以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、遊技が可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技媒体としての遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、遊技媒体としての遊技球を打球として発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)と、トリガセンサ121(図3参照)とが設けられている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)と、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3を参照)とが設けられている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。
遊技領域7の中央付近には、正面視横長の長方形状の開口部が形成された前面飾り部材40が設けられている。前面飾り部材40における開口部の奥側(後部)には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置(メイン液晶表示装置)9が設けられている。
前面飾り部材40における開口部の手前側(前部)であって、演出表示装置9の表示領域(液晶表示画面)の前方には、光を透過可能な透光性を有する導光板70が設けられている。
演出表示装置9の表示領域(表示画面)においては、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示(可変表示ともいう)に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の変動表示を行なう変動表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示領域(表示画面)において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つの領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行なわれる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む変動表示をリーチ変動表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行なう。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、実行されたときに大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。また、リーチの中には、特別なスーパーリーチ以外のリーチとして、基本的なリーチであるノーマルリーチが含まれている。ノーマルリーチは、スーパーリーチよりも実行されたときに大当りが発生しにくいように設定されたものである。
この実施の形態において、スーパーリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、所定の動画(たとえば、所定のキャラクタ動画等の動画)を表示した後、表示結果導出表示前の最終的な演出表示において、変動中の中演出図柄をスクロールさせる演出等の遊技者の期待感を向上させるような複雑な演出表示が実行される。また、ノーマルリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、前述の動画を表示せずに背景画像(図柄の背景を構成する画像)の種類をリーチ状態となる前に表示されていた画像とは異ならせるような比較的簡素な演出表示が実行される。
導光板70は、前方からの光を透過可能であるとともに、後方の演出表示装置9からの光を透過可能である。導光板70では、前面飾り部材40内において、導光板70の側方部に設けられた導光板用の発光部としての、導光板上発光LED70a、導光板中発光LED70b、および、導光板下発光LED70cのそれぞれから入射された光を前方に反射することより、所定形状の発光画像を表示可能である。
演出表示装置9の前面側の導光板70においては、所定のタイミングで発光画像を表示することにより、導光板70単独で所定の演出を実行可能であるとともに、演出表示装置9で表示される画像と発光画像とを組合せて表示することにより、演出表示装置9と連動した特定の演出を実行可能である。
導光板上発光LED70a、導光板中発光LED70b、および、導光板下発光LED70cからの光が導光板70に入射されないときには、導光板70では画像が表示されず、演出表示装置9で表示される画像がそのまま導光板70を介して遊技者により視認可能である。
導光板70は、所定の板厚(例えば、5mm)を有するアクリルやポリカーボネート等の透明な合成樹脂板により正面視横長の長方形状に形成されている。なお、導光板70は、透光性を有していれば必ずしも透明でなくてもよく、例えば着色されていてもよいし、半透明とされていてもよい。
導光板70には、側方から入射される光を反射して前面側から出射させることにより、図16および図17を用いて後述するような所定の発光画像を表示するための反射部が形成されている。反射部は、導光板70内を導光される光の進行方向の断面視が一定ピッチの略三角波形状をなす凹凸状態(粗面)に形成されている。具体的には、スタンパーやインジェクションにより導光板70の背面に凹凸部をつける成型方式で構成されているが、たとえば、アクリル板に白色インクで反射ドットを印刷したシルク印刷方式や、アクリル板と反射板とをドット状の粘着材で貼り付けた貼着ドット方式や、溝加工方式等により反射部を構成してもよい。なお、導光板70の反射部は、反射部の断面形状を略半円形状等、光を前面に向けて反射可能な反射面を構成するものであれはどのような構成でもよい。
導光板70では、図17を用いて後述するように、正面視したときの上下方向において、発光可能な領域が、上発光部、中発光部、および、下発光部の3つの発光部に分割形成されている。上発光部、中発光部、および、下発光部のそれぞれには、図17を用いて後述するように、所定の画像を分割表示可能な態様で、反射部が形成されている。
上発光部に光を入射する発光手段として導光板上発光LED70aが設けられている。中発光部に光を入射する発光手段として導光板中発光LED70bが設けられている。下発光部に光を入射する発光手段として導光板下発光LED70cが設けられている。このように導光板70は、発光可能な領域が複数に分割形成されており、それぞれの分割領域に対して、個別に対応して設けられたLEDから光が入賞可能な構成とされている。導光板上発光LED70a、導光板中発光LED70b、および、導光板下発光LED70cのそれぞれと、導光板70との間には、各LEDからの光を集光して各発光部に個別に入射させるための複数の集光レンズ(図示省略)が設けられている。
なお、集光レンズを用いることなく、導光板上発光LED70a、導光板中発光LED70b、および、導光板下発光LED70cのそれぞれから直接的に、各発光部に光を入射させる構成を用いてもよい。
このような構成により、導光板70では、図16および図17を用いて後述するように、分割領域のすべてを用いて発光画像を表示する演出制御と、分割領域の一部を用いて発光画像を表示する演出制御とのどちらも行なうことが可能である。
演出表示装置9の右方には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報を示す(特定する)場合にも用いられる。また、保留記憶に関する情報は、保留記憶情報と呼ばれる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示が開始可能となる第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示が開始可能となる第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当り表示結果として大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、保留記憶情報に基づく第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を保留記憶画像により表示(保留記憶表示ともいう)する合算保留記憶表示部18cが設けられている。合算保留記憶表示部18cでは、保留記憶表示として保留記憶数をたとえば所定画像の表示個数により特定可能な保留記憶画像(保留記憶情報のそれぞれに対応して1つずつ保留記憶画像を表示することにより、保留記憶数を特定する。)が表示される。
また、演出表示装置9の表示画面の下部において、合算保留記憶表示部18cの左側には、対応表示領域60が設けられている。対応表示領域60は、変動表示中に当該変動表示に対応した表示(以下、対応表示と称する)が実行される領域であり、当該変動表示がスーパーリーチや大当りとなる期待度に応じた予告等を示す演出が実行される。対応表示領域は、領域を囲む線画像により領域の範囲が特定されるか、または、他の領域と表示態様が異なる(たとえば、表示色が異なる、表示模様が異なる等)ことにより、他の表示と区別可能な態様で示される。このような対応表示領域60では、変動表示に応じて合算保留記憶表示部18cで表示される保留記憶画像(保留記憶情報)が対応表示領域60の中へ移動(シフト)して、対応表示画像として表示されるというような、変動表示に対応した表示演出としての対応表示演出が実行される。このように、対応表示領域60が形成されていることで、遊技者は、実行される変動表示に対する大当り期待度等を、対応表示領域60で実行される演出(対応表示演出)の演出態様に基づいて知ることができる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、可動体としての可動表示装置(サブ液晶表示装置)96が、演出表示装置9および導光板70の下方における遊技領域7上において動作可能な態様で設けられている。可動表示装置96は、パチンコ遊技機1の内部に収納された可動表示用モータ97により上方または下方に動作(上昇動作または下降動作)させられることによって、演出表示装置9および導光板70よりも下方の待機位置(初期位置)から演出表示装置9および導光板70の前方位置(以下、出現位置と呼ぶ場合がある。)に出現する上昇動作と、演出表示装置9および導光板70の前方位置から下方の待機位置(初期位置)に戻る下降動作とを行なうことが可能である。
可動表示装置96は、可動表示用モータ97により駆動される昇降装置(図示省略)と連動連結されており、当該昇降装置による昇降動作により、前述したような待機位置と出現位置との間で上下動させられる。これにより、可動表示装置96は、演出表示装置9および導光板70の下方位置と、演出表示装置9および導光板70の前方位置とのいずれかの位置またはその位置間の途中の所定位置に存在することが可能となる。
なお、可動表示装置96については、前述のような待機位置を遊技盤6の内部等に設けられた所定の収納部に収納された位置とし、待機位置において、可動表示装置96の表示が視認不可能となる構成としてもよい。このように、待機位置において可動表示装置96が収納される構成を用いる場合には、可動表示装置96については、待機位置(収納位置)と出現位置との間の経路について、可動表示装置96の表示が視認可能であるように構成してもよい。また、可動表示装置96の表示について、待機位置(収納位置)では視認不可能であるが、収納位置と出現位置との間の経路では視認可能であるように構成してもよい。
可動表示装置96は、演出表示装置9よりも小型の液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示領域(表示画面)において、演出画像等の各種の画像を表示することが可能である。
なお、この実施の形態において、演出表示装置9は、液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、CRT、プラズマ表示やエレクトロルミネセンス(有機エレクトロルミネセンスを含む)あるいはドットマトリックス表示を利用したもの等、その他の画像表示式のものであってもよい。また、可動表示装置96は、液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、プラズマ表示やエレクトロルミネセンス(有機エレクトロルミネセンスを含む)あるいはドットマトリックス表示を利用したもの等、可動式の表示装置として用いることが可能なものであれば、その他の画像表示式のものであってもよい。
また、可動表示装置96を可動表示用モータ97を駆動源として動作させる例を示したが、これに限らず、可動表示装置96の動作の駆動源としては、モータの他ソレノイド等のその他の駆動源を用いてもよい。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。図2に示すように、この実施の形態では、ラウンド数が異なる大当り遊技状態として、15ラウンドの大当り遊技状態と2ラウンドの大当り遊技状態との複数種類の大当り遊技状態が設けられている。
具体的に、15ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
