実施の形態1.
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、遊技に応じてあらかじめ決められた個数の遊技媒体が景品として払い出されるスロット機などの他の遊技機に適用することもできる。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2Bを有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2Bの下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、レール82の内側の略円形の遊技領域7が形成されている。
遊技者は、遊技球を遊技領域7に向けて発射するために打球操作ハンドル5の操作を行うことによって遊技を行う。発射の操作に応じて、打球発射装置(図示せず)が遊技球を発射する。打球発射装置が発射した遊技球は、打球レールを介して遊技領域7に進入する。
遊技盤6を構成する板状体は、透明性を有する透明合成樹脂板(例えば、アクリル板)で形成されている。遊技領域7には、透明遊技領域71と不透明領域72とがある。不透明領域72では、例えば、透明合成樹脂板の表面または裏面に、装飾が施されたフィルムが(不透明部材)貼られたり、透明合成樹脂板自体に装飾が描かれたりしている。また、透明性を有する透明合成樹脂板の裏面に不透明の装飾部材を取り付けることによって不透明領域72を形成してもよい。不透明領域72には、上不透明領域72A、側部不透明領域72Bおよび下不透明領域72Cがある。
遊技盤6の背面側には、それぞれが演出用の飾り図柄を可変表示する複数の可変表示部を含む画像表示装置(可変表示装置)9が設けられているが、遊技領域7の中央付近では、画像表示装置9の画面が視認可能である。画像表示装置9では、例えば、装飾用(演出用)の図柄としての「左」、「中」、「右」の3つ飾り図柄が可変表示され、また、演出表示が行われる。画像表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示期間中に飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う画像表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータと描画プロセッサとによって制御される。
透明遊技領域71において、下部にゲート(通過ゲート)32Aが設けられている。ゲート32Aを通過した遊技球は、ゲートスイッチ32aで検出される。また、透明遊技領域71において、左側部に飾り部材73が取り付けられている。この例では、飾り部材73は、星形の不透明枠である。画像表示装置9の表示画面において、飾り部材73の内部(枠の内側)に対応する部分では、特殊な演出表示が行われる。よって、遊技者には、飾り部材73の内部で特殊な演出表示が行われているように視認される。また、透明遊技領域71の中央部には、画像表示装置9の表示画面における識別情報の可変表示および可変表示に伴う表示演出等が行われる部分を囲うように飾り部材82が設置されている。
なお、ゲートスイッチ32aおよび飾り部材73は不透明部材であり、透明遊技領域71において、ゲートスイッチ32aが設けられている部分および飾り部材73が設けられている部分(枠状の部分)では、遊技者は、画像表示装置9の表示画面を視認できない。ただし、飾り部材73は透明部材で形成されていてもよい。さらに、遊技盤6を構成する透明な板状体と一体形成されていてもよい。
また、透明遊技領域71と下不透明領域72Cとの双方にまたがって、ゲート32Bが設けられている。ゲート32Bを通過した遊技球は、ゲートスイッチ32b(図示せず)で検出される。
下不透明領域72Cには、始動入賞口13が設けられている。始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ13aによって検出される。始動入賞口13の下部には、始動入賞口14を形成する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされ、開状態になると、始動入賞口14に遊技球が入賞可能になる。閉状態では入賞不能である。始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を有し、開閉板が開放状態に制御されることによって大入賞口(可変入賞球装置)が開放状態になる。特別可変入賞球装置20に入賞した入賞球はカウントスイッチ23で検出される。
また、下不透明領域72Cには、複数の入賞口(普通入賞口)29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口13,14や大入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
上不透明領域72Aには、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、例えば0〜99の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。画像表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。
また、上不透明領域72Aには、始動入賞口13,14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、始動入賞口14に始動入賞があるごとに、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で可変表示が開始されるごとに、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で可変表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。なお、この例では、始動入賞口13,14への入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしてもよい。
また、上不透明領域72Aには、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。ゲート32Aまたはゲート32Bに遊技球が入賞しゲートスイッチ32aまたはゲートスイッチ32bで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に右側のランプが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。また、ゲート32A,32Bに入った入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
側部不透明領域72Bには、遊技球が入賞領域に入賞したことにもとづいて払い出される景品としての賞球球の払い出し中に払出数を表示する賞球表示器51、および大当り遊技中のラウンド数を表示するラウンド数表示器75が設けられている。
遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。カードユニットには、例えば、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ、カードユニットがいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器、カードユニット内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口、およびカード挿入口の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニットを解放するためのカードユニット錠が設けられている。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口13または始動入賞口14に入り始動口スイッチ13aまたは始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が可変表示(変動)を始めるとともに、画像表示装置9において飾り図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示、および画像表示装置9における飾り図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、特別可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。
遊技球がゲート32Aまたはゲート32Bに入賞すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
図2は、遊技機の機構部分の構造を示す分解斜視図である。図3は、遊技機の縦断面を示す断面図である。遊技盤6は、外枠2内の遊技枠2Aに取り付けられ、遊技枠2Aにおける背面側には取付板90に取り付けられたLCDの画像表示装置9が設置される。遊技枠2Aと画像表示装置9との間には空間76が存在するが、空間76内において、上不透明領域72Aの裏面(上不透明領域72Aに対応する位置)に可動部材78が設置される。可動部材78は可動部材78に一体化している根本部分の取付部78Bにより遊技盤6に取り付けられるとともにモータ78Aの軸に取り付けられ、モータ78Aの軸を中心にして回転されることによって、可動部材78は動く。なお、図2には、遊技枠2Aを止める止め金具2Cも示されている。
画像表示装置9の背面には、遊技制御基板を含む主ユニット31Aと、演出制御基板を含む演出ユニット80Aとが取り付けられる。なお、図2および図3において、直方体状の可動部材取付部Aは、上不透明領域72Aの裏面と遊技領域外の裏面との双方にまたがって取り付けられ、可動部材78に一体化している取付部78Bを取り付ける部材である。また、可動部材取付部Aは、上不透明領域72Aに設けられている電気部品群を覆うように形成されている。上不透明領域72Aに設けられている電気部品群における電気部品(ユニット)として、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄始動記憶表示器41のそれぞれを含む電気部品がある。直方体状のカバー部Bは、側部不透明領域72Bの裏面と遊技領域外の裏面との双方にまたがって取り付けられ、側部不透明領域72Bに設けられている電気部品群を覆うように形成されている。側部不透明領域72Bに設けられている電気部品群における電気部品として、賞球表示器51およびラウンド数表示器75のそれぞれを含む電気部品がある。直方体状のカバー部Cは、下不透明領域72Cの裏面と遊技領域外の裏面との双方にまたがって取り付けられ、下不透明領域72Cに設けられている電気部品群を覆うように形成されている。下不透明領域72Cに設けられている電気部品群における電気部品として、始動入賞口13、可変入賞球装置15、特別可変入賞球装置20および入賞口(普通入賞口)29,30,33,39のそれぞれを含む電気部品(入賞口については検出スイッチを含む。)がある。なお、側部不透明領域72Bや下不透明領域72Cを設けなくてもよい。
また、上不透明領域72Aには、特別図柄表示器8を含む電気部品、普通図柄表示器10を含む電気部品、特別図柄保留記憶表示器18を含む電気部品および普通図柄始動記憶表示器41を含む電気部品が設置されているが、賞球表示器51を含む電気部品、ラウンド数表示器75を含む電気部品、または始動入賞口13、可変入賞球装置15、特別可変入賞球装置20、入賞口29,30,33,39のいずれかを含む電気部品を設置してもよい。さらに、少なくともいずれかの電気部品が設置されていればよい。
また、可動部材取付部Aは、上不透明領域72Aの裏面と遊技領域外の裏面との双方にまたがって取り付けられているが、いずれか一方の裏面に取り付けられるようにしてもよい。また、必ずしも、上不透明領域72Aに設けられている電気部品群を覆うように形成されていなくてもよい。
また、上不透明領域72Aに可動部材78が取り付けられているが、さらに、側部不透明領域72Bや下不透明領域72Cに可動部材に一体化している取付部を取り付ける可動部材取付部を設けて可動部材を取り付けてもよい。さらに、可動部材取付部をカバー部B,Cに取り付けるようにしてもよい。
配線A1は、上不透明領域72Aに設けられている電気部品群と主ユニット31Aとを接続する配線を示す。配線B1は、側部不透明領域72Bに設けられている電気部品群と主ユニット31Aとを接続する配線を示す。配線C1は、下不透明領域72Cに設けられている電気部品群と主ユニット31Aとを接続する配線を示す。配線D1は、モータ78Aと演出ユニット80Aとを接続する配線を示す。配線E1は、画像表示装置9と演出ユニット80Aとを接続する配線を示す。
配線A1,B1,C1,D1は、遊技盤6の裏面側において、画像表示装置9の下側を通過し、画像表示装置9が取り付けられる取付板90における下側部に設けられている穴である共通配線通過部79を通過する。配線E1は、取付板90の画像表示装置9の裏面に対応する箇所の一部に設けられた例えば矩形の配線通過部79Bを通過する。なお、ゲートスイッチ32aに接続される配線F1は、配線A1、配線B1、配線C1または配線D1と同様に、遊技盤6の裏面側において、画像表示装置9の下側を通過し、画像表示装置9が取り付けられる取付板90における下側に設けられている穴である共通配線通過部79を通過し、主ユニット31Aに接続される。
また、上不透明領域72Aと側部不透明領域72Bと下不透明領域72Cとのいずれか、または複数の裏面に、LED等の装飾部材を設置してもよい。例えば、上不透明領域72Aの裏面に装飾部材を設置した場合には、装飾部材に接続される配線は、配線D1と同様に、遊技盤6の裏面側において、画像表示装置9の下側を通過し、画像表示装置9が取り付けられる取付板90における下側に設けられている穴である共通配線通過部79を通過し、演出ユニット80Aに接続される。なお、可変入賞球装置15や特別可変入賞球装置20等に入賞した遊技球や、アウト口26に入った遊技球は、空間部76に設けられた球通路(図示せず)を通過して遊技機外に排出される。
画像表示装置9は、遊技機内において、前後方向(遊技機前面と遊技機背面とを結ぶ方向)に移動可能であるように構成されていることが好ましい。例えば、画像表示装置9と取付板90との間に支柱を介在させ、支柱の高さを変えることによって、画像表示装置9を前後方向に移動可能に構成できる。そのような構成によれば、画像表示装置9を含む表示ユニットを他の機種でも用いる場合に、空間76の幅が異なるときでも容易に対応できる。なお、上不透明領域72Aや側部不透明領域72Bの裏側に配置される電気部品の厚みは異なるような場合に、空間76の幅の異なりが生ずる。
図4は、遊技領域における透明遊技領域71や可動部材78を説明するための正面図である。図4において、左上から右下に向かう斜線が施された部分は、不透明領域(上不透明領域72A、側部不透明領域72B、下不透明領域72C)を示し、斜線が施されていない部分は、透明遊技領域71を示す。なお、遊技盤6の表面において遊技領域7でない領域を、「遊技領域外」6Bという。また、遊技領域7は透明遊技領域71および不透明領域で形成されている。透明遊技領域71および不透明領域は、画像表示装置9の表示画面9A(破線の四角形内)の領域すなわち表示領域と重複するが、表示領域には、遊技領域外6Bと重複する部分もある。
図4には、可動部材78がモータ78Aで駆動されて、透明遊技領域71にまで移動した場合が示されている。また、可動部材78は、モータ78Aによって、遊技者に全く視認されない位置(図4に示す例では、遊技領域外6Bおよび上不透明領域72A)に収納されることが可能である。図4では、可動部材78が遊技領域外6Bと側部不透明領域72Bとに亘って(遊技領域外6Bと上不透明領域72Aとに重複して)収納されている例が示されているが、可動部材78は、遊技領域外6Bのみに重複するように収納されてもよいし、いずれかの不透明領域(上不透明領域72A、側部不透明領域72Bまたは下不透明領域72C)のみに重複するように収納されてもよい。実際には、可動部材78は、遊技領域外6Bまたは透明領域の裏面の空間76において収納されるのであるが、以下、「遊技領域外6B(または透明領域)に収納される」というように表現することがある。なお、図4において、遊技盤6の外側に4つの取付金具部(画像表示装置9を取付板90に取り付けるための金具部:図2参照)も示されている。
図5は、画像表示装置9における表示演出と所定の定位置で停止された可動部材78とが共動して1つの演出が実現される例を示す説明図である。図5において、「龍」形状のものが可動部材78であり、「龍」形状のものが吐き出すように表現されている炎状のものは、画像表示装置9の表示画面9Aに表示される画像9cである。また、図5に示すように、表示画面9Aにおける飾り部材73の内部に相当する部分では、他の部分とは異なる趣向の画像73aが表示される。
なお、可動部材78の一部(例えば、「龍」形状のものの目の部分)を透明にしてもよい。その場合には、画像表示装置9の表示画面において、可動部材78における透明な部分に対応する部分では、特殊な演出表示(例えば、光る目のような画像を表示)が行われる。よって、遊技者には、透明な部分で特殊な演出表示が行われているように視認される。
図6は、他の種類の可動部材78を説明するための正面図である。図6に示す例では、可動部材78は支持部材78aの一端に接続され、支持部材78aの他端は、モータ78Aの軸に接続されている。支持部材78aは、透明材料(例えば、透明アクリル板)で形成されている。よって、透明遊技領域71と重複する部分は透明である。また、図5に示す例では、可動部材78が透明遊技領域71と重複するような位置にまで動いたときに可動部材78の一部は不透明領域に存在する。しかし、図6に示す例では、可動部材78の全ての部分が、透明遊技領域71と重複する。
図7は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図7には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a,32b、始動口スイッチ13a,14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する画像表示装置9の表示制御を行う。
