JP2007140617A - 交通制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
「交差点ノンストップ走行制御システム」の特長を生かしつつ同システムにおける最大の課題である渋滞発生に対しての効果的対策を実現する。
【解決手段】
「交差点ノンストップ走行制御システム」適用中の地点Pから交差点A間において、地点P付近に車両感知器を設けて地点P通過車両数を計測し、その結果から前記区間内での渋滞発生を予測してその予測された渋滞の程度に対応した時間幅で交差点Aの青信号滅灯時刻を延長する。また交差点A手前に車両感知器を設けて信号待ち車両数を計測し計測された車両数に対応した時間幅で交差点Aの青信号点灯時刻を早める。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両の交差点での信号待ち時間を低減する事によって、信号待ち時のアイドリングおよびその後の発進による燃料消費・汚染ガスの排出を削減するとともに交差点の安全な走行を可能にする「交差点ノンストップ走行制御システム」の特長を生かしつつその問題点を解決する新たな交通制御方法に関する。
交差点での車両のスムースな通行の方策として、「交差点ノンストップ走行制御システム」がある。これは 交差点Aにいたる道路上交差点Aから一定距離D上流の地点Pにおいて、交差点Aの信号状態情報、前記距離D情報、および地点Pから交差点Aまでの間の許容最高走行速度Vmax情報、から車両が交差点Aをノンストップで通過するための地点Pから交差点Aまでの走行条件即ち推奨所要時間 topt および推奨走行速度 vopt を算出し、前記算出された推奨所要時間 topt および/あるいは推奨走行速度 vopt に基づいて車両を地点P−交差点A間を走行させ交差点Aをノンストップで通過させるものである(特許文献1、特許文献2)。
本システムにおいては、交通量が比較的少ない場合には期待される効果が充分発揮できるが、交通量が多くなると前記地点P−交差点A間における車両走行速度の低減化等に起因する渋滞が発生する。
即ち、車両のスムースな走行を期待すべき「交差点ノンストップ走行制御システム」によって新たな渋滞原因が発生してしまうことになる。
一方交差点での信号待ちを減らす方策として、さらには交差点での停止、信号待ち、および発進、によるスムースな交通流の乱れが原因として発生する渋滞対策として、「プロファイル信号制御方式」が提案・実験されている。これは道路上にある車両感知器で車両の量や速度を計測しその結果に基づいて渋滞の予測を行い下流にある交差点の信号機をリアルタイムに且つ最適に制御しようとするものである(非特許文献1、非特許文献2)。
特願2004−212440 特願2005−063217 日本経済新聞2005年9月10日朝刊記事 田島昭幸・小林雅文著「次世代信号制御方式の開発と実証実験」SEIテクニカルレビュー・第166号
本発明は、前記「交差点ノンストップ走行制御システム」の特長を生かしつつ、その問題点を「交差点ノンストップ走行制御システム」に最適化した渋滞予測・信号制御方式によって解決した効果的な交通制御方法を提供しようとするものである。
交差点Aの上流一定距離Dの地点Pから交差点Aまでの間は、車両に「交差点ノンストップ走行制御システム」で走行させる。交通量が少ない場合は問題ないが交通量が増加すると、地点Pにおける走行速度変化、および走行時間幅が地点Pにおける信号周期1周期から交差点Aにおける青信号時間幅に縮小すること、による渋滞が発生する。しかし地点Pから交差点A間の交通流は「交差点ノンストップ走行制御」によって速度規制されていることから、その間の渋滞発生は地点P付近における交通量から容易に且つ比較的正確に予測することができる。従って地点P付近に車両感知器を設けて交通量を計測し渋滞発生の予兆を検知した場合には交差点Aの信号機を地点P−交差点A間における渋滞が解消するように制御する。
また「交差点ノンストップ走行制御システム」が正常に機能している場合は交差点Aには赤信号で停止している車両は原則として存在しないはずであるが、地点P−交差点A間道路に横道から入りこんで来る車両がある場合にはその車両は「交差点ノンストップ走行制御」に従っての走行を行っていないことから交差点で信号待ちとなる恐れがある。また「交差点ノンストップ走行制御」に従って走行している車両でも渋滞発生によって信号待ちとなる場合がある。この対策として前記信号待ち車両を交差点A手前に設置した車両感知器で検知して、次の青信号時間に対して地点Pから「交差点ノンストップ走行制御」にしたがって走行してくる車両群が交差点Aに到達する前に交差点Aを通過させてしまうように信号機を制御する。