また、2ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば0.5秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる2ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、15ラウンドまたは2ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。本実施の形態では、15ラウンドの確変大当りを「確変大当り」と呼び、2ラウンドの確変大当りを後述するような理由で「突確大当り」と呼ぶ。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合がある。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態(通常状態)である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
この実施の形態においては、高確率状態に制御されたときに、時短状態および高ベース状態に制御されるが、時短状態および高ベース状態は、制御の開始条件および終了条件が同じであるので、時短状態および高ベースに制御されている状態を、時短状態という用語で代表して示す場合があり、高ベース状態という用語で代表して示す場合がある。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。また、2ラウンドの大当りとしては、突然確変大当り(以下、突確大当りという略称で呼ぶ)が設けられている。
通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、このような低確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
突確大当りは、2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。突確大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
突確大当りは、ラウンド数が少なく(2回)、大入賞口の開放時間が極めて短い態様(0.5秒間開放)で大入賞口が開放されることにより、大当り遊技状態の終了後に確変状態となったことを報知する場合に、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せることが可能なものであり、「突然確変大当り」と呼ばれる。また、「突然確変大当り」は、「突確」という略称で呼ばれる場合もある。突確大当りは、大当り遊技状態において、0.5秒間の開放が2回しか行なわれないため、実質的に大入賞口への入賞が得られず賞球が得られない当りである。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。また、VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して可動表示装置96の表示制御を行なう。なお、VDP109は、演出表示装置9での画像表示制御用のVDPと、可動表示装置96での画像表示制御用のVDPとを含む。演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出表示装置9で表示される画像と、可動表示装置96で表示される画像とを個別の制御処理を実行することにより独立的に)制御する制御態様で表示制御する場合と、これらで表示される画像を共通の制御処理を実行することにより同時並行で制御する制御態様で表示制御する場合とがある。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の発光制御、ならびに、遊技盤6側に設けられている導光板上発光LED70a、導光板中発光LED70b、および、導光板下発光LED70c等の各種発光手段の発光制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介して可動表示用モータ97に駆動信号を出力することにより、可動表示装置96を上方向または下方向に動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、確変大当り、および、突確大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、確変大当り、および、突確大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。このように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴う変動パターン種別(ノーマルリーチ、スーパーリーチを含む)であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。また、同種の変動パターン(たとえば、通常変動)において時短状態であるとき(たとえば、3秒)の方が時短状態でないとき(たとえば、7秒)と比べ変動時間を短くすることで、変動時間が短くなる。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。「突確大当り」に対応した判定値は、第2特別図柄の大当り図柄の「5」に対応した判定値としても設定されている。
このような大当り種別大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとでは、高確率状態となる大当りに決定される割合が同じであるが、第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、大当り遊技状態におけるラウンド数が多い大当り(15ラウンドの大当り)が選択される割合が高く、また、大当り遊技状態における実質的な入賞可能数が多い大当り(15ラウンドの大当り)が選択される割合が高い。したがって、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、大当りとなったときに、大入賞口への入賞に関して遊技者にとって有利度合いが高い(たとえば、実質的に入賞可能なラウンド数が多い、実質的な入賞可能数が多い等)有利状態としての大当り遊技状態に制御される。
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)には通常大当り時判定テーブル、(d)には確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示している。
また、図6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ30秒)変動パターンである。なお、ノーマルリーチのA,Bの符号、および、スーパーリーチのA,Bの符号はリーチ演出の種類を示しており、ノーマルリーチA<ノーマルリーチB<スーパーリーチA<スーパーリーチBとなるような関係で大当り期待度が高いことを示している。
「はずれ」は、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。「通常大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。「確変大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、「変動パターン」の欄に示された「スーパーリーチA はずれ (30秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が30秒のスーパーリーチAの変動パターン」であることが示される。
図6のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図6(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図6のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図6(a)を例にとれば、「ノーマルリーチ」の種別に属する変動パターンは、「ノーマルリーチA
はずれ」および「ノーマルリーチB はずれ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、「ノーマルリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜140に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターンとして、「ノーマルリーチA
はずれ (10秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図6(a),図6(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
また、時短状態であるか否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態であるか否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。さらに、通常変動の変動パターンとして、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、変動時間が短い変動パターンが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
また、はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図6(c)および図6(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
この実施の形態では、ノーマルリーチの変動パターン種別およびスーパーリーチの変動パターン種別のそれぞれにおいて、導光板70を用いた演出(以下、導光板演出という)が実行される変動パターンが含まれている。
具体的に、この実施の形態での導光板演出は、演出表示装置9において、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を開始した後、リーチ状態となったときに導光板70において所定の発光画像における一部の分割画像が表示され、その後、時間経過に伴なって表示される分割画像が増えていき、最終的に全部の画像が表示されるか否かを示唆した後、全部の画像が表示されたときにはスーパーリーチの演出に発展し、全部の画像が表示されないときはスーパーリーチの演出に発展せずにノーマルリーチとなる演出態様の発展式のリーチ演出に用いられる。
図6に示すように、導光板演出が実行される変動パターンとしては、ノーマルリーチBの変動パターンと、スーパーリーチBの変動パターンとが設けられている。スーパーリーチBは、変動開始時から所定時間が経過してリーチ状態となった後、導光板演出が特定期間に亘り実行され、導光板演出の終了後に、スーパーリーチの演出に発展することにより、スーパーリーチであることが示される、所謂スーパーリーチ発展型の演出である。一方、ノーマルリーチBは、スーパーリーチBと同様に、変動開始時から所定時間が経過してリーチ状態となった後、導光板演出が特定期間に亘り実行されることにより、スーパーリーチに発展すると見せかけて、導光板演出の終了後に、スーパーリーチの演出に発展せずにノーマルリーチとなる演出である。つまり、ノーマルリーチBは、導光板演出が実行されるがスーパーリーチには発展しないという、スーパーリーチ発展型の所謂偽(ガセ)演出である。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図7においては、演出制御コマンドについて具体的なコマンドデータと、コマンドの名称およびコマンドの指定内容との関係が示されている。演出制御コマンドの遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
なお、図7に示す例では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図12参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。また、変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、表示結果が大当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づいて、変動パターン種別を認識できる。
図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図8(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。保留特定領域は、RAM55に形成(RAM55内の領域である)され、図8(A)に示すように、合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図8(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。
図8(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を特定可能なデータが記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
図8(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図8(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。
