JP2005027833A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像を表示するための表示範囲を大型化することができるとともに、奥行きのある画像を表示することができ、また、簡易な制御で画像を表示することができるようにする。
【解決手段】遊技機に、飾り図柄の画像やキャラクタの画像などを表示する第1の液晶表示装置12を設け、その裏面側に第2の液晶表示装置13を配置する。第1の液晶表示装置12の表示画面は、画像を表示しない場合透明であり、透明な表示画面を介して第2の液晶表示装置13を視認できる構成とされている。図柄制御基板80に設置されるVDPは、一画面分の画像を一旦VROMの一時展開領域に展開する。そして、その画像を分割し、分割後の画像を、第1の液晶表示装置12および第2の液晶表示装置13に表示させる。
【選択図】 図4
【解決手段】遊技機に、飾り図柄の画像やキャラクタの画像などを表示する第1の液晶表示装置12を設け、その裏面側に第2の液晶表示装置13を配置する。第1の液晶表示装置12の表示画面は、画像を表示しない場合透明であり、透明な表示画面を介して第2の液晶表示装置13を視認できる構成とされている。図柄制御基板80に設置されるVDPは、一画面分の画像を一旦VROMの一時展開領域に展開する。そして、その画像を分割し、分割後の画像を、第1の液晶表示装置12および第2の液晶表示装置13に表示させる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報を可変表示し、識別情報の表示結果が特定の表示結果になったときに遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態に制御可能なパチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。さらに、識別情報を可変表示可能な可変表示手段が設けられ、当該識別情報の可変表示の表示結果が特定の表示結果となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となるように構成されたものがある。
【0003】
特定遊技状態とは、所定の遊技価値が付与された遊技者にとって有利な状態を意味する。具体的には、特定遊技状態は、例えば可変入賞球装置の状態が打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態(大当り遊技状態)、遊技者にとって有利な状態となるための権利が発生した状態、景品遊技媒体払出の条件が成立しやすくなる状態などの、所定の遊技価値が付与された状態である。
【0004】
パチンコ遊技機では、識別情報として特別図柄を表示する可変表示手段の表示結果があらかじめ定められた特定の表示態様の組合せとなることを、通常、「大当り」という。大当りが発生すると、例えば、大入賞口が所定回数開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に移行する。そして、各開放期間において、所定個(例えば10個)の大入賞口への入賞があると大入賞口は閉成する。そして、大入賞口の開放回数は、所定回数(例えば15ラウンド)に固定されている。なお、各開放について開放時間(例えば29.5秒)が決められ、入賞数が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口は閉成する。また、大入賞口が閉成した時点で所定の条件(例えば、大入賞口内に設けられているVゾーンへの入賞)が成立していない場合には、大当り遊技状態は終了する。
【0005】
また、可変表示手段において最終停止図柄(例えば左右中ドラムのうち中ドラムにおける図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、特定の表示結果と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様といい、リーチ状態となったことをリーチ成立という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。リーチ状態において、変動パターンを通常状態における変動パターンとは異なるパターンにすることによって、遊技の興趣が高められている。そして、可変表示手段に可変表示される図柄の表示結果がリーチ状態となる条件を満たさない場合には「はずれ」となり、可変表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
【0006】
これまでに、複数の表示装置から1枚のハーフミラーに画像を投影し、各表示装置が投影する画像を合成して遊技者に画像を視認させる遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の遊技機では、複数の表示装置から画像を投影するので、識別情報等を複雑に変化させることが可能となる。
【0007】
また、識別情報としての特別図柄を周面に配した回転ドラムの前面側(手前)にハーフミラー(透明板)を設け、投影表示機構によってハーフミラーに画像を投影して表示させている遊技機も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2に記載の遊技機では、このような構成により、回転ドラムによる特別図柄の表示に加えてキャラクタ図柄をハーフミラーにおいて表示することが可能となり、装飾的な視覚効果を向上させている。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−54955号公報(段落0012−0020、図1−図3)
【特許文献2】
特開平11−104311号公報(段落0017−0019、図2)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に記載の遊技機では、ハーフミラーに画像を表示させるために、画像を投影する表示装置が必要となり、ハーフミラーにおける画像を表示するための表示範囲を大きくすることは技術的に困難であった。また、各表示装置が投影する画像は1枚のハーフミラー上で合成されて表示されるため、動画像に奥行きを持たせて表示することができなかった。
【0010】
また、特許文献2に記載の遊技機でも、投影表示機構が必要であるので、ハーフミラーにおける表示範囲を大きくすることが困難であった。また、特許文献2に記載の遊技機では、回転ドラムの制御と投影表示機構の制御とをそれぞれ行わなければならず、画像表示制御が複雑になってしまっていた。
【0011】
そこで本発明は、画像を表示するための表示範囲を大型化することができるとともに、奥行きのある画像を表示することができ、また、簡易な制御で画像を表示することができる遊技機を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明による遊技機は、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば飾り図柄)を可変表示可能な可変表示手段(例えば飾り図柄表示装置11)を備え、当該複数種類の識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果(例えば大当り図柄)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能となる遊技機であって、可変表示手段は、外部より視認可能な表示画面に画像を表示する第1の画像表示装置(例えば第1の液晶表示装置12)と、当該第1の画像表示装置の表示画面の裏面側に配置され、当該第1の画像表示装置の表示画面とは異なる表示画面に画像を表示する第2の画像表示装置(例えば第2の液晶表示装置13)とを含み、第1の画像表示装置の表示画面は、第2の画像表示装置の表示画面を遊技者が視認可能な透過領域(例えば透明部分)を有し、第1の画像表示装置の表示画面と第2の画像表示装置の表示画面の少なくともいずれか一方に画像を表示するために用いられる画像データを格納する画像データ格納手段(例えばCGROM83)と、第1の画像表示装置の表示画面および第2の画像表示装置の表示画面に表示される画像を一旦展開するための一時展開領域を含む一時格納手段(例えばVRAM84)と、画像データ格納手段に格納されている画像データにもとづいて画像を一時展開領域に展開する処理を実行する画像展開手段(例えばステップS503を実行する部分)と、一時展開領域に展開された画像を第1の画像表示装置の表示画面に表示させる画像と、第2の画像表示装置の表示画面に表示させる画像とに分割する画像分割表示手段(例えば、ステップS505,S506において、一時展開領域に展開された画像データをそれぞれ別の領域に展開する処理を実行する部分)と、画像分割表示手段によって分割された画像にもとづいて、第1の画像表示装置の表示画面および第2の画像表示装置の表示画面に画像を表示させる制御を実行する画像表示手段(例えば、ステップS505において画像を第1の液晶表示装置12に表示し、ステップS507において画像を第2の液晶表示装置13に表示する処理を実行する部分)とを備えたことを特徴とする。
【0013】
画像分割表示手段は、一時展開領域に展開された画像のうちの第1の画像表示装置の表示画面に表示させる画像と第2の画像表示装置の表示画面に表示させる画像との境界を、予め定められた遊技の状況に応じて設定する境界設定手段(例えばステップS504を実行する部分)を含み、画像表示手段は、境界設定手段が設定した境界にもとづいて、第1の画像表示装置の表示画面および第2の画像表示装置の表示画面に画像を表示させる制御を実行するように構成されていてもよい。
【0014】
表示結果を特定表示結果とするか否かを、当該表示結果を導出する前に決定する事前決定手段(例えば、ステップS300において大当りとするか否かを決定する部分)と、識別情報の可変表示の表示態様を複数種類の表示態様の中から選択する表示態様選択手段(例えばステップS302を実行する部分)とを備え、複数種類の表示態様は、事前決定手段によって表示結果を特定表示結果とする旨の決定がされたときに、表示態様選択手段により選択される割合が異なる複数種類の表示態様を含み、境界設定手段は、表示態様選択手段によって選択された表示態様にもとづいて境界を設定するように構成されていてもよい。
【0015】
境界設定手段は、一時展開領域に展開された画像のうちの第1の画像表示装置の表示画面に表示させる画像と第2の画像表示装置の表示画面に表示させる画像との境界を、識別情報の可変表示が開始されてからの時間に伴って変化させる(例えばステップS506の後、ステップS504に移行し、境界を変化させる。また、例えば、表示制御用CPU101がステップS507の処理を繰り返す。)ように構成されていてもよい。
【0016】
画像分割表示手段が、一時展開領域に展開された画像のうちの第2の画像表示装置の表示画面に表示させる画像であって、第1の画像表示装置の表示画面に表示させる画像との境界部分の画像を変形させる画像変形手段(例えばステップS506において画像の変形処理を実行する部分)を含む構成であってもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0018】
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1は遊技盤の前面を示す正面図である。
【0019】
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な識別情報としての図柄(飾り図柄)の画像やキャラクタの画像などを表示する第1の液晶表示装置(LCD;画像表示装置)12および第2の液晶表示装置13を備える飾り図柄表示装置11が設けられている。第1の液晶表示装置12は遊技者側に配置され、第2の液晶表示装置13は第1の液晶表示装置12の表示画面の裏面側に配置される。すなわち、第2の液晶表示装置13は、第1の液晶表示装置12を挟んで、遊技者とは反対側に配置される。また、第1の液晶表示装置12の表示画面は、画像を表示しない場合、透明であり、遊技者が第2の液晶表示装置13の表示画面も視認できるように構成されている。透明な表示画面を有する第1の液晶表示装置12の構成については、後述する。
【0020】
飾り図柄表示装置11の上部には、特別図柄を可変表示する7セグメントLEDによる特別図柄表示器9が設けられている。また、飾り図柄表示装置11の上部には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する特別図柄始動記憶表示器18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、特別図柄始動記憶表示器18は点灯するLEDを1増やす。そして、特別図柄表示器9の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
【0021】
飾り図柄表示装置11の下方には、始動入賞口14としての可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
【0022】
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイドも設けられている。
【0023】
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、「〇」および「×」のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に「〇」が点灯すれば当たりとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。飾り図柄表示装置11の上部には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への球通過がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
【0024】
遊技盤には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。遊技領域7の下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。
【0025】
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、飾り図柄表示装置11において飾り図柄が可変表示(変動)を始めるとともに、特別図柄表示器9において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動記憶数を1増やす。
【0026】
なお、飾り図柄の表示は、第1の液晶表示装置12および第2の液晶表示装置13のいずれか一方で行われる場合もあるが、各液晶表示装置12,13を組み合わせて飾り図柄を表示する場合もある。例えば、飾り図柄の一部を第1の液晶表示装置12の表示画面に表示し、残りの部分を第2の液晶表示装置13の表示画面に表示し、各表示画面に表示された画像をそれぞれ遊技者に視認させて、一つの飾り図柄として認識させる場合もある。
【0027】
飾り図柄表示装置11における飾り図柄の可変表示および特別図柄表示器9における特別図柄の可変表示は、それぞれ一定時間が経過したときに最終的に停止(確定)する。停止時の特別図柄すなわち停止図柄が大当り図柄(特定表示結果)である場合には、飾り図柄の停止図柄も、大当り図柄に対応した特定の表示結果になる。特別図柄の停止図柄が大当り図柄ではないはずれ図柄である場合には、飾り図柄の停止図柄も、はずれ図柄に対応した非特定の表示結果になる。
【0028】
特別図柄の停止図柄が大当り図柄になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に遊技球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
【0029】
特別図柄の停止図柄が確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)である場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な遊技状態になる。
【0030】
遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
【0031】
次に、遊技機を制御する基板の構成について説明する。図2は、主基板31および図柄制御基板80における回路構成の一例を示すブロック図である。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機を制御する基本回路53が搭載されている。なお、主基板31には、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23等からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路(図示せず。)も搭載されている。
【0032】
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。
【0033】
この実施の形態では、図柄制御基板80に搭載されている表示制御手段(CPU、ROM、RAM等)が、遊技制御手段からの表示制御コマンドに従って、飾り図柄表示装置11の各液晶表示装置12,13の制御を行う。
