、CPU56は、処理数を1減算し(ステップS230)、減算後の処理数が0になっていなければステップS226の処理に移行する(ステップS231)。
【0130】
すなわち、ステップS226〜ステップS231の処理が、処理数が0になるまで繰り返し実行される。ただし、ステップS226〜ステップS231のループ処理におけるステップS229においてリーチとなるとの判定がなされると、その時点でループ処理を終了する。つまり、ステップS226〜ステップS231では、保留中の可変表示の中にリーチとなるものがあると判定されるまで、または、処理数が0となるまで(保留中の可変表示についての判定を全て終えるまで)、始動入賞記憶数=1〜4に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各リーチ判定用乱数値が、抽出された時期が早い方から順番に読み出され、リーチとなるか否かの判定が実行される。
【0131】
CPU56は、ステップS229においてリーチとなると判定された場合には、はずれリーチ時の予告判定テーブル(図19(C)の左側のテーブル)を使用テーブルとして設定する(ステップS232)。
【0132】
そして、CPU56は、検査回数カウンタのカウント値が2以上であれば(ステップS234)、予告判定用乱数を抽出し(ステップS235)、予告判定用乱数が、使用テーブルとして設定されている予告判定テーブルに設定されている値のいずれかと一致したら連続予告を行うことに決定する(ステップS236)。
【0133】
連続予告を行うと判定された場合には(ステップS237)、連続予告における予告演出の連続回数の残数をカウントする実行回数カウンタに、検査回数カウンタのカウント値を設定する(ステップS238)。そして、予告実行コマンドのデータが設定されているコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS239)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS240)。
【0134】
以上の処理によって、特別図柄の変動が開始されるときに、保留数(特別図柄の始動入賞記憶数)が2以上であって、保留記憶中に大当りとする数値データ(大当り判定用乱数)またはリーチとする数値データ(リーチ判定用乱数)があった場合に、図柄制御基板80の表示制御手段に、表示制御コマンドとしての予告実行コマンドが送信される。
【0135】
図22は、ステップS208等で使用される大当り判定モジュールを示すフローチャートである。大当り判定処理において、CPU56は、まず、そのときの状態が確変中であるか否か判定し(ステップS141)、確変中であれば、図19(A)に示された大当り判定テーブル中の高確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS142)。確変中でなければ、図19(A)に示された大当り判定テーブル中の低確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS143)。
【0136】
そして、抽出されているランダム1の値に一致する値が大当り判定テーブル中にあるか否か判定し(ステップS144,S145)、一致する値があれば大当りとすることにし(ステップS146)、一致する値がなければ大当りとしないことに決定する(ステップS147)。
【0137】
図23は、ステップS228等で使用されるリーチ判定モジュールを示すフローチャートである。リーチ判定処理において、CPU56は、まず、そのときの状態が確変中であるか否か判定し(ステップS151)、確変中であれば、図19(B)に示されたリーチ判定テーブル中の高確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS152)。確変中でなければ、図19(B)に示されたリーチ判定テーブル中の低確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS152)。
【0138】
そして、抽出されているランダム5の値に一致する値がリーチ判定テーブル中にあるか否か判定し(ステップS154,S155)、一致する値があればリーチすることにし(ステップS156)、一致する値がなければリーチしないことに決定する(ステップS157)。
【0139】
図24は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。特別図柄停止図柄設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS61)。大当りフラグがセットされている場合には、大当り図柄用乱数(ランダム3)の値(ステップS53において読み出したランダム3)に従って停止図柄(この場合には大当り図柄)を決定する(ステップS62)。この実施の形態では、ランダム3の値に応じた大当り図柄テーブルに設定されている図柄番号の各図柄が、大当り図柄として決定される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を飾り図柄変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS63)。
【0140】
図25は、特別図柄プロセス処理における飾り図柄変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。飾り図柄変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグの状態を確認し(ステップS71)、大当りフラグがセットされていれば大当り時変動パターン種別テーブルを選択し(ステップS72)、大当りフラグがセットされていなければはずれ時変動パターン種別テーブルを選択する(ステップS73)。
【0141】
次いで、CPU56は、変動パターン決定用乱数カウンタから変動パターン決定用乱数(ランダム4)を抽出し(ステップS74)、ステップS72またはステップS73にて選択された変動パターン種別テーブルを用いて変動パターンを決定する(ステップS75)。具体的には、使用テーブルとして選択された大当り時変動パターン種別テーブル(TA)またははずれ時変動パターン種別テーブル(TH)には、複数種類の変動パターン(図16参照)の中の所定の変動パターンが予め設定されている(図17参照)。そして、ステップS75において、大当り時変動パターン種別テーブル(TA)またははずれ時変動パターン種別テーブル(TH)に予め設定された変動パターンのうち、ステップS74で抽出した変動パターン決定用乱数の値と一致する比較値が割り当てられている変動パターンを、これから変動を開始させる変動パターンとすることに決定する。
【0142】
変動パターンを決定すると、CPU56は、決定した変動パターンの変動時間データを特別図柄プロセスタイマに設定する(ステップS76)。そして、CPU56は、決定した変動パターン指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS77)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS78)。
【0143】
コマンドセット処理を実行することによって表示制御コマンドが図柄制御基板80に送信される。この実施の形態では、表示制御手段に送信されうる各表示制御コマンドはROMのコマンド送信テーブルに格納されている。また、コマンドセット処理では、CPU56は、ポインタが示すROMのアドレスに格納されている表示制御コマンドデータを、表示制御コマンドデータを出力するための出力ポートに設定するとともに、コマンドを送信することを示す表示制御INT信号を出力する。
【0144】
図26は、2msタイマ割込処理における記憶処理(ステップ31)を示すフローチャートである。記憶処理において、CPU56は、始動入賞記憶カウンタのカウント値が前回始動入賞記憶カウンタのカウント値と同じであるか否か確認する(ステップS161)。同じでなければ、すなわち始動入賞記憶数に変化が生じていれば、始動入賞記憶数に応じた始動入賞記憶指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS162)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS163)。そして、始動入賞記憶カウンタのカウント値を、前回始動入賞記憶カウンタに設定しておく(ステップS164)。
【0145】
以上の処理によって、始動入賞記憶数が変化したときには、図柄制御基板80に搭載されている表示制御手段に対して、始動入賞記憶数指定の表示制御コマンドが送信される(ステップS161〜S163)。なお、始動入賞記憶数指定の表示制御コマンドが示す情報は、表示制御手段を介してランプ制御基板35にも送信される。ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御手段は、始動入賞記憶数指定の表示制御コマンドが示す情報にもとづいて、特別図柄始動入賞表示器18の表示状態を制御する。
【0146】
次に、遊技制御手段から表示制御手段に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図27は、主基板31から図柄制御基板80に送信される表示制御コマンドの信号線を示す説明図である。図27に示すように、この実施の形態では、表示制御コマンドは、表示制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から図柄制御基板80に送信される。また、主基板31と図柄制御基板80との間には、ストローブ信号(表示制御INT信号)を送信するための表示制御INT信号の信号線も配線されている。なお、図27には、表示制御コマンドの例が示されているが、他の電気部品制御基板(サブ基板:この実施の形態では払出制御手段)への制御コマンドも、8本の信号線と1本のINT信号の信号線によって送信される。
【0147】
この実施の形態では、表示制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
【0148】
図28に示すように、表示制御コマンドの8ビットの表示制御コマンドデータは、表示制御INT信号に同期して出力される。図柄制御基板80に搭載されている表示制御手段は、表示制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、表示制御手段から見ると、表示制御INT信号は、表示制御コマンドデータの取り込みの契機となる取込信号に相当する。
【0149】
表示制御コマンドは、表示制御手段が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、表示制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば表示制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて表示制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、表示制御INT信号は図24に示された極性と逆極性であってもよい。
【0150】
図29は、図柄制御基板80に送出される表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図29に示す例において、コマンド8000(H)〜800F(H)は、図16に示された変動パターン番号1〜16の飾り図柄の変動パターンを指定する表示制御コマンド(飾り図柄変動パターンコマンド)である。なお、各飾り図柄変動パターンコマンドに対応する変動パターンの変動時間は決まっているので、飾り図柄変動パターンコマンドは、特別図柄および飾り図柄の変動時間を指定するための表示制御コマンドでもある。また、飾り図柄変動パターンコマンドは、特別図柄および飾り図柄の変動開始指示も兼ねている。
【0151】
コマンド8200(H)は、予告実行指定コマンドである。
【0152】
コマンド88XX(H)(X=4ビットの任意の値)は、普通図柄の変動パターンに関する表示制御コマンドである。コマンド89XX(H)は、普通図柄の停止図柄を指定する表示制御コマンドである。コマンド8A00(H)は、普通図柄の可変表示の停止を指示する表示制御コマンドである。
【0153】
コマンド91XX(H)は、特別図柄の停止図柄を指定する表示制御コマンドである。「XX」には図柄番号が設定される。また、コマンドA000(H)は、特別図柄の可変表示の停止を指示する表示制御コマンドである。コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される表示制御コマンドである。そして、コマンドC000(H)〜EXXX(H)は、特別図柄の変動および大当り遊技に関わらない特別図柄表示器9の表示状態に関する表示制御コマンドである。
【0154】
コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する表示制御コマンドである。
【0155】
コマンドE0XX(H)は、特別図柄に関する始動入賞記憶数を指定する表示制御コマンドである。なお、この実施の形態では、始動入賞記憶の上限値は4であるから、「XX」は0〜4のいずれかである。
【0156】
また、コマンドE400(H)は、高確率状態から低確率状態になったときに送信されるコマンドであり、コマンドE401(H)は、低確率状態から高確率状態になったときに送信されるコマンドである。
【0157】
図柄制御基板80の表示制御手段は、主基板31の遊技制御手段から上述した表示制御コマンドを受信すると図29に示された内容に応じて飾り図柄表示装置11の表示状態を変更する。また、受信した表示制御コマンドを、そのまま、またはデータ形式を替えてランプ制御基板35に送信する。なお、図29に示された例以外の制御コマンドも遊技制御手段から表示制御手段に送信される。例えば、賞球ランプ51や球切れランプ52の表示状態、および普通図柄始動記憶表示器41の点灯個数を示す制御コマンド等や、大当り遊技に関するより詳細な表示制御コマンドも遊技制御手段から表示制御手段に送信される。
【0158】
図30は、スーパーリーチ変動における飾り図柄表示装置の表示状態の一例を示す説明図である。上述したように、液晶表示装置12は前側に設置され、回転ドラム機構13は液晶表示装置12の裏側に設置されている。そして、液晶表示装置12の表示画面には、遊技者が表示画面の裏側を視認可能な透明部分と、遊技者が表示画面の裏側を視認不可能な非透明部分とが設けられている。ここで、図30に示すように、透明部分は、表示画面内における中心付近に方形状に形成された領域であり、非透明部分は、表示画面内における透明部分の周囲に枠状(または額縁状)に形成された領域である。遊技者は、左中右の回転ドラム235〜237の表面に付されている図柄を透明部分を介して視認可能である。このとき、遊技者は窓から回転ドラム235〜237をのぞき込んでいるような態様であるため、透明部分を窓部、非透明部分を外枠部ということもある。
【0159】
スーパーリーチの変動パターンは、図16に示した変動パターン番号5,6,7の変動パターンである。表示制御手段は、遊技制御手段から、「8004(H)」、「8005(H)」または「8006(H)」の表示制御コマンドを受信したら、以下のような変動態様で、表示画面への画像の表示および3つのドラムの回転を制御する。
【0160】
スーパーリーチの変動パターンにおいては、図30(a)に示すように、図柄の変動の開始条件が成立すると、3つのドラム235〜237が所定速度(例えば中速)で回転を開始する。図中の矢印は、ドラム235〜237の表面に付された図柄の可変表示、すなわちドラム235〜237の回転に伴って矢印方向に図柄を移動させて表示していることを示している。このようなドラム235〜237の回転に伴う図柄の移動表示において、ドラム235〜237が順方向に回転しているときは図柄が上から下に移動して表示され、ドラム235〜237が逆方向に回転しているときには図柄が下から上に移動して表示される。このとき、表示画面の透明部分は画像が何も表示されておらず、遊技者が透明部分を介してドラム235〜237に付された図柄の移動表示を完全に視認可能な状態である。なお、図30(a)では、非透明部分にも画像が何も表示されていないが、背景画像などが表示されていてもよい。
【0161】
