JP2009054149A - パケット交通管制システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】道路上の車両を検知する車両検知センサ(CS)と、道路上の車両に対して走行速度を指示する走行速度指示機(VI)と、所定の車間距離以下で連なっている車列を検出する車列検出手段(104)と、道路上の車両に対して所定の車列長と車列間距離を有するパケットを形成するように走行速度を指示するパケット形成制御手段(106)と、形成された各方向からのパケットが交差点を効率よく通過できるように走行速度を指示するパケット走行制御手段(108)と、パケット走行制御手段により交差点に到達するパケットに連動して信号機を制御する信号機制御手段(114)とを備える。
【選択図】図1
Description
また、上記特許文献2に開示された道路交通情報通信システムでは、各分岐点での信号情報をもとに交差点を青信号で通過できる最適速度を求めて表示するとしているが、実際には他の車両との関係があるために必ずしも指定された最適速度で走行できるとは限らず、例えこのような手段を備えたとしても渋滞の発生を未然に防止することは困難である。
このような現象は、走行中の車両が長蛇の車列を形成することにより、初期に生じた小さな速度変化が解消される空間的な余裕がなくなっていることに起因している。
従って、道路上を走行する車両に対して、一定長の車列毎に一定長以上の空間を設けさせるように誘導し、所定の車列長と所定の車列間距離を有する車列(以下、「パケット」という)を形成しながら走行させるようにすれば、無用な発進・停止や加速・減速を減少させることができ、結果的に自然渋滞の発生を抑制できると考えられるが、従来の交通官制システムでは、このように走行中の車列の状態を制御して自然渋滞の発生を抑制すると言う発想は全く見られなかった。
この発明によれば、道路上の車両を検知する車両検知手段と、道路上の車両に対して走行速度の指示を行う走行速度指示手段とを備え、パケット形成制御手段により走行中の車両に対して所定の車列長と車列間距離を有する車列を形成するように速度指示が行われるので、道路上の車両は所定の車列長と車間距離を有するパケットを形成して走行するように誘導され、無用な発進・停止や加速・減速を減少させることができる。
ここで、所定の車列長とは、通常の走行時に発生する前方の車両の速度変化によって後方の車両において大幅な加速・減速を発生しない長さであり、所定の車列間距離とは、前方のパケットにおいて発生した速度変化が次のパケットにおいて影響を受けない距離である。これらは、経験則に基づいて固定の長さとしてもよく、車両検知手段等により計測された交通量に応じて随時変化させるようにしてもよい。
また、標準的な信号機を基準とし、指定された標準走行速度で青信号の期間に通過できる車列の長さを所定の車列長に設定し、先行するパケットが信号機を通過した後、指定された標準走行速度で走行する後方のパケットが赤信号の期間の経過後に信号機に到達する距離を所定の車列間距離に設定するようにしてもよい。
尚、所定の車列長および所定の車列間距離は、特定の長さに限定される必要はなく、ある程度の幅を持たせて運用させるようにしてよい。
この発明によれば、標準走行速度設定手段により交通量に応じた標準走行速度が設定され、パケット形成制御手段において、車両が検知されたときに所定長以上の車列が検出された場合に、前方から所定長までの車両に対して初期走行速度として標準走行速度の速度指示が行われ、所定の車列長を超える後続車両に対して前方の車列と所定の車列間距離が形成されるように減速指示が行われるので、走行中の車両に対して、交通量に応じた最適な走行速度で、所定の車列長と所定の車列間距離を有するパケットを形成して走行するように誘導することができる。
この発明によれば、所定の車列長を超える車両に対して、走行方向の次に配備された車両検知手段において所定の車列間距離が形成される走行速度が指示されるので、適切な間隔で車両検知手段と走行速度指示手段を配備することで、所定の車列間距離を有するパケットを的確に形成させることができる。
この発明によれば、所定長以上の車列が検出されない場合に、一定範囲の後続車両に対して次の車両検知手段において前の車列に追いつく走行速度が指示されるので、適切な間隔で車両検知手段と走行速度指示手段を配備することで、所定の車列長を有するパケットを効率的に形成させることができる。
