以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機などの他の遊技機に適用することもできる。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが識別情報としての図柄を可変表示する複数の可変表示部を含む画像表示手段としての可変表示装置(特別図柄表示装置)9が設けられている。可変表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。また、可変表示装置9には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つの特別図柄始動記憶表示エリア(始動記憶表示エリア)18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、表示色が変化する(例えば青色表示から赤色表示に変化)始動記憶表示エリアを1増やす。そして、可変表示装置9の可変表示が開始される毎に、表示色が変化している始動記憶数表示エリアを1減らす(すなわち表示色をもとに戻す)。この例では、図柄表示エリアと始動記憶表示エリアとが区分けされて設けられているので、可変表示中も始動記憶数が表示された状態にすることができる。なお、始動記憶表示エリアを図柄表示エリアの一部に設けるようにしてもよい。また、可変表示中は始動記憶数の表示を中断するようにしてもよい。また、この例では、始動記憶表示エリアが可変表示装置9に設けられているが、始動記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)を可変表示装置9とは別個に設けてもよい。
可変表示装置9の下方には、始動入賞口14としての可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口(可変入賞球装置)を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球はVカウントスイッチ22で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aも設けられている。
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に右側のランプが点灯すれば当たりとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32に入った入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。上記のように、この実施の形態のパチンコ遊技機1には、発光体としてのランプやLEDが各所に設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置されることもある(図示せず)。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、可変表示装置9において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動記憶数を1増やす。
可変表示装置9における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄の組み合わせが大当り図柄(特定表示結果)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に遊技球がV入賞領域に入賞しVカウントスイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
停止時の可変表示装置9における特別図柄の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
遊技球がゲート32に入賞すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
図2は、遊技機に設けられている(具体的には遊技機裏面に設置されている)基板であって、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、遊技機に搭載されている払出制御基板37、ランプドライバ基板35、音声出力基板70および演出制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御用マイクロコンピュータに相当:遊技制御手段)53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aおよびクリアスイッチ921からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21および大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。クリアスイッチ921は、例えば遊技機に設置されている電源基板に搭載されている。
なお、図2には示されていないが、カウントスイッチ短絡信号もスイッチ回路58を介して基本回路53に伝達される。また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置9における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号を、遊技機裏面に設置されている情報端子盤を介してホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。さらに、電力供給が開始されたときにCPU56にリセット信号を与えるシステムリセット回路65が搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータで実現される基本回路53は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、遊技制御手段は、遊技制御用マイクロコンピュータで実現される基本回路53で実現されているが、主として、遊技制御用マイクロコンピュータにおけるプログラムに従って制御を実行するCPU56で実現される。
また、RAM55は、その一部または全部がバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。なお、遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータで実現される演出制御手段が、遊技盤に設けられている普通図柄保留記憶表示器41および飾りランプ25等の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51および球切れランプ52の表示制御を行う。なお、各ランプはLEDその他の種類の発光体でもよい。すなわち、ランプやLEDは発光体の一例であり、以下、ランプ・LEDと総称することがある。また、可変表示装置9の上部および左右部には、可変表示装置飾りLED(センター飾りLED)が設置され、大入賞口の内部には大入賞口内飾りLEDが設置され、大入賞口の左右には、大入賞口左飾りLEDおよび大入賞口右飾りLEDが設置されている。演出制御手段は、それらの発光体の制御も行う。
なお、ランプ・LEDを駆動するための駆動信号は、ランプドライバ基板35において作成される。また、特別図柄を可変表示する可変表示装置9および普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段によって行われる。
図3は、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、ROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、GCL(グラフィックコントローラLSI)106に、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行わせる。GCL106は、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)と呼ばれることもある。さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート104およびランプ駆動回路107を介して普通図柄表示器10の表示制御を行う。なお、演出制御用マイクロコンピュータは、演出制御用CPU101、ROM、RAMおよびI/Oポートを含む。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート104および出力ドライバ110を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。また、演出制御用CPU101に入出力するバス(アドレスバス、データバス、および書込/読出信号等の制御信号ラインを含む)はバスドライバ105を介してランプドライバ基板35まで延長されている。