【0034】
図柄制御基板80にはマイクロコンピュータが搭載されている。マイクロコンピュータにおける表示制御用CPU101は、RAM103を適宜用いて、ROM102に格納されたプログラムに従って動作する。表示制御用CPU101は、主基板31からのストローブ信号(INT信号)に応じて、主基板31から表示制御コマンドを受信する。
【0035】
そして、表示制御用CPU101は、受信した表示制御コマンドに従って、第1の液晶表示装置12および第2の液晶表示装置13の表示画面に表示させる画像の描画処理を実行させるための制御信号(指令)を、出力ポートを介してVDP81に与える。VDP81は、表示制御用CPU101からの信号に従って、各種画像の描画処理を実行する。なお、VDPをGCL(Graphics Controller LSI )と呼ぶ場合もある。
【0036】
なお、表示制御用CPU101は、表示制御コマンドを受信すると、出力ポートを介して、受信した表示制御コマンドに応じたランプ制御コマンドをランプ制御基板(図示せず。)に送信する。ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御用CPUを含むランプ制御手段は、ランプ制御コマンドに応じて、特別図柄表示器9、普通図柄表示器10、普通図柄始動記憶表示器41および遊技機に設けられた各種飾りランプ等の表示制御を行う。
【0037】
CGROM83には、図柄や使用頻度の高いキャラクタの画像データが格納されている。CGROM83に格納されている使用頻度の高いキャラクタとは、例えば、液晶表示装置12,13の少なくともいずれか一方に表示される人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等からなる画像である。なお、キャラクタには、実写による動画像(映像)や静止画像も含まれる。VDP81は、CGROM83に格納されている画像データを用いて第1の液晶表示装置12および第2の液晶表示装置13に表示させるための画像データを生成する。
【0038】
VDP81は、表示制御用CPU101からの指令により画像データを生成すると、R(赤),G(緑),B(青)信号および同期信号を各液晶表示装置12,13に出力し、各液晶表示装置12,13に画像を表示させる。
【0039】
図柄制御基板80には、CGROM83やSDRAM(VRAM)84等の各種の記憶媒体が備えられている。SDRAM84には、フレームバッファ、キャラクタのソースデータ、表示色の特定や変更等のために用いられるパレットデータ等の表示画像に関するデータが格納される。ソースデータは画像データであり、元画像のデータという意味で、ソースデータと表現する。
【0040】
次に、第1の液晶表示装置12の構成について説明する。図3は、第1の液晶表示装置12の構成例を示す断面図である。第1の液晶表示装置12の裏側(遊技者とは反対側)には、第2の液晶表示装置13が配置されている。なお、第2の液晶表示装置13の表示画面は、画像を表示しないときに透明ではなく、遊技機内部の構造が遊技者に視認されないように構成されている。
【0041】
第1の液晶表示装置12は、遊技者が表示画面の裏側を視認可能な(裏側が透けて見える)透明部分(透明領域)を有している。図3に示すように、表示画面の透明部分の裏側には第2の液晶表示装置13が配置されているので、遊技者は、第2の液晶表示装置13の表示画面を透明部分を介して視認することができる。以下、第1の液晶表示装置12の構造および原理について説明する。なお、第1の液晶表示装置12および第2の液晶表示装置13の表示画面は方形状に形成されている。
【0042】
図3に示すように、第1の液晶表示装置12は多層パネルから構成されている。多層パネルは、前面側から保護ガラス301、液晶パネル310、ホログラム304、導光板305および反射フィルム306を備えた多層構造となっている。保護ガラス301は、光を透過させる透明な強化ガラスであって、裏面側の液晶パネル310を保護する役割を果たす。液晶パネル310は、2枚のガラス基板303A,303Bの内側に液晶302が挟まれた構造となっている。液晶302は、液晶を高分子(ポリマー)中に微小粒として分散させた高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)である。高分子分散型液晶は、光散乱効果をディスプレイ装置に利用するものである。すなわち、高分子・液晶の複合体に電圧を加えて液晶分子の配列方向を電界の方向にそろえ、高分子と液晶の屈折率のマッチングによる効果を利用して白濁・透明の切替を行うものである。このような高分子分散型液晶を用いれば、偏光板が不要となる。図3には示していないが、ガラス基板303A,303Bの内面には、液晶302に電圧を印加する透明電極が配されている。透明電極の電極パターンはマトリクス状となっている。
【0043】
液晶表示装置12において使用されるホログラム304は、光源320から斜め下方向に入射した特定波長の平行光を回折して液晶パネル310側に対して斜め上方向に出射し、また、面に垂直に入射した光はそのまま透過させるように作成される。面に垂直に入射する光をそのまま透過させるので、ホログラム304は面に垂直な方向から観察すると、透明である。導光板305は、光源320から照射される光をホログラム304の面に導くアクリル板である。導光板305の裏面には、第2の液晶表示装置13側からの光を透過させるが、導光板305側からの光を反射する反射フィルム306が貼り付けられている。
【0044】
光源320は、液晶302に対して特定波長の平行光(照明光)を照射するための冷陰極管である。光源320は、導光板305の上部に隣接して設置されている。なお、導光板305、反射フィルム306および光源320により液晶表示装置12のバックライトを構成する。
【0045】
次いで、透明領域に画像を表示する原理を説明する。導光板305の上端部に設けられた光源320は、特定波長の平行光(照明光)を照射する。導光板305の上端部から入射された平行光は、導光板305内を進行しホログラム304に入射する。ホログラム304では、斜め下方向に入射した特定波長の平行光を回折して液晶パネル310側に対して斜め上方向に出射する。ホログラム304からの回折光は、液晶パネル310のガラス基板303Bを通じて液晶302に入射する。
【0046】
液晶302は、上述したように、高分子分散型液晶であって、透明電極により電圧が印加されているとき(オン状態のとき)は透明で、電圧が印加されていないとき(オフ状態のとき)は白濁である。オフ状態の画素では、回折光の入射方向に関係なく光を前方に散乱する。オフ状態の画素で前方散乱された光が遊技者の眼に入ることにより遊技者にはオフ状態の画素のみ輝いて見える。一方、オン状態の画素では、ホログラム304からの回折光が斜め上方向に入射されるので、その回折光は遊技者の眼に入らない。また、外光(第2の液晶表示装置13側からの光)は、導光板305およびホログラム304を透過し、さらに液晶302におけるオン状態の画素を透過するので、遊技者の眼に入る。よって、オン状態の画素において第2の液晶表示装置13側が透けて見えることになる。
【0047】
従って、液晶表示装置12の表示画面の透明領域において、画像を表示すべき箇所の画素をオフ状態にして、透明にすべき箇所の画素をオン状態にすれば、画像を表示することができるとともに、画像を表示していない部分を透明にすることができる。よって、液晶表示装置12の表示画面における透明部分において、裏側の第2の液晶表示装置13による図柄等の表示と重畳させて画像を表示することができる。ここで、液晶表示装置12では偏光板が用いられていないため、光の透過率が低下してしまうことがない。また、光源320からの光を液晶302に照射して液晶302を散乱させているので明るい画像を得ることができる一方、ホログラム304からの回折光は斜め上方向に液晶302に入射するので遊技者の眼に入ることはない。
【0048】
以上においては、モノクロ(白黒)画像を表示可能な液晶表示装置の構成を説明していたが、カラー画像を表示可能な液晶表示装置も実現することが可能である。例えば、二枚のガラス基板の一方の表面(例えばガラス基板303Aと透明電極との間)にカラーフィルタを画素毎に設けることなどによって実現できる。
【0049】
なお、図3に示した第1の液晶表示装置12の構成は例示であり、第1の液晶表示装置12は透明領域に画像を表示することができる表示装置であれば、他の構造であってもよい。
【0050】
図2に示すVRAM84は、第1の液晶表示装置12の表示画面に表示する画像の画像データが書き込まれる第1の液晶表示装置用表示領域と、第2の液晶表示装置13の表示画面に表示する画像の画像データが書き込まれる第2の液晶表示装置用表示領域とを含んでいる。また、VRAM84は、一画面分の画像データが一時的に書き込まれる一時展開領域を含んでいる。一旦、一時展開領域に書き込まれた一画面分の画像データは、分割され、それぞれ第1の液晶表示装置用表示領域および第2の液晶表示装置用表示領域に書き込まれる。この結果、一画面の画像の一部は、第1の液晶表示装置12の表示画面に表示され、他の部分は第2の液晶表示装置13の表示装置の表示画面に表示される。遊技者から見て、第2の液晶表示装置13は第1の液晶表示装置12よりも奥側に配置されているので、画像を奥行きのある画像として遊技者に認識させることになる。
【0051】
図4は、奥行きのある画像として遊技者に認識される画像の例を示す説明図である。図4(a)は、背景となる山の画像とUFOのキャラクタ画像からなる一画面分の画像を分割し、UFOのキャラクタ画像を第1の液晶表示装置12に表示し、背景となる山の画像を第2の液晶表示装置13に表示した場合を例示している。既に説明したように、第2の液晶表示装置13は第1の液晶表示装置12よりも奥側に配置されている。したがって、図4(a)に示すように画像を表示することによって、UFOが遊技者に近い位置に存在していて山が奥の方に存在するという立体的な画像を遊技者に認識させることができる。
【0052】
図4(b)は、「A」という文字からなる一画面分の画像を分割し、文字「A」の下の部分を第1の液晶表示装置12に表示し、文字「A」の上の部分を第2の液晶表示装置13に表示した場合を例示している。このような画像を表示することによって、上の部分が奥の方に表され、下の部分が手前側に表されているという立体的な画像として、文字「A」を認識させることができる。
【0053】
図4(c)は、3箇所で図柄の可変表示を行い、その可変表示を行う領域の下の部分を第1の液晶表示装置12に表示し、可変表示を行う領域の上の部分を第2の液晶表示装置13に表示した場合の例を例示している。このような画像を表示することによって、可変表示を行う領域の上の部分が奥の方に表され、下の部分が手前側に表されているという立体的な画像として、可変表示の画像を遊技者に認識させることができる。
【0054】
なお、本実施の形態では、飾り図柄の可変表示は、図4(c)に示すように、左中右の3箇所で行うものとする。また、大当り遊技状態になる場合には、この3箇所に表示される飾り図柄の表示結果が揃うように制御する。
【0055】
図4に示すように、画像を分割する場合、背景画像とキャラクタ画像とで分割してもよい。また、一つの画像要素(例えば、図4(b)に例示する文字「A])を分割してもよい。
【0056】
次に遊技機の動作について説明する。主基板31における遊技制御手段(CPU56およびROM,RAM等の周辺回路)が実行するメイン処理について説明する。メイン処理では、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには、後述の遊技制御処理の割込が禁止される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると、遊技制御処理の割込が許可される。表示用乱数とは、可変表示装置9に表示される図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、大当り判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
【0057】
次に、定期的(本実施の形態では2ms毎とする。)に発生するタイマ割込を契機として実行される遊技制御処理について説明する。タイマ割込が発生すると、CPU56は、遊技制御処理を実行する。CPU56は、遊技制御処理において、スイッチ回路を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理)。
【0058】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理)。CPU56は、さらに、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示用乱数更新処理)。
乱数として、以下のような乱数を用いる。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2−1〜2−3(ランダム2):飾り図柄の左中右のはずれ図柄決定用(飾り図柄左中右)
(3)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:飾り図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定する(リーチ判定用)
(6)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(7)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(8)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
【0059】
遊技制御処理における判定用乱数更新処理では、CPU56は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、および(6)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(8)の乱数以外の乱数等も用いられている。
【0060】
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、CPU56は、普通図柄プロセス処理を行う。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0061】
次いで、CPU56は、特別図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送出する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理)。また、普通図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理)。
【0062】
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う。また、CPU56は、入賞口スイッチの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する。
【0063】
そして、CPU56は、始動入賞記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する。また、所定の条件が成立したときにソレノイド回路(ソレノイド16,21の駆動回路)に駆動指令を行い、可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を切り替えたりする。その後、割込許可状態に設定する。
【0064】
この実施の形態では、以上のような遊技制御処理が実行され、この遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0065】
図5は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)を行い、遊技盤に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を行う。なお、変動短縮タイマは、特別図柄の変動時間が短縮される場合に、変動時間を設定するためのタイマである。また、始動口スイッチ通過処理は、始動入賞記憶数を表すカウンタを1増加させ、また、新たに発生した始動入賞記憶に対応する各乱数を、その始動入賞記憶に応じた保存領域に格納する処理である。
【0066】
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、特別図柄の可変表示の結果、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。なお、特別図柄の可変表示を開始できる状態とは、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている状態であり、より具体的には、特別図柄表示器9において図柄の変動がなされていず、かつ、大当り遊技中でもない状態である。
【0067】
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
【0068】