この発明によれば、パケットを構成する車両が各交差点の信号機が青信号のときに通過できるように速度指示を出す機能を有するので、各交差点の信号機が固有の周期で制御されている場合であっても、パケットを構成する車両は各交差点を効率的に通過できる。
尚、車両検知センサとしては、超音波センサや高周波センサを用いて道路上の車両を検知し、これにより検出される車両の時間的連続性や空間的連続性から車列を検出するようにしてもよい。また、超音波センサ等とテレビカメラとを組み合わせ、超音波センサ等によって車両を検知し、テレビカメラにより車列を検出するようにしてもよい。
また、各交差点には、パケット交通管制制御装置100により制御される車両用信号機SCE、SCW、SCS、SCNと、歩行者用信号機SWES、SWEN、SWWS、SWWN、SWSE、SWSW、SWNE、SWNWと、交差点を横断する各方向の歩行者を検知する歩行者検知センサWSES、WSEN、WSWS、WSWN、WSSE、WSSW、WSNE、WSNWとを備える。
図2では、各交差点の前後に3つの車両検知センサCSiとそれと対応する走行速度指示機VIiとが配備された場合を例示したが、配備する車両検知センサと走行速度指示機の数は任意である。
尚、図4においては、各方向からのパケットの通過時刻を調整して交差点の信号機をどのように制御するかも同時に把握できるように、交差点通過時刻申告テーブルとともに、確定通過時刻に基づいて各信号機をどのように点灯させるかを示す信号機制御テーブルを併記している。
交差点通過時刻申告テーブルに基づいて、各方向からのパケットについて申告された通過時刻をどのように調整して通過時刻を確定させるかや、確定された通過時刻に基づいてどのように信号機を制御するかについては後述する。
図に示すように、パケット形成制御処理S100は、最初に標準走行速度決定手段102として実行される標準走行速度決定処理を行う(S102)。
標準走行速度決定処理は、一定の区域ごとに方向別に交通量を計測し、その結果に基づいて各方向の標準走行速度を決定し、パケット交通管制制御データベース102の標準走行速度テーブルに登録する処理を行うものである。これは、例えば、各方向の車両検知センサにより検知された所定時間当たりの車両数の平均値を求め、交通量と標準走行速度の関係が定義された標準走行速度テーブルを参照して各方向の標準走行速度を決定するようにしてもよく、所定の演算式によって標準走行速度を決定するようにしてもよい。また、別に設けた交通量計測手段により計測された交通量から標準走行速度を決定するようにしてもよく、人為的に標準走行速度を設定するようにしてもよい。
差列検出処理は、画面上の所定位置に車両が検知されたときの画像を更に画像処理し、検出された車両から一定の車間距離以内で連なって形成されている車列の長さを求める。車列の長さは、画像処理により求められた画面上の車列の長さから当該車両検知センサの空間的配置に基づいて道路上の長さに変換する。
尚、この実施形態では、車両検知センサCSiのテレビカメラは、所定のパケット長を超える長さの車列を検知できる画角を有していれば足り、テレビカメラの画角を越えて車列が形成されている場合は便宜上テレビカメラの画角一杯の車列であったものとして取り扱う。
パケット走行制御処理の詳細については後述する。
後続車両に対して指示する速度vdは、先行するパケットに対して指示されている速度をvs、次の車両検知センサまでの距離をdc、形成する車列間距離をlgとすると、次式により求められる。
vd=(dc/(dc+lg))*vs
後続車両に対して指示する速度vaは、先行するパケットに対して指示されている速度をvs、次の車両検知センサまでの距離をdc、先行する車列の後尾との車間距離をldとすると、次式により求められる。
va=(dc/(dc−ld))*vs
ここで、加速指示として与えることができるのは最大で法定速度までであり、これを超える場合は加速指示は行わない。
本車両検知センサにおいて検出されたパケットの検知時刻がいずれかの既登録パケットの予想到達時刻に対して所定範囲にある場合に、本車両検知センサにおいて検出されたパケットは既登録パケットと対応すると判断し(S206)、S254に進む。
