JP2008305130A - 交通信号制御装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 複数の交差点Ciの交通信号機1が連動するように信号制御パラメータを設定する交通感応制御を行う交通信号制御装置4において、緊急車両9の目的地情報S8、位置情報S3及び速度情報S4を取得し、その位置情報S3と目的地情報S8とから緊急車両9の誘導経路12を求め、速度情報S4で特定される車両速度で緊急車両9が誘導経路12を走行する場合に、当該誘導経路12に含まれる交差点Ciを青で通過できるようにその各交差点Ciの信号制御パラメータを設定する誘導制御を行う。
【選択図】 図1
Description
このうち、後者の交通感応制御は、端末の交通信号制御機ごとに行う端末感応制御と、路線系統制御或いは面制御される複数の交差点を対象に信号制御パラメータを変化させる中央感応制御に分類される。
そこで、上記中央感応制御を行う交通管制センターでは、緊急車両からの通報を受けた場合に、緊急車両が現場に到着するための最短誘導経路を現場までのリンクコストが最小となるアルゴリズムによって探索し、この探索した誘導経路を緊急車両に送信することにより、制御エリア内での緊急体制の強化に努めている(特許文献1参照)。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、緊急車両が誘導経路を走行し易い交通感応制御を行えるようにして、緊急時の対応をより迅速化することができる交通信号制御装置及び方法を提供することを目的とする。
緊急車両の目的地情報、位置情報及び速度情報を取得する取得手段と、前記位置情報と目的地情報とから前記緊急車両の誘導経路を求める経路決定手段と、前記速度情報で特定される車両速度で前記緊急車両が前記誘導経路を走行する場合に、当該誘導経路に含まれる前記交差点を青で通過できるようにその各交差点の信号制御パラメータを設定する誘導制御を行う制御手段とを備えていることを特徴とする(請求項1)。
なお、上記の「交差点を青で通過できる」とは、交差点を直進する場合の通常の青表示だけでなく、交差点を直進、右折又は左折する場合の青矢等、緊急車両に通行権を与えるためのすべての信号表示を含む意味である。
この場合、誘導経路を示す経路情報が緊急車両に提供されるので、緊急車両の搭乗者は誘導経路の道順を事前に察知することができる。また、誘導制御の際の信号灯器の切り替えタイミングに関する信号情報が緊急車両に提供されるので、緊急車両の搭乗者は誘導経路の走行時に各交差点での信号灯器の切り替えタイミングを事前に察知することができるので、誘導経路をより安全かつ確実に走行することができる。
この場合、緊急車両の接近情報が一般の車両に提供されるので、この接近情報を察知した車両の搭乗者に緊急車両を優先させる運転をいち早く行わせることができる。このため、誘導経路上の交差点で他の車両が通行の邪魔になるのをより確実に防止することができる。
〔システムの全体構成〕
図1は、本発明を採用した交通信号制御システムの全体構成を示している。
図1に示すように、本実施形態の交通信号制御システムは、交通信号機1、車載装置2(図2参照)、車両感知器3、中央装置4、車載装置2を搭載した一般の車両5と緊急車両9などを含む。
従って、中央装置4は、各交通信号機1と双方向通信が可能であり、各交通信号機1は他の交通信号機1とも双方向通信が可能である。なお、中央装置4は、交通管制センターではなく道路上に設置してもよい。
なお、図1では、図示を簡略化するために、各交差点Ciに信号灯器1bが1つだけ描写されているが、実際の各交差点Ciには、例えば図2に示すように、互いに交差する道路の上り下り用として4つの信号灯器1bが設置されている。
更に、図2に示すように、主道路RMは、北行きの上り線RM1と南行きの下り線RM2とを備え、従道路RSは、東行きの上り線RS1と西行きの下り線RS2とを備えているものとする。
図3は、中央装置4の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、中央装置4は、制御部401、表示部402、通信部403、記憶部404及び操作部405を含んでいる。