図30(b)に示すように、ドラム235〜237の回転に伴う図柄の移動表示が開始されてから所定時間経過すると、左ドラム235および右ドラム237がそれぞれ中段に同一図柄(図30の例では「7」)を表示する位置で停止して、リーチ状態に発展する。このとき、リーチ状態に発展したことを遊技者に報知するために、表示画面の透明領域において左右のドラム235,237の停止図柄の周りを光らせる画像を表示する。なお、このとき、リーチ状態に発生したことを遊技者により一層認識させるようにするために、スピーカ27から効果音を発するのが好ましい。
【0162】
次いで、図30(c)に示すように、リーチ状態に発展した後において、中ドラム236だけが所定速度(例えば低速)で回転する。そして、スーパーリーチの変動パターンにおいては、図30(d)に示すように、リーチ状態に発展した後所定時間経過すると、表示画面の非透明部分において所定のキャラクタの画像を表示する。図30(d)の例では、キャラクタの画像として、「星」が流れる画像と「UFO」が飛んでいく画像とが表示されている。なお、「星」や「UFO」の画像はキャラクタ画像の一例であって、その他のキャラクタ画像を登場させてもよい。このようなキャラクタを登場させるスーパーリーチ変動によって遊技者に大当りの発生の期待感を抱かせることができる。
【0163】
図31は、スーパーリーチ(交互リーチ)変動における飾り図柄表示装置の表示状態の一例を示す説明図である。スーパーリーチ(交互リーチ)の変動パターンは、図16に示した変動パターン番号8,9,10の変動パターンである。表示制御手段は、遊技制御手段から、「8007(H)」、「8008(H)」または「8009(H)」の表示制御コマンドを受信したら、以下のような変動態様で、表示画面への画像の表示および3つのドラムの回転を制御する。なお、「交互リーチ」とは、表示画面の透明部分に表示される図柄の画像とドラムに付された図柄とにより、交互に、リーチ演出が行われるような変動態様である。
【0164】
なお、液晶表示装置12の表示画面の透明部分において、左ドラム235が図柄の移動表示を行う領域と重なる領域を左領域といい、中ドラム236が図柄の移動表示を行う領域と重なる領域を中領域といい、右ドラム237が図柄の移動表示を行う領域と重なる領域を右領域という。よって、遊技者は、透明部分の左領域を介して左ドラム235を視認し、透明部分の中領域を介して中ドラム236を視認し、透明部分の右領域を介して右ドラム237を視認することになる。
【0165】
スーパーリーチ(交互リーチ)の変動パターンにおいては、3つのドラム235〜237が所定速度(例えば中速)で順方向に回転して図柄の移動表示を行い、所定時間経過すると3つのドラム235〜237が停止する。3つのドラム235〜237のうちの中ドラム236が中段に所定図柄を表示する位置で停止したときに、図31(a)に示すように、表示画面の透明部分の左領域および右領域において中ドラム236の中段に表示されている図柄と同一の図柄の画像を上段に表示する。このような表示がされると遊技者はリーチ状態に発展したことを認識する。図31(a)の例では、中ドラム236の中段に「7」が表示され、透明部分の左領域および右領域の上段にも「7」の画像が表示されている。なお、図31では、液晶表示の「7」とドラム表示の「7」とを区別できるように異なる字体で表しているが、同じ字体とされていてもよい。
【0166】
通常は、ドラム表示の図柄が有効ライン上において同じ図柄で揃ったときに大当りとなるが、液晶表示の図柄とドラム表示の図柄が有効ライン上において同じ図柄で揃ったときも大当りとなる。従って、交互リーチにおいても、液晶表示の「7」とドラム表示の「7」とが有効ライン上で揃うと大当りとなる。なお、この実施の形態では、液晶表示の図柄が有効ライン上において同じ図柄で揃ったときも大当りとなる。
【0167】
図31(b)に示すように、リーチ状態に発展した後に所定時間経過すると、表示画面の透明部分の左領域および右領域における液晶表示の「7」が1コマ(1段)下に下がる。従って、中段の有効ライン(図15に示す有効ライン[2])において液晶表示の「7」とドラム表示の「7」とが揃った状態になる。この状態で図柄が確定すると大当りとなる。この状態で図柄が確定しないときには、図31(c)に示すように、所定時間経過すると、表示画面の透明部分の左領域および右領域における液晶表示の「7」がさらに1コマ下に下がる。この状態で図柄が確定するとはずれとなる。この状態で図柄が確定しないときには、図31(d)に示すように、所定時間経過すると、中ドラム236におけるドラム表示の「7」が1コマ下に下がる。この状態で図柄が確定したときも大当りとなる。この状態で図柄が確定しないときは、液晶表示の「7」またはドラム表示の「7」が1コマまたは複数コマ上または下に移動する。
【0168】
このような交互リーチ変動が実行されることにより、遊技者に大当りの発生の期待感を一層抱かせることができる。また、表示画面の透明部分における図柄の液晶表示とドラムの表面における図柄のドラム表示とを共動させてリーチ演出を行うことができ、遊技の興趣を増進させることができる。
【0169】
なお、上述したように、交互リーチ変動においては、リーチ状態に発展したときに表示画面の透明部分において図柄の液晶表示を行うようにしていた。しかし、リーチ状態に発展する前に、ドラムの回転に伴う図柄の移動表示を行うとともに、表示画面の透明部分において図柄の移動表示を行うようにしてもよい。この場合、ドラムの回転が停止され、透明部分における図柄の移動表示が停止されると、図31に示したようなリーチ状態に発展する。
【0170】
また、左領域および右領域における液晶表示と中ドラム236におけるドラム表示との組合せにより交互にリーチ演出を実行していた。しかし、中領域における液晶表示と左ドラム235および右ドラム237におけるドラム表示とを組合わせにより交互にリーチ演出を実行するようにしてもよいし、その他の組合せにより交互にリーチ演出を実行するようにしてもよい。
【0171】
また、液晶表示およびドラム表示は1コマずつ上から下に下がっていったが、下から上に上がっていってもよく、また下に下がったり上に上がったりしてもよい。また、液晶表示およびドラム表示は1コマだけ移動していたが、2コマ移動してもよく、また1回転または複数回転した後に図柄の停止位置が移動前の位置から1コマだけ移動するものであってもよい。
【0172】
また、透明部分に図柄の画像が表示されている場合は、ドラムに付された図柄と透明部分における図柄の画像とが重畳して表示されることになるが、ドラム側からの光が強い(明るい)と、透明部分における図柄の画像が見えにくくなることも考えられる。従って、透明部分に図柄の画像を表示しているときには、ドラム用バックライト250(画像が表示されている透明部分の領域に対応するドラムのバックライト)を消灯させるようにするのが好ましい。このようにドラム用バックライト250を消灯すると、ドラムの表面が暗くなってドラムに付された図柄の表示が見えにくくなるため、前面側の透明部分に表示された画像が見やすくなる。
【0173】
図32は、スーパーリーチ(遮蔽リーチ)変動における飾り図柄表示装置の表示状態の一例を示す説明図である。スーパーリーチ(遮蔽リーチ)の変動パターンは、図16に示した変動パターン番号11,12,13の変動パターンである。表示制御手段は、遊技制御手段から、「800A(H)」、「800B(H)」または「800C(H)」の表示制御コマンドを受信したら、以下のような変動態様で、表示画面への画像の表示および3つのドラムの回転を制御する。なお、「遮蔽リーチ」とは、表示画面の透明部分に画像を表示することによってドラムに付された図柄を遮蔽し、その状態においてドラムの回転を開始させた後に停止させて、ドラムで表示される図柄をリーチ状態の図柄等に変更した後に、透明部分に表示していた画像を消去するリーチ演出が行われるような変動態様である。
【0174】
なお、「遮蔽する」といっても、透明部分に画像を表示しても完全にドラムに付された図柄を隠すことができない(うっすらと見えてしまう)場合もあり得る。従って、「遮蔽」には、透明部分に画像を表示することによりドラムに付された図柄を遊技者が視認困難とすることも含まれている。
【0175】
スーパーリーチ(遮蔽リーチ)の変動パターンにおいては、図32(a)に示すように、図柄の変動の開始条件が成立すると、3つのドラム235〜237が所定速度(例えば中速)で回転を開始する。このとき、表示画面の透明部分は画像が何も表示されておらず、遊技者が透明部分を介してドラム235〜237に付された図柄の移動表示を完全に視認することができる。
【0176】
次に、図32(b)に示すように、ドラム235〜237の回転に伴う図柄の移動表示が開始されてから所定時間経過すると、表示画面全体(透明部分および非透明部分)に所定のキャラクタの画像を表示して、ドラム235〜237の回転に伴って移動表示している図柄を遮蔽する。この状態においても、ドラム235〜237は回転を継続している。このとき、各回転ドラムユニット231〜233に設けられているドラム用バックライト250を消灯するとともに、各回転ドラムユニット231〜233に設けられているドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cから暗い色の光(すなわち明度(色の明るさを示す度合や眼に感じる光の強弱を示す量)の低い特定色の光)を各ドラム235〜237の表面に照射する。
【0177】
このようにドラム用バックライト250を消灯することにより、ドラム235〜237に付された図柄が遊技者には見えにくくなる。逆に、前面側の透明部分に表示された画像が遊技者には見やすくなる。また、ドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cから暗い色の光をドラムの表面に照射することにより、透明部分における画像を表示していない部分に暗い色が表示される(付けられる)ことになり、透明部分に表示される画像をより鮮明に表示することができるようになる。よって、遊技者は透明部分に表示された画像をより一層見やすくなる。
【0178】
上記のように、透明部分にキャラクタの画像を表示してドラム235〜237に付された図柄を遮蔽している状態において、所定時間経過すると、左ドラム235および右ドラム237の回転を停止する。そして、図32(c)に示すように、透明部分に表示しているキャラクタの画像を消去するとともに、ドラム用バックライト250を点灯し、さらにドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cを消灯する。このとき、左ドラム235および右ドラム237で表示されている図柄はリーチ状態の図柄となっている。図32(c)の例では、有効ライン上で2つの同一図柄「2」が揃っている状態となっている。中ドラム236は依然として回転している。このとき、遊技者は、左ドラム235および右ドラム237で表示されている図柄を視認することが可能となり、リーチ状態に発展していることを認識する。
【0179】
また、図32(d)に示すように、表示画面全体(透明部分および非透明部分)にキャラクタの画像を再度表示して、ドラム235〜237で表示されている図柄を遮蔽する。このときも、ドラム用バックライト250を消灯するとともに、ドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cから暗い色の光を各ドラム235〜237の表面に照射する。そして、左ドラム235および右ドラム237を再度回転させる。
【0180】
上記のように、透明部分にキャラクタの画像を表示してドラム235〜237に付された図柄を遮蔽している状態において、所定時間経過すると、左中右のドラム235〜237の回転を停止する。そして、図32(e)に示すように、透明部分に表示しているキャラクタの画像を消去するとともに、ドラム用バックライト250を点灯し、さらにドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cを消灯する。このとき、左中右のドラム235〜237で表示されている図柄は大当りの図柄となっている。図32(e)の例では、有効ライン上で3つの同一図柄「2」が揃っている状態となっている。このとき、遊技者は、左中右のドラム235〜237で表示されている図柄を視認することが可能となり、大当りに発展していることを認識する。
【0181】
さらに、図32(f)に示すように、表示画面全体(透明部分および非透明部分)にキャラクタの画像を再度表示して、ドラム235〜237で表示されている図柄を遮蔽する。このときも、ドラム用バックライト250を消灯するとともに、ドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cから暗い色の光を各ドラム235〜237の表面に照射する。そして、ドラム235〜237を再度回転させる。
【0182】
上記のように、透明部分にキャラクタの画像を表示してドラム235〜237に付された図柄を遮蔽している状態において、左中右のドラム235〜237の回転を停止する。そして、図32(g)に示すように、透明部分に表示しているキャラクタの画像を消去するとともに、ドラム用バックライト250を点灯し、さらにドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cを消灯する。このとき、左中右のドラム235〜237で表示されている図柄は確変大当りの図柄となっている。図32(g)の例では、有効ライン上で3つの同一の確変図柄「7」が揃っている状態となっている。このとき、遊技者は、左中右のドラム235〜237で表示されている図柄を視認することが可能となり、確変大当りに発展していることを認識する。
【0183】
このような遮蔽リーチ変動が実行されることにより、ドラムで表示される図柄を遊技者が視認可能となったときに図柄が突然変更されていると遊技者に認識させることができ、このような意外な演出によって遊技の興趣を一層向上させることができるようになる。
【0184】
なお、上述した遮蔽リーチでは、遮蔽が行われる度に、通常変動状態からリーチ状態に変更され、リーチ図柄から大当り図柄に変更され、さらに確変図柄でない大当り図柄が確変図柄に変更されるようにしていたが、このような場合に限られるわけではなく、遮蔽が行われると、例えばリーチ状態からキャラクタが登場するスーパーリーチ状態に変更するようにしてもよい。
【0185】
図33は、スーパーリーチ(図柄配列リーチ)変動における飾り図柄表示装置の表示状態の一例を示す説明図である。スーパーリーチ(図柄配列リーチ)の変動パターンは、図16に示した変動パターン番号14,15,16の変動パターンである。表示制御手段は、遊技制御手段から、「800D(H)」、「800E(H)」または「800F(H)」の表示制御コマンドを受信したら、以下のような変動態様で、表示画面への画像の表示および3つのドラムの回転を制御する。
【0186】
図33に示すように、図柄配列リーチ変動においては、左ドラム235および右ドラム237が有効ライン上で同一図柄「7」が揃うように停止してリーチ状態に発展する。リーチ状態に発展すると、非透明部分における中ドラム236の回転に伴う図柄の移動方向の位置(すなわち非透明部分における透明部分の中領域の上方および下方の位置)に、図14に示した中ドラムの表面に配された図柄の配列における遊技者が現在視認不可能な図柄の画像(すなわち中ドラム236が回転に伴って現在移動表示している図柄(図33の例では「6」)の前後の図柄(図33の例では「4」「5」「7」「8」)の画像)を表示する。そして、そのような図柄の画像を中ドラム236の回転に伴う図柄の移動方向と同じ方向(すなわち中ドラム236に付された図柄が下方向に移動しているときは当該下方向)に移動表示する。
【0187】
具体的には、非透明部分における図柄の画像が移動し透明部分に到達して消えると、その消えた図柄の画像に対応する中ドラム236に付された図柄が中ドラム236の回転によって図柄の画像が消えた位置から現れる。また、中ドラム236における視認可能な図柄が移動し非透明部分に到達して消えると、その消えた図柄に対応する図柄の画像が中ドラム236の図柄が消えた位置から現れる。
【0188】
このような図柄配列リーチ変動が実行されることにより、表示画面の非透明部分における図柄の液晶表示とドラムの表面における図柄のドラム表示とを共動させてリーチ演出を行うことができ、遊技の興趣を増進させることができる。また、非透明部分における図柄の画像の移動表示をドラムの回転に伴う図柄の移動表示と同期させているので、表示画面とドラムとを共動させた図柄のスクロール表示を実現することができ、演出効果が一層向上する。
