JP2005056071A - 信号制御装置、および信号制御システム - Google Patents

信号制御装置、および信号制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】 隣接する下流側交差点の流入リンクに存在する車両台数を適正に保つことにより渋滞の発生を抑え、車両をスムーズに走行させる適正な信号灯器の制御が行える信号制御装置、およびこの信号制御装置を提供する。
【解決手段】 信号制御装置2は、隣接する上流側交差点の信号制御装置2から送られてくる対象交差点への車両の流入予測情報、および隣接する下流側交差点の信号制御装置2から送られてくる流出抑制情報を用いて、対象交差点に設置されている信号灯器1の信号制御パラメータを決定する。したがって、隣接する下流側交差点の流入リンクに存在する車両台数を適正に保つことにより渋滞の発生を抑えながら、且つ対象交差点の流入リンクに流入した車両を下流側に流出させることができる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、道路網の交差点に設置された信号灯器を制御する自律分散型の信号制御装置、およびこの信号制御装置を適用した信号制御システムに関する。
従来、道路網の各交差点に設置された信号灯器の制御は、センタによる集中制御方式が主流である。この集中制御方式は、センタにおいて各交差点の信号灯器を制御する信号制御パラメータを決定する。センタは、対象エリア内の複数の地点に設置された車両感知器から送られてくる車両感知信号から、対象エリア内における交通状況を判断する。そして、センタはここで判断した対象エリア内の交通状況に基づいて、交差点毎に信号制御パラメータを決定する。各交差点では、センタで決定された信号制御パラメータにより、設置されている信号灯器の制御が行われる。センタが決定する信号制御パラメータは、サイクル、スプリット、オフセットである。サイクルは信号灯器の1周期の時間であり、スプリットは1サイクルに占める青時間の割合であり、オフセットは交差点間のサイクル開始タイミングの差(相対オフセット)、または基準交差点とのサイクル開始タイミングの差
(絶対オフセット)である。また、車両感知器は、CCDカメラで撮像した画像を処理して車両を感知する画像式、超音波センサにより車両を感知する超音波式、光センサにより車両を感知する光学式等である。
上記制御方式は、車両感知器の感知信号を集計することにより作成された実績データにより判断した対象エリア内の過去の交通状況に応じて、各交差点の信号灯器に対する信号制御パラメータを決定する方式であることから、既に発生した過去の交通状況に対する後追い型の信号制御であった。このため、渋滞が発生した後に、発生した渋滞を解消するための信号制御が行えるだけで、渋滞の発生を抑える信号制御が行えないという問題があった。
この問題に対して、交通状況を予測し、その予測結果を用いて交差点毎に信号制御パラメータを決定する、予測型の信号制御システムが特許文献1〜4等で提案されている。この予測型の信号制御システムでは、信号制御パラメータを自律的に決定する信号制御装置、所謂自律分散型の信号制御装置、を交差点毎に設ける方式が主流である。各信号制御装置は、対象交差点における交通状況を予測し、対象交差点の信号灯器を制御する信号制御パラメータを自律的に決定する。対象交差点における交通状況は、対象交差点の流入リンク上流に設置した車両感知器の車両感知信号や、上流側交差点の信号制御装置が予測した対象交差点の流入リンクへの車両の流出予測等、に基づいて予測される。
なお、流入リンクとは、隣接する上流側交差点から対象交差点へ車両が走行してくる道路、すなわち隣接する上流側交差点と対象交差点とをつなぐ道路である。
特開2000−105891号公報 特開2002−170194号公報 特開2003− 67887号公報 特開2003−132490号公報
しかしながら、従来の自律分散型の信号制御装置は、対象交差点の流入リンクへの車両の流入予測に基づいて信号制御パラメータを決定しており、隣接する下流側交差点の流入リンクにおける交通状況(渋滞、混雑等)については、何ら考慮していなかった。このため、信号制御装置は、隣接する下流側交差点の流入リンクが混雑していても、隣接する下流側交差点の流入リンクへの車両の流出を促進する信号灯器の制御を行うことがあり、隣接する下流側交差点の流入リンクにおいて渋滞を発生させやすいという問題があった。また、隣接する下流側交差点の流入リンクにおける渋滞の発生後も、対象交差点からこの隣接する下流側交差点の流入リンクに殆ど車両が流出されないにもかかわらず、隣接する下流側交差点の流入リンクへの車両の流出を促進する不適性な信号灯器の制御が行われるという問題があった。
このように、従来の自律分散型の信号制御装置は、隣接する下流側交差点の流入リンクにおける交通状況(渋滞、混雑等)を考慮していなかったため、対象エリア内における渋滞の発生を抑え、車両をスムーズに走行させる信号灯器の制御を十分に行えていなかった。
また、従来の自律分散型の信号制御装置は、バス等の公共車両や救急車、消防車等の緊急車両(以下、総称して特定車両と言う。)を優先的に走行させる信号灯器の制御についても考慮していなかった。言い換えれば、従来の自律分散型の信号制御装置は、特定車両を優先的に走行させる信号灯器の制御を行うことができなかった。
この発明の目的は、隣接する下流側交差点の流入リンクに存在する車両台数を適正に保つことにより渋滞の発生を抑え、且つ車両をスムーズに走行させる適正な信号灯器の制御が行える信号制御装置、およびこの信号制御装置を適用した信号制御システムを提供することにある。
また、この発明は、特定車両を優先的に走行させる信号灯器の制御が行える信号制御装置、およびこの信号制御装置を適用した信号制御システムを提供することを目的とする。
この発明の信号制御装置は、上記課題を解決するために以下の構成を備えている。
(1)道路網の交差点に設置された信号灯器を制御する自律分散型の信号制御装置において、
制御対象の信号灯器が設置された対象交差点の流入リンクへの車両の流入状況を予測した流入予測情報を、隣接する上流側交差点の信号灯器を制御する別の信号制御装置から取得する流入予測情報取得手段と、
上記流入予測情報取得手段が取得した上記流入予測情報に基づいて、対象交差点における車両の到着状況を予測した到着予測情報を生成する到着予測情報生成手段と、
隣接する下流側交差点の流入リンクへの車両の流出台数の抑制を指示する流出抑制情報を、隣接する下流側交差点の信号灯器を制御する別の信号制御装置から取得する流出抑制情報取得手段と、
上記到着予測情報生成手段が生成した到着予測情報、および上記流出抑制情報取得手段が取得した流出抑制情報に基づいて、対象交差点に設置された信号灯器にかかる信号制御パラメータを決定する信号制御パラメータ決定手段と、
上記信号制御パラメータ決定手段が決定した制御パラメータにより対象交差点に設置された信号灯器を制御する信号灯器制御手段と、を備えている。
この構成では、流入予測情報取得手段が、対象交差点の流入リンクに流入する車両の流入状況を予測した流入予測情報を、隣接する上流側交差点の信号灯器を制御する信号制御装置から取得し、到着予測情報生成手段が取得した流入予測情報を用いて対象交差点における車両の到着状況を予測した到着予測情報を生成する。流入予測情報取得手段が取得する流入予測情報が、例えば何秒後に何台の車両が対象交差点の流入リンクに流入するかを示す時系列情報であれば、到着予測情報生成手段は隣接する上流側交差点から対象交差点までの車両の旅行時間だけ流入予測情報をシフトすることにより、対象交差点における車両の到着予測情報を生成できる。上流側交差点から対象交差点までの車両の旅行時間は、対象交差点の流入リンクの制限速度を用いて算出してもよいが、この場合、その時点における流入リンクの交通状況によって、予測した到着予測情報と対象交差点における実際の車両の到着状況とに生じる差が大きくなることもある。このため、上記旅行時間は、その時点における対象交差点の流入リンクを走行している車両の平均速度を用いて算出するのが好ましい。
