以下、図面を参照しながら、本発明に係る弾球遊技機の実施形態について詳細に説明する。
<1.構成の概要:図1、図2>
図1は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す正面側の斜視図である。
図示のパチンコ遊技機1は、矩形状の外枠4と、この外枠4の左右一側、たとえば左側のヒンジ2aを介して縦軸心廻りに開閉および着脱自在に枢着された前面枠2とを備えている。
前面枠2には、その上部側に遊技盤3が配設され、また下部側には、ロータリソレノイドで打撃槌を駆動して遊技球を発射する発射手段としての発射ユニットが配設されている。また、この前面枠2の前側において、上部側の遊技盤3の前側を覆うようにガラス扉6が配置されると共に、そのガラス扉6の下側において、発射ユニットの前側を覆うように下部開閉扉(前面操作パネル)7が配置され、それぞれヒンジ2aと同じ側のヒンジにより開閉および着脱自在に前面枠2に枢着されている。ガラス扉6には、遊技盤3の遊技領域3aに対応してガラス窓が設けられ、また下部開閉扉7には、遊技球払い出し装置19(図3)から払い出された遊技球を貯留して発射ユニットに供給する上受け皿9、その上受け皿9が満杯のときに余剰球を貯留する下皿、発射ユニットを作動させるために操作する発射操作ハンドル15等が設けられている。
上受け皿9は上受け皿ユニット8として設けられており、この上受け皿ユニット8には、球貸しボタン11およびプリペイドカード排出ボタン(カード返却ボタン)12が設けられている。上受け皿9の表面部分には押しボタン式の枠演出ボタン13が演出用操作手段として設けられている。また上受け皿9には、上受け皿9に貯留された遊技球をパチンコ遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14が設けられている。
また、前面枠2の上部両側と発射操作ハンドル15の上側には、効果音を発生するスピーカ46が設けられている。またさらに、ガラス扉6の各所には、光の装飾により演出効果を現出する装飾ランプ45が設けられている。
次に図2を参照して、遊技盤3について説明する。遊技盤3は、略正方形状の木製合板または樹脂板を主体として構成されている。この遊技盤3には、図2に示すように、発射ユニットから発射された遊技球を案内する球誘導レール5が盤面区画部材として環状に装着されており、この球誘導レール5取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域3aとなっている。この遊技領域3aの略中央部には、たとえば3つ(左、中、右)の表示エリア(図柄変動表示領域)において、独立して数字やキャラクタや記号などによる複数の装飾図柄(たとえば、左図柄(左表示エリア対応)、中図柄(中表示エリア対応)、右図柄(右表示エリア対応))の変動表示および停止表示が可能である画像表示装置としての液晶表示装置36(LCD:Liquid Crystal Display)が、遊技盤3の裏側に配設されている。この液晶表示装置36は、後述する演出制御部24の制御の下で種々の演出を画像により表示することが可能であり、後述する第1、第2装飾図柄表示手段(図柄変動表示装置)、第1、第2特別保留個数表示手段(特別保留個数表示器)363a、363b、予告演出画像表示手段、発射誘導情報表示手段等として働く。
なお、本実施形態では液晶表示装置36により上記諸々の画像を表示しているが、これに限らず、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)、電子ペーパディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic ElectroLuminescent Display)などで、それらの画像表示装置を構成しても良い。
遊技領域3a内には、上記液晶表示装置36の表示面の周りを遠巻きに囲繞する形でセンターケース(センター飾り)48が設けられている。センターケース48は、周囲の遊技球から液晶表示装置36の表示面を保護すると共に、遊技球の打ち出しの強さまたはストローク長により、遊技球の流路を左右に分けることを可能とする部材であり、センターケース48の存在によって遊技領域3a内の上部両側(左側と右側)に遊技球の流路が形成されるように、遊技領域3aのほぼ中央部に配置されている。ただし、この実施形態の場合、センターケース48は少し右側に膨出した形となっている。
センターケース48は、遊技盤3の前面側に沿って設けられかつ固定ねじ等により遊技盤3に固定される前面装着板48aと、センターケース48の外周囲を形成し液晶表示装置36の表示画面360を取り囲む鎧枠部48bとを一体に備えている。鎧枠部48bは、その略全体が前面装着板48aから前側に突出しており、その内側、すなわち液晶表示装置36側への遊技球の侵入を阻止するようになっている。センターケース48の上面と球誘導レール5との間には遊技球が通過可能な遊動領域が形成され、右側へも遊技球が案内されるようになっている。発射ユニットにより遊技領域3aの上部側に打ち込まれた遊技球は、この鎧枠部48bの上部側で左右に振り分けられ、センターケース48の左側の左流下経路3bと右側の右流下経路3cとのいずれかを流下する。
なお図示していないが、センターケース48には、液晶表示装置36の前側下部に、鎧枠部48bの左側部に設けられた入球口(図示せず)から入球した遊技球を左右方向に自由に転動させて、左右方向中央の落下口またはその左右両側から落下させるステージが設けられている。
液晶表示装置36の下方には、上始動口34(第1特別図柄始動口)と、下始動口35(第2特別図柄始動口)を備える普通変動入賞装置41とが上下に設けられ、それぞれの内部には、遊技球を検出する検出センサ34a、35a(上始動口センサ34a、下始動口センサ35a:図3参照)が設けられている。
第1特別図柄始動口である上始動口34は、第1特別図柄表示装置38aによる図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段を有しない非作動式入賞装置により構成されている。なお、遊技領域3a内の遊技釘の配置(図示せず)等により、この上始動口34へは、左流下経路3bを流下してきた遊技球(センターケース48のステージを経た遊技球を含む)の入賞が可能であるのに対し、右流下経路3cを流下してきた遊技球については、入賞不可能または入賞困難となっている。
第2特別図柄始動口である下始動口35は、第2特別図柄表示装置38bによる図柄変動を開始させるためのもので、可動翼片47により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な作動式入賞装置(普通変動入賞装置)41により構成されている。すなわち、下始動口35には、左右一対の可動翼片(可動部材)47が下始動口35を開放または拡大可能に設けられ、いわゆる「チューリップ型」の電動役物(普通変動入賞装置41)を構成している。この普通変動入賞装置41は、可動翼片47の非作動時には、下始動口35への入賞が困難または不可能となるように閉じた状態(始動口閉状態)が保持されている。そして普通図柄表示装置39による普通図柄の変動後の停止図柄が当り態様となって普通利益状態が発生したときには、可動翼片47が所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。
上記下始動口35の下方には、開放扉42bにより下大入賞口40(第1大入賞口)を開放または拡大可能に構成した下特別変動入賞装置(第1特別変動入賞装置)42が設けられており、その内部には遊技球を検出する下大入賞口センサ42a(図3参照)が形成されている。
また遊技領域3aには、下特別変動入賞装置42の左側に3つ、右側に1つ、計4つの一般入賞口43が配設されており、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ43a(図3参照)が形成されている。
センターケース48の右上側つまり右流下経路3cの中間部より上部側には、遊技球が通過可能な通過ゲートからなる普通図柄始動口37が配設されており、その内部には、通過する遊技球を検出して普通図柄表示装置39による普通図柄の変動表示を開始させる普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が配設されている。
また、右流下経路3c内の普通図柄始動口37から普通変動入賞装置41および下特別変動入賞装置42へかけての経路途中には、右大入賞口(第2大入賞口)50を突没式の開放扉51で開閉可能に構成した特別変動入賞装置(第2特別変動入賞装置)52が配設され、その内部には、入賞球を検出する右大入賞口センサ50a(図3参照)が配設されている。
右大入賞口50の周囲は、遊技盤3の表面から膨出した膨出部53となっており、この膨出部53の上辺53aが右流下経路3cの下流案内部を形作っている。そして右大入賞口50の開放扉51が、閉成時には、この膨出部53の上辺53aと連続する面を形成することによって、右流下経路3cの下流案内部(上辺53a)の一部を形作るようになっている。また右流下経路3cの下流域には、膨出部53の上辺53aの上方の領域、正確には右大入賞口50の上方の遊技領域において、遊技球の流下方向にほぼ平行に流路修正板53bが突設されており、流下する遊技球を右大入賞口50の方向に寄せる働きをするようになっている。
右大入賞口50への遊技球の入球過程は次のようになる。センターケース48の上面と球誘導レール5との間の上記遊動領域を通過した遊技球は、遊技盤3より突出していて遊技球のガイドとして機能する膨出部53の頂面(上辺)53a上に沿って流下して来る。そして、その遊技球が遊技盤3面から突出している流路修正板53bの右端に接触し、これにより、当該遊技球の流下方向は右大入賞口50の方向(下方向)に修正される。このとき、突没式の開放扉51により右大入賞口50が蓋をされている状態(右大入賞口閉鎖状態)であれば、この上を遊技球が転動して、さらに図示しない所定配列の誘導釘により、チューリップ式の普通変動入賞装置41および下特別変動入賞装置42の方向に導かれる。他方、開放扉51が遊技盤面内に後退していて右大入賞口50が開いている状態(右大入賞口開放状態)であれば、遊技球が右大入賞口50内に導かれることになる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、通常遊技状態において遊技者が右特別変動入賞装置52側に発射位置を狙い定めた場合、上始動口34側には遊技球が誘導されないような構成となっている。したがって、右大入賞口閉鎖状態であれば、普通変動入賞装置41の可動翼片47が作動しない限り、各始動口34、35への入賞は困難または不可能とされるようになっている。
上記した入賞手段が左右の流下経路のいずれに属するか、つまり左流下経路3bまたは右流下経路3cのいずれを流下する遊技球が入賞可能であるかについて分類すると、左流下経路3bに属する入賞手段としては、上始動口34、下始動口35、下大入賞口40、および左側の3つの一般入賞口43がある。また、右流下経路3cに属する入賞手段としては、普通図柄始動口37、下始動口35、右大入賞口50、下大入賞口40、および右側の1つの一般入賞口43がある。
下始動口(第2特別図柄始動口)35は、可動翼片47が開いた状態であれば、左流下経路3bおよび右流下経路3cの双方に属し、左右のいずれの流下経路からも入賞が可能となっている。しかし、下始動口35の可動翼片47は、右側の普通図柄始動口37に入賞して抽選に当選した場合でないと開かないので、実質的には右流下経路3cにのみ属すると言える。
また上始動口(第1特別図柄始動口)34については左流下経路3bのみまたは概ね左流下経路3bに属し、右流下経路3cからの遊技球については入賞が不可能または困難となっている。すなわち、遊技領域3a内の障害釘や誘導釘などの遊技釘その他の遊技部品の配置は、左流下経路3bを流下して来た遊技球(センターケース48のステージを経た遊技球を含む)については、これを上始動口34へ誘導し得るが、右流下経路3cを流下してきた遊技球については、これを上始動口34へ誘導しないまたは誘導困難、という誘導路を形成するように配設されている。また、下大入賞口40については左流下経路3bおよび右流下経路3cの双方に属し、左右のいずれの流下経路からも入賞が可能となっている。しかし右大入賞口50については左流下経路3bのみに属し、右流下経路3cからの遊技球だけが入賞可能となっている。
これらの入賞口に設けられた第1、第2特別図柄始動口センサ34a、35a、普通図柄始動口センサ37a、下大入賞口センサ40a、右大入賞口センサ50a、一般入賞口センサ43aは、上記入賞手段へ入球した遊技球を検出する入賞検出スイッチである。これらの入賞検出スイッチは、フォトスイッチや近接スイッチなどの無接点スイッチや、マイクロスイッチなどの有接点スイッチで構成することができる。
本実施形態のパチンコ遊技機1においては、これら入賞口のうち、普通図柄始動口37以外の入賞口への入賞があった場合には、各入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの賞球数(たとえば、上始動口34および下始動口35は3個、下大入賞口40は13個、右大入賞口50は13個、一般入賞口43は10個)が遊技球払出装置19(図3参照)から払い出されるようになっている。上記の各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。ここで「入賞」とは、入賞口がその内部に遊技球を取り込んだり、入賞口が遊技球を内部に取り込む構造ではなく、通過型のゲートからなる入賞口(たとえば、普通図柄始動口37)である場合は、そのゲートを遊技球が通過したことをいい、実際には入賞口ごとに形成された各入賞検出スイッチにより遊技球が検出された場合、その入賞口に遊技球が「入賞」または「入球」したものとして扱われる。この入賞にかかる遊技球を「入賞球」とも称する。
また、遊技領域3aの右上縁付近には、7セグメント表示器(ドット付)を上始動口34と下始動口35に対応させて横に並べて構成される特別図柄表示装置38a(第1特別図柄表示装置)および特別図柄表示装置38b(第2特別図柄表示装置)が設けられ、また複数個のLEDを配置してなる普通図柄表示装置39が設けられている。
また、遊技領域3aには、遊技球の落下方向変換部材としての風車44や複数の遊技釘(図示せず)、複数の発光装置(ランプ、LEDなど:図示せず)などが適宜配設されている。さらに遊技盤3の両側端部近傍にも、装飾ランプ45などのランプ表示装置やLED装置が配設されている。
<2.動作の概説>
(2−1.変動表示ゲーム)
パチンコ遊技機1では、所定の始動条件、具体的には、遊技球が上始動口34または下始動口35に入賞したことを条件に、主制御部20(図3参照)において乱数抽選による大当り抽選が行なわれる。この抽選結果に基づき、7セグにより表現される特別図柄(大当り抽選結果を報知するための識別図柄)を特別図柄表示装置38aまたは特別図柄表示装置38bに変動表示させて特別図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置に表示する。
ここで本実施形態では、上始動口34への入賞に基づく大当り抽選と下始動口35への入賞に基づく大当り抽選とは、独立して行われる。このため、上始動口34に関する大当り抽選結果は第1特別図柄表示装置38a側で、他方、下始動口35に関する大当り抽選結果は第2特別図柄表示装置38b側で導出表示されるようになっている。
なお本明細書中では、第1特別図柄表示装置38a側の特別図柄を「第1特別図柄」と称し、第2特別図柄表示装置38b側の特別図柄を「第2特別図柄」と称する。また、特別図柄表示装置38a側の特別図柄変動表示ゲームを「第1特別図柄変動表示ゲーム」と称し、特別図柄表示装置38b側の特別図柄変動表示ゲームを「第2特別図柄変動表示ゲーム」と称する。ただし、特に必要のない限り、第1特別図柄と第2特別図柄とを単に「特別図柄」と総称し、また「第1特別図柄変動表示ゲーム」と「第2特別図柄変動表示ゲーム」とを単に「特別図柄変動表示ゲーム」と総称する。
第1特別図柄表示装置38aは上始動口34が遊技球を検出することを条件に、また第2特別図柄表示装置38bは下始動口35が遊技球を検出することを条件に、それぞれ第1、第2特別図柄を所定時間変動表示して特別図柄変動表示ゲームが開始され、それら始動口34、35への入賞時に取得された大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には所定の大当り態様で、それ以外の場合には外れ態様で、それぞれ停止するようになっている。この第1、第2特別図柄は、たとえば数字図柄等ではなく、それ自体としては特別な意味を持たない線と点の組み合わせ等よりなる複数種類の図柄で構成され、それらの図柄のうちの1または複数が大当り態様、それ以外が外れ態様に設定されている。
また上述の特別図柄変動表示ゲームが開始されると、これに伴い、装飾図柄を液晶表示装置36に変動表示させる装飾図柄変動表示ゲームが開始され、これに付随して種々の演出が現出される。そして、特別図柄表示装置38aまたは特別図柄表示装置38bに抽選結果が表示されると、液晶表示装置36にも装飾図柄によりその結果が表示されるようになっている。すなわち、この装飾図柄変動表示ゲームでは、特別図柄変動表示ゲームでの抽選結果を反映させた演出表示、つまり大当り抽選結果を反映させた演出が現出される。