図8は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図8に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、描画プロセッサ(VDP:ビデオディスプレイプロセッサ)109に画像表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して画像表示装置9の表示制御を行う描画プロセッサ109が演出制御基板80に搭載されている。描画プロセッサ109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、描画プロセッサ109は、描画領域内の画像データを画像表示装置9に出力する。なお、以下、描画領域に画像データを書き込むことを、「描画する」という。また、描画領域内の画像データに対応した画像が画像表示装置9に表示される。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令を描画プロセッサ109に出力する。CGROMは、画像表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。描画プロセッサ109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、描画プロセッサ109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図7に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。
また、LEDドライバ353は、賞球表示器51およびラウンド数表示器75を駆動する。払出制御用マイクロコンピュータが球払出装置97を駆動して賞球払出を行っているときに、払出制御用マイクロコンピュータは、1個の遊技球を賞球として払い出す毎に、または所定数の賞球払出を完了する毎に賞球払出コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御用マイクロコンピュータから賞球払出コマンドを受信すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、賞球払出コマンドと同じ情報を含む演出制御コマンドを送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、その演出制御コマンドに応じて、賞球表示器51に賞球払出数を表示する制御を行う。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技中に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信するラウンド数を示す演出制御コマンドに応じて、ラウンド数表示器75にラウンド数を表示する制御を行う。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
図9は、描画プロセッサ109の回路構成を示すブロック図である。図9には、演出制御用CPU101およびCGROM83も示されている。
画像表示装置6の表示制御を実行する際に、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに応じた指令をCPUインタフェース(CPUI/F)92を介して描画プロセッサ109に与える。指令がCGROM83から画像データを読み出す指令であった場合には、描画プロセッサ109の描画回路91は、CGバスインタフェース(CGバスI/F)93に、CGROM83から必要なデータを読み出す指示を与える。デコーダ95は、データ圧縮されているフレーム画像データ(動画を構成する各フレームの画像データ)を伸張(復号)して、伸張後のフレーム画像データを描画素材データメモリ96Aに書き込む。また、描画プロセッサ109における描画回路91は、入力したデータに従って画像表示装置9に表示するための画像データを生成し、画像データをフレームバッファ96Bの描画領域に書き込む。そして、表示回路98は、描画領域内の画像データにもとづくR(赤),G(緑),B(青)の画像信号および同期信号を画像表示装置9に出力する。画像表示装置9は、例えば、多数の画素(ピクセル)を駆動するドットマトリクス方式による画面表示を行う。
描画プロセッサ109において、描画素材データメモリ(以下、VRAMRSという。)96Aには、CGROM83から読み出された描画素材データが格納される。描画素材データとして、MPEG2(Moving Picture Experts Group phase 2)方式等で符号化(データ圧縮)された動画像データが復号(伸張)されて得られた動画像データを構成する静止画データや、スプライト画像データ(動画像ではない画像(本来の静止画)の画像データ)が格納される。フレームバッファ(以下、VRAMFBという。)96Bには、表示画面に相当するデータ格納領域である描画領域を確保することが可能である。なお、描画プロセッサ109は、VRAM(ビデオRAM)を内蔵し、VRAMRS96AおよびVRAMFB96Bは、VRAMに形成される。また、以下、描画プロセッサ109が処理を実行するときに、VRAMRS96AとVRAMFB96Bのいずれを使用してもよい場合には、「VRAM」を使用するといった表現を行うことがある。
また、動画像再生するときには、描画プロセッサ109は、CGROM83から動画像データを構成するフレーム画像データ(データ圧縮されている)を読み出す。そして、デコーダ95が、データ圧縮されているフレーム画像データを伸張して、伸張後のフレーム画像データをVRAMRS96Aに書き込む。なお、以下、VRAMRS96AまたはVRAMFB96Bに画像データに書き込むことを、画像データを展開するということがある。
描画プロセッサ109の内部には、CGバスとVRAMバスとが設けられている。CGROM83とCGバスとの間に、CGバスインタフェース(CGバスI/F)93が設置されている。CGバスにはCPUI/F92も接続され、演出制御用CPU101は、CPUI/F92を介して、CGバスに接続されている部分をアクセスすることができる。具体的には、演出制御用CPU101は、CGバスに接続されている描画制御レジスタ95をアクセスすることができる。
次に、遊技機の動作について説明する。図10は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS8)。ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、遊技状態復旧処理を行う(ステップS43)。遊技状態復旧処理では、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧コマンドを送信する制御を行う。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信するために、初期化コマンド送信要求フラグをセットする(ステップS13)。初期化コマンドとして、画像表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている画像表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り決定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り決定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図11に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a,32b、始動口スイッチ13a,14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
図12は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:始動入賞口への遊技球の入賞にもとづく特別図柄の可変表示に対応して、大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(3)ランダム3:大当りを発生させるときの特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(7)ランダム7:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
図11に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、および(5)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(7)の乱数以外の乱数も用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアまたは遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェアが生成する乱数を用いてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8および大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(左側点灯および右側点灯)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、左側点灯を示す1と右側点灯を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図13は、大当り判定値の一例を示す説明図である。CPU56は、所定の時期に、大当り判定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図13に示す大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当りまたは通常大当り)とすることに決定する。なお、図13(B)では、数値の記載は省略され、数値の個数が示されている。CPU56は、通常状態では、大当り判定用乱数値と図13(A)に記載されている大当り判定値とを比較する。確変状態では、大当り判定用乱数値と図13(B)に記載されている個数分設定されている大当り判定値とを比較する。図13(A)に記載されている数値は、通常時大当り判定値としてROM54に設定され、図13(B)に記載されている個数分の数値は確変時大当り判定値としてROM54に設定されている。なお、確変大当りとは、大当り遊技後の遊技状態を、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態に移行させるような大当りである。通常大当りとは、大当り遊技後の遊技状態を確変状態ではない状態に移行させるような大当りである。
なお、確変状態では、普通図柄の停止図柄が当り図柄に決定される確率を高くしたり、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり、開放回数を多くしたりするようにしてもよい。
図14は、画像表示装置9の表示画面における「左」、「中」、「右」の各可変表示部において可変表示される複数種類の飾り図柄の一例を示す説明図である。この実施の形態では、画像表示装置9の表示画面に設けられた「左」、「中」、「右」の各可変表示部において、「1」〜「9」の数字を示す図柄が、例えば四角形や円形、略菱形、星型六角形などといった所定の図形と組み合わされて可変表示される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。各可変表示部において表示される飾り図柄の配列には、演出状態(演出モード)が演出モード#1〜#3のいずれであるかにかかわらず同一の表示態様で表示される共通図柄と、演出モード#1〜#3に応じて異なる表示態様で表示される選択図柄が含まれている。
例えば、「1」〜「6」、「8」および「9」の数字を示す図柄は、演出モード#1〜#3のいずれであるかに関わらず、四角形の図形と組み合わせられる。「7」の数字を示す図柄は、演出モード#1であるときには円形の図形と組み合わせられ、演出モード#2であるときには略菱形の図形と組み合わせられ、演出モード#3であるときには星型六角形の図形と組み合わせられる。図柄番号が「1」〜「6」、「8」および「9」に対応した飾り図柄は共通図柄であり、図柄番号が「7」に対応した飾り図柄は選択図柄である。
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態であるときに演出モードは演出モード#1に制御され、遊技状態が時短状態であるときに演出モードは演出モード#2に制御され、遊技状態が確変状態であるときに演出モードは演出モード#3に制御される。しかし、そのような演出モードの分け方は一例であって、例えば、遊技者が遊技機に設けられている押下ボタン等の操作手段によって演出モードを選択可能であるようにしたり、時刻に応じて演出モードを切り替えるように構成したりしてもよい。
また、図1では、四角形、円形、略菱形および星型六角形の図形を伴わない状態で、飾り図柄が示されていた。
図15は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図15において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「変動時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
「通常変動」は、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「ノーマルリーチ」は、リーチ態様を伴うが表示結果(停止図柄)が大当り図柄にならない変動パターンである。「リーチA」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間(リーチ演出が行われる期間)において異なった態様の変動態様(速度や回転方向等)やキャラクタ等が現れることをいう。例えば、「ノーマルリーチ」では単に1種類の変動態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、「リーチA」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ態様が実現される。
「リーチB」は、「ノーマルリーチ」および「リーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。そして、「リーチC」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」および「リーチB」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。
「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」および「リーチC」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。「スーパーリーチ」には「スーパーリーチA」と「スーパーリーチB」とがあるが、「スーパーリーチB」は、画像表示装置9の表示演出と可動部材78による演出とが共動して実現される演出を伴う変動パターンである。以下、「スーパーリーチA」と「スーパーリーチB」とを「スーパーリーチ」と総称することがある。
なお、「リーチA」、「リーチB」および「リーチC」では、大当りになる場合と大当りにならない場合とがある。また、「スーパーリーチ」でも、大当りになる場合と大当りにならない場合とがあるが、「スーパーリーチ」による可変表示が実行されると、極めて高い割合で、停止図柄は大当り図柄になる。なお、「スーパーリーチ」では、常に、大当りになるようにしてもよい。
「通常変動・短縮」は、リーチ態様を伴わない変動パターンであるが、「通常変動」に比べて変動時間(可変表示時間)は短い。「リーチA・短縮」は、「リーチA」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチA」に比べて短い。「リーチB・短縮」は、「リーチB」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチB」に比べて短い。
図16(A)〜(D)は、変動パターンテーブルの一例を示す説明図である。CPU56は、所定の時期に、変動パターン決定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を抽出して抽出値を変動パターン決定用乱数とするのであるが、変動パターン決定用乱数が図16に示す個数分設定されている判定値に一致すると、判定値に対応する変動パターンを、使用する変動パターンに決定する。従って、変動パターンテーブルとは、変動パターン決定用乱数と比較される判定値が、変動パターンに対応させて設定されているテーブルである。変動パターンテーブルは、ROM54に設定されている。
図16(A)は、遊技状態が通常状態であって、はずれとすることに決定されている場合に使用される変動パターンテーブル(はずれ変動パターンテーブル)である。図16(B)は、遊技状態が通常状態であって、大当りとすることに決定されている場合に使用される変動パターンテーブル(大当り変動パターンテーブル)である。図16(C)は、遊技状態が確変状態または時短状態であって、はずれとすることに決定されている場合に使用される変動パターンテーブル(時短時はずれ変動パターンテーブル)である。図16(D)は、遊技状態が確変状態または時短状態であって、大当りとすることに決定されている場合に使用される変動パターンテーブル(時短時大当り変動パターンテーブル)である。
なお、確変状態および時短状態では、特別図柄の変動時間は、通常状態に比べて短縮されていることになる。また、確変状態および時短状態において、普通図柄の変動時間を短縮したりしてもよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図17は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図17に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
図18に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機になる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図18に示された極性と逆極性であってもよい。
図19は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図19に示す例において、コマンド8001(H)〜800A(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜800A(H)のいずれかを受信すると、画像表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。なお、この実施の形態では、特別図柄の可変表示と飾り図柄の可変表示とは同期(可変表示開始時期および可変表示終了時期が同じ。)しているので、飾り図柄の変動パターン(変動時間)を決定することは、特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定することも意味する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、および大当り遊技後の遊技状態を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8F00(H)は、特別図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。なお、導出表示とは、図柄を最終的に停止表示させることである。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、電源投入指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA000(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。コマンドA300(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図19に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