中央装置4の制御部401は、ワークステーション(WS)やパーソナルコンピュータ(PC)等よりなり、交通信号機1や車両感知器3からの各種の交通情報の収集・処理(演算)・記録、信号制御及び情報提供を統括的に行う。中央装置4の制御部401は、内部バスを介して上記ハードウェア各部と繋がっており、これら各部の動作も制御する。
そして、中央装置4の制御部401は、上記交通感応制御の一貫として、制御エリア内で発生した事件現場13に緊急車両9を誘導するための誘導制御を行う。この誘導制御の内容については、後述する。
なお、上記制御種別情報S6で識別される制御種別には、中央装置4が通常時に行う各種の感応制御の他、後述する緊急車両9に対する誘導制御も含まれる。
また、中央装置4の通信部403は、各交通信号機1の通信部103から、車載装置2が搭載されている車両5の車両ID、位置情報S3及び速度情報S4と、車両感知器3の感知信号S5とをリアルタイム(例えば、0.1〜1.0秒周期)で受信している。
また、中央装置4の記憶部404は、制御部401が生成した前記信号制御指令S1、交通情報S2及び制御種別情報S6と、LAN側から取得した車両ID、位置情報S3、速度情報S5及び感知信号S5を一時的に記憶する。
中央装置4の操作部405は、キーボードやマウス等の入力インタフェースよりなり、この操作部405によって中央オペレータが上記表示部402に対する表示切り替え操作等を行えるようになっている。
図2は、制御エリアに含まれる各交通信号機1の全体構成を示す模式図である。
図2に示すように、本実施形態の交通信号機1は、主道路の上下線RM1,RM2及び従道路の上下線RS1,RS2のそれぞれに設置された4つの信号灯器1bと、この信号灯器1bと通信回線8を介して接続された交通信号制御機1aとを備えている。
交通信号制御機1aは、中央装置4から受信した交通情報S2と自身が記憶している交差点IDを、所定周期(例えば、0.1秒ごと)で車載装置2に送信する。また、交通信号制御機1aは、車載装置2から車両5の位置情報S3及び速度情報S4を受信し、車両感知器5から感知信号S5を受信する。
図4に示すように、交通信号制御機1aは、制御部101、灯器駆動部102、有線通信部103、無線通信部105及び記憶部104を含んでいる。
交通信号制御機1aの制御部101は、一又は複数のマイクロコンピュータから構成されている。制御部101には、内部バスを介して灯器駆動部102、通信部103及び記憶部104が接続されており、制御部101はこれらのハードウェア各部の動作を制御する。
灯器駆動部102は、半導体リレー(図示せず)を備え、上記制御部101から入力された出力指令S1に基づいて、複数の信号灯器1bの青色灯、黄色灯、赤色灯それぞれに対応して各色の信号灯に供給される交流電圧(AC100V)又は直流電圧をオン/オフする。
また、交通信号制御機1aの無線通信部105は、交差点Ciに流入する一般車両5や緊急車両9の車載装置2との間で無線通信を行う通信インタフェースであり、事件発生の有無に拘わらず、交通情報S2を車載装置2に送信し、車両5の車両ID、位置情報S3及び速度情報S4を車載装置2から受信する。
図2に示すように、この無線通信部105は、交差点Cに流入するすべての道路RM1,RM2,RS1,RS2上の車両5の車載装置2と通信可能となっている。
交通信号制御機1aの記憶部104は、ハードディスクや半導体メモリ等から構成されており、有線通信部103が受信した信号制御指令S1、交通情報S2、感知信号S5及び制御種別情報S6や、無線通信部105が受信した車両5,9の車両ID、位置情報S3及び速度情報S4等を記憶する。
一般車両5及び緊急車両9に搭載された車載装置2は、交通信号制御機1aとの間で各種情報を無線通信する通信機能と、搭乗者が設定した目的地に案内するナビゲーション機能を有する。図5は、その車載装置2の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、車載装置2は、GPS処理部201、方位センサ202、車速取得部203、通信部204、記憶部205、操作部206、表示部207、音声出力部208及び処理部209等を含んでいる。