たとえば特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」である場合、装飾図柄変動表示ゲームの結果も「大当り」を反映させた演出が現出される。特別図柄表示装置38には、大当りを示す特別図柄が所定の表示態様(たとえば、7セグが「7」の表示状態)で停止表示される一方、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、当り有効ライン上で装飾図柄が上記大当り抽選結果を反映させた所定の表示態様(たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアの装飾図柄が「7」「7」「7」となる表示状態)で停止表示される。
この「大当り」となった場合、特別変動入賞装置42が備える下大入賞口ソレノイド42c(図3参照)が作動して開放扉42bが開閉動作を行い、これにより下大入賞口40が所定パターンで開閉制御されるか、または特別変動入賞装置52が備える右大入賞口ソレノイド52c(図3参照)が作動して開放扉52bが開放動作を行い、これにより右大入賞口50が所定パターンで開閉制御されて、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、大入賞口の開放時間が所定時間(あらかじめ定められた最大開放時間:たとえば、29.8秒)経過するまでか、または大入賞口に所定個数(最大入賞数(役物の1回の作動によりその入口が開き、または拡大した入賞口に入賞する遊技球数の最大値:たとえば、9個)の遊技球が入賞するまで開放され、いずれかを満たしたことを条件に大入賞口が閉鎖される、といったラウンド遊技があらかじめ定められた規定回数(たとえば、最大15ラウンド)繰り返される。
上記大当り遊技が開始すると、最初に大当りが開始された旨を報知するオープニング演出が行われ、オープニング演出が終了した後、大入賞口が開放されるラウンド遊技があらかじめ定められた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。また、ラウンド遊技中は、各ラウンド対応するラウンド演出が行われる。そして、規定ラウンド数終了後には、大当りが終了される旨を報知するエンディング演出が行われ、これにより大当り遊技が終了する。
このように、特別図柄変動表示ゲームと装飾図柄変動表示ゲームとは、図柄遊技時間(変動表示の開始タイミングから停止表示のタイミング)とがほぼ同じとなり、特別図柄変動表示ゲームの結果を反映したものが装飾図柄変動表示ゲームにおいて表現されることとしているので、この2つの図柄変動表示ゲームを等価的な図柄遊技と捉えることもできる。本明細書中では、説明の便宜上、上記2つの図柄変動表示ゲームを単に「図柄変動表示ゲーム」と称する場合がある。
また、遊技球が右流下経路3cの普通図柄始動口37を通過したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による補助当りに関する抽選(補助当り抽選)が行なわれる。この抽選結果に応じてLEDにより表現される普通図柄を普通図柄表示装置39に変動表示させて普通図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果をLEDの点灯と非点灯の組合せにて停止表示するようになっている。たとえば、普通図柄変動表示ゲームの結果が「補助当り」であった場合、普通図柄表示装置39の表示部を特定の点灯状態(たとえば、2個のLED39が全て点灯状態、または「○」と「×」のLEDのうち「○」側のLEDが点灯状態)にて停止表示させる。
そして上記「補助当り」となった場合には、普通電動役物ソレノイド41c(図3参照)が作動し、上記可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35が開放または拡大されて遊技球が流入し易い状態(始動口開状態)となり、通常遊技状態よりも遊技者に有利な補助遊技状態(以下、「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47が所定時間(たとえば、0.2秒)開放して下始動口35が開放されるか、または所定個数(たとえば、4個)の遊技球が入賞するまで開放され、その後、所定時間(たとえば、0.5秒)可動翼片47が閉まって下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、1回)繰り返されるようになっている。なお、普電開放遊技中に遊技球が下始動口35に入賞した場合にも、同様に上記特別図柄変動表示ゲームが行なわれ、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが行なわれる。
ここで、特別図柄変動表示ゲーム中、普通図柄変動表示ゲーム中、大当り遊技中、または普電開放遊技などの最中に、さらに上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aもしくは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力があり、始動条件が成立した場合には、この検出信号に基づいて当り抽選に利用する遊技情報(大当り判定用乱数など)を取得し、これを各変動表示ゲームを行わせるための始動権利に関するデータ(保留データ)として、変動表示中にかかわるものを除き、所定の上限値である最大保留記憶数(たとえば、最大4個)まで保留記憶可能となっている。この保留記憶に係る入賞球は、いわゆる「作動保留球」とも称される。
この作動保留球数を遊技者に明らかにするため、パチンコ遊技機1の適所に設けた保留表示器、または液晶表示装置36による画面中にアイコン画像として設けた保留表示器を点灯表示させる。通常は、この保留記憶の発生順に、各保留記憶に対する変動表示ゲームが実行される。本実施形態では、上記最大保留記憶個数と同数の4個を上限の所定個数として扱い、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する保留記憶をそれぞれ4個まで記憶し、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留する。
本実施形態では、図7に示すように、特別図柄1、特別図柄2に関する保留表示器として、特別図柄1に対応する4個の第1特別保留個数表示器363aと、特別図柄2に対応する4個の第2特別保留個数表示器363bとを、液晶表示装置36の画面中にアイコン画像で表示するようにしている。
(2−2.遊技状態)
本実施形態のパチンコ遊技機は、複数種類の遊技状態を発生可能に構成されている。先ず、本発明の理解を容易なものとするために、種々の遊技状態の発生に関連する機能(手段)について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20(CPU201)がその機能部を担う「確率変動(以下、「確変」と称する)機能」を備えている。これには特別図柄に係る確変機能(以下、「特別図柄確変機能」と称する)と普通図柄に係る確変機能(以下、「普通図柄確変機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄確変機能は、大当りの抽選確率を所定確率(通常確率)の低確率(たとえば、299分の1)から高確率(たとえば、29.9分の1)に変動させて、通常遊技状態よりも有利な「高確率状態」を発生させる機能である。この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態(高確率状態)下では、大当り抽選確率が高確率となることから、大当りが生起され易くなる。したがって、遊技者が期待する遊技状態は、この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態であるといえる。
普通図柄確変機能は、補助当り抽選確率が所定確率(通常確率)である低確率(たとえば、10分の1)から高確率(たとえば、1.3分の1)に変動させて、通常遊技状態よりも有利な「補助当り確変状態」を発生させる機能である。この普通図柄確変機能が作動中の遊技状態(補助当り確変状態)下では、補助当り抽選確率が高確率状態となることから補助当りが生起され易くなり、普電開放遊技が頻繁に発生して、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄確変機能の作動開始条件は、後述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「変動時間短縮(以下、「時短」と称する)機能」を備えている。これには特別図柄に係る時短機能(以下、「特別図柄時短機能」と称する)と普通図柄に係る時短機能(以下、「普通図柄時短機能」と称する)の二種類がある。
特別図柄時短機能は、1回の特別図柄変動表示ゲームに要する平均時間(特別図柄が変動を開始してから確定表示される迄の時間、つまり、特別図柄の変動時間)を短縮した「特別図柄時短状態」を発生させる機能である。特別図柄時短機能が作動中の遊技状態(特別図柄時短状態)下では、1回の特別図柄変動表示ゲームにおける特別図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、リーチなしハズレ変動に要する平均時間が10秒から3秒に短縮)、通常遊技状態よりも単位時間当りの大当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄の変動表示時間が作動保留球数の違いにより短縮される場合があるが、この場合は、特別図柄時短状態が発生しているわけではなく、他の制御処理によるものである。
普通図柄時短機能は、1回の普通図柄変動表示ゲームに要する平均時間(普通図柄が変動を開始してから確定表示されるまでの時間。つまり、普通図柄の変動時間)を短縮した「普通図柄時短状態」を発生させる機能である。普通図柄時短機能が作動中の遊技状態(普通図柄時短状態)下では、1回の普通図柄変動表示ゲームにおける普通図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、27秒から2.7秒に短縮)、通常遊技状態よりも単位時間当りの補助当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄時短機能の作動開始条件は、上述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。
さらにまた、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「開放延長機能」を備えている。
開放延長機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47を開動作させる期間およびその開放回数を延長した「開放延長状態」を発生させる機能である。この開放延長状態は、いわゆる「電チューサポート状態」と称される。上記開放延長機能が作動中の遊技状態(開放延長状態)下では、可動翼片47の開動作期間(始動口開状態時間)が、たとえば0.2秒から2秒に延長され、またその開閉回数が、たとえば1回(開放延長機能が非作動中のとき)から2回(開放延長機能が作動中のとき)に延長され、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、開放延長機能の作動開始条件は、上述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。したがって、開放延長状態中は、普通図柄確変機能および普通図柄時短機能も作用するため、可動翼片47の作動率が著しく向上した遊技状態が発生する。
以上のような各機能を1または複数種類作動させることにより、遊技機の内部的な遊技状態に変化をもたらすことができる。ここで本実施形態では、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能の作動開始条件は、特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件としていることから、各機能が同じ契機にて動作することになる。以下では、説明の便宜上、特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動する遊技状態を「確変状態」と称し、これらの機能のうちから特別図柄確変機能を除去した遊技状態を「時短状態」と称し、特別図柄確変機能のみが作動する遊技状態を「潜伏確変状態(潜確または潜確状態)」と称し、全機能が作動中でない(非作動)状態を「通常遊技状態」と称する。したがって、これらの遊技状態における大当り抽選確率に着目すれば、遊技状態が「時短状態」または「通常遊技状態」である場合には少なくとも大当り抽選確率が‘低確率状態’となり、遊技状態が「潜確状態」または「確変状態」の場合においては少なくとも大当り抽選確率が‘高確率状態’となる。
(2−3.高ベース遊技状態)
本実施形態では上記の普通図柄に関する機能、すなわち普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能は、特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっているため、3つの機能が同じ契機にて動作することになる。しかし、上記の普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能を個々に着目した場合、これらの機能のうち少なくともいずれか1つが作動すると、上記の可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となり下始動口35への入賞頻度が高くなることから、遊技状態としては、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高まる「高ベース遊技状態(始動条件向上状態)」となる。なお、ここでいう「高ベース遊技状態」とは、上記のように普通図柄に関する機能が作動する場合の遊技状態をいい、特別図柄に関する機能、すなわち特別図柄確変機能および特別図柄時短機能の少なくともいずれか1つが作動する場合の遊技状態とは異なる。
他方、特別図柄に関する機能(特別図柄確変機能と特別図柄時短機能)を個々に着目した場合、上記特別図柄確変機能が作動する場合には大当り抽選確率が通常遊技状態より高まる「高確率状態」となり、上記特別図柄時短機能が作動する場合には、特別図柄変動表示ゲームの消化時間が通常遊技状態よりも早い「特別図柄時短状態」となる。この点において、特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高くなる上記「高ベース遊技状態」とは区別される。
また本実施形態では上記「高ベース遊技状態」の一例として、開放延長機能が付与された電チューサポート状態を「高ベース遊技状態」として扱う。電チューサポート状態下では、普通変動入賞装置41の可動翼片47の作動率(開放時間や開放回数)が向上して下始動口35への入賞頻度が高くなることから、電チューサポート状態でない場合と比較して、遊技者にとって有利な遊技状態になる。上記電チューサポート状態の有無に着目した場合、遊技状態が「通常遊技状態」または「潜確状態」の場合には‘電チューサポート状態無し(以下、「電サポ無し状態」と称する)’となり、遊技状態が「時短状態」または「確変状態」である場合には‘電チューサポート状態有り(以下、「電サポ有り状態」と称する)’となる。
<3.当りについて>
次に、本実施形態に係るパチンコ遊技機における当りの種類について説明する。
(3−1.当りの種類)
本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記の特別図柄変動表示ゲームで抽選される当りの種類、つまり大当り抽選の対象となる当り種別として、「15R非確変大当り」、「15R確変大当り」、「2R通常(非確変)大当り」および「2R確変大当り」などの複数種類の当りが設けられている。
これらの「15R非確変大当り」、「15R確変大当り」、「2R非確変大当り」および「2R確変大当り」は条件装置の作動契機となる「大当り」種別に属する当りである。ここで「条件装置」とは、その作動がラウンド遊技を行うための役物連続作動装置の作動に必要な条件とされている装置で、特定の特別図柄の組合せが表示され、または遊技球が大入賞口内の特定の領域を通過した場合に作動するものをいう。なお、条件装置の作動契機とならない当り、つまり「非大当り」種別に属する当りとして、いわゆる「小当り」があるが、本実施形態のパチンコ遊技機1では扱っていない。しかし、この「小当り」を当りの種類に含めて扱うこともできる。
上記‘大当り’種別に属する当りのうち、「15R確変大当り」、「2R確変大当り」は、大当り遊技終了後の遊技状態を、高確率状態を伴う特典遊技状態(本実施形態では、確変状態または潜確状態)に移行させる「確変大当り」に属する大当りである。「15R非確変大当り」は、大当り遊技終了後の遊技状態を、低確率状態を伴う特典遊技状態(本実施形態では、時短状態)に移行させる「非確変大当り」に属する大当りとなっている。
(3−2.当り遊技)
次に、各当りによる当り遊技について説明する。