なお、大入賞口開放中指定コマンドは、ラウンド数を指定するラウンド数指定コマンドの役割も果たす。また、図19に示された演出制御コマンドに加えて、賞球払出数を特定可能な演出制御コマンド等も使用される。
図20は、演出制御コマンドの送信タイミングの一例を示す説明図である。図20に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動開始時に、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを送信する。そして、可変表示時間が経過すると、図柄確定指定コマンドを送信する。
なお、変動パターンコマンドを送信する前に、遊技状態(例えば、通常状態/時短状態/確変状態)に応じた画像表示装置9における背景画像を指定する背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。その場合には、図19に示す表示結果特定コマンドのうち、はずれ指定の表示結果特定コマンド(表示結果1指定コマンド、表示結果2指定コマンド、表示結果3指定コマンド)を1つのコマンドにまとめることができる。
図21は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8および大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動入賞口13,14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ13aまたは始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS312)。そして、ステップS300〜S309のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S309の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数(始動入賞記憶数)を確認する。保留記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に対応した値(この例では1)に更新する。
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
表示結果特定コマンド送信処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS302でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると画像表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
大当り表示処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り表示時間タイマによって所定期間を計測し、所定期間が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に移行するように更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。
大当り終了処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図22は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(ステップS111)。保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
保留記憶数が4になっていない場合には、保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS112)。また、CPU56は、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS113)。保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。ステップ113では、ランダム1〜4(図7参照)の値が抽出され、保存領域に保存される。
図23は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
保留記憶数が0でなければ、CPU56は、RAM55の保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS52)。そして、保留記憶数の値を1減らし(保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS53)。すなわち、RAM55の保留記憶数バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。その後、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS54)。
図24は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。特別図柄停止図柄設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域からランダム1(大当り判定用乱数)を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図13参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。なお、CPU56は、遊技状態が確変状態であるときには、図13(B)に示すような個数分の大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用し、遊技状態が通常状態(時短状態を含む。)であるときには、図13(A)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS63)、ステップS81に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器8における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当りとしないことに決定した場合には、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数を読み出し(ステップS64)、はずれ図柄決定用乱数にもとづいて停止図柄を決定する(ステップS65)。この場合には、はずれ図柄(例えば、偶数図柄のいずれか)を決定する。そして、ステップS90に移行する。
ステップS81では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、乱数バッファ領域から大当り図柄決定用乱数を読み出し(ステップS82)、大当り図柄決定用乱数にもとづいて停止図柄として大当り図柄(例えば、奇数図柄のいずれかの揃い)決定する(ステップS83)。なお、ここでは、確変大当りと通常大当りとを区別せずに停止図柄を決定するが、区別して停止図柄を決定するようにしてもよい。例えば、確変大当りと決定されている場合には停止図柄を「77」に決定し、通常大当りと決定されている場合には停止図柄を「77」以外の奇数図柄のいずれかの揃いに決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、確変大当りとすることに決定されている場合には、確変大当りフラグをセットする(ステップS84,S85)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS86)。なお、確変大当りフラグがセットされた場合には、大当り遊技が終了したときに遊技状態が確変状態に移行される。
ステップS90では、CPU56は、確変フラグがセットされているか否か確認する。セットされていない場合には、ステップS95に移行する。セットされている場合には、確変回数カウンタの値を−1する(ステップS91)。確変回数カウンタの値が0になった場合には確変終了フラグをセットして(ステップS92,S93)、ステップS86に移行する。確変回数カウンタの値が0になっていない場合には、そのままステップS86に移行する。なお、確変終了フラグがセットされた場合には、特別図柄の可変表示が終了したときに遊技状態が確変状態から時短状態に移行される。
ステップS95では、CPU56は、時短フラグがセットされているか否か確認する。セットされていない場合には、ステップS86に移行する。セットされている場合には、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS96)。時短回数カウンタの値が0になった場合には時短終了フラグをセットして(ステップS97,S98)、ステップS86に移行する。時短回数カウンタの値が0になっていない場合には、そのままステップS86に移行する。なお、時短終了フラグがセットされた場合には、特別図柄の可変表示が終了したときに遊技状態が時短状態から通常状態に移行される。
なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数にもとづいて、大当りとするか否かと確変状態に制御するか否かとを決定するようにしているが(図13参照)、大当り判定用乱数にもとづいて、大当りとするか否かを決定し、大当り図柄決定用乱数にもとづいて所定の大当り図柄(あらかじめ決められている確変大当り図柄)が決定されたときに確変状態に制御するように決定されるようにしてもよい。
図25は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読み出す(ステップS101)。そして、変動パターン決定用乱数にもとづいて変動パターンテーブル(図16参照)から変動パターンを選択する(ステップS102)。ここで、遊技状態が通常状態であって、はずれとすることに決定されている場合には、はずれ変動パターンテーブル(図16(A)参照)から変動パターンを選択する。遊技状態が通常状態であって、大当りとすることに決定されている場合には、大当り変動パターンテーブル(図16(B)参照)から変動パターンを選択する。遊技状態が確変状態または時短状態であって、はずれとすることに決定されている場合には、時短時はずれ変動パターンテーブル(図16(C)参照)から変動パターンを選択する。遊技状態が確変状態または時短状態であって、大当りとすることに決定されている場合には、時短時大当り変動パターンテーブル(図16(D)参照)から変動パターンを選択する。
そして、CPU56は、ステップS102で選択した変動パターンに応じた変動パターンコマンド(図19参照)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。また、特別図柄の変動を開始する(ステップS104)。例えば、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、変動時間に応じた値を設定する(ステップS105)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果特定コマンド送信処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS106)。
図26は、表示結果特定コマンド送信処理(ステップS303)を示すフローチャートである。表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図19参照)を送信する制御を行う(ステップS107)。ここで、確変大当りにすることに決定されている場合には、表示結果5指定コマンドを送信し、通常大当りにすることに決定されている場合には、表示結果4指定コマンドを送信する。また、ステップS93の処理で確変終了フラグがセットされた場合には、表示結果2指定コマンドを送信し、ステップS98の処理で時短終了フラグがセットされた場合には、表示結果3指定コマンドを送信する。そうでない場合には、表示結果1指定コマンドを送信する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS108)。
図27は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS305)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS123)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図28は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS305)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、特別図柄表示器8に停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、ステップS141に移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを例えば画像表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(ステップS136)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS137)。なお、大当り表示処理では、CPU56は、大当り表示時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値に更新する。
ステップS141では、CPU56は、確変終了フラグがセットされているか否か確認する。確変終了フラグがセットされていない場合には、ステップS146に移行する。確変終了フラグがセットされている場合には、確変終了フラグをリセットし(ステップS142)、確変フラグをリセットして確変状態を終了させる(ステップS143)。また、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態にし(ステップS144)。時短状態における変動可能回数を示す時短回数カウンタに50をセットする(ステップS145)。そして、ステップS149に移行する。
ステップS146では、CPU56は、時短終了フラグがセットされているか否か確認する。時短終了フラグがセットされていない場合には、ステップS149に移行する。時短終了フラグがセットされている場合には、時短終了フラグをリセットし(ステップS147)、時短フラグをリセットして時短状態を終了させる(ステップS148)。時短フラグがリセットされることによって、遊技状態は通常状態に移行する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS149)。
図29は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS309)の処理を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当りフラグをリセットし(ステップS151)、大当り終了指定コマンド送信する制御を行う(ステップS152)。
そして、確変大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS153)。確変大当りフラグがセットされている場合は、確変大当りフラグをリセットし(ステップS154)。確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS155)。なお、そのときの遊技状態が確変状態である場合には、既に確変フラグはセットされている。また、そのときの遊技状態が時短状態であった場合には時短フラグをリセットする(ステップS156)。そして、確変状態における変動可能回数を示す確変回数カウンタに100を設定し(ステップS157)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS158)。
確変大当りフラグがセットされていない場合には、確変フラグがセットされているか否か確認する(ステップS161)。確変フラグがセットされている場合には、確変フラグをリセットし(ステップS162)、時短フラグをセットして(ステップS163)、遊技状態を確変状態から時短状態に移行させる。また、時短回数カウンタに50を設定し(ステップS164)、ステップS158に移行する。
確変フラグがセットされていない場合には、そのときの遊技状態が時短状態であった場合には時短フラグをリセットして遊技状態を時短状態から通常状態に移行させ(ステップS165)、ステップS158に移行する。
次に、飾り図柄の変動の一例を説明する。図30および図31は、スーパーリーチAによるリーチ演出が実行されるときの画像表示装置9の表示状態を示す説明図である。図30(A)〜図31(P)に示す矩形は、画像表示装置9における表示画面9Aを示す。可変表示の開始タイミングになると、図30(A)に示すような前回の可変表示結果を示す左中右図柄が回転を開始し、図30(B)に示すように、左中右図柄が高速回転される状態になる。所定期間高速回転が行われ、左図柄が数図柄分低速回転された後、左図柄の仮停止タイミングになると、図30(C)に示すように左図柄が仮停止状態になる。仮停止状態とは、停止図柄が確定(最終的に停止)する前の段階で停止している状態である。仮停止状態では、例えば図柄が上下あるいは左右に揺れている揺れ変動をしている。
次いで、右図柄が数図柄分低速回転された後、右図柄の仮停止タイミングになると、図30(D)に示すように、右図柄も仮停止状態になる。この例では、左右図柄がともに「7」で仮停止したリーチ表示になっている。このことを、リーチ成立という。図30(D)に示すようなリーチ表示状態となった後、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される。
スーパーリーチAによるリーチ演出では、まず、中速回転による演出が実行される。具体的には、図30(E)に示すように、リーチ状態となったことを報知するための「リーチ」という表示がなされた後、中図柄が数図柄分低速回転されてから、中図柄の仮停止タイミングになると、図30(F)に示すように、中図柄が仮停止状態になる。中図柄が仮停止状態となったときに、中速回転による演出が終了する。