ランプドライバ基板35において、演出制御用CPU101に入出力するバスは、バスレシーバ351を介して出力ポート352および拡張ポート353に接続される。出力ポート352から出力される各ランプを駆動する信号は、ランプドライバ354で増幅され各ランプに供給される。また、出力ポート352から出力される各LEDを駆動する信号は、LED駆動回路355で増幅され各LEDに供給される。
この実施の形態では、遊技機に設けられているランプ・LEDは、演出制御基板80に搭載されている演出用CPU101を含む演出制御手段によって制御される。また、可変表示装置9、普通図柄表示器10およびランプ・LED等を制御するためのデータがROMに格納されている。演出用CPU101は、ROMに格納されているデータにもとづいて可変表示装置9、普通図柄表示器10およびランプ・LED等を制御する。そして、ランプドライバ基板35に搭載されている出力ポート352および各駆動回路を介して、ランプ・LEDが駆動される。従って、機種変更を行う場合に、演出制御基板80を新たな機種のものに交換すれば、ランプドライバ基板35を交換せずに機種変更を実現することができる。
なお、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70は独立した基板であるが、それらは、例えば、遊技機裏面において、1つのボックスに収容された状態で設置される。また、拡張ポート353は、機種変更を行う場合に、ランプ・LED等の数が増加した場合を考慮して設置されるが、設置されていなくてもよい。
音声出力基板70において、演出制御基板80からの音番号データは、入力ドライバ702を介して、例えばデジタルシグナルプロセッサによる音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じたデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
音声データROM704に格納されている音番号データに応じたデータは、所定期間(例えば特別図柄の変動時間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。音声合成用IC703は、音番号データを入力すると、音声データROM704内の対応するデータに従って音出力制御を行う。対応するデータに従った音出力制御は、次の音番号データを入力するまで継続される。そして、音声合成用IC703は、次の音番号データを入力すると、新た入力した音番号データに対応した音声データROM704内のデータに従って音出力制御を行う。
この実施の形態では、スピーカ27から出力される音声や効果音は演出制御手段によって制御されるのであるが、演出制御手段は、音声出力基板70に音番号データを出力する。音声出力基板70において、音声データROM704には、遊技の進行に伴って出現しうる音声や効果音を実現するための多数のデータが格納され、それらのデータは音番号データに対応付けられている。従って、演出制御手段は、音番号データを出力するだけで音出力制御を実現することができる。なお、音番号データは例えば1バイトデータであり、シリアル信号線またはパラレル信号線によって音声出力基板70に転送される。
なお、この実施の形態では、1つの演出制御手段が、可変表示の表示制御、ランプ・LED(発光体)の点灯制御およびスピーカ27からの音発生制御を実行しているが、すなわち、演出制御手段が、表示制御手段、発光体制御手段および音制御手段を実現している。よって、可変表示装置9による表示演出、ランプ・LEDを用いた演出、および音による演出を容易に同期させることができる。しかし、演出制御手段の負担を軽くするために、発光体制御用マイクロコンピュータや音制御用マイクロコンピュータを設け、それらが、遊技制御手段または演出制御手段(この場合には表示制御手段となる。)からの指令に応じて、発光体制御および音制御を行うように構成してもよい。
図4は、演出制御基板80における画像表示制御に関わる部分の回路構成例を示すブロック図である。演出制御基板80には、演出制御用CPU101とともに、演出制御用のプログラムや図柄表示・発光・音声出力等の各種の演出パターン等を記憶するROM122と、ワークメモリとして使用されるRAM123とが搭載されている。なお、ROM121およびRAM123は、演出制御用CPU101に内蔵されていてもよい。
可変表示装置9の表示制御を実行する際に、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに応じた指示をGCL106に与える。GCL106は、CGROM83等から必要なデータを読み出す。なお、CGROM83には、図柄(特別図柄)や使用頻度の高いキャラクタの画像データが格納されている。よって、CGROM83は、キャラクタROMと呼ばれることもある。CGROM83に格納されている使用頻度の高いキャラクタとは、例えば、可変表示装置9に表示される人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等からなる画像である。なお、キャラクタには、実写による動画像(映像)や静止画像も含まれる。また、CGROM83に格納されている画像データを画像要素データということがある。
GCL106は、入力したデータに従って可変表示装置9に表示するための画像データを生成し、R(赤),G(緑),B(青)信号および同期信号を可変表示装置9に出力する。可変表示装置9は、例えば、多数の画素(ピクセル)を用いたドットマトリクス方式による画面表示を行う。この実施の形態では、R,G,B信号がそれぞれ8ビットで表される。したがって、可変表示装置9は、GCL106からの指示に従って、R,G,Bそれぞれが256階調であり、約1670万色の多色表示を行うことができる。なお、R,G,B信号のビット数は8ビット以外のビット数であってもよく、また、R,G,B信号の各ビット数が互いに異なる数であってもよい。
演出制御基板80には、CGROM83の他に、SDRAM(シンクロナスDRAM)84等の各種の記憶媒体が備えられている。また、SDRAM84にはフレームバッファの領域が確保される。また、キャラクタのソースデータ、表示色の特定や変更等のために用いられるパレットデータ等の表示画像に関するデータが格納される。ソースデータは画像データであり、元画像のデータという意味で、ソースデータと表現される。さらに、SDRAM84には、VRAM(ビデオRAM)として使用される領域も確保される。
GCL106は、所定のパレットデータを一時的に保存するためなどに用いられるパレットデータバッファ85や、所定のCGデータを一時的に保存するためなどに用いられるCGデータバッファ86等の各種の記憶媒体の他、描画制御部91と、可変表示装置9に信号を出力するための表示信号制御部87と、動画圧縮処理や伸張処理を行う動画圧縮伸張部89とを含む。表示信号制御部87は、画像データをDAC(D−A変換回路)104に出力する。DAC104は、画像合成用IC132からの画像データをアナログ信号として可変表示装置9としてのLCDに出力する。描画制御部91は、例えば、アトリビュート解析部、VRAMアドレス生成部、クリッピング部および半透明輝度変調部を含む。アトリビュート解析部は、キャラクタを描画する際に使用されるパラメータの解析を行う。パラメータには、画像の描画順序、色数、拡大縮小率、パレット番号、座標等を指定するための情報が設定されている。なお、動画圧縮伸張部89は、GCL106によって制御されるように構成しても、演出制御用CPU101によって制御されるように構成してもよい。
GCL106の内部には、CGバスとVRAMバスとが設けられている。CGROM83とCGバスとの間には、CGバスインタフェース(CGバスI/F)93が設置されている。CGバスにはCPUI/F92も接続され、演出制御用CPU101は、CPUI/F92を介して、CGバスに接続されている部分をアクセスすることができる。具体的には、演出制御用CPU101は、CGバスに接続されている描画制御レジスタ95をアクセスする。描画制御レジスタ95には、描画制御部91に対する演出制御用CPU101からの指示等のデータが格納される。従って、演出制御用CPU101は、GCL106に対する指示を描画制御レジスタ95に書き込み、GCL106は、演出制御用CPU101からの指示を描画制御レジスタ95を介して受け取る。また、SDRAM84とVRAMバスとの間にはVRAMI/F94が設置されている。なお、動画伸張部89は、VRAMバスを介してVRAM84をアクセスできるとともに、CGバスを介して描画制御レジスタ95をアクセスすることができる。