また、流出抑制情報取得手段が、隣接する下流側交差点の信号灯器を制御する信号制御装置から、隣接する下流側交差点への車両の流出台数の抑制を指示する流出抑制情報を取得する。この流出抑制情報は、例えば隣接する下流側交差点の流入リンク内に滞留する車両の台数を示した時系列情報であったり、隣接する下流側交差点の流入リンク内に滞留する車両の台数とこの流入リンクの車両許容台数との比率を示した時系列情報であったり、隣接する下流側交差点の流入リンクの車両許容台数から、この流入リンク内に滞留する車両の台数を差し引いた車両台数(以下、処理余裕量と言う。)を示す時系列情報であればよい。
信号制御パラメータ決定手段が、上記到着予測情報、および流出抑制情報に基づいて、対象交差点の信号灯器を制御する信号制御パラメータを決定する。信号制御パラメータ決定手段は、例えば、到着予測情報を用いて、いくつかの信号制御パラメータで信号灯器を制御した場合をシミュレーションし、その評価値を得る。そして、得られた評価値が最適である信号制御パラメータを信号制御パラメータとして仮決定する。そして、ここで仮決定した信号制御パラメータで対象交差点の信号灯器を制御した場合に、隣接する下流側交差点の流入リンクへの車両の流入が、流出抑制情報で指示された内容を満足するかどうかを判断する。満足する場合、仮決定した信号制御パラメータを対象交差点の信号灯器を制御する信号制御パラメータに決定する。反対に満足しない場合、仮決定した信号制御パラメータを補正し、補正後の信号制御パラメータを対象交差点の信号灯器を制御する信号制御パラメータに決定する。例えば、隣接する下流側交差点の流入リンクへの車両の流入台数を抑えるために、仮決定された信号制御パラメータについて、信号灯器の青時間を所定時間短くする補正を行う。また、流出抑制情報を満足しない場合に、先に算出した対象交差点の評価値が次に適している信号制御パラメータが、流出抑制情報を満足するかどうかを判断する処理を繰り返し、流出抑制情報を満足する信号制御パラメータが得られたときに、このときの信号制御パラメータを対象交差点の信号灯器を制御する信号制御パラメータに決定してもよい。信号灯器制御手段が、信号制御パラメータ決定手段により決定された信号制御パラメータで対象交差点の信号灯器を制御する。
このように、信号制御パラメータ決定手段が、隣接する上流側交差点の信号制御装置から取得した対象リンクへの車両の流入予測情報、および隣接する下流側交差点の信号制御装置から取得した流出抑制情報に基づいて、対象交差点の信号灯器1を制御する信号制御パラメータを決定するので、隣接する下流側交差点の流入リンクに存在する車両台数を適正に保つことにより渋滞の発生を抑え、且つ車両をスムーズに走行させる適正な信号灯器の制御が行える。
(2)道路網の交差点に設置された信号灯器を制御する自律分散型の信号制御装置において、
制御対象の信号灯器が設置された対象交差点の流入リンクの上流部に設置された車両感知器と、
上記車両感知器における車両の感知信号に基づいて、対象交差点における車両の到着状況を予測した到着予測情報を生成する到着予測情報生成手段と、
隣接する下流側交差点の流入リンクへの車両の流出台数の抑制を指示する流出抑制情報を、隣接する下流側交差点の信号灯器を制御する別の信号制御装置から取得する流出抑制情報取得手段と、
上記到着予測情報生成手段が生成した到着予測情報、および上記流出抑制情報取得手段が取得した流出抑制情報に基づいて、対象交差点に設置された信号灯器にかかる制御パラメータを決定する信号制御パラメータ決定手段と、
上記信号制御パラメータ決定手段が決定した制御パラメータにより対象交差点に設置された信号灯器を制御する信号灯器制御手段と、を備えている。
この構成では、対象交差点の上流に設置された車両感知器の車両感知信号により、到着予測情報生成手段が到着予測情報を生成する点で上記(1)と異なる。車両感知器の感知信号から、感知位置での車両の通過を示す時系列情報を得ることができる。この時系列情報を、車両感知器の感知位置から対象交差点までの車両の旅行時間だけシフトすることにより、対象交差点における車両の到着予測情報を生成できる。また、車両感知器による実際の車両の感知に基づいて到着予測情報を生成することから、その精度を高めることができる。
(3)制御対象の信号灯器が設置された対象交差点の流入リンクの上流部に設置された車両感知器を備え、
上記到着予測情報生成手段は、上記流入予測情報、および上記車両感知器における車両の感知信号に基づいて、対象交差点における車両の到着状況を予測した到着予測情報を生成する。
この構成は、上記(1)、(2)を組み合わせた構成である。また、到着情報予測手段が、車両感知器の感知位置から対象交差点までの車両の旅行時間さきの未来までの到着予測情報を車両感知器の感知信号により生成し、車両感知器の感知位置から対象交差点までの車両の旅行時間さき以降の到着予測情報を隣接する上流側交差点からの流入予測情報に基づいて生成することにより、ある程度さきの未来まで対象交差点における到着予測情報生成することができ、且つ車両感知器の感知位置から対象交差点までの車両の旅行時間さきの未来までの到着予測情報の精度を高めることができる。したがって、隣接する下流側交差点の流入リンクに存在する車両台数を適正に保つことにより渋滞の発生を抑え、且つ車両をスムーズに走行させる一層適正な信号灯器の制御が行える。
(4)上記到着予測情報生成手段が生成した到着予測情報を用いて、その時点において決定されている信号制御パラメータにより信号灯器を制御した場合をシミュレーションし、隣接する下流側交差点の流入リンクへの車両の流入状況を予測した上記流入予測情報を生成する流入予測情報生成手段を備えている。
この構成では、流入予測情報生成手段が、隣接する下流側交差点の信号灯器を制御する信号制御装置に送る流入予測情報を生成する。具体的には、到着予測情報生成手段が生成した到着予測情報を用いて、その時点において決定されている信号制御パラメータにより信号灯器を制御した場合をシミュレーションし、隣接する下流側交差点の流入リンクへの車両の流入状況を予測した流入予測情報を生成する。言い換えれば、上記流入予測情報取得手段は、隣接する上流側交差点の信号制御装置の流入予測情報生成手段が生成した流入予測情報を取得する。
(5)上記到着予測情報生成手段が生成した到着予測情報を用いて、その時点において決定されている信号制御パラメータにより信号灯器を制御した場合をシミュレーションし、対象交差点の流入リンクに滞留する滞留状況を予測し、この滞留状況に基づいて上記流出抑制情報を生成する流出抑制情報生成手段を備えている。
この構成では、流出抑制情報生成手段が隣接する上流側交差点の信号灯器を制御する信号制御装置に送る流出抑制情報を生成する。具体的には、到着予測情報生成手段が生成した到着予測情報を用いて、その時点において決定されている信号制御パラメータにより信号灯器を制御した場合をシミュレーションし、対象交差点の流入リンクに滞留する滞留状況に基づく流出抑制情報を生成する。言い換えれば、上記流出抑制情報取得手段は、隣接する下流側交差点の信号制御装置の流出抑制情報生成手段が生成した流出抑制情報を取得する。
(6)上記到着予測情報生成手段は、対象交差点の直前に配置した車両感知器により、対象交差点の交通状況を認識し、ここで検出した交通状況に応じて、既に生成されている上記到着予測情報を補正する。
この構成では、対象交差点の交通状況に応じて到着予測情報を補正するので、到着予測情報の精度を一層高めることができる。例えば、直前の青信号で交差点から流出すると予測されていた車両が、交差点から流出できずに信号待ち状態になったとき、この流出できなかった車両を考慮して到着予測情報を補正する。
(7)上記到着予測情報生成手段は、上記到着予測情報を生成するとき、流入リンク内に予め定めた種類の特定車両が滞留していれば、この特定車両の走行が優先される到着予測情報を生成する。
この構成では、流入リンク内に予め定めた種類の特定車両が滞留していれば、例えばこの特定車両を所定台数の車両に置き換えて、到着予測情報を生成する。したがって、特定車両が滞留しているときには、流入リンクに滞留している実際の車両台数よりも、多くの車両台数が滞留しているものとして、到着予測情報が生成され、この到着予測情報を用いて信号制御パラメータが決定される。これにより、隣接する下流側交差点の流入リンクに滞留する車両台数を適正に保つことにより渋滞の発生を抑え、且つ車両をスムーズに走行させながら、特定車両(例えば、バス等の公共車両や、救急車、消防車等の緊急車両)の走行を優先する信号灯器の制御が行える。