【0189】
なお、非透明部分における図柄の画像の移動表示をドラムの回転に伴う図柄の移動表示と同期させるために、ドラムの回転速度に応じて変化する図柄の移動速度と同じ速度で、非透明部分における図柄の画像の移動表示を行うようにするのが好ましい。例えば、ドラムが高速回転しているときは、それに合わせて非透明部分における図柄の画像の移動速度も高速にする。また、ドラムがコマ送りで回転しているときは、それに合わせて非透明部分における図柄の画像の移動もコマ送りにする。
【0190】
上記のような非透明部分におけるドラムの回転に伴う図柄の移動表示と同期した図柄の画像の移動表示は、リーチ演出に用いられていたが、リーチ演出以外の予告演出などに用いることも可能である。また、図33に示した例では、中ドラム236のみに同期させた図柄の画像の移動表示を行っていたが、左ドラム235や右ドラム237に同期させた図柄の画像の移動表示を行うようにしてもよく、また全てのドラム235〜237や3つのドラムのうちの2つのドラムに同期させた図柄の画像の移動表示を行うようにしてもよい。また、上記のような図柄配列は、非透明部分における透明部分の上方および下方のうちのいずれか一方の位置に表示されるものであってもよい。
【0191】
図34は、図33に示した図柄配列表示を大当り予告に利用した場合における飾り図柄表示装置の表示状態の一例を示す説明図である。図34に示す演出態様は、図33に示した図柄配列表示とは異なる図柄配列表示を、大当りとなることが事前に決定された場合の大当り予告として表示するものである。
【0192】
図34に示すように、左ドラム235および右ドラム237が有効ライン上で同一図柄「7」が揃うように停止してリーチ状態に発展する。リーチ状態に発展すると、非透明部分における中ドラム236の回転に伴う図柄の移動方向の位置(すなわち非透明部分における透明部分の中領域の上方および下方の位置)に、図14に示した中ドラムの表面に配された図柄の配列と異なる配列(図33の例では全て「7」の配列)の図柄の画像を表示する。そして、そのような図柄の画像を中ドラム236の回転に伴う図柄の移動方向と同じ方向(すなわち中ドラム236に付された図柄が下方向に移動しているときは当該下方向)に移動表示する。
【0193】
このような図柄配列が表示された場合には常に大当りとすることにより、当該図柄配列表示を大当り予告に用いることが可能となる。よって、遊技者に図柄配列表示が表示されたことによる大当りの発生の期待感を持たせることができ、その結果、非透明部分に表示される図柄の画像の配列を遊技者に注目させることができるようになる。
【0194】
なお、図34に示した図柄配列表示を大当り予告の表示として用いる場合に限られず、リーチが発生することを報知するリーチ予告の表示などに用いることも可能である。
【0195】
図35は、液晶表示装置の表示画面における透明部分のみの演出と非透明部分のみの演出と表示画面全体の演出を示す説明図である。図35(A)には、透明部分のみの演出の態様を示している。図35(A)に示す例では、表示画面の透明部分において図柄(「7」)の画像の可変表示(移動表示)を行っている。上述したように、液晶表示の図柄の画像が有効ライン上において同じ図柄で揃ったときも大当りとなる。このとき、ドラム用バックライト250が消灯されているのが好ましい。なお、このような演出態様に限られず、例えば大当り予告やリーチ予告などの表示として、透明部分にキャラクタの画像を表示させたりするような透明部分のみの演出態様も考えられる。
【0196】
図35(B)には、非透明部分のみの演出の態様を示している。図35(B)に示す例では、表示画面の非透明部分においてキャラクタ(恐竜)の画像が表示されている。このような演出は、例えば大当り予告やリーチ予告などの表示として、またはリーチ演出として用いられる。
【0197】
図35(C)には、表示画面全体の演出の態様を示している。図35(C)に示す例では、表示画面全体にキャラクタ(花火)の画像が表示されている。「表示画面全体の演出」とは、表示画面全体を使用して画像表示を行う演出を意味し、透明部分と非透明部分との2つの領域に連なった画像表示を行う演出や、透明部分と非透明部分とに別個の画像を表示することで行う演出を含む。なお、透明部分のみあるいは非透明部分のみで画像表示が実行される期間が存在する場合であっても、表示画面全体を使用した演出期間の割合が演出全体として高い(例えば全体の演出期間の半分以上は透明部分と非透明部分との2つの領域に連なった画像表示による演出が実行される場合など)演出についても、「表示画面全体の演出」の概念に含まれる。このような演出も、例えば大当り予告やリーチ予告などの表示として、またはリーチ演出として用いられる。このときも、ドラム用バックライト250が消灯されているのが好ましい。さらに、ドラム装飾用LEDから暗い光がドラムの表面に照射されていることがより一層好ましい。
【0198】
図36は、変動パターンと大当りの信頼度の関係の一例を示す説明図である。まず、図36(A)を参照して、窓部演出パターン、外枠部演出パターンおよび全体演出パターンにおける大当りの信頼度(大当りが発生する確率または割合)について説明する。窓部演出パターンは図35(A)に示した透明部分(窓部)のみの演出における変動パターンである。外枠部演出パターンは図35(B)に示した非透明部分(外枠部)のみの演出における変動パターンである。全体演出パターンは図35(C)に示した表示画面全体の演出における変動パターンである。
【0199】
ここで、窓部演出パターンは、図16に示した変動パターン番号3,4のロングリーチの変動パターンに用いられているものとする。また、外枠部演出パターンは、図16に示した変動パターン番号5,6,7のスーパーリーチの変動パターンに用いられているものとする(図30(d)参照)。また、全体演出パターンは、図16に示した変動パターン番号11,12,13の遮蔽リーチの変動パターンに用いられているものとする(図32(b)(d)(f)参照)。
【0200】
図36(A)に示すように、図17に示す大当り時変動パターン種別テーブル(TA)において、窓部演出パターンに対して割り当てられる比較値の数を相対的に少なくし、外枠部演出パターンに対して割り当てられる比較値の数を相対的に普通くらいの数とし、全体演出パターンに対して割り当てられている比較値の数を相対的に多くする。具体的には、大当り時変動パターン種別テーブル(TA)において、変動パターン番号4の変動パターンに割り当てられる比較値の数a4を相対的に少なくする。例えば比較値の数a4を「10」とする。そして、変動パターン番号6,7の変動パターンに対して割り当てられる比較値の数a6,a7をそれぞれ相対的に普通くらいの数にする。例えば各比較値の数a6,a7を「20」とする。そして、変動パターン番号12,13の変動パターンに対して割り当てられる比較値の数a12,a13をそれぞれ相対的に多くする。例えば各比較値の数a12,a13を「30」とする。
【0201】
また、図17に示すはずれ時変動パターン種別テーブル(TH)において、窓部演出パターンに対して割り当てられる比較値の数を相対的に多くし、外枠部演出パターンに対して割り当てられる比較値の数を相対的に普通くらいの数とし、全体演出パターンに対して割り当てられている比較値の数を相対的に少なくする。具体的には、はずれ時変動パターン種別テーブル(TH)において、変動パターン番号3の変動パターンに割り当てられる比較値の数h3を相対的に多くする。例えば比較値の数h3を「30」とする。そして、変動パターン番号5の変動パターンに対して割り当てられる比較値の数h5を相対的に普通くらいの数にする。例えば比較値の数h5を「20」とする。そして、変動パターン番号11の変動パターンに対して割り当てられる比較値の数h10を相対的に少なくする。例えば比較値の数h10を「10」とする。
【0202】
以上のように窓部演出パターン、外枠部演出パターンおよび全体演出パターンに割り当てられる比較値の数を設定することにより、大当りとなることが事前に決定されたときに、窓部演出パターンが大当り時の変動パターンとして相対的に低い割合で選択(決定)されることになり、外枠部演出パターンが大当り時の変動パターンとして相対的に普通くらいの割合で選択(決定)されることになり、全体演出パターンが大当り時の変動パターンとして相対的に高い割合で選択(決定)されることになる。従って、全体演出パターンが出現したときの大当りの信頼度は、窓部演出パターンや外枠部演出パターンが出現したときの大当りの信頼度よりも相対的に高くなる。また、外枠部演出パターンが出現したときの大当りの信頼度は、窓部演出パターンが出現したときの大当りの信頼度よりも相対的に高くなる。具体的には、窓部演出パターンが出現したときは、40回のうちの10回の確率(すなわち2割5分)で大当りとなり、外枠部演出パターンが出現したときは、40回のうちの20回の確率(すなわち5割)で大当りとなり、全体演出パターンが出現したときは、40回のうちの30回の確率(すなわち7割5分)で大当りとなる。
【0203】
次に、図36(B)を参照して、スーパーリーチ演出パターンおよび交互リーチ演出パターンにおける大当りの信頼度について説明する。スーパーリーチ演出パターンは、図16に示した変動パターン番号5,6,7の変動パターンである(図30参照)。交互リーチ演出パターンは、図16に示した変動パターン番号8,9,10の変動パターンである(図31参照)。
【0204】
図36(B)に示すように、図17に示す大当り時変動パターン種別テーブル(TA)において、スーパーリーチ演出パターンに対して割り当てられる比較値の数を相対的に少なくし、交互リーチ演出パターンに対して割り当てられる比較値の数を相対的に多くする。具体的には、大当り時変動パターン種別テーブル(TA)において、変動パターン番号6,7の変動パターンに割り当てられる比較値の数a6,a7を相対的に少なくする。例えば比較値の数a6,a7を「10」とする。そして、変動パターン番号9,10の変動パターンに対して割り当てられる比較値の数a9,a10をそれぞれ相対的に多くする。例えば各比較値の数a9,a10を「30」とする。
【0205】
また、図17に示すはずれ時変動パターン種別テーブル(TH)において、スーパーリーチ演出パターンに対して割り当てられる比較値の数を相対的に多くし、交互リーチ演出パターンに対して割り当てられる比較値の数を相対的に少なくする。具体的には、はずれ時変動パターン種別テーブル(TH)において、変動パターン番号5の変動パターンに割り当てられる比較値の数h5を相対的に多くする。例えば比較値の数h5を「30」とする。そして、変動パターン番号8の変動パターンに対して割り当てられる比較値の数h8を相対的に少なくする。例えば比較値の数h8を「10」とする。
【0206】
以上のようにスーパーリーチ演出パターンおよび交互リーチ演出パターンに割り当てられる比較値の数を設定することにより、大当りとなることが事前に決定されたときに、スーパーリーチ演出パターンが大当り時の変動パターンとして相対的に低い割合で選択(決定)されることになり、交互リーチ演出パターンが大当り時の変動パターンとして相対的に高い割合で選択(決定)されることになる。従って、交互リーチ演出パターンが出現したときの大当りの信頼度は、スーパーリーチ演出パターンが出現したときの大当りの信頼度よりも相対的に高くなる。具体的には、スーパーリーチ演出パターンが出現したときは、40回のうちの10回の確率(すなわち2割5分)でしか大当りとならないが、交互リーチ演出パターンが出現したときは、40回のうちの30回の確率(すなわち7割5分)で大当りとなる。
【0207】
なお、図36(A)では全体演出パターンの大当りの信頼度が最も高かったが、窓部演出パターンまたは外枠部演出パターンの大当りの信頼度を最も高くしてもよい。また、図36(B)では交互リーチ演出パターンの方がスーパーリーチ演出パターンよりも大当りの信頼度が高かったが、スーパーリーチ演出パターンの方が交互リーチ演出パターンよりも大当りの信頼度を高くしてもよい。
【0208】
また、スーパーリーチ演出パターンと遮蔽リーチ演出パターン(図32参照)との相対的な大当りの信頼度の関係や、スーパーリーチ演出パターンと図柄配列リーチ演出パターン(図33参照)との相対的な大当りの信頼度の関係についても、上記のように各変動パターンに割り当てられる比較値の数を調整することにより、大当りの信頼度を容易に変化させることができる。その他、予告演出を実行する変動パターンなどの大当りの信頼度についても同様である。
【0209】
次に、表示制御手段の動作を説明する。図37は、図柄制御基板80に搭載されている表示制御用CPU101が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、ドラムを初期位置に設定するための処理、表示制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、表示制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、表示制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、表示制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の表示制御処理を実行する。
【0210】
この実施の形態では、タイマ割込は2ms毎にかかる。すなわち、表示制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な表示制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で表示制御処理を実行してもよい。
【0211】
表示制御処理において、表示制御用CPU101は、まず、受信した表示制御コマンドを解析する(コマンド解析実行処理:ステップS704)。次いで、ランプ制御基板35に対してランプ制御コマンドを送信するランプ制御コマンド出力処理を行う(ステップS705)。さらに、表示制御用CPU101は、表示制御プロセス処理を行う(ステップS706)。表示制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。また、3つのドラムを回転させるための3つのドラムモータ200a,200b,200cを制御するモータ制御処理を行う(ステップS707)。そして、乱数カウンタを更新する(+1する)処理を実行する(ステップS708)。その後、ステップS702のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
【0212】
なお、この実施の形態では、乱数カウンタとして、飾り図柄の変動パターンを決定するために用いられる変動パターン決定用乱数を生成するためのカウンタ、飾り図柄の停止図柄を決定するための停止図柄決定用乱数を生成するためのカウンタ、通常予告(始動入賞記憶にもとづかない予告、すなわち複数回の可変表示に亘って予告を行う連続予告とは異なる予告)を行うか否か決定するために用いられる予告乱数カウンタ1、および連続予告の態様を決定するために用いられる予告乱数カウンタ2とがある。
【0213】
主基板31からの表示制御用のINT信号は表示制御用CPU101の割込端子に入力されている。例えば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、表示制御用CPU101において割込がかかる。そして、表示制御用CPU101は、割込処理において表示制御コマンドの受信処理を実行する。表示制御コマンドの受信処理において、表示制御用CPU101は、受信した表示制御コマンドデータを、受信コマンドバッファに格納する。
【0214】
図38は、部品画像をVRAM84の表示領域外から表示領域に展開する場合の展開の仕方の一例を示す説明図である。なお、表示画面に表示されるキャラクタ画像や識別情報画像等を部品画像または画像要素と呼ぶ。また、部品画像には、主に背景画像を表示する際に用いられる静止画像、主にキャラクタを登場させたり変化させたりするような簡易的に動画表示を行う際に用いられるスプライト画像、また主に実写画像に代表される多色画像によるリアリティのある動画表示を行う際に用いられるムービー画像が含まれている。
【0215】