GCL106は、演出制御用CPU101の指示に応じて、CGROM83から図柄およびキャラクタのソースデータを読み出して、VRAMに格納する。さらに、VRAMに展開された画像データをSDRAM84に確保されている領域であるフレームバッファに格納する。表示信号制御部87は、フレームバッファに格納されている画像データをDAC124を介して可変表示装置9に出力する。「VRAMに展開」とは、VRAMに書き込むこと、すなわちVRAMに記憶させることを意味する。
なお、図3では、ROM121、RAM123、CGROM83、およびSDRAM84は、記載省略されている。そして、図4では、出力ポート104は記載省略されている。
次に遊技機の動作について説明する。図5は、主基板31における遊技制御手段(CPU56およびROM,RAM等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。なお、割込みモード2は、遊技制御用マイクロコンピュータ56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS14)。
クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。さらに、サブ基板(この実施の形態では払出制御基板35および演出制御基板80)を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に送信する処理を実行する(ステップS13)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド(演出制御基板80に対して)や賞球ランプ51および球切れランプ52の消灯を指示するコマンド等がある。
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS14)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
初期化処理の実行(ステップS11〜S14)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数とは、可変表示装置9に表示される図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている可変表示装置9、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図6に示すステップS20〜S33の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ24a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS22)。CPU56は、さらに、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23,S24)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:ステップS27)。また、普通図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの何れかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS31)。また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS32)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を出力する出力処理を行う(ステップS33)。ソレノイド回路59は、遊技制御手段からの駆動指令に応じて、可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を切り替えたりするために、駆動指令に応じてソレノイド16,21,21Aを駆動する。その後、CPU56は、制御状態を割込許可状態に設定する(ステップS34)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図7は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図7に示す特別図柄プロセス処理は、図5のフローチャートにおけるステップS25の具体的な処理である。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)を行い、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を行う。変動短縮タイマは、特別図柄の変動時間が短縮される場合に、変動時間を設定するためのタイマである。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数を確認する。保留記憶数が0でなければ、特別図柄の可変表示の結果、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示後の左中右図柄の停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
変動パターン設定処理(ステップS302):特別図柄の可変表示の変動パターン(可変表示態様)を、変動パターン決定用乱数の値に応じて決定する。また、変動時間タイマをスタートさせる。このとき、演出制御基板80に対して、左中右最終停止図柄と変動態様(変動パターン)を指令する情報とが送信される。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。なお、変動パターンとは、変動期間における特別図柄の変動の態様、具体的には、視認される特別図柄の切替速度に相当する変動速度、特別図柄の変動方向、特別図柄の表示サイズ等、およびそれらの切替タイミングなどの詳細態様からなる態様であるが、CPU56は、それらの詳細態様そのものを決定するのではなく、あらかじめ決められている複数種類の変動パターンを特定するためのデータを決定する。決定されたデータは、変動パターンコマンドとして演出制御手段に通知される。演出制御手段には、複数種類の変動パターンのそれぞれにおける詳細態様を示す詳細データをROMに保持し、変動パターンコマンドで通知された変動パターンに対応する詳細データをROMから読み出し、読み出したデータにもとづいて表示制御を実行する。
特別図柄変動処理(ステップS303):所定時間(ステップS302の変動時間タイマで示された時間すなわち特別図柄の変動時間)が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):可変表示装置9において表示される全図柄が停止されるように制御する。具体的には、全図柄停止を示す演出制御コマンド(確定コマンド)を演出制御用CPU101に送信する。そして、停止図柄が大当り図柄である場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
大入賞口開放開始処理(ステップS305):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当り中フラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS306):大入賞口ラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS307に移行するように更新する。
特定領域有効時間処理(ステップS307):V入賞スイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS308に移行するように更新する。
大当り終了処理(ステップS308):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御手段に行わせるための制御を行う。そして、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
図8は、変動パターンの一例を示す説明図である。図8に示すデータは、変動パターンテーブル(可変表示期間テーブル)として、ROM54に設定されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」であり、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」である。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。そして、CPU56は、特別図柄の可変表示において用いる変動パターンを決定すると、その変動パターンを示す演出制御コマンドを演出制御基板80(具体的には演出制御用CPU101)に送信する。