上記15R非確変大当りと15R確変大当りでは、遊技者に有利な特別遊技状態の供与として、右流下経路3cに属する右特別変動入賞装置52(右大入賞口50)の開放動作により大当り遊技が行われる。この大当り遊技では、1回のラウンド遊技中の右大入賞口50の開放時間が30秒(正確には29.8秒)に設定され、そのラウンド遊技数(右大入賞口50の開放回数)が最大規定回数の15ラウンド行われる。
2R非確変大当りと2R確変大当りでは、同じく右流下経路3cに属する右特別変動入賞装置52(右大入賞口50)の開放動作により大当り遊技が行われ、右大入賞口50について2ラウンドの開放が行われる。しかし、これらの2R大当りのうち、2R潜伏確変大当りY2(図6参照)の場合、1回のラウンド遊技中の右大入賞口50の開放時間は上記15R大当りの場合よりも短い0.2秒に設定される。したがって、15R確変大当りは供与する特別遊技状態の利益が相対的に大きい大当りであり、また2R大当り(2R非確変大当りと2R確変大当り)は供与する特別遊技状態の利益が相対的に小さい大当りである。
2R確変大当りは、通常遊技状態中に当選した場合は、その2R大当り遊技後に電サポ無し状態の確変状態に移行する「2R潜伏確変大当り」となり、また、確変状態中または時短状態中に当選した場合は、その2R大当り遊技後に電サポ有り状態の確変状態に移行する「2R突確大当り」となる。そこで、この意味合いを強調する場合は「2R(潜伏/確変)大当り」と記すことにする。
上記の大当り遊技の終了後には、その大当りの種別に応じた特典遊技状態が発生する。具体的には、15R確変大当りでは次回大当りが確定(大当り遊技が発生)するまで「確変状態」が発生し、15R非確変大当りでは、特別図柄変動表示ゲーム回数が所定回数(たとえば、100回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りが確定するまでの間、「時短状態」が発生するようになっている。ここで、確変状態中または時短状態中では、開放延長機能が付与されるので、これら遊技状態は「高ベース遊技状態」となっている。
通常遊技状態中に2R(潜伏/確変)大当りに当選した場合(2R潜伏確変大当りの場合)は、その2R大当り遊技後に、次回大当りとなるまで電サポ無し状態の確変状態(潜伏確変状態)に移行し、また、確変状態中または時短状態中に2R(潜伏/確変)大当りに当選した場合(2R突確大当りの場合)は、その2R大当り遊技後に、次回大当りとなるまで電サポ有り状態の確変状態に移行する。
上記のいずれかの当りに当選した場合、特別図柄表示装置38a、38bにおける特別図柄に関しては、抽選結果をそのまま反映させた特別図柄が表示される。つまり特別図柄表示装置には、当り種別を明らかにする表示態様で特別図柄が表示される。他方、液晶表示装置36には、装飾図柄を用いて特別図柄変動表示ゲームの結果が反映表示されることから、装飾図柄変動表示ゲームについては、必ずしも最初から当り種別が明らかとなる表示態様で装飾図柄を停止表示しなくとも良い。
<4.演出について>
次に、演出について説明する。装飾図柄変動表示ゲーム中、様々な演出が発生しうる。このような演出には、遊技者の大当り当選期待感を煽る演出(煽り演出)として、「リーチ演出」や「疑似連」に代表される煽り演出の他、「背景変化予告演出(背景表示が変化する演出態様)」や「ボタン予告演出(枠演出ボタン13を操作することにより演出に変化をもたらす遊技者参加型の演出態様)」なども含まれる。
リーチ演出とは、リーチ状態を伴う演出態様をいう。リーチ状態とは、装飾図柄変動表示ゲームの結果が導出される前段階において、当該装飾図柄変動表示ゲーム中で導出表示された装飾図柄が大当り発生を示す表示態様の一部を構成している状態で、いまだ導出表示されていない装飾図柄については変動表示が行われている表示態様、換言すれば、大当り発生を示す表示態様が導出されやすいことを遊技者に連想させうる表示態様をいう。
たとえば、装飾図柄の一部(たとえば、左図柄と右図柄)が所定の当り有効ライン上で聴牌状態を導出表示しており、いまだ導出表示されていない装飾図柄(たとえば、中図柄)が、所定時間継続して停止、揺動、または拡大縮小あるいは変形しながら最終結果が表示される前段階で大当り発生の可能性が継続している状態やその様子をリーチ状態という。したがって、たとえ、リーチ状態が形成されても、装飾図柄変動表示ゲームの結果が必ずしも当りとなるとは限らず、導出表示された結果が大当り発生を示す表示態様でない場合には今回のゲーム結果は「ハズレ」となり、装飾図柄変動表示ゲームが終了する。
このリーチ演出には、大当り当選期待度に関連付けられた複数種類のリーチ演出が含まれ、たとえば特定のリーチ状態が出現すると、通常のリーチ状態(ノーマルリーチ)に比べて、大当り発生の信頼度(大当り当選期待度)が高まるものがある。このような特定のリーチ状態をスーパーリーチという。なお、大当り当選期待度が同じあるいは類似するリーチ状態を伴うリーチ演出であっても、一の演出モード下でなされるリーチ演出と他の演出モード下でなされるリーチ演出とで、その呼称が異なる場合がある。また、リーチ演出には、上述のノーマルリーチやスーパーリーチを含む複数種類のリーチ演出が含まれる。以下では、説明の便宜上、リーチ状態に着目して、リーチ演出を単にノーマルリーチやスーパーリーチなどと称する場合がある(図10〜図11参照)。
上記疑似連とは、装飾図柄の疑似連続変動表示状態(以下、「疑似変動」と略す)を伴う演出態様をいう。疑似変動とは、装飾図柄変動表示ゲーム中において、装飾図柄の一部または全部を特定の表示態様で仮停止状態(見た目上、停止表示したかの如く装う変動停止動作)させ、その仮停止状態中の装飾図柄を再び再変動表示させる、といった表示動作を1または複数回繰り返す変動表示態様をいう。この疑似変動を行う場合、通常の装飾図柄に替えて特殊な装飾図柄を1または複数種類含ませて上記特定の表示態様で仮停止させる場合もある。この疑似連は、主に、リーチ演出を期待させる予告演出として利用され、本実施形態では、疑似変動が最大4回(疑似4連)まで繰り返されるようになっている。この疑似変動の回数が相対的に多いほど大当り当選期待度が高まり、たとえば、スーパーリーチへの発展に期待が持てるようになっている。
なお、パチンコ遊技機1による各種の演出は、遊技機に配設された演出手段により現出される。この演出手段は、視覚、聴覚、触覚など、人間の知覚に訴えることができる刺激伝達手段であればよく、いずれも本発明における演出手段として採用することができる。装飾ランプ45やLED装置、スピーカ16、液晶表示装置36などの光発生手段、音響発生装置、演出表示装置、ないし操作者の体に振動を伝える加振装置、あるいは視覚的演出効果がある可動体役物などは、その代表例である。ここで演出表示装置は、画像表示装置と同じく視覚に訴える表示装置であるが、画像によらないもの(たとえば、7セグメント表示器)も含む点で画像表示装置と異なる。画像表示装置と称する場合は主として画像表示により演出を現出するタイプを指し、7セグメント表示器のように画像以外により演出を現出するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。また、遊技者が操作可能な演出手段(手操作手段)に対して振動を与える加振手段を設けたり、通常時は操作可能状態に置き、特定期間中になるとその操作不能状態に置く操作固定化手段を設けたりしても良い。
<5.制御装置:図3>
図3は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の遊技動作制御を行う制御装置の概要を示す制御ブロック図である。
この制御装置は、遊技に係る制御(遊技動作制御)を統括的に司る主制御部(主制御基板)20と、主制御部20から演出制御コマンドを受けて、演出装置による画像と光と音についての演出制御(演出現出制御)を統括的に司る演出制御部(演出制御基板)24と、を中心に構成される。また演出制御部24には、画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。なお本明細書において、演出装置といった場合、液晶表示装置36やランプやLEDや音響発生装置、可動体など、画像や光や音、可動体の動作態様によって演出を行う装置を広く指す。
また、主制御部20には、主制御部20からの各種情報を遊技機外部に出力するための各外部端子を備えた外部集中端子基板21が接続されている。さらまた、主制御部20には払出制御基板29が接続され、これに発射装置32を制御する発射制御基板28および遊技球払出装置19が接続されている。符号31は電源基板であり、電源基板31は外部電源(図示せず)に接続され、変圧トランスから供給される交流電圧(AC24V:メイン電源)から所要の電源を生成し、各制御基板にそれぞれ供給する。なお、図3には電源供給ルートは省略してある。
(5−1.主制御部20)
主制御部20は、CPU201(主制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、ROM202(主制御ROM)と、RAM203(主制御RAM)とを搭載して、全体としてマイクロコンピュータを構成している。ROM202には、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、遊技動作制御に必要となる所定のデータが格納されている。またRAM203は、ワークエリアやバッファメモリとして機能し、遊技進行の際に必要なデータが処理状態に応じて格納されて利用される。また図示はしていないが、主制御部20には、上記各種の抽選に利用される乱数値を生成する乱数発生回路、周期的割り込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を付与するCTC(Counter Timer Circuit:)、およびCPUに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路などが設けられている。
ここでCPU201は、Z80(ザイログ社製またはこれの相当品)のCPUである。Z80は、データバスが8ビット、アドレスバスが16ビットのCPUであるが、広いメモリ空間を必要とせず、その上、高速処理や複雑な数値演算処理も必要としないパチンコ機の制御には最適である。Z80CPUは、主レジスタ(A、F、B、C、D、E、H、L)、補助レジスタ(A’、F’、B’、C’、D’、E’、H’、L’)、専用レジスタ(I、R、IX、IY、SP、PC)に分類されるレジスタを有している。
また主制御部20には、上始動口34への入賞を検出する特別図柄始動口センサ34aと、下始動口35への入賞を検出する特別図柄始動口センサ35aと、普通図柄始動口37の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、下大入賞口40への入賞を検出する下大入賞口センサ40aと、右大入賞口50への入賞を検出する右大入賞口センサ50aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aとが接続され、主制御部20はこれらの各検出信号を受信可能となっている。
また主制御部20には、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通変動入賞装置ソレノイド41aと、下大入賞口40の幅広な開放扉42bを開閉制御するための下特別変動入賞装置ソレノイド42aと、右大入賞口50の幅広な開放扉51を開閉制御するための右特別変動入賞装置ソレノイド52aとが接続され、主制御部20はこれらを励磁制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、特別図柄表示装置38aと特別図柄表示装置38bとが接続され、主制御部20は、特別図柄を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。また、主制御部20には、普通図柄表示装置39が接続され、普通図柄を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、枠用外部集中端子基板21が接続され、遊技進行に関する情報(大当り当選情報や賞球数情報や図柄変動表示ゲームが実行された旨の情報など)を、枠用外部集中端子基板21を介してホールコンピュータHCに送信可能となっている。ホールコンピュータHCは、パチンコホールの遊技機を統括的に管理する管理コンピュータであり、遊技機外部に配設されている。
また主制御部20には、払出制御基板(払出制御部)29が接続されている。払出制御基板29には、発射装置32を制御する発射制御基板(発射制御部)28と、遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置(遊技球払出手段)19とが接続されている。主制御部20は、払出制御基板29に対し、払い出しに関する制御コマンド(賞球数を指定する払出制御コマンド)を送信可能となっている。他方、払出制御基板29は、主制御部20に対し、払い出し動作状態に関する情報(払出状態信号)を送信可能となっている。主制御部20側では、この払出状態信号に基づき、遊技球払出装置19が正常に機能しているか、あるいは賞球の払い出しに不具合が発生していないか(たとえば、玉詰まりや賞球の払い出し不足)などが管理される。
また主制御部20は、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する変動表示ゲームの始動権利としての作動保留球を、それぞれ最大4個まで搭載RAM203に記憶し、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留記憶可能な構成となっている。
また主制御部20は、大当り抽選をするとともに、その抽選結果である当否情報に応じて特別図柄の変動パターンの種類と停止図柄を決定し、少なくともこの変動パターン指定コマンドと停止図柄指定コマンドを作成して演出制御部24に送信する構成となっている。このような主制御部20からの演出制御コマンドは、一方向通信により演出制御部24に送信される。これは、外部からのゴト行為による不正な信号が演出制御部24を介して主制御部20に入力されることを防止するためである。
(5−2.演出制御部24)
演出制御部24は、CPU241(演出制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、ROM242(演出制御ROM)と、RAM243(演出制御RAM)とを搭載したマイクロコンピュータを中心に構成され、その他、音源IC、CTC、および割り込みコントローラ回路などが設けられている。演出制御ROM242には、演出制御手順が記述された演出制御プログラムの他、演出動作制御に必要となる所定のデータが格納されている。またRAM243は、ワークエリアやバッファメモリとして機能し、演出制御コマンドや演出抽選に利用される演出抽選用乱数値や演出状態情報など、遊技に関する演出を現出させるために必要なデータが格納され利用される。
この演出制御部24の主な役割は、主制御部20からの演出制御コマンドの受信、演出態様(演出パターン)の抽選、液晶表示装置36の画像表示制御、スピーカ46の音制御、装飾ランプ45やLEDの発光制御、可動体の可動制御、各種エラーの報知などである。そこで演出制御部24は、光と音についての演出処理を行うため、装飾ランプ45やLEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部と、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部とを備えている。
また演出制御部24は、液晶表示装置36の表示制御を司る表示制御部(図示せず)を備えている。この表示制御部には、液晶表示装置36の表示制御を行うために必要な制御データを生成してVDP(Video Display Processor)に出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの動作手順を記述したプログラムや画像表示制御に必要な所定のデータを格納した液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMとを搭載している。また表示制御部には、液晶制御CPUに接続されて画像展開処理を行うVDPと、VDPが画像展開する必要な画像データを格納した画像データROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAMなども設けられている。
装飾図柄変動表示ゲームに関する情報に関しては、まず主制御部20側が、始動口に遊技球が入賞したことを契機に、具体的には、上始動口34aまたは下始動口センサ35aにより遊技球が検出されて始動条件が成立したことを条件に、「大当り」または「ハズレ」のいずれであるかを抽選する当落抽選と、「大当り」であったならばその当り種別を、また「ハズレ」であったならばそのハズレ種別を抽選する図柄抽選(図柄抽選)とを含む大当り抽選を行う。そして、その抽選結果情報に基づき、特別図柄の変動パターン(たとえば、抽選結果、変動時間、疑似連の有無やその回数、リーチ演出の有無やリーチ演出有りとする場合はその種類に関する情報など)や、最終的に停止表示させる特別図柄(特別停止図柄)を決定する。このとき、処理状態を指定する演出制御コマンドとして、少なくとも上記当落抽選結果および特別図柄の変動パターン情報を含む「変動パターン指定コマンド」と、少なくとも特別停止図柄情報を含む「装飾図柄指定コマンド」とを演出制御部24に送信する構成となっている。これにより、装飾図柄変動表示ゲームに必要とされる基本情報が演出制御部24に送られる。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる上記変動パターン指定コマンドや装飾図柄指定コマンドに含まれる情報に基づき、装飾図柄変動表示ゲーム中に現出すべき演出を複数種類の演出のうちから抽選により決定すると共に、特別図柄の変動パターンのタイムスケジュールに従い装飾図柄の変動表示を開始させる。演出制御部24側では、今回決定した演出シナリオの内容に対応するように、液晶表示装置36または光表示装置45aあるいは音響発生装置46aを制御する。これにより、液晶表示装置36での画像の再生(画像表示演出)と、効果音の再生(音演出)と、装飾ランプ45およびLED等の点灯点滅駆動(光演出)とが実現される。
