JP2004275565A - 遊技機、遊技機の演出制御方法および遊技演出プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】外ドラムと内ドラムの二重構造を有する可変表示手段を用いた遊技機において、二重構造により遊技の興趣をより増進させるとともに、二重構造により遊技者により期待を抱かせる連続予告演出を実現する。
【解決手段】外・内ドラムの双方またはいずれか一方を用いて複数回の可変表示に亘る連続的な予告演出を実行する。また、外・内ドラムは順方向回転し、内ドラムが停止した後、外ドラムは大型のキャラクタが遊技者に視認されるように停止する。次に、内ドラムが高速回転した後停止する。この状態では、外ドラムが大型のキャラクタで停止しているので、遊技者は内リールを視認できない。次に、外ドラムが3コマ分回転して無効領域(透明領域)で停止すると、遊技者は内リールを視認可能となる。外ドラムと内ドラムとで、遊技者が視認可能な同一ラインの中で同じ図柄が増えていくような演出を実現することができる。
【選択図】 図32
【解決手段】外・内ドラムの双方またはいずれか一方を用いて複数回の可変表示に亘る連続的な予告演出を実行する。また、外・内ドラムは順方向回転し、内ドラムが停止した後、外ドラムは大型のキャラクタが遊技者に視認されるように停止する。次に、内ドラムが高速回転した後停止する。この状態では、外ドラムが大型のキャラクタで停止しているので、遊技者は内リールを視認できない。次に、外ドラムが3コマ分回転して無効領域(透明領域)で停止すると、遊技者は内リールを視認可能となる。外ドラムと内ドラムとで、遊技者が視認可能な同一ラインの中で同じ図柄が増えていくような演出を実現することができる。
【選択図】 図32
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報を可変表示可能な複数の可変表示部を有する可変表示手段を備え、あらかじめ定められている可変表示の実行条件が成立した後、可変表示の開始条件の成立にもとづいて複数種類の識別情報の可変表示を開始し、表示結果として識別情報の組合せが所定の有効ライン上にて特定の表示結果になったときに遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態に制御可能なパチンコ機等の遊技機、遊技機の演出制御方法および遊技演出プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。さらに、識別情報を可変表示可能な可変表示手段が設けられ、当該識別情報の可変表示の表示結果が特定の表示結果となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となるように構成されたものがある。
【0003】
特定遊技状態とは、所定の遊技価値が付与された遊技者にとって有利な状態を意味する。具体的には、特定遊技状態は、例えば可変入賞球装置の状態が打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態(大当り遊技状態)、遊技者にとって有利な状態となるための権利が発生した状態、景品遊技媒体払出の条件が成立しやすくなる状態などの、所定の遊技価値が付与された状態である。
【0004】
パチンコ遊技機では、識別情報として特別図柄を表示する可変表示手段の表示結果があらかじめ定められた特定の表示態様の組合せとなることを、通常、「大当り」という。大当りが発生すると、例えば、大入賞口が所定回数開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に移行する。そして、各開放期間において、所定個(例えば10個)の大入賞口への入賞があると大入賞口は閉成する。そして、大入賞口の開放回数は、所定回数(例えば15ラウンド)に固定されている。なお、各開放について開放時間(例えば29.5秒)が決められ、入賞数が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口は閉成する。また、大入賞口が閉成した時点で所定の条件(例えば、大入賞口内に設けられているVゾーンへの入賞)が成立していない場合には、大当り遊技状態は終了する。
【0005】
また、可変表示手段において最終停止図柄(例えば左右中ドラムのうち中ドラムにおける図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、特定の表示結果と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様といい、リーチ状態となったことをリーチ成立という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。リーチ状態において、変動パターンを通常状態における変動パターンとは異なるパターンにすることによって、遊技の興趣が高められている。そして、可変表示手段に可変表示される図柄の表示結果がリーチ状態となる条件を満たさない場合には「はずれ」となり、可変表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
【0006】
可変表示手段として、表面に識別情報が描かれた3つのドラムを有するドラム構造ものがある。そのような可変表示手段は、ドラムを回転させることによって、3ドラムにおける識別情報の可変表示を実現する。
【0007】
また、ドラム構造の可変表示手段として、外側のドラム(外ドラム)の内側に内ドラムが配置された構造のものがある。外ドラムには透明領域が設けられ、遊技者は、透明領域を介して内ドラムの識別情報を視認することができる(例えば特許文献1,2参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−294566号公報(段落0012〜0014、図5)
【特許文献2】
特開平9−248375号公報(段落0018、図2,図3)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載されている遊技機では、二重のドラム構造が採用されているが、単に、外ドラムに描かれている識別情報と内ドラムに描かれている識別情報とを組み合わせて大当りとするか否かを遊技者に報知しているにすぎない。つまり、識別情報の可変表示による演出という観点では、実質的に一重のドラム構造を用いた場合と変わりがない。また、特許文献2に記載されている遊技機では、内ドラムは単に大当り予告の演出のために用いられているにすぎず、やはり、識別情報の可変表示による演出という観点では、実質的に一重のドラム構造を用いた場合と変わりがない。さらに、特許文献2に記載されている遊技機では、大当りの予告の演出を内ドラムを用いて行っているだけであり、大当り予告の演出という観点においても、内、外ドラムを用いて予告の演出を行うことができるという二重のドラム構造の利点を活かしているとは言えない。
【0010】
そこで、本発明は、第1の識別情報を表示する第1面と、第1面における透明領域を介して遊技者が第2の識別情報を視認可能になっている第2面との二重構造を有する可変表示手段を用いた遊技機において、二重構造により遊技の興趣をより増進させることができるとともに、二重構造により遊技者により期待を抱かせる予告の演出を行うことができる遊技機、遊技機の演出制御方法および遊技演出プログラムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明による遊技機は、遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば飾り図柄)を可変表示可能な複数の可変表示部(例えば外左ドラム、外中ドラム、外右ドラム、内左ドラム、内中ドラム、内右ドラム)を有する可変表示手段(例えば飾り図柄表示装置11)を備え、あらかじめ定められている可変表示の実行条件(例えば、遊技領域に設けられた始動入賞領域への入賞)が成立した後、可変表示の開始条件(例えば、前回の特別図柄の可変表示および大当り遊技状態の終了)の成立にもとづいて複数種類の識別情報の可変表示を開始し、表示結果として識別情報の組合せが所定の有効ライン上にて特定の表示結果(例えば有効ラインで飾り図柄が揃う)になったときに遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、可変表示手段は、可変表示部として、透明領域を有し第1の識別情報(例えば外ドラムに付された図柄)を表示する第1面(例えば外ドラム)と、第1面の裏面に位置し第2の識別情報(例えば内ドラムに付された図柄)を表示し第1面における透明領域を介して遊技者が第2の識別情報を視認可能な第2面(例えば内ドラム)との二重構造であり、可変表示手段の表示状態を制御する表示制御手段(例えば第1表示制御用CPU101を含む第1のマイクロコンピュータと第2表示制御用CPU103を含む第2のマイクロコンピュータ)と、可変表示に関わる決定に用いられる数値データ(例えば乱数値)を所定の数値範囲で更新する数値データ更新手段(例えば乱数を生成するためのカウンタ)と、可変表示の実行条件の成立時に、数値データ更新手段から数値データを抽出する数値データ抽出手段(例えば、ステップS113において乱数を抽出する処理を実行する部分)と、数値データ抽出手段が抽出した数値データを格納する数値データ格納手段(例えば、ステップS113において乱数をRAM55に設けられている始動記憶数に応じた保存領域に格納する処理を実行する部分)と、数値データ格納手段に格納されている数値データが所定の判定値(例えば大当り判定値)と合致するか否かに応じて識別情報の表示結果を特定の表示結果とするか否かの判定を実行する格納データ判定手段(例えばステップS208,S209を実行する部分)と、格納データ判定手段が所定の判定値に合致していると判定したとき(例えばステップS209のY)に、当該合致していると判定された数値データにもとづく可変表示の停止以前に実行される複数回の可変表示に亘って、識別情報の表示結果を特定の表示結果とすることを報知する予告表示制御(例えば連続予告演出)を実行させるか否かを決定する予告決定手段(例えばステップS216,S217を実行する部分)とを含み、表示制御手段は、予告決定手段により予告表示制御を実行する旨の決定がされたとき(例えばステップS217のY)、複数回の可変表示に亘って実行する予告表示制御として、遊技者が視認不能な位置において(例えば当該飾り図柄がドラムの背面にある)、特定の表示結果としての識別情報の組合せを構成する識別情報を増加させるために、視認可能な位置に移動表示させたときに第1の識別情報と第2の識別情報との組合せにより特定の表示結果としての識別情報の組合せの一部を構成する有効ライン上となる位置に、所定の識別情報の位置を揃える位置揃え準備制御(例えば、連続予告として使用されるスーパーリーチ(図柄そろえ)変動を実現するプロセステーブルを用いて、停止時に遊技者が視認可能な同一ラインの中で同じ図柄が増えるように、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムの速度調整を行う制御)を行う予告表示制御手段を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明による遊技機は、遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば飾り図柄)を可変表示可能な複数の可変表示部(例えば外左ドラム、外中ドラム、外右ドラム、内左ドラム、内中ドラム、内右ドラム)を有する可変表示手段(例えば飾り図柄表示装置11)を備え、あらかじめ定められている可変表示の実行条件(例えば、遊技領域に設けられた始動入賞領域への入賞)が成立した後、可変表示の開始条件(例えば、前回の特別図柄の可変表示および大当り遊技状態の終了)の成立にもとづいて複数種類の識別情報の可変表示を開始し、表示結果として識別情報の組合せが特定の表示結果(例えば有効ラインで飾り図柄が揃う)になったときに遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、可変表示手段は、可変表示部として、透明領域を有し第1の識別情報(例えば外ドラムに付された図柄)を表示する第1面(例えば外ドラム)と、第1面の裏面に位置し第2の識別情報(例えば内ドラムに付された図柄)を表示し第1面における透明領域を介して遊技者が第2の識別情報を視認可能な第2面(例えば内ドラム)との二重構造であり、可変表示手段の表示状態を制御する表示制御手段(例えば第1表示制御用CPU101を含む第1のマイクロコンピュータと第2表示制御用CPU103を含む第2のマイクロコンピュータ)と、可変表示に関わる決定に用いられる数値データ(例えば乱数値)を所定の数値範囲で更新する数値データ更新手段(例えば乱数を生成するためのカウンタ)と、可変表示の実行条件の成立時に、数値データ更新手段から数値データを抽出する数値データ抽出手段(例えば、ステップS113において乱数を抽出する処理を実行する部分)と、数値データ抽出手段が抽出した数値データを格納する数値データ格納手段(例えば、ステップS113において乱数をRAM55に設けられている始動記憶数に応じた保存領域に格納する処理を実行する部分)と、数値データ格納手段に格納されている数値データが所定の判定値(例えば大当り判定値)と合致するか否かに応じて識別情報の表示結果を特定の表示結果とするか否かの判定を実行する格納データ判定手段(例えばステップS208,S209を実行する部分)と、格納データ判定手段が所定の判定値に合致していると判定したとき(例えばステップS209のY)に、当該合致していると判定された数値データにもとづく可変表示の停止以前に実行される複数回の可変表示に亘って、識別情報の表示結果を特定の表示結果とすることを報知する予告表示制御(例えば連続予告演出)を実行させるか否かを決定する予告決定手段(例えばステップS216,S217を実行する部分)とを含み、表示制御手段は、予告決定手段により予告表示制御を実行する旨の決定がされたとき(例えばステップS217のY)、複数回の可変表示に亘って実行する予告表示制御として、第1面における第1の識別情報の可変表示動作と第2面における第2の識別情報の可変表示動作とで、交互に、リーチ演出を可変表示手段に実行させる(例えば図32に示す飾り図柄の変動)予告表示制御手段(例えば、連続予告として使用されるスーパーリーチ(交互リーチ)に対応したプロセステーブルを用いてドラム駆動制御する部分:ステップS881およびモータ制御処理)を含むことを特徴とする。
【0013】
予告表示制御手段が、位置揃え準備制御を繰り返し行う制御を実行する(例えばスーパーリーチ(図柄そろえ)変動における複数回の全ドラム高速回転時のそれぞれにおいて実行する)ように構成されていてもよい。
【0014】
可変表示手段は、例えば、外面より視認可能に第1面の第1の識別情報が配された回動(例えばドラムの回転やベルトの移動)可能な第1の可変表示部材(例えば外ドラム)と、第1の可変表示部材の内側に配置され第2面の第2の識別情報が表面に配された回動可能な第2の可変表示部材(例えば内ドラム)とを含む構成である。
【0015】
予告表示制御手段が、第1面および第2面において全ての可変表示部(例えば、第1面について、外左ドラム、外中ドラムおよび外右ドラム、第2面について内左ドラム、内中ドラムおよび内右ドラム)にて同時に識別情報を可変表示させる(例えば図30〜図37に示す飾り図柄の変動)ように構成されていてもよい。
【0016】
可変表示手段が、キャラクタ情報(例えばキャラクタA,Bや大型のキャラクタ「ドラム君」の情報)を第1面で表示可能であり、予告表示制御手段が、予告表示制御として、キャラクタ情報を遊技者に視認可能に表示させるように構成されていてもよい。
【0017】
第2面を遮蔽する遮蔽領域(例えば外ドラムにおける大型のキャラクタが付された部分)が第1面に設けられ、予告表示制御手段が、第2面における識別情報の可変表示が一旦停止した後、遮蔽領域が第2面を遮蔽した状態で第2面における識別情報の可変表示を再度開始させる(例えば、連続予告として使用されるスーパーリーチ(図柄そろえ)に対応したプロセステーブルを用いてドラム駆動制御する:ステップS881およびモータ制御処理)ように構成されていてもよい。
【0018】
本発明による遊技機の演出制御方法は、遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば飾り図柄)を可変表示可能な複数の可変表示部(例えば外左ドラム、外中ドラム、外右ドラム、内左ドラム、内中ドラム、内右ドラム)を有する可変表示手段(例えば飾り図柄表示装置11)を備え、表示結果として識別情報の組合せが所定の有効ライン上にて特定の表示結果(例えば有効ラインで飾り図柄が揃う)になったときに遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能であり、可変表示手段は、可変表示部として、透明領域を有し第1の識別情報(例えば外ドラムに付された図柄)を表示する第1面(例えば外ドラム)と、第1面の裏面に位置し第2の識別情報(例えば内ドラムに付された図柄)を表示し第1面における透明領域を介して遊技者が第2の識別情報を視認可能な第2面(例えば内ドラム)との二重構造である遊技機における演出制御方法であって、あらかじめ定められている可変表示の実行条件(例えば、遊技領域に設けられた始動入賞領域への入賞)が成立したときに、所定の数値範囲で更新されている、可変表示に関わる決定に用いられる数値データ(例えば乱数値)を抽出するステップ(例えば、ステップS113における乱数を抽出する処理)と、抽出した数値データを格納するステップ(例えば、ステップS113における乱数をRAM55に設けられている始動記憶数に応じた保存領域に格納する処理)と、格納した数値データが所定の判定値(例えば大当り判定値)と合致するか否かに応じて識別情報の表示結果を特定の表示結果とするか否かの判定を行うステップ(例えばステップS208,S209)と、数値データが所定の判定値に合致していると判定したとき(例えばステップS209のY)に、当該合致していると判定された数値データにもとづく可変表示の停止以前に実行される複数回の可変表示に亘って、識別情報の表示結果を特定の表示結果とすることを報知する予告表示制御(例えば連続予告演出)を実行させるか否かを決定するステップ(例えばステップS216,S217)と、予告表示制御を実行する旨の決定がされたとき(例えばステップS217のY)、複数回の可変表示に亘って実行する予告表示制御として、遊技者が視認不能な位置において(例えば当該飾り図柄がドラムの背面にある)、特定の表示結果としての識別情報の組合せを構成する識別情報を増加させるために、視認可能な位置に移動表示させたときに第1の識別情報と第2の識別情報との組合せにより特定の表示結果としての識別情報の組合せの一部を構成する有効ライン上となる位置に、所定の識別情報の位置を揃える位置揃え準備制御(例えば、連続予告として使用されるスーパーリーチ(図柄そろえ)変動を実現するプロセステーブルを用いて、停止時に遊技者が視認可能な同一ラインの中で同じ図柄が増えるように、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムの速度調整を行う制御)を行うステップとを備えたことを特徴とする。
【0019】
本発明による遊技演出プログラムは、遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば飾り図柄)を可変表示可能な複数の可変表示部(例えば外左ドラム、外中ドラム、外右ドラム、内左ドラム、内中ドラム、内右ドラム)を有する可変表示手段(例えば飾り図柄表示装置11)を備え、表示結果として識別情報の組合せが所定の有効ライン上にて特定の表示結果(例えば有効ラインで飾り図柄が揃う)になったときに遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能であり、可変表示手段は、可変表示部として、透明領域を有し第1の識別情報(例えば外ドラムに付された図柄)を表示する第1面(例えば外ドラム)と、第1面の裏面に位置し第2の識別情報(例えば内ドラムに付された図柄)を表示し第1面における透明領域を介して遊技者が第2の識別情報を視認可能な第2面(例えば内ドラム)との二重構造である遊技機における遊技演出プログラムであって、遊技機に搭載されたコンピュータに、あらかじめ定められている可変表示の実行条件(例えば、遊技領域に設けられた始動入賞領域への入賞)が成立したときに、所定の数値範囲で更新されている、可変表示に関わる決定に用いられる数値データ(例えば乱数値)を抽出する処理(例えば、ステップS113における乱数を抽出する処理)と、抽出した数値データを格納する処理(例えば、ステップS113における乱数をRAM55に設けられている始動記憶数に応じた保存領域に格納する処理)と、格納した数値データが所定の判定値(例えば大当り判定値)と合致するか否かに応じて識別情報の表示結果を特定の表示結果とするか否かの判定を行う処理(例えばステップS208,S209)と、数値データが所定の判定値に合致していると判定したとき(例えばステップS209のY)に、当該合致していると判定された数値データにもとづく可変表示の停止以前に実行される複数回の可変表示に亘って、識別情報の表示結果を特定の表示結果とすることを報知する予告表示制御(例えば連続予告演出)を実行させるか否かを決定する処理(例えばステップS216,S217)と、予告表示制御を実行する旨の決定がされたとき(例えばステップS217のY)、複数回の可変表示に亘って実行する予告表示制御として、遊技者が視認不能な位置において(例えば当該飾り図柄がドラムの背面にある)、特定の表示結果としての識別情報の組合せを構成する識別情報を増加させるために、視認可能な位置に移動表示させたときに第1の識別情報と第2の識別情報との組合せにより特定の表示結果としての識別情報の組合せの一部を構成する有効ライン上となる位置に、所定の識別情報の位置を揃える位置揃え準備制御(例えば、連続予告として使用されるスーパーリーチ(図柄そろえ)変動を実現するプロセステーブルを用いて、停止時に遊技者が視認可能な同一ラインの中で同じ図柄が増えるように、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムの速度調整を行う制御)を行う処理とを実行させることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0021】
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図、図2は遊技盤の前面を示す正面図である。
【0022】
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
【0023】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
【0024】
遊技領域7の中央付近には、それぞれが識別情報としての図柄(飾り図柄)を可変表示する複数の回転ドラムを含む飾り図柄表示装置(可変表示装置)11が設けられている。飾り図柄表示装置11の構成については、図3,図4を参照して後で詳しく説明する。
【0025】
飾り図柄表示装置11の上部には、特別図柄を可変表示する7セグメントLEDによる特別図柄表示器9が設けられている。また、飾り図柄表示装置11の上部には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する特別図柄始動記憶表示器18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、特別図柄始動記憶表示器18は点灯するLEDを1増やす。そして、特別図柄表示器9の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
【0026】
飾り図柄表示装置11の下方には、始動入賞口14としての可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
【0027】
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイドも設けられている。
【0028】
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、「〇」および「×」のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に「〇」が点灯すれば当たりとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。飾り図柄表示装置11の上部には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への球通過がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
【0029】
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
【0030】
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。上記のように、この実施の形態のパチンコ遊技機1には、発光体としてのランプやLEDが各所に設けられている。
【0031】
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、飾り図柄表示装置11において飾り図柄が可変表示(変動)を始めるとともに、特別図柄表示器9において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動記憶数を1増やす。
【0032】
飾り図柄表示装置11における飾り図柄の可変表示および特別図柄表示器9における特別図柄の可変表示は、それぞれ一定時間が経過したときに最終的に停止(確定)する。停止時の特別図柄すなわち停止図柄が大当り図柄(特定表示結果)である場合には、飾り図柄の停止図柄も、大当り図柄に対応した特定の表示結果になる。特別図柄の停止図柄が大当り図柄ではないはずれ図柄である場合には、飾り図柄の停止図柄も、はずれ図柄に対応した非特定の表示結果になる。
【0033】
なお、この実施の形態では、特別図柄は「−」、「0」〜「9」、「A」〜「C」、「E」、「F」および「H」の17種類であり、大当り図柄は「−」以外の図柄である。また、飾り図柄表示装置11には、停止時に、3×3=9個の飾り図柄が視認可能に表示される。特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、飾り図柄表示装置11ににおける縦、横または斜めの列の3つの図柄が同一図柄になる。
【0034】
特別図柄の停止図柄が大当り図柄になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に遊技球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
【0035】
特別図柄の停止図柄が確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)である場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な遊技状態になる。なお、この実施の形態では、確変図柄は奇数の数字および「B」、「E」、「H」である。また、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合には、飾り図柄表示装置11ににおける縦、横または斜めの各列のうちの複数列において、同一図柄が表示される。
【0036】
遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
【0037】
次に、飾り図柄表示装置11の構成について図3および図4を参照して説明する。図3は、飾り図柄表示装置11の回転ドラム機構の構造を示す分解斜視図である。図4は、左中右の回転ドラムユニットのうちの中ドラムユニットの構造を示す分解斜視図である。
【0038】
図3に示すように、回転ドラム機構230は、左中右の回転ドラムユニット231〜233と、それらを収納するドラム収納ケース239と、各回転ドラムユニット231〜233をドラム収納ケース239に位置決め固定するとともに遊技盤6の裏面に取り付けるためのドラム取付枠220,221とで構成されている。ドラム収納ケース239は、前方が開口した箱状に形成されている。ドラム収納ケース239の開口から回転ドラムユニット231〜233が挿入される。また、ドラム収納ケース239の開口上部には、ドラム取付枠221がねじ止めされるビス穴を有する取付部239c,239dが設けられている。また、ドラム収納ケース239の後面上側には、ドラム収納ケース239内の熱を効率良く外部に放出するための放熱口256aが設けられている。また、ドラム収納ケース239の上面には、回転ドラムユニット231〜233をねじ止めするためのビス穴が設けられている。
【0039】
コ字状のドラム取付枠220は、箱状のドラム収納ケース239に後方から装着される。ドラム取付枠220の両端部には、ビス穴を有する取付部220a,220bが形成されている。また、ドラム取付枠220の中央辺の側面には、ドラム収納ケース239および各回転ドラムユニット231〜233をそれぞれねじ止めするためのビス穴が設けられている。額縁状のドラム取付枠221は、ドラム収納ケース239の開口の縁部を覆うように装着される。ドラム取付枠221の左右の辺には、ドラム取付枠220の取付部220a,220bとねじ止めされるビス穴を有する取付部221a,221bが形成されている。また、ドラム取付枠221の上辺には、ドラム収納ケース239の取付部239c,239dとねじ止めされるビス穴を有する取付部221c,221dが形成されている。
【0040】
回転ドラムユニット231〜233は、それぞれ、表面に複数の図柄が付された円筒状の回転ドラム235〜237と、各回転ドラム235〜237を回転可能に支持するとともにドラム収納ケース239に取り付けるドラム取付金具240〜242とで構成されている。ドラム取付金具240〜242には、ドラム収納ケース239にねじ止めされるビス穴が各所に設けられている。
【0041】
回転ドラムユニット231〜233は、ドラム収納ケース239に収納された後、ねじ止めされてドラム収納ケース239内の所定位置に固定される。そして、ドラム取付枠220が箱状のドラム収納ケース239に後方から装着され、ドラム取付枠220のビス穴にビスがねじ込まれることによって、ドラム取付枠220とドラム収納ケース239および回転ドラムユニット231〜233とがねじ止め固定される。そして、ドラム取付枠221がドラム収納ケース239の開口の縁部を覆うように装着され、ドラム取付枠221のビス穴にビスがねじ込まれることによって、ドラム取付枠221とドラム収納ケース239およびドラム取付枠220とがねじ止め固定される。このように組み立てられた回転ドラム機構230は、ドラム取付枠221がビスでねじ止めされることによって遊技盤6の裏面に固定されて装着される。
【0042】
図4には、左中右の回転ドラムユニット231〜233のうちの中ドラムユニット232の構造が示されている。なお、右ドラムユニット231および左ドラムユニット233の構造は中ドラムユニット232の構造と同様である。従って、右ドラムユニット231および左ドラムユニット233の構造の図示および説明は省略する。
【0043】
図4に示すように、回転ドラムユニット232における回転ドラム236は、外側の回転ドラム(以下、外ドラムという)236Aと、外ドラムの内側に収容される回転ドラム(以下、内ドラムという)236Bとを備えている。外ドラム236Aは、表面に複数の図柄が付された筒状の透明な図柄表示面を含むドラム状に形成されている。そして、外ドラム236Aには、図柄表示面から中心に向かって六角対角線状に形成されたドラムフレームの軸支部が設けられている。また、内ドラム236Bも、表面に複数の図柄が付された筒状の図柄表示面を含むドラム状に形成されている。そして、内ドラム236Bにも、図柄表示面から中心に向かって六角対角線状に形成されたドラムフレームの軸支部が設けられている。
【0044】
内ドラム236Bの口径は外ドラム236Aの口径よりも小さく、内ドラム236Bは外ドラム236Aの内部に収容可能である。内ドラム236Bが外ドラム236Aの内部に収容されたときに、外ドラム236Aと内ドラム236Bの図柄表示面が重なる位置に配置される。また、外ドラム236Aと内ドラム236Bは同一の駆動軸を中心として回転可能である。また、外ドラム236Aの図柄表示面には透明領域がある。よって、遊技者は、透明領域を介して内ドラム236Bの図柄表示面に描かれている図柄を視認することができる。
【0045】
図4に示すように、内ドラム236Bを回転させるドラムモータ(ステッピングモータ)200bは、モータ取付基板245の貫通穴245a,245bを介して、ドラム取付金具241Bの取付部241d,241eにねじ止めされる。ドラムモータ200bからのケーブル262はモータ取付基板245に接続され、モータ取付基板245内の電気回路およびコネクタを介して図柄制御基板に電気的に接続される。また、ドラムモータ200bの回転部263は、内ドラム236Bの中央部にねじ止めされる。
【0046】
モータ取付基板245には、6個のドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cが設置されている。内ドラム236Bの表面に付されている飾り図柄のうち3図柄が同時に遊技者に視認可能である。ドラム装飾用LED151A,152Aは、そのうちの1図柄を装飾し、ドラム装飾用LED151B,152Bは、他の1図柄を装飾し、ドラム装飾用LED151C,152Cは、さらに他の1図柄を装飾する。なお、内ドラム236Bの装飾図柄と外ドラム236Aの装飾図柄とは空間的に近接するので、ドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cは、外ドラム236Aも装飾する。また、ドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cとして、それぞれ、フルカラーLEDが用いられている。
【0047】
さらに、モータ取付基板245とドラム取付金具241Bとは、モータ取付基板245とドラム取付金具241Bとを挟んで、取付部材253,254がねじ止めされることによって一体化される。
【0048】
外ドラム236Aを回転させるドラムモータ(ステッピングモータ)200Bは、モータ取付基板244の貫通穴244a,244bを介して、ドラム取付金具241Aの取付部244d,244eにねじ止めされる。ドラムモータ200Bからのケーブル260はモータ取付基板244に接続され、モータ取付基板244内の電気回路およびコネクタを介して図柄制御基板に電気的に接続される。また、ドラムモータ200Bの回転部は、外ドラム236Aの中央部にねじ止めされる。なお、ドラム取付金具241Aは、図3に示されたドラム取付金具241に相当する。
【0049】
モータ取付基板244とドラム取付金具241Aとは、モータ取付基板244とドラム取付金具241Aとを挟んで、取付部材251,252がねじ止めされることによって一体化される。
【0050】
モータ取付基板244、ドラム取付金具241Aおよび外ドラム236Aが一体化し、モータ取付基板245、ドラム取付金具241Bおよび内ドラム236Bが一体化した状態で、外ドラム236Aの内部に、内ドラム236Bが挿入される。そして、ドラム取付金具241Aとドラム取付金具241Bとの間で、介在部材247,248が、ドラム取付金具241Aおよびドラム取付金具241Bの外側から、上部止め部241fおよび下部止め部241gにおいてねじ止めされる。
【0051】
さらに、ドラム取付金具241Aの取付部分241cとドラム取付金具241Bの取付部分241hとが、ドラム収納ケース239の下部においてねじ止めされる。また、ドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cからの照射光を均一化するための反射板246が、ドラム収納ケース239に取り付けられる。
【0052】
図5(A)は、ドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cとして使用されるフルカラーLEDの一例の外観を示す説明図であり、図5(B)はフルカラーLEDの回路構成を示す回路図である。フルカラーLEDは、例えば、通電を受けて赤色を発光する赤LED、通電を受けて緑色を発光する緑LED、通電を受けて青色を発光する青LEDとが組み合わされたものである。従って、赤(R)カソード端子(以下、R端子という。)、緑(G)カソード端子(以下、G端子という。)、青(B)カソード端子(以下、B端子という。)およびコモン端子を有する。
【0053】
図6は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図6には、払出制御基板37、ランプ制御基板35、音制御基板70および図柄制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御手段)53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aおよびクリアスイッチ921からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21および大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。クリアスイッチ921は、例えば遊技機に設置されている電源基板に搭載されている。
【0054】
なお、図6には示されていないが、カウントスイッチ短絡信号もスイッチ回路58を介して基本回路53に伝達される。また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。
【0055】
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、特別図柄表示器9における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号を、遊技機裏面に設置されている情報端子盤を介してホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
【0056】
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。
【0057】
また、RAM(CPU内蔵RAMであってもよい。)55の一部または全部が、電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。
【0058】
この実施の形態では、図柄制御基板80に搭載されている表示制御手段(CPU、ROM、RAM等)が、遊技制御手段からの表示制御コマンドに従って、飾り図柄表示装置11の制御を行う。また、表示制御手段は、表示制御コマンドによって指令される情報および表示制御手段が生成した情報を示すデータを、ランプ制御コマンドとしてランプ制御基板35に送信する。なお、表示制御手段は、全ての表示制御コマンドにもとづく情報をランプ制御基板35に転送するのではなく、遊技機に設けられているランプ等(発光体)および音の制御に必要とされる情報を含む表示制御コマンドにもとづく情報のみをランプ制御基板35に転送するようにしてもよい。また、この実施の形態では、ランプ制御コマンドの形態は表示制御コマンドの形態と同じであるが、それらの形態は異なっていてもよい。
【0059】
ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御手段(CPU、ROM、RAM等)は、ランプ制御コマンドに従って、遊技機に設けられている発光体の制御を行う。すなわち、特別図柄表示器9、普通図柄表示器10、特別図柄始動記憶表示器18、普通図柄始動記憶表示器41および飾りランプ25等の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51および球切れランプ52の表示制御を行う。なお、各ランプはLEDその他の種類の発光体でもよい。すなわち、ランプやLEDは発光体の一例であり、以下、ランプ・LEDと総称することがある。また、飾り図柄表示装置11の上部および左右部には、可変表示装置飾りLED(センター飾りLED)が設置され、大入賞口の内部には大入賞口内飾りLEDが設置され、大入賞口の左右には、大入賞口左飾りLEDおよび大入賞口右飾りLEDが設置されている。ランプ制御手段は、それらの発光体の制御も行う。なお、ドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cは、表示制御手段によって制御される。
【0060】
また、ランプ制御手段は、受信したランプ制御コマンドによって指令される情報を、音制御コマンドとして音制御基板に送信する。音制御基板70に搭載されている音制御手段(CPU、ROM、RAM等)は、音制御コマンドに従って、スピーカ27からの音出力制御を行う。なお、ランプ制御手段は、全てのランプ制御コマンドにもとづく情報を音制御基板70に転送するのではなく、音の制御に必要とされる情報を含むランプ制御コマンドにもとづく情報のみを、音制御コマンドとして音制御基板70に転送するようにしてもよい。
【0061】
図7は、図柄制御基板80内の回路構成例を、第1の可変表示部材としての外ドラム235A,236A,237Aを回転させる第1の駆動手段としてのドラムモータ200A,200B,200C、第2の可変表示部材としての内ドラム235B,236B,237Bを回転させる第2の駆動手段としてのドラムモータ200a,200b,200c、ドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152C、および主基板31の一部とともに示すブロック図である。なお、ドラムモータ200A,200B,200C,200a,200b,200cとして、同じステッピングモータを用いる。
【0062】
図柄制御基板80には、2つのマイクロコンピュータが搭載されている。そのうち、第1のマイクロコンピュータにおけるCPU(第1表示制御用CPU)101は、RAM104を適宜用いて、ROM102に格納されたプログラムに従って動作する。主基板31の出力ポート570,571および出力バッファ回路620,621から、ノイズフィルタ107および入力バッファ回路105Bを介してストローブ信号(INT信号)が入力されると、入力バッファ回路105Aを介して表示制御コマンドを受信する。入力バッファ回路105A,105Bとして、例えば汎用ICである74HC244を使用することができる。
【0063】
そして、第1表示制御用CPU101は、受信した表示制御コマンドに従って、外ドラムを回転させるための第1の駆動手段としてのドラムモータ200A〜200Cの駆動制御を行うための制御信号(指令)を、出力ポートを介して第1の駆動回路としてのモータ駆動回路176に与える。モータ駆動回路176は、第1表示制御用CPU101からの信号に従って、ドラムモータ200A〜200Cに駆動信号を供給する。
【0064】
入力バッファ回路105A,105Bは、主基板31から図柄制御基板80へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、図柄制御基板80側から主基板31側に信号が伝わる余地はない。図柄制御基板80内の回路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が主基板31側に伝わることはない。なお、出力ポート570,571の出力をそのまま図柄制御基板80に出力してもよいが、単方向にのみ信号伝達可能な出力バッファ回路620,621を設けることによって、主基板31から図柄制御基板80への一方向性の信号伝達をより確実にすることができる。
【0065】
また、第1表示制御用CPU101は、受信した表示制御コマンドを、出力ポートを介して、ランプ制御基板35に送信する。さらに、受信した表示制御コマンドを、出力ポートを介して、図柄制御基板80に搭載されている第2のマイクロコンピュータにおける第2表示制御用CPU103に送信する。
【0066】
なお、第1表示制御用CPU101と第2表示制御用CPU103との間の送受信は、双方向通信方式により行われる。すなわち、第1表示制御用CPU101が第2表示制御用CPU103に対してデータを出力すると、第2表示制御用CPU103は、そのデータを入力し、入力したことを示す応答信号を第1表示制御用CPU101に出力する。第1表示制御用CPU101は、応答信号を入力したら、データが第2表示制御用CPU103に伝達されたと認識する。また、同様の通信方式で、第2表示制御用CPU103から第1表示制御用CPU101にデータを送信することも可能である。
【0067】
第2表示制御用CPU103は、RAM(図示せず)を適宜用いて、ROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作する。第2表示制御用CPU103は、第1表示制御用CPU101を介して受信した表示制御コマンドに従って、内ドラムを回転させるための第2の駆動手段としてのドラムモータ200a〜200cの駆動制御を行うための制御信号(指令)を、出力ポートを介して第2の駆動回路としてのモータ駆動回路177に与える。モータ駆動回路177は、第2表示制御用CPU103からの信号に従って、ドラムモータ200a〜200cに駆動信号を供給する。
【0068】
さらに、第2表示制御用CPU103は、フルカラーLED駆動回路178に、ドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cを所定の色で点灯させたり消灯させたりするための制御信号を与える。フルカラーLED駆動回路178は、制御信号に応じて、ドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cを所定の色で点灯させたり消灯させたりする。
【0069】
なお、この実施の形態では、第1表示制御用CPU101を含む第1のマイクロコンピュータと第2表示制御用CPU103を含む第2のマイクロコンピュータとで、飾り図柄表示装置11の表示状態を制御する表示制御手段が実現されている。また、第1表示制御用CPU101と第2表示制御用CPU103とは同じ型番(品名)のものであることが好ましい。同じものであれば、ドラム制御のためのプログラムを共通化することが容易であり、二重構造のドラムを用いてもプログラム開発を簡素化することができる。
【0070】
また、ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御用CPUを含むランプ制御手段は、ランプ制御コマンドに応じて、特別図柄表示器9、普通図柄表示器10、特別図柄始動記憶表示器18、普通図柄始動記憶表示器41および飾りランプ25等の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51および球切れランプ52の表示制御を行う。
【0071】