図38に示すように、VRAM84における元水平座標、元垂直座標、元水平サイズおよび元垂直サイズで特定される領域の部品画像が、展開先水平座標および展開先垂直座標で特定される位置に展開される。なお、展開とは、画像データを、VRAM84の指定された位置に書き込むことであり、描画とも呼ぶ。また、部品画像をVRAM84の表示領域(描画領域ともいう)外から表示領域に展開するということは、具体的には、VRAM84の表示領域外に格納されている部品画像のソースデータを、表示領域に書き込むことである。ソースデータはビットマップデータであり、符号化されている部品画像のデータについても、復号された後にソースデータとしてVRAM84の表示領域外に格納されている。
【0216】
図39は、VRAMの使用方法の一例を示す説明図である。図39に示すように、VRAM84には、液晶表示装置12の画面に相当する2つの表示領域(領域0,1)が確保されている。領域0,1を仮想表示領域またはフレームバッファと呼ぶことがある。領域0,1には、所定のタイミング(例えば遊技機への電源投入時や可変表示の開始時等)において、液晶表示装置12に表示される背景画像(背景画像も部品画像の一つである。)に相当する画像データが展開される。また、適宜、キャラクタや識別情報などの部品画像が、領域0,1に展開される。そして、領域0に部品画像が展開されているときには領域1の画像データにもとづく画像信号が液晶表示装置12に出力され、領域1に部品画像が展開されているときには領域0の画像データにもとづく画像信号が液晶表示装置12に出力される。領域0に部品画像が展開されているときには領域0が表示領域であり、領域1に部品画像が展開されているときには領域1が表示領域である。また、領域0から画像データが読み出されその画像データにもとづく画像信号が液晶表示装置12に出力されているときには領域0が表示領域であり、領域1から画像データが読み出されその画像データにもとづく画像信号が液晶表示装置12に出力されているときには領域1が表示領域である。このように、領域0,1は、ダブルバッファとして用いられる。
【0217】
VRAM84における領域0,1以外の領域には、部品画像のVRAM84の領域外の展開領域(CGROMからの転送先領域)が確保されている。CGROM83から転送先領域へは、その時点で使用される可能性が高い、すなわちVRAM84の表示領域に展開される可能性が高い部品画像(具体的には部品画像のソースデータ)が格納される。
【0218】
図40は、透明部分の画像と非透明部分の画像をVRAMの表示領域で合成する場合の合成の仕方の一例を示す説明図である。上述したように、液晶表示装置12の表示画面には透明部分と非透明部分とが設けられている。従って、液晶表示装置12の表示画面に相当するVRAM84内の表示領域にも透明部分と非透明部分とが同様に設けられる。
【0219】
上述したように、透明部分は遊技者が裏側を視認可能な部分であり、非透明部分は遊技者が裏側を視認不可能な部分である。従って、透明部分では画像が表示されていない部分の裏側が透けて見えるのに対して、非透明部分では画像が表示されている部分も画像が表示されていない部分も裏側が透けて見えない。よって、透明部分は、主に、図柄の可変表示が行われているときにドラムに付された図柄と重畳させて図柄等の画像を表示させることに用いられ、非透明部分は、主に、図柄の可変表示とはあまり関係ない背景画像やキャラクタ画像などを表示させることに用いられる。
【0220】
このように透明部分と非透明部分とは異なる用途の画像を表示させることが多いので、この場合は、図40に示すように、非透明部分に表示する画像と透明領域に表示する画像を別々にVRAM84における表示領域外の領域に一旦展開する処理が実行される。そして、このように別々にVRAM84における表示領域外の領域に一旦展開された画像をVRAM84における表示領域内に展開して合成する処理が行われる。そして、VRAM84における表示領域内に展開された画像の画像データを液晶表示装置12に出力して液晶表装置12の表示画面に表示する処理が実行される。
【0221】
なお、表示画面全体(すなわち非透明部分および透明部分)に画像を表示させる場合には、非透明部分と透明部分とを区別しないで、画像をVRAM84における表示領域内に展開する処理が実行される。
【0222】
図41は、非透明部分にのみ展開されるべき画像のトリミング処理を示す説明図である。非透明部分に表示されるべきキャラクタなどの画像が透明部分に表示されてしまうと、ドラムによる図柄の表示の妨げとなる(すなわち、遊技者がドラムで表示されている図柄を視認困難となる)。従って、非透明部分に表示されるべき画像が透明部分にはみ出してしまうときは、その画像のはみ出し部分のトリミング処理が行われる。
【0223】
図41に示すように、非透明部分に表示する画像をVRAM84における表示領域外の領域に一旦展開する処理が実行する。次に、VRAM84における表示領域外の領域に一旦展開された画像のうち透明部分にはみ出している部分をトリミングする処理を実行する。例えば、図41に示すように、「恐竜」のキャラクタ画像の一部が透明部分にはみ出している場合には、そのはみ出し部分がトリミングされる。また、「UFO」のキャラクタ画像が透明部分にはみ出している場合には、そのはみ出し部分もトリミングされる。さらに、「山」の背景画像の一部が透明部分にはみ出している場合には、そのはみ出し部分もトリミングされる。一方、透明部分に表示する画像として、透明部分の周囲を囲む枠画像をVRAM84における表示領域外の領域に一旦展開する処理が実行する。
【0224】
そして、非透明部分に表示するトリミング処理後の画像と透明部分に表示する枠画像とをVRAM84の表示領域内に展開して合成する。その後、VRAM84の表示領域内に展開した画像の画像データを液晶表示装置12に出力して液晶表装置12の表示画面に表示する。
【0225】
このように、非透明部分にのみ展開すべき画像のトリミング処理を行うので、非透明部分にのみ表示すべき画像がドラムによる図柄の表示の妨げ(邪魔)となるのを防止することができるとともに、画面表示されない画像の一部分に関する表示領域への展開処理を省くことができ、GCL81の制御負担が軽減される。また、透明部分の周囲を囲む枠画像を表示することにより、透明部分と非透明部分の境界が明確となり、透明部分を介して遊技者が視認可能なドラムにおける図柄の表示を認識し易くなる。また、枠画像を表示することにより、透明部分と非透明部分の境界の端部が遊技者に見えないように隠すこともできる。
【0226】
図42は、図37に示されたメイン処理における表示制御プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。表示制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S804のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
【0227】
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって変動時間を特定可能な表示制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターンコマンド受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターンコマンド受信フラグは、コマンド解析処理によって、飾り図柄変動パターン指定の表示制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる。なお、変動パターンコマンドとは、8000(H)〜800F(H)の表示制御コマンドのことである。
【0228】
予告選択処理(ステップS801):連続予告演出を行うことが指定されたら連続予告演出の態様を決定する。また、通常予告を行うか否か決定する。
【0229】
図柄変動開始処理(ステップS802):外ドラムの変動が開始されるように制御する。
【0230】
図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。
【0231】
図柄停止待ち設定処理(ステップS804):変動時間の終了時に、図柄停止を指示する表示制御コマンド(特別図柄停止の表示制御コマンド)を受信していたら、図柄の変動を停止させる制御を行う。
【0232】
図43は、予告乱数カウンタ1,2のカウント範囲の一例を示す説明図である。図43に示すように、予告乱数カウンタ1は、0〜18の範囲の値をとり、予告乱数カウンタ2は、0〜56の範囲の値をとる。
【0233】
図44は、図42に示された表示制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、表示制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS871)。セットされていたら、そのフラグをリセットする(ステップS872)。そして、停止図柄決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を停止図柄決定用乱数とし、停止図柄決定用乱数の値にもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS873)。
【0234】
決定される停止図柄として、一旦停止の際の停止図柄と、最終停止図柄とがある。ROM102には、はずれとするときに送信される変動パターンコマンド、非確変大当り時に送信される変動パターンコマンド、確変大当り時に送信される変動パターンコマンドのそれぞれに対応して、3×3=9個の飾り図柄の停止図柄をどのようにするのかを示すデータが設定されたテーブルが記憶されている。表示制御用CPU101は、停止図柄決定用乱数の値と、テーブルの設定データとから、飾り図柄の停止図柄を決定する。なお、停止図柄を決定する際に、各図柄がドラムによって表示されるのか液晶表示装置12の表示画面によって表示されるのかも決定される。
【0235】
そして、ドラム初期化要求フラグをセットし(ステップS874)、表示制御プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS875)。
【0236】
図45は、図42に示された表示制御プロセス処理における予告選択処理(ステップS801)を示すフローチャートである。予告選択処理において、表示制御用CPU101は、コマンド受信割込処理によって予告実行コマンドを受信したか否か確認する(ステップS811)。具体的には、予告実行コマンドが受信されたことを示すフラグ(予告実行コマンド受信フラグ)がセットされたか否か確認する。予告実行コマンド受信フラグは、コマンド解析処理によって、予告実行指定の表示制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる。
【0237】
予告実行コマンド受信フラグがセットされている場合には、予告実行コマンド受信フラグをリセットし(ステップS812)、予告乱数カウンタ2のカウント値を予告乱数2とする(ステップS813)。ROM102には、複数の数値と、数値に対応する連続予告の態様を示すデータとが設定されているテーブルが格納されている。表示制御用CPU101は、予告乱数2の値に一致するテーブル中の数値に対応した連続予告の態様を、使用する連続予告の態様として決定する(ステップS814)。また、連続予告実行フラグをセットする(ステップS815)。そして、表示制御プロセスフラグを図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に更新する(ステップS816)。
【0238】
また、ROM102には、複数の数値と、数値に対応するデータであって通常予告を行うか否かを示すデータとが設定されている通常予告決定用テーブルが格納されている。予告実行コマンド受信フラグがセットされてない場合には、表示制御用CPU101は、予告乱数カウンタ1のカウント値を予告乱数1とし(ステップS817)、予告乱数1の値と一致するテーブル中の数値が通常予告を行うことを示すデータに対応した数値であれば、通常予告を行うことに決定する(ステップS818)。また、通常予告を行うことに決定した場合には通常予告実行フラグをセットする(ステップS819)。
【0239】
通常予告決定用テーブルには、少なくとも、特別図柄の停止図柄がはずれ図柄となる場合に用いられるはずれ用テーブルと、特別図柄の停止図柄が大当り図柄となる場合に用いられる当り用テーブルとがある。そして、双方のテーブルに設定されている数値の総数(予告を行うことを示すデータに対応した数値の数+予告を行わないことを示すデータに対応した数値の数)は同数であって、当り用テーブルにおける予告を行うことを示すデータに対応した数値の数は、はずれ用テーブルにおける予告を行うことを示すデータに対応した数値の数よりも多い。従って、通常予告は、特別図柄の停止図柄が大当り図柄となって大当り遊技状態が発生する可能性が高いことを報知する役割を果たす。
【0240】
図46は、プロセステーブルおよびモータ制御実行データの構成例を示す説明図である。図46に示すように、プロセステーブルは、プロセスタイマ、LCD制御実行データおよびモータ制御実行データの組合せが複数集まったデータで構成されている。プロセステーブルはROM102に格納されている。LCD制御実行データは、液晶表示装置12の表示画面における表示演出の内容を示すデータが設定されている。モータ制御実行データは、ドラム235〜237を駆動するドラムモータ200a,200b,200cの駆動制御の内容を示すデータが設定されている。また、プロセスタイマには、直後に続くLCD制御実行データおよびモータ制御実行データにもとづく表示制御がなされる時間が設定されている。
【0241】
LCD制御実行データには、具体的には次のような内容のデータが設定されている。液晶表示装置12の表示画面で表示される各フレーム(動画像を構成する単位となる1枚の画像)を構成する背景、図柄、キャラクタ等の画像の種類(静止画像、スプライト画像、ムービー画像)、位置、サイズを示すデータが含まれている。また、所定の画像を変形表示させる場合はその変形態様(例えば縮小、拡大または回転)を示すデータ(縮小/拡大率、回転率)が含まれている。さらに、複数の画像を重畳して(幾重にも重ねて)表示させる場合は、いずれの画像を前面側に表示させるかを示す優先度に関するデータも含まれている。なお、フレームにムービー画像が含まれている場合は、画像の位置、サイズおよび変形態様を示すデータは、ムービー画像を動画表示するムービー画像表示領域の位置、サイズおよび変形態様を示すデータとなる。
【0242】
また、図46に示すように、モータ制御実行データには、ドラムモータ200a,200b,200cの速度(パルス周波数)を示すデータと、その速度で回転させるステップ数を示すデータとが設定されている。また、モータ制御実行データは、3つのドラム235〜237のそれぞれに対応して設けられている。例えば、左ドラム235に対応したプロセステーブルには、順方向低速回転を行わせる場合は、順方向低速回転で回転させる時間を示すプロセスタイマと、順方向低速回転時の速度を示すデータと、その速度で回転させるステップ数を示すデータとが設定される。また、一旦停止させる場合は、一旦停止期間時間を示すプロセスタイマと、速度0を示すデータと、ダミーのステップ数データとが設定される。さらに、逆方向高速回転を行わせる場合は、逆方向低速回転で回転させる時間を示すプロセスタイマと、逆方向低速回転時の速度を示すデータと、その速度で回転させるステップ数を示すデータとが設定される。
【0243】
プロセステーブルは、各変動パターンにおいて、停止時の表示図柄に応じて用意されている。例えば、スーパーリーチ変動の変動パターンであっても、停止時の表示図柄が違えば変動期間における回転数(ステップ数)は若干異なるので、異なるプロセステーブルとして用意されている。ただし、停止時の表示図柄が違っても変動時間を同じ29.0秒(スーパーリーチの場合)にする必要がある。そこで、例えば、順方向低速回転の期間を幾つかに分割し、回転開始時の期間や回転終了時の期間において、回転速度を若干異ならせるようにする。すなわち、プロセステーブルにおいて、そのような期間に対応した回転速度およびステップ数を異ならせる。
【0244】
表示制御用CPU101は、以上のようなプロセステーブルを参照し、プロセスタイマに設定されている時間だけ、直後に続くLCD制御実行データおよびモータ制御実行データに設定されている内容に応じて、液晶表示装置12の表示画面に画像を表示させたり、ドラムモータ200a,200b,200cを駆動してドラム235〜237を回転させたりする制御を行う。
【0245】