ここで、交差点を通過する通過時刻とは、パケットが指定された速度で交差点を通過する際に、先頭が交差点に到達した時刻から後尾が交差点を抜ける時刻までを意味し、当該パケットが検出された車両検知センサから交差点までの距離と、指定された走行速度と、検出されたパケットの車列長とに基づいて求められる。尚、交差点を通過する予測通過時刻は、パケットを構成する車両の走行速度の変動等を考慮して所定の余裕が設けられる。
上記通過時刻の修正処理により、他の直交方向のパケットの確定通過時刻とのオーバーラップが発生する場合は(S220)、後続オーバーラップ解消処理によりすべての直交方向の確定通過時刻とのオーバーラップが解消するまで確定通過時刻の修正処理を行い(S222)、パケット走行制御処理を終了する。
尚、上記直交方向のパケットとオーバーラップしないように通過時刻を決定する際に、一定時間の空白時間を設けるようにし、当該パケットに右折車両が含まれる場合にこれらの車両が右折できる時間を確保するようにした。
上記パケット通過時刻の修正処理により、後続する他の直交方向のパケットの確定通過時刻とのオーバーラップが発生する場合は(S276)、後続オーバーラップ解消処理によりすべての直交方向の確定通過時刻とのオーバーラップが解消するまで確定通過時刻の修正処理を行い(S278)、パケット走行制御処理を終了する。
信号機制御ロジックは、各交差点の交差点通過時刻申告テーブルに車両用信号機と同一方向のパケットが登録されている場合において、当該同一方向のパケットの確定通過時刻に、当該車両信号機に直進可表示を行い(R130)、当該同一方向のパケットの確定通過時刻のうち、対向方向のパケットの確定通過時刻でなく、当該車両用信号機と同一方向右折側の歩行者用信号機が赤表示のときに、当該車両用信号機に右折可表示を行い(R132)、当該同一方向のパケットの確定通過時刻のうち、当該車両用信号機と同一方向左折側の歩行者用信号機が赤表示のときに、当該車両用信号機に左折可表示を行い(R134)、当該同一方向のパケットの確定通過時刻のうち、歩行者検知センサにより当該車両用信号機と同一方向右折側の歩行者が検出されているときに、当該車両用信号機と同一方向右折側の歩行者用信号機を青表示とし(R136)、当該同一方向のパケットの確定通過時刻のうち、歩行者検知センサにより当該車両用信号機と同一方向左折側の歩行者が検出されているときに、当該車両用信号機と同一方向左折側の歩行者用信号機を青表示とする(R140)。
ここで、R136、R140に入力される歩行者検知時間は、歩行者検知センサにより歩行者が検知されてから、それらの歩行者が交差点を横断するに要する所定時間経過後までの時間を意味する。これは、歩行者が交差点をわたり終えるまで歩行者用信号機を青信号とするためであるが、当該所定時間の間は青表示を点滅表示とするようにしてもよい。
また、R140に入力される当該方向パケットの確定通過時刻は、当該パケットの確定通過時刻の開始時刻から終了時刻の一定時刻前までの時間を意味する。これは、当該パケットに左折車両が含まれる場合にこれらの車両が左折できる時間を確保するためである。
以上のロジックにより、各交差点において、各方向からのパケットの通過時刻と各交差点において検出される歩行者の状況から、車両用信号機と歩行者用信号機とが適切に制御される。
尚、上記信号機制御ロジックは、本願発明における信号機制御手段の基本的な概念を示したものであり、実際には様々な交通状況に応じた制御が行われるが、ここでは詳細説明は省略する。
最初に、東行パケットの通過時刻が申告され(1)、このときオーバーラップするパケットの登録がないので、当該申告通過時刻が確定通過時刻になる。次に、西行きパケットに通過時刻が申告され(2)、このとき対向する東行パケットの登録とオーバーラップするので、できる限りオーバーラップが長くなるように可能な範囲で加速指示が出されて確定通過時刻が登録される。次に、北行パケットの通過時刻が申告され(3)、このとき直交する西行パケットの登録とオーバーラップするので、オーバーラップしないように減速指示が出されて確定通過時刻が登録される。次に、南行パケットの通過時刻が申告され(4)、同様に直交する西行パケットの登録とオーバーラップするので、オーバーラップしないように減速指示が出されて確定通過時刻が登録される。次に、東行パケットの通過時刻が申告され(5)、このとき直交する南行パケットおよび北行パケットの登録とオーバーラップするので、オーバーラップしないように減速指示が出されて確定通過時刻が登録される。