飾り図柄変動パターン設定処理(ステップS302):飾り図柄の可変表示の変動パターンを、ランダム4の値に応じて決定する。また、変動時間タイマをスタートさせる。このとき、図柄制御基板80に対して、変動時間を指令する情報と特別図柄の停止図柄とが送信される。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。なお、飾り図柄の変動パターンを決定することによって、飾り図柄および特別図柄の変動時間も決定されることになる。
【0069】
ステップS302の飾り図柄変動パターン設定処理では、演出パターン(演出のための表示パターン)も決定する。演出パターンには、例えば、背景となる画像の表示パターンや、キャラクタの表示パターン等が含まれる。ステップS302において、CPU56は、決定した演出パターンや可変表示の変動パターンの組み合わせを指定する表示制御コマンドを図柄制御基板80に送信する。
【0070】
また、演出パターンの種類として、通常使用される演出パターンのほか、可変表示結果が大当り図柄となり大当り状態が発生することを予告するための演出パターンや、可変表示においてリーチ態様が導出されることを予告するための演出パターンなどがある。ただし、大当り遊技状態の発生を予告する演出パターンやリーチ態様が導出されることを予告する演出パターンにしたがって演出が行われたとしても、必ず大当り遊技状態やリーチ状態になるとは限らない。可変表示の結果がはずれになると判定した場合であっても、これらの演出パターンを選択する場合がある。
【0071】
また、ステップS300において、特別図柄の可変表示の結果、大当りとすると決定された場合、CPU56は、ステップS302で、大当りに応じた複数種類の飾り図柄変動パターンの中から飾り図柄変動パターンを選択する。同様に、大当りに応じた複数種類の演出パターンの中から演出パターンをを選択する。大当りにすると決定した場合において、各種飾り図柄変動パターンや各種演出パターンが選択される確率は、個々の飾り図柄変動パターン毎、あるいは個々の演出パターン毎に異なる。
【0072】
図柄変動処理(ステップS303):所定時間(ステップS302の変動時間タイマで示された時間)が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
【0073】
図柄停止処理(ステップS304):特別図柄表示器9において可変表示される特別図柄および飾り図柄表示装置11において可変表示される飾り図柄が停止されるように制御する。具体的には、特別図柄停止を示す表示制御コマンドが送信される状態に設定する。そして、停止図柄が大当り図柄(例えば、飾り図柄の可変表示結果において図柄が揃った状態)である場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0074】
大入賞口開放開始処理(ステップS305):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当り中フラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。
【0075】
大入賞口開放中処理(ステップS306):大入賞口ラウンド表示の表示制御コマンドを図柄制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS307に移行するように更新する。
【0076】
特定領域有効時間処理(ステップS307):V入賞スイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS308に移行するように更新する。
【0077】
大当り終了処理(ステップS308):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を表示制御手段に行わせるための制御を行う。そして、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0078】
次に、表示制御手段の動作を説明する。まず、表示制御用CPU101が実行するメイン処理について説明する。メイン処理では、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また表示制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる。その後、表示制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、表示制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、表示制御用CPU101は、そのフラグをクリアし、以下の表示制御処理を実行する。
【0079】
この実施の形態では、タイマ割込は2ms毎にかかる。すなわち、表示制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な表示制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で表示制御処理を実行してもよい。
【0080】
表示制御処理において、表示制御用CPU101は、まず、受信した表示制御コマンドを解析する(コマンド解析実行処理)。次いで、表示制御用CPU101は、表示制御プロセス処理を行う。表示制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。その後、タイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
【0081】
主基板31からの表示制御用のINT信号は表示制御用CPU101の割込端子に入力されている。例えば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、表示制御用CPU101において割込がかかる。そして、表示制御用CPU101は、割込処理において表示制御コマンドの受信処理を実行する。表示制御コマンドの受信処理において、表示制御用CPU101は、受信した表示制御コマンドデータを、コマンド受信個数カウンタが示す受信コマンドバッファに格納する。コマンド受信個数カウンタは、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すカウンタである。
【0082】
図6は、表示制御用CPU101が実行するメイン処理における表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。表示制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S805のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
【0083】
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって変動時間を特定可能な表示制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターンコマンド受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターンコマンド受信フラグは、コマンド解析処理によって、飾り図柄変動パターンおよび演出パターンの組み合わせを指定する表示制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる。なお、この表示制御コマンドは、ステップS302において送信される。変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグがセットされていた場合、表示制御用CPU101は、表示制御プロセスフラグの値を図柄変動開始処理に対応した値に更新する。
【0084】
図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄表示装置11での変動が開始されるように制御する。
【0085】
図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。
【0086】
図柄停止待ち設定処理(ステップS803):変動時間の終了時に、図柄停止を指示する表示制御コマンド(特別図柄停止の表示制御コマンド)を受信していたら、図柄の変動を停止させる制御を行う。
【0087】
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、大当り表示の制御を行う。
【0088】
大当たり遊技中処理(ステップS805):大当たり遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の表示制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
【0089】
図柄変動開始処理(ステップS801)および図柄変動中処理(ステップS802)において、画像を表示する場合、表示制御用CPU101は、プロセステーブルに含まれるデータにしたがって、画像を表示していく。図7は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。図7に示すように、プロセステーブルは、プロセスタイマおよびLCD制御実行データの組合せが複数集まったデータで構成されている。プロセステーブルはROM102に格納されている。LCD制御実行データは、第1の液晶表示装置12または第2の液晶表示装置13の表示画面における表示演出の内容を示すデータが設定されている。また、プロセスタイマには、直後に続くLCD制御実行データにもとづく表示制御がなされる時間が設定されている。
【0090】
表示制御用CPU101は、図7に示すプロセステーブルを参照し、プロセスタイマに設定されている時間だけ、直後に続くLCD制御実行データに設定されている内容に応じて、各液晶表示装置12,13の表示画面に画像を表示させる。プロセスタイマがタイムアウトになったら、プロセステーブルから次のデータ(プロセスタイマとLCD制御実行データとの組み合わせ)を読み出し、そのLCD制御実行データにしたがって画像を表示する。
【0091】
図8は、表示制御プロセス処理における図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。図柄変動開始処理において、表示制御用CPU101は、まず、CPU56から受信した表示制御コマンドで指定されている飾り図柄の可変表示の変動パターンおよび演出パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS881)。そして、表示制御用CPU101は、選択したプロセステーブルにおいて最初に設定されているプロセスタイマをスタートさせる(ステップS882)。
【0092】
次いで、表示制御用CPU101は、プロセステーブル中のLCD制御実行データ1の内容に従ってLCDを制御することをVDP81に指示する(ステップS883)。すなわち、表示制御用CPU101は、画像をVRAM84に展開すべきことを示すデータがLCD制御実行データ1に設定されていれば、そのデータの内容に従って、各部品画像をVRAM84に展開するように指示する信号をVDP81に出力する。
【0093】
ステップS883において、VDP81は、一画面分の画像データを一旦、VRAM84上の一時展開領域に展開する。続いて、VDP81は、その一画面分の画像データを分割して、一部の画像データを第1の液晶表示装置用表示領域に展開し、他の画像データを第2の液晶表示装置用表示領域に展開する。そして、VDP81は、第1の液晶表示装置用表示領域に展開した画像データにもとづいて第1の液晶表示装置12に画像を表示させる。同様に、第2の液晶表示装置用表示領域に展開した画像データにもとづいて第2の液晶表示装置13に画像を表示させる。このVDP81の動作については、後述する。
【0094】
次いで、表示制御用CPU101は、変動時間タイマ(飾り図柄の変動時間に応じたタイマ)をスタートし(ステップS884)、表示制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理に対応した値にする(ステップS885)。
【0095】
図9は、表示制御プロセス処理における図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。図柄変動中処理において、表示制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS831)、プロセスデータの切り替えを行う。すなわち、プロセステーブルにおいて、次に設定されているプロセスデータをロードし(ステップS832)、そのプロセスタイマをスタートさせる(ステップS833)。
【0096】
次いで、表示制御用CPU101は、次に設定されているLCD制御実行データの内容に従ってLCDを制御することを指示する(ステップS834)。なお、LCD制御実行データにもとづくLCD制御(ステップS834)の処理は、上述した図8のステップS883と同様である。
【0097】
また、変動時間タイマがタイムアウトしていたら(ステップS835)、特別図柄停止の表示制御コマンドの受信を監視するための監視タイマをスタートさせ(ステップS836)、表示制御プロセスフラグの値を図柄停止待ち処理に対応した値に更新する(ステップS837)。
【0098】
図柄停止待ち設定処理において、表示制御用CPU101は以下のように動作する。表示制御用CPU101は、全図柄停止を指示する表示制御コマンド(特別図柄停止の表示制御コマンド)を受信しているか否か確認する。全図柄停止を指示する表示制御コマンドを受信していれば、表示画面に図柄の画像を表示させる場合には記憶されている停止図柄の画像を表示画面に表示させる制御を行う。そして、表示制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理に対応した値に設定する。ただし、停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、表示制御用CPU101は、表示制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に設定する。
【0099】
全図柄停止を指定する表示制御コマンドを受信していない場合には、監視タイマがタイムアウトしているかどうか確認する。タイムアウトした場合には、何らかの異常が発生したと判断して、エラー報知する制御を行う。そして、表示制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理に対応した値に設定する。なお、エラー報知する制御とは、例えば、ランプ・LEDをエラー報知用の態様で点滅させることを示すランプ制御コマンドをランプ制御基板35に送信する処理である。
【0100】
図10は、ステップS883およびステップS834におけるVDP81による画像表示処理を示すフローチャートである。ステップS883およびステップS834において、VDP81は、LCD制御実行データの内容にしたがってLCDを制御するように指示されると、CGROM83に格納されている指示された画像データを読み出す(ステップS501)。次いで、VDP81は、読み出した画像データが圧縮されている場合は、その画像データを復号する(ステップS502)。そして、VDP81は、読み出した各画像データを用いて、一画面分の画像データをVRAM84の一時展開領域に展開する(ステップS503)。
【0101】
次に、VDP81は、一時展開領域に展開した一画面分の画像において、第1の液晶表示装置12の表示画面に表示する部分と、第二の液晶表示装置13の表示画面に表示する部分との境界を決定する。VDP81は、遊技の状況に応じて、境界を決定する(ステップS504)。
【0102】
例えば、VDP81は、飾り図柄の可変表示結果が大当り図柄になる確率に応じて境界を決定する。具体的には、飾り図柄の可変表示結果が大当り図柄になる確率が高いほど、一方の液晶表示装置(例えば第1の液晶表示装置12)に表示する可変表示部分やキャラクタ画像部分の面積を大きくし、もう一方の液晶表示装置に表示する可変表示部分やキャラクタ画像部分の面積を小さくする。なお、飾り図柄の可変表示結果が大当り図柄になる確率は、予め、飾り図柄の変動パターンと対応するように定めておけばよい。そして、その確率と、変動パターンとの対応関係を図柄制御基板80上の記憶媒体に記憶させておけばよい。VDP81は、CPU56から受信する表示制御コマンドで指定された飾り図柄の変動パターンに対応する確率を読み込み、その確率に応じて、第1の液晶表示装置12に表示する部分と、第二の液晶表示装置13に表示する部分との境界を決定すればよい。例えば、図4(c)に例示するように、飾り図柄の可変表示を行う場合、このように確率に応じて境界を決定すれば、遊技者に、手前側および奥側に表示される部分の面積から、大当り図柄で確定する確率を推定させることができ、遊技者の期待感を向上させる演出を実現することができる。
【0103】
また、VRAM84の一時展開領域に展開した画像を更新しなくても、境界の定め方によって、遊技者に認識される画像は変化する。したがって、CGROM83に格納する画像データのデータ量を増加させなくても、手前側に表示する部分や奥側に表示する部分を変化させて、様々な奥行きのある画像を表示することができる。
【0104】