このように保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドという3つのコマンドを1セットとして、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図9は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図9に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)および大当り種別判定用乱数(ランダム1)等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数(ランダム4初期値決定用乱数等)、および、表示用乱数(ランダム2,3)を生成するためのランダムカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、および、大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図10は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。なお、特別図柄の変動を開始するときに、合算保留記憶数減算指定コマンドが、演出制御コマンドが演出制御用CPU101に送信される。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図11は、S311の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動入賞判定処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、図8で説明した第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU56は、図8に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図8(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順番が記憶される。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図8(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。S1216の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1221)。
S1218,S1219の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。なお、この実施の形態では、第1保留記憶と第2保留記憶とが始動入賞順に消化されて変動表示が実行される例が示されているが、後述するような第2保留記憶が第1保留記憶よりも優先的に消化されて第2特別図柄の変動表示を優先的に実行する制御を行なう構成においては、低ベース状態でのみ図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの送信を実行するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、S1218〜S1221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図7(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1228)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1230)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1232)。
S1229,S1230の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1229〜S1232の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図12は、S1217,S1228の入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、特別図柄通常処理において大当りとするか否か、および大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)を決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞に基づく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、予め大当りとなるか否か、および、大当りの種別、変動パターンを先読み判定する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前に予め変動表示結果を予測し、後述するように、入賞時の判定結果に基づいて、演出制御用CPU101によって演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、CPU56は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう(S223)。これにより、「はずれ」となることを示す図柄指定コマンドが始動入賞時に出力されることとなる。
S220またはS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り種別決定用乱数(ランダム1)に基づいて大当りの種別を判定する(S224)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図5(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」、または、「確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(S1228の入賞時演出処理を実行する場合)には、図5(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」、または、「確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次に、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう(S225)。たとえば、「通常大当り」となると判定した場合に、CPU56は、「通常大当り」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。また、「確変大当り」となると判定した場合に、CPU56は、「確変大当り」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。これにより、大当りとなるときは、始動入賞時に、「通常大当り」、または、「確変大当り」となることを示す図柄指定コマンドが出力されることとなる。
次に、CPU56は、S1216,S1227で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて、S223、S225で設定された各表示結果、および、遊技状態に応じた変動パターンを判定する(S226)。たとえば、この実施形態では、大当りとなるか否か、および、時短状態であるか否かに応じて、変動パターン種別を決定するために用いるテーブルが異なっているので、S226では、変動パターンの判定対象となる保留記憶データについて、時短フラグ(時短状態に制御されるときにセットされるフラグ)のような遊技状態を示すデータに基づいて、当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるときの遊技状態を認識し、当該保留記憶データに基づく変動表示の表示結果等に基づいて、前記した変動パターンの決定に用いるテーブルを選択し、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターンを判定する。
そして、CPU56は、決定結果に応じたEXTデータを変動種別コマンドに設定する処理を行なう(S227)。これにより、始動入賞時には、変動種別を示す変動種別コマンドが出力されることとなる。
図13は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、保留特定領域(図8(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。RAM55に形成され合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S57)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1216や始動口スイッチ通過処理のS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61のY)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、確変大当りとなったときに、大当り終了処理(図10のS307)においてセットされ、その後、次回の大当りが決定されたという条件、または、はずれ表示結果となる変動表示が所定回数(たとえば100回)が実行されたという条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、後述するS75に進む。
S61において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「確変大当り」に決定されたときには「7」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別が「突然確変大当り」に決定されたときには「5」を特別図柄の停止図柄に設定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
次に、演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。
図14は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグ(各コマンドを受信したことを示す受信フラグ等のフラグ)をセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出図柄の停止図柄決定用乱数および各種演出内容の選択決定用乱数等の各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。S707の処理では、保留記憶の発生に応じて、合算保留記憶表示部18cに保留記憶を出現させる処理を実行する。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
この実施の形態では、演出制御基板80の側において、演出図柄の左停止図柄決定用の乱数値SR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用の乱数値SR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用の乱数値SR1−3、および、各種演出用の乱数値のそれぞれを示す数値データがカウント可能に制御される。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
このような乱数SR1−1〜SR1−3等のそれぞれは、演出制御用マイクロコンピュータ100においてソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれに対応付けられた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
図15は、図14に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、S500の先読み予告処理を行なった後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み予告処理(S500):先読み予告演出を実行するか否かの判定、および、先読み予告を実行するときに、先読み予告の演出態様の決定等の処理を行なう。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御する。また、演出図柄の停止図柄(表示結果)を演出図柄の停止図柄決定用の乱数に基づいて決定する。受信した変動パターンコマンドに対応して、演出図柄の変動表示時の演出パターンを選択し、実行する変動表示の変動時間を計時する変動表示時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミング等を制御するとともに、変動表示時間タイマにより計時される変動時間が終了したか否かを監視する。そして、変動時間が終了したか、または、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、変動表示を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための大当り表示等の演出としてのファンファーレ演出を行なう制御等の表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
パチンコ遊技機1においては、前述したように、演出表示装置9と導光板70と用いて演出が実行される場合がある。たとえば、ノーマルリーチBおよびスーパーリーチBのそれぞれにおいては、前述したように、導光板70で所定の発光画像を分割表示していき、最終的に全部の発光画像が表示されたときにスーパーリーチに発展し、最終的に全部の発光画像が表示されないときにスーパーリーチに発展せずにノーマルリーチとなる導光板演出が実行される。