図8において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。なお、この実施の形態では、1バイト目の「MODE」データは、変動パターンを示す演出制御コマンドすなわち変動パターンコマンドについてはいずれの場合も「80(H)」である。また、図8において、「時間」は変動時間(可変表示期間)を秒数で示す。
「通常変動」とは、リーチ演出を伴わない変動パターンである。「ノーマル」とは、リーチ演出を伴うが変動結果(停止図柄)が大当りを生じさせるものとならない変動パターンである。「ロング」とは、「ノーマル」と類似した変動パターンであるが変動時間が長い変動パターンである。「スーパーリーチ1」は、「ロング」および「ノーマル」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。なお、リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間(変動時間におけるリーチ演出が実行されている時間)において異なった態様の変動態様(速度や回転方向等)やキャラクタ等が現れることをいう。
また、「スーパーリーチ2」は、「ロング」、「ノーマル」および「スーパーリーチ1」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。「スーパーリーチ3」は、「ロング」、「ノーマル」、「スーパーリーチ1」および「スーパーリーチ2」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。そして、「スーパーリーチ4」は、「ロング」、「ノーマル」、「スーパーリーチ1」、「スーパーリーチ2」および「スーパーリーチ3」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。
「当り」は図柄の変動終了後に大当りが発生することを示す。「スーパーリーチ」は、遊技者にとって有利な状況になる可能性が極めて高い場合に使用される変動パターンである。例えば、必ず、または高い確率で大当り図柄を表示した状態で変動が終了するような変動パターンである。換言すれば、大当りの信頼度が高い変動パターンである。
なお、「当り」以外の部分の名称が一致している場合には、大当り図柄を可変表示装置に停止表示することが決定されないときに実行されるリーチ演出と、大当り図柄を可変表示装置に停止表示することが決定されたときに実行されるリーチ演出とは、停止図柄がはずれ図柄となるのか大当り図柄となるのかの違いだけで、可変表示中の演出方法は同じである。例えば、「スーパーリーチ1」と「スーパーリーチ1当り」とは、可変表示中の演出方法は同じであって、遊技者は、図柄が最終停止するまでそれらの区別が付かない。
図9は、この実施の形態で用いられる特別図柄の例を示す説明図である。この実施の形態では、可変表示装置9における左中右のそれぞれの表示領域において、図9に示すような「0」〜「9」の特別図柄が用いられる。それぞれの表示領域「0」から順に特別図柄の表示が変化することによって特別図柄の変動が実現される。なお、特別図柄の変動中において、表示図柄の表示は非連続的に変化してもよい。また、特別図柄の最終停止図柄(確定図柄)が左中右揃った場合に大当りとなり、左右が揃った場合にリーチとなる。また、各特別図柄には、それぞれ、コアラやパンダなどの異なる動物のキャラクタ(特図対応図柄)が対応付けされている。特別図柄の変動表示がなされるときは、特別図柄と特図対応図柄とが一体となって変動表示される。
そして、大当りとなる場合において、奇数図柄で揃ったときには、大当り遊技終了後に高確率状態(確変状態)に移行する。また、高確率状態において、大当りが発生すると、または、所定回(例えば、保留記憶の上限の数と同じ「4」)の特別図柄の変動が行われると高確率状態は終了する。確変状態では、特別図柄の変動の結果(最終停止図柄、単に停止図柄ともいう。)が大当り図柄となる確率が、確変状態でない状態(低確率状態)に比べて高められる。このことを、以下、「確変状態では高確率で当り/はずれが判定される」と表現することがある。また、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率も、低確率状態に比べて高まる。なお、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる可能性は低確率状態での確率と同じであってもよい。また、この実施の形態では、奇数図柄で揃ったときに大当り遊技終了後に確変状態に移行させるが、すなわち確変図柄は奇数図柄であるが、大当り図柄の全てを確変図柄としてもよい。
確変状態が終了すると、特別図柄変動時間短縮(時短)状態に移行させるようにしてもよい。時短状態では、特別図柄の変動時間(可変表示期間)が、時短状態でない場合に比べて短縮される。時短状態は、所定回の特別図柄の変動が終了するまで、または、大当りが発生するまで継続する。時短状態では、特別図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
図10は、揺れ変動状態(左中右図柄の全てが最終停止した確定状態ではないが図柄が拡大・縮小・揺動などを行い、図柄の表示位置が移動しない状態)を含む変動状態における特別図柄と特図対応図柄とのアニメーション変動表示の表示態様の例を示す説明図である。アニメーション変動表示とは、それぞれの特別図柄と特図対応図柄との組み合わせ画像の内容が、時間の経過とともに変化するような表示を意味する。この例では、特別図柄の変動表示は、特別図柄と対応する特図対応図柄とが上下に配置された一体となった状態で行われる。そして、特別図柄の変動を実現するために表示領域においてスクロール表示を行うときに、例えば、図10(A),図10(B),・・・,図10(E)の順番で、特別図柄と対応する特図対応図柄との切替表示が実行される。また、揺れ変動状態では、例えば、図10(A),図10(B),・・・,図10(E)の順番で、特別図柄と対応する特図対応図柄との切替表示が実行される。なお、「切替表示」とは、スクロール表示を行う際に、例えば、所定期間(例えば33.3ms)経過毎に表示内容が徐々に変わっていくのであるが、所定期間経過時に表示内容を変えることをいう。
具体的には、特別図柄については、斜めを向いた状態(図10(A))から、段階的に正面を向いた状態となり(図10(B),図10(C))、そして、図10(A)とは逆方向の斜めを向いた状態(図10(E))となるアニメーション変動表示が実行される。
また、特図対応図柄については、該当する動物が正面を向いた状態(図10(A))から、段階的に下方向を向いた状態となり(図10(B),図10(C))、そして、正面を向いた状態(図10(E))に戻るアニメーション変動表示が実行される。
図11は、変動パターンとしてスーパーリーチ1〜4が選択された場合に実行される特別図柄の可変表示の一時停止および可変表示の再開の制御を説明するための説明図である。図11(A)に示すように、左中右図柄が変動(可変表示)しているときに、所定のタイミングで、演出制御手段は、図11(B)に示すように、画面全体を停止させる。すなわち、静止状態にする。このような制御は、フレームバッファの内容を更新しないようにすることによって実現される。そして、演出制御手段は、図11(C),(D)に示すように、例えば、画面の中央が割れるような静止画表示を可変表示装置9において行わせ、その後、スーパーリーチの演出に発展させる。つまり、スーパーリーチの演出を開始する。以降に実行されるスーパーリーチの演出は、他のリーチ演出に比べて、遊技者が認識可能な程度に、華やかな演出である。例えば、表示されるキャラクタの動きを早くしたり、キャラクタのサイズを大きくしたりする。なお、図11(C),(D)に示すような画面は、図11(B)に示す一時停止時の画面の画像データに対して所定の演算を施して得られるのであるが、一時停止時の画面の画像データに対して所定の演算を施して得られる画像データによる画面を、エフェクト画面という。
図12は、この実施の形態におけるスーパーリーチの演出に発展させるタイミング例を示す説明図である。図12に示す(1)〜(3)のタイミングのいずれかにおいて、図11(B)〜(D)に例示された演出が行われる。なお、(1)〜(3)は、スーパーリーチ1〜3に対応している。例えば、スーパーリーチ1が選択された場合には、(1)のタイミングでスーパーリーチの演出に発展させる。なお、図12において示されている「スーパーリーチに発展」は、(1)〜(3)のいずれにおいても図11(B)〜(D)に例示された演出が行われなかった場合にスーパーリーチに発展すること意味する。