例えば、ランプ制御コマンドによって、特別図柄の停止図柄と、特別図柄の可変表示時間(変動時間)を特定可能な情報を受けた場合、ランプ制御手段は、変動時間だけ、7セグメントLEDによる特別図柄表示器9において所定時間毎(例えば0.5秒ごと)に表示を順次切り替えることによって特別図柄の変動を実行させる。そして、変動時間が経過し、かつ、特別図柄の停止を示すランプ制御コマンドを受信したら、指定された停止図柄を停止表示させるように制御する。また、普通図柄の停止図柄と、普通図柄の可変表示時間(変動時間)を特定可能な情報を受けた場合、ランプ制御手段は、変動時間だけ、普通図柄表示器10において点灯させる方の表示部を交互に切り替えることによって普通図柄の変動を実行させる。そして、変動時間が経過しかつ、普通図柄の停止を示すランプ制御コマンドを受信したら、停止図柄として指定された方の表示部を点灯表示させるように制御する。
【0072】
なお、ランプ制御コマンドは、第1表示制御用CPU101が主基板31の遊技制御手段から受信した表示制御コマンドの内容に対応したコマンドである。従って、ランプ制御コマンドが示す情報は、実質的には、遊技制御手段が生成した情報である。
【0073】
次に遊技機の動作について説明する。図8は、主基板31における遊技制御手段(基本回路:CPU56およびROM,RAM等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
【0074】
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。なお、割込みモード2は、遊技制御用マイクロコンピュータ56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
【0075】
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS14)。
【0076】
クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
【0077】
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0078】
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と表示制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
【0079】
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
【0080】
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。さらに、サブ基板(この実施の形態ではランプ制御基板35、払出制御基板37、音制御基板70および図柄出制御基板80)を初期化するための初期化コマンドを払出制御基板37および図柄出制御基板80に送信する処理を実行する(ステップS13)。初期化コマンドとして、特別図柄表示器9や飾り図柄表示装置11に表示される初期図柄を示すコマンドや賞球ランプ51および球切れランプ52の消灯を指示するコマンド等がある。
【0081】
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS14)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0082】
初期化処理の実行(ステップS11〜S14)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数とは、特別図柄表示器9に表示される図柄を決定するための乱数等であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、大当り判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
【0083】
なお、表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
【0084】
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図9に示すステップS20〜S33の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ24a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
【0085】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS22)。CPU56は、さらに、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23,S24)。
【0086】
図10は、各乱数を示す説明図である。各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(3)ランダム4:飾り図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(4)ランダム5:大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定する(リーチ判定用)
(5)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(7)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
(8)ランダム9:連続予告演出を実行するか否かを決定する(予告判定用)
【0087】
図9に示された遊技制御処理におけるステップS22では、CPU56は、(1)の大当り判定用乱数、(2)の大当り図柄決定用乱数、および(5)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(8)の乱数以外の乱数等も用いられている。
【0088】
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0089】
次いで、CPU56は、特別図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送出する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:ステップS27)。また、普通図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS28)。
【0090】
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
【0091】
また、CPU56は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの何れかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
【0092】
そして、CPU56は、始動入賞記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS31)。また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS32)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS33)。可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21,21Aを駆動する。その後、割込許可状態に設定する(ステップS34)。
【0093】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0094】
図11は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図11に示す特別図柄プロセス処理は、図9のフローチャートにおけるステップS25の具体的な処理である。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)を行い、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を行う。変動短縮タイマは、特別図柄の変動時間が短縮される場合に、変動時間を設定するためのタイマである。
【0095】
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、特別図柄の可変表示の結果、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。
【0096】
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
【0097】
飾り図柄変動パターン設定処理(ステップS302):飾り図柄の可変表示の変動パターンを、ランダム4の値に応じて決定する。また、変動時間タイマをスタートさせる。このとき、図柄制御基板80に対して、変動時間を指令する情報と特別図柄の停止図柄とが送信される。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。なお、飾り図柄の変動パターンを決定することによって、飾り図柄および特別図柄の変動時間も決定されることになる。
【0098】
図柄変動処理(ステップS303):所定時間(ステップS302の変動時間タイマで示された時間)が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
【0099】
図柄停止処理(ステップS304):特別図柄表示器9において可変表示される特別図柄および飾り図柄表示装置11において可変表示される飾り図柄が停止されるように制御する。具体的には、特別図柄停止を示す表示制御コマンドが送信される状態に設定する。そして、停止図柄が大当り図柄である場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0100】
大入賞口開放開始処理(ステップS305):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当り中フラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。
【0101】
大入賞口開放中処理(ステップS306):大入賞口ラウンド表示の表示制御コマンドを図柄制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS307に移行するように更新する。
【0102】
特定領域有効時間処理(ステップS307):V入賞スイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS308に移行するように更新する。
【0103】
大当り終了処理(ステップS308):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を表示制御手段に行わせるための制御を行う。そして、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0104】
図11は始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、始動入賞記憶数が最大値である4に達しているかどうか確認する(ステップS111)。始動入賞記憶数が4に達していなければ、始動入賞記憶数を1増やし(ステップS112)、大当り判定用乱数等の各乱数の値を抽出し、それらを始動入賞記憶数の値に対応した保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納する(ステップS113)。なお、乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。ステップS113では、図10に示された乱数のうち、ランダム1〜ランダム5が抽出される。そして、変動時間を短縮するか否かの判定を行うための変動時間短縮判定時間をセットする(ステップS114)。
【0105】
なお、この実施の形態では、大当り図柄は「−」以外の図柄である。なお、特別図柄の変動中において、表示図柄の表示は非連続的に変化してもよい。そして、大当りとなる場合において、停止図柄が奇数の数字または「B」、「E」、「H」であったときには、大当り遊技終了後に高確率状態に移行する。また、高確率状態において、大当りが発生すると、または、所定回の特別図柄の変動が行われると高確率状態は終了し低確率状態に戻る。
【0106】
図13は、内ドラム235B,236B,237Bの表面に付された図柄(飾り図柄)と、外ドラム235A,236A,237Aの表面に付された飾り図柄の一例を図柄番号とともに示す説明図である。それぞれのドラムは、実際には円環状であり、図13に示す上段と下段とは接続されている。
【0107】
図13に示すように、内ドラムの3列のそれぞれには、10コマの飾り図柄(「7」、「J」、「Q」、「K」、「・」)が付されている。また、外ドラムの3列のそれぞれには、1コマの飾り図柄(「7})が付されている。外ドラムの飾り図柄(「7})は、第1の識別情報に相当し、内ドラム飾り図柄(「7」、「J」、「Q」、「K」、「・」)は第2の識別情報に相当する。さらに、外左ドラムおよび外右ドラムには、それぞれ、キャラクタ情報(キャラクタA,B)が表示されている。また、外ドラムには、外ドラムの3列が共動して表示する大型のキャラクタ(「ドラム君」)が表示されている。さらに、外ドラムでは、飾り図柄およびキャラクタが表示されている領域に隣接して、3コマの透明領域が形成されている。以下、飾り図柄やキャラクタ情報が表示されていない透明領域を無効領域ということがある。ただし、便宜上、「表示図柄として透明領域(または無効領域)を表示する」という表現をすることがある。
【0108】
なお、この実施の形態では、飾り図柄やキャラクタ情報が表示されていない透明領域を無効領域とするが、無効領域は、広義には、ドラムにおいて、他方のドラム(内ドラムに対する外ドラム、または外ドラムに対する内ドラム)に付されている図柄または図柄の一部と組み合わされても、当り(同一ラインに同一図柄が揃う)の態様を生じさせることのない領域である。従って、広義には、キャラクタ情報が表示されている領域も無効領域である。また、大型のキャラクタが付されている領域は遊技者の内ドラムの視認を妨げるので、その領域を遮蔽領域ということがある。
【0109】
図14は、この実施の形態で用いられる特別図柄および飾り図柄の変動時間と飾り図柄の変動パターンとを示す説明図である。特別図柄の変動時間と飾り図柄の変動時間とは同じである。また、特別図柄と飾り図柄とは同時期に変動を開始する。図14に示す例では、変動時間の種類は4種類である。また、飾り図柄の変動パターンは16種類である。しかし、図14に示された例よりも、さらに多くの種類の変動時間および変動パターンがあってもよい。また、図14に示す例では、短縮変動パターンは省略されている。
【0110】
図14に示す例では、特別図柄プロセス処理における飾り図柄変動パターン設定処理において、はずれとすることに決定された場合にのみ選択される通常変動およびノーマルリーチ変動があり、ノーマルリーチ変動はリーチ演出を伴う。また、ロングリーチ変動、スーパーリーチ変動、スーパーリーチ(交互リーチ)変動、スーパーリーチ(図柄そろえ)変動および地震リーチ変動は、飾り図柄変動パターン設定処理において、はずれとすることに決定された場合にも大当りとすることに決定された場合にも選択されうるが、それらの変動はリーチ演出を伴う。さらに、確変大当りとすることに決定された場合には、スーパーリーチ変動、スーパーリーチ(交互リーチ)変動、スーパーリーチ(図柄そろえ)変動または地震リーチ変動が選択される。
【0111】
図14に示す表示制御コマンドとは、対応する飾り図柄変動パターンが選択された場合に、遊技制御手段から表示制御手段に送信されるコマンドであって、変動パターンを指定するためのコマンドである。
【0112】
なお、飾り図柄変動パターン設定処理では、大当りとする場合には、ロングリーチ変動(後述するように第2面としての内ドラムのみでリーチ演出を行う)よりも、スーパーリーチ(交互リーチ)変動(後述するように第1面としての外ドラムと第2面としての内ドラムの双方によりリーチ演出を行う)を高い確率で選択する。すなわち、スーパー(交互リーチ)変動の方が、ロングリーチ変動よりも大当り発生の信頼度を高くする。
【0113】
また、この実施の形態では、第2面としての内ドラムのみでリーチ演出が行われる場合の信頼度よりも、第1面と第2面とでリーチ演出が行われる場合の信頼度よりも高いのであるが、第1面としての外ドラムのみでリーチ演出を実行するような変動パターンを設けた場合には、外ドラムのみでリーチ演出が行われる場合の信頼度よりも、第1面と第2面とでリーチ演出が行われる場合の信頼度よりも高くすることが好ましい。
【0114】
図15は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、特別図柄の変動を開始することができる状態(例えば特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合)には(ステップS51)、始動入賞記憶数(保留記憶数)の値を確認する(ステップS52)。具体的には、始動入賞カウンタのカウント値を確認する。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、特別図柄表示器9において図柄の変動がなされていず、かつ、大当り遊技中でもない場合である。
【0115】
始動入賞記憶数が0でなければ、予告設定処理を実行する(ステップS53)。次いで、始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS54)、始動入賞記憶数の値を1減らし(始動入賞記憶カウンタのちを1減らし)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS55)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各始動入賞記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、始動入賞記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、CPU56は、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする処理を実行するので、始動入賞が生じたときに実行された入賞時判定処理の判定結果が、いずれの始動入賞記憶に対応するのかを容易に特定することができる。
【0116】
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS56)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS57)。大当りとすることに決定した場合には(ステップS58)、CPU56は、大当りフラグをセットする(ステップS59)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS60)。
【0117】
図16(A)は、大当り判定モジュールで用いられる大当り判定テーブルの一例を示す説明図である。また、図16(B)は、リーチ判定モジュールで用いられるリーチ判定テーブルの一例を示す説明図である。さらに、図16(C)は、予告設定処理で用いられる予告判定テーブルの一例を示す説明図である。図16(A)に示すように、この実施の形態では、低確率時(非確変時)では大当り判定値は「3」であり、高確率時(確変時)では大当り判定値は「3」、「7」、「79」、「103」、「107」である。また、図16(B)に示すように、低確率時(非確変時)ではリーチ判定値は「0」、「1」、「11」であり、高確率時ではリーチ判定値は「0」、「1」、「9」、「11」、「12」である。さらに、図16(C)に示すように、保留記憶に大当りにならないがリーチとなるものがあったときには予告判定値は「1」、「7」、「17」であり、保留記憶中に大当りとなるものがあったときには予告判定値は「0」〜「30」、「70」〜「99」である。予告判定値は、抽出された予告判定用乱数の値と比較される数値であり、予告判定用乱数の値がそれらの数値のいずれかと一致したら、連続予告を行うことに決定される。連続予告とは、複数回の特別図柄の可変表示(変動)に亘って実行される予告演出であり、保留予告ともいう。
【0118】
図17は、特別図柄通常処理における予告設定処理(ステップS53)を示すフローチャートである。予告設定処理において、CPU56は、確変状態でなければ(ステップS201)、連続予告演出を実現するための予告演出の実行回数のうち、未だ実行されていない残りの回数が記憶されている実行回数カウンタを読み出す(ステップS202)。読み出した実行回数カウンタのカウント値が0であれば(ステップS203)、CPU56は、始動入賞カウンタのカウント値を処理数に設定するとともに(ステップS204)、検査回数カウンタのカウント値を初期値である0に設定する(ステップS205)。なお、検査回数カウンタは、後述するステップS206〜ステップS211およびS226〜231のループ処理の繰り返し回数をカウントするためのカウンタである。
【0119】
次いで、CPU56は、検査回数カウンタのカウント値を1加算し(ステップS206)、始動入賞記憶数=(検査回数カウンタのカウント値が示す数)に対応する保存領域に格納されている大当り判定用乱数値を読み出して(ステップS207)、大当り判定モジュールを実行する。すなわち、大当り判定サブルーチンをコールする(ステップS208)。大当り判定モジュールにおいて、読み出した大当り判定用乱数値にもとづいて大当りとならないと判定された場合には、CPU56は、処理数を1減算し(ステップS210)、減算後の処理数が0になっていなければステップS206の処理に移行する(ステップS211)。
【0120】
すなわち、この例では、ステップS206〜ステップS211の処理が、処理数が0になるまで繰り返し実行される。ただし、この例では、ステップS206〜ステップS211のループ処理におけるステップS209において大当りとなるとの判定がなされると、その時点でループ処理を終了する。つまり、ステップS206〜ステップS211では、保留中の可変表示の中に大当りとなるものがあると判定されるまで、または、処理数が0となるまで(保留中の可変表示についての判定を全て終えるまで)、始動入賞記憶数=1〜4に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各大当り判定用乱数値が、抽出された時期が早い方から順番に読み出され、大当りとなるか否かの判定が実行される。
【0121】
CPU56は、ステップS209において大当りとなると判定された場合には、大当りあり時の予告判定テーブル(図16(C)の右側のテーブル)を使用テーブルとして設定する(ステップS212)。
【0122】
そして、CPU56は、検査回数カウンタのカウント値が2以上であれば(ステップS214)、予告判定用乱数を抽出し(ステップS215)、予告判定用乱数が、使用テーブルとして設定されている予告判定テーブルに設定されている値のいずれかと一致したら連続予告を行うことに決定する(ステップS216)。
【0123】
連続予告を行うと判定された場合には(ステップS217)、連続予告における予告演出の連続回数の残数をカウントする実行回数カウンタに、検査回数カウンタのカウント値を設定する(ステップS218)。そして、予告実行コマンドのデータが設定されているコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS219)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS220)。
【0124】
コマンドセット処理を実行することによって表示制御コマンドが図柄制御基板80に送信される。この実施の形態では、表示制御手段に送信されうる各表示制御コマンドのデータ(表示制御コマンドデータ)はROMのコマンド送信テーブルに格納されている。また、コマンドセット処理では、CPU56は、ポインタが示すROM54のアドレスに格納されている表示制御コマンドデータを、表示制御コマンドデータを出力するための出力ポートに設定するとともに、コマンドを送信することを示す表示制御INT信号を出力する。
【0125】
遊技制御手段は、保留記憶の中に大当りとするものがなかった場合には、リーチとなるものがあるか否か確認する。すなわち、CPU56は、ステップS211において処理数が0になった場合には、リーチとなるものがあるか否か確認するとともに、リーチとなるものがあった場合に、図18に示すステップS224〜S241の処理を実行する。すなわち、ステップS224において、CPU56は、始動入賞カウンタのカウント値を処理数に設定する。また、検査回数カウンタのカウント値を初期値である0に設定する(ステップS225)。
【0126】
次いで、CPU56は、検査回数カウンタのカウント値を1加算し(ステップS226)、始動入賞記憶数=(検査回数カウンタのカウント値が示す数)に対応する保存領域に格納されているリーチ判定用乱数値を読み出して(ステップS227)、リーチ判定モジュールを実行する。すなわち、リーチ判定サブルーチンをコールする(ステップS228)。リーチ判定モジュールにおいて、読み出したリーチ判定用乱数値にもとづいてリーチとならないと判定された場合には、CPU56は、処理数を1減算し(ステップS230)、減算後の処理数が0になっていなければステップS226の処理に移行する(ステップS231)。
【0127】
すなわち、ステップS226〜ステップS231の処理が、処理数が0になるまで繰り返し実行される。ただし、ステップS226〜ステップS231のループ処理におけるステップS229においてリーチとなるとの判定がなされると、その時点でループ処理を終了する。つまり、ステップS226〜ステップS231では、保留中の可変表示の中にリーチとなるものがあると判定されるまで、または、処理数が0となるまで(保留中の可変表示についての判定を全て終えるまで)、始動入賞記憶数=1〜4に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各リーチ判定用乱数値が、抽出された時期が早い方から順番に読み出され、リーチとなるか否かの判定が実行される。
【0128】
CPU56は、ステップS229においてリーチとなると判定された場合には、はずれリーチ時の予告判定テーブル(図16(C)の左側のテーブル)を使用テーブルとして設定する(ステップS232)。
【0129】
そして、CPU56は、検査回数カウンタのカウント値が2以上であれば(ステップS234)、予告判定用乱数を抽出し(ステップS235)、予告判定用乱数が、使用テーブルとして設定されている予告判定テーブルに設定されている値のいずれかと一致したら連続予告を行うことに決定する(ステップS236)。
【0130】
連続予告を行うと判定された場合には(ステップS237)、連続予告における予告演出の連続回数の残数をカウントする実行回数カウンタに、検査回数カウンタのカウント値を設定する(ステップS238)。そして、予告実行コマンドのデータが設定されているコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS239)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS240)。
【0131】
以上の処理によって、特別図柄の変動が開始されるときに、保留数(特別図柄の始動入賞記憶数)が2以上であって、保留記憶中に大当りとする数値データ(大当り判定用乱数)またはリーチとする数値データ(リーチ判定用乱数)があった場合に、図柄制御基板80の表示制御手段に、表示制御コマンドとしての予告実行コマンドが送信される。
【0132】
図19は、ステップS208等で使用される大当り判定モジュールを示すフローチャートである。大当り判定処理において、CPU56は、まず、そのときの状態が確変中であるか否か判定し(ステップS141)、確変中であれば、図16(A)に示された大当り判定テーブル中の高確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS142)。確変中でなければ、大当り判定テーブル中の低確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS143)。
【0133】
そして、抽出されているランダム1の値に一致する値が大当り判定テーブル中にあるか否か判定し(ステップS144,S145)、一致する値があれば大当りとすることにし(ステップS146)、一致する値がなければ大当りとしないことに決定する(ステップS147)。
【0134】
図20は、ステップS228等で使用されるリーチ判定モジュールを示すフローチャートである。リーチ判定処理において、CPU56は、まず、そのときの状態が確変中であるか否か判定し(ステップS151)、確変中であれば、図16(B)に示されたリーチ判定テーブル中の高確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS152)。確変中でなければ、リーチ判定テーブル中の低確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS152)。
【0135】
そして、抽出されているランダム5の値に一致する値がリーチ判定テーブル中にあるか否か判定し(ステップS154,S155)、一致する値があればリーチすることにし(ステップS156)、一致する値がなければリーチしないことに決定する(ステップS157)。
【0136】
図21は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。特別図柄停止図柄設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS61)。大当りフラグがセットされている場合には、大当り図柄用乱数(ランダム3)の値(ステップS53において読み出したランダム3)に従って停止図柄(この場合には大当り図柄)を決定する(ステップS62)。この実施の形態では、ランダム3の値に応じた大当り図柄テーブルに設定されている図柄番号の各図柄が、大当り図柄として決定される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を飾り図柄変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS63)。
【0137】
飾り図柄変動パターン設定処理において、CPU56は、変動パターン決定用乱数(ランダム4)を用いて、飾り図柄の変動パターンを決定する。そして、決定した変動パターンを示す飾り図柄変動パターン指定の表示制御コマンドを図柄制御基板80に送信するための制御を行う。次いで、特別図柄停止図柄設定処理において決定された停止図柄を示す表示制御コマンドを図柄制御基板80に送信するための制御を行う。なお、大当りとしない場合には、はずれ図柄を示す表示制御コマンドを図柄制御基板80に送信するための制御を行う。
【0138】
その後、CPU56は、変動時間が経過したら、特別図柄の停止(確定)を示す表示制御コマンドを図柄制御基板80に送信するための制御を行う。
【0139】
図22は、2msタイマ割込処理における記憶処理(ステップ31)を示すフローチャートである。記憶処理において、CPU56は、始動入賞記憶カウンタのカウント値が前回始動入賞記憶カウンタのカウント値と同じであるか否か確認する(ステップS161)。同じでなければ、すなわち始動入賞記憶数に変化が生じていれば、始動入賞記憶数に応じた始動入賞記憶指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS162)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS163)。そして、始動入賞記憶カウンタのカウント値を、前回始動入賞記憶カウンタに設定しておく(ステップS164)。
【0140】
以上の処理によって、始動入賞記憶数が変化したときには、図柄制御基板80に搭載されている表示制御手段に対して、始動入賞記憶数指定の表示制御コマンドが送信される(ステップS161〜S163)。なお、始動入賞記憶数指定の表示制御コマンドが示す情報は、表示制御手段を介してランプ制御基板35にも送信される。ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御手段は、始動入賞記憶数指定の表示制御コマンドが示す情報にもとづいて、特別図柄始動入賞表示器18の表示状態を制御する。
【0141】
次に、遊技制御手段から表示制御手段に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図23は、主基板31から図柄制御基板80に送信される表示制御コマンドの信号線を示す説明図である。図23に示すように、この実施の形態では、表示制御コマンドは、表示制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から図柄制御基板80に送信される。また、主基板31と図柄制御基板80との間には、ストローブ信号(表示制御INT信号)を送信するための表示制御INT信号の信号線も配線されている。なお、図23には、表示制御コマンドの例が示されているが、他の電気部品制御基板(サブ基板:この実施の形態では払出制御手段)への制御コマンドも、8本の信号線と1本のINT信号の信号線によって送信される。
【0142】
この実施の形態では、表示制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
【0143】
図24に示すように、表示制御コマンドの8ビットの表示制御コマンドデータは、表示制御INT信号に同期して出力される。図柄制御基板80に搭載されている表示制御手段は、表示制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、表示制御手段から見ると、表示制御INT信号は、表示制御コマンドデータの取り込みの契機となる取込信号に相当する。
【0144】
表示制御コマンドは、表示制御手段が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、表示制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば表示制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて表示制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、表示制御INT信号は図24に示された極性と逆極性であってもよい。
【0145】
図25は、図柄制御基板80に送出される表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図25に示す例において、コマンド8000(H)〜800F(H)は、図14に示された変動パターン番号1〜16の飾り図柄の変動パターンを指定する表示制御コマンド(飾り図柄変動パターンコマンド)である。なお、各飾り図柄変動パターンコマンドに対応する変動パターンの変動時間は決まっているので、飾り図柄変動パターンコマンドは、特別図柄および飾り図柄の変動時間を指定するための表示制御コマンドでもある。また、飾り図柄変動パターンコマンドは、特別図柄および飾り図柄の変動開始指示も兼ねている。
【0146】
コマンド8200(H)は、予告実行指定コマンドである。
【0147】
コマンド88XX(H)(X=4ビットの任意の値)は、普通図柄の変動パターンに関する表示制御コマンドである。コマンド89XX(H)は、普通図柄の停止図柄を指定する表示制御コマンドである。コマンド8A00(H)は、普通図柄の可変表示の停止を指示する表示制御コマンドである。
【0148】
コマンド91XX(H)は、特別図柄の停止図柄を指定する表示制御コマンドである。「XX」には図柄番号が設定される。また、コマンドA000(H)は、特別図柄の可変表示の停止を指示する表示制御コマンドである。コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される表示制御コマンドである。そして、コマンドC000(H)〜EXXX(H)は、特別図柄の変動および大当り遊技に関わらない特別図柄表示器9の表示状態に関する表示制御コマンドである。
【0149】
コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する表示制御コマンドである。
【0150】
コマンドE0XX(H)は、特別図柄に関する始動入賞記憶数を指定する表示制御コマンドである。なお、この実施の形態では、始動入賞記憶の上限値は4であるから、「XX」は0〜4のいずれかである。
【0151】
また、コマンドE400(H)は、高確率状態から低確率状態になったときに送信されるコマンドであり、コマンドE401(H)は、低確率状態から高確率状態になったときに送信されるコマンドである。
【0152】
図柄制御基板80の表示制御手段は、主基板31の遊技制御手段から上述した表示制御コマンドを受信すると図25に示された内容に応じて飾り図柄表示装置11の表示状態を変更する。また、受信した表示制御コマンドを、そのまま、またはデータ形式を替えてランプ制御基板35に送信する。なお、図25に示された例以外の制御コマンドも遊技制御手段から表示制御手段に送信される。例えば、賞球ランプ51や球切れランプ52の表示状態、および普通図柄始動記憶表示器41の点灯個数を示す制御コマンド等や、大当り遊技に関するより詳細な表示制御コマンドも遊技制御手段から表示制御手段に送信される。
【0153】
図26は、始動入賞記憶にもとづく連続予告の態様、および始動入賞記憶にもとづかない予告(通常予告)の態様の一例を示す説明図である。図26(A)〜(C)に示すように、この実施の形態では、連続予告は、外ドラム235A,236A,237Aに付されているキャラクタAもしくはキャラクタB、またはキャラクタA,Bが、遊技者に視認可能に所定時間だけ停止表示されることによって実現される。また、通常予告は、飾り図柄の変動中に、外ドラム235A,236A,237Aに付されている大型のキャラクタが、遊技者に視認可能に所定時間だけ停止表示されることによって実現される。
【0154】
なお、この実施の形態では、外ドラム235A,236A,237Aに付されている大型のキャラクタは、通常予告を実現するために用いられるとともに、飾り図柄による遊技演出を多彩にするためにも、すなわち、通常予告の目的以外でも使用される。
【0155】
図27〜図37は、飾り図柄の変動例を示すタイミング図である。図27〜図37では、外ドラム235Aを外左ドラム、外ドラム236Aを外中ドラム、外ドラム237Aを外右ドラムと記す。また、内ドラム235Bを内左ドラム、内ドラム236Bを内中ドラム、内ドラム237Bを内右ドラムと記す。また、外ドラム235A,236A,237Aを3つの外ドラムといい、内ドラム235B,236B,237Bを3つの内ドラムという。
【0156】
図27は、図14に示された変動パターン番号1の通常変動を示すタイミング図である。表示制御手段は、遊技制御手段から、「8000(H)」の表示制御コマンドを受信したら、図27に示す変動態様(変動パターン)で、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムの回転を制御する。
【0157】
通常変動では、3つの外ドラムは回転しない。なお、後述するように、変動開始時に、3つの外ドラムは、例えば図柄番号9(図13参照)の無効領域(透明領域)が遊技者に視認されるような位置で停止するように制御される。3つの内ドラムは、順方向中速回転(以下、順方向回転という。)し、内左ドラム、内右ドラム、内中ドラムの順に停止し、内中ドラムが停止したとき(最終停止時:確定時)に、遊技者に視認される3行×3列=9図柄のうちには、縦、横、斜めのいずれのライン(図28に示すライン▲1▼〜▲8▼)においても、同じ図柄は現れない。なお、図28に示すライン▲1▼〜▲8▼は、大当りとなる場合に、飾り図柄が同一図柄で停止表示される有効ラインである。
【0158】
なお、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムをどのように停止させるのかは、すなわち、最終停止時の3行×3列=9図柄をどのようにするのかは、表示制御手段によって独自に(遊技制御手段の指示なく)決定される。
【0159】
また、順方向回転とは、ドラムが上から下に向かって回転することをいう。また、表示制御手段は、中速回転でも、回転開始後の所定期間では徐々に回転速度を上げ、停止前の所定期間では徐々に回転速度を下げるように制御する。このことは、後述する高速回転および低速回転の場合も同様である。
【0160】
また、この実施の形態では、通常変動として1種類の変動態様が用いられるが、表示制御手段は、「8000(H)」の表示制御コマンドを受信したら、通常変動として決められている複数種類の変動態様から1つを選択し、選択した変動態様を実現するように、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムの回転を制御するようにしてもよい。
【0161】
図28は、図14に示された変動パターン番号2のノーマルリーチ変動を示すタイミング図である。表示制御手段は、遊技制御手段から、「8001(H)」の表示制御コマンドを受信したら、図28に示す変動態様で、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムの回転を制御する。
【0162】
ノーマルリーチ変動では、3つの外ドラムは回転しない。3つの内ドラムは、順方向回転し、内左ドラムおよび内右ドラムが停止した時点でリーチ状態になる。図28に示す例では、例えば図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように内左ドラムが停止し、図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように内右ドラムが停止する。
【0163】
なお、「図柄番号n(図13参照)のX(この例ではX=7)で停止」または「図柄番号n(図13参照)のXを表示」とは、特に断らない限り、1つのドラムにおいて、遊技者に視認される3コマのうち、中段(中央)のコマに図柄番号n(n=1〜10のいずれか)のXが表示されることをいう。このことは、図29〜図37でも同様である。また、この実施の形態では、内左ドラムと内右ドラムとでリーチを成立させるが、そのことは単なる一例である。縦、横、斜めのいずれかのラインにおいて同じ図柄が停止表示されればリーチ状態となる。例えば、内左ドラムの上段および中段のコマに「7」を停止表示してもよい。さらに、3つの外ドラムも回転させるような変動態様では、内ドラムと外ドラムとでリーチを成立させることもできる。例えば、内左ドラムの上段のコマに図柄番号7(図13参照)の「7」を停止表示させ、外中ドラムの中段のコマに「7」を停止表示させるような場合である(図13参照)。
【0164】
その後、飾り図柄表示装置11において、内中ドラムの順方向回転によってリーチ演出が実行され、内中ドラムが停止したときに、遊技者に視認される3行×3列=9図柄のうちには、縦、横、斜めのいずれのラインにおいても、同じ図柄は現れない。なお、重ねて説明するが、可変表示手段において最終停止図柄(例えば左右中ドラムのうち中ドラムにおける図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、特定の表示結果と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。特に、内ドラムによるリーチ演出と外ドラムによるリーチ演出とが交互に行われるような演出を交互リーチ演出または交互リーチと呼ぶ。
【0165】
なお、この実施の形態では、ノーマルリーチ変動として1種類の変動態様が用いられるが、表示制御手段は、「8001(H)」の表示制御コマンドを受信したら、ノーマルリーチ変動として決められている複数種類の変動態様から1つを選択し、選択した変動態様を実現するように、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムの回転を制御するようにしてもよい。
【0166】
図29は図14に示された変動パターン番号3,4のロングリーチ変動を示すタイミング図である。表示制御手段は、遊技制御手段から、「8002(H)」または「8003(H)」の表示制御コマンドを受信したら、図29に示す変動態様で、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムの回転を制御する。
【0167】
ロングリーチ変動では、3つの外ドラムは回転しない。3つの内ドラムは、順方向回転し、内左ドラムおよび内右ドラムが停止した時点でリーチ状態になる。図29に示す例では、例えば図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように内左ドラムが停止し、図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように内右ドラムが停止する。
【0168】
その後、飾り図柄表示装置11において、内中ドラムによってリーチ演出が実行され、表示制御手段は、内中ドラムが一旦停止するように制御する。さらに、表示制御手段は、内中ドラムを再変動させ、その後最終停止させる。なお、再変動期間では、内中ドラムを逆回転またはコマ送り回転(1図柄分回転する毎に一旦停止するような回転)させる。変動時間を示すコマンドとして「8003(H)」の表示制御コマンドを受信していた場合(非確変大当りの場合)には、遊技者に視認される3行×3列=9図柄のうちで、縦、横、斜めのいずれかのラインにおいて3つの同じ図柄が現れる。例えば図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように内左ドラムが停止し、図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように内右ドラムが停止していた場合には、図柄番号6(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように内中ドラムが停止する。
【0169】
図30は、図14に示された変動パターン番号5,6,7のスーパーリーチ変動を示すタイミング図である。表示制御手段は、遊技制御手段から、「8004(H)」、「8005(H)」または「8006(H)」の表示制御コマンドを受信したら、図30に示す変動態様で、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムの回転を制御する。
【0170】
スーパーリーチ変動では、3つの外ドラムは順方向低速回転し、3つの内ドラムは順方向回転し、内左ドラムおよび内右ドラムが停止した時点でリーチ状態になる。図30に示す例では、例えば図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように内左ドラムが停止し、図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように内右ドラムが停止する。このとき、表示制御手段は、例えば図柄番号9(図13参照)の無効領域(透明領域)が遊技者に視認されるように3つの外ドラムを停止させる制御を行う(例えば図柄番号5で停止)。従って、遊技者は、3つの外ドラムの無効領域を介して、内ドラムを視認できる。