なお、演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、CPU201は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部24にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号が送信されて来ると、演出制御部24のCPU241は、これに対応して割り込みを発生させ、この割り込み処理によってコマンドを受信する。ストローブ信号はCPU201により、CPU241が確実にコマンドを受信することが可能な所定期間アクティブ状態に制御される。
また、演出制御部24には、演出介入操作手段となる枠演出ボタン13が接続されている。この枠演出ボタン13は遊技者が操作可能な押しボタンからなり、所定のタイミング(たとえば、図柄変動表示ゲーム中、大当り遊技中、デモンストレーション中など)に、その操作が有効とされるようになっている。そして、枠演出ボタン13の操作が有効である場合には枠演出ボタン13に内蔵した図示してないランプが点灯するとともに、枠演出ボタン13の操作が無効である場合には枠演出ボタン13に内蔵したランプが消灯するようになっている。本実施形態の場合、枠演出ボタン13は、図柄変動表示ゲーム中に出現する演出ゲームに遊技者が参加する場合において、遊技者により操作される。
<6.主制御部の機能:図4〜図6>
図4は主制御部20の機能をまとめたブロック図である。主制御部20は、そのCPU201、ROM202、RAM203等からなるコンピュータの働きにより、普通始動口チェック処理手段211、普通乱数取得手段212、普通乱数記憶手段213、普通図柄処理手段214、普通利益状態制御手段215、普通図柄表示制御手段216、第1、第2特別乱数取得手段222、232、第1、第2特別始動口チェック処理手段221、231、第1、第2特別乱数記憶手段223、233、第1、第2特別図柄処理手段224、234、大当り遊技制御手段225、第1、第2特別図柄表示制御手段226、236、特典遊技状態発生手段227、制御コマンド送信手段238として機能する。
普通始動口チェック処理手段211は、普通図柄始動口37による遊技球の検出処理を行う。普通乱数取得手段212は、普通図柄始動口センサ37aが遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成手段(図示せず)で作成された当り判定乱数値を1個取得し、その当り判定乱数値を予め定められた上限保留個数(たとえば4個)を限度として普通乱数記憶手段213に記憶させるように構成されている。なお普通乱数作成手段は、変動後の普通図柄を当り態様とするか否かの判定に用いる「当り判定乱数」を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。
普通図柄処理手段214は、普通図柄の変動表示(普通図柄変動表示ゲーム)に関する処理を行うもので、普通図柄表示装置39が変動表示可能な状態となりかつ普通乱数記憶手段213に1個以上の当り判定乱数値(補助当り用乱数値)が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段213に最も早く記憶された当り判定乱数値を取り出し、その当り判定乱数値(補助当り用乱数値)が予め定められた当り判定値と一致するか否か(補助当り抽選)の結果に応じて当り/外れの判定を行う補助当り判定機能や、当り/外れの判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択する普通停止図柄選択機能や、普通図柄の変動時間を選択する変動時間選択機能等を備えている。
なお本実施形態の場合、普通図柄については、図5に示すように、特典遊技状態中(時短状態中および確変状態中)の当り確率(たとえば1/1.3)がそれ以外の通常遊技状態中の当り確率(たとえば1/10)よりも高く設定され、また特典遊技状態中における変動時間(たとえば2.7秒)が通常遊技状態中における変動時間(たとえば27秒)よりも短くなるように設定されている。
普通利益状態制御手段215は、普通図柄処理手段214による判定結果が当り判定(補助当り)となり、普通図柄表示装置39の変動後の停止図柄(普通図柄変動表示ゲームの結果表示)が当り態様となったときに、下始動口35の可動翼片47を複数種類の開閉パターンのいずれかに従って開状態に変化させる。本実施形態では、図5に示すように、通常開閉パターン(たとえば0.2秒×1回開放)と、この通常開閉パターンよりも開放時間および/または開放回数が大となるように設定された開放延長パターン(たとえば2秒×3回開放)の2種類の開閉パターンが設定されており、通常遊技状態中は前者の通常開閉パターンが、また特典遊技状態中は後者の開放延長パターンが選択されるようになっている。
普通図柄表示制御手段216は、普通図柄処理手段214による普通図柄処理の補助当り判定機能に基づいて普通図柄表示装置39による普通図柄の変動を開始させ、普通図柄処理手段214の変動時間選択機能で選択された変動時間が経過することに基づいて、同じく普通図柄処理手段214の普通停止図柄選択機能で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させる。
入賞管理処理手段220は遊技球払出装置19で払い出す賞球数を管理するもので、第1、第2特別図柄始動口センサ34a、35a、下大入賞口センサ40a、右大入賞口センサ50aによる遊技球の検出に基づき、所定球数の賞球を行わせる。この例では、第1、第2特別図柄始動口34、35に入賞した場合は1入賞球につき3個の賞球を、また下大入賞口40または右大入賞口50に入賞した場合は1入賞球につきそれぞれ15個の賞球を行わせる。
第1、第2特別始動口チェック処理手段221、231は、上始動口34、下始動口35による遊技球の検出処理を行う。また第1、第2特別乱数取得手段222、232は、始動口34、35に遊技球が入賞し、始動口センサ34a、35aがその入賞球を検出することに基づいて、第1、第2特別乱数作成手段(図示せず)で作成された大当り判定乱数値、大当り図柄判定乱数値を1個ずつ取得し、それら大当り判定乱数値および大当り図柄判定乱数値を、予め定められた上限保留個数(たとえば各4個)を限度として、第1、第2特別乱数記憶手段223、233(RAM203)に記憶させるように構成されている。なお第1、第2特別乱数作成手段は、変動後の第1、第2特別図柄を大当り態様とするか否かの判定に用いる大当り判定乱数の他、変動後の特別図柄が大当り態様となる場合の停止図柄の選択に用いる大当り図柄乱数、特別図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン選択乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
第1、第2特別図柄処理手段224、234は、第1、第2特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、第1、第2特別図柄表示装置38a、38bが変動表示可能な状態となりかつ第1、第2特別乱数記憶手段223、233に1個以上の大当り判定乱数値が記憶されていること(第1、第2特別保留個数が1以上であること)を条件に、第1、第2特別乱数記憶手段223、233に最も早く記憶された大当り判定乱数値を取り出し、その大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致するか否か(大当り抽選)の結果に応じて大当り/外れの判定を行う大当り判定機能や、大当り/外れの判定結果と、第1、第2特別乱数記憶手段223、233に大当り判定乱数値と共に記憶されている大当り図柄判定乱数値とに基づいて、第1、第2特別図柄の変動後の停止図柄を選択する特別停止図柄選択機能や、大当り/外れの判定結果に基づいて、第1、第2特別図柄の変動パターンとして複数種類の特別図柄変動パターンの中から1つを選択する第1、第2変動パターン選択機能等を備えている。
本実施形態では、図6に示すように、抽選領域0〜65536のうち、大当り判定乱数値として、低確率状態中では「10001〜10219」の値が、また高確率状態中にはこれより多い「10001〜12190」の値が設定されている。
また、大当り遊技中には第1、第2特別図柄表示装置38a、38bによる第1、第2特別図柄の図柄変動を開始しない他、第1、第2特別図柄のいずれか一方の図柄変動中には他方の図柄変動を開始せず、両方が同時に変動中となることはないように制御され、かつ第1、第2特別保留個数が共に1以上である場合には、第1特別図柄表示装置38aの図柄変動よりも第2特別図柄表示装置38bの図柄変動を優先するように制御される。このような図柄変動制御の他、第1、第2特別始動口へ入賞しかつ記憶されたもののうち、その第1、第2特別始動口への入賞順に図柄変動するように構成してもよい。
大当り遊技制御手段225は、下大入賞口40または右大入賞口50を所定の開放パターンに従って開放する大当り遊技(特別遊技状態)を発生させるためのもので、第1、第2特別図柄処理手段224、234による大当り/外れの判定結果が大当り判定となり、第1、第2特別図柄の変動後の停止図柄が所定の大当り態様となることに基づいて、下大入賞口40または右大入賞口50を所定の開放パターンに従って開放する大当り遊技を発生させる。大当り遊技における下大入賞口40または右大入賞口50の開放パターンは、大当りの種類に応じて複数種類(図6ではα、β、γの3種類)用意されており、大当り遊技毎にそれらのうちの1つが選択されるようになっている。
本実施形態では、図6に示すように、右大入賞口50の開閉については低速開放パターンα、βの2種類が設定され、また下大入賞口40の開閉については低速開放パターンβ、高速開放パターンγの2種類が設定されており、大当り遊技制御手段225は大当り図柄判定乱数値に応じて、これらの開放パターンα、β、γのいずれかを選択するように構成されている(図6(a)、(b))。
低速開放パターンαは、15R非確変大当りまたは15R確変大当りに当選したときのもので、右大入賞口50を開放し、開放してから所定時間(たとえば29秒)経過するかそれまでに所定個数(この例では9個)の遊技球が入賞することを条件に閉鎖する動作を、所定ラウンド数(この例では15ラウンド)行うように設定されている。この低速開放パターンαによる大当り遊技が行われる場合、その大当り開始時には発射誘導情報として右打ち表示がなされる。
また低速開放パターンβは、2R確変(潜伏確変)大当りY1に当選したときのもので、下大入賞口40を29秒開放する動作を2ラウンド行うように設定される。この低速開放パターンβによる大当り遊技が行われる場合、その大当り開始時には発射誘導情報として左打ち表示がなされる。
また開放パターンγは、2R確変(潜伏確変)大当りY2に当選したときのもので、右大入賞口50を0.2秒開放する動作を2ラウンド行うように設定される。この高速開放パターンγは、1回の開放時間が0.2秒と僅かでしかもラウンド数も2ラウンドと少ないため、その開放中に遊技球が入賞する可能性は極めて小さい。この場合、遊技者は右打ちに切り替えても良いし、左打ちを継続しても良い。このため、右大入賞口50を対象として高速開放パターンγによる大当り遊技が行われる場合、その大当り開始時の発射誘導情報は特には表示を行わない。
なお、このように入賞可能性が低い当りに対しても発射誘導情報を表示するようにしてもよい。この場合、大当たり時に行われる発射誘導情報と同一の報知態様としてもよいし、異なる報知態様としてもよい。
発射誘導情報を表示しないこととした場合は、遊技者に対して開放タイミングや開放状態を把握しにくくし、2R確変(潜伏確変)大当りY2に伴う演出表示を阻害することがなく、遊技者は演出に注視することができる、という利点が得られる。また、発射誘導情報を表示することとした場合は、入賞可能性が少ない状況ではあるがその可能性を高めることができる、という利点が得られる。このときの発射誘導情報は大当り時とは得られる利益が小さいことを鑑み、発射誘導情報もこれに対応させ認識性の低い表示とするようにしてもよい。たとえば通常の報知態様であれば「右打ち」表示と「→」表示を同時に表示させる一方で、2R確変(潜伏確変)大当りY2の場合には「→」表示のみ行なう報知態様としたり、表示自体を小さく表示するようにしてもよい。
右大入賞口50への1個の入賞に対する賞球を13個とすると、低速開放パターンα(15R大当り)の場合、遊技者が普通に右打ち動作を続けるだけでほぼ9個(大入賞口閉鎖条件となる最大入賞数)×15ラウンド×13個(入賞球1個当り賞球数)=1755個の出球が期待できるのに対し、低速開放パターンβ(2R確変大当りY1)の場合の期待出球は9個×2ラウンド×13個=234個、高速開放パターンγ(2R確変大当りY2)の場合は出球がほとんど期待できない、ということから、遊技者が得られる直接的な利益は格段に小さくなっている。
また図6(a)(b)の比較から判るように、出球のある2R確変大当りY1(低速開放パターンβ)について、第1特別図柄で大当りした場合は、大当り図柄判定乱数値「160〜179」の範囲でのみ発生するのに対し、第2特別図柄で大当りした場合は、それより広い大当り図柄判定乱数値「160〜199」の範囲で発生する。したがって、低速開放パターンβが選択される確率は、第2特別図柄側の方が第1特別図柄側よりも高い値に設定されている。
第1、第2特別図柄表示制御手段226、236は、第1、第2特別図柄表示装置38a、38bの表示制御を行うもので、第1特別図柄処理手段224または第2特別図柄処理手段234による特別図柄処理に基づいて、第1特別図柄表示装置38aまたは第2特別図柄表示装置38bによる第1、第2特別図柄の変動を開始させると共に所定の第1、第2変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて所定の停止図柄で第1、第2特別図柄の変動を停止させるようになっている。
特典遊技状態発生手段227は、大当り遊技の終了後の所定期間に遊技者に有利な特典遊技状態を発生させるためのもので、たとえば第1、第2特別乱数記憶手段223、233に記憶された大当り判定乱数値が大当り判定値と一致した場合の当該大当り図柄判定乱数値に応じて、時短状態と確変状態とのいずれかの特典遊技状態を発生させるように構成されている。
本実施形態では、図6に示すように、第1特別図柄の場合も、第2特別図柄の場合も、共に、大当り図柄判定乱数値が判定値0〜99の範囲内のものであった場合に時短状態が付与され、100〜159の範囲内のものであった場合に確変状態が付与されように定められている。つまり15R大当りの場合に特典遊技状態として確変状態と時短状態が付与される確率(振り分け比率)については、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで同一になっている。
しかし、大当り遊技で低速開放パターンβが選択される確率は、第1特別図柄側が大当り図柄判定乱数値「160〜179」の範囲であるのに対し、第2特別図柄側が大当り図柄判定乱数値「160〜199」の範囲であり、第2特別図柄側の方が第1特別図柄側よりも高くなっていて、第1特別図柄側で大当りとなるよりも第2特別図柄側で大当りとなる方が遊技者にとって有利な設定となっている。
時短状態中は、第1、第2特別図柄に関して、第1、第2特別図柄の変動時間がそれぞれ通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる。また、時短状態中は、図5に示すように、普通図柄の当り確率を通常確率(たとえば1/10)から高確率(たとえば1/1.3)とする確変機能や、普通図柄の変動時間を通常変動時間(たとえば27秒)から短縮変動時間(たとえば2.7秒)とする時短機能や、下始動口35の可動翼片47の開閉パターンを、通常開閉パターン(たとえば0.2秒×1回開放)から開放延長パターン(たとえば2秒×3回開放)とする開放延長機能を作動させるようになっている。
そして、この時短状態中は、遊技球が下始動口35に入賞して始動条件が成立するたびに特別図柄変動表示ゲームが行われて行くとともに、所定のタイミングおよび表示時間長さで、発射誘導情報として右打ち誘導情報画像366が液晶表示装置36の画面に表示されることになる。ただし、この右打ち誘導情報画像366は、遊技者が見たいと欲する予告演出画像の出現する所定の条件下では、液晶表示装置36の画面に表示することが抑制される。なお、時短状態は、その開始後に第1、第2特別図柄を合わせた合計の変動回数が所定回数(たとえば100回)に達した時点で終了するようになっている。