また、(4)のタイミングは、スーパーリーチ4が選択されたときに使用されるのであるが、左中右図柄が全て停止表示された後に図11(C),(D)に例示したような表示演出が行われることを意味する。その場合には、演出制御手段は、はずれ図柄(左右図柄は同じであるが、中図柄は異なる)を表示した後、可変表示装置9において、ゲームがなされてるかのような表示制御を行う。その際に、図11(C),(D)に例示したような画面中央が割れるような表示演出を行い、遊技者に、再度、大当りが発生するかもしれないという期待感を抱かせる。なお、ゲームとは、例えば、2つのキャラクタが何らかの勝負を行っているかのような内容であり、ゲーム終了時には、勝負に敗れたかのように遊技者に認識させるような内容である。また、スーパーリーチ4の場合の変動時間は、変動開始からゲームの終了までの時間である。
図13は、図12に示された表示演出のタイミングを詳細に示す説明図である。図13において、(1)は、スーパーリーチ1の場合に、最初に停止表示される特別図柄(この例では左図柄)が停止するタイミングよりも前にスーパーリーチの演出に発展することを示す。なお、いずれの変動パターンが用いられている場合にも(短縮表示を除く)、変動開始から、あらかじめ決められている所定の時間が経過すると左図柄は停止表示される。このことは、右図柄についても同様である。
(2)は、スーパーリーチ2の場合に、次に停止表示される特別図柄(この例では右図柄)が停止するタイミングよりも前にスーパーリーチの演出に発展することを示す。(3)は、左右図柄が停止表示されリーチ演出が開始された後に、スーパーリーチの演出に発展することを示す。そして、(4)は、左中右図柄としてはずれ図柄が表示された後に、図11(C),(D)に示されたような表示演出が行われることを示す。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図14は、演出制御用CPU101が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
この実施の形態では、一例として、タイマ割込は2ms毎にかかる。すなわち、演出制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析実行処理:ステップS704)。次いで演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。そして、後述するエフェクト選択処理で用いる乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
主基板31からの演出制御用のINT信号は演出制御用CPU101の割込端子に入力されている。例えば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、演出制御用CPU101において割込がかかる。そして、演出制御用CPU101は、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、演出制御用CPU101は、例えば、受信した演出制御コマンドデータを所定のバッファ(RAM)に格納する。
図15は、特別図柄の画像ROM(CGROM83)における記憶状態の例を示す説明図である。図15に示すように、各特別図柄の種類と画像変化(態様)に応じた画像データが、特別図柄毎にCGROM83に記憶される。一つの特別図柄(例えば「0」)の画像を1コマずつ切り替えて表示すると、立体的に形成された「0」という数字があたかも上下方向を回転軸として回転(上方から見て時計回り)していくような動画像が表示される。なお、切り替える順番を逆にすると、「0」が逆方向に回転(上方から見て反時計回り)していくような動画像が表示される。
図16は、特図対応図柄の画像ROM(CGROM83)における記憶状態の例を示す説明図である。図16に示すように、各特図対応図柄の種類と画像変化に応じた画像データが、特図対応図柄毎にCGROM83に記憶される。一つの特図対応図(例えば「コアラ」)の画像を1コマずつ切り替えて表示すると、コアラがあたかも正面を向いた状態から下を向いた状態となったあと正面を向いた状態に戻るような動画像が表示される。
なお、制御ROM(ROM122)には、特別図柄と特図対応図柄とを対応付けるとともに、アニメーション変動表示の内容(画像変化と変化順)を特定可能なデータ(インデックスデータ)が記憶されている。
図17は、アニメーション変動表示を用いた変動(スクロール表示)の仕方を説明するための説明図である。GCL106は、演出制御用CPU101の指示に応じて、図15および図16に示す画像データのうち、抽出図柄数分(例えば2つ分)の特別図柄および特図対応図柄の画像データであって、それぞれの図柄でアニメーション変動表示を行うために用意されている複数の態様の画像データを読み出し、表示する順番に配列してVRAMに展開する。この例では、図17(A)〜図17(E)に示すように、各特別図柄について、アニメーション変動表示を行うために用意されている5種類の態様の画像データが読み出されてVRAMに展開される。
なお、抽出図柄分とは、可変表示装置9に一時に完全に表示される図柄の数(図17に示す例では1)よりも、少なくとも1多い数を意味する。完全に表示されるとは、E21やE25のような表示状態を意味する。また、図17では、説明を簡単にするために抽出図柄数を2としているが、3以上であってもよい。つまり、一時に2図柄以上が表示される場合には、抽出図柄数を3以上にする。
また、図柄の変動に伴って特別図柄および特図対応図柄の太陽を変化させない場合には、1種類の画像データ(例えば図17(C)に示す1種類)が読み出されてVRAMに展開される。その場合には、スクロール表示の進行に応じて、図17に示すE21〜E52に示されるように、抽出する領域をずらしながら、VRAMに展開された1種類の画像データから、特別図柄の表示領域の大きさに相当する大きさの領域領域の画像データを抽出する。
そして、GCL106は、VRAMにおいて2つの特別図柄が縦に配列されて展開されている各画像データ(図17(A)〜図17(E))から、1図柄分(1コマ分)のサイズを有する領域の画像データを、表示画像として順番に抽出し、フレームバッファに展開する。フレームバッファに展開された画像データは、所定のタイミングで可変表示装置9に出力される。なお、図17に示す例において、各画像データ(図17(A)〜図17(E))における画像データが抽出される領域は、図17(A)〜図17(E)に示すE21〜E25であり、図17(A)〜図17(E)に示すE21〜E25の各領域が順に抽出される。すなわち、この例では、各画像データ(図17(A)〜図17(E))から、領域E21、領域E22、領域E23、領域E24、領域E25の順番で画像データが順次抽出され、可変表示装置9に出力されて切替表示される。
その後、上記の処理が繰り返し実行されると、可変表示装置9において、アニメーション変動表示を伴うスクロール表示が表示される。
なお、上記の例では逆変動(図柄が逆順に可変表示される)の縦スクロールについて説明したが、他のスクロール方法であっても同様に処理することができる。例えば、横スクロールであっても同様な処理でアニメーション変動表示を実現できる。
図18は、エフェクト処理(図11(C),(D)に示された画像データを作成する処理)の実現方法を説明するための説明図である。可変表示装置9における表示画面が一時停止したときの画像データは、そのとき、フレームバッファに存在している。GCL106は、演出制御用CPU101の指示に応じて、フレームバッファの内容をVRAMに記憶する(図18(A)参照)。そして、あらかじめCGROM83に格納されているエフェクト用画像(図18(B)参照)のデータとVRAMに記憶された画像データとに対して所定の演算を施してエフェクト画面の画像データを作成する。この例では、加算を行う。すると、図11(C)に示されたような中央が割れたかのような表示を実現する画像データが作成される。なお、加算処理を行うときには、図18(B)に示すエフェクト用画像が全白画像(R,G,Bそれぞれの値が255)であれば、中央の領域(図18(B)に示す画像の輪郭の内部が存在する部分)は全白で表示される。