中速回転による演出が終了すると、高速回転による演出が実行される。具体的には、図30(G)に示すように、高速回転によるリーチ演出を実行することを報知するための「高速リーチ」という表示がなされた後、中図柄の高速回転が所定期間行われ、中図柄の仮停止タイミングになると、図30(H)に示すように、中図柄が仮停止状態になる。中図柄が仮停止状態となったときに、高速回転による演出が終了する。
高速回転による演出が終了すると、動画像演出が実行される。動画像演出において、図31(I)に示すように、高速回転による演出よりもさらに発展した演出を実行することを報知するための「スペシャルリーチ」という表示がなされるとともに、仮停止中の左右図柄が縮小されて画面下方に移動され、さらに中図柄が高速回転を開始する。次いで、動画像データにもとづく動画像表示が開始され、図31(J)に示すように、キャラクタ画像が徐々に表れてくる表示制御がなされる。図31(K)に示すように、キャラクタ画像が完全に表示された後、中図柄の仮停止タイミングになると、中図柄が仮停止状態になる。中図柄の仮停止状態において、図31(L)に示すように、キャラクタ画像がハンマーを振り下ろすような動画像が表示される。この例では、仮停止中の中図柄が位置する場所とハンマーを振り下ろす場所とが一致するように、キャラクタ画像を動画表示するための動画像データが作成されている。よって、画像表示装置9の表示画面において、キャラクタ画像がハンマーを振り下ろして仮停止中の中図柄を叩いたような演出表示が実現される。
次いで、仮停止中の中図柄が画面外に消失し、図31(M)に示すように、消失した図柄の次に表示される中図柄(この例では「7」)が画面上方から降りてくる表示がなされる。図31(N)に示すように、画面上方から降りてきた中図柄が仮停止状態になったときに、動画像データにもとづいてキャラクタ画像が右手を挙げたポーズをとるような動作を行う動画像が表示される。そして、図31(O)に示すように、キャラクタ画像が徐々に消失していくような表示がなされる。キャラクタが完全に消失すると、動画像データにもとづく動画像演出が終了するとともに、図31(P)に示すように左中右図柄が最終的に停止表示される。左中右図柄が停止表示されたときに動画像演出が終了し、スーパーリーチA演出が完了したことになる。
スーパーリーチB演出では、高速回転による演出よりもさらに発展した演出を実行することを報知するための図31(I)に示すような「スペシャルリーチ」という表示がなされた後、図32(J),(K)に示すように、可動部材78が、非透明領域または遊技領域外から透明遊技領域71に進出してくる。そして、可動部材78の透明遊技領域71との重複部分が最大になる位置に到達すると、図32(L)に示すように、画像表示装置9において、あたかも可動部材78から吐き出ているかのように、炎の画像が表示される。その画像は、変動している中図柄の近傍に表示される。なお、図32(J)〜(P)に示す矩形は、画像表示装置9における表示画面9Aを示す。
そして、図32(M)に示すように、炎によって中図柄の変動が停止したかのような演出が実行され、可動部材78が透明遊技領域71から退出するように移動されると(図示せず)、図32(P)に示すように左中右図柄が最終的に停止表示される。
なお、この実施の形態では、スーパーリーチA演出およびスーパーリーチB演出は、中速回転による演出、高速回転による演出、動画像による演出が順に実行される演出である。よって、他のリーチ演出(ノーマルリーチやリーチA等)の演出内容を発展させた態様になっている。そのようにした場合には、動画像表示の出現によって遊技者に大当りへの大きな期待を持たせることができるようになり、遊技の興趣を向上させることができる。
図33は、この実施の形態において、通常状態で使用されるリーチ演出の演出態様の例を示す説明図である。図33に示すように、通常状態で使用されるリーチ演出として、ノーマルリーチ、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチAおよびスーパーリーチBの6種類のリーチ演出がある。ノーマルリーチは、特別図柄の表示状態がリーチ態様(左右図柄が同じ図柄で揃った状態)になった後、リーチ態様を維持したまま最後に停止する特別図柄(中図柄)を中速で回転(変動)させる演出である。すなわち、ノーマルリーチは、遊技者の大当りへの期待を高めるような特殊な演出ではない通常のリーチ演出である。リーチAおよびリーチBは、ノーマルリーチの発展形であり、リーチ態様を維持したまま最後に停止する特別図柄(中図柄)を中速で回転させ、所定期間が経過したときに、特別図柄を高速回転または逆回転させる演出である。リーチBは、いわゆる戻り演出(図柄の停止位置を過ぎたあとに逆回転して図柄が停止位置に戻ってくるような表示による演出)を含む演出である。
リーチC、スーパーリーチAおよびスーパーリーチBは、リーチAの発展形であり、リーチ態様を維持したまま最後に停止する特別図柄(中図柄)を中速で回転させ、特別図柄を高速回転させた後、コマ送りまたは動画像演出が実行される演出である。
この実施の形態では、ノーマルリーチ、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチ(スーパーリーチAおよびスーパーリーチB)の順で、リーチ演出の出現に対する大当り発生確率が高くなっていくように構成される。具体的には、例えば、スーパーリーチが出現したときには、大当りとなる確率が他のリーチ演出の出現時と比較して高くなるように構成されている(図16参照)。なお、図30〜図32では、四角形、円形、略菱形および星型六角形の図形(図14参照)を伴わない状態で、飾り図柄が示されている。
次に、描画プロセッサ109におけるデータ転送方法および演出制御用CPU101から描画プロセッサ109に出力される指令(コマンド)を説明する。
図34は、画像データの転送を説明するための説明図である。CGROM83に格納されている画像データは、VRAMRS96Aに転送されることが可能である。また、CGROM83に格納されている画像データは、VRAMRS96Aにおける転送領域を経由してVRAFB96Bに転送されることが可能である。また、VRAMRS96Aの固定領域に格納されている画像データは、VRAFB96Bに転送されることが可能である。さらに、VRAFB96Bに格納されている画像データは、VRAMRS96Aに転送されることが可能である。なお、描画プロセッサ109は、例えば、電力供給開始時に、演出制御用CPU101からの指令に応じて、画像データに対応した演出画像による演出の実行頻度が相対的に高い画像データをCGROM83からVRAMRS96Aの固定領域に転送する。また、描画プロセッサ109は、CGROM83から読み出した画像データをVRAMFB96Bに書き込むときには、一旦画像データをVRAMRS96Aに書き込み、画像データをVRAMRS96Aから読み出して、VRAMFB96Bに書き込むことになる。
図35は、演出制御用CPU101から描画プロセッサ109に出力される指令のうち、データ転送に関する指令を示す説明図である。CGROM転送指令は、CGROM83からVRAMRS96Aに画像データを転送させる場合に出力される指令である。VRAMFB転送指令は、VRAMRS96AからVRAMFB96Bに画像データを転送させる場合に出力される指令である。VRAMRS間転送指令は、VRAMRS96Aに格納されている画像データを、VRAMRS96Aにおける他の領域に画像データを転送させる場合に出力される指令である。
描画エフェクト指令は、VRAMRS96AからVRAMFB96Bに画像データを転送させるときの描画効果を指定する指令である。VRAMFBコピー指令は、VRAMFB96BからVRAMRS96Aに画像データを転送させる場合に出力される指令である。自動転送指令は、CGROM83に格納されている画像データを、VRAMRS96Aを経由してVRAFB96Bに転送させる場合に出力される指令である。
なお、この実施の形態では、CGROM83のアドレス指定を除き、データ転送の際の転送元アドレス(読出アドレス)および転送先アドレス(書込アドレス)は、領域のX座標およびY座標で指令されるが、メモリ(ROMまたはRAM)において画像データが格納されているアドレスそのもので指定することもできる。さらに、あらかじめ作成されているインデックス(領域のアドレス等が設定される)を利用して読出アドレスおよび書込アドレスを指定することもできる。
描画プロセッサ109の描画回路91は、CGROM転送指令を入力すると、CGバスインタフェース93に、CGROM83の読出開始アドレスから画像データを読み出してVRAMRS96Aの書込アドレスに画像データを転送させる。VRAMFB転送指令を入力すると、VRAMRS96Aの読出アドレスから画像データを読み出してVRAMFB96Bの書込アドレスに書き込む。VRAM間転送指令を入力すると、VRAMRS96Aの読出アドレスから画像データを読み出してVRAMRS96Aの書込アドレスに書き込む。描画エフェクト指令を入力すると、VRAMFB転送指令を入力したときに、描画エフェクト指令に含まれるパラメータに従って画像合成を行う。
また、描画回路91は、VRAMFBコピー指令を入力すると、VRAMFB96Bの読出アドレスから画像データを読み出してVRAMRS96Aの書込アドレスに書き込む。自動転送指令を入力すると、CGバスインタフェース93にCGROM83の読出開始アドレスから画像データを読み出してVRAMRS96Aの所定領域に画像データを転送させ、さらに所定領域から画像データを読み出してVRAMFB96Bの書込アドレスに書き込む。
図36は、演出制御用CPU101から描画プロセッサ109に出力される指令のうち、データ圧縮された動画像データを伸張することに関する指令を示す説明図である。シングルストリーム開始アドレスは、1つの動画像の動画像データを伸張する場合にその画像のCGROM83における格納アドレスを指定する指令である。シングルストリーム領域展開指令は、1つの動画像の動画像データの伸張後の画像データのVRAMRS96Aにおける格納アドレスを指定する指令である。マルチストリーム開始アドレスは、複数(例えば2つ)の動画像の動画像データを伸張する場合にそれらの画像のCGROM83における格納アドレスを指定する指令である。マルチストリーム領域展開指令は、複数の動画像の動画像データの伸張後の画像データのVRAMRS96Aにおける格納アドレスを指定する指令である。
デコード実行指令は、動画像の動画像データを伸張することを指定する指令である。デコーダ95は、デコード実行指令を入力すると、シングルストリーム開始アドレスおよびシングルストリーム領域展開指令に従って、また、マルチストリーム開始アドレスおよびマルチストリーム領域展開指令のパラメータを用いて、CGROM83に格納されている動画像データを復号してVRAMRS96Aに格納する処理を行う。
図37は、描画プロセッサ109における描画回路91とCGROM83との間のCGバスにおけるデータバスを示す説明図である。なお、図37では、CGバスI/F93(図9参照)は記載省略されている。図37に示すように、データバスは、物理的には64ビット存在するが、64ビット全てがデータバスとして使用される64ビットモードと、下位32ビットがデータバスとして使用される32ビットモードとに切替可能である。
この実施の形態では、動画像データが記憶されているROM83Cから画像データを読み出す場合には、32ビットモードに設定され、静止画像(スプライト画像)データが記憶されているROM83A,83Bから画像データを読み出す場合には、64ビットモードに設定される。よって、スプライト画像の画像データは、64ビット単位でCGROM83から読み出され、動画像データは、32ビット単位でCGROM83から読み出される。なお、図37では作図の都合上ROM83CにがROM83Aからデータバスが延びているように記載されているが、実際には、描画制御部91とROM83Aとの間のデータバスが分岐してROM83Cに配線されている。
図38は、CGROM83に記憶されている飾り図柄の画像データを説明するための説明図である。図38(A)に示すように、「7」の飾り図柄および図形の画像データは、CGROM83における選択画像データ領域に記憶されている。円形の図形と組み合わせられた「7」の数字を示す飾り図柄は、演出モード#1で使用される。また、略菱形の図形と組み合わせられた「7」の数字を示す飾り図柄は、演出モード#2で使用される。そして、星型六角形の図形と組み合わせられた「7」の数字を示す飾り図柄は、演出モード#3で使用される。なお、選択画像データ領域に記憶されている画像データに対応する飾り図柄が選択識別情報である。
また、それ以外の飾り図柄の画像データは、図38(B)に示すように、CGROM83における共通画像データ領域に記憶されている。共通画像データ領域に記憶されている各画像データは、遊技機への電力供給が開始され演出制御用マイクロコンピュータ100が起動したときに、CGROM83からVRAMRS96Aの固定領域に転送される(図41におけるステップS702参照)。選択画像データ領域に記憶されている各画像データは、演出モードの切替が行われるときに、CGROM83からVRAMRS96Aの固定領域に転送される。なお、共通画像データ領域に記憶されている画像データに対応する飾り図柄が共通識別情報である。また、図38(B)において、ダミーデータとは、画像データではないことを示すデータであり、例えばオール0のデータである。
なお、この実施の形態では、共通画像データ領域に記憶されている飾り図柄の画像データを、事前転送データとしてVRAMRS96Aの固定領域に事前転送する場合を例示するが、VRAMRS96Aの固定領域に事前転送される画像データは、飾り図柄の画像データに限定されない。例えば、背景図柄を構成する動画像の画像データ(動画像データ)であってもよい。
図39は、CGROM83に記憶される画像データのうち動画像データのデータ構成を示す説明図である。動画像データは、最初のアドレスにファイルヘッダが設定され、続いて、各フレームのフレームヘッダと圧縮データとが順次設定された構成である。ストリームには、フレーム1〜N(フレーム画像1〜n)のフレームヘッダと圧縮データとが画像1から順に設定される。なお、動画像データは、例えばMPEG2(Moving Picture Experts Group phase 2)符号化方式によって符号化されている。符号化によって、符号化前の画像データのデータ量は減少しているので、符号化されている画像データを圧縮データという。
なお、図39において、「スーパーリーチAの(J)の画像」とは、図31(J)に示された画像の画像データを意味する。「スーパーリーチAの(O)の画像」とは、図31(O)に示された画像の画像データを意味する。また、図39には、1つの動画像データ(スーパーリーチAの動画像データ)が例示されているが、CGROM83には、さらに多くの動画像データが記憶されている。
また、圧縮データは、CGROM83において、32ビットを1ワードとするROMに格納される。そして、描画プロセッサ109がCGROM83から圧縮データを読み出すときに、CGバスのバス幅が32ビットに設定される。従って、描画プロセッサ109は、CGROM83から32ビット単位で圧縮データを読み出す。
次に、図40の説明図を参照してデコーダ95によるデータ圧縮された動画像データ(圧縮データ)の復号の仕方について説明する。図40(A)に示すフレーム番号は、図39に示す動画像データにおけるフレームの通し番号である(フレーム1〜N)。そして、動画像データにおいてフレーム1〜Nの圧縮データは、図40(B)に示すような順で、MPEG2符号化方式で規定されているIピクチャ、BピクチャまたはPピクチャで構成されている。例えば、フレーム1はIピクチャであり、フレーム2,3,5,6はBピクチャであり、フレーム4,7はPピクチャである。I,B,Pに付されている添え字は、それぞれのピクチャタイプでの通し番号である。
上述したように、動画像データとしてフレーム1〜N(フレーム画像1〜n)がフレーム1(画像1)から順に格納されている(図39参照)。例えば、ストリームにおけるフレーム1(画像1)はIピクチャであり、フレーム2,3,5,6(画像2,3,5,6)はBピクチャであり、フレーム4,7(画像4,7)はPピクチャである。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図41は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、33ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。次に、初期データ転送処理を行う(ステップS702)。初期データ転送処理は、描画プロセッサ109に、VRAMRS96Aに固定領域(固定的な画像データを格納する領域)を設定させるとともに、VRAMRS96Aの固定領域に、CGROM83に記憶されている飾り図柄の画像データ(図14参照)を転送させるための処理である。初期データ転送処理では、VRAMRS96Aに固定領域を設定させるために、固定領域設定指令を描画プロセッサ109に出力する。また、図38(B)に示すようなCGROM83における共通画像データ領域に記憶されている画像データを、VRAMRS96Aの固定領域に転送させるために、CGROM転送指令(図35参照)を描画プロセッサ109に出力する。描画プロセッサ109は、固定領域設定指令の入力に応じてVRAMRS96Aに固定領域(図34参照)を設定する。また、CGROM転送指令のパラメータである読出開始アドレスからCGROM83の画像データを読み出し、書込アドレスに従って、画像データを表示用データとしてVRAMRS96Aの固定領域に書き込む。
次いで、演出モード#1データ転送制御処理を行う(ステップS703)。演出モード#1データ転送制御処理は、選択画像データ領域に記憶されている円形の図形と組み合わせられた「7」の数字を示す飾り図柄の画像データ(図38(A)の上段参照)をVRAMRS96Aの固定領域(具体的には、図38(B)に示すダミーデータが転送された領域)に転送させるための処理である。
描画プロセッサ109は、飾り図柄の変動中では、飾り図柄の画像データを、VRAMRS96Aの固定領域からVRAMFB96Bの描画領域に転送する。飾り図柄の画像データを、描画プロセッサ109の外部のCGROM83から読み出さず、描画プロセッサ109の内部のデータ転送(VRAMRS96Aの固定領域から描画領域へのデータ転送)で飾り図柄の可変表示を実行できるので、描画プロセッサ109の制御負担が軽くなるとともに、実質的なデータ転送速度が速くなる。なお、描画プロセッサ109は、例えば、VRAMRS96Aの固定領域から読み出した飾り図柄の画像データを、時間経過とともに、描画領域において位置をずらして書き込むことによって、飾り図柄の変動を実現する。
このように、描画プロセッサ109は、VRAMRS96Aにおける固定領域に画像データが記憶されているときには固定領域から画像データを読み出して表示用データとしてVRAMFB96Bにおける描画領域に書き込むが、固定領域に画像データ(例えば、演出用のキャラクタの画像データ)が記憶されていないときにはCGROM83から画像データを読み出してVRAMRS96Aにおける転送領域に転送し、転送領域から画像データを読み出して表示用データとしてVRAMFB96Bにおける描画領域に書き込む。