【0171】
その後、飾り図柄表示装置11において、外ドラムと内中ドラムによってリーチ演出が実行され、表示制御手段は、内中ドラムが一旦停止するように制御する。さらに、表示制御手段は、外ドラムと内中ドラムとを最終停止させる。最終停止時に、特別図柄の停止図柄として確変図柄ではない大当り図柄が指定されている場合には、遊技者に視認される3行×3列=9図柄のうちで、縦、横、斜めのいずれかのラインにおいて3つの同じ図柄が現れる。また、特別図柄の停止図柄として確変図柄が指定されている場合には、遊技者に視認される3行×3列=9図柄のうちで、縦、横、斜めのいずれかの複数のラインにおいて、3つの同じ図柄が現れる。
【0172】
図31は、図14に示された変動パターン番号8,9,10のスーパーリーチ(交互リーチ)変動を示すタイミング図である。表示制御手段は、遊技制御手段から、「8007(H)」、「8008(H)」または「8009(H)」の表示制御コマンドを受信したら、図31に示す変動態様で、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムの回転を制御する。なお、「交互リーチ」とは、外ドラムと内ドラムとにより、交互に、リーチ演出が行われるような変動態様である。
【0173】
スーパーリーチ(交互リーチ)変動では、3つの外ドラムは順方向低速回転し、3つの内ドラムは順方向回転し、内左ドラムおよび内右ドラムが停止した時点でリーチ状態になる。図31に示す例では、図柄番号9,10(図13参照)の「7」が上段および中段において遊技者に視認されるように内左ドラムが停止し、図柄番号9,10(図13参照)の「7」が中段および下段において遊技者に視認されるように内右ドラムが停止する。表示制御手段は、内左ドラムが停止するときに、例えば図柄番号9(図13参照)の無効領域(透明領域)が遊技者に視認されるように3つの外ドラムを停止させる制御を行う。よって、遊技者は、3つの外ドラムの透明領域を介して、リーチが成立したことを視認できる。さらに、内中ドラムは順方向回転を継続し、例えば図柄番号5(図13参照)の「・」が中段において遊技者に視認されるように停止する。
【0174】
その後、飾り図柄表示装置11において、外ドラムによってリーチ演出が実行される。具体的には、表示制御手段は、外左ドラムを高速回転させた後、図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように停止させる。次いで、外右ドラムを高速回転させた後、図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように停止させる。さらに、外中ドラムを高速回転させた後、図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように停止させる。従って、遊技者に、左右中のドラムにおいて、3つの「7」が同一ライン上に揃ったように視認させることができる。
【0175】
なお、はずれとするときには、例えば、外中ドラムを高速回転させた後、無効領域(透明領域)が遊技者に視認されるように停止させる。
【0176】
図32は、図14に示された変動パターン番号11,12,13のスーパーリーチ(図柄そろえ)変動を示すタイミング図である。表示制御手段は、遊技制御手段から、「800A(H)」、「800B(H)」または「800C(H)」の表示制御コマンドを受信したら、図32に示す変動態様で、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムの回転を制御する。なお、「図柄そろえ」とは、外ドラムと内ドラムとを用いて、時間の経過に伴って、遊技者に同一ラインの中で同じ図柄が増えていくように視認させるような変動態様である。
【0177】
スーパーリーチ(図柄そろえ)変動では、3つの外ドラムは順方向低速回転し、3つの内ドラムは順方向回転し、内左ドラム、内中ドラムおよび内右ドラムが停止した時点で、外ドラムは、大型のキャラクタが遊技者に視認されるように停止する。次いで、内ドラムが高速回転して、例えば図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように内左ドラムが停止し、同一ラインの中で同じ図柄がないように内右ドラムおよび内中ドラムが停止する(例えば内右ドラムについて例えば図柄番号5(図13参照)の「K」、内中ドラムについて例えば図柄番号7(図13参照)の「・」)。この状態では、外ドラムが大型のキャラクタが遊技者に視認されるように停止しているので、遊技者は、内ドラムを視認することができない。このように第2面としての内ドラムの図柄の可変表示が一旦停止した後、遮蔽領域が第2面を遮蔽した状態で第2面における識別情報の可変表示を再度開始させることができる。
【0178】
次に、3つの内ドラムが3コマ分回転する。従って、無効領域(透明領域)が遊技者に視認されるように停止する。よって、この時点で、遊技者は、内ドラムを視認することができる。
【0179】
次に、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムが高速回転し、縦、横、斜めのいずれかのラインにおいて、2つ「7」が視認されるように一旦停止する。図32に示す例では、例えば図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように内左ドラムが停止し、同一ラインの中で同じ図柄がないように内右ドラムおよび内中ドラムが停止する(例えば内右ドラムについて例えば図柄番号2(図13参照)の「J」、内中ドラムについて例えば図柄番号4(図13参照)の「Q」)。また、外ドラムでは、外左ドラムのみが「7」を表示するように停止する。その結果、遊技者は、中横ラインにおいて、視認可能になる複数の図柄のうち、大当りを構成する図柄の組合せに含まれるものが増えたように視認できる。
【0180】
以上のような動作を、さらに変動時間が経過するまで続行することによって、時間の経過に伴って、遊技者が視認可能な同一ラインの中で同じ図柄が増えていくような演出を実現することができる。なお、例えば、次に、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムが回転した後に一旦停止するときには、縦、横、斜めのいずれかのラインにおいて、例えば3つ「7」が視認されるように停止し、さらに次では、例えば3つ「7」が2ラインにおいて視認されるように一旦停止する。
【0181】
そして、変動期間が終了したときに、変動時間を示すコマンドとして「800B(H)」の表示制御コマンドを受信していた場合(確変ではない大当りが指定されている場合)には、外ドラムと内中ドラムによって、遊技者に視認される3行×3列=9図柄のうちで、縦、横、斜めのいずれかのラインにおいて3つの同じ図柄を表示する。また、変動時間を示すコマンドとして「800C(H)」の表示制御コマンドを受信していた場合(確変大当りが指定されている場合)には、外ドラムと内中ドラムによって、遊技者に視認される3行×3列=9図柄のうちで、縦、横、斜めのいずれかの複数のラインにおいて、3つの同じ図柄を表示する。また、3つの同じ図柄を表示するのは、外ドラムと内中ドラムによってではなく、外ドラムのみによって、または内ドラムのみによってでもよい。
【0182】
表示制御手段は、遊技者が視認可能になるときに同一ラインにおける同じ図柄を増やすために、遊技者が一旦停止するときの図柄を視認不能な状態において(例えば一旦停止することになる図柄がドラムの背面に位置しているとき)、同じ識別情報を増やすための位置揃え準備制御を行い、その後に一旦停止図柄を遊技者に視認可能な領域(飾り図柄表示装置11において遊技者に面している3行×3列=9コマ分)に表示させる。位置揃え準備制御とは、具体的には、一旦停止時または最終停止時に遊技者が視認可能な同一ラインの中で同じ図柄が増えるように、内左ドラム、内中ドラムおよび内右ドラムの速度調整を行うことである。さらに具体的にいうと、内左ドラム、内中ドラムおよび内右ドラムにおいて、停止時に視認させる図柄と回転開始時の図柄とがわかっているので、また、内左ドラム、内中ドラムおよび内右ドラムの回転期間は同じであるから、表示制御手段は、(図柄差/回転期間)に応じた速度で、内左ドラム、内中ドラムおよび内右ドラムを回転させる。なお、大当りを構成する図柄の組合せに含まれるものが増えるように遊技者に視認させるために、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムの高速回転動作が、変動時間が経過するまで複数回実行されるので、位置揃え準備制御も複数回実行されることになる。
【0183】
図33は、図14に示された変動パターン番号14,15,16の地震リーチ変動を示すタイミング図である。表示制御手段は、遊技制御手段から、遊技制御手段から、「800D(H)」、「800E(H)」または「800F(H)」の表示制御コマンドを受信したら、表示制御手段は、図33に示す変動態様で、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムの回転を制御する。
【0184】
地震リーチ変動では、3つの外ドラムは順方向高速回転し、3つの内ドラムは順方向回転し、内左ドラムおよび内右ドラムが停止した時点でリーチ状態になる。図33に示す例では、例えば図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように内左ドラムが停止し、例えば図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように内右ドラムが停止する。このとき、表示制御手段は、例えば図柄番号9(図13参照)の無効領域(透明領域)が遊技者に視認されるように3つの外ドラムを停止させる制御を行う。
【0185】
その後、飾り図柄表示装置11において、外ドラムと内ドラムによってリーチ演出が実行される。具体的には、表示制御手段は、3つの外ドラムを逆方向回転させるとともに、内ドラムを順方向回転させる。そして、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムを一旦停止させる。このとき、図33に示す例では、外右ドラムおよび外中ドラムの上段に例えば図柄番号7(図13参照)の「7」を表示し、外右ドラムにおいて例えば図柄番号9(図13参照)の透明部分が遊技者に視認されるように外ドラムが停止する。また、内右ドラムの上段に例えば図柄番号7(図13参照)の「7」を表示するように中ドラムが停止する。
【0186】
次いで、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムを再度回転させ、図柄の再変動を開始する。このとき、外ドラムは順方向回転し、内ドラムは逆方向回転する。
【0187】
そして、変動期間が終了したときに、変動時間を示すコマンドとして「800E(H)」の表示制御コマンドを受信していた場合(確変ではない大当りが指定されている場合)には、外ドラムと内中ドラムによって、遊技者に視認される3行×3列=9図柄のうちで、縦、横、斜めのいずれかのラインにおいて3つの同じ図柄を表示する。また、変動時間を示すコマンドとして「800F(H)」の表示制御コマンドを受信していた場合(確変大当りが指定されている場合)には、外ドラムと内中ドラムによって、遊技者に視認される3行×3列=9図柄のうちで、縦、横、斜めのいずれかの複数のラインにおいて、3つの同じ図柄を表示する。また、3つの同じ図柄を表示するのは、外ドラムと内中ドラムによってではなく、外ドラムのみによって、または内ドラムのみによってでもよい。
【0188】
このように、地震リーチ変動では、外ドラムおよび内ドラムが全て停止した後、再変動するときには、外ドラムおよび内ドラムが全回転する。また、回転方向は、外ドラムと内ドラムとで逆である。従って、飾り図柄表示装置11として二重構造のドラムを用いた場合に、二重構造の利点を生かして遊技演出がより多様化されている。
【0189】
また、図30〜図33に示された変動では、リーチが成立する前(通常変動期間という。)でも、外ドラムおよび内ドラムが全回転する。このことも、二重構造の利点を生かして遊技演出がより多様化されているといえる。
【0190】
ここで、外ドラムと内ドラムとを共動させてリーチ状態とする例を図34を参照して説明する。図34に示す例では、内中ドラムが停止するときに外ドラムも停止するが、例えば、外左ドラムにおいて上段に「7」が表示されるように外左ドラムが停止する。また、内中ドラムにおいて中段に例えば図柄番号8(図13参照)の「7」が表示されるように内中ドラムが停止する。外中ドラムおよび外右ドラムは、遊技者が例えば図柄番号9(図13参照)の無効領域を視認するように一旦停止する。従って、この状態では、遊技者は、斜めラインにおいてリーチが成立したと認識することができる。
【0191】
図35は、連続予告Aの演出を伴うスーパーリーチ変動を示すタイミング図である。表示制御手段は、遊技制御手段から、予行実行指定の表示制御コマンドを受信したら、連続予告の態様を決定する。そして、連続予告Aの態様を用いることに決定したら、変動中に、外ドラムを一旦停止させるときに、外左ドラムにおいて上段に例えば図柄番号1(図13参照)の「キャラクタA」が表示されるように外左ドラムを停止させる。よって、遊技者は、変動中にキャラクタAを視認することができる。
【0192】
図36は、連続予告Bの演出を伴うスーパーリーチ変動を示すタイミング図である。表示制御手段は、遊技制御手段から、予行実行指定の表示制御コマンドを受信したら、連続予告の態様を決定する。そして、連続予告Bの態様を用いることに決定したら、変動中に、外ドラムを一旦停止させるときに、外右ドラムにおいて上段に例えば図柄番号1(図13参照)の「キャラクタB」が表示されるように外右ドラムを停止させる。よって、遊技者は、変動中にキャラクタBを視認することができる。
【0193】
なお、図35および図36に示す例では、スーパーリーチ変動を例にしたが、連続予告が実行される変動パターンは、スーパーリーチ変動に限られることはない。また、キャラクタA,Bを表示するときに、外ドラムの全て(3つとも)を一旦停止させる例を示したが、キャラクタが付されている外ドラムのみを一旦停止させてもよい。また、キャラクタA,Bを表示するタイミングも、図35および図36に示す例は一例であって、他のタイミング、例えば、内ドラムが停止する前にキャラクタを表示するようにしてもよい。さらに、外ドラムが回転しない変動パターンでも連続予告の演出を実行することができる。その場合には、連続予告を実行したいタイミングにおいて、外左ドラムもしくは外右ドラム、またはそれら双方(連続予告Cの場合)を回転させて、キャラクタが表示される位置で停止させればよい。さらに、図35および図36に示す変動パターンは、複数回の図柄の可変表示(変動)に亘って実行される連続予告の変動パターンとして用いられていたが、同一のタイミングの変動パターンを1回の図柄の可変表示で実行される通常予告の変動パターンとして用いることもできる。
【0194】
図37は、通常予告の演出を伴うスーパーリーチ変動を示すタイミング図である。表示制御手段は、独自に通常予告を行うか否か決定し、通常予告を行うことに決定したら、変動中に、外ドラムにおいて大型のキャラクタ(「ドラム君」)が表示されるように外ドラムを一旦停止させる。よって、遊技者は、変動中に大型のキャラクタ(「ドラム君」)を視認することができる。
【0195】
また、外ドラムを順方向に低速回転させ、低速回転している外ドラムが一旦停止するときに、3つの外ドラムにおいて中段に「7」が3つ揃って表示されるように外ドラムを停止させる。そして、内ドラムが一旦停止するときに、3つの内ドラムにおいて上段および下段にそれぞれ「7」が3つ揃って表示されるように内ドラムを停止させる。よって、遊技者は、変動中にオール「7」、すなわち、3行×3列=9図柄の全てに「7」が表示された状態を視認することができる。
【0196】
なお、図37では、1回の図柄の可変表示(変動)において大型のキャラクタによる通常予告とオール「7」による通常予告のいずれも行っているが、いずれか一方だけを行うようにされていてもよい。また、大型のキャラクタによる予告およびオール「7」による予告を通常予告に用いている例を示したが、これらの予告を複数回の図柄の可変表示に亘って実行される連続予告に用いてもよい。このような構成によれば、バリエーションのある連続予告の演出を実現することができるようになり、遊技者に大当りの発生に対する期待感を向上させることができる。
【0197】
なお、連続予告および通常予告の演出の変動パターンとしては、図35〜図37に示す変動パターンに限られるわけではなく、図31,図32に示すスーパーリーチ変動(交互リーチ、図柄そろえ)の変動パターンを用いてもよい。このような変動パターンを連続予告または通常予告の演出として使用することにより、内ドラムと外ドラムとを共動させた予告演出を行うことができ、飾り図柄表示装置11のドラムの二重構造の利点を活かすことができる。従って、遊技の興趣を増進させることができるとともに、遊技者に大当りの発生に対する期待をより一層抱かせることができるようになる。
【0198】
図38(a)〜(d)は、飾り図柄表示装置11の表示におけるリーチ状態の一例を示す説明図である。図38(a)には、斜めラインでリーチが成立した状態が示され、図38(b)には、下方の横ラインでリーチが成立した状態が示されている。図38(c)には、斜めラインおよび中程の横ラインでリーチが成立した状態が示されている。図38(d)には、上方の横ラインおよび左側にの縦ラインでリーチが成立した状態が示されている。
【0199】
図39は、大当りが発生したときの飾り図柄表示装置11の表示状態の一例を示す説明図である。図39(a)には、斜めラインで同一図柄が揃った例が示され、図39(b)には、下方の横ラインで同一図柄が揃った例が示されている。図39(c)には、斜めラインおよび中程の横ラインで同一図柄が揃った例が示されている。図39(d)には、上方の横ラインで同一図柄が揃った例が示されている。なお、図39(d)に示す例では、中ドラムの上段の「7」は、外中ドラムに付されている「7」である。また、図38や図39では、「7」が2つまたは3つ揃った例が示されているが、同じ図柄として、他の種類の図柄(「J」、「Q」または「K」)が2つまたは3つ揃うこともある。
【0200】
図40は、図31に示されたスーパーリーチ(交互リーチ)変動における飾り図柄表示装置11の表示状態の一例を示す説明図である。図40に示す例では、3つの内ドラムおよび3つの外ドラムが回転((a)参照、ただし、(a)〜(d)では外ドラムについては記載省略)した後、(b)に示すように、内左ドラムが、例えば図柄番号9(図13参照)の「7」を中段に表示した状態で停止する。さらに、(c)に示すように、内右ドラムが例えば図柄番号10(図13参照)の「7」を中段に表示した状態で停止する。さらに、(d)に示すように、例えば図柄番号5(図13参照)の「・」を中段に表示した状態で停止する。なお、(b)〜(d)の状態では、3つの外ドラムは、例えば図柄番号9(図13参照)の無効領域(透明領域)を表示した状態で停止している。
【0201】
次いで、(e)に示すように外左ドラムが回転し、(f)に示すように、例えば図柄番号7(図13参照)の「7」を中段に表示した状態で停止する。そして、外右ドラムが回転する。次に、(g)に示すように、例えば図柄番号7(図13参照)の「7」を中段に表示した状態で停止する。そして、外中ドラムが回転する。最後に、(h)に示すように、外中ドラムが例えば図柄番号7(図13参照)の「7」を中段に表示した状態で停止する。
【0202】
このように、まず、内ドラムによってリーチ演出が実行され((b)〜(d)、次に、外ドラムによってリーチ演出が実行される((e)〜(g))。すなわち、内ドラムと外ドラムとによって、交互に、リーチ演出が実行される。なお、最初に外ドラムによってリーチ演出が実行され、その後に、内ドラムによってリーチ演出が実行されるようにしてもよいし、内ドラムと外ドラムとによる交互のリーチ演出が複数回繰り返されるようにしてもよい。また、図40に示す例は、大当りとする場合の例であるが、はずれとする場合には、最後に、外中ドラムを例えば図柄番号9(図13参照)の無効領域を表示した状態で停止させればよい。
【0203】
次に、表示制御手段の動作を説明する。図41は、図柄制御基板80に搭載されている第1表示制御用CPU101が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、ドラムを初期位置に設定するための処理、表示制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、表示制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、表示制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、表示制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の表示制御処理を実行する。
【0204】
この実施の形態では、タイマ割込は2ms毎にかかる。すなわち、表示制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な表示制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で表示制御処理を実行してもよい。
【0205】
表示制御処理において、表示制御用CPU101は、まず、受信した表示制御コマンドを解析する(コマンド解析実行処理:ステップS704)。次いで、ランプ制御基板35に対してランプ制御コマンドを送信するランプ制御コマンド出力処理、および第2表示制御用CPU103に表示制御コマンドが示す情報等を送信する第2CPU通信処理を行う(ステップS705,S706)。さらに、表示制御用CPU101は、表示制御プロセス処理を行う(ステップS707)。表示制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。また、3つの外ドラムを回転させるための3つのドラムモータ200A,200B,200Cを制御するモータ制御処理を行う(ステップS708)。そして、乱数カウンタを更新する(+1する)処理を実行する(ステップS709)。その後、ステップS702のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
【0206】
なお、この実施の形態では、乱数カウンタとして、飾り図柄の変動パターンを決定するために用いられる変動パターン決定用乱数を生成するためのカウンタ、飾り図柄の停止図柄を決定するための停止図柄決定用乱数を生成するためのカウンタ、通常予告を行うか否か決定するために用いられる予告乱数カウンタ1、および連続予告の態様を決定するために用いられる予告乱数カウンタ2とがある。
【0207】
主基板31からの表示制御用のINT信号は第1表示制御用CPU101の割込端子に入力されている。例えば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、第1表示制御用CPU101において割込がかかる。そして、第1表示制御用CPU101は、割込処理において表示制御コマンドの受信処理を実行する。表示制御コマンドの受信処理において、第1表示制御用CPU101は、受信した表示制御コマンドデータを、受信コマンドバッファに格納する。
【0208】
図42は、図41に示されたメイン処理における表示制御プロセス処理(ステップS707)を示すフローチャートである。表示制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S804のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
【0209】
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって変動時間を特定可能な表示制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターンコマンド受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターンコマンド受信フラグは、コマンド解析処理によって、飾り図柄変動パターン指定の表示制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる。なお、変動パターンコマンドとは、8000(H)〜800F(H)の表示制御コマンドのことである。
【0210】
予告選択処理(ステップS801):連続予告演出を行うことが指定されたら連続予告演出の態様を決定する。また、通常予告を行うか否か決定する。
【0211】
図柄変動開始処理(ステップS802):外ドラムの変動が開始されるように制御する。
【0212】
図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。
【0213】
図柄停止待ち設定処理(ステップS804):変動時間の終了時に、図柄停止を指示する表示制御コマンド(特別図柄停止の表示制御コマンド)を受信していたら、図柄の変動を停止させる制御を行う。
【0214】
図43は、予告乱数カウンタ1,2のカウント範囲の一例を示す説明図である。図43に示すように、予告乱数カウンタ1は、0〜18の範囲の値をとり、予告乱数カウンタ2は、0〜56の範囲の値をとる。
【0215】
図44は、図42に示された表示制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、第1表示制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS871)。セットされていたら、そのフラグをリセットする(ステップS872)。そして、停止図柄決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を停止図柄決定用乱数とし、停止図柄決定用乱数の値にもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS874)。また、第2表示制御用CPU103に飾り図柄の変動パターンと停止図柄を通知するために、変動パターン・停止図柄コマンド送信要求フラグをセットする(ステップS875)。
【0216】
決定される停止図柄として、一旦停止の際の停止図柄と、最終停止図柄とがある。ROM102には、はずれとするときに送信される変動パターンコマンド、非確変大当り時に送信される変動パターンコマンド、確変大当り時に送信される変動パターンコマンドのそれぞれに対応して、3×3=9個の飾り図柄の停止図柄をどのようにするのかを示すデータが設定されたテーブルが記憶されている。第1表示制御用CPU101は、停止図柄決定用乱数の値と、テーブルの設定データとから、飾り図柄の停止図柄を決定する。なお、停止図柄を決定する際に、各図柄が外ドラムによって表示されるのか内ドラムによって表示されるのかも決定される。
【0217】
そして、ドラム初期化要求フラグをセットし(ステップS876)、表示制御プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS877)。
【0218】
図45は、図42に示された表示制御プロセス処理における予告選択処理(ステップS801)を示すフローチャートである。予告選択処理において、第1表示制御用CPU101は、コマンド受信割込処理によって予告実行コマンドを受信したか否か確認する(ステップS811)。具体的には、予告実行コマンドが受信されたことを示すフラグ(予告実行コマンド受信フラグ)がセットされたか否か確認する。予告実行コマンド受信フラグは、コマンド解析処理によって、予告実行指定の表示制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる。
【0219】
予告実行コマンド受信フラグがセットされている場合には、予告実行コマンド受信フラグをリセットし(ステップS812)、予告乱数カウンタ2のカウント値を予告乱数2とする(ステップS813)。ROM102には、複数の数値と、数値に対応する連続予告の態様を示すデータとが設定されているテーブルが格納されている。第1表示制御用CPU101は、予告乱数2の値に一致するテーブル中の数値に対応した連続予告の態様を、使用する連続予告の態様として決定する(ステップS814)。また、連続予告実行フラグをセットする(ステップS815)。そして、表示制御プロセスフラグを図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に更新する(ステップS816)。
【0220】
また、ROM102には、複数の数値と、数値に対応するデータであって通常予告を行うか否かを示すデータとが設定されている通常予告決定用テーブルが格納されている。予告実行コマンド受信フラグがセットされてない場合には、第1表示制御用CPU101は、予告乱数カウンタ1のカウント値を予告乱数1とし(ステップS817)、予告乱数1の値と一致するテーブル中の数値が通常予告を行うことを示すデータに対応した数値であれば、通常予告を行うことに決定する(ステップS818)。また、通常予告を行うことに決定した場合には通常予告実行フラグをセットする(ステップS819)。
【0221】
通常予告決定用テーブルには、少なくとも、特別図柄の停止図柄がはずれ図柄となる場合に用いられるはずれ用テーブルと、特別図柄の停止図柄が大当り図柄となる場合に用いられる当り用テーブルとがある。そして、双方のテーブルに設定されている数値の総数(予告を行うことを示すデータに対応した数値の数+予告を行わないことを示すデータに対応した数値の数)は同数であって、当り用テーブルにおける予告を行うことを示すデータに対応した数値の数は、はずれ用テーブルにおける予告を行うことを示すデータに対応した数値の数よりも多い。従って、通常予告は、特別図柄の停止図柄が大当り図柄となって大当り遊技状態が発生する可能性が高いことを報知する役割を果たす。
【0222】
図46は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、飾り図柄の変動期間(変動開始から最終停止までの期間)におけるドラムモータの速度を示すデータと、その速度で回転させる時間を示すプロセスタイマと、その速度で回転させるステップ数を示すデータとがプロセスデータとして設定されているテーブルであり、ROM102に格納されている。また、プロセステーブルは、3つの外ドラムのそれぞれに対応して設けられている。図30に示された変動パターンを例にすると、外左ドラムに対応したプロセステーブルには、まず、順方向低速回転で開店させる時間を示すプロセスタイマと、順方向低速回転時の速度を示すデータと、その速度で回転させるステップ数を示すデータとが設定される。次に、一旦停止期間時間を示すプロセスタイマと、速度0を示すデータと、ダミーのステップ数データとが設定される。さらに、逆方向低速回転で開店させる時間を示すプロセスタイマと、逆方向低速回転時の速度を示すデータと、その速度で回転させるステップ数を示すデータとが設定される。
【0223】
プロセステーブルは、各変動パターンにおいて、停止時の表示図柄に応じて用意されている。例えば、図30に示されたスーパーリーチ変動の変動パターンであっても、停止時の表示図柄が違えば変動期間における回転数(ステップ数)は若干異なるので、異なるプロセステーブルとして用意されている。ただし、停止時の表示図柄が違っても変動時間を同じ29.0秒(スーパーリーチの場合)にする必要がある。そこで、例えば、順方向低速回転の期間を幾つかに分割し、回転開始時の期間や回転終了時の期間において、回転速度を若干異ならせるようにする。すなわち、プロセステーブルにおいて、そのような期間に対応した回転速度およびステップ数を異ならせる。
【0224】
また、図32に示されたスーパーリーチ(図柄そろえ)変動に対応したプロセステーブルでは、高速回転期間の前半(期間の1/2に限られない。例えば、あと5コマ分回転すると停止タイミングが到来するような停止タイミング直前の時期よりも前を前半としてもよい。)では、それぞれの(図柄差/回転期間)に応じた速度で、内左ドラム、内中ドラムおよび内右ドラムのそれぞれを高速回転させることを示すプロセスデータが設定される。図柄差とは、一旦停止時に視認させる図柄の図柄番号と回転開始時の図柄の図柄番号との差である。同様に、(図柄差/回転期間)に応じた速度で、外左ドラム、外中ドラムおよび外右ドラムのそれぞれを高速回転させることを示すプロセスデータが設定される。すると、高速回転期間の前半が終了した時点で、3つの外ドラムと3つの内ドラムの各図柄は、一旦停止時の図柄に揃う。そして、プロセステーブルにおける高速回転期間の後半で用いられるプロセスデータには、3つの外ドラムと3つの内ドラムとを等速で高速回転させることを示すデータが設定される。従って、高速回転期間の後半では、一旦停止時の図柄に揃った状態で、同期して3つの外ドラムと3つの内ドラムとが回転している。なお、高速回転期間の前半を、例えば、あと5コマ分回転すると停止タイミングが到来するような時期よりも前とした場合には、大当り図柄の組合せを構成する図柄数を増加させるために、遊技者が確実に視認不能な位置(つまりドラムの背面側)において、外ドラムの図柄と内ドラムの図柄との組合せにより、大当り図柄の組合せの一部(例えば2つ、または3つ(全て))を構成する位置に、大当り図柄の組合せを構成する図柄の位置を揃えることができる。
【0225】
よって、高速回転していて遊技者が各図柄を視認できない状況において、大当りの組合せを構成する図柄に含まれるものを増やすために、遊技者が図柄を視認不能な状態において、大当りの組合せを構成する位置に複数の図柄を揃える位置揃え準備制御を実現することができる。
【0226】
なお、位置揃え準備制御は、このような方法に限られず、遊技者が視認不能な状況下で、大当りの組合せを構成する図柄に含まれるものを増やすために、大当りの組合せを構成する位置に複数の図柄を揃えることができる方法であれば、他の制御方法を用いてもよい。
【0227】
さらに、同じ変動パターンおよび同じ停止図柄であっても、予告する/しないに応じて、かつ、予告の態様に違いに応じて、異なるプロセステーブルを用意することが好ましい。プロセステーブルはモータ制御処理において使用されるのであるが、このように、きめ細かに多数のプロセステーブルを用意しておけば、モータ制御処理を容易に実行することができる。
【0228】
図47は、表示制御プロセス処理における図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。図柄変動開始処理において、第1の制御用CPU101は、まず、飾り図柄の可変表示の変動パターン、停止時の表示図柄および予告演出の種類に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS881)。また、ドラムモータ200A,200B,200Cに対する通電を開始する(ステップS882)。そして、選択したプロセステーブルにおいて最初に設定されているプロセスタイマをスタートさせる(ステップS883)。また、プロセスデータ1の内容に従ってモータ制御することをモータ制御処理に指示する(ステップS884)。具体的には、その旨を示す内部フラグをセットする。次いで、変動時間タイマ(飾り図柄の変動時間に応じたタイマ)をスタートし(ステップS885)、表示制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理に対応した値にする(ステップS886)。
【0229】
図48は、表示制御プロセス処理における図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。図柄変動中処理において、第1表示制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS831)、プロセスデータの切り替えを行う(ステップS832)。すなわち、プロセステーブルにおいて、次に設定されているプロセスデータのプロセスタイマをスタートさせるとともに(ステップS833)、新たなプロセスデータの内容に従ってモータ制御することをモータ制御処理に指示する(ステップS834)。
【0230】
また、変動時間タイマがタイムアウトしていたら(ステップS835)、特別図柄停止の表示制御コマンドの受信を監視するための監視タイマをスタートさせ(ステップS836)、表示制御プロセスフラグの値を図柄停止待ち処理に対応した値にする(ステップS837)。
【0231】
図49は、表示制御プロセス処理における図柄停止待ち処理(ステップS804)を示すフローチャートである。図柄停止待ち処理において、第1表示制御用CPU101は、全図柄停止を指示する表示制御コマンド(特別図柄停止の表示制御コマンド)を受信しているか否か確認する(ステップS841)。全図柄停止を指示する表示制御コマンドを受信していれば、外ドラムを停止させる制御を行う(ステップS842)。そして、表示制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS843)。
【0232】
全図柄停止を指定する表示制御コマンドを受信していない場合には、監視タイマがタイムアウトしているかどうか確認する(ステップS844)。タイムアウトした場合には、何らかの異常が発生したと判断して、エラー報知する制御を行う(ステップS845)。そして、ステップS843に移行する。なお、エラー報知する制御とは、例えば、ランプ・LEDをエラー報知用の態様で点滅させることを示すランプ制御コマンドをランプ制御基板35に送信する処理である。
【0233】
次に、ドラムの回転制御について説明する。図50は、図柄制御基板80におけるドラムモータの駆動に関する部分の一構成例を示すブロック図である。
【0234】
ドラムモータ200A〜200Cには、位置検出のためのドラムセンサ(第1の可変表示部材の基準位置を検出するための位置検出手段)139A,139B,139Cが設置されている。また、ドラムモータ200a〜200cには、位置検出のためのドラムセンサ(第2の可変表示部材の基準位置を検出するための位置検出手段)139a,139b,139cが設置されている。ドラムセンサ139A,139B,139C,139a,139b,139cの検出信号は、増幅回路177および入力ポート511を介して第1表示制御用CPU101に入力される。
【0235】
3つの外ドラムおよび3つの内ドラムの所定位置に、無反射部分が設けられている。そして、無反射部分を検出できるような位置に、例えば反射型フォトセンサによるドラムセンサ139A,139B,139C,139a,139b,139cが設けられている。ドラムセンサ139A,139B,139C,139a,139b,139cは、それぞれ、無反射部分を検知すると、そのことを示す検出信号(出力信号)を出力する。第1表示制御用CPU101は、検出信号によってドラムの位置が所定位置にきたことを認識でき、その位置を基準として、回転中の任意のタイミングにおけるドラムの位置を認識することができる。その結果、表示図柄(遊技者が視認できる位置にある飾り図柄)を認識することができる。なお、ドラムセンサ139A,139B,139C,139a,139b,139cには、電源基板からの+12V電圧が供給される。
【0236】
図51は、図41に示された初期化処理(ステップS701)を示すフローチャートである。初期化処理において、第1表示制御用CPU101は、まず、レジスタを初期化し(ステップS711)、RAM104を初期化する(ステップS712)。次いで、ドラムモータ20A,200B,200Cの通電を開始し(ステップS713)、ドラムセンサ139A,139B,139Cがオンするのを待つ(ステップS714)。なお、所定時間内にドラムセンサ139A,139B,139Cがオンしなかった場合には、所定のエラー処理を行う(ステップS791,S792)。また、ステップS714の処理および以降のステップS715〜S719までの処理は、3つのドラムモータ20A,200B,200Cのそれぞれについて独立して実行されるが、ここでは、1つの処理として示す。
【0237】
ドラムセンサ139A,139B,139Cがオンしたときに、RAM104に形成されている現在表示図柄カウンタを初期化する(ステップS715)。各ドラムに付されている各飾り図柄には、配列順に図柄番号が割り当てられている。初期化とは、ドラムセンサ139A,139B,139Cがオンしたときに、遊技者が視認できる位置にある飾り図柄(より具体的には中段に表示される飾り図柄)の図柄番号を、現在表示図柄カウンタに設定することである。なお、ドラムセンサがオンしたときに遊技者が視認できる位置にある飾り図柄を基準図柄、その図柄番号を基準図柄番号と呼ぶ。
【0238】
次に、基準図柄が表示されている状態から初期表示図柄が遊技者に視認可能な位置まで外ドラムを回転させるためにドラムモータ20A,200B,200Cに与えるステップ数を、RAM104の所定の領域にセットする(ステップS716)。そして、セットしたステップ数分ドラムモータ20A,200B,200Cが回転するまで、モータ駆動処理サブルーチンをコールする(ステップS717,S718)。セットしたステップ数分回転したら、ドラムモータ20A,200B,200Cの通電を終了する(ステップS719)。なお、初期表示図柄は、例えば大型のキャラクタ(「ドラム君」)である。
【0239】
また、第1表示制御用CPU101は、第2表示制御用CPU103が制御する内ドラムのドラムセンサ139a,139b,139cがオンしたときには、その旨を示す情報を第2表示制御用CPU103に送信する。また、所定の監視時間が経過する前に内ドラムのドラムセンサ139a,139b,139cがオンしない場合には、第1表示制御用CPU101がエラー報知等のエラー処理を行う。エラー報知は、例えば、エラー報知を指示するランプ制御コマンドをランプ制御基板に送信し、ランプ制御手段がランプ・LEDをエラー報知の態様で点滅させることによって実現される。つまり、内外二重構造のドラムを2つのマイクロコンピュータが分担して制御する場合でも、ドラムセンサについては第1のマイクロコンピュータが一括してエラー監視する。よって、ドラムセンサの監視についての処理が集約されるので、監視処理やエラー報知処理が容易になる。
【0240】
なお、この実施の形態では、表示制御手段が、遊技機への電力供給開始時に、独自に、飾り図柄表示装置11に初期表示図柄を表示させるための制御を行っているが、遊技制御手段から初期図柄を示す表示制御コマンドを受信したことに応じて、飾り図柄表示装置11に初期表示図柄を表示させるための制御を行ってもよい。
【0241】
図52は、図41に示されたメイン処理におけるモータ制御処理を示すフローチャートである。モータ制御処理において、第1表示制御用CPU101は、まず、初期化中であるか否か確認する(ステップS721)。ここでの初期化中とは、飾り図柄の変動開始時に、表示図柄を変動開始時初期表示図柄(例えば透明領域)にするための処理を実行中のことである。初期化中であれば、ステップS731に移行する。なお、変動開始時初期表示図柄が遊技者に視認されるようなドラム位置を原点位置と呼ぶ。
【0242】
初期化中でなければ、ドラム初期化要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS722)。ドラム初期化要求フラグは、変動パターンコマンド受信待ち処理において変動パターンコマンドを受信したときにセットされる(ステップS874)。ドラム初期化要求フラグがセットされていれば、ステップS729に移行する。
【0243】
ドラム初期化要求フラグがセットされていなければ、飾り図柄の変動中であるか否か確認する(ステップS723)。飾り図柄の変動中であれば、プロセスデータの内容に従ってモータ制御することの指示があるか否か確認する。なお、プロセスデータの内容に従ってモータ制御することの指示は、表示制御プロセス処理におけるステップS834,S884で設定される。プロセスデータの内容に従ってモータ制御することの指示があれば、新たなプロセスデータ(図46参照)に設定されているステップ数をRAM104の所定の領域にセットし(ステップS725)、ステップS726に移行する。プロセスデータの内容に従ってモータ制御することの指示がない場合には、直ちにステップS726に移行する。ステップS726では、モータ駆動処理サブルーチンをコールする。
【0244】
ステップS729では、初期化中であることを示す初期化中フラグをセットし(ステップS729)、現在表示図柄カウンタの値と変動開始時初期表示図柄との差に応じたステップ数を、RAM104の所定の領域にセットする(ステップS730)。
【0245】
ステップS731では、モータ駆動処理サブルーチンをコールする。セットしたステップ数分回転したら(ステップS732)、初期化中フラグをリセットする(ステップS733)。
【0246】
ステップS729〜S733の処理によって、飾り図柄の変動開始時に、外ドラムは、変動開始時初期表示図柄として透明領域である無効領域(図13に示す無効領域1,2のいずれか)が遊技者に視認されるような位置、すなわち、原点位置で停止する。
【0247】
なお、ドラムセンサがオンしたときに遊技者が視認できる位置にある基準図柄が、無効領域に相当している場合には、ステップS730の処理を実行せず、また、ステップS732の判定に代えてドラムセンサがオンしたか否かを判定することによって、変動開始時初期表示図柄が表示されたことを判定することができる。
【0248】
また、ステップS729〜S733ではドラムセンサの検出信号を使用せず、前回の変動終了時の現在表示図柄カウンタの値を用いたが、ドラムセンサの検出信号を使用して外ドラムを原点位置で停止させるようにしてもよい。その場合には、ステップS730の処理を行う前に、初期化処理で実行したステップS714,S715と同様の処理が実行される。
【0249】
この実施の形態では、ドラムモータ200A,200B,200Cの駆動方式として1−2相励磁方式が用いられる。従って、基準励磁パターンを含む8種類の励磁パターンデータが繰り返しドラムモータ200A,200B,200Cに出力される。また、この例では、3つの外ドラムのそれぞれは、120ステップ(1図柄あたり12ステップ)の励磁パターンが与えられると1回転する。従って、1回転するうちに、120/8=30の基準励磁パターンが各ドラムモータ200A,200B,200Cに与えられる。また、第1表示制御用CPU101は、12ステップの励磁パターンが出力されると、1図柄分(1コマ分)回転したと認識することができる。
【0250】
表示制御手段のRAM104には、例えば、左中右ドラムの現在表示図柄(中段に表示される図柄)の図柄番号が設定される現在表示図柄カウンタが用意される。そして、モータ駆動処理サブルーチンにおいて、12ステップの励磁パターンが出力されると、現在表示図柄カウンタの値が+1される。また、ドラムセンサ139A,139B,139Cの検出信号がオンした時点で、現在表示図柄カウンタに基準図柄番号が設定される。すなわち、初期化される。そして、12ステップの励磁パターンが出力される毎に、現在表示図柄カウンタの値が1図柄分ずつ更新される。