先ず、「交差点ノンストップ走行制御システム」の基本的考え方を図1を用いて説明する。
図1において、車両が通過すべき交差点Aの信号状態情報を地点Pにおいて事前に獲得し、獲得した信号状態情報と交差点A−地点P間距離D、交差点A−地点P間の許容最高走行速度 Vmax 情報、から地点Pを通過する車両が交差点Aを青信号の間に通過するための走行条件を地点Pを交差点Aに向けて通過する車両毎にあるいは単位時間おきに演算し、それを通過車両個々に通報する。通報された車両は通報された走行条件で地点Pから交差点Aまでの間走行する。
即ち、時刻 td = tc−(D/Vmax)−Tp から時刻 te = tc−(D/Vmax)の時間 Tp の間地点Pを交差点A方向に通過する全車両を時刻 tb から時刻 tc の時間 Tg の間に交差点Aを通過するように地点Pから交差点A間の走行条件を車両に提示し車両はその条件のとおりに走行する。
ここで、図1における縦軸は交差点Aからの上流側道路上距離Lであり、L=0は交差点Aの停止線位置、L=Dは地点P位置である。また、横軸は時刻である。時刻 ta 、tb 、tc、は各々交差点Aの車両進行方向の車両に対する交通信号が青→黄、赤→青、青→黄になる時刻である。すなわち ta 〜 tb は黄および赤信号の時間間隔Tn 、tb 〜 tc は青信号の時間間隔Tg、 ta 〜 tc は信号周期 Tp である。
現時刻 t が td ≦ t < te のとき前記 ta 、tb 、tc 、Tn 、Tg 、Tp 、および現時刻 t が前記信号状態情報である。
信号1周期Tp 間に地点Pを通過する車両全てが交差点Aの信号が青である時間間隔Tg の間に交差点Aを通過することができれば交差点のノンストップ通過は実現できることになる。即ち地点Pを時刻 td 〜 te 間の信号1周期Tp 間に通過した車両は交差点Aを時刻 tb 〜 tc の青信号Tg 間に通過することがノンストップ通過の条件となる。
地点P−交差点A間を許容される最高速度即ち前記許容最高走行速度Vmax で走行する車両は地点Pを時刻 te に通過する車両であり、その車両の交差点Aまでの所要時間は (tc−te) 即ち D/Vmax となる。
一方、時刻 td に地点Pを通過する車両は交差点Aを時刻 tb に通過する必要がある。また地点P通過車両は交差点Aに向けての走行に際しては地点P通過順序は変えないこととする。
以上の条件から走行条件即ち推奨所要時間 topt 、推奨走行速度 vopt を算出すると数1、数2の如くなる。但しここでの 現時刻 t は数3の条件を満足する必要がある。
(数1)
topt=D/Vmax +(1− (t−td)/Tp)Tn
(数2)
vopt=D/topt =D/(D/Vmax+(1−(t−td)/Tp)Tn)
(数3)
td ≦ t < ( td+Tp)=te
上記走行条件の具体的算出方法については、特許文献1、特許文献2に詳細に述べられているのでここでの説明は省略する。
以上、地点Pを時刻 td から時刻 te の時間 Tp 間に通過した車両 C0、C1、C2、C3、C4、・・、Cnは、地点Pにおいて提示された走行条件で、また地点Pの通過順序を守って、交差点Aまで走行することによって交差点Aには時刻 tb から時刻 tc の時間 Tg の間に到達し交差点Aをノンストップで通過できることになる。
上記の如く車両の走行条件を制御して交差点Aをノンストップで通過させるシステムが「交差点ノンストップ走行制御システム」である。
但し、上記数1、数2、数3において、
topt:交差点Aを青信号で通過するための、地点Pから交差点Aまでの推奨所要時間
vopt:交差点Aを青信号で通過するための、地点Pから交差点Aまでの推奨走行速度
D:地点Pから交差点までの距離
Vmax:地点Pから交差点Aまで間の許容最高走行速度
Tn:黄信号および赤信号の時間間隔
Tg:青信号の時間間隔
Tp:交差点A信号周期(=Tn+Tg)
t :現時刻
である。
また現時刻 t が数3の範囲を超えた場合は、ta、tb、tc、td、teを各々1信号周期Tp 後のta、tb、tc、td、te とする。
上記「交差点ノンストップ走行制御システム」においては以下のごとき問題点がある。