方位センサ202は、光ファイバジャイロなどで構成されており、車両5,9の方位及び角速度を計測する。車速取得部203は、車速センサ(図示せず)が車輪の角速度を検出することにより計測した車両5,9の速度データを取得する。
車載装置2の記憶部205は、ハードディスクや半導体メモリ等から構成されており、通信部204が受信した交通情報S2等を記憶する。また、記憶部205は、道路地図データを記憶している。
リンクコストは、例えば、リンクとその終点に接続するリンクの組み合わせの数だけ用意されており、リンクの始点に進入してから当該リンクの終点を退出し、次に接続するリンクの始点に進入するまでに要する時間が設定されている。すなわち、リンクコストには、リンクの始点から終点までを走行するのに要するコスト(時間)と、リンクの終点から次のリンクの始点までを走行するのに要するコスト(時間)、つまり、交差点を通過するのに要するコストが含まれている。
車載装置2の表示部207は、車両5,9のダッシュボード部分に取り付けられたモニタ装置(図示せず)よりなり、処理部209が作成した画像データを搭乗者に表示する。また、音声出力部208は、処理部209が作成した音声データをスピーカー(図示せず)から出力する。
また、処理部209は、GPS処理部201が計測した車両5,9の位置、方位センサ202が計測した車両5の方位及び角速度、車速取得部203が取得した車両5,9の速度の各データ、記憶部205に記憶している道路地図データに基づいてマップマッチング処理を行い、道路地図データのリンク上における車両5の位置を求める。
次に、図1、図6及び図7を参照しつつ、中央装置4の制御部401が実行する緊急車両9に対する誘導制御について説明する。
制御エリア内における事件(火災、犯罪、交通事故及び急病等)の発生が関係部署等から緊急車両9に通報されると、事件発生の通報を受けた緊急車両9の搭乗者は、車載装置2の操作部206を操作して、緊急事態の発生を示す緊急情報S7と、事件発生現場13の位置を示す目的地情報S8を交通信号制御機1aに送信する。
上記緊急車両9の緊急情報S7、目的地情報S8、位置情報S3及び速度情報S4を中央装置4の通信部403が受信すると、中央装置4の制御部401は、緊急車両9の現在位置を示す位置情報S3と現場13の位置を示す目的地情報S8とから、緊急車両9が走行すべき誘導経路12を決定する。
なお、図1に示す例では、中央装置4の制御部401が決定した緊急車両9の誘導経路12は、交差点C11→交差点C7→交差点C3→交差点C2→現場(目的地)13のルートを辿るようになっている。
具体的には、中央装置4の制御部401は、誘導経路12に含まれる交差点Ciの交通信号機1について、緊急車両9から送信された速度情報9で特定される車両速度と、交通信号機1間の距離と、交通信号機1のサイクル長とから、各交通信号機1を青で発信した緊急車両9がその先の交通信号機1でも青で通過できるように各交通信号機1のオフセットを演算する。
そして、中央装置4の制御部401は、上記のように演算したオフセットを実行するための信号制御指令S1を、誘導経路12に含まれる各交差点Ci(図1の交差点C11,C7,C3,C2)の交通信号制御機1aに配信する。
すなわち、緊急車両9が誘導経路12を走行する場合において、その経路12上の交差点Ciの信号が赤の場合は、他の一般車両5が信号待ちをしていて緊急車両9の妨げとなり得るが、その信号が青の場合は、他の一般車両5も走行するので、緊急車両9の妨げとなり難い。従って、緊急車両9が誘導経路12を走行し易くなる。
また、本実施形態では、誘導経路12上の交差点Ciの信号が、緊急車両9が来る頃に青になるので、緊急車両9が徐行せずに交差点Ciを通過できる可能性が高まるとともに、交差側車両と交錯する可能性が殆どなくなり、交差点Ciを安全に通過できるという利点もある。
なお、緊急車両9の走行を優先するための青表示は、交差点Ciを直進する場合の通常の青表示だけでなく、交差点Ciを直進、右折又は左折する場合の青矢も含まれる。例えば、図1に示す交差点C3の信号灯器1bに左折を許可する青矢がある場合には、緊急車両9がこの交差点C3を通過する頃に当該青矢が表示されることになる。
中央装置4の制御部401は、上記誘導制御を行う場合、誘導経路12の道順を示す経路情報S9と、誘導経路12での信号切り替えタイミングに関する信号情報S10を生成する。