また、例えば、VDP81は、飾り図柄の可変表示においてリーチ態様が導出される確率に応じて境界を決定してもよい。この場合、リーチ態様になる確率が高いほど、一方の液晶表示装置(例えば第1の液晶表示装置12)に表示する可変表示部分やキャラクタ画像部分の面積を大きくし、もう一方の液晶表示装置に表示する可変表示部分やキャラクタ画像部分の面積を小さくすればよい。なお、リーチ態様が導出される確率は、予め、飾り図柄の変動パターンと対応するように定めておけばよい。そして、その確率と、変動パターンとの対応関係を図柄制御基板80上の記憶媒体に記憶させておけばよい。VDP81は、CPU56から受信する表示制御コマンドで指定された飾り図柄の変動パターンに対応する確率を読み込み、その確率に応じて、第1の液晶表示装置12に表示する部分と、第二の液晶表示装置13に表示する部分との境界を決定すればよい。例えば、図4(c)に例示するように、飾り図柄の可変表示を行う場合、このように確率に応じて境界を決定すれば、遊技者に、手前側および奥側に表示される部分の面積から、リーチ態様が導出される確率を推定させることができ、遊技者の期待感を向上させる演出を実現することができる。
【0105】
リーチ態様が導出される確率に応じて境界を決定する場合にも、VRAM84の一時展開領域に展開した画像を更新することなく、遊技者に認識される画像を変化させることができる。したがって、CGROM83に格納する画像データのデータ量を増加させなくても、様々な奥行きのある画像を表示することができる。
【0106】
また、ここでは、飾り図柄の変動パターンと、可変表示結果が大当り図柄になる確率やリーチ態様が導出される確率とを対応付けておき、飾り図柄の変動パターンから確率を特定する場合について説明した。飾り図柄の変動パターンではなく、演出パターンと確率とを対応付けておいてもよい。例えば、可変表示結果が大当り図柄となり大当り状態が発生することを予告する複数種類の演出パターンそれぞれに対し、可変表示結果が大当り図柄となる確率を予め定めておいてもよい。大当り状態が発生することを予告する演出パターンが表示制御コマンドにおいて指示されていた場合、その演出パターンに対応する確率を読み込み、その確率に応じて境界を設定すればよい。また、例えば、リーチ態様が導出されることを予告する複数種類の演出パターンそれぞれに対し、リーチ態様が導出される確率を予め定めておいてもよい。リーチ態様が導出されることを予告する演出パターンが表示制御コマンドにおいて指示されていた場合、その演出パターンに対応する確率を読み込み、その確率に応じて境界を設定すればよい。
【0107】
演出パターンと確率(可変表示結果が大当り図柄となる確率、あるいはリーチ態様が導出される確率)とを対応付ける場合においても、境界を変更することによって、VRAM84の一時展開領域に展開した画像を更新することなく、遊技者に認識される画像を変化させることができる。したがって、CGROM83に格納する画像データのデータ量を増加させなくても、様々な奥行きのある画像を表示することができる。
【0108】
また、大当り遊技状態となる確率や、リーチ態様が導出される確率ではなく、遊技の状況を表す他の要素に基づいて境界を決定してもよい。
【0109】
ステップS504で境界を決定したならば、VDP81は、一時展開領域に展開された画像データのうち、第1の液晶表示装置12に表示する部分を、第1の液晶表示装置用表示領域に展開する。そして、第1の液晶表示装置用表示領域に展開した画像データに基づいて、第1の液晶表示装置12に画像を表示させる(ステップS505)。
【0110】
また、VDP81は、一時展開領域に展開された画像データのうち、第2の液晶表示装置13に表示する部分を、第2の液晶表示装置用表示領域に展開する。そして、第2の液晶表示装置用表示領域に展開した画像データに基づいて、第2の液晶表示装置13に画像を表示させる(ステップS506)。ステップS506において、一時展開領域に展開された画像データを第2の液晶表示装置用表示領域に展開する際、VDP81は、第1の液晶表示装置12に表示する部分との境界部分の画像を変形(例えば、拡大など)するようにして、第2の液晶表示装置用表示領域に展開してもよい。このように境界部分の画像に変形を加えることで、一つの画像を分割して奥行きのある画像を表示したときに、遊技者にとって違和感のない画像を表示することができる。なお、境界部分とは、第2の液晶表示装置13に表示する画像のうち、第1の液晶表示装置12に表示する画像との境界に沿った部分である。例えば、境界の近傍部分は、境界部分に該当する。
【0111】
図11は、一時展開領域に展開された画像の分割例を示す説明図である。本例では、手の画像を分割する場合を例にする。また、背景部分には画像は表示されていないものとして説明する。ステップS503において、VRAM84の一時展開領域に、一画面分の画像として、手(掌および腕)の画像が展開されたとする。そして、ステップS504において、VDP81が、掌の部分を第1の液晶表示装置12に表示し、腕の部分を第2の液晶表示装置13に表示するように境界を決定したとする。
【0112】
この場合、VDP81は、ステップS505において、一時展開領域に展開された手(掌および腕)の画像のうち、掌の部分の画像を第1の液晶表示装置用表示領域に展開する(図11参照)。同様に、VDP81は、ステップS506において、一時展開領域に展開された手の画像のうち、腕の部分の画像を第2の液晶表示装置用表示領域に展開する(図11参照)。この結果、掌が手前に位置し、腕部分が奥側に位置するような画像として遊技者に認識される。なお、図11に示す例では、腕の画像のうち、掌との境界画像については変形(本例では拡大)して展開している。
【0113】
図12は、ステップS506で画像の変形を行う場合の立体画像と変形を行わない場合の立体画像との比較を示している。なお、破線で示した腕部分は、奥側にあるように遊技者に認識されている部分である。図12(a)は、変形を行わない場合の立体画像を示している。腕の部分は奥側に表示されるため、手前側に表示される掌とのサイズの整合性が崩れ、腕の部分が若干小さく認識される場合がある。そのため、第1の液晶表示装置12に表示する掌の部分との境界部分を拡大することによって、サイズの整合性を保ち、遊技者にとって違和感のない画像を表示することができる。
【0114】
このように、一画面分の画像を分割して表示することにより遊技者に立体画像として認識させる表示態様は、ステップS883やステップS834における画像表示にのみ適用されるわけではない。大当り表示処理(ステップS804)において大当り表示を行う場合や、大当り遊技中処理(ステップS805)においてラウンド数表示を行う場合等においても、同様の表示態様で画像を立体的に表示してもよい。
【0115】
また、上記の説明では、遊技の状況(例えば、大当り画像が表示される確率やリーチ態様が導出される確率)に応じて、VDP81が境界を決定する場合を例に説明した。遊技の状況によらず、第1の液晶表示装置12に表示する部分と、第2の液晶表示装置13に表示する部分との境界を予め定めておいてもよい。例えば、図4(a)に例示するように、背景となる画像とキャラクタ画像とを表示する演出を行う場合、キャラクタ画像の輪郭を境界とし、キャラクタ画像を第1の液晶表示装置12に表示して、他の画像を第2の液晶表示装置13に表示するように予め定めておいてもよい。この場合、遊技の状況によらずに、キャラクタ画像が手前に表示されるような立体的画像を遊技者に認識させることができる。なお、予め定められている境界の情報は、例えば、LCD制御実行データに含めておけばよい。
【0116】
上記の実施の形態によれば、一画面分の画像を分割し、分割した画像を遊技者側の液晶表示装置と奥側の液晶表示装置に表示させるので、遊技者に奥行きのある画像を認識させることができる。また、一旦一画面分の画像として展開した画像を分割して表示するので、容易に表示画像の整合性をとることができる。
【0117】
また、液晶表示装置に画像を表示する構成であり、画像の投影装置を用いないので、画像を表示するための表示画面を容易に大型化することができる。さらに、回転ドラムによる表示を行わないので、画像表示制御を簡易化することができる。
【0118】
また、一時展開領域に展開された画像が変化しなくても、遊技の状況によって境界が定められ、境界の定め方によって、遊技者に認識される画像は変化する。したがって、CGROM83に格納する画像データのデータ量を増加させなくても、手前側に表示する部分や奥側に表示する部分を変化させて、様々な奥行きのある画像を表示することができる。
【0119】
大当り遊技状態となる確率や、リーチ態様が導出される確率に応じて境界を決定すれば、CGROM83に格納する画像データのデータ量を増加させなくても、遊技者の期待感を向上させる演出を実現することができる。
【0120】
VDP81は、一時展開領域に展開された画像のうちの第1の液晶表示装置12の表示画面に表示する部分と第2の液晶表示装置13の表示画面に表示する部分との境界を、時間の経過に伴って変化させてもよい。この場合、VDP81は、ステップS506の処理後、ステップS504に移行し、境界を変化させて、再度ステップS505,S506を実行するようにして、ステップS504〜S506の処理を繰り返せばよい。
【0121】
図13は、時間の経過に伴って境界を変化させた場合における、各液晶表示装置12,13の表示画像の変化の例を示す。図13に示す例では、一画面分の画像として「A」という文字の画像データがVRAM84の一時展開領域に展開されているものとする。VDP81は、まず、ステップS504において、文字「A」の画像全体を第2の液晶表示装置13に表示させると決定し、第1の液晶表示装置12には画像を表示せず(ステップS505)、第2の液晶表示装置13に文字「A」全体を表示する(ステップS506)。
【0122】
その後、VDP81は、ステップS504に戻り、文字「A」の上部付近に境界を定める。VDP81は、文字「A」の上部を第1の液晶表示装置12に表示し、文字「A」の他の部分を第2の液晶表示装置13に表示する。以下、同様に、ステップS504に戻るたびに境界の位置をずらすようにして、ステップS504〜S506の処理を繰り返す。この結果、文字「A」が、上部から徐々に遊技者側に近づくように認識される。
【0123】
このように時間経過とともに境界を変更することにより、画像のある部分から徐々に遊技者側に近づいたり、遠ざかったりするような演出を実現することができ、演出効果を高めることができる。
【0124】
なお、ステップS504の境界決定処理を、VDP81以外の処理装置が実行してもよい。例えば、ステップS504の境界決定処理を実行するための専用プロセッサを図柄制御基盤80に配置しておき、VDP81がその専用プロセッサに境界を決定させる構成であってもよい。また、VDP81が表示制御用CPU101に境界を決定する命令を出力し、表示制御用CPU101に境界を決定させる構成であってもよい。
【0125】
また、VDP81が、一画面分の画像データをVRAM84の一時展開領域に展開した後(ステップS503)、表示制御用CPU101がVDP81に境界を指示し、VDP81がその指示に従って画像を分割することにより、図13に例示するような表示態様を実現してもよい。この場合、VDP81は、既に説明した場合と同様に、ステップS501〜S503の処理を実行する。その後、VDP81は、表示制御用CPU101に、一時展開領域への展開が終了したことを通知する。
【0126】
図14は、この通知を受けた表示制御用CPU101による境界変更指示処理を示すフローチャートである。表示制御用CPU101は、一時展開領域への画像の展開が終了した旨の通知をVDP81から通知されると、VDP81に、第1の液晶表示装置12に表示する部分と第2の液晶表示装置13に表示する部分との境界を指示する(ステップS507)。VDP81は、この境界の指示を受信すると、前述のステップS505,S506と同様の処理を行い、第1の液晶表示装置12および第2の液晶表示装置13にそれぞれ画像を表示する。VDP81は、画像の表示が完了したならば、表示制御用CPU101にその旨を通知する。
【0127】
一方、表示制御用CPU101は、ステップS507の後、画像表示が完了した旨の通知をVDP81から受信したか否かを判定し(ステップS508)、その通知を受信していなければ、受信するまで待機する。表示制御用CPU101は、画像表示が完了した旨の通知をVDP81から受信すると、ステップS507に移行し、再び第1の液晶表示装置12に表示する部分と第2の液晶表示装置13に表示する部分との境界を指示する。ただし、境界の位置を、前回のステップS507で指定した境界の位置からずらす。表示制御用CPU101およびVDP81は、以降、同様の動作を繰り返す。
【0128】
このように、表示制御用CPU101が、ステップS507の処理の度に、境界の位置をずらして境界を指定することにより、図13に例示するような、文字が上部から徐々に遊技者側に近づくような演出を実現することができる。
【0129】
また、第1の液晶表示装置12の表示画面に表示する部分と第2の液晶表示装置13の表示画面に表示する部分との境界を変化させる場合、飾り図柄の可変表示開始後に、飾り図柄の可変表示が開始されてからの時間に伴って境界を変化させてもよい。
【0130】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明では、画像を表示するための表示画面を容易に大型化することができる。また、第1の画像表示装置の表示画面および第2の画像表示装置の表示画面に、それぞれ、画像の一部分を表示するので、奥行きのある画像を表示することができる。また、一旦展開された画像を分割して表示するので、容易に表示画像の整合性をとることができる。さらに、回転ドラムによる表示を行わないので、画像表示制御を簡易化することができる。
【0131】
請求項2記載の発明では、一時展開領域に展開される画像が同一であっても、遊技者から見て手前側に表示される部分と、奥側に表示される部分とを変化させることができる。従って、手前側に表示する部分や奥側に表示する部分を変化させる場合であっても、画像データ格納手段に格納する画像データのデータ量の増加を防止することができる。
【0132】
請求項3記載の発明では、画像データ格納手段に格納する画像データのデータ量を増加させなくても、遊技者の期待感を向上させる演出を実現することができる。
【0133】
請求項4記載の発明では、画像が、その画像のある一部分から徐々に手前側に近づいてくるような演出や、徐々に奥側に遠ざかるような演出を実現することができ、演出効果を向上させることができる。
【0134】
請求項5記載の発明では、一つの画像を分割して奥行きのある画像を表示したときに、遊技者にとって違和感のない画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊技盤の前面を示す正面図である。
【図2】主基板および図柄制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。
【図3】第1の液晶表示装置の構成例を示す断面図である。
【図4】奥行きのある画像として遊技者に認識される画像の例を示す説明図である。
【図5】特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図6】表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図7】プロセステーブルの構成例を示す説明図である。
【図8】図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
【図9】図柄変動中処理を示すフローチャートである。
【図10】VDPによる画像表示処理を示すフローチャートである。
【図11】一時展開領域に展開された画像の分割例を示す説明図である。
【図12】画像の変形を行う場合の立体画像と変形を行わない場合の立体画像との比較を示す説明図である。
【図13】時間の経過に伴って境界を変化させた場合における表示画像の変化を示す説明図である。
【図14】境界変更指示処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 飾り図柄表示装置(可変表示装置)
12 第1の液晶表示装置
13 第2の液晶表示装置
31 主基板(遊技制御基板)
56 CPU
80 図柄制御基板
81 VDP
83 CGROM
84 SDRAM(VRAM)
101 表示制御用CPU
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報を可変表示し、識別情報の表示結果が特定の表示結果になったときに遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態に制御可能なパチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。さらに、識別情報を可変表示可能な可変表示手段が設けられ、当該識別情報の可変表示の表示結果が特定の表示結果となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となるように構成されたものがある。
【0003】