(8)道路網の交差点に設置された信号灯器を制御する自律分散型の信号制御装置において、
制御対象の信号灯器が設置された対象交差点の流入リンクへの車両の流入状況を予測した流入予測情報を、隣接する上流側交差点の信号灯器を制御する別の信号制御装置から取得する流入予測情報取得手段と、
上記流入予測情報取得手段が取得した上記流入予測情報に基づいて、対象交差点における車両の到着状況を予測した到着予測情報を生成する到着予測情報生成手段と、
上記到着予測情報生成手段が生成した到着予測情報に基づいて、対象交差点に設置された信号灯器にかかる制御パラメータを決定する信号制御パラメータ決定手段と、
上記信号制御パラメータ決定手段が決定した制御パラメータにより対象交差点に設置された信号灯器を制御する信号灯器制御手段と、を備え、
上記到着予測情報生成手段は、上記到着予測情報を生成するとき、上記到着予測情報を生成するとき、流入リンク内に予め定めた種類の特定車両が滞留していれば、この特定車両の走行が優先される到着予測情報を生成する。
(9)道路網の交差点に設置された信号灯器を制御する自律分散型の信号制御装置において、
制御対象の信号灯器が設置された対象交差点の流入リンクの上流部に設置された車両感知器と、
上記車両感知器における車両の感知信号に基づいて、対象交差点における車両の到着状況を予測した到着予測情報を生成する到着予測情報生成手段と、
上記到着予測情報生成手段が生成した到着予測情報に基づいて、対象交差点に設置された信号灯器にかかる制御パラメータを決定する信号制御パラメータ決定手段と、
上記信号制御パラメータ決定手段が決定した制御パラメータにより対象交差点に設置された信号灯器を制御する信号灯器制御手段と、を備え、
上記到着予測情報生成手段は、上記到着予測情報を生成するとき、上記到着予測情報を生成するとき、流入リンク内に予め定めた種類の特定車両が滞留していれば、この特定車両の走行が優先される到着予測情報を生成する。
(8)、(9)にかかる構成では、上記(7)で説明したように、バス等の公共車両や、救急車、消防車等の緊急車両の走行を優先する信号灯器の制御が行える。
(10)上記(1)〜(9)のいずれかに記載の信号制御装置を、対象エリア内の各交差点に設けるとともに、これらの信号制御装置とデータ通信ラインで接続した中央装置を有する自律分散型の信号制御システムであって、
上記中央装置は、本システムの運用を政策的に指揮する政策指令を各信号制御装置に通知する政策指令通知手段を備え、
上記信号制御装置は、信号制御パラメータ決定手段において上記中央装置からの政策指令を用いて信号制御パラメータを決定する。
この構成では、各信号制御装置が、中央装置からの政策指令を加味して信号制御パラメータを決定する。政策指令は、工事や事故等による通行規制、対象エリア内への車両の流入規制、対象エリア内からの車両の流出促進等である。したがって、対象エリア内における政策的な信号灯器の制御も行える。
この発明によれば、隣接する下流側交差点の流入リンクに存在する車両台数を適正に保つことにより渋滞の発生を抑え、且つ車両をスムーズに走行させる適正な信号灯器の制御が行える。
また、バス等の公共車両や救急車、消防車等の緊急車両等の特定車両を優先的に走行させる信号灯器の制御が行える。
さらに、対象エリア内において、工事や事故等による通行規制、対象エリア内への車両の流入規制、対象エリア内からの車両の流出促進等、対象エリア内における政策的な信号灯器の制御が行える。
以下、この発明の実施形態である信号制御装置、およびこの信号制御装置を適用した信号制御システムについて説明する。
図1は、この発明の実施形態である信号制御システムの構成を示す図である。図1では、対象エリア内における、幹線道路と従道路とが交差する3つの交差点A、B、Cを示している。図1において横方向に伸びる道路が幹線道路であり、縦方向に伸びる道路が従道路である。各交差点A、B、Cには、複数の信号灯器1(幹線道路用、従道路用)、および信号灯器1を制御する信号制御装置2が設けられている。各信号制御装置2は、対象交差点に設置されている信号灯器1について、信号制御パラメータを決定し制御する自律分散型の信号制御装置である。信号制御装置2は、対象交差点以外の交差点に設置されている信号灯器について信号制御パラメータを決定することはないが、隣接する交差点の信号制御装置2との間で、対象交差点の信号灯器1に対する信号制御パラメータを決定するのに用いる情報(後述する、流入予測情報、流出制限情報)を送受信する。各交差点A、B、Cに設けられた信号制御装置2は、データ通信ライン3で接続されている。このデータ通信ライン3には、各信号制御装置2に対して、本システムの運用を政策的に指揮する中央装置4も接続されている。中央装置4は、本システムの対象エリア内における工事や事故等による通行規制、本システムの対象エリア内への車両の流入規制、対象エリア内からの車両の流出促進等を、政策的な見地から各交差点A、B、Cの信号制御装置2に指揮する。
また、各交差点A、B、Cの流入リンクの上流には、車両感知器5が設置されている。図1では、幹線道路の車両感知器5のみ示しているが、従道路にも流入リンクの上流に車両感知器5が設置されている。各信号制御装置2は、流入リンクの上流に設置された車両感知器5から出力される車両感知信号を基に、この車両感知器5の感知位置における交通状況を取得する。具体的には、車両感知器5の感知位置における通過車両の時系列情報
(一定時間間隔で車両感知器5の感知位置を通過した車両の台数)を取得する。さらに、各交差点A、B、C周辺に車両感知器6を設置している。この車両感知器6は、交差点A、B、C周辺の交通状況を取得するのに利用される。具体的には、赤信号等による停止車両の台数を取得するのに利用される。車両感知器5は、感知位置における車両の通過状況が検出できればよいので、CCDカメラで撮像した画像を処理して車両を感知する画像式、超音波センサにより車両を感知する超音波式、光センサにより車両を感知する光学式のいずれのタイプであってもよいが、車両感知器6は、停止車両を含めた交差点周辺の交通状況を取得するのに用いることから、CCDカメラで撮像した画像を処理して車両を感知する画像式のものが適している。
また、各交差点A、B、Cに設置された信号制御装置2は、隣接する上流側交差点に設置された信号制御装置2から対象交差点(制御する信号灯器1が設置された交差点)の流入リンクへの車両の流入予測情報を取得し、隣接する下流側交差点の信号制御装置2からこの隣接する下流側交差点の流入リンクへの車両の流出台数の抑制を指示する流出抑制情報を取得する。言い換えれば、信号制御装置2は、隣接する上流側交差点の信号制御装置2に対して対象交差点の流入リンクへの車両の流出台数の抑制を指示する流出抑制情報を送り、隣接する下流側交差点の信号制御装置2に対して下流側交差点の流入リンクへの車両の流入予測情報を送る。このため、各信号制御装置2は、流入予測情報、および流出制限情報を生成する機能を有している。この機能の詳細については後述するが、対象交差点の流入リンクについて交通状況をシミュレーションし、その結果として対象交差点から隣接する下流側交差点の流入リンクへ流出する車両の時系列情報(一定時間間隔で隣接する下流側交差点の流入リンクへ流出する車両の台数)を流入予測情報として生成し、対象交差点の流入リンク内に滞留する車両の台数を示す時系列情報、または流入リンクの車両許容台数から流入リンク内に滞留する車両の台数を差し引いた台数(以下、処理余裕量と言う。)を示す時系列情報を流出抑制情報として生成する。
なお、ここでは車両の走行方向が上流側から下流側への方向である。したがって、隣接する2つの交差点において、この間を接続する道路が対向車線を有する道路である場合、一方の交差点にとって、他方の交差点は上流側の交差点でもあり、また下流側の交差点でもある。例えば、図1に示す交差点A、B、Cをつなぐ幹線道路が対向車線を有する道路である場合、交差点Bにとって、車両の走行方向を交差点A、交差点B、交差点Cの方向でみると、交差点Aは隣接する上流側交差点であり、交差点Cは隣接する下流側交差点である。一方、車両の走行方向を交差点C、交差点B、交差点Aの方向でみると、交差点Aは隣接する下流側交差点であり、交差点Cは隣接する上流側交差点である。また、図示していないが、各交差点A、B、Cの信号制御装置2は、従道路の隣接する交差点の信号制御装置からも上記流入予測情報、流出抑制情報が送られてくるとともに、従道路における流入リンクの上流に設置した車両感知器の感知信号を取得し、従道路の交通状況についても検出できるように構成されている。