図6に示すように、これらの経路情報S9と信号情報S10は、誘導経路12に含まれる各交差点Ci(図1の交差点C11,C7,C3,C2)の交通信号制御機1aに送信され、その制御機1aの無線通信部105は、それらの経路情報S9と信号情報S10を緊急車両9の車載装置2に送信する。
このため、誘導経路12を走行する緊急車両9の搭乗者は、誘導経路12の道順と、誘導経路12の走行時における各交差点Ciでの信号灯器の切り替えタイミングを事前に察知することができ、誘導経路12を安全かつ確実に走行することができる。
図7に示すように、上記緊急車両9の接近情報S11は、緊急車両9が実際に各交差点Ci(図1の交差点C11,C7,C3,C2)に到着する頃にその各交差点Ci(図1の交差点C11,C7,C3,C2)の交通信号制御機1aに送信され、接近情報11を受信した制御機1aの無線通信部105は、当該接近情報S11を一般車両5の車載装置2に送信する。
このため、誘導経路12を走行中の一般車両5の搭乗者は、緊急車両9が接近中であることを事前に察知することができるので、緊急車両9を優先させる運転をいち早く行うことができる。
例えば、本発明は、中央装置4が広域制御を行う場合に限らず、LANに含まれる複数の交通信号機1が、中央装置4による制御とは別個のグループ単位での系統制御又は広域制御を行う場合にも適用することができる。
この場合、避難経路12での誘導制御や通行規制区間10への流入抑制制御を、中央装置4の制御部401ではなく、同じ制御グループ内の一つの交通信号制御機1aの制御部101に行わせることもできる。
1a 交通信号制御機
1b 信号灯器
101 制御部
102 灯器駆動部
103 有線通信部
104 記憶部
105 無線通信部
2 車載装置
201 GPS処理部
202 方位センサ
203 車速取得部
204 通信部(送信手段)
205 記憶部
206 操作部
207 表示部
208 音声出力部
209 処理部
3 車両感知器
4 中央装置(交通信号制御装置)
401 制御部(制御手段、経路決定手段)
402 表示部
403 通信部(取得手段、提供手段)
404 記憶部(記憶手段)
405 操作部
5 一般の車両
9 緊急車両
12 誘導経路
13 事件現場(目的地)
Ci 交差点
S1 信号制御指令
S2 交通情報
S3 位置情報
S4 速度情報
S5 感知信号
S6 制御種別情報
S7 緊急情報
S8 目的地情報
S9 経路情報
S10 信号情報
S11 接近情報
Claims (4)
- 複数の交差点の交通信号機が連動するように信号制御パラメータを設定する交通感応制御を行う交通信号制御装置であって、
緊急車両の目的地情報、位置情報及び速度情報を取得する取得手段と、
前記位置情報と目的地情報とから前記緊急車両の誘導経路を求める経路決定手段と、
前記速度情報で特定される車両速度で前記緊急車両が前記誘導経路を走行する場合に、当該誘導経路に含まれる前記交差点を青で通過できるようにその各交差点の信号制御パラメータを設定する誘導制御を行う制御手段とを備えていることを特徴とする交通信号制御装置。 - 前記誘導経路を示す経路情報と、前記誘導制御の際の信号灯器の切り替えタイミングに関する信号情報とを前記緊急車両に提供するための提供手段を更に備えている請求項1に記載の交通信号制御装置。
- 前記取得手段は、前記緊急車両の走行位置をリアルタイムで取得しており、
前記提供手段は、前記緊急車両の現時の走行位置に基づいて、当該緊急車両の接近情報を一般の車両に提供する請求項1又は2に記載の交通信号制御装置。 - 複数の交差点の交通信号機が連動するように信号制御パラメータを設定する交通感応制御を行う交通信号制御方法であって、
緊急車両の目的地情報、位置情報及び速度情報を取得し、
前記緊急車両の位置情報と目的地情報とから当該緊急車両の誘導経路を求め、
前記速度情報で特定される車両速度で前記緊急車両が前記誘導経路を走行する場合に、当該誘導経路に含まれる前記交差点を青で通過できるようにその各交差点の信号制御パラメータを設定する誘導制御を行うことを特徴とする交通信号制御方法。
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