また、図18(C)に示す画像データをエフェクト用画像のデータとして用いた場合には、図11(D)に示されたような表示を実現する画像データが作成される。なお、図18(C)に示す画像データは、例えば、「5」の特別図柄をCGROM83から読み出してVRAMに展開し、展開された画像の所定領域を切り出すことによって得られる。また、単に加算処理を行っただけでは、画面の中央側の領域(図18(C)に示す画像の輪郭の内部が存在する部分)において、図18(A)に示す画像と図18(C)に示す画像とが重畳されたような表示がなされるが、図18(A)に示す画像のデータを、図18(C)に示す画像の輪郭の内部に相当する部分を全黒(R,G,Bそれぞれの値が0)にした後に、図18(C)に示す画像のデータを加算すれば、画面の中央側の領域(図18(C)に示す画像の輪郭の内部が存在する部分)、図18(C)に示す表示のみが表示される。すなわち、図18(A)に示す画面は重畳されない。
図19は、エフェクト処理の例を示す説明図である。図19に示す例では、3種類のエフェクト処理が示されている。エフェクト1は、図11に例示されたような表示を行う場合に用いられ、エフェクト2は、画面の中央部を楕円形で割ったような表示を行う場合に用いられ、エフェクト3は、画面の中央部をギザギザに割ったような表示を行う場合に用いられる。いずれの場合にも、図19において、右端に示されているエフェクト用画像を用いる場合には、エフェクト用画像の輪郭の中に、特別図柄の可変表示を再開するときに用いられる画像が表示される。また、各エフェクト処理において、3つ以上のエフェクト用画像を段階的に使用するようにしてもよい。
なお、ここでは、演算方法として加算を用いる例について説明したが、演算方法として、減算や、エフェクト用画像を半透明化してVRAMに記憶されていたフレームバッファの内容と加算する半透明化処理、その他の演算(例えば、置き換え処理)を用いてもよい。また、採用されうるエフェクト処理の種類を、図19に例示するようなエフェクト用画像で分類してもよいが、加算、減算、半透明化処理、その他の演算で分類するようにしてもよい。さらに、エフェクト用画像で分類した上、さらに、それぞれを、加算、減算、半透明化処理、その他の演算で分類するようにしてもよい。以下、エフェクト処理は、エフェクト用画像で分類され、さらに、それぞれが、加算、減算、半透明化処理、その他の演算で分類されているとする。
図20は、図14に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動時間を特定可能な演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。例えば、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、コマンド解析処理によって、変動パターン指定の演出制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる。変動パターン指定の演出制御コマンドが受信されたことを確認したら、演出制御プロセスフラグの値をステップS801に応じた値に更新する。
エフェクト選択処理(ステップS801):エフェクト処理を伴う演出を行うか否かと、行う場合のエフェクト処理の種類を決定する。その後、演出制御プロセスフラグの値をステップS802に応じた値に更新する。
全図柄変動開始処理(ステップS802):可変表示部9における左中右図柄の変動を開始させる。その後、演出制御プロセスフラグの値をステップS803に応じた値に更新する。
図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度等)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行う。その後、演出制御プロセスフラグの値をステップS804に応じた値に更新する。なお、スーパーリーチ4による演出がなされエフェクト4の処理を行うことに決定されている場合には、変動時間が終了する前に、ゲームの表示演出の制御も行う。その間、左中右図柄を揺れ変動状態にさせる。
全図柄停止設定処理(ステップS804):変動時間の終了時に、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(特別図柄停止の演出制御コマンド:確定コマンド)を受信していたら、図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行う。その後、演出制御プロセスフラグの値をステップS805に応じた値に更新する。
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行う。その後、演出制御プロセスフラグの値をステップS806に応じた値に更新する。
大当たり遊技中処理(ステップS806):大当たり遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。その後、演出制御プロセスフラグの値をステップS800に応じた値に更新する。
図21は、変動パターン毎に設定されているプロセスデータの一構成例を示す説明図である。プロセスデータは、プロセスタイマ設定値と演出制御実行データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。演出制御実行データは、表示制御実行データとランプ制御実行データと音声データとを含む。表示制御実行データには、特別図柄の変動中における可変表示装置9の表示状態(変動速度等)を示すデータが設定されている。例えば、表示制御実行データ1には、可変表示開始時の可変表示装置9の表示状態を示すデータが設定されている。また、ランプ制御実行データには、特別図柄の変動中におけるランプ・LEDの表示状態を示すデータが設定されている。例えば、ランプ制御実行データ1には、可変表示開始時のランプ・LEDの表示状態を示すデータが設定されている。音声データには、特別図柄の変動中におけるスピーカ27の音発生状態を示すデータが設定されている。例えば、音声データ1には、可変表示開始時の音発生状態を示すデータが設定されている。
そして、特別図柄の変動中において、表示状態を切り替えるタイミング(例えば、図柄の変動速度を切り替えるタイミング、可変表示装置9において新たなキャラクタが登場するタイミング、ランプ・LEDを点灯状態から消灯状態に切り替えるタイミング)が到来すると、演出制御手段は、プロセスデータにおける次の演出制御実行データ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音声データ)に従って、可変表示装置9およびランプ・LEDの表示状態を制御したり、音声データを音声出力基板70に出力したりする。プロセスタイマ設定値には、切替のタイミングに応じた時間が設定されている。
図21に示すプロセスデータは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセスデータは、各変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。さらに、それぞれの変動パターンについても、予告演出の種類やエフェクト処理の種類毎にプロセスデータを用意しておけば、演出制御手段は、変動開始時に該当するプロセスデータを選択するだけで、容易に可変表示中の演出制御を実行することができる。
すなわち、表示制御実行データには、動画像(ムービーデータ)を使用するか否かを示す情報、可変表示装置9上に表示する識別情報(特別図柄)の表示領域の大きさを特定する情報、表示領域それぞれの表示位置、識別情報の移動速度と移動方向、識別情報の拡大・縮小率、識別情報の透過率、識別情報の回転角度などの情報も含まれる。
「表示領域の大きさを特定する情報」とは、可変表示装置9の表示画面のうち、左図柄、中図柄、右図柄をそれぞれ表示する領域のサイズを示す情報を意味する。なお、各特別図柄を表示する領域のサイズは、1回の特別図柄の可変表示中に変化(拡大、縮小、変形)することがある。
ROM122には、特別図柄の種類や配列を示す情報(識別情報配列特定情報:具体的には、例えば特別図柄の番号「0」〜「9」)と、特別図柄の画像変化を示す情報や画像変化順を示す情報(画像変化特定情報:例えば、図17に示す(A)→(E)への方向)とにより、特別図柄を示す画像データの格納領域を特定するためのインデックスデータのデータテーブルが記憶されている。すなわち、CGROM83に記憶されているそれぞれの画像データ(画像要素データ)のアドレスは、インデックスデータのデータテーブルを用いて特定される。