このような導光板演出において実行される各種の演出態様を以下に説明する。図16は、導光板演出における導光板70および演出表示装置9の表示態様の一例を示す図である。図16(A)には、導光板70において全発光画像が表示された例が示されている。図16(B)には、演出表示装置9において導光板70の分割領域間の境界部を示す画像が表示された例が示されている。
図16(A)に示すように、導光板70は、発光表示領域が、上部領域71a、中部領域71b、および、下部領域71cの3つの分割領域に分割されている。上部領域71aでは、全発光画像700のうち、上部発光画像701を発光表示可能な態様で反射部が形成されている。中部領域71bでは、全発光画像700のうち、中部発光画像702を発光表示可能な態様で反射部が形成されている。下部領域71cでは、全発光画像700のうち、下部発光画像703を発光表示可能な態様で反射部が形成されている。
このような上部領域71a、中部領域71b、および、下部領域71cの3つの分割領域において、上部領域71aと中部領域71bとの間の境界部72a、および、中部領域71bと下部領域71cとの間の境界部72bのそれぞれは、図中に破線で示すように(実際は境界部は視認されない)、直線的に形成されている。
このような境界部72a,72bが存在することにより、発光画像700のうちの一部を分割して表示するときに、画像における分割領域の境界部72a,72bが不鮮明となり、3つの分割領域のうち一部の分割領域で表示が行なわれるときの演出効果が低下するおそれがある。そこで、この実施の形態のパチンコ遊技機1では、図16(B)に示すように、演出表示装置9において、導光板70における分割領域間の境界部72a,72bのそれぞれに対応する位置で、当該境界部72a,72bのそれぞれを示す境界部画像95a,95bが表示される。
次に、図17により、導光板70において、上部領域71a、中部領域71b、および、下部領域71cの3つの分割領域のそれぞれで個別に発光画像を表示したときの表示例を説明する。図17は、導光板70において3つの分割領域のそれぞれで個別に発光画像を表示したときの表示例を示す図である。
図17(A)には、導光板70において上部領域71aのみを発光させた表示例が示されている。導光板上発光LED70aのみを発光させることにより、上部領域71aのみに光が入射され、上部領域71aにおいて上部発光画像701が表示される。
図17(B)には、導光板70において下部領域71cのみを発光させた表示例が示されている。導光板下発光LED70cのみを発光させることにより、下部領域71cのみに光が入射され、下部領域71cにおいて下部発光画像703が表示される。
図17(C)には、導光板70において中部領域71bのみを発光させた表示例が示されている。導光板中発光LED70bのみを発光させることにより、中部領域71bのみに光が入射され、中部領域71bにおいて中部発光画像702が表示される。
図17(A)〜図17(C)に示すように、導光板70において、3つの分割領域である上部領域71a、中部領域71b、または、下部領域71cで個別に発光画像を表示させた場合には、上部領域71aと中部領域71bとの間の境界部、および、中部領域71bと下部領域71cとの間の境界部のそれぞれについて、発光画像が表示されている部分と発光画像が表示されていない部分とが混在するので、境界部の表示が不鮮明になる。
そこで、パチンコ遊技機1では、たとえば、前述したようなノーマルリーチBおよびスーパーリーチBの変動表示の実行時に、導光板70において、発光表示領域を分割して表示するときには、図16(B)に示すように、演出表示装置9において、導光板70における分割領域の境界部72a,72bのそれぞれに対応する位置で、当該境界部72a,72bのそれぞれを示す境界部画像95a,95bを表示する制御が演出制御用マイクロコンピュータ100により行なわれる。
図18は、導光板70で発光表示領域を分割して表示するときに、演出表示装置9で境界部画像95a,95bを表示する制御が行なわれるときの導光板70および演出表示装置9における表示例を示す図である。
図18(A)には、ノーマルリーチBおよびスーパーリーチBの変動表示の実行時において、リーチ状態となったタイミングで、導光板70において上部領域71aのみを発光させたときに演出表示装置9で境界部画像95a,95bが表示された表示例が示されている。図18(A)に示すように、このような表示が導光板70で実行されたときに、演出表示装置9で境界部画像95a,95bが表示されると、境界部画像95aの表示により、導光板70における上部領域71aと中部領域71bとの境界部が鮮明に示される。これにより、導光板70における上部領域71aと中部領域71bとの境界部を明確に把握することが可能となる。
図18(B)には、ノーマルリーチBおよびスーパーリーチBの変動表示の実行時にリーチ状態となった後、第1の所定時間が経過したタイミングで、導光板70において、中部領域71bを発光させず、上部領域71aに追加して、下部領域71を発光させたときに演出表示装置9で境界部画像95a,95bが表示された表示例が示されている。図18(B)に示すように、このような表示が導光板70で実行されたときに、演出表示装置9で境界部画像95a,95bが表示されると、前述した境界部画像95aに加え、境界部画像95bの表示により、導光板70における下部領域71cと中部領域71bとの境界部が鮮明に示される。これにより、導光板70における下部領域71cと中部領域71bとの境界部を明確に把握することが可能となる。
図18(C)には、ノーマルリーチBおよびスーパーリーチBの変動表示の実行時にリーチ状態となった後、第2の所定時間が経過してスーパーリーチに発展する演出を実行するタイミングで、導光板70において、追加して中部領域71bを発光させたことにより、上部領域71a、中部領域71b、および、下部領域71を含む全発光表示領域で、上部発光画像701、中部発光画像702、および、下部発光画像703を含む全発光画像700を発光させたときに、演出表示装置9で境界部画像95a,95bが消去された表示例が示されている。図18(C)に示すように、全発光画像700が発光されたときに、図中に破線で示されるような境界部画像95a,95bが消去されることにより、全発光画像700を視認しやいようにすることができる。
図18に示すように、導光板70において上部領域71a、中部領域71b、および、下部領域71cのような分割領域で表示が行なわれるときに、演出表示装置9において、分割領域間の境界部に対応する位置で、当該境界部を示す境界部画像95a,95bの表示が行なわれるので、導光板70において分割領域で表示が行なわれるときの演出効果の低下を抑制することができる。
図19は、図18に示すような導光板70および演出表示装置9の表示制御を行なう導光板演出の制御タイミングの一例を示すタイミングチャートである。
図19においては、(a)に導光板70の上部領域71aの発光表示状態(発光、停止)、(b)に導光板70の下部領域71cの発光表示状態(発光、停止)、(c)に導光板70の中部領域71bの発光表示状態(発光、停止)、(d)に演出表示装置9における上側の境界部画像95aの表示状態(表示、停止)、(e)に演出表示装置9における下側の境界部画像95bの表示状態(表示、停止)、(f)に可動表示装置96で表示される画像の表示状態が示されている。
導光板演出を実行する変動パターンであるノーマルリーチBまたはスーパーリーチBの変動パターンにおいては、変動表示が開始された後、リーチ状態となってリーチ演出の開始時となったことに応じて、図19(a)に示すように、導光板70の上部領域71aが、図17(A)のように発光表示され、上部発光画像701の発光表示演出が開始される。そして、上部発光画像701の発光表示演出が開始されたことに応じて、演出表示装置9においては、図19(d),(e)に示すように、上側の境界部画像95aおよび下側の境界部画像95bの表示が開始される。これにより、図18(A)に示すような表示が導光板70および演出表示装置9において実行され、上側の境界部画像95aの表示により、導光板70における上部領域71aと中部領域71bとの境界部が鮮明に示される。なお、下側の境界部画像95bは、導光板70の下部領域71cが発光したことにより境界部画像95bを表示する必要が生じたタイミングで表示するようにしてもよい。
その後、所定時間が経過したときに、図19(b)に示すように、導光板70の下部領域71cが、図17(B)のように下部領域71aに加えて発光表示されることにより、上部発光画像701の発光表示演出に加えて、下部発光画像703の発光表示演出が開始される。その時点では、図19(e)に示すように、下側の境界部画像95bの表示が既に実行されている。これにより、図18(B)に示すような表示が導光板70および演出表示装置9において実行され、下側の境界部画像95bの表示により、導光板70における下部領域71cと中部領域71bとの境界部が鮮明に示される。
その後、さらに特定時間が経過すると、図19(c)に示すように、導光板70の中部領域71bが、発光と停止とを短時間で繰返す態様で中部発光画像702が点滅発光されることにより、スーパーリーチ演出への発展可否を示唆する演出(発展可否示唆演出)が実行される。前述したように、導光板演出においてスーパーリーチ演出に発展するときには中部発光画像702が最後に表示されて全発光画像700の表示が実行され、一方、導光板演出においてスーパーリーチ演出に発展しないときには中部発光画像702が表示されずに全発光画像700の表示が実行されない。したがって、スーパーリーチ演出への発展可否を示唆する発展可否示唆演出としては、中部発光画像702を点滅表示することにより、スーパーリーチ演出に発展するか否かの選択状況を盛上げるような表示態様での演出が実行される。
導光板演出においてスーパーリーチ演出に発展したときには、図19(a)〜(c)に示すように、全発光画像700を表示する演出を所定期間継続させる演出が実行された後、導光板70における上部領域71a、中部領域71b、および、下部領域71cのすべての領域で発光が停止され、全発光画像700が消去される。演出表示装置9においては、このように全発光画像700が消去された後、スーパーリーチ演出に発展する演出をする画像の表示が開始される。一方、導光板演出においてスーパーリーチ演出に発展しなかったときには、図示を省略するが、スーパーリーチ演出への発展可否を示唆する演出が終了したときに、導光板70における上部領域71a、中部領域71b、および、下部領域71cのすべての領域で発光が停止され、導光板70に表示されていた発光画像がすべて消去される。
可動表示装置96においては、演出表示装置9によるリーチ演出の開始時から、導光板70で中部発光画像702によりスーパーリーチ演出への発展可否を示唆する発展可否示唆演出が実行されるときまでは、ノーマルリーチ演出に対応する画像(以下、ノーマルリーチ対応画像という)を表示する(たとえば、スーパーリーチを示唆するような派手な画像表示はせずに、単に「リーチ」というような簡素なメッセージを画像表示する)。これにより、その発展可否示唆演出の実行開始タイミングまでは、遊技者が、今回のリーチが「ノーマルリーチ」となるか「スーパーリーチ」となるかを容易に認識できない。
導光板70にいて、中部発光画像702の点滅によるスーパーリーチ演出への発展可否を示唆する演出は、所定時間に亘り実行された後に終了し、変動パターンがスーパーリーチBであるときは、図19(c)に示すように、導光板70の中部領域71bが、発光状態を継続して中部発光画像702を含む全発光画像700が継続的に表示されることにより、スーパーリーチ演出に発展することが示される。一方、変動パターンがノーマルリーチBであるときは、図示を省略しているが、導光板70の中部領域71bが、停止状態を継続して中部発光画像702が継続的に非表示にされることにより、スーパーリーチ演出に発展せず、ノーマルリーチであることが示される。
可動表示装置96においては、中部発光画像702の点滅によるスーパーリーチ演出への発展可否を示唆する演出実行中に、スーパーリーチ演出への発展可否を示唆する画像(たとえば、所定のキャラクタが出現してスーパーリーチ演出になることを応援する画像等)を表示する。
そして、演出表示装置9においては、導光板70における中部発光画像702の点滅によるスーパーリーチ演出への発展可否を示唆する演出の終了後、上側の境界部画像95aおよび下側の境界部画像95bの表示の開始時から所定時間経過したときに、上側の境界部画像95aおよび下側の境界部画像95bの表示を消去する。これにより、たとえば、スーパーリーチ演出に発展するときには、図18(C)に示すように、全発光画像700が明確に認識できるような表示態様に制御される。
可動表示装置96においては、スーパーリーチ演出に発展するときに、導光板70の中部領域71bが、発光状態の継続を開始した後は、スーパーリーチ演出に発展することを報知する画像(たとえば、所定のキャラクタがスーパーリーチに発展したことを知らせる画像等であり、スーパーリーチ発展有報知画像という)を所定時間に亘り表示する。そして、可動表示装置96において、スーパーリーチ演出であることが特定可能な派手な演出をする画像(スーパーリーチ演出画像という)の表示が開始され、スーパーリーチ演出の期待感をさらに盛り上げる画像が表示される。一方、スーパーリーチ演出に発展しないときに、可動表示装置96においては、スーパーリーチ演出に発展しない旨を報知する画像(たとえば、所定のキャラクタがスーパーリーチに発展しないことを知らせる画像等であり、スーパーリーチ発展無報知画像という)を所定時間に亘り表示する。そして、可動表示装置96において、ノーマルリーチ演出であることが特定可能な簡素な演出をする画像(ノーマルリーチ演出画像という)の表示が開始される。