各交差点A、B、Cの信号制御装置2は、隣接する交差点の信号制御装置2から送られてきた流入予測情報、流出抑制情報、車両感知器5、6による車両感知信号、および、中央装置4からの政策指令に基づいて、対象交差点に設置されている信号灯器1の信号制御パラメータを決定し、ここで決定した信号制御パラメータにより対象交差点の信号灯器1を制御する。
次に、この発明の実施形態である信号制御装置2の構成について説明する。信号制御装置2は、ハードウェア的には、本体に入力されたデータを用いて、予め定められた演算を実行するコンピュータ(情報処理装置)である。信号制御装置2は、データ通信ライン3を介して隣接する交差点(隣接する上流側交差点、および隣接する下流側交差点)の信号制御装置2や中央装置4との間でデータ通信を行う通信部、車両感知器5、6から車両感知信号が入力される入力インタフェース、種々のデータを記憶する記憶部、および信号灯器1に対して信号制御パラメータに基づく制御信号を出力する出力部を備えている。
図2は、この発明の実施形態である信号制御装置の機能構成を示すブロック図である。信号制御装置2は、対象交差点の流入リンクの上流に設置された車両感知器5から入力された車両感知信号を処理する感知器情報処理部11と、対象交差点に設置された車両感知器6から入力された車両感知信号を処理する交通状況補正処理部12と、隣接する交差点の信号灯器1を制御する信号制御装置2とのデータ通信を制御する第1の通信部13と、第1の通信部13において隣接する交差点の信号制御装置2から送られてきた流入予測情報や流出抑制情報を処理する隣接交差点情報入力処理部14と、対象交差点の交通状況をシミュレーションするシミュレーション部15と、シミュレーション部15におけるシミュレーション結果から隣接する交差点の信号灯器1を制御する信号制御装置1に送る流入予測情報や流出抑制情報を取得し、第1の通信部13を介して該当する信号制御装置1に送信する隣接交差点情報出力処理部16と、対象交差点の信号灯器1を制御する信号制御パラメータを決定する信号制御パラメータ決定部17と、信号制御パラメータ決定部17で決定された信号制御パラメータにより対象交差点の信号灯器1を制御する信号灯器制御部18と、中央装置4とのデータ通信を行う第2の通信部19と、第2の通信部19において中央装置4から送られてきた政策指令を処理する中央装置情報入力処理部20と、信号灯器1の制御を評価して得られた知識情報を蓄積的に蓄える知識情報管理部21と、対象交差点における交通状況を統計的に処理する統計情報処理部22と、車両感知器5、6等の動作異常を監視する動作監視部23と、統計情報処理部22で処理された統計情報や、動作監視部23による監視情報を第2の通信部19を介して中央装置4へ送出する中央装置情報生成部24と、を備えている。
なお、ここでは隣接する交差点の信号制御装置2との通信を行う第1の通信部13と、中央装置4との通信を行う第2の通信部19と、を機能ブロックとして分けているが、ハードウェア的には1つの通信部である。
感知器情報処理部11は、対象交差点の流入リンクの上流に設置された車両感知器5の車両感知信号から、n秒毎に車両感知器5の感知位置を通過した車両台数を時系列に示す時系列情報を生成する(図3(A)参照)。この図では、各スリットの高さが車両台数を示している。このn秒は、この時系列情報のリアルタイム性を保つために、できるだけ短い時間であることが望ましいが、この時間内に通過する車両の台数(2〜3台)を確保できる長さが必要であるので、上記n秒は5秒前後にするのが好ましい。感知器情報処理部11は、車両感知器5の感知位置を通過した車両台数を示す時系列情報をシミュレーション部15に渡す。
交通状況補正処理部12は、車両感知器6の車両感知信号から対象交差点から隣接する下流側交差点の流入リンクに流出した車両の台数、または赤信号により対象交差点から流出できずに停止している車両の台数を検出する。交通状況補正部12は、この情報を対象交差点における車両の到着予測情報を補正する情報として、シミュレーション部15に渡す。
隣接交差点情報入力処理部14は、隣接する上流側交差点の信号制御装置1から送られてきた流入予測情報、および隣接する下流側交差点の信号制御装置1から送られてきた流出抑制情報をシミュレーション部15に渡す。流入予測情報は、車両感知器5による感知信号から生成される時系列情報と同様に、n秒毎に隣接する上流側交差点から対象交差点の流入リンクに流入する車両の予測台数を示す時系列情報である。隣接する上流側交差点の信号制御装置2から送られてくる流入予測情報は、現在時刻からt秒後以降に交差点の流入リンクに流入する車両の予測台数である。隣接交差点情報処理部14は、隣接する上流側交差点の信号制御装置2から過去に送られてきた流入予測情報から、t秒後以前の一定時間分の流入予測情報を、今回送られてきた流入予測情報に加え、これをシミュレーション部15に渡す(図3(B)参照)。ここで過去分を加えている理由は、(隣接する上流側交差点から車両感知器5の感知位置までの車両の旅行時間+t秒)の間、対象交差点における到着予測情報が生成できなくなるのを防止するためである。
流出抑制情報は、隣接する下流側交差点の流入リンクに滞留している車両の予測台数に応じたn秒毎の時系列情報であり、その詳細については後述する。
シミュレーション部15は、対象交差点の流入リンクの交通状況をn秒毎にシミュレーションする。シミュレーション部15は、流入予測情報、および車両感知器5の感知信号から生成された時系列情報を基づいて、対象交差点における車両の到着予測情報を生成する。具体的には、車両感知器5の感知位置から対象交差点までの車両の旅行時間さきの未来まで、車両感知器5の感知信号から生成された時系列情報により対象交差点の車両の到着予測情報を生成し、車両感知器5の感知位置から対象交差点までの車両の旅行時間以降における対象交差点の車両の到着予測情報を流入予測情報から生成する(図3(C)参照)。そして、交通状況補正処理部12から入力された交差点付近の交通状況を用いて、この到着予測情報を補正する。シミュレーション部15は、補正した到着予測情報を用いて、現在の信号パラメータで信号灯器1を制御した場合をシミュレーションし、流入予測情報、および流出抑制情報を生成する。隣接交差点情報出力処理部16は、このシミュレーション部15において生成された流入予測情報、および流出抑制情報を第1の通信部13から隣接する交差点の信号制御装置2に送る。
信号制御パラメータ決定部17は、所定のタイミング、例えば信号灯器1において次のサイクルを開始する一定時間前、になると、以後の信号制御パラメータを決定する処理を行う。信号制御パラメータ決定部17は、この処理で決定した信号制御パラメータを信号灯器制御部18に渡す。信号灯器制御部18は、渡された信号制御パラメータにより信号灯器1を制御する。また、信号制御パラメータ決定部17は、決定した信号制御パラメータをシミュレーション部15に渡す。シミュレーション部15は、上記シミュレーションを行う信号制御パラメータを、今回信号制御パラメータ決定部17から渡された信号制御パラメータに更新し、以後のシミュレーションではこの信号制御パラメータを使用する。
中央装置情報入力処理部20は、中央装置4からの政策指令、例えば幹線優先指令、エリア内流入抑制指令、エリア外流出促進指令、事故/工事/規制等によるリンク流入抑制指令を信号制御知識情報管理部21に渡す。信号制御知識情報管理部21は、過去の信号灯器1の制御評価により学習を行い、中央装置4からの政策指令毎に、そのときの信号制御パラメータ、流入リンクにおける交通状況等を対応づけた情報等を記憶している。
中央装置情報生成部24は、統計情報処理部22で生成された対象交差点の流入リンクの交通状況を統計的に処理した統計情報や、動作監視部23における監視結果を第2の通信部19を介して中央装置4に送信する。中央装置4は、各信号制御装置2から送られてきた情報を用いて、対象エリアにおける交通状況を統計的に管理する。