演出制御用CPU101は、プロセスデータにおける表示制御実行データとROM122に記憶されているその他の情報(識別情報配列特定情報等)とを用いてアニメーション変動を実現することができる。すなわち、表示制御実行データにおける特別図柄の移動速度と移動方向を用いて、GCL106に、特別図柄を変動表示させる速度と方向を指定することができる。また、表示領域それぞれの表示位置を示す情報で特別図柄等の表示位置を指定することができる。さらに、表示領域の大きさを特定する情報により、特別図柄の表示領域の大きさを特定することができる。また、識別情報配列特定情報が示す特別図柄を変動表示させる順序(例えば、0→1→・・・→9)と画像変化特定情報が示す特別図柄の画像変化順や画像変化のさせ方(例えば、図17に示す(A)→(E)への方向への画像変化)とに従って、複数種類の表示に必要な識別情報画像要素データ(例えば、図17の(A)から(E)に示す画像データ)をVRAMに記憶(展開)させる。
GCL106は、指定された速度および方向と特定された表示領域の大きさとにもとづいて、VRAMに順次展開される画像データ(画像要素データ)を選択し、選択した画像要素データをフレームバッファの所定位置(表示領域の表示位置を示す情報等によって示される位置)に配置することによって、フレームバッファに1画面分の画像データを作成することができる。
そして、例えば、プロセスデータとして、スーパーリーチ1を実現するときに用いられるものとして、エフェクト処理を伴うものとエフェクト処理1,2,3を伴わないものとの4種類が用意されている。エフェクト処理1を伴うスーパーリーチ1を実現するために用いられるプロセスデータには、図12において(1)で示されるタイミングが到来すると用いられる演出制御実行データに、エフェクト処理1を実現するためのデータ(発展演出を開始することを示すデータ)を設定する。なお、そのように、多数のプロセスデータを用意してエフェクト処理を実現する方法は一例であって、スーパーリーチ1〜4のそれぞれを実現するときに用いられるプロセスデータを1種類にして、表示制御用CPU101が、スーパーリーチ1〜4のそれぞれに応じて、変動開始時からの時間を測定し、図12(1)〜(4)に示すタイミングが到来すると、GCL106に対して、発展演出を開始することを示す指示を与えるようにしてもよい。
図22は、エフェクト選択処理(ステップS801)を示すフローチャートである。エフェクト選択処理において、演出制御用CPU101は、遊技制御手段から受信した変動パターンを示す演出制御コマンド(変動パターンコマンド)が、スーパーリーチ1〜4のいずれかを示しているか否か確認する(ステップS811)。スーパーリーチ1〜4のいずれかを示している場合には、乱数を抽出する(ステップS812)。すなわち、乱数カウンタの値を読み出し、読み出した値を乱数の値とする。そして、乱数値に応じて、エフェクト処理を実行するか否か決定するとともに、実行することに決定した場合にはエフェクト処理の種類を決定する(ステップS813)。
例えば、ROM122には、エフェクト処理を実行するか否かと、実行する場合のエフェクト処理の種類(具体的には、エフェクト画像の種類および演算の種類)とが数値(乱数値がとりうる範囲における数値)に対応して設定されているエフェクト処理選択テーブルが格納されている。演出制御用CPU101は、抽出した乱数値とエフェクト処理選択テーブルに設定されている各数値とを比較し、一致した数値に対応するエフェクト処理の種類またはエフェクト処理を実行しない旨を選択する。そして、演出制御プロセスフラグの値を、全図柄変動開始処理(ステップS802)に応じた値にする。
ステップS802の全図柄変動開始処理では、演出制御用CPU101は、まず、使用するプロセスデータ(変動パターンテーブルともいう。)を選択し、プロセスタイマ設定値に対応したプロセスタイマをスタートさせる。また、プロセスデータ中の表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1および音声データ1にもとづく制御を開始する。次いで、変動時間タイマ(特別図柄の変動時間に応じたタイマ)をスタートし、演出制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値にする。
図23は、図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、まず、表示制御処理を実行する(ステップS830)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS831)、プロセスデータにおける演出制御実行データの切り替えを行う(ステップS832)。すなわち、プロセスデータにおいて、次に設定されているプロセスタイマをスタートさせるとともに、次に設定されている表示制御実行データにもとづいてLCD制御を行う。また、プロセスデータ中の次に設定されているランプ制御実行データにもとづいてランプ・LED制御を行う。さらに、プロセスデータ中の次に設定されている音番号データを示す音声データ1を音声出力基板70に出力する。なお、この実施の形態では、プロセスタイマは、例えば、変動速度が切り替わるときや、特定のキャラクタを表示させたりするタイミングでタイムアウトするように設定されているとする。
切替後の表示制御実行データに発展演出を開始することを示すデータが設定されていた場合には、演出制御用CPU101の内部状態を展開指示(VRAMからフレームバッファに新たな画像データを展開することを示す指示)を禁止する状態に設定するとともに(ステップS833,S834)、発展演出(図11および図18参照)を開始させるために、GCL106に対して、可変表示装置9側に画像データを出力していたフレームバッファの内容をVRAMに複写することを示す複写指示を出力する(ステップS835)。なお、演出制御用CPU101からGCL106への指示は、演出制御用CPU101が描画制御レジスタ95に指示を書き込むことによって、GCL106に出力されることになる。
また、プロセスデータに特別図柄の可変表示を再開することを示すデータが設定されていた場合には(ステップS836)、GCL106に対して、可変表示装置9における動画表示を再開させるための指示を与える。すなわち、演出制御用CPU101は、まず、フレームバッファの画像データを消去することを示すクリア指示をGCL106に出力する(ステップS837)。次いで、ステップS813で選択されたエフェクト処理で用いるエフェクト用画像のCGROM83におけるアドレスとともに、そのエフェクト用画像をVRAMに読み出すことを指示する読出指示を出力する(ステップS838)。
さらに、ステップS835の処理による指示に応じてGCL106がフレームバッファに複写した画像データ(ステップS908参照)を、フレームバッファに戻すことを示す展開指示を出力する(ステップS839)。また、ステップS838の処理による指示に応じてGCL106がフレームバッファに読み出した画像データ(ステップS906参照)すなわちエフェクト用画像の画像データと、そのときのフレームバッファの内容との間で演算を行うことによって、フレームバッファに配置された画像データとエフェクト用画像の画像データとを合成することを示す描画指示(演算指示)を出力する(ステップS840)。そして、演出制御用CPU101の内部状態を展開指示禁止の状態から元の状態(展開指示禁止でない状態)に戻す(ステップS841)。なお、描画指示(演算指示)には、演算の内容(例えば、加算、減算、半透明化処理を実現するための演算など)を示す情報と、フレームバッファにおけるエフェクト用画像の設定位置を示す情報とが付随する。
この実施の形態では、プロセスデータにおいて、図24に示すように、発展演出を開始することを示す表示制御実行データの後に、可変表示を再開することを示す表示制御実行データが設定されている。そして、発展演出を開始することを示す表示制御実行データの直前に設定されているプロセスタイマの値が、表示画面が静止している期間(エフェクト演出が実行される期間でもある)に相当する。また、可変表示を再開することを示す表示制御実行データには、スーパーリーチ演出開始時のデータも含まれている。例えば、特別なキャラクタを表示させることを示すデータが含まれている。従って、演出制御手段は、動画表示を再開するときに、スーパーリーチ演出を開始することができる。
そして、変動時間タイマがタイムアウトしていたら(ステップS842)、特別図柄停止の演出制御コマンドの受信を監視するための監視タイマをスタートさせ(ステップS843)、演出制御プロセスフラグの値を全図柄停止待ち処理に対応した値にする(ステップS844)。なお、演出制御用CPU101は、特別図柄停止の演出制御コマンドを受信していたら、変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、演出制御プロセスフラグの値を全図柄停止処理に対応した値にする。