【0251】
図55は、モータ駆動処理サブルーチンを示すフローチャートである。モータ駆動処理サブルーチンにおいて、第1表示制御用CPU101は、速度に応じたタイミングで、指令信号として励磁パターンを示す信号を、モータ駆動回路176に出力する(ステップS741)。速度に応じたタイミングとは、プロセスデータ(図46参照)に設定されている速度に応じたタイミングであり、例えば、速度としてパルス周波数100Hzが設定されていたら、10ms毎に到来するタイミングである。その場合、10ms毎に、次の励磁パターンを示す信号を出力する。モータ駆動回路176は、励磁パターンを示す信号を増幅して、駆動信号としてドラムモータ200A,200B,200Cに出力する。そして、12ステップの励磁パターンを出力すると、現在表示図柄カウンタの値を+1する(ステップS741,S742)。なお、現在表示図柄カウンタの値が配列の最後の図柄の図柄番号を越えたら、配列の最初の図柄の図柄番号を現在表示図柄カウンタに設定する。
【0252】
なお、ステップS741〜S746の処理は3つの外ドラムのそれぞれについて独立して実行されるが、ここでは、1つの処理として示す。また、ステップS744の処理は、外ドラムのドラムセンサ139A,139B,139Cについてだけではなく、内ドラムのドラムセンサ139a,139b,139cについても実行される。そして、ドラムセンサ139a,139b,139cの検出信号がオンしたら、センサONコマンド出力要求をセットする(ステップS744,S745)。
【0253】
また、ドラムセンサ139A,139B,139Cの検出信号がオンしたら、現在表示図柄カウンタに基準図柄番号を設定する(ステップS746)。
【0254】
図56は、図41に示されたメイン処理におけるランプ制御コマンド出力処理を示すフローチャートである。ランプ制御コマンド出力処理において、第1表示制御用CPU101は、遊技制御手段から表示制御コマンドを受信したことを確認したら(ステップS751)、表示制御コマンドデータ(この例では2バイトのデータ)を、ランプ制御コマンドとしてランプ制御基板35に送信する(ステップS752)。また、予告実行フラグ(連続予告実行フラグまたは通常予告実行フラグ)がセットされていたら(ステップS753)、予告態様を示すランプ制御コマンドとしてランプ制御基板35に送信する(ステップS754)。なお、連続予告実行フラグまたは通常予告実行フラグは、表示制御プロセス処理の予告選択処理でセットされる。
【0255】
以上のような処理によって、遊技制御手段からの遊技状態を示す情報がランプ制御手段にも伝達される。また、表示制御手段が独自に決定した遊技制御に関わる情報もランプ制御手段に伝達される。従って、ランプ制御手段は、表示制御手段による飾り図柄の変動制御と同期したランプ・LED制御を実行することができる。
【0256】
なお、ランプ制御手段は、ランプ制御コマンドを受信したら、そのコマンドが示す情報を音制御コマンドとして音制御基板70に送信する。従って、音制御手段は、表示制御手段による飾り図柄の変動制御およびランプ制御手段によるランプ・LED制御と同期した音出力制御を実行することができる。
【0257】
また、表示制御手段は、予告態様を示すランプ制御コマンドだけでなく、他にも独自に決定した遊技制御に関わる情報があれば、その情報もランプ制御コマンドとしてランプ制御手段に伝達する。
【0258】
図57および図58は、図41に示されたメイン処理における第2CPU通信処理を示すフローチャートである。第2CPU通信処理において、第1表示制御用CPU101は、遊技制御手段から表示制御コマンドを受信したことを確認したら(ステップS761)、表示制御コマンドデータを送信データに設定し(ステップS762)、ステップS769に移行する。なお、送信データは、RAM104内の領域である。また、予告実行フラグ(連続予告実行フラグまたは通常予告実行フラグ)がセットされていたら(ステップS763)、予告態様を示すデータを送信データに設定し(ステップS764)、ステップS769に移行する。さらに、センサONコマンド出力要求がセットされていたら(ステップS765)、内ドラムのドラムセンサのオンを示すデータを送信データに設定し(ステップS766)、ステップS769に移行する。また、変動パターン・停止図柄コマンド送信要求フラグがセットされていたら(ステップS767)、飾り図柄の変動パターンおよび停止図柄を示すデータを送信データに設定する(ステップS768)。なお、ステップS768の処理では1つの送信データが送信されることになるが、実際には、飾り図柄の変動パターンおよび停止図柄を示すデータとして、複数のデータが送信される。
【0259】
ステップS769では、送信データの内容を出力ポートを介して第2表示制御用CPU103に対して出力する。そして、第2表示制御用CPU103からの応答データを受信したら処理を終了する(ステップS770)。なお、所定時間内に応答データを受信しなかった場合には、所定のエラー処理を行うことが好ましい。
【0260】
以上、第1表示制御用CPU101の動作を説明したが、第2表示制御用CPU103も、第1表示制御用CPU101と同様の動作を行う。ただし、第1表示制御用CPU101が外ドラムに関する制御を行うのに対して、第2表示制御用CPU103は内ドラムの制御を行うので、主として、以下のような相違がある。
【0261】
表示制御コマンドを遊技制御手段から受信するのではなく、表示制御コマンドに応じた情報を第1表示制御用CPU101から受ける点が異なる。従って、第1表示制御用CPU101は受信した表示制御コマンドにもとづいて表示制御(具体的には外ドラムの駆動制御)を実行するのに対して、第2表示制御用CPU103は、第1表示制御用CPU101から受信した情報にもとづいて表示制御(具体的には内ドラムの駆動制御)を実行する。
【0262】
第2表示制御用CPU103は、飾り図柄の変動パターン、飾り図柄の停止図柄および予告演出に関わる決定を行う必要はなく、第1表示制御用CPU101から、飾り図柄の変動パターン、飾り図柄の停止図柄および予告態様等の予告演出に関わる情報を受け、その情報にもとづいてプロセステーブルの選択等を行う。
【0263】
第2表示制御用CPU103は、ドラムセンサの検出信号を入力ポートを介して入力するのではなく、第1表示制御用CPU101を介して入力する。従って、第1表示制御用CPU101から受信したドラムセンサの検出信号に関するデータにもとづいて、内ドラムの位置の初期化や現在表示図柄カウンタの初期化を行う。例えば、第2表示制御用CPU101も、内ドラムについて図51に示された処理を実行するのであるが、ステップS714の処理において、第1表示制御用CPU101から受信したデータによって、ドラムセンサがオンしたか否かの判定を行う。
【0264】
第2表示制御用CPU103は、第1表示制御用CPU101とは異なり、ランプ制御コマンド出力処理を実行する必要はない。
【0265】
第1表示制御用CPU101はドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cの制御を実行しないが、第2表示制御用CPU103はドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cの制御を実行する。
【0266】
上に例示したような違いはあるが、第2表示制御用CPU103も、第1表示制御用CPU101と同様に変動パターンを決定したり、決定した変動パターンに応じたプロセステーブルを用いて内ドラムの回転を制御したりすることができる。また、この実施の形態では、第1表示制御用CPU101と第2表示制御用CPU103とは同じ型番(同じ種類)のCPUである。
【0267】
さらに、ドラムモータ200A,200B,200C,200a,200b,200cは同じ種類のステッピングモータである。従って、モータ駆動回路176からの1回の駆動信号出力に対する外ドラムの回転量は、モータ駆動回路177からの1回の駆動信号出力に対する内ドラムの回転量と同じである。つまり、モータに与えるステップ数と回転量の関係は、外ドラムのドラムモータ200A,200B,200Cと内ドラムのドラムモータ200a,200b,200cとで同じである。よって、第1表示制御用CPU101によるモータ駆動処理と、第2表示制御用CPU103によるモータ駆動処理とを同じにすることができる。
【0268】
以上のことから、第1表示制御用CPU101が実行するプログラムと第2表示制御用CPU103が実行するプログラムとの大部分を共通化することができる。その結果、内外二重構造のドラムによる飾り図柄表示装置11を用いても、プログラムの設計に要する負担を増加させない。
【0269】
ここで、第2のマイクロコンピュータにおけるプロセステーブルの構成について説明しておく。図30に示された変動パターンを例にすると、内左ドラムに対応したプロセステーブルには、順方向回転で開店させる時間を示すプロセスタイマと、順方向回転時の速度を示すデータと、その速度で回転させるステップ数を示すデータとが設定される。また、内中ドラムに対応したプロセステーブルには、順方向回転で開店させる時間を示すプロセスタイマと、順方向回転時の速度を示すデータと、その速度で回転させるステップ数を示すデータとが設定され、次に、一旦停止期間時間を示すプロセスタイマと、速度0を示すデータと、ダミーのステップ数データとが設定される。さらに、順方向低速回転で開店させる時間を示すプロセスタイマと、順方向低速回転時の速度を示すデータと、その速度で回転させるステップ数を示すデータとが設定される。そして、内右ドラムに対応したプロセステーブルには、順方向回転で開店させる時間を示すプロセスタイマと、順方向回転時の速度を示すデータと、その速度で回転させるステップ数を示すデータとが設定される。
【0270】
第2のマイクロコンピュータにおいても、第1のマイクロコンピュータと同様に、各変動パターンおよび停止時の表示図柄に応じたプロセステーブルが用意されている。また、同じ変動パターンおよび同じ停止図柄であっても、予告する/しないに応じて、かつ、予告の態様に違いに応じて、異なるプロセステーブルを用意されている。
【0271】
第2表示制御用CPU103は、遊技制御手段からの表示制御コマンドが指令した情報を第1表示制御用CPU101を介して受信するとともに、第1表示制御用CPU101が決定した内容(飾り図柄の変動パターン、飾り図柄の停止図柄および予告演出に関わる情報)を示すデータを受信するので、第1表示制御用CPU101の場合と同様に、使用される飾り図柄の変動パターン、飾り図柄の停止図柄および予告演出に対応したプロセステーブルを選択することができ、選択したプロセステーブルにもとづいて内ドラムの駆動制御を行うことができる。従って、2つのマイクロコンピュータで二重構造のドラム駆動制御を行う場合でも、外ドラムと内ドラムとを同期させた表示制御を実現することができる。
【0272】
なお、上記の実施の形態では、第1面としての外ドラムに、無効領域が設けられている場合について説明したが、第2面としての内ドラムに無効領域が設けられていてもよい。そして、例えば、可変表示の開始時に、内ドラムの無効領域を遊技者に視認させるようなドラムの位置の初期化処理を実行してもよい。
【0273】
また、上記の実施の形態では、可変表示部材として、表面に図柄が付され回転するドラムを例にしたが、第1面として透明領域、遮蔽領域および図柄領域を有するベルトを用い、第2面として図柄領域を有するベルトを用いてもよい。そのような構成では、ベルトを移動させることによって可変表示を実現することができる。
【0274】
また、上記の実施の形態では、可変表示手段として、ドラム等の可変表示部材を用いて図柄の可変表示を行う飾り図柄表示装置11を例にしたが、画像を表示する液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)等からなる画像表示装置(可変表示装置)を用いてもよい。この場合も、画像表示装置が、透明領域、遮蔽領域(キャラクタを表示する領域)および図柄領域(第1の識別情報としての図柄を表示する領域)を有する第1面と、第1面の裏面に位置し、第2の識別情報としての図柄を表示し、第1面における透明領域を介して遊技者が第2の識別情報としての図柄を視認可能な第2面とを表示することにより、2重ドラムと同様の視覚的効果を実現することができる。
【0275】
さらに、上記の実施の形態では、外ドラムと内ドラムとで共動してリーチを成立させたり大当りの図柄を表示させたりする例として、図柄単位(コマ単位)で外ドラムと内ドラムとが共動する場合を例にしたが、例えば、1図柄の一部を内ドラムにより表示し、その図柄他部を外ドラムで表示するようにしてもよい。その場合、外ドラムにおいて、内ドラムにより表示される図柄部分に対応する領域は透明領域である。なお、このように表示してよいことは、リーチや大当りの場合に限られず、はずれとなる図柄を停止表示する場合に用いてもよい。
【0276】
また、上記の実施の形態では、第1のマイクロコンピュータが、遊技制御手段から表示制御コマンドを受信するとともにランプ制御コマンドをランプ制御手段に送信し、かつ、外ドラムの駆動制御およびドラムセンサの検出処理を実行し、第2のマイクロコンピュータが、内ドラムの駆動制御およびドラム装飾用LEDの点灯制御を実行する構成であったが、そのような役割分担は一例であって、コマンドの送受信、ドラムの駆動制御およびドラム装飾用LEDの点灯制御等に関して、第1のマイクロコンピュータと第2のマイクロコンピュータとで、どのように役割分担させてもよい。
【0277】
また、上記の実施の形態では、表示制御手段は、第1のマイクロコンピュータと第2のマイクロコンピュータとで実現されていたが、1つのマイクロコンピュータで実現されていてもよい。
【0278】
また、上記の実施の形態によれば、下記のような遊技機も実現される。
【0279】
遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば飾り図柄)を可変表示可能な可変表示手段(例えば飾り図柄表示装置11)を備えた遊技機であって、可変表示手段が、第1の識別情報(例えば外ドラムに付された飾り図柄)が表面に配された回動(例えばドラムの回転やベルトの移動)可能な第1の可変表示部材(例えば外ドラム)と、第1の可変表示部材の内側に配置され、第2の識別情報(例えば内ドラムに付された飾り図柄)が表面に配された回動可能な第2の可変表示部材(例えば内ドラム)とを含み、第1の可変表示部材を回動させる第1の駆動手段(例えば回転モータ200A,200B,200C)と、第2の可変表示部材を回動させる第2の駆動手段例えば回転モータ200a,200b,200c)と、第1の可変表示部材を回動させるための駆動信号を生成して第1の駆動手段に出力する第1の駆動回路(例えばモータ駆動回路176)と、第2の可変表示部材を回動させるための駆動信号を生成して第2の駆動手段に出力する第2の駆動回路(例えばモータ駆動回路177)と、第1の可変表示部材を制御するために、第1の可変表示部材を回動させるための指令信号を第1の駆動回路に与える第1のマイクロコンピュータ(例えば第1表示制御用CPU101を含むマイクロコンピュータ)と、第2の可変表示部材を制御するために、第2の可変表示部材を回動させるための指令信号を第2の駆動回路に与える第2のマイクロコンピュータ(例えば第2表示制御用CPU103を含むマイクロコンピュータ)とを備えたことを特徴とする遊技機。このような構成によれば、第1の可変表示部材と第2の可変表示部材とを並列に制御することができ、第1の可変表示部材と第2の可変表示部材の駆動誤差を低減できる。
【0280】
第1の駆動回路からの1回の駆動信号出力に対する第1の可変表示部材の回動量は、第2の駆動回路からの1回の駆動信号出力に対する第2の可変表示部材の回動量と同じである(例えば、回転モータ200A,200B,200Cに与えるステップ数と回転量の関係は、回転モータ200a,200b,200cに与えるステップ数と回転量の関係と同じ)遊技機。このような構成によれば、第1の可変表示部材の回動と第2の可変表示部材の回動とを厳密に同期させることが容易になる。また、第1のマイクロコンピュータの駆動回路制御のためのプログラムと第2のマイクロコンピュータの駆動回路制御のためのプログラムとを共通化することも容易である。
【0281】
第1のマイクロコンピュータと第2のマイクロコンピュータが、同一種類(例えば同一品名)のマイクロコンピュータである遊技機。このような構成によれば、駆動回路制御のためのプログラムやデータを共通化することが容易になる。
【0282】
第1の可変表示部材の基準位置を検出するための第1の位置検出手段(例えばドラムセンサ139A,139B,139C)と、第2の可変表示部材の基準位置を検出するための第2の位置検出手段(例えばドラムセンサ139a,139b,139c)とを備え、第1の位置検出手段の出力信号と第2の位置検出手段の出力信号とは、第1のマイクロコンピュータと第2のマイクロコンピュータとのうちのいずれか一方のマイクロコンピュータ(例えば第1表示制御用CPU101)に入力され、一方のマイクロコンピュータが、第1の可変表示部材と第2の可変表示部材とのうちで自身が制御する方の可変表示部材(例えば外ドラム)に対応する出力信号にもとづいて該可変表示部材を回動させるための指令信号を出力する(例えば、ステップS714〜S717の処理)とともに、自身が制御しない方の可変表示部材に対応する出力信号にもとづいて他方のマイクロコンピュータに同期信号(例えばセンサONを示すデータ)を送信し(例えばステップS765,S766,S769,S770の処理を実行)、他方のマイクロコンピュータ(例えば第2表示制御用CPU103)は、同期信号にもとづいて自身が制御する方の可変表示部材(例えば内ドラム)を回動させるための指令信号を出力するように構成された遊技機。このような構成によれば、一方のマイクロコンピュータが、出力信号にもとづいて双方の可変表示部材の動作状況を把握することができ、第1の可変表示部材の回動と第2の可変表示部材の回動を同期させた制御をより実行しやすくなる。
【0283】
識別情報の表示結果の組合せが特定の組合せ(例えば同一ラインで飾り図柄が揃う)になったときに遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能であり、第1の可変表示部材と第2の可変表示部材とのうちの少なくとも一方(例えば外ドラム)は、特定の組合せを構成する識別情報が配されていない無効領域(例えば外ドラムにおける無効領域)が表面に設けられ、第1のマイクロコンピュータと第2のマイクロコンピュータとのうちの無効領域が設けられた可変表示部材を制御するマイクロコンピュータ(例えば第1表示制御用CPU101)が、識別情報の可変表示の開始時に、遊技者が無効領域を視認可能な位置に該可変表示部材を位置させるための初期制御処理を実行する(例えばステップS876,S729〜S733の処理を実行)ように構成された遊技機。このような構成によれば、可変表示部材の停止位置ずれ等に起因して可変表示結果が特定の表示結果になってしまうような不都合を生じさせないようにすることができる。
【0284】
遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能であり、特定遊技状態に制御するか否かを決定する事前決定手段(例えば遊技制御手段におけるステップS57,S58を実行する部分)を備え、第1の可変表示部材の表面に、キャラクタ情報(例えばキャラクタA,B)を表示するキャラクタ領域が設けられ、第1のマイクロコンピュータが、キャラクタ情報を遊技者に視認可能に表示させることによって、事前決定手段により特定遊技状態に制御することが決定されたことを報知する予告表示制御(例えばステップS811〜S814,S817〜S819)を実行するように構成された遊技機。このような構成によれば、二重構造の可変表示手段における外側の第1の可変表示部材を用いた演出をより多様化することができ、遊技の興趣をさらに増進させることができる。
【0285】
第2の可変表示部材を遮蔽する遮蔽領域(例えば外ドラムにおける大型のキャラクタが付された部分)が第1の可変表示部材の表面に設けられ、第2のマイクロコンピュータが、第2の可変表示部材における識別情報の可変表示を一旦停止させた後、第1のマイクロコンピュータの制御にもとづいて遮蔽領域により第2の可変表示部材が遮蔽された状態で、第2の可変表示部材における識別情報の可変表示を再度開始させる再可変表示制御を実行する(例えば第1,第2のマイクロコンピュータが、図32に示すスーパーリーチ(図柄そろえ)に対応したプロセステーブルを用いてドラム駆動制御を実行する)ように構成された遊技機。このような構成によれば、二重構造の可変表示手段における外側の第1の可変表示部材を用いた演出をより多様化することができ、遊技の興趣をさらに増進させることができる。
【0286】
第1の可変表示部材(例えば外ドラム)および第2の可変表示部材(例えば内ドラム)はそれぞれ複数設けられ(例えば、外左ドラム、外中ドラム、外右ドラム、内左ドラム、内中ドラム、内右ドラム)、第1のマイクロコンピュータが複数の第1の可変表示部材の各々を等速度で回動させる制御を実行するとともに、第2のマイクロコンピュータが複数の第2の可変表示部材の各々を等速度(第1の可変表示部材の回動速度と異なっていてもよいし同じでもよい。)で回動させる制御を実行する(例えば第1,第2のマイクロコンピュータが、図30〜図37に示す変動パターンに対応したプロセステーブルを用いてドラム駆動制御を実行する)ように構成された遊技機。このような構成によれば、広い領域において、かつ、遊技者の視線方向において二重で、識別情報の可変表示の演出を実行することによって、遊技の興趣を一層増進させることができる。
【0287】
可変表示部材を回動させる駆動手段(例えば回転モータ200A,200B,200C,200a,200b,200c)をさらに備え、無効領域が設けられた可変表示部材においては駆動手段の原点位置に対応して遊技者が無効領域を視認可能な位置が定められ、初期化手段が、駆動手段を原点位置まで駆動することによって初期制御処理を実行する(例えばステップS876,S729〜S733の処理を実行する)ように構成された遊技機。このような構成によれば、第1の可変表示部材と第2の可変表示部材との駆動誤差に起因する制御不良の発生を低減する処理を容易に実行することができる。
【0288】
無効領域が、識別情報その他の絵柄情報(例えば図柄およびキャラクタ情報)が配されていない領域である遊技機。このような構成によれば、可変表示部材が初期位置に位置したときに、遊技者に紛らわしい情報を視認させないようにすることができる。
【0289】
無効領域は、例えば、第1の可変表示部材に設けられ、遊技者が無効領域を介して第2の可変表示部材の表面を視認可能な透明領域として形成されている遊技機。このような構成によれば、第1の可変表示部材を初期位置に位置させた状態で、第2の可変表示部材の表面に配されている識別情報によって可変表示演出を行うことができる。
【0290】
遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能であり、特定遊技状態に制御するか否かを決定する事前決定手段(例えば遊技制御手段におけるステップS57,S58を実行する部分)を備え、第1の可変表示部材の表面に、キャラクタ情報を表示するキャラクタ領域(例えばキャラクタA,B)が設けられ、キャラクタ情報を遊技者に視認可能に表示させることによって、事前決定手段により特定遊技状態に制御することが決定されたことを報知する予告表示制御手段(例えば表示制御手段におけるステップS811〜S814,S817〜S819)を備え、無効領域(例えば図13に示す無効領域1)が、キャラクタ領域に隣接して設けられているように構成され遊技機。このような構成によれば、第2の可変表示部材の表面に配されている識別情報によって可変表示演出を行っている状態から短時間で予告表示制御のためのキャラクタ情報を視認させることができる。
【0291】
第2の可変表示部材を遮蔽する遮蔽領域(例えば外ドラムにおける大型のキャラクタが付された部分)が第1の可変表示部材の表面に設けられ、第2のマイクロコンピュータが、第2の可変表示部材における識別情報の可変表示が一旦停止させた後、第1のマイクロコンピュータの制御にもとづいて遮蔽領域により第2の可変表示部材が遮蔽された状態で、第2の可変表示部材における識別情報の可変表示を再度開始させる再可変表示制御を実行する再可変表示制御手段(例えば表示制御手段における図32に示すスーパーリーチ(図柄そろえ)に対応したプロセステーブルを用いてドラム駆動制御を実行する部分)を備えた遊技機。このような構成によれば、二重構造の可変表示手段における外側の第1の可変表示部材を用いた演出をより多様化することができ、遊技の興趣をさらに増進させることができる。
【0292】
第1の可変表示部材(例えば外ドラム)および第2の可変表示部材(例えば内ドラム)はそれぞれ複数設けられ(例えば、外左ドラム、外中ドラム、外右ドラム、内左ドラム、内中ドラム、内右ドラム)、複数の第1の可変表示部材の各々を等速度で回動させる制御を実行するとともに、複数の第2の可変表示部材の各々を等速度(第1の可変表示部材の回動速度と異なっていてもよいし同じでもよい。)で回動させる制御を実行する可変表示制御手段(例えば表示制御手段における図30〜図37に示す変動パターンに対応したプロセステーブルを用いてドラム駆動制御を実行する部分)を備えた遊技機。このような構成によれば、広い領域において、かつ、遊技者の視線方向において二重で、識別情報の可変表示の演出を実行することによって、遊技の興趣を一層増進させることができる。
【0293】
また、上記の実施の形態によれば、下記のような遊技機における演出制御方法も実現される。
【0294】
遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば飾り図柄)を可変表示可能な複数の可変表示部(例えば外左ドラム、外中ドラム、外右ドラム、内左ドラム、内中ドラム、内右ドラム)を有する可変表示手段(例えば飾り図柄表示装置11)を備え、表示結果として識別情報の組合せが所定の有効ライン上にて特定の表示結果(例えば有効ラインで飾り図柄が揃う)になったときに遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能であり、可変表示手段は、可変表示部として、透明領域を有し第1の識別情報(例えば外ドラムに付された図柄)を表示する第1面(例えば外ドラム)と、第1面の裏面に位置し第2の識別情報(例えば内ドラムに付された図柄)を表示し第1面における透明領域を介して遊技者が第2の識別情報を視認可能な第2面(例えば内ドラム)との二重構造である遊技機における演出制御方法であって、あらかじめ定められている可変表示の実行条件(例えば、遊技領域に設けられた始動入賞領域への入賞)が成立したときに、所定の数値範囲で更新されている、可変表示に関わる決定に用いられる数値データ(例えば乱数値)を抽出するステップ(例えば、ステップS113における乱数を抽出する処理)と、抽出した数値データを格納するステップ(例えば、ステップS113における乱数をRAM55に設けられている始動記憶数に応じた保存領域に格納する処理)と、格納した数値データが所定の判定値(例えば大当り判定値)と合致するか否かに応じて識別情報の表示結果を特定の表示結果とするか否かの判定を行うステップ(例えばステップS208,S209)と、数値データが所定の判定値に合致していると判定したとき(例えばステップS209のY)に、当該合致していると判定された数値データにもとづく可変表示の停止以前に実行される複数回の可変表示に亘って、識別情報の表示結果を特定の表示結果とすることを報知する予告表示制御(例えば連続予告演出)を実行させるか否かを決定するステップ(例えばステップS216,S217)と、予告表示制御を実行する旨の決定がされたとき(例えばステップS217のY)、複数回の可変表示に亘って実行する予告表示制御として、第1面における第1の識別情報の可変表示動作と第2面における第2の識別情報の可変表示動作とで、交互に、リーチ演出を可変表示手段に実行させる(例えば図32に示す飾り図柄の変動)ステップ(例えば、連続予告として使用されるスーパーリーチ(交互リーチ)に対応したプロセステーブルを用いてドラム駆動制御する部分:ステップS881およびモータ制御処理)とを備えたことを特徴とする遊技機の演出制御方法。このような構成によれば、予告表示制御の可変表示がなされている期間中に第1面における可変表示と第2面における可変表示とを共動させて演出を行うことができ、遊技の興趣を増進させることができるとともに、遊技者に特定遊技状態の発生に対する期待をより一層抱かせることができる。
【0295】
また、上記の実施の形態によれば、下記のような遊技機における遊技演出プログラムも実現される。
【0296】
本発明による遊技演出プログラムは、遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば飾り図柄)を可変表示可能な複数の可変表示部(例えば外左ドラム、外中ドラム、外右ドラム、内左ドラム、内中ドラム、内右ドラム)を有する可変表示手段(例えば飾り図柄表示装置11)を備え、表示結果として識別情報の組合せが所定の有効ライン上にて特定の表示結果(例えば有効ラインで飾り図柄が揃う)になったときに遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能であり、可変表示手段は、可変表示部として、透明領域を有し第1の識別情報(例えば外ドラムに付された図柄)を表示する第1面(例えば外ドラム)と、第1面の裏面に位置し第2の識別情報(例えば内ドラムに付された図柄)を表示し第1面における透明領域を介して遊技者が第2の識別情報を視認可能な第2面(例えば内ドラム)との二重構造である遊技機における遊技演出プログラムであって、遊技機に搭載されたコンピュータに、あらかじめ定められている可変表示の実行条件(例えば、遊技領域に設けられた始動入賞領域への入賞)が成立したときに、所定の数値範囲で更新されている、可変表示に関わる決定に用いられる数値データ(例えば乱数値)を抽出する処理(例えば、ステップS113における乱数を抽出する処理)と、抽出した数値データを格納する処理(例えば、ステップS113における乱数をRAM55に設けられている始動記憶数に応じた保存領域に格納する処理)と、格納した数値データが所定の判定値(例えば大当り判定値)と合致するか否かに応じて識別情報の表示結果を特定の表示結果とするか否かの判定を行う処理(例えばステップS208,S209)と、数値データが所定の判定値に合致していると判定したとき(例えばステップS209のY)に、当該合致していると判定された数値データにもとづく可変表示の停止以前に実行される複数回の可変表示に亘って、識別情報の表示結果を特定の表示結果とすることを報知する予告表示制御(例えば連続予告演出)を実行させるか否かを決定する処理(例えばステップS216,S217)と、予告表示制御を実行する旨の決定がされたとき(例えばステップS217のY)、複数回の可変表示に亘って実行する予告表示制御として、第1面における第1の識別情報の可変表示動作と第2面における第2の識別情報の可変表示動作とで、交互に、リーチ演出を可変表示手段に実行させる(例えば図32に示す飾り図柄の変動)処理(例えば、連続予告として使用されるスーパーリーチ(交互リーチ)に対応したプロセステーブルを用いてドラム駆動制御する部分:ステップS881およびモータ制御処理)とを実行させることを特徴とする遊技演出プログラム。このような構成によれば、予告表示制御の可変表示がなされている期間中に第1面における可変表示と第2面における可変表示とを共動させて演出を行うことができ、遊技の興趣を増進させることができるとともに、遊技者に特定遊技状態の発生に対する期待をより一層抱かせることができる。
【0297】
また、上記の実施の形態のパチンコ遊技機1は、始動入賞にもとづいて特別図柄表示器9に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種パチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第2種パチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する第3種パチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技媒体が遊技球であるパチンコ遊技機に限られず、スロット機等においても本発明を適用することができる。
【0298】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明では、遊技機を、表示制御手段が、予告決定手段により予告表示制御を実行する旨の決定がされたとき、複数回の可変表示に亘って実行する予告表示制御として、遊技者が視認不能な位置において、特定の表示結果としての識別情報の組合せを構成する識別情報を増加させるために、視認可能な位置に移動表示させたときに第1の識別情報と第2の識別情報との組合せにより特定の表示結果としての識別情報の組合せの一部を構成する有効ライン上となる位置に、所定の識別情報の位置を揃える位置揃え準備制御を行う予告表示制御手段を含む構成にしたので、予告表示制御の可変表示中において、特定の表示結果を突然遊技者に対して視認させることができ、遊技の興趣を増進させることができるとともに、遊技者に特定遊技状態の発生に対する期待をより一層抱かせることができる。
【0299】
請求項2記載の発明では、遊技機を、表示制御手段が、予告決定手段により予告表示制御を実行する旨の決定がされたとき、複数回の可変表示に亘って実行する予告表示制御として、第1面における第1の識別情報の可変表示動作と第2面における第2の識別情報の可変表示動作とで、交互に、リーチ演出を可変表示手段に実行させる予告表示制御手段を含む構成にしたので、予告表示制御の可変表示がなされている期間中に第1面における可変表示と第2面における可変表示とを共動させて演出を行うことができ、遊技の興趣を増進させることができるとともに、遊技者に特定遊技状態の発生に対する期待をより一層抱かせることができる。
【0300】
請求項3記載の発明では、予告表示制御手段が、位置揃え準備制御を繰り返し行う制御を実行するように構成されているので、遊技者の期待感を持続させることができる。
【0301】
請求項4記載の発明では、可変表示手段が、外面より視認可能に第1面の第1の識別情報が配された回動可能な第1の可変表示部材と、第1の可変表示部材の内側に配置され、第2面の第2の識別情報が表面に配された回動可能な第2の可変表示部材とを含むように構成されているので、回動可能な部材で構成された可変表示手段を用いた場合であっても、予告表示制御の可変表示がなされている期間中に第1面における可変表示と第2面における可変表示とを共動させて演出を行うことができ、遊技の興趣を増進させることができるとともに、遊技者に特定遊技状態の発生に対する期待を抱かせることができる。
【0302】
請求項5記載の発明では、予告表示制御手段が、第1面および第2面において全ての可変表示部にて同時に識別情報を可変表示させるように構成されているので、広い領域において、かつ、遊技者の視線方向において二重で、予告表示制御の可変表示の演出を実行することによって、遊技の興趣を一層増進させることができる。
【0303】
請求項6記載の発明では、可変表示手段がキャラクタ情報を第1面で表示可能であり、予告表示制御手段が、予告表示制御として、キャラクタ情報を遊技者に視認可能に表示させるように構成されているので、二重構造の可変表示手段の第1面を用いた予告表示制御の演出をより多様化することができ、遊技の興趣をさらに増進させることができる。
【0304】
請求項7記載の発明では、予告表示制御手段が、第2面における識別情報の可変表示が一旦停止した後、遮蔽領域が第2面を遮蔽した状態で第2面における識別情報の可変表示を再度開始させるように構成されているので、二重構造の可変表示手段の第1面を用いた予告表示制御の演出をより多様化することができ、遊技の興趣をさらに増進させることができる。
【0305】
請求項8記載の発明では、遊技機における演出制御方法を、予告表示制御を実行する旨の決定がされたとき、複数回の可変表示に亘って実行する予告表示制御として、遊技者が視認不能な位置において、特定の表示結果としての識別情報の組合せを構成する識別情報を増加させるために、視認可能な位置に移動表示させたときに第1の識別情報と第2の識別情報との組合せにより特定の表示結果としての識別情報の組合せの一部を構成する有効ライン上となる位置に、所定の識別情報の位置を揃える位置揃え準備制御を行うステップを備えた構成にしたので、予告表示制御の可変表示がなされている期間中に第1面における可変表示と第2面における可変表示とを共動させる演出を実現することができ、遊技の興趣を増進させることができるとともに、遊技者に特定遊技状態の発生に対する期待をより一層抱かせることができる。
【0306】
請求項9記載の発明では、遊技機における遊技演出プログラムを、予告表示制御を実行する旨の決定がされたとき、複数回の可変表示に亘って実行する予告表示制御として、遊技者が視認不能な位置において、特定の表示結果としての識別情報の組合せを構成する識別情報を増加させるために、視認可能な位置に移動表示させたときに第1の識別情報と第2の識別情報との組合せにより特定の表示結果としての識別情報の組合せの一部を構成する有効ライン上となる位置に、所定の識別情報の位置を揃える位置揃え準備制御を行う処理を実行させる構成にしたので、予告表示制御の可変表示がなされている期間中に第1面における可変表示と第2面における可変表示とを共動させる演出を実現することができ、遊技の興趣を増進させることができるとともに、遊技者に特定遊技状態の発生に対する期待をより一層抱かせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
【図2】ガラス扉枠を取り外した状態での遊技盤の前面を示す正面図である。
【図3】飾り図柄表示装置の回転ドラム機構の構造を示す分解斜視図である。
【図4】中ドラムユニットの構造を示す分解斜視図である。
【図5】(A)はドラム装飾用LEDとして使用されるフルカラーLEDの外観を示す説明図、(B)はフルカラーLEDの回路構成を示す回路図である。
【図6】遊技制御基板(主基板)の回路構成例を示すブロック図である。
【図7】図柄制御基板内の回路構成例を示すブロック図である。
【図8】主基板におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図9】2msタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図10】各乱数を示す説明図である。
【図11】特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである
【図12】始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
【図13】飾り図柄の一例を示す説明図である。
【図14】特別図柄および飾り図柄の変動時間と飾り図柄の変動パターンとを示す説明図である。
【図15】特別図柄通常処理を示すフローチャートである。
【図16】大当り判定テーブル、リーチ判定テーブルおよび予告判定テーブルの一例を示す説明図である。
【図17】予告設定処理を示すフローチャートである。
【図18】予告設定処理を示すフローチャートである。
【図19】大当り判定モジュールを示すフローチャートである。
【図20】リーチ判定モジュールを示すフローチャートである。
【図21】特別図柄停止図柄設定処理を示すフローチャートである。
【図22】記憶処理を示すフローチャートである。
【図23】表示制御コマンドの信号線を示す説明図である。
【図24】制御コマンドを構成する8ビットの制御信号とINT信号との関係を示すタイミング図である。
【図25】表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
【図26】予告演出の例を示す説明図である。
【図27】通常変動を示すタイミング図である。
【図28】ノーマルリーチ変動を示すタイミング図である。
【図29】ロングリーチ変動を示すタイミング図である。
【図30】スーパーリーチ変動を示すタイミング図である。
【図31】スーパーリーチ(交互リーチ)変動を示すタイミング図である。
【図32】スーパーリーチ(図柄そろえ)変動を示すタイミング図である。
【図33】地震変動を示すタイミング図である。
【図34】外ドラムと内ドラムとを共動させてリーチ状態とする例を示すタイミング図である。
【図35】連続予告Aを伴うスーパーリーチ変動を示すタイミング図である。
【図36】連続予告Bを伴うスーパーリーチ変動を示すタイミング図である。
【図37】通常予告を伴うスーパーリーチ変動を示すタイミング図である。
【図38】飾り図柄表示装置の表示におけるリーチ状態の一例を示す説明図である。
【図39】大当りが発生したときの飾り図柄表示装置の表示状態の一例を示す説明図である。
【図40】スーパーリーチ(交互リーチ)変動における飾り図柄表示装置の表示状態の一例を示す説明図である。
【図41】表示制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図42】表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図43】予告乱数カウンタを示す説明図である。
【図44】変動パターンコマンドコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。
【図45】予告選択処理を示すフローチャートである。
【図46】プロセステーブルの一構成例を示す説明図である。
【図47】図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
【図48】図柄変動中処理を示すフローチャートである。
【図49】図柄停止待ち処理を示すフローチャートである。
【図50】図柄制御基板におけるドラムモータの駆動に関する部分の一構成例を示すブロック図である。
【図51】初期化処理を示すフローチャートである。
【図52】モータ制御処理を示すフローチャートである。
【図53】モータ制御処理を示すフローチャートである。
【図54】モータ制御処理を示すフローチャートである。
【図55】モータ駆動処理を示すフローチャートである。
【図56】ランプ制御コマンド出力処理を示すフローチャートである。
【図57】第2CPU通信処理を示すフローチャートである。
【図58】第2CPU通信処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
9 特別図柄表示器
11 飾り図柄表示装置(可変表示装置)
31 主基板(遊技制御基板)
56 CPU
80 図柄制御基板
101 第1表示制御用CPU
103 第2表示制御用CPU
151A,152A,151B,152B,151C,152C ドラム装飾用LED
176,177 モータ駆動回路
178 フルカラーLED駆動回路
200A,200B,200C ドラムモータ(ステッピングモータ)
200a,200b,200c ドラムモータ(ステッピングモータ)
235A,236A,237A 回転ドラム(外ドラム)
235B,236B,237B 回転ドラム(内ドラム)
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報を可変表示可能な複数の可変表示部を有する可変表示手段を備え、あらかじめ定められている可変表示の実行条件が成立した後、可変表示の開始条件の成立にもとづいて複数種類の識別情報の可変表示を開始し、表示結果として識別情報の組合せが所定の有効ライン上にて特定の表示結果になったときに遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態に制御可能なパチンコ機等の遊技機、遊技機の演出制御方法および遊技演出プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。さらに、識別情報を可変表示可能な可変表示手段が設けられ、当該識別情報の可変表示の表示結果が特定の表示結果となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となるように構成されたものがある。
【0003】
特定遊技状態とは、所定の遊技価値が付与された遊技者にとって有利な状態を意味する。具体的には、特定遊技状態は、例えば可変入賞球装置の状態が打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態(大当り遊技状態)、遊技者にとって有利な状態となるための権利が発生した状態、景品遊技媒体払出の条件が成立しやすくなる状態などの、所定の遊技価値が付与された状態である。
【0004】
パチンコ遊技機では、識別情報として特別図柄を表示する可変表示手段の表示結果があらかじめ定められた特定の表示態様の組合せとなることを、通常、「大当り」という。大当りが発生すると、例えば、大入賞口が所定回数開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に移行する。そして、各開放期間において、所定個(例えば10個)の大入賞口への入賞があると大入賞口は閉成する。そして、大入賞口の開放回数は、所定回数(例えば15ラウンド)に固定されている。なお、各開放について開放時間(例えば29.5秒)が決められ、入賞数が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口は閉成する。また、大入賞口が閉成した時点で所定の条件(例えば、大入賞口内に設けられているVゾーンへの入賞)が成立していない場合には、大当り遊技状態は終了する。
【0005】
また、可変表示手段において最終停止図柄(例えば左右中ドラムのうち中ドラムにおける図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、特定の表示結果と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様といい、リーチ状態となったことをリーチ成立という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。リーチ状態において、変動パターンを通常状態における変動パターンとは異なるパターンにすることによって、遊技の興趣が高められている。そして、可変表示手段に可変表示される図柄の表示結果がリーチ状態となる条件を満たさない場合には「はずれ」となり、可変表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
【0006】
可変表示手段として、表面に識別情報が描かれた3つのドラムを有するドラム構造ものがある。そのような可変表示手段は、ドラムを回転させることによって、3ドラムにおける識別情報の可変表示を実現する。
【0007】
また、ドラム構造の可変表示手段として、外側のドラム(外ドラム)の内側に内ドラムが配置された構造のものがある。外ドラムには透明領域が設けられ、遊技者は、透明領域を介して内ドラムの識別情報を視認することができる(例えば特許文献1,2参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−294566号公報(段落0012〜0014、図5)