図20は、ノーマルリーチBおよびスーパーリーチBの変動パターンでの変動表示におけるリーチ発展演出の演出態様を演出段階別に表形式で示す図である。図20においては、ノーマルリーチBおよびスーパーリーチBのそれぞれについて、リーチ発展演出の演出態様が、演出装置(導光板70、演出表示装置9、可動表示装置96)別に、第1段階〜第4段階の複数段階に分けて示されている。
スーパーリーチ演出に発展するリーチ発展演出が実行されるスーパーリーチBの変動パターンについては、次に示すようなリーチ発展演出(発展有演出)が実行される。
第1段階においては、導光板70で上部領域71aを発光させ、演出表示装置9で境界部画像95a,95bを表示させることにより、図18(A)に示すような演出態様の表示が導光板70および演出表示装置9において実行される。さらに、第1段階において、可動表示装置96では、導光板70および演出表示装置9とは異なる画像として、前述したようなノーマルリーチ対応画像が表示させられる。
第2段階においては、導光板70で上部領域71aに加えて下部領域71cを発光させ、演出表示装置9で境界部画像95a,95bの表示を継続させることにより、図18(B)に示すような演出態様の表示が導光板70および演出表示装置9において実行される。境界部画像95a,95bは、その後、第4段階となる前まで継続して表示される。さらに、第2段階において、可動表示装置96では、導光板70および演出表示装置9とは異なる画像として、前述したようなノーマルリーチ対応画像が継続して表示させられる。
第3段階においては、導光板70で上部領域71aおよび下部領域71cを発光させた状態で、中部領域71cを点滅発光させることにより、図19(c)に示すような前述の発展可否示唆演出が実行される。さらに、第3段階において、可動表示装置96では、導光板70および演出表示装置9とは異なる画像として、前述したような発展可否示唆画像が表示させられる。
第4段階においては、導光板70で、上部領域71aおよび下部領域71cに加えて、点滅していた中部領域71cの発光を継続させ、演出表示装置9において、境界部画像95a,95bを消去することにより、図18(C)に示すような全発光画像700が導光板70で表示させられる。さらに、第4段階において、可動表示装置96では、導光板70および演出表示装置9とは異なる画像として、前述したようなスーパーリーチ発展有報知画像が表示させられる。
第4段階の演出の終了後においては、導光板70で、上部領域71a、中部領域71c、および、下部領域71cで発光が停止され、全発光画像700が消去される。さらに、第4段階の演出の終了後においては、可動表示装置96で、導光板70および演出表示装置9とは異なる画像として、前述したようなスーパーリーチ演出画像が表示させられる。
スーパーリーチ演出に発展しないリーチ発展演出(発展無演出)が実行されるノーマルリーチBの変動パターンについては、次に示すような演出が実行される。
ノーマルリーチBでの第1段階〜第3段階においては、スーパーリーチBでの演出と同様の演出が実行される。そして、第4段階においては、導光板70で、上部領域71a、中部領域71c、および、下部領域71cで発光が停止され、演出表示装置9において、境界部画像95a,95bを消去することにより、図18(C)に示すような全発光画像700画像画像導光板70で表示される。これにより、一旦、導光板70および演出表示装置9において表示がされなくなる。第4段階において、可動表示装置96では、導光板70および演出表示装置9とは異なる画像として、前述したようなスーパーリーチ発展無報知画像が表示させられる。
第4段階の演出の終了後においては、演出表示装置9においてノーマルリーチの演出が再開され、可動表示装置96で、導光板70および演出表示装置9とは異なる画像として、前述したようなノーマルリーチ対応画像が表示させられる。
また、図19および図20に示すように、可動表示装置96において、導光板70に表示される画像とは異なる画像を表示させる表示制御が行なわれるので、演出の多様性を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図21は、演出表示装置9と可動表示装置96とにおける相対位置の位置関係および画像表示例を示す正面図である。演出表示装置9と可動表示装置96との間には、導光板70が存在するが、図21においては、主に演出表示装置9と可動表示装置96との対応関係を説明するため、導光板70については図示および説明を省略する。
以下に示すような可動表示装置96の制御は、前述したノーマルリーチBおよびスーパーリーチBのそれぞれの変動パターンで導光板演出が実行されるとき以外のときに実行される。なお、以下に示すような可動表示装置96の制御は、導光板演出が実行されるときにも実行されるようにしてもよい。
図21(a)には、非動作モード時における可動表示装置96の待機状態と、当該待機状態での演出表示装置9の表示例とが示されている。図21(b)には、動作モード時における可動表示装置96が遊技領域7の外部に出現して演出表示装置9の前に重なった動作時の状態と、当該状態での表示例とが示されている。図21(c)には、動作モード時における可動表示装置96が遊技領域7の外部に出現して演出表示装置9の前に重なった動作時における演出表示装置9側の表示例(可動表示装置96は図示省略)が示されている。
この実施の形態において、非動作モードとは、可動表示装置96が演出表示装置9の前に重なる動作をせずに演出表示装置9が対応表示演出を実行する制御モードをいう。また、動作モードとは、可動表示装置96が演出表示装置9の前に重なる動作をして可動表示装置96が対応表示演出を実行する制御モードをいう。
演出表示装置9においては、左,中,右の演出図柄表示エリア91,92,93において左,中,右の演出図柄が変動表示されるとき、および、当該変動表示がされないときの両方で、演出図柄の背景となる背景画像94が表示される。背景画像94としては、有色無地(青一色等)の簡易な背景画像、所定の模様等の形状が示された背景画像、および、変動表示の演出と関係がある場面、情景、風景等のより現実的な画像が示された背景画像等の各種背景画像が選択的に表示される。背景画像は、静止画により構成されてもよく、動画により構成されてもよい。
図21(a),(b)に示されるように、演出表示装置9において、背景画像94上には、演出図柄の他に、合算保留記憶表示部18cにおける保留記憶画像、対応表示領域60を示す画像、および、対応表示領域60内における対応表示画像等の各種画像が表示される。ここで、対応表示画像とは、変動表示の実行中に当該変動表示に対応して表示される画像をいう。
この実施の形態においては、可動表示装置96が演出表示装置9の前に重なる動作をせずに演出表示装置9が対応表示演出を実行する非動作モード時には、図21(a)に示されるように、演出表示装置9において、保留記憶画像が対応表示領域60に移動して対応表示画像61aとして表示されるような演出が行なわれる。具体的に、変動表示に応じて合算保留記憶表示部18cで表示される保留記憶画像(保留記憶情報)が対応表示領域60の中へ移動(シフト)して、対応表示画像61aとして表示されるというような、変動表示に対応した表示演出が実行される。
また、可動表示装置96が演出表示装置9の前に重なる動作をして可動表示装置96が対応表示演出を実行する動作モード時には、図21(b)に示されるように、可動表示装置96において、可動表示装置96の表示領域に設けられた(表示された)対応表示領域960に、合算保留記憶表示部18cの保留記憶画像が移動して対応表示画像61bとして表示されるような演出が行なわれる。具体的に、変動表示に応じて合算保留記憶表示部18cで表示される保留記憶画像(保留記憶情報)が対応表示領域960の中へ移動(シフト)して、対応表示画像61bとして表示されるというような、変動表示に対応した表示演出が実行される。
このように、対応表示演出において、可動表示装置96の非動作モード時と、可動表示装置96の動作モード時とでともに、保留記憶画像と対応表示画像とは、演出上で対応関係があり、関連する画像である。
また、この表示例では、装飾的効果を生じさせるために、演出表示装置9の画像表示領域の縁部の周囲に、額縁状の所定幅の枠画像95が固定的に表示される。背景画像94は、このような枠画像95とは別個に独立的に表示される画像であり、枠画像95の内側の表示領域において表示される。
図21(a)に示されるように、可動表示装置96は、演出表示装置9の下方における所定位置に設けられた待機位置で待機する態様で設けられている。
可動表示装置96の動作モード時において、図21(b)に示されるように、可動表示装置96は、待機位置から移動して演出表示装置9の表示部の前方に出現したときに、正面から見て演出表示装置9の表示部の前方における左下部を覆うような特定の動作位置である出現位置まで移動する。このように、可動表示装置96を演出表示装置9の前方に設定された出現位置に移動させることにより、演出表示装置9上(前方)に可動表示装置96を重ならせる移動制御が行なわれる。このような出現位置は、演出表示装置9の前に可動表示装置96が重なる位置であり、以下の説明において、重複位置と呼ぶ場合がある。
動作モード時において、図21(b)に示されるような可動表示装置96が待機位置から移動して出現位置に出現した状態では、図21(a)に示される待機状態において演出表示装置9で表示される画像のうち、対応表示領域60の全領域の画像、および、合算保留記憶表示部18cの一部領域の画像が視認困難な状態となる。このように、可動表示装置96の出現位置(特定の動作位置)は、演出表示装置9における対応表示領域60および合算保留記憶表示部18cの表示位置の近傍の位置に該当する。これにより、演出表示装置9が図21(a)に示される画像表示状態のままで、図21(b)に示されるように可動表示装置96が出現位置に移動すると仮定すると、対応表示画像の全部、および、保留記憶画像の一部を遊技者が視認困難な状態となると考えられる。
このような保留記憶画像の一部が視認困難な状態となることを防ぐために、動作モード時において、可動表示装置96が特定の動作位置である出現位置に移動するときには、演出制御用マイクロコンピュータ100により、図21(a)に示されるような元の表示位置である第1の表示位置から、図21(b)に示されるように、保留記憶画像の全部が視認可能となる第2の表示位置に保留記憶画像が移動して表示されるように、背景画像94、演出図柄表示エリア91,92,93、および、合算保留記憶表示部18cのそれぞれの表示領域に表示される画像を同時に移動させる移動表示制御が行なわれる。
具体的に、可動表示装置96が出現位置に移動するときには、図21(b)に示されるように、背景画像94、演出図柄表示エリア91,92,93、および、合算保留記憶表示部18cのそれぞれの画像の表示領域の表示位置を、可動表示装置96の出現動作により保留記憶画像の一部が視認困難となる現状の第1の表示位置から、所定方向(同一の方向)に所定移動量(同一の移動量)ずつ移動させる処理を演出制御用マイクロコンピュータ100で実行することにより、これら表示領域に表示される画像を、まとめて、たとえば、正面から見て右方向へ所定移動量だけスライドさせる移動態様で、保留記憶画像が全部視認可能となる第2の表示位置まで移動させる移動表示制御が行なわれる。
より具体的には、可動表示装置96が出現する前に、背景画像94、演出図柄表示エリア91,92,93、および、合算保留記憶表示部18cのそれぞれの表示領域の表示位置(第1の表示領域の位置)を指定する座標データを、所定時間後に予め定められた移動表示後のそれぞれの表示領域(第2の表示領域の位置)を指定する座標データとなるように、所定周期で徐々に変更していく処理を行なうことにより、合算保留記憶表示部18cの全部が視認可能となる位置まで、これら画像の表示領域が移動する。なお、背景画像94、演出図柄表示エリア91,92,93、および、合算保留記憶表示部18cのそれぞれの表示領域の表示位置は、徐々に移動させるのではなく、一気に移動させる制御を行なうようにしてもよい。
これにより、可動表示装置96が出現位置に移動するときには、背景画像94、演出図柄、および、保留記憶画像が相互間の位置関係を維持した状態で、可動表示装置96から離隔するように、正面から見て右側へ移動する表示が行なわれる。この例では、背景画像94、演出図柄表示エリア91,92,93、および、合算保留記憶表示部18cのそれぞれに表示される画像は、同じ移動量だけ同じ方向に移動させられる。ここで、保留記憶画像については、合算保留記憶表示部18cの表示領域自体が移動することにより、たとえ、このような移動表示制御実行前に保留記憶画像が表示されていないときでも、移動表示制御実行後に新たに表示される保留記憶画像は、移動表示後の合算保留記憶表示部18cの表示領域の位置で表示されることとなる。このような移動表示制御が行なわれときには、移動表示前に表示されていた画像がそのまま所定の移動量だけ移動する表示が行なわれることにより、移動表示前に表示されていた画像の一部(たとえば、背景画像の一部)が表示されないこととなる。
図21(b)に示されるように、移動表示制御をするときに、合算保留記憶表示部18cの保留記憶画像の移動量と、背景画像94のような所定の演出画像の移動量とが同一となるので、保留記憶画像と所定の演出画像との相対的な位置関係の変化を抑制することが可能になり、保留記憶画像の移動に関し、遊技者が演出に違和感を持ち困惑するのをより一層抑制することができる。
