JP2009055421A - 増幅回路 - Google Patents

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幸直 佐久間
Hiroyuki Kataoka
弘行 片岡
Junichi Ichihashi
純一 市橋
Toshiyuki Iimura
敏之 飯村
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Abstract

【課題】オーディオ等に使用される増幅回路において、貫通電流の発生を抑え、パワーアンプの過熱及び破壊を防止する。
【解決手段】本発明の増幅回路は、パワーアンプ1,過熱検出回路2,信号減衰回路3を備える。パワーアンプ1は、入力アナログ信号を増幅する第1及び第2のパワートランジスタTr1,Tr2を備える。過熱検出回路2は、第1及び第2のパワートランジスタTr1,Tr2の過熱を検出するサーミスタRtを備える。信号減衰回路3は、過熱検出回路2による過熱検出に基づいて、入力アナログ信号を減衰させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、増幅回路に関し、特にオーディオに利用される増幅回路に関する。
一般に、オーディオ等に使用される音声信号を増幅する回路として、パワーアンプを利用した増幅回路が知られている。以下、従来の増幅回路について、図3を参照して説明する。パワーアンプ1は、正電圧(+V1)と負電圧(−V1)の間に直列接続されたNPN型の第1のパワートランジスタTr1とPNP型の第2のパワートランジスタTr2により構成されている。
第1のパワートランジスタTr1は、ダーリントン接続された2つのNPNトランジスタで形成され、第2のパワートランジスタTr2は、ダーリントン接続された2つのPNPトランジスタで形成されている。
第1のパワートランジスタTr1のコレクタには正電圧(+V1)が供給され、第2のパワートランジスタTr2のコレクタには負電圧(−V1)が供給されている。また、第1及び第2のパワートランジスタTr1,Tr2のベースは共通接続されており、電圧アンプ11を通して、アナログの入力信号が供給される。また、第1及び第2のパワートランジスタTr1,Tr2のエミッタは共通接続されて、ここから入力信号が増幅された出力信号が得られる。出力信号はスピーカー5に供給される。
なお、このような増幅回路については、例えば特許文献1に記載されている。
特開平5−161933号公報
上述の増幅回路の通常動作において、第1及び第2のパワートランジスタTr1,Tr2に流れる電流は、負荷抵抗であるスピーカー5を通して流れる。(図3の実線矢印を参照)
しかしながら、図4に示すように、電源クリップを引き起こすほどの大出力信号の場合には、負荷抵抗を通らず、第1及び第2のパワートランジスタTr1,Tr2を通して正電圧(+V1)から負電圧(−V1)に直接電流が流れる瞬間がある。これが貫通電流IKである。(図3の破線矢印を参照)この貫通電流IKにより、第1及び第2のパワートランジスタTr1,Tr2が異常に発熱し、場合によっては破壊されるおそれがあった。
本発明の増幅回路は、入力アナログ信号がベースに印加され、入力アナログ信号を増幅する第1及び第2のトランジスタと、前記第1及び第2のトランジスタの過熱を検出する過熱検出素子を備えた過熱検出回路と、前記過熱検出回路による過熱検出に基づいて前記第1及び第2のトランジスタに印加される入力アナログ信号を減衰させる信号減衰回路と、を備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、大信号が入力されパワーアンプ内のパワートランジスタが発熱したときは、過熱検出回路が過熱を感知し信号減衰回路により入力信号を減衰する。したがって、貫通電流の発生を抑え、パワーアンプ及びパワートランジスタの過熱及び破壊を防止することができる。
本発明によれば、オーディオ等に使用されるパワーアンプにおいて、貫通電流の発生を抑え、パワーアンプ及びパワートランジスタの過熱及び破壊を防止することができる。
本発明の増幅回路について図1及び図2を参照して説明する。図1は本発明の実施形態に係る増幅回路の回路図であり、図2はパワーアンプ1と過熱検出回路2が実装された実装回路基板Pの側面図である。図1に示すように、本発明の増幅回路は、パワーアンプ1,過熱検出回路2,信号減衰回路3からなる。なお、パワーアンプ1は、従来例(図3)で示した構成と同様であるため、説明を省略する。
パワーアンプ1が配置された実装回路基板Pと同一の基板上に、過熱検出回路2が配置されている。過熱検出回路2は、NPN型のトランジスタTr3及び抵抗R21,R22と、温度が上昇すると抵抗値が高くなる特性を有するサーミスタ(抵抗素子)Rtを備えている。
直列接続された抵抗R21とサーミスタRtにおいて、抵抗R21には正電圧(+V2)が供給され、サーミスタRtは接地されている。抵抗R21とサーミスタRtの接続点にはトランジスタTr3のベースが接続されている。また、トランジスタTr3のコレクタには正電圧(+V2)が供給され、エミッタは抵抗R22を介して接地されている。
トランジスタTr3は、サーミスタRtの抵抗値の変動に応じてオン・オフが制御される。即ち、サーミスタRtの温度が低く抵抗値が低い場合は、接続点V3の電位が低いためベース電流が流れずオフする。また、サーミスタRtの温度が高く抵抗値が高い場合は、接続点V3の電位が高くなりベース電流が流れてオンする。なお、上述の動作を行うために、抵抗R21の抵抗値はサーミスタRtの抵抗値よりも十分大きく設定されることが好ましい。
また、実装回路基板Pの外部には、過熱検出回路2の過熱検出に基づいて入力信号を減衰させるための信号減衰回路3が配置されている。信号減衰回路3は、NPN型のトランジスタTr4及び抵抗R31,R32を備えている。
トランジスタTr4のエミッタは抵抗R31を介して入力端子PINとパワーアンプ1の入力端の間に接続され、ベースは抵抗R32を介して過熱検出回路2のトランジスタTr3と抵抗R23の接続点に接続され、コレクタは接地されている。
トランジスタTr4は、過熱検出回路2のトランジスタTr3のオン・オフに連動して制御される。即ち、過熱検出回路2が過熱を検出せず、トランジスタTr3がオフしてエミッタ−コレクタ間に電流が流れない場合は、トランジスタTr4にベース電流が流れずオフする。一方、過熱検出回路2が過熱を検出して、トランジスタTr3がオンしてエミッタ−コレクタ間に電流が流れた場合は、トランジスタTr4にベース電流が流れてオンする。トランジスタTr4がオンすると、入力信号は減衰される。
また、過熱検出回路2のサーミスタRtは、パワーアンプ1の過熱を検出するために、パワーアンプ1と隣接した位置に形成されることが好ましい。以下、パワーアンプ1とサーミスタRtの配置について、図2を参照して説明する。但し、図2では、実装回路基板Pにおけるパワーアンプ1とサーミスタRtの周辺の構成のみを示し、その他の素子については図示を省略している。
アルミニウム等の金属から成り、高熱伝導性を有した基板41の表面に、絶縁膜42が形成されている。絶縁膜42の一部上には、銅膜43、高熱伝導性を有したヒートシンク44が積層形成され、ヒートシンク44上にパワーアンプ1が形成されている。また、ヒートシンク44と隣接して、絶縁膜42上にサーミスタRtが形成されている。
基板41,銅膜43,ヒートシンク44は高熱伝導性を有しているため、パワーアンプ1の第1及び第2のパワートランジスタTr1,Tr2が過熱すると、その熱は基板41内に拡散する。サーミスタRtは基板41から伝わった熱により温度が上昇し、抵抗値が高くなる。このような構成によれば、サーミスタRtによってパワーアンプ1の温度上昇を高精度で検出することができる。
次に、本発明の増幅回路の動作について説明する。まず、入力信号が電源クリップを起こさない程度の通常信号である場合、第1及び第2のパワートランジスタTr1,Tr2に貫通電流は発生せず、過熱しない。よって、過熱検出回路2のサーミスタRtの抵抗値は低いままとなり、信号減衰回路3は動作せず、入力信号はパワーアンプ1へとそのまま入力される。
一方、入力信号が大信号になった場合、第1及び第2のパワートランジスタTr1,Tr2に貫通電流が流れ、過熱する。すると、過熱検出回路2のサーミスタRtも温度が上昇し抵抗値が高くなるため、信号減衰回路3が動作し、入力信号は信号減衰回路3によって減衰されたのちパワーアンプ1へと入力される。従って、貫通電流の発生を抑え、第1及び第2のパワートランジスタTr1,Tr2の過熱及び破壊を防止することができる。
なお、上述の実施形態では、信号減衰回路3は実装回路基板Pの外部に設けるものとしたが、実装回路基板P上に設けてもよい。また、パワーアンプ1は他の回路構成を用いてもよい。
本発明の実施形態による増幅回路の構成を示す回路図である。 本発明の実施形態による増幅回路の構成を示す側面図である。 従来例に係る増幅回路の構成を示す図である。 パワーアンプ1の出力信号を示す図である。
符号の説明
1 パワーアンプ 2 過熱検出回路 3 信号減衰回路
5 スピーカー 11 電圧アンプ
41 基板 42 絶縁膜
43 銅膜 44 ヒートシンク
Tr1,Tr2 パワートランジスタ
Tr3,Tr4 トランジスタ
R21,R22,R31,R32 抵抗
Rt サーミスタ S 実装回路基板