【特許文献2】
特開平9−248375号公報(段落0018、図2,図3)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載されている遊技機では、二重のドラム構造が採用されているが、単に、外ドラムに描かれている識別情報と内ドラムに描かれている識別情報とを組み合わせて大当りとするか否かを遊技者に報知しているにすぎない。つまり、識別情報の可変表示による演出という観点では、実質的に一重のドラム構造を用いた場合と変わりがない。また、特許文献2に記載されている遊技機では、内ドラムは単に大当り予告の演出のために用いられているにすぎず、やはり、識別情報の可変表示による演出という観点では、実質的に一重のドラム構造を用いた場合と変わりがない。さらに、特許文献2に記載されている遊技機では、大当りの予告の演出を内ドラムを用いて行っているだけであり、大当り予告の演出という観点においても、内、外ドラムを用いて予告の演出を行うことができるという二重のドラム構造の利点を活かしているとは言えない。
【0010】
そこで、本発明は、第1の識別情報を表示する第1面と、第1面における透明領域を介して遊技者が第2の識別情報を視認可能になっている第2面との二重構造を有する可変表示手段を用いた遊技機において、二重構造により遊技の興趣をより増進させることができるとともに、二重構造により遊技者により期待を抱かせる予告の演出を行うことができる遊技機、遊技機の演出制御方法および遊技演出プログラムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明による遊技機は、遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば飾り図柄)を可変表示可能な複数の可変表示部(例えば外左ドラム、外中ドラム、外右ドラム、内左ドラム、内中ドラム、内右ドラム)を有する可変表示手段(例えば飾り図柄表示装置11)を備え、あらかじめ定められている可変表示の実行条件(例えば、遊技領域に設けられた始動入賞領域への入賞)が成立した後、可変表示の開始条件(例えば、前回の特別図柄の可変表示および大当り遊技状態の終了)の成立にもとづいて複数種類の識別情報の可変表示を開始し、表示結果として識別情報の組合せが所定の有効ライン上にて特定の表示結果(例えば有効ラインで飾り図柄が揃う)になったときに遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、可変表示手段は、可変表示部として、透明領域を有し第1の識別情報(例えば外ドラムに付された図柄)を表示する第1面(例えば外ドラム)と、第1面の裏面に位置し第2の識別情報(例えば内ドラムに付された図柄)を表示し第1面における透明領域を介して遊技者が第2の識別情報を視認可能な第2面(例えば内ドラム)との二重構造であり、可変表示手段の表示状態を制御する表示制御手段(例えば第1表示制御用CPU101を含む第1のマイクロコンピュータと第2表示制御用CPU103を含む第2のマイクロコンピュータ)と、可変表示に関わる決定に用いられる数値データ(例えば乱数値)を所定の数値範囲で更新する数値データ更新手段(例えば乱数を生成するためのカウンタ)と、可変表示の実行条件の成立時に、数値データ更新手段から数値データを抽出する数値データ抽出手段(例えば、ステップS113において乱数を抽出する処理を実行する部分)と、数値データ抽出手段が抽出した数値データを格納する数値データ格納手段(例えば、ステップS113において乱数をRAM55に設けられている始動記憶数に応じた保存領域に格納する処理を実行する部分)と、数値データ格納手段に格納されている数値データが所定の判定値(例えば大当り判定値)と合致するか否かに応じて識別情報の表示結果を特定の表示結果とするか否かの判定を実行する格納データ判定手段(例えばステップS208,S209を実行する部分)と、格納データ判定手段が所定の判定値に合致していると判定したとき(例えばステップS209のY)に、当該合致していると判定された数値データにもとづく可変表示の停止以前に実行される複数回の可変表示に亘って、識別情報の表示結果を特定の表示結果とすることを報知する予告表示制御(例えば連続予告演出)を実行させるか否かを決定する予告決定手段(例えばステップS216,S217を実行する部分)とを含み、表示制御手段は、予告決定手段により予告表示制御を実行する旨の決定がされたとき(例えばステップS217のY)、複数回の可変表示に亘って実行する予告表示制御として、遊技者が視認不能な位置において(例えば当該飾り図柄がドラムの背面にある)、特定の表示結果としての識別情報の組合せを構成する識別情報を増加させるために、視認可能な位置に移動表示させたときに第1の識別情報と第2の識別情報との組合せにより特定の表示結果としての識別情報の組合せの一部を構成する有効ライン上となる位置に、所定の識別情報の位置を揃える位置揃え準備制御(例えば、連続予告として使用されるスーパーリーチ(図柄そろえ)変動を実現するプロセステーブルを用いて、停止時に遊技者が視認可能な同一ラインの中で同じ図柄が増えるように、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムの速度調整を行う制御)を行う予告表示制御手段を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明による遊技機は、遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば飾り図柄)を可変表示可能な複数の可変表示部(例えば外左ドラム、外中ドラム、外右ドラム、内左ドラム、内中ドラム、内右ドラム)を有する可変表示手段(例えば飾り図柄表示装置11)を備え、あらかじめ定められている可変表示の実行条件(例えば、遊技領域に設けられた始動入賞領域への入賞)が成立した後、可変表示の開始条件(例えば、前回の特別図柄の可変表示および大当り遊技状態の終了)の成立にもとづいて複数種類の識別情報の可変表示を開始し、表示結果として識別情報の組合せが特定の表示結果(例えば有効ラインで飾り図柄が揃う)になったときに遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、可変表示手段は、可変表示部として、透明領域を有し第1の識別情報(例えば外ドラムに付された図柄)を表示する第1面(例えば外ドラム)と、第1面の裏面に位置し第2の識別情報(例えば内ドラムに付された図柄)を表示し第1面における透明領域を介して遊技者が第2の識別情報を視認可能な第2面(例えば内ドラム)との二重構造であり、可変表示手段の表示状態を制御する表示制御手段(例えば第1表示制御用CPU101を含む第1のマイクロコンピュータと第2表示制御用CPU103を含む第2のマイクロコンピュータ)と、可変表示に関わる決定に用いられる数値データ(例えば乱数値)を所定の数値範囲で更新する数値データ更新手段(例えば乱数を生成するためのカウンタ)と、可変表示の実行条件の成立時に、数値データ更新手段から数値データを抽出する数値データ抽出手段(例えば、ステップS113において乱数を抽出する処理を実行する部分)と、数値データ抽出手段が抽出した数値データを格納する数値データ格納手段(例えば、ステップS113において乱数をRAM55に設けられている始動記憶数に応じた保存領域に格納する処理を実行する部分)と、数値データ格納手段に格納されている数値データが所定の判定値(例えば大当り判定値)と合致するか否かに応じて識別情報の表示結果を特定の表示結果とするか否かの判定を実行する格納データ判定手段(例えばステップS208,S209を実行する部分)と、格納データ判定手段が所定の判定値に合致していると判定したとき(例えばステップS209のY)に、当該合致していると判定された数値データにもとづく可変表示の停止以前に実行される複数回の可変表示に亘って、識別情報の表示結果を特定の表示結果とすることを報知する予告表示制御(例えば連続予告演出)を実行させるか否かを決定する予告決定手段(例えばステップS216,S217を実行する部分)とを含み、表示制御手段は、予告決定手段により予告表示制御を実行する旨の決定がされたとき(例えばステップS217のY)、複数回の可変表示に亘って実行する予告表示制御として、第1面における第1の識別情報の可変表示動作と第2面における第2の識別情報の可変表示動作とで、交互に、リーチ演出を可変表示手段に実行させる(例えば図32に示す飾り図柄の変動)予告表示制御手段(例えば、連続予告として使用されるスーパーリーチ(交互リーチ)に対応したプロセステーブルを用いてドラム駆動制御する部分:ステップS881およびモータ制御処理)を含むことを特徴とする。
【0013】
予告表示制御手段が、位置揃え準備制御を繰り返し行う制御を実行する(例えばスーパーリーチ(図柄そろえ)変動における複数回の全ドラム高速回転時のそれぞれにおいて実行する)ように構成されていてもよい。
【0014】
可変表示手段は、例えば、外面より視認可能に第1面の第1の識別情報が配された回動(例えばドラムの回転やベルトの移動)可能な第1の可変表示部材(例えば外ドラム)と、第1の可変表示部材の内側に配置され第2面の第2の識別情報が表面に配された回動可能な第2の可変表示部材(例えば内ドラム)とを含む構成である。
【0015】
予告表示制御手段が、第1面および第2面において全ての可変表示部(例えば、第1面について、外左ドラム、外中ドラムおよび外右ドラム、第2面について内左ドラム、内中ドラムおよび内右ドラム)にて同時に識別情報を可変表示させる(例えば図30〜図37に示す飾り図柄の変動)ように構成されていてもよい。
【0016】
可変表示手段が、キャラクタ情報(例えばキャラクタA,Bや大型のキャラクタ「ドラム君」の情報)を第1面で表示可能であり、予告表示制御手段が、予告表示制御として、キャラクタ情報を遊技者に視認可能に表示させるように構成されていてもよい。
【0017】
第2面を遮蔽する遮蔽領域(例えば外ドラムにおける大型のキャラクタが付された部分)が第1面に設けられ、予告表示制御手段が、第2面における識別情報の可変表示が一旦停止した後、遮蔽領域が第2面を遮蔽した状態で第2面における識別情報の可変表示を再度開始させる(例えば、連続予告として使用されるスーパーリーチ(図柄そろえ)に対応したプロセステーブルを用いてドラム駆動制御する:ステップS881およびモータ制御処理)ように構成されていてもよい。
【0018】
本発明による遊技機の演出制御方法は、遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば飾り図柄)を可変表示可能な複数の可変表示部(例えば外左ドラム、外中ドラム、外右ドラム、内左ドラム、内中ドラム、内右ドラム)を有する可変表示手段(例えば飾り図柄表示装置11)を備え、表示結果として識別情報の組合せが所定の有効ライン上にて特定の表示結果(例えば有効ラインで飾り図柄が揃う)になったときに遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能であり、可変表示手段は、可変表示部として、透明領域を有し第1の識別情報(例えば外ドラムに付された図柄)を表示する第1面(例えば外ドラム)と、第1面の裏面に位置し第2の識別情報(例えば内ドラムに付された図柄)を表示し第1面における透明領域を介して遊技者が第2の識別情報を視認可能な第2面(例えば内ドラム)との二重構造である遊技機における演出制御方法であって、あらかじめ定められている可変表示の実行条件(例えば、遊技領域に設けられた始動入賞領域への入賞)が成立したときに、所定の数値範囲で更新されている、可変表示に関わる決定に用いられる数値データ(例えば乱数値)を抽出するステップ(例えば、ステップS113における乱数を抽出する処理)と、抽出した数値データを格納するステップ(例えば、ステップS113における乱数をRAM55に設けられている始動記憶数に応じた保存領域に格納する処理)と、格納した数値データが所定の判定値(例えば大当り判定値)と合致するか否かに応じて識別情報の表示結果を特定の表示結果とするか否かの判定を行うステップ(例えばステップS208,S209)と、数値データが所定の判定値に合致していると判定したとき(例えばステップS209のY)に、当該合致していると判定された数値データにもとづく可変表示の停止以前に実行される複数回の可変表示に亘って、識別情報の表示結果を特定の表示結果とすることを報知する予告表示制御(例えば連続予告演出)を実行させるか否かを決定するステップ(例えばステップS216,S217)と、予告表示制御を実行する旨の決定がされたとき(例えばステップS217のY)、複数回の可変表示に亘って実行する予告表示制御として、遊技者が視認不能な位置において(例えば当該飾り図柄がドラムの背面にある)、特定の表示結果としての識別情報の組合せを構成する識別情報を増加させるために、視認可能な位置に移動表示させたときに第1の識別情報と第2の識別情報との組合せにより特定の表示結果としての識別情報の組合せの一部を構成する有効ライン上となる位置に、所定の識別情報の位置を揃える位置揃え準備制御(例えば、連続予告として使用されるスーパーリーチ(図柄そろえ)変動を実現するプロセステーブルを用いて、停止時に遊技者が視認可能な同一ラインの中で同じ図柄が増えるように、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムの速度調整を行う制御)を行うステップとを備えたことを特徴とする。
【0019】
本発明による遊技演出プログラムは、遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば飾り図柄)を可変表示可能な複数の可変表示部(例えば外左ドラム、外中ドラム、外右ドラム、内左ドラム、内中ドラム、内右ドラム)を有する可変表示手段(例えば飾り図柄表示装置11)を備え、表示結果として識別情報の組合せが所定の有効ライン上にて特定の表示結果(例えば有効ラインで飾り図柄が揃う)になったときに遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能であり、可変表示手段は、可変表示部として、透明領域を有し第1の識別情報(例えば外ドラムに付された図柄)を表示する第1面(例えば外ドラム)と、第1面の裏面に位置し第2の識別情報(例えば内ドラムに付された図柄)を表示し第1面における透明領域を介して遊技者が第2の識別情報を視認可能な第2面(例えば内ドラム)との二重構造である遊技機における遊技演出プログラムであって、遊技機に搭載されたコンピュータに、あらかじめ定められている可変表示の実行条件(例えば、遊技領域に設けられた始動入賞領域への入賞)が成立したときに、所定の数値範囲で更新されている、可変表示に関わる決定に用いられる数値データ(例えば乱数値)を抽出する処理(例えば、ステップS113における乱数を抽出する処理)と、抽出した数値データを格納する処理(例えば、ステップS113における乱数をRAM55に設けられている始動記憶数に応じた保存領域に格納する処理)と、格納した数値データが所定の判定値(例えば大当り判定値)と合致するか否かに応じて識別情報の表示結果を特定の表示結果とするか否かの判定を行う処理(例えばステップS208,S209)と、数値データが所定の判定値に合致していると判定したとき(例えばステップS209のY)に、当該合致していると判定された数値データにもとづく可変表示の停止以前に実行される複数回の可変表示に亘って、識別情報の表示結果を特定の表示結果とすることを報知する予告表示制御(例えば連続予告演出)を実行させるか否かを決定する処理(例えばステップS216,S217)と、予告表示制御を実行する旨の決定がされたとき(例えばステップS217のY)、複数回の可変表示に亘って実行する予告表示制御として、遊技者が視認不能な位置において(例えば当該飾り図柄がドラムの背面にある)、特定の表示結果としての識別情報の組合せを構成する識別情報を増加させるために、視認可能な位置に移動表示させたときに第1の識別情報と第2の識別情報との組合せにより特定の表示結果としての識別情報の組合せの一部を構成する有効ライン上となる位置に、所定の識別情報の位置を揃える位置揃え準備制御(例えば、連続予告として使用されるスーパーリーチ(図柄そろえ)変動を実現するプロセステーブルを用いて、停止時に遊技者が視認可能な同一ラインの中で同じ図柄が増えるように、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムの速度調整を行う制御)を行う処理とを実行させることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0021】
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図、図2は遊技盤の前面を示す正面図である。
【0022】
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
【0023】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
【0024】
遊技領域7の中央付近には、それぞれが識別情報としての図柄(飾り図柄)を可変表示する複数の回転ドラムを含む飾り図柄表示装置(可変表示装置)11が設けられている。飾り図柄表示装置11の構成については、図3,図4を参照して後で詳しく説明する。
【0025】
飾り図柄表示装置11の上部には、特別図柄を可変表示する7セグメントLEDによる特別図柄表示器9が設けられている。また、飾り図柄表示装置11の上部には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する特別図柄始動記憶表示器18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、特別図柄始動記憶表示器18は点灯するLEDを1増やす。そして、特別図柄表示器9の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
【0026】
飾り図柄表示装置11の下方には、始動入賞口14としての可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
【0027】
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイドも設けられている。
【0028】
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、「〇」および「×」のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に「〇」が点灯すれば当たりとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。飾り図柄表示装置11の上部には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への球通過がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
【0029】
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
【0030】
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。上記のように、この実施の形態のパチンコ遊技機1には、発光体としてのランプやLEDが各所に設けられている。
【0031】
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、飾り図柄表示装置11において飾り図柄が可変表示(変動)を始めるとともに、特別図柄表示器9において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動記憶数を1増やす。
【0032】
飾り図柄表示装置11における飾り図柄の可変表示および特別図柄表示器9における特別図柄の可変表示は、それぞれ一定時間が経過したときに最終的に停止(確定)する。停止時の特別図柄すなわち停止図柄が大当り図柄(特定表示結果)である場合には、飾り図柄の停止図柄も、大当り図柄に対応した特定の表示結果になる。特別図柄の停止図柄が大当り図柄ではないはずれ図柄である場合には、飾り図柄の停止図柄も、はずれ図柄に対応した非特定の表示結果になる。
【0033】
なお、この実施の形態では、特別図柄は「−」、「0」〜「9」、「A」〜「C」、「E」、「F」および「H」の17種類であり、大当り図柄は「−」以外の図柄である。また、飾り図柄表示装置11には、停止時に、3×3=9個の飾り図柄が視認可能に表示される。特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、飾り図柄表示装置11ににおける縦、横または斜めの列の3つの図柄が同一図柄になる。
【0034】
特別図柄の停止図柄が大当り図柄になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に遊技球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
【0035】
特別図柄の停止図柄が確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)である場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な遊技状態になる。なお、この実施の形態では、確変図柄は奇数の数字および「B」、「E」、「H」である。また、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合には、飾り図柄表示装置11ににおける縦、横または斜めの各列のうちの複数列において、同一図柄が表示される。
【0036】
遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
【0037】
次に、飾り図柄表示装置11の構成について図3および図4を参照して説明する。図3は、飾り図柄表示装置11の回転ドラム機構の構造を示す分解斜視図である。図4は、左中右の回転ドラムユニットのうちの中ドラムユニットの構造を示す分解斜視図である。
【0038】
図3に示すように、回転ドラム機構230は、左中右の回転ドラムユニット231〜233と、それらを収納するドラム収納ケース239と、各回転ドラムユニット231〜233をドラム収納ケース239に位置決め固定するとともに遊技盤6の裏面に取り付けるためのドラム取付枠220,221とで構成されている。ドラム収納ケース239は、前方が開口した箱状に形成されている。ドラム収納ケース239の開口から回転ドラムユニット231〜233が挿入される。また、ドラム収納ケース239の開口上部には、ドラム取付枠221がねじ止めされるビス穴を有する取付部239c,239dが設けられている。また、ドラム収納ケース239の後面上側には、ドラム収納ケース239内の熱を効率良く外部に放出するための放熱口256aが設けられている。また、ドラム収納ケース239の上面には、回転ドラムユニット231〜233をねじ止めするためのビス穴が設けられている。
【0039】
コ字状のドラム取付枠220は、箱状のドラム収納ケース239に後方から装着される。ドラム取付枠220の両端部には、ビス穴を有する取付部220a,220bが形成されている。また、ドラム取付枠220の中央辺の側面には、ドラム収納ケース239および各回転ドラムユニット231〜233をそれぞれねじ止めするためのビス穴が設けられている。額縁状のドラム取付枠221は、ドラム収納ケース239の開口の縁部を覆うように装着される。ドラム取付枠221の左右の辺には、ドラム取付枠220の取付部220a,220bとねじ止めされるビス穴を有する取付部221a,221bが形成されている。また、ドラム取付枠221の上辺には、ドラム収納ケース239の取付部239c,239dとねじ止めされるビス穴を有する取付部221c,221dが形成されている。
【0040】
回転ドラムユニット231〜233は、それぞれ、表面に複数の図柄が付された円筒状の回転ドラム235〜237と、各回転ドラム235〜237を回転可能に支持するとともにドラム収納ケース239に取り付けるドラム取付金具240〜242とで構成されている。ドラム取付金具240〜242には、ドラム収納ケース239にねじ止めされるビス穴が各所に設けられている。
【0041】
回転ドラムユニット231〜233は、ドラム収納ケース239に収納された後、ねじ止めされてドラム収納ケース239内の所定位置に固定される。そして、ドラム取付枠220が箱状のドラム収納ケース239に後方から装着され、ドラム取付枠220のビス穴にビスがねじ込まれることによって、ドラム取付枠220とドラム収納ケース239および回転ドラムユニット231〜233とがねじ止め固定される。そして、ドラム取付枠221がドラム収納ケース239の開口の縁部を覆うように装着され、ドラム取付枠221のビス穴にビスがねじ込まれることによって、ドラム取付枠221とドラム収納ケース239およびドラム取付枠220とがねじ止め固定される。このように組み立てられた回転ドラム機構230は、ドラム取付枠221がビスでねじ止めされることによって遊技盤6の裏面に固定されて装着される。
【0042】
図4には、左中右の回転ドラムユニット231〜233のうちの中ドラムユニット232の構造が示されている。なお、右ドラムユニット231および左ドラムユニット233の構造は中ドラムユニット232の構造と同様である。従って、右ドラムユニット231および左ドラムユニット233の構造の図示および説明は省略する。
【0043】
図4に示すように、回転ドラムユニット232における回転ドラム236は、外側の回転ドラム(以下、外ドラムという)236Aと、外ドラムの内側に収容される回転ドラム(以下、内ドラムという)236Bとを備えている。外ドラム236Aは、表面に複数の図柄が付された筒状の透明な図柄表示面を含むドラム状に形成されている。そして、外ドラム236Aには、図柄表示面から中心に向かって六角対角線状に形成されたドラムフレームの軸支部が設けられている。また、内ドラム236Bも、表面に複数の図柄が付された筒状の図柄表示面を含むドラム状に形成されている。そして、内ドラム236Bにも、図柄表示面から中心に向かって六角対角線状に形成されたドラムフレームの軸支部が設けられている。
【0044】
内ドラム236Bの口径は外ドラム236Aの口径よりも小さく、内ドラム236Bは外ドラム236Aの内部に収容可能である。内ドラム236Bが外ドラム236Aの内部に収容されたときに、外ドラム236Aと内ドラム236Bの図柄表示面が重なる位置に配置される。また、外ドラム236Aと内ドラム236Bは同一の駆動軸を中心として回転可能である。また、外ドラム236Aの図柄表示面には透明領域がある。よって、遊技者は、透明領域を介して内ドラム236Bの図柄表示面に描かれている図柄を視認することができる。
【0045】
図4に示すように、内ドラム236Bを回転させるドラムモータ(ステッピングモータ)200bは、モータ取付基板245の貫通穴245a,245bを介して、ドラム取付金具241Bの取付部241d,241eにねじ止めされる。ドラムモータ200bからのケーブル262はモータ取付基板245に接続され、モータ取付基板245内の電気回路およびコネクタを介して図柄制御基板に電気的に接続される。また、ドラムモータ200bの回転部263は、内ドラム236Bの中央部にねじ止めされる。
【0046】
モータ取付基板245には、6個のドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cが設置されている。内ドラム236Bの表面に付されている飾り図柄のうち3図柄が同時に遊技者に視認可能である。ドラム装飾用LED151A,152Aは、そのうちの1図柄を装飾し、ドラム装飾用LED151B,152Bは、他の1図柄を装飾し、ドラム装飾用LED151C,152Cは、さらに他の1図柄を装飾する。なお、内ドラム236Bの装飾図柄と外ドラム236Aの装飾図柄とは空間的に近接するので、ドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cは、外ドラム236Aも装飾する。また、ドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cとして、それぞれ、フルカラーLEDが用いられている。
【0047】
さらに、モータ取付基板245とドラム取付金具241Bとは、モータ取付基板245とドラム取付金具241Bとを挟んで、取付部材253,254がねじ止めされることによって一体化される。
【0048】
外ドラム236Aを回転させるドラムモータ(ステッピングモータ)200Bは、モータ取付基板244の貫通穴244a,244bを介して、ドラム取付金具241Aの取付部244d,244eにねじ止めされる。ドラムモータ200Bからのケーブル260はモータ取付基板244に接続され、モータ取付基板244内の電気回路およびコネクタを介して図柄制御基板に電気的に接続される。また、ドラムモータ200Bの回転部は、外ドラム236Aの中央部にねじ止めされる。なお、ドラム取付金具241Aは、図3に示されたドラム取付金具241に相当する。
【0049】
モータ取付基板244とドラム取付金具241Aとは、モータ取付基板244とドラム取付金具241Aとを挟んで、取付部材251,252がねじ止めされることによって一体化される。
【0050】
モータ取付基板244、ドラム取付金具241Aおよび外ドラム236Aが一体化し、モータ取付基板245、ドラム取付金具241Bおよび内ドラム236Bが一体化した状態で、外ドラム236Aの内部に、内ドラム236Bが挿入される。そして、ドラム取付金具241Aとドラム取付金具241Bとの間で、介在部材247,248が、ドラム取付金具241Aおよびドラム取付金具241Bの外側から、上部止め部241fおよび下部止め部241gにおいてねじ止めされる。
【0051】
さらに、ドラム取付金具241Aの取付部分241cとドラム取付金具241Bの取付部分241hとが、ドラム収納ケース239の下部においてねじ止めされる。また、ドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cからの照射光を均一化するための反射板246が、ドラム収納ケース239に取り付けられる。
【0052】
図5(A)は、ドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cとして使用されるフルカラーLEDの一例の外観を示す説明図であり、図5(B)はフルカラーLEDの回路構成を示す回路図である。フルカラーLEDは、例えば、通電を受けて赤色を発光する赤LED、通電を受けて緑色を発光する緑LED、通電を受けて青色を発光する青LEDとが組み合わされたものである。従って、赤(R)カソード端子(以下、R端子という。)、緑(G)カソード端子(以下、G端子という。)、青(B)カソード端子(以下、B端子という。)およびコモン端子を有する。
【0053】
図6は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図6には、払出制御基板37、ランプ制御基板35、音制御基板70および図柄制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御手段)53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aおよびクリアスイッチ921からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21および大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。クリアスイッチ921は、例えば遊技機に設置されている電源基板に搭載されている。
【0054】
なお、図6には示されていないが、カウントスイッチ短絡信号もスイッチ回路58を介して基本回路53に伝達される。また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。
【0055】
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、特別図柄表示器9における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号を、遊技機裏面に設置されている情報端子盤を介してホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
【0056】
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。
【0057】
また、RAM(CPU内蔵RAMであってもよい。)55の一部または全部が、電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。
【0058】
この実施の形態では、図柄制御基板80に搭載されている表示制御手段(CPU、ROM、RAM等)が、遊技制御手段からの表示制御コマンドに従って、飾り図柄表示装置11の制御を行う。また、表示制御手段は、表示制御コマンドによって指令される情報および表示制御手段が生成した情報を示すデータを、ランプ制御コマンドとしてランプ制御基板35に送信する。なお、表示制御手段は、全ての表示制御コマンドにもとづく情報をランプ制御基板35に転送するのではなく、遊技機に設けられているランプ等(発光体)および音の制御に必要とされる情報を含む表示制御コマンドにもとづく情報のみをランプ制御基板35に転送するようにしてもよい。また、この実施の形態では、ランプ制御コマンドの形態は表示制御コマンドの形態と同じであるが、それらの形態は異なっていてもよい。
【0059】
ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御手段(CPU、ROM、RAM等)は、ランプ制御コマンドに従って、遊技機に設けられている発光体の制御を行う。すなわち、特別図柄表示器9、普通図柄表示器10、特別図柄始動記憶表示器18、普通図柄始動記憶表示器41および飾りランプ25等の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51および球切れランプ52の表示制御を行う。なお、各ランプはLEDその他の種類の発光体でもよい。すなわち、ランプやLEDは発光体の一例であり、以下、ランプ・LEDと総称することがある。また、飾り図柄表示装置11の上部および左右部には、可変表示装置飾りLED(センター飾りLED)が設置され、大入賞口の内部には大入賞口内飾りLEDが設置され、大入賞口の左右には、大入賞口左飾りLEDおよび大入賞口右飾りLEDが設置されている。ランプ制御手段は、それらの発光体の制御も行う。なお、ドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cは、表示制御手段によって制御される。
【0060】
また、ランプ制御手段は、受信したランプ制御コマンドによって指令される情報を、音制御コマンドとして音制御基板に送信する。音制御基板70に搭載されている音制御手段(CPU、ROM、RAM等)は、音制御コマンドに従って、スピーカ27からの音出力制御を行う。なお、ランプ制御手段は、全てのランプ制御コマンドにもとづく情報を音制御基板70に転送するのではなく、音の制御に必要とされる情報を含むランプ制御コマンドにもとづく情報のみを、音制御コマンドとして音制御基板70に転送するようにしてもよい。
【0061】
図7は、図柄制御基板80内の回路構成例を、第1の可変表示部材としての外ドラム235A,236A,237Aを回転させる第1の駆動手段としてのドラムモータ200A,200B,200C、第2の可変表示部材としての内ドラム235B,236B,237Bを回転させる第2の駆動手段としてのドラムモータ200a,200b,200c、ドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152C、および主基板31の一部とともに示すブロック図である。なお、ドラムモータ200A,200B,200C,200a,200b,200cとして、同じステッピングモータを用いる。
【0062】
図柄制御基板80には、2つのマイクロコンピュータが搭載されている。そのうち、第1のマイクロコンピュータにおけるCPU(第1表示制御用CPU)101は、RAM104を適宜用いて、ROM102に格納されたプログラムに従って動作する。主基板31の出力ポート570,571および出力バッファ回路620,621から、ノイズフィルタ107および入力バッファ回路105Bを介してストローブ信号(INT信号)が入力されると、入力バッファ回路105Aを介して表示制御コマンドを受信する。入力バッファ回路105A,105Bとして、例えば汎用ICである74HC244を使用することができる。
【0063】
そして、第1表示制御用CPU101は、受信した表示制御コマンドに従って、外ドラムを回転させるための第1の駆動手段としてのドラムモータ200A〜200Cの駆動制御を行うための制御信号(指令)を、出力ポートを介して第1の駆動回路としてのモータ駆動回路176に与える。モータ駆動回路176は、第1表示制御用CPU101からの信号に従って、ドラムモータ200A〜200Cに駆動信号を供給する。
【0064】
入力バッファ回路105A,105Bは、主基板31から図柄制御基板80へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、図柄制御基板80側から主基板31側に信号が伝わる余地はない。図柄制御基板80内の回路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が主基板31側に伝わることはない。なお、出力ポート570,571の出力をそのまま図柄制御基板80に出力してもよいが、単方向にのみ信号伝達可能な出力バッファ回路620,621を設けることによって、主基板31から図柄制御基板80への一方向性の信号伝達をより確実にすることができる。
【0065】
また、第1表示制御用CPU101は、受信した表示制御コマンドを、出力ポートを介して、ランプ制御基板35に送信する。さらに、受信した表示制御コマンドを、出力ポートを介して、図柄制御基板80に搭載されている第2のマイクロコンピュータにおける第2表示制御用CPU103に送信する。
【0066】
なお、第1表示制御用CPU101と第2表示制御用CPU103との間の送受信は、双方向通信方式により行われる。すなわち、第1表示制御用CPU101が第2表示制御用CPU103に対してデータを出力すると、第2表示制御用CPU103は、そのデータを入力し、入力したことを示す応答信号を第1表示制御用CPU101に出力する。第1表示制御用CPU101は、応答信号を入力したら、データが第2表示制御用CPU103に伝達されたと認識する。また、同様の通信方式で、第2表示制御用CPU103から第1表示制御用CPU101にデータを送信することも可能である。
【0067】
第2表示制御用CPU103は、RAM(図示せず)を適宜用いて、ROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作する。第2表示制御用CPU103は、第1表示制御用CPU101を介して受信した表示制御コマンドに従って、内ドラムを回転させるための第2の駆動手段としてのドラムモータ200a〜200cの駆動制御を行うための制御信号(指令)を、出力ポートを介して第2の駆動回路としてのモータ駆動回路177に与える。モータ駆動回路177は、第2表示制御用CPU103からの信号に従って、ドラムモータ200a〜200cに駆動信号を供給する。
【0068】
さらに、第2表示制御用CPU103は、フルカラーLED駆動回路178に、ドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cを所定の色で点灯させたり消灯させたりするための制御信号を与える。フルカラーLED駆動回路178は、制御信号に応じて、ドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cを所定の色で点灯させたり消灯させたりする。
【0069】
なお、この実施の形態では、第1表示制御用CPU101を含む第1のマイクロコンピュータと第2表示制御用CPU103を含む第2のマイクロコンピュータとで、飾り図柄表示装置11の表示状態を制御する表示制御手段が実現されている。また、第1表示制御用CPU101と第2表示制御用CPU103とは同じ型番(品名)のものであることが好ましい。同じものであれば、ドラム制御のためのプログラムを共通化することが容易であり、二重構造のドラムを用いてもプログラム開発を簡素化することができる。
【0070】
また、ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御用CPUを含むランプ制御手段は、ランプ制御コマンドに応じて、特別図柄表示器9、普通図柄表示器10、特別図柄始動記憶表示器18、普通図柄始動記憶表示器41および飾りランプ25等の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51および球切れランプ52の表示制御を行う。
【0071】
例えば、ランプ制御コマンドによって、特別図柄の停止図柄と、特別図柄の可変表示時間(変動時間)を特定可能な情報を受けた場合、ランプ制御手段は、変動時間だけ、7セグメントLEDによる特別図柄表示器9において所定時間毎(例えば0.5秒ごと)に表示を順次切り替えることによって特別図柄の変動を実行させる。そして、変動時間が経過し、かつ、特別図柄の停止を示すランプ制御コマンドを受信したら、指定された停止図柄を停止表示させるように制御する。また、普通図柄の停止図柄と、普通図柄の可変表示時間(変動時間)を特定可能な情報を受けた場合、ランプ制御手段は、変動時間だけ、普通図柄表示器10において点灯させる方の表示部を交互に切り替えることによって普通図柄の変動を実行させる。そして、変動時間が経過しかつ、普通図柄の停止を示すランプ制御コマンドを受信したら、停止図柄として指定された方の表示部を点灯表示させるように制御する。
【0072】
なお、ランプ制御コマンドは、第1表示制御用CPU101が主基板31の遊技制御手段から受信した表示制御コマンドの内容に対応したコマンドである。従って、ランプ制御コマンドが示す情報は、実質的には、遊技制御手段が生成した情報である。
【0073】
次に遊技機の動作について説明する。図8は、主基板31における遊技制御手段(基本回路:CPU56およびROM,RAM等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
【0074】
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。なお、割込みモード2は、遊技制御用マイクロコンピュータ56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
【0075】
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS14)。
【0076】
クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
【0077】
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0078】
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と表示制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
【0079】
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
【0080】
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。さらに、サブ基板(この実施の形態ではランプ制御基板35、払出制御基板37、音制御基板70および図柄出制御基板80)を初期化するための初期化コマンドを払出制御基板37および図柄出制御基板80に送信する処理を実行する(ステップS13)。初期化コマンドとして、特別図柄表示器9や飾り図柄表示装置11に表示される初期図柄を示すコマンドや賞球ランプ51および球切れランプ52の消灯を指示するコマンド等がある。
【0081】
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS14)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0082】
初期化処理の実行(ステップS11〜S14)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数とは、特別図柄表示器9に表示される図柄を決定するための乱数等であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、大当り判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
【0083】
なお、表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
【0084】
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図9に示すステップS20〜S33の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ24a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
【0085】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS22)。CPU56は、さらに、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23,S24)。
【0086】
図10は、各乱数を示す説明図である。各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(3)ランダム4:飾り図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(4)ランダム5:大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定する(リーチ判定用)
(5)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(7)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
(8)ランダム9:連続予告演出を実行するか否かを決定する(予告判定用)
【0087】
図9に示された遊技制御処理におけるステップS22では、CPU56は、(1)の大当り判定用乱数、(2)の大当り図柄決定用乱数、および(5)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(8)の乱数以外の乱数等も用いられている。