次に、この実施形態の信号制御装置2の動作について説明する。この実施形態の信号制御装置2は、対象交差点の流入リンクにおける交通状況をシミュレーションし、隣接する下流側交差点の信号制御装置1に送る流入予測情報、および隣接する上流側交差点の信号制御装置に送る流出制限情報を生成する交通状況シミュレーション処理、および対象交差点の信号灯器を制御する信号制御パラメータを決定する信号制御パラメータ決定処理を実行する。交通状況シミュレーション処理はn秒毎に実行され、信号制御パラメータ決定処理は所定のタイミング、ここでは信号灯器1の次のサイクルを開始する一定時間前、になる毎に実行される。
まず、交通状況シミュレーション処理について説明する。図4は、交通状況シミュレーション処理を示すフローチャートである。この処理は、対象交差点の流入リンク毎に行われる(例えば、ともに対向車線を有する幹線道路と従道路とが交差する交差点では4つの流入リンクについて行われる。)が、ここでは特定の流入リンクについてのみ説明する。この処理は、シミュレーション部15において実行される。信号制御装置2は、対象交差点における車両の到着予測情報を生成する(s1)。この到着予想情報は、上述したようにn秒毎に対象交差点に到着する車両の台数を示す時系列情報である(図3(C)参照)。信号制御装置2は、この到着予測情報を用いて、対象交差点の流入リンクにおける交通状況をシミュレーションする(s2)。
なお、s1で生成する到着予測情報は、隣接する上流側交差点から送られてきた流入予測情報のみを用いて生成することもできる。しかし、この場合、流入予測情報があくまでもシミュレーション結果による予測であることから、生成される到着予測情報と、対象交差点における実際の車両の到着状況と、の間に生じる差が大きくなることもある。また、車両感知器5の感知信号のみで対象交差点における到着予測情報を生成することもできる。この場合、車両感知器5の感知位置を実際に通過した車両の情報に基づいて到着予測情報が生成されるので、この到着予測情報と、対象交差点における実際の車両の到着状況と、の差を抑えることができる。しかし、現在から車両感知器5の感知位置から対象交差点までの車両の旅行時間の未来までしか到着予測情報を生成できない。そこで、この実施形態では、上述したように、現在から車両感知器5の感知位置から対象交差点までの車両の旅行時間さきの未来までを車両感知器5の感知信号から生成された時系列情報により対象交差点の車両の到着予測情報を生成し、車両感知器5の感知位置から対象交差点までの車両の旅行時間以降における対象交差点の車両の到着予測情報を流入予測情報から生成するようにしている。これにより、対象交差点における実際の車両の到着状況との差が小さく、且つ十分さきの未来まで到着予測情報を生成できる。
また、s1では交通状況補正処理部12から入力された情報を用いて、到着予測情報を補正しているので、車両感知器5の感知位置を通過した時間が、この間の車両の旅行時間よりも以前である車両であっても、赤信号等で対象交差点から下流側交差点の流入リンクに流出できずに、対象交差点の流入リンクに滞留している車両を対象交差点から既に流出した車両として取り扱うこともない。したがって、対象交差点における実際の車両の到着状況との差が極めて小さく、且つ十分さきの未来まで到着予測情報を生成できる。
ここで、s2にかかるシミュレーションについて説明する。このシミュレーションでは、この時点で対象交差点の信号灯器1を制御している信号制御パラメータが使用される。図5(A)は、この処理で使用するフィルタを示している。このフィルタは、信号灯器1が青であるとき、n秒毎にm台の車両が隣接する下流側のリンクに流出可能であることを示している。車両は、信号灯器1が赤であるとき、隣接する下流側のリンクに流出できない。
なお、ここでは、特に信号灯器1が黄色の時間を示していないが、ここではこの時間を信号灯器1が青である時間に含めている。
図5(B)は、s1で今回生成された到着予測情報であり、図5(C)は図5(A)に示したフィルタと、図5(B)に示した到着予測情報を、時間軸を合わせて重ねた図である。到着予測情報の先頭のスリットを対象のスリットとし、この対象のスリットで示される車両が隣接する下流側交差点の流入リンクに流出されるかどうかを判定する。この先頭のスリットで示される車両は、信号灯器1が赤である時間に対象交差点に到着するので、隣接する下流側交差点の流入リンクに流出できず、交差点の停止線付近で停止する。流出できなかった車両は次のスリットに加算する(図5(D)参照)。また、対象のスリットが対応する時間については、隣接する下流側交差点の流入リンクに車両が流出されないので、流入予測情報におけるこの時間の車両の流出台数を0とする(図5(E)参照)。
対象のスリットを次のスリットにする。このスリットも信号灯器1が赤である時間であるので、上記と同様の処理が行われる(図5(F)、(G)参照)。対象のスリットを次のスリットにすると、このスリットは信号灯器1が青である時間に相当するので、隣接する下流側交差点の流入リンクに車両が流出される。また、このスリットでは、車両台数がフィルタで示される流出可能台数(m台)よりも多いので、隣接する下流側交差点の流入リンクにm台の車両が流出され、残りの車両については流出できなかったものとして、次のスリットに加算する(図6(A)参照)。また、流入予測情報における今回の対象スリットが対応する時間について車両の流出台数をm台とする(図6(B)参照)。
さらに、対象のスリットを次のスリットに移すと、このスリットでは、車両台数がフィルタで示される流出可能台数(m台)以下であるので、このスリットで示される車両が全て隣接する下流側交差点の流入リンクに流出され、流入予測情報における対象のスリットが対応する時間について、車両の流出台数を今回のスリットで示される車両の台数とする(図6(C)〜(E)参照)。
シミュレーション部15は、到着予測情報のスリットを時間軸方向に1つずつずらしながら、上述の処理を繰り返し、隣接する下流側交差点の流入リンクにn秒毎に流出される車両の予測台数を時系列に示した流入予測情報を生成する。言い換えれば、信号制御装置2は、隣接する上流側交差点の信号制御装置2が上述のシミュレーションで生成した流入予測情報を取得し、この流入予測情報を用いて上記到着予測情報を生成して上述のシミュレーションを行い、隣接する下流側交差点の信号制御装置2に送る流入予測情報を生成する。
また、s2のシミュレーションでは、隣接する上流側交差点の信号制御装置2に送る流出抑制情報も生成している。ここで流出抑制情報について詳細に説明する。各交差点の流入リンクには、予め車両許容台数が設定されている。この車両許容台数は、リンク内に滞留させることができる車両の台数であり、
車両許容台数=リンクの長さ/平均車長
により算出した値である。s2のシミュレーションでは、対象交差点の流入リンクに滞留している車両の合計台数をn秒毎に予測した時系列情報を作成する(図7(A)参照)。この時系列情報は、上記流入予測情報を生成する処理において、その時点における赤信号による待ち行列台数に当該リンク内を走行中の車両台数を加算し時系列に示したものであり、赤信号による待ち行列台数は、その時点でのs2の結果として得られ、当該リンク内を走行中の車両台数は、その時点における対象のスリットからT時間後までのスリットで示される車両の合計台数として得られる。時間Tは、対象交差点の流入リンクにおける車両の旅行時間(隣接する上流側交差点から対象交差点までの車両の走行時間)である。
シミュレーション部15が生成する流出抑制情報は、
(1)図7(A)に示す対象交差点の流入リンクに滞留している車両の合計台数をn秒毎に予測した時系列情報、
(2)車両許容台数から、その時点において対象交差点の流入リンクに滞留している車両の合計台数を差し引いた、処理余裕量をn秒毎に予測した時系列情報(図7(B)参照)、
(3)対象交差点の流入リンクに滞留している車両の合計台数を、車両許容台数で除算したリンク利用率をn秒毎に予測した時系列情報(図7(C)参照)のいずれであってもよい。
信号制御装置2は、s2にかかるシミュレーションで生成した流入予測情報を隣接する下流側交差点の信号制御装置2に送る(s3)。また、このシミュレーションで生成した流出抑制情報を隣接する上流側交差点の信号制御装置2に送る(s4)。