Claims (4)

  1. 入力アナログ信号がベースに印加され、入力アナログ信号を増幅する第1及び第2のトランジスタと、
    前記第1及び第2のトランジスタの過熱を検出する過熱検出素子を備えた過熱検出回路と、
    前記過熱検出回路による過熱検出に基づいて前記第1及び第2のトランジスタに印加される入力アナログ信号を減衰させる信号減衰回路と、を備えることを特徴とする増幅回路。
  2. 前記過熱検出回路は前記過熱検出素子による過熱検出に基づいてオンする第3のトランジスタを備え、
    前記信号減衰回路は、前記第3のトランジスタの出力がベースに印加され、エミッタが抵抗を介して前記第1及び第2のトランジスタのベースに接続され、コレクタが接地され、前記第3のトランジスタがオンして、前記第1及び第2のトランジスタのベースに印加される入力アナログ信号を減衰させる第4のトランジスタを備えることを特徴とする請求項1に記載の増幅回路。
  3. 表面に絶縁膜が形成された金属基板と、
    前記絶縁膜上に形成されたヒートシンクと、を備え、
    前記第1及び第2のトランジスタは前記ヒートシンク上に配置され、前記過熱検出素子は前記ヒートシンクに隣接して絶縁膜上に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の増幅回路。
  4. 前記過熱検出素子は温度上昇により抵抗値が高くなる特性を有するサーミスタであることを特徴とする請求項1、2、3のいずれかに記載の増幅回路。
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