また、合算保留記憶表示部18cの保留記憶画像が、所定の演出画像としての背景画像94に重複する態様で表示させられるので、保留記憶画像と所定の演出画像とを同時に確認しやすくすることができる。さらに、このように重複する態様で表示させられることにより、保留記憶画像および所定の演出画像を移動させるときに、遊技者が演出に違和感を持ち困惑するのをより一層抑制することができる。
図21(b)においては、背景画像94が移動したことにより、図中斜線で示す領域が、画像が表示されていないブランク領域95となっている状態が示されている。そして、出現位置に移動した可動表示装置96においては、図21(b)に示されるように、表示領域960全体を対応表示領域(960)として、対応表示画像61bを表示させる表示制御が行なわれる。これにより、演出表示装置9と可動表示装置96との相対位置(この例では、演出表示装置9と可動表示装置96とが重なる相対位置)の位置関係に応じて、可動表示装置96において対応表示演出が実行される。具体的に、対応表示演出としては、変動表示に応じて合算保留記憶表示部18cで表示される保留記憶画像(保留記憶情報)が可動表示装置96における対応表示領域960の中へ移動(シフト)して、対応表示画像61bとして表示されるというような、変動表示に対応した特定画像を表示する表示演出が実行される。
なお、背景画像94が移動したことにより、図中斜線で示す領域を画像が表示されていないブランク領域95とする代わりに、当該領域において、所定の色、模様、形状等のその他の画像を表示するようにしてもよい。また、背景画像94が移動したことにより、図中斜線で示す領域を、画像が表示されていないブランク領域95とする代わりに、背景画像94が移動していないときに未表示の画像(たとえば、背景画像94の縁部の画像と連なる(続く)画像を表示するようにしてもよい。このようにすれば演出表示の違和感を低減することができる。また、背景画像94が移動したときには、当該移動に合わせて額縁状の枠画像95も移動させる表示を行なうようにしてもよい。
図21(c)には、可動表示装置96の動作モードにおいて、可動表示装置96が演出表示装置9の前に重なる重複位置関係となる出現位置に出現している状態において、演出表示装置9の側で表示される画像が示されている。図21(c)では、可動表示装置96の図示が省略されている。
図21(c)に示すように、可動表示装置96の動作モードで、可動表示装置96が演出表示装置9の前に重なる重複位置関係となる出現位置に出現している状態において、演出表示装置9では、可動表示装置96で表示される対応表示領域960および対応表示画像61bのような特定画像と同様の画像を、当該重複位置で特別画像として表示させる制御が行なわれる。具体的に、このような状態において、演出表示装置9の表示領域のうち、可動表示装置96が重なる表示領域には、可動表示装置96の対応表示領域960と同様の対応表示領域96aが設けられて表示され、変動表示に応じて合算保留記憶表示部18cで表示される保留記憶画像(保留記憶情報)が対応表示領域96aの中へ移動(シフト)して、対応表示画像61cとして表示されるというような、変動表示に対応した表示演出が実行される。
このような可動表示装置96で実行される画像表示と同様の画像表示を演出表示装置9において実行する制御は、可動表示装置96が故障等の動作の不具合により演出表示装置9の前に可動表示装置96が重なる重複位置関係とならない異常状態となっているか否かに関わらず、可動表示装置96の動作モードにおいて常に実行される。
可動表示装置96の動作モードにおいて、可動表示装置96側で実行される対応表示演出と同様の対応表示演出が演出表示装置9の側で実行されることにより、可動表示装置96における故障等の動作の不具合により、演出表示装置9の前に可動表示装置96が重なる重複位置関係とならない異常状態が生じたときでも、パチンコ遊技機1においては、これら2つの表示装置を用いた対応表示演出と同様の対応表示演出を行なうことができる。
演出表示装置9において、可動表示装置96が重なる表示領域での対応表示領域96a、および、対応表示画像61cは、可動表示装置96で表示される対応表示領域96a、および、対応表示画像61cと比べて、解像度が低く、画素が粗いような簡素な画像で表示される。このように解像度が低く、画素が粗い簡素な画像で対応表示領域96a、および、対応表示画像61cが特別画像として表示されることにより、画像表示に用いるデータが簡素化されるので、特別画像を表示することによる演出制御用マイクロコンピュータ100の制御負担の増加を軽減することができる。
なお、演出表示装置9において、可動表示装置96が重なる表示領域での対応表示領域96a、および、対応表示画像61cは、可動表示装置96で表示される対応表示領域960、および、対応表示画像61bの一部を表示する画像として表示されるようにしてもよい。たとえば、可動表示装置96で表示される対応表示画像61bが特徴的な頭部を示す第1画像と、頭部以外の部分を示す第2画像とからなるキャラクタ画像であるときに、対応表示画像61cとして、当該キャラクタ画像の一部として、第1画像(頭部)のみを表示するようにしてもよい。このように対応表示画像61bの一部を表示する簡素な画像として対応表示画像61cが特別画像として表示されることにより、画像表示に用いるデータが簡素化されるので、特別画像を表示することによる演出制御用マイクロコンピュータ100の制御負担の増加を軽減することができる。
演出表示装置9において、可動表示装置96が重なる表示領域での対応表示領域96a、および、対応表示画像61cとしては、対応表示領域96a、および、対応表示画像61cであることが識別可能な画像であれば、どのような画像を用いるようにしてもよい。また、演出表示装置9において、可動表示装置96が重なる表示領域での対応表示領域96a、および、対応表示画像61cとしては、可動表示装置96で表示される対応表示領域960、および、対応表示画像61bと比べて簡素な画像であれば、どのような表示態様の画像を表示してもよい。
また、演出表示装置9において、可動表示装置96が重なる表示領域での対応表示領域96a、および、対応表示画像61cは、可動表示装置96で表示される対応表示領域96a、および、対応表示画像61cと比べて、解像度が同一で、画素の細かさが同一の画像で表示されるようにしてもよい。
また、演出表示装置9において、可動表示装置96が重なる表示領域での対応表示領域96a、および、対応表示画像61cは、可動表示装置96で表示される対応表示領域96a、および、対応表示画像61cと比べて、解像度が高く、画素が細かい画像で表示されるようにしてもよい。
また、演出表示装置9において可動表示装置96が重なる表示領域で特別画像として表示する対応表示領域96a、および、対応表示画像61cは、図21(a)のような可動表示装置96の非動作モード時に表示される対応表示領域60、および、対応表示画像61aと同じ画像を表示する制御を行なうようにしてもよい。このようにすれば、演出表示装置9において可動表示装置96が重なる動作モード時専用の画像データを演出制御基板80側のROM等の記憶手段に記憶しなくてもよく、当該記憶手段の記憶容量を低減することができる。また、このような制御を行なうときには、可動表示装置96が非動作モード時に表示する画像と比べて、解像度が低く、画素が細かい画像で、対応表示領域60、および、対応表示画像61aを表示するようにしてもよい。このようにすれば、このような表示制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータ100の制御負担の増加を軽減することができる。
また、可動表示装置96の動作モードで、可動表示装置96と同様の画像表示を演出表示装置9において実行する制御は、可動表示装置96が故障したとき等の動作の不具合により演出表示装置9の前に可動表示装置96が重なる重複位置関係とならない異常状態となっているか否かを検出する動作不具合検出手段(たとえば、可動表示用モータ97の動作状態を電気的に検出する手段、または、可動表示装置96が出現位置に移動したかどうかを光学的に検出する手段等の検出手段)を設け、当該動作不具合検出手段により異常状態となっていることが検出されたときにのみ、実行するようにしてもよい。このようにすれば、必要なときにのみ、演出表示装置9において可動表示装置96で画像表示される対応表示演出と同様の対応表示演出の画像表示を行なうことができるので、演出制御用マイクロコンピュータ100の制御負担の増加を軽減することができる。
また、可動表示装置96の動作モードでは、演出表示装置9において、可動表示装置96が重なる表示領域で可動表示装置96で表示される画像と同様に対応表示領域96aおよび対応表示画像61cを表示することに加えて、可動表示装置96自体を模した画像を表示してもよい。このような画像を表示すれば、可動表示装置96の動作モード時に演出表示装置9において可動表示装置96が重なる表示領域で表示される画像が、可動表示装置96で表示される画像に対応する画像であることを、より明確化することができる。
可動表示装置96が出現位置に移動するときに、移動表示制御が行なわれることにより、図21(b)に示されるように、保留記憶画像が視認困難とならないようにすることができる。さらに、演出表示装置9において表示される画像(背景画像94を含む)中における保留記憶画像の相対的な位置関係の変化を抑制することが可能になり、保留記憶画像の移動に関し、遊技者が演出に違和感を持ち困惑するのを抑制することができる。
また、図21(b)のように、保留記憶画像については、合算保留記憶表示部18cの表示領域自体が移動することにより、たとえ、移動表示制御実行前に保留記憶画像が表示されていないときでも、移動表示制御実行後に新たに表示される保留記憶画像は、移動表示後の合算保留記憶表示部18cの表示領域の位置で表示される。これにより、合算保留記憶表示部18cで保留記憶画像が表示されていないときでも、可動表示装置96が出現位置に移動するときに、所定の演出画像としての背景画像94の表示位置が移動させられるので、その後、保留記憶情報の発生に応じた保留記憶画像を移動表示制御後の表示位置で表示させるときに、遊技者が演出に違和感を持ち困惑するのをより一層抑制することができる。
また、図21(b)のように、可動表示装置96が演出表示装置9の前方に出現したときのような特定の位置関係となるときに、所定の対応表示演出が、可動表示装置96において実行させられるので、演出表示装置9と可動表示装置96との位置関係に遊技者を注目させることができ、演出を変化に富んだものとすることができる。
また、図21(b)のように、可動表示装置96が演出表示装置9の前方に出現したときのような可動表示装置96が演出表示装置9の対応表示領域60と重なる相対位置関係となったときに、可動表示装置96において対応表示演出が実行されるので、可動表示装置96において対応表示が実行されても、遊技者から見て、対応表示演出が実行される位置は変化しないので、遊技者が演出に違和感を持ち困惑するのを抑制することができる。
この実施の形態では、可動表示装置96を出現させる制御は、たとえば、先読み予告の演出が実行されるという所定の制御条件が成立したときに開始させられ、先読み予告の演出が終了するとき(たとえば、後述するターゲットの保留記憶情報に基づく変動表示の停止時)に終了させられる。
なお、この実施の形態では、可動表示装置96よりなる可動体の移動制御に応じて、演出表示装置9での保留記憶画像、および、背景画像を移動させる移動表示制御を行なうときに、保留記憶画像の大きさ、および、背景画像の大きさを変更せずに移動させる例を示した。しかし、これに限らず、保留記憶画像の大きさ、および、背景画像の大きさの両方を縮小して移動させるようにしてもよく、いずれか一方の画像を縮小して移動させるようにしてもよい。このように画像を縮小して移動表示するときには、移動表示前に表示されていた画像のすべてを、移動表示後に表示することが可能となる。
前述した実施の形態では、可動表示装置96よりなる可動体の移動制御に応じて、演出表示装置9での保留記憶画像、および、背景画像を移動させる表示制御を行なうときに、保留記憶画像、および、背景画像を表示したまま(表示を維持した状態で)スライドして移動させる表示例を示した。しかし、これに限らず、保留記憶画像、および、背景画像は、元の表示位置で一旦消去した後、移動後の位置に出現させる表示制御を行なうようにしてもよい。
図21に示したように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可動表示装置96のような可動体が、待機している演出状態で第1の表示位置に表示している保留記憶画像の少なくとも一部が視認困難となる出現位置に移動するときに、保留記憶画像の全部が視認可能となる第2の表示位置に保留記憶画像が表示されるように、保留記憶画像および背景画像のような所定の演出画像を移動させる移動表示制御をする。
なお、演出表示装置9で表示される保留記憶画像は、合算保留記憶表示部18cに表示するような合算保留記憶の画像ではなく、第1特別図柄の保留記憶画像、または、第2特別図柄の保留記憶画像の一方を表示するものであってもよい。たとえば、演出表示装置9では、低ベース状態中には第1特別図柄の保留記憶画像のみを表示し、高ベース状態中には第2特別図柄の保留記憶画像のみを表示するようにしてもよい。