次に、西行パケットの通過時刻が申告され(6)、このとき対向する東行パケットの登録とオーバーラップするので、できる限りオーバーラップが長くなるように可能な範囲で加速指示が出されて確定通過時刻が登録される。次に、東行パケットの通過時刻が申告され(7)、このときオーバーラップするパケットの登録がないので、当該申告通過時刻が確定通過時刻になる。次に、南行パケットの通過時刻が申告され(8)、このとき直交する東行パケットの登録とオーバーラップするので、オーバーラップしないように減速指示が出されて確定通過時刻が登録される。次に、北行パケットの通過時刻が申告され(9)、このとき直交する東行パケットの登録とオーバーラップするので、オーバーラップしないように減速指示が出されて確定通過時刻が登録される。次に、西行パケットの通過時刻が申告されると(10)、このとき直交する南行パケットおよび北行パケットの登録とオーバーラップするとともに、対向する東行パケットの登録とオーバーラップするが、加速指示を行なっても直交する南行パケットおよび北行パケットの登録とのオーバーラップを解消できないので、直交方向のパケットの登録とオーバーラップしないように減速指示が出され確定通過時刻が登録される。次に、東行パケットの通過時刻が申告され(11)、このとき対向する西行パケットの登録とオーバーラップするので、できる限りオーバーラップが長くなるように減速指示が出されて確定通過時刻が登録される。
尚、手前の車両検知センサにおいて検知された既登録パケットに対応するパケットが検出されたときの確定通過時刻の修正処理は、図面上で表すと煩雑となるため、図4においては例示を省略している。
東行車両信号機は、東行パケットの確定通過時刻に直進可が表示され、東行パケットの確定通過時刻のうち、西行パケットの確定通過時刻でなく、東西方向南側歩行者信号が通行可でないときに右折可が表示され、東行パケットの確定通過時刻のうち、東西方向北側歩行者信号が通行可でないときに左折可が表示される。
西行車両信号機は、西行パケットの確定通過時刻に直進可が表示され、西行パケットの確定通過時刻のうち、東行パケットの確定通過時刻でなく、東西方向北側歩行者信号が通行可でないときに右折可が表示され、西行パケットの確定通過時刻のうち、東西方向南側歩行者信号が通行可でないときに左折可が表示される。
南行車両信号機は、南行パケットの確定通過時刻に直進可が表示され、南行パケットの確定通過時刻のうち、北行パケットの確定通過時刻でなく、南北方向東側歩行者信号が通行可でないときに右折可が表示され、南行パケットの確定通過時刻のうち、南北方向西側歩行者信号が通行可でないときに左折可が表示される。
北行車両信号機は、北行パケットの確定通過時刻に直進可が表示され、北行パケットの確定通過時刻のうち、南行パケットの確定通過時刻でなく、南北方向西側歩行者信号が通行可でないときに右折可が表示され、北行パケットの確定通過時刻のうち、南北方向東側歩行者信号が通行可でないときに左折可が表示される。
東西方向南側歩行者信号は、東西歩行南側歩行者が検知されており、東行パケットまたは西行パケットの確定通過時刻のときに、青表示がなされる。
東西方向北側歩行者信号は、東西歩行北側歩行者が検知されており、東行パケットまたは西行パケットの確定通過時刻のときに、青表示がなされる。
南北方向東側歩行者信号は、南北歩行東側歩行者が検知されており、南行パケットまたは北行パケットの確定通過時刻のときに、青表示がなされる。
南北方向西側歩行者信号は、南北歩行西側歩行者が検知されており、南行パケットまたは北行パケットの確定通過時刻のときに、青表示がなされる。
また、上記実施形態では、各交差点における歩行者の検知は、歩行者検知センサにより行うものとして説明したが、各横断方向別に横断ボタンを設け、横断ボタンが押されたときに歩行者の存在が検知されたものとして処理するようにしてもよい。
そこで、歩行者用信号機において、単に青表示や赤表示を行うだけでなく、歩行者用信号機が赤表示のときに「あとX秒で横断できます」等の横断待時間表示を行ったり、歩行者用信号機が青表示のときに「あとY秒で横断して下さい」等の横断残り時間表示を行うデジタル表示機能を設けてもよい。