このように、信号制御装置2は、n秒毎に図4に示した交通状況シミュレーション処理を実行し、隣接する下流側交差点の信号制御装置2に流入予測情報を送り、隣接する上流側交差点の信号制御装置2に流出抑制情報を送信している。言い換えれば、信号制御装置2は隣接する上流側交差点の信号制御装置2からn秒毎に流入予測情報が送られてくるとともに、隣接する下流側交差点の信号制御装置2からn秒毎に流出抑制情報を送られてくる。
なお、隣接する下流側交差点の信号制御装置2から送られてくる流出抑制情報は、図4に示した交通状況シミュレーション処理で利用されないが、以下に示す信号制御パラメータ決定処理で利用される。
信号制御パラメータ決定処理は、信号灯器1における次のサイクルが開始される一定時間前毎に実行される。この処理は、信号制御パラメータ決定部17において実行される。この実施形態の信号制御装置2は、青時間利用率、遅れ時間、および停止台数で信号制御パラメータを評価する。言い換えれば、青時間利用率、遅れ時間、および停止台数を評価指標として、信号制御パラメータを評価する。
まず、信号制御パラメータの評価指標である、青時間利用率、遅れ時間、および停止台数の算出方法について説明する。信号制御パラメータの評価指標である、青時間利用率、遅れ時間、および停止台数の算出対象を図8を参照しながら説明する。図8に、対象交差点の信号灯器1の、時間的に連続する3つのサイクル(サイクルP、P+1、P+2)を示している。サイクルPが現在のサイクルである。また、図8に示すステージ1〜Nは、対象交差点における信号灯器1の各パターンである。例えば、幹線道路と従道路とが交差する交差点では、1サイクルを幹線道路が青で従道路が赤であるパターン(ステージ1)と、幹線道路が赤で従道路が青であるパターン(ステージ2)の2つのステージで構成することが多い。1サイクルに含まれるステージの総数は、その交差点における信号灯器1のパターン数で決まる。青時間利用率は次のサイクルの開始から終了までが評価指標の算出対象範囲であり、遅れ時間および停止台数は次のサイクルの開始から、その次のサイクルの終了までが評価指標の算出対象範囲である。
青時間利用率は、青時間がどの程度効率的に使われているかを示す量で、流出先リンク別に算出する。具体的には、上記交通状況シミュレーション処理で説明した流入予測情報を生成し、次のサイクルの青時間において対象交差点から流出する車両の合計台数を、この青時間において対象交差点から流出可能な最大車両台数で除算した値を青時間利用率として算出する。したがって、この青時間利用率が大きいほど、青時間が効率的に使用されている。
また、遅れ時間は、対象交差点から隣接する下流側交差点の流入リンクへ流出できず、対象交差点の停止線付近において車両が停止する停止時間の合計である。具体的には、上記交通状況シミュレーション処理で説明した流入予測情報を生成するときに、対象スリットにおいて流出できずに次のスリットに回した車両の台数とスリットの幅(n秒)との積の総和を、遅れ時間として算出する。信号制御装置2は、信号灯器の次のサイクル開始から、その次のサイクルの終了までを対象範囲として、遅れ時間を算出する。
また、停止台数は、対象交差点から隣接する下流側交差点の流入リンクへ流出できず、対象交差点の停止線付近において停止する車両の合計台数である。この停止台数は、上記交通状況シミュレーション処理で説明した流入予測情報を生成するときに、対象スリットにおいて流出できずに次のスリットに回された車両の台数の合計ではなく、対象スリットにおいて流出できずに次のスリットに回された車両であっても、1つ前のスリットから流出できずに回された車両については1台としてカウントする。信号制御装置2は、信号灯器の次のサイクル開始から、その次のサイクルの終了までを対象範囲として、停止台数を算出する。
なお、遅れ時間、および停止台数も、青時間利用率と同様に、流出先リンク別に算出される。
図9は、信号制御パラメータ決定処理を示すフローチャートである。信号制御装置1は、青時間利用率、遅れ時間、および停止台数を算出し(s11)、さらにs11で算出した遅れ時間、および停止台数を用いてパフォーマンスインデックス(以下、PIと言う。)を算出する(s12)。PIは、後述するが、信号制御パラメータの評価指標として利用する。s12では、
PI=Σi(ai×(遅れ時間)+bi×(停止台数))
により、PIを算出する。ここで、iは流出先リンクの相対番号である。また、ai、biは重み付け係数であり、信号制御知識情報管理部21から信号制御パラメータ決定部17に渡される。信号制御知識情報管理部21は、中央装置4からの政策指令の種類毎に重み付け係数ai、biを記憶し、管理している。信号制御知識情報管理部21は、その時点における中央装置4からの政策指令の種類(例えば、幹線道路優先、対象エリア内への流入抑制、対象エリアからの流出促進)に応じた重み付け係数ai、biを信号制御パラメータ決定部17に渡す。したがって、s12で算出されるPIは、その時点における中央装置4からの政策指令を反映した値となり、この値を用いて以下に示す処理を行うことにより、対象交差点の信号灯器1に対する信号制御パラメータに中央装置4からの政策指令を反映させることができる。
次に、信号制御装置1は、青時間利用率によるサイクル長の調整処理を行う(s13)。図10は、青時間利用率によるサイクル長の調整処理を示すフローチャートである。このサイクル長の調整は、前回のサイクル長に変更を加えるという形で行われる。信号制御装置1は、スプリットを再配分する(s21)。s21にかかるスプリットの再配分は、青時間利用率が最も高いステージの秒数を予め定めた時間Δtだけ延ばし、反対に青時間利用率が最も小さいステージの秒数を予め定めた時間Δtだけ短縮し、このときの各ステージの青時間利用率を算出する処理を所定回数繰り返す。そして、各ステージにおける青時間利用率の分散(ばらつき)が最小になったパターンを選択する。
なお、1回目は、現在のスプリットについてスプリットを再配分して各ステージの青時間利用率を算出し、2回目以降は前回青時間利用率を算出したスプリットについてスプリットを再配分して各ステージの青時間利用率を算出する処理を所定回数繰り返す。
信号制御装置2は、s21にかかるスプリットの再配分を完了すると、青時間利用率が90%を超えるステージがあるかどうかを判定する(s22)。s22で青時間利用率が90%を超えるステージがあると判定すると、サイクル長をΔC延長し(s23)、s21で説明したスプリットの再配分を再度行う(s24)。ここでサイクル長を延長したΔCに相当する時間については、青時間利用率が最大であるステージに加えてスプリットの再配分を行ってもよいし、青時間利用率が90%を超えるステージに均等に分割して加えてスプリットの再配分を行ってもよい。信号制御装置2は、s24で選択したパターンを次のサイクルの信号制御パラメータに仮決定する(s25)。
一方、s22で青時間利用率が90%を超えるステージがないと判定すると、サイクル長をΔC短縮し(s26)、s21で説明したスプリットの再配分を再度行う(s27)。ここでサイクル長を短縮したΔCに相当する時間については、全てのステージから均等に差し引いてもよいし、青時間利用率が予め定めた値、例えば60%、以下のステージから均等に差し引いてもよい。
信号制御装置2は、s26でスプリットの再配分を完了すると、青時間利用率が90%を超えるステージがあるかどうかを判定する(s28)。s28で青時間利用率が90%を超えるステージがあると判定すると、次のサイクルの信号制御パラメータをs21で選択したパターンに仮決定する(s29)。また、信号制御装置2は、s28で青時間利用率が90%を超えるステージがないと判定すると、次のサイクルの信号制御パラメータをs27で選択したスプリットに仮決定する(s30)。
s25で仮決定される信号制御パラメータはサイクル長がΔC延長されており、s29で仮決定される信号制御パラメータはサイクル長が変化しておらず、s30で仮決定される信号制御パラメータはサイクル長がΔC短縮されている。
信号制御装置1は、s13にかかる青時間利用率によるサイクル長の調整処理を完了すると、この処理で仮決定した信号制御パラメータについてPIによる評価を行う(s14)。s14は、次の次のサイクルの開始タイミングを決定するための処理である。具体的には、上記s13において仮決定された信号制御パラメータについて、サイクルの開始タイミングを、「m×Δoffだけ早めた場合」、「(m−1)×Δoffだけ早めた場合」、・・・、「Δoffだけ早めた場合」、「サイクルの開始タイミングを変更しない場合」、「Δoffだけ遅らせた場合」・・・「(m−1)×Δoffだけ遅らせた場合」、「m×Δoffだけ遅らせた場合」、の(2m−1)通りのパターンについて、PIを算出する。そして、ここで算出したPIが最適である、すなわちPIが最小である、開始タイミングを選択する。