確変状態中は、それ以外の通常確率状態中よりも大当り判定値の数が増加し、たとえば10001〜10219の範囲から10001〜12190の範囲へ増加されることにより、第1、第2特別図柄が大当り態様となる確率が通常確率(たとえば約1/300)よりも高い高確率(たとえば約1/30)に切り換えられるようになっている。また、確変状態中は、原則として時短状態と同様の処理(時短機能、開放延長機能の作動)も併せて行われる。そして、この確変状態中は、下始動口35に入賞して始動条件が成立するたびに、特別図柄変動表示ゲームが行われて行くとともに、発射誘導情報画像366として右打ち誘導情報が液晶表示装置36の画面に表示されることになる。ただし、この右打ち誘導情報画像366は、遊技者が見たいと欲する予告演出画像の出現する所定の条件下では、液晶表示装置36の画面に表示することが抑制される。
また、通常遊技状態中に2R確変大当りY1、Y2が発生した場合、その大当り遊技の終了後の特典遊技状態は「潜伏確変状態(潜確状態)」となる(図6参照)。この潜伏確変状態では、高確率状態に移行するものの時短機能や開放延長機能が働かないことから、通常遊技状態と変わりがない状態となるため、発射誘導情報画像366の表示は行わない。
なお、上記確変状態(潜伏確変状態を含む)は、次の大当り状態が発生した時点で終了するが、第1、第2特別図柄が、予め定めた所定回数(たとえば71回)の変動をした時点で確変状態が終了し、低確率状態の通常遊技状態に戻るように構成することもできる。
制御コマンド送信手段238は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御部24であるサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、第1、第2特別図柄処理手段224、234による特別図柄処理に基づいて、第1、第2装飾図柄の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、第1、第2装飾図柄の停止図柄を指定する停止図柄指定コマンド、第1、第2装飾図柄の変動停止を指定する変動停止指定コマンド等を演出制御部24側に送信する機能や、第1、第2特別保留個数を指定する第1、第2特別保留個数指定コマンドを演出制御部24側に送信する機能の他、遊技状態が変化する際に遊技状態コマンドを演出制御部24側に送信する機能等を備えている。
本実施形態では、遊技状態コマンドの種類として、次のようなコマンドが主制御部20から演出制御部24に送信されるようになっている(図8参照)。
すなわち、大当り遊技の開始時の送信タイミングでは、開放パターンの種類に応じて、2R潜伏確変大当りの場合は左大入賞口40の開閉パターンβ用として「2R大当りオープニングコマンド(F901H)」が、右大入賞口50の開閉パターンγ用として「2R大当りオープニングコマンド(F902H)」が、そして右大入賞口50の開閉パターンα用として「15R大当りオープニングコマンド(F903H)」のいずれかが送信される。
また15R規定ラウンド遊技の開始時の送信タイミングでは「15R規定ラウンド遊技開始コマンド(F111H)」が送信され、また2R確変大当りY1(下大入賞口40、低速開放パターンβ)の場合、2R規定ラウンド遊技の開始時の送信タイミングで「2R規定ラウンド遊技開始コマンド(F211H)」が送信される。しかし2R通常(非確変)大当りおよび2R大当りY2(右大入賞口50、高速開放パターンγ)の場合は、右大入賞口の開放時間が短く、その間にラウンド演出を現出させることを考慮する必要がないため、2R規定ラウンド遊技の開始時の送信タイミングで特に制御コマンドは送信されない。
また、大当り状態の終了時の送信タイミングでは、その後に発生する特典遊技状態の種類に応じて、「通常遊技状態コマンド(FA02G)」、「潜伏確変開始(潜伏確変状態)コマンド(FC02H)(FE02H)」、「確変開始(確変状態)コマンド(FD02H)」、「時短状態コマンド(FB02H)」のいずれかが送信される。すなわち、「通常状態中の2R通常(非確変)大当り遊技後の通常遊技状態コマンド(FA02G)」、「通常状態中の2R確変大当りY1遊技後の潜伏確変開始コマンド(FC02H)」、「通常状態中の2R確変大当りY2の大当り遊技後の潜伏確変開始コマンド(FE02H)」、「時短状態中または確変状態中の2R通常(非確変)大当り遊技後の時短状態コマンド(FB02H)」、「時短状態中または確変状態中の2R確変大当り遊技後の確変開始コマンド(FD02H)」、「15R非確変大当り遊技の時短状態コマンド(FB02H)」、「15R確変大当り遊技の確変開始コマンド(FD02H)」のいずれかが送信される。そして、時短状態の終了時の送信タイミングで「時短終了コマンド(FA04H)」が送信される。
後述するように、上記した時短状態中および確変状態中では発射誘導情報3366として右打ち誘導情報が表示される。なお通常遊技状態下および潜伏確変状態下では、特には左打ち誘導情報の表示がなされないが、必要に応じて左打ち誘導情報を表示してもよい。
<7.演出制御部24の機能:図7>
図7は演出制御部24の機能および液晶表示装置36の表示機能を示した図である。
液晶表示装置36は、その表示画面360の表示領域361内に第1、第2装飾図柄362を画像表示する第1、第2装飾図柄表示手段として働く。また、液晶表示装置36は、第1、第2特別保留個数表示器363a、363bとしてのアイコン画像を表示する第1、第2特別保留個数表示手段や、キャラクタ等の予告演出画像365を画像表示する予告演出画像表示手段や、「右打ち」や「左打ち」「上」「下」などの発射位置に関するメッセージを含む発射誘導情報画像366を画像表示する発射誘導情報表示手段として働く。
演出制御部24は、上記液晶表示装置36に表示する演出画像を、光表示装置45aや音響発生装置46a等の各種演出手段と連動して制御するように構成されている。具体的には、演出制御部24は、そのCPU241、ROM242、RAM243等の働きにより、特別保留個数表示制御手段251や、装飾図柄表示制御手段252や、予告演出制御手段253や、発射誘導報知制御手段257や、発射誘導報知抑制制御手段258等として機能する。また、上記予告演出制御手段253は、その構成要素として、予告演出抽選手段254、予告演出画像表示制御手段255、予告演出音光出力制御手段255a、予告演出決定手段256を備えている。
特別保留個数表示制御手段251は、第1、第2特別保留個数表示器363a、363bの表示制御を行うもので、主制御部20から送信される第1、第2特別保留個数指定コマンドに基づいて、液晶表示装置36の表示画面360上の所定位置に第1、第2特別保留個数分の第1、第2シンボル(第1特別保留個数表示器363a、363b)を表示するようになっている。
装飾図柄表示制御手段252は、第1、第2装飾図柄362の表示制御およびそれに伴う音響発生装置46a、光表示装置45a等の制御を行うもので、主制御部20側から変動パターン指定コマンドを受信した場合に、その変動パターン指定コマンドに対応する変動パターンに基づいて、液晶表示装置36の表示画面360上で第1または第2装飾図柄362の変動を開始させる。また、この装飾図柄表示制御手段252は、変動停止指定コマンドを受信したときに、停止図柄指定コマンドに基づいて選択された停止図柄態様で第1または第2装飾図柄362の変動を停止させ、またその装飾図柄362の変動表示に合わせて音響発生装置46aから所定の効果音を出力し、また光表示装置45aを所定のパターンで発光させるようになっている。
予告演出制御手段253は、装飾図柄の変動表示中に抽選により予告演出(図10の予告画像表示演出a、b、cなど)を現出させる制御を行うもので、以下に述べる予告演出抽選手段254、予告演出画像表示制御手段255、予告演出音光出力制御手段255a、予告演出決定手段256等を備えて構成されている。この予告演出制御手段253は、主制御部20側からの変動パターン指定コマンドを受信した場合に、図15に示す予告演出制御処理を実行するように構成されている。
予告演出制御手段253の構成要素の一つである予告演出抽選手段254は、図10の予告演出a、b、cなどを含む複数種類の予告演出を抽選により選択するものである。
また、予告演出画像表示制御手段255は、予告演出抽選手段254による予告抽選に当選した予告演出が、画像表示装置に予告演出画像を表示する所定の予告画像表示演出(a、b、c)であるか否かを判断する機能を有する。そして、予告演出画像365の表示を伴う予告演出a、b、cのいずれかが予告抽選により選択された場合に、選択された予告演出a、bまたはcに基づいて、液晶表示装置36の表示画面360上に対応する予告演出画像365を表示するものである。また、予告演出音光出力制御手段255aは、予告演出抽選手段254によって予告抽選された予告演出が効果音や発光演出の出力を伴う予告演出(予告音光出力演出)であった場合に、その予告音光出力演出に基づいて音響発生装置46aにより予告演出音を出力し光表示装置45aより予告演出光を出力するものである。
予告演出決定手段256は、上記予告抽選された予告演出が、図柄変動パターンの種類に応じて発射誘導情報の報知抑制することとされた「所定の予告演出」に該当するものであるか否かを決定する。本実施形態の場合、予告演出決定手段256が図11の発射誘導情報報知抑制制御テーブルを参照して、予め定められた所定の予告演出であるか否かを決定する。これは、予告演出画像表示制御手段255により予告演出が液晶表示装置36に予告演出画像365を表示する予告画像表示演出(a、b、c)であると判断された場合に、当該予告画像表示演出が所定の予告演出であるか否かを決定することと等価になる。この所定の予告演出は、予告演出の種類毎に、出現時の図柄変動パターンの種類に照らし、遊技者が出現して欲しいと願う演出であるとして予め分類された予告演出であり、いわば出現願望予告演出とも称すべきものである(図11の発射誘導情報報知抑制制御テーブルの報知禁止/中断欄を参照)。図7には予告演出画像365が出現願望予告演出の画像である場合の例として、女の子が「激熱よ!」の台詞を喋るキャラクタ画像を示してある。
発射誘導報知制御手段257は、遊技状態に応じて前記第1流下経路と前記第2流下経路のいずれを狙うのが遊技者にとって有利かに関する発射誘導情報を、発射誘導情報画像366として画像表示装置36の表示画面360に出力すると共に、対応する「右打ちせよ」「左打ちに戻せ」「上をねらえ」「下をねらえ」などの音声や、方向を示唆する光矢印の点滅などの光演出によるメッセージを出力する制御を行うものである。この実施形態の場合、発射誘導報知制御手段257は、図12に示す発射誘導情報制御処理を定期割り込み毎に実行することにより、変化後の遊技状態に応じて右打ち誘導情報または左打ち誘導情報のいずれかを出力させるように構成されている。
発射誘導報知抑制制御手段258は、上記した所定の予告演出が発射誘導情報の報知と重なって現出してしまう場合、発射誘導報知制御手段257による発射誘導情報の報知を抑制する機能を有する。図7には、所定の予告演出の予告演出画像365が発射誘導情報画像366と重なって表示されるため、発射誘導情報画像366の表示が抑制(中断または中止)されている状態を、所定の予告演出の予告演出画像365を実線で、発射誘導情報画像366を点線にて示す。この発射誘導報知抑制制御手段258は、本実施形態では、図15の予告演出制御処理中にステップS47として含まれているが、発射誘導報知制御手段257の一部として設けることもできる。
<8.有利な発射位置と発射誘導情報の報知:図8〜図11>
(8−1.遊技状態と発射誘導情報の報知:図8)
図8は、主制御部20から送信される制御コマンドと、これが送信される送信タイミングおよびそのときの主制御部20の遊技状態と、これを受信した演出制御部24により現出される演出状態と、報知すべき発射誘導情報の種類(右打ち報知と左打ち報知)とを示した図である。図中の○印は、発射誘導情報の報知(右打ち報知と左打ち報知)をすべきことを意味しており、括弧付の丸印「(○)」はその報知を行ってもよいし行わなくてもよいことを意味している。
図8において、電源投入時には、低確率開放延長なしの通常状態下にある場合、および高確率開放延長なしの潜伏確変状態にある場合は、発射誘導情報として左打ち誘導情報を表示する。また、低確率開放延長ありの時短状態下にある場合、高確率開放延長ありの確変状態にある場合、および大当りラウンド遊技中は、発射誘導情報として右打ち誘導情報を表示する。
大当り開始時には、2R確変大当りY1(下大入賞口、低速開放パターンβ)の場合は、特に左打ち誘導情報を表示するが、表示しなくてもよい。2R通常(非確変)大当りまたは2R通常(非確変)大当りY2(右大入賞口、高速開放パターンγ)の場合は、発射誘導情報の表示を行わない。15R通常(非確変)大当り、15R通常(非確変)大当りまたは15R確変大当りの場合は、特に右打ち誘導情報を表示することをしないが、これを表示してもよい。
また、大当り終了時では、次のように発射誘導情報の表示を制御する。「通常状態中の2R通常(非確変)大当り遊技後の通常遊技状態コマンド(FA02H)」「通常状態中の2R確変大当りY1遊技後の潜伏確変開始コマンド(FC02H)」、「通常状態中の2R確変大当りY2の大当り遊技後の潜伏確変開始コマンド(FE02H)」、のいずれかを受信した場合では、特に左打ち誘導情報を表示を表示することを行わないが、左打ち誘導情報を表示するようにしてもよい。また「時短状態中または確変状態中の2R通常(非確変)大当り遊技後の時短状態コマンド(FB02H)」、「時短状態中または確変状態中の2R確変大当り遊技後の確変開始コマンド(FD02H)」、「15R非確変大当り遊技の時短状態コマンド(FB02H)」、「15R確変大当り遊技の確変開始コマンド(FD02H)」のいずれかを送信した場合は、右打ち誘導情報を表示する。「時短終了コマンド(FA04H)」を受信した場合は、左打ち誘導情報を表示する。
(8−2.遊技状態の推移:図9)
図9は、具体例として、15R確変大当りに当選し、その後15R非確変(15R通常)大当りに当選した場合のパチンコ機の遊技状態の推移を示すと共に、その各遊技状態下で報知すべき発射誘導情報の種類(右打ち遊技情報または左打ち遊技情報)と、遊技者に有利な発射位置(右または左)と、遊技状態コマンドの送信タイミングとを示した図である。
図9に示すように、通常遊技状態下で15R確変大当りに当選した場合、主制御部20はまず15R大当り遊技状態に入り、その大当り遊技の開始(開始ファンファーレOF)を指定する「15R大当りオープニングコマンド(F902H)」(図8参照)を演出制御部24に送信する。この15R大当りオープニングコマンドに基づき、演出制御部24は、15Rの大当りであることを示すオープニング演出2(図8参照)を所定時間行う。オープニング演出2としては、確変と非確変の区別をすることなく、または区別を行って、15R大当り図柄である「222」「777」などの装飾図柄の組合せを液晶表示装置36に表示するとともに、図16(a)に示すように、15R大当りになったことを示す文字「大当り!」などを表示する。また、スピーカ46から大当りになったときの効果音を鳴らし、装飾ランプ45等を大当りになったときの点灯パターンで点灯させる。
次いで主制御部20の制御の下で規定ラウンド遊技が開始されると共に、「15R規定ラウンド遊技開始コマンド(F111H)」(図8参照)が送信されて、演出制御部24において規定ラウンド遊技中の演出(ラウンド演出364:図16(a)参照)が開始される。規定ラウンド遊技とは、大入賞口が開放されるラウンド遊技が、ラウンド間のインターバルを挟んで、予め定めた規定ラウンド数(ここでは15ラウンド)を上限として複数回行われる遊技である。1回のラウンド遊技は、右大入賞口50が開放されてから閉鎖される迄であり、1回のラウンド遊技中での右大入賞口50の開放は、規定入賞個数(ここでは9個)の遊技球が右大入賞口50に入賞するまでの間、または規定時間(ここでは29秒)が経過するまでの間、となっている。ラウンド演出364は、各ラウンド遊技中に表示される演出である。
なお、上記規定ラウンド遊技の開始は1回目のラウンド遊技の開始を意味するので、1回目のラウンド遊技開始コマンドを上記15R規定ラウンド遊技開始コマンドとして用いることもできる。
そして、規定ラウンド数のラウンド遊技が終了すると、主制御部20は終了ファンファーレEFに入り、大当りエンディングコマンドを演出制御部24に送信し、演出制御部24においてエンディング演出(大当り終了表示)が行われ、大当り遊技が終了する。
上記大当り遊技の終了後、続いて大当りの種類に応じた特典遊技状態に移行する。図9は15R確変大当りの場合を扱っているので、確変状態(開始)コマンド(FD02H)が送信され、確変状態(次回大当りまで)へと移行する。図9では、この確変状態中の図柄変動表示ゲームにおいて15R非確変大当りに当選した場合を扱っており、再び当該15R非確変大当りについての大当り遊技が開始される。
15R非確変大当りに当選した場合、確変大当りの場合と同様に、まず大当り遊技の開始を指定する15R大当りオープニングコマンド(F902H)が送信され、演出制御部24において15Rの大当りであることを示すオープニング演出2が所定時間行われる。次いで、主制御部20の制御の下で規定ラウンド遊技が開始されるとともに、15R規定ラウンド遊技開始コマンド(F111H)が演出制御部24に送信され、各ラウンド遊技中で対応するラウンド演出364が行われる。そして、規定ラウンド数のラウンド遊技が終了すると、大当りエンディングコマンドによるエンディング演出が行われ、大当り遊技が終了する。