例えば、図31に示した交互リーチや図33に示した図柄配列リーチなどの変動パターンにおいては、液晶表示装置12の表示画面に表示される図柄の画像とドラム235〜237で表示される図柄とを所定のタイミングで同期させて表示する。このような図柄の同期表示も、表示制御用CPU101が変動パターンに応じた同一のプロセステーブルの内容に従って液晶表示装置12の表示制御およびドラムモータの駆動制御を実行することにより実現できる。具体的には、図33に示した図柄配列リーチの場合を例にあげると、表示制御用CPU101は、プロセスタイマに設定されている時間だけ、モータ制御実行データに設定されている所定の速度でドラムを回転させる制御を実行する。このとき、ドラムが現在表示している図柄の位置も制御されることになる。よって、ドラムに付された図柄が透明部分内に現れるタイミングや透明部分から消えるタイミングも制御することが可能となる。また、表示制御用CPU101は、プロセスタイマに設定されている時間だけ、表示制御実行データに設定されている図柄の画像を表示画面の非透明部分内の所定位置に表示させる制御を実行する。よって、ドラムに付された図柄が透明部分に現れるタイミングや透明部分から消えるタイミングに合わせて、表示画面の非透明部分内の所定位置に図柄の画像を表示することができるようになる。
【0246】
なお、同じ変動パターン(さらに同じ停止図柄)であっても、予告する/しないに応じて、かつ、予告の態様に違いに応じて、異なるプロセステーブルを用意することが好ましい。プロセステーブルは、図柄変動開始処理、図柄変動中処理およびモータ制御処理において使用されるのであるが、このように、きめ細かに多数のプロセステーブルを用意しておけば、図柄変動開始処理、図柄変動中処理およびモータ制御処理を容易に実行することができる。
【0247】
図47は、表示制御プロセス処理における図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。図柄変動開始処理において、表示制御用CPU101は、まず、飾り図柄の可変表示の変動パターン、ドラムの停止時の表示図柄および予告演出の種類に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS881)。また、ドラムモータ200a,200b,200cに対する通電を開始する(ステップS882)。そして、選択したプロセステーブルにおいて最初に設定されているプロセスタイマをスタートさせる(ステップS883)。
【0248】
次いで、表示制御用CPU101は、図50のステップS904,S906,S910においてレジスタに設定される画像の展開指示を禁止する展開指示禁止データを参照してから(ステップS884)、プロセステーブル中のLCD制御実行データ1の内容に従ってLCD制御することを指示する(ステップS885)。具体的には、表示制御用CPU101は、展開指示禁止データがレジスタに設定されていないかどうかを確認する。そして、展開指示禁止データがレジスタに設定されていない場合は、表示制御用CPU101は、LCD制御実行データ1に画像をVRAM84に展開すべきことを示すデータが設定されていれば、そのデータの内容に従って、液晶表示装置12に表示されるフレームに配置される各部品画像(静止画像、スプライト画像およびムービー画像)のVRAM84への展開を指示する信号をGCL81に出力する。展開指示禁止データがレジスタに設定されている場合は、展開指示が禁止された画像を除く各部品画像のVRAM84への展開を指示する信号をGCL81に出力する。
【0249】
画像の展開指示の信号には、各部品画像の展開位置やサイズを示すデータが含まれている。また、所定の部品画像を変形(縮小、拡大または回転)させて表示させる場合には、その所定の部品画像の変形態様を示すデータ(縮小/拡大率、回転率)も含まれる。また、複数の部品画像を重畳して表示させる場合には、いずれの部品画像を前面側に表示するかを示す優先度に関するデータも含まれる。表示制御用CPU101からの画像の展開指示の信号にもとづくGCL81による画像の展開処理については後述する。なお、LCD制御実行データにはROMのアドレスが設定され、そのアドレスから始まる領域に、より詳細な制御データを格納しておき、それらの制御データに従ってLCD制御を行うように構成してもよい。
【0250】
また、表示制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容に従ってモータ制御することをモータ制御処理に指示する(ステップS886)。具体的には、その旨を示す内部フラグをセットする。次いで、変動時間タイマ(飾り図柄の変動時間に応じたタイマ)をスタートし(ステップS887)、表示制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理に対応した値にする(ステップS888)。
【0251】
図48は、表示制御プロセス処理における図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。図柄変動中処理において、表示制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS831)、プロセスデータの切り替えを行う(ステップS832)。すなわち、プロセステーブルにおいて、次に設定されているプロセスデータのプロセスタイマをスタートさせる(ステップS833)。
【0252】
次いで、表示制御用CPU101は、図50のステップS904,S906,S910においてレジスタに設定される展開指示禁止データを参照してから(ステップS834)、次に設定されているLCD制御実行データの内容に従ってLCD制御することを指示する(ステップS835)。なお、展開指示禁止データの参照(ステップS834)およびLCD制御実行データにもとづくLCD制御(ステップS835)の処理は、上述した図47のステップS884、S885と同様である。次いで、表示制御用CPU101は、次のモータ制御実行データの内容に従ってモータ制御することをモータ制御処理に指示する(ステップS836)。
【0253】
また、変動時間タイマがタイムアウトしていたら(ステップS837)、特別図柄停止の表示制御コマンドの受信を監視するための監視タイマをスタートさせ(ステップS838)、表示制御プロセスフラグの値を図柄停止待ち処理に対応した値に更新する(ステップS839)。
【0254】
図49は、表示制御プロセス処理における図柄停止待ち処理(ステップS804)を示すフローチャートである。図柄停止待ち処理において、表示制御用CPU101は、全図柄停止を指示する表示制御コマンド(特別図柄停止の表示制御コマンド)を受信しているか否か確認する(ステップS841)。全図柄停止を指示する表示制御コマンドを受信していれば、表示画面に図柄の画像を表示させる場合には記憶されている停止図柄の画像を表示画面に表示させる制御を行うとともに(ステップS842)、ドラムを停止させる制御を行う(ステップS843)。そして、表示制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS844)。
【0255】
全図柄停止を指定する表示制御コマンドを受信していない場合には、監視タイマがタイムアウトしているかどうか確認する(ステップS845)。タイムアウトした場合には、何らかの異常が発生したと判断して、エラー報知する制御を行う(ステップS846)。そして、ステップS844に移行する。なお、エラー報知する制御とは、例えば、ランプ・LEDをエラー報知用の態様で点滅させることを示すランプ制御コマンドをランプ制御基板35に送信する処理である。
【0256】
図50は、GCLからのVブランク割込に応じて実行されるVブランク割込処理を示すフローチャートである。Vブランク割込は、液晶表示装置12に供給される垂直同期信号の周期と同周期でGCL81が発生する割込である。例えば、液晶表示装置12の画面変更周波数(フレーム周波数)が30Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は33.3msであり、フレーム周波数が60Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は16.7msである。
【0257】
Vブランク割込処理において、まず、表示制御用CPU101は、現在用いられている図柄の可変表示の変動パターンに応じたプロセスデータを選択する(ステップS901)。そして、表示制御用CPU101は、選択したプロセスデータ中の現在表示制御プロセス処理において用いられているLCD制御実行データの次のLCD制御実行データを参照し、そのLCD制御実行データに、画像をVRAM84に展開すべきことを示すデータが設定されていれば、その画像の全ての部分(画像が占める全領域)がVRAM84の表示領域外に展開されるか否か、また画像の全ての部分がVRAM84の表示領域内の透明部分内に展開されるか否かを判定する画像展開位置判定処理を実行する(ステップS902)。表示制御用CPU101は、画像の全ての部分が表示領域外に展開されると判定すると、レジスタに表示領域外に展開される画像の展開指示を禁止する展開指示禁止データを設定する(ステップS903,S904)。展開指示禁止データは、上述したステップS884,S834において参照される。なお、画像をVRAM84に展開すべきことを示すデータには、VRAM84における展開位置を示す座標情報も含まれている。また、現在表示制御プロセス処理において用いられているLCD制御実行データとは、ステップS832において切り替えられる前のLCD制御実行データである。
【0258】
次に、表示制御用CPU101は、画像の全ての部分が透明部分内に展開されると判定すると、レジスタに透明部分内に展開される画像の展開指示を禁止する展開指示禁止データを設定する(ステップS905,S906)。
【0259】
次に、表示制御用CPU101は、表示制御実行データに、複数の画像(スプライト画像、ムービー画像)をVRAM84に展開すべきことを示すデータが設定されていれば、複数の画像の展開位置やサイズを認識して、複数の画像が重畳するか否かを判定する(ステップS907)。表示制御用CPU101は、複数の画像が重畳すると判定した場合、プロセステーブル中の現在表示制御プロセス処理において用いられているLCD制御実行データの次のLCD制御実行データを参照して、いずれの画像を前面側に表示するかを示す優先度を各画像について確認する(ステップS908)。
【0260】
そして、表示制御用CPU101は、優先度の低い画像の全ての部分(全領域)が優先度の高い画像により完全に隠されてしまうかどうかを判定する(ステップS909)。優先度の高い画像によって完全に隠されてしまう優先度の低い画像が存在すると判定した場合には、レジスタに当該優先度の低い画像の展開指示を禁止する展開指示禁止データを設定する(ステップS910)。展開指示禁止データは、上述したステップS884,S834において参照される。
【0261】
なお、Vブランク割込処理では、上記のような画像の展開指示の制御に関する処理のほかに、CGROM83からVRAM84への画像データの転送指示などの処理も行う。
【0262】
図51は、VRAM空間における表示領域(透明部分および非透明部分)の設定位置と画像の展開位置との関係を示す説明図である。図51(A)では、部品画像の全ての部分が表示領域0内に展開されるとともに、部品画像の少なくとも一部分が表示領域0内の透明部分外に展開されている。図51(B)では、部品画像の全ての部分が表示領域0外のVRAM空間に展開されている。また、部品画像の全ての部分が表示領域0内の透明部分内に展開されている。
【0263】
図51(B)ように、部品画像が表示領域外に展開されても、部品画像が液晶表示装置12において全く画像表示されず、遊技者の見た目で認識されない。また、部品画像が表示領域の透明部分内に展開されても、透明部分が完全に透明な状態とされている場合には、部品画像が液晶表示装置12において全く画像表示されず、遊技者の見た目で認識されない。従って、図51((B)に示すような場合には、表示制御用CPU101は部品画像の展開の指示をGCL81に対して行う必要がない。
【0264】
なお、図51の例では、部品画像のVRAM空間上の展開位置を特定する座標を部品画像の左上座標(x,y)としている。また、表示領域0は、例えば左上座標が(X0,Y0)の位置に設定され、表示領域1は、例えば左上座標が(X1,Y0)の位置に設定されている。表示領域0,1の水平サイズおよび垂直サイズはいずれも同じである。また、表示領域0,1における透明部分の水平サイズおよび垂直サイズも同じである。また、表示領域0,1における透明部分は、表示領域0,1内における相対的な位置も同じである。
【0265】
図52は、Vブランク割込処理における画像展開位置判定処理(ステップS902)の例を示すフローチャートである。画像展開位置判定処理において、まず、表示制御用CPU101は、表示領域0または1のVRAM空間上の位置(X0,Y0)とサイズ(H,V)を認識するとともに(ステップS911)、透明部分の位置とサイズを認識する(ステップS912)。さらに、VRAM空間に展開される画像の展開位置とサイズを認識する(ステップS913)。なお、画像の展開位置は、表示領域との相対位置で特定される。
【0266】
なお、表示領域0の位置とサイズを示すデータは、例えばROM102に格納されたプログラムやプロセスデータ中のLCD制御実行データに予め設定されているものとする。また、画像の展開位置とサイズを示すデータは、プロセスデータ中のLCD制御実行データに設定されている。
【0267】
表示制御用CPU101は、VRAM空間に展開される画像の下端が表示領域の上辺よりも上に位置するか否かを判定する(ステップS914)。次いで、VRAM空間に展開される画像の上端が表示領域の下辺よりも下に位置するか否かを判定する(ステップS915)。次いで、VRAM空間に展開される画像の右端が表示領域の左辺よりも左に位置するか否かを判定する(ステップS916)。さらに、VRAM空間に展開される画像の左端が表示領域の右辺よりも右に位置するか否かを判定する(ステップS917)。
【0268】
ステップS914〜S917の判定の結果、上記の4つの条件を全て満たしていないと判定した場合は、表示制御用CPU101は、画像の少なくとも一部が表示領域内に展開されると認識する(ステップS918)。一方、上記の4つの条件のうちのいずれか1つでも満たしていると判定した場合は、表示制御用CPU101は、画像の全領域が表示領域外に展開されると認識する(ステップS919)。
【0269】
次に、表示制御用CPU101は、VRAM空間に展開される画像が非透明部分に展開する画像であるか否かを判定する(ステップS921)。非透明部分に展開する画像であれば、当該画像の上端が透明部分の上辺よりも下に位置するか否かを判定する(ステップS922)。次いで、当該画像の下端が透明部分の下辺よりも上に位置するか否かを判定する(ステップS923)。次いで、当該画像の右端が透明部分の右辺よりも左に位置するか否かを判定する(ステップS924)。次いで、当該画像の左端が透明部分の右辺よりも右に位置するか否かを判定する(ステップS925)。
【0270】
ステップS922〜S925の判定の結果、上記の4つの条件を全て満たしていると判定した場合は、表示制御用CPU101は、画像の全領域が透明部分内に展開されると認識する(ステップS926)。一方、上記の4つの条件のうちのいずれか1つでも満たしていないと判定した場合は、表示制御用CPU101は、画像の少なくとも一部が透明部分外に展開されると認識する(ステップS927)。
【0271】
次に、図柄制御基板80に搭載されているGCL81の画像展開処理について、スプライト画像の場合とムービー画像の場合とに分けて説明する。
【0272】
図53は、CGROM83に記憶されているCGデータのデータ構成を示す説明図である。図53に示すように、CGROM83には、圧縮/非圧縮のCGデータおよび非圧縮のパレットデータが格納されている。CGデータは、キャラクタのデータのことをいい、画像の元となる画像データも含まれている。ここでは、CGデータをスプライト画像の画像データ(以下、スプライト画像データという)として説明する。
【0273】
図54は、GCL81が実行するスプライト画像復号化表示処理の例を示すフローチャートである。スプライト画像復号化表示処理において、GCL81は、表示制御用CPU101から所定のスプライト画像データの展開指示を受けると、CGROM83に格納されている指示された所定のスプライト画像データを読み出す(ステップS501)。次いで、GCL81は、読み出したスプライト画像データが圧縮されている場合は、動画圧縮・伸張部89を制御して読み出したスプライト画像データを復号化する(ステップS502)。