図11に示すように、次の次のサイクルの開始タイミングを変更すると、次のサイクルのサイクル長が変化する。したがって、s13で仮決定した信号制御パラメータについてスプリットを変更させる必要が生じる。信号制御装置1は、s14で選択した次の次のサイクル開始タイミングにより、次のサイクルのサイクル長が変化した場合、スプリットの再配分を行う(s15、s16)。s16におけるスプリットの再配分は、延長、または短縮されたサイクル時間を、各ステージに均等に振り分けてもよいし、サイクル長が延長された場合青時間利用率が最大のステージを今回延長された時間だけ延長し、反対にサイクル長が短縮された場合、青時間利用率が最小のステージを今回短縮された時間だけ短くしてもよい。
信号制御装置1は、s16でスプリットを再配分した信号制御パラメータ、またはs16にかかる処理が行われなかったときにはs14でPIによる評価を行った信号制御パラメータについて、隣接する下流側交差点の信号制御装置2から送られてきている流出抑制情報を満足するかどうかを判断する(s17)。具体的には、現時点における信号制御パラメータでの隣接する下流側交差点の流入リンクへの流入予測情報と、今回仮決定されている信号制御パラメータでの隣接する下流側交差点の流入リンクへの流入予測情報との差分を求め、この差分と、隣接する下流側交差点から送られてきている流出抑制情報とを用いて、隣接する下流側交差点の流入リンクにおいて、滞留している車両台数が、この流入リンクの車両許容台数をの80%を超えるかどうかを判定する。s17では、80%を超える場合、満足しないと判断する。
なお、この80%は予め決められた値であり、他の値であってもよい。また、この流入リンクの車両許容台数から滞留している車両台数を引いた処理余裕量が、予め定められた台数、例えば20台、を以下になるか(20台以下になる場合、満足しないと判断する。)台どうかを判定してもよい。
信号制御装置1は、s17で満足すると判定すると、この時点で仮決定している信号制御パラメータを次の信号制御パラメータに決定する。一方、満足しないと判断した場合、この時点で仮決定されている信号制御パラメータを補正する(s18)。この補正は、例えば満足しない流入リンクに流入する車両台数が最大のステージについて青時間を所定時間短縮し、反対に満足しない流入リンクに流入する車両台数が最小のステージについて青時間を所定時間延長する。s18では、混雑している流入リンクへの車両の流出を抑制するように信号制御パラメータを補正している。
また、信号制御パラメータの決定処理において、s17で流出抑制情報を満足しないとする判断が連続しているときには、その連続している回数に応じて、s18で補正する時間を決定するようにしてもよい。例えば、満足しない流入リンクに流入する車両台数が最大のステージについて短縮する青時間を、連続している回数と所定時間との積にしてもよい。
信号制御装置1は、上記信号制御パラメータ決定処理で決定した信号制御パラメータを信号灯器制御部18、およびシミュレーション部15に渡す。信号灯器制御部18は、信号制御パラメータ決定部から渡された信号制御パラメータに基づいて、対象交差点に設置されている信号灯器1を制御する。また、シミュレーション部15は、以降の交通状況シミュレーション処理において、今回渡された信号制御パラメータを使用する。
このように、この実施形態の信号制御装置1は、隣接する上流側交差点からの流入予測情報だけでなく、隣接する下流側交差点から送られてきた流出抑制情報を用いて信号灯器1を制御する信号制御パラメータを決定することから、隣接する下流側交差点の流入リンクにおいて渋滞が発生するのを抑えることができ、車両をスムーズに走行させる適正な信号灯器1の制御が行える。
また、対象交差点における車両の到着予測情報を、隣接する上流側交差点から送られてきた流入予測情報、対象交差点の流入リンクの上流に設置した車両感知器5による感知信号、および車両感知器6による交差点付近の交通状況を用いて生成しているので、対象交差点における車両の到着予測情報の精度を向上したので、結果的に得られる信号制御パラメータを一層適正なものにできる。また、この精度を高めた到着予測情報に基づいて流出予測情報を生成するので、隣接する下流側交差点の信号制御装置2に対して、精度の高い流出予測情報を送ることができる。言い換えれば、隣接する上流側交差点の信号制御装置2から精度の高い流入予測情報を得ることができる。したがって、信号制御パラメータの決定に使用する到着予測情報の精度が極めて高く、適正な信号制御パラメータを決定できる。
また、PIによる評価で中央装置4からの政策指令を反映させた信号制御パラメータの決定が行えることから、中央装置4による政策的運用も行える。
また、バス等の公共車両や、救急車、消防車等の緊急車両(以下、特定車両と言う。)を優先的に走行させることもできる。具体的には、特定車両を検出した場合、図12(A)に示すように、到着予測情報において、特定車両であることを示す識別子を検出した特定車両につける。そして、到着予測情報に識別子が付された車両があれば、この車両を図12(B)に示すようにm台の車両におきかえた到着予測情報を生成し、ここで生成した到着予測情報を用いて信号制御パラメータを決定する。
このように、特定車両をm台の車両として見るだけで、特定車両が滞留する道路については滞留する車両の台数が、実際よりも多い台数で信号制御パラメータが決定されるので、そのリンクにおける車両の走行がスムーズになり、結果的に特定車両の走行をスムーズにできる。特定車両の検出は、公知のビーコン等を道路に設置し、路車間通信により検出してもよいし、他の方法で検出してもよい。
特定車両の走行を優先する信号灯器1の制御は、上記隣接する下流側交差点の信号制御装置2から送られてきた流出抑制情報を用いないで信号制御パラメータを決定する、従来の信号制御装置であっても、特定車両をm台の車両として取り扱うことにより実現できるが、隣接する下流側交差点の信号制御装置2から送られてきた流出抑制情報を用いて信号制御パラメータを決定するほうが好ましいことは言うまでもない。
なお、交差点A、B、Cをつなぐ幹線道路が対向車線を有する道路である場合に、両方向の車線が混雑することはあまりおきないので、混雑している側の車線の交通状況が上記信号制御パラメータの決定処理に大きく影響与える。また、両方向の車線が混雑した場合、交差点Bでは交差点Cへの車両の流出を抑制し、反対に交差点Aへの車両の流出を促進する信号灯器の制御が要求されるが、このような場合には時差による信号灯器1の制御を行えばよい。具体的には、交差点Cへ流出する車両用の信号灯器1を赤にし、交差点Aへ流出する車両用の信号灯器1を青にする時間を設ければよい。このとき、幹線道路用の信号灯器1については赤である。さらに、幹線道路と従道路とが混雑した場合については、中央装置4により幹線優先、従道路優先を決めてもよいし、予め時間帯や曜日で幹線優先、従道路優先を決めておいてもよい。
また、図10に示した青時間利用率によるサイクル長の変更処理を図13に示す処理に置き換えてもよい。図13は、s22で青時間利用率が90%を超えるステージがあると判定された場合、およびs28で青時間用率が90%を超えるステージがないと判定された場合、サイクル長の延長、または短縮が所定回数、または適正な判定が行われるまで繰り返されるように、s41、s42、s43を追加した処理である。これにより、次のサイクルのサイクル長を大きく変化させることもでき、急激な交通状況の変化に対しても、適正な信号制御パラメータを決定できる。
なお、この場合、s25ではs24で最後に選択したパターンを次のサイクルの信号制御パラメータに仮決定する。また、s29では前回選択したパターンを次のサイクルの信号制御パラメータに仮決定し、s30では最後(今回)選択したパターンを次のサイクルの信号制御パラメータに仮決定する。