15R大当り遊技が終了すると、時短状態(開始)コマンド(FB02H)が送信され、続いて時短状態に移行し、規定回数の100回だけ時短状態で図柄変動がなされる。この変動回数100回の時短状態中に大当り抽選に当選しない場合は、時短終了コマンド(FA04H)が送信され、図9に示すように、時短状態から通常遊技状態に移行する。
(8−3.発射誘導情報の報知)
図9には、上記の遊技状態に関連して、遊技者に有利な発射位置(左または右)とこれを報知する発射誘導情報(右打ち誘導情報または左打ち誘導情報)とを示してある。
上記15R大当り遊技中、確変状態中および時短状態中の各期間については、発射位置として右側の右流下経路3cを狙うのが有利である。そこで、これらの期間は発射誘導情報として右打ち誘導情報画像366(図7参照)の表示や右打ち報知音声の発生や右打ちガイドの発光等を含む発射誘導情報の報知をするようにする。以下では右打ち誘導情報画像366の表示を中心に説明し、音や光による演出と報知との関係については必要がある場合を除き説明を省略する。
各期間の推移に従って説明すると、まず15R確変大当りにおける規定ラウンド遊技の開始時においては、発射誘導情報画像366として図16(a)に示す右打ち誘導情報画像「右へ→」を表示し、これ以降、この右打ち誘導情報画像の表示を、当該15Rの規定ラウンド遊技が終了するまで続行する。そして、この15R大当り遊技が終了した後の確変状態の期間中については、各図柄変動表示ゲームにおいて図16(b)に示す右打ち誘導情報画像「右へ→」を表示する。
続く15R非確変大当りにおける15Rの規定ラウンド遊技の開始時においては、図16(a)に示す右打ち誘導情報画像「右へ→」を表示し、この表示を、当該15Rの規定ラウンド遊技が終了するまで続行する。そして、この15R大当り遊技が終了した後の時短状態の期間中については、各図柄変動表示ゲームにおいて図16(b)のような右打ち誘導情報画像「右へ→」を表示する。
ただし、これらの確変状態および時短状態の各期間中において、リーチ変動R1、R2、R3などが、画像表示装置に予告演出画像が表示される予告演出a、b、cを伴って生起し、しかも当該予告演出a〜cが遊技者の見たいと欲する所定の予告演出(図11の報知制御テーブルの報知禁止/中断欄の○印)の予告演出画像365(図16(c)参照)である場合がある。つまり所定の予告演出の予告演出画像365が発射誘導情報画像366と重なって表示画面360に現出する(図9中の斜線部K1〜K3)ことがある。そこで、このような場合は、図16(c)のように、当該予告演出(所定の予告演出)a〜bの予告演出画像365の表示を優先し、右打ち誘導情報「右へ→」の表示を禁止または中断する。そして、時短状態から通常遊技状態への切り替わり時点では、図16(d)のような左打ち誘導情報画像「左へ→」を表示する。
すなわち、右打ち誘導情報の報知をするタイミングで特定演出(所定の予告演出)が行われる場合(図9中の斜線部K1〜K3等)は、その特定演出を優先し、右打ち誘導情報の報知を行わない等、発射誘導情報の報知を抑制する。「抑制する」とは、狭義には報知を禁止または中断して報知を行わないことであるが、広義には予告演出に大きな影響が及ばないように報知態様を異ならせることもこれに含まれる。たとえば予告演出画像に対して影響を与えないまたは影響の少ないように、発射誘導情報の報知画像を小さく表示し、あるいは報知画像を薄く表示し、あるいは報知画像の表示場所を画面内で変更して表示する等も、抑制の一態様である。また画像が重なる場合に限らず、音声や光ガイドなどによる発射誘導情報の報知についても、特定演出の音声や光演出と重なる場合は、特定演出の音声や光演出の方を優先し、発射誘導情報の音声等による報知は行わないようにしてもよい。
また同様に、右打ちを終了して左打ち誘導情報の報知を行うタイミングで、特定演出(所定の予告演出)が行われる場合、たとえば図9中の時短状態から通常遊技状態への切り替わりに際して左打ち誘導情報の報知と重なって特定演出が発生したときは、その特定演出を優先し、左打ち誘導情報の報知を行わない等、発射誘導情報の報知を抑制する。抑制するとは、報知を禁止または中断して報知を行わないかまたは報知態様を異ならせることであり、たとえば予告演出画像に対して影響を与えないまたは影響の少ないように、発射誘導情報の報知画像を小さく表示し、あるいは報知画像を薄く表示し、あるいは報知画像の表示場所を画面内で変更して表示する等である。このとき音声や光ガイドなどによる発射誘導情報の報知についても、特定演出の音声や効果音あるいは光演出の方を優先し、発射誘導情報の音声等による報知は行わないようにしてもよい。
(8−4.右打ちが有利な理由)
上記遊技状態において右打ちが有利である理由として、(イ)15Rの規定ラウンド遊技中では、右流下経路3cに存在する右大入賞口50が規定ラウンド数だけ開放されて多くの入賞球が発生し、遊技者に対し多量の賞球の払い出しがなされること、また、(ロ)確変状態中および時短状態中の各期間は、普通図柄に関して確変機能、時短機能、開放延長機能が働いており、右流下経路3cに存在する普通図柄始動口37へ入賞することにより頻繁に普通変動入賞装置41の可動翼片47が開くこと、したがって図柄変動表示ゲームの開始条件となる下始動口35への入賞が高頻度で望める高ベース遊技状態となること、(ハ)仮に確変状態中および時短状態中に左打ちをしたとしても、左流下経路3b中には普通図柄始動口37が存在しないため、上記高ベース遊技状態が望めないからである。
しかし、時短状態が終了して通常遊技状態に戻ったときは、図16(d)に示すように、発射誘導情報として左打ち誘導情報画像「左へ←」を表示する。その理由として、(イ)通常遊技状態に戻ると、遊技機が低確率状態となり、普通図柄について確変機能、時短機能、開放延長機能も働かなくなることから右打ちすることが無意味となることに加え、(ロ)誘導釘の配置関係から右側の右流下経路3cからでは上始動口34への入賞が殆ど望めなくなるので、遊技者は、発射位置として上始動口34への入賞が望める左側の左流下経路3bを狙うのが有利となるからである。
(8−5.予告演出の表示:図10)
図10は予告演出決定手段256の予告演出抽選手段254が参照する予告演出抽選テーブルA、Bを例示したものである。予告演出抽選テーブルAは発射誘導情報の報知がなされていない場合(発射位置報知中以外の場合)に参照する予告演出抽選テーブル、また予告演出抽選テーブルBは、発射誘導情報の報知がなされている場合(発射位置報知中の場合)に参照する予告演出抽選テーブルである。横項目に予告演出の種類として3つの予告演出a、b、cを有し、縦の項目に変動パターンの種類としてリーチなし変動パターン、ノーマルリーチ変動パターン、スーパーリーチ変動パターンを有する。そして、これら横項目と縦項目の欄同士の交叉上にあるセルのうち、○印の付されたセルのものが「当選対象の予告演出」である、として定められている。
すなわち、予告演出抽選テーブルA、Bは、予告演出の種類として、予告出現率が大で当り当選期待度が小さい第1の予告演出(予告演出a)と、この第1の予告演出よりも予告出現率が小で上記第1の予告演出よりも当り当選期待度が大きい第2の予告演出(予告演出b)と、この第2の予告演出よりも予告出現率が小で上記第2の予告演出よりも当り当選期待度が大きい第3の予告演出(予告演出c)とを含み、これらの予告演出について上記第1、第2、第3の予告演出a、b、cの順に予告演出としての重要度が大きくなる傾向があるように定められている。またこの予告演出抽選テーブルA、Bは、変動パターンの種類として、リーチ状態を経ることなく停止する「リーチなし変動パターン」と、上記装飾図柄がリーチ状態を経て停止する「ノーマルリーチ変動パターン」と、装飾図柄が比較的長時間のリーチ状態を経て停止する「スーパーリーチ変動パターン」とを含み、これらの変動パターンについて、リーチなし変動パターン、ノーマルリーチ変動パターン、スーパーリーチ変動パターンの順に、これに伴う予告演出の重要度が大きくなる傾向があるように定められている。また上記したノーマルリーチ変動パターンとスーパーリーチ変動パターンは、それぞれリーチハズレとリーチ当りとに種別分けされており、リーチハズレよりもリーチ当りの方が、これに伴う予告演出の重要度が大きくなる傾向があるように定められている。
具体的には、予告演出抽選テーブルA中に○印で示すように、発射位置報知中でない場合、予告演出aについては全ての変動パターンについて出現する可能性があり、予告演出bについてはノーマルリーチ変動パターンおよびスーパーリーチ変動パターンについてのみ出現する可能性があり、そして予告演出cについてはスーパーリーチ変動パターンの場合においてのみ出現する可能性がある。
しかし、予告演出抽選テーブルB中に○印で示すように、発射位置報知中の場合、予告演出aについては、スーパーリーチ変動パターンの場合のみ出現する可能性があり、ノーマル当たり変動パターンの場合でも出現する可能性はない。また発射位置報知中の場合、予告演出bについてはノーマルリーチ当り変動パターンおよびスーパーリーチ変動パターンについてのみ出現する可能性がある。そして、発射位置報知中の場合、予告演出cについては、スーパーリーチ変動パターンおよびノーマルリーチ変動パターンの場合にのみ出現する可能性がある。したがって、予告演出cについては、発射位置報知中でない場合(予告演出抽選テーブルA)よりも当選領域が広がっており、スーパーリーチ変動パターンだけでなくノーマルリーチ変動パターンの場合にも出現する可能性がある。これは予告演出c自体に既に「予告出現率が最も小で当り当選期待度が最も大きい」という特異性が存在するからである。
次に、図11の発射誘導情報の報知抑制制御テーブルについても、ここで説明しておく。この発射誘導情報報知抑制制御テーブルは上記した発射位置報知中の予告演出抽選テーブルBと対応している。図11の発射誘導情報の報知抑制制御テーブルは、予告抽選に当選して発射位置報知中に予告演出a、b、cが現出することとなる場合、それぞれ発射誘導情報の報知を許可することにするのか、または報知を禁止あるいは中断することにするのかの抑制制御の仕方を定めている。この報知抑制制御テーブルは、予告演出抽選手段254の予告抽選に当選した予告演出が、発射誘導情報の報知を抑制する関係にある所定の予告演出であるか否かを決定する際に、発射誘導報知抑制制御手段258により参照される。
この図11の発射誘導情報の報知抑制制御テーブルも図10と同じ横項目および縦項目で特定されるセル群で構成されており、両項目の交叉位置にある○印を付したセルの予告演出が、発射誘導情報の報知と重なった際に発射誘導情報の報知を抑制して発射誘導情報の報知に優先される「所定の予告演出」であるとして定められている。
この図11の場合、上記発射誘導情報の報知を抑制する関係にある所定の予告演出であるか否かは、予告演出の種類毎に、変動パターンの種類によって定められている。
図11において、まず予告演出aについては、スーパーリーチ変動パターンに伴って出現するものだけが、上記の発射誘導情報の報知に優先すべき所定の予告演出として決定付けられている。したがって、スーパーリーチ変動パターンに伴って予告演出aが出現する場合にのみ発射誘導情報の報知が抑制され、スーパーリーチ変動パターン以外の変動パターンの場合においては予告演出aが出現しないので、発射誘導情報の報知を抑制することは行わない。
予告演出bについては、予告演出抽選テーブルBでノーマルリーチ変動パターン(当り変動)とスーパーリーチ変動パターンにおいてのみ出現する可能性があることに基づき、これに対応する予告演出bだけが、上記の発射誘導情報の報知を抑制する関係にある所定の予告演出として決定付けられている。したがって、ノーマルリーチ変動(当り変動)とスーパーリーチ変動に伴って予告演出bが出現する場合にのみ発射誘導情報の報知が抑制され、これ以外の変動パターン(ノーマルリーチハズレ)において予告演出bが出現する場合には、発射誘導情報の報知を抑制することは行わない。これはハズレ変動の場合にまで予告演出bを優先すべきである、という要請があまり強くないこと、また発射誘導情報の報知と予告演出との重複を許すことによって、当該ゲームにおける当り期待度が大きくないことを遊技者に示唆することができるからである。
予告演出cについては、ノーマルリーチ変動パターンとスーパーリーチ変動パターンの双方が、発射誘導情報の報知を抑制する関係にある所定の予告演出として決定付けられている。したがって予告演出cは、スーパーリーチ変動パターンにおいて出現するものに限らず、ノーマルリーチ変動パターンにおいて出現するものについても、上記の発射誘導情報の報知を抑制する関係にある所定の予告演出として決定付けられ、これらの変動パターンにおいて予告演出Cが現出する場合は総て発射誘導情報の報知が抑制される。
さて、上記した確変状態下および時短状態下では、図柄変動表示ゲームの図柄変動が繰り返し行われる。この図柄変動表示ゲームにおける図柄変動の変動パターンの種類としては、図10の予告演出抽選テーブルに示すように、「リーチなしハズレ(度ハズレ)」について変動時間が2秒、5秒、8秒、12秒の4種類が、「ノーマルリーチ」についてハズレ1、ハズレ2と当り1、当り2の計4種類が、「スーパーリーチ」についてハズレ1、ハズレ2と当り1、当り2の計4種類が用意されている。
そして、発射誘導情報によって発射位置を報知していない場合は図10の予告演出抽選テーブルAに従って予告演出a、b、c(予告画像表示演出および効果音演出、発光演出を含む)のいずれかが選択され、また発射誘導情報によって発射位置を報知中である場合は図10の予告演出抽選テーブルBに従って予告演出a、b、cのいずれかが選択されるように設定されている。ここで予告演出aはリーチにならない場合がある演出(リーチガセあり演出)としての性格を有し、予告演出b、cはリーチを伴う演出(リーチガセなし演出)としての性格を有する。これらの予告演出a、b、cの出現率は、予告演出aが最も高く、次いで予告演出b、cの順に小さくなるように(予告出現率:a>b>c)定めてある。またこれらの予告演出a、b、cが発生したときに大当りとなる期待度(大当り期待度)は、予告演出aが最も低く、次いで予告演出b、cの順に大きくなるように(大当り期待度:a<b<c)定めている。
予告演出抽選テーブルAとBの比較から判るように、予告演出aは、発射位置報知中でない場合(通常遊技状態、潜伏確変状態の場合)、リーチなしハズレ(度ハズレ)、ノーマルリーチ、スーパーリーチのいずれの図柄変動でも出現するが、発射位置報知中(確変状態中、時短状態中)になると、スーパーリーチの図柄変動の場合に出現するだけとなる。また予告演出bも、発射位置報知中でない場合(通常遊技状態、潜伏確変状態の場合)は、ノーマルリーチ、スーパーリーチのいずれの図柄変動でも出現するが、発射位置報知中(確変状態中、時短状態中)になると、ノーマルリーチ当りの図柄変動の場合とスーパーリーチの図柄変動の場合に出現するだけとなる。また予告演出cは、発射位置報知中でない場合(通常遊技状態、潜伏確変状態の場合)、スーパーリーチの図柄変動でのみ出現するが、発射位置報知中(確変状態中、時短状態中)になると、スーパーリーチの図柄変動の場合に加えて、ノーマルリーチ当りの図柄変動の場合やスーパーリーチの図柄変動の場合でも出現することになる。
(8−6.発射誘導情報の報知抑制制御:図11)
上記のように発射位置報知中(確変状態中、時短状態中)になると、図柄変動時間の長いスーパーリーチの変動パターンが予告演出a〜cのいずれかを伴って出現し、あるいは、比較的図柄変動時間の長いノーマルリーチの変動パターンが予告演出bまたはcを伴って出現するようになる。これらの変動時間の長い図柄変動時に出現する予告画像表示演出の中には、遊技者が生起して欲しいと願うような演出、たとえば、大当り当選確定を示唆するようなプレミアム演出など、出現が希な演出が含まれている。特に、確変状態中や時短状態中においては普通図柄について開放延長機能が働いており、保留記憶が多数発生している状況下にある。このため、先読み予告として保留を跨ぐ連続予告演出、たとえば雷雲予告の画像や音・光などが保留を跨いで発生する可能性が高く、これを体験したいと欲することがある。図7には、女の子のキャラクタが「激熱よ!」のメッセージを発して、当該図柄変動が予告信頼度の高い変動(スーパーリーチ当り)であることを報知する予告演出画像365が液晶画面360に出現した様子を示してある。
しかし、上記した確変状態中や時短状態中という期間は、発射誘導情報を所定の演出手段に報知する期間、たとえば発射誘導情報画像366を液晶表示画面360に表示する発射位置報知中の期間でもある。この結果、たとえば遊技者が見たいと欲する予告演出の画像365が出現している液晶表示画面360中に、発射誘導情報画像366である「右へ→」などの文字画像(右打ち誘導情報)も重ねて表示されることになる。図7には、液晶画面360中に、この「右へ→」の発射誘導情報画像366が、上記した激熱変動であることを告げる予告演出画像365と重なって表示される表示態様を示す。この液晶画面360中における発射誘導情報画像(右打ち誘導情報画像)366の存在は、予告演出の画像を見たいと欲する遊技者にとり、極めて邪魔なものであり不都合である。