【0088】
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0089】
次いで、CPU56は、特別図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送出する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:ステップS27)。また、普通図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS28)。
【0090】
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
【0091】
また、CPU56は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの何れかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
【0092】
そして、CPU56は、始動入賞記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS31)。また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS32)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS33)。可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21,21Aを駆動する。その後、割込許可状態に設定する(ステップS34)。
【0093】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0094】
図11は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図11に示す特別図柄プロセス処理は、図9のフローチャートにおけるステップS25の具体的な処理である。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)を行い、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を行う。変動短縮タイマは、特別図柄の変動時間が短縮される場合に、変動時間を設定するためのタイマである。
【0095】
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、特別図柄の可変表示の結果、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。
【0096】
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
【0097】
飾り図柄変動パターン設定処理(ステップS302):飾り図柄の可変表示の変動パターンを、ランダム4の値に応じて決定する。また、変動時間タイマをスタートさせる。このとき、図柄制御基板80に対して、変動時間を指令する情報と特別図柄の停止図柄とが送信される。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。なお、飾り図柄の変動パターンを決定することによって、飾り図柄および特別図柄の変動時間も決定されることになる。
【0098】
図柄変動処理(ステップS303):所定時間(ステップS302の変動時間タイマで示された時間)が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
【0099】
図柄停止処理(ステップS304):特別図柄表示器9において可変表示される特別図柄および飾り図柄表示装置11において可変表示される飾り図柄が停止されるように制御する。具体的には、特別図柄停止を示す表示制御コマンドが送信される状態に設定する。そして、停止図柄が大当り図柄である場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0100】
大入賞口開放開始処理(ステップS305):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当り中フラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。
【0101】
大入賞口開放中処理(ステップS306):大入賞口ラウンド表示の表示制御コマンドを図柄制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS307に移行するように更新する。
【0102】
特定領域有効時間処理(ステップS307):V入賞スイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS308に移行するように更新する。
【0103】
大当り終了処理(ステップS308):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を表示制御手段に行わせるための制御を行う。そして、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0104】
図11は始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、始動入賞記憶数が最大値である4に達しているかどうか確認する(ステップS111)。始動入賞記憶数が4に達していなければ、始動入賞記憶数を1増やし(ステップS112)、大当り判定用乱数等の各乱数の値を抽出し、それらを始動入賞記憶数の値に対応した保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納する(ステップS113)。なお、乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。ステップS113では、図10に示された乱数のうち、ランダム1〜ランダム5が抽出される。そして、変動時間を短縮するか否かの判定を行うための変動時間短縮判定時間をセットする(ステップS114)。
【0105】
なお、この実施の形態では、大当り図柄は「−」以外の図柄である。なお、特別図柄の変動中において、表示図柄の表示は非連続的に変化してもよい。そして、大当りとなる場合において、停止図柄が奇数の数字または「B」、「E」、「H」であったときには、大当り遊技終了後に高確率状態に移行する。また、高確率状態において、大当りが発生すると、または、所定回の特別図柄の変動が行われると高確率状態は終了し低確率状態に戻る。
【0106】
図13は、内ドラム235B,236B,237Bの表面に付された図柄(飾り図柄)と、外ドラム235A,236A,237Aの表面に付された飾り図柄の一例を図柄番号とともに示す説明図である。それぞれのドラムは、実際には円環状であり、図13に示す上段と下段とは接続されている。
【0107】
図13に示すように、内ドラムの3列のそれぞれには、10コマの飾り図柄(「7」、「J」、「Q」、「K」、「・」)が付されている。また、外ドラムの3列のそれぞれには、1コマの飾り図柄(「7})が付されている。外ドラムの飾り図柄(「7})は、第1の識別情報に相当し、内ドラム飾り図柄(「7」、「J」、「Q」、「K」、「・」)は第2の識別情報に相当する。さらに、外左ドラムおよび外右ドラムには、それぞれ、キャラクタ情報(キャラクタA,B)が表示されている。また、外ドラムには、外ドラムの3列が共動して表示する大型のキャラクタ(「ドラム君」)が表示されている。さらに、外ドラムでは、飾り図柄およびキャラクタが表示されている領域に隣接して、3コマの透明領域が形成されている。以下、飾り図柄やキャラクタ情報が表示されていない透明領域を無効領域ということがある。ただし、便宜上、「表示図柄として透明領域(または無効領域)を表示する」という表現をすることがある。
【0108】
なお、この実施の形態では、飾り図柄やキャラクタ情報が表示されていない透明領域を無効領域とするが、無効領域は、広義には、ドラムにおいて、他方のドラム(内ドラムに対する外ドラム、または外ドラムに対する内ドラム)に付されている図柄または図柄の一部と組み合わされても、当り(同一ラインに同一図柄が揃う)の態様を生じさせることのない領域である。従って、広義には、キャラクタ情報が表示されている領域も無効領域である。また、大型のキャラクタが付されている領域は遊技者の内ドラムの視認を妨げるので、その領域を遮蔽領域ということがある。
【0109】
図14は、この実施の形態で用いられる特別図柄および飾り図柄の変動時間と飾り図柄の変動パターンとを示す説明図である。特別図柄の変動時間と飾り図柄の変動時間とは同じである。また、特別図柄と飾り図柄とは同時期に変動を開始する。図14に示す例では、変動時間の種類は4種類である。また、飾り図柄の変動パターンは16種類である。しかし、図14に示された例よりも、さらに多くの種類の変動時間および変動パターンがあってもよい。また、図14に示す例では、短縮変動パターンは省略されている。
【0110】
図14に示す例では、特別図柄プロセス処理における飾り図柄変動パターン設定処理において、はずれとすることに決定された場合にのみ選択される通常変動およびノーマルリーチ変動があり、ノーマルリーチ変動はリーチ演出を伴う。また、ロングリーチ変動、スーパーリーチ変動、スーパーリーチ(交互リーチ)変動、スーパーリーチ(図柄そろえ)変動および地震リーチ変動は、飾り図柄変動パターン設定処理において、はずれとすることに決定された場合にも大当りとすることに決定された場合にも選択されうるが、それらの変動はリーチ演出を伴う。さらに、確変大当りとすることに決定された場合には、スーパーリーチ変動、スーパーリーチ(交互リーチ)変動、スーパーリーチ(図柄そろえ)変動または地震リーチ変動が選択される。
【0111】
図14に示す表示制御コマンドとは、対応する飾り図柄変動パターンが選択された場合に、遊技制御手段から表示制御手段に送信されるコマンドであって、変動パターンを指定するためのコマンドである。
【0112】
なお、飾り図柄変動パターン設定処理では、大当りとする場合には、ロングリーチ変動(後述するように第2面としての内ドラムのみでリーチ演出を行う)よりも、スーパーリーチ(交互リーチ)変動(後述するように第1面としての外ドラムと第2面としての内ドラムの双方によりリーチ演出を行う)を高い確率で選択する。すなわち、スーパー(交互リーチ)変動の方が、ロングリーチ変動よりも大当り発生の信頼度を高くする。
【0113】
また、この実施の形態では、第2面としての内ドラムのみでリーチ演出が行われる場合の信頼度よりも、第1面と第2面とでリーチ演出が行われる場合の信頼度よりも高いのであるが、第1面としての外ドラムのみでリーチ演出を実行するような変動パターンを設けた場合には、外ドラムのみでリーチ演出が行われる場合の信頼度よりも、第1面と第2面とでリーチ演出が行われる場合の信頼度よりも高くすることが好ましい。
【0114】
図15は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、特別図柄の変動を開始することができる状態(例えば特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合)には(ステップS51)、始動入賞記憶数(保留記憶数)の値を確認する(ステップS52)。具体的には、始動入賞カウンタのカウント値を確認する。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、特別図柄表示器9において図柄の変動がなされていず、かつ、大当り遊技中でもない場合である。
【0115】
始動入賞記憶数が0でなければ、予告設定処理を実行する(ステップS53)。次いで、始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS54)、始動入賞記憶数の値を1減らし(始動入賞記憶カウンタのちを1減らし)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS55)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各始動入賞記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、始動入賞記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、CPU56は、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする処理を実行するので、始動入賞が生じたときに実行された入賞時判定処理の判定結果が、いずれの始動入賞記憶に対応するのかを容易に特定することができる。
【0116】
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS56)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS57)。大当りとすることに決定した場合には(ステップS58)、CPU56は、大当りフラグをセットする(ステップS59)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS60)。
【0117】
図16(A)は、大当り判定モジュールで用いられる大当り判定テーブルの一例を示す説明図である。また、図16(B)は、リーチ判定モジュールで用いられるリーチ判定テーブルの一例を示す説明図である。さらに、図16(C)は、予告設定処理で用いられる予告判定テーブルの一例を示す説明図である。図16(A)に示すように、この実施の形態では、低確率時(非確変時)では大当り判定値は「3」であり、高確率時(確変時)では大当り判定値は「3」、「7」、「79」、「103」、「107」である。また、図16(B)に示すように、低確率時(非確変時)ではリーチ判定値は「0」、「1」、「11」であり、高確率時ではリーチ判定値は「0」、「1」、「9」、「11」、「12」である。さらに、図16(C)に示すように、保留記憶に大当りにならないがリーチとなるものがあったときには予告判定値は「1」、「7」、「17」であり、保留記憶中に大当りとなるものがあったときには予告判定値は「0」〜「30」、「70」〜「99」である。予告判定値は、抽出された予告判定用乱数の値と比較される数値であり、予告判定用乱数の値がそれらの数値のいずれかと一致したら、連続予告を行うことに決定される。連続予告とは、複数回の特別図柄の可変表示(変動)に亘って実行される予告演出であり、保留予告ともいう。
【0118】
図17は、特別図柄通常処理における予告設定処理(ステップS53)を示すフローチャートである。予告設定処理において、CPU56は、確変状態でなければ(ステップS201)、連続予告演出を実現するための予告演出の実行回数のうち、未だ実行されていない残りの回数が記憶されている実行回数カウンタを読み出す(ステップS202)。読み出した実行回数カウンタのカウント値が0であれば(ステップS203)、CPU56は、始動入賞カウンタのカウント値を処理数に設定するとともに(ステップS204)、検査回数カウンタのカウント値を初期値である0に設定する(ステップS205)。なお、検査回数カウンタは、後述するステップS206〜ステップS211およびS226〜231のループ処理の繰り返し回数をカウントするためのカウンタである。
【0119】
次いで、CPU56は、検査回数カウンタのカウント値を1加算し(ステップS206)、始動入賞記憶数=(検査回数カウンタのカウント値が示す数)に対応する保存領域に格納されている大当り判定用乱数値を読み出して(ステップS207)、大当り判定モジュールを実行する。すなわち、大当り判定サブルーチンをコールする(ステップS208)。大当り判定モジュールにおいて、読み出した大当り判定用乱数値にもとづいて大当りとならないと判定された場合には、CPU56は、処理数を1減算し(ステップS210)、減算後の処理数が0になっていなければステップS206の処理に移行する(ステップS211)。
【0120】
すなわち、この例では、ステップS206〜ステップS211の処理が、処理数が0になるまで繰り返し実行される。ただし、この例では、ステップS206〜ステップS211のループ処理におけるステップS209において大当りとなるとの判定がなされると、その時点でループ処理を終了する。つまり、ステップS206〜ステップS211では、保留中の可変表示の中に大当りとなるものがあると判定されるまで、または、処理数が0となるまで(保留中の可変表示についての判定を全て終えるまで)、始動入賞記憶数=1〜4に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各大当り判定用乱数値が、抽出された時期が早い方から順番に読み出され、大当りとなるか否かの判定が実行される。
【0121】
CPU56は、ステップS209において大当りとなると判定された場合には、大当りあり時の予告判定テーブル(図16(C)の右側のテーブル)を使用テーブルとして設定する(ステップS212)。
【0122】
そして、CPU56は、検査回数カウンタのカウント値が2以上であれば(ステップS214)、予告判定用乱数を抽出し(ステップS215)、予告判定用乱数が、使用テーブルとして設定されている予告判定テーブルに設定されている値のいずれかと一致したら連続予告を行うことに決定する(ステップS216)。
【0123】
連続予告を行うと判定された場合には(ステップS217)、連続予告における予告演出の連続回数の残数をカウントする実行回数カウンタに、検査回数カウンタのカウント値を設定する(ステップS218)。そして、予告実行コマンドのデータが設定されているコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS219)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS220)。
【0124】
コマンドセット処理を実行することによって表示制御コマンドが図柄制御基板80に送信される。この実施の形態では、表示制御手段に送信されうる各表示制御コマンドのデータ(表示制御コマンドデータ)はROMのコマンド送信テーブルに格納されている。また、コマンドセット処理では、CPU56は、ポインタが示すROM54のアドレスに格納されている表示制御コマンドデータを、表示制御コマンドデータを出力するための出力ポートに設定するとともに、コマンドを送信することを示す表示制御INT信号を出力する。
【0125】
遊技制御手段は、保留記憶の中に大当りとするものがなかった場合には、リーチとなるものがあるか否か確認する。すなわち、CPU56は、ステップS211において処理数が0になった場合には、リーチとなるものがあるか否か確認するとともに、リーチとなるものがあった場合に、図18に示すステップS224〜S241の処理を実行する。すなわち、ステップS224において、CPU56は、始動入賞カウンタのカウント値を処理数に設定する。また、検査回数カウンタのカウント値を初期値である0に設定する(ステップS225)。
【0126】
次いで、CPU56は、検査回数カウンタのカウント値を1加算し(ステップS226)、始動入賞記憶数=(検査回数カウンタのカウント値が示す数)に対応する保存領域に格納されているリーチ判定用乱数値を読み出して(ステップS227)、リーチ判定モジュールを実行する。すなわち、リーチ判定サブルーチンをコールする(ステップS228)。リーチ判定モジュールにおいて、読み出したリーチ判定用乱数値にもとづいてリーチとならないと判定された場合には、CPU56は、処理数を1減算し(ステップS230)、減算後の処理数が0になっていなければステップS226の処理に移行する(ステップS231)。
【0127】
すなわち、ステップS226〜ステップS231の処理が、処理数が0になるまで繰り返し実行される。ただし、ステップS226〜ステップS231のループ処理におけるステップS229においてリーチとなるとの判定がなされると、その時点でループ処理を終了する。つまり、ステップS226〜ステップS231では、保留中の可変表示の中にリーチとなるものがあると判定されるまで、または、処理数が0となるまで(保留中の可変表示についての判定を全て終えるまで)、始動入賞記憶数=1〜4に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各リーチ判定用乱数値が、抽出された時期が早い方から順番に読み出され、リーチとなるか否かの判定が実行される。
【0128】
CPU56は、ステップS229においてリーチとなると判定された場合には、はずれリーチ時の予告判定テーブル(図16(C)の左側のテーブル)を使用テーブルとして設定する(ステップS232)。
【0129】
そして、CPU56は、検査回数カウンタのカウント値が2以上であれば(ステップS234)、予告判定用乱数を抽出し(ステップS235)、予告判定用乱数が、使用テーブルとして設定されている予告判定テーブルに設定されている値のいずれかと一致したら連続予告を行うことに決定する(ステップS236)。
【0130】
連続予告を行うと判定された場合には(ステップS237)、連続予告における予告演出の連続回数の残数をカウントする実行回数カウンタに、検査回数カウンタのカウント値を設定する(ステップS238)。そして、予告実行コマンドのデータが設定されているコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS239)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS240)。
【0131】
以上の処理によって、特別図柄の変動が開始されるときに、保留数(特別図柄の始動入賞記憶数)が2以上であって、保留記憶中に大当りとする数値データ(大当り判定用乱数)またはリーチとする数値データ(リーチ判定用乱数)があった場合に、図柄制御基板80の表示制御手段に、表示制御コマンドとしての予告実行コマンドが送信される。
【0132】
図19は、ステップS208等で使用される大当り判定モジュールを示すフローチャートである。大当り判定処理において、CPU56は、まず、そのときの状態が確変中であるか否か判定し(ステップS141)、確変中であれば、図16(A)に示された大当り判定テーブル中の高確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS142)。確変中でなければ、大当り判定テーブル中の低確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS143)。
【0133】
そして、抽出されているランダム1の値に一致する値が大当り判定テーブル中にあるか否か判定し(ステップS144,S145)、一致する値があれば大当りとすることにし(ステップS146)、一致する値がなければ大当りとしないことに決定する(ステップS147)。
【0134】
図20は、ステップS228等で使用されるリーチ判定モジュールを示すフローチャートである。リーチ判定処理において、CPU56は、まず、そのときの状態が確変中であるか否か判定し(ステップS151)、確変中であれば、図16(B)に示されたリーチ判定テーブル中の高確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS152)。確変中でなければ、リーチ判定テーブル中の低確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS152)。
【0135】
そして、抽出されているランダム5の値に一致する値がリーチ判定テーブル中にあるか否か判定し(ステップS154,S155)、一致する値があればリーチすることにし(ステップS156)、一致する値がなければリーチしないことに決定する(ステップS157)。
【0136】
図21は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。特別図柄停止図柄設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS61)。大当りフラグがセットされている場合には、大当り図柄用乱数(ランダム3)の値(ステップS53において読み出したランダム3)に従って停止図柄(この場合には大当り図柄)を決定する(ステップS62)。この実施の形態では、ランダム3の値に応じた大当り図柄テーブルに設定されている図柄番号の各図柄が、大当り図柄として決定される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を飾り図柄変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS63)。
【0137】
飾り図柄変動パターン設定処理において、CPU56は、変動パターン決定用乱数(ランダム4)を用いて、飾り図柄の変動パターンを決定する。そして、決定した変動パターンを示す飾り図柄変動パターン指定の表示制御コマンドを図柄制御基板80に送信するための制御を行う。次いで、特別図柄停止図柄設定処理において決定された停止図柄を示す表示制御コマンドを図柄制御基板80に送信するための制御を行う。なお、大当りとしない場合には、はずれ図柄を示す表示制御コマンドを図柄制御基板80に送信するための制御を行う。
【0138】
その後、CPU56は、変動時間が経過したら、特別図柄の停止(確定)を示す表示制御コマンドを図柄制御基板80に送信するための制御を行う。
【0139】
図22は、2msタイマ割込処理における記憶処理(ステップ31)を示すフローチャートである。記憶処理において、CPU56は、始動入賞記憶カウンタのカウント値が前回始動入賞記憶カウンタのカウント値と同じであるか否か確認する(ステップS161)。同じでなければ、すなわち始動入賞記憶数に変化が生じていれば、始動入賞記憶数に応じた始動入賞記憶指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS162)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS163)。そして、始動入賞記憶カウンタのカウント値を、前回始動入賞記憶カウンタに設定しておく(ステップS164)。
【0140】
以上の処理によって、始動入賞記憶数が変化したときには、図柄制御基板80に搭載されている表示制御手段に対して、始動入賞記憶数指定の表示制御コマンドが送信される(ステップS161〜S163)。なお、始動入賞記憶数指定の表示制御コマンドが示す情報は、表示制御手段を介してランプ制御基板35にも送信される。ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御手段は、始動入賞記憶数指定の表示制御コマンドが示す情報にもとづいて、特別図柄始動入賞表示器18の表示状態を制御する。
【0141】
次に、遊技制御手段から表示制御手段に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図23は、主基板31から図柄制御基板80に送信される表示制御コマンドの信号線を示す説明図である。図23に示すように、この実施の形態では、表示制御コマンドは、表示制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から図柄制御基板80に送信される。また、主基板31と図柄制御基板80との間には、ストローブ信号(表示制御INT信号)を送信するための表示制御INT信号の信号線も配線されている。なお、図23には、表示制御コマンドの例が示されているが、他の電気部品制御基板(サブ基板:この実施の形態では払出制御手段)への制御コマンドも、8本の信号線と1本のINT信号の信号線によって送信される。
【0142】
この実施の形態では、表示制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
【0143】
図24に示すように、表示制御コマンドの8ビットの表示制御コマンドデータは、表示制御INT信号に同期して出力される。図柄制御基板80に搭載されている表示制御手段は、表示制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、表示制御手段から見ると、表示制御INT信号は、表示制御コマンドデータの取り込みの契機となる取込信号に相当する。
【0144】
表示制御コマンドは、表示制御手段が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、表示制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば表示制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて表示制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、表示制御INT信号は図24に示された極性と逆極性であってもよい。
【0145】
図25は、図柄制御基板80に送出される表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図25に示す例において、コマンド8000(H)〜800F(H)は、図14に示された変動パターン番号1〜16の飾り図柄の変動パターンを指定する表示制御コマンド(飾り図柄変動パターンコマンド)である。なお、各飾り図柄変動パターンコマンドに対応する変動パターンの変動時間は決まっているので、飾り図柄変動パターンコマンドは、特別図柄および飾り図柄の変動時間を指定するための表示制御コマンドでもある。また、飾り図柄変動パターンコマンドは、特別図柄および飾り図柄の変動開始指示も兼ねている。
【0146】
コマンド8200(H)は、予告実行指定コマンドである。
【0147】
コマンド88XX(H)(X=4ビットの任意の値)は、普通図柄の変動パターンに関する表示制御コマンドである。コマンド89XX(H)は、普通図柄の停止図柄を指定する表示制御コマンドである。コマンド8A00(H)は、普通図柄の可変表示の停止を指示する表示制御コマンドである。
【0148】
コマンド91XX(H)は、特別図柄の停止図柄を指定する表示制御コマンドである。「XX」には図柄番号が設定される。また、コマンドA000(H)は、特別図柄の可変表示の停止を指示する表示制御コマンドである。コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される表示制御コマンドである。そして、コマンドC000(H)〜EXXX(H)は、特別図柄の変動および大当り遊技に関わらない特別図柄表示器9の表示状態に関する表示制御コマンドである。
【0149】
コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する表示制御コマンドである。
【0150】
コマンドE0XX(H)は、特別図柄に関する始動入賞記憶数を指定する表示制御コマンドである。なお、この実施の形態では、始動入賞記憶の上限値は4であるから、「XX」は0〜4のいずれかである。
【0151】
また、コマンドE400(H)は、高確率状態から低確率状態になったときに送信されるコマンドであり、コマンドE401(H)は、低確率状態から高確率状態になったときに送信されるコマンドである。
【0152】
図柄制御基板80の表示制御手段は、主基板31の遊技制御手段から上述した表示制御コマンドを受信すると図25に示された内容に応じて飾り図柄表示装置11の表示状態を変更する。また、受信した表示制御コマンドを、そのまま、またはデータ形式を替えてランプ制御基板35に送信する。なお、図25に示された例以外の制御コマンドも遊技制御手段から表示制御手段に送信される。例えば、賞球ランプ51や球切れランプ52の表示状態、および普通図柄始動記憶表示器41の点灯個数を示す制御コマンド等や、大当り遊技に関するより詳細な表示制御コマンドも遊技制御手段から表示制御手段に送信される。
【0153】
図26は、始動入賞記憶にもとづく連続予告の態様、および始動入賞記憶にもとづかない予告(通常予告)の態様の一例を示す説明図である。図26(A)〜(C)に示すように、この実施の形態では、連続予告は、外ドラム235A,236A,237Aに付されているキャラクタAもしくはキャラクタB、またはキャラクタA,Bが、遊技者に視認可能に所定時間だけ停止表示されることによって実現される。また、通常予告は、飾り図柄の変動中に、外ドラム235A,236A,237Aに付されている大型のキャラクタが、遊技者に視認可能に所定時間だけ停止表示されることによって実現される。
【0154】
なお、この実施の形態では、外ドラム235A,236A,237Aに付されている大型のキャラクタは、通常予告を実現するために用いられるとともに、飾り図柄による遊技演出を多彩にするためにも、すなわち、通常予告の目的以外でも使用される。
【0155】
図27〜図37は、飾り図柄の変動例を示すタイミング図である。図27〜図37では、外ドラム235Aを外左ドラム、外ドラム236Aを外中ドラム、外ドラム237Aを外右ドラムと記す。また、内ドラム235Bを内左ドラム、内ドラム236Bを内中ドラム、内ドラム237Bを内右ドラムと記す。また、外ドラム235A,236A,237Aを3つの外ドラムといい、内ドラム235B,236B,237Bを3つの内ドラムという。
【0156】
図27は、図14に示された変動パターン番号1の通常変動を示すタイミング図である。表示制御手段は、遊技制御手段から、「8000(H)」の表示制御コマンドを受信したら、図27に示す変動態様(変動パターン)で、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムの回転を制御する。
【0157】
通常変動では、3つの外ドラムは回転しない。なお、後述するように、変動開始時に、3つの外ドラムは、例えば図柄番号9(図13参照)の無効領域(透明領域)が遊技者に視認されるような位置で停止するように制御される。3つの内ドラムは、順方向中速回転(以下、順方向回転という。)し、内左ドラム、内右ドラム、内中ドラムの順に停止し、内中ドラムが停止したとき(最終停止時:確定時)に、遊技者に視認される3行×3列=9図柄のうちには、縦、横、斜めのいずれのライン(図28に示すライン▲1▼〜▲8▼)においても、同じ図柄は現れない。なお、図28に示すライン▲1▼〜▲8▼は、大当りとなる場合に、飾り図柄が同一図柄で停止表示される有効ラインである。
【0158】
なお、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムをどのように停止させるのかは、すなわち、最終停止時の3行×3列=9図柄をどのようにするのかは、表示制御手段によって独自に(遊技制御手段の指示なく)決定される。
【0159】
また、順方向回転とは、ドラムが上から下に向かって回転することをいう。また、表示制御手段は、中速回転でも、回転開始後の所定期間では徐々に回転速度を上げ、停止前の所定期間では徐々に回転速度を下げるように制御する。このことは、後述する高速回転および低速回転の場合も同様である。
【0160】
また、この実施の形態では、通常変動として1種類の変動態様が用いられるが、表示制御手段は、「8000(H)」の表示制御コマンドを受信したら、通常変動として決められている複数種類の変動態様から1つを選択し、選択した変動態様を実現するように、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムの回転を制御するようにしてもよい。
【0161】
図28は、図14に示された変動パターン番号2のノーマルリーチ変動を示すタイミング図である。表示制御手段は、遊技制御手段から、「8001(H)」の表示制御コマンドを受信したら、図28に示す変動態様で、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムの回転を制御する。
【0162】
ノーマルリーチ変動では、3つの外ドラムは回転しない。3つの内ドラムは、順方向回転し、内左ドラムおよび内右ドラムが停止した時点でリーチ状態になる。図28に示す例では、例えば図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように内左ドラムが停止し、図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように内右ドラムが停止する。
【0163】
なお、「図柄番号n(図13参照)のX(この例ではX=7)で停止」または「図柄番号n(図13参照)のXを表示」とは、特に断らない限り、1つのドラムにおいて、遊技者に視認される3コマのうち、中段(中央)のコマに図柄番号n(n=1〜10のいずれか)のXが表示されることをいう。このことは、図29〜図37でも同様である。また、この実施の形態では、内左ドラムと内右ドラムとでリーチを成立させるが、そのことは単なる一例である。縦、横、斜めのいずれかのラインにおいて同じ図柄が停止表示されればリーチ状態となる。例えば、内左ドラムの上段および中段のコマに「7」を停止表示してもよい。さらに、3つの外ドラムも回転させるような変動態様では、内ドラムと外ドラムとでリーチを成立させることもできる。例えば、内左ドラムの上段のコマに図柄番号7(図13参照)の「7」を停止表示させ、外中ドラムの中段のコマに「7」を停止表示させるような場合である(図13参照)。
【0164】
その後、飾り図柄表示装置11において、内中ドラムの順方向回転によってリーチ演出が実行され、内中ドラムが停止したときに、遊技者に視認される3行×3列=9図柄のうちには、縦、横、斜めのいずれのラインにおいても、同じ図柄は現れない。なお、重ねて説明するが、可変表示手段において最終停止図柄(例えば左右中ドラムのうち中ドラムにおける図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、特定の表示結果と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。特に、内ドラムによるリーチ演出と外ドラムによるリーチ演出とが交互に行われるような演出を交互リーチ演出または交互リーチと呼ぶ。
【0165】
なお、この実施の形態では、ノーマルリーチ変動として1種類の変動態様が用いられるが、表示制御手段は、「8001(H)」の表示制御コマンドを受信したら、ノーマルリーチ変動として決められている複数種類の変動態様から1つを選択し、選択した変動態様を実現するように、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムの回転を制御するようにしてもよい。
【0166】
図29は図14に示された変動パターン番号3,4のロングリーチ変動を示すタイミング図である。表示制御手段は、遊技制御手段から、「8002(H)」または「8003(H)」の表示制御コマンドを受信したら、図29に示す変動態様で、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムの回転を制御する。
【0167】
ロングリーチ変動では、3つの外ドラムは回転しない。3つの内ドラムは、順方向回転し、内左ドラムおよび内右ドラムが停止した時点でリーチ状態になる。図29に示す例では、例えば図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように内左ドラムが停止し、図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように内右ドラムが停止する。
【0168】
その後、飾り図柄表示装置11において、内中ドラムによってリーチ演出が実行され、表示制御手段は、内中ドラムが一旦停止するように制御する。さらに、表示制御手段は、内中ドラムを再変動させ、その後最終停止させる。なお、再変動期間では、内中ドラムを逆回転またはコマ送り回転(1図柄分回転する毎に一旦停止するような回転)させる。変動時間を示すコマンドとして「8003(H)」の表示制御コマンドを受信していた場合(非確変大当りの場合)には、遊技者に視認される3行×3列=9図柄のうちで、縦、横、斜めのいずれかのラインにおいて3つの同じ図柄が現れる。例えば図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように内左ドラムが停止し、図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように内右ドラムが停止していた場合には、図柄番号6(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように内中ドラムが停止する。
【0169】
図30は、図14に示された変動パターン番号5,6,7のスーパーリーチ変動を示すタイミング図である。表示制御手段は、遊技制御手段から、「8004(H)」、「8005(H)」または「8006(H)」の表示制御コマンドを受信したら、図30に示す変動態様で、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムの回転を制御する。
【0170】
スーパーリーチ変動では、3つの外ドラムは順方向低速回転し、3つの内ドラムは順方向回転し、内左ドラムおよび内右ドラムが停止した時点でリーチ状態になる。図30に示す例では、例えば図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように内左ドラムが停止し、図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように内右ドラムが停止する。このとき、表示制御手段は、例えば図柄番号9(図13参照)の無効領域(透明領域)が遊技者に視認されるように3つの外ドラムを停止させる制御を行う(例えば図柄番号5で停止)。従って、遊技者は、3つの外ドラムの無効領域を介して、内ドラムを視認できる。
【0171】
その後、飾り図柄表示装置11において、外ドラムと内中ドラムによってリーチ演出が実行され、表示制御手段は、内中ドラムが一旦停止するように制御する。さらに、表示制御手段は、外ドラムと内中ドラムとを最終停止させる。最終停止時に、特別図柄の停止図柄として確変図柄ではない大当り図柄が指定されている場合には、遊技者に視認される3行×3列=9図柄のうちで、縦、横、斜めのいずれかのラインにおいて3つの同じ図柄が現れる。また、特別図柄の停止図柄として確変図柄が指定されている場合には、遊技者に視認される3行×3列=9図柄のうちで、縦、横、斜めのいずれかの複数のラインにおいて、3つの同じ図柄が現れる。
【0172】
図31は、図14に示された変動パターン番号8,9,10のスーパーリーチ(交互リーチ)変動を示すタイミング図である。表示制御手段は、遊技制御手段から、「8007(H)」、「8008(H)」または「8009(H)」の表示制御コマンドを受信したら、図31に示す変動態様で、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムの回転を制御する。なお、「交互リーチ」とは、外ドラムと内ドラムとにより、交互に、リーチ演出が行われるような変動態様である。
【0173】
スーパーリーチ(交互リーチ)変動では、3つの外ドラムは順方向低速回転し、3つの内ドラムは順方向回転し、内左ドラムおよび内右ドラムが停止した時点でリーチ状態になる。図31に示す例では、図柄番号9,10(図13参照)の「7」が上段および中段において遊技者に視認されるように内左ドラムが停止し、図柄番号9,10(図13参照)の「7」が中段および下段において遊技者に視認されるように内右ドラムが停止する。表示制御手段は、内左ドラムが停止するときに、例えば図柄番号9(図13参照)の無効領域(透明領域)が遊技者に視認されるように3つの外ドラムを停止させる制御を行う。よって、遊技者は、3つの外ドラムの透明領域を介して、リーチが成立したことを視認できる。さらに、内中ドラムは順方向回転を継続し、例えば図柄番号5(図13参照)の「・」が中段において遊技者に視認されるように停止する。
【0174】
その後、飾り図柄表示装置11において、外ドラムによってリーチ演出が実行される。具体的には、表示制御手段は、外左ドラムを高速回転させた後、図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように停止させる。次いで、外右ドラムを高速回転させた後、図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように停止させる。さらに、外中ドラムを高速回転させた後、図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように停止させる。従って、遊技者に、左右中のドラムにおいて、3つの「7」が同一ライン上に揃ったように視認させることができる。
【0175】
なお、はずれとするときには、例えば、外中ドラムを高速回転させた後、無効領域(透明領域)が遊技者に視認されるように停止させる。
【0176】
図32は、図14に示された変動パターン番号11,12,13のスーパーリーチ(図柄そろえ)変動を示すタイミング図である。表示制御手段は、遊技制御手段から、「800A(H)」、「800B(H)」または「800C(H)」の表示制御コマンドを受信したら、図32に示す変動態様で、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムの回転を制御する。なお、「図柄そろえ」とは、外ドラムと内ドラムとを用いて、時間の経過に伴って、遊技者に同一ラインの中で同じ図柄が増えていくように視認させるような変動態様である。
【0177】
スーパーリーチ(図柄そろえ)変動では、3つの外ドラムは順方向低速回転し、3つの内ドラムは順方向回転し、内左ドラム、内中ドラムおよび内右ドラムが停止した時点で、外ドラムは、大型のキャラクタが遊技者に視認されるように停止する。次いで、内ドラムが高速回転して、例えば図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように内左ドラムが停止し、同一ラインの中で同じ図柄がないように内右ドラムおよび内中ドラムが停止する(例えば内右ドラムについて例えば図柄番号5(図13参照)の「K」、内中ドラムについて例えば図柄番号7(図13参照)の「・」)。この状態では、外ドラムが大型のキャラクタが遊技者に視認されるように停止しているので、遊技者は、内ドラムを視認することができない。このように第2面としての内ドラムの図柄の可変表示が一旦停止した後、遮蔽領域が第2面を遮蔽した状態で第2面における識別情報の可変表示を再度開始させることができる。
【0178】
次に、3つの内ドラムが3コマ分回転する。従って、無効領域(透明領域)が遊技者に視認されるように停止する。よって、この時点で、遊技者は、内ドラムを視認することができる。
【0179】