特定遊技状態とは、所定の遊技価値が付与された遊技者にとって有利な状態を意味する。具体的には、特定遊技状態は、例えば可変入賞球装置の状態が打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態(大当り遊技状態)、遊技者にとって有利な状態となるための権利が発生した状態、景品遊技媒体払出の条件が成立しやすくなる状態などの、所定の遊技価値が付与された状態である。
【0004】
パチンコ遊技機では、識別情報として特別図柄を表示する可変表示手段の表示結果があらかじめ定められた特定の表示態様の組合せとなることを、通常、「大当り」という。大当りが発生すると、例えば、大入賞口が所定回数開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に移行する。そして、各開放期間において、所定個(例えば10個)の大入賞口への入賞があると大入賞口は閉成する。そして、大入賞口の開放回数は、所定回数(例えば15ラウンド)に固定されている。なお、各開放について開放時間(例えば29.5秒)が決められ、入賞数が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口は閉成する。また、大入賞口が閉成した時点で所定の条件(例えば、大入賞口内に設けられているVゾーンへの入賞)が成立していない場合には、大当り遊技状態は終了する。
【0005】
また、可変表示手段において最終停止図柄(例えば左右中ドラムのうち中ドラムにおける図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、特定の表示結果と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様といい、リーチ状態となったことをリーチ成立という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。リーチ状態において、変動パターンを通常状態における変動パターンとは異なるパターンにすることによって、遊技の興趣が高められている。そして、可変表示手段に可変表示される図柄の表示結果がリーチ状態となる条件を満たさない場合には「はずれ」となり、可変表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
【0006】
これまでに、複数の表示装置から1枚のハーフミラーに画像を投影し、各表示装置が投影する画像を合成して遊技者に画像を視認させる遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の遊技機では、複数の表示装置から画像を投影するので、識別情報等を複雑に変化させることが可能となる。
【0007】
また、識別情報としての特別図柄を周面に配した回転ドラムの前面側(手前)にハーフミラー(透明板)を設け、投影表示機構によってハーフミラーに画像を投影して表示させている遊技機も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2に記載の遊技機では、このような構成により、回転ドラムによる特別図柄の表示に加えてキャラクタ図柄をハーフミラーにおいて表示することが可能となり、装飾的な視覚効果を向上させている。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−54955号公報(段落0012−0020、図1−図3)
【特許文献2】
特開平11−104311号公報(段落0017−0019、図2)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に記載の遊技機では、ハーフミラーに画像を表示させるために、画像を投影する表示装置が必要となり、ハーフミラーにおける画像を表示するための表示範囲を大きくすることは技術的に困難であった。また、各表示装置が投影する画像は1枚のハーフミラー上で合成されて表示されるため、動画像に奥行きを持たせて表示することができなかった。
【0010】
また、特許文献2に記載の遊技機でも、投影表示機構が必要であるので、ハーフミラーにおける表示範囲を大きくすることが困難であった。また、特許文献2に記載の遊技機では、回転ドラムの制御と投影表示機構の制御とをそれぞれ行わなければならず、画像表示制御が複雑になってしまっていた。
【0011】
そこで本発明は、画像を表示するための表示範囲を大型化することができるとともに、奥行きのある画像を表示することができ、また、簡易な制御で画像を表示することができる遊技機を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明による遊技機は、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば飾り図柄)を可変表示可能な可変表示手段(例えば飾り図柄表示装置11)を備え、当該複数種類の識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果(例えば大当り図柄)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能となる遊技機であって、可変表示手段は、外部より視認可能な表示画面に画像を表示する第1の画像表示装置(例えば第1の液晶表示装置12)と、当該第1の画像表示装置の表示画面の裏面側に配置され、当該第1の画像表示装置の表示画面とは異なる表示画面に画像を表示する第2の画像表示装置(例えば第2の液晶表示装置13)とを含み、第1の画像表示装置の表示画面は、第2の画像表示装置の表示画面を遊技者が視認可能な透過領域(例えば透明部分)を有し、第1の画像表示装置の表示画面と第2の画像表示装置の表示画面の少なくともいずれか一方に画像を表示するために用いられる画像データを格納する画像データ格納手段(例えばCGROM83)と、第1の画像表示装置の表示画面および第2の画像表示装置の表示画面に表示される画像を一旦展開するための一時展開領域を含む一時格納手段(例えばVRAM84)と、画像データ格納手段に格納されている画像データにもとづいて画像を一時展開領域に展開する処理を実行する画像展開手段(例えばステップS503を実行する部分)と、一時展開領域に展開された画像を第1の画像表示装置の表示画面に表示させる画像と、第2の画像表示装置の表示画面に表示させる画像とに分割する画像分割表示手段(例えば、ステップS505,S506において、一時展開領域に展開された画像データをそれぞれ別の領域に展開する処理を実行する部分)と、画像分割表示手段によって分割された画像にもとづいて、第1の画像表示装置の表示画面および第2の画像表示装置の表示画面に画像を表示させる制御を実行する画像表示手段(例えば、ステップS505において画像を第1の液晶表示装置12に表示し、ステップS507において画像を第2の液晶表示装置13に表示する処理を実行する部分)とを備えたことを特徴とする。
【0013】
画像分割表示手段は、一時展開領域に展開された画像のうちの第1の画像表示装置の表示画面に表示させる画像と第2の画像表示装置の表示画面に表示させる画像との境界を、予め定められた遊技の状況に応じて設定する境界設定手段(例えばステップS504を実行する部分)を含み、画像表示手段は、境界設定手段が設定した境界にもとづいて、第1の画像表示装置の表示画面および第2の画像表示装置の表示画面に画像を表示させる制御を実行するように構成されていてもよい。
【0014】
表示結果を特定表示結果とするか否かを、当該表示結果を導出する前に決定する事前決定手段(例えば、ステップS300において大当りとするか否かを決定する部分)と、識別情報の可変表示の表示態様を複数種類の表示態様の中から選択する表示態様選択手段(例えばステップS302を実行する部分)とを備え、複数種類の表示態様は、事前決定手段によって表示結果を特定表示結果とする旨の決定がされたときに、表示態様選択手段により選択される割合が異なる複数種類の表示態様を含み、境界設定手段は、表示態様選択手段によって選択された表示態様にもとづいて境界を設定するように構成されていてもよい。
【0015】
境界設定手段は、一時展開領域に展開された画像のうちの第1の画像表示装置の表示画面に表示させる画像と第2の画像表示装置の表示画面に表示させる画像との境界を、識別情報の可変表示が開始されてからの時間に伴って変化させる(例えばステップS506の後、ステップS504に移行し、境界を変化させる。また、例えば、表示制御用CPU101がステップS507の処理を繰り返す。)ように構成されていてもよい。
【0016】
画像分割表示手段が、一時展開領域に展開された画像のうちの第2の画像表示装置の表示画面に表示させる画像であって、第1の画像表示装置の表示画面に表示させる画像との境界部分の画像を変形させる画像変形手段(例えばステップS506において画像の変形処理を実行する部分)を含む構成であってもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0018】
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1は遊技盤の前面を示す正面図である。
【0019】
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な識別情報としての図柄(飾り図柄)の画像やキャラクタの画像などを表示する第1の液晶表示装置(LCD;画像表示装置)12および第2の液晶表示装置13を備える飾り図柄表示装置11が設けられている。第1の液晶表示装置12は遊技者側に配置され、第2の液晶表示装置13は第1の液晶表示装置12の表示画面の裏面側に配置される。すなわち、第2の液晶表示装置13は、第1の液晶表示装置12を挟んで、遊技者とは反対側に配置される。また、第1の液晶表示装置12の表示画面は、画像を表示しない場合、透明であり、遊技者が第2の液晶表示装置13の表示画面も視認できるように構成されている。透明な表示画面を有する第1の液晶表示装置12の構成については、後述する。
【0020】
飾り図柄表示装置11の上部には、特別図柄を可変表示する7セグメントLEDによる特別図柄表示器9が設けられている。また、飾り図柄表示装置11の上部には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する特別図柄始動記憶表示器18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、特別図柄始動記憶表示器18は点灯するLEDを1増やす。そして、特別図柄表示器9の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
【0021】
飾り図柄表示装置11の下方には、始動入賞口14としての可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
【0022】
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイドも設けられている。
【0023】
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、「〇」および「×」のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に「〇」が点灯すれば当たりとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。飾り図柄表示装置11の上部には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への球通過がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
【0024】
遊技盤には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。遊技領域7の下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。
【0025】
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、飾り図柄表示装置11において飾り図柄が可変表示(変動)を始めるとともに、特別図柄表示器9において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動記憶数を1増やす。
【0026】
なお、飾り図柄の表示は、第1の液晶表示装置12および第2の液晶表示装置13のいずれか一方で行われる場合もあるが、各液晶表示装置12,13を組み合わせて飾り図柄を表示する場合もある。例えば、飾り図柄の一部を第1の液晶表示装置12の表示画面に表示し、残りの部分を第2の液晶表示装置13の表示画面に表示し、各表示画面に表示された画像をそれぞれ遊技者に視認させて、一つの飾り図柄として認識させる場合もある。
【0027】
飾り図柄表示装置11における飾り図柄の可変表示および特別図柄表示器9における特別図柄の可変表示は、それぞれ一定時間が経過したときに最終的に停止(確定)する。停止時の特別図柄すなわち停止図柄が大当り図柄(特定表示結果)である場合には、飾り図柄の停止図柄も、大当り図柄に対応した特定の表示結果になる。特別図柄の停止図柄が大当り図柄ではないはずれ図柄である場合には、飾り図柄の停止図柄も、はずれ図柄に対応した非特定の表示結果になる。
【0028】
特別図柄の停止図柄が大当り図柄になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に遊技球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
【0029】
特別図柄の停止図柄が確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)である場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な遊技状態になる。
【0030】
遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
【0031】
次に、遊技機を制御する基板の構成について説明する。図2は、主基板31および図柄制御基板80における回路構成の一例を示すブロック図である。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機を制御する基本回路53が搭載されている。なお、主基板31には、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23等からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路(図示せず。)も搭載されている。
【0032】
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。
【0033】
この実施の形態では、図柄制御基板80に搭載されている表示制御手段(CPU、ROM、RAM等)が、遊技制御手段からの表示制御コマンドに従って、飾り図柄表示装置11の各液晶表示装置12,13の制御を行う。
【0034】
図柄制御基板80にはマイクロコンピュータが搭載されている。マイクロコンピュータにおける表示制御用CPU101は、RAM103を適宜用いて、ROM102に格納されたプログラムに従って動作する。表示制御用CPU101は、主基板31からのストローブ信号(INT信号)に応じて、主基板31から表示制御コマンドを受信する。
【0035】
そして、表示制御用CPU101は、受信した表示制御コマンドに従って、第1の液晶表示装置12および第2の液晶表示装置13の表示画面に表示させる画像の描画処理を実行させるための制御信号(指令)を、出力ポートを介してVDP81に与える。VDP81は、表示制御用CPU101からの信号に従って、各種画像の描画処理を実行する。なお、VDPをGCL(Graphics Controller LSI )と呼ぶ場合もある。
【0036】
なお、表示制御用CPU101は、表示制御コマンドを受信すると、出力ポートを介して、受信した表示制御コマンドに応じたランプ制御コマンドをランプ制御基板(図示せず。)に送信する。ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御用CPUを含むランプ制御手段は、ランプ制御コマンドに応じて、特別図柄表示器9、普通図柄表示器10、普通図柄始動記憶表示器41および遊技機に設けられた各種飾りランプ等の表示制御を行う。
【0037】
CGROM83には、図柄や使用頻度の高いキャラクタの画像データが格納されている。CGROM83に格納されている使用頻度の高いキャラクタとは、例えば、液晶表示装置12,13の少なくともいずれか一方に表示される人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等からなる画像である。なお、キャラクタには、実写による動画像(映像)や静止画像も含まれる。VDP81は、CGROM83に格納されている画像データを用いて第1の液晶表示装置12および第2の液晶表示装置13に表示させるための画像データを生成する。
【0038】
VDP81は、表示制御用CPU101からの指令により画像データを生成すると、R(赤),G(緑),B(青)信号および同期信号を各液晶表示装置12,13に出力し、各液晶表示装置12,13に画像を表示させる。
【0039】