また、描画領域において位置をずらして書き込む制御を、演出制御用CPU101の指令に応じて実行するのであるが、演出制御用CPU101は、後述するプロセステーブルに設定されている表示制御データに従って描画プロセッサ109に指令を出力する。すなわち、プロセステーブルには、描画領域において飾り図柄の画像データを描画する位置を特定可能なデータを含む表示制御データが設定されている。
その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS704)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS705)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS706)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS707)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して画像表示装置9の表示制御を実行する。また、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS708)。その後、ステップS704に移行する。
なお、タイマ割込の発生周期は、1/33秒であるとする。また、画像表示装置9の画面変更周波数(フレーム周波数)が30Hzであり、描画プロセッサ109の表示回路98は、1/33秒周期で画像表示装置9の表示画面の更新を行うとする。表示画面の更新とは、VRAMFB93Bにおける描画領域の画像データにもとづく画像信号を画像表示装置9に出力して、そのときに描画領域に設定されている画像データにもとづく画像を画像表示装置9に表示させることである。タイマ割込の発生周期は、1/33秒以外の値(例えば、2ms)でもよいが、その場合には、演出制御処理において、例えば描画プロセッサ109からのVブランク割込(画像表示装置9に供給される垂直同期信号の周期と同周期で描画プロセッサ109が発生する割込)の発生に同期して、描画に関わる処理を実行する。
図42は、図41に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS707)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否を確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
予告選択処理(ステップS801):演出表示装置9において、大当りの発生を遊技者に予告報知するための予告演出(大当りになることを飾り図柄の表示結果が導出される前に遊技者に知らせるための表示演出。ただし、大当りにならない場合に実行されることもある)を行う予告演出処理を実行するか否か決定し、予告演出処理を実行することに決定した場合には、予告種類を決定する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS802):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS804)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS804):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、画像表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS806):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、画像表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS807):画像表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図43は、図42に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否を確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。なお、変動パターンコマンド受信フラグは、変動パターンコマンドを受信したときにコマンド解析処理においてセットされる。また、コマンド解析処理において、受信した変動パターンコマンド、または受信した変動パターンコマンドを示すデータが、RAMの変動パターンコマンド格納領域に保存される。そして、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図44は、図42に示された演出制御プロセス処理における予告選択処理を示すフローチャートである。予告選択処理において、演出制御用CPU101は、受信している変動パターンコマンド(コマンド解析処理において、RAMにおける変動パターンコマンド格納領域に格納されている)が示す変動パターンが「リーチ」を含む変動パターン(図15参照)のいずれかであるか否か確認する(ステップS821)。「リーチ」を含む変動パターンでなければ処理を終了する。「リーチ」を含む変動パターンであれば、予告決定用乱数を抽出し、抽出した乱数値にもとづいて、予告演出をするか否かと、予告演出をすることに決定した場合の予告演出の種類を決定する(ステップS822)。なお、予告演出をするか否か決定するときに、受信している表示結果特定コマンドも参照する。
また、予告演出をすることに決定した場合に、大当り時予告演出をすることに決定したときには大当り時予告フラグをセットし、はずれ時予告演出をすることに決定したときにははずれ時予告フラグをセットする(ステップS824)。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に更新する(ステップS825)。
図45は、予告演出をするか否かと、予告演出をすることに決定した場合の予告演出の種類を決定する処理の一例を示す説明図である。図45(A)には、受信している表示結果特定コマンド(コマンド解析処理で、RAMの表示結果特定コマンド格納領域に格納されている)が当りを示しているコマンド(表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンド。図19参照)である場合の例が示されている。図45(B)には、受信している表示結果特定コマンドがはずれを示しているコマンド(表示結果1〜3指定コマンド。図19参照)である場合の例が示されている。
演出制御用CPU101は、ステップS822の処理において、抽出した乱数値が図45に示されている予告判定値と一致すると、一致した予告判定値に従って予告演出をする/しないを決定する。そして、当りを示している表示結果特定コマンドを受信し、予告演出することに決定した場合には、大当り時予告演出を実行することに決定する。また、はずれを示している表示結果特定コマンドを受信し、予告演出することに決定した場合には、はずれ時予告演出を実行することに決定する。
図46は、図42に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンド、または受信した変動パターンコマンドを示すデータを読み出す(ステップS840)。
次いで、RAMの表示結果特定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果特定コマンド)に応じて飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS841)。演出制御用CPU101は、決定した飾り図柄の表示結果を示すデータを飾り図柄表示結果格納領域に格納する。
なお、演出制御用CPU101は、ステップS841において、所定の乱数を抽出し、抽出した乱数にもとづいて停止図柄を決定する。このとき、はずれを示す表示結果特定コマンド(表示結果1〜3指定コマンド)が受信されている場合には、はずれを想起させるような停止図柄の組み合わせ(例えば、左中右図柄が不一致、または左右図柄と中図柄とが不一致)を決定する。また、当りを示す表示結果特定コマンド(表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンド)が受信されている場合には、大当りを想起させるような停止図柄の組み合わせ(例えば、左中右図柄が一致)を決定する。なお、確変大当りを示す表示結果特定コマンド(表示結果5指定コマンド)が受信されている場合には、確変大当りを想起させるような停止図柄の組み合わせ(例えば、「7」「7」「7」)を決定するようにしてもよい。また、大当りを想起させるような飾り図柄の停止図柄の組み合わせを大当り図柄といい、はずれを想起させるような飾り図柄の停止図柄の組み合わせをはずれ図柄ということがある。
そして、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS842)。そして、選択したプロセスデータにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS843)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、可動部材制御データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置9、演出用部品としての可動部材78、演出用部品としての各種ランプやLEDの発光体および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(ステップS844)。例えば、画像表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、描画プロセッサ109に指令を出力する。また、可動部材78を動作させるためにモータ78Aを駆動する。また、画像表示装置9の表示演出や可動部材78の動きに同期して各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27から画像表示装置9の表示演出や可動部材78の動きに同期した音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS845)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値にする(ステップS846)。
図47は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータに従って画像表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、可動部材制御データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、画像表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。可動部材制御データには、可動部材78の動作に関わるデータが設定されている。具体的には、モータ78Aの回転方向、回転速度、回転時間等のデータが設定されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。
可動部材78を用いない演出に対応するプロセステーブルには、可動部材制御データとして可動部材78を用いないことを示す特定データ(例えば、00)が設定される。なお、可動部材78を用いる演出に対応するプロセステーブルは、スーパーリーチBの変動パターンに対応するプロセステーブルである。
図47に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。さらに、予告演出を実行する場合に予告演出態様(予告種類)の違いに応じて異なるプロセステーブルが用意されている。
図48は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS851)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS852)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS853)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS854)。また、その次に設定されている表示制御実行データにもとづいて画像表示装置9に対する制御状態を変更する(ステップS855A)。その次に設定されている可動部材制御実行データにもとづいてモータ78Aを駆動することによって可動部材78の位置を変更する(ステップS855B)。すなわち、可動部材78を動かす。なお、可動部材制御データとして可動部材78を用いないことを示す特定データが設定されている場合には、演出制御用CPU101は、可動部材78を制御しない。
さらに、その次に設定されているランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいてランプやLED等の発光体およびスピーカ27に対する制御状態を変更する(ステップS855C)。また、予告演出処理を行う(ステップS855D)。
スーパーリーチBの変動パターンによる演出が行われているときには、可動部材78を用いないことを示す特定データではないデータ(すなわち、可動部材78を制御させるためのデータであってモータ78Aの回転速度や回転方向を示すデータ)が設定されている可動部材制御データを含むプロセステーブルが用いられている。よって、スーパーリーチBの変動パターンによる演出制御を行っているときには、演出制御用CPU101は、プロセスデータ中の可動部材制御データに従ってモータ78Aの制御を行うことによって、図32に例示されたような可動部材78が透明遊技領域71に徐々に進出するような制御を行うことができる。
また、スーパーリーチBの変動パターンによる演出が行われているときには、表示制御実行データには、飾り部材73の内部(枠の内側)に対応する部分では、特殊な演出表示を行うことを示すデータを含む。図5に示された例のように表示制御する場合には、飾り部材73の内部において星状の画像73aを表示することを示すデータを含む。その場合、ステップS855Aでは、演出制御用CPU101は、星状の画像73aを表示することを示すデータに従って、CGROM83から星状の画像73aに対応した画像データを読み出して、VRAMFB96Bの描画領域における所定位置(飾り部材73の内部に対応する位置)に書き込むような指令(具体的には、図35に示されたCGROM転送指令)を描画プロセッサ109に出力する。描画プロセッサ109は、指令に応じて、CGROM83から星状の画像73aに対応した画像データを読み出して、VRAMFB96Bの描画領域における所定位置(飾り部材73の内部に対応する位置)に書き込む。よって、遊技者には、飾り部材73の内部で特殊な演出表示が行われているように視認される。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS856)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS858)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS857)、ステップS858に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、飾り図柄の変動を終了させることができる。
図49は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS804)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、飾り図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(左中右の停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS861)。具体的には、VRAMRS96Aの固定領域における停止図柄の画像データが格納されているアドレス等を指定するとともに、停止図柄の画像データをVRAMFB96Bに転送する指令を描画プロセッサ109に出力する。描画プロセッサ109は、指令に応じて停止図柄の画像データをVRAMFBの描画領域に転送する。そして、演出制御用CPU101は、大当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS862)。大当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドによって確認される。
大当りとすることに決定されている場合には、アドレスポインタに0をセットして(ステップS863)、固定領域データ転送制御処理を実行する(ステップS864)。なお、固定領域データ転送制御処理は、VRAMRS96Aの固定領域にCGROM83の共通画像データ領域に記憶されている画像データ(図38(B)参照)を転送するための処理であり、ステップS702の初期データ転送処理において実行される処理と同様の処理である。この段階で固定領域データ転送制御処理を実行することは必須のことではないが、例えば大当りとすることに決定されている場合に固定領域データ転送制御処理を実行することによって、何らかの理由(例えば、ノイズなど)に起因してVRAMRS96Aの固定領域においてデータ化けしてしまったような場合に、VRAMRS96Aの固定領域内の画像データを正しいデータに戻すことができる。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS865)。
大当りとしないことに決定されている場合には、表示結果2指定コマンド(はずれ指定・時短指定)を受信していたときには、確変状態フラグをリセットし、時短状態フラグをセットする(ステップS871,S872,S873)。そして、演出モード#2データ転送制御処理を行う(ステップS874)。すなわち、遊技モードが時短状態に確定したので、演出モード#2データ転送制御処理を実行する。この実施の形態では、時短状態では、「7」の飾り図柄として、図38(A)の中段に示された図柄が用いられる。演出モード#2データ転送制御処理は、選択画像データ領域に記憶されている略菱形の図形と組み合わせられた「7」の数字を示す飾り図柄の画像データ(図38(A)の中段参照)をVRAMRS96Aの固定領域に転送するための処理である。
また、表示結果3指定コマンド(はずれ指定・低確率指定)を受信していたときには、時短状態フラグをリセットする(ステップS875,S876)。そして、演出モード#1データ転送制御処理を行う(ステップS877)。すなわち、遊技モードが低確率状態(通常状態)に確定したので、演出モード#1データ転送制御処理を実行する。この実施の形態では、通常状態では、「7」の飾り図柄として、図38(A)の上段に示された図柄が用いられる。演出モード#1データ転送制御処理は、選択画像データ領域に記憶されている円形の図形と組み合わせられた「7」の数字を示す飾り図柄の画像データ(図38(A)の上段参照)をVRAMRS96Aの固定領域に転送するための処理である。