即ち、図1からも明らかなように地点P−交差点A間の車両の平均走行速度は地点Pより上流の自由走行状態の場合の平均走行速度に比べて低減する。また地点Pを信号周期 Tp 間に通過した車両全ては交差点Aの青信号時間幅 Tg の間に交差点Aに進入しなければならない。交通量が少ない場合には問題ないが交通量が多くなり、特にそれが交差点Aの交通容量に近くなると、交差点A付近から地点Pにかけて渋滞が発生する恐れが生じる。
又地点Pから交差点Aにいたる「交差点ノンストップ走行制御システム」を適用している道路に横道から入り込んでくる車両も考えられる。これら車両は「交差点ノンストップ走行制御システム」に乗取っての走行はしていないことから交差点Aでの信号待ちとなりこれもまた渋滞発生の原因となる。
これらの問題を以下の如く解決する。
即ち、交差点A付近から地点P付近間の渋滞発生の可能性は、地点P付近に車両感知器を設置し地点P通過車両数を「交差点ノンストップ走行制御」における交差点A信号周期である時刻 td から時刻 te の時間幅Tp の間毎に計測して検知する。地点P−交差点A間は「交差点ノンストップ走行制御」が適用されていることから、前記によって計測された地点P通過車両数と渋滞発生の関係は明確でありかなり正確に予測できる。前記地点P通過車両数から渋滞発生の予兆を検知した場合は、図2に示す如く、交差点Aの信号機の青信号時間幅Tg を青信号滅灯時刻 tc を時間幅Δtc 遅らせるかたちで延長する。
ここで青信号延長時間幅 Δtc は、地点P通過車両数に対応しての渋滞予兆を解消出来る時間幅とする。こうすることによって地点Pを時刻 td から te の時間幅Tp 間に通過した車両は交差点A を従来の時刻 tb から tc の時間幅 Tg の間に代えて tb から tc' の時間幅 Tg+Δtc の間に通過することになり渋滞の予兆解消が可能となる。
また、交差点Aでの信号待ち車両の発生に対しては、信号手前に車両感知器を設け、一定数以上の信号待ち車両を検知した場合は、図3に示す如く、信号待ち車両数に対応して青信号点灯時刻 tb を tb'に Δtb 早め、この間に信号待ち車両に交差点を通過させる。この操作によって地点Pから「交差点ノンストップ走行制御」に従って推奨走行速度 vopt で走行してくる車両群が交差点Aに到達するまでには前記信号待ち車両は交差点A手前には無くなり、「交差点ノンストップ走行制御」に支障はなくなる。即ち信号待ち車両による渋滞の恐れは解消される。
以上本発明によって、「交差点ノンストップ走行制御システム」の持つ本来の交差点ノンストップ走行の効果を発揮しつつその問題点である渋滞発生の恐れも解消あるいは軽減することができる有効な交通制御システムが実現できることになる。
交差点ノンストップ走行条件の路側から車側への通報に際しては既存の路車間通信システムの路側装置・車載装置を有効活用する。また交差点ノンストップ走行条件算出に際して必要な情報、特に交差点信号機の信号状態情報、が事前に正確に確実にシステムに提供できるよう信号機制御の系統化・統一化が必要である。
図4に本発明による交通制御システムの概略構成例を示す。
図4において、
401は、交差点Aにおける図4に示す車両進行方向に対する交通信号機、
402は、交差点Aでの赤信号時信号待ち車両数を検知するための車両感知器A、
403は、地点P付近での時刻 td 〜 te 間の通過車両数を検知する車両感知器B、
404は、車両感知器A402の感知した交差点Aでの赤信号時信号待ち車両数と車両感知器B403の感知した地点P付近の通過車両数を入力し、交通状況特に渋滞発生の可能性およびその程度を予測し信号機401に対する青信号時間幅 Tg の増減に関する制御信号を出力するとともに、走行条件演算装置405に対して信号状態情報を出力する信号制御装置、
405は、信号制御装置404出力である信号状態情報を入力し、予め設定されている地点P−交差点A間距離Dと地点P−交差点A間の許容最高走行速度Vmax および現時刻tから地点Pを交差点A方向に通過する車両毎にその走行条件、即ち推奨走行時間 topt 、推奨走行速度 vopt を算出する走行条件演算装置、
406は、走行条件演算装置405出力である走行条件を地点Pを通過する車両に路車間通信で通報する路車間通信路側装置、
である。
地点Pを通過する車両は上記路車間通信路側装置406からの走行条件を路車間通信車側装置(図示せず)で受信し、受信した走行条件を表示出力あるいは音声出力として得て、あるいは受信した走行条件中の推奨走行速度 vopt を車両に搭載した自動速度制御装置の設定走行速度として入力して、その走行条件で交差点Aまでの間を走行する。