図柄制御基板80には、CGROM83やSDRAM(VRAM)84等の各種の記憶媒体が備えられている。SDRAM84には、フレームバッファ、キャラクタのソースデータ、表示色の特定や変更等のために用いられるパレットデータ等の表示画像に関するデータが格納される。ソースデータは画像データであり、元画像のデータという意味で、ソースデータと表現する。
【0040】
次に、第1の液晶表示装置12の構成について説明する。図3は、第1の液晶表示装置12の構成例を示す断面図である。第1の液晶表示装置12の裏側(遊技者とは反対側)には、第2の液晶表示装置13が配置されている。なお、第2の液晶表示装置13の表示画面は、画像を表示しないときに透明ではなく、遊技機内部の構造が遊技者に視認されないように構成されている。
【0041】
第1の液晶表示装置12は、遊技者が表示画面の裏側を視認可能な(裏側が透けて見える)透明部分(透明領域)を有している。図3に示すように、表示画面の透明部分の裏側には第2の液晶表示装置13が配置されているので、遊技者は、第2の液晶表示装置13の表示画面を透明部分を介して視認することができる。以下、第1の液晶表示装置12の構造および原理について説明する。なお、第1の液晶表示装置12および第2の液晶表示装置13の表示画面は方形状に形成されている。
【0042】
図3に示すように、第1の液晶表示装置12は多層パネルから構成されている。多層パネルは、前面側から保護ガラス301、液晶パネル310、ホログラム304、導光板305および反射フィルム306を備えた多層構造となっている。保護ガラス301は、光を透過させる透明な強化ガラスであって、裏面側の液晶パネル310を保護する役割を果たす。液晶パネル310は、2枚のガラス基板303A,303Bの内側に液晶302が挟まれた構造となっている。液晶302は、液晶を高分子(ポリマー)中に微小粒として分散させた高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)である。高分子分散型液晶は、光散乱効果をディスプレイ装置に利用するものである。すなわち、高分子・液晶の複合体に電圧を加えて液晶分子の配列方向を電界の方向にそろえ、高分子と液晶の屈折率のマッチングによる効果を利用して白濁・透明の切替を行うものである。このような高分子分散型液晶を用いれば、偏光板が不要となる。図3には示していないが、ガラス基板303A,303Bの内面には、液晶302に電圧を印加する透明電極が配されている。透明電極の電極パターンはマトリクス状となっている。
【0043】
液晶表示装置12において使用されるホログラム304は、光源320から斜め下方向に入射した特定波長の平行光を回折して液晶パネル310側に対して斜め上方向に出射し、また、面に垂直に入射した光はそのまま透過させるように作成される。面に垂直に入射する光をそのまま透過させるので、ホログラム304は面に垂直な方向から観察すると、透明である。導光板305は、光源320から照射される光をホログラム304の面に導くアクリル板である。導光板305の裏面には、第2の液晶表示装置13側からの光を透過させるが、導光板305側からの光を反射する反射フィルム306が貼り付けられている。
【0044】
光源320は、液晶302に対して特定波長の平行光(照明光)を照射するための冷陰極管である。光源320は、導光板305の上部に隣接して設置されている。なお、導光板305、反射フィルム306および光源320により液晶表示装置12のバックライトを構成する。
【0045】
次いで、透明領域に画像を表示する原理を説明する。導光板305の上端部に設けられた光源320は、特定波長の平行光(照明光)を照射する。導光板305の上端部から入射された平行光は、導光板305内を進行しホログラム304に入射する。ホログラム304では、斜め下方向に入射した特定波長の平行光を回折して液晶パネル310側に対して斜め上方向に出射する。ホログラム304からの回折光は、液晶パネル310のガラス基板303Bを通じて液晶302に入射する。
【0046】
液晶302は、上述したように、高分子分散型液晶であって、透明電極により電圧が印加されているとき(オン状態のとき)は透明で、電圧が印加されていないとき(オフ状態のとき)は白濁である。オフ状態の画素では、回折光の入射方向に関係なく光を前方に散乱する。オフ状態の画素で前方散乱された光が遊技者の眼に入ることにより遊技者にはオフ状態の画素のみ輝いて見える。一方、オン状態の画素では、ホログラム304からの回折光が斜め上方向に入射されるので、その回折光は遊技者の眼に入らない。また、外光(第2の液晶表示装置13側からの光)は、導光板305およびホログラム304を透過し、さらに液晶302におけるオン状態の画素を透過するので、遊技者の眼に入る。よって、オン状態の画素において第2の液晶表示装置13側が透けて見えることになる。
【0047】
従って、液晶表示装置12の表示画面の透明領域において、画像を表示すべき箇所の画素をオフ状態にして、透明にすべき箇所の画素をオン状態にすれば、画像を表示することができるとともに、画像を表示していない部分を透明にすることができる。よって、液晶表示装置12の表示画面における透明部分において、裏側の第2の液晶表示装置13による図柄等の表示と重畳させて画像を表示することができる。ここで、液晶表示装置12では偏光板が用いられていないため、光の透過率が低下してしまうことがない。また、光源320からの光を液晶302に照射して液晶302を散乱させているので明るい画像を得ることができる一方、ホログラム304からの回折光は斜め上方向に液晶302に入射するので遊技者の眼に入ることはない。
【0048】
以上においては、モノクロ(白黒)画像を表示可能な液晶表示装置の構成を説明していたが、カラー画像を表示可能な液晶表示装置も実現することが可能である。例えば、二枚のガラス基板の一方の表面(例えばガラス基板303Aと透明電極との間)にカラーフィルタを画素毎に設けることなどによって実現できる。
【0049】
なお、図3に示した第1の液晶表示装置12の構成は例示であり、第1の液晶表示装置12は透明領域に画像を表示することができる表示装置であれば、他の構造であってもよい。
【0050】
図2に示すVRAM84は、第1の液晶表示装置12の表示画面に表示する画像の画像データが書き込まれる第1の液晶表示装置用表示領域と、第2の液晶表示装置13の表示画面に表示する画像の画像データが書き込まれる第2の液晶表示装置用表示領域とを含んでいる。また、VRAM84は、一画面分の画像データが一時的に書き込まれる一時展開領域を含んでいる。一旦、一時展開領域に書き込まれた一画面分の画像データは、分割され、それぞれ第1の液晶表示装置用表示領域および第2の液晶表示装置用表示領域に書き込まれる。この結果、一画面の画像の一部は、第1の液晶表示装置12の表示画面に表示され、他の部分は第2の液晶表示装置13の表示装置の表示画面に表示される。遊技者から見て、第2の液晶表示装置13は第1の液晶表示装置12よりも奥側に配置されているので、画像を奥行きのある画像として遊技者に認識させることになる。
【0051】
図4は、奥行きのある画像として遊技者に認識される画像の例を示す説明図である。図4(a)は、背景となる山の画像とUFOのキャラクタ画像からなる一画面分の画像を分割し、UFOのキャラクタ画像を第1の液晶表示装置12に表示し、背景となる山の画像を第2の液晶表示装置13に表示した場合を例示している。既に説明したように、第2の液晶表示装置13は第1の液晶表示装置12よりも奥側に配置されている。したがって、図4(a)に示すように画像を表示することによって、UFOが遊技者に近い位置に存在していて山が奥の方に存在するという立体的な画像を遊技者に認識させることができる。
【0052】
図4(b)は、「A」という文字からなる一画面分の画像を分割し、文字「A」の下の部分を第1の液晶表示装置12に表示し、文字「A」の上の部分を第2の液晶表示装置13に表示した場合を例示している。このような画像を表示することによって、上の部分が奥の方に表され、下の部分が手前側に表されているという立体的な画像として、文字「A」を認識させることができる。
【0053】
図4(c)は、3箇所で図柄の可変表示を行い、その可変表示を行う領域の下の部分を第1の液晶表示装置12に表示し、可変表示を行う領域の上の部分を第2の液晶表示装置13に表示した場合の例を例示している。このような画像を表示することによって、可変表示を行う領域の上の部分が奥の方に表され、下の部分が手前側に表されているという立体的な画像として、可変表示の画像を遊技者に認識させることができる。
【0054】
なお、本実施の形態では、飾り図柄の可変表示は、図4(c)に示すように、左中右の3箇所で行うものとする。また、大当り遊技状態になる場合には、この3箇所に表示される飾り図柄の表示結果が揃うように制御する。
【0055】
図4に示すように、画像を分割する場合、背景画像とキャラクタ画像とで分割してもよい。また、一つの画像要素(例えば、図4(b)に例示する文字「A])を分割してもよい。
【0056】
次に遊技機の動作について説明する。主基板31における遊技制御手段(CPU56およびROM,RAM等の周辺回路)が実行するメイン処理について説明する。メイン処理では、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには、後述の遊技制御処理の割込が禁止される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると、遊技制御処理の割込が許可される。表示用乱数とは、可変表示装置9に表示される図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、大当り判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
【0057】
次に、定期的(本実施の形態では2ms毎とする。)に発生するタイマ割込を契機として実行される遊技制御処理について説明する。タイマ割込が発生すると、CPU56は、遊技制御処理を実行する。CPU56は、遊技制御処理において、スイッチ回路を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理)。
【0058】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理)。CPU56は、さらに、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示用乱数更新処理)。
乱数として、以下のような乱数を用いる。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2−1〜2−3(ランダム2):飾り図柄の左中右のはずれ図柄決定用(飾り図柄左中右)
(3)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:飾り図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定する(リーチ判定用)
(6)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(7)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(8)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
【0059】
遊技制御処理における判定用乱数更新処理では、CPU56は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、および(6)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(8)の乱数以外の乱数等も用いられている。
【0060】
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、CPU56は、普通図柄プロセス処理を行う。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0061】
次いで、CPU56は、特別図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送出する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理)。また、普通図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理)。
【0062】
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う。また、CPU56は、入賞口スイッチの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する。
【0063】
そして、CPU56は、始動入賞記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する。また、所定の条件が成立したときにソレノイド回路(ソレノイド16,21の駆動回路)に駆動指令を行い、可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を切り替えたりする。その後、割込許可状態に設定する。
【0064】
この実施の形態では、以上のような遊技制御処理が実行され、この遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0065】
図5は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)を行い、遊技盤に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を行う。なお、変動短縮タイマは、特別図柄の変動時間が短縮される場合に、変動時間を設定するためのタイマである。また、始動口スイッチ通過処理は、始動入賞記憶数を表すカウンタを1増加させ、また、新たに発生した始動入賞記憶に対応する各乱数を、その始動入賞記憶に応じた保存領域に格納する処理である。
【0066】
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、特別図柄の可変表示の結果、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。なお、特別図柄の可変表示を開始できる状態とは、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている状態であり、より具体的には、特別図柄表示器9において図柄の変動がなされていず、かつ、大当り遊技中でもない状態である。
【0067】
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
【0068】
飾り図柄変動パターン設定処理(ステップS302):飾り図柄の可変表示の変動パターンを、ランダム4の値に応じて決定する。また、変動時間タイマをスタートさせる。このとき、図柄制御基板80に対して、変動時間を指令する情報と特別図柄の停止図柄とが送信される。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。なお、飾り図柄の変動パターンを決定することによって、飾り図柄および特別図柄の変動時間も決定されることになる。
【0069】
ステップS302の飾り図柄変動パターン設定処理では、演出パターン(演出のための表示パターン)も決定する。演出パターンには、例えば、背景となる画像の表示パターンや、キャラクタの表示パターン等が含まれる。ステップS302において、CPU56は、決定した演出パターンや可変表示の変動パターンの組み合わせを指定する表示制御コマンドを図柄制御基板80に送信する。
【0070】
また、演出パターンの種類として、通常使用される演出パターンのほか、可変表示結果が大当り図柄となり大当り状態が発生することを予告するための演出パターンや、可変表示においてリーチ態様が導出されることを予告するための演出パターンなどがある。ただし、大当り遊技状態の発生を予告する演出パターンやリーチ態様が導出されることを予告する演出パターンにしたがって演出が行われたとしても、必ず大当り遊技状態やリーチ状態になるとは限らない。可変表示の結果がはずれになると判定した場合であっても、これらの演出パターンを選択する場合がある。
【0071】
また、ステップS300において、特別図柄の可変表示の結果、大当りとすると決定された場合、CPU56は、ステップS302で、大当りに応じた複数種類の飾り図柄変動パターンの中から飾り図柄変動パターンを選択する。同様に、大当りに応じた複数種類の演出パターンの中から演出パターンをを選択する。大当りにすると決定した場合において、各種飾り図柄変動パターンや各種演出パターンが選択される確率は、個々の飾り図柄変動パターン毎、あるいは個々の演出パターン毎に異なる。
【0072】
図柄変動処理(ステップS303):所定時間(ステップS302の変動時間タイマで示された時間)が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
【0073】