その後、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS878)。
図50は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS805)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンドを受信したことを示すファンファーレフラグ(コマンド解析処理において、大当り開始指定コマンドを受信したときにセットされる。)がセットされているか否か確認する(ステップS891)。ファンファーレフラグがセットされていた場合には、ファンファーレフラグをリセットし(ステップS892)、大当り遊技中演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS893)。そして、選択したプロセスデータにおけるプロセスデータ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS894)。また、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS895)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS806)に応じた値に更新する(ステップS896)。
図51は、演出制御プロセス処理における大当り終了処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(コマンド解析処理において、大当り終了指定コマンドを受信したときにセットされる。)がセットされているか否か確認する(ステップS881)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS882)、画像表示装置9に、大当り終了画面を表示する制御を行う(ステップS888)。具体的には、CGROM83における大当り終了画面の画像データが格納されているアドレス等を指定するとともに、大当り終了画面の画像データを描画領域に転送する指令を描画プロセッサ109に出力する。描画プロセッサ109は、指令に応じて大当り終了画面の画像データをCGROM83から読み出し、読み出した画像データをVRAMFB96Bの描画領域に転送する。
そして、表示結果5指定コマンド(確変大当り指定)を受信していたときには、確変状態フラグをセットし、時短状態であった場合には、すなわち時短状態フラグがセットされていた場合には、時短状態フラグをリセットする(ステップS884,S885,S886)。そして、演出モード#3データ転送制御処理を行う(ステップS887)。すなわち、遊技モードが確変状態に確定したので、演出モード#3データ転送制御処理を実行する。この実施の形態では、確変状態では、「7」の飾り図柄として、図38(A)の下段に示された図柄が用いられる。演出モード#3データ転送制御処理は、選択画像データ領域に記憶されている星型六角形の図形と組み合わせられた「7」の数字を示す飾り図柄の画像データ(図38(A)の下段参照)をVRAMFB96Bに転送するための処理である。
その後、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS888)。
図52は、演出モード#1データ転送制御処理(ステップS703)を示すフローチャートである。演出モード#1データ転送制御処理において、演出制御用CPU101は、CGROM転送指令を描画プロセッサ109に出力する(ステップS601)。読出アドレスは、CGROM83における選択画像データ領域に記憶されている円形の図形と組み合わせられた「7」の数字を示す飾り図柄の画像データ(図38(A)の上段参照)が格納されているアドレスであり、書込アドレスは、VRAMRS96Aの固定領域のアドレスである。なお、演出モード#2データ転送制御処理(図42参照)および演出モード#3データ転送制御処理(図51参照)は、読出アドレスは異なるものの、演出モード#1データ転送制御処理と同様に実行される。また、初期データ転送処理(ステップS702)も、読出アドレスおよび書込アドレスは異なるものの、演出モード#1データ転送制御処理と同様に実行される。なお、描画プロセッサ109における描画回路91は、CGROM転送指令に応じて飾り図柄の画像データをCGROM83からVRAMRS96Aにおける固定領域に転送する。
次に、演出装置を用いて実行される予告演出について説明する。図53は、予告演出で用いられる動画像A,Bの合成動画像を構成する画像データを説明するための説明図である。図53(A)には、動画像として、宇宙船が移動するものが例示されている。図53(B)には、動画像として、衛星が移動するものが例示されている。
この実施の形態における描画プロセッサ109は、1/60秒で画像を再生する(画像データにもとづく画像を表示すること)能力を有している。すなわち、デコーダ95は、1/60秒毎に、データ圧縮されているフレーム画像データを伸張することができる。実際には1/30秒で画像再生する場合、すなわち実際の表示におけるフレーム周期が1/30秒である場合を考えると、1フレーム周期において、2つのフレーム画像データを伸張することができる。よって、2つの動画像を合成して再生するときに、図54(A)に示すように、(1/60)×2秒の期間において、動画像Aを構成するフレーム画像についてのフレーム画像データと、動画像Bを構成するフレーム画像についてのフレーム画像データとを交互に伸張し、図54(B)に示すように、伸張した2つのフレーム画像データについて1/30秒に1回ずつ合成のための演算を実行することによって、図54(C)に示すように、1/30秒毎に合成動画像を再生することができる。すなわち、デコーダ95は、動画像Aの動画像データと動画像Bの動画像データとを、1フレーム周期内で交互に復号して(同時に動画像Aの動画像データと動画像Bの動画像データとを復号しない。)表示用データを作成し、作成した表示用データをそれぞれVRAMFB96Bの描画領域に書き込むことによって合成する。つまり、描画プロセッサ109は、所定の周期(例えば、フレーム周期の1/2)毎に複数の動画像データから一の動画像データを順に選択し、周期において選択された動画像データから表示用データを作成することによって、処理負担を軽くしている。なお、動画像データの再生周期はフレーム周期の1/2倍になっている。
図54(A)〜(C)には、動画像Aの動画像データと動画像Bの動画像データとを合成する場合が示されているが、図54(D),(E)に示すように、動画像Aの動画像データと動画像Bの動画像データとを合成せずに、描画領域に書き込むようにしてもよい。この場合には、動画像Aの動画像データと動画像Bの動画像データとは、描画領域の異なる領域に書き込まれる。すなわち、画像表示装置9の表示画面におけるある部分には動画像Aが表示され、他の部分に動画像Bが表示される。この場合にも、デコーダ95は、動画像Aの動画像データと動画像Bの動画像データとを、1フレーム周期内で交互に復号して(同時に動画像Aの動画像データと動画像Bの動画像データとを復号しない。)表示用データを作成し、作成した表示用データをそれぞれVRAMFB96Bの描画領域に書き込む。すなわち、デコーダ95は、フレーム周期(この例では、1/30秒)の1/2である同一の再生周期の第1周期と第2周期とのうち第1周期が経過する毎にCGROM83から読み出した動画像Aの動画像データを復号して作成した表示用データをVRAMFB96Bの描画領域に記憶させ、第1周期に続く再生周期にて経過する第2周期が経過する毎にCGROM83から読み出した動画像Bの動画像データを復号して作成した表示用データをVRAMFB96Bの描画領域に記憶させる。なお、フレーム周期(画像表示装置9の画面更新周期すなわち描画領域からの表示用データ読出周期)が1/60秒である場合には、動画像Aの動画像データと動画像Bの動画像データとは、それぞれ、フレーム周期の2倍の周期(1/30秒)で復号されることになる。
図55は、画像表示装置9において実行される予告演出の例を示す説明図である。図55には、大当りにならない場合に実行される例が示されている。図55に示す例では、画像表示装置9の表示画面の一部が予告演出領域9bとして用いられる。図55(A)〜(D)に示すように、描画プロセッサ109は、図53に示す動画像A,Bを復号した後それらを合成し(図54参照)、かつ、回転させて、予告演出領域9bに表示する制御を行う。なお、回転角度は、フレーム毎に徐々に異なっていく。
図56は、画像表示装置9において実行される予告演出の他の例を示す説明図である。図56には、大当りになる場合に実行される例が示されている。図56(A)〜(D)に示すように、描画プロセッサ109は、図53に示す動画像A,Bを復号した後それらを合成し(図54参照)、かつ、回転させて、予告演出領域9bに表示する制御を行う。なお、回転角度は、フレーム毎に徐々に異なっていく。また、図56(A)〜(D)に示す例における回転方向は、図55(A)〜(D)に示す例における回転方向とは逆である。
図57は、ステップS855Dの予告演出処理(図48参照)を示すフローチャートである。予告演出処理において、演出制御用CPU101は、大当り時予告フラグまたははずれ時予告フラグがセットされているか否か確認する(ステップS611)。いずれかのフラグがセットされている場合には、予告演出中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS612)。予告演出中フラグがセットされていない場合には、予告演出開始タイミングになったか否か確認する(ステップS613)。予告演出開始タイミングとは、あらかじめ決められている可変表示の開始時から所定時間が経過した時点であり、プロセスデータにその時点を示すデータを設定しておくことによって、演出制御用CPU101は、予告演出開始タイミングになったか否か判定できる。
予告演出開始タイミングになった場合には、予告演出中フラグをセットする(ステップS614)。そして、演出制御用CPU101は、マルチストリーム開始アドレス指令(図36参照)を描画プロセッサ109に出力する(ステップS615)。マルチストリーム開始アドレス指令で指定されるCGROM83のアドレスは、図53に例示された動画像A,Bの動画像データが格納されているアドレスである。さらに、マルチストリーム展開領域アドレス指令(図36参照)を描画プロセッサ109に出力する(ステップS616)。そして、マルチストリームの伸張を指示するデコード実行指令(図36参照)を描画プロセッサ109に出力する(ステップS617)。
なお、デコーダ95は、デコード実行指令に応じて、1/60秒毎に、データ圧縮されているフレーム画像データを伸張する。その際に、1/60秒毎に、動画像Aデータにおける1フレームのフレーム画像データと、動画像Bデータにおける1フレームのフレーム画像データとを交互に伸張する。よって、一方の動画像データについての伸張処理が完了するまで、他方の動画像データについての伸張処理を開始しない。
ステップS612において、予告演出中フラグがセットされていることを確認したら、演出制御用CPU101は、動画像Aに対応する展開領域(VRAMRS96Aにおける領域)に展開(復号)された1フレームの画像データ(動画像Aを構成する画像データ)をVRAMFB96Bに出力させるために、まず、描画プロセッサ109にCGROM転送指令(図35参照)を出力してVRAMRS96Aに展開させ、さらに、VRAMFB転送指令(図35参照)を出力するのであるが、VRAMFB96Bの書込アドレスとして、所定の領域(予告演出画像を展開するための領域)を指定する(ステップS621)。なお、描画プロセッサ109は、CGROM83から動画像の画像データを読み出すときにはCGバスのバス幅の設定を64ビットから32ビットに変動する。具体的には、CGバスの上位32ビットを無効にする。
また、動画像Bを構成する画像データのα値を指定するための描画エフェクト指令を描画プロセッサ109に出力する(ステップS622)。さらに、動画像Bの1フレームの画像データをVRAMFB96Bに出力させるために、描画プロセッサ109にCGROM転送指令およびVRAMFB転送指令を出力するのであるが、VRAMFB96Bの書込アドレスとして、所定の領域(予告演出画像を展開するための領域)を指定する(ステップS623)。
また、描画プロセッサ109は、動画像Bに対応する展開領域に展開された画像データをVRAMFB96Bの描画領域に出力するときに、既にVRAMFB96Bの描画領域に展開されている画像データ(この例では、動画像Aを構成する画像データ)と、各画素について演算を行う。つまり、合成処理(重ね合わせ処理)を行う。合成処理の際に、例えば、2つの画像データについて、α値を乗算したR,G,B値それぞれの加算処理を行う。また、描画エフェクト指令には、画像(この例では、予告演出に用いられる画像)の回転角度を指令するパラメータも含まれている。
なお、α値は、透明度を示す値であり、例えば、0〜1.0のいずれか対応する値が設定される。0は、完全透明を示し、1.0は完全不透明を示す。完全透明とは、一の画像データ(α値が0)と他の画像データとの合成演算が行われるときに、一の画像データのR,G,B値が演算に使用されない(例えば、0と見なされる)ことを示し、完全不透明とは、一の画像データ(α値が1.0)と他の画像データとの合成演算が行われるときに、一の画像データのR,G,B値がそのまま使用されることを示す。また、0と1.0との間の値は、一の画像データ(α値が0と1.0との間)と他の画像データとの合成演算が行われるときに、一の画像データのR,G,B値に所定の係数が乗算されることを示す。
図58は、CGROM83に記憶されている背景用画像データの一例を示す説明図である。図58(A)には、160(横)×120(縦)ドットの画像データが例示され、図58(B)には、320(横)×240(縦)ドットの画像データが例示されている。なお、図58(A)に示されている画像データの画像と、図58(B)に示されている画像データの画像とは解像度は異なる。
図59は、画像表示装置9の表示画面9aに表示される背景画像を示す説明図である。図59には、画素総数が640(横)×480(縦)ドットの表示画面9aに表示される背景画像が例示されている。図58(A)に例示された画像データにもとづく画像を画像表示装置9に表示させる場合には、図59の上段に示すように、描画プロセッサ109は、縦横それぞれ4倍に拡大して表示させる。また、図58(B)に例示された画像データにもとづく画像を画像表示装置9に表示させる場合には、図59の下段に示すように、描画プロセッサ109は、縦横それぞれ2倍に拡大して表示させる。
図60は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS802)の変形例を示すフローチャートである。この例では、演出制御用CPU101は、確変大当り指定コマンドを受信している場合には、図58(B)に例示された画像データ(画像Bの画像データ)を選択する(ステップS831,S832)。また、確変大当り指定コマンドを受信していない場合には、図58(A)に例示された画像データ(画像Aの画像データ)を選択する(ステップS831,S833)。
そして、演出制御用CPU101は、CGROM転送指令(図35参照)を描画プロセッサ109に出力して、ステップS832またはステップS833で選択した画像データをVRAMRS96Aの所定の領域(図34に示す転送領域)に出力させる(ステップS834)。具体的には、CGROM転送指令(図35参照)を出力する。さらに、VRAMRS96Aの所定の領域の画像データを、VRAMFB96Bの描画領域に出力させるために、VRAMFB転送指令(図35参照)を描画プロセッサ109に出力する(ステップS835)。ここで、VRAMFB転送指令のパラメータで、読出アドレスとして、VRAMRS96Aにおける画像データが展開されているアドレスを指定するのであるが、書込アドレスとして、VRAMFB96Bにおける背景表示領域全体を指定する。すなわち、書込開始アドレスとして背景表示領域の最初のアドレスを指定し、書込終了アドレスとして背景表示領域の最後のアドレスを指定する。
この例では、背景表示領域は、640(横)×480(縦)ドットの領域である。よって、描画プロセッサ109における描画回路91は、画像Aの画像データについてVRAMFB転送指令を入力したときには、画像Aの画像データを4倍に拡大してVRAMFB96Bに書き込む。具体的には、例えば、画像Aの画像データにおける各ドットを(4×4)ドットの四角形領域のそれぞれのデータとして使用する。また、画像Bの画像データについてVRAMFB転送指令を入力したときには、画像Bの画像データを2倍に拡大してVRAMFB96Bに書き込む。具体的には、例えば、画像Bの画像データにおける各ドットを(2×2)ドットの四角形領域のそれぞれのデータとして使用する。よって、この例では、演出制御用CPU101は、VRAMFB転送指令のパラメータ(具体的には書込アドレス)を設定することによって、拡大率を設定したことになる。なお、描画エフェクト指令のパラメータによって拡大率を設定するようにしてもよい。
また、この例では、飾り図柄の変動を開始するときに背景画像を切り替える場合を例にしたが、背景画像を切り替えるタイミングは、他の時点であってもよい。
また、この例では、背景画像について、画像Aの画像データを4倍にし、画像Bの画像データを2倍にする場合を例にしたが、画像データを拡大する制御は、背景画像を制御する場合に限られない。例えば、背景画像の一部について画像データを拡大する制御を行ってもよい。また、飾り図柄について画像データを拡大する制御を行ってもよい。その場合に、画像A,Bのそれぞれの画像データを、4倍または2倍に限らず、任意の倍率で拡大するようにしてもよい。そのように制御することによって、CGROM83に多種類の画像データを記憶せずとも、多数種類の画像を画像表示装置9に表示させることができる。すなわち、CGROM83の記憶容量を増大させることなく、演出の種類を豊富にすることができる。
さらに、この例では、静止画を例にしたが、解像度(画素数)が異なり、かつ、画素数が画像表示装置9の表示画面9aの画素総数よりも少ない複数種類の動画像データをCGROM83に格納するようにしてもよい。そのように構成することによって、CGROM83の記憶容量を増大させることなく、演出の種類をさらに豊富にすることができる。
また、例えば、頻繁に使用される画像データ(例えば、飾り図柄の画像データ)については、画像表示装置9の表示画面9aの画素総数よりも少ない範囲で、相対的に高い解像度の画像データをCGROM83に格納するようにし、まれに使用される画像データ(例えば、予告演出等の特殊な演出において用いられるキャラクタ画像の画像データ)については、相対的に低い解像度の画像データをCGROM83に格納するようにしてもよい。そのように構成した場合には、頻繁に使用される画像データを高精細にしつつ、画像表示装置9の表示による演出の種類を豊富にするためのCGROM83の記憶容量の増大を抑制することができる。
実施の形態2.