図22は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果特定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。なお、はずれとすることに決定されているか否かは、大当りとするか否かを特定可能な変動パターンコマンドに基づいて、確認するようにしてもよい。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、演出制御用CPU101は、予め定められたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、演出図柄のリーチにならないはずれの停止図柄を決定し(S604)、S616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。S604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せ(確変大当り図柄の組合せ、突確大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)に、演出制御用CPU101は、リーチの組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S616へ進む。S605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
はずれとすることに決定されていない場合に(S601)、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S616へ進む。
S603では、以下のように、当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。演出制御用CPU101は、表示結果2指定コマンド、表示結果3指定コマンドのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、大当りの種別を判定する。
確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、大当り図柄決定用テーブルを用いて、確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」というようないずれかのゾロ目の組合せ)を選択決定する。大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の確変大当り図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。確変大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、確変大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、演出制御用CPU101は、突確大当りにすることに決定されていると判定したときには、突確図柄決定用テーブルを用いて、突確大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「1,3,5」というようなチャンス目の組合せ)を選択決定する。突確図柄決定用テーブルは、複数種類の突確図柄の組合せのそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。突確大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、突確図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、突確図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。突確大当りとなるときには、一旦リーチ図柄の組合せが表示された後、図柄の差替えが行なわれる場合がある。そのときのリーチ図柄は、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、通常大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、リーチ図柄を構成する左,右の演出図柄の組合せとして決定する。
次に、演出制御用CPU101は、演出パターンを設定するための演出設定処理を実行する(S616)。演出設定処理においては、たとえば、実行する変動パターンに応じて、図18および図19に示したような導光板演出に関する設定、および、図21に示したような可動表示装置96の演出に関する設定等の各種の演出に関する設定が行なわれる。より具体的に、たとえば、導光板演出に関する設定をするときには、実行する変動パターンに応じて、図20に示したような導光板演出に関する演出パターンを実行するようなデータを選択するための処理が行なわれる。
次に、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに設定する(S617)。対応表示演出の内容もこの処理において設定される。演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S616の処理で決定した演出パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動表示が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連または滑りの演出による演出表示動作、予告演出における演出表示動作、および、導光板演出を実行する演出動作、対応表示領域60(対応表示領域960含む)で対応表示演出を実行する演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。なお、図柄変動制御パターンテーブルとしては、演出図柄の演出動作を制御するための制御データよりなる図柄制御パターンテーブルと、演出図柄の演出動作とは別の予告演出の演出動作を制御するための制御データよりなる予告制御パターンテーブルとを設け、これら演出図柄の演出動作を制御するための制御データと、予告演出の演出動作を制御するための制御データとを組合せて用いることにより、1つの図柄変動制御パターンテーブルにより図柄の演出動作と予告の演出動作とを実行する場合と同様の演出動作を実行するように構成してもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、S617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S619)。
演出制御用CPU101は、S619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S620)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし(S622)、処理を終了する。
前述したようなS616およびS617の処理に基づく演出制御の設定に基づいて、図15に示す演出図柄変動中処理(S802)により、設定された演出データに基づいて、たとえば、図18および図19に示したような導光板演出、および、図21に示したような可動表示装置96の演出等の各種演出が実行される。
また、対応表示演出の動作モードで、可動表示装置96が演出表示装置9の前に重なる重複位置に出現する状態で演出表示装置9の当該重複位置において、可動表示装置96で表示される対応表示領域960および対応表示画像61bのような特定画像と同様の画像を特別画像として表示させる制御例としては、前述した制御例の他に、以下の(1)〜(9)に示すような制御例も含まれる。
(1) 可動表示装置96の対応表示領域960で表示される対応表示画像61bと表示個数が異なる対応表示画像61cを対応表示領域96aで表示する制御例。
(2) 可動表示装置96の対応表示領域960で表示される対応表示画像61bと表示態様が異なる対応表示画像61cを対応表示領域96aで表示する(たとえば、対応表示画像61cをすべて「○」の形状の表示態様で表示する等)制御例。
(3) 可動表示装置96の対応表示領域960で表示される対応表示画像61bと表示位置が異なる対応表示画像61cを対応表示領域96aで表示する制御例。
(4) 可動表示装置96の対応表示領域960で表示される対応表示画像61bと表示色が異なる対応表示画像61cを対応表示領域96aで表示する制御例。
(5) 可動表示装置96の対応表示領域960で表示される対応表示画像61bと大きさが異なる対応表示画像61cを対応表示領域96aで表示する制御例。
(6) 可動表示装置96の対応表示領域960との外周の形状が異なる対応表示領域96aを表示する制御例。
(7) 可動表示装置96の対応表示領域960の領域範囲が異なる対応表示領域96aを表示する制御例。
(8) 可動表示装置96の対応表示領域960の内の表示色等の表示態様が異なる対応表示領域96aを表示する制御例。
(9) 可動表示装置96の対応表示領域960での対応表示画像演出に対して、前記(1)〜(8)のうちいずれか複数の事項の組合せが異なる制御例。
このように、可動表示装置96の動作モードで、可動表示装置96が演出表示装置9の前に重なる重複位置に出現する状態で演出表示装置9の当該重複位置において、何も表示されていない状況を回避して、対応表示領域に対応表示画像が表示されることが認識させる(示唆する)ことができる画像であれば、どのような画像で、対応表示領域に対応表示画像を表示する状態を示すようにしてもよい。
また、前述の実施の形態では、可動表示装置96が演出表示装置9の前に重なる重複位置に出現する状態で、可動表示装置96、および、演出表示装置9の当該重複位置において表示する演出としては、前述した対応表示演出の他に、以下のような(1)〜(7)に示すような表示演出も含まれる。
(1) 演出図柄がリーチ状態となったときに、スーパーリーチの演出等の特定の演出を表示領域の大部分を使用して実行するときに、変動表示中の演出図柄を縮小表示して当該重複領域で表示する表示演出。
(2) 遊技中に所定の条件で複数種類のアイテムが収集可能であり、収集したアイテムに応じて所定の特典が遊技者に付与される演出が実行されるときに、収集されたアイテムを当該重複領域で表示する表示演出。
(3) 遊技中にキャラクタ等の所定の画像を用いて遊技の説明をする演出が事項されるときに、当該キャラクタ等の所定の画像を当該重複領域で表示する表示演出。
(4) 遊技中に獲得した遊技球数(出球数)を当該重複領域で表示する表示演出。
(5) 大当り遊技状態中に実行中のラウンド数を示す画像を当該重複領域で表示する表示演出。
(6) 大当り遊技状態中に「右打ち(遊技領域の右側領域へ遊技球を打つという意味)」等の打球を打込むべき遊技案内等の遊技に関する案内情報を示す画像を当該重複領域で表示する表示演出。
(7) パチンコ遊技機1と、インターネット網に接続された管理サーバとを含む構成の遊技システムにおいて、パチンコ遊技機と管理サーバとが2次元コード読み取り機能およびインターネット網への接続機能を備える携帯端末を介してデータのやり取りを行ない、パチンコ遊技機1において、携帯端末(たとえば携帯電話)を所有する遊技者の選択によって自身の過去の遊技履歴を反映させた遊技モードで遊技を行なうことが可能となる遊技モード(携帯連動モード)を実行するときに、遊技履歴に基づく経験値およびレベル表示等のような、自身の過去の遊技履歴に基づく画像を、当該重複領域で表示する表示演出。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態としては、前面飾り部材40において、演出表示装置9を、光を透過可能な透過型の液晶表示装置で構成し、導光板70および演出表示装置9の奥側に、所定の動作が可能な可動物(役物)等のその他の演出装置を設けた例を説明する。その他の演出装置としては、可動物に限らず、ランプ等の発光演出装置、および、さらに別の画像表示装置(たとえば、小型液晶表示器等)等のその他の演出手段を用いてもよい。
演出表示装置9を透過型の液晶表示装置で構成することにより、導光板70および透過型の液晶表示装置を介して、前面飾り部材40の最奥部が視認可能となる。そこで、第2実施形態では、前面飾り部材40における開口部において、演出表示装置9が設けられた位置よりも奥側(後部)の空間内に、ソレノイド等の駆動装置により駆動されて所定の演出動作を実行可能な可動物が設けられる。
このように構成すれば、その可動物は、導光板70および透過型の液晶表示装置を介して、パチンコ遊技機1の前面側から視認することが可能となる。その場合には、可動物の近傍に、可動物の辺りを明るくして可動物を視認しやすくするためのランプ等の発光装置を設けるのが好ましい。また、可動自体にランプ等の発光体を設けて、可動物自体発光させることにより、可動物を視認しやすくしてもよい。このような可動物および発光体は、演出制御用マイクロコンピュータ100により制御される。
このような構成を採用した場合には、導光板70による発光画像表示と、透過型の液晶表示装置による画像表示と、可動物の動作とを組合せた演出を実行するように、特定の演出パターンを設け、たとえば、スーパーリーチ演出の実行、または、大当り遊技演出の実行等の所定の実行条件が成立したときに、そのような組合せによる演出を実行する制御をすればよい。このような演出の一例として、図18に示したような導光板演出において、さらに可動物を動作させる演出を実行すればよい。その場合には、導光板演出で導光板70において発光表示される画像と、可動物自体または可動物の動作とに特定の関連制御を持たせることが望ましい。
このような第2実施形態によれば、演出表示装置9における透過液晶の後方に、可動物等の他の演出手段が配置されたことにより、演出の多様性を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態としては、演出表示装置9として、3次元画像を表示可能な表示装置を用いる例を説明する。