次に、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムが高速回転し、縦、横、斜めのいずれかのラインにおいて、2つ「7」が視認されるように一旦停止する。図32に示す例では、例えば図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように内左ドラムが停止し、同一ラインの中で同じ図柄がないように内右ドラムおよび内中ドラムが停止する(例えば内右ドラムについて例えば図柄番号2(図13参照)の「J」、内中ドラムについて例えば図柄番号4(図13参照)の「Q」)。また、外ドラムでは、外左ドラムのみが「7」を表示するように停止する。その結果、遊技者は、中横ラインにおいて、視認可能になる複数の図柄のうち、大当りを構成する図柄の組合せに含まれるものが増えたように視認できる。
【0180】
以上のような動作を、さらに変動時間が経過するまで続行することによって、時間の経過に伴って、遊技者が視認可能な同一ラインの中で同じ図柄が増えていくような演出を実現することができる。なお、例えば、次に、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムが回転した後に一旦停止するときには、縦、横、斜めのいずれかのラインにおいて、例えば3つ「7」が視認されるように停止し、さらに次では、例えば3つ「7」が2ラインにおいて視認されるように一旦停止する。
【0181】
そして、変動期間が終了したときに、変動時間を示すコマンドとして「800B(H)」の表示制御コマンドを受信していた場合(確変ではない大当りが指定されている場合)には、外ドラムと内中ドラムによって、遊技者に視認される3行×3列=9図柄のうちで、縦、横、斜めのいずれかのラインにおいて3つの同じ図柄を表示する。また、変動時間を示すコマンドとして「800C(H)」の表示制御コマンドを受信していた場合(確変大当りが指定されている場合)には、外ドラムと内中ドラムによって、遊技者に視認される3行×3列=9図柄のうちで、縦、横、斜めのいずれかの複数のラインにおいて、3つの同じ図柄を表示する。また、3つの同じ図柄を表示するのは、外ドラムと内中ドラムによってではなく、外ドラムのみによって、または内ドラムのみによってでもよい。
【0182】
表示制御手段は、遊技者が視認可能になるときに同一ラインにおける同じ図柄を増やすために、遊技者が一旦停止するときの図柄を視認不能な状態において(例えば一旦停止することになる図柄がドラムの背面に位置しているとき)、同じ識別情報を増やすための位置揃え準備制御を行い、その後に一旦停止図柄を遊技者に視認可能な領域(飾り図柄表示装置11において遊技者に面している3行×3列=9コマ分)に表示させる。位置揃え準備制御とは、具体的には、一旦停止時または最終停止時に遊技者が視認可能な同一ラインの中で同じ図柄が増えるように、内左ドラム、内中ドラムおよび内右ドラムの速度調整を行うことである。さらに具体的にいうと、内左ドラム、内中ドラムおよび内右ドラムにおいて、停止時に視認させる図柄と回転開始時の図柄とがわかっているので、また、内左ドラム、内中ドラムおよび内右ドラムの回転期間は同じであるから、表示制御手段は、(図柄差/回転期間)に応じた速度で、内左ドラム、内中ドラムおよび内右ドラムを回転させる。なお、大当りを構成する図柄の組合せに含まれるものが増えるように遊技者に視認させるために、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムの高速回転動作が、変動時間が経過するまで複数回実行されるので、位置揃え準備制御も複数回実行されることになる。
【0183】
図33は、図14に示された変動パターン番号14,15,16の地震リーチ変動を示すタイミング図である。表示制御手段は、遊技制御手段から、遊技制御手段から、「800D(H)」、「800E(H)」または「800F(H)」の表示制御コマンドを受信したら、表示制御手段は、図33に示す変動態様で、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムの回転を制御する。
【0184】
地震リーチ変動では、3つの外ドラムは順方向高速回転し、3つの内ドラムは順方向回転し、内左ドラムおよび内右ドラムが停止した時点でリーチ状態になる。図33に示す例では、例えば図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように内左ドラムが停止し、例えば図柄番号7(図13参照)の「7」が遊技者に視認されるように内右ドラムが停止する。このとき、表示制御手段は、例えば図柄番号9(図13参照)の無効領域(透明領域)が遊技者に視認されるように3つの外ドラムを停止させる制御を行う。
【0185】
その後、飾り図柄表示装置11において、外ドラムと内ドラムによってリーチ演出が実行される。具体的には、表示制御手段は、3つの外ドラムを逆方向回転させるとともに、内ドラムを順方向回転させる。そして、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムを一旦停止させる。このとき、図33に示す例では、外右ドラムおよび外中ドラムの上段に例えば図柄番号7(図13参照)の「7」を表示し、外右ドラムにおいて例えば図柄番号9(図13参照)の透明部分が遊技者に視認されるように外ドラムが停止する。また、内右ドラムの上段に例えば図柄番号7(図13参照)の「7」を表示するように中ドラムが停止する。
【0186】
次いで、3つの外ドラムおよび3つの内ドラムを再度回転させ、図柄の再変動を開始する。このとき、外ドラムは順方向回転し、内ドラムは逆方向回転する。
【0187】
そして、変動期間が終了したときに、変動時間を示すコマンドとして「800E(H)」の表示制御コマンドを受信していた場合(確変ではない大当りが指定されている場合)には、外ドラムと内中ドラムによって、遊技者に視認される3行×3列=9図柄のうちで、縦、横、斜めのいずれかのラインにおいて3つの同じ図柄を表示する。また、変動時間を示すコマンドとして「800F(H)」の表示制御コマンドを受信していた場合(確変大当りが指定されている場合)には、外ドラムと内中ドラムによって、遊技者に視認される3行×3列=9図柄のうちで、縦、横、斜めのいずれかの複数のラインにおいて、3つの同じ図柄を表示する。また、3つの同じ図柄を表示するのは、外ドラムと内中ドラムによってではなく、外ドラムのみによって、または内ドラムのみによってでもよい。
【0188】
このように、地震リーチ変動では、外ドラムおよび内ドラムが全て停止した後、再変動するときには、外ドラムおよび内ドラムが全回転する。また、回転方向は、外ドラムと内ドラムとで逆である。従って、飾り図柄表示装置11として二重構造のドラムを用いた場合に、二重構造の利点を生かして遊技演出がより多様化されている。
【0189】
また、図30〜図33に示された変動では、リーチが成立する前(通常変動期間という。)でも、外ドラムおよび内ドラムが全回転する。このことも、二重構造の利点を生かして遊技演出がより多様化されているといえる。
【0190】
ここで、外ドラムと内ドラムとを共動させてリーチ状態とする例を図34を参照して説明する。図34に示す例では、内中ドラムが停止するときに外ドラムも停止するが、例えば、外左ドラムにおいて上段に「7」が表示されるように外左ドラムが停止する。また、内中ドラムにおいて中段に例えば図柄番号8(図13参照)の「7」が表示されるように内中ドラムが停止する。外中ドラムおよび外右ドラムは、遊技者が例えば図柄番号9(図13参照)の無効領域を視認するように一旦停止する。従って、この状態では、遊技者は、斜めラインにおいてリーチが成立したと認識することができる。
【0191】
図35は、連続予告Aの演出を伴うスーパーリーチ変動を示すタイミング図である。表示制御手段は、遊技制御手段から、予行実行指定の表示制御コマンドを受信したら、連続予告の態様を決定する。そして、連続予告Aの態様を用いることに決定したら、変動中に、外ドラムを一旦停止させるときに、外左ドラムにおいて上段に例えば図柄番号1(図13参照)の「キャラクタA」が表示されるように外左ドラムを停止させる。よって、遊技者は、変動中にキャラクタAを視認することができる。
【0192】
図36は、連続予告Bの演出を伴うスーパーリーチ変動を示すタイミング図である。表示制御手段は、遊技制御手段から、予行実行指定の表示制御コマンドを受信したら、連続予告の態様を決定する。そして、連続予告Bの態様を用いることに決定したら、変動中に、外ドラムを一旦停止させるときに、外右ドラムにおいて上段に例えば図柄番号1(図13参照)の「キャラクタB」が表示されるように外右ドラムを停止させる。よって、遊技者は、変動中にキャラクタBを視認することができる。
【0193】
なお、図35および図36に示す例では、スーパーリーチ変動を例にしたが、連続予告が実行される変動パターンは、スーパーリーチ変動に限られることはない。また、キャラクタA,Bを表示するときに、外ドラムの全て(3つとも)を一旦停止させる例を示したが、キャラクタが付されている外ドラムのみを一旦停止させてもよい。また、キャラクタA,Bを表示するタイミングも、図35および図36に示す例は一例であって、他のタイミング、例えば、内ドラムが停止する前にキャラクタを表示するようにしてもよい。さらに、外ドラムが回転しない変動パターンでも連続予告の演出を実行することができる。その場合には、連続予告を実行したいタイミングにおいて、外左ドラムもしくは外右ドラム、またはそれら双方(連続予告Cの場合)を回転させて、キャラクタが表示される位置で停止させればよい。さらに、図35および図36に示す変動パターンは、複数回の図柄の可変表示(変動)に亘って実行される連続予告の変動パターンとして用いられていたが、同一のタイミングの変動パターンを1回の図柄の可変表示で実行される通常予告の変動パターンとして用いることもできる。
【0194】
図37は、通常予告の演出を伴うスーパーリーチ変動を示すタイミング図である。表示制御手段は、独自に通常予告を行うか否か決定し、通常予告を行うことに決定したら、変動中に、外ドラムにおいて大型のキャラクタ(「ドラム君」)が表示されるように外ドラムを一旦停止させる。よって、遊技者は、変動中に大型のキャラクタ(「ドラム君」)を視認することができる。
【0195】
また、外ドラムを順方向に低速回転させ、低速回転している外ドラムが一旦停止するときに、3つの外ドラムにおいて中段に「7」が3つ揃って表示されるように外ドラムを停止させる。そして、内ドラムが一旦停止するときに、3つの内ドラムにおいて上段および下段にそれぞれ「7」が3つ揃って表示されるように内ドラムを停止させる。よって、遊技者は、変動中にオール「7」、すなわち、3行×3列=9図柄の全てに「7」が表示された状態を視認することができる。
【0196】
なお、図37では、1回の図柄の可変表示(変動)において大型のキャラクタによる通常予告とオール「7」による通常予告のいずれも行っているが、いずれか一方だけを行うようにされていてもよい。また、大型のキャラクタによる予告およびオール「7」による予告を通常予告に用いている例を示したが、これらの予告を複数回の図柄の可変表示に亘って実行される連続予告に用いてもよい。このような構成によれば、バリエーションのある連続予告の演出を実現することができるようになり、遊技者に大当りの発生に対する期待感を向上させることができる。
【0197】
なお、連続予告および通常予告の演出の変動パターンとしては、図35〜図37に示す変動パターンに限られるわけではなく、図31,図32に示すスーパーリーチ変動(交互リーチ、図柄そろえ)の変動パターンを用いてもよい。このような変動パターンを連続予告または通常予告の演出として使用することにより、内ドラムと外ドラムとを共動させた予告演出を行うことができ、飾り図柄表示装置11のドラムの二重構造の利点を活かすことができる。従って、遊技の興趣を増進させることができるとともに、遊技者に大当りの発生に対する期待をより一層抱かせることができるようになる。
【0198】
図38(a)〜(d)は、飾り図柄表示装置11の表示におけるリーチ状態の一例を示す説明図である。図38(a)には、斜めラインでリーチが成立した状態が示され、図38(b)には、下方の横ラインでリーチが成立した状態が示されている。図38(c)には、斜めラインおよび中程の横ラインでリーチが成立した状態が示されている。図38(d)には、上方の横ラインおよび左側にの縦ラインでリーチが成立した状態が示されている。
【0199】
図39は、大当りが発生したときの飾り図柄表示装置11の表示状態の一例を示す説明図である。図39(a)には、斜めラインで同一図柄が揃った例が示され、図39(b)には、下方の横ラインで同一図柄が揃った例が示されている。図39(c)には、斜めラインおよび中程の横ラインで同一図柄が揃った例が示されている。図39(d)には、上方の横ラインで同一図柄が揃った例が示されている。なお、図39(d)に示す例では、中ドラムの上段の「7」は、外中ドラムに付されている「7」である。また、図38や図39では、「7」が2つまたは3つ揃った例が示されているが、同じ図柄として、他の種類の図柄(「J」、「Q」または「K」)が2つまたは3つ揃うこともある。
【0200】
図40は、図31に示されたスーパーリーチ(交互リーチ)変動における飾り図柄表示装置11の表示状態の一例を示す説明図である。図40に示す例では、3つの内ドラムおよび3つの外ドラムが回転((a)参照、ただし、(a)〜(d)では外ドラムについては記載省略)した後、(b)に示すように、内左ドラムが、例えば図柄番号9(図13参照)の「7」を中段に表示した状態で停止する。さらに、(c)に示すように、内右ドラムが例えば図柄番号10(図13参照)の「7」を中段に表示した状態で停止する。さらに、(d)に示すように、例えば図柄番号5(図13参照)の「・」を中段に表示した状態で停止する。なお、(b)〜(d)の状態では、3つの外ドラムは、例えば図柄番号9(図13参照)の無効領域(透明領域)を表示した状態で停止している。
【0201】
次いで、(e)に示すように外左ドラムが回転し、(f)に示すように、例えば図柄番号7(図13参照)の「7」を中段に表示した状態で停止する。そして、外右ドラムが回転する。次に、(g)に示すように、例えば図柄番号7(図13参照)の「7」を中段に表示した状態で停止する。そして、外中ドラムが回転する。最後に、(h)に示すように、外中ドラムが例えば図柄番号7(図13参照)の「7」を中段に表示した状態で停止する。
【0202】
このように、まず、内ドラムによってリーチ演出が実行され((b)〜(d)、次に、外ドラムによってリーチ演出が実行される((e)〜(g))。すなわち、内ドラムと外ドラムとによって、交互に、リーチ演出が実行される。なお、最初に外ドラムによってリーチ演出が実行され、その後に、内ドラムによってリーチ演出が実行されるようにしてもよいし、内ドラムと外ドラムとによる交互のリーチ演出が複数回繰り返されるようにしてもよい。また、図40に示す例は、大当りとする場合の例であるが、はずれとする場合には、最後に、外中ドラムを例えば図柄番号9(図13参照)の無効領域を表示した状態で停止させればよい。
【0203】
次に、表示制御手段の動作を説明する。図41は、図柄制御基板80に搭載されている第1表示制御用CPU101が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、ドラムを初期位置に設定するための処理、表示制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、表示制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、表示制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、表示制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の表示制御処理を実行する。
【0204】
この実施の形態では、タイマ割込は2ms毎にかかる。すなわち、表示制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な表示制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で表示制御処理を実行してもよい。
【0205】
表示制御処理において、表示制御用CPU101は、まず、受信した表示制御コマンドを解析する(コマンド解析実行処理:ステップS704)。次いで、ランプ制御基板35に対してランプ制御コマンドを送信するランプ制御コマンド出力処理、および第2表示制御用CPU103に表示制御コマンドが示す情報等を送信する第2CPU通信処理を行う(ステップS705,S706)。さらに、表示制御用CPU101は、表示制御プロセス処理を行う(ステップS707)。表示制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。また、3つの外ドラムを回転させるための3つのドラムモータ200A,200B,200Cを制御するモータ制御処理を行う(ステップS708)。そして、乱数カウンタを更新する(+1する)処理を実行する(ステップS709)。その後、ステップS702のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
【0206】
なお、この実施の形態では、乱数カウンタとして、飾り図柄の変動パターンを決定するために用いられる変動パターン決定用乱数を生成するためのカウンタ、飾り図柄の停止図柄を決定するための停止図柄決定用乱数を生成するためのカウンタ、通常予告を行うか否か決定するために用いられる予告乱数カウンタ1、および連続予告の態様を決定するために用いられる予告乱数カウンタ2とがある。
【0207】
主基板31からの表示制御用のINT信号は第1表示制御用CPU101の割込端子に入力されている。例えば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、第1表示制御用CPU101において割込がかかる。そして、第1表示制御用CPU101は、割込処理において表示制御コマンドの受信処理を実行する。表示制御コマンドの受信処理において、第1表示制御用CPU101は、受信した表示制御コマンドデータを、受信コマンドバッファに格納する。
【0208】
図42は、図41に示されたメイン処理における表示制御プロセス処理(ステップS707)を示すフローチャートである。表示制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S804のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
【0209】
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって変動時間を特定可能な表示制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターンコマンド受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターンコマンド受信フラグは、コマンド解析処理によって、飾り図柄変動パターン指定の表示制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる。なお、変動パターンコマンドとは、8000(H)〜800F(H)の表示制御コマンドのことである。
【0210】
予告選択処理(ステップS801):連続予告演出を行うことが指定されたら連続予告演出の態様を決定する。また、通常予告を行うか否か決定する。
【0211】
図柄変動開始処理(ステップS802):外ドラムの変動が開始されるように制御する。
【0212】
図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。
【0213】
図柄停止待ち設定処理(ステップS804):変動時間の終了時に、図柄停止を指示する表示制御コマンド(特別図柄停止の表示制御コマンド)を受信していたら、図柄の変動を停止させる制御を行う。
【0214】
図43は、予告乱数カウンタ1,2のカウント範囲の一例を示す説明図である。図43に示すように、予告乱数カウンタ1は、0〜18の範囲の値をとり、予告乱数カウンタ2は、0〜56の範囲の値をとる。
【0215】
図44は、図42に示された表示制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、第1表示制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS871)。セットされていたら、そのフラグをリセットする(ステップS872)。そして、停止図柄決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を停止図柄決定用乱数とし、停止図柄決定用乱数の値にもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS874)。また、第2表示制御用CPU103に飾り図柄の変動パターンと停止図柄を通知するために、変動パターン・停止図柄コマンド送信要求フラグをセットする(ステップS875)。
【0216】
決定される停止図柄として、一旦停止の際の停止図柄と、最終停止図柄とがある。ROM102には、はずれとするときに送信される変動パターンコマンド、非確変大当り時に送信される変動パターンコマンド、確変大当り時に送信される変動パターンコマンドのそれぞれに対応して、3×3=9個の飾り図柄の停止図柄をどのようにするのかを示すデータが設定されたテーブルが記憶されている。第1表示制御用CPU101は、停止図柄決定用乱数の値と、テーブルの設定データとから、飾り図柄の停止図柄を決定する。なお、停止図柄を決定する際に、各図柄が外ドラムによって表示されるのか内ドラムによって表示されるのかも決定される。
【0217】
そして、ドラム初期化要求フラグをセットし(ステップS876)、表示制御プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS877)。
【0218】
図45は、図42に示された表示制御プロセス処理における予告選択処理(ステップS801)を示すフローチャートである。予告選択処理において、第1表示制御用CPU101は、コマンド受信割込処理によって予告実行コマンドを受信したか否か確認する(ステップS811)。具体的には、予告実行コマンドが受信されたことを示すフラグ(予告実行コマンド受信フラグ)がセットされたか否か確認する。予告実行コマンド受信フラグは、コマンド解析処理によって、予告実行指定の表示制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる。
【0219】
予告実行コマンド受信フラグがセットされている場合には、予告実行コマンド受信フラグをリセットし(ステップS812)、予告乱数カウンタ2のカウント値を予告乱数2とする(ステップS813)。ROM102には、複数の数値と、数値に対応する連続予告の態様を示すデータとが設定されているテーブルが格納されている。第1表示制御用CPU101は、予告乱数2の値に一致するテーブル中の数値に対応した連続予告の態様を、使用する連続予告の態様として決定する(ステップS814)。また、連続予告実行フラグをセットする(ステップS815)。そして、表示制御プロセスフラグを図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に更新する(ステップS816)。
【0220】
また、ROM102には、複数の数値と、数値に対応するデータであって通常予告を行うか否かを示すデータとが設定されている通常予告決定用テーブルが格納されている。予告実行コマンド受信フラグがセットされてない場合には、第1表示制御用CPU101は、予告乱数カウンタ1のカウント値を予告乱数1とし(ステップS817)、予告乱数1の値と一致するテーブル中の数値が通常予告を行うことを示すデータに対応した数値であれば、通常予告を行うことに決定する(ステップS818)。また、通常予告を行うことに決定した場合には通常予告実行フラグをセットする(ステップS819)。
【0221】
通常予告決定用テーブルには、少なくとも、特別図柄の停止図柄がはずれ図柄となる場合に用いられるはずれ用テーブルと、特別図柄の停止図柄が大当り図柄となる場合に用いられる当り用テーブルとがある。そして、双方のテーブルに設定されている数値の総数(予告を行うことを示すデータに対応した数値の数+予告を行わないことを示すデータに対応した数値の数)は同数であって、当り用テーブルにおける予告を行うことを示すデータに対応した数値の数は、はずれ用テーブルにおける予告を行うことを示すデータに対応した数値の数よりも多い。従って、通常予告は、特別図柄の停止図柄が大当り図柄となって大当り遊技状態が発生する可能性が高いことを報知する役割を果たす。
【0222】
図46は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、飾り図柄の変動期間(変動開始から最終停止までの期間)におけるドラムモータの速度を示すデータと、その速度で回転させる時間を示すプロセスタイマと、その速度で回転させるステップ数を示すデータとがプロセスデータとして設定されているテーブルであり、ROM102に格納されている。また、プロセステーブルは、3つの外ドラムのそれぞれに対応して設けられている。図30に示された変動パターンを例にすると、外左ドラムに対応したプロセステーブルには、まず、順方向低速回転で開店させる時間を示すプロセスタイマと、順方向低速回転時の速度を示すデータと、その速度で回転させるステップ数を示すデータとが設定される。次に、一旦停止期間時間を示すプロセスタイマと、速度0を示すデータと、ダミーのステップ数データとが設定される。さらに、逆方向低速回転で開店させる時間を示すプロセスタイマと、逆方向低速回転時の速度を示すデータと、その速度で回転させるステップ数を示すデータとが設定される。
【0223】
プロセステーブルは、各変動パターンにおいて、停止時の表示図柄に応じて用意されている。例えば、図30に示されたスーパーリーチ変動の変動パターンであっても、停止時の表示図柄が違えば変動期間における回転数(ステップ数)は若干異なるので、異なるプロセステーブルとして用意されている。ただし、停止時の表示図柄が違っても変動時間を同じ29.0秒(スーパーリーチの場合)にする必要がある。そこで、例えば、順方向低速回転の期間を幾つかに分割し、回転開始時の期間や回転終了時の期間において、回転速度を若干異ならせるようにする。すなわち、プロセステーブルにおいて、そのような期間に対応した回転速度およびステップ数を異ならせる。
【0224】
また、図32に示されたスーパーリーチ(図柄そろえ)変動に対応したプロセステーブルでは、高速回転期間の前半(期間の1/2に限られない。例えば、あと5コマ分回転すると停止タイミングが到来するような停止タイミング直前の時期よりも前を前半としてもよい。)では、それぞれの(図柄差/回転期間)に応じた速度で、内左ドラム、内中ドラムおよび内右ドラムのそれぞれを高速回転させることを示すプロセスデータが設定される。図柄差とは、一旦停止時に視認させる図柄の図柄番号と回転開始時の図柄の図柄番号との差である。同様に、(図柄差/回転期間)に応じた速度で、外左ドラム、外中ドラムおよび外右ドラムのそれぞれを高速回転させることを示すプロセスデータが設定される。すると、高速回転期間の前半が終了した時点で、3つの外ドラムと3つの内ドラムの各図柄は、一旦停止時の図柄に揃う。そして、プロセステーブルにおける高速回転期間の後半で用いられるプロセスデータには、3つの外ドラムと3つの内ドラムとを等速で高速回転させることを示すデータが設定される。従って、高速回転期間の後半では、一旦停止時の図柄に揃った状態で、同期して3つの外ドラムと3つの内ドラムとが回転している。なお、高速回転期間の前半を、例えば、あと5コマ分回転すると停止タイミングが到来するような時期よりも前とした場合には、大当り図柄の組合せを構成する図柄数を増加させるために、遊技者が確実に視認不能な位置(つまりドラムの背面側)において、外ドラムの図柄と内ドラムの図柄との組合せにより、大当り図柄の組合せの一部(例えば2つ、または3つ(全て))を構成する位置に、大当り図柄の組合せを構成する図柄の位置を揃えることができる。
【0225】
よって、高速回転していて遊技者が各図柄を視認できない状況において、大当りの組合せを構成する図柄に含まれるものを増やすために、遊技者が図柄を視認不能な状態において、大当りの組合せを構成する位置に複数の図柄を揃える位置揃え準備制御を実現することができる。
【0226】
なお、位置揃え準備制御は、このような方法に限られず、遊技者が視認不能な状況下で、大当りの組合せを構成する図柄に含まれるものを増やすために、大当りの組合せを構成する位置に複数の図柄を揃えることができる方法であれば、他の制御方法を用いてもよい。
【0227】
さらに、同じ変動パターンおよび同じ停止図柄であっても、予告する/しないに応じて、かつ、予告の態様に違いに応じて、異なるプロセステーブルを用意することが好ましい。プロセステーブルはモータ制御処理において使用されるのであるが、このように、きめ細かに多数のプロセステーブルを用意しておけば、モータ制御処理を容易に実行することができる。
【0228】
図47は、表示制御プロセス処理における図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。図柄変動開始処理において、第1の制御用CPU101は、まず、飾り図柄の可変表示の変動パターン、停止時の表示図柄および予告演出の種類に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS881)。また、ドラムモータ200A,200B,200Cに対する通電を開始する(ステップS882)。そして、選択したプロセステーブルにおいて最初に設定されているプロセスタイマをスタートさせる(ステップS883)。また、プロセスデータ1の内容に従ってモータ制御することをモータ制御処理に指示する(ステップS884)。具体的には、その旨を示す内部フラグをセットする。次いで、変動時間タイマ(飾り図柄の変動時間に応じたタイマ)をスタートし(ステップS885)、表示制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理に対応した値にする(ステップS886)。
【0229】
図48は、表示制御プロセス処理における図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。図柄変動中処理において、第1表示制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS831)、プロセスデータの切り替えを行う(ステップS832)。すなわち、プロセステーブルにおいて、次に設定されているプロセスデータのプロセスタイマをスタートさせるとともに(ステップS833)、新たなプロセスデータの内容に従ってモータ制御することをモータ制御処理に指示する(ステップS834)。
【0230】
また、変動時間タイマがタイムアウトしていたら(ステップS835)、特別図柄停止の表示制御コマンドの受信を監視するための監視タイマをスタートさせ(ステップS836)、表示制御プロセスフラグの値を図柄停止待ち処理に対応した値にする(ステップS837)。
【0231】
図49は、表示制御プロセス処理における図柄停止待ち処理(ステップS804)を示すフローチャートである。図柄停止待ち処理において、第1表示制御用CPU101は、全図柄停止を指示する表示制御コマンド(特別図柄停止の表示制御コマンド)を受信しているか否か確認する(ステップS841)。全図柄停止を指示する表示制御コマンドを受信していれば、外ドラムを停止させる制御を行う(ステップS842)。そして、表示制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS843)。
【0232】
全図柄停止を指定する表示制御コマンドを受信していない場合には、監視タイマがタイムアウトしているかどうか確認する(ステップS844)。タイムアウトした場合には、何らかの異常が発生したと判断して、エラー報知する制御を行う(ステップS845)。そして、ステップS843に移行する。なお、エラー報知する制御とは、例えば、ランプ・LEDをエラー報知用の態様で点滅させることを示すランプ制御コマンドをランプ制御基板35に送信する処理である。
【0233】
次に、ドラムの回転制御について説明する。図50は、図柄制御基板80におけるドラムモータの駆動に関する部分の一構成例を示すブロック図である。
【0234】
ドラムモータ200A〜200Cには、位置検出のためのドラムセンサ(第1の可変表示部材の基準位置を検出するための位置検出手段)139A,139B,139Cが設置されている。また、ドラムモータ200a〜200cには、位置検出のためのドラムセンサ(第2の可変表示部材の基準位置を検出するための位置検出手段)139a,139b,139cが設置されている。ドラムセンサ139A,139B,139C,139a,139b,139cの検出信号は、増幅回路177および入力ポート511を介して第1表示制御用CPU101に入力される。
【0235】
3つの外ドラムおよび3つの内ドラムの所定位置に、無反射部分が設けられている。そして、無反射部分を検出できるような位置に、例えば反射型フォトセンサによるドラムセンサ139A,139B,139C,139a,139b,139cが設けられている。ドラムセンサ139A,139B,139C,139a,139b,139cは、それぞれ、無反射部分を検知すると、そのことを示す検出信号(出力信号)を出力する。第1表示制御用CPU101は、検出信号によってドラムの位置が所定位置にきたことを認識でき、その位置を基準として、回転中の任意のタイミングにおけるドラムの位置を認識することができる。その結果、表示図柄(遊技者が視認できる位置にある飾り図柄)を認識することができる。なお、ドラムセンサ139A,139B,139C,139a,139b,139cには、電源基板からの+12V電圧が供給される。
【0236】
図51は、図41に示された初期化処理(ステップS701)を示すフローチャートである。初期化処理において、第1表示制御用CPU101は、まず、レジスタを初期化し(ステップS711)、RAM104を初期化する(ステップS712)。次いで、ドラムモータ20A,200B,200Cの通電を開始し(ステップS713)、ドラムセンサ139A,139B,139Cがオンするのを待つ(ステップS714)。なお、所定時間内にドラムセンサ139A,139B,139Cがオンしなかった場合には、所定のエラー処理を行う(ステップS791,S792)。また、ステップS714の処理および以降のステップS715〜S719までの処理は、3つのドラムモータ20A,200B,200Cのそれぞれについて独立して実行されるが、ここでは、1つの処理として示す。
【0237】
ドラムセンサ139A,139B,139Cがオンしたときに、RAM104に形成されている現在表示図柄カウンタを初期化する(ステップS715)。各ドラムに付されている各飾り図柄には、配列順に図柄番号が割り当てられている。初期化とは、ドラムセンサ139A,139B,139Cがオンしたときに、遊技者が視認できる位置にある飾り図柄(より具体的には中段に表示される飾り図柄)の図柄番号を、現在表示図柄カウンタに設定することである。なお、ドラムセンサがオンしたときに遊技者が視認できる位置にある飾り図柄を基準図柄、その図柄番号を基準図柄番号と呼ぶ。
【0238】
次に、基準図柄が表示されている状態から初期表示図柄が遊技者に視認可能な位置まで外ドラムを回転させるためにドラムモータ20A,200B,200Cに与えるステップ数を、RAM104の所定の領域にセットする(ステップS716)。そして、セットしたステップ数分ドラムモータ20A,200B,200Cが回転するまで、モータ駆動処理サブルーチンをコールする(ステップS717,S718)。セットしたステップ数分回転したら、ドラムモータ20A,200B,200Cの通電を終了する(ステップS719)。なお、初期表示図柄は、例えば大型のキャラクタ(「ドラム君」)である。
【0239】
また、第1表示制御用CPU101は、第2表示制御用CPU103が制御する内ドラムのドラムセンサ139a,139b,139cがオンしたときには、その旨を示す情報を第2表示制御用CPU103に送信する。また、所定の監視時間が経過する前に内ドラムのドラムセンサ139a,139b,139cがオンしない場合には、第1表示制御用CPU101がエラー報知等のエラー処理を行う。エラー報知は、例えば、エラー報知を指示するランプ制御コマンドをランプ制御基板に送信し、ランプ制御手段がランプ・LEDをエラー報知の態様で点滅させることによって実現される。つまり、内外二重構造のドラムを2つのマイクロコンピュータが分担して制御する場合でも、ドラムセンサについては第1のマイクロコンピュータが一括してエラー監視する。よって、ドラムセンサの監視についての処理が集約されるので、監視処理やエラー報知処理が容易になる。
【0240】
なお、この実施の形態では、表示制御手段が、遊技機への電力供給開始時に、独自に、飾り図柄表示装置11に初期表示図柄を表示させるための制御を行っているが、遊技制御手段から初期図柄を示す表示制御コマンドを受信したことに応じて、飾り図柄表示装置11に初期表示図柄を表示させるための制御を行ってもよい。
【0241】
図52は、図41に示されたメイン処理におけるモータ制御処理を示すフローチャートである。モータ制御処理において、第1表示制御用CPU101は、まず、初期化中であるか否か確認する(ステップS721)。ここでの初期化中とは、飾り図柄の変動開始時に、表示図柄を変動開始時初期表示図柄(例えば透明領域)にするための処理を実行中のことである。初期化中であれば、ステップS731に移行する。なお、変動開始時初期表示図柄が遊技者に視認されるようなドラム位置を原点位置と呼ぶ。
【0242】
初期化中でなければ、ドラム初期化要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS722)。ドラム初期化要求フラグは、変動パターンコマンド受信待ち処理において変動パターンコマンドを受信したときにセットされる(ステップS874)。ドラム初期化要求フラグがセットされていれば、ステップS729に移行する。
【0243】
ドラム初期化要求フラグがセットされていなければ、飾り図柄の変動中であるか否か確認する(ステップS723)。飾り図柄の変動中であれば、プロセスデータの内容に従ってモータ制御することの指示があるか否か確認する。なお、プロセスデータの内容に従ってモータ制御することの指示は、表示制御プロセス処理におけるステップS834,S884で設定される。プロセスデータの内容に従ってモータ制御することの指示があれば、新たなプロセスデータ(図46参照)に設定されているステップ数をRAM104の所定の領域にセットし(ステップS725)、ステップS726に移行する。プロセスデータの内容に従ってモータ制御することの指示がない場合には、直ちにステップS726に移行する。ステップS726では、モータ駆動処理サブルーチンをコールする。
【0244】
ステップS729では、初期化中であることを示す初期化中フラグをセットし(ステップS729)、現在表示図柄カウンタの値と変動開始時初期表示図柄との差に応じたステップ数を、RAM104の所定の領域にセットする(ステップS730)。
【0245】
ステップS731では、モータ駆動処理サブルーチンをコールする。セットしたステップ数分回転したら(ステップS732)、初期化中フラグをリセットする(ステップS733)。
【0246】
ステップS729〜S733の処理によって、飾り図柄の変動開始時に、外ドラムは、変動開始時初期表示図柄として透明領域である無効領域(図13に示す無効領域1,2のいずれか)が遊技者に視認されるような位置、すなわち、原点位置で停止する。
【0247】
なお、ドラムセンサがオンしたときに遊技者が視認できる位置にある基準図柄が、無効領域に相当している場合には、ステップS730の処理を実行せず、また、ステップS732の判定に代えてドラムセンサがオンしたか否かを判定することによって、変動開始時初期表示図柄が表示されたことを判定することができる。
【0248】
また、ステップS729〜S733ではドラムセンサの検出信号を使用せず、前回の変動終了時の現在表示図柄カウンタの値を用いたが、ドラムセンサの検出信号を使用して外ドラムを原点位置で停止させるようにしてもよい。その場合には、ステップS730の処理を行う前に、初期化処理で実行したステップS714,S715と同様の処理が実行される。
【0249】
この実施の形態では、ドラムモータ200A,200B,200Cの駆動方式として1−2相励磁方式が用いられる。従って、基準励磁パターンを含む8種類の励磁パターンデータが繰り返しドラムモータ200A,200B,200Cに出力される。また、この例では、3つの外ドラムのそれぞれは、120ステップ(1図柄あたり12ステップ)の励磁パターンが与えられると1回転する。従って、1回転するうちに、120/8=30の基準励磁パターンが各ドラムモータ200A,200B,200Cに与えられる。また、第1表示制御用CPU101は、12ステップの励磁パターンが出力されると、1図柄分(1コマ分)回転したと認識することができる。
【0250】
表示制御手段のRAM104には、例えば、左中右ドラムの現在表示図柄(中段に表示される図柄)の図柄番号が設定される現在表示図柄カウンタが用意される。そして、モータ駆動処理サブルーチンにおいて、12ステップの励磁パターンが出力されると、現在表示図柄カウンタの値が+1される。また、ドラムセンサ139A,139B,139Cの検出信号がオンした時点で、現在表示図柄カウンタに基準図柄番号が設定される。すなわち、初期化される。そして、12ステップの励磁パターンが出力される毎に、現在表示図柄カウンタの値が1図柄分ずつ更新される。
【0251】
図55は、モータ駆動処理サブルーチンを示すフローチャートである。モータ駆動処理サブルーチンにおいて、第1表示制御用CPU101は、速度に応じたタイミングで、指令信号として励磁パターンを示す信号を、モータ駆動回路176に出力する(ステップS741)。速度に応じたタイミングとは、プロセスデータ(図46参照)に設定されている速度に応じたタイミングであり、例えば、速度としてパルス周波数100Hzが設定されていたら、10ms毎に到来するタイミングである。その場合、10ms毎に、次の励磁パターンを示す信号を出力する。モータ駆動回路176は、励磁パターンを示す信号を増幅して、駆動信号としてドラムモータ200A,200B,200Cに出力する。そして、12ステップの励磁パターンを出力すると、現在表示図柄カウンタの値を+1する(ステップS741,S742)。なお、現在表示図柄カウンタの値が配列の最後の図柄の図柄番号を越えたら、配列の最初の図柄の図柄番号を現在表示図柄カウンタに設定する。
【0252】
なお、ステップS741〜S746の処理は3つの外ドラムのそれぞれについて独立して実行されるが、ここでは、1つの処理として示す。また、ステップS744の処理は、外ドラムのドラムセンサ139A,139B,139Cについてだけではなく、内ドラムのドラムセンサ139a,139b,139cについても実行される。そして、ドラムセンサ139a,139b,139cの検出信号がオンしたら、センサONコマンド出力要求をセットする(ステップS744,S745)。
【0253】
また、ドラムセンサ139A,139B,139Cの検出信号がオンしたら、現在表示図柄カウンタに基準図柄番号を設定する(ステップS746)。
【0254】
図56は、図41に示されたメイン処理におけるランプ制御コマンド出力処理を示すフローチャートである。ランプ制御コマンド出力処理において、第1表示制御用CPU101は、遊技制御手段から表示制御コマンドを受信したことを確認したら(ステップS751)、表示制御コマンドデータ(この例では2バイトのデータ)を、ランプ制御コマンドとしてランプ制御基板35に送信する(ステップS752)。また、予告実行フラグ(連続予告実行フラグまたは通常予告実行フラグ)がセットされていたら(ステップS753)、予告態様を示すランプ制御コマンドとしてランプ制御基板35に送信する(ステップS754)。なお、連続予告実行フラグまたは通常予告実行フラグは、表示制御プロセス処理の予告選択処理でセットされる。
【0255】
以上のような処理によって、遊技制御手段からの遊技状態を示す情報がランプ制御手段にも伝達される。また、表示制御手段が独自に決定した遊技制御に関わる情報もランプ制御手段に伝達される。従って、ランプ制御手段は、表示制御手段による飾り図柄の変動制御と同期したランプ・LED制御を実行することができる。
【0256】
なお、ランプ制御手段は、ランプ制御コマンドを受信したら、そのコマンドが示す情報を音制御コマンドとして音制御基板70に送信する。従って、音制御手段は、表示制御手段による飾り図柄の変動制御およびランプ制御手段によるランプ・LED制御と同期した音出力制御を実行することができる。
【0257】
また、表示制御手段は、予告態様を示すランプ制御コマンドだけでなく、他にも独自に決定した遊技制御に関わる情報があれば、その情報もランプ制御コマンドとしてランプ制御手段に伝達する。
【0258】
図57および図58は、図41に示されたメイン処理における第2CPU通信処理を示すフローチャートである。第2CPU通信処理において、第1表示制御用CPU101は、遊技制御手段から表示制御コマンドを受信したことを確認したら(ステップS761)、表示制御コマンドデータを送信データに設定し(ステップS762)、ステップS769に移行する。なお、送信データは、RAM104内の領域である。また、予告実行フラグ(連続予告実行フラグまたは通常予告実行フラグ)がセットされていたら(ステップS763)、予告態様を示すデータを送信データに設定し(ステップS764)、ステップS769に移行する。さらに、センサONコマンド出力要求がセットされていたら(ステップS765)、内ドラムのドラムセンサのオンを示すデータを送信データに設定し(ステップS766)、ステップS769に移行する。また、変動パターン・停止図柄コマンド送信要求フラグがセットされていたら(ステップS767)、飾り図柄の変動パターンおよび停止図柄を示すデータを送信データに設定する(ステップS768)。なお、ステップS768の処理では1つの送信データが送信されることになるが、実際には、飾り図柄の変動パターンおよび停止図柄を示すデータとして、複数のデータが送信される。
【0259】
ステップS769では、送信データの内容を出力ポートを介して第2表示制御用CPU103に対して出力する。そして、第2表示制御用CPU103からの応答データを受信したら処理を終了する(ステップS770)。なお、所定時間内に応答データを受信しなかった場合には、所定のエラー処理を行うことが好ましい。
【0260】
以上、第1表示制御用CPU101の動作を説明したが、第2表示制御用CPU103も、第1表示制御用CPU101と同様の動作を行う。ただし、第1表示制御用CPU101が外ドラムに関する制御を行うのに対して、第2表示制御用CPU103は内ドラムの制御を行うので、主として、以下のような相違がある。
【0261】
表示制御コマンドを遊技制御手段から受信するのではなく、表示制御コマンドに応じた情報を第1表示制御用CPU101から受ける点が異なる。従って、第1表示制御用CPU101は受信した表示制御コマンドにもとづいて表示制御(具体的には外ドラムの駆動制御)を実行するのに対して、第2表示制御用CPU103は、第1表示制御用CPU101から受信した情報にもとづいて表示制御(具体的には内ドラムの駆動制御)を実行する。