図9の例では、確変状態中にリーチ変動R1としてスーパーリーチハズレ2(図11参照)の変動パターンが所定の予告演出である予告演出bを伴って出現し、この予告演出bの画像が右打ち誘導情報画像(発射誘導情報画像)366と画面上で重なり合う関係になることを、図9中に斜線部K1にて示している。また、その後、同確変状態中にリーチ変動R2としてスーパーリーチ当り2(図11参照)の変動パターンが、図10の予告演出抽選テーブルBで定まる所定の予告演出cを伴って出現し、この予告演出cの画像が画面上で右打ち誘導情報画像366と重なり合う関係になることを、斜線部K2にて示している。
続く図9中の15R非確変大当りは、このスーパーリーチ当り2(図11参照)の予告画像表示演出cを伴う図柄変動が、図柄変動表示ゲームにおいて発生する場合を想定している。そこで図9では、この15R大当り遊技が終了した後の時短状態中に、リーチ変動R3としてスーパーリーチハズレ2(図11参照)の変動パターンが、図10の予告演出抽選テーブルBで定まる所定の予告画像表示演出bを伴って出現し、この予告画像表示演出bが右打ち誘導情報画像366と画面上で重なり合う関係になることを、斜線部K3にて示している。
このように発射誘導情報の報知が図10の予告演出抽選テーブルBで定まる所定の予告演出と、画像や音や光などにおいて、相互に重なり合う場合、その予告演出を知覚したい遊技者、たとえば予告演出画像365を見たい遊技者にとって、画面中の発射誘導情報画像366のような発射誘導情報の存在は邪魔である。そこで本実施形態では、このような場合、発射誘導情報の報知を禁止または中断して、予告演出を知覚することの妨げにならないようにする。図7には点線で発射誘導情報画像366の表示を禁止または中断している様子を示唆してある。
<9.発射誘導情報の報知制御:図12〜図16>
(9−1.発射誘導情報制御処理:図12)
図12は発射誘導報知制御手段257および発射誘導報知抑制制御手段258において定期割り込み毎(2msごと)に実行される発射誘導情報制御処理を示したものである。この発射誘導情報制御処理(図12)では、遊技状態コマンドを受信したか否かが判定され、遊技状態コマンドを受信したと判定された場合には(ステップS1:YES)、図13に示す発射誘導情報出力開始処理が実行される(ステップS2)。
(9−2.発射誘導情報出力開始処理:図13)
この発射誘導情報出力開始処理(図13)では、まず受信した遊技状態コマンドの種類が判定される(ステップS11〜S14)。受信した遊技状態コマンドが15R規定ラウンド遊技開始コマンド(F111H)であれば(ステップS11:YES、図9参照)、図16(a)に示すように、右打ち誘導情報「右へ→」などの発射誘導情報画像366の表示や音声によるメッセージや光矢印による方向指示等を含む発射誘導情報の報知が開始され(ステップS15)、発射誘導情報出力中フラグがONに切り換えられる(ステップS16)。主制御部20では、15R規定ラウンド遊技開始コマンドを送信した後に15R規定ラウンド遊技を開始する。右流下経路3c上にある右大入賞口50が開放されるため、遊技者は右流下経路3c側を狙って「右打ち」を行うことが自己に有利となる。演出制御部24においては、15R規定ラウンド遊技開始コマンドを受信して、液晶表示装置36の表示画面360上にラウンド演出364を表示する。
なお、特典遊技状態中(潜伏確変状態を除く)は、右流下経路3c上にある下始動口35の開閉パターンが開放延長パターンとなるため(図5)、遊技者にとっては「右打ち」が有利であり、この特典遊技状態中に大当り抽選に当選し、大当り状態が開始しても「右打ち」が有利な状態は変わらない。従って、15R規定ラウンド遊技開始コマンドを受信した場合(ステップS11:YES)であっても、それが特典遊技状態中(潜伏確変状態を除く)で生起した大当り遊技中のものである場合には、右打ち誘導情報の報知を新たに開始(更新)しないように制御してもよい。
また、受信した遊技状態コマンドが確変開始コマンド(FD02H)と時短開始コマンド(FB02H)のいずれかであれば(ステップS12:YES)、その時点で変動開始される装飾図柄の変動パターンがリーチ変動パターンであるか否かを判断する(ステップS17)。リーチ変動パターンでない場合(ステップS17:NO)、つまり度ハズレの変動パターンである場合は、予告演出の種類として予告演出aしか発生せず(図11参照)、発射誘導情報の報知を禁止または中止すべきケースは存在しない。そこで図16(b)に示すように、変動表示中の装飾図柄362の前側に重なるように、右打ち誘導情報「右へ→」の表示が開始され(ステップS15)、発射誘導情報出力中フラグがONに切り換えられる(ステップS16)。
主制御部20側から確変開始コマンドまたは時短開始コマンドを送信される場合は遊技状態が確変状態(潜伏確変状態を除く)または時短状態に移行されることになる。すなわち、右流下経路3c上にある下始動口35の開閉パターンが開放延長パターンとなるため(図5)、遊技者は右流下経路3c側を狙って「右打ち」を行う方が有利となる。
受信した遊技状態コマンドが確変開始コマンドと時短開始コマンドとのいずれかであっても(ステップS12:YES)、その時点で変動開始される装飾図柄の変動パターンがリーチ変動パターンであれば(ステップS17:YES)、表示画面360には予告演出a〜cのいずれかの画像が発生する可能性がある(図10参照)。そこで、右打ち誘導情報の出力を開始しないで処理を終了する。これにより、当該リーチ変動パターンによる図柄変動および予告演出の表示が優先され、右打ち誘導情報の表示は抑制(禁止または中断)される(図16(c))。
なお、この確変/時短状態の開始前の大当り状態中は「右打ち」が有利であるため、確変/時短状態が開始しても「右打ち」が有利な状態は変わらない。従って、確変開始コマンドと時短開始コマンドとのいずれかを受信した場合(ステップS12:YES)は右打ち誘導情報の報知を新たに開始(更新)しないように制御してもよい。
また、受信した遊技状態コマンドが時短終了コマン(FA04H)ドの場合(ステップS13:YES)、その時点で変動開始される装飾図柄の変動パターンがリーチ変動パターンであるか否かを判断する(ステップS18)。リーチ変動パターンでない場合(ステップS18:NO)、つまり度ハズレの変動パターンの場合は、予告演出の種類として予告画像表示演出aしか発生しないので(図10参照)、発射誘導情報の報知を禁止または中止すべきケースは存在しない。そこで、左打ち誘導情報の出力が開始され(ステップS19)、これにより液晶表示装置36の表示画面360上では、図16(d)に示すように、変動表示中の装飾図柄362の前側に重なるように左打ち誘導情報「←左へ」の表示が開始され、発射誘導情報出力中フラグがONに切り換えられる(ステップS16)。
時短終了コマンドを送信すると、主制御部20はそれまでの時短状態を終了して通常遊技状態となり、右流下経路3c上にある下始動口35の開閉パターンが開放延長パターンから通常開閉パターンに切り換わって入賞の可能性が極めて低くなる。このため、通常遊技状態下では上始動口34を狙って「左打ち」を行う方が遊技者にとって有利となる。
受信した遊技状態コマンドが時短終了コマンドであっても(ステップS13:YES)、その時点で変動開始される装飾図柄の変動パターンがリーチ変動パターンであれば(ステップS18:YES)、予告演出の種類として予告演出a〜cのいずれかが発生する可能性がある(図10参照)。そこで、当該図柄変動および予告演出の表示が優先され、左打ち誘導情報の報知は抑制される。
また、受信した遊技状態コマンドが潜伏確変開始コマンド(図8において2R潜伏確変大当りY1、Y2の大当り終了時に送信されるコマンドFC02H、FE02H)であった場合についても(ステップS14:YES)、その潜伏確変開始コマンドを受信した時点で変動開始される装飾図柄の変動パターンが、リーチ変動パターンであるか否かを判断する(ステップS18)。リーチ変動パターンでないとき、つまり度ハズレの変動パターンであるときは(ステップS18:NO)、左打ち誘導情報の出力が開始され(ステップS19)、これにより液晶表示装置36の表示画面360上では、図16(d)に示すように、変動表示中の装飾図柄362の前側に重なるように「←左へ」等の左打ち誘導情報画像366の表示が開始され、発射誘導情報出力中フラグがONに切り換えられる(ステップS16)。
潜伏確変開始コマンドが送信された場合、主制御部20側は大当り状態が終了して潜伏確変状態となる。この潜伏確変状態下の場合、一方においては、通常遊技状態中と同様、右流下経路3c上にある下始動口35への入賞の可能性が極めて低くなり、他方においては、上始動口34への入賞の可能性が殆ど左流下経路3b側においてのみ生じるという関係になるため、上始動口34を狙って「左打ち」を行う方が遊技者にとって有利となる。
受信した遊技状態コマンドが潜伏確変開始コマンドであっても(ステップS14:YES)、その時点で変動開始される装飾図柄の変動パターンがリーチ変動パターンであれば(ステップS18:YES)、その図柄変動および予告演出の実施が優先され、左打ち誘導情報の報知は抑制される。
なお本実施形態の場合、潜伏確変状態が開始されるのは通常遊技状態中に開始された2R大当り遊技の終了後であり(図8参照)、この2R大当り遊技では「右打ち」にしても「左打ち」を続けた場合とほとんど差がないため、潜伏確変開始コマンド(2R大当りコマンド)を受信した場合には左打ち誘導情報の報知を新たに開始(更新)しないように制御してもよい。
(9−3.発射誘導情報出力終了処理:図14)
図12の発射誘導情報制御処理に戻り、同処理のステップS3において、発射誘導情報出力中フラグがONであると判定された場合には(ステップS3:YES)、図14に示す発射誘導情報出力終了処理が実行される(ステップS4)。
この図14の発射誘導情報出力終了処理では、まず予め定められた発射誘導情報の出力終了時期が到来したか否かを判定する(ステップS31)。本実施形態の場合、規定ラウンド遊技が終了した時点、確変状態が終了した時点、時短状態が終了した時点、時短状態から通常状態へ移行した後の所定時間が経過した時点、のそれぞれにおいて、発射誘導情報の出力終了時期が到来したと判断する。しかし、発射誘導情報の出力終了時期は任意に設定することができ、たとえば遊技者に有利な発射位置が変化した時点としてもよいし、出力開始からの所定時間が経過時した時点としてもよい。
発射誘導情報の出力終了時期が到来したと判定した場合は(ステップS31:YES)、その時点で発射誘導情報の出力を終了する(ステップS32)。これにより液晶表示装置36の表示画面360上では、発射誘導情報画像366が表示されなくなる。次いで、発射誘導情報出力中フラグをOFFに切り換えて、発射誘導情報出力終了処理を終了する。したがって発射誘導情報の出力は、途中で中断または中止されることはあっても(図15のステップS47参照)、この発射誘導情報出力中フラグがOFFに切り換えられるまでの期間中は継続することになる。
一方、予め定められた発射誘導情報の出力終了時期が到来していない場合は(ステップS31:NO)、何もしないで当該発射誘導情報出力終了処理を終了する。
(9−4.予告演出制御処理:図15)
図15は、主制御部20側から変動パターン指定コマンドを受信した場合に、予告演出制御手段253により実行される予告演出制御処理を示したものである。
この予告演出制御処理(図15)では、変動パターン指定コマンドを受信した場合(ステップS40:YES)、まず上記した発射誘導情報中フラグのON、OFFの別に基づいて、発射誘導情報の報知中であるか否かを判断する(ステップS41)。発射誘導情報の報知中でなければ(ステップS41:NO)、図10の予告抽選テーブルAを用い、当該変動パターンの種類に応じて予告抽選を行い、予告演出a〜cの一つを抽選により選択する(ステップS51)。これは予告演出抽選手段254により、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに対応する抽選確率に基づいて行う。そして予告抽選に当選した場合は(ステップS52:YES)、これにより選択された予告抽選を実行する(ステップS53)。
一方、発射誘導情報の報知中である場合は(ステップS41:YES)、図10の予告抽選テーブルBを用い、当該変動パターンの種類に応じて予告抽選を行い、予告抽選a〜cの一つを抽選により選択する(ステップS42)。これも予告演出抽選手段254により、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに対応する抽選確率に基づいて行う。そして予告抽選に当選した場合は(ステップS43:YES)、これにより選択された予告抽選を実行する(ステップS44)。これにより液晶表示装置36の表示画面360には、キャラクタ等の予告演出画像365が表示されることになる。
次に、選択された予告演出が発射誘導情報の報知に優先する予告演出であるか否か、つまり「所定の予告演出」であるか否かを判断する。この所定の予告演出は、図11に示す発射誘導情報の報知抑制制御テーブルに従い、予告演出a〜cの種類と変動パターンの種類とにより定まる。ここでは、ステップS45〜S46、S48〜S50(予告演出決定手段256)の判別ケース(イ)〜(ホ)により、次のように行う。
(イ)図10の予告演出抽選テーブルB中の予告演出a欄に示すように、右打ち遊技中(右打ち誘導情報の出現中)に出現させる予告演出の種類として予告演出aが選択され(ステップS45:YES)、かつ、スーパーリーチ(ハズレまたは当り)の図柄変動パターンで図柄変動が行われる場合(ステップS46:YES)を、ケース(イ)とする。このケース(イ)の場合、予告演出aは、図11の報知抑制制御テーブルに従い、上記発射誘導情報の報知に優先すべき所定の予告演出である、として位置付けられる。何故なら、予告演出aは、発射誘導情報の報知中に生起する予告演出であることから、たとえば当該予告演出aの予告演出画像365については、これが発射誘導情報画像366と重なり合ってしまうことになる(図7参照)からである。
そこでステップS47に進み、図11の報知抑制制御テーブルに従い、この予告演出aを所定の予告演出として優先し、発射誘導情報の報知を禁止または中断する(図11中の予告演出aの報知禁止/中断欄の○印を参照)。表示画面360上では、この予告演出aの予告演出画像365と重なる発射誘導情報画像366の報知を禁止または中断することになる。これにより、表示画面360中に発射誘導情報366が表示されなくなり、所定の予告演出aの予告演出画像365が他の画像に邪魔されずに良く見えるようになる(図16(c)参照)。
(ロ)右打ち遊技中に予告演出aが選択される場合であっても(ステップS45:YES)、スーパーリーチ以外の図柄変動であるとき(ステップS45:NO)、つまりリーチなしの度ハズレ変動またはノーマルリーチの図柄変動パターンによる図柄変動であるというケース(ロ)では、図11の報知抑制制御テーブルに従い、所定の予告演出の予告演出画像365が出現することはないので(図11中の予告演出aの報知禁止/中断欄の無印を参照)、発射誘導情報の報知を禁止または中断することなく予告演出制御処理を終了する。
(ハ)図10の予告演出抽選テーブルB中の予告演出b欄に示すように、右打ち遊技中(右打ち誘導情報の出現中)に予告抽選により予告演出bが選択され(ステップS48:YES)、スーパーリーチ(ハズレまたは当り)またはノーマルリーチ当りの図柄変動パターンで図柄変動が行われるケース(ハ)の場合(ステップS49:YES)、図11の報知抑制制御テーブルに従い、これも予告演出bが所定の予告演出に該当するケースとなる。つまり、このケース(ハ)でも、予告演出bが発射誘導情報と重なり合ってしまうことになり、表示画面360上では予告演出bの予告演出画像365が発射誘導情報画像366と重なり合ってしまうことになる(図7参照)。そこでステップS47に進み、予告演出bと重なる発射誘導情報の報知を禁止または中断する(ステップS47、図11中の予告演出bの報知禁止/中断欄の○印を参照)。これにより、表示画面360上では発射誘導情報画像366が表示されなくなり、予告演出bの予告演出画像365が他の画像に邪魔されずに良く見えるようになる(図16(c)参照)。
(ニ)予告演出bが選択される場合であっても(ステップS48:YES)、スーパーリーチ/ノーマルリーチ当り以外の図柄変動である場合(ステップS49:NO)、つまりノーマルリーチハズレの変動パターンによる図柄変動であるケース(ニ)の場合には、所定の予告演出が出現することはないので(図11中の予告演出bの報知禁止/中断欄の無印を参照)、発射誘導情報の報知を禁止または中断することなく予告演出制御処理を終了する。
(ホ)図10の予告演出抽選テーブルB中の予告演出c欄に示すように、右打ち遊技中(右打ち誘導情報の出現中)に予告抽選により予告演出cが選択され(ステップS50:YES)、スーパーリーチ(ハズレまたは当り)、ノーマルリーチ(ハズレまたは当り)の図柄変動パターンで図柄変動が行われるケース(ホ)の場合は、これも図11の報知抑制制御テーブルに従い、予告演出cが所定の予告演出となる。このケース(ホ)でも、所定の予告演出cの予告演出画像365が発射誘導情報画像366と重なり合ってしまうことになる(図7参照)。そこでステップS47に進み、図11の報知抑制制御テーブルに従い、予告演出cを優先させ、これと重なる発射誘導情報の報知を禁止または中断する(ステップS47、図11中の予告画像表示演出cの報知禁止/中断欄の○印を参照)。表示画面360上では、所定の予告演出cの予告演出画像365と重なる発射誘導情報画像366の報知を禁止または中断する。これにより、表示画面360中に発射誘導情報画像366が表示されなくなり、所定の予告演出cの予告演出画像365が他の画像に邪魔されずに良く見えるようになる(図16(c)参照)。