3次元画像を表示可能な演出表示装置9としては、視差バリア、スイッチ液晶 、 およびTFT(Thin Filem Transistor)液晶 とを含み、表示画面中の表示物を2次元表示と3次元表示とのいずれかで表示することが可能な表示装置を用いればよい。なお、3次元表示のみを行なう表示装置を演出表示装置9として設けてもよい。また、TFT液晶に代えて、TNまたはSTN(Super−Twisted Nematic)液晶を用いてもよい。
このような第3実施形態によれば、演出表示装置9が3次元画像を表示可能であることにより、例えば第1実施形態の導光板を用いた演出と組合せることによって、演出の多様性を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態を説明する。第4実施形態としては、演出表示装置9の表示態様を、導光板70の表示態様に対応する表示態様とし、導光板70における表示実行領域を増加させることに応じて、演出表示装置9における表示実行領域を増加させる制御を行なう例を説明する。
図23は、第4実施形態による導光板演出の制御タイミングの一例を示すタイミングチャートである。図23においては、図19(a)〜(e)に示した項目の他に、図23(f)に導光板70の上部領域71aで発光表示される画像に対応して演出表示装置9で表示される上部対応画像の表示状態(表示、停止)、図23(g)に導光板70の下部領域71cで発光表示される画像に対応して演出表示装置9で表示される下部対応画像の表示状態(表示、停止)、および、図23(h)に導光板70の中部領域71bで発光表示される画像に対応して演出表示装置9で表示される中部対応画像の表示状態(表示、停止)が示されている。また、図19(e)に示した可動表示装置96の画像の表示状態は、図23(i)に示されている。
図23に示した制御タイミングが、図19に示した制御タイミングと異なる点を以下に説明する。図23(e)の演出表示装置9における下側の境界部画像95bが、上側の境界部画像95aの表示タイミングよりも遅いタイミングで表示される。具体的に、下側の境界部画像95bは、図23(b)に示す導光板70の下部領域71cが発光したことに対応して、表示される。これにより、下側の境界部画像95bは、導光板70の下部領域71cが発光したことにより境界部画像95bを表示する必要が生じたタイミングで表示するようにでき、無駄な制御を省略することが可能となる。なお、下側の境界部画像95bは、図19に示す場合と同様に、上側の境界部画像95aの表示タイミングと同じタイミングで表示するようにしてもよい。
また、図23(f)に示されるように、演出表示装置9において、上部対応画像が、導光板70の上部領域71aで上部発光画像701が発光表示されたことに応じて、表示開始される。上部対応画像は、たとえば、上部発光画像701と同様の画像を液晶表示形式でフルカラー表示した画像であり、導光板70および演出表示装置9を正面視した場合に、上部発光画像701と重なるような表示位置に表示される。また、図23(g)に示されるように、演出表示装置9において、下部対応画像が、導光板70の下部領域71cで下部発光画像703が発光表示されたことに応じて、表示開始される。下部対応画像は、たとえば、下部発光画像703と同様の画像を液晶表示形式でフルカラー表示した画像であり、導光板70および演出表示装置9を正面視した場合に、下部発光画像703と重なるような表示位置に表示される。また、図23(h)に示されるように、演出表示装置9において、中部対応画像が、導光板70の中部領域71bで中部発光画像702が発光表示されたことに応じて、表示開始される。中部対応画像は、たとえば、中部発光画像702と同様の画像を液晶表示形式でフルカラー表示した画像であり、導光板70および演出表示装置9を正面視した場合に、中部発光画像702と重なるような表示位置に表示される。
このように表示された上部対応画像、中部対応画像、および、下部対応画像のそれぞれは、スーパーリーチに発展する演出が実行されるときには、導光板70において、対応する上部発光画像701、中部発光画像702、および、下部発光画像703が消去された後も、表示され続け、スーパーリーチの発展演出に継続して用いられる。一方、スーパーリーチに発展しない演出が実行されるときには、導光板70において、対応する上部発光画像701、中部発光画像702、および、下部発光画像703が消去されることに応じて、表示された上部対応画像、中部対応画像、および、下部対応画像のそれぞれも消去される。
このように、演出表示装置9においては、上部対応画像、中部対応画像、および、下部対応画像を表示することにより、演出表示装置9の表示態様を、導光板70の発光表示画像の表示態様に対応する表示態様とすることができる。そして、導光板70において発光表示による表示実行領域が増加されることに応じて、演出表示装置9の表示実行領域を増加させる制御を行なうことができるようになる。
なお、スーパーリーチに発展する演出が実行されるときにおける上部対応画像、中部対応画像、および、下部対応画像のそれぞれは、スーパーリーチの発展演出に継続して用いられず、たとえば、所定の予告演出等のその他の演出に用いられるようにしてもよい。また、スーパーリーチに発展する演出が実行されないときにおける上部対応画像、中部対応画像、および、下部対応画像のそれぞれは、対応する上部発光画像701、中部発光画像702、および、下部発光画像703が消去された後も所定期間継続して表示され、ノーマルリーチの演出等のその他の演出に用いられるようにしてもよい。
以上に説明した第4実施形態では、演出表示装置9の表示態様が導光板70の表示態様に対応する表示態様とされ、導光板70における表示実行領域を増加させることに応じて、演出表示装置9における表示実行領域を増加させる制御が行なわれるので、演出表示装置9を用いて演出の演出効果を向上させることができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図18および図19に示すように、導光板70において上部領域71a、中部領域71b、および、下部領域71cのような分割領域で表示が行なわれるときに、演出表示装置9において、分割領域間の境界部に対応する位置で、当該境界部を示す境界部画像95a,95bの表示が行なわれるので、導光板70において分割領域で表示が行なわれるときの演出効果の低下を抑制することができる。
(2) 演出表示装置9の前に可動表示装置96が重なる重複位置関係において、演出表示装置9における可動表示装置96と重なる表示領域で、対応表示領域960および対応表示画像61bのような特定画像と同様の対応表示領域96aおよび対応表示画像61cのような特別画像を表示させる表示制御が行なわれるので、可動表示装置96の故障等の不具合により可動表示装置96が動作せずに、演出表示装置9の前に可動表示装置96が重なる重複位置関係とならない異常状態が生じたときでも、これら2つの表示手段を用いた表示制御と同様の表示制御を行なうことができる。
(3) 図19および図20に示すように、可動表示装置96において、導光板70に表示される画像とは異なる画像を表示させる表示制御が行なわれるので、演出の多様性を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 第2実施形態に示すように、演出表示装置9の透過液晶の後方に可動物等の他の演出手段が配置されたことにより、演出の多様性を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 第3実施形態に示すように、演出表示装置9が3次元画像を表示可能であることにより、演出の多様性を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(6) 第4実施形態に示すように、演出表示装置9の表示態様が導光板70の表示態様に対応する表示態様とされ、導光板70における表示実行領域を増加させることに応じて、演出表示装置9における表示実行領域を増加させる制御が行なわれるので、演出表示装置9を用いた演出の演出効果を向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、可動体として画像表示が可能な可動表示装置96を用いた例を示したが、可動体における画像表示部は、可動体の一部の領域に設けられてもよく、可動体の全体の領域に設けられてもよい。また、そのような可動体は、透光性の画像表示部(画像表示部が透明または半透明であり、画像表示部の表側から裏側を透視可能な透過型の表示装置(たとえば、液晶表示装置、有機エレクトロルミネセンス表示装置等)を備えるものであってもよい。
(2) 前述した実施の形態では、可動表示装置96よりなる可動体の移動制御に応じて、演出表示装置9での保留記憶画像と、および、背景画像のような所定の演出画像を移動させる表示制御を行なう例を示した。このように演出表示装置9で保留記憶画像および演出画像を移動させる表示制御を実行するタイミングは、可動体の移動制御の動作開始と同時、可動体の移動制御の動作開始時から所定時間前(数秒程度)、および、可動体の移動制御の動作開始時から特定時間後(数秒程度)のいずれのタイミングであってもよい。具体的には、可動体の移動に応じて、結果的に保留記憶画像の全部が視認可能となるタイミングであれば、いずれのタイミングであってもよい。
(3) 前述した実施の形態では、可動表示装置96の移動制御に応じて、可動表示装置96の対応表示領域960において対応表示画像を表示する制御を実行する例を示した。しかし、これに限らず、演出表示装置9の所定の表示領域に対応表示領域60を移動させることにより、可動表示装置96において対応表示画像を表示する制御を実行しないようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態では、可動表示装置96の移動制御に応じて、可動表示装置96の対応表示領域960において対応表示画像を表示する制御を実行するときに、演出表示装置9において対応表示領域60を表示しない例を示した。しかし、これに限らず、可動表示装置96の対応表示領域960において対応表示画像を表示する制御を実行するときには、演出表示装置9において対応表示領域60を継続して表示するようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態では、導光板演出をスーパーリーチの発展演出時に実行する例を説明した。しかし、これに限らず、前述した導光板演出は、たとえば、大当り遊技状態中のラウンド数の増加演出(たとえば、ラウンド数が当初報知されたラウンド数よりも増加するか否かを示唆する演出)等のその他の演出実行時に行なわれるようにしてもよい。その場合には、可動表示装置96において、導光板70および演出表示装置9とは異なる表示として、現在のラウンド数を表示すればよい。
(6) 前述した実施の形態では、導光板70および演出表示装置9とは異なる表示をする表示装置として、可動表示装置96を一例として示した。しかし、これに限らず、導光板70および演出表示装置9とは異なる表示をする表示装置としては、可動式の表示装置ではなく、遊技盤7または遊技枠等の所定の位置に固定的に設けられた表示装置を用いてもよい。
(7) 前述した実施の形態では、導光板70および演出表示装置9とは異なる表示をする表示装置として、可動表示装置96を用いる例を説明した。しかし、これに限らず、導光板70および演出表示装置9とは異なる表示をする表示装置を設けない構成を採用してもよい。
(8) 前述した実施の形態では、導光板70として、1種類の発光画像を表示可能なものを説明した。しかし、これに限らず、導光板70としては、複数種類の発光画像を表示可能であり、複数種類のうちからいずれか1種類の発光画像を選択することが可能な構成の導光板を設けてもよい。
(9) 前述した実施の形態では、導光板70を1枚だけ、演出表示装置9の前方に設けた例を示した。しかし、これに限らず、導光板70としては、発光画像が異なる複数枚の導光板を演出表示装置9の前方に所定間隔を隔てて重ねた態様で設けてもよい。
(10) 前述した実施の形態では、導光板70と演出表示装置9とが別々の部品として前面飾り部材40に取付けられる構成を説明した。しかし、これに限らず、導光板70(導光板上発光LED70a、導光板中発光LED70b、および、導光板下発光LED70cを含む)と演出表示装置9とをユニット化した表示装置が前面飾り部材40に取付けられる構成を採用してもよい。
(11) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(12) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(13) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(14) また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、前述した実施の形態に示した各種演出は、スロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。具体的には、スロットマシンにおいて設けられた演出表示装置等の表示装置において、演出を実行するようにしてもよい。
(15) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(16) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(17) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。