このようなデジタル表示機能は、信号機制御手段において、交差点通過時刻申告テーブルに登録された各方向からのパケットの確定通過時刻に基づいて歩行者用信号機の表示を制御する際に、次に青表示となる予定時刻や現在の青表示の終了時刻を取得し、現在の時刻から取得された時刻までの差をデジタル表示することで容易に実現できる。
このようなデジタル表示を行うことで、歩行者は次に横断可能となるまでにどれくらい待ち合わせればよいかやどのくらいの時間で横断すればよいかを把握でき、歩行者にイライラや戸惑いを与えることを防止できる。
また、パケット走行制御処理において、交差点において一定時間以上停車させられている車両が検知されたときに、当該交差点通過時刻申告テーブルに当該車両と同一方向のパケットの確定通過時刻を便宜上登録して当該車両が当該交差点を通過できるように制御してもよい。
また、パケット走行制御処理において、歩行者検知センサにより歩行者が検知されてから一定時間が経過した場合に、当該検出された歩行者が当該交差点を横断できるように、当該交差点通過時刻申告テーブルに当該歩行者と同一方向のパケットの確定通過時刻を便宜上登録して当該歩行者が当該交差点を横断できるように制御してもよい。
また、上記実施形態では、パケット形成制御処理において、所定長以上の車列が形成されていない場合に、一定範囲の後続車両に対して次に信号で前方の車列に追いつくように加速指示を与えるものとしたが、先行する車列はパケットが形成されるまでは交差点の優先通過処理が行われず、信号機で停止させられて後続車両を吸収してパケットを生成する可能性があるので、加速指示は必ずしも行う必要はなく、省略してもよい。
また、上記実施形態では、パケット形成制御処理において、所定長以上の車両が検知された場合に、所定長を超える車両に対して次の車両検知センサにおいて前方の車列との間で所定の車列間距離が形成されるように減速指示を行なうものとしたが、必ずしも次の車両検知センサで所定の車列間距離が形成される必要はなく、各車両検知手段において車列長とともに車列間距離を計測する機能を設け、徐々に所定の車列長と車列間距離が形成されるように速度指示を出すようにしてもよい。
また、上記実施形態では、パケット走行制御処理において、各車両検知センサにおいてパケットが検出されたときに登録されるパケット検出テーブルを備え、パケットが検出されたときに手前の車両検知センサで検出されたパケットとの対応を判断し、交差点通過時刻申告テーブルに新規にパケットを登録するか、既登録のパケットについて通過時刻の修正を行うか決定するようにしたが、既登録のパケットの対応をとるために必ずしもパケット検出テーブルを設ける必要はなく、例えば交差点通過時刻申告テーブルにおいて、パケットの通過時刻を登録する際に、当該パケットを検出した車両検知センサと検出時刻と当該パケットに対して指定された指示速度を合せて登録するようにしてもよい。
図9に本願発明の他の実施形態として、信号機が固定制御の場合のパケット走行制御処理S300の処理手順を示す。
信号機が固定制御の場合のパケット走行制御処理S300は、最初に、当該検出されたパケットが標準走行速度で走行したときに次の交差点に到達する到達時刻を演算し(S302)、当該到達時刻における当該交差点の当該走行方向の車両用信号機が赤である場合は(S304)、当該検出されたパケットの先頭が当該信号機の次に青になる時刻に到達するように速度指示を出し(S306)、当該到達時刻における当該交差点の当該走行方向の車両用信号機が青である場合は、当該検出されたパケットの後尾が当該信号機の青の間に通過できるように速度指示を出し(S308)、パケット走行制御処理を終了する。
これにより、交差点の信号機が固定制御の場合でも、形成されたパケットが可能な範囲で効率よく交差点を通過できるように速度指示が与えられるので、ドライバーに対して速度指示を守ることへのインセンティブが働き、自然渋滞の発生が抑制される。
また、道路上の各車両から方向指示機の指示情報を取得し、交差点を通過しようとする各車両から取得された方向指示機の指示情報に基づいて信号機の制御を行う機能を設けてもよい。
また、道路上の各車両から方向指示機の指示情報を取得し、当該進行方向における交通量に基づいて、迂回路の情報を生成し、各車両のカーナビゲーション装置等に表示させるようにしてもよい。
また、各車両のカーナビゲーション装置に予め経路情報が登録されている場合には、その情報を取得し、それに基づいて交差点の通過時刻の調整を行うようにしてもよい。これにより、方向転換した先の交差点での通過時刻の調整を予め行うことが可能となるので、より効率的にパケットの走行を制御することが可能となる。