ただし、地点Pまで自由走行してきた車両が地点Pからは「交差点ノンストップ走行制御」によって速度規制されること、その結果として地点Pを時刻 td から時刻 te の時間幅Tp の間に通過した車両は交差点Aを時刻 tb から時刻 tc の時間幅Tg の間に通過しなければならないことから地点Pから交差点A間において渋滞発生の恐れが生じる。
そこで車両感知器B403で計測した車両数を信号制御装置404に入力して前記渋滞の予兆およびその程度を予測し、渋滞発生の恐れがある場合は前記図2に示すように、青信号滅灯時刻を通常の tc から tc' にΔtc 間延長するように交通信号機401を制御する。但し前記延長時間幅Δtc は予測された渋滞の程度によって可変とする。この結果、交差点Aの青信号時間幅がTg からTg +Δtc に拡大することから渋滞発生は事前に解消されスムースな「交差点ノンストップ走行制御」が保たれることになる。
また、地点P−交差点A間に、この道路に横道等から流入する車両がある場合には、この車両は「交差点ノンストップ走行制御」に従っての走行はしていないことから、交差点において信号待ちとなる恐れがある。
これら交差点Aでの信号待ち車両発生対策としては、交差点A手前に設けた車両感知器A402によって交差点A手前での赤信号中の信号待ち車両を検知した場合には、車両感知器402からの入力によって信号制御装置404は図3に示す如く青信号点灯時刻 tb を Δtb 早めて tb' とし信号機401に指示する。この制御によって地点Pで時刻 tb 以降に交差点に到着するよう走行条件を提示された車両即ち「交差点ノンストップ走行制御」に従って交差点Aに向けて走行してくる車両群が交差点Aに到着する前に前記信号待ち車両を交差点に進入させることができ、この結果信号待ち車両の存在による渋滞発生の恐れが解消され正常な「交差点ノンストップ走行制御」が保たれる。
本発明によって、交差点ノンストップ走行制御システム、あるいはプロファイル信号制御方式を各々単独で適用した場合の交通制御に比べて各々のシステム・方式の効果が相乗的に拡大し、特に渋滞発生の回避に関しては効果的な交通制御が可能となる。
交差点ノンストップ走行制御システムの原理説明図 交差点ノンストップ走行制御システムにプロファイル信号制御方式を適用した場合の第1の原理説明図 交差点ノンストップ走行制御システムにプロファイル信号制御方式を適用した場合の第2の原理説明図 本発明によるシステム構成例 である。
符号の説明
図1、図2、図3において、
C0、C1、C2、C3、C4、・・、Cn:地点Aを通過して交差点Aに向かう車両
ta:青信号滅灯(黄信号点灯)時刻
tb:青信号点灯時刻
tc:青信号滅灯(黄信号点灯)時刻
tc':=tc+Δtc
Δtc:青信号滅灯遅延時間
td:=tc −(D/Vmax)−Tp = te −Tp
te:=tc − D/Vmax
tb':=tb−Δtb
Δtb:青信号点灯早め時間
t:時刻
Tg:青信号時
Tn:黄および赤信号時間
Tp:信号周期
D:地点P−交差点A間距離
Vmax:許容最高走行速度
図4において、
401:交差点A信号機
402:車両感知器A
403:車両感知器B
404:信号制御装置
405:走行条件演算装置
406:路車間通信路側装置
である。

Claims (2)

  1. 地点Pからその下流にある交差点Aに向かう車両に対して「交差点ノンストップ走行制御」を行うとともに通過車両数を計測し、「交差点ノンストップ走行制御」を行う交差点Aの信号1周期に相当する時間幅毎の計測結果をもって地点P−交差点A間の渋滞発生を予測し、渋滞発生を予測したときはその予測した渋滞の程度によって直後の交差点A青信号の滅灯時刻を遅らせて青信号時間幅を延長し渋滞の発生を予防することを特徴とする交通制御方法。
  2. 地点Pからその下流にある交差点Aに向かう車両に対して「交差点ノンストップ走行制御」を行うとともに、交差点Aで信号待ちで停車している車両数を計測し、一定数以上の車両数を計測したときは、地点Pから交差点Aに向けて「交差点ノンストップ走行制御」に従って走行してくる車両群が交差点Aに到達する以前に前記信号待ちで停車している車両の交差点進入を終了させるよう、交差点A信号機の青信号点灯時刻を早めることを特徴とする交通制御方法。
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