図柄停止処理(ステップS304):特別図柄表示器9において可変表示される特別図柄および飾り図柄表示装置11において可変表示される飾り図柄が停止されるように制御する。具体的には、特別図柄停止を示す表示制御コマンドが送信される状態に設定する。そして、停止図柄が大当り図柄(例えば、飾り図柄の可変表示結果において図柄が揃った状態)である場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0074】
大入賞口開放開始処理(ステップS305):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当り中フラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。
【0075】
大入賞口開放中処理(ステップS306):大入賞口ラウンド表示の表示制御コマンドを図柄制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS307に移行するように更新する。
【0076】
特定領域有効時間処理(ステップS307):V入賞スイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS308に移行するように更新する。
【0077】
大当り終了処理(ステップS308):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を表示制御手段に行わせるための制御を行う。そして、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0078】
次に、表示制御手段の動作を説明する。まず、表示制御用CPU101が実行するメイン処理について説明する。メイン処理では、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また表示制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる。その後、表示制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、表示制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、表示制御用CPU101は、そのフラグをクリアし、以下の表示制御処理を実行する。
【0079】
この実施の形態では、タイマ割込は2ms毎にかかる。すなわち、表示制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な表示制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で表示制御処理を実行してもよい。
【0080】
表示制御処理において、表示制御用CPU101は、まず、受信した表示制御コマンドを解析する(コマンド解析実行処理)。次いで、表示制御用CPU101は、表示制御プロセス処理を行う。表示制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。その後、タイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
【0081】
主基板31からの表示制御用のINT信号は表示制御用CPU101の割込端子に入力されている。例えば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、表示制御用CPU101において割込がかかる。そして、表示制御用CPU101は、割込処理において表示制御コマンドの受信処理を実行する。表示制御コマンドの受信処理において、表示制御用CPU101は、受信した表示制御コマンドデータを、コマンド受信個数カウンタが示す受信コマンドバッファに格納する。コマンド受信個数カウンタは、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すカウンタである。
【0082】
図6は、表示制御用CPU101が実行するメイン処理における表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。表示制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S805のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
【0083】
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって変動時間を特定可能な表示制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターンコマンド受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターンコマンド受信フラグは、コマンド解析処理によって、飾り図柄変動パターンおよび演出パターンの組み合わせを指定する表示制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる。なお、この表示制御コマンドは、ステップS302において送信される。変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグがセットされていた場合、表示制御用CPU101は、表示制御プロセスフラグの値を図柄変動開始処理に対応した値に更新する。
【0084】
図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄表示装置11での変動が開始されるように制御する。
【0085】
図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。
【0086】
図柄停止待ち設定処理(ステップS803):変動時間の終了時に、図柄停止を指示する表示制御コマンド(特別図柄停止の表示制御コマンド)を受信していたら、図柄の変動を停止させる制御を行う。
【0087】
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、大当り表示の制御を行う。
【0088】
大当たり遊技中処理(ステップS805):大当たり遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の表示制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
【0089】
図柄変動開始処理(ステップS801)および図柄変動中処理(ステップS802)において、画像を表示する場合、表示制御用CPU101は、プロセステーブルに含まれるデータにしたがって、画像を表示していく。図7は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。図7に示すように、プロセステーブルは、プロセスタイマおよびLCD制御実行データの組合せが複数集まったデータで構成されている。プロセステーブルはROM102に格納されている。LCD制御実行データは、第1の液晶表示装置12または第2の液晶表示装置13の表示画面における表示演出の内容を示すデータが設定されている。また、プロセスタイマには、直後に続くLCD制御実行データにもとづく表示制御がなされる時間が設定されている。
【0090】
表示制御用CPU101は、図7に示すプロセステーブルを参照し、プロセスタイマに設定されている時間だけ、直後に続くLCD制御実行データに設定されている内容に応じて、各液晶表示装置12,13の表示画面に画像を表示させる。プロセスタイマがタイムアウトになったら、プロセステーブルから次のデータ(プロセスタイマとLCD制御実行データとの組み合わせ)を読み出し、そのLCD制御実行データにしたがって画像を表示する。
【0091】
図8は、表示制御プロセス処理における図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。図柄変動開始処理において、表示制御用CPU101は、まず、CPU56から受信した表示制御コマンドで指定されている飾り図柄の可変表示の変動パターンおよび演出パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS881)。そして、表示制御用CPU101は、選択したプロセステーブルにおいて最初に設定されているプロセスタイマをスタートさせる(ステップS882)。
【0092】
次いで、表示制御用CPU101は、プロセステーブル中のLCD制御実行データ1の内容に従ってLCDを制御することをVDP81に指示する(ステップS883)。すなわち、表示制御用CPU101は、画像をVRAM84に展開すべきことを示すデータがLCD制御実行データ1に設定されていれば、そのデータの内容に従って、各部品画像をVRAM84に展開するように指示する信号をVDP81に出力する。
【0093】
ステップS883において、VDP81は、一画面分の画像データを一旦、VRAM84上の一時展開領域に展開する。続いて、VDP81は、その一画面分の画像データを分割して、一部の画像データを第1の液晶表示装置用表示領域に展開し、他の画像データを第2の液晶表示装置用表示領域に展開する。そして、VDP81は、第1の液晶表示装置用表示領域に展開した画像データにもとづいて第1の液晶表示装置12に画像を表示させる。同様に、第2の液晶表示装置用表示領域に展開した画像データにもとづいて第2の液晶表示装置13に画像を表示させる。このVDP81の動作については、後述する。
【0094】
次いで、表示制御用CPU101は、変動時間タイマ(飾り図柄の変動時間に応じたタイマ)をスタートし(ステップS884)、表示制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理に対応した値にする(ステップS885)。
【0095】
図9は、表示制御プロセス処理における図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。図柄変動中処理において、表示制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS831)、プロセスデータの切り替えを行う。すなわち、プロセステーブルにおいて、次に設定されているプロセスデータをロードし(ステップS832)、そのプロセスタイマをスタートさせる(ステップS833)。
【0096】
次いで、表示制御用CPU101は、次に設定されているLCD制御実行データの内容に従ってLCDを制御することを指示する(ステップS834)。なお、LCD制御実行データにもとづくLCD制御(ステップS834)の処理は、上述した図8のステップS883と同様である。
【0097】
また、変動時間タイマがタイムアウトしていたら(ステップS835)、特別図柄停止の表示制御コマンドの受信を監視するための監視タイマをスタートさせ(ステップS836)、表示制御プロセスフラグの値を図柄停止待ち処理に対応した値に更新する(ステップS837)。
【0098】
図柄停止待ち設定処理において、表示制御用CPU101は以下のように動作する。表示制御用CPU101は、全図柄停止を指示する表示制御コマンド(特別図柄停止の表示制御コマンド)を受信しているか否か確認する。全図柄停止を指示する表示制御コマンドを受信していれば、表示画面に図柄の画像を表示させる場合には記憶されている停止図柄の画像を表示画面に表示させる制御を行う。そして、表示制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理に対応した値に設定する。ただし、停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、表示制御用CPU101は、表示制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に設定する。
【0099】
全図柄停止を指定する表示制御コマンドを受信していない場合には、監視タイマがタイムアウトしているかどうか確認する。タイムアウトした場合には、何らかの異常が発生したと判断して、エラー報知する制御を行う。そして、表示制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理に対応した値に設定する。なお、エラー報知する制御とは、例えば、ランプ・LEDをエラー報知用の態様で点滅させることを示すランプ制御コマンドをランプ制御基板35に送信する処理である。
【0100】
図10は、ステップS883およびステップS834におけるVDP81による画像表示処理を示すフローチャートである。ステップS883およびステップS834において、VDP81は、LCD制御実行データの内容にしたがってLCDを制御するように指示されると、CGROM83に格納されている指示された画像データを読み出す(ステップS501)。次いで、VDP81は、読み出した画像データが圧縮されている場合は、その画像データを復号する(ステップS502)。そして、VDP81は、読み出した各画像データを用いて、一画面分の画像データをVRAM84の一時展開領域に展開する(ステップS503)。
【0101】
次に、VDP81は、一時展開領域に展開した一画面分の画像において、第1の液晶表示装置12の表示画面に表示する部分と、第二の液晶表示装置13の表示画面に表示する部分との境界を決定する。VDP81は、遊技の状況に応じて、境界を決定する(ステップS504)。
【0102】
例えば、VDP81は、飾り図柄の可変表示結果が大当り図柄になる確率に応じて境界を決定する。具体的には、飾り図柄の可変表示結果が大当り図柄になる確率が高いほど、一方の液晶表示装置(例えば第1の液晶表示装置12)に表示する可変表示部分やキャラクタ画像部分の面積を大きくし、もう一方の液晶表示装置に表示する可変表示部分やキャラクタ画像部分の面積を小さくする。なお、飾り図柄の可変表示結果が大当り図柄になる確率は、予め、飾り図柄の変動パターンと対応するように定めておけばよい。そして、その確率と、変動パターンとの対応関係を図柄制御基板80上の記憶媒体に記憶させておけばよい。VDP81は、CPU56から受信する表示制御コマンドで指定された飾り図柄の変動パターンに対応する確率を読み込み、その確率に応じて、第1の液晶表示装置12に表示する部分と、第二の液晶表示装置13に表示する部分との境界を決定すればよい。例えば、図4(c)に例示するように、飾り図柄の可変表示を行う場合、このように確率に応じて境界を決定すれば、遊技者に、手前側および奥側に表示される部分の面積から、大当り図柄で確定する確率を推定させることができ、遊技者の期待感を向上させる演出を実現することができる。
【0103】
また、VRAM84の一時展開領域に展開した画像を更新しなくても、境界の定め方によって、遊技者に認識される画像は変化する。したがって、CGROM83に格納する画像データのデータ量を増加させなくても、手前側に表示する部分や奥側に表示する部分を変化させて、様々な奥行きのある画像を表示することができる。
【0104】
また、例えば、VDP81は、飾り図柄の可変表示においてリーチ態様が導出される確率に応じて境界を決定してもよい。この場合、リーチ態様になる確率が高いほど、一方の液晶表示装置(例えば第1の液晶表示装置12)に表示する可変表示部分やキャラクタ画像部分の面積を大きくし、もう一方の液晶表示装置に表示する可変表示部分やキャラクタ画像部分の面積を小さくすればよい。なお、リーチ態様が導出される確率は、予め、飾り図柄の変動パターンと対応するように定めておけばよい。そして、その確率と、変動パターンとの対応関係を図柄制御基板80上の記憶媒体に記憶させておけばよい。VDP81は、CPU56から受信する表示制御コマンドで指定された飾り図柄の変動パターンに対応する確率を読み込み、その確率に応じて、第1の液晶表示装置12に表示する部分と、第二の液晶表示装置13に表示する部分との境界を決定すればよい。例えば、図4(c)に例示するように、飾り図柄の可変表示を行う場合、このように確率に応じて境界を決定すれば、遊技者に、手前側および奥側に表示される部分の面積から、リーチ態様が導出される確率を推定させることができ、遊技者の期待感を向上させる演出を実現することができる。
【0105】
リーチ態様が導出される確率に応じて境界を決定する場合にも、VRAM84の一時展開領域に展開した画像を更新することなく、遊技者に認識される画像を変化させることができる。したがって、CGROM83に格納する画像データのデータ量を増加させなくても、様々な奥行きのある画像を表示することができる。
【0106】
また、ここでは、飾り図柄の変動パターンと、可変表示結果が大当り図柄になる確率やリーチ態様が導出される確率とを対応付けておき、飾り図柄の変動パターンから確率を特定する場合について説明した。飾り図柄の変動パターンではなく、演出パターンと確率とを対応付けておいてもよい。例えば、可変表示結果が大当り図柄となり大当り状態が発生することを予告する複数種類の演出パターンそれぞれに対し、可変表示結果が大当り図柄となる確率を予め定めておいてもよい。大当り状態が発生することを予告する演出パターンが表示制御コマンドにおいて指示されていた場合、その演出パターンに対応する確率を読み込み、その確率に応じて境界を設定すればよい。また、例えば、リーチ態様が導出されることを予告する複数種類の演出パターンそれぞれに対し、リーチ態様が導出される確率を予め定めておいてもよい。リーチ態様が導出されることを予告する演出パターンが表示制御コマンドにおいて指示されていた場合、その演出パターンに対応する確率を読み込み、その確率に応じて境界を設定すればよい。