また、各車両のカーナビゲーション装置に予め登録された目的地に対して、経路別に通過する予定の交差点の直交方向のパケットの確定通過時刻を参照し、最も効率よく通過できる経路を当該カーナビゲーション装置から提供させるようにしてもよい。
このように、各車両のカーナビゲーション装置と本願発明のパケット交通管制システムをリンクさせることにより、より効率的な交通管制システムを構築することができる。
緊急自動車は、基本的には車両用信号機の表示の如何に拘らず交差点を通過できるので、走行経路上の交差点の信号機を制御しなくても走行でき、緊急自動車の通過により生じたパケット走行の乱れは、その後のパケット形成制御処理によって自律的に回復すると考えられる。しかしながら、上記のように、緊急自動車が通過する予定の交差点について交差点通過時刻申告テーブルに通過時刻を登録し、既登録のパケットの通過時刻の調節を行うことで、緊急自動車の走行がよりスムーズとなり、パケットを形成して走行している車両への影響を最小限に抑えることができる。
尚、本願発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本願発明の効果を奏する限り、実施形態で述べた構成要素を適宜入れ替えたり、新たな構成要素を追加したり、一部の構成要素を削除したりしてもよいことはいうまでもない。
102 標準走行速度決定手段
104 車列検出手段
106 パケット形成制御手段
108 パケット走行制御手段
110 速度指示機制御手段
112 歩行者把握手段
114 信号機制御手段
120 パケット交通管制データベース
CS 車両検知センサ
WS 歩行者検知センサ
VI 走行速度指示機
SC 車両用信号機
SW 歩行者用信号機
Claims (5)
- 道路に沿って配備され、道路上の車両を検知する車両検知手段と、
道路に沿って配備され、道路上の車両に対して走行速度を指示する走行速度指示手段と、
前記車両検知手段により検知された車両について、所定の車間距離以下で連なっている車列を検出する車列検出手段と、
前記車列検出手段により検出される車列が所定の車列長と所定の車列間距離を有する車列(以下、「パケット」という)を形成するように、前記走行速度指示手段により前記道路上の車両に対して走行速度を指示するパケット形成制御手段とを備えたことを特徴とする、パケット交通管制システム。 - 前記車両検知手段により検知された所定時間当たりの車両数に基づいて各走行方向の標準走行速度を設定する標準走行速度設定手段を備え、
前記パケット形成制御手段は、前記車両検知手段により車両が検知された際に、前記車列検出手段により所定長以上の車列が検出された場合に、前記走行速度指示手段により所定の車列長までの車両に対して初期走行速度として前記設定された当該走行方向の標準走行速度を指示する機能と、所定の車列長を超える後続車両に対して前方の車列と所定の車列間距離が形成されるように減速指示を行う機能とを有するものである、請求項1に記載のパケット交通管制システム。 - 前記所定の車列間距離が形成されるように減速指示を行う機能は、当該所定の車列長を超える後続車両に対して、走行方向の次に配備された車両検知手段において所定の車列間距離が形成される走行速度を演算して指示するものである、請求項2に記載のパケット交通管制システム。
- 前記パケット形成制御手段は、前記車列検出手段により所定長以上の車列が検出されない場合に、前走行速度指示手段により、一定範囲の後続車両に対して、走行方向の次に配備された車両検知手段において前方の車列に追いつく走行速度を演算して指示する機能を有する、請求項3に記載のパケット交通管制システム。
- 前記車列検出手段によりパケットが検出されたときに、前記走行速度指示手段により、当該検出されたパケットを構成する車両に対して、次の交差点において青信号のときに通過できる走行速度を演算して指示する機能を有するパケット走行制御手段を備えたことを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のパケット交通管制システム。
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