【0262】
第2表示制御用CPU103は、飾り図柄の変動パターン、飾り図柄の停止図柄および予告演出に関わる決定を行う必要はなく、第1表示制御用CPU101から、飾り図柄の変動パターン、飾り図柄の停止図柄および予告態様等の予告演出に関わる情報を受け、その情報にもとづいてプロセステーブルの選択等を行う。
【0263】
第2表示制御用CPU103は、ドラムセンサの検出信号を入力ポートを介して入力するのではなく、第1表示制御用CPU101を介して入力する。従って、第1表示制御用CPU101から受信したドラムセンサの検出信号に関するデータにもとづいて、内ドラムの位置の初期化や現在表示図柄カウンタの初期化を行う。例えば、第2表示制御用CPU101も、内ドラムについて図51に示された処理を実行するのであるが、ステップS714の処理において、第1表示制御用CPU101から受信したデータによって、ドラムセンサがオンしたか否かの判定を行う。
【0264】
第2表示制御用CPU103は、第1表示制御用CPU101とは異なり、ランプ制御コマンド出力処理を実行する必要はない。
【0265】
第1表示制御用CPU101はドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cの制御を実行しないが、第2表示制御用CPU103はドラム装飾用LED151A,152A,151B,152B,151C,152Cの制御を実行する。
【0266】
上に例示したような違いはあるが、第2表示制御用CPU103も、第1表示制御用CPU101と同様に変動パターンを決定したり、決定した変動パターンに応じたプロセステーブルを用いて内ドラムの回転を制御したりすることができる。また、この実施の形態では、第1表示制御用CPU101と第2表示制御用CPU103とは同じ型番(同じ種類)のCPUである。
【0267】
さらに、ドラムモータ200A,200B,200C,200a,200b,200cは同じ種類のステッピングモータである。従って、モータ駆動回路176からの1回の駆動信号出力に対する外ドラムの回転量は、モータ駆動回路177からの1回の駆動信号出力に対する内ドラムの回転量と同じである。つまり、モータに与えるステップ数と回転量の関係は、外ドラムのドラムモータ200A,200B,200Cと内ドラムのドラムモータ200a,200b,200cとで同じである。よって、第1表示制御用CPU101によるモータ駆動処理と、第2表示制御用CPU103によるモータ駆動処理とを同じにすることができる。
【0268】
以上のことから、第1表示制御用CPU101が実行するプログラムと第2表示制御用CPU103が実行するプログラムとの大部分を共通化することができる。その結果、内外二重構造のドラムによる飾り図柄表示装置11を用いても、プログラムの設計に要する負担を増加させない。
【0269】
ここで、第2のマイクロコンピュータにおけるプロセステーブルの構成について説明しておく。図30に示された変動パターンを例にすると、内左ドラムに対応したプロセステーブルには、順方向回転で開店させる時間を示すプロセスタイマと、順方向回転時の速度を示すデータと、その速度で回転させるステップ数を示すデータとが設定される。また、内中ドラムに対応したプロセステーブルには、順方向回転で開店させる時間を示すプロセスタイマと、順方向回転時の速度を示すデータと、その速度で回転させるステップ数を示すデータとが設定され、次に、一旦停止期間時間を示すプロセスタイマと、速度0を示すデータと、ダミーのステップ数データとが設定される。さらに、順方向低速回転で開店させる時間を示すプロセスタイマと、順方向低速回転時の速度を示すデータと、その速度で回転させるステップ数を示すデータとが設定される。そして、内右ドラムに対応したプロセステーブルには、順方向回転で開店させる時間を示すプロセスタイマと、順方向回転時の速度を示すデータと、その速度で回転させるステップ数を示すデータとが設定される。
【0270】
第2のマイクロコンピュータにおいても、第1のマイクロコンピュータと同様に、各変動パターンおよび停止時の表示図柄に応じたプロセステーブルが用意されている。また、同じ変動パターンおよび同じ停止図柄であっても、予告する/しないに応じて、かつ、予告の態様に違いに応じて、異なるプロセステーブルを用意されている。
【0271】
第2表示制御用CPU103は、遊技制御手段からの表示制御コマンドが指令した情報を第1表示制御用CPU101を介して受信するとともに、第1表示制御用CPU101が決定した内容(飾り図柄の変動パターン、飾り図柄の停止図柄および予告演出に関わる情報)を示すデータを受信するので、第1表示制御用CPU101の場合と同様に、使用される飾り図柄の変動パターン、飾り図柄の停止図柄および予告演出に対応したプロセステーブルを選択することができ、選択したプロセステーブルにもとづいて内ドラムの駆動制御を行うことができる。従って、2つのマイクロコンピュータで二重構造のドラム駆動制御を行う場合でも、外ドラムと内ドラムとを同期させた表示制御を実現することができる。
【0272】
なお、上記の実施の形態では、第1面としての外ドラムに、無効領域が設けられている場合について説明したが、第2面としての内ドラムに無効領域が設けられていてもよい。そして、例えば、可変表示の開始時に、内ドラムの無効領域を遊技者に視認させるようなドラムの位置の初期化処理を実行してもよい。
【0273】
また、上記の実施の形態では、可変表示部材として、表面に図柄が付され回転するドラムを例にしたが、第1面として透明領域、遮蔽領域および図柄領域を有するベルトを用い、第2面として図柄領域を有するベルトを用いてもよい。そのような構成では、ベルトを移動させることによって可変表示を実現することができる。
【0274】
また、上記の実施の形態では、可変表示手段として、ドラム等の可変表示部材を用いて図柄の可変表示を行う飾り図柄表示装置11を例にしたが、画像を表示する液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)等からなる画像表示装置(可変表示装置)を用いてもよい。この場合も、画像表示装置が、透明領域、遮蔽領域(キャラクタを表示する領域)および図柄領域(第1の識別情報としての図柄を表示する領域)を有する第1面と、第1面の裏面に位置し、第2の識別情報としての図柄を表示し、第1面における透明領域を介して遊技者が第2の識別情報としての図柄を視認可能な第2面とを表示することにより、2重ドラムと同様の視覚的効果を実現することができる。
【0275】
さらに、上記の実施の形態では、外ドラムと内ドラムとで共動してリーチを成立させたり大当りの図柄を表示させたりする例として、図柄単位(コマ単位)で外ドラムと内ドラムとが共動する場合を例にしたが、例えば、1図柄の一部を内ドラムにより表示し、その図柄他部を外ドラムで表示するようにしてもよい。その場合、外ドラムにおいて、内ドラムにより表示される図柄部分に対応する領域は透明領域である。なお、このように表示してよいことは、リーチや大当りの場合に限られず、はずれとなる図柄を停止表示する場合に用いてもよい。
【0276】
また、上記の実施の形態では、第1のマイクロコンピュータが、遊技制御手段から表示制御コマンドを受信するとともにランプ制御コマンドをランプ制御手段に送信し、かつ、外ドラムの駆動制御およびドラムセンサの検出処理を実行し、第2のマイクロコンピュータが、内ドラムの駆動制御およびドラム装飾用LEDの点灯制御を実行する構成であったが、そのような役割分担は一例であって、コマンドの送受信、ドラムの駆動制御およびドラム装飾用LEDの点灯制御等に関して、第1のマイクロコンピュータと第2のマイクロコンピュータとで、どのように役割分担させてもよい。
【0277】
また、上記の実施の形態では、表示制御手段は、第1のマイクロコンピュータと第2のマイクロコンピュータとで実現されていたが、1つのマイクロコンピュータで実現されていてもよい。
【0278】
また、上記の実施の形態によれば、下記のような遊技機も実現される。
【0279】
遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば飾り図柄)を可変表示可能な可変表示手段(例えば飾り図柄表示装置11)を備えた遊技機であって、可変表示手段が、第1の識別情報(例えば外ドラムに付された飾り図柄)が表面に配された回動(例えばドラムの回転やベルトの移動)可能な第1の可変表示部材(例えば外ドラム)と、第1の可変表示部材の内側に配置され、第2の識別情報(例えば内ドラムに付された飾り図柄)が表面に配された回動可能な第2の可変表示部材(例えば内ドラム)とを含み、第1の可変表示部材を回動させる第1の駆動手段(例えば回転モータ200A,200B,200C)と、第2の可変表示部材を回動させる第2の駆動手段例えば回転モータ200a,200b,200c)と、第1の可変表示部材を回動させるための駆動信号を生成して第1の駆動手段に出力する第1の駆動回路(例えばモータ駆動回路176)と、第2の可変表示部材を回動させるための駆動信号を生成して第2の駆動手段に出力する第2の駆動回路(例えばモータ駆動回路177)と、第1の可変表示部材を制御するために、第1の可変表示部材を回動させるための指令信号を第1の駆動回路に与える第1のマイクロコンピュータ(例えば第1表示制御用CPU101を含むマイクロコンピュータ)と、第2の可変表示部材を制御するために、第2の可変表示部材を回動させるための指令信号を第2の駆動回路に与える第2のマイクロコンピュータ(例えば第2表示制御用CPU103を含むマイクロコンピュータ)とを備えたことを特徴とする遊技機。このような構成によれば、第1の可変表示部材と第2の可変表示部材とを並列に制御することができ、第1の可変表示部材と第2の可変表示部材の駆動誤差を低減できる。
【0280】
第1の駆動回路からの1回の駆動信号出力に対する第1の可変表示部材の回動量は、第2の駆動回路からの1回の駆動信号出力に対する第2の可変表示部材の回動量と同じである(例えば、回転モータ200A,200B,200Cに与えるステップ数と回転量の関係は、回転モータ200a,200b,200cに与えるステップ数と回転量の関係と同じ)遊技機。このような構成によれば、第1の可変表示部材の回動と第2の可変表示部材の回動とを厳密に同期させることが容易になる。また、第1のマイクロコンピュータの駆動回路制御のためのプログラムと第2のマイクロコンピュータの駆動回路制御のためのプログラムとを共通化することも容易である。
【0281】
第1のマイクロコンピュータと第2のマイクロコンピュータが、同一種類(例えば同一品名)のマイクロコンピュータである遊技機。このような構成によれば、駆動回路制御のためのプログラムやデータを共通化することが容易になる。
【0282】
第1の可変表示部材の基準位置を検出するための第1の位置検出手段(例えばドラムセンサ139A,139B,139C)と、第2の可変表示部材の基準位置を検出するための第2の位置検出手段(例えばドラムセンサ139a,139b,139c)とを備え、第1の位置検出手段の出力信号と第2の位置検出手段の出力信号とは、第1のマイクロコンピュータと第2のマイクロコンピュータとのうちのいずれか一方のマイクロコンピュータ(例えば第1表示制御用CPU101)に入力され、一方のマイクロコンピュータが、第1の可変表示部材と第2の可変表示部材とのうちで自身が制御する方の可変表示部材(例えば外ドラム)に対応する出力信号にもとづいて該可変表示部材を回動させるための指令信号を出力する(例えば、ステップS714〜S717の処理)とともに、自身が制御しない方の可変表示部材に対応する出力信号にもとづいて他方のマイクロコンピュータに同期信号(例えばセンサONを示すデータ)を送信し(例えばステップS765,S766,S769,S770の処理を実行)、他方のマイクロコンピュータ(例えば第2表示制御用CPU103)は、同期信号にもとづいて自身が制御する方の可変表示部材(例えば内ドラム)を回動させるための指令信号を出力するように構成された遊技機。このような構成によれば、一方のマイクロコンピュータが、出力信号にもとづいて双方の可変表示部材の動作状況を把握することができ、第1の可変表示部材の回動と第2の可変表示部材の回動を同期させた制御をより実行しやすくなる。
【0283】
識別情報の表示結果の組合せが特定の組合せ(例えば同一ラインで飾り図柄が揃う)になったときに遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能であり、第1の可変表示部材と第2の可変表示部材とのうちの少なくとも一方(例えば外ドラム)は、特定の組合せを構成する識別情報が配されていない無効領域(例えば外ドラムにおける無効領域)が表面に設けられ、第1のマイクロコンピュータと第2のマイクロコンピュータとのうちの無効領域が設けられた可変表示部材を制御するマイクロコンピュータ(例えば第1表示制御用CPU101)が、識別情報の可変表示の開始時に、遊技者が無効領域を視認可能な位置に該可変表示部材を位置させるための初期制御処理を実行する(例えばステップS876,S729〜S733の処理を実行)ように構成された遊技機。このような構成によれば、可変表示部材の停止位置ずれ等に起因して可変表示結果が特定の表示結果になってしまうような不都合を生じさせないようにすることができる。
【0284】
遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能であり、特定遊技状態に制御するか否かを決定する事前決定手段(例えば遊技制御手段におけるステップS57,S58を実行する部分)を備え、第1の可変表示部材の表面に、キャラクタ情報(例えばキャラクタA,B)を表示するキャラクタ領域が設けられ、第1のマイクロコンピュータが、キャラクタ情報を遊技者に視認可能に表示させることによって、事前決定手段により特定遊技状態に制御することが決定されたことを報知する予告表示制御(例えばステップS811〜S814,S817〜S819)を実行するように構成された遊技機。このような構成によれば、二重構造の可変表示手段における外側の第1の可変表示部材を用いた演出をより多様化することができ、遊技の興趣をさらに増進させることができる。
【0285】
第2の可変表示部材を遮蔽する遮蔽領域(例えば外ドラムにおける大型のキャラクタが付された部分)が第1の可変表示部材の表面に設けられ、第2のマイクロコンピュータが、第2の可変表示部材における識別情報の可変表示を一旦停止させた後、第1のマイクロコンピュータの制御にもとづいて遮蔽領域により第2の可変表示部材が遮蔽された状態で、第2の可変表示部材における識別情報の可変表示を再度開始させる再可変表示制御を実行する(例えば第1,第2のマイクロコンピュータが、図32に示すスーパーリーチ(図柄そろえ)に対応したプロセステーブルを用いてドラム駆動制御を実行する)ように構成された遊技機。このような構成によれば、二重構造の可変表示手段における外側の第1の可変表示部材を用いた演出をより多様化することができ、遊技の興趣をさらに増進させることができる。
【0286】
第1の可変表示部材(例えば外ドラム)および第2の可変表示部材(例えば内ドラム)はそれぞれ複数設けられ(例えば、外左ドラム、外中ドラム、外右ドラム、内左ドラム、内中ドラム、内右ドラム)、第1のマイクロコンピュータが複数の第1の可変表示部材の各々を等速度で回動させる制御を実行するとともに、第2のマイクロコンピュータが複数の第2の可変表示部材の各々を等速度(第1の可変表示部材の回動速度と異なっていてもよいし同じでもよい。)で回動させる制御を実行する(例えば第1,第2のマイクロコンピュータが、図30〜図37に示す変動パターンに対応したプロセステーブルを用いてドラム駆動制御を実行する)ように構成された遊技機。このような構成によれば、広い領域において、かつ、遊技者の視線方向において二重で、識別情報の可変表示の演出を実行することによって、遊技の興趣を一層増進させることができる。
【0287】
可変表示部材を回動させる駆動手段(例えば回転モータ200A,200B,200C,200a,200b,200c)をさらに備え、無効領域が設けられた可変表示部材においては駆動手段の原点位置に対応して遊技者が無効領域を視認可能な位置が定められ、初期化手段が、駆動手段を原点位置まで駆動することによって初期制御処理を実行する(例えばステップS876,S729〜S733の処理を実行する)ように構成された遊技機。このような構成によれば、第1の可変表示部材と第2の可変表示部材との駆動誤差に起因する制御不良の発生を低減する処理を容易に実行することができる。
【0288】
無効領域が、識別情報その他の絵柄情報(例えば図柄およびキャラクタ情報)が配されていない領域である遊技機。このような構成によれば、可変表示部材が初期位置に位置したときに、遊技者に紛らわしい情報を視認させないようにすることができる。
【0289】
無効領域は、例えば、第1の可変表示部材に設けられ、遊技者が無効領域を介して第2の可変表示部材の表面を視認可能な透明領域として形成されている遊技機。このような構成によれば、第1の可変表示部材を初期位置に位置させた状態で、第2の可変表示部材の表面に配されている識別情報によって可変表示演出を行うことができる。
【0290】
遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能であり、特定遊技状態に制御するか否かを決定する事前決定手段(例えば遊技制御手段におけるステップS57,S58を実行する部分)を備え、第1の可変表示部材の表面に、キャラクタ情報を表示するキャラクタ領域(例えばキャラクタA,B)が設けられ、キャラクタ情報を遊技者に視認可能に表示させることによって、事前決定手段により特定遊技状態に制御することが決定されたことを報知する予告表示制御手段(例えば表示制御手段におけるステップS811〜S814,S817〜S819)を備え、無効領域(例えば図13に示す無効領域1)が、キャラクタ領域に隣接して設けられているように構成され遊技機。このような構成によれば、第2の可変表示部材の表面に配されている識別情報によって可変表示演出を行っている状態から短時間で予告表示制御のためのキャラクタ情報を視認させることができる。
【0291】
第2の可変表示部材を遮蔽する遮蔽領域(例えば外ドラムにおける大型のキャラクタが付された部分)が第1の可変表示部材の表面に設けられ、第2のマイクロコンピュータが、第2の可変表示部材における識別情報の可変表示が一旦停止させた後、第1のマイクロコンピュータの制御にもとづいて遮蔽領域により第2の可変表示部材が遮蔽された状態で、第2の可変表示部材における識別情報の可変表示を再度開始させる再可変表示制御を実行する再可変表示制御手段(例えば表示制御手段における図32に示すスーパーリーチ(図柄そろえ)に対応したプロセステーブルを用いてドラム駆動制御を実行する部分)を備えた遊技機。このような構成によれば、二重構造の可変表示手段における外側の第1の可変表示部材を用いた演出をより多様化することができ、遊技の興趣をさらに増進させることができる。
【0292】
第1の可変表示部材(例えば外ドラム)および第2の可変表示部材(例えば内ドラム)はそれぞれ複数設けられ(例えば、外左ドラム、外中ドラム、外右ドラム、内左ドラム、内中ドラム、内右ドラム)、複数の第1の可変表示部材の各々を等速度で回動させる制御を実行するとともに、複数の第2の可変表示部材の各々を等速度(第1の可変表示部材の回動速度と異なっていてもよいし同じでもよい。)で回動させる制御を実行する可変表示制御手段(例えば表示制御手段における図30〜図37に示す変動パターンに対応したプロセステーブルを用いてドラム駆動制御を実行する部分)を備えた遊技機。このような構成によれば、広い領域において、かつ、遊技者の視線方向において二重で、識別情報の可変表示の演出を実行することによって、遊技の興趣を一層増進させることができる。
【0293】
また、上記の実施の形態によれば、下記のような遊技機における演出制御方法も実現される。
【0294】
遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば飾り図柄)を可変表示可能な複数の可変表示部(例えば外左ドラム、外中ドラム、外右ドラム、内左ドラム、内中ドラム、内右ドラム)を有する可変表示手段(例えば飾り図柄表示装置11)を備え、表示結果として識別情報の組合せが所定の有効ライン上にて特定の表示結果(例えば有効ラインで飾り図柄が揃う)になったときに遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能であり、可変表示手段は、可変表示部として、透明領域を有し第1の識別情報(例えば外ドラムに付された図柄)を表示する第1面(例えば外ドラム)と、第1面の裏面に位置し第2の識別情報(例えば内ドラムに付された図柄)を表示し第1面における透明領域を介して遊技者が第2の識別情報を視認可能な第2面(例えば内ドラム)との二重構造である遊技機における演出制御方法であって、あらかじめ定められている可変表示の実行条件(例えば、遊技領域に設けられた始動入賞領域への入賞)が成立したときに、所定の数値範囲で更新されている、可変表示に関わる決定に用いられる数値データ(例えば乱数値)を抽出するステップ(例えば、ステップS113における乱数を抽出する処理)と、抽出した数値データを格納するステップ(例えば、ステップS113における乱数をRAM55に設けられている始動記憶数に応じた保存領域に格納する処理)と、格納した数値データが所定の判定値(例えば大当り判定値)と合致するか否かに応じて識別情報の表示結果を特定の表示結果とするか否かの判定を行うステップ(例えばステップS208,S209)と、数値データが所定の判定値に合致していると判定したとき(例えばステップS209のY)に、当該合致していると判定された数値データにもとづく可変表示の停止以前に実行される複数回の可変表示に亘って、識別情報の表示結果を特定の表示結果とすることを報知する予告表示制御(例えば連続予告演出)を実行させるか否かを決定するステップ(例えばステップS216,S217)と、予告表示制御を実行する旨の決定がされたとき(例えばステップS217のY)、複数回の可変表示に亘って実行する予告表示制御として、第1面における第1の識別情報の可変表示動作と第2面における第2の識別情報の可変表示動作とで、交互に、リーチ演出を可変表示手段に実行させる(例えば図32に示す飾り図柄の変動)ステップ(例えば、連続予告として使用されるスーパーリーチ(交互リーチ)に対応したプロセステーブルを用いてドラム駆動制御する部分:ステップS881およびモータ制御処理)とを備えたことを特徴とする遊技機の演出制御方法。このような構成によれば、予告表示制御の可変表示がなされている期間中に第1面における可変表示と第2面における可変表示とを共動させて演出を行うことができ、遊技の興趣を増進させることができるとともに、遊技者に特定遊技状態の発生に対する期待をより一層抱かせることができる。
【0295】
また、上記の実施の形態によれば、下記のような遊技機における遊技演出プログラムも実現される。
【0296】
本発明による遊技演出プログラムは、遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば飾り図柄)を可変表示可能な複数の可変表示部(例えば外左ドラム、外中ドラム、外右ドラム、内左ドラム、内中ドラム、内右ドラム)を有する可変表示手段(例えば飾り図柄表示装置11)を備え、表示結果として識別情報の組合せが所定の有効ライン上にて特定の表示結果(例えば有効ラインで飾り図柄が揃う)になったときに遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能であり、可変表示手段は、可変表示部として、透明領域を有し第1の識別情報(例えば外ドラムに付された図柄)を表示する第1面(例えば外ドラム)と、第1面の裏面に位置し第2の識別情報(例えば内ドラムに付された図柄)を表示し第1面における透明領域を介して遊技者が第2の識別情報を視認可能な第2面(例えば内ドラム)との二重構造である遊技機における遊技演出プログラムであって、遊技機に搭載されたコンピュータに、あらかじめ定められている可変表示の実行条件(例えば、遊技領域に設けられた始動入賞領域への入賞)が成立したときに、所定の数値範囲で更新されている、可変表示に関わる決定に用いられる数値データ(例えば乱数値)を抽出する処理(例えば、ステップS113における乱数を抽出する処理)と、抽出した数値データを格納する処理(例えば、ステップS113における乱数をRAM55に設けられている始動記憶数に応じた保存領域に格納する処理)と、格納した数値データが所定の判定値(例えば大当り判定値)と合致するか否かに応じて識別情報の表示結果を特定の表示結果とするか否かの判定を行う処理(例えばステップS208,S209)と、数値データが所定の判定値に合致していると判定したとき(例えばステップS209のY)に、当該合致していると判定された数値データにもとづく可変表示の停止以前に実行される複数回の可変表示に亘って、識別情報の表示結果を特定の表示結果とすることを報知する予告表示制御(例えば連続予告演出)を実行させるか否かを決定する処理(例えばステップS216,S217)と、予告表示制御を実行する旨の決定がされたとき(例えばステップS217のY)、複数回の可変表示に亘って実行する予告表示制御として、第1面における第1の識別情報の可変表示動作と第2面における第2の識別情報の可変表示動作とで、交互に、リーチ演出を可変表示手段に実行させる(例えば図32に示す飾り図柄の変動)処理(例えば、連続予告として使用されるスーパーリーチ(交互リーチ)に対応したプロセステーブルを用いてドラム駆動制御する部分:ステップS881およびモータ制御処理)とを実行させることを特徴とする遊技演出プログラム。このような構成によれば、予告表示制御の可変表示がなされている期間中に第1面における可変表示と第2面における可変表示とを共動させて演出を行うことができ、遊技の興趣を増進させることができるとともに、遊技者に特定遊技状態の発生に対する期待をより一層抱かせることができる。
【0297】
また、上記の実施の形態のパチンコ遊技機1は、始動入賞にもとづいて特別図柄表示器9に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種パチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第2種パチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する第3種パチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技媒体が遊技球であるパチンコ遊技機に限られず、スロット機等においても本発明を適用することができる。
【0298】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明では、遊技機を、表示制御手段が、予告決定手段により予告表示制御を実行する旨の決定がされたとき、複数回の可変表示に亘って実行する予告表示制御として、遊技者が視認不能な位置において、特定の表示結果としての識別情報の組合せを構成する識別情報を増加させるために、視認可能な位置に移動表示させたときに第1の識別情報と第2の識別情報との組合せにより特定の表示結果としての識別情報の組合せの一部を構成する有効ライン上となる位置に、所定の識別情報の位置を揃える位置揃え準備制御を行う予告表示制御手段を含む構成にしたので、予告表示制御の可変表示中において、特定の表示結果を突然遊技者に対して視認させることができ、遊技の興趣を増進させることができるとともに、遊技者に特定遊技状態の発生に対する期待をより一層抱かせることができる。
【0299】
請求項2記載の発明では、遊技機を、表示制御手段が、予告決定手段により予告表示制御を実行する旨の決定がされたとき、複数回の可変表示に亘って実行する予告表示制御として、第1面における第1の識別情報の可変表示動作と第2面における第2の識別情報の可変表示動作とで、交互に、リーチ演出を可変表示手段に実行させる予告表示制御手段を含む構成にしたので、予告表示制御の可変表示がなされている期間中に第1面における可変表示と第2面における可変表示とを共動させて演出を行うことができ、遊技の興趣を増進させることができるとともに、遊技者に特定遊技状態の発生に対する期待をより一層抱かせることができる。
【0300】
請求項3記載の発明では、予告表示制御手段が、位置揃え準備制御を繰り返し行う制御を実行するように構成されているので、遊技者の期待感を持続させることができる。
【0301】
請求項4記載の発明では、可変表示手段が、外面より視認可能に第1面の第1の識別情報が配された回動可能な第1の可変表示部材と、第1の可変表示部材の内側に配置され、第2面の第2の識別情報が表面に配された回動可能な第2の可変表示部材とを含むように構成されているので、回動可能な部材で構成された可変表示手段を用いた場合であっても、予告表示制御の可変表示がなされている期間中に第1面における可変表示と第2面における可変表示とを共動させて演出を行うことができ、遊技の興趣を増進させることができるとともに、遊技者に特定遊技状態の発生に対する期待を抱かせることができる。
【0302】
請求項5記載の発明では、予告表示制御手段が、第1面および第2面において全ての可変表示部にて同時に識別情報を可変表示させるように構成されているので、広い領域において、かつ、遊技者の視線方向において二重で、予告表示制御の可変表示の演出を実行することによって、遊技の興趣を一層増進させることができる。
【0303】
請求項6記載の発明では、可変表示手段がキャラクタ情報を第1面で表示可能であり、予告表示制御手段が、予告表示制御として、キャラクタ情報を遊技者に視認可能に表示させるように構成されているので、二重構造の可変表示手段の第1面を用いた予告表示制御の演出をより多様化することができ、遊技の興趣をさらに増進させることができる。
【0304】
請求項7記載の発明では、予告表示制御手段が、第2面における識別情報の可変表示が一旦停止した後、遮蔽領域が第2面を遮蔽した状態で第2面における識別情報の可変表示を再度開始させるように構成されているので、二重構造の可変表示手段の第1面を用いた予告表示制御の演出をより多様化することができ、遊技の興趣をさらに増進させることができる。
【0305】
請求項8記載の発明では、遊技機における演出制御方法を、予告表示制御を実行する旨の決定がされたとき、複数回の可変表示に亘って実行する予告表示制御として、遊技者が視認不能な位置において、特定の表示結果としての識別情報の組合せを構成する識別情報を増加させるために、視認可能な位置に移動表示させたときに第1の識別情報と第2の識別情報との組合せにより特定の表示結果としての識別情報の組合せの一部を構成する有効ライン上となる位置に、所定の識別情報の位置を揃える位置揃え準備制御を行うステップを備えた構成にしたので、予告表示制御の可変表示がなされている期間中に第1面における可変表示と第2面における可変表示とを共動させる演出を実現することができ、遊技の興趣を増進させることができるとともに、遊技者に特定遊技状態の発生に対する期待をより一層抱かせることができる。
【0306】
請求項9記載の発明では、遊技機における遊技演出プログラムを、予告表示制御を実行する旨の決定がされたとき、複数回の可変表示に亘って実行する予告表示制御として、遊技者が視認不能な位置において、特定の表示結果としての識別情報の組合せを構成する識別情報を増加させるために、視認可能な位置に移動表示させたときに第1の識別情報と第2の識別情報との組合せにより特定の表示結果としての識別情報の組合せの一部を構成する有効ライン上となる位置に、所定の識別情報の位置を揃える位置揃え準備制御を行う処理を実行させる構成にしたので、予告表示制御の可変表示がなされている期間中に第1面における可変表示と第2面における可変表示とを共動させる演出を実現することができ、遊技の興趣を増進させることができるとともに、遊技者に特定遊技状態の発生に対する期待をより一層抱かせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
【図2】ガラス扉枠を取り外した状態での遊技盤の前面を示す正面図である。
【図3】飾り図柄表示装置の回転ドラム機構の構造を示す分解斜視図である。
【図4】中ドラムユニットの構造を示す分解斜視図である。
【図5】(A)はドラム装飾用LEDとして使用されるフルカラーLEDの外観を示す説明図、(B)はフルカラーLEDの回路構成を示す回路図である。
【図6】遊技制御基板(主基板)の回路構成例を示すブロック図である。
【図7】図柄制御基板内の回路構成例を示すブロック図である。
【図8】主基板におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図9】2msタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図10】各乱数を示す説明図である。
【図11】特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである
【図12】始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
【図13】飾り図柄の一例を示す説明図である。
【図14】特別図柄および飾り図柄の変動時間と飾り図柄の変動パターンとを示す説明図である。
【図15】特別図柄通常処理を示すフローチャートである。
【図16】大当り判定テーブル、リーチ判定テーブルおよび予告判定テーブルの一例を示す説明図である。
【図17】予告設定処理を示すフローチャートである。
【図18】予告設定処理を示すフローチャートである。
【図19】大当り判定モジュールを示すフローチャートである。
【図20】リーチ判定モジュールを示すフローチャートである。
【図21】特別図柄停止図柄設定処理を示すフローチャートである。
【図22】記憶処理を示すフローチャートである。
【図23】表示制御コマンドの信号線を示す説明図である。
【図24】制御コマンドを構成する8ビットの制御信号とINT信号との関係を示すタイミング図である。
【図25】表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
【図26】予告演出の例を示す説明図である。
【図27】通常変動を示すタイミング図である。
【図28】ノーマルリーチ変動を示すタイミング図である。
【図29】ロングリーチ変動を示すタイミング図である。
【図30】スーパーリーチ変動を示すタイミング図である。
【図31】スーパーリーチ(交互リーチ)変動を示すタイミング図である。
【図32】スーパーリーチ(図柄そろえ)変動を示すタイミング図である。
【図33】地震変動を示すタイミング図である。
【図34】外ドラムと内ドラムとを共動させてリーチ状態とする例を示すタイミング図である。
【図35】連続予告Aを伴うスーパーリーチ変動を示すタイミング図である。
【図36】連続予告Bを伴うスーパーリーチ変動を示すタイミング図である。
【図37】通常予告を伴うスーパーリーチ変動を示すタイミング図である。
【図38】飾り図柄表示装置の表示におけるリーチ状態の一例を示す説明図である。
【図39】大当りが発生したときの飾り図柄表示装置の表示状態の一例を示す説明図である。
【図40】スーパーリーチ(交互リーチ)変動における飾り図柄表示装置の表示状態の一例を示す説明図である。
【図41】表示制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図42】表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図43】予告乱数カウンタを示す説明図である。
【図44】変動パターンコマンドコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。
【図45】予告選択処理を示すフローチャートである。
【図46】プロセステーブルの一構成例を示す説明図である。
【図47】図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
【図48】図柄変動中処理を示すフローチャートである。
【図49】図柄停止待ち処理を示すフローチャートである。
【図50】図柄制御基板におけるドラムモータの駆動に関する部分の一構成例を示すブロック図である。
【図51】初期化処理を示すフローチャートである。
【図52】モータ制御処理を示すフローチャートである。
【図53】モータ制御処理を示すフローチャートである。
【図54】モータ制御処理を示すフローチャートである。
【図55】モータ駆動処理を示すフローチャートである。
【図56】ランプ制御コマンド出力処理を示すフローチャートである。
【図57】第2CPU通信処理を示すフローチャートである。
【図58】第2CPU通信処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
9 特別図柄表示器
11 飾り図柄表示装置(可変表示装置)
31 主基板(遊技制御基板)
56 CPU
80 図柄制御基板
101 第1表示制御用CPU
103 第2表示制御用CPU
151A,152A,151B,152B,151C,152C ドラム装飾用LED
176,177 モータ駆動回路
178 フルカラーLED駆動回路
200A,200B,200C ドラムモータ(ステッピングモータ)
200a,200b,200c ドラムモータ(ステッピングモータ)
235A,236A,237A 回転ドラム(外ドラム)
235B,236B,237B 回転ドラム(内ドラム)
Claims (9)
- 遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報を可変表示可能な複数の可変表示部を有する可変表示手段を備え、あらかじめ定められている可変表示の実行条件が成立した後、可変表示の開始条件の成立にもとづいて複数種類の識別情報の可変表示を開始し、表示結果として識別情報の組合せが所定の有効ライン上にて特定の表示結果になったときに遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態に制御可能な遊技機であって、
前記可変表示手段は、前記可変表示部として、透明領域を有し第1の識別情報を表示する第1面と、前記第1面の裏面に位置し第2の識別情報を表示し前記第1面における前記透明領域を介して遊技者が前記第2の識別情報を視認可能な第2面との二重構造であり、
前記可変表示手段の表示状態を制御する表示制御手段と、
可変表示に関わる決定に用いられる数値データを所定の数値範囲で更新する数値データ更新手段と、
前記可変表示の実行条件の成立時に、前記数値データ更新手段から数値データを抽出する数値データ抽出手段と、
前記数値データ抽出手段が抽出した前記数値データを格納する数値データ格納手段と、
前記数値データ格納手段に格納されている前記数値データが所定の判定値と合致するか否かに応じて識別情報の表示結果を前記特定の表示結果とするか否かの判定を実行する格納データ判定手段と、
前記格納データ判定手段が前記所定の判定値に合致していると判定したときに、当該合致していると判定された数値データにもとづく可変表示の停止以前に実行される複数回の可変表示に亘って、前記識別情報の表示結果を前記特定の表示結果とすることを報知する予告表示制御を実行させるか否かを決定する予告決定手段とを含み、
前記表示制御手段は、
前記予告決定手段により前記予告表示制御を実行する旨の決定がされたとき、前記複数回の可変表示に亘って実行する前記予告表示制御として、遊技者が視認不能な位置において、前記特定の表示結果としての識別情報の組合せを構成する識別情報を増加させるために、視認可能な位置に移動表示させたときに前記第1の識別情報と前記第2の識別情報との組合せにより前記特定の表示結果としての識別情報の組合せの一部を構成する有効ライン上となる位置に、所定の識別情報の位置を揃える位置揃え準備制御を行う予告表示制御手段を含む
ことを特徴とする遊技機。 - 遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報を可変表示可能な複数の可変表示部を有する可変表示手段を備え、あらかじめ定められている可変表示の実行条件が成立した後、可変表示の開始条件の成立にもとづいて複数種類の識別情報の可変表示を開始し、表示結果として識別情報の組合せが特定の表示結果になったときに遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態に制御可能な遊技機であって、
前記可変表示手段は、前記可変表示部として、透明領域を有し第1の識別情報を表示する第1面と、前記第1面の裏面に位置し第2の識別情報を表示し前記第1面における前記透明領域を介して遊技者が前記第2の識別情報を視認可能な第2面との二重構造であり、
前記可変表示手段の表示状態を制御する表示制御手段と、
可変表示に関わる決定に用いられる数値データを所定の数値範囲で更新する数値データ更新手段と、
前記可変表示の実行条件の成立時に、前記数値データ更新手段から数値データを抽出する数値データ抽出手段と、
前記数値データ抽出手段が抽出した前記数値データを格納する数値データ格納手段と、
前記数値データ格納手段に格納されている前記数値データが所定の判定値と合致するか否かに応じて識別情報の表示結果を前記特定の表示結果とするか否かの判定を実行する格納データ判定手段と、
前記格納データ判定手段が前記所定の判定値に合致していると判定したときに、当該合致していると判定された数値データにもとづく可変表示の停止以前に実行される複数回の可変表示に亘って、前記識別情報の表示結果を前記特定の表示結果とすることを報知する予告表示制御を実行させるか否かを決定する予告決定手段とを含み、
前記表示制御手段は、
前記予告決定手段により前記予告表示制御を実行する旨の決定がされたとき、前記複数回の可変表示に亘って実行する前記予告表示制御として、前記第1面における第1の識別情報の可変表示動作と前記第2面における第2の識別情報の可変表示動作とで、交互に、リーチ演出を前記可変表示手段に実行させる予告表示制御手段を含む
ことを特徴とする遊技機。 - 予告表示制御手段は、位置揃え準備制御を繰り返し行う制御を実行する
請求項1記載の遊技機。 - 可変表示手段は、外面より視認可能に第1面の第1の識別情報が配された回動可能な第1の可変表示部材と、
前記第1の可変表示部材の内側に配置され、第2面の第2の識別情報が表面に配された回動可能な第2の可変表示部材とを含む
請求項1から請求項3のうちのいずれかに記載の遊技機。 - 予告表示制御手段は、第1面および第2面において全ての可変表示部にて同時に識別情報を可変表示させる
請求項1から請求項4のうちのいずれかに記載の遊技機。 - 可変表示手段は、キャラクタ情報を第1面で表示可能であり、
予告表示制御手段は、予告表示制御として、前記キャラクタ情報を遊技者に視認可能に表示させる
請求項1から請求項5のうちのいずれかに記載の遊技機。 - 第2面を遮蔽する遮蔽領域が第1面に設けられ、
予告表示制御手段は、前記第2面における識別情報の可変表示が一旦停止した後、前記遮蔽領域が前記第2面を遮蔽した状態で前記第2面における識別情報の可変表示を再度開始させる
請求項1から請求項6のうちのいずれかに記載の遊技機。 - 遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報を可変表示可能な複数の可変表示部を有する可変表示手段を備え、表示結果として識別情報の組合せが所定の有効ライン上にて特定の表示結果になったときに遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態に制御可能であり、前記可変表示手段は、前記可変表示部として、透明領域を有し第1の識別情報を表示する第1面と、前記第1面の裏面に位置し第2の識別情報を表示し前記第1面における前記透明領域を介して遊技者が前記第2の識別情報を視認可能な第2面との二重構造である遊技機における演出制御方法であって、
あらかじめ定められている可変表示の実行条件が成立したときに、所定の数値範囲で更新されている、可変表示に関わる決定に用いられる数値データを抽出するステップと、
抽出した前記数値データを格納するステップと、
格納した前記数値データが所定の判定値と合致するか否かに応じて識別情報の表示結果を前記特定の表示結果とするか否かの判定を行うステップと、
前記数値データが前記所定の判定値に合致していると判定したときに、当該合致していると判定された数値データにもとづく可変表示の停止以前に実行される複数回の可変表示に亘って、前記識別情報の表示結果を前記特定の表示結果とすることを報知する予告表示制御を実行させるか否かを決定するステップと、
前記予告表示制御を実行する旨の決定がされたとき、前記複数回の可変表示に亘って実行する前記予告表示制御として、遊技者が視認不能な位置において、前記特定の表示結果としての識別情報の組合せを構成する識別情報を増加させるために、視認可能な位置に移動表示させたときに前記第1の識別情報と前記第2の識別情報との組合せにより前記特定の表示結果としての識別情報の組合せの一部を構成する有効ライン上となる位置に、所定の識別情報の位置を揃える位置揃え準備制御を行うステップとを備えた
ことを特徴とする遊技機の演出制御方法。 - 遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報を可変表示可能な複数の可変表示部を有する可変表示手段を備え、表示結果として識別情報の組合せが所定の有効ライン上にて特定の表示結果になったときに遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態に制御可能であり、前記可変表示手段は、前記可変表示部として、透明領域を有し第1の識別情報を表示する第1面と、前記第1面の裏面に位置し第2の識別情報を表示し前記第1面における前記透明領域を介して遊技者が前記第2の識別情報を視認可能な第2面との二重構造である遊技機における遊技演出プログラムであって、
遊技機に搭載されたコンピュータに、
あらかじめ定められている可変表示の実行条件が成立したときに、所定の数値範囲で更新されている、可変表示に関わる決定に用いられる数値データを抽出する処理と、
抽出した前記数値データを格納する処理と、
格納した前記数値データが所定の判定値と合致するか否かに応じて識別情報の表示結果を前記特定の表示結果とするか否かの判定を行う処理と、
前記数値データが前記所定の判定値に合致していると判定したときに、当該合致していると判定された数値データにもとづく可変表示の停止以前に実行される複数回の可変表示に亘って、前記識別情報の表示結果を前記特定の表示結果とすることを報知する予告表示制御を実行させるか否かを決定する処理と、
前記予告表示制御を実行する旨の決定がされたとき、前記複数回の可変表示に亘って実行する前記予告表示制御として、遊技者が視認不能な位置において、前記特定の表示結果としての識別情報の組合せを構成する識別情報を増加させるために、視認可能な位置に移動表示させたときに前記第1の識別情報と前記第2の識別情報との組合せにより前記特定の表示結果としての識別情報の組合せの一部を構成する有効ライン上となる位置に、所定の識別情報の位置を揃える位置揃え準備制御を行う処理とを
実行させるための遊技演出プログラム。
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