図25は、GCL106が定期的に発生するVブランク割込に応じて演出制御用CPU101が実行する表示制御処理を示すフローチャートである。表示制御処理において、演出制御用CPU101は、内部状態が展開指示禁止の状態でなければ(ステップS721)、画像データを可変表示装置9側に出力するフレームバッファを切り替える指示をGCL106に出力する(ステップS722)。この実施の形態では、フレームバッファはダブルバッファ構成であって、一方のフレームバッファから画像データが可変表示装置9側に出力されている間、他方のフレームバッファにVRAMの画像データを展開(書込)することが可能である。GCL106は、フレームバッファを切り替える指示に応じて、画像データを可変表示装置9側に出力するフレームバッファを切り替える。
そして、演出制御用CPU101は、画像データを可変表示装置9側に出力するフレームバッファ(読出側のフレームバッファ)から画像データを可変表示装置9側に出力することを示す表示指示をGCL106に出力する(ステップS723)。また、次のコマにおいて表示されるべき画像の画像データをVRAMから書込側のフレームバッファすなわち読出側でないフレームバッファに書き込むことを示す展開指示を、表示されるべき画像の画像データのVRAMにおける位置を指定する情報とともにGCL106に出力する(ステップS724)。
また、演出制御用CPU101は、次のコマにおいて表示されるべき図柄の種類を判定して、VRAMに展開されている特別図柄の画像データを切り替えるかべきか否か確認する(ステップS725)。この実施の形態では、可変表示装置9の特別図柄の表示領域において、33.3msが経過する毎に1コマずつ表示切替がなされてスクロール表示が実現されるとする。図17に例示されたような表示方法を用いた場合、5回の表示切替が実行されると、次のコマにおいて表示されるべき画像データがVRAMに存在しないことになるので、次のアニメーション画像が展開されるべきタイミングが到来することになる。そのようなタイミングになると、演出制御用CPU101は、VRAMに展開するアニメーション画像を切り替えるための指示をGCL106に出力する。
具体的には、VRAMに展開されているアニメーション画像をクリアすることを示すクリア指示をGCL106に出力する(ステップS726)。また、新たにVRAMに展開されるべきアニメーション画像を特定し(ステップS727)、特定したアニメーション画像のCGROM83におけるアドレスとともに、アニメーション画像をVRAMに展開することを示す読出指示をGCL106に出力する(ステップS728)。なお、図17に例示したような表示制御を行うために、演出制御用CPU101は、それぞれのタイミングにおいて、直前のタイミングにおいて抽出した一連画像の画像データとは異なる一連画像の画像データから、直前の抽出タイミングにおいて抽出した領域に対してずれた領域から画像データを抽出するようにGCL106に対して指示する。すなわち、図17において(A)〜(E)に示されているように、領域をずらして画像デーのが抽出が行われる。
アニメーション画像の切替に際して、演出制御用CPU101は、例えば、「4」および「3」の特別図柄についてVRAMへの展開を行う場合には、「4」および「3」のそれぞれについて複数種類の態様の画像データを特定して、表示される順序に従って並べてVRAMに展開されるようにGCL106に指示を与える。
図26は、GCL106の処理を示すフローチャートである。GCL106は、演出制御用CPU101から表示指示(ステップS723参照)を入力すると、読出側のフレームバッファから画像データを可変表示装置9側に出力する処理を開始する(ステップS901,S902)。
また、演出制御用CPU101から展開指示(ステップS839,S724参照)を入力すると、画像データをVRAMにおける指定された領域から抽出して(クリッピングして)フレームバッファに書き込む(ステップS903,S904)。演出制御用CPU101から読出指示(ステップS838,S728参照)を入力すると、指定されたCGROM83におけるアドレスから画像データを読み出してVRAMに書き込む(ステップS905,S906)。
また、演出制御用CPU101から複写指示(ステップS835参照)を入力すると、可変表示装置9に対して画像データを出力していたフレームバッファの内容をVRAMに複写する(ステップS907,S908)。また、クリア指示を入力すると(ステップS837,S726)、該当する領域にクリアデータを書き込んで内容をクリアする(ステップS909,S910)。
そして、GCL106は、演出制御用CPU101から描画指示(ステップS840参照)を入力すると、以下のような制御を行う。なお、描画指示を入力する直前に、演出制御用CPU101から、フレームバッファに複写した画像データを、フレームバッファに戻すことを示す展開指示を入力している(ステップS839,S840参照)。その結果、ステップS904で、そのような画像データすなわち発展演出が開始された時点の画像データ(一時静止表示時の表示画像データ)がフレームバッファに戻されている。また、ステップS838の処理による読出指示に応じて、ステップS906の処理で、エフェクト用画像の画像データがVRAMに存在している。GCL106は、描画指示に応じて、描画指示に付随する演算の内容が示す演算によって、フレームバッファの内容とエフェクト用画像の画像データとの間で演算(例えば、加算、減算、半透明化処理を実現するための演算など)を行う。その結果、フレームバッファの内容とエフェクト用画像とが合成された、図11(C)に例示するような画像の画像データがフレームバッファに生成される。なお、VRAMに展開されたエフェクト用画像の画像データは、例えば、特別図柄の変動終了時にクリアされる。
以上のような制御によって、特別図柄のスクロール表示すなわち可変表示(変動)が実現され、さらに、図11に例示されたような表示画面全体の一時停止および可変表示再開の表示制御が実現される。そして、そのような表示制御を行うときに、演出制御手段(演出制御用CPU101とGCL106とをを含む)は、フレームバッファに保存されている画像データ、すなわち一時停止時の画像データ(1画面全体)を、一旦、VRAMに複写し、VRAMに複写された画像データとエフェクト用画像のデータとを対象として演算処理を実行する。
よって、一時停止時の特別図柄の表示状態を含む画面状態がどのような状態であっても、上記の処理によって、一時停止と再開の制御を実行することができる。従来の方法では、一時停止時の画面に変形が施された図11(C)に例示された変形画面を表示しようとすると、様々な一時停止時の画面状態のそれぞれに応じた変形画面の画像データをキャラクタROMに格納しておき、その画像データを読み出して図11(C)に例示された画面表示を実現するので、キャラクタROMの容量を増大させていた。また、キャラクタROMの容量を増大させないようにするために、1種類または数種類の画像データしかキャラクタROMに格納しない場合には、一時停止時の画面状態を1種類または数種類にしかできない。従って、一時停止および再開の表示制御を多様にすることはできない。
また、演出制御手段は、識別情報の可変表示が行われる可変表示期間におけるあらかじめ決められている複数の時点のうちのいずれか時点で画像データ更新手段の動作を停止させる制御を行い(図13参照)、画像データ更新手段の動作の停止を解除するときに、表示演出の態様をスーパーリーチ演出に変更する(スーパーリーチに発展させる)のであるが、この実施の形態では、複数の時点のそれぞれは、スーパーリーチ1〜4のそれぞれにおいてあらかじめ決められている。しかし、変動パターンに応じて画像データ更新手段の動作を停止させるタイミングを決めておくのではなく、演出制御手段が、1つの変動パターンによる特別図柄の変動を実行するように遊技制御手段から指示された場合に、例えば抽選によって画像データ更新手段の動作を停止させるタイミングを決定し、その変動パターンに従って特別図柄の変動を行っている最中に画像データ更新手段の動作を停止させるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、パチンコ遊技機として、始動入賞にもとづいて可変表示部9に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種パチンコ遊技機を例示したが、表示装置を備えていれば、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第2種パチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する第3種パチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、スロット機に対しても本発明を適用することができる。