【0274】
GCL81は、表示制御用CPU101からスプライト画像の変形の指示があったか否かについて判定する(ステップS503)。スプライト画像の変形の指示がなかった場合には、GCL81は、画像データの変形処理を実行せずに、ステップS505に移行する。スプライト画像の変形の指示があった場合には、GCL81は、指示された所定の変形態様(拡大、縮小または回転)で画像データの変形処理を実行する(ステップS504)。具体的には、まず、GCL81は、変形を行わない場合の画像データを展開するVRAM空間の各ドット(各画素)の座標を認識する。そして、表示制御用CPU101から指示された所定の変形態様が例えば拡大または縮小である場合、GCL81は、表示制御用CPU101から出力された拡大/縮小率のデータにもとづいて、拡大または縮小した後の画像データを展開するVRAM空間の各ドットの座標を演算する。なお、変形処理には画像データの回転処理などもある。
【0275】
次いで、GCL81は、変形処理されたまたは変形処理されていない画像データを、表示制御用CPU101から指定されたVRAM(画像メモリ)84上の所定の展開位置に展開する。このとき、GCL81は、画像データを展開するVRAM84上の各ドット(各画素)の座標が表示領域内の座標であるか否かを判定する。そして、GCL81は、表示領域内のドットに対してのみ画像データを展開する。すなわち、表示領域外のドットに対する画像データの展開を禁止する。
【0276】
なお、図41を参照して説明したように、画像データが非透明部分に展開すべき画像の画像データであって、その画像データを展開すると透明部分にはみ出してしまう場合には、そのはみ出し部分のトリミング処理(画像データの展開を禁止する処理)を行う。
【0277】
その後、画像の表示タイミングになると、GCL81は、表示領域内に展開された画像を液晶表示装置12に出力して、画像を液晶表示装置12の表示領域に表示させる(ステップS505)。
【0278】
図55は、ムービー画像の画像データのデータ構造の一例を示す説明図である。ムービー画像の画像データ(以下、ムービー画像データという)は、例えばMPEG2と呼ばれる符号化技術によりデータ圧縮された状態で図柄制御基板80が備えるCGROM83に格納されている。
【0279】
なお、大当り遊技演出時に使用されるムービー画像データ、リーチ演出時に使用されるムービー画像データなど、使用される演出毎に区別されてCGROM83に格納されている。そして、GCL81は、表示制御用CPU101からの指示にもとづいて、複数種類のムービー画像データの中からムービー画像演出に使用する所定のムービー画像データを選択する。
【0280】
図56は、GCL81が実行するムービー画像表示領域設定処理の例を示すフローチャートである。ムービー画像表示領域設定処理は、例えば、ムービー画像データにもとづくムービー画像による遊技演出が開始されるときに実行される。本例では、シーケンスによる一連のムービー画像演出が開始される毎に、ムービー画像表示領域設定処理が実行されるものとする。このような構成によれば、複数のムービー画像演出が開始される毎に、ムービー画像表示領域の設定位置を変更させていくことができるようになり、ムービー画像表示領域においてムービー画像を動画表示させながらムービー画像の表示位置を変更することが可能となり、画像表示装置に表示されるムービー画像による演出効果をより一層向上させることができる。
【0281】
ムービー画像表示領域設定処理において、GCL81は、まず、CGROM83に格納されている表示制御用CPU101より指示されたムービー画像データ(シーケンス)に領域指定データが設定されているか否かを確認する(ステップS511)。領域指定データは、例えば、各シーケンスにおけるシーケンスヘッダのあとのMPEG2機能拡張情報に含まれている。従って、GCL81は、シーケンスのMPEG2機能拡張情報を確認することで、領域指定データが設定されているか否かを判定することができる。また、領域指定データには、各シーケンスにもとづくムービー画像の動画表示を行うムービー画像表示領域を特定するため情報が含まれている。
【0282】
ムービー画像データに領域指定データが設定されていた場合には、GCL81は、表示制御用CPU101からムービー画像表示領域の変形の指示があったか否かについて判定する(ステップS512)。ムービー画像表示領域の変形の指示があった場合には、GCL81は、指示された所定の変形態様(拡大、縮小または回転)でムービー画像表示領域の変形処理を実行する(ステップS513)。具体的には、まず、GCL81は、領域指定データ中に設定されているムービー画像表示領域を特定するため情報にもとづいて、VRAM空間におけるムービー画像表示領域の設定位置およびサイズを座標で認識する。ここで、表示制御用CPU101から指示された所定の変形態様が例えば拡大または縮小である場合、GCL81は、表示制御用CPU101から出力された拡大/縮小率のデータにもとづいて、当該拡大/縮小率で拡大または縮小した後のムービー画像表示領域の設定位置およびサイズを演算する。
【0283】
GCL81は、変形処理されたまたは変形処理されていないムービー画像表示領域を、表示制御用CPU101から指定されたVRAM(画像メモリ)84上の所定位置に設定する(ステップS514)。
【0284】
図57は、GCL81が実行するムービー画像復号化処理の例を示すフローチャートである。ムービー画像復号化処理において、GCL81は、まず、CGROM83に格納されている表示制御用CPU101より指示されたムービー画像データ(シーケンス)からピクチャを示すピクチャデータを読み出す(ステップS521)。ピクチャデータは、ムービー画像データにて配列されている順番に従って再生することができるような順番で読み出される。なお、再生される順番と復号化される順番は必ずしも一致しない。例えば、Bピクチャは、その後に配されているIピクチャ又はPピクチャを復号化したあとに復号化される。
【0285】
次いで、GCL81は、動画圧縮・伸張部89を制御して読み出したピクチャデータを復号化し(ステップS522)、展開領域指定ポインタが指す画像メモリの展開領域に、復号化したピクチャデータをフレーム単位で展開する(ステップS523)。なお、復号化を行うときには、動画圧縮・伸張部89は、対象となるピクチャデータがIピクチャデータであるか、Pピクチャデータであるか、Bピクチャデータであるかに応じた復号化処理を実行する。そして、GCL81は、展開領域指定ポインタが次に使用される展開領域を指すようにしておくために、展開領域指定ポインタの値を更新する(ステップS524)。
【0286】
なお、画像メモリには、フレーム単位で画像データを展開するための展開領域が複数設けられている。展開領域指定ポインタは、VRAM84の所定の領域に設けられ、復号化した画像データを展開する展開領域を指すポインタである。例えば、画像メモリに展開領域0から展開領域11までの12個の展開領域が設けられている場合には、展開領域指定ポインタは、0〜11までの範囲の値をとる。そして、ステップS524にて、展開領域指定ポインタの値が、復号化された画像データが再生される順番で画像メモリに展開されるような値に更新される。そして、GCL81によって、次回の復号化処理のステップS523にて、展開領域指定ポインタの値と同一の値が設定されている展開領域が画像データを展開する領域として選択される。
【0287】
図58は、GCL81が実行するムービー画像再生処理の例を示すフローチャートである。ムービー画像再生処理において、GCL81は、ステップS513にてムービー画像表示領域の変形処理が行われているか否かを判定する(ステップS531)。ムービー画像表示領域の変形処理が行われている場合には、GCL81は、変形処理が行われたムービー画像表示領域の設定位置およびサイズに合わせて、再生領域指定ポインタが指す画像メモリの展開領域に展開されている画像データの変形処理を実行する(ステップS532)。具体的には、まず、GCL81は、変形を行わない場合のフレームデータを展開するVRAM空間の各ドット(各画素)の座標を認識する。ここで、ムービー画像表示領域が例えば拡大/縮小処理されている場合は、GCL81は、ムービー画像表示領域の拡大/縮小率にもとづいて、拡大または縮小した後のムービー画像表示領域内に展開する画像データの各ドットの座標を演算する。
【0288】
次いで、GCL81は、変形処理されていない画像データを、変形処理されていないムービー画像表示領域に展開する。または、変形処理された画像データを、変形処理されたムービー画像表示領域に展開する。このとき、GCL81は、画像データを展開するVRAM84上の各ドット(各画素)の座標が表示領域内の座標であるか否かを判定する。そして、GCL81は、表示領域内のドットに対してのみ画像データを展開する。すなわち、表示領域外のドットに対する画像データの展開を禁止する。
【0289】
その後、画像の表示タイミングになると、GCL81は、表示領域内に展開された画像を液晶表示装置(LCD)12に出力して、画像を液晶表示装置12の表示領域に表示させる(ステップS533)。そして、GCL81は、再生領域指定ポインタが次に使用される展開領域を指すようにしておくために、再生領域指定ポインタの値を更新する(ステップS534)。
【0290】
再生領域指定ポインタは、例えばVRAM84の所定の領域に設けられ、動画再生を行うために次に用いられる画像データが展開されている展開領域を指すポインタである。例えば、画像メモリに展開領域0から展開領域11までの12個の展開領域が設けられている場合には、再生領域指定ポインタは、0〜11までの範囲の値をとり、ステップS534にて再生領域指定ポインタの値が1加算されるように構成される。なお、再生領域指定ポインタの値が12となった場合には0に戻される。そして、GCL81によって、ステップS532にて、再生領域指定ポインタの値と同一の値が設定されている展開領域が、動画再生のために次に使用する画像データが格納されている領域として選択される。
【0291】
なお、上述したムービー画像再生処理は、例えば、上述したムービー画像復号化処理のあとに続けて実行される。ただし、画像データが復号化される順番と再生される順番が異なるので、ムービー画像再生処理よりもムービー画像復号化処理が少なくとも数回分先行して実行される必要がある。このムービー画像復号化処理及びムービー画像再生処理は、ムービー画像による遊技演出が行われるときに呼び出されて繰り返し実行される。ムービー画像復号化処理及びムービー画像再生処理が繰り返し実行されることで、液晶表示装置12の表示領域中のムービー画像表示領域上に、圧縮されているムービー画像データに基づくムービー画像が動画表示され、遊技演出が実行される。
【0292】
次に、ドラムの回転制御について説明する。図59は、図柄制御基板80におけるドラムモータの駆動に関する部分の一構成例を示すブロック図である。
【0293】
ドラムモータ200a〜200cには、位置検出のためのドラムセンサ(可変表示部材の基準位置を検出するための位置検出手段、または回動位置特定手段)139A,139B,139Cが設置されている。ドラムセンサ139A,139B,139Cの検出信号は、増幅回路177および入力ポート511を介して表示制御用CPU101に入力される。
【0294】
3つの内ドラムの所定位置に、無反射部分が設けられている。そして、無反射部分を検出できるような位置に、例えば反射型フォトセンサによるドラムセンサ139A,139B,139Cが設けられている。ドラムセンサ139A,139B,139Cは、それぞれ、無反射部分を検知すると、そのことを示す検出信号(出力信号)を出力する。表示制御用CPU101は、検出信号によってドラムの位置が所定位置にきたことを認識でき、その位置を基準として、回転中の任意のタイミングにおけるドラムの位置を認識することができる。その結果、表示図柄(遊技者が視認できる位置にある飾り図柄)を認識することができる。なお、ドラムセンサ139A,139B,139Cには、電源基板からの+12V電圧が供給される。
【0295】
図60は、図37に示された初期化処理(ステップS701)を示すフローチャートである。初期化処理において、表示制御用CPU101は、まず、レジスタを初期化し(ステップS711)、RAM104を初期化する(ステップS712)。次いで、ドラムモータ200a,200b,200cの通電を開始し(ステップS713)、ドラムセンサ139A,139B,139Cがオンするのを待つ(ステップS714)。なお、所定時間内にドラムセンサ139A,139B,139Cがオンしなかった場合には、所定のエラー処理を行う(ステップS791,S792)。また、ステップS714の処理および以降のステップS715〜S719までの処理は、3つのドラムモータ200a,200b,200cのそれぞれについて独立して実行されるが、ここでは、1つの処理として示す。
【0296】
ドラムセンサ139A,139B,139Cがオンしたときに、RAM104に形成されている現在表示図柄カウンタを初期化する(ステップS715)。各ドラムに付されている各飾り図柄には、配列順に図柄番号が割り当てられている。初期化とは、ドラムセンサ139A,139B,139Cがオンしたときに、遊技者が視認できる位置にある飾り図柄(より具体的には中段に表示される飾り図柄)の図柄番号を、現在表示図柄カウンタに設定することである。なお、ドラムセンサがオンしたときに遊技者が視認できる位置にある飾り図柄を基準図柄、その図柄番号を基準図柄番号と呼ぶ。
【0297】
次に、基準図柄が表示されている状態から初期表示図柄が遊技者に視認可能な位置まで外ドラムを回転させるためにドラムモータ200a,200b,200cに与えるステップ数を、RAM104の所定の領域にセットする(ステップS716)。そして、セットしたステップ数分ドラムモータ200a,200b,200cが回転するまで、モータ駆動処理サブルーチンをコールする(ステップS717,S718)。セットしたステップ数分回転したら、ドラムモータ200a,200b,200cの通電を終了する(ステップS719)。
【0298】
なお、この実施の形態では、表示制御手段が、遊技機への電力供給開始時に、独自に、飾り図柄表示装置11に初期表示図柄を表示させるための制御を行っているが、遊技制御手段から初期図柄を示す表示制御コマンドを受信したことに応じて、飾り図柄表示装置11に初期表示図柄を表示させるための制御を行ってもよい。
【0299】
図61は、図37に示されたメイン処理におけるモータ制御処理を示すフローチャートである。モータ制御処理において、表示制御用CPU101は、まず、初期化中であるか否か確認する(ステップS721)。ここでの初期化中とは、飾り図柄の変動開始時に、表示図柄を変動開始時初期表示図柄(例えば透明領域)にするための処理を実行中のことである。初期化中であれば、ステップS731に移行する。なお、変動開始時初期表示図柄が遊技者に視認されるようなドラム位置を原点位置と呼ぶ。
【0300】
初期化中でなければ、ドラム初期化要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS722)。ドラム初期化要求フラグは、変動パターンコマンド受信待ち処理において変動パターンコマンドを受信したときにセットされる(ステップS874)。ドラム初期化要求フラグがセットされていれば、ステップS729に移行する。
【0301】
ドラム初期化要求フラグがセットされていなければ、飾り図柄の変動中であるか否か確認する(ステップS723)。飾り図柄の変動中であれば、プロセスデータの内容に従ってモータ制御することの指示があるか否か確認する。なお、プロセスデータの内容に従ってモータ制御することの指示は、表示制御プロセス処理におけるステップS836,S886で設定される。プロセスデータの内容に従ってモータ制御することの指示があれば、新たなプロセスデータに設定されているステップ数をRAM104の所定の領域にセットし(ステップS725)、ステップS726に移行する。プロセスデータの内容に従ってモータ制御することの指示がない場合には、直ちにステップS726に移行する。ステップS726では、モータ駆動処理サブルーチンをコールする。
【0302】