第1の実施の形態では、上不透明領域72Aの裏面(上不透明領域72Aに対応する位置)に可動部材78が設置されたが、下透明領域72Cの裏面(下不透明領域72Cに対応する位置)に可動部材78を設置してもよい。図61は、下不透明領域72Cに対応する位置に可動部材78が設置された第2の実施の形態の遊技機の機構部分の構造を示す分解斜視図である。図62は、第2の実施の形態の遊技機の縦断面を示す断面図である。遊技盤6は、遊技枠2Aに取り付けられ、遊技枠2Aにおける背面側には取付板90に取り付けられたLCDの画像表示装置9が設置される。遊技枠2Aと画像表示装置9との間の空間76内において、下不透明領域72Cの裏面(下不透明領域72Cに対応する位置)に可動部材78が設置される。可動部材78に一体化している根本部分の取付部78B(モータ78Aの駆動力を可動部材78に伝達する伝達部)がモータ78Aの軸に取り付けられ、モータ78Aの軸を中心にして回転されることによって、可動部材78は動く。
画像表示装置9の背面には、遊技制御基板を含む主ユニット31Aと、演出制御基板を含む演出ユニット80Aとが取り付けられる。なお、図61および図62において、直方体状のカバー部Aは、上不透明領域72Aの裏面と遊技領域外の裏面との双方にまたがって取り付けられ、上不透明領域72Aに設けられている電気部品群を覆うように形成されている。上不透明領域72Aに設けられている電気部品群における電気部品(ユニット)として、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄始動記憶表示器41のそれぞれを含む電気部品がある。直方体状のカバー部Bは、側部不透明領域72Bの裏面と遊技領域外の裏面との双方にまたがって取り付けられ、側部不透明領域72Bに設けられている電気部品群を覆うように形成されている。側部不透明領域72Bに設けられている電気部品群における電気部品として、賞球表示器51およびラウンド数表示器75のそれぞれを含む電気部品がある。直方体状の可動部材取付部Cは、下不透明領域72Cの裏面と遊技領域外の裏面との双方にまたがって取り付けられ、可動部材78に一体化している取付部78Bを取り付ける部材である。また、可動部材取付部Cは、下不透明領域72Cに設けられている電気部品群を覆うように形成されている。下不透明領域72Cに設けられている電気部品群における電気部品として、始動入賞口13、可変入賞球装置15、特別可変入賞球装置20および入賞口(普通入賞口)29,30,33,39のそれぞれを含む電気部品(入賞口については検出スイッチを含む。)がある。なお、上不透明領域72Aや側部不透明領域72Bを設けなくてもよい。
また、下不透明領域72Cには、始動入賞口13、可変入賞球装置15、特別可変入賞球装置20、入賞口29,30,33,39を含む電気部品が設けられているが、賞球表示器51を含む電気部品およびラウンド数表示器75を含む電気部品や、特別図柄表示器8を含む電気部品、普通図柄表示器10を含む電気部品、特別図柄保留記憶表示器18を含む電気部品および普通図柄始動記憶表示器41のいずれかを含む電気部品を設置してもよい。さらに、少なくともいずれかの電気部品が設置されていればよい。
また、可動部材取付部Cは、下不透明領域72Cの裏面と遊技領域外の裏面との双方にまたがって取り付けられているが、いずれか一方の裏面に取り付けられるようにしてもよい。また、必ずしも、下不透明領域72Cに設けられている電気部品群を覆うように形成されていなくてもよい。
また、下不透明領域72Cに可動部材78が取り付けられているが、さらに、上不透明領域72Aや側部不透明領域72Bに可動部材に一体化している取付部を取り付ける可動部材取付部を設けて可動部材を取り付けてもよい。さらに、可動部材取付部をカバー部A,Bに取り付けるようにしてもよい。
配線A1は、上不透明領域72Aに設けられている電気部品群と主ユニット31Aとを接続する配線を示す。配線B1は、側部不透明領域72Bに設けられている電気部品群と主ユニット31Aとを接続する配線を示す。配線C1は、下不透明領域72Cに設けられている電気部品群と主ユニット31Aとを接続する配線を示す。配線D1は、モータ78Aと演出ユニット80Aとを接続する配線を示す。配線E1は、画像表示装置9と演出ユニット80Aとを接続する配線を示す。
配線A1,B1,C1,D1は、遊技盤6の裏面側において、画像表示装置9の下側を通過し、画像表示装置9が取り付けられる取付板90における下側部に設けられている穴である共通配線通過部79を通過する。配線E1は、取付板90の画像表示装置9の裏面に対応する箇所の一部に設けられた配線通過部79Bを通過する。なお、ゲートスイッチ32aに接続される配線F1は、配線A1、配線B1、配線C1または配線D1と同様に、遊技盤6の裏面側において、画像表示装置9の下側を通過し、画像表示装置9が取り付けられる取付板90における下側に設けられている穴である共通配線通過部79を通過し、主ユニット31Aに接続される。
図63は、遊技領域における透明遊技領域71や可動部材78を説明するための正面図である。第1の実施の形態の場合と同様に、図63において、左上から右下に向かう斜線が施された部分は、不透明領域(上不透明領域72A、側部不透明領域72B、下不透明領域72C)を示し、斜線が施されていない部分は、透明遊技領域71を示す。遊技領域7は透明遊技領域71および不透明領域で形成されている。透明遊技領域71および不透明領域は、画像表示装置9の表示画面9A(破線の四角形内)の領域(表示領域)と重複するが、表示領域には、遊技領域外6Bと重複する部分もある。
図63には、可動部材78がモータ78Aで駆動されて、透明遊技領域71にまで移動した場合が示されている。また、可動部材78は、モータ78Aによって、遊技者に全く視認されない位置(図63に示す例では、下不透明領域72C)に収納されることが可能である。なお、図63において、遊技盤6の外側に4つの取付金具部(画像表示装置9を取付板90に取り付けるための金具部:図61参照)も示されている。
図64は、画像表示装置9における表示演出と所定の定位置で停止された可動部材78とが共動して1つの演出が実現される例を示す説明図である。図64において、「龍」形状のものが可動部材78であり、「龍」形状のものが吐き出すように表現されている炎状のものは、画像表示装置9の表示画面9Aに表示される画像9cである。また、図64に示すように、表示画面9Aにおける飾り部材73の内部に相当する部分では、他の部分とは異なる趣向の画像73aが表示される。
この実施の形態では、例えば、スーパーリーチB演出では、高速回転による演出よりもさらに発展した演出を実行することを報知するための図31(I)に示すような「スペシャルリーチ」という表示がなされた後、可動部材78が、非透明領域または遊技領域外から透明遊技領域71に進出してくる(図32(J),(K)に例示した演出が、可動部材78が右横から透明遊技領域71に進出してくる演出に変更される。)。そして、可動部材78の透明遊技領域71との重複部分が最大になる位置に到達すると、画像表示装置9において、あたかも可動部材78から吐き出ているかのように、炎の画像が表示される。その画像は、変動している中図柄の近傍に表示される(図32(L)に例示した演出が、可動部材78が右横から透明遊技領域71に進出している演出に変更される。)。
図65は、第2の実施の形態における他の種類の可動部材78を説明するための正面図である。図65に示す例では、可動部材78は支持部材78aの一端において支持され、支持部材78aの他端は、モータ78Aの軸に接続されている。支持部材78aは、透明材料(例えば、透明アクリル板)で形成されている。また、図64に示す例では、可動部材78が透明遊技領域71と重複するような位置にまで動いたときに可動部材78の一部は不透明領域に存在する。しかし、図65に示す例では、可動部材78の全ての部分が、透明遊技領域71と重複する。
第2の実施の形態では、可動部材78の取付位置が第1の実施の形態の場合とは異なるが、主基板31や演出制御基板80をはじめとする各基板の構成は、第1の実施の形態の場合と同じである。また、モータ78Aの回転方向や回転量は第1の実施の形態の場合とは異なるが、遊技制御用マイクロコンピュータ560や演出制御用マイクロコンピュータ100の制御の内容も、第1の実施の形態の場合と同じである。
実施の形態3.