【0107】
演出パターンと確率(可変表示結果が大当り図柄となる確率、あるいはリーチ態様が導出される確率)とを対応付ける場合においても、境界を変更することによって、VRAM84の一時展開領域に展開した画像を更新することなく、遊技者に認識される画像を変化させることができる。したがって、CGROM83に格納する画像データのデータ量を増加させなくても、様々な奥行きのある画像を表示することができる。
【0108】
また、大当り遊技状態となる確率や、リーチ態様が導出される確率ではなく、遊技の状況を表す他の要素に基づいて境界を決定してもよい。
【0109】
ステップS504で境界を決定したならば、VDP81は、一時展開領域に展開された画像データのうち、第1の液晶表示装置12に表示する部分を、第1の液晶表示装置用表示領域に展開する。そして、第1の液晶表示装置用表示領域に展開した画像データに基づいて、第1の液晶表示装置12に画像を表示させる(ステップS505)。
【0110】
また、VDP81は、一時展開領域に展開された画像データのうち、第2の液晶表示装置13に表示する部分を、第2の液晶表示装置用表示領域に展開する。そして、第2の液晶表示装置用表示領域に展開した画像データに基づいて、第2の液晶表示装置13に画像を表示させる(ステップS506)。ステップS506において、一時展開領域に展開された画像データを第2の液晶表示装置用表示領域に展開する際、VDP81は、第1の液晶表示装置12に表示する部分との境界部分の画像を変形(例えば、拡大など)するようにして、第2の液晶表示装置用表示領域に展開してもよい。このように境界部分の画像に変形を加えることで、一つの画像を分割して奥行きのある画像を表示したときに、遊技者にとって違和感のない画像を表示することができる。なお、境界部分とは、第2の液晶表示装置13に表示する画像のうち、第1の液晶表示装置12に表示する画像との境界に沿った部分である。例えば、境界の近傍部分は、境界部分に該当する。
【0111】
図11は、一時展開領域に展開された画像の分割例を示す説明図である。本例では、手の画像を分割する場合を例にする。また、背景部分には画像は表示されていないものとして説明する。ステップS503において、VRAM84の一時展開領域に、一画面分の画像として、手(掌および腕)の画像が展開されたとする。そして、ステップS504において、VDP81が、掌の部分を第1の液晶表示装置12に表示し、腕の部分を第2の液晶表示装置13に表示するように境界を決定したとする。
【0112】
この場合、VDP81は、ステップS505において、一時展開領域に展開された手(掌および腕)の画像のうち、掌の部分の画像を第1の液晶表示装置用表示領域に展開する(図11参照)。同様に、VDP81は、ステップS506において、一時展開領域に展開された手の画像のうち、腕の部分の画像を第2の液晶表示装置用表示領域に展開する(図11参照)。この結果、掌が手前に位置し、腕部分が奥側に位置するような画像として遊技者に認識される。なお、図11に示す例では、腕の画像のうち、掌との境界画像については変形(本例では拡大)して展開している。
【0113】
図12は、ステップS506で画像の変形を行う場合の立体画像と変形を行わない場合の立体画像との比較を示している。なお、破線で示した腕部分は、奥側にあるように遊技者に認識されている部分である。図12(a)は、変形を行わない場合の立体画像を示している。腕の部分は奥側に表示されるため、手前側に表示される掌とのサイズの整合性が崩れ、腕の部分が若干小さく認識される場合がある。そのため、第1の液晶表示装置12に表示する掌の部分との境界部分を拡大することによって、サイズの整合性を保ち、遊技者にとって違和感のない画像を表示することができる。
【0114】
このように、一画面分の画像を分割して表示することにより遊技者に立体画像として認識させる表示態様は、ステップS883やステップS834における画像表示にのみ適用されるわけではない。大当り表示処理(ステップS804)において大当り表示を行う場合や、大当り遊技中処理(ステップS805)においてラウンド数表示を行う場合等においても、同様の表示態様で画像を立体的に表示してもよい。
【0115】
また、上記の説明では、遊技の状況(例えば、大当り画像が表示される確率やリーチ態様が導出される確率)に応じて、VDP81が境界を決定する場合を例に説明した。遊技の状況によらず、第1の液晶表示装置12に表示する部分と、第2の液晶表示装置13に表示する部分との境界を予め定めておいてもよい。例えば、図4(a)に例示するように、背景となる画像とキャラクタ画像とを表示する演出を行う場合、キャラクタ画像の輪郭を境界とし、キャラクタ画像を第1の液晶表示装置12に表示して、他の画像を第2の液晶表示装置13に表示するように予め定めておいてもよい。この場合、遊技の状況によらずに、キャラクタ画像が手前に表示されるような立体的画像を遊技者に認識させることができる。なお、予め定められている境界の情報は、例えば、LCD制御実行データに含めておけばよい。
【0116】
上記の実施の形態によれば、一画面分の画像を分割し、分割した画像を遊技者側の液晶表示装置と奥側の液晶表示装置に表示させるので、遊技者に奥行きのある画像を認識させることができる。また、一旦一画面分の画像として展開した画像を分割して表示するので、容易に表示画像の整合性をとることができる。
【0117】
また、液晶表示装置に画像を表示する構成であり、画像の投影装置を用いないので、画像を表示するための表示画面を容易に大型化することができる。さらに、回転ドラムによる表示を行わないので、画像表示制御を簡易化することができる。
【0118】
また、一時展開領域に展開された画像が変化しなくても、遊技の状況によって境界が定められ、境界の定め方によって、遊技者に認識される画像は変化する。したがって、CGROM83に格納する画像データのデータ量を増加させなくても、手前側に表示する部分や奥側に表示する部分を変化させて、様々な奥行きのある画像を表示することができる。
【0119】
大当り遊技状態となる確率や、リーチ態様が導出される確率に応じて境界を決定すれば、CGROM83に格納する画像データのデータ量を増加させなくても、遊技者の期待感を向上させる演出を実現することができる。
【0120】
VDP81は、一時展開領域に展開された画像のうちの第1の液晶表示装置12の表示画面に表示する部分と第2の液晶表示装置13の表示画面に表示する部分との境界を、時間の経過に伴って変化させてもよい。この場合、VDP81は、ステップS506の処理後、ステップS504に移行し、境界を変化させて、再度ステップS505,S506を実行するようにして、ステップS504〜S506の処理を繰り返せばよい。
【0121】
図13は、時間の経過に伴って境界を変化させた場合における、各液晶表示装置12,13の表示画像の変化の例を示す。図13に示す例では、一画面分の画像として「A」という文字の画像データがVRAM84の一時展開領域に展開されているものとする。VDP81は、まず、ステップS504において、文字「A」の画像全体を第2の液晶表示装置13に表示させると決定し、第1の液晶表示装置12には画像を表示せず(ステップS505)、第2の液晶表示装置13に文字「A」全体を表示する(ステップS506)。
【0122】
その後、VDP81は、ステップS504に戻り、文字「A」の上部付近に境界を定める。VDP81は、文字「A」の上部を第1の液晶表示装置12に表示し、文字「A」の他の部分を第2の液晶表示装置13に表示する。以下、同様に、ステップS504に戻るたびに境界の位置をずらすようにして、ステップS504〜S506の処理を繰り返す。この結果、文字「A」が、上部から徐々に遊技者側に近づくように認識される。
【0123】
このように時間経過とともに境界を変更することにより、画像のある部分から徐々に遊技者側に近づいたり、遠ざかったりするような演出を実現することができ、演出効果を高めることができる。
【0124】
なお、ステップS504の境界決定処理を、VDP81以外の処理装置が実行してもよい。例えば、ステップS504の境界決定処理を実行するための専用プロセッサを図柄制御基盤80に配置しておき、VDP81がその専用プロセッサに境界を決定させる構成であってもよい。また、VDP81が表示制御用CPU101に境界を決定する命令を出力し、表示制御用CPU101に境界を決定させる構成であってもよい。
【0125】
また、VDP81が、一画面分の画像データをVRAM84の一時展開領域に展開した後(ステップS503)、表示制御用CPU101がVDP81に境界を指示し、VDP81がその指示に従って画像を分割することにより、図13に例示するような表示態様を実現してもよい。この場合、VDP81は、既に説明した場合と同様に、ステップS501〜S503の処理を実行する。その後、VDP81は、表示制御用CPU101に、一時展開領域への展開が終了したことを通知する。
【0126】
図14は、この通知を受けた表示制御用CPU101による境界変更指示処理を示すフローチャートである。表示制御用CPU101は、一時展開領域への画像の展開が終了した旨の通知をVDP81から通知されると、VDP81に、第1の液晶表示装置12に表示する部分と第2の液晶表示装置13に表示する部分との境界を指示する(ステップS507)。VDP81は、この境界の指示を受信すると、前述のステップS505,S506と同様の処理を行い、第1の液晶表示装置12および第2の液晶表示装置13にそれぞれ画像を表示する。VDP81は、画像の表示が完了したならば、表示制御用CPU101にその旨を通知する。
【0127】
一方、表示制御用CPU101は、ステップS507の後、画像表示が完了した旨の通知をVDP81から受信したか否かを判定し(ステップS508)、その通知を受信していなければ、受信するまで待機する。表示制御用CPU101は、画像表示が完了した旨の通知をVDP81から受信すると、ステップS507に移行し、再び第1の液晶表示装置12に表示する部分と第2の液晶表示装置13に表示する部分との境界を指示する。ただし、境界の位置を、前回のステップS507で指定した境界の位置からずらす。表示制御用CPU101およびVDP81は、以降、同様の動作を繰り返す。
【0128】
このように、表示制御用CPU101が、ステップS507の処理の度に、境界の位置をずらして境界を指定することにより、図13に例示するような、文字が上部から徐々に遊技者側に近づくような演出を実現することができる。
【0129】
また、第1の液晶表示装置12の表示画面に表示する部分と第2の液晶表示装置13の表示画面に表示する部分との境界を変化させる場合、飾り図柄の可変表示開始後に、飾り図柄の可変表示が開始されてからの時間に伴って境界を変化させてもよい。
【0130】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明では、画像を表示するための表示画面を容易に大型化することができる。また、第1の画像表示装置の表示画面および第2の画像表示装置の表示画面に、それぞれ、画像の一部分を表示するので、奥行きのある画像を表示することができる。また、一旦展開された画像を分割して表示するので、容易に表示画像の整合性をとることができる。さらに、回転ドラムによる表示を行わないので、画像表示制御を簡易化することができる。
【0131】
請求項2記載の発明では、一時展開領域に展開される画像が同一であっても、遊技者から見て手前側に表示される部分と、奥側に表示される部分とを変化させることができる。従って、手前側に表示する部分や奥側に表示する部分を変化させる場合であっても、画像データ格納手段に格納する画像データのデータ量の増加を防止することができる。
【0132】
請求項3記載の発明では、画像データ格納手段に格納する画像データのデータ量を増加させなくても、遊技者の期待感を向上させる演出を実現することができる。
【0133】
請求項4記載の発明では、画像が、その画像のある一部分から徐々に手前側に近づいてくるような演出や、徐々に奥側に遠ざかるような演出を実現することができ、演出効果を向上させることができる。
【0134】
請求項5記載の発明では、一つの画像を分割して奥行きのある画像を表示したときに、遊技者にとって違和感のない画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊技盤の前面を示す正面図である。
【図2】主基板および図柄制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。
【図3】第1の液晶表示装置の構成例を示す断面図である。
【図4】奥行きのある画像として遊技者に認識される画像の例を示す説明図である。
【図5】特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図6】表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図7】プロセステーブルの構成例を示す説明図である。
【図8】図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
【図9】図柄変動中処理を示すフローチャートである。
【図10】VDPによる画像表示処理を示すフローチャートである。
【図11】一時展開領域に展開された画像の分割例を示す説明図である。
【図12】画像の変形を行う場合の立体画像と変形を行わない場合の立体画像との比較を示す説明図である。
【図13】時間の経過に伴って境界を変化させた場合における表示画像の変化を示す説明図である。
【図14】境界変更指示処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 飾り図柄表示装置(可変表示装置)
12 第1の液晶表示装置
13 第2の液晶表示装置
31 主基板(遊技制御基板)
56 CPU
80 図柄制御基板
81 VDP
83 CGROM
84 SDRAM(VRAM)
101 表示制御用CPU
Claims (5)
- 各々を識別可能な複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示手段を備え、当該複数種類の識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となる遊技機であって、
前記可変表示手段は、外部より視認可能な表示画面に画像を表示する第1の画像表示装置と、
当該第1の画像表示装置の表示画面の裏面側に配置され、当該第1の画像表示装置の表示画面とは異なる表示画面に画像を表示する第2の画像表示装置とを含み、
前記第1の画像表示装置の表示画面は、前記第2の画像表示装置の表示画面を遊技者が視認可能な透過領域を有し、
前記第1の画像表示装置の表示画面と前記第2の画像表示装置の表示画面の少なくともいずれか一方に画像を表示するために用いられる画像データを格納する画像データ格納手段と、
前記第1の画像表示装置の表示画面および前記第2の画像表示装置の表示画面に表示される画像を一旦展開するための一時展開領域を含む一時格納手段と、
前記画像データ格納手段に格納されている画像データにもとづいて画像を前記一時展開領域に展開する処理を実行する画像展開手段と、
前記一時展開領域に展開された画像を前記第1の画像表示装置の表示画面に表示させる画像と、前記第2の画像表示装置の表示画面に表示させる画像とに分割する画像分割表示手段と、
前記画像分割表示手段によって分割された画像にもとづいて、前記第1の画像表示装置の表示画面および前記第2の画像表示装置の表示画面に画像を表示させる制御を実行する画像表示手段とを備えた
ことを特徴とする遊技機。 - 画像分割表示手段は、一時展開領域に展開された画像のうちの第1の画像表示装置の表示画面に表示させる画像と第2の画像表示装置の表示画面に表示させる画像との境界を、予め定められた遊技の状況に応じて設定する境界設定手段を含み、
画像表示手段は、前記境界設定手段が設定した境界にもとづいて、前記第1の画像表示装置の表示画面および前記第2の画像表示装置の表示画面に画像を表示させる制御を実行する
請求項1記載の遊技機。 - 表示結果を特定表示結果とするか否かを、当該表示結果を導出する前に決定する事前決定手段と、
識別情報の可変表示の表示態様を複数種類の表示態様の中から選択する表示態様選択手段とを備え、
前記複数種類の表示態様は、前記事前決定手段によって表示結果を特定表示結果とする旨の決定がされたときに、前記表示態様選択手段により選択される割合が異なる前記複数種類の表示態様を含み、
境界設定手段は、前記表示態様選択手段によって選択された表示態様にもとづいて境界を設定する
請求項2記載の遊技機。 - 境界設定手段は、一時展開領域に展開された画像のうちの第1の画像表示装置の表示画面に表示させる画像と第2の画像表示装置の表示画面に表示させる画像との境界を、識別情報の可変表示が開始されてからの時間に伴って変化させる請求項2から請求項3のうちのいずれかに記載の遊技機。
- 画像分割表示手段は、一時展開領域に展開された画像のうちの第2の画像表示装置の表示画面に表示させる画像であって、第1の画像表示装置の表示画面に表示させる画像との境界部分の画像を変形させる画像変形手段を含む請求項1から請求項4のうちのいずれかに記載の遊技機。
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