ステップS729では、初期化中であることを示す初期化中フラグをセットし(ステップS729)、現在表示図柄カウンタの値と変動開始時初期表示図柄との差に応じたステップ数を、RAM104の所定の領域にセットする(ステップS730)。
【0303】
ステップS731では、モータ駆動処理サブルーチンをコールする。セットしたステップ数分回転したら(ステップS732)、初期化中フラグをリセットする(ステップS733)。
【0304】
ステップS729〜S733の処理によって、飾り図柄の変動開始時に、ドラムは、変動開始時初期表示図柄が遊技者に視認されるような位置、すなわち、原点位置で停止する。
【0305】
なお、ステップS729〜S733ではドラムセンサの検出信号を使用せず、前回の変動終了時の現在表示図柄カウンタの値を用いたが、ドラムセンサの検出信号を使用してドラムを原点位置で停止させるようにしてもよい。その場合には、ステップS730の処理を行う前に、初期化処理で実行したステップS714,S715と同様の処理が実行される。
【0306】
この実施の形態では、ドラムモータ200a,200b,200cの駆動方式として1−2相励磁方式が用いられる。従って、基準励磁パターンを含む8種類の励磁パターンデータが繰り返しドラムモータ200a,200b,200cに出力される。また、この例では、3つのドラムのそれぞれは、120ステップ(1図柄あたり12ステップ)の励磁パターンが与えられると1回転する。従って、1回転するうちに、120/8=30の基準励磁パターンが各ドラムモータ200a,200b,200cに与えられる。また、表示制御用CPU101は、12ステップの励磁パターンが出力されると、1図柄分(1コマ分)回転したと認識することができる。
【0307】
表示制御手段のRAM104には、例えば、左中右ドラムの現在表示図柄(中段に表示される図柄)の図柄番号が設定される現在表示図柄カウンタが用意される。そして、モータ駆動処理サブルーチンにおいて、12ステップの励磁パターンが出力されると、現在表示図柄カウンタの値が+1される。また、ドラムセンサ139A,139B,139Cの検出信号がオンした時点で、現在表示図柄カウンタに基準図柄番号が設定される。すなわち、初期化される。そして、12ステップの励磁パターンが出力される毎に、現在表示図柄カウンタの値が1図柄分ずつ更新される。
【0308】
図64は、モータ駆動処理サブルーチンを示すフローチャートである。モータ駆動処理サブルーチンにおいて、表示制御用CPU101は、速度に応じたタイミングで、指令信号として励磁パターンを示す信号を、モータ駆動回路176に出力する(ステップS741)。速度に応じたタイミングとは、プロセスデータに設定されている速度に応じたタイミングであり、例えば、速度としてパルス周波数100Hzが設定されていたら、10ms毎に到来するタイミングである。その場合、10ms毎に、次の励磁パターンを示す信号を出力する。モータ駆動回路176は、励磁パターンを示す信号を増幅して、駆動信号としてドラムモータ200a,200b,200cに出力する。そして、12ステップの励磁パターンを出力すると、現在表示図柄カウンタの値を+1する(ステップS742,S743)。なお、現在表示図柄カウンタの値が配列の最後の図柄の図柄番号を越えたら、配列の最初の図柄の図柄番号を現在表示図柄カウンタに設定する。
【0309】
なお、ステップS741〜S746の処理は3つのドラムのそれぞれについて独立して実行されるが、ここでは、1つの処理として示す。ドラムのドラムセンサ139A,139B,139Cの検出信号がオンしたか否かを判定し(ステップS744)、ドラムセンサ139A,139B,139Cの検出信号がオンしたら、現在表示図柄カウンタに基準図柄番号を設定する(ステップS745)。
【0310】
図65は、図37に示されたメイン処理におけるランプ制御コマンド出力処理を示すフローチャートである。ランプ制御コマンド出力処理において、表示制御用CPU101は、遊技制御手段から表示制御コマンドを受信したことを確認したら(ステップS751)、表示制御コマンドデータ(この例では2バイトのデータ)を、ランプ制御コマンドとしてランプ制御基板35に送信する(ステップS752)。また、予告実行フラグ(連続予告実行フラグまたは通常予告実行フラグ)がセットされていたら(ステップS753)、予告態様を示すランプ制御コマンドとしてランプ制御基板35に送信する(ステップS754)。なお、連続予告実行フラグまたは通常予告実行フラグは、表示制御プロセス処理の予告選択処理でセットされる。
【0311】
以上のような処理によって、遊技制御手段からの遊技状態を示す情報がランプ制御手段にも伝達される。また、表示制御手段が独自に決定した遊技制御に関わる情報もランプ制御手段に伝達される。従って、ランプ制御手段は、表示制御手段による飾り図柄の変動制御と同期したランプ・LED制御を実行することができる。
【0312】
なお、ランプ制御手段は、ランプ制御コマンドを受信したら、そのコマンドが示す情報を音制御コマンドとして音制御基板70に送信する。従って、音制御手段は、表示制御手段による飾り図柄の変動制御およびランプ制御手段によるランプ・LED制御と同期した音出力制御を実行することができる。
【0313】
また、表示制御手段は、予告態様を示すランプ制御コマンドだけでなく、他にも独自に決定した遊技制御に関わる情報があれば、その情報もランプ制御コマンドとしてランプ制御手段に伝達する。
【0314】
以上のように、この実施の形態によれば、液晶表示装置12の表示画面に非透明部分と透明部分とが設けられているので、表示画面の大型化を容易に図ることができ、その結果、視覚効果および演出効果を向上させることができる。また、表示画面に透明部分と非透明部分を設けることにより遊技機内部を非透明部分で隠すことができるようになる。
【0315】
また、表示制御用CPU101からの画像展開指示にもとづいて、非透明部分に表示する画像と透明領域に表示する画像を別々にVRAM84における表示領域外の領域に一旦展開する処理を実行し、一旦展開された画像をVRAM84における表示領域内に展開して合成する処理を行っているので、非透明部分および透明部分に個別にまたは一体的に画像を表示させることも可能となる。そして、透明部分のみの演出、非透明部分のみの演出、および表示画面全体での演出を実行することが可能となり、様々な態様の演出を実現することができるようになる。
【0316】
また、透明部分での画像の表示や表示画面全体での画像の表示を行っているときに、ドラム用バックライトを消灯させるとともに、ドラム装飾用LEDからドラムの表面に暗い光を照射できるように構成されているので、透明部分に表示される画像をより鮮明に表示することができる。
【0317】
また、例えば表示画面全体での画像の表示を行っているとき以外(ドラムで可変表示を行っているときなど)は、透明部分の周囲を囲む枠画像を表示するように構成されているので、透明部分と非透明部分の境界を明確にすることができ、透明部分を介して遊技者がドラムの図柄を視認し易くなる。
【0318】
また、表示制御用CPU101が、GCL81に対して画像の展開を指示する前に、画像の全領域がVRAMの表示領域内に展開されるか否かを判定する画像展開位置判定処理を実行し、画像展開位置判定処理によって画像の全領域が表示領域外に展開されると判定されたときには、GCL81に対する画像の展開の指示を禁止するように構成されているので、全く画像表示されずに遊技者の見た目で認識されない画像に関する表示制御処理をGCL81に行わせる必要がなくなる。その結果、GCL81の制御負担を軽減させることができるようになる。また、表示領域から大きくはみ出して画像がVRAM空間に展開されることがなくなるので、VRAM84を効率良く使用することができるようになる。
【0319】
また、表示制御用CPU101が、GCL81に対して非透明部分への画像の展開を指示する前に、画像の全領域がVRAMの表示領域内の透明部分内に展開されるか否かを判定する処理を実行し、当該判定処理によって画像の全領域が表示領域内の透明部分内に展開されると判定されたときには、GCL81に対する画像の展開の指示を禁止するように構成されているので、この場合も、全く画像表示されずに遊技者の見た目で認識されない画像に関する表示制御処理をGCL81に行わせる必要がなくなり、GCL81の制御負担を軽減させることができるようになる。
【0320】
また、GCL81は、画像をVRAM空間に展開する際に、それらの画像を構成する各画素について表示領域内に存在するか否かを判定し、表示領域外に存在する画素に対する画像の展開を禁止しているので、画像表示されない画像の一部分に関する展開処理を省くことができ、GCL81の制御負担がさらに軽減される。また、GCL81は、画像をVRAM空間に展開する際に、非透明部分に展開する画像を構成する各画素について透明部分内に展開されるか否かを判定し、透明部分内に展開される画素に対する画像の展開を禁止しているので、この場合も、画像表示されない画像の一部分に関する展開処理を省くことができ、GCL81の制御負担がより一層軽減される。
【0321】
また、画像の全ての部分が優先度の高い画像により完全に隠されてしまう場合には、当該画像の展開指示が禁止されるように構成されているので、優先度の高い画像に隠れて画像表示されない画像に関する処理をGCL81に行わせる必要がなくなり、GCL81の制御負担を軽減させることができる。
【0322】
さらに、VRAM空間に設定されたフレームバッファとしての2つの表示領域を用いて、転送されてくる画像データを保持するダブルバッファリングを採用し、GCL81は、一方の表示領域に展開された画像が液晶表示装置12に表示されている間に、他方の表示領域に画像データを展開する処理を実行する。このような構成によれば、展開処理における画像データの誤り等が少なくなり、間違った画像データによる画像表示を防止することができるようになる。
【0323】
なお、上記の実施の形態では、可変表示部材として、表面に図柄が付され回転するドラムを例にしたが、ベルトを移動させることによって可変表示を実現するような構成であってもよい。
【0324】
また、上記の実施の形態では、表示制御手段は、液晶表示装置12および回転ドラム機構13を1つの表示制御用CPU101が制御するように構成されていたが、液晶表示装置12を第1の表示制御用CPUが制御し、回転ドラム機構13を第2の表示制御用CPUが制御する構成であってもよい。
【0325】
また、上記の実施の形態では、飾り図柄は「1」〜「11」の数字の図柄であったが、数字以外の図柄(例えば、「J」、「Q」、「K」)であってもよい。また、有効ラインは5ラインとされていたが、5ライン以上であっても5ライン以下であってもよい。また、奇数の数字の飾り図柄が有効ライン上で揃ったときに確変大当りとしていたが、2ライン以上の有効ラインで同一図柄が揃うと確変大当りとしてもよい。
【0326】
また、上記の実施の形態では、液晶表示装置12の表示画面の方形であったが、楕円形などであってもよい。透明部分および非透明部分も方形であったが楕円形などであってもよい。また、透明部分は表示画面の中央付近に設けられていたが、端部に設けられていてもよい。また、表示画面における透明部分と非透明部分の比率も任意である。
【0327】
また、スーパーリーチ変動として交互リーチや遮蔽リーチ、図柄配列リーチを示したが、それ以外の変動態様のスーパーリーチ変動を予め設定されていてもよい。
【0328】
また、ドラムは縦回転(回転すると図柄が上下に移動するような回転方向)であっても横回転(回転すると図柄が左右に移動するような回転方向)であってもよい。
【0329】
また、上記の実施の形態では、飾り図柄を液晶表示装置12と回転ドラム機構13とを用いて表示する構成としていたが、飾り図柄を回転ドラム機構13のみによって表示し、液晶表示装置12では飾り図柄以外の画像(例えばキャラクタ)のみを表示するようにしてもよい。
【0330】
なお、上記の実施の形態において、「演出パターン」とは、図柄の変動パターンだけでなく、図柄の変動に伴って実行される背景の表示パターン、キャラクタの表示パターンなど、液晶表示装置12や回転ドラム機構13などによって実行される各種の表示パターンを含む概念である。
【0331】
また、上記の実施の形態のパチンコ遊技機1は、始動入賞にもとづいて特別図柄表示器9に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種パチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第2種パチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する第3種パチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技媒体が遊技球であるパチンコ遊技機に限られず、スロット機等においても本発明を適用することができる。
【0332】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明では、遊技機を、可変表示手段は、外部より視認可能な表示画面に画像を表示する画像表示装置と、画像表示装置の表示画面の裏面側に配置され、表面に識別情報が配され回動可能な可変表示部材と、を含み、表示画面は、当該表示画面の裏面側に配置される可変表示部材の表面に配された識別情報を遊技者が視認可能な透過領域と、当該表示画面の裏面側を遊技者が視認不可能な非透過領域と、を有し、画像を表示画面に表示するために用いられる画像データを格納する画像データ格納手段と、表示画面に表示される画像を一旦展開するための仮想表示領域を含む一時格納手段と、画像を一時格納手段における領域の所定位置に展開することを指示する表示制御用マイクロコンピュータと、表示制御用マイクロコンピュータからの信号に応じて、画像データ格納手段に格納されている画像データを用いた画像を一時格納手段における領域の所定位置に展開する処理を実行するとともに、一時格納手段における領域内に含まれる仮想表示領域内に展開された画像を画像表示装置の表示画面に表示する処理を実行するマイクロコントローラと、を備え、表示制御用マイクロコンピュータは、非透過領域に表示する画像と透過領域に表示する画像とを別々に一時格納手段における領域の所定位置に展開することを指示する信号をマイクロコントローラに対して出力する展開指示信号出力手段を含み、マイクロコントローラは、表示制御用マイクロコンピュータからの信号に応じて、非透過領域に表示する画像と透過領域に表示する画像を別々に一時格納手段における領域の所定位置に展開する処理を実行するとともに、一時格納手段における領域内に含まれる仮想表示領域内に別々に展開された画像を画像表示装置の表示画面に合成して表示する処理を実行する構成としたので、前面側に設けられた画像を表示するための表示画面を容易に大型化することができ、視覚効果および演出効果を向上させることができる。また、表示画面に透過領域と非透過領域を設けることにより遊技機内部を非透過領域で隠すことができ美観性が向上するようになる。
【0333】
請求項2記載の発明では、表示制御用マイクロコンピュータは、マイクロコントローラに対して所定の画像の展開を指示する前に、当該所定の画像の領域が仮想表示領域内に展開されることになるか否かを判定する画像位置判定手段と、画像位置判定手段により所定の画像の全領域が仮想表示領域外に展開されることになると判定されたときには、マイクロコントローラに対する所定の画像の展開の指示を行わず、画像位置判定手段により所定の画像の少なくとも一部の領域が仮想表示領域内に展開されることになると判定されたときには、マイクロコントローラに対する所定の画像の展開の指示を行う制御を実行する展開指示制御手段と、含む構成とされているので、全く画面表示されない画像に関する処理をマイクロコントローラに行わせることがなくなり、マイクロコントローラの制御負担を軽減させることができる。
【0334】
請求項3記載の発明では、表示制御用マイクロコンピュータは、マイクロコントローラに対して所定の画像の展開を指示する前に、当該所定の画像が非透過領域に展開する画像であるか否かを判定する画像展開領域判定手段と、所定の画像が非透過領域に展開する画像であると判定されたときに、当該所定の画像の領域が仮想表示領域内における透過領域に対応する領域内に展開されることになるか否かを判定する非透過領域画像位置判定手段と、非透過領域画像位置判定手段により所定の画像の全領域が透過領域に対応する領域内に展開されることになると判定されたときには、マイクロコントローラに対する所定の画像の展開の指示を行わず、非透過領域画像位置判定手段により所定の画像の少なくとも一部の領域が透過領域に対応する領域外に展開されることになると判定されたときには、マイクロコントローラに対する所定の画像の展開の指示を行う制御を実行する非透過領域展開指示制御手段と、を含む構成とされているので、全く画面表示されない画像に関する処理をマイクロコントローラに行わせることがなくなり、マイクロコントローラの制御負担を軽減させることができる。