この発明の実施形態である信号制御システムの構成を示す図である。 この発明の実施形態である信号制御装置の機能構成を示すブロック図である。 到着予測情報の生成に用いる時系列情報を説明する図である。 この発明の実施形態である信号制御装置における交通状況シミュレーション処理を示すフローチャートである。 この発明の実施形態である信号制御装置における流入予測情報の生成にかかる処理を説明する図である。 この発明の実施形態である信号制御装置における流入予測情報の生成にかかる処理を説明する図である。 この発明の実施形態である信号制御装置における流出抑制情報の生成にかかる処理を説明する図である。 信号制御パラメータの評価指標である、青時間利用率、遅れ時間、および停止台数の算出対象を説明する図である。 この発明の実施形態である信号制御装置における信号制御パラメータ決定処理を示すフローチャートである。 この発明の実施形態である信号制御装置における青時間利用率によるサイクル長の調整処理を示すフローチャートである。 PI評価による信号制御パラメータの決定にかかる処理を説明する図である。 この発明の別の実施形態である信号制御装置における特定車両の走行を優先する信号灯器の制御を説明する図である。 この発明の別の実施形態である信号制御装置における青時間利用率によるサイクル長の調整処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1−信号灯器
2−信号制御装置
3−データ通信ライン
4−中央装置
5、6−車両感知器
11−感知器情報処理部
12−交通状況補正処理部
13−第1の通信部
14−隣接交差点情報入力処理部
15−シミュレーション部15
16−隣接交差点情報出力処理部
17−信号制御パラメータ決定部
18−信号灯器制御部
19−第2の通信部19
20−中央装置情報入力処理部
21−知識情報管理部
22−統計情報処理部
23−動作監視部
24−中央装置情報生成部24

Claims (10)

  1. 道路網の交差点に設置された信号灯器を制御する自律分散型の信号制御装置において、
    制御対象の信号灯器が設置された対象交差点の流入リンクへの車両の流入状況を予測した流入予測情報を、隣接する上流側交差点の信号灯器を制御する別の信号制御装置から取得する流入予測情報取得手段と、
    上記流入予測情報取得手段が取得した上記流入予測情報に基づいて、対象交差点における車両の到着状況を予測した到着予測情報を生成する到着予測情報生成手段と、
    隣接する下流側交差点の流入リンクへの車両の流出台数の抑制を指示する流出抑制情報を、隣接する下流側交差点の信号灯器を制御する別の信号制御装置から取得する流出抑制情報取得手段と、
    上記到着予測情報生成手段が生成した到着予測情報、および上記流出抑制情報取得手段が取得した流出抑制情報に基づいて、対象交差点に設置された信号灯器にかかる信号制御パラメータを決定する信号制御パラメータ決定手段と、
    上記信号制御パラメータ決定手段が決定した制御パラメータにより対象交差点に設置された信号灯器を制御する信号灯器制御手段と、を備えた信号制御装置。
  2. 道路網の交差点に設置された信号灯器を制御する自律分散型の信号制御装置において、
    制御対象の信号灯器が設置された対象交差点の流入リンクの上流部に設置された車両感知器と、
    上記車両感知器における車両の感知信号に基づいて、対象交差点における車両の到着状況を予測した到着予測情報を生成する到着予測情報生成手段と、
    隣接する下流側交差点の流入リンクへの車両の流出台数の抑制を指示する流出抑制情報を、隣接する下流側交差点の信号灯器を制御する別の信号制御装置から取得する流出抑制情報取得手段と、
    上記到着予測情報生成手段が生成した到着予測情報、および上記流出抑制情報取得手段が取得した流出抑制情報に基づいて、対象交差点に設置された信号灯器にかかる信号制御パラメータを決定する信号制御パラメータ決定手段と、
    上記信号制御パラメータ決定手段が決定した制御パラメータにより対象交差点に設置された信号灯器を制御する信号灯器制御手段と、を備えた信号制御装置。
  3. 制御対象の信号灯器が設置された対象交差点の流入リンクの上流部に設置された車両感知器を備え、
    上記到着予測情報生成手段は、上記流入予測情報、および上記車両感知器における車両の感知信号に基づいて、対象交差点における車両の到着状況を予測した到着予測情報を生成する請求項1に記載の信号制御装置。
  4. 上記到着予測情報生成手段が生成した到着予測情報を用いて、その時点において決定されている信号制御パラメータにより信号灯器を制御した場合をシミュレーションし、隣接する下流側交差点の流入リンクへの車両の流入状況を予測した上記流入予測情報を生成する流入予測情報生成手段を備えた請求項1または3に記載の信号制御装置。
  5. 上記到着予測情報生成手段が生成した到着予測情報を用いて、その時点において決定されている信号制御パラメータにより信号灯器を制御した場合をシミュレーションし、対象交差点の流入リンクに滞留する滞留状況を予測し、この滞留状況に基づいて上記流出抑制情報を生成する流出抑制情報生成手段を備えた請求項1〜4のいずれかに記載の信号制御装置。
  6. 上記到着予測情報生成手段は、対象交差点の直前に配置した車両感知器により、対象交差点の交通状況を認識し、ここで認識した交通状況に応じて、既に生成されている上記到着予測情報を補正する請求項1〜5のいずれかに記載の信号制御装置。
  7. 上記到着予測情報生成手段は、上記到着予測情報を生成するとき、流入リンク内に予め定めた種類の特定車両が滞留していれば、この特定車両の走行が優先される到着予測情報を生成する請求項1〜6のいずれかに記載の信号制御装置。
  8. 道路網の交差点に設置された信号灯器を制御する自律分散型の信号制御装置において、
    制御対象の信号灯器が設置された対象交差点の流入リンクへの車両の流入状況を予測した流入予測情報を、隣接する上流側交差点の信号灯器を制御する別の信号制御装置から取得する流入予測情報取得手段と、
    上記流入予測情報取得手段が取得した上記流入予測情報に基づいて、対象交差点における車両の到着状況を予測した到着予測情報を生成する到着予測情報生成手段と、
    上記到着予測情報生成手段が生成した到着予測情報に基づいて、対象交差点に設置された信号灯器にかかる信号制御パラメータを決定する信号制御パラメータ決定手段と、
    上記信号制御パラメータ決定手段が決定した制御パラメータにより対象交差点に設置された信号灯器を制御する信号灯器制御手段と、を備え、
    上記到着予測情報生成手段は、上記到着予測情報を生成するとき、流入リンク内に予め定めた種類の特定車両が滞留していれば、この特定車両の走行が優先される到着予測情報を生成する信号制御装置。
  9. 道路網の交差点に設置された信号灯器を制御する自律分散型の信号制御装置において、
    制御対象の信号灯器が設置された対象交差点の流入リンクの上流部に設置された車両感知器と、
    上記車両感知器における車両の感知信号に基づいて、対象交差点における車両の到着状況を予測した到着予測情報を生成する到着予測情報生成手段と、
    上記到着予測情報生成手段が生成した到着予測情報に基づいて、対象交差点に設置された信号灯器にかかる信号制御パラメータを決定する信号制御パラメータ決定手段と、
    上記信号制御パラメータ決定手段が決定した制御パラメータにより対象交差点に設置された信号灯器を制御する信号灯器制御手段と、を備え、
    上記到着予測情報生成手段は、上記到着予測情報を生成するとき、流入リンク内に予め定めた種類の特定車両が滞留していれば、この特定車両の走行が優先される到着予測情報を生成する信号制御装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の信号制御装置を、対象エリア内の各交差点に設けるとともに、これらの信号制御装置とデータ通信ラインで接続した中央装置を有する自律分散型の信号制御システムであって、
    上記中央装置は、本システムの運用を政策的に指揮する政策指令を各信号制御装置に通知する政策指令通知手段を備え、
    上記信号制御装置は、信号制御パラメータ決定手段において上記中央装置からの政策指令を用いて信号制御パラメータを決定する信号制御システム。
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