第1の実施の形態および第2の実施の形態では、上不透明領域72Aの裏面(上不透明領域72Aに対応する位置)や下透明領域72Cの裏面(下不透明領域72Cに対応する位置)に可動部材78が設置されたが、横透明領域72Bの裏面(側部不透明領域72Bに対応する位置)に可動部材78を設置してもよい。図66は、側部不透明領域72Bに対応する位置に可動部材78が設置された第3の実施の形態の遊技機の機構部分の構造を示す分解斜視図である。図67は、第3の実施の形態の遊技機の縦断面を示す断面図である。遊技盤6は、遊技枠2Aに取り付けられ、遊技枠2Aにおける背面側には取付板90に取り付けられたLCDの画像表示装置9が設置される。遊技枠2Aと画像表示装置9との間の空間76内において、側部不透明領域72Bの裏面(側部不透明領域72Bに対応する位置)に可動部材78が設置される。可動部材78の一部がモータ78Aの軸に取り付けられ、モータ78Aの軸を中心にして回転されることによって、可動部材78は動く。
画像表示装置9の背面には、遊技制御基板を含む主ユニット31Aと、演出制御基板を含む演出ユニット80Aとが取り付けられる。なお、図66および図67において、直方体状のカバー部Aは、上不透明領域72Aの裏面と遊技領域外の裏面との双方にまたがって取り付けられ、上不透明領域72Aに設けられている電気部品群を覆うように形成されている。上不透明領域72Aに設けられている電気部品群における電気部品(ユニット)として、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄始動記憶表示器41のそれぞれを含む電気部品がある。直方体状の可動部材取付部Bは、側部不透明領域72Bの裏面と遊技領域外の裏面との双方にまたがって取り付けられ、可動部材78に一体化している取付部78Bを取り付ける部材である。また、可動部材取付部Bは、側部不透明領域72Bに設けられている電気部品群を覆うように形成されている。側部不透明領域72Bに設けられている電気部品群における電気部品として、賞球表示器51およびラウンド数表示器75のそれぞれを含む電気部品がある。直方体状のカバー部Cは、下不透明領域72Cの裏面と遊技領域外の裏面との双方にまたがって取り付けられ、下不透明領域72Cに設けられている電気部品群を覆うように形成されている。下不透明領域72Cに設けられている電気部品群における電気部品として、始動入賞口13、可変入賞球装置15、特別可変入賞球装置20および入賞口(普通入賞口)29,30,33,39のそれぞれを含む電気部品(入賞口については検出スイッチを含む。)がある。なお、上不透明領域72Aや下不透明領域72Cを設けなくてもよい。
また、側部不透明領域72Bには、賞球表示器51を含む電気部品およびラウンド数表示器75を含む電気部品が設けられているが、特別図柄表示器8を含む電気部品、普通図柄表示器10を含む電気部品、特別図柄保留記憶表示器18を含む電気部品および普通図柄始動記憶表示器41や、始動入賞口13、可変入賞球装置15、特別可変入賞球装置20、入賞口29,30,33,39のいずれかを含む電気部品を設置してもよい。さらに、少なくともいずれかの電気部品が設置されていればよい。
また、可動部材取付部Bは、側部不透明領域72Bの裏面と遊技領域外の裏面との双方にまたがって取り付けられているが、いずれか一方の裏面に取り付けられるようにしてもよい。また、必ずしも、側部不透明領域72Bに設けられている電気部品群を覆うように形成されていなくてもよい。
また、側部不透明領域72Bに可動部材78が取り付けられているが、さらに、上不透明領域72Aや下不透明領域72Cに可動部材に一体化している取付部を取り付ける可動部材取付部を設けて可動部材を取り付けてもよい。さらに、可動部材取付部をカバー部A,Cに取り付けるようにしてもよい。
配線A1は、上不透明領域72Aに設けられている電気部品群と主ユニット31Aとを接続する配線を示す。配線B1は、側部不透明領域72Bに設けられている電気部品群と主ユニット31Aとを接続する配線を示す。配線C1は、下不透明領域72Cに設けられている電気部品群と主ユニット31Aとを接続する配線を示す。配線D1は、モータ78Aと演出ユニット80Aとを接続する配線を示す。配線E1は、画像表示装置9と演出ユニット80Aとを接続する配線を示す。
配線A1,B1,C1,D1は、遊技盤6の裏面側において、画像表示装置9の下側を通過し、画像表示装置9が取り付けられる取付板90における下側部に設けられている穴である共通配線通過部79を通過する。配線E1は、取付板90の画像表示装置9の裏面に対応する箇所の一部に設けられた配線通過部79Bを通過する。なお、ゲートスイッチ32aに接続される配線F1は、配線A1、配線B1、配線C1または配線D1と同様に、遊技盤6の裏面側において、画像表示装置9の下側を通過し、画像表示装置9が取り付けられる取付板90における下側に設けられている穴である共通配線通過部79を通過し、主ユニット31Aに接続される。
図68は、遊技領域における透明遊技領域71や可動部材78を説明するための正面図である。第1の実施の形態および第2の実施の形態の場合と同様に、図68において、左上から右下に向かう斜線が施された部分は、不透明領域(上不透明領域72A、側部不透明領域72B、下不透明領域72C)を示し、斜線が施されていない部分は、透明遊技領域71を示す。遊技領域7は透明遊技領域71および不透明領域で形成されている。透明遊技領域71および不透明領域は、画像表示装置9の表示画面9A(破線の四角形内)の領域(表示領域)と重複するが、表示領域には、遊技領域外6Bと重複する部分もある。
図68には、可動部材78がモータ78Aで駆動されて、透明遊技領域71にまで移動した場合が示されている。また、可動部材78は、モータ78Aによって、遊技者に全く視認されない位置(図68に示す例では、遊技領域外6Bおよび側部不透明領域72B)に収納されることが可能である。なお、図68において、遊技盤6の外側に4つの取付金具部(画像表示装置9を取付板90に取り付けるための金具部:図66参照)も示されている。
図69は、画像表示装置9における表示演出と所定の定位置で停止された可動部材78とが共動して1つの演出が実現される例を示す説明図である。図69において、「龍」形状のものが可動部材78であり、「龍」形状のものが吐き出すように表現されている炎状のものは、画像表示装置9の表示画面9Aに表示される画像9cである。また、図69に示すように、表示画面9Aにおける飾り部材73の内部に相当する部分では、他の部分とは異なる趣向の画像73aが表示される。
この実施の形態では、例えば、スーパーリーチB演出では、高速回転による演出よりもさらに発展した演出を実行することを報知するための図31(I)に示すような「スペシャルリーチ」という表示がなされた後、可動部材78が、非透明領域または遊技領域外から透明遊技領域71に進出してくる(図32(J),(K)に例示した演出が、可動部材78が下から透明遊技領域71に進出してくる演出に変更される。)。そして、可動部材78の透明遊技領域71との重複部分が最大になる位置に到達すると、画像表示装置9において、あたかも可動部材78から吐き出ているかのように、炎の画像が表示される。その画像は、変動している中図柄の近傍に表示される(図32(L)に例示した演出が、可動部材78が下から透明遊技領域71に進出している演出に変更される。)。
図70は、第3の実施の形態における他の種類の可動部材78を説明するための正面図である。図70に示す例では、可動部材78は支持部材78aの一端において支持され、支持部材78aの他端は、モータ78Aの軸に接続されている。支持部材78aは、透明材料(例えば、透明アクリル板)で形成されている。また、図69に示す例では、可動部材78が透明遊技領域71と重複するような位置にまで動いたときに可動部材78の一部は不透明領域に存在する。しかし、図70に示す例では、可動部材78の全ての部分が、透明遊技領域71と重複する。
第3の実施の形態では、可動部材78の取付位置が第1の実施の形態や第2の実施の形態の場合とは異なるが、主基板31や演出制御基板80をはじめとする各基板の構成は、第1の実施の形態や第2の実施の形態の場合と同じである。また、モータ78Aの回転方向は第1の実施の形態の場合とは異なり、回転量は第1の実施の形態や第2の実施の形態の場合とは異なるが、遊技制御用マイクロコンピュータ560や演出制御用マイクロコンピュータ100の制御の内容も、第1の実施の形態や第2の実施の形態の場合と同じである。
以上に説明したように、上記の各実施の形態では、可動部材78を、不透明遊技領域に対応する領域または遊技領域外に対応する領域(非表示対応領域)と表示領域に対応する表示対応領域(具体的には、透明領域71)との間で移動させることが可能であり、遊技状態に応じて、可動部材78と表示対応領域との重複割合(平面図で見た場合の可動部材78の全面積のうち表示対応領域と重複する面積の全面積に対する割合)を変更可能に可動部材78を移動させるので、遊技者に画像表示装置9の表示画面9Aを阻害物なく視認させることができ、画像表示装置9による表示演出の効果を低下させないようにすることができる上に、可動部材78による演出効果を高めることができる。
また、上記の各実施の形態では、可動部材78を用いた演出として特別図柄および飾り図柄の変動中に実行されるリーチ演出(具体的には、スーパーリーチB演出)を例にしたが、可動部材78を用いた演出は、リーチ演出に限られない。予告演出や大当り遊技中に実行される演出やその他の演出において、可動部材78を用いた演出を行うようにしてもよい。さらに、上記の各実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可動部材78が透明遊技領域71に徐々に進出するような演出を例にしたが、可動部材78を用いた演出は、そのような演出に限られない。例えば、リーチ演出等の特定の演出が行われていないときに可動部材78が透明遊技領域71に存在するように位置させ、特定の演出が開始されると、可動部材78を非透明領域72または遊技領域外に退避させ、その後に、画像表示9の表示画面によって表示演出によって特定の演出を行うようにせいぎょしてもよい。また、可動部材78を徐々に透明遊技領域71から退出させたり、可動部材78を透明遊技領域71と非透明領域72または遊技領域外との間で繰り返し移動させるように制御してもよい。
また、上記の各実施の形態では、描画プロセッサ109における描画回路91とCGROM83との間のCGバスにおけるデータバスは、物理的には64ビット存在するが、64ビット全てがデータバスとして使用される64ビットモードと、下位32ビットがデータバスとして使用される32ビットモードとに切替可能である。以下、そのように切替可能な場合の作用効果を説明する。
図71(A)には、2つのROM83A,83Bが設けられている場合が示されているが、ROMを増設する場合、図71(B)示すように32ビットのデータ入出力可能な2つのROM83C,83Dを設けたり、64ビットのデータ入出力可能なROMを設ける必要がある。なお、図71(B)では作図の都合上ROM83C,83DにROM83A,83Bからデータバスが延びているように記載されているが、実際には、描画制御部91とROM83A,83Bとの間のデータバスが分岐してROM83C,83Dに配線されている。図71(B)に示すようにバス幅が64ビットである場合に、描画制御部91は、64ビットずつデータを入力する。その場合、ROMを増設するときに1つのROM83Cを設けると、描画制御部91は、入力した64ビットのデータのうち上位32ビットをマスク(強制的に0に設定)したり、2つの64ビットデータのそれぞれの下位32ビットのデータから64ビットデータを作成するといった処理を行う必要がある。
上記の各実施の形態ではでは、CGバスのモードを、64ビット全てがデータバスとして使用される64ビットモードと、下位32ビットがデータバスとして使用される32ビットモードとに切替可能である。よって、図71(C)に示すように、動画像データが記憶されているROM83Cから画像データを読み出す場合には、32ビットモードに設定し、静止画像データが記憶されているROM83A,83Bから画像データを読み出す場合には、64ビットモードに設定すれば、増設するROM83Cを1つにすることができる。なお、図71(C)では作図の都合上ROM83CにROM83Aからデータバスが延びているように記載されているが、実際には、描画制御部91とROM83Aとの間のデータバスが分岐してROM83Cに配線されている。図71(C)に示すように構成された場合に、バス幅が32ビットであるときに、すなわち、下位32ビットがデータバスとして使用される32ビットモードに設定されているときに、描画制御部91は、32ビットずつデータを入力することができる。よって、1つのROM83Cを設けるだけで、描画制御部91は、そのまま32ビットのデータを扱うことができる。
また、ROM増設を行わない場合であって、図71(C)に示すように、3つのROM83A,83B,83CでCGROM83を形成できる場合に、本発明を適用しないときには、図71(B)に示すように、4つのROM83A,83B,83C,83DでCGROM83を形成する必要がある。すなわち、使用するROMの個数が増えてしまう。
動画像データは圧縮された状態でROM83Cに格納されている。従って、ROM83A,83Bに格納されているスプライト画像に比べてデータ量が圧縮されている。すると、描画プロセッサ109による復号処理に比べて、CGROM83からのデータ転送処理の処理量は少ない。よって、CGROM83から動画像データ(圧縮データ)を読み出すときのバス幅を狭くしてデータ転送速度を低下させても、描画プロセッサ109の全体としての処理性能はさほど低下しないといえる。
実施の形態4.
図72は、図8に示す演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70による構成に代えて、音/ランプ制御基板80bおよび表示制御基板80aが設けられた第4の実施の形態の構成例を示すブロック図である。図72に示すように、音/ランプ制御基板80bには、音/ランプ制御用CPU101bおよびRAMを含む音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが搭載されている。音/ランプ制御基板80bにおいて、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。
音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、出力ポート107を介してランプドライバ352に対してランプを駆動する信号を出力する。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの各ランプに供給する。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、出力ポート107を介してLEDドライバ353に対してLEDを駆動する信号を出力する。LEDドライバ353は、賞球表示器51およびラウンド数表示器75を駆動する。
また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、音声合成用IC703に対して音番号データを出力する。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路175に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。
また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、受信した演出制御コマンドを出力ポート104を介して図柄制御基板80aに転送するとともに、受信した演出制御コマンドにもとづいてコマンドを生成し、生成したコマンドを出力ポート104を介して図柄制御基板80aに送信する。
図72に示すように、表示制御基板80aには、表示制御用CPU101aおよびRAM(図示せず)を含む表示制御用マイクロコンピュータ100aが搭載されている。表示制御基板80aにおいて、表示制御用マイクロコンピュータ100aは、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、音/ランプ制御基板80bから入力ポート108を介してコマンドを受信する。そして、表示制御用マイクロコンピュータ100aは、受信したコマンドにもとづいて、描画プロセッサ109に、LCDを用いた画像表示装置9の表示制御を行わせる。画像表示装置9の表示制御に関する表示制御用マイクロコンピュータ100aの制御は、第1〜第3の実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ100の制御と同じである。
音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bから表示制御用マイクロコンピュータ100aに対して送信されるコマンドは、第1〜第3の実施の形態における演出制御コマンド(図14参照)と同様である。音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信したコマンドをそのまま図柄制御用マイクロコンピュータ100aに転送したり、図柄制御用マイクロコンピュータ100aが遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信したコマンドにもとづいて生成したコマンドを図柄制御用マイクロコンピュータ100aに送信することによって、第1の実施の形態における演出制御コマンド(図19参照)と同様のコマンドを表示制御用マイクロコンピュータ100aに与えることができる。