【0335】
請求項4記載の発明では、マイクロコントローラは、一時格納手段における領域に画像を展開するときに、画像が仮想表示領域内に展開されるか否かを判定する領域判定手段と、領域判定手段により画像の少なくとも一部の領域が仮想表示領域外に展開されるときには、仮想表示領域外に展開される画像の領域についての画像の展開を禁止する展開禁止手段と、を含む構成とされているので、画面表示されない画像の一部分に関する展開処理を省くことができ、マイクロコントローラの制御負担を一層軽減させることができる。
【0336】
請求項5記載の発明では、マイクロコントローラは、一時格納手段における領域に画像を展開するときに、画像が仮想表示領域内における透過領域に対応する領域内に展開されるか否かを判定する透過領域判定手段と、透過領域判定手段により画像の少なくとも一部の領域が透過領域に対応する領域内に展開されるときには、透過領域に対応する領域内に展開される画像の領域についての画像の展開を禁止する透過領域展開禁止手段と、を含む構成とされているので、画面表示されない画像の一部分に関する展開処理を省くことができ、マイクロコントローラの制御負担を一層軽減させることができる。
【0337】
請求項6記載の発明では、表示制御用マイクロコンピュータは、複数の画像を一時格納手段における領域の所定位置に展開することを指示するときに、複数の画像が重畳したときにいずれを優先して表示するかをさらに指示し、表示制御用マイクロコンピュータは、画像を一時格納手段における領域の所定位置に展開することを指示するときに、展開を指示する画像の全領域に重畳して優先して表示される画像があるか否かを判定する重畳判定手段と、重畳判定手段により展開を指示する画像の全領域に重畳して優先して表示される画像があると判定されたときには、マイクロコントローラに対する当該画像の展開の指示を行わず、重畳判定手段により展開を指示する画像の全領域に重畳して優先して表示される画像がないと判定されたときには、マイクロコントローラに対する当該画像の展開の指示を行う制御を実行する重畳画像展開指示制御手段と、を備えていているので、複数の画像のうち優先して表示される画像に隠れて画面表示されない画像に関する処理をマイクロコントローラに行わせる必要がなくなり、マイクロコントローラの制御負担をより一層軽減させることができる。
【0338】
請求項7記載の発明では、一時格納手段における領域に複数の仮想表示領域が設定され、マイクロコントローラは、一の仮想表示領域に展開された画像が画像表示装置に表示されている間に、別の仮想表示領域に画像を展開する処理を実行するように構成されているので、展開処理における画像データの誤り等が少なくなり、間違った画像データによる画像表示を防止することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
【図2】ガラス扉枠を取り外した状態での遊技盤の前面を示す正面図である。
【図3】飾り図柄表示装置の回転ドラム機構の構造を示す分解斜視図である。
【図4】飾り図柄表示装置の液晶表示装置の構造を示す断面図である。
【図5】液晶表示装置における透明液晶の原理を説明するための断面図である。
【図6】遊技制御基板(主基板)の回路構成例を示すブロック図である。
【図7】図柄制御基板内の回路構成例を示すブロック図である。
【図8】図柄制御基板における画像表示制御に関わる部分の回路構成例を示すブロック図である。
【図9】主基板におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図10】2msタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図11】各乱数を示す説明図である。
【図12】特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図13】始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
【図14】回転ドラムの表面に付された図柄の配列の一例を示す説明図である。
【図15】有効ラインの一例を示す説明図である。
【図16】特別図柄および飾り図柄の変動時間と飾り図柄の変動パターンとを示す説明図である。
【図17】変動パターン種別テーブルの一例を示す説明図である。
【図18】特別図柄通常処理を示すフローチャートである。
【図19】大当り判定テーブル、リーチ判定テーブルおよび予告判定テーブルの一例を示す説明図である。
【図20】予告設定処理を示すフローチャートである。
【図21】予告設定処理を示すフローチャートである。
【図22】大当り判定モジュールを示すフローチャートである。
【図23】リーチ判定モジュールを示すフローチャートである。
【図24】特別図柄停止図柄設定処理を示すフローチャートである。
【図25】変動パターン設定処理を示すフローチャートである。
【図26】記憶処理を示すフローチャートである。
【図27】表示制御コマンドの信号線を示す説明図である。
【図28】制御コマンドを構成する8ビットの制御信号とINT信号との関係を示すタイミング図である。
【図29】表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
【図30】スーパーリーチ変動における飾り図柄表示装置の表示状態の一例を示す説明図である。
【図31】スーパーリーチ(交互リーチ)変動における飾り図柄表示装置の表示状態の一例を示す説明図である。
【図32】スーパーリーチ(遮蔽リーチ)変動における飾り図柄表示装置の表示状態の一例を示す説明図である。
【図33】スーパーリーチ(図柄配列リーチ)変動における飾り図柄表示装置の表示状態の一例を示す説明図である。
【図34】図柄配列表示を大当り予告に利用した場合における飾り図柄表示装置の表示状態の一例を示す説明図である。
【図35】液晶表示装置の表示画面における透明部分のみの演出と非透明部分のみの演出と表示画面全体の演出を示す説明図である。
【図36】変動パターンと大当りの信頼度の関係の一例を示す説明図である。
【図37】表示制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図38】部品画像をVRAMの表示領域外から表示領域に展開する場合の展開の仕方の一例を示す説明図である。
【図39】VRAMの使用方法の一例を示す説明図である。
【図40】透明部分の画像と非透明部分の画像をVRAMの表示領域で合成する場合の合成の仕方の一例を示す説明図である。
【図41】非透明部分に展開されるべき画像のトリミング処理を示す説明図である。
【図42】表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図43】予告乱数カウンタを示す説明図である。
【図44】変動パターンコマンドコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。
【図45】予告選択処理を示すフローチャートである。
【図46】プロセステーブルおよびモータ制御実行データの構成例を示す説明図である。
【図47】図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
【図48】図柄変動中処理を示すフローチャートである。
【図49】図柄停止待ち処理を示すフローチャートである。
【図50】Vブランク割込処理を示すフローチャートである。
【図51】VRAM空間における表示領域の設定位置と画像の展開位置との関係を示す説明図である。
【図52】画像展開位置判定処理を示すフローチャートである。
【図53】CGROMに記憶されるCGデータのデータ構成を示す説明図である。
【図54】スプライト画像復号化表示処理の例を示すフローチャートである。
【図55】ムービー画像データのデータ構造の例を示す説明図である。
【図56】ムービー画像表示領域設定処理の例を示すフローチャートである。
【図57】ムービー画像復号化処理の例を示すフローチャートである。
【図58】ムービー画像再生処理の例を示すフローチャートである。
【図59】図柄制御基板におけるドラムモータの駆動に関する部分の一構成例を示すブロック図である。
【図60】初期化処理を示すフローチャートである。
【図61】モータ制御処理を示すフローチャートである。
【図62】モータ制御処理を示すフローチャートである。
【図63】モータ制御処理を示すフローチャートである。
【図64】モータ駆動処理を示すフローチャートである。
【図65】ランプ制御コマンド出力処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
9 特別図柄表示器
11 飾り図柄表示装置(可変表示装置)
12 液晶表示装置
13 回転ドラム機構
31 主基板(遊技制御基板)
56 CPU
80 図柄制御基板
81 GCL
83 CGROM
84 SDRAM(VRAM)
101 表示制御用CPU
151A,152A,151B,152B,151C,152C ドラム装飾用LED
176,177 モータ駆動回路
178 フルカラーLED駆動回路
200a,200b,200c ドラムモータ(ステッピングモータ)
235,236,237 回転ドラム
Claims (7)
- 遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示手段を備え、識別情報の表示結果が特定の表示結果になったときに遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態に制御可能な遊技機であって、
前記可変表示手段は、外部より視認可能な表示画面に画像を表示する画像表示装置と、前記画像表示装置の表示画面の裏面側に配置され、表面に識別情報が配され回動可能な可変表示部材と、を含み、
前記表示画面は、当該表示画面の裏面側に配置される前記可変表示部材の前記表面に配された識別情報を遊技者が視認可能な透過領域と、当該表示画面の裏面側を遊技者が視認不可能な非透過領域と、を有し、
前記画像を前記表示画面に表示するために用いられる画像データを格納する画像データ格納手段と、
前記表示画面に表示される前記画像を一旦展開するための仮想表示領域を含む一時格納手段と、
前記画像を前記一時格納手段における領域の所定位置に展開することを指示する表示制御用マイクロコンピュータと、
前記表示制御用マイクロコンピュータからの信号に応じて、前記画像データ格納手段に格納されている前記画像データを用いた画像を前記一時格納手段における領域の所定位置に展開する処理を実行するとともに、前記一時格納手段における領域内に含まれる前記仮想表示領域内に展開された画像を前記画像表示装置の前記表示画面に表示する処理を実行するマイクロコントローラと、を備え、
前記表示制御用マイクロコンピュータは、前記非透過領域に表示する画像と前記透過領域に表示する画像とを別々に前記一時格納手段における領域の所定位置に展開することを指示する信号を前記マイクロコントローラに対して出力する展開指示信号出力手段を含み、
前記マイクロコントローラは、前記表示制御用マイクロコンピュータからの信号に応じて、前記非透過領域に表示する画像と前記透過領域に表示する画像を別々に前記一時格納手段における領域の所定位置に展開する処理を実行するとともに、前記一時格納手段における領域内に含まれる前記仮想表示領域内に別々に展開された画像を前記画像表示装置の前記表示画面に合成して表示する処理を実行する
ことを特徴とする遊技機。 - 表示制御用マイクロコンピュータは、マイクロコントローラに対して所定の画像の展開を指示する前に、当該所定の画像の領域が仮想表示領域内に展開されることになるか否かを判定する画像位置判定手段と、
前記画像位置判定手段により前記所定の画像の全領域が前記仮想表示領域外に展開されることになると判定されたときには、前記マイクロコントローラに対する前記所定の画像の展開の指示を行わず、前記画像位置判定手段により前記所定の画像の少なくとも一部の領域が前記仮想表示領域内に展開されることになると判定されたときには、前記マイクロコントローラに対する前記所定の画像の展開の指示を行う制御を実行する展開指示制御手段と、含む
請求項1記載の遊技機。 - 表示制御用マイクロコンピュータは、マイクロコントローラに対して所定の画像の展開を指示する前に、当該所定の画像が非透過領域に展開する画像であるか否かを判定する画像展開領域判定手段と、
前記所定の画像が前記非透過領域に展開する画像であると判定されたときに、当該所定の画像の領域が仮想表示領域内における透過領域に対応する領域内に展開されることになるか否かを判定する非透過領域画像位置判定手段と、
前記非透過領域画像位置判定手段により前記所定の画像の全領域が前記透過領域に対応する領域内に展開されることになると判定されたときには、前記マイクロコントローラに対する前記所定の画像の展開の指示を行わず、前記非透過領域画像位置判定手段により前記所定の画像の少なくとも一部の領域が前記透過領域に対応する領域外に展開されることになると判定されたときには、前記マイクロコントローラに対する前記所定の画像の展開の指示を行う制御を実行する非透過領域展開指示制御手段と、を含む
請求項1または請求項2記載の遊技機。 - マイクロコントローラは、一時格納手段における領域に画像を展開するときに、該画像が仮想表示領域内に展開されるか否かを判定する領域判定手段と、
前記領域判定手段により前記画像の少なくとも一部の領域が仮想表示領域外に展開されるときには、前記仮想表示領域外に展開される前記画像の領域についての画像の展開を禁止する展開禁止手段と、を含む
請求項1から請求項3のうちのいずれかに記載の遊技機。 - マイクロコントローラは、一時格納手段における領域に画像を展開するときに、該画像が仮想表示領域内における透過領域に対応する領域内に展開されるか否かを判定する透過領域判定手段と、
前記透過領域判定手段により前記画像の少なくとも一部の領域が前記透過領域に対応する領域内に展開されるときには、前記透過領域に対応する領域内に展開される前記画像の領域についての画像の展開を禁止する透過領域展開禁止手段と、を含む
請求項1から請求項4のうちのいずれかに記載の遊技機。 - 表示制御用マイクロコンピュータは、複数の画像を一時格納手段における領域の所定位置に展開することを指示するときに、複数の前記画像が重畳したときにいずれを優先して表示するかをさらに指示し、
前記表示制御用マイクロコンピュータは、前記画像を前記一時格納手段における領域の所定位置に展開することを指示するときに、展開を指示する画像の全領域に重畳して優先して表示される画像があるか否かを判定する重畳判定手段と、
前記重畳判定手段により展開を指示する画像の全領域に重畳して優先して表示される前記画像があると判定されたときには、マイクロコントローラに対する当該画像の展開の指示を行わず、前記重畳判定手段により展開を指示する画像の全領域に重畳して優先して表示される前記画像がないと判定されたときには、マイクロコントローラに対する当該画像の展開の指示を行う制御を実行する重畳画像展開指示制御手段と、を備えた
請求項1から請求項5のうちのいずれかに記載の遊技機。 - 一時格納手段における領域に複数の仮想表示領域が設定され、
マイクロコントローラは、一の仮想表示領域に展開された画像が画像表示装置に表示されている間に、別の仮想表示領域に画像を展開する処理を実行する
請求項1から請求項6のうちのいずれかに記載の遊技機。
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Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2009056100A (ja) * | 2007-08-31 | 2009-03-19 | Daito Giken:Kk | 遊技台 |
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2003
- 2003-05-23 JP JP2003146567A patent/JP2004344495A/ja active Pending
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