なお予告演出が上記予告演出a〜cのいずれも該当しない場合は(ステップS50:NO)、発射誘導情報の報知を禁止または中止することなく、予告演出制御処理を終了する。
上記実施形態のパチンコ機は、装飾図柄の変動表示中に現出させる予告演出を抽選する予告演出抽選手段254と、この予告抽選により選択した予告演出が、発射誘導情報の報知と重なり合う場合にこれ優先すべき所定の予告演出であるか否かを決定する予告演出決定手段256と、この予告演出決定手段256により所定の予告演出であると決定された予告演出が、発射誘導情報と重なって生起することとなる場合、発射誘導情報の報知を抑制する発射誘導報知抑制制御手段258とを有する。
したがって、図柄変動表示中に所定の予告演出が生起した場合、その予告演出の表示や音・光等に対して発射誘導情報の表示やや音・光等による報知が抑制されるため、遊技者は生起して欲しいと願う予告演出の予告演出画像や知覚したいとする効果音や発光演出を良好に視認しあるいは知覚することができる。特に表示画面360上では、予告演出画像365の表示と発射誘導情報366の表示との重複が回避され、予告演出画像を他の画像に邪魔されずに見ることができる。したがって図柄変動表示中の予告演出画像の表示に対し発射誘導情報の表示を抑制して、遊技者が見たいと欲する予告演出画像を良好に視認することができる。また、このように予告演出の表示に対し発射誘導情報の表示を回避することにより、互いの演出効果の毀損や処理遅れ等を防止できることにもなる。
<第2の実施形態:図18〜図20>
図18〜図20に第2の実施形態を示す。これは発射誘導報知抑制制御手段258が、予告抽選により選択された予告演出を総て所定の予告演出として扱い、当該所定の予告演出が実行される場合は発射誘導報知制御手段257による発射誘導情報の報知を抑制する実施形態を示したものである。
図18はこの第2の実施形態において予告演出抽選手段254が参照する予告演出抽選テーブルであり、図10のものに対応する。図10の場合は、発射位置報知中以外の遊技状態下で用いられる予告演出抽選テーブルAと発射位置報知中の遊技状態下で用いられる予告演出抽選テーブルBとに分かれていたが、この実施形態では、発射位置報知中以外および発射位置報知中のいずれの遊技状態下でも同じ図18の予告演出抽選テーブルが用いられる。
この図18の予告演出抽選テーブルは、図10のものと同様に、横項目に予告演出の種類として3つの予告演出a、b、cを有し、縦の項目に変動パターンの種類としてリーチなし変動パターン、ノーマルリーチ変動パターン、スーパーリーチ変動パターンを有し、ノーマルリーチ変動パターンとスーパーリーチ変動パターンは、それぞれリーチハズレとリーチ当りとに種別分けされ、○印の付されたセルのものが予告演出抽選手段254で行われる予告抽選の当選対象となる。この○印の付されたセルの分布から判るように、横項目の予告演出の種類について、予告演出a、b、cの順に、予告演出として抽選される変動パターンの種類の数が少くなり、また、縦の項目の変動パターンの種類について、リーチなし変動パターン、ノーマルリーチ変動パターン、スーパーリーチ変動パターンの順に、予告演出a、b、cの中から予告抽選により選択される予告演出の種類が多くなるように定められている。具体的な所定の予告演出としては、図中に○印で示すように、予告演出aは全ての変動パターンについて出現する可能性があり、予告演出bはノーマルリーチ変動パターンおよびスーパーリーチ変動パターンについて出現する可能性があり、予告演出cはノーマルリーチ変動パターンのうちの当り変動の場合とスーパーリーチ変動パターンの場合においてのみ出現する可能性がある。
図19はこの第2の実施形態で用いる発射誘導情報の報知抑制制御テーブルであり、図11のものに対応する。この発射誘導情報報知抑制制御テーブルは、予告抽選に当選して発射位置報知中に予告演出a、b、cが現出することとなる場合、その発射誘導情報の報知を禁止あるいは中断するか否かについての抑制制御の仕方を定めている。
この図19の発射誘導情報報知抑制制御テーブルは図18と同じ横項目および縦項目からなるセル群で構成されており、○印を付したセルが発射誘導情報の報知を抑制する対象となる所定の予告演出であると定めている。この図19では、全て図18と同じセルに○印が付されている。したがって図18の予告抽選テーブルを用いた予告抽選に当選し選択された予告演出は、その予告演出の全てが、発射誘導情報の報知を抑制する所定の予告演出であるとして決定付けられることになる。
図20はこの第2の実施形態を実施する予告演出制御処理を示したフローチャートであり、図15に対応する。この予告演出制御処理では、変動パターン指定コマンドを受信した場合(ステップS40:YES)、発射誘導情報の報知中であるか否かに拘わらず、図18の予告抽選テーブルを用い、当該変動パターンの種類に応じて所定の予告演出a〜cへの当否を抽選する(ステップS42)。これは予告演出抽選手段254により、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに対応する抽選確率に基づいて行う。そしてこの予告抽選に当選した場合には(ステップS43:YES)、当選した予告演出を実行し(ステップS44)、また当選した当該予告演出を所定の予告演出として扱って発射誘導情報の報知を禁止または中断し(ステップS47)、この処理を終了する。また予告抽選に非当選の場合には(ステップS43:NO)、何もせずにこの処理を終了する。
したがって、遊技者が見たいと欲するような所定の予告演出が現出する場合は、発射誘導情報の報知が全て抑制されて当該予告演出が優先され、その所定の予告演出での画像の視認性や、効果音や光演出などの知覚性が阻害されないように配慮される。
<第3の実施形態:図18、図21>
次に第3の実施形態について説明する。これは図11の場合と同様に、予告抽選で抽選された予告演出のうちで所定の予告演出として定めたものだけを、発射誘導情報の報知を抑制する対象とする実施形態を示したものである。
この第3の実施形態でも図18の予告演出抽選テーブルを前提としている。したがって予告抽選の結果、予告演出aは全ての変動パターンについて、また予告演出bはノーマルリーチ変動パターンおよびスーパーリーチ変動パターンについて、そして予告演出cはノーマルリーチ変動パターンのうちの当り変動の場合とスーパーリーチ変動パターンの場合について、それぞれ出現する可能性がある。
図21はこの第3の実施形態において発射誘導報知抑制手段258が参照する発射誘導情報の報知抑制制御テーブルであり、図11のものに対応する。この発射誘導情報報知抑制制御テーブルは、発射位置報知中に予告演出a、b、cが現出する場合、それぞれ発射誘導情報の報知を禁止あるいは中断するか否かについての抑制制御の仕方を定めている。
この図21の発射誘導情報の報知抑制制御テーブルでは、図18の予告演出抽選テーブルを用いた予告抽選で当選した予告演出のうち、発射誘導情報の報知を抑制する所定の予告演出であると定めるものに○印が付されている。○印の付されたセルの分布から判るように、横項目の予告演出の種類について、予告演出a、b、cの順に上記所定の予告演出として扱う度合(出現頻度が小さくなって当り期待度が大きくなる度合)が大きくなるように定められている。また縦の項目の変動パターンの種類について、リーチなし変動パターン、ノーマルリーチ変動パターン、スーパーリーチ変動パターンの順に、それらに伴って発生する予告演出を、上記所定の予告演出として扱う度合(出現頻度が小さくなって当り期待度が大きくなる度合)が大きくなるように定められている。またノーマルリーチ変動パターンとスーパーリーチ変動パターンは、それぞれリーチハズレとリーチ当りとに種別分けされており、リーチハズレよりもリーチ当りの場合の予告演出の方が上記所定の予告演出として扱う度合が大きくなるように定められている。これらの点は、図11の報知抑制制御テーブルの場合と同じである。
図21の特徴は、予告演出aについて図11では報知許可対象であったノーマルリーチ当り変動パターンの場合も発射誘導情報の報知を抑制する対象とされ、予告演出cについて、図11では出現する可能性がある(図10の予告演出抽選テーブルB参照)ことから発射誘導情報の報知抑制制御の対象とされていたノーマルリーチハズレ変動パターンの場合が抑制制御の対象外とされている点である。
すなわち、図21では、予告演出a、b、cの三者について、それぞれノーマルリーチ変動パターン(当り変動)とスーパーリーチ変動パターンとにおいて出現する演出が、上記の発射誘導情報の報知を抑制する対象となる所定の予告演出であるとし、これらの変動パターンにおいて所定の予告演出a、b、cが出現する場合にはこれを優先すべく、発射誘導情報の報知を抑制する。スーパーリーチ変動パターンの場合のみならず、ノーマルリーチ変動パターン(当り変動)の場合も発射誘導情報の報知を抑制することとしている点で、図11の場合と異なる。
図21から判るように、予告演出cは、スーパーリーチ変動パターンの場合のみ発生し、リーチなしハズレ変動パターンやノーマルリーチ変動パターンにおいては発生しない予告演出であるので、予告演出cが現出する場合は常に発射誘導情報の報知が抑制される。換言すれば、発射誘導報知抑制制御手段258は、複数種類の変動パターンのうちの特定の変動パターンであるスーパーリーチ変動パターンにおいて、上記所定の予告演出のうちで予告演出cという特定の予告演出が実行される場合、発射誘導報知制御手段257による発射誘導情報の報知を総て抑制することになる。この予告演出cについての関係は図11の場合と同じである。
一方、予告演出aについては、上記スーパーリーチ以外の変動パターンの種類において、つまりリーチなしハズレ変動パターンおよびノーマルリーチハズレの変動パターンにおいて、予告演出aが出現する場合でも、予告演出aについては発射誘導情報の報知を抑制しない。また予告演出bについては、ノーマルリーチハズレの変動パターンにおいて予告演出bが出現する場合でも、予告演出bについては発射誘導情報の報知を抑制しない。換言すれば、発射誘導報知抑制制御手段258は、上記特定の変動パターンのうちの幾つかにおいて、上記特定の予告演出以外の予告演出である予告演出a、bが実行される場合、発射誘導報知制御手段257による発射誘導情報の報知を抑制しないことになる。このようにするとノーマルリーチハズレの変動パターンにおいて予告演出a、bが出現する場合、発射誘導情報の報知を抑制しないので、所定の予告演出の画像や効果音や発光演出に発射誘導情報の画像や音・光が重なることになるが、これについては当り期待度が低いなどの意義付けをすることができる。またリーチ状態になった後にハズレとなる場合であるので、特に遊技者に不利益を与えないものと考えられる。
<変形例1>
上記実施形態では、15R規定ラウンド遊技の開始から右打ち誘導情報の報知を開始したが、15R規定ラウンド遊技の途中から発射誘導情報として右打ち誘導情報の報知を開始することもできる。
<変形例2>
上記実施形態では、発射誘導情報画像366が所定の予告演出の予告演出画像365と重なり合う場合、図17(a)に点線で示唆するように、発射誘導情報画像366の表示を禁止または中断して、予告演出画像365を表示することの妨げにならないようにした。しかし、発射誘導情報画像366の表示を禁止または中断する替わりに、図17(b)に示すように、予告演出画像365と重ならないように予告演出画像365の領域外に表示しても良い。また、図17(c)に示すように、発射誘導情報画像366を薄く半透明状態にて表示して、予告演出画像365の表示が妨げられないようにしても良い。また、予告演出画像365が見難くならないように発射誘導情報画像366を小さく表示することもできる。
<変形例3>
上記実施形態では、発射誘導情報366が液晶表示装置36に画像表示され、これが所定の予告演出の予告演出画像365と重なり合う場合の不都合性を中心に説明した。しかし、発射誘導情報の報知は画像表示と共に音や発光と組み合わせて行う形態とすることができる。この形態の場合、所定の予告演出に伴う効果音や発光演出が発射誘導情報の報知に関する音や発光にマスクされて把握しにくくなるので、発射誘導情報の報知に関する音や光を抑制し、所定の予告演出に伴う効果音や発光演出が発射誘導情報の報知に関する音や発光に優先して行われるようにすることができる。
<変形例4>
また上記実施形態では、発射誘導情報の報知が所定の予告演出と重なり合う場合、プログラムによって自動的に発射誘導情報の報知を抑制する形態について説明したが、発射誘導情報の報知が所定の予告演出と重なり合う場合、遊技者が枠演出ボタン13等の操作手段を操作することによって、発射誘導情報の報知態様を変更できるようにすることもできる。たとえば、枠演出ボタン13を押すことによって、発射誘導情報の報知を消すことができるように構成することができる。また枠演出ボタン13を押すことによって、発射誘導情報の報知態様を、たとえば「報知を消す」→「小さく表示」→「薄く表示」→「影響のない場所に移動」→「報知を消す」・・・等と、異なる表示態様間で循環的に変更させ、好みの表示態様において停止させるようにすることもできる。このような形態においても、予告演出を阻害せずに判りやすい発射誘導情報の報知が可能である。
<変形例5>
上記実施形態では、図6に示すように、2R確変大当りY1の場合に下大入賞口40が低速開放パターンβ(29秒開放×2R)で開放される仕様であるとして説明したが、下大入賞口40の開放動作を対象とする大当りの種別は任意に定めることができる。たとえば、さらに大当りの種別として5R確変大当りまたは5R通常(非確変)大当りを設け、これに当選した場合は下大入賞口40が29秒開放×5Rの開放パターンで開放されるように構成することができる。
<変形例6>
本実施形態の大当り種別には、大入賞口の開放動作による大当り遊技が行われ、その大当り終了後に確変状態となり次回大当りとなるまで確変状態が継続する「確変大当り」、同じくその大当り終了後に時短状態となる「非確変(通常)大当り」、同じくその大当り終了後に潜伏確変状態となる「突然確変(潜伏確変)大当り」を設けた。
しかし、大当り終了後に転落抽選付の確変状態に突入する「15R確変大当り」などを設けてもよい。すなわち、特別図柄変動表示ゲームで抽選される大当りの種別が「15R確変大当り」の一種類のみである転落抽選タイプのパチンコ遊技機として構成することができる。
また、所定回数の特別図柄変動表示ゲーム終了後に確変状態が終了する(たとえば、特別図柄変動表示ゲームが70回(回数は適宜設定することができる)で終了した後、確変状態から通常状態に移行したり、または確変状態から時短状態に移行したりする)、といったいわゆる「回数切り確変大当り(ST)」などを設けることができる。
また、これらの大当りの種類を1または複数種類組合せて構成しても良く、複数種類の大当りを設けた場合、いずれの大当りとするか否かを抽選(図柄抽選)により決定することができる。また、各大当りの1回のラウンド遊技中の下大入賞口40または右大入賞口50の開放時間や、ラウンド遊技数(大入賞口の開放回数)の最大規定回数は、適宜設定することができる。
<変形例7>
上記実施形態では、遊技領域中にセンターケース48が配置され、このセンターケース48の存在によって遊技球が遊技領域の左右に振り分けられ、左側の第1流下経路3aと右側の第2流下経路3bのいずれかを流下するように構成した。しかし、遊技領域33a内にセンターケース以外の部材、たとえば遊技球を案内する管路部材などが配設され、遊技領域33aが発射手段によって打ち出される遊技球の強弱ないしストロークの違いにより、上記管路の開口に入球する遊技球と入球する遊技球とが生まれるように設定し、上記管路を通らない第1流下経路と上記管路を通る第2流下経路に打ち分け可能に構成することもできる。
<変形例8:図22>
上記実施形態では、遊技領域3aにおけるセンターケース48の下側に第1特別変動入賞装置42を、またセンターケース48の右側に第2特別変動入賞装置52を設けたが、センターケース48の右側ではなく、図22に示すように、センターケース48の鎧枠部48bの右上部分を開放扉51で開閉可能に構成することにより、第2特別変動入賞装置52の大入賞口50を遊技領域3aの右上側に設けることもできる。この形態の場合、大入賞口50は、右流下経路3c上において、普通図柄始動口37および下始動口(第2特別図柄始動口)35よりも上流側に設けることになる。
また第1特別変動入賞装置42についても同様であり、センターケース48の鎧枠部48bの左上部分を開放扉42bで開閉可能に構成することにより、第1特別変動入賞装置42の大入賞口40を遊技領域3aの左上側に設けることもできる。
<変形例9:図23>
上記実施形態では、第1特別変動入賞装置42と第2特別変動入賞装置52の二つを備える弾球遊技機を例にして説明したが、そのいずれか一方のみを設けた形態とすることもできる。たとえば図23に示すように、第1特別変動入賞装置42をなくし、第2特別変動入賞装置52のみとした形態とすることができる。
<変形例10>
上記実施形態では、所定条件下で発射誘導情報の画像表示を抑制する発射誘導報知抑制制御手段258(S45〜S50:図15)を、予告演出制御手段253側に設けたが、発射誘導報知制御